JP4756714B2 - 空気入りタイヤ、及び、空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤ、及び、空気入りタイヤの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4756714B2
JP4756714B2 JP2008501625A JP2008501625A JP4756714B2 JP 4756714 B2 JP4756714 B2 JP 4756714B2 JP 2008501625 A JP2008501625 A JP 2008501625A JP 2008501625 A JP2008501625 A JP 2008501625A JP 4756714 B2 JP4756714 B2 JP 4756714B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive
rubber
tire
ribbon
rubber ribbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008501625A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2007097104A1 (ja
Inventor
佳則 朝山
英司 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2008501625A priority Critical patent/JP4756714B2/ja
Publication of JPWO2007097104A1 publication Critical patent/JPWO2007097104A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4756714B2 publication Critical patent/JP4756714B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C19/00Tyre parts or constructions not otherwise provided for
    • B60C19/08Electric-charge-dissipating arrangements
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D30/00Producing pneumatic or solid tyres or parts thereof
    • B29D30/06Pneumatic tyres or parts thereof (e.g. produced by casting, moulding, compression moulding, injection moulding, centrifugal casting)
    • B29D30/52Unvulcanised treads, e.g. on used tyres; Retreading
    • B29D30/58Applying bands of rubber treads, i.e. applying camel backs
    • B29D30/60Applying bands of rubber treads, i.e. applying camel backs by winding narrow strips
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D30/00Producing pneumatic or solid tyres or parts thereof
    • B29D30/06Pneumatic tyres or parts thereof (e.g. produced by casting, moulding, compression moulding, injection moulding, centrifugal casting)
    • B29D30/52Unvulcanised treads, e.g. on used tyres; Retreading
    • B29D2030/526Unvulcanised treads, e.g. on used tyres; Retreading the tread comprising means for discharging the electrostatic charge, e.g. conductive elements or portions having conductivity higher than the tread rubber
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S152/00Resilient tires and wheels
    • Y10S152/02Static discharge

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)
  • Tyre Moulding (AREA)

