JP4756299B2 - 表面欠陥検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車の製造において、プレス成形された車体パネルの表面における凹凸等の表面欠陥を検査するのに用いられる表面欠陥検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の表面欠陥検査装置としては、例えば特開平11−223519号公報に記載されたものがある。同公報に記載された表面欠陥検査装置は、被検査面に対して一定の浅い照射角度で照明光を照射すると共に、被検査面からの反射光を照射角度よりも大きい撮像角度で撮像することにより、被検査面における凹凸等の表面欠陥を乱反射光として捕らえるものである。そして、受光画像から表面欠陥を抽出するに際して、表面欠陥のサイズに合わせた大型微分フィルタで受光画像を微分処理し、その微分画像を縦長平滑化フィルタで平滑化処理し、その平滑化画像を差分処理することにより、傾斜成分を含んだ画像においても表面欠陥のみを精度良く2値化抽出し得る画像処理を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来の表面欠陥検出装置は、表面欠陥検査の高精度化を実現したのであるが、車体パネル等のプレス成形ラインに適用する場合には、検査精度に影響を及ぼす要因として避けることの難しい外的な要因があり、主なものとして被検査面に付着した油が挙げられる。
【0004】
すなわち、車体パネルのプレス成形では、図15に示すように、インライン洗浄装置200において、搬送用ロール200A、洗浄用のブラシ付ロール200Bおよび絞り用のリンガロール200Cにブランク材Bを順次通し、これにより洗浄油で表面の洗浄を行った後、トランスファプレス装置210において、複数の成形型210A〜210Eによりブランク材Bを順次プレス成形して車体パネルWにする。その後、車体パネルWの表面欠陥検査を行うこととなる。この間、ブランク材Bは、例えばベルトコンベアによりインライン洗浄装置200からトランスファプレス装置210に搬入され、トランスファプレス装置210内では、往復動するシャトルバー211およびバキュームカップ212により順次工程送りされる。
【0005】
このとき、ブランク材Bには、洗浄油が付着しているため、ベルトコンベアによるベルト痕やバキュームカップ212によるバキューム痕が発生することがあり、また、付着した洗浄油が均一に絞り切れずにむらが発生したり、成形型において潤滑油等が付着したりすることがあり、これらによって表面欠陥の検出精度が低下する恐れがあるという問題点があった。例えばバキューム痕は、複数の工程を経ても消えることがなく、図16に示すようにドアパネルDPに十数個のバキューム痕Qが残る場合があり、図17(a)に示す受光画像や図17(b)に示す欠陥抽出画像に捕らえられて、表面欠陥検出の妨げになる。
【0006】
なお、上記のような痕跡等が原因で表面欠陥の検出精度が低下する場合、別の搬送手段を採用して痕跡等の発生を防止することが考えられるが、この場合、インライン洗浄装置200やトランスファプレス装置の大規模な改造が必要となり、工数やコストの増大を招くという問題点があった。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上記従来の状況に鑑みて成されたもので、被検査面に洗浄油によるバキューム痕やむら等がある場合でも、表面欠陥の検出を高精度に行うことができる表面欠陥検査装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる表面欠陥検査装置は、請求項1として、被検査物を搬送する被検査物搬送手段と、被検査物搬送手段により搬送された被検査物の被検査面に対して一定の照射角度で照明光を照射する照明手段と、照明手段の照射角度よりも大きい撮像角度で被検査面を撮像する撮像手段と、撮像手段で得た受光画像に基づいて被検査面の欠陥を抽出する画像処理手段と、被検査物の搬送方向において撮像手段よりも上流側に配置されて撮像手段と同じ受光画像を得る油状況検出用画像入力手段と、油状況検出用画像入力手段による受光画像に基づいて被検査面の欠陥を検出し、その欠陥数を誤検出数とするとともに誤検出数に基づいて被検査面の油状況を検出する油状況検出手段と、油状況検出手段で検出した誤検出数の増減に応じて撮像手段の撮像角度が増減するように制御特性を決定する撮像角度決定手段と、撮像角度決定手段で決定した撮像角度に基づいて撮像手段を制御する撮像角度制御手段と、撮像角度制御手段により制御された撮像手段の受光画像から画像処理手段の誤検出を除去する誤検出除去手段を備え、誤検出除去手段が、画像処理手段で欠陥抽出した際に誤検出される孤立点の全面積を算出して任意の面積以上および任意の面積以下の面積の孤立点を除去する面積判定手段と、面積判定手段による除去後に残った全孤立点に対して任意の抽出回数以上および任意の抽出回数以下の孤立点を除去する追跡照合判定手段と、面積判定手段および追跡照合判定手段による除去後に残った全孤立点に対してその縦横比に基づいて形状を識別して除去する第1形状識別手段と、面積判定手段、追跡照合判定手段および第1形状識別手段による除去後に残った全孤立点に対してその面積比に基づいて形状を識別して除去する第2形状識別手段と、第1形状識別手段および第2形状識別手段において除去対象となった孤立点に対して近傍除去領域を設定して同領域内の孤立点を除去する近傍除去判定手段を備えている構成としており、上記構成をもって従来の課題を解決する手段としている。
【0009】
