JP4759421B2 - クイックコネクタ - Google Patents
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Description
このクイックコネクタには様々な種類,形態のものが知られているが、その一つとして、軸方向の一方の側に配管用チューブの接続部を有し、また他方の側にコネクタハウジングを有する筒状のコネクタ本体のリテーナ保持部に、リテーナを軸直角方向に装着し、そしてリテーナを軸直角方向の後退位置に位置させた状態で、相手パイプを接続位置(挿入完了位置)まで挿入可能とするとともに、リテーナを軸直角方向の嵌込完了位置である押込位置に位置させた状態で相手パイプを抜止状態にロックするようになしたものが知られている。
図19はその具体例を示している。
図において200は配管用チューブを接続すべき相手パイプで、先端から所定距離離れた位置の外周面に、環状に突出した形態の鍔状部202が設けられている。
204はクイックコネクタで、このクイックコネクタ204は筒状をなすコネクタ本体206と、相手パイプ200の抜止めをなすリテーナ208とを有している。
コネクタ本体206は、軸方向の一方の側に配管用チューブとの接続部209を有し、また他方の側にリテーナ保持部210を備えたコネクタハウジング212を有している。
このコネクタ本体206は、軸端に相手パイプ200の挿入用の開口214を備えている。
これら一対の弾性脚220の各先端部には、互いに軸直角方向の内向きに突出する爪222が設けられている。またこれら爪222にはカム部(掛止解除部)224が設けられている。
リテーナ208は、コネクタ本体206のリテーナ保持部210に対し軸直角方向に装着され、そして相手パイプ200を挿入する前の状態では、リテーナ保持部210において軸直角方向の後退位置に保持されている。
即ちリテーナ208は、爪222の第1掛止部226に対する掛止によって下向きへの移動、即ち嵌込完了位置である押込位置に向けての移動が阻止され、また第3掛止部228への掛止によって上向きへの移動、即ちリテーナ保持部210から軸直角方向外方に抜け出す方向にも移動が阻止された状態にある。
而して相手パイプ200を接続位置まで挿入すると、その過程で爪222に設けたカム部224が、相手パイプ200の鍔状部202の前面(図中Pで表す挿入方向の側の面)に当接して、カム作用で一対の弾性脚220を押し開き、爪222と第1掛止部226との掛止を解除する。尚このとき、爪222と第3掛止部228との掛止も同時に解除される。
この状態でリテーナ208は下向きに押込み可能な状態となる。
そこでリテーナ208を下向きに押し込んで、嵌込完了位置である押込位置で押し込むと、ここにおいて一対の抜止脚218が相手パイプ200の鍔状部202の後面に当接した状態となって、相手パイプ200の抜けを阻止する。即ち相手パイプ200をコネクタ本体206から抜止状態にロックする。
この押込位置では、リテーナ208の爪222がリテーナ保持部210の第2掛止部230に掛止した状態となって、リテーナ208がその押込位置に保持される。
この場合において上記第1掛止爪,第2掛止爪は軸直角方向に突出した形態となし、また第1掛止部,第2掛止部をそれら第1掛止爪,第2掛止爪に対応する向きで設けておくことができる。
また上記掛止解除部は、上記鍔状部の前面への当接によりカム作用で弾性脚を拡開させるカム部にて構成しておくことができる。
しかるに第3掛止爪を軸方向に突出する形態で設けておくことにより、抜止脚をリテーナ保持部の内部に挿入するための貫通の窓部の縁部の一部を第3掛止部として簡単に構成することが可能となり、第3掛止部を設けるために構造が特に複雑化してしまうといった問題も生じない。
このようにしておけば、抜止脚に設けた第3掛止爪を容易に窓部を通過してリテーナ保持部の内部に挿入することができる。
このようにすれば、更に容易に第3掛止爪及びこれを設けた抜止脚を、窓部を通じてリテーナ保持部の内部に挿入することが可能となる。
図1〜図4において、10は配管用チューブ(以下単にチューブと略す)を接続すべき金属製又は樹脂製の相手パイプ(ここでは樹脂製)で、先端から所定距離離れた位置の外周面に環状に突出した鍔状部12を有している。
14はクイックコネクタ(ここでは樹脂製)で、コネクタ本体16とリテーナ18とを有している。
コネクタ本体16は、全体として筒状且つエルボ状を成しており、軸方向の一方の側にチューブ接続部としてのニップル部20を有し、また他方の側にリテーナ保持部22を備えたコネクタハウジング24を有している。
これら環状突起26は、ニップル部20をチューブの内部に圧入したときにチューブの内面に食い込んでチューブの抜止めをなす。
尚このニップル部20の付根には、チューブへのニップル部20の圧入量を規定するフランジ部28が設けられている。
一方コネクタハウジング24は軸端(図中左端)に開口30を備えており、またその内部にはシールリングとしての一対のOリング32が、樹脂製の中間リング34及びブッシュ36とともに保持されている。
