JPH0735830U - 電磁クラッチの作動音防止機構 - Google Patents

電磁クラッチの作動音防止機構

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JPH0735830U
JPH0735830U JP6633393U JP6633393U JPH0735830U JP H0735830 U JPH0735830 U JP H0735830U JP 6633393 U JP6633393 U JP 6633393U JP 6633393 U JP6633393 U JP 6633393U JP H0735830 U JPH0735830 U JP H0735830U
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昌史 鳥羽山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電磁クラッチの作動時に発生する作動音を抑
える。 【構成】 アーマチュア5は、アーマチュア5の内周へ
延びるアーム部14をリベット12によって固定して備
える。このアーム部14のロータ4側の面は、ゴム製の
弾性材15に押し付けられ、この弾性材15はインナー
ハブ7に取り付けられた保持部材18に保持されてい
る。また、弾性材15の外周端部は、アーマチュア5の
内周面に強く押し付けられ、弾性材15がアーマチュア
5に常に直接当接する。そして、アーマチュア5がロー
タ4に向かって変位すると、アーマチュア5がロータ4
に被着する寸前にアーム部14と弾性材15との反力が
急激に大きくなって、アーマチュア5がロータ4に被着
した際の衝撃力が小さくなり、作動音が抑えられるとと
もに、アーマチュア5の内周面に押し付けられる弾性材
15によってアーマチュア5が制振され、作動音が抑え
られる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、回転動力の伝達および遮断を行う電磁クラッチに関し、例えばカー エアコンの圧縮機作動の断続のために用いて好適であり、特に電磁クラッチの作 動音を防ぐ機構に係わる技術である。
【0002】
【従来の技術】
乾式単板電磁クラッチは、回転駆動されるロータに間隙を隔てて対向配置され たアーマチュアを備える。そして、電磁コイルが通電を受けて磁力を発生すると 、回転被動体に板バネを介して支持されたアーマチュアがロータに吸引され、板 バネの変形によってアーマチュアがロータに被着する。この結果、ロータの回転 が、アーマチュア、板バネを介して回転被動体に伝達される。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
上記に示す電磁クラッチの構造では、電磁コイルの通電停止時にアーマチュア がロータより間隙を隔てて対向配置されるため、電磁コイルが通電されてアーマ チュアがロータに被着する際、アーマチュアがロータに衝突する。アーマチュア は板バネを介して支持されるため、剛性が低い。このため、電磁クラッチが作動 した際、アーマチュアが振動して比較的大きな作動音が発生する。
【0004】 本考案は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、電磁クラッチの 作動時に発生する作動音を抑えることのできる電磁クラッチの作動音防止機構の 提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案の電磁クラッチの作動音防止機構は、上記目的達成のため、次の技術的 手段を採用した。 電磁クラッチは、通電によって磁力を発生する電磁コイルと、回転駆動される ロータと、前記電磁コイルの発生する磁力によって前記ロータに被着し、ロータ の回転を受けるアーマチュアと、このアーマチュアと一体に回転する回転被動体 と、前記アーマチュアと前記回転被動体とを連結し、前記アーマチュアを前記ロ ータ側へ変位可能に支持する板バネと、前記アーマチュアに設けられ、このアー マチュアの内周側に延びる圧縮部と、前記回転被動体に設けられ、前記アーマチ ュアの内周側において前記圧縮部と対向するように配置された保持部材と、前記 圧縮部と前記保持部材との間に配置され、前記アーマチュアが前記ロータに被着 した状態であっても離れた状態であっても、常に前記アーマチュアと直接接触す るとともに、前記アーマチュアが前記ロータに被着する際に、前記圧縮部と前記 保持部材との間で圧縮される弾性材とを備える。