また、本発明に係わる表面欠陥検査装置は、請求項2として、油状況検出用画像入力手段が、被検査面に対して一定の照射角度で照明光を照射する油状況検出用照明手段と、油状況検出用照明手段の照射角度よりも大きい撮像角度で被検査面を撮像する油状況検出用撮像手段を備えている構成とし、請求項3として、第1形状識別手段が、面積判定手段および追跡照合判定手段による除去後に残った全孤立点に対して縦横座標を算出し、算出した縦横座標から孤立点の縦横長さを算出して縦横比を算出する縦横比算出手段と、縦横比算出手段で得た縦横比と任意の縦横比判定しきい値とを比較する縦横比判定手段を備えている構成とし、請求項4として、第2形状識別手段が、面積判定手段、追跡照合判定手段および第1形状識別手段による除去後に残った全孤立点に対して縦横座標を算出し、算出した縦横座標から孤立点の縦横長さを算出し、縦横を一辺とする面積を算出する縦横面積算出手段と、面積判定手段で予め得た孤立点の実面積と縦横面積算出手段で得た縦横面積とから面積比を算出する面積比算出手段と、面積比算出手段で得た面積比と任意の面積比判定しきい値とを比較する面積比判定手段手段を備えている構成とし、請求項5として、近傍除去判定手段が、第1形状識別手段および第2形状識別手段において除去対象となった孤立点のみを対象とする近傍除去判定対象自動選定手段と、近傍除去判定対象自動選定手段において対象となった孤立点に対して上下左右斜めの少なくとも一方向について近傍除去領域を設定する近傍除去領域設定手段と、近傍除去領域設定手段で設定した近傍除去領域内において孤立点が存在するか否かを判定する孤立点有無判定手段と、孤立点有無判定手段において孤立点が存在すると判定した場合のみ近傍除去領域内の孤立点を除去する近傍除去領域内孤立点除去手段を備えている構成としている。
【0010】
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に係わる表面欠陥検査装置によれば、温度や湿度等の変化により変動する油状況を検出することで、環境の変化に左右されることなく欠陥検出を行うための画像を安定して得ることができ、被検査面に洗浄油によるバキューム痕やむら等がある場合でも、表面欠陥の検出を高精度に行うことができる。また、油状況検出用画像入力手段による受光画像が欠陥を検出するための撮像手段の受光画像と同じであるため、補正数値の誤差が生じる心配がなく、直接的な油状況補正を行うことができ、これにより欠陥検出の精度をより一層高めることができる。
さらに、上記の表面欠陥検査装置によれば、撮像手段による受光画像の入力角度を変化させて油状況の補正を行うことができ、常に誤検出状況をほぼ同じ状態にして安定した欠陥抽出を行うことができ、また、誤検出数の変動による画像処理時間のばらつきを回避することができ、もしくは処理不可能となることによる欠陥検出信頼度の低下を回避することができる。
さらに、上記の表面欠陥検査装置によれば、誤検出除去手段において、誤検出される孤立点の面積判定、孤立点の抽出回数に基づく追跡照合判定、孤立点の縦横比に基づいて形状を識別する第1形状識別、孤立点の面積比に基づいて形状を識別する第2形状識別、および孤立点に対して近傍除去領域を設定する近傍除去判定の順序で孤立点を除去する処理を行うことにより、誤検出を除去する除去性能が高い順序で処理が行われ、緩い凹凸等の表面欠陥(プレス欠陥)との識別が容易な順序で効果的に除去することができ、精度が高く且つ漏れのない除去が可能となり、さらに誤検出除去時間に無駄がなくなり、結果的に短時間で効果的な誤検出除去を行うことができる。
【0013】
本発明の請求項2に係わる表面欠陥検出装置によれば、請求項1と同様の効果を得ることができるうえに、油状況検出用画像入力手段が、油状況検出用の照明手段および撮像手段を備えたものとしたため、油状況を検出するのに最低必要な構成となって、装置の規模の無駄な拡大を防ぎ、最小の設置スペースと設置コストで油状況を検出する受光画像を得ることができる。
【0015】
本発明の請求項3に係わる表面欠陥検査装置によれば、請求項1及び2と同様の効果を得ることができるうえに、面積判定および追跡照合判定による除去後に残った全孤立点に対し、第1形状識別手段において、縦横座標を算出し、算出した縦横座標から孤立点の縦横長さを算出して縦横比を算出し、その縦横比と任意の縦横比判定しきい値とを比較することから、緩い凹凸である表面欠陥(プレス欠陥)を抽出する画像処理手段の特徴、すなわち横方向に長く検出し、且つ縦方向は全く検出せず、中間は三日月状に抽出するという抽出形状の中で、緩い凹凸である表面欠陥はほぼ楕円形状となるが、それ以外の際立って横に長い孤立点のみを高精度に識別することができる。
【0016】
本発明の請求項4に係わる発明によれば、請求項1〜3と同様の効果を得ることができるうえに、面積判定、追跡照合判定および第1形状識別による除去後に残った全孤立点に対し、第2形状識別手段において、縦横座標から孤立点の縦横長さを算出し、縦横を1辺とする面積を算出し、その縦横比面積と面積判定手段で予め得られている孤立点の実面積とから面積比を算出して任意の面積比判定しきい値とを比較することから、緩い凹凸である表面欠陥(プレス欠陥)を抽出する画像処理手段の特徴、すなわち横方向に長く検出し、且つ縦方向は全く検出せず、中間は三日月状に抽出するという抽出形状の中で、緩い凹凸である表面欠陥はほぼ楕円形状となるが、それ以外の三日月状の孤立点について高精度に識別することができる。
【0017】