Description

本発明は、トレッド部のタイヤ外周側部分を非導電性ゴム層により構成した空気入りタイヤと、その空気入りタイヤの製造方法に関する。
従来、車両の低燃費化と関係が深いタイヤの転動抵抗低減を目的として、トレッドゴムをシリカ高充填配合とした空気入りタイヤが知られている。これは、ヒステリシスロスの発生原因となるカーボンブラックの配合量を減らし、代わりにシリカを配合したものである。これにより、転がり抵抗を低減して低燃費化を図ることができるとともに、濡れた路面での制動力を高めてWET性能をも向上することができる。
しかしながら、上記のトレッドゴムは、カーボンブラックのみを配合したトレッドゴムに比べて電気抵抗が高く、静電気やゴム変形時の内部摩擦などで発生した電気が車体に蓄積されると、人体へのアースやラジオノイズ等の不具合を生じるという問題があった。そこで、シリカ等を配合した非導電性のトレッドゴムに、カーボンブラック等を配合した導電層を設けて、車体に発生する電気を路面に放出させるようにした空気入りタイヤが開発されている。
例えば下記特許文献1には、非導電性のトレッドゴムに、その底面からタイヤ径方向外側に延在してトレッド表面に達する導電層を設けた空気入りタイヤが記載されている。しかしながら、かかるタイヤでは、導電層の形成箇所がパターンデザインに影響されるという問題があり、タイヤ周方向に連続して延在するリブパターン以外のパターンデザインでは導電性が不十分な場合がある。また、上記の導電層を複数本形成する場合には、製造工程が複雑になるという問題がある。
一方、トレッド表面の幅方向両側から側面を経由して底面に達する領域に、導電性ゴムを配合したゴムのり等の液状物を塗布し、それにより導電層を形成して導電性能を付与することが考えられる。しかしながら、かかるタイヤでは、ショルダーのみが早期に摩耗した場合など、トレッドゴムの摩耗状態によって導電性能が十分に発揮されない場合がある。
下記特許文献2には、導電層がトレッド表面から底面まであみだくじ状又は網目状に延在する空気入りタイヤが記載されている。このトレッドゴムは、非導電性ゴムリボンの表面を導電層により部分的又は全体的に被覆し、それをタイヤ周方向に沿って巻き付けて積層することにより形成される。しかしながら、かかるタイヤでは、導電性ゴムの比率が必要以上に多くなるとともに、摩耗状態に応じて導電性ゴム層がトレッド表面上に連続して露出するため、本来の目的である低燃費性能やWET性能が十分に発揮されない場合がある。
下記特許文献3には、非導電性のトレッドゴムに、タイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在し、一端がトレッド表面に露出するとともに他端がサイドウォールゴムに接する導電層を設けた空気入りタイヤが記載されている。このトレッドゴムは、非導電性ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って巻き付けて、段部を有する所定断面形状のゴム層を形成した後、そのゴム層上に導電性ゴムリボンを巻き付け、更にその上に非導電性ゴムリボンを巻き付けることにより形成される。しかしながら、かかるタイヤでは、トレッドゴムの摩耗状態によって、トレッド表面上に露出する導電性ゴムが極端に少なくなる場合があり、導電性能が十分に確保されないおそれがある。また、製造工程が複雑で生産性が低下する傾向にある。
特許第2944908号明細書 特開平11−227415号公報 特開2004−136808号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、トレッド部のタイヤ外周側部分を非導電性ゴム層で構成することによる改善効果を損なうことなく、優れた導電性能を発揮することができる空気入りタイヤと、その空気入りタイヤの製造方法を提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成することができる。即ち、本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド部の少なくともタイヤ外周側部分を構成し、非導電性ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って巻き付けて積層してなる非導電性ゴム層と、前記非導電性ゴムリボンの一部に設けられ、タイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在する導電層とを備え、前記導電層が、前記非導電性ゴム層の底面からタイヤ外周側に向かって、タイヤ断面高さを異ならせて複数本形成されており、そのうちの少なくとも一本がトレッド表面に露出し、前記非導電性ゴム層が、非導電性ゴムリボンのタイヤ外周側部分の一部に前記導電層を設けた第1のゴムリボンと、非導電性ゴムリボンの一部であって前記第1のゴムリボンとは異なる部位に前記導電層を設けた第2のゴムリボンとを、それぞれタイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に巻き付けて積層してなるものである。
本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド部のタイヤ外周側部分が非導電性ゴム層により構成されており、この非導電性ゴム層は非導電性ゴムリボンを巻き付けて積層したものである。非導電性ゴム層には導電層が埋設されており、その導電層はタイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在する。そして、その導電層が、非導電性ゴム層の底面からタイヤ外周側に向かってトレッド表面で露出することにより、車体に発生した電気が導電層を通じて路面に放出される。
導電層は、非導電性ゴムリボンの一部に設けられ、巻き付けられた非導電性ゴムリボンに対応して、タイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在する。非導電性ゴムリボンは、非導電性ゴム層の断面形状が得られるよう、端部の重ね幅など巻き付け形態を適宜に変えて積層される。また、非導電性ゴム層は、円筒状のカーカスプライのタイヤ外周側に配されることから、タイヤ成形時には、タイヤ子午線断面が緩やかなアーチ状をなすように変形される。
そのため、非導電性ゴムリボンは巻き付け位置ごとに様々な断面形状をなし、その一部に設けられた導電層は、非導電性ゴム層の内部にて種々のタイヤ幅方向位置及びタイヤ断面高さで散在されることになる。その結果、トレッド表面に露出した導電層が摩耗しても、それに次いで他の部分が新たに露出し易く、たとえ偏摩耗が発生した場合であってもトレッド表面での導電層の露出が好適に確保されるため、優れた導電性能を発揮することができる。
本発明では、導電層が非導電性ゴム層の内部に散在するため、パターンデザインに影響されることなく、優れた導電性能を発揮することができる。また、導電層は、導電性能を適切に発揮しうる程度に設ければよく、そのボリューム調整が容易であることから、上記特許文献に記載のタイヤのように導電性部分の比率が必要以上に多くなることがない。したがって、トレッド部のタイヤ外周側部分を非導電性ゴム層で構成することによる改善効果を損なうことなく、非導電性ゴム層をシリカ高充填配合とした場合には優れた燃費性能及びWET性能を発揮することができる。
非導電性ゴム層は、それ単独でトレッドゴムを構成するものでもよいが、そのタイヤ内周側に導電性を示すベースゴムが配された所謂キャップ・ベース構造のキャップゴムを構成するものでも構わない。非導電性ゴムとしては、例えば補強剤としてシリカを高比率で配合したゴム組成物が挙げられる。また、導電層は、体積抵抗率が10Ω・cm以下の導電性を示すことが好ましく、これにより車体に発生した電気を十分に路面に放出することができる。
本発明の空気入りタイヤでは、前記導電層を、前記非導電性ゴムリボンの外周面に塗付された導電性液状物により形成することができ、又は、前記非導電性ゴムリボンの一部に配された導電性ゴムにより形成することができる。
導電性液状物としては、ゴムとの接着性に優れ、加硫工程を経ても導電性が損なわれないものであれば特に限定なく使用することができ、カーボンブラックを高比率で配合したゴム組成物を混合したゴムのりやゴムセメント等が例示される。また、導電性ゴムとしては、例えば補強剤としてカーボンブラックを高比率で配合したゴム組成物が挙げられる。導電層に必要とされる導電性は、カーボンブラック以外にカーボンファイバー、グラファイト等のカーボン系、又は金属粉、金属酸化物、金属フレーク、金属繊維等の金属系の公知の導電性付与材を所定量配合することによっても得られる。
上記した本発明の空気入りタイヤでは、前記導電層が、タイヤ断面高さを異ならせて複数本形成されており、そのうちの少なくとも一本がトレッド表面に露出している。
上記構成では、複数本形成された導電層のうち、少なくとも一本が非導電性ゴム層の底面からタイヤ外周側に延在してトレッド表面に露出しているため、その導電層を通じて車体の電気を路面に放出することができる。そして、複数本の導電層がタイヤ断面高さを異ならせて形成されていることにより、上述した導電層の散在の度合いを効果的に高めて、導電層を種々のタイヤ幅方向位置及びタイヤ断面高さで配することができる。その結果、トレッド表面での導電層の露出頻度が確保され、優れた導電性能を発揮することができる。
また、上記した本発明の空気入りタイヤは、前記非導電性ゴム層が、非導電性ゴムリボンのタイヤ外周側部分の一部に前記導電層を設けた第1のゴムリボンと、非導電性ゴムリボンの一部であって前記第1のゴムリボンとは異なる部位に前記導電層を設けた第2のゴムリボンとを、それぞれタイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に巻き付けて積層してなるものである。これにより、非導電性ゴム層を効率良く形成することができ、生産性を高めることができる。
本発明に係る別の空気入りタイヤは、トレッド部の少なくともタイヤ外周側部分を構成し、非導電性ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って巻き付けて積層してなる非導電性ゴム層と、前記非導電性ゴムリボンの一部に設けられ、タイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在する導電層とを備え、前記導電層が、前記非導電性ゴム層の底面からタイヤ外周側に向かってトレッド表面で露出し、前記非導電性ゴムリボンに対する幅方向位置を変えながらタイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在するものである。