【0006】 なお、本考案は、次の態様を実施しても良い。 アーマチュアは、内周に配された内側リングと、この内側リングに間隙を隔て て外周に配置される内側リングとは別体に設けられた外側リングと、内側リング と外側リングとを連結する内側リングおよび外側リングとは別体に設けられた非 磁性体の連結部材とからなる。そして、圧縮部は、連結部材と一体に設けられる 。 アーマチュアは、内周に配された内側リングと、この内側リングに間隙を隔て て外周に配置される内側リングとは別体に設けられた外側リングを連結して設け られる。そして、圧縮部は、内側リングと一体に設けられる。
【0007】
【作用】
電磁コイルが通電されると、アーマチュアはロータに吸引されてロータに被着 する。このアーマチュアがロータに吸引される際、アーマチュアの移動にともな って、圧縮部が弾性材を圧縮する。そして、アーマチュアがロータに近づくにつ れて、圧縮部および弾性材の反力が急激に大きくなる。つまり、アーマチュアが ロータに被着する寸前に、アーマチュアがロータに被着するのに抗する力が急激 に大きくなる。このため、アーマチュアがロータに被着する衝撃が抑えられる。 また、弾性材は、常にアーマチュアと直接接触しているため、アーマチュアの 振動を常に制振する。
【0008】
【考案の効果】
本考案の電磁クラッチの作動音防止機構は、上記の作用で示したように、アー マチュアがロータに被着する寸前に、アーマチュアがロータに被着するのに抗す る力が急激に大きくなって、アーマチュアがロータに被着する衝撃が抑えられる ため、アーマチュアがロータに被着した際に発生する作動音を抑えることができ るとともに、アーマチュアが常に弾性材と接触して振動が制振されるため、アー マチュアの振動による作動音の発生を抑えることができる。 また、作動音を低減する機構をアーマチュアの内径のスペースに収めることが 可能であるため、電磁クラッチの体格を大きくすることなく、作動音を抑えるこ とができる。
【0009】 請求項2あるいは請求項3の態様を採用することにより、圧縮部が他の部材( 請求項2では連結部材、請求項3では内側リング)と共用されるため、作動音防 止機構の部品点数が少なく、かつ組付工数を抑えることができる。 また、請求項2の態様を採用することにより、アーマチュアに作動音防止機構 のための加工を施す必要がないため、アーマチュアの加工が容易となる。
【0010】
【実施例】
次に、本考案の電磁クラッチの作動音防止機構を、図に示す一実施例に基づき 説明する。 〔実施例の構成〕 図1ないし図12は第1実施例を示すもので、図1は車両用冷凍サイクルの冷 媒圧縮機に取り付けられる電磁クラッチの断面図、図2はその正面図である。 電磁クラッチ1は、ステータ2内に収容された電磁コイル3と、図示しないエ ンジンによって回転駆動されるロータ4と、電磁コイル3の発生する磁力によっ てロータ4に被着するアーマチュア5と、このアーマチュア5に板バネ6を介し て連結され、アーマチュア5と一体に回転して図示しない冷媒圧縮機(ピストン 型圧縮機、スクロール型圧縮機、ロータリー型圧縮機等)に回転動力を伝えるイ ンナーハブ7とからなる。
【0011】 電磁コイル3は、絶縁皮膜を施した導線を巻いたもので、鉄などの磁性体製で 形成された断面コ字形のステータ2内に収容され、エポキシ等の樹脂部材8によ ってステータ2内にモールド固定されている。なお、ステータ2は、リング状の 支持部材9に固定され、この支持部材9が冷媒圧縮機のハウジングに固定される ことによって、ステータ2が冷媒圧縮機に装着される。
【0012】 ロータ4は、周囲に多段式のVベルト(図示しない)が掛け渡されるプーリ4 aを有し、Vベルトを介して伝達されたエンジンの回転動力によって回転する。 ロータ4は、鉄などの磁性体製で、ステータ2を収容する断面コ字形を呈する。 また、ロータ4は、その内周にベアリング10を備え、このベアリング10によ ってロータ4は冷媒圧縮機のハウジングに対して回転自在に支持される。
【0013】 アーマチュア5は、ロータ4の摩擦面に間隙を隔てて対向配置されるもので、 鉄などの磁性体よりなるリング状を呈する。本実施例のアーマチュア5は、内周 に配された内側リング5aと、この内側リング5aに間隙(磁気遮断溝5c)を 隔てて外周に配置された内側リング5aとは別体に設けられた外側リング5bと を組み合わせたもので、非磁性体よりなる板バネ6と一体に設けられた連結部材 11を、図2に示すように、内外のリング5a、5bの間に架け渡し、リベット 12、13で固定したものである。なお、板バネ6は、非磁性ステンレス(オー ステナイト系)よりなり、内側リング5aと外側リング5bの間の磁気遮断を完 全にしている。