本発明の請求項5に係わる発明によれば、請求項1〜4と同様の効果を得ることができるうえに、近傍除去判定手段において、第1形状識別および第2形状識別で除去対象となった孤立点のみを対象にし、上下左右斜めの少なくとも一方向について近傍除去領域を設定して、さらに近傍除去領域内において孤立点が存在するか否かを判定し、孤立点が存在すると判定された場合のみ近傍除去領域内の孤立点を除去することから、被検査物の種類毎等に誤検出位置がずれる場合においても自動的に無駄なく近傍領域を設定できることとなり、予め除去領域を設定した場合の過大領域での除去となることを防ぐことができ、除去領域のずれによる検出の見逃しや検査範囲の減少やばらつきを防止することができる。また、第1形状識別および第2形状識別で除去対象となった孤立点が存在した場合についてのみ近傍除去領域を設定するため、誤検出の危険性が高い場合についてのみ近傍除去判定が行われ、無駄な検査範囲の減少を防ぐことができる。
【0018】
【実施例】
(実施例1)
図1は本発明に係わる表面欠陥検査装置の第1実施例を示す図である。図示の表面欠陥検査装置は、プレス成形された車体パネル(ドアパネル)である被検査物Wの表面欠陥を検査するものであって、被検査物Wを一定の速度で搬送するベルトコンベア等の被検査物搬送手段29と、後記する照明手段および撮像手段を一体的に備えた光学的センサ1と、光学的センサ1で得た受光画像に基づいて被検査物Wの被検査面における表面欠陥を抽出する画像処理装置(画像処理手段)2と、光学的センサ1で得た受光画像に基づいて被検査面の油状況を検出する油状況検出手段と、油状況検出手段からの信号により画像処理装置2の誤検出を除去する誤検出除去手段としての画像ホストコンピュータ3を備えている。なお、この実施例では、油状況検出手段は画像処理装置2に含まれている。
【0019】
光学的センサ1は、図2に示すように、センサボックス1A内に、ハロゲンランプ等の光源13と、光源13から光ファイバ13Aで導き出した光をライン状の照明光にするライトガイド14と、ライトガイド14から照射した照明光を浅い照射角度αで被検査面Wfに照射する照明用反射鏡15と、表面欠陥を乱反射光として捕らえるために被検査面Wfを照射角度αよりも大きい撮像角度βで撮像する撮像手段11を備えている。撮像手段11は、例えばCCDカメラであって、この実施例では撮像用反射鏡12を介して被検査面Wfを撮像する。
【0020】
表面欠陥の検査を行う場合、被検査面に対して上記の照射角度αおよび撮像角度βを一定に保つ必要がある。そこで、この実施例では、光学的センサ1を多軸制御式のロボット9に装着し、このロボット9をロボット制御装置5およびロボット制御用コンピュータ6で制御するようにしている。
【0021】
ここで、一般的なプレス成形ラインでは、成形品ならびに成形型の変更時の初期において、緩い凹凸である表面欠陥(プレス欠陥)、キズや割れ等の欠陥を作業員が目視でチェックしている。このチェックでは、品質の目視チェックに加えて、緩い凹凸である表面欠陥をチェックするための砥石掛け等を行っており、その作業には数分から数十分を要する。この実施例では、チェック時間を利用して油状況の検出や、撮像角度の算出および制御を行い、準備を終了して本生産に備えるというフローである。
【0022】
なお、チェックの時間内で油状況が急激に変化することは稀であり、装置の故障等が発生しない限り充分実用に耐え得る。また、仮に油状況が変化したとしても、誤検出処理フローで検出した誤検出数が明らかに多い場合には、油状況が異常であると判断して油状況を検出するフローで再度チェックすればよい。
【0023】
被検査面における油状況検出は、初期時と異常時のみとし、通常の検査時は検査フローのみを繰り返す。まず、ロット初期の試し打ちにおいて油状況を検出するため、光学的センサ1が油状況検出用画像を撮像する。この油状況検出用画像を撮像する時の撮像角度は、誤検出が発生する小さい角度として、例えば10〜30°程度としておけばよい。この油状況検出用画像を画像処理装置2において画像処理し、緩い凹凸である表面欠陥(プレス欠陥)の抽出処理および誤検出を抽出する。その後、抽出数は誤検出数として算出され、ロボット制御用コンピュータ6に転送される。
【0024】
油状況検出の基本処理を図3に基づいて説明する。ステップS1において装置の電源を入れると、ステップS2において画像処理装置2がTESTモードとして立上がる。そして、ステップS3においてスタート信号がONであるか否かを判定し、ONである場合にはステップS4において試し打ちされた初期の被検査物の被検査面を光学的センサ1で撮像する。なお、スタート信号は、例えば、被検査物搬送手段29により搬送される被検査物Wを検出する位置センサ類から得ることができる。
【0025】
次に、ステップS5において、図4に示すTESTモード基本処理フローに従って欠陥抽出処理を行う。すなわち、図4中のステップS21において、原画(受光画像)の取り込みが行われると、ステップS22において7×7(ドット)の微分フィルタF1により原画を微分処理し、ステップS23において9×1(ドット)の平滑化フィルタF2により微分処理画像を平滑化処理する。そして、ステップS24において微分処理画像の一定値減算演算を行ったのち、ステップS25において微分処理画像と平滑化処理画像の差分処理を行い、ステップS26において2値化処理を行ったのち、ステップS27において2値化画像を膨張あるいは収縮処理することにより、ステップS28において欠陥数を算出する。
【0026】
その後、図3中のステップS6において、算出した欠陥数を誤検出数としてロボット制御用コンピュータ6に転送する。この転送後、図5に示すフローに従って誤検出数を基に油状況を判定するが、先ずは、ステップS7において誤検出数と予め入力してある限界設定値(M)と比較して、誤検出数が限界設定値以上である場合(NO)には、ステップS8において限界撮像角度を50°に設定する。また、誤検出数が限界設定値以下である場合(YES)には、ステップS9において、予め入力されている誤検出数と撮像角度の関係式もしくはグラフから撮像角度を算出する。
