JP4758287B2 - 回転機のブレーキ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、回転機のブレーキ装置に関し、回転機に使用されるブレーキの動作音を低減する構造に関するものである。
従来の回転機のブレーキ装置では、鉄心に内蔵した電磁コイルを励磁することによって、ディスクに押付けていたブレーキパッドと連結されたアーマチュアを鉄心に吸引してブレーキを開放し、電磁コイルを非励磁状態にしてバネでアーマチュアの吸引を開放してブレーキパッドをディスクに押付て制動する構成となっている。
ブレーキの開放時に鉄心がアーマチュアに衝突するとき、及び制動時にブレーキパッドがディスクに衝突するときに作動音が発生する。この作動音を低減するため、鉄心とアーマチュアの間に緩衝材としてゴムなどが設けられる。緩衝材は、鉄心とアーマチュアとの間で常に圧縮された状態で取付けられ、吸引時と開放時にアーマチュアに伝わる振動エネルギを吸収して音を低減するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−180626(第3−4頁、図1)
上記特許文献1開示されたブレーキの構成では、ゴムなどの緩衝材の反力がほぼ直線的になるのに対して、アーマチュアに対する鉄心の吸引力は、鉄心とのギャップの2乗に反比例するため、コイルが励磁されてアーマチュアが鉄心に引き寄せられるにしたがって、吸引力は急激に大きくなって直線的には変化しない。
ブレーキの作動音を緩衝材で低減する場合、アーマチュアに作用するエネルギを効果的に抑制する必要があり、アーマチュアの運動エネルギの増加割合に応じてエネルギを吸収することが重要である。したがって、緩衝材の反力の変化が直線的である場合には効果的に作動音を低減することは困難となるという問題がある。
また、ブレーキの制動力が大きくなると、アーマチュアを吸引するためのエネルギも大きくなり、作動音を低減するために必要な緩衝材の面積が大きくなり、ブレーキが必要以上に大きくなったり、コイルの励磁電流が大きくなって、消費電力が増大するなどの問題が生じる。
さらに、ブレーキの制動力が大きくなると緩衝材の圧縮方向の歪を大きくする必要があり、長期の使用により緩衝材の塑性変形(へたり)が生じて作動音を低減することが困難となるという問題がある。
この発明は、上記のような問題を解決するものであり、効果的にブレーキの作動音を低減することができる回転機のブレーキ装置を提供することを目的とする。
また、ブレーキを大きくすることなく、効果的にブレーキの作動音を低減することができる回転機のブレーキ装置を提供することを目的とする。
この発明に係る回転機のブレーキ装置は、コイルが内蔵された鉄心、上記コイルが励磁されて上記鉄心の磁気吸着面に磁気吸引されるアーマチュア、上記アーマチュアに連結されたブレーキシュー、上記アーマチュア及び上記鉄心の上記磁気吸着面間に設けられ、上記アーマチュアを押して上記ブレーキシューをロータに押しつける圧縮バネ、上記鉄心または上記アーマチュアの磁気吸着面に形成された固定穴、及び上記固定穴内に挿入された緩衝材を備えた回転機のブレーキ装置において、
上記緩衝材は、上端から上記磁気吸着面と平行に突出した廂を有し、上記廂の上面が上記磁気吸着面から突出する部材を少なくとも1個と、上記廂の厚さと合わせた高さが上記磁気吸着面から突出し、上記廂の下部に配置された部材を少なくとも1個とを備えたものである。
この発明に係る回転機のブレーキ装置によれば、鉄心とアーマチュアが接触する直前で緩衝材の反力を大きくすることができるので、ブレーキ性能を損なわずにブレーキ装置の作動音を抑制することができる。
実施の形態1.
