JP3642255B2 - 表面欠陥検査装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検査体の表面欠陥を検査する装置であって、例えば、自動車の製造において、プレス形成された車体パネルの表面における凹凸等の表面欠陥を検査するのに用いられる表面欠陥検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の表面欠陥検査装置としては、例えば、特開平8−5573号公報などに示されたものがある。
【0003】
同公報に開示された表面欠陥検査装置は、図24(a)に示すように、被検査体100の一方側斜め上方に位置して被検査体100の表面に面状の照明光を照射する面状光源101と、被検査体100の他方側斜め上方に位置して被検査体100の表面を撮像するエリアセンサカメラ102を備え、被検査体100の表面に存在する異物や突起を検出するようになっている。また、同公報に開示された他の表面欠陥検査装置は、図24(b)に示すように、被検査体100の一方側斜め上方に位置して被検査体100の表面に線状の照明光を照射する線状光源103と、被検査体100の他方側斜め上方に位置して被検査体100の表面を撮像するラインセンサカメラ104を備え、被検査体100の表面に存在する微小突起等をも検出するようになっている。
【0004】
上記の両表面欠陥検査装置において、光源101,103による照明光の照射角度αとカメラ102,104による撮像角度βは、10度以下の低角度であると共に、いずれもほぼ同一の角度になっている。したがって、撮像画像105としては、照明光の正反射光を捕らえることになり、被検査体100の表面に存在する異物や欠陥を影として、すなわち、明部105a中の暗点105bとして撮像したものとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような従来の表面欠陥検査装置にあっては、例えば自動車の車体パネルのプレスラインに設置して、インラインで車体パネルを検査しようとすると、次のような問題点があった。すなわち、プレスの前工程で行った洗浄による洗浄油の付着状態(量、分布)に大きなばらつきがあり、油が過剰に付着した被検査面を撮像して画像処理を行うと、油付着部分の境界部がエッジとして誤検出されるため、表面欠陥を精度良く検出することができなくなり、欠陥検出の信頼度が低下するためにインライン化を行うことが困難であるという問題点があった。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記従来の状況に鑑みて成されたものであり、被検査面に油が過剰に付着している場合に、誤検出の原因である過剰な油の付着の影響を極力減少させることを可能にして、インラインにおいて精度の高い欠陥検出を行うことができる表面欠陥検査装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる表面欠陥検査装置は、請求項1として、被検査体を一方向に搬送する被検査体搬送手段と、移動する被検査体の被検査面に対して照明光を所定の照射角度で照射する照明手段と、照明光の照射角度よりも大きい撮像角度で照明光の反射光を撮像する撮像手段と、撮像手段からの受光画像に基づいて被検査面の表面欠陥を検出する検査処理手段と、照明手段および撮像手段に対して被検査体搬送方向の上流側に配置され且つ被検査面の表面状態を検査する表面検査手段と、表面検査手段からの被検査面の表面状態に基づいて油の付着状態を判定する油状態判定手段と、油状態判定手段からの油付着状態に基づいて、照明光の照射角度の変更、撮像角度の変更、被検査面の油付着量の制御のうちの少なくとも照明光の照射角度の変更または撮像角度の変更を対策指示として出力する油対策指示手段と、油対策指示手段からの対策指示に基づいて照明手段および撮像手段のうちの少なくとも一方の角度および高さを制御する照明/撮像制御手段を備えた構成とし、請求項2として、照明手段が、被検査体搬送方向の上流側および下流側に照明光の照射が可能であり且つ移動する被検査体の被検査面に対して照明光を所定の照射角度で照射する広角度照明手段であると共に、撮像手段が、広角度照明手段を間にして被検査体搬送方向の上流側および下流側に配置され且つ広角度照明手段に対向して照明光の照射角度よりも大きい撮像角度で照明光の反射光を撮像する上流側および下流側の撮像手段である構成とし、請求項3として、照明/撮像制御手段が、移動する被検査面に対する照明光の照射角度および撮像角度が所定の値になるように照明手段および撮像手段の各々の角度および各々の高さを制御し、且つ油対策指示手段からの対策指示に基づいて照明手段および撮像手段のうちの少なくとも一方の角度および高さを制御する手段である構成としており、上記構成をもって従来の課題を解決するための手段としている。なお、上記の構成において、照明手段による照明光の照射角度は、反射光分布の指向性を高め且つ高い反射率を得るために、被検査面(被検査面が曲面の場合は照射ポイントの接線)に対して10度以下とするのが望ましく、また、撮像手段による撮像角度は、同じく被検査面に対して10〜30度の範囲とするのが望ましい。
【0008】
また、本発明に係わる表面欠陥検査装置は、請求項4として、被検査体を一方向に搬送する被検査体搬送手段と、移動する被検査体の被検査面に対して照明光を所定の照射角度で照射する照明手段と、照明光の照射角度よりも大きい撮像角度で照明光の反射光を撮像する撮像手段と、撮像手段からの受光画像に基づいて被検査面の表面欠陥を検出する検査処理手段と、照明手段および撮像手段に対して被検査体搬送方向の上流側に配置され且つ被検査面の表面状態を検査する表面検査手段と、表面検査手段からの被検査面の表面状態に基づいて油の付着状態を判定する油状態判定手段と、油状態判定手段からの油付着状態に基づいて、照明光の照射角度の変更、撮像角度の変更、被検査面の油付着量の制御のうちの少なくとも1つを対策指示として出力する油対策指示手段を備え、照明手段が、被検査体搬送方向の上流側および下流側に照明光の照射が可能であり且つ移動する被検査体の被検査面に対して照明光を所定の照射角度で照射する広角度照明手段であると共に、撮像手段が、広角度照明手段を間にして被検査体搬送方向の上流側および下流側に配置され且つ広角度照明手段に対向して照明光の照射角度よりも大きい撮像角度で照明光の反射光を撮像する上流側および下流側の撮像手段である構成とし、請求項5として、移動する被検査面に対する照明光の照射角度および撮像角度が所定の値になるように照明手段および撮像手段の各々の角度および各々の高さを制御し、且つ油対策指示手段からの対策指示に基づいて照明手段および撮像手段のうちの少なくとも一方の角度および高さを制御する照明/撮像制御手段を備えた構成とし、請求項6として、表面検査手段が、被検査面を光学的に検査して表面状態を輝度のレベルで出力する手段であると共に、油状態判定手段が、表面検査手段から得た輝度および予め求めた輝度と油付着量との関係に基づいて被検査面の油付着状態を判定する手段である構成とし、請求項7として、照明手段および撮像手段に対して被検査体搬送方向の上流側に配置され且つ油対策指示手段からの対策指示に基づいて被検査面の油付着量を制御する油付着量制御手段を備えた構成とし、請求項8として、油付着量制御手段が、被検査面に回転接触する油絞り用ロールと、被検査面に対する油絞り用ロールの圧接力を制御する圧接力制御手段を備えている構成とし、請求項9として、照明手段および撮像手段に対して被検査体搬送方向の上流側に配置され且つ油対策指示手段からの対策指示ならびに油の蒸発特性に基づいて被検査面の油を蒸発させる油蒸発制御手段を備えた構成とし、請求項10として、油蒸発制御手段が、被検査面に対して空気を吹き付ける送風手段と、送風手段からの空気量を変化させる風量切換え手段と、送風手段からの空気の温度を変化させる熱量切換え手段を備えている構成とし、請求項11として、照明手段および撮像手段に対して被検査体搬送方向の上流側に配置され且つ油対策指示手段からの対策指示に基づいて被検査面の油を拭き取る油拭き取り手段を備えた構成としており、上記構成をもって従来の課題を解決するための手段としている。
