JP2597523Y2 - 電磁クラッチの作動音防止機構 - Google Patents

電磁クラッチの作動音防止機構

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JP2597523Y2
JP2597523Y2 JP1993066333U JP6633393U JP2597523Y2 JP 2597523 Y2 JP2597523 Y2 JP 2597523Y2 JP 1993066333 U JP1993066333 U JP 1993066333U JP 6633393 U JP6633393 U JP 6633393U JP 2597523 Y2 JP2597523 Y2 JP 2597523Y2
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昌史 鳥羽山
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、回転動力の伝達および
遮断を行う電磁クラッチに関し、例えばカーエアコンの
圧縮機作動の断続のために用いて好適であり、特に電磁
クラッチの作動音を防ぐ機構に係わる技術である。
【0002】
【従来の技術】乾式単板電磁クラッチは、回転駆動され
るロータに間隙を隔てて対向配置されたアーマチュアを
備える。そして、電磁コイルが通電を受けて磁力を発生
すると、回転被動体に板バネを介して支持されたアーマ
チュアがロータに吸引され、板バネの変形によってアー
マチュアがロータに被着する。この結果、ロータの回転
が、アーマチュア、板バネを介して回転被動体に伝達さ
れる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】上記に示す電磁クラッ
チの構造では、電磁コイルの通電停止時にアーマチュア
がロータより間隙を隔てて対向配置されるため、電磁コ
イルが通電されてアーマチュアがロータに被着する際、
アーマチュアがロータに衝突する。アーマチュアは板バ
ネを介して支持されるため、剛性が低い。このため、電
磁クラッチが作動した際、アーマチュアが振動して比較
的大きな作動音が発生する。
【0004】本考案は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、その目的は、電磁クラッチの作動時に発生する作
動音を抑えることのできる電磁クラッチの作動音防止機
構の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案の電磁クラッチの
作動音防止機構は、次の技術的手段を採用する。電磁ク
ラッチは、通電によって磁力を発生する電磁コイルと、
回転駆動されるロータと、前記電磁コイルの発生する磁
力によって前記ロータに被着し、前記ロータの回転を受
けるアーマチュアと、このアーマチュアと一体に回転す
る回転被動体と、前記アーマチュアと前記回転被動体と
を連結し、前記アーマチュアを前記ロータ側へ変位可能
に支持する板バネと、前記アーマチュアに設けられ、こ
のアーマチュアの内径側に延びる圧縮部と、前記回転被
動体に設けられ、前記アーマチュアの内径側において前
記圧縮部と対向するように配置された保持部材と、前記
アーマチュアの内径側の前記圧縮部と前記保持部材との
間に配置され、前記アーマチュアが前記ロータに被着し
た状態であっても離れた状態であっても、常に前記アー
マチュアと直接接触するとともに、前記アーマチュアが
前記ロータに被着する際に、前記圧縮部と前記保持部材
との間で圧縮される弾性材とを備え、前記アーマチュア
は、別体に設けられて隙間を隔てて内周と外周に配置さ
れた内側リング、外側リングを備え、前記圧縮部は、前
記内側リングの内径側に一体に設けられたことを特徴と
する。
【0006】
【0007】
【作用】電磁コイルが通電されると、アーマチュアはロ
ータに吸引されてロータに被着する。このアーマチュア
がロータに吸引される際、アーマチュアの移動にともな
って、圧縮部が弾性材を圧縮する。そして、アーマチュ
アがロータに近づくにつれて、圧縮部および弾性材の反