これらOリング32は、コネクタハウジング24内部に挿入された相手パイプ10の外周面に弾性接触して、コネクタハウジング24と相手パイプ10との間を気密にシールする。
相手パイプ10は、コネクタハウジング24内部に接続位置まで挿入され、その状態でリテーナ18により抜け止めされる。
図に示しているように、リテーナ18は全体として略門形をなす部材で、基部42と、基部42から軸直角方向に延び出した一対の抜止脚44、更にそれら抜止脚44の外側において基部42から抜止脚44と同じ方向に延び出した一対の弾性脚46を有している。
ここで一対の抜止脚44は、図2(B)に示しているようにリテーナ18を、リテーナ保持部22において軸直角方向に押込位置(嵌込完了位置)まで押し込んだ状態で、相手パイプ10の鍔状部12の後面に当接し、相手パイプ10のコネクタハウジング24からの抜止めをなす。
一方、一対の弾性脚46はリテーナ保持部22を外周面から抱きかかえるようにして弾性的に把持する部分で、互いに接近し又は離間する方向に、軸直角方向に弾性的に拡開又は収縮変形可能とされている。
これら一対の弾性脚46の端部には、互いに内向きに突出した爪48が一体に形成されている。
これらの図に示しているように、リテーナ18はこの後退位置において一対の弾性脚46のそれぞれの端部に設けられた爪48が、リテーナ保持部22に設けられた掛止部(第1掛止部)50に対し、リテーナ42の押込方向に掛止することで、押込移動が阻止された状態に保持される。即ち図中下向きの押込みが阻止された状態にリテーナ保持部22に保持される。
これら爪48はまた、リテーナ保持部22の掛止部(第3掛止部)52に対しても図中上向きに掛止した状態となり、爪48の掛止部52に対する掛止作用によって、リテーナ18が図中上向き、即ちリテーナ保持部22から軸直角方向外方に抜け出すのが防止される。
但し本実施形態において爪48は、第3掛止爪としての機能を有しないものとして構成しておくこともできる。即ち爪48に、リテーナ18の抜け防止のための爪としての機能を無くしておくことができる。
尚、リテーナ保持部22におけるこれら掛止部50,52は、図4に示しているように正面形状が鉤形形状に形成された貫通の窓部54の縁部にて構成されている。
但し抜け防止のための第3掛止爪52としての働きは、本実施形態では無くすことができる点は上記した通りである。
一対のガイド面62は、頂部Pより上側の部分が頂部Pから上向きに進むにつれて互いに接近する形状の面とされ、また下部が頂部Pから図中下向きに離れるにつれて互いに接近する形状の面とされている。
このカム部64は、リテーナ18が図4〜図7に示す後退位置にある状態で相手パイプ10を挿し込んだとき、相手パイプ10の鍔状部12の前面に当接してカム作用で一対の弾性脚46を押し開き、爪48の上記掛止部50に対する掛止を解除するもので(このとき掛止部52に対する爪48の掛止も同時に解除される)、この状態でリテーナ18を図中下向き、即ち押込位置への押込みが可能となる。
この爪66は、後退位置にあるリテーナ18が軸直角方向外方に抜けるのを防止するための第3掛止爪としてのものである。
詳しくはこの実施形態の場合、図5に示しているようにリテーナ18が後退位置にある状態で、爪66がリテーナ保持部22に設けられた掛止部(第3掛止部)70に掛止することで、リテーナ18が軸直角方向の外方に抜け防止される。
従って一対の抜止脚44に爪66が設けられていないと、リテーナ18はこの状態で軸直角方向外方に抜き出し可能となってしまう。
ところがこの実施形態では、相手パイプ10の鍔状部12によって変形を受けない一対の抜止脚44に、リテーナ18の軸直角方向外方への抜止めのための爪66が設けられているため、相手パイプ10をコネクタハウジング24内部に挿し込んだ状態においても、リテーナ18は軸直角方向外方に抜け出すことはなく、押込方向の移動だけが許容される。
この爪66を掛止させるリテーナ保持部22側の掛止部70は、図6に示しているようにリテーナ保持部22に設けられた貫通の窓部72の縁部(図12,図13参照)にて構成されている。
ここで掛止部70は、爪66の上面の平坦な形状に対応して平坦形状に形成されている。
窓部72は、リテーナ18をリテーナ保持部22に対して軸直角方向に装着する際、一対の抜止脚44の挿入窓部となるもので、抜止脚44の爪66は、この窓部72を通過してリテーナ保持部22内部に挿入される。
このとき、抜止脚44は図16に示しているように軸方向(図中右方)に弾性変形することによって、爪66を窓部72に対して通過させる。
その爪66の窓部72に対する通過を円滑に行うため、爪66には図9中左側の面にカム部68が設けられている。
而して窓部72を通過してリテーナ保持部22の内部に挿入された爪66は、その時点で抜止脚44の弾性復元力で掛止部70対し掛止した状態となる。