【0009】
【発明の作用】
本発明の請求項1および4に係わる表面欠陥検査装置では、ベルトコンベアなどの被検査体搬送手段によって被検査体を一定速度で搬送すると共に、被検査体搬送手段の上側において、照明手段および撮像手段を角度調整可能に且つ高さ調整可能にして対向配置し、照明手段により、移動する被検査体の被検査面に対して搬送方向一方側の斜め上方から所定の照射角度で照明光を照射すると共に、撮像手段により、被検査面に対して搬送方向他方側の斜め上方から照射角度よりも大きい撮像角度で被検査面からの反射光を撮像する。このとき、照明手段および撮像手段は、被検査面に対する照明光の照射角度および撮像角度が常に所定の値となるように角度や高さの制御が成されている。また、照明手段による照明光の照射角度は、被検査面に対して10度以下の浅い角度とし、撮像手段による撮像角度は、被検査面に対して10〜30度の範囲とする。つまり、所定の照射角度で照射された照明光のうち、表面欠陥の無い部分に当たった光は、照射角度と同じ角度で正反射するので撮像手段に撮像されず、表面欠陥に当たって照射角度よりも大きい角度で乱反射した光のみが撮像手段に撮像される。したがって、撮像手段により、表面欠陥を高輝度で捕らえた受光画像が得られる。
【0010】
このようにして得られた受光画像は、検査処理手段に取り込まれ、検査処理手段において、エッジ抽出処理、平滑化処理、2値化処理および表面欠陥の抽出処理といった画像処理が行われる。なお、表面欠陥の検出結果は、CRTやプリンタなどの表示手段に表示することが可能である。
【0011】
ここで、被検査体が例えば自動車の車体パネルである場合、被検査体は、洗浄油による洗浄が行われた後に所定の形状にプレス成形される。このようなプレスラインに対して、当該表面欠陥検査装置をインラインで用いる場合、プレス成形された被検査体の被検査面には油が付着しており、その油が過剰に残っていると表面欠陥の誤検出の原因となる。つまり、図10に示すように、被検査面における照明光の拡散反射光は、正反射光の部分で強度が明らかに大きくなるのであるが、図10(a)に示す油の無い面に対して、図10(b)に示す油付着面においては、全体の強度が減少するとともに正反射光の部分の強度が増大する。このため、被検査面に油が過剰に付着していると、撮像手段で捕らえる光の強度が減少し、表面欠陥の検出精度が低下することになる。
【0012】
これに対して、請求項1に係わる表面欠陥検査装置では、受光画像から被検査面の表面欠陥を検出する前に、表面検査手段において、被検査面の表面状態を検査し、油状態判定手段において、表面検査手段からの被検査面の表面状態に基づいて油の付着量などの付着状態を判定し、油対策指示手段において、油状態判定手段からの油付着状態に基づいて、照明光の照射角度の変更、撮像角度の変更、被検査面の油付着量の制御のうちの少なくと照明光の照射角度の変更または撮像角度の変更を対策指示として選択して出力し、照明/撮像制御手段において、油対策指示手段からの対策指示に基づいて照明手段および撮像手段のうちの少なくとも一方の角度および高さを制御する。また、請求項4に係わる表面欠陥検査装置では、受光画像から被検査面の表面欠陥を検出する前に、表面検査手段において、被検査面の表面状態を検査し、油状態判定手段において、表面検査手段からの被検査面の表面状態に基づいて油の付着量などの付着状態を判定し、油対策指示手段において、油状態判定手段からの油付着状態に基づいて、照明光の照射角度の変更、撮像角度の変更、被検査面の油付着量の制御のうちの少なくとも1つを対策指示として選択して出力する。
【0013】
すなわち、先の図10において、照明光の照射角度をαとし、撮像角度をβとし、油の無い面の拡散反射光の強度をΦ1とし、油付着面の拡散反射光の強度をΦ2とした場合、撮像手段の受光強度が減少する油付着面を精度良く検査するには、油の無い面の拡散反射光の強度Φ1と油付着面の拡散反射光の強度Φ2との差ΔΦを小さくすれば良く、その差ΔΦを小さくするには、撮像角度βを照明光の正反射角度(α)に近付ければ良い。
【0014】
そこで、当該表面欠陥検査装置では、例えば油状態判定手段で判定した油付着量が比較的少ない場合には、油対策指示手段において、照明光の照射角度の変更および/または撮像角度の変更を対策指示として出力するようにし、より具体的には、図10(b)において、照明光の照射角度αを増大させる対策指示および/または撮像角度βを減少させる対策指示を出力し、とくに請求項1に係わる表面欠陥検査装置では、照明/撮像制御手段において、照明手段および撮像手段のうちの少なくとも一方の角度および高さを制御する。これにより、撮像角度βが照明光の正反射角度(α)に近付くこととなり、撮像手段の受光強度が増大して油付着面における欠陥検出が精度良く行われる。
【0015】
また、油状態判定手段で判定した油付着量が多い場合には、油対策指示手段において、被検査面の油の除去を対策指示として出力し、あるいは被検査面の油付着量の制御に加えて上記の照射角度αおよび撮像角度βの変更も対策指示として出力する。このとき、被検査面の油の除去は、当該表面欠陥検査装置をプレスのインラインで用いる場合、プレス前の被検査体の被検査面あるいはプレス後の被検査体の被検査面に対して行うことが可能であり、油をほとんど除去しても良いし、油の付着量を減少させる制御を行っても良い。このように、被検査面の油付着量の制御の対策指示を選択した場合には、誤検出の原因である油そのものの付着量を制御することが可能になるので、過剰に付着した油の影響を受けることなく欠陥検出が精度良く行われる。
【0016】
本発明の請求項2および4に係わる表面欠陥検査装置では、被検査体搬送手段により被検査体を一方向に移動させる間において、広角度照明手段を被検査体搬送方向の上流側に向けて被検査面に照明光を照射すると共に、上流側の撮像手段で被検査面を撮像する。そして、被検査体が一定距離移動したところで、広角度照明手段を被検査体搬送方向の下流側に向けて被検査面に照明光を照射すると共に、下流側の撮像手段で被検査面を撮像する。つまり、被検査体が例えば車体パネルであり、被検査面が曲面状であって、搬送方向の前後で被検査面の傾斜方向が逆向きとなる場合、被検査面を前後の検査範囲に分割し、広角度照明手段と上流側の撮像手段とで被検査面の後半部を検査したのち、向きを変えた広角度照明手段と下流側の撮像手段とで被検査面の前半部を検査する。これにより、照明手段および撮像手段の高さを大きく変えずに、曲面状の被検査面に対して照明光の所定の照射角度および撮像角度を維持し得ることとなる。
【0017】
本発明の請求項3および5に係わる表面欠陥検査装置では、照明/撮像制御手段において、移動する被検査面に対する照明光の照射角度および撮像角度が所定の値になるように照明手段および撮像手段の各々の角度および各々の高さを制御する。このような制御には、被検査体搬送手段により移動する被検査体の位置データおよび予め入力した被検査面の曲面形状データを用いることができ、照明手段および撮像手段の角度や高さを段階的あるいは連続的に変化させる。また、照明/撮像制御手段では、先の油対策指示手段からの対策指示に基づいて、照明手段および撮像手段のうちの少なくとも一方の角度および高さを制御し、これにより照明光の照射角度および/または撮像角度を変化させて、油付着面における欠陥検出が精度良く行われるようにする。
【0018】
本発明の請求項6に係わる表面欠陥検査装置では、被検査面を光学的手段で撮像した場合に、油がほとんど付着していない部分と、油が付着している部分とで輝度が異なり、また、油の付着量(油膜の厚さ)によっても輝度が異なることから、表面検査手段において、被検査面を光学的に検査して表面状態を輝度のレベルで出力する。つまり、油の付着量が多いほど輝度が高くなる。そして、油状態判定手段において、表面検査手段から得た輝度および予め求めた輝度と油付着量との関係に基づいて被検査面の油付着状態すなわち油の付着量の度合いを判定し、その判定結果を油対策指示手段に送る。