力が急激に大きくなる。つまり、アーマチュアがロータ
に被着する寸前に、アーマチュアがロータに被着するの
に抗する力が急激に大きくなる。このため、アーマチュ
アがロータに被着する衝撃が抑えられる。また、弾性材
は、常にアーマチュアと直接接触しているため、アーマ
チュアの振動を常に制振する。
【0008】
【考案の効果】本考案の電磁クラッチの作動音防止機構
は、上記の作用で示したように、アーマチュアがロータ
に被着する寸前に、アーマチュアがロータに被着するの
に抗する力が急激に大きくなって、アーマチュアがロー
タに被着する衝撃が抑えられるため、アーマチュアがロ
ータに被着した際に発生する作動音を抑えることができ
るとともに、アーマチュアが常に弾性材と接触して振動
が制振されるため、アーマチュアの振動による作動音の
発生を抑えることができる。また、作動音を低減する機
構をアーマチュアの内径のスペースに収めることが可能
であるため、電磁クラッチの体格を大きくすることな
く、作動音を抑えることができる。
【0009】また、圧縮部がアーマチュアの内側リング
と共用されるため、作動音防止機構の部品点数が少な
く、かつ組付工数を抑えることができる。
【0010】
〔第1参照例の構成〕
図1ないし図12は第1参照例を示すもので、図1は車
両用冷凍サイクルの冷媒圧縮機に取り付けられる電磁ク
ラッチの断面図、図2はその正面図である。電磁クラッ
チ1は、ステータ2内に収容された電磁コイル3と、図
示しないエンジンによって回転駆動されるロータ4と、
電磁コイル3の発生する磁力によってロータ4に被着す
るアーマチュア5と、このアーマチュア5に板バネ6を
介して連結され、アーマチュア5と一体に回転して図示
しない冷媒圧縮機(ピストン型圧縮機、スクロール型圧
縮機、ロータリー型圧縮機等)に回転動力を伝えるイン
ナーハブ7とからなる。
【0011】電磁コイル3は、絶縁皮膜を施した導線を
巻いたもので、鉄などの磁性体製で形成された断面コ字
形のステータ2内に収容され、エポキシ等の樹脂部材8
によってステータ2内にモールド固定されている。な
お、ステータ2は、リング状の支持部材9に固定され、
この支持部材9が冷媒圧縮機のハウジングに固定される
ことによって、ステータ2が冷媒圧縮機に装着される。
【0012】ロータ4は、周囲に多段式のVベルト(図
示しない)が掛け渡されるプーリ4aを有し、Vベルト
を介して伝達されたエンジンの回転動力によって回転す
る。ロータ4は、鉄などの磁性体製で、ステータ2を収
容する断面コ字形を呈する。また、ロータ4は、その内
周にベアリング10を備え、このベアリング10によっ
てロータ4は冷媒圧縮機のハウジングに対して回転自在
に支持される。
【0013】アーマチュア5は、ロータ4の摩擦面に間
隙を隔てて対向配置されるもので、鉄などの磁性体より
なるリング状を呈する。本参照例のアーマチュア5は、
内周に配された内側リング5aと、この内側リング5a
に間隙(磁気遮断溝5c)を隔てて外周に配置された内
側リング5aとは別体に設けられた外側リング5bとを
組み合わせたもので、非磁性体よりなる板バネ6と一体
に設けられた連結部材11を、図2に示すように、内外
のリング5a、5bの間に架け渡し、リベット12、1
3で固定したものである。なお、板バネ6は、非磁性ス
テンレス(オーステナイト系)よりなり、内側リング5
aと外側リング5bの間の磁気遮断を完全にしている。
【0014】また、アーマチュア5の内側リング5aに
は、アーマチュア5の内側に延びる本考案の圧縮部であ
るアーム部14が設けられる。本参照例のアーム部14
は、連結部材11と一体、つまり板バネ6と一体に設け
られたバネ力を備えたもので、図1に示すように、アー
ム部14の内周側のアーマチュア5側の面は、アーマチ
ュア5の内側リング5aの内側に配置された弾性材15
(後述する)の一部に押し付けられている。そして、ア
ーム部14は、連結部材11を内側リング5aにリベッ
ト12で固定することにより、連結部材11とともに内
側リング5aに固定される。
【0015】インナーハブ7は、本考案の回転被動体
で、三角形状のつば部7aと、冷媒圧縮機の入力軸にス