導電層が、非導電性ゴムリボンに対する幅方向位置を変えながら延在することにより、上述した導電層の散在の度合いをより効果的に高めることができ、非導電性ゴム層の内部にて導電層を種々のタイヤ幅方向位置及びタイヤ断面高さで配することができる。その結果、トレッド表面での導電層の露出頻度が確保され、導電層が摩耗してもそれに次いで他の部分が新たに露出し易く、たとえ偏摩耗が発生した場合であってもトレッド表面での導電層の露出が好適に確保されるため、優れた導電性能を発揮することができる。
また、本発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、非導電性ゴムリボンの一部に導電層を設ける工程と、前記非導電性ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に巻き付けて積層することで、トレッド部の少なくともタイヤ外周側部分を構成する非導電性ゴム層を形成し、前記導電層をタイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在させ、前記非導電性ゴム層の底面からタイヤ外周側に向かってトレッド表面で露出させる工程とを備え、非導電性ゴムリボンのタイヤ外周側部分に前記導電層を設けた第1のゴムリボンを、タイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に巻き付けて積層し、前記導電層を前記非導電性ゴム層の底面からタイヤ外周側に延在させてトレッド表面に露出させ、非導電性ゴムリボンの一部であって前記第1のゴムリボンとは異なる部位に導電層を設けた第2のゴムリボンを、タイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に巻き付けて積層し、その導電層を前記非導電性ゴム層の底面からタイヤ外周側に延在させるとともに前記第1のゴムリボンの導電層とタイヤ断面高さを異ならせるものである。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法では、非導電性ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って巻き付けて積層することで、トレッド部のタイヤ外周側部分を構成する非導電性ゴム層を形成する。その非導電性ゴムリボンの一部には導電層が設けられており、巻き付けた非導電性ゴムリボンに対応して、導電層を非導電性ゴム層の内部にてタイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在させることができる。そして、この導電層を、非導電性ゴム層の底面からタイヤ外周側に向かってトレッド表面で露出させることにより、車体に発生した電気を路面に放出させるための導電経路が形成される。
非導電性ゴムリボンは、非導電性ゴム層の断面形状が得られるよう、端部の重ね幅など巻き付け形態を適宜に変えて積層される。また、非導電性ゴム層は、円筒状のカーカスプライのタイヤ外周側に配されることから、タイヤ成形時には、タイヤ子午線断面が緩やかなアーチ状をなすように変形される。
そのため、非導電性ゴムリボンは巻き付け位置ごとに様々な断面形状をなし、その外周に設けられた導電層は、非導電性ゴム層の内部にて種々のタイヤ幅方向位置及びタイヤ断面高さで散在されることになる。その結果、トレッド表面に露出した導電層が摩耗しても、それに次いで他の部分が新たに露出し易く、たとえ偏摩耗が発生した場合であってもトレッド表面での導電層の露出が好適に確保されるため、優れた導電性能を発揮する空気入りタイヤを製造することができる。
上述のように、本発明では、導電層を非導電性ゴム層の内部に散在させるため、パターンデザインに影響されることなく、優れた導電性能を発揮する空気入りタイヤを製造することができる。また、導電層は、導電性能を適切に発揮しうる程度に設ければよく、そのボリューム調整が容易であることから、上記特許文献に記載のタイヤのように導電性部分の比率が必要以上に多くなることがない。
本発明の空気入りタイヤの製造方法では、前記非導電性ゴムリボンの一部に前記導電層を設ける工程を、前記非導電性ゴムリボンの外周面に導電性液状物を塗付することにより行うことができ、又は、前記非導電性ゴムリボンの一部に導電性ゴムを配することにより行うことができる。
導電性液状物及び導電性ゴムについては既述の通りである。導電性液状物を塗付する方法としては、刷毛やローラ等を用いて塗る方法の他、導電性液状物を非導電性ゴムリボンの外周面上に流れ落とす方法が挙げられる。また、導電性ゴムを配設する方法としては、別個に成形したリボン状の導電性ゴムを非導電性ゴムリボンに接合する方法や、デュアル押出機を用いて非導電性ゴムリボンと導電性ゴムとを共押出しする方法が挙げられる。
上記した本発明の空気入りタイヤ製造方法は、非導電性ゴムリボンのタイヤ外周側部分に前記導電層を設けた第1のゴムリボンを、タイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に巻き付けて積層し、前記導電層を前記非導電性ゴム層の底面からタイヤ外周側に延在させてトレッド表面に露出させ、非導電性ゴムリボンの一部であって前記第1のゴムリボンとは異なる部位に導電層を設けた第2のゴムリボンを、タイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に巻き付けて積層し、その導電層を前記非導電性ゴム層の底面からタイヤ外周側に延在させるとともに前記第1のゴムリボンの導電層とタイヤ断面高さを異ならせるものである。
上記の方法は、第1のゴムリボンと第2のゴムリボンとを含む複数本のゴムリボンを用いて、非導電性ゴム層を形成するものである。第1のゴムリボンと第2のゴムリボンとは、それぞれ非導電性ゴムリボンに導電層を設けたものであり、第1のゴムリボンでは導電層がタイヤ外周側部分に設けられているのに対し、第2のゴムリボンでは導電層が第1のゴムリボンとは異なる部位(例えば、タイヤ内周側部分)に設けられている。
第1のゴムリボン及び第2のゴムリボンは、それぞれタイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に巻き付けて積層され、少なくとも第1のゴムリボンの導電層は、非導電性ゴム層の底面からタイヤ外周側に延在してトレッド表面に露出する。これにより、車体に発生した電気を路面に放出させる導電経路が形成される。
また、第2のゴムリボンの導電層が、第1のゴムリボンの導電層とタイヤ断面高さを異ならせて延在することにより、上述した導電層の散在の度合いを効果的に高めて、導電層を種々のタイヤ幅方向位置及びタイヤ断面高さで配することができる。その結果、トレッド表面での導電層の露出頻度を確保して、優れた導電性能を発揮する空気入りタイヤを製造することができる。なお、第1のゴムリボン及び第2のゴムリボンとともに、それらと同一又は異なる別のゴムリボンを用いてもよく、生産性の観点から使用するゴムリボンの本数は2〜4本であることが好ましい。
上記において、前記第1のゴムリボンが、非導電性ゴムリボンのタイヤ外周側部分の一部に導電性ゴムを配することで形成したものであり、前記第2のゴムリボンが、非導電性ゴムリボンの一部であって前記第1のゴムリボンとは異なる部位に導電性ゴムを配することで形成したものであることが好ましい。第1のゴムリボンと第2のゴムリボンとが、それぞれ非導電性ゴムリボンの一部を導電性ゴムにより形成した多層構造のゴムリボンであることにより、導電層が埋設された非導電性ゴム層を効率良く形成することができる。
本発明に係る別の空気入りタイヤの製造方法は、非導電性ゴムリボンの一部に導電層を設ける工程と、前記非導電性ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に巻き付けて積層することで、トレッド部の少なくともタイヤ外周側部分を構成する非導電性ゴム層を形成し、前記導電層をタイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在させ、前記非導電性ゴム層の底面からタイヤ外周側に向かってトレッド表面で露出させる工程とを備え、前記非導電性ゴムリボンの一部に前記導電層を設ける工程が、前記非導電性ゴムリボンの外周に、その非導電性ゴムリボンに対する幅方向位置を変えながら長手方向に沿って連続的に前記導電層を設けるものである。
上記の方法によれば、導電層を非導電性ゴムリボンに対する幅方向位置を変えながら長手方向に沿って設けることにより、導電層を非導電性ゴム層の内部にてタイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在させるとともに、上述した導電層の散在の度合いを効果的に高めて、導電層を種々のタイヤ幅方向位置及びタイヤ断面高さで配することができる。その結果、トレッド表面での導電層の露出頻度を確保して、優れた導電性能を発揮する空気入りタイヤを製造することができる。
上記において、前記導電層が、前記非導電性ゴムリボンの外周面に塗付された導電性液状物により形成されたものであることが好ましい。これにより、非導電性ゴムリボンに対する幅方向位置を変えながら長手方向に沿って延在する導電層を簡易に設けることができる。
参考形態に係る空気入りタイヤを示すタイヤ子午線半断面図 ゴムリボンの巻き付けを行う装置の概略構成を示す側面図 ゴムリボンの巻き付けを行う装置の概略構成を示す平面図 押し出された直後の非導電性ゴムリボンを示す断面斜視図 形成したトレッドゴムの断面図 導電層が設けられる部位を例示する非導電性ゴムリボンの断面図 空気入りタイヤのタイヤ子午線部分断面図 本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドゴムを模式的に示すタイヤ子午線断面図 ゴムリボンの断面図 ゴムリボンの巻き付け形態の一例を模式的に示す斜視図 本発明の第2実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドゴムを模式的に示すタイヤ子午線断面図 ゴムリボンの断面図 押し出された直後の非導電性ゴムリボンを示す断面斜視図 導電性液状物を塗付した非導電性ゴムリボンを示す平面図及び断面図 非導電性ゴムリボンを巻き付ける様子を示す断面図 非導電性ゴムリボンを巻き付けた様子を示す平面図 非導電性ゴムリボンの巻き付け始端近傍を示す斜視図
符号の説明
3 トレッド部
10 トレッドゴム
11 ベースゴム
12 キャップゴム(非導電性ゴム層)
12a キャップゴムの底面
13 導電層
14 導電層
15 成形ドラム