【0019】
本発明の請求項7に係わる表面欠陥検査装置では、油付着量制御手段により、油対策指示手段からの対策指示に基づいて被検査面の油付着量を制御するので、その後に行われる被検査面の欠陥検出において、誤検出の原因となる過剰な油による影響が低減される。
【0020】
本発明の請求項8に係わる表面欠陥検査装置では、油付着量制御手段が油絞り用ロールと圧接力制御手段を備えており、被検査面に油絞り用ロールを回転接触させることで同被検査面に過剰に付着した油を絞るように除去し、この際、油の付着量に応じて被検査面に対する油絞り用ロールの圧接力を変化させることで、油の付着量を少なく且つ均一なものにする。
【0021】
本発明の請求項9に係わる表面欠陥検査装置では、油蒸発制御手段により、油対策指示手段からの対策指示ならびに油の蒸発特性に基づいて被検査面に付着した過剰な油を蒸発させるので、その後に行われる被検査面の欠陥検出において、誤検出の原因となる過剰な油による影響が低減される。
【0022】
本発明の請求項10に係わる表面欠陥検査装置では、油蒸発制御手段が、送風手段、風量切換え手段および熱量切換え手段を備えており、被検査面に対して送風を行うことで同被検査面に付着した過剰な油を蒸発させて除去し、この際、油の付着量に応じて送風手段からの空気量や空気の温度を変化させることで、油の付着量を少なく且つ均一なものにする。
【0023】
本発明の請求項11に係わる表面欠陥検査装置では、油拭き取り手段により、油対策指示手段からの対策指示に基づいて被検査面に付着した過剰な油を拭き取るので、その後に行われる被検査面の欠陥検出において、誤検出の原因となる過剰な油の影響が低減される。
【0024】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係わる表面欠陥検査装置によれば、被検査体を移動させながら被検査面に対する照明光の照射および撮像を行って、撮像した受光画像から被検査面の凹凸等の表面欠陥を検出するに際し、表面検査手段、油状態判定手段、油対策指示手段および照明/撮像制御手段を採用したことにより、被検査面の油付着状態に応じて、照明光の照射角度の変更、撮像角度の変更、被検査面の油付着量の制御のうちの少なくとも照明光の照射角度の変更または撮像角度の変更を対策指示とし、その対策指示に基づいて照明手段および撮像手段のうちの少なくとも一方の角度および高さを制御することで、誤検出の原因である過剰に付着した油の影響を極力減少させることが可能になり、油が過剰に付着している被検査面を撮像して画像処理をした際に、油付着部分の境界部のエッジ検出レベルを小さくし、誤検出の原因となる過剰な油の影響を解消して、油付着面における欠陥検出を高精度で行うことができる。したがって、被検査面に油が付着している場合、例えば被検査体が自動車の車体パネルであって、車体パネルのプレスラインにおいて油が付着した被検査面をインラインで検査する場合であっても、過剰に付着した油の影響を減少させて欠陥検出を行うことが可能になり、高精度な欠陥検出を安定して行うことができる。
【0025】
本発明の請求項2に係わる表面欠陥検査装置によれば、請求項1と同様の効果を得ることができるうえに、照明手段として広角度照明手段を採用し、撮像手段として上流側および下流側の撮像手段を採用したことにより、曲面状の被検査面の検査に非常に好適なものとなり、例えば自動車の車体パネルのように、搬送方向の前後で被検査面の傾斜方向が逆向きになるような被検査体であっても、被検査面を搬送方向の前後に分割して検査を行うことで、照明手段および撮像手段の高さを大きく変えずに、被検査面に対する照明光の照射角度および撮像角度を所定の値に維持することができ、欠陥検出の精度向上に貢献することができる。
【0026】
本発明の請求項3に係わる表面欠陥検査装置によれば、請求項1および2と同様の効果を得ることができるうえに、照明/撮像制御手段により、被検査面が曲面状を成す場合であっても、被検査面に対する照明光の照射角度および撮像角度を所定の値に維持しながら高精度の欠陥検出を行うことができる。
本発明の請求項4に係わる表面欠陥検査装置によれば、被検査体を移動させながら被検査面に対する照明光の照射および撮像を行って、撮像した受光画像から被検査面の凹凸等の表面欠陥を検出するに際し、表面検査手段、油状態判定手段および油対策指示手段を採用したことにより、被検査面の油付着状態に応じて、照明光の照射角度の変更、撮像角度の変更、被検査面の油付着量の制御のうちの少なくとも1つを対策指示とすることで、誤検出の原因である過剰に付着した油の影響を極力減少させることが可能になり、これにより精度の高い欠陥検出を行うことができる。したがって、被検査面に油が付着している場合、例えば被検査体が自動車の車体パネルであって、車体パネルのプレスラインにおいて油が付着した被検査面をインラインで検査する場合であっても、過剰に付着した油の影響を減少させて欠陥検出を行うことが可能になり、高精度な欠陥検出を安定して行うことができる。
また、照明手段として広角度照明手段を採用し、撮像手段として上流側および下流側の撮像手段を採用したことにより、曲面状の被検査面の検査に非常に好適なものとなり、例えば自動車の車体パネルのように、搬送方向の前後で被検査面の傾斜方向が逆向きになるような被検査体であっても、被検査面を搬送方向の前後に分割して検査を行うことで、照明手段および撮像手段の高さを大きく変えずに、被検査面に対する照明光の照射角度および撮像角度を所定の値に維持することができ、欠陥検出の精度向上に貢献することができる。
本発明の請求項5に係わる表面欠陥検査装置によれば、請求項4と同様の効果を得ることができるうえに、照明/撮像制御手段を採用したことから、被検査面が曲面状を成す場合であっても、被検査面に対する照明光の照射角度および撮像角度を所定の値に維持しながら高精度の欠陥検出を行うことができ、また、油対策指示手段からの対策指示に基づいて照明手段および撮像手段のうちの少なくとも一方の角度および高さを制御することで、油が過剰に付着している被検査面を撮像して画像処理をした際に、油付着部分の境界部のエッジ検出レベルを小さくし、誤検出の原因となる過剰な油の影響を解消して、油付着面における欠陥検出を高精度で行うことができる。
【0027】
本発明の請求項6に係わる表面欠陥検査装置によれば、請求項1〜5と同様の効果を得ることができるうえに、被検査面を光学的に検査して表面状態を輝度のレベルで出力する表面検査手段と、表面検査手段から得た輝度および予め求めた輝度と油付着量との関係に基づいて被検査面の油付着状態を判定する油状態判定手段を採用したことにより、きわめて簡単な構造で被検査面における油の付着状態を正確に判定することができる。これにより、その後の油対策指示手段における対策指示もより適切なものにすることができ、ひいては欠陥検出の高精度化に貢献することができる。
【0028】
本発明の請求項7に係わる表面欠陥検査装置によれば、請求項1〜6と同様の効果を得ることができるうえに、油付着量制御手段を採用したことにより、被検査面の余分な油を早期に絞り除去することができ、その後に行われる被検査面の欠陥検出の高精度化に貢献することができる。
【0029】
本発明の請求項8に係わる表面欠陥検査装置によれば、請求項7と同様の効果を得ることができるうえに、とくに、油付着量制御手段において油絞り用ロールと圧接力制御手段を採用したことにより、被検査面の油付着量に応じた油の絞り除去を行うことができ、被検査面の油の付着量を少なく且つ均一なものにすることができる。
【0030】
本発明の請求項9に係わる表面欠陥検査装置によれば、請求項1〜8と同様の効果を得ることができるうえに、油蒸発制御手段を採用したことにより、被検査面の余分な油を早期に蒸発除去することができ、その後に行われる被検査面の欠陥検出の高精度化に貢献することができる。