プライン嵌合される円筒部7bとを接合したものであ
る。つば部7aは、複数の金属ばね材よりなる板バネ6
を介してアーマチュア5に連結され、インナーハブ7は
アーマチュア5と一体に回転する。アーマチュア5と板
バネ6は上述のリベット12、13によって固定され、
板バネ6とつば部7aはリベット16によって固定され
ている。この板バネ6の弾性力により、アーマチュア5
は、ロータ4から離れる方向へ変位するようになってい
る。
【0016】つば部7aの三角形の各頂部近傍に開けた
穴には、ゴム材料等の弾性部材よりなるストッパクッシ
ョン17が圧入により取り付けられている。このストッ
パクッション17は、図1に示すようにつば部7aとア
ーマチュア5との間に介挿された円板部17aを有し、
この円板部17aによってアーマチュア5が所定間隙以
上ロータ4から離れるのを阻止し、電磁コイル3の通電
が停止している場合に、アーマチュア5とロータ4との
間隙gを所定間隙(例えば0.5mm)に保つものであ
る。
【0017】前記アーム部14のアーマチュア5側の面
が押し付けられる弾性材15は、アーマチュア5の内周
側においてアーム部14と対向するように配置されると
ともに、外周端がアーマチュア5の内側リング5aの内
周面に押し付けられて、内側リング5aと常に当接する
もので、インナーハブ7に固定されたリング状の保持部
材18と、アーム部14との間で保持されている。この
弾性材15および保持部材18について、それぞれ次で
説明する。
【0018】弾性材15は、アーム部14より弾性力の
低い天然ゴム、合成ゴム(ニトリルゴム、ブチルゴムな
ど)などの弾性ゴムよりなる。また、弾性材15は、図
3ないし図5に示すように、略扇型の扇部15aを3つ
(板バネ6の同数)有し、これらを連結材15bにて連
結したリング状に形成されている。
【0019】扇部15aの一方には、アーム部14によ
って押圧される押圧部15cが設けられている。この押
圧部15cは、アーム部14が組み付けられた状態にお
けるアーム部14の変形に応じてテーパ状に設けられて
いる(図6参照)。この押圧部15cによってアーム部
14の振動が抑えられる。また、押圧部15cのテーパ
形状によって、アーマチュア5がロータ4に吸着された
際におけるアーム部14と弾性材15との押圧面積を確
保するとともに、弾性変形によってアーム部14の発生
応力を低減し、アーマチュア5がロータ4に被着するの
に抗する抵抗力の適正化を図るものである。
【0020】また、扇部15aの他方には、つば部7a
とアーマチュア5とを連結する板バネ6に押し付けられ
る凸部15dが板バネ6側に突出して設けられている
(図7参照)。この凸部15dは、板バネ6の振動を抑
えるとともに、弾性変形によって板バネ6の発生応力が
低減し、アーマチュア5がロータ4に被着するのに抗す
る抵抗力の適正化を図るものである。
【0021】さらに、扇部15aの外周端部には、内側
リング5aの内周面に押し付けられて、内側リング5a
がロータ4に被着した状態であっても離れた状態であっ
ても、扇部15aの外周側が内側リング5aに追従して
内側リング5aに常に押し付けられた状態で当接するリ
ング押圧部15eが設けられている(図8参照)。この
リング押圧部15eは、端部の断面が円弧状に設けられ
たもので、扇部15aの外周側のロータ4側の面には、
内側リング5aの移動にリング押圧部15eが容易に追
従するように変形力を増すためのテーパが形成されてい
る。
【0022】弾性材15のうち、保持部材18によって
押圧保持される面には(図5参照)、複数の突起15f
が設けられている。この突起15fは、保持部材18に
対する弾性材15の位置決め用の突起で、保持部材18
の位置決め穴18d(図9参照)に挿入される。
【0023】保持部材18は、鉄などの金属によって形
成されたもので、図9ないし図11に示すように、リベ
ット16が挿通されてインナーハブ7のつば部7aに固
定される3つの固定部18aと、弾性材15の扇部15
aを収納する3つの収納部18bとを連結したリング状
に形成されている。なお、各固定部18aには、リベッ