【0027】
ここで、図6に誤検出数と撮像角度の関係を示す。図6(a)に示すように、撮像角度が小さい場合には誤検出数が多く、撮像角度が大きい場合には誤検出数が少ないという結果が実験的に得られている。また、誤検出数と撮像角度との関係は、反射光の強度から理論的に求めることもできる。また、油状況としては図6(b)に示すように、付着量が多い場合には誤検出多く、逆に付着量が少ない場合には誤検出が少ないという結果が実験的に得られている(ある量で飽和する)。よって、図6(a),(b)の結果から、油状況に応じて誤検出数をパラメータにして図6(c)に示すような誤検出数と撮像角度の関係を導くことができる。このようにして得た撮像角度に基づいて、ステップS10において撮像角度制御装置7に指令が出され、光学的センサ1における撮像手段11の角度が設定角度に制御される。その後、ステップS11において検査モードへの切換えを行う。
【0028】
具体例として図7に撮像角度調整の対策を行わない場合の原画像および検出画像と、撮像角度調整の対策を行った場合の原画像および検出画像を示す。図7から明らかなように、対策を行わない場合には、原画像においてバキューム痕が撮像される。なお、傾斜方向から撮像しているため、実際には円形であるバキューム痕が楕円状に撮像されている。そして、バキューム痕が検出画像にも残って誤検出され、欠陥の抽出精度も低下する。これに対して、対策を行った場合には、原画像からバキューム痕が殆ど除去されるので検出画像にもバキューム痕は無く、バキューム痕の誤検出が解消されて欠陥の抽出精度が高められる。
【0029】
撮像手段11の角度制御は、図2に示す角度制御支点16を中心にして、撮像手段11と撮像用反射鏡12とを一体で角度変更すれば可能である。また、撮像手段11と撮像用反射鏡12を単独で回動させ且つ昇降させても同じ結果が得られる。さらに、撮像用反射鏡12を使用せず、撮像手段11で被検査面Wfを直接撮像する構成としても良い。これは、照明用反射鏡15についても同じで、ライトガイド14で被検査面Wfを直接照射する構成としても良い。さらに、撮像用反射鏡12や照明用反射鏡15を複数枚使用した構成とすることも可能である。
【0030】
撮像手段11の制御範囲としては、例えば撮像角度で10〜55°程度とすればよい。従来の画像処理では、撮像角度が10〜30°の範囲において緩い凹凸である表面欠陥が精度良く検出できるとしているが、プレス成形ラインにおける被検査物Wのように表面に油が付着している場合は、図8に示すように、撮像角度が50°程度まで検出可能(限界撮像角度)であることが実験的に証明されている。よって、本発明では、図8に示す如く緩い凹凸である表面欠陥が検出できる限界付近まで撮像角度を制御可能とすることで、誤検出性能との両立を実現している。
【0031】
TESTモードは、待機中の時間をフィードバックし、図3中のステップS12において被検査物Wの搬送が始まらずに一定時間の停止状態が続く時は、油状況が変化したと判断してTESTモードに戻るようにしておく。また、ステップS13においてスタート信号がONになり、ステップS14において検査を開始した後には、ステップS15において、検査中も常に被検査物Wが正常に流れているか(ラインが停止していないか)を任意の設定値Fに基づいて検査周期を監視し、検査周期が設定値F以上(NO)であればライン停止と判断してTESTモードに戻る。さらに、ステップS15において検査周期が設定値F以内である場合(YES)には、ステップS16において検査を継続し、ステップS17において手動停止がOFFであるか否かを判定し、OFFである場合にはステップS18において装置電源をOFFにする。
【0032】
なお、停止時間を管理してはいるが、ライン作業者が必要に応じて手動でTESTモードに切換えることができるように割り込み可能としておき、任意に初期状態に戻れるようにしておく。そして、上記したステップS12で油状況検出の処理フローが終了し、ステップS13において検査待機状態となり、スタート信号の入力を待つことになる。
【0033】
次に、スタート信号が入力されたら被検査物Wの形状毎に設定したセンサ制御特性に基づいて光学的センサ1を制御し、その受光画像を画像処理装置2に入力し、画像処理装置2において従来と同様の画像処理手法で欠陥抽出を行う。その抽出結果はホストコンピュータ3に送られ、誤検出除去処理が行われる。
【0034】
図9には誤検出除去の基本処理フローを示す。なお、ステップS31〜S37は、図4で説明したステップS21〜S27と同じである。そして、ステップS38においてラベリングを行い、ステップS39において誤検出である孤立点に対して最大値および最小値を除く面積および重心の計算を行った後、ステップS40においてホストコンピュータ3により面積判定を行い、ステップS41において追跡照合判定を行う。そして、ステップS42において孤立点の縦横比に基づく第1形状識別を行った後、ステップS43において孤立点の面積比に基づく第2形状識別を行い、さらにステップS44において孤立点に対して近傍除去領域を設定して同領域内の孤立点の除去する近傍除去を行って誤検出を除去し、ステップS45において結果表示モニター4に欠陥を表示する。
【0035】
ステップS40における面積判定では、被検査物Wが自動車の車体パネルである場合、緩い凹凸である表面欠陥(プレス欠陥)と全く面積が異なる車体パネルのエッジ部、ドアノブの穴あるいはドアモールエッジ部等のように比較的識別の容易な誤検出孤立点が主に除去される。次に、ステップS41における追跡照合判定では、埃や小さい穴(ドアモール用穴やウィンドウオッシャ穴)等の緩い凹凸と比較的面積が近いが撮像回数が異なる誤検出孤立点、すなわち追跡して照合する回数が非常に多い誤検出孤立点や逆に非常に少ない誤検出孤立点が主に除去される。一般的には、面積判定および追跡照合判定において、誤検出孤立点が約1/2〜1/4程度まで除去される。