【0031】
本発明の請求項10に係わる表面欠陥検査装置によれば、請求項9と同様の効果を得ることができるうえに、とくに、油蒸発制御手段において送風手段、風量切換え手段および熱量切換え手段を採用したことにより、被検査面の油付着量に応じた油の蒸発除去を行うことができ、被検査面の油の付着量を少なく且つ均一なものにすることができる。
【0032】
本発明の請求項11に係わる表面欠陥検査装置によれば、請求項1〜10と同様の効果を得ることができるうえに、油拭き取り手段を採用したことにより、被検査面の余分な油を早期に拭き取り除去することができ、その後に行われる被検査面の欠陥検出の高精度化に貢献することができる。
【0033】
【実施例】
図1〜図13は、本発明に係わる表面欠陥検査装置の一実施例を説明する図である。この実施例の表面欠陥検査装置は、プレス成形された自動車の車体パネルを被検査体とし、その被検査面における凹凸等の表面欠陥をプレス工程のインラインで検査するものである。
【0034】
図1に示す表面欠陥検査装置は、検査部EDにおいて、被検査体Pを図中矢印Lで示す水平方向に一定速度で搬送するベルトコンベア等の被検査体搬送手段1と、被検査体搬送手段1の搬送方向上流側および下流側に照明光の照射が可能であり且つ移動する被検査体Pの上面すなわち被検査面に対して照明光を所定の照射角度αで照射する照明手段としての広角度照明手段2と、広角度照明手段2を間にして被検査体搬送方向の上流側および下流側に配置され且つ広角度照明手段2に対向して照明光の照射角度αよりも大きい撮像角度βで照明光の反射光を撮像する撮像手段としての上流側撮像手段3および下流側撮像手段4と、各撮像手段3,4により得た受光画像に基づいて被検査面の表面欠陥を検出する検査処理手段5を備えた構成になっている。
【0035】
また、表面欠陥検査装置は、検査部EDにおいて、被検査面の搬送方向における位置情報を検出する被検査面位置検出手段として、広角度照明手段2の上流側および下流側に、上流側位置検出手段6および下流側位置検出手段7を備えると共に、各位置検出手段6,7からの位置データに基づいて、広角度照明手段2による照明光の照射方向の切換えや両撮像手段3,4の切換え、および検査処理手段5による表面欠陥の検出開始を行うようにしている。
【0036】
検査処理手段5は、上流側および下流側の位置検出手段6,7からの信号によって上流側および下流側の撮像手段3,4からの画像入力を切換える画像入力切換え手段5Aと、画像処理を行って表面欠陥を検出する画像処理手段5Bと、検出結果を出力するCRTあるいはプリンタ等の表示手段5Cを備えている。
【0037】
さらに、表面欠陥検査装置は、検査部EDにおいて、被検査面の種類を入力する被検査面種入力手段8と、被検査面種入力手段8からの種類データに対応した被検査面の曲面形状データを選定する被検査面形状選定手段9を備えると共に、先の位置検出手段6,7からの位置データおよび被検査面形状選定手段9からの曲面形状データに基づいて、照明手段および撮像手段の各々の角度および各々の高さを制御する照明/撮像制御手段10を備えている。
【0038】
被検査面種入力手段8は、この実施例では被検査体Pが車体パネルであることから、各種車体パネルの諸寸法を種類データとして有するものであって、具体的には車体パネルの設計に用いたCADデータを利用することができる。被検査面形状選定手段9は、被検査面種入力手段8からの入力に対応して、被検査面の湾曲度(角度,高さ)を算出し、これを曲面形状データとして照明/撮像制御手段10に入力する。照明/撮像制御手段10は、広角度照明手段2の角度および高さを制御する照明制御手段10Aと、両撮像手段3,4の角度および高さを制御する撮像制御手段10Bを備えており、被検査面に対する照明光の照射角度αおよび撮像角度βが常に所定の値となるように、広角度照明手段2および両撮像手段3,4を制御する。なお、被検査面形状選定手段9や照明/撮像制御手段10は、ホストコンピュータに組み込むことができる。
【0039】
さらに、表面欠陥検査装置は、検査部EDよりも被検査体搬送方向の上流側において、上流側撮像手段3に対して被検査体搬送方向の上流側に配置され且つ被検査面の表面状態を検査する表面検査手段51と、表面検査手段51からの被検査面の表面状態に基づいて油の付着状態を判定する油状態判定手段52と、油状態判定手段52からの油付着状態に基づいて、照明光の照射角度αの変更、撮像角度βの変更、被検査面の油付着量の制御のうちの少なくとも1つを対策指示として出力する油対策指示手段53を備えている。
【0040】
ここで、この実施例では、照明/撮像制御手段10が、油対策指示手段53からの対策指示に基づいて両撮像手段3,4の角度および高さを制御するものとなっている。表面検査手段51は、被検査面に対して照明光を照射する照射部51Aと、被検査面からの反射光を撮像する撮像部51Bを備えたものであって、被検査面を光学的に検査して表面状態を輝度のレベルで出力する。このとき、輝度のレベルは、油の付着量すなわち油膜の厚さが増大するのに伴って高くなる傾向にある。油状態判定手段52は、移動する被検査体Pの位置を検出する位置センサ54からの信号によって処理を開始し、表面検査手段51から得た輝度および予め求めた輝度と油付着量との関係に基づいて被検査面の油付着状態を判定する。
【0041】
上記構成における広角度照明手段2および両撮像手段3,4をさらに具体的に説明する。
【0042】
広角度照明手段2は、上流側撮像手段3との間において、被検査体Pの被検査面の搬送方向後半部Prに照明光を照射すると共に、下流側撮像手段4との間において、被検査面の搬送方向前半部Pfに照明光を照射する。このとき、広角度照明手段2は、被検査体搬送方向に対して、その上流側および下流側の2か所の定位置に照明光を照射する。つまり、広角度照明手段2による2か所の照明光の照射位置に対して被検査体Pを通過させることにより、表面欠陥の検査が行われる。
【0043】
広角度照明手段2は、図2および図3に示すように、被検査体搬送方向(L)を横切るライン状の照明光を形成する照射手段12と、照射手段12からの照明光を反射して照射する鏡面反射手段13と、鏡面反射手段13を回転させて照明光の照射方向を変化させる照明用回転駆動手段14と、各手段12,13,14を一体的に昇降させる照明用昇降駆動手段15を備えている。
【0044】
照明用昇降駆動手段15は、被検査体搬送手段1の上側の図示しない梁に、スライド体16を上下動させる図外のモータを内蔵した駆動機構17を備えている。スライド体16の下端部には、フレーム(図示略)が設けてあり、このフレームにより照射手段12、鏡面反射手段13および照明用回転駆動手段14を保持している。
【0045】
照射手段12は、図示しない光源からの光を伝送する光ファイバーケーブル18と、レンズによる光学機構を内蔵し且つ光ファイバーケーブル18からの光をライン状に集光するライトガイド19とを4組備えると共に、これらを直列に配置したものであって、ライン状に形成した照明光を下向きに照射する。このように、別の固定部位に設置した光源から光ファイバーケーブル18でライトガイド19に光を伝送して、ライン状の照明光を形成する照射手段12とすることにより、広角度照明手段2における可動部位の構造の簡略化や軽量化が成されていると共に、広範囲の被検査面に対処し得るようになっている。
【0046】
この照射手段12には、例えば、ハロゲンランプ、メタルハライドランプおよびキセノンメタルハライドランプ等の強力な光源が用いられる。また、比較的大きい幅(200〜300mm程度)のライトガイド19を用いることにより、ライトガイド19の数自体をも少なく抑えるようにしている。
【0047】