17 ゴムリボン供給装置
19 液状物供給装置
20 導電性液状物
23 ゴムリボン(第1のゴムリボン)
24 ゴムリボン(第2のゴムリボン)
EW 導電層の幅
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明に係る空気入りタイヤは、導電層が、非導電性ゴム層の底面からタイヤ外周側に向かって、タイヤ断面高さを異ならせて複数本形成されている、或いは、非導電性ゴムリボンに対する幅方向位置を変えながらタイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在するものであり、本発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、非導電性ゴムリボンのタイヤ外周側部分に導電層を設けた第1のゴムリボンと、非導電性ゴムリボンの一部であって第1のゴムリボンとは異なる部位に導電層を設けた第2のゴムリボンとを使用する、或いは、非導電性ゴムリボンの外周に、その非導電性ゴムリボンに対する幅方向位置を変えながら長手方向に沿って連続的に導電層を設けるものであるが、そのような構成や工程を備えない参考形態について、図1〜7を用いて予め説明する。
参考形態]
図1は、参考形態に係る空気入りタイヤの一例を示すタイヤ子午線半断面図である。この空気入りタイヤは、一対のビード部1と、ビード部1から各々タイヤ径方向外側に延びるサイドウォール部2と、サイドウォール部2間に設けられたトレッド部3とを備える。
ビード部1には、鋼線等の収束体をゴム被覆してなる環状のビード1aと、断面略三角形状をなす硬質ゴムからなるビードフィラー1bとが配設されている。また、サイドウォール部2にはサイドウォールゴム9が配設されており、トレッド部3にはトレッドゴム10が配設されている。トレッドゴム10の表面には、タイヤ周方向に沿って延びる主溝や主溝に交差して延びる横溝などが設けられており、所定のトレッドパターンが形成されている。
ビード1a間は、少なくとも1枚(本実施形態では2枚)のカーカスプライからなるカーカス層4により補強されている。カーカス層4の内周には、空気圧保持のためのインナーライナー層5が配されており、カーカス層4のトレッド部3のタイヤ外周には、たが効果による補強を行うベルト層6が配されている。ベルト層6は内外に積層された2枚のベルトプライにより構成されている。
トレッドゴム10は、ベルト層6のタイヤ外周に配されたベースゴム11と、ベースゴム11のタイヤ外周に配され、トレッド部3のタイヤ外周側部分を構成するキャップゴム12(前記非導電性ゴム層に相当する。)との2層構造をなしている。ベースゴム11は、補強剤としてカーボンブラックが高比率で配合され、体積抵抗率が10Ω・cm以下の導電性を示す導電性ゴムにより形成されている。一方、キャップゴム12は、補強剤としてシリカを高比率で配合した非導電性ゴムにより形成されているとともに、その内部に導電層13が設けられている。
キャップゴム12は、詳しくは後述するように非導電性ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って連続的に巻き付けて積層してなる。導電層13は、非導電性ゴムリボンの外周面に設けられており、リボン界面に介在した状態でキャップゴム12に埋設されている。また、導電層13は、タイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在するとともに、キャップゴム12の底面12aからタイヤ外周側に向かってトレッド表面で露出している。そのため、車体に発生した電気は導電層13を通じて路面に放出され、人体へのアースやラジオノイズ等の種々の不具合を防止することができる。
導電層13は、タイヤ子午線断面において、図1に示すようにキャップゴム12の内部に散在しており、種々のタイヤ幅方向位置及びタイヤ断面高さ(図1における上下方向位置)で配されている。このため、トレッド表面に露出した導電層13が摩耗しても、それに次いで導電層13の他の部分が新たに露出し易く、たとえ偏摩耗が発生した場合であってもトレッド表面での導電層13の露出が確保されることから、優れた導電性能を発揮することができる。
上記した空気入りタイヤは、トレッドゴム10の形成工程を除いて、従来と同様にして製造することができる。以下、トレッドゴム10の形成工程について説明する。本実施形態では、図2、3に示すような装置が用いられる。成形ドラム8は、軸16を中心として回転可能に構成された円筒形部材である。ゴムリボン供給装置17は、所定形状の口金を介して非導電性ゴムリボンRを押し出し、成形ドラム8に供給する機能を有する。ゴムリボン供給装置17は、不図示の移動機構によりドラム軸方向に水平動可能に構成されている。本実施形態では、図4に示すように断面が偏平な半円形状をなす非導電性ゴムリボンRを使用する例を示す。
液状物供給装置19は、ゴムリボン供給装置17の吐出口の近傍に設けられており、導電性液状物20を定量的に流れ落として、非導電性ゴムリボンRの外周面に塗付する機能を有する。なお、必要に応じて、刷毛やローラ等を用いて導電性液状物を塗り伸ばしても構わない。液状物供給装置19は、前述の移動機構に搭載されてゴムリボン供給装置17と共に水平動可能に構成されており、ゴムリボン供給装置17との相対位置関係は一定である。制御装置18は、ゴムリボン供給装置17の作動及び水平動、成形ドラム8の回転、並びに液状物供給装置19の作動を制御する。
トレッドゴム10は、かかる装置を用いて次のようにして形成される。まず、成形ドラム8の外周面に、2枚のベルトプライを積層して円筒形に成形し、そのタイヤ外周にベースゴム11を形成する。ベースゴム11は、リボン状に押出成形した導電性ゴムをタイヤ周方向に沿って巻き付けることで形成できる。なお、導電性ゴムを所定断面形状で押し出し、得られた押出品を環状に連ねることでベースゴム11を形成しても構わない。
続いて、ベースゴム11のタイヤ外周にキャップゴム12を形成する。キャップゴム12は、非導電性ゴムリボンRをタイヤ周方向に沿って巻き付けて積層することにより形成される。具体的には、ベースゴム11の外周面に非導電性ゴムリボンRの巻き付け始端を固定し、その状態から成形ドラム8を回転させ、それと共にゴムリボン供給装置17を水平動させることで、非導電性ゴムリボンRをタイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に巻き付けることができる。成形ドラム8の回転速度及びゴムリボン供給装置17の水平動速度は、制御装置18により適切に調節され、所定の断面形状を有するキャップゴム12が形成される。
上記において、成形ドラム8に巻き付けられる非導電性ゴムリボンRの外周面には、液状物供給装置19によって導電性液状物20が塗付され、導電層13が設けられている。導電層13は、非導電性ゴムリボンRの巻き付けに対応して、タイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在し、図1に示したようにキャップゴム12に埋設される。
非導電性ゴムリボンRは、導電性液状物20を塗付した部分がベースゴム11の外周面に繋がるように巻き付けられ、これによりキャップゴム12の底面12aからタイヤ外周側に向かって延在する導電層13を形成することができる。例えば、非導電性ゴムリボンRの巻き付け始端の端面から導電性液状物20をはみ出させることで、導電層13がベースゴム11の外周面に繋がるようにすることができる。
図5は、形成したベースゴム11とキャップゴム12のタイヤ子午線断面図であり、両者を離した状態で記載している。非導電性ゴムリボンRは、タイヤ幅方向の中央を始点として図5右端まで巻き付けられ、そこから折り返して図5左端まで巻き付けられ、もう一度折り返して中央まで巻き付けられて終端している。非導電性ゴムリボンRの端部の重ね幅などの巻き付け形態は、キャップゴム12の断面形状が得られるよう、巻き付けの過程で適宜に変化しており、非導電性ゴムリボンRは巻き付け位置ごとに様々な断面形状をなしている。
また、形成されたトレッドゴム10は、円筒状のカーカスプライのタイヤ外周側に配されることから、タイヤ成形時には、図5に示す状態から緩やかに湾曲させて、タイヤ子午線断面がアーチ状をなすように変形される。
このため、非導電性ゴムリボンRの一部に設けられてリボン界面に介在する導電層13(図5では不図示)は、キャップゴム12の内部にて種々のタイヤ幅方向位置及びタイヤ断面高さで散在されることになる。その結果、トレッド表面に露出した導電層13が摩耗しても、それに次いで他の部分が新たに露出し易く、たとえ偏摩耗が発生した場合であってもトレッド表面での導電層13の露出を好適に確保して、優れた導電性能を発揮する空気入りタイヤを製造することができる。
この空気入りタイヤは、導電層13がキャップゴム12の内部に散在していることから、パターンデザインに影響されることなく、優れた導電性能を発揮することができる。また、導電層13のボリューム調整が容易であることから、導電性部分の比率が必要以上に多くなることがなく、キャップゴム12をシリカ高充填配合としたことによる改善効果を損なわずに、優れた燃費性能及びWET性能を発揮することができる。導電層13のボリュームやトレッド表面に現れる幅寸法は、所望の導電性能が適切に得られるものであればよい。
上記の実施形態では、非導電性ゴムリボンRが断面半円形状をなす例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明では、後述する第1〜3実施形態で示すような矩形状や台形状、図6に示すような三角形状など、種々の且つ好ましい形状の非導電性ゴムリボンを採用できる。また、連続的に巻き付けられるものであれば、非導電性ゴムリボンRの断面形状を途中で変化させることも可能である。
導電層13は、非導電性ゴムリボンRの外周面に塗付された導電性液状物20により形成されるものに限られず、例えば非導電性ゴムリボンRの一部に配された導電性ゴムにより形成されたものでも構わない。かかる場合には、リボン状に押出成形した導電性ゴムを非導電性ゴムリボンRの外周に接合する方法や、デュアル押出機を用いて非導電性ゴムリボンと導電性ゴムとを共押出しする方法を用いることができる。
導電層13が設けられる部位は、その導電層13が非導電性ゴム層の底面から延在してトレッド表面に露出するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、図6(a)〜(c)に示すような非導電性ゴムリボンRの外周の一部や、図6(d)、(e)に示すような非導電性ゴムリボンRの内部の一部に、導電層13を設けることができる。また、導電層13の断面形状も限られるものではなく、導電性液状物を塗付して得られる薄い矩形状や、図6に示すような三角形状など、種々の且つ好ましい形状を採用できる。