図14及び図15に示しているように、本実施形態ではリテーナ18をリテーナ保持部22に対し軸直角方向に嵌込装着する。このとき一対の弾性脚46を、図5,図6,図11及び図13の窓部54からリテーナ保持部22内に挿入し、また一対の抜止脚44を、リテーナ保持部22の窓部72からその内部に挿入する。
このとき一対の抜止脚44は、図16に示しているように爪66に設けたカム部68の作用、更に抜止脚44の軸方向の弾性変形に基づいて、窓部72からリテーナ保持部22内部に挿入される。
このようにしてリテーナ保持部22に装着したリテーナ18を、図17(I)に示しているように当初は後退位置に保持させておく。
この後退位置においてリテーナ18は、軸直角方向の押込方向にも、また図中上方の抜出方向にも移動阻止された状態となる。
この状態で一対の抜止脚44が、相手パイプ10の鍔状部12の後面に当接した状態となって、ここに相手パイプ10がコネクタハウジング24から抜け止めされる(図18(IV))。
従ってリテーナ18を押込位置まで押込可能となす一方で、反対方向への抜けを確実に防止することができる。
例えば上記実施形態ではリテーナ18が一対の弾性脚46にてリテーナ保持部22の外周面を抱きかかえるようにしてリテーナ保持部22に保持されるようになしてあるが、本発明は一対の弾性脚をリテーナ保持部の内部、即ちコネクタハウジングの内部に挿入し且つ内周壁に沿って軸直角方向に押し込んで、その押込位置に保持させる形式のクイックコネクタに対して適用することも可能であるし、また場合によって一対の弾性脚を軸方向に弾性変形させつつリテーナを軸直角方向に押し込んで、その押込位置に保持させるようになすクイックコネクタに適用することも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
12 鍔状部
14 クイックコネクタ
16 コネクタ本体
18 リテーナ
20 ニップル部
22 リテーナ保持部
24 コネクタハウジング
42 基部
44 抜止脚
46 弾性脚
48,66 爪
50 掛止部(第1掛止部)
52 掛止部(第3掛止部)
54,72 窓部
56 掛止部(第2掛止部)
58,68 カム部
64 カム部(掛止解除部)
70 掛止部
74 幅広部
Claims (3)
- (A)軸方向の一方の側に配管用チューブの接続部を有するとともに、軸方向の他方の側にリテーナ保持部を備えたコネクタハウジングを有する筒状のコネクタ本体と、(B)該リテーナ保持部に対して軸直角方向に装着され、該軸直角方向の後退位置で、外周面に環状に突出した鍔状部を有する相手パイプを前記コネクタハウジングに対して接続位置まで挿入可能とするとともに、軸直角方向の嵌込完了位置である押込位置で該相手パイプを抜止状態にロックするリテーナと、を有し、且つ該リテーナには、(a)基部と、(b)該基部から軸直角方向に延び出し、該リテーナの前記押込位置で前記相手パイプの鍔状部の挿入側とは反対側の後面に当接して該相手パイプを抜け止めする抜止脚と、(c)該基部から該抜止脚と同じ方向に延び出した一対の弾性脚と、(d)それら一対の弾性脚の各端部に設けられ、前記リテーナの後退位置では前記リテーナ保持部に設けられた第1掛止部に対して、該リテーナの押込方向に掛止して該リテーナの押込方向の移動を阻止する第1掛止爪と、(e)前記押込位置では前記リテーナ保持部に設けられた第2掛止部に対して該リテーナの後退方向に掛止して、該リテーナの前記後退位置に向けての移動を阻止する第2掛止爪と、(f)前記相手パイプの挿入時に前記鍔状部の前面に当接して前記弾性脚を、前記第1掛止爪が前記第1掛止部に対して掛止解除する方向に弾性変形させ、前記リテーナを前記押込方向に移動可能とする掛止解除部と、(g)前記リテーナの前記後退位置で、前記リテーナ保持部に設けられた第3掛止部に対して該リテーナの軸直角方向外方への抜け方向に掛止して該リテーナの抜出しを防止する第3掛止爪と、が備えられて成るクイックコネクタにおいて、
前記第3掛止爪を前記抜止脚の端部に設けるとともに、前記第3掛止部を、該第3掛止爪に対応した位置において前記リテーナ保持部に設け、
前記リテーナ保持部には、前記抜止脚を軸直角方向に前記リテーナ保持部の内部に挿入させる貫通の窓部を設けるとともに、前記第3掛止爪を軸方向に突出した形態で設け、該窓部の該第3掛止爪の突出側の縁部の一部を前記第3掛止部として構成したことを特徴とするクイックコネクタ。 - 請求項1において、前記抜止脚は軸方向に弾性を有する弾性脚となしてあるとともに、前記窓部には、前記第3掛止爪の突出側とは反対側に該抜止脚を軸方向に弾性変形させることによって該抜止脚を前記リテーナ保持部の内部に挿入させる該抜止脚の弾性変形空間が形成してあることを特徴とするクイックコネクタ。
- 請求項2において、前記第3掛止爪には、前記窓部への軸直角方向の挿入時に該窓部の縁部への当接により前記抜止脚をカム作用で前記第3掛止爪の突出方向とは反対方向に弾性変形させるカム部が設けてあることを特徴とするクイックコネクタ。
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