鏡面反射手段13は、鏡面体を主体とする軽量なものであって、照射手段12の下側すなわち照明光の照射口に沿って配置され、フレームに設けた照明用回転駆動手段14によって一端部が保持してあると共に、同じくフレームに設けたベアリング20によって他端部が回転自在に保持してある。照明用回転駆動手段14は、モータ類が用いられ、鏡面反射手段13をその長手方向の軸回りに180度以上の範囲で回転させる。
【0048】
上記の構成を備えた広角度照明手段2は、先述した照明/撮像制御手段10の照明制御手段10Aからの信号により、照明用回転駆動手段14および照明用昇降駆動手段15が所定の方向に駆動され、被検査体搬送方向の上流側および下流側に対する照明光の照射方向の切換えと、移動する曲面状の被検査面に対して照射角度αを常に所定の値にするための照射方向(角度)および高さの調整が行われる。
【0049】
両撮像手段3,4は、図2に示すように、ほぼ同一の構成を備えて相対向する状態に配置されており、図4に上流側撮像手段3を示すように、照明光の反射光を受光するカメラとしての複数のCCDカメラ21と、各CCDカメラ21を回動させて撮像方向を変化させる撮像用回転駆動手段22と、各CCDカメラ21および撮像用回転駆動手段22を一体的に昇降させる撮像用昇降駆動手段23を備えている。
【0050】
撮像用昇降駆動手段23は、被検査体搬送手段1の上側の図示しない梁に、モータ24を含む駆動機構25を備えると共に、駆動機構25によって上下に駆動されるフレーム26を備え、フレーム26によって被検査体搬送方向を横切る方向に配置したビーム27を保持している。このビーム27は、フレーム26の一方側において、撮像用回転駆動手段22により一端部が保持してあると共に、フレーム26の他端側において、他端部が回転自在に保持してあり、その上面に、4個のCCDカメラ21が撮像方向を同一にして等間隔で取付けてある。撮像用回転駆動手段22は、モータ類が用いられ、ビーム27とともに各CCDカメラ21を一斉に回動させる。このように、複数のCCDカメラ21を用いることにより、撮像手段3,4の構造の簡略化や軽量化が成されていると共に、広範囲の被検査面に対処し得るようになっている。
【0051】
上記の構成を備えた前後の撮像手段3,4は、先述した照明/撮像制御手段10の撮像制御手段10Bからの信号により、撮像用回転駆動手段22および撮像用昇降駆動手段23が所定の方向に駆動され、移動する曲面状の被検査面に対して撮像角度βを常に所定の値にするための撮像方向(角度)および高さの調整が行われる。
【0052】
ここで、上記の構成において、広角度照明手段2は、被検査面が中間を頂部領域とする曲面状を成すことから、照明光の照射ポイントの接線に対する照射角度αが10度以下の低角度となるように照射方向(角度)および高さが制御され、他方、各撮像手段3,4は、広角度照明手段2による照射位置に対向して、照明光の照射ポイントの接線に対する撮像角度βが10〜30度の範囲すなわち照射角度αよりも大きい中間角度となるように撮像方向(角度)および高さが制御される。
【0053】
上記のような照射角度αおよび撮像角度βを設定することで、真横に近い低角度で照明光が照射されると共に、凹凸等の表面欠陥による乱反射光を高輝度で捕えることができる。
【0054】
この原理を図5に基づいて説明する。広角度照明手段2から被検査体Pの被検査面に対して照射角度αで照明光を照射すると、表面欠陥の無い部分で反射した光は、照射角度αと同じ反射角度(α)の正反射光となる。これに対して、傾斜角度θを有する凸状の表面欠陥Qで反射した光は、照射角度αよりも大きい反射角度(α+θ=β)の乱反射光となる。つまり、所定の照射角度αで照射した照明光のうち、表面欠陥の無い部分に当たった正反射光は、撮像手段3,4に受光されず、表面欠陥に当たって照射角度αよりも大きい反射角度(α+θ=β)の乱反射光のみが撮像手段3,4に受光される。これにより、撮像手段3,4により、被検査面の表面欠陥を高輝度で捕らえることができる。
【0055】
このとき、広角度照明手段2による照明光の照射角度αは、被検査面に対して10度以下という低角度であるため、反射光分布の指向性が高まるシーン現象によって高い反射率が得られる。これにより、欠陥部以外の散乱表面による反射角度の反射光分布と、表面欠陥Qによる反射角度の反射光分布とが、明確に区別できるようになる。そして、図6に示すように、照明光の照射角度αが10度以下であれば、図5に示すように表面欠陥Qの画像が高輝度で得られることになり、この傾向は、図6に示すように照射角度αが小さいほど顕著になる。
【0056】
また、撮像手段3,4で撮像する際の感度は、撮像角度βが反射角度α+θの乱反射光を捕えるような角度のときが最も高くなるが、反射光は角度的に分布をもっており、さらに、表面欠陥Qの傾斜角度θが緩やかなほど正反射角度と乱反射角度とが近づくため、撮像角度βとしては、正反射光の反射角度からできるだけ遠ざけ、かつ、乱反射光の反射角度(α+θ)にできるだけ近づけた角度が好ましい。例えば、図7に示すように、撮像角度βを10度〜30度の範囲に設定することにより、欠陥等を高輝度で捕えることができる。
【0057】
なお、撮像手段3,4のCCDカメラ21は、被検査体Pの被検査面に対して角度をもって設置されることから、被写界深度が浅く前後端の画像にぼけを生じる場合がある。この場合、照明光の照度を高くして強力に照射する一方、CCDカメラ21の絞りを絞ってできるだけ被写界深度を深くすることで、傾斜角度θが緩やかで高さが非常に低い欠陥部でも、この欠陥部のみを高輝度部分として捕えることができる。
【0058】
次に、上記構成を備えた表面欠陥検査装置の作用を説明する。なお、当該表面欠陥検査装置は、先にも述べたように車体パネルである被検査体Pをプレス工程においてインラインで検査するものであるため、被検査体Pの被検査面には誤検出の原因になり得る油が付着しており、このような状態の被検査面に対して検査を行うことになる。そこで、当該表面欠陥検査装置では、先に被検査面の表面状態を検査し、その検査結果を検査部EDによる表面欠陥の検出過程に用いるのであるが、まずは検査部EDによる表面欠陥の検出過程について説明する。
【0059】
被検査体搬送手段1によって被検査体Pが搬入されてくると、この被検査体Pを上流側位置検出手段6により検出し、広角度照明手段2から被検査体Pの搬送方向後半部Prにライン状の照明光を照射すると共に、上流側撮像手段3による撮像を開始する。この照明光の照射および撮像は、搬送方向後半部Prのパネル中央側から開始する。
【0060】
その一方では、被検査面種入力手段8から被検査面形状選定手段9に被検査面の種類データが入力され、被検査面形状選定手段9において、種類データに対応した被検査面の曲面形状データを選定してこれを照明/撮像制御手段10に入力し、照明/撮像制御手段10(10A,10B)により、被検査面に対する広角度照明手段2の照明光の照射角度α、および被検査面に対する上流側撮像手段3の撮像角度βを所定の値にする制御を行っており、被検査体Pの移動に伴って、その被検査面に対する照明光の照射角度αおよび撮像角度βが常に所定の値に維持されるように、広角度照明手段2の照射方向(角度)および高さと、上流側撮像手段3の撮像方向(角度)および高さを変化させている。
【0061】
また、上流側撮像手段3により撮像された画像は、検査処理手段5において、画像入力切換え手段5Aを介して画像処理手段5Bに入力され、画像処理が行われる。画像処理手段5Bは、図8に処理フローを示すように、ステップS1において画像の取り込みが行われると、ステップS2においてエッジ抽出処理を行ったのち、ステップS3において2値化処理を行い、ステップS4において欠陥抽出処理を行う。このようにして欠陥抽出が成された画像は、表示手段5Cにおいて表示される。
【0062】
次に、被検査体Pの搬送方向後半部Prの検査が終了すると、移動し続ける被検査体Pが下流側位置検出手段7により検出され、その検出信号が検査処理手段5の画像入力切換え手段5Aおよび照明/撮像制御手段10に入力される。これにより、広角度照明手段2からの照明光の照射方向が下流側に速やかに切換えられ、ライン状の照明光を被検査体Pの搬送方向前半部Pfに照射すると共に、下流側撮像手段4による撮像を開始する。この照明光の前方照射および撮像は、搬送方向前半部Pfのパネル前端側から開始される。