ト16を挿通するリベット挿通穴18cが設けられてい
る。また、各収納部18bには、弾性材15の突起15
fが挿入される位置決め穴18dが形成されている。
【0024】次に、電磁コイル3の非通電時におけるア
ーマチュア5の静止位置から、アーマチュア5がロータ
4に被着するまでの変位と、アーマチュア5がロータ4
に被着するのに抗する抵抗力との関係を図12を用いて
説明する。この図12のグラフは、インナーハブ7を固
定し、アーマチュア5をロータ4側の軸方向へ変位させ
た時の変位と荷重との関係を示すもので、図12に示す
吸引ギャップgは図1に示すアーマチュア5とロータ4
の間隙gである。
【0025】弾性材15を使用しない場合(板バネ6の
バネ力のみ)では、一点鎖線Aに示すように、アーマチ
ュア5の変位量を0から徐々に増大させると、はじめ荷
重は急激に増大するが、その後荷重は比例的に増大す
る。ここで、初期に荷重が急激に大きくなるのは、スト
ッパクッション17により、組付状態において与えられ
ていた予荷重(板バネ6を軸方向へ変位させて荷重を発
生)によるものである。
【0026】弾性材15を使用した場合は、実線Bに示
すように、初期においては弾性材15を使用しない場合
と同様、荷重が急激に増大する。ただし、その荷重は、
アーム部14と押圧部15cで発生する荷重P1 (アー
ム部14のバネ力+弾性材15の押圧部15cの弾性
力)と、板バネ6と凸部15dで発生する荷重P2 (板
バネ6のバネ力+弾性材15の凸部15dの弾性力)と
が、新たに加わるため、僅かに高くなる。そして、アー
マチュア5の変位が大きくなるに従って、主にバネ力が
強いアーム部14が変形し、結果的に荷重P1 、P2 の
合成荷重が2次的に増大する。つまり、弾性材15を使
用した荷重は、実線Bに示すように、アーマチュア5が
ロータ4に近づくにつれて、急激に大きくなり、結果的
に、アーマチュア5がロータ4に近づくにつれて、アー
マチュア5がロータ4に被着するのに抗する力が急激に
大きくなる。
【0027】〔第1参照例の作動〕 次に、参照例の作動を説明する。電磁コイル3の通電停
止時は、板バネ6の作用によってアーマチュア5がロー
タ4より離れた位置に保持されているので、Vベルトか
らロータ4に伝達される回転動力は、アーマチュア5お
よびインナーハブ7へは伝達されず、ロータ4のみがベ
アリング10上で空転する。
【0028】電磁コイル3が通電されると、電磁コイル
3の発生する磁力によってアーマチュア5がロータ4に
吸引され、アーマチュア5がロータ4に被着する。する
と、ロータ4の回転がアーマチュア5、板バネ6、イン
ナーハブ7を介して冷媒圧縮機の入力軸に伝達され、冷
媒圧縮機が駆動される。
【0029】前述の図12で示したように、アーマチュ
ア5がロータ4に被着する際、アーマチュア5がロータ
4に被着する寸前に、アーマチュア5がロータ4に被着
するのに抗する力が急激に大きくなる。このため、アー
マチュア5がロータ4に被着する際の衝撃力が抑えられ
る。
【0030】また、アーマチュア5がロータ4に被着す
る際、瞬間的ではあるが、内側リング5aと外側リング
5bとが別々にロータ4に被着する。内側リング5aお
よび外側リング5bのそれぞれは、ともに内外リング一
体型のアーマチュアに比較して重量が小さいため、内側
リング5aがロータ4に被着した作動音も、外側リング
5bがロータ4に被着した作動音も、ともに内外リング
一体型のアーマチュアがロータ4に被着した際の作動音
に比較して、大変小さい。このため、内側リング5aと
外側リング5bとが瞬間的ではあるが、別々にロータ4
に被着することによって、アーマチュア5がロータ4に
被着する際の作動音が分散して、発生する作動音が小さ
くなる。
【0031】一方、アーマチュア5がロータ4に被着す
る際、内側リング5aがロータ4側へ移動するに従い、
弾性材15の外周のリング押圧部15eが内側リング5
aの移動に追従する。そして、内側リング5aがロータ
4に被着した際も、弾性材15のリング押圧部15eが
内側リング5aの内周面に押し付けられる。このため、
アーマチュア5がロータ4に被着し、被着の衝撃力によ