上記の実施形態では、トレッドゴムをキャップ・ベース構造として、キャップゴムを導電層が埋設された非導電性ゴム層により構成し、ベースゴムを導電性ゴムにより構成した例を示したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば図7に示すトレッドゴム10のように、ベースゴム11を導電層13´が埋設された非導電性ゴム層により構成することもできる。
また、本発明は、トレッドゴムがキャップ・ベース構造であるものに限られず、導電層が埋設された非導電性ゴム層が単独でトレッドゴムを構成するものでも構わない。かかる場合には、成形ドラム上でなくグリーンカーカス上に非導電性ゴムリボンを巻き付けて積層することで、非導電性ゴム層を形成することもできる。
第1実施形態]
第1実施形態は、トレッドゴムが以下の通りの構成である他は、参考形態と同様の構成・作用であるので、共通点を省略して主に相違点について説明する。なお、参考形態で説明した部材・部位と同一の部材・部位には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図8は、本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドゴムを模式的に示すタイヤ子午線断面図である。トレッドゴム10は、ベースゴム11とキャップゴム12(前記非導電性ゴム層に相当する。)とを備えたキャップ・ベース構造をなしている。ベースゴム11は、補強剤としてカーボンブラックを高比率で配合した導電性ゴムにより形成されており、本実施形態では所定断面形状で押し出した導電性ゴムを環状に連ねることで形成されている。
キャップゴム12は、補強剤としてシリカを高比率で配合した非導電性ゴムにより形成されており、リボン状の非導電性ゴムリボンをタイヤ周方向に沿ってらせん状に巻き付けて積層することで形成されている。図8は概念的に示してあり、トレッドゴム10の断面に対するゴムリボンの大きさは実際にはもっと細かく断面形状も複雑になる。
キャップゴム12には、リボン状をなす2本の導電層13、14が埋設されている。各導電層13、14は、キャップゴム12の底面12aからタイヤ外周側に向かって、タイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在している。本実施形態では、トレッドゴム10の図8左側半分の領域に導電層13が設けられ、同じく右側半分の領域に導電層14が設けられている。また、導電層13はトレッド表面に露出しているのに対して、導電層14はトレッド表面に露出しておらず、導電層13とタイヤ断面高さを異ならせて配されている。
上記の構成により、摩耗の初期段階においては、導電層13を通じて電気を路面に放出することができ、車体への電気の蓄積を抑制して種々の不具合を防止することができる。また、導電層13、14は、上述のようにキャップゴム12の内部に散在されることになるが、本実施形態では、複数本の導電層13、14がタイヤ断面高さを異ならせて形成されていることにより、その散在の度合いを効果的に高めて、導電層13、14を種々のタイヤ幅方向位置及びタイヤ断面高さで配することができる。その結果、トレッド表面に露出した導電層13が摩耗すると、それに次いで導電層13の他の部分又は導電層14が露出し、それが摩耗しても導電層の他の部分が新たに露出するため、トレッド表面での導電層の露出頻度が確保され、優れた導電性能を発揮することができる。
本実施形態では、非導電性ゴムリボンとして、図9に示す2本のゴムリボン23、24が用いられる。図9(a)に示すゴムリボン23(前記第1のゴムリボンに相当する。)は、非導電性ゴムリボン23aのタイヤ外周側部分の一部に導電性ゴム23bを配することにより形成され、この導電性ゴム23bが導電層13となる。また、図9(b)に示すゴムリボン24(前記第2のゴムリボンに相当する。)は、非導電性ゴムリボン24aの一部に導電性ゴム24bを配することにより形成され、この導電性ゴム24bが導電層14となる。
ゴムリボン23では、導電性ゴム23bが非導電性ゴムリボン23aのタイヤ外周側部分の一部に設けられているのに対して、ゴムリボン24では、導電性ゴム24bが非導電性ゴムリボン24aの一部であってゴムリボン23とは異なる部位(本実施形態ではタイヤ内周側部分の一部)に設けられている。このような構造のゴムリボンは、別個に押し出した非導電性ゴムと導電性ゴムとを接合したり、非導電性ゴムと導電性ゴムとを共押出ししたりすることによって形成される。
導電層13、14の幅EWは、0.1mm<EW<5mmの関係を満たすことが好ましい。これにより、トレッドゴム10の偏摩耗などによって導電層13、14が途中で寸断することを抑制して、導電性能を確保できるとともに、キャップゴム12を非導電性ゴムで構成することによる改善効果を損なわず、非導電性ゴムをシリカ高充填配合とした本実施形態では燃費性能及びWET性能を良好に確保することができる。
ゴムリボン23、24の幅(最大幅)OWは、上記EWと接地幅CWとの関係において0.5CW≧OW>EWを満たすことが好ましい。ゴムリボン23、24の厚み(最大厚み)としては0.5〜5.0mmが例示され、そのゴムリボンの一部を形成する導電性ゴムの厚みは0.1〜5.0mmが例示される。
以下、トレッドゴム10の形成工程について説明する。まず、ベースゴム11のタイヤ外周側面であって図8の左端にゴムリボン23の巻き付け始端を固定する。続いて、右側に向かってタイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に巻き付けてから、中央付近で折り返して左側に向かって巻き付けて積層する。そして、左端で再度折返して右側に向かって巻き付けて積層し、巻き付け終端を中央付近に固定する。これにより、トレッドゴム10の図8左側半分が形成される。
ゴムリボン24は、ゴムリボン23と左右対称に略同様にして巻き付けられ、トレッドゴム10の図8右側半分が形成される。ゴムリボン24の巻き付けは、ゴムリボン23の巻き付けが終了した後に行われるものでもよいが、両者を同時期に巻き付けることが効率的で好ましい。
各ゴムリボン23、24は、導電性ゴム23b、24bがベースゴム11のタイヤ外周側面に繋がるように巻き付けられ、これにより導電層13、14をキャップゴム12の底面12aからタイヤ外周側に向かって延在させることができる。具体的には、図10に示すゴムリボン23のように、巻き付け始端の端面23cがベースゴムのタイヤ外周側面に貼り付けられる。若しくは、端面23cの導電性ゴム23bとベースゴムのタイヤ外周側面とを繋げるように導電性液状物を塗布しても構わない。なお、ゴムリボン24のようにタイヤ内周側部分の一部を導電性ゴム24bにより形成した場合には、単に巻き付けるだけでよい。
各ゴムリボン23、24の巻き付けには、図2、3に示したような装置を用いることができるが、本実施形態では、非導電性ゴムリボン23a、24aの外周に導電性ゴム23b、24bを配することで導電層13、14を設けるものであるため、液状物供給装置19は使用しなくてよい。
導電層13は、ゴムリボン23が巻き付けられた状態において、タイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在し、キャップゴム12の底面12aからタイヤ外周側に向かってトレッド表面に露出する。一方、導電層14は、ゴムリボン24が巻き付けられた状態において、タイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在し、キャップゴム12の底面12aからタイヤ外周側に向かうもののトレッド表面には露出しない。
本実施形態では、ゴムリボン23とゴムリボン24との巻き付け前の断面積及び断面形状が同一であり、導電性ゴム24bが導電性ゴム23bとタイヤ断面高さが異なる部位に形成されている。そのため、両ゴムリボン23、24の巻き付け条件を同等にして、キャップゴム12を精度良く形成することができ、しかも導電層13と導電層14とのタイヤ断面高さを適切に異ならせることができる。その結果、上述したようにトレッド表面での導電層13、14の露出頻度を好適に確保して、優れた導電性能を発揮する空気入りタイヤを製造することができる。
なお、両ゴムリボン23、24の巻き付け前の断面積及び断面形状を互いに異ならせても構わない。また、導電層13、14は、導電性液状物により形成することもできる。例えば、タイヤ外周側部分に導電性液状物が塗付された非導電性ゴムリボンと、タイヤ内周側部分に導電性液状物が塗付された非導電性ゴムリボンとの2本のゴムリボンを使用し、それらを巻き付けることによっても、上記のようなキャップゴム12を形成することができる。
(実施例)
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、タイヤの各性能評価は、次のようにして行った。
(1)導電性能
内圧を200kPaとし、ETRTO/JATMA/TRAで指定されたメジャーリングリム幅で準備したタイヤに、上記規格に従った最大荷重×0.88×0.8の荷重を負荷し、リムを支持する軸からタイヤが接地する金属板に印加電圧(100V)をかけて電気抵抗値を測定した。かかる測定は、未摩耗の新品時と、トレッドゴムに形成された主溝深さの60%まで摩耗した60%摩耗時との二段階で行い、電気抵抗が1.00E+08Ω以下で問題ないと評価した。
(2)WET性能
実車(2000cc、4ドアセダン車、2名乗車)の全輪にタイヤを装着し、WET路面上において走行速度90km/hから車両停止に至るまでの制動距離を測定した。比較例1−1を100として指数評価し、指数が大きいほど制動距離が短く、WET性能に優れていることを示す。
(3)転動抵抗
内圧を200kPaとし、ETRTO/JATMA/TRAで指定されたメジャーリングリム幅で準備したタイヤを用いて試験を行い、走行速度80km/hにおける転動抵抗(RR:Rolling Resistance)を測定した。比較例1−1を100として指数評価し、指数が大きいほど転動抵抗が小さく低燃費であることを示す。
比較例1−1
トレッドゴムを導電性ゴムからなるベースゴムと非導電性ゴムからなるキャップゴムとの2層構造とし、キャップゴムに導電層を設けていない空気入りタイヤ(タイヤサイズ:205/65R15 94H、接地幅CW:170mm)を比較例1−1とした。上記非導電性ゴムには、補強剤としてシリカを重量比で30%、カーボンブラックを重量比で7%含有させたものを使用した(他例についても同じ。)。