図1は、この発明に係る回転機のブレーキ装置の実施の形態1を示す正面図、図2は、図1のA−A断面図であり、エレベータ用巻上機を例にした内拡式のブレーキ装置を示している。
図に示したように、ブレーキ1は、ロータ2の内周側に配置される。ブレーキ1はコイル3が内蔵された鉄心4、アーマチュア5、鉄心4とアーマチュア5との間の磁気吸着面に設けられた圧縮バネ10、アーマチュア5に連結部材6を介して取り付けられたシュー7、アーマチュア5の磁気吸着面に設けられた固定穴11、固定穴11に挿入された緩衝材12を備え、シュー7にはライニング8が固着されている。また、ブレーキ1は、ハウジング9に固定される。
ブレーキ1の制動は、コイル3の電流を遮断して、アーマチュア5を鉄心4に内蔵した圧縮バネ10で押し出すことによって行い、ライニング8はロータ2に押付けられて巻上機を停止させる。また、ブレーキ1の開放は、コイル3を励磁してアーマチュア5を鉄心4に磁気吸引し、ライニング8をロータ7から引き離す。
アーマチュア5に、円筒、角筒などの筒型の固定穴11が形成され、固定穴11に筒状部材からなる緩衝材12が挿入されて、アーマチュア5が鉄心4に衝突したときの作動音を低減する。
図3は、この発明に係る回転機のブレーキ装置における緩衝材の実施の形態1を示す断面図である。図3(a)に示したように、緩衝材12は、高さが異なる筒状部材からなる内側緩衝材12a及び外側緩衝材12bを同軸に配してなり、図3(b)に示したように、鉄心4に吸着されるアーマチュア5表面から高さH,H、突出させる。
図4(a)及び(b)は、アーマチュア5と鉄心4とのギャップと緩衝材12の反力、または鉄心/アーマチュア間の吸引力の関係を示すグラフであり、図4(a)及び(b)中、A及びAで示す曲線は鉄心4がアーマチュア5を吸引する磁気吸引力の変化、Kで示す直線及びKで示す曲線は、緩衝材12の反力の変化を示している。
コイル3が励磁されたときには、アーマチュア5と鉄心4のギャップの2乗に反比例して磁気吸引力が上昇する。すなわち、図4(a)及び(b)のAの曲線で示すように、磁気吸引力は、ギャップが大きいときには吸引力が小さく、ギャップが小さくなるにしがって吸引力は増大する。
このように急激に変化する磁気吸引力に対して、例えば、図4(a)のKで示すように、反力特性が直線的に変化する緩衝材12を用いると、ギャップが小さくなるにしたがって緩衝材12の反力が磁気吸引力を上回る領域が発生してブレーキを開放することができなくなる現象が生じる。このため、同じ反力を得ようとする場合には、図4(b)に示したように、コイル3の励磁電流を大きくして、吸引力が緩衝材12の反力を上回るAの曲線にする必要が生じ、消費電力が大きくなるという問題が生じる。また、磁気吸引力が大きくなり過ぎて効果的にアーマチュア5の衝突音を低減することが困難となる。
図5は、この実施の形態1における緩衝材12の動作を示す断面図である。この実施の形態1では、内側緩衝材12aの突出高さHを外側緩衝材12bの突出高さHより大きくしているので、ギャップの大きい間は図5(a)〜図5(c)のように内側緩衝材12aが弾性変形して、図4(a)のKで示した曲線の(イ)−(ロ)のように、磁気吸引力を示すAに沿って変化し、図5(d)〜図5(e)のように内側緩衝材12aの突出高さHが外側緩衝材12bの突出高さHと同じになった後は、内側緩衝材12a及び外側緩衝材12bが弾性変形して、緩衝材12の反力は、図4(a)のKで示した曲線の(ロ)−(ハ)のように急激に大きくなる磁気吸引力を示すAにほぼ沿って変化する。
この実施の形態1によれば、鉄心4とアーマチュア5が接触する直前で緩衝材12の反力を大きくすることができるので、ブレーキ性能を損なわずにブレーキ装置の作動音を抑制することができる。