【0063】
そして、先の搬送方向後半部Prの検査時と同様に、被検査体Pの移動に伴って、被検査面に対する照明光の照射角度αおよび撮像角度βが常に所定の値に維持されるように、広角度照明手段2による照明光の照射方向(角度)および高さと、下流側撮像手段4の撮像方向(角度)および高さを変化させる。また、検査処理手段5では、画像入力切換え手段5Aにおいて、上流側撮像手段3からの入力画像を下流側撮像手段4からの入力画像に切換え、その画像処理を行う。
【0064】
なお、被検査体Pの移動に伴う広角度照明手段2の照射方向(角度)および高さの制御、ならびに各撮像手段3,4による撮像方向(角度)および高さの制御としては、図9に下流側撮像手段4による撮像を行う場合を示すように、撮像角度βおよび撮像高さ△Z2、ならびに照射角度αおよび照射高さ△Z1をいずれも階段状にパルス的に切り替えて制御する。このような制御手法とするのは、広角度照明手段2によるライン状の照明光の照射角度および撮像手段3,4の撮像角度は、ともに検査可能な角度に幅(マージン)をもっているため、検査不可能となる角度に外れることのないように制御すればよいからであり、また、高さについては、ライン状の照明光がある程度の許容幅(指向性)をもっているため、被検査体Pの曲面によって変化する高さに合わせて、照明光が被検査面を照射できるように制御すればよいからである。ただし、これらの角度α,βおよび高さ△Z2,△Z1を被検査体Pの表面に沿ってリニアに制御すればより最適な検査を行うことができ、また、当該表面欠陥検査装置ではリニアに制御することも当然可能である。
【0065】
このようにして、当該表面欠陥検査装置は、被検査体Pが車体パネルであり、被検査面が曲面状であり、搬送方向の前後で被検査面の傾斜方向が逆向きとなる場合であっても、被検査面を前後の検査範囲に分割し、広角度照明手段2と上流側の撮像手段3とで被検査面の後半部Prを検査したのち、向きを変えた広角度照明手段2と下流側の撮像手段4とで被検査面の前半部Pfを検査するようにしている。これにより、広角度照明手段2および両撮像手段3,4の高さを大きく変えずに、曲面状の被検査面に対して照明光の所定の照射角度αおよび撮像角度βを維持し得ることとなり、インラインにおいて、被検査体Pを搬送しながら、曲面形状の被検査面全域における表面欠陥を高精度で且つ確実に検出し得るものとなっている。
【0066】
ところで、プレス成形された被検査体Pの被検査面には、先述したように油が付着しており、図11(a)に示すような油付着面の受光画像を画像処理した場合、図11(b)に示すように、油付着部分の境界部がエッジとして誤検出される。つまり、図10に示すように、被検査面における照明光の拡散反射光は、正反射光の部分で強度が明らかに大きくなるのであるが、図10(a)に示す油の無い面に対して、図10(b)に示す油付着面では、全体の強度が減少するとともに正反射光の部分の強度が増大する。このため、被検査面に油が過剰に付着していると、撮像手段3,4で捕らえる光の強度が減少し、表面欠陥の検出精度が低下することになる。
【0067】
このような検出精度の低下に対しては、図10において、照明光の照射角度をαとし、撮像角度をβとし、油の無い面の拡散反射光の強度をΦ1とし、油付着面の拡散反射光の強度をΦ2とした場合、撮像手段3,4の受光強度が減少する油付着面を精度良く検査するには、油の無い面の拡散反射光の強度Φ1と油付着面の拡散反射光の強度Φ2との差ΔΦを小さくすれば良く、その差ΔΦを小さくするには、撮像角度βを照明光の正反射角度(α)に近付ければ良い。
【0068】
そこで、当該表面欠陥検査装置では、表面検査手段51において、検査前の被検査面の表面状態を検査し、油状態判定手段52において、表面検査手段51からの被検査面の表面状態に基づいて油の付着量や分布等の付着状態を判定し、油対策指示手段53において、油状態判定手段52からの油付着状態に基づいて、撮像角度βの変更を対策指示として選択して出力する。
【0069】
油対策指示手段53からの対策指示は、検査部EDにおける照明/撮像制御手段10の撮像制御手段10Bに取り込まれ、撮像制御手段10Bにおいて、図13に示すような輝度に対する撮像角度の制御特性に基づいて、撮像角度βが小さくなるように撮像手段3,4を制御する。これにより、撮像角度βが照明光の正反射角度(α)に近付くこととなり、撮像手段3,4の受光強度が増大して油付着面における欠陥検出が精度良く行われる。また、撮像角度βを小さくすると、図11(a)に示す受光画像に対して図12(a)に示すような受光画像が得られ、この受光画像を画像処理すれば、図12(b)に示すように、油付着部分の境界部が無くなり、表面欠陥を高輝度で捕らえることができる。
【0070】
このようにして、当該表面欠陥検査装置では、被検査面に油が過剰に付着している場合であっても、検査前に油の付着状態を判定し、その付着状態に応じて撮像手段3,4の撮像角度βを変更することで、誤検出の原因となる過剰な油の影響を極力少なくして検査を行うことができ、インラインにおいて表面欠陥を高精度で且つ確実に検出し得るものとなっている。
【0071】
なお、上記実施例では、油対策指示手段53からの対策指示によって撮像角度βを小さくするように制御する場合を説明したが、照明光の照射角度αを大きくする制御によって撮像角度βを照明光の正反射角度(α)に近付けることも可能であり、また、撮像角度βおよび照射角度αの両方を変化させることも当然可能である。
【0072】
さらに、上記実施例では、全体が平坦な被検査体搬送手段1を用いた例を説明したが、被検査面が曲面状である場合には、被検査体搬送手段1に、上流側撮像手段3の下側に対応する位置で上流側に下り傾斜した傾斜部、および/または下流側撮像手段4の下側に対応する位置で下流側に下り傾斜した傾斜部を設けた構成とし、この構成により撮像手段3,4の下降限を拡大して、曲面状の被検査面に対して所定の撮像角度βを確保しやすくすることも可能である。
【0073】
図14〜図16は、本発明に係わる表面欠陥検査装置の他の実施例を説明する図である。なお、表面欠陥検査装置の検査部EDは、基本的に先の実施例と同じ構成であるため説明を省略する。
【0074】
図14は、当該表面欠陥検査装置を含むプレスラインを示す図であって、図中右側となる被検査体搬送手段1の上流側に、トランスファ装置61が設けてあると共に、検査部EDよりも下流側に、ロボット等で構成される被検査体分別装置62が設けてある。被検査体分別装置62は、検査部EDの検査処理手段5による検査結果が入力され、被検査体Pを表面欠陥の無い良品と表面欠陥のある不良品に分別するものである。
【0075】
トランスファ装置61は、図外の洗浄工程で洗浄された鋼板である被検査体Pを搬入し、同被検査体Pを所定形状にプレス成形して搬出するものであって、図15に示すように、鋼板である被検査体Pを上下から挟んで回転することで同被検査体Pを送る複数台の油絞り用ロール63と、被検査面に対する油絞り用ロール63の圧接力を制御する圧接力制御手段64と、搬送コンベア65と、プレス装置66を備えた構成になっている。
【0076】
そして、この実施例の表面欠陥検査装置では、油絞り用ロール63および圧接力制御手段64が、油対策指示手段53からの対策指示に基づいて被検査面の油付着量を制御する油付着量制御手段67を構成している。また、表面検査手段51は、トランスファ装置61から搬出された被検査体Pの被検査面を検査するように配置してある。さらに、油状態判定手段52および油対策指示手段53は、ホストコンピュータ68に組み込まれている。この油対策指示手段53は、油付着量制御手段67に対して過剰な油を除去する付着量制御を対策指示として出力すると共に、先の実施例で説明した検査部EDの照明/撮像制御手段10に対しても、照明光の照射角度αや撮像角度βの変更を対策指示として出力することができる。