比較例2−2
キャップゴムの表面の幅方向両側から側面を経由して底面に達する領域に導電性液状物(導電性ゴムを配合したゴムのり)を塗布したこと以外は、比較例1−1と同じ空気入りタイヤを比較例1−2とした。上記導電性ゴムには、補強剤としてカーボンブラックを重量比で0%、カーボンブラックを重量比で31%含有させたものを使用した(他例についても同じ。)。
実施例1−1〜1−4
トレッドゴムを導電性ゴムからなるベースゴムと非導電性ゴムからなるキャップゴムとの2層構造とし、第1実施形態で示したようにキャップゴムに2本の導電層を埋設した空気入りタイヤを実施例1−1〜1−4とした。キャップゴムの形成には、一部(厚み0.5mmの部分)を導電性ゴムにより形成した断面長方形で厚み2mmのゴムリボンを使用し、第1実施形態で示した手順で巻き付けた。結果を表1に示す。
Figure 0004756714
表1に示すように、比較例1−1では導電効果が奏されなかった。かかる場合には、車体に電気が蓄積されて人体へのアースやラジオノイズ等の不具合を生じるおそれがある。比較例1−2では、摩耗の初期段階で導電効果が奏されているものの、60%摩耗時において導電性能が悪化した。この導電性能の悪化はタイヤの回転方向に関わらず定常的なものであった。
これに対して、実施例1−1では、キャップゴムに導電層を設けることにより、WET性能と燃費性能とを良好に確保しつつ、優れた導電性能を発揮することができた。また、実施例1−2では、導電層の幅が小さく途中で寸断され易いことから、60%摩耗時においては導電性能が低下する場合があったが、導電性能を大凡確保することができた。実施例1−3では、WET性能と燃費性能とが若干低下したものの、導電性能は確保されていた。実施例1−4では、リボン幅が大きいことにより巻回数が少なく、トレッド表面に露出する導電層の本数が少ないことから、60%摩耗時においては導電性能が低下する場合があったが、導電性能を大凡確保することができた。
第2実施形態]
第2実施形態は、トレッドゴムが以下の通りの構成である他は、第1実施形態と同様の構成・作用であるので、共通点を省略して主に相違点について説明する。なお、参考形態、第1実施形態で説明した部材・部位と同一の部材・部位には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図11は、本発明の第2実施形態における空気入りタイヤのトレッドゴムを模式的に示すタイヤ子午線断面図である。このトレッドゴム10では、ベースゴム11上のキャップゴム12(前記非導電性ゴム層に相当する。)に3本の導電層13、14、15が設けられており、それらが互いにタイヤ断面高さを異ならせて配されている。各導電層13、14、15は、キャップゴム12の底面12aからタイヤ外周側に向かって、タイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在しており、そのうちの導電層13がトレッド表面に露出している。
本実施形態では、第1実施形態よりも導電層のタイヤ断面高さがより段階的に異なっているため、導電層の散在の度合いをより効果的に高めて、導電層13、14、15を種々のタイヤ幅方向位置及びタイヤ断面高さで配することができる。その結果、トレッド表面での導電層の露出頻度を高めて、より優れた導電性能を発揮することができる。
トレッドゴム10は、上述したゴムリボン23、24に、図12に示すゴムリボン25を加えた3本のゴムリボンを用いて成形される。ゴムリボン25は、非導電性ゴムリボン25aの一部に導電性ゴム25bを配することにより形成され、この導電性ゴム25bが導電層15となる。導電性ゴム25bは、非導電性ゴムリボン25aの一部であってゴムリボン23、24とは異なる部位(本実施形態では非導電性ゴムリボン25aの高さ方向の略中央部)に設けられている。
本実施形態では、ゴムリボン23の巻き付けは次のようにして行われる。まず、ベースゴム11のタイヤ外周側面であって図11の左端にゴムリボン23の巻き付け始端を固定する。続いて、右側に向かってタイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に巻き付けてから、右端で折返して左側に向かって積層する。そして、左端で再度折返して右側に向かって巻き付けて積層し、巻き付け終端を右端に固定する。
ゴムリボン25はゴムリボン23の幅方向に隣り合わされた状態で、またゴムリボン24はゴムリボン25の幅方向に隣り合わされた状態で、それぞれゴムリボン23と同時期に且つ同様に巻き付けられる。このようにして巻き付けられたゴムリボン23、24、25は、それぞれがトレッドゴム10の幅方向全域にわたって設けられることになり、トレッドゴム10に偏摩耗が生じた場合であっても、導電層13、14、15のいずれかがトレッド表面に露出して導電性能が確保される。
第3実施形態]
第3実施形態は、トレッドゴムが以下の通りの構成である他は、参考形態と同様の構成・作用であるので、共通点を省略して主に相違点について説明する。なお、参考形態で説明した部材・部位と同一の部材・部位には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
本実施形態では、参考形態と同様に、トレッドゴム10が、ベースゴム11とキャップゴム12(前記非導電性ゴム層に相当する。)とを備えたキャップ・ベース構造をなし、そのタイヤ子午線断面は図1に例示されたものとなる。また、キャップゴム12は、図2、3に示したような装置を用いて、非導電性ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って巻き付けて積層することで形成される。
図13は、押し出された直後の非導電性ゴムリボンRを示す断面斜視図である。図14は、導電性液状物を塗付した非導電性ゴムリボンRの平面と各箇所での断面を模式的に示す図である。導電性液状物20は、非導電性ゴムリボンRの外周面の一部に、その非導電性ゴムリボンRに対する幅方向位置を変えながら長手方向に沿って連続的に塗付されており、平面視において波状に延在している。
これにより、非導電性ゴムリボンRが巻き付けられることで、導電層13が、非導電性ゴムリボンRに対する幅方向位置を変えながらタイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在する。しかも、図15に示すように導電性液状物20の塗付箇所の高さが一定せず、導電層13が種々のタイヤ断面高さで配されることになる。このことから、導電層13が散在される度合いを効果的に高めて、導電層13を種々のタイヤ幅方向位置及びタイヤ断面高さで配することができ、トレッド表面での導電層13の露出頻度を確保して、優れた導電性能を発揮することができる。
本実施形態では、図15に示すように、非導電性ゴムリボンRの端部を重ねながら巻き付けることが好ましく、これにより非導電性ゴムリボンRの外周面を傾斜させて、導電層13のタイヤ断面高さをより確実に異ならせることができる。
図16は、非導電性ゴムリボンRを巻き付ける様子を示す平面図である。上述したように、ゴムリボン供給装置17と液状物供給装置19との相対位置関係は一定であるが、ゴムリボン供給装置17の水平動を参考形態よりも大きくするなどして、ゴムリボン供給装置17と成形ドラム8との相対位置関係を調整することで、ゴムリボン供給装置17から成形ドラム8に架け渡された非導電性ゴムリボンRを傾斜させ、導電性液状物20を塗付する位置を変化させることができる。なお、液状物供給装置19を個別に移動させるための別の移動機構を設けても構わない。
非導電性ゴムリボンRは、導電性液状物20を塗付した部分がベースゴム11の外周面に繋がるように巻き付けられ、これによりキャップゴム12の底面12aからタイヤ外周側に向かって延在する導電層13を形成することができる。具体的には図17に示すように、非導電性ゴムリボンRの巻き付け始端の端面Reに導電性液状物20を塗付したり、非導電性ゴムリボンRの側面から導電性液状物20をはみ出させたりして、ベースゴム11の外周面に繋がるようにすればよい。
トレッド表面側の非導電性ゴムリボンRの外周面に塗付された導電性液状物20は、トレッド表面で露出する導電層13となる。これにより、車体に発生した電気を導電層13を通じて路面に放出することができる。なお、内外に積層された非導電性ゴムリボンR間で、導電性液状物20を塗付した位置同士が接する箇所が部分的に生じうるが、かかる場合には導電層13が短絡して導電経路が短くなるため、導電性能を発揮する上では好ましい構成となる。
(実施例)
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例について説明する。なお、タイヤの各性能評価は、前述の第1実施形態における実施例と同じ方法により行ったため、説明を省略する。なお、WET性能及び燃費性能(転動抵抗)の評価では、比較例2−1を100として指数評価した。
比較例2−1
トレッドゴムを導電性ゴムからなるベースゴムと非導電性ゴムからなるキャップゴムとの2層構造とし、キャップゴムに導電層を設けていない空気入りタイヤ(タイヤサイズ:205/65R15 94H)を比較例2−1とした。上記非導電性ゴムには、補強剤としてシリカを重量比で30%、カーボンブラックを重量比で7%含有させたものを使用した(他例についても同じ。)。
比較例2−2
キャップゴムの表面の幅方向両側から側面を経由して底面に達する領域に、導電性ゴムを配合したゴムのりを塗布したこと以外は、比較例2−1と同じ空気入りタイヤを比較例2−2とした。上記導電性ゴムには、補強剤としてシリカを重量比で0%、カーボンブラックを重量比で31%含有させたものを使用した(他例についても同じ。)。
実施例2−1
トレッドゴムを導電性ゴムからなるベースゴムと非導電性ゴムからなるキャップゴムとの2層構造とし、前述の実施形態で示したようにキャップゴムに導電層を埋設した空気入りタイヤを実施例2−1とした。なお、導電性液状物としては、導電性ゴムを配合したゴムのりを使用した。結果を表2に示す。
Figure 0004756714
表2に示すように、比較例2−1では導電効果が奏されなかった。かかる場合には、車体に電気が蓄積されて人体へのアースやラジオノイズ等の不具合を生じるおそれがある。比較例2−2では、摩耗の初期段階で導電効果が奏されているものの、60%摩耗時において導電性能が悪化した。これらに対して、実施例2−1では、キャップゴムに導電層を設けることにより、新品時だけでなく60%摩耗時においても、WET性能と燃費性能とを良好に確保しつつ優れた導電性能を発揮することができた。