また、内側緩衝材12a及び外側緩衝材12bが磁気吸引力を受ける面積、磁気吸引力内側緩衝材12aの突出高さH及び外側緩衝材12bの突出高さHを調整することによって、緩衝材12の反力を、磁気吸引力を示すAに沿った所望の値にすることができる。
また、外側緩衝材12bの弾性率(応力/歪み)を内側緩衝材12aの弾性率よりも大きくすることによって、外側緩衝材12bが磁気吸引力を受ける面積を小さくすることができ、緩衝材12を小型化することができる。
また、緩衝材12として、ゴム、熱可塑性エラストマー等のエラストマーを用いることができる。
なお、図3に示した例では、緩衝材12として内側緩衝材12a及び外側緩衝材12bの2個を用いているが、個数は2個に限るものではなく、例えば、3個以上用いて、3個それぞれの突出高さを変えることにより、図4(a),(b)に示されている磁気吸引力のギャップ間隔依存性にほぼ沿った複数の異なる傾きを有する緩衝材12の反力特性を得ることができる。
また、外側緩衝材12bの突出高さHを内側緩衝材12aの突出高さHをより大きくしてもよく、また、3個以上用いる場合には、突出高さが高いものから順に並べて組み合わせる必要はなく、並べる順序は任意に組み合わせることができる。
また、緩衝材の形状は図3に示した形状に限定されるものではなく、種々の形状とすることができる。図6(a)及び(b)にその一例を示す。図6は平面図であり、図6(a)では半円状の形状、図(b)では円の1/4周の形状の固定穴11に突出高さの異なる複数の緩衝材12a,12bを設けた例を示している。
実施の形態2.
図7は、この発明に係る回転機のブレーキ装置における緩衝材の実施の形態2を示す断面図である。
鉄心4とアーマチュア5の吸引力が大きい場合には、緩衝材12の反力が不足して、ブレーキの作動音を抑制することが困難となる。緩衝材12の反力を大きくするために、緩衝材12の負荷面積を増やすと、必然的にアーマチュア5に緩衝材12を挿入する固定穴11の直径が大きくなり、コイルの通電時における磁束が減少してアーマチュア5の吸引力が低下し、ブレーキ性能を劣化させることになる。図7は、このような問題を回避する方法を示すものである。
図7(b)に示したように、アーマチュア5の固定穴11の内周寸法よりも外周寸法が大きな緩衝材12を挿入する。例えば、外側緩衝材12bの外周寸法を固定穴11よりも大きくしておき、内側緩衝材12aを組合せて、緩衝材12を圧縮しながら固定穴11に挿入する。緩衝材12を圧縮しておくことによって、見かけ上、緩衝材12の弾性率が大きくなり、同じ変形量であっても反力を大きくすることができる。
図8は、アーマチュア5が鉄心4に接近するときの緩衝材12の変形状態を示す断面図である。図7に示した緩衝材12をアーマチュア5に挿入したときの変形状態は、図8(a)に示すように強制的に変形されて、緩衝材12の初期歪が大きな状態となっている。そして、図8(a)〜(c)のように内側緩衝材12aが変形しているときは、磁気吸引力によるギャップの縮小にともなって、反力が緩やかに上昇し、図8(c)のように内側緩衝材12aの高さが外側緩衝材12bの高さと同じになった後、図8(d)及び(e)において、緩衝材12の反力が急激に上昇する。
この実施の形態2によれば、磁気吸引力が大きなブレーキであっても、緩衝材12を設ける固定穴11を大きくすることなく緩衝材12の反力を大きくして、鉄心4とアーマチュア5が接触するときの動作音を抑制することができる。
また、外側緩衝材12bの弾性率を内側緩衝材12aの弾性率よりも大きくすることによって、外側緩衝材12bが磁気吸引力を受ける面積を小さくすることができ、緩衝材12を小型化することができる。
実施の形態3.