【0077】
上記構成を備えた表面欠陥検査装置は、プレス成形後の被検査体Pに対して、表面検査手段51により被検査面の表面状態を光学的に検査し、油状態判定手段52により油の付着量や分布等の付着状態を判定し、油対策指示手段53により油付着量制御手段67に対して過剰な油を除去する対策指示を出力する。
【0078】
油付着量制御手段67では、圧接力制御手段64において、図16に示すような輝度およびロール圧接力の特性に基づいて決定した指令を油絞り用ロール63の駆動部に出力して、被検査面に対する油絞り用ロール63の圧接力を変化させる。つまり、油の付着量が所定値より多い場合には圧接力を増大させ、油の付着量が所定値より少ない場合には圧接力を減少させる。これにより、次の検査対象となる鋼板の被検査体Pに対して油絞り用ロール63による過剰な油の絞り除去が行われ、油の付着量が少なく且つ均一なものとなる。したがって、その後に行われる検査部EDでの被検査面の欠陥検出において、誤検出の原因となる過剰な油の影響が大幅に低減されることとなる。
【0079】
なお、トランスファ装置61に搬入される鋼板の被検査体Pに対して、表面検査手段51により油付着状態を検査し、その結果に基づいて油付着量制御手段67を制御することも可能であるが、プレス成形によって油の付着量が変化すること、プレス成形された被検査体Pに対して表面欠陥の検査を行うことから、上記実施例のように、プレス成形後の被検査体Pの被検査面を検査して油付着量制御手段67を制御し、次の検査対象となる鋼板の被検査体Pに対して過剰な油の除去を行うことで、検査部EDでの欠陥検出の際の過剰な油の影響を充分に低減し得る。
【0080】
図17〜図19は、本発明に係わる表面欠陥検査装置のさらに他の実施例を説明する図である。
【0081】
図17は、当該表面欠陥検査装置を含むプレスラインを示す図であって、基本的な構成は図14に示す実施例と同じであるが、トランスファ装置61と検査部EDとの間に、油対策指示手段53からの対策指示ならびに油の蒸発特性に基づいて被検査面の過剰な油を蒸発させる油蒸発制御手段69を備えている。
【0082】
この油蒸発制御手段69は、図18に示すように、被検査面に対して空気を吹き付ける送風手段70と、送風手段70からの空気量を変化させる風量切換え手段71と、送風手段70からの空気の温度を変化させる熱量切換え手段72を備えている。送風手段70は、例えばモータやファンなどにより構成されており、この場合、風量切換え手段71は、送風手段70におけるモータを制御するものであり、熱量切換え手段72は、送風手段70におけるファンに隣接して設けたヒータを制御するものである。
【0083】
上記構成を備えた表面欠陥検査装置は、プレス成形後の被検査体Pに対して、表面検査手段51により被検査面の表面状態を光学的に検査し、油状態判定手段52により油の付着量や分布等の付着状態を判定し、油対策指示手段53により油蒸発制御手段69に対して過剰な油を除去する対策指示を出力する。
【0084】
油蒸発制御手段69では、送風手段70により被検査面に空気を吹き付けると共に、油の蒸発特性として図19に示すような輝度および送風量の関係に基づいて、風量切換え手段71により空気量を制御し、熱量切換え手段72により空気の温度を制御する。すなわち、油の付着量が多いほど空気量を増大させ、さらには空気の温度を上昇させる。これにより、被検査面に対して過剰な油の蒸発による除去が行われ、油の付着量が少なく且つ均一なものとなる。したがって、その後に行われる検査部EDでの被検査面の欠陥検出において、誤検出の原因となる過剰な油の影響が大幅に低減されることとなる。
【0085】
図20および図21は、本発明に係わる表面欠陥検査装置のさらに他の実施例を説明する図である。
【0086】
図20は、当該表面欠陥検査装置を含むプレスラインを示す図であって、基本的な構成は図14に示す実施例と同じであるが、トランスファ装置61と検査部EDとの間に、油対策指示手段53からの対策指示に基づいて被検査面の過剰な油を拭き取る油拭き取り手段73を備えている。この油拭き取り手段73は、図21に示すように、被検査面に対して昇降可能に保持された複数の油拭き取り用ロール74を備えている。
【0087】
上記構成を備えた表面欠陥検査装置は、プレス成形後の被検査体Pに対して、表面検査手段51により被検査面の表面状態を光学的に検査し、油状態判定手段52により油の付着量や分布等の付着状態を判定し、油対策指示手段53により油拭き取り手段73に対して過剰な油を除去する対策指示を出力する。
【0088】
油拭き取り手段73では、油の付着量が所定値より多い場合に、油拭き取り用ロール74を下降させ、油拭き取り用ロール74を被検査面に対して回転しながら接触させることで同被検査面の過剰な油を拭き取り除去する。これにより、被検査面における油の付着量が少なく且つ均一なものとなる。したがって、その後に行われる検査部EDでの被検査面の欠陥検出において、誤検出の原因となる過剰な油の影響が大幅に低減されることとなる。
【0089】
ここで、図1〜図13に示す実施例では、油対策指示手段53から出力される対策指示が撮像制御手段10Bに対する撮像角度βの変更である場合を説明し、図14〜図16に示す実施例では、油対策指示手段53から出力される対策指示が油付着量制御手段67に対する過剰な油の絞り除去である場合を説明し、図17〜図19に示す実施例では、油対策指示手段53から出力される対策指示が油蒸発制御手段69に対する過剰な油の蒸発除去である場合を説明し、図20および図21に示す実施例では、油対策指示手段53から出力される対策指示が油拭き取り手段73に対する過剰な油の拭き取り除去である場合を説明したが、本発明に係わる表面欠陥検査装置は、さらに他の実施例として、図22に示すように、照明制御手段10A、撮像制御手段10A、油付着量制御手段67、油蒸発制御手段69および油拭き取り手段73を全てを備え、これらの手段に対して油対策指示手段53から選択的に対策指示を出力するようにすることができる。
【0090】
つまり、表面検査手段51で被検査面を撮像した場合、図23に示すように油の付着量(油膜の厚さ)によって輝度が異なり、油の付着量が多くなるのに伴って輝度が高くなる傾向にある。そこで、図23に示すように、通常油膜域、油膜多域、油膜過多域というように油付着状態の度合いを決めておき、油状態判定手段52において、表面検査手段51で検査した油付着状態がどの域に相当するかを判定し、その判定結果を油対策指示手段53に送る。そして、油対策指示手段53により、油による誤検出を回避するのに最も適した対策指示を行う。すなわち、照明制御手段10A、撮像制御手段10A、油付着量制御手段67、油蒸発制御手段69および油拭き取り手段73のうちから選択された1つあるいは複数の手段に対策指示を出力する。これにより、その後に行われる検査部EDでの被検査面の欠陥検出において、過剰に付着した油の影響を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる表面欠陥検査装置の一実施例を示す概略説明図である。
【図2】被検査体搬送手段、広角度照明手段、上流側および下流側の撮像手段を説明する斜視図である。
【図3】広角度照明手段の構造を説明する斜視図である。
【図4】撮像手段の構造を説明する斜視図である。
【図5】表面欠陥検査の原理を説明する図である。
【図6】広角度照明手段による照明光の照射角度と受光画像の輝度との関係を示すグラフである。
【図7】撮像手段による撮像角度と受光画像の検出レベル(輝度比)との関係を示すグラフである。
【図8】検査処理手段において行われる画像処理を説明するフローチャートである。
【図9】広角度照明手段および撮像手段の角度および高さ位置の制御例を説明する図である。
【図10】油が付着していない被検査面における照明光の散乱反射光の強度特性を説明する図(a)、および油が付着している被検査面における照明光の散乱反射光の強度特性を説明する図(b)である。