【0036】
また、面積判定および追跡照合判定における除去後に残った孤立点について、第1形状識別、第2形状識別および近傍除去を順番に行う。その処理フローを図10(a)に示す。
【0037】
ステップS51において面積判定および追跡照合判定による除去後に残っている全孤立点を対象とし、ステップS52において、図10(b)に示すような一般的なフィレ座標算出フィルター等を使用して、縦横XY座標(Xmin,Xmax,Ymin,Ymax)を算出する。次に、ステップS53において、縦横XY座標を使用して全孤立点の縦長さ(ΔY= Ymax− Ymin )と横長さ(ΔX= Xmax − Xmin )を演算し、横長さ(ΔX)/縦長さ(ΔY)である縦横比(R)を演算する。
【0038】
次に、ステップS54において、横長さ(ΔX)×縦長さ(ΔY)である縦横面積(ΔX×ΔY)を演算し、先の図9のフローで算出済みの面積判定で使用した実面積(Sd)との比、すなわち縦横面積(ΔX×ΔY )/実面積(Sd)である面積比(S)を演算する。そして、ステップS55およびS56において、第1形状識別および第2形状識別として、演算した縦横比(R)と面積比(S)を予め入力された縦横比しきい値(R0)、面積比しきい値(S0)と比較し,各結果がしきい値以下であれば欠陥と判定する。
【0039】
また、演算した縦横比(R)と面積比(S)がしきい値以上であれば誤検出として除去するが、これらは、それぞれの固有値である縦横座標算出値(Xmin,Xmax,Ymin,Ymax)、縦長さ(ΔY)、横長さ(ΔX)、および図11のフローで算出済みの面積算出時に同時に算出可能な重心座標等孤立点の情報を持った状態で保存する。これらは後で説明する近傍除去において使用する。
【0040】
なお、しきい値は緩い凹凸である表面欠陥(プレス欠陥)の縦横比(R)と面積比(S)を予め実験的に求め、確実に判定が可能なしきい値を経験的にR0,S0として入力しておけばよい。また、一般的な緩い凹凸である表面欠陥では、縦横比しきい値(R0)は5.5程度とし、面積比しきい値(S0)は3程度としておけばよい。さらに、第1形状識別用演算の後に判定を行い、第2形状識別用演算の後に判定を行う順序、あるいは第1形状識別用演算および第2形状識別用演算の後に第1形状識別判定および第2形状識別判定を行う順序のどちらでも同じ結果を得ることができる。
【0041】
この第1形状識別および第2形状識別においては、従来の欠陥を抽出するフィルターの特性上、画面上の縦方向のエッジには感度がなく、第1形状識別の縦横比(横長さ(ΔX)/縦長さ(ΔY))判定において、楕円形状となる緩い凹凸の表面欠陥と比較的異なる横長形状のものは除去される。また、横方向エッジには感度が高いので、縦と横の中間である斜めのエッジに対しても誤検出が発生し、その形状が三日月形状になるため、第2形状識別の面積比(縦横面積(ΔX×ΔY )/実面積(Sd))において、楕円形状となる緩い凹凸の表面欠陥とは異なる面積比となり、これにより除去される。
【0042】
次に、近傍除去について説明する。近傍除去では、第1形状識別と第2形状識別により判定除去されて保存されている孤立点のみを対象とするため、先ず保存情報を読み出す。この読み出された保存情報に基づいて、図10中のステップS57において近傍領域の位置を設定する。すなわち、近傍領域を設定する位置は、保存されている孤立点が誤検出された元の位置(重心位置等)とする。
【0043】
そして、ステップS58において、第1形状識別と第2形状識別により判定除去された孤立点の全てについて、元の座標位置における縦、横および斜めつまり上下左右斜めのすべての方向の少なくとも一方向について近傍除去領域を算出して設定する。この設定する方向および量は、図10(d)に示すように、LX+, LX−, LY+, LY−, LX'+, LX'−, LY'+, LY'−のように予め入力しておけばよい。また、領域を設定する基準は、夫々の孤立点の座標値の最大および最小から延長してもよいし、重心座標から延長してもよい。この延長の方向および量は実験的に求めることができる。
【0044】
なお、欠陥を抽出する従来例のフィルターの特性上、孤立点は横長になることから、途切れやすい縦方向を多めにして近傍領域を設定するのが望ましい。一般的には、横方向はΔXの2倍程度でよく、縦方向は多めのΔYの3倍程度とするのが望ましいが、誤検出の傾向を調べながら領域の設定の方向および量を任意に設定できるようにしておくのが望ましい。
【0045】
近傍領域の設定が終了した後には、ステップS59において、除去対象有無判定により、設定した近傍領域内に除去する対象とするべき孤立点が存在するかどうか、つまり近傍領域内に例えば重心座標が存在する孤立点があるかないかを判定し、存在しなければ誤検出処理を終了する。また、存在すれば、その孤立点を誤検出と判定し、ステップS60において近傍領域除去により除去する。存在する孤立点の判定条件は重心座標や、最大および最小座標の一部で良く、誤検出性能および検査範囲の減少割合と照らし合わせて実験的に決めればよい。そして、ステップS61において欠陥を表示する。
【0046】
さらに、近傍除去で主に除去対象となるのは、従来例の欠陥を抽出するフィルターの特性上、横方向エッジには感度が高く横長形状に誤検出される孤立点と、縦と横の中間である斜めのエッジ部で三日月形状に誤検出される孤立点の端部付近において小さく途切れた孤立点である。これは縦方向のエッジには感度が無いフィルターの特性上、三日月形状孤立点や横長形状孤立点の端部で小さく途切れるためである。これにより、近傍除去によって途切れた小さい孤立点を除去することで誤検出したすべての孤立点を除去することが可能となる。