図9、図10及び図11は、この発明に係る回転機のブレーキ装置における緩衝材の実施の形態3を示す断面図である。
上記実施の形態1及び2では、内側緩衝材12a及び外側緩衝材12bが筒状部材からなる場合を示したが、この実施の形態3では、図9(a)に示したように、2つの緩衝材の内、内側緩衝材12aを柱状部材としている。ただし、この場合、緩衝材12が変形したときに、アーマチュア5の磁気吸着方向に押付けられ、固定穴11からはみ出して、鉄心4とアーマチュア5の間にかみ込んで、緩衝材12を損傷してしまうので、磁気吸着方向と垂直な面内でゴムの変形を吸収できるようにしておく必要がある。
したがって、図9(b)に示したように、内側緩衝材12aと外側緩衝材12bの外周上端にテーパ部15を設ける。このように、テーパ部15を設けることによって、緩衝材12が圧縮されて外周寸法が膨らんで変形しても、その変形分は、テーパ部15で吸収されて、かみ込み等による損傷を防止することができる。なお、図9(b)に示した例では、内側緩衝材12a及び外側緩衝材12bの両方にテーパ部15を設けているが、変形の量が小さい場合には、どちらか一方にテーパ部15を設ければ良い。
この実施の形態3によれば、内側緩衝材12aを柱状部材とすることによって、安価に製造でき、また、内側緩衝材12aが変形した際に外側緩衝材12bが歪むために、外側緩衝材12bの見かけ上の弾性率が大きくなり、外側緩衝材12bの外形を小さくすることができる。
また、図9(b)では、緩衝材12の磁気吸着力を受ける上面の外周端にテーパ部15を設けているが、テーパ部15を下面の外周端に設けても同様の効果を奏する。
また、図10に示したように、緩衝材12にはテーパ部を設けずに、固定穴の上部の直径を緩衝材12の外径よりも大きくした段付固定穴16を設けることによって、柱状の緩衝材を用いた場合に、図11に示したように、アーマチュア5が鉄心4に吸引されて、緩衝材12が圧縮方向に変形したときに、緩衝材12は、段付固定穴16における上部の空間内で膨らむことにより、アーマチュア5と鉄心4の間に緩衝材12がかみ込むなどの損傷を防止することができる。
また、図9及び図10では、内側緩衝材12aの突出高さを外側緩衝材12bの突出高さより大きくしているが、外側緩衝材12bの突出高さを内側緩衝材12aの突出高さより大きくしてもよい。
また、外側緩衝材12bの弾性率を内側緩衝材12aの弾性率よりも大きくすることによって、外側緩衝材12bが磁気吸引力を受ける面積を小さくすることができ、緩衝材12を小型化することができる。
実施の形態4.
図12及び図14は、この発明に係る回転機のブレーキ装置の実施の形態4を示す断面図、図13は、この実施の形態4において、アーマチュア5が鉄心4に接近するときの緩衝材12の変形状態を示す断面図である。実施の形態2では、緩衝材12の反力を大きくする方法として、固定穴11の直径よりも大きな外径の緩衝材12を挿入する方法について述べたが、動作音を効果的に抑制するために、図12(a)に示したように、上部にテーパ部を有する内側緩衝材12を、中心部に柱状の壁18を形成したリング状固定穴17に挿入する。リング状固定穴17に緩衝材12を挿入したときに、内側緩衝材12aの内周と壁18との間に隙間が形成されるようにする。
図13(a)に示したように、アーマチュア5が鉄心4に磁気吸引される前には、内側緩衝材13の内周と壁18の間には隙間があり、図13(b)に示したように鉄心4とアーマチュア5との間のギャップが小さくなるにしたがって、内側緩衝材12aと壁18の間の隙間が減少し、図13(c)に示したように、内側緩衝材12aの高さと外側緩衝材12bの高さが同じになり、内側緩衝材12aが壁18と接触し始めるときに、緩衝材12の反力が急激に上昇し始める。その後、図13(d)に示したように、壁18と内側緩衝材12aとの接触によって、内側緩衝材12aの変形が規制され、見かけ上の弾性率が大きくなり、図13(e)に示したように鉄心4とアーマチュア5との間のギャップがほぼ零になったときには、内側緩衝材12aと壁18及び外側緩衝材12bとリング状固定穴17の間の空間がなくなり大きな反力を得ることができる。