【0014】 また、アーマチュア5の内側リング5aには、アーマチュア5の内側に延びる 本発明の圧縮部であるアーム部14が設けられる。本実施例のアーム部14は、 連結部材11と一体、つまり板バネ6と一体に設けられたバネ力を備えたもので 、図1に示すように、アーム部14の内周側のアーマチュア5側の面は、アーマ チュア5の内側リング5aの内側に配置された弾性材15(後述する)の一部に 押し付けられている。そして、アーム部14は、連結部材11を内側リング5a にリベット12で固定することにより、連結部材11とともに内側リング5aに 固定される。
【0015】 インナーハブ7は、本考案の回転被動体で、三角形状のつば部7aと、冷媒圧 縮機の入力軸にスプライン嵌合される円筒部7bとを接合したものである。つば 部7aは、複数の金属ばね材よりなる板バネ6を介してアーマチュア5に連結さ れ、インナーハブ7はアーマチュア5と一体に回転する。アーマチュア5と板バ ネ6は上述のリベット12、13によって固定され、板バネ6とつば部7aはリ ベット16によって固定されている。この板バネ6の弾性力により、アーマチュ ア5は、ロータ4から離れる方向へ変位するようになっている。
【0016】 つば部7aの三角形の各頂部近傍に開けた穴には、ゴム材料等の弾性部材より なるストッパクッション17が圧入により取り付けられている。このストッパク ッション17は、図1に示すようにつば部7aとアーマチュア5との間に介挿さ れた円板部17aを有し、この円板部17aによってアーマチュア5が所定間隙 以上ロータ4から離れるのを阻止し、電磁コイル3の通電が停止している場合に 、アーマチュア5とロータ4との間隙gを所定間隙(例えば0.5mm)に保つも のである。
【0017】 前記アーム部14のアーマチュア5側の面が押し付けられる弾性材15は、ア ーマチュア5の内周側においてアーム部14と対向するように配置されるととも に、外周端がアーマチュア5の内側リング5aの内周面に押し付けられて、内側 リング5aと常に当接するもので、インナーハブ7に固定されたリング状の保持 部材18と、アーム部14との間で保持されている。この弾性材15および保持 部材18について、それぞれ次で説明する。
【0018】 弾性材15は、アーム部14より弾性力の低い天然ゴム、合成ゴム(ニトリル ゴム、ブチルゴムなど)などの弾性ゴムよりなる。また、弾性材15は、図3な いし図5に示すように、略扇型の扇部15aを3つ(板バネ6の同数)有し、こ れらを連結材15bにて連結したリング状に形成されている。
【0019】 扇部15aの一方には、アーム部14によって押圧される押圧部15cが設け られている。この押圧部15cは、アーム部14が組み付けられた状態における アーム部14の変形に応じてテーパ状に設けられている(図6参照)。この押圧 部15cによってアーム部14の振動が抑えられる。また、押圧部15cのテー パ形状によって、アーマチュア5がロータ4に吸着された際におけるアーム部1 4と弾性材15との押圧面積を確保するとともに、弾性変形によってアーム部1 4の発生応力を低減し、アーマチュア5がロータ4に被着するのに抗する抵抗力 の適正化を図るものである。
【0020】 また、扇部15aの他方には、つば部7aとアーマチュア5とを連結する板バ ネ6に押し付けられる凸部15dが板バネ6側に突出して設けられている(図7 参照)。この凸部15dは、板バネ6の振動を抑えるとともに、弾性変形によっ て板バネ6の発生応力が低減し、アーマチュア5がロータ4に被着するのに抗す る抵抗力の適正化を図るものである。
【0021】 さらに、扇部15aの外周端部には、内側リング5aの内周面に押し付けられ て、内側リング5aがロータ4に被着した状態であっても離れた状態であっても 、扇部15aの外周側が内側リング5aに追従して内側リング5aに常に押し付 けられた状態で当接するリング押圧部15eが設けられている(図8参照)。こ のリング押圧部15eは、端部の断面が円弧状に設けられたもので、扇部15a の外周側のロータ4側の面には、内側リング5aの移動にリング押圧部15eが 容易に追従するように変形力を増すためのテーパが形成されている。