【0047】
なお、上記構成において、撮像手段11には、アナログ式CCDカメラやC―MOSタイプのデジタル式カメラ等を使用することができる。また、撮像用反射鏡12や照明用反射鏡13は、一般的な反射鏡を使用することができ、反射率が高くて歪みも少ない光学的な反射鏡であればより良い。
【0048】
(実施例2)
図11は本発明に係わる表面欠陥検査装置の第2実施例を説明する図である。
この実施例は、第1実施例に対し、油状況を検知する専用の油状況検出用画像入力手段である油状況検出用光学的センサ8を追加して設け、常時油状況の検出を行う例である。
【0049】
まず、検査前段すなわち被検査物搬送手段29の上流側に設置した油状況検出用光学的センサ8が、検査前の被検査物Wにおける被検査面の油状況検出用画像を撮像する。この撮像は、表面欠陥の検査と同じように、別の多軸制御型ロボット9に油状況検出用光学的センサ8を装着し、同センサ8を自走させて被検査面を撮像するが、誤検出の出やすい位置が予め分かっている場合には、任意の位置に固定して撮像してもよい。なお、油状況検出の制御方法や誤検出処理フローは先の実施例と同様に行われる。その基本フローを図5に示す。
【0050】
すなわち、ステップS71において装置電源をONにすると、ステップS71においてTESTモードが立ち上がり、ステップS73においてスタート信号がONであるか否かを判定する。スタート信号がONになると、ステップS74において油状況検出用光学的センサ8により油状況検出用画像を撮像し、ステップS75において図4のフローで説明したTESTモード処理を行う。そして、ステップS76において油状況検出用画像処理装置10により誤検出数を求めてそのデータをロボット制御用コンピュータ6に転送する。
【0051】
次に、ステップS77において誤検出数が任意の設定値M以内であるか否かを判定し、設定値M以内では無い場合(NO)には、ステップS78において撮像角度を50°に設定し、設定値M以内である場合(YES)には、ステップS79において設定撮像角度を判定した後、ステップS80において撮像角度を制御する。
【0052】
そして、ステップS81においてスタート信号がONであるか否かを判定し、ONである場合(YES)には、ステップS82において検査を開始し、ステップS63において検査を継続し、検査が終了してからステップS84において装置電源をOFFにする。
上記実施例においても、先の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0053】
(実施例3)
図12は本発明に係わる表面欠陥検査装置の第3実施例を説明する図である。この実施例は、第1実施例に対し、被検査面を撮像するためのシステムを異ならせた例である。なお、油状況検出の制御方法と誤検出処理フローは先の実施例と全く同じである。
【0054】
この実施例における被検査物Wは、自動車のドアパネルであって、中間を頂部領域とする曲面形状の被検査面を有すると共に、被検査面における一端側の曲率が他端側に比べてやや大きいものとなっており、曲率の大きい一端側約半面を搬送方向前面部Pfとし、他端側の残り半面を搬送方向後面部Prとして被検査物搬送手段29により搬送される。
【0055】
被検査物搬送手段29は、例えばベルトコンベアで構成されており、広角度照明手段26による照明光の照射および各撮像手段27,28による撮像を行う間に被検査物Wを一定速度で水平移動させる水平搬送部29Aと、水平搬送部29Aの前方側に連続して下り勾配を成す傾斜搬送部29Bを備えている、傾斜搬送部29Bは、前方撮像手段27の下側に検査後の被検査物Wを通過させるようになっており、検査中における前方撮像手段27の下降限を低く得ると共に、前方撮像手段27と検査後の被検査物Wとの干渉を防止するためのものである。
【0056】
広角度照明手段26は、固定式の後側撮像手段4との間において、被検査物Wの被検査面の搬送方向後面部Prに照明光を照射すると共に、前方撮像手段27との間において、被検査面の搬送方向前面部Pfに照明光を照射する。このとき、広角度照明手段26は、被検査物搬送方向に対して、その前方側および後方側の2か所の定位置に照明光を照射する。つまり、広角度照明手段2による2か所の照明光の照射位置に対して被検査物Wを通過させることにより、表面欠陥の検査が行われる。
【0057】
広角度照明手段26は、被検査物搬送方向(L)を横切るライン状の照明光を形成する照射手段52と、照射手段52からの照明光を反射して照射する鏡面反射手段53と、鏡面反射手段53を回転させて照明光の照射方向を変化させる照明用回転駆動手段54と、各手段52,53,54を一体的に昇降させる照明用昇降駆動手段55を備えている。
【0058】
照明用昇降駆動手段55は、被検査体搬送手段1の上側の図示しない梁に、スライド体56を上下動させる駆動機構57を備えている。スライド体56の下端部には、フレーム(図示略)が設けてあり、このフレームにより照射手段52、鏡面反射手段53および照明用回転駆動手段54を保持している。
【0059】
照射手段52は、図示しない光源からの光を伝送する光ファイバーケーブル58と、レンズによる光学機構を内蔵し且つ光ファイバーケーブル58からの光をライン状に集光するライトガイド59とを複数組備えると共に、これらを直列に配置したものであって、ライン状に形成した照明光を下向きに照射する。このように、別の固定部位に設置した光源から光ファイバーケーブル58でライトガイド59に光を伝送して、ライン状の照明光を形成する照射手段52とすることにより、広角度照明手段26における可動部位の構造の簡略化や軽量化が成されていると共に、広範囲の被検査面に対処し得るようになっている。