硬い緩衝材12の直径を縮めて固定穴11に挿入する場合、組立に時間を要することもあるが、この実施の形態4によれば、緩衝材12を縮めて固定する必要がないために、組立が容易でコストを低減できる効果がある。
なお、内側緩衝材12aについては、その内周側の上端部にテーパ部15を設け、外側緩衝材12bについては、外周側の上端部にテーパ部15を設けて、壁18側及びリング状固定穴17の外側に内側緩衝材12a及び外側緩衝材12bがはみ出さないようにしている。ただし、緩衝材12を変形が小さい領域で使用する場合には、テーパ部15を設ける必要はない。また、テーパ部15は、内側緩衝材12a、外側緩衝材12bの外周、内周のどちら側に設けてもよい。
アーマチュア5が鉄心4に吸引されたときの緩衝材12の反力をさらに大きくするためには、外側緩衝材12bの外側寸法をリング状固定穴17よりも大きくして、緩衝材12を圧縮して挿入してもよい。
また、図14に示したように、内側緩衝材12aの内周面に、リング状固定穴17の底部に向かって多段に形成された多段テーパ部19を設けることにより、反力特性をより適正に制御することができる。内側緩衝材12aの高さが外側側緩衝材14の高さと同じになるまでの、図4(a)中に示した曲線Kの(イ)−(ロ)の傾きを適正な値に調整することができる。図12に示したテーパ部15が多段に形成されていない場合には、内側緩衝材12aと壁18とがほぼ全面で接触するまでは反力が小さい。図14(b)に示したように、多段テーパ部19を設けた場合には、最初から内側緩衝材12aの下部で壁18と内側緩衝材12aとを接触させ、内側緩衝材12aの変形とともに内側緩衝材12aと壁18との接触面積が増加し、緩衝材12の反力を初期の段階から大きく、また、アーマチュア5と鉄心4とのギャップが小さくなるに従って大きくすることができる。また、内側緩衝材12aの弾性率や多段テーパ部19のテーパ角度を調整することによって、反力特性の傾きを自在に調整でき、ブレーキの制動力が大きくなっても、緩衝材12の外形を大きくすることなく作動音を低減できる効果がある。
また、外側緩衝材12bの弾性率を内側緩衝材12aの弾性率よりも大きくすることによって、外側緩衝材12bが磁気吸引力を受ける面積を小さくすることができ、緩衝材12を小型化することができる。
実施の形態5.
図15は、この発明に係る回転機のブレーキ装置の実施の形態5を示す断面図である。上記実施の形態4では、固定穴としてリング状固定穴17に壁18を設けたが、この実施の形態5では、壁18に代えて、アーマチュア5を鉄心4から離反させるための圧縮バネ10を利用するものである。図1及び図2に示したように、通常、ブレーキには圧縮バネ10が内蔵されており、コイル3に通電されていない状態では、圧縮バネ10の復元力によって、鉄心4と離反するようにアーマチュア5が押付けられ、アーマチュア5に連結されたブレーキシュー7のライニング8がロータ2に押しつけられてロータ2の回転が制動されている。
図15(a)に示したように、固定穴11にバネ保持穴21を設けて圧縮バネ10を保持し、図15(b)に示したように、アーマチュア5が鉄心4に吸引されたときに、内側緩衝材12aの内周面が圧縮バネ10と接触して変形が規制されるようにしている。
この実施の形態5によれば、緩衝材12の変形が圧縮バネ10によって規制されて大きな反力を得ることができ、大きな吸引力が必要なブレーキであっても、緩衝材12の外形を大きくせずに緩衝材12の反力を大きくでき、また、圧縮バネ10の設置スペースを利用するので、大きな制動力を有する回転機のブレーキ装置を小型化することができる。
また、外側緩衝材12bの弾性率を内側緩衝材12aの弾性率よりも大きくすることによって、外側緩衝材12bが磁気吸引力を受ける面積を小さくすることができ、緩衝材12を小型化することができる。
実施の形態6.