【0022】 弾性材15のうち、保持部材18によって押圧保持される面には(図5参照) 、複数の突起15fが設けられている。この突起15fは、保持部材18に対す る弾性材15の位置決め用の突起で、保持部材18の位置決め穴18d(図9参 照)に挿入される。
【0023】 保持部材18は、鉄などの金属によって形成されたもので、図9ないし図11 に示すように、リベット16が挿通されてインナーハブ7のつば部7aに固定さ れる3つの固定部18aと、弾性材15の扇部15aを収納する3つの収納部1 8bとを連結したリング状に形成されている。なお、各固定部18aには、リベ ット16を挿通するリベット挿通穴18cが設けられている。また、各収納部1 8bには、弾性材15の突起15fが挿入される位置決め穴18dが形成されて いる。
【0024】 次に、電磁コイル3の非通電時におけるアーマチュア5の静止位置から、アー マチュア5がロータ4に被着するまでの変位と、アーマチュア5がロータ4に被 着するのに抗する抵抗力との関係を図12を用いて説明する。この図12のグラ フは、インナーハブ7を固定し、アーマチュア5をロータ4側の軸方向へ変位さ せた時の変位と荷重との関係を示すもので、図12に示す吸引ギャップgは図1 に示すアーマチュア5とロータ4の間隙gである。
【0025】 弾性材15を使用しない場合(板バネ6のバネ力のみ)では、一点鎖線Aに示 すように、アーマチュア5の変位量を0から徐々に増大させると、はじめ荷重は 急激に増大するが、その後荷重は比例的に増大する。ここで、初期に荷重が急激 に大きくなるのは、ストッパクッション17により、組付状態において与えられ ていた予荷重(板バネ6を軸方向へ変位させて荷重を発生)によるものである。
【0026】 弾性材15を使用した場合は、実線Bに示すように、初期においては弾性材1 5を使用しない場合と同様、荷重が急激に増大する。ただし、その荷重は、アー ム部14と押圧部15cで発生する荷重P1 (アーム部14のバネ力+弾性材1 5の押圧部15cの弾性力)と、板バネ6と凸部15dで発生する荷重P2 (板 バネ6のバネ力+弾性材15の凸部15dの弾性力)とが、新たに加わるため、 僅かに高くなる。そして、アーマチュア5の変位が大きくなるに従って、主にバ ネ力が強いアーム部14が変形し、結果的に荷重P1 、P2 の合成荷重が2次的 に増大する。つまり、弾性材15を使用した荷重は、実線Bに示すように、アー マチュア5がロータ4に近づくにつれて、急激に大きくなり、結果的に、アーマ チュア5がロータ4に近づくにつれて、アーマチュア5がロータ4に被着するの に抗する力が急激に大きくなる。
【0027】 〔第1実施例の作動〕 次に、実施例の作動を説明する。 電磁コイル3の通電停止時は、板バネ6の作用によってアーマチュア5がロー タ4より離れた位置に保持されているので、Vベルトからロータ4に伝達される 回転動力は、アーマチュア5およびインナーハブ7へは伝達されず、ロータ4の みがベアリング10上で空転する。
【0028】 電磁コイル3が通電されると、電磁コイル3の発生する磁力によってアーマチ ュア5がロータ4に吸引され、アーマチュア5がロータ4に被着する。すると、 ロータ4の回転がアーマチュア5、板バネ6、インナーハブ7を介して冷媒圧縮 機の入力軸に伝達され、冷媒圧縮機が駆動される。
【0029】 前述の図12で示したように、アーマチュア5がロータ4に被着する際、アー マチュア5がロータ4に被着する寸前に、アーマチュア5がロータ4に被着する のに抗する力が急激に大きくなる。このため、アーマチュア5がロータ4に被着 する際の衝撃力が抑えられる。
【0030】 また、アーマチュア5がロータ4に被着する際、瞬間的ではあるが、内側リン グ5aと外側リング5bとが別々にロータ4に被着する。内側リング5aおよび 外側リング5bのそれぞれは、ともに内外リング一体型のアーマチュアに比較し て重量が小さいため、内側リング5aがロータ4に被着した作動音も、外側リン グ5bがロータ4に被着した作動音も、ともに内外リング一体型のアーマチュア がロータ4に被着した際の作動音に比較して、大変小さい。このため、内側リン グ5aと外側リング5bとが瞬間的ではあるが、別々にロータ4に被着すること によって、アーマチュア5がロータ4に被着する際の作動音が分散して、発生す る作動音が小さくなる。