【0060】
この照射手段52には、例えば、メタルハライドやキセノンメタルハライド等の強力な光源が用いられる。また、比較的大きい幅(200〜300mm程度)のライトガイド59を用いることにより、ライトガイド59の数自体をも少なく抑えるようにしている。
【0061】
鏡面反射手段53は、鏡面体を主体とする軽量なものであって、照射手段52の下側すなわち照明光の照射口に沿って配置され、フレームに設けた照明用回転駆動手段54によって一端部が保持してあると共に、同じくフレームに設けたベアリング60によって他端部が回転自在に保持してある。照明用回転駆動手段54は、モータ類が用いられ、鏡面反射手段53をその長手方向の軸回りに180度以上の範囲で回転させる。
【0062】
前後の撮像手段27,28は、相対向する状態に配置されており、照明光の反射光を受光するカメラとしての複数のCCDカメラ61を備え、とくに、前方撮像手段27は、各CCDカメラ51を回動させて撮像方向を変化させる手段と、各CCDカメラ61を昇降させる撮像用昇降駆動手段63を備えている。
【0063】
撮像用昇降駆動手段63は、被検査物搬送手段29の上側の図示しない梁に、モータを含む駆動機構65を備えると共に、駆動機構65によって上下に駆動されるフレーム66を備え、フレーム66によって被検査体搬送方向を横切る方向に配置したビーム67を保持している。このビーム67は、フレーム66の一方側において、撮像用回転駆動手段により一端部が保持してあると共に、フレーム66の他端側において、他端部が回転自在に保持してあり、その上面に、複数のCCDカメラ61が撮像方向を同一にして等間隔で取付けてある。撮像用回転駆動手段には、モータ類が用いられ、ビーム67とともに各CCDカメラ61を一斉に回動させる。このように、複数のCCDカメラ61を用いることにより、撮像手段27,28の構造の簡略化や軽量化が成されていると共に、広範囲の被検査面に対処し得るようになっている。
【0064】
また、この実施例では、先述したように、被検査物Wの搬送方向前面部Pfの曲率が搬送方向後面部Prの曲率よりも大きいことから、搬送方向前面部Pfの前端部に対する所定の撮像角度βを得るために、前方撮像手段27の下降限が被検査物搬送手段29の水平搬送部29Aとほぼ同じ高さになっている。これに対して、被検査物搬送手段29は、前方撮像手段27と移動する被検査物Wとが干渉しないように、前方側に先述の傾斜搬送部29Bを備えている。
【0065】
さらに、広角度照明手段26による照明光の前後方向への切換えや、この切換えに伴う前後の撮像手段27,28の制御を行うには、被検査物搬送手段29の側部に、移動する被検査物Wを検出する油状況検出位置検出手段30、前方位置検出手段31および後方位置検出手段32を設け、これらの検出手段30〜32による位置検出信号を用いて切換えや制御のタイミングを決定する。
上記実施例においても先の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0066】
(実施例4)
図13は本発明に係わる表面欠陥検査装置の第4実施例を説明する図である。
この実施例は、第3実施例に対し、油状況を検出する専用の照明手段(油状況検出用照明手段)33および撮像手段(油状況検出用撮像手段)34を設けた場合を示している。なお、これらの照明手段33および撮像手段34は、第3実施例で説明した広角度照明手段(26)や前方撮像手段(27)と同じ構成である。
【0067】
この実施例の場合、油状況検出の制御方法と誤検出処理フローは先の実施例と全く同じであり、油状況検知用画像の取得は検査前段において被検査物Wの形状に合わせて照明手段33および撮像手段34を制御して入力画像を撮像する。なお、例えば被検査物Wが車体パネルであって、比較的平坦なフードやルーフパネルである場合、照明手段33や撮像手段34を必ずしもその形状に合わせて制御して入力画像を撮像する必要はなく、被検査物Wの種類毎に任意の角度位置で固定して入力画像を撮像しても良い。
上記の実施例においても先の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0068】
(実施例5)
図14は本発明に係わる表面欠陥検査装置の第5実施例を説明する図である。
この実施例は、第2実施例に対し、第3および第4の実施例で説明した広角度照明手段26と、前後の撮像手段27,28を採用したものであり、これらの手段26〜28を用いて、表面欠陥検出と油状況検出の両方を行うものである。また、油状況検出の制御方法と誤検出処理フローは先の実施例と全く同じであり、先の実施例と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる表面欠陥検査装置の第1実施例を説明する図である。
【図2】光学的センサの構成を説明する断面図である。
【図3】表面欠陥検出用の光学的センサを油状況検出に流用した場合における油状況検出の基本処理を説明するフローチャートである。
【図4】TESTモードの基本処理を説明するフローチャートである。
【図5】油状況検出用画像入力手段を用いた場合の油状況検出の基本処理を説明するフローチャートである。
【図6】撮像角度と検出数との関係を示すグラフ(a)、油付着量と誤検出数との関係を示すグラフ(b)、および誤検出数と撮像角度との関係を示すグラフ(c)である。
【図7】撮像角度調整の対策を行わない場合と行った場合での原画像おyび検出画像である。