図16及び図18は、この発明に係る回転機のブレーキ装置の実施の形態6を示す断面図、図17は、この実施の形態6において、アーマチュア5が鉄心4に接近するときの緩衝材12の変形状態を示す断面図である。
この実施の形態6では、図16に示したように、外側緩衝材12bは、アーマチュア5の吸着表面からH突出して、さらに、内側緩衝材12aと間隙を持った上方に、廂部12cが設けられ、廂部12cの厚さtと内側緩衝材12aの高さH3との合計した高さはアーマチュア5の磁気吸着面から突出するようにしている。
図17(a)に示したように、鉄心4と外側緩衝材12bとの接触開始から、アーマチュア4が吸引されて、図17(b)中の矢印で示した廂部12cが曲げられて、廂部12cの曲げ剛性によって、反力特性が決定される。図17(c)に示したように、外側緩衝材12bの廂部12cと内側緩衝材12aとが接触し始めた時点で、緩衝材12の反力が急激に大きくなる。図17(d)に示したように、2つの緩衝材間のすき間が小さくなるにしたがって、さらに緩衝材12の反力が大きくなり、図17(e)において、アーマチュア5が鉄心4に吸引されたときには、廂部12cと内側緩衝材12aとの間の間隙がほぼなくなり、緩衝部材12の反力が最大になる。
この実施の形態6によれば、外側緩衝部材12bに設けられた廂部12cと内側緩衝材12aとの間の間隙H及び廂部12cぼ厚さを変えることにより、図4(a)中の曲線Kの(イ)→(ロ)及び(ロ)→(ハ)の反力の増加割合を所望の値に調整することが可能となり、作動音の低減効果を向上することができる。
また、図18に示したように、内側緩衝材12aをアーマチュア5の吸着面より突出させて内側緩衝材12aに廂部12cを設けてもよい。
また、図16及び図18において、廂部12cの内周の寸法と、内側緩衝材12aの内周及び外周の寸法とを同じにしているが、異なる内周寸法及び外周寸法にしても、反力の増加割合を所望の値に調整することができる。
また、図16及び図18において、内側緩衝材12aの磁気吸着力を受ける面がアーマチュア5の磁気吸着面より突出するようにしてもよい。
また、アーマチュア5が鉄心4に吸引されるときの緩衝材12の反力をさらに大きくするために、外側緩衝材12bの直径を固定穴11よりも大きくしておき、緩衝材12を圧縮して挿入してもよい。
また、図16及び図18に示した構成の緩衝材12を用いて、上記実施の形態5または6に示したように、壁18またはバネ10を組合せて使用することもでき、この場合、大きな反力を得ることができる。
また、図16においては内側緩衝材12aの弾性率を外側緩衝部材12bの弾性率よりも大きくすることにより、内側緩衝材12aの磁気吸引力を受ける面積を小さくすることができ、図18においては外側緩衝材12bの弾性率を内側緩衝部材12aの弾性率よりも大きくすることにより、磁気吸引力を受ける面積を小さくすることができ、小型化することができる。
また、図16及び図18に示した例では、緩衝材12として内側緩衝材12a及び外側緩衝材12bの2個を用いているが、個数は2個に限るものではなく、例えば、内側緩衝材12a及び外側緩衝材12bいずれか一方または両方を高さが異なる複数個に分割することにより、磁気吸引力の傾きに沿った複数の異なる傾きを有する緩衝材12の反力特性を得ることができる。
なお、上記実施の形態1〜6では、緩衝材12をアーマチュア5の磁気吸着面に設ける例を示したが、緩衝材12を鉄心4の磁気吸着面に設けるようにしてもよい。
また、上記実施の形態1〜6は、エレベータの巻き上げ機を例に説明したが、これに限られるものではなく、回転機のブレーキ装置として適用できるものである。
この発明の回転機のブレーキ装置は、エレベータの巻き上げ機等の回転機に使用されるブレーキの動作音を低減するのに有効に利用することができる。