Claims (8)

  1. トレッド部の少なくともタイヤ外周側部分を構成し、非導電性ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って巻き付けて積層してなる非導電性ゴム層と、
    前記非導電性ゴムリボンの一部に設けられ、タイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在する導電層とを備え、
    前記導電層が、前記非導電性ゴム層の底面からタイヤ外周側に向かって、タイヤ断面高さを異ならせて複数本形成されており、そのうちの少なくとも一本がトレッド表面に露出し、
    前記非導電性ゴム層が、非導電性ゴムリボンのタイヤ外周側部分の一部に前記導電層を設けた第1のゴムリボンと、非導電性ゴムリボンの一部であって前記第1のゴムリボンとは異なる部位に前記導電層を設けた第2のゴムリボンとを、それぞれタイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に巻き付けて積層してなる空気入りタイヤ。
  2. 前記導電層が、前記非導電性ゴムリボンの外周面に塗付された導電性液状物、又は、前記非導電性ゴムリボンの一部に配された導電性ゴムにより形成されたものである請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. トレッド部の少なくともタイヤ外周側部分を構成し、非導電性ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って巻き付けて積層してなる非導電性ゴム層と、
    前記非導電性ゴムリボンの一部に設けられ、タイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在する導電層とを備え、
    前記導電層が、前記非導電性ゴム層の底面からタイヤ外周側に向かってトレッド表面で露出し、前記非導電性ゴムリボンに対する幅方向位置を変えながらタイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在する空気入りタイヤ。
  4. 非導電性ゴムリボンの一部に導電層を設ける工程と、
    前記非導電性ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に巻き付けて積層することで、トレッド部の少なくともタイヤ外周側部分を構成する非導電性ゴム層を形成し、前記導電層をタイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在させ、前記非導電性ゴム層の底面からタイヤ外周側に向かってトレッド表面で露出させる工程とを備え、
    非導電性ゴムリボンのタイヤ外周側部分に前記導電層を設けた第1のゴムリボンを、タイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に巻き付けて積層し、前記導電層を前記非導電性ゴム層の底面からタイヤ外周側に延在させてトレッド表面に露出させ、
    非導電性ゴムリボンの一部であって前記第1のゴムリボンとは異なる部位に導電層を設けた第2のゴムリボンを、タイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に巻き付けて積層し、その導電層を前記非導電性ゴム層の底面からタイヤ外周側に延在させるとともに前記第1のゴムリボンの導電層とタイヤ断面高さを異ならせる空気入りタイヤの製造方法。
  5. 前記非導電性ゴムリボンの一部に前記導電層を設ける工程が、前記非導電性ゴムリボンの外周面に導電性液状物を塗付することにより、又は、前記非導電性ゴムリボンの一部に導電性ゴムを配することにより行われる請求項4記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. 前記第1のゴムリボンが、非導電性ゴムリボンのタイヤ外周側部分の一部に導電性ゴムを配することで形成したものであり、
    前記第2のゴムリボンが、非導電性ゴムリボンの一部であって前記第1のゴムリボンとは異なる部位に導電性ゴムを配することで形成したものである請求項4記載の空気入りタイヤの製造方法。
  7. 非導電性ゴムリボンの一部に導電層を設ける工程と、
    前記非導電性ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に巻き付けて積層することで、トレッド部の少なくともタイヤ外周側部分を構成する非導電性ゴム層を形成し、前記導電層をタイヤ周方向に沿って連続的且つらせん状に延在させ、前記非導電性ゴム層の底面からタイヤ外周側に向かってトレッド表面で露出させる工程とを備え、
    前記非導電性ゴムリボンの一部に前記導電層を設ける工程が、前記非導電性ゴムリボンの外周に、その非導電性ゴムリボンに対する幅方向位置を変えながら長手方向に沿って連続的に前記導電層を設けるものである空気入りタイヤの製造方法。
  8. 前記導電層が、前記非導電性ゴムリボンの外周面に塗付された導電性液状物により形成されたものである請求項7記載の空気入りタイヤの製造方法。
JP2008501625A 2006-02-20 2006-12-20 空気入りタイヤ、及び、空気入りタイヤの製造方法 Expired - Fee Related JP4756714B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008501625A JP4756714B2 (ja) 2006-02-20 2006-12-20 空気入りタイヤ、及び、空気入りタイヤの製造方法