【図8】撮像角度と誤検出性と緩い凹凸である表面欠陥の検出性との関係を示すグラフである。
【図9】誤検出除去を行う基本処理を説明するフローチャートである。
【図10】欠陥判定処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図11】本発明に係わる表面欠陥検査装置の第2実施例を説明する図である。
【図12】本発明に係わる表面欠陥検査装置の第3実施例を説明する図である。
【図13】本発明に係わる表面欠陥検査装置の第4実施例を説明する図である。
【図14】本発明に係わる表面欠陥検査装置の第5実施例を説明する図である。
【図15】プレス成形ラインを説明する概略的な側面図である。
【図16】被検査物であるドアパネルにおけるバキューム痕を示す平面図である。
【図17】バキューム痕を捕らえた受光画像(a)および欠陥抽出画像(b)である。
【符号の説明】
W 被検査物
Wf 被検査面
1 光学的センサ
2 画像処理装置(画像処理手段)
3 画像用ホストコンピュータ(誤検出判定手段)
6 ロボット制御用コンピュータ(撮像角度決定手段)
7 撮像角度制御装置(撮像角度制御手段)
8 油状況検出用光学的センサ
10 油状況検出用画像処理装置(油状況検出手段)
11 撮像手段
26 広角度照明手段
27 前方撮像手段
28 後方撮像手段
29 被検査物搬送手段
33 油状況検出用照明手段
34 油状況検出用撮像手段
Claims (5)
- 被検査物を搬送する被検査物搬送手段と、
被検査物搬送手段により搬送された被検査物の被検査面に対して一定の照射角度で照明光を照射する照明手段と、
照明手段の照射角度よりも大きい撮像角度で被検査面を撮像する撮像手段と、
撮像手段で得た受光画像に基づいて被検査面の欠陥を抽出する画像処理手段と、
被検査物の搬送方向において撮像手段よりも上流側に配置されて撮像手段と同じ受光画像を得る油状況検出用画像入力手段と、
油状況検出用画像入力手段による受光画像に基づいて被検査面の欠陥を検出し、その欠陥数を誤検出数とするとともに誤検出数に基づいて被検査面の油状況を検出する油状況検出手段と、
油状況検出手段で検出した誤検出数の増減に応じて撮像手段の撮像角度が増減するように制御特性を決定する撮像角度決定手段と、
撮像角度決定手段で決定した撮像角度に基づいて撮像手段を制御する撮像角度制御手段と、
撮像角度制御手段により制御された撮像手段の受光画像から画像処理手段の誤検出を除去する誤検出除去手段を備え、
誤検出除去手段が、
画像処理手段で欠陥抽出した際に誤検出される孤立点の全面積を算出して任意の面積以上および任意の面積以下の面積の孤立点を除去する面積判定手段と、
面積判定手段による除去後に残った全孤立点に対して任意の抽出回数以上および任意の抽出回数以下の孤立点を除去する追跡照合判定手段と、
面積判定手段および追跡照合判定手段による除去後に残った全孤立点に対してその縦横比に基づいて形状を識別して除去する第1形状識別手段と、
面積判定手段、追跡照合判定手段および第1形状識別手段による除去後に残った全孤立点に対してその面積比に基づいて形状を識別して除去する第2形状識別手段と、
第1形状識別手段および第2形状識別手段において除去対象となった孤立点に対して近傍除去領域を設定して同領域内の孤立点を除去する近傍除去判定手段を備えている
ことを特徴とする表面欠陥検査装置。 - 油状況検出用画像入力手段が、被検査面に対して一定の照射角度で照明光を照射する油状況検出用照明手段と、油状況検出用照明手段の照射角度よりも大きい撮像角度で被検査面を撮像する油状況検出用撮像手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の表面欠陥検査装置。
- 第1形状識別手段が、
面積判定手段および追跡照合判定手段による除去後に残った全孤立点に対して縦横座標を算出し、算出した縦横座標から孤立点の縦横長さを算出して縦横比を算出する縦横比算出手段と、
縦横比算出手段で得た縦横比と任意の縦横比判定しきい値とを比較する縦横比判定手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面欠陥検査装置。 - 第2形状識別手段が、
面積判定手段、追跡照合判定手段および第1形状識別手段による除去後に残った全孤立点に対して縦横座標を算出し、算出した縦横座標から孤立点の縦横長さを算出し、縦横を一辺とする面積を算出する縦横面積算出手段と、
面積判定手段で予め得た孤立点の実面積と縦横面積算出手段で得た縦横面積とから面積比を算出する面積比算出手段と、
面積比算出手段で得た面積比と任意の面積比判定しきい値とを比較する面積比判定手段手段を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面欠陥検査装置。 - 近傍除去判定手段が、
第1形状識別手段および第2形状識別手段において除去対象となった孤立点のみを対象とする近傍除去判定対象自動選定手段と、
近傍除去判定対象自動選定手段において対象となった孤立点に対して上下左右斜めの少なくとも一方向について近傍除去領域を設定する近傍除去領域設定手段と、
近傍除去領域設定手段で設定した近傍除去領域内において孤立点が存在するか否かを判定する孤立点有無判定手段と、
孤立点有無判定手段において孤立点が存在すると判定した場合のみ近傍除去領域内の孤立点を除去する近傍除去領域内孤立点除去手段を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面欠陥検査装置。
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