この発明に係る回転機のブレーキ装置の実施の形態1を示す正面図である。 図1のA−A断面図である。 この発明に係る回転機のブレーキ装置における緩衝材の実施の形態1を示す断面図である。 アーマチュア5と鉄心4とのギャップと緩衝材12の反力、または鉄心/アーマチュア間の吸引力との関係を示すグラフである。 実施の形態1における緩衝材12の動作を示す断面図である。 実施の形態1における他の例を示す平面図である。 この発明に係る回転機のブレーキ装置における緩衝材の実施の形態2を示す断面図である。 実施の形態2において、アーマチュア5が鉄心4に接近するときの緩衝材12の変形状態を示す断面図である。 この発明に係る回転機のブレーキ装置における緩衝材の実施の形態3を示す断面図である。 この発明に係る回転機のブレーキ装置における緩衝材の実施の形態3を示す断面図である。 この発明に係る回転機のブレーキ装置における緩衝材の実施の形態3を示す断面図である。 この発明に係る回転機のブレーキ装置の実施の形態4を示す断面図である。 実施の形態4において、アーマチュア5が鉄心4に接近するときの緩衝材12の変形状態を示す断面図である。 この発明に係る回転機のブレーキ装置の実施の形態4を示す断面図である。 この発明に係る回転機のブレーキ装置の実施の形態5を示す断面図である。 この発明に係る回転機のブレーキ装置の実施の形態6を示す断面図である。 実施の形態6において、アーマチュア5が鉄心4に接近するときの緩衝材12の変形状態を示す断面図である。 この発明に係る回転機のブレーキ装置の実施の形態6を示す断面図である。
1 ブレーキ、2 ロータ、3 コイル、4 鉄心、5 アーマチュア、
6 連結部材、7 ブレーキシュー、8 ライニング、9 ハウジング、
10 圧縮バネ、11 固定穴、12 緩衝材、12a 内側緩衝材、
12b 外側緩衝材、12c 廂部、15 テーパ部、16 段付固定穴、
17 リング状固定穴、18 壁、19 多段テーパ部、21 バネ保持穴。

Claims (8)

  1. コイルが内蔵された鉄心、上記コイルが励磁されて上記鉄心の磁気吸着面に磁気吸引されるアーマチュア、上記アーマチュアに連結されたブレーキシュー、上記アーマチュア及び上記鉄心の上記磁気吸着面間に設けられ、上記アーマチュアを押して上記ブレーキシューをロータに押しつける圧縮バネ、上記鉄心または上記アーマチュアの磁気吸着面に形成された固定穴、及び上記固定穴内に挿入された緩衝材を備えた回転機のブレーキ装置において、
    上記緩衝材は、上端から上記磁気吸着面と平行に突出した廂を有し、上記廂の上面が上記磁気吸着面から突出する部材を少なくとも1個と、上記廂の厚さと合わせた高さが上記磁気吸着面から突出し、上記廂の下部に配置された部材を少なくとも1個とを備えたことを特徴とする回転機のブレーキ装置。
  2. 上記部材のうちの少なくとも2個は互いに弾性率が異なることを特徴とする請求項1に記載の回転機のブレーキ装置。
  3. 上記緩衝材は筒状部材からなり、上記筒状部材の最内周に位置する上記固定穴に、上記緩衝材が上記磁気吸着面と平行な方向へ変形するのを規制する壁を設けたことを特徴とする請求項1に記載の回転機のブレーキ装置。
  4. 上記筒状部材の最内周と上記壁との間に空隙を設けたことを特徴とする請求項記載の回転機のブレーキ装置。
  5. 上記筒状部材の最内周に、上記固定穴の底部に向かって多段に形成されたテーパ部を設けたことを特徴とする請求項記載の回転機のブレーキ装置。
  6. 上記壁が、上記固定穴内に固定された上記圧縮バネであることを特徴とする請求項記載の回転機のブレーキ装置。
  7. 上記緩衝材は、柱状部材と上記柱状部材の外周に配した筒状部材とからなることを特徴とする請求項1に記載の回転機のブレーキ装置。
  8. 上記緩衝材は、外周寸法が上記固定穴の内周寸法よりも大きく、圧縮されて上記固定穴に挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の回転機のブレーキ装置。
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