って、内側リング5aが作動音を発生しようとしても、
内側リング5aが弾性材15に強く制振されるため、内
側リング5aの作動音が抑えられる。
【0032】また、アーマチュア5がロータ4に被着し
た際、衝撃力によって板バネ6およびアーム部14が振
動を発生しようとするが、アーム部14は弾性材15の
押圧部15cに押し付けられ、板バネ6は弾性材15の
凸部15dに押し付けられているため、発生する振動が
弾性材15で吸収される。
【0033】なお、アーマチュア5がロータ4から離れ
た際、内側リング5aおよび外側リング5bは、ともに
ストッパクッション17によって振動が抑えられる。さ
らに、内側リング5aが内周面においてリング押圧部1
5eに押し付けられることによって、内側リング5aの
振動が抑えられる。このため、アーマチュア5がロータ
4から離れた際においても、アーマチュア5が離れた際
の音の発生が抑えられる。
【0034】〔第1参照例の効果〕 本参照例では、上記の作用で示したように、アーマチュ
ア5がロータ4に被着する際、アーマチュア5がロータ
4に被着する寸前に、アーマチュア5がロータ4に被着
するのに抗する力が急激に大きくなるため、アーマチュ
ア5がロータ4に被着する際の衝撃力が抑えられる。こ
の結果、アーマチュア5がロータ4に被着した際に発生
する作動音を従来に比較して小さく抑えることができ
る。
【0035】内側リング5aと外側リング5bとが瞬間
的ではあるが、別々にロータ4に被着することによっ
て、アーマチュア5がロータ4に被着する際の作動音が
抑えられる。
【0036】また、内側リング5aがロータ4に被着す
る際、内側リング5aの内周面が弾性材15のリング押
圧部15eに押し付けられることによって、内側リング
5aが弾性材15に強く制振されて、内側リング5aの
作動音が抑えられる。
【0037】さらに、アーマチュア5がロータ4に被着
した際に生じる衝撃力によって、アーマチュア5、板バ
ネ6、アーム部14が振動を発生しようとするが、この
振動を弾性材15が吸収するため、板バネ6、およびア
ーム部14の振動による作動音が抑えられる。
【0038】作動音を低減する機構(アーム部14、弾
性材15、保持部材18)が、アーマチュア5の内径側
の余剰のスペースに収まるため、電磁クラッチ1を軸方
向および径方向寸法を拡大することなく、つまり電磁ク
ラッチ1の体格を大きくすることなく、作動音を抑える
ことができる。
【0039】弾性材15を押圧する部材は、板バネ6と
一体のアーム部14であるため、部品点数が少なく、か
つ組付工数を抑えることができる。また、アーマチュア
5に弾性材15を保持するための加工を施す必要がない
ため、アーマチュア5の加工が容易である。
【0040】〔第2参照例〕 図13および図14は第2参照例を示すもので、図13
は弾性材15の断面図、図14はその要部拡大図であ
る。本参照例の弾性材15のリング押圧部15eは、組
付時において、内側リング5aの内部に圧入する際、内
側リング5aに当たる部分に、テーパー部15gを形成
したものである。これによって、弾性材15を内側リン
グ5aの内周に組付ける際の組付け性が向上する。
【0041】〔第3参照例〕 図15は第3参照例を示す電磁クラッチ1の断面図であ
る。本参照例は、リング状の保持部材18の内周面に形
成したリング18eをインナーハブ7の円筒部7bの外
周面上に圧入することによって、保持部材18をインナ
ーハブ7に固定するものである。
【0042】また、アーム部14(本発明の圧縮部に相
当)によって押し付けられる弾性材15の内周に位置す
るリング18eには、アーム部14によって押される方
向に径が拡大する拡大部18fが形成されている。この
ように、リング18eに拡大部18fを設けることによ
り、アーマチュア5がロータ4に被着する際、弾性材1
5がアーム部14で押されると、弾性材15が外径側へ
変形する。このため、アーマチュア5がロータ4に被着
する際、リング押圧部15eが内側リング5aに強く押
し付けられ、内側リング5aの制振力が高くなる。
【0043】〔実施例〕 図16ないし図18は実施例を示すもので、図16は電