【0031】 一方、アーマチュア5がロータ4に被着する際、内側リング5aがロータ4側 へ移動するに従い、弾性材15の外周のリング押圧部15eが内側リング5aの 移動に追従する。そして、内側リング5aがロータ4に被着した際も、弾性材1 5のリング押圧部15eが内側リング5aの内周面に押し付けられる。このため 、アーマチュア5がロータ4に被着し、被着の衝撃力によって、内側リング5a が作動音を発生しようとしても、内側リング5aが弾性材15に強く制振される ため、内側リング5aの作動音が抑えられる。
【0032】 また、アーマチュア5がロータ4に被着した際、衝撃力によって板バネ6およ びアーム部14が振動を発生しようとするが、アーム部14は弾性材15の押圧 部15cに押し付けられ、板バネ6は弾性材15の凸部15dに押し付けられて いるため、発生する振動が弾性材15で吸収される。
【0033】 なお、アーマチュア5がロータ4から離れた際、内側リング5aおよび外側リ ング5bは、ともにストッパクッション17によって振動が抑えられる。さらに 、内側リング5aが内周面においてリング押圧部15eに押し付けられることに よって、内側リング5aの振動が抑えられる。このため、アーマチュア5がロー タ4から離れた際においても、アーマチュア5が離れた際の音の発生が抑えられ る。
【0034】 〔第1実施例の効果〕 本実施例では、上記の作用で示したように、アーマチュア5がロータ4に被着 する際、アーマチュア5がロータ4に被着する寸前に、アーマチュア5がロータ 4に被着するのに抗する力が急激に大きくなるため、アーマチュア5がロータ4 に被着する際の衝撃力が抑えられる。この結果、アーマチュア5がロータ4に被 着した際に発生する作動音を従来に比較して小さく抑えることができる。
【0035】 内側リング5aと外側リング5bとが瞬間的ではあるが、別々にロータ4に被 着することによって、アーマチュア5がロータ4に被着する際の作動音が抑えら れる。
【0036】 また、内側リング5aがロータ4に被着する際、内側リング5aの内周面が弾 性材15のリング押圧部15eに押し付けられることによって、内側リング5a が弾性材15に強く制振されて、内側リング5aの作動音が抑えられる。
【0037】 さらに、アーマチュア5がロータ4に被着した際に生じる衝撃力によって、ア ーマチュア5、板バネ6、アーム部14が振動を発生しようとするが、この振動 を弾性材15が吸収するため、板バネ6、およびアーム部14の振動による作動 音が抑えられる。
【0038】 作動音を低減する機構(アーム部14、弾性材15、保持部材18)が、アー マチュア5の内径側の余剰のスペースに収まるため、電磁クラッチ1を軸方向お よび径方向寸法を拡大することなく、つまり電磁クラッチ1の体格を大きくする ことなく、作動音を抑えることができる。
【0039】 弾性材15を押圧する部材は、板バネ6と一体のアーム部14であるため、部 品点数が少なく、かつ組付工数を抑えることができる。また、アーマチュア5に 弾性材15を保持するための加工を施す必要がないため、アーマチュア5の加工 が容易である。
【0040】 〔第2実施例〕 図13および図14は第2実施例を示すもので、図13は弾性材15の断面図 、図14はその要部拡大図である。 本実施例の弾性材15のリング押圧部15eは、組付時において、内側リング 5aの内部に圧入する際、内側リング5aに当たる部分に、テーパー部15gを 形成したものである。これによって、弾性材15を内側リング5aの内周に組付 ける際の組付け性が向上する。
【0041】 〔第3実施例〕 図15は第3実施例を示す電磁クラッチ1の断面図である。 本実施例は、リング状の保持部材18の内周面に形成したリング18eをイン ナーハブ7の円筒部7bの外周面上に圧入することによって、保持部材18をイ ンナーハブ7に固定するものである。
【0042】 また、アーム部14(本発明の圧縮部に相当)によって押し付けられる弾性材 15の内周に位置するリング18eには、アーム部14によって押される方向に 径が拡大する拡大部18fが形成されている。このように、リング18eに拡大 部18fを設けることにより、アーマチュア5がロータ4に被着する際、弾性材 15がアーム部14で押されると、弾性材15が外径側へ変形する。このため、 アーマチュア5がロータ4に被着する際、リング押圧部15eが内側リング5a に強く押し付けられ、内側リング5aの制振力が高くなる。