【図11】油が付着した被検査面の受光画像を示す図(a)、および2値化処理後の画像を示す図(b)である。
【図12】図11に対して、撮像角度を小さくした状態での受光画像を示す図(a)、および2値化処理後の画像を示す図(b)である。
【図13】輝度に対する撮像角度の制御特性を説明するグラフである。
【図14】本発明に係わる表面欠陥検査装置の他の実施例を示す概略説明図である。
【図15】図14に示すトランスファ装置の内部を示す説明図である。
【図16】表面検査手段による被検査面の輝度と油絞り用ロールの圧接力との関係を示すグラフである。
【図17】本発明に係わる表面欠陥検査装置のさらに他の実施例を説明する概略説明図である。
【図18】図17に示す油蒸発制御手段の内部を示す説明図である。
【図19】表面検査手段による被検査面の輝度と送風手段による送風量との関係を示すグラフである。
【図20】本発明に係わる表面欠陥検査装置のさらに他の実施例を説明する概略説明図である。
【図21】図20に示す油拭き取り手段の内部を示す説明図である。
【図22】本発明に係わる表面欠陥検査装置のさらに他の実施例を説明するブロック図である。
【図23】表面検査手段により被検査面を撮像した際の油膜の厚さと輝度との関係を示すグラフである。
【図24】従来の表面欠陥検査装置における照明光の照射および撮像の原理を説明する図であって、面状光源を用いた場合の説明図(a)および線状光源を用いた場合の説明図(b)である。
【符号の説明】
P 被検査体
1 被検査体搬送手段
2 広角度照明手段(照明手段)
3 上流側撮像手段(撮像手段)
4 下流側撮像手段(撮像手段)
5 検査処理手段
10 照明/撮像制御手段
10A 照明制御手段
10B 撮像制御手段
51 表面検査手段
52 油状態判定手段
53 油対策指示手段
67 油付着量制御手段
63 油絞り用ロール
64 圧接力制御手段
69 油蒸発制御手段
70 送風手段
71 風量切換え手段
72 熱量切換え手段
73 油拭き取り手段

Claims (11)

  1. 被検査体を一方向に搬送する被検査体搬送手段と、
    移動する被検査体の被検査面に対して照明光を所定の照射角度で照射する照明手段と、
    照明光の照射角度よりも大きい撮像角度で照明光の反射光を撮像する撮像手段と、
    撮像手段からの受光画像に基づいて被検査面の表面欠陥を検出する検査処理手段と、
    照明手段および撮像手段に対して被検査体搬送方向の上流側に配置され且つ被検査面の表面状態を検査する表面検査手段と、
    表面検査手段からの被検査面の表面状態に基づいて油の付着状態を判定する油状態判定手段と、
    油状態判定手段からの油付着状態に基づいて、照明光の照射角度の変更、撮像角度の変更、被検査面の油付着量の制御のうちの少なくとも照明光の照射角度の変更または撮像角度の変更を対策指示として出力する油対策指示手段と、
    油対策指示手段からの対策指示に基づいて照明手段および撮像手段のうちの少なくとも一方の角度および高さを制御する照明/撮像制御手段を備えたことを特徴とする表面欠陥検査装置。
  2. 照明手段が、被検査体搬送方向の上流側および下流側に照明光の照射が可能であり且つ移動する被検査体の被検査面に対して照明光を所定の照射角度で照射する広角度照明手段であると共に、撮像手段が、広角度照明手段を間にして被検査体搬送方向の上流側および下流側に配置され且つ広角度照明手段に対向して照明光の照射角度よりも大きい撮像角度で照明光の反射光を撮像する上流側および下流側の撮像手段であることを特徴とする請求項1に記載の表面欠陥検査装置。
  3. 照明/撮像制御手段が、移動する被検査面に対する照明光の照射角度および撮像角度が所定の値になるように照明手段および撮像手段の各々の角度および各々の高さを制御し、且つ油対策指示手段からの対策指示に基づいて照明手段および撮像手段のうちの少なくとも一方の角度および高さを制御する手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面欠陥検査装置。
  4. 被検査体を一方向に搬送する被検査体搬送手段と、
    移動する被検査体の被検査面に対して照明光を所定の照射角度で照射する照明手段と、
    照明光の照射角度よりも大きい撮像角度で照明光の反射光を撮像する撮像手段と、
    撮像手段からの受光画像に基づいて被検査面の表面欠陥を検出する検査処理手段と、
    照明手段および撮像手段に対して被検査体搬送方向の上流側に配置され且つ被検査面の表面状態を検査する表面検査手段と、
    表面検査手段からの被検査面の表面状態に基づいて油の付着状態を判定する油状態判定手段と、
    油状態判定手段からの油付着状態に基づいて、照明光の照射角度の変更、撮像角度の変更、被検査面の油付着量の制御のうちの少なくとも1つを対策指示として出力する油対策指示手段を備え、
    照明手段が、被検査体搬送方向の上流側および下流側に照明光の照射が可能であり且つ移動する被検査体の被検査面に対して照明光を所定の照射角度で照射する広角度照明手段であると共に、撮像手段が、広角度照明手段を間にして被検査体搬送方向の上流側および下流側に配置され且つ広角度照明手段に対向して照明光の照射角度よりも大きい撮像角度で照明光の反射光を撮像する上流側および下流側の撮像手段であることを特徴とする表面欠陥検査装置。
  5. 移動する被検査面に対する照明光の照射角度および撮像角度が所定の値になるように照明手段および撮像手段の各々の角度および各々の高さを制御し、且つ油対策指示手段からの対策指示に基づいて照明手段および撮像手段のうちの少なくとも一方の角度および高さを制御する照明/撮像制御手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の表面欠陥検査装置。
  6. 表面検査手段が、被検査面を光学的に検査して表面状態を輝度のレベルで出力する手段であると共に、油状態判定手段が、表面検査手段から得た輝度および予め求めた輝度と油付着量との関係に基づいて被検査面の油付着状態を判定する手段であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の表面欠陥検査装置。
  7. 照明手段および撮像手段に対して被検査体搬送方向の上流側に配置され且つ油対策指示手段からの対策指示に基づいて被検査面の油付着量を制御する油付着量制御手段を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の表面欠陥検査装置。
  8. 油付着量制御手段が、被検査面に回転接触する油絞り用ロールと、被検査面に対する油絞り用ロールの圧接力を制御する圧接力制御手段を備えていることを特徴とする請求項7に記載の表面欠陥検査装置。
  9. 照明手段および撮像手段に対して被検査体搬送方向の上流側に配置され且つ油対策指示手段からの対策指示ならびに油の蒸発特性に基づいて被検査面の油を蒸発させる油蒸発制御手段を備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の表面欠陥検査装置。
  10. 油蒸発制御手段が、被検査面に対して空気を吹き付ける送風手段と、送風手段からの空気量を変化させる風量切換え手段と、送風手段からの空気の温度を変化させる熱量切換え手段を備えていることを特徴とする請求項9に記載の表面欠陥検査装置。
  11. 照明手段および撮像手段に対して被検査体搬送方向の上流側に配置され且つ油対策指示手段からの対策指示に基づいて被検査面の油を拭き取る油拭き取り手段を備えたことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の表面欠陥検査装置。
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