磁クラッチ1の断面図、図17は電磁クラッチ1の正面
図、図18はアーマチュア5の正面図である。本実施例
は、図18に示すように、内側リング5aに、内側リン
グ5aの内径側へ延びる3つのアーム部(圧縮部に相当
する)14を一体形成したもので、内側リング5aのア
ーム部14は、それぞれ図17に示すように、弾性材1
5の一部に当接し、アーマチュア5がロータ4に被着す
る際、内側リング5aと一体のアーム部14が弾性材1
5を直接圧縮する。
【0044】
【図面の簡単な説明】
【図1】電磁クラッチの断面図である(第1参照例)。
【図2】電磁クラッチの正面図である(第1参照例)。
【図3】弾性材の正面図である(第1参照例)。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である(第1参照
例)。
【図5】弾性材の後面図である(第1参照例)。
【図6】図3のB−B線に沿う断面図である(第1参照
例)。
【図7】図3のC−C線に沿う断面図である(第1参照
例)。
【図8】リング押圧部の拡大断面図である(第1参照
例)。
【図9】保持部材の正面図である(第1参照例)。
【図10】図9のD−D線に沿う断面図である(第1参
照例)。
【図11】図9のE−E線に沿う断面図である(第1参
照例)。
【図12】アーマチュアの変位と荷重との関係を示すグ
ラフである(第1参照例)。
【図13】リング押圧部の断面図である(第2参照
例)。
【図14】リング押圧部の拡大断面図である(第2参照
例)。
【図15】電磁クラッチの断面図である(第3参照
例)。
【図16】電磁クラッチの断面図である(実施例)。
【図17】電磁クラッチの正面図である(実施例)。
【図18】アーマチュアの正面図である(実施例)。
【符号の説明】
1 電磁クラッチ 3 電磁コイル 4 ロータ 5 アーマチュア 5a 内側リング 5b 外側リング 6 板バネ 7 インナーハブ(回転被動体) 11 連結部材 14 アーム部(圧縮部) 15 弾性材 18 保持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−219122(JP,A) 特開 平2−5620(JP,A) 特開 平4−312216(JP,A) 実開 平4−128539(JP,U) 実開 昭61−89528(JP,U) 実用新案登録2583661(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16D 27/112

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)通電によって磁力を発生する電磁コ
    イルと、 (b)回転駆動されるロータと、 (c)前記電磁コイルの発生する磁力によって前記ロー
    タに被着し、前記ロータの回転を受けるアーマチュア
    と、 (d)このアーマチュアと一体に回転する回転被動体
    と、 (e)前記アーマチュアと前記回転被動体とを連結し、
    前記アーマチュアを前記ロータ側へ変位可能に支持する
    板バネと、 (f)前記アーマチュアに設けられ、このアーマチュア
    の内側に延びる圧縮部と、 (g)前記回転被動体に設けられ、前記アーマチュアの
    側において前記圧縮部と対向するように配置された
    保持部材と、 (h)前記アーマチュアの内径側の前記圧縮部と前記保
    持部材との間に配置され、前記アーマチュアが前記ロー
    タに被着した状態であっても離れた状態であっても、常
    に前記アーマチュアと直接接触するとともに、前記アー
    マチュアが前記ロータに被着する際に、前記圧縮部と前
    記保持部材との間で圧縮される弾性材とを備え 前記アーマチュアは、別体に設けられて隙間を隔てて内
    周と外周に配置された内側リング、外側リングを備え、
    前記圧縮部は、前記内側リングの内径側に一体に設けら
    れたことを特徴とする 電磁クラッチの作動音防止機構。
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