【0043】 〔第4実施例〕 図16ないし図18は第4実施例を示すもので、図16は電磁クラッチ1の断 面図、図17は電磁クラッチ1の正面図、図18はアーマチュア5の正面図であ る。 本実施例は、図18に示すように、内側リング5aに、内側リング5aの内側 へ延びる3つのアーム部(本発明の圧縮部に相当)14を一体形成したもので、 内側リング5aのアーム部14は、それぞれ図17に示すように、弾性材15の 一部に当接し、アーマチュア5がロータ4に被着する際、内側リング5aと一体 のアーム部14が弾性材15を直接圧縮する。
【0044】 〔変形例〕 上記の実施例では、内側リングと外側リングとを別体に設けて連結部材によっ て連結した例を示したが、内側リングと外側リングとを一体に設け、磁気遮断溝 を複数の長孔で形成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】電磁クラッチの断面図である(第1実施例)。
【図2】電磁クラッチの正面図である(第1実施例)。
【図3】弾性材の正面図である(第1実施例)。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である(第1実施
例)。
【図5】弾性材の後面図である(第1実施例)。
【図6】図3のB−B線に沿う断面図である(第1実施
例)。
【図7】図3のC−C線に沿う断面図である(第1実施
例)。
【図8】リング押圧部の拡大断面図である(第1実施
例)。
【図9】保持部材の正面図である(第1実施例)。
【図10】図9のD−D線に沿う断面図である(第1実
施例)。
【図11】図9のE−E線に沿う断面図である(第1実
施例)。
【図12】アーマチュアの変位と荷重との関係を示すグ
ラフである(第1実施例)。
【図13】リング押圧部の断面図である(第2実施
例)。
【図14】リング押圧部の拡大断面図である(第2実施
例)。
【図15】電磁クラッチの断面図である(第3実施
例)。
【図16】電磁クラッチの断面図である(第4実施
例)。
【図17】電磁クラッチの正面図である(第4実施
例)。
【図18】アーマチュアの正面図である(第4実施
例)。
【符号の説明】
1 電磁クラッチ 3 電磁コイル 4 ロータ 5 アーマチュア 5a 内側リング 5b 外側リング 6 板バネ 7 インナーハブ(回転被動体) 11 連結部材 14 アーム部(圧縮部) 15 弾性材 18 保持部材

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)通電によって磁力を発生する電磁コ
    イルと、 (b)回転駆動されるロータと、 (c)前記電磁コイルの発生する磁力によって前記ロー
    タに被着し、ロータの回転を受けるアーマチュアと、 (d)このアーマチュアと一体に回転する回転被動体
    と、 (e)前記アーマチュアと前記回転被動体とを連結し、
    前記アーマチュアを前記ロータ側へ変位可能に支持する
    板バネと、 (f)前記アーマチュアに設けられ、このアーマチュア
    の内周側に延びる圧縮部と、 (g)前記回転被動体に設けられ、前記アーマチュアの
    内周側において前記圧縮部と対向するように配置された
    保持部材と、 (h)前記圧縮部と前記保持部材との間に配置され、前
    記アーマチュアが前記ロータに被着した状態であっても
    離れた状態であっても、常に前記アーマチュアと直接接
    触するとともに、前記アーマチュアが前記ロータに被着
    する際に、前記圧縮部と前記保持部材との間で圧縮され
    る弾性材とを備える電磁クラッチの作動音防止機構。
  2. 【請求項2】前記アーマチュアは、内周に配された内側
    リングと、この内側リングに間隙を隔てて外周に配置さ
    れる前記内側リングとは別体に設けられた外側リング
    と、前記内側リングと前記外側リングとを連結する前記
    内側リングおよび前記外側リングとは別体に設けられた
    非磁性体の連結部材とからなり、 前記圧縮部は、前記連結部材と一体に設けられたことを
    特徴とする請求項1の電磁クラッチの作動音防止機構。
  3. 【請求項3】前記アーマチュアは、内周に配された内側
    リングと、この内側リングに間隙を隔てて外周に配置さ
    れる前記内側リングとは別体に設けられた外側リングを
    連結して設けられ、 前記圧縮部は、前記内側リングと一体に設けられたこと
    を特徴とする請求項1の電磁クラッチの作動音防止機
    構。
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