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006042259 2006-02-20
JP2006042259 2006-02-20
JP2006067131 2006-03-13
JP2006067131 2006-03-13
PCT/JP2006/325323 WO2007097104A1 (ja) 2006-02-20 2006-12-20 空気入りタイヤ、及び、空気入りタイヤの製造方法
JP2008501625A JP4756714B2 (ja) 2006-02-20 2006-12-20 空気入りタイヤ、及び、空気入りタイヤの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2007097104A1 JPWO2007097104A1 (ja) 2009-07-09
JP4756714B2 true JP4756714B2 (ja) 2011-08-24

Family

ID=38437153

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008501625A Expired - Fee Related JP4756714B2 (ja) 2006-02-20 2006-12-20 空気入りタイヤ、及び、空気入りタイヤの製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9028630B2 (ja)
JP (1) JP4756714B2 (ja)
CN (1) CN101374680B (ja)
DE (2) DE112006003758B4 (ja)
WO (1) WO2007097104A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013111788A (ja) * 2011-11-25 2013-06-10 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りタイヤの製造方法

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1876039B1 (en) * 2006-07-04 2012-04-18 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Hybrid rubber tape and method for manufacturing pneumatic tire
FR2933032B1 (fr) 2008-06-25 2010-06-18 Michelin Soc Tech Pneumatique comportant des melanges non conducteurs de l'electricite et un chemin permettant l'ecoulement des charges.
JP4914508B2 (ja) * 2010-02-05 2012-04-11 住友ゴム工業株式会社 自動二輪車用の生タイヤの製造方法
JP5456074B2 (ja) * 2011-09-21 2014-03-26 東洋ゴム工業株式会社 空気入りタイヤの製造方法
JP5939701B2 (ja) 2011-11-02 2016-06-22 東洋ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP5427250B2 (ja) 2012-01-16 2014-02-26 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ、及びその製造方法
JP5992787B2 (ja) * 2012-02-15 2016-09-14 東洋ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP5512724B2 (ja) * 2012-03-21 2014-06-04 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP6046951B2 (ja) * 2012-08-24 2016-12-21 東洋ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法
JP6077407B2 (ja) * 2013-07-03 2017-02-08 東洋ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP6572105B2 (ja) * 2015-11-16 2019-09-04 Toyo Tire株式会社 タイヤ
DE102017108943A1 (de) * 2016-12-02 2018-06-07 Kraussmaffei Berstorff Gmbh Verfahren zum Herstellen eines Laufstreifens und Laufstreifen-Herstellvorrichtung
US11691370B2 (en) 2017-12-20 2023-07-04 Pirelli Tyre S.P.A. Process and apparatus for building tyres for vehicle wheels
US20220063340A1 (en) * 2020-09-01 2022-03-03 The Goodyear Tire & Rubber Company Tire with composite tread and method of making

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11227415A (ja) * 1998-02-12 1999-08-24 Bridgestone Corp 空気入りタイヤおよびその製造方法
JP2004136808A (ja) * 2002-10-18 2004-05-13 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP2005041055A (ja) * 2003-07-25 2005-02-17 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤの製造方法及びその製造方法により製造されたタイヤ
JP2006069341A (ja) * 2004-09-01 2006-03-16 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ、その製造方法、及びゴムストリップ巻付体の形成装置

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3177918A (en) * 1959-12-24 1965-04-13 Voit Rubber Corp Method of building a tread on pneumatic tires
JPH0631678A (ja) * 1992-07-17 1994-02-08 Canon Inc 調整用ドライバ装置及び調整方法
GB9409453D0 (en) * 1994-05-12 1994-06-29 Sumitomo Rubber Ind tyre tread and tyres incorporating them
DE19718699C1 (de) * 1997-05-02 1998-05-28 Continental Ag Verfahren zur Herstellung eines Fahrzeugluftreifens
DE19802088A1 (de) * 1998-01-21 1999-07-22 Continental Ag Fahrzeugreifen
FR2775220A1 (fr) * 1998-02-26 1999-08-27 Michelin & Cie Pneumatique conducteur d'electricite et appareillage d'extrusion d'un profile avec insert conducteur
JP2002096402A (ja) * 2000-07-19 2002-04-02 Bridgestone Corp タイヤ用トレッドの製造方法
CN1535216A (zh) * 2001-07-30 2004-10-06 �����ּ�����˾ 挤制橡胶成型构件,其制造方法和结合该构件的轮胎
DE602005010345D1 (de) * 2004-08-26 2008-11-27 Sumitomo Rubber Ind Verfahren zur Herstellung eines Luftreifens und damit hergestellter Luftreifen
JP4299811B2 (ja) * 2005-07-01 2009-07-22 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ、その製造方法及びゴムストリップ

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11227415A (ja) * 1998-02-12 1999-08-24 Bridgestone Corp 空気入りタイヤおよびその製造方法
JP2004136808A (ja) * 2002-10-18 2004-05-13 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP2005041055A (ja) * 2003-07-25 2005-02-17 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤの製造方法及びその製造方法により製造されたタイヤ
JP2006069341A (ja) * 2004-09-01 2006-03-16 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ、その製造方法、及びゴムストリップ巻付体の形成装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013111788A (ja) * 2011-11-25 2013-06-10 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りタイヤの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US9028630B2 (en) 2015-05-12
DE112006004257B4 (de) 2014-06-12
JPWO2007097104A1 (ja) 2009-07-09
CN101374680B (zh) 2010-07-07
DE112006003758B4 (de) 2014-05-28
US20100006194A1 (en) 2010-01-14
DE112006003758T5 (de) 2009-01-29
WO2007097104A1 (ja) 2007-08-30
DE112006004257A5 (de) 2013-01-10
CN101374680A (zh) 2009-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4756714B2 (ja) 空気入りタイヤ、及び、空気入りタイヤの製造方法
JP4382119B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤ
EP1175992B1 (en) Method of producing a tread for a pneumatic tire using an electrically conductive rubber material
CN101480902B (zh) 充气轮胎及其制造方法
CN101868362B (zh) 充气轮胎及用于生产该充气轮胎的方法
US8167015B2 (en) Method of manufacturing pneumatic tire and manufacturing pneumatic tire
JP4611451B1 (ja) 空気入りタイヤ
JP5456074B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法
JP5881945B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法
JP4908905B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4783479B1 (ja) 空気入りタイヤ
US9579934B2 (en) Pneumatic tire and manufacturing method of the same
JP5907703B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法
JP4290475B2 (ja) 空気入りタイヤ及びその空気入りタイヤの製造方法
JP5624369B2 (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP2003326614A (ja) タイヤ用トレッドの製造方法およびタイヤ
JP5105573B2 (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法
JP5611861B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤ
JP5970179B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤ
JP4571664B2 (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110509

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110527

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110530

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140610

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees