JP3641394B2 - 光学部材検査装置,画像処理装置,画像処理方法,及び、コンピュータ可読媒体 - Google Patents

光学部材検査装置,画像処理装置,画像処理方法,及び、コンピュータ可読媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、レンズ等の光学部材の形状異常等の光学的欠陥を検出するための光学部材検査装置,画像処理装置,画像処理方法及びコンピュータ可読媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
レンズ,プリズム等の光学部材は、入射した光束が規則正しく屈折したり、平行に進行したり、一点又は線状に収束したり発散するように設計されている。しかしながら、光学部材の形成時において糸くず等が光学部材内に混入してしまっていたり(いわゆる「ケバ」)、成形後の人的取り扱いによって光学部材の表面上にキズ等が生じていたりゴミが付着していると、入射した光束が乱れてしまうので、所望の性能を得ることができなくなる。
【0003】
そのため、光学部材の不良要因を検出して自動的に当該光学部材の良否判定を行う光学部材検査装置が、従来、種々提案されている。この種の光学部材検査装置は、一般に、不良要因が画像データに写し込まれるような手法によって光学部材を撮像し、これによって得られた画像データに対して二値化処理を施すことによって不良要因を示す領域を抽出していた。そして、不良要因を示す何れかの領域の面積が所定の判定閾値を超えている場合に、検査対象光学部材が不良であるものとして判定していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の判定のアルゴリズムによると、検査の結果として得られる情報は、検査対象光学部材が良品であるか不良品であるかだけである。従って、例えば、判定閾値を超える面積を有する不良要因が一個のみ形成された光学部材とかかる不良要因が多数形成された光学部材とでは、不良の程度としては後者の方が前者よりも大きいといえるが、上述した従来の判定のアルゴリズムによると、このような不良の程度を評価することがでない。また、判定閾値を少しだけ超える面積を有する不良要因が一個のみ形成された光学部材と判定閾値を少しだけ下回った面積を有する不良要因が多数形成された光学部材とでは、不良の程度としては、後者の方が前者を超えている場合もあるが、上述した従来の判定アルゴリズムによると、必ず、前者が不良品であると判定されて後者が良品であると判定される。このように、上述した判定のアルゴリズムによると、検査対象光学部材の不良の程度を評価することができない。なお、このように検査対象光学部材の不良の程度を評価することができないと、所定枚数の光学部材に対する検査結果の統計処理をしても、光学部材の判定閾値を超えた不良要因の種別内訳くらいしか、明らかにならない。
【0005】
本発明は、上述した従来における問題点に鑑みて、各不良要因の形成位置を考慮してその不良要因が検査対象光学部材全体の性能に与える影響を評価することによって、この検査対象光学部材の全体的な不良又は良品の程度を数値化することができる光学部材検査装置,画像処理装置,画像処理方法及びコンピュータ可読媒体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
各請求項記載の発明は、上記課題を解決するためになされたものである。
【0007】
即ち、請求項1記載の光学部材検査装置は、検査対象光学部材を撮像して当該検査対象光学部材の像を含む画像データを出力する撮像装置と、前記画像データ中における周囲とは異なる輝度を有する部位を抽出要素として抽出する抽出手段と、前記各抽出要素の図形的特徴量を計測する図形的特徴量計測手段と、前記検査対象光学部材の光軸に相当する位置を基準として前記各抽出要素の前記画像データ中における位置を計測する位置計測手段と、前記位置計測手段によって計測されたその抽出要素の位置が前記検査対象光学部材の光軸に相当する位置から離れるにつれて大きくなる様に、前記各抽出要素毎に基準値を設定し、その抽出要素の図形的特徴量を設定された基準値で除算することによって、正規化値を得る正規化手段と、全ての抽出要素に関して前記正規化手段によって得られた全ての正規化値に基づいて所定の評価関数を実行する演算手段とを、備えることを特徴とする。
【0008】
このように構成されると、抽出手段によって画像データから抽出された各抽出要素の図形的特徴量は、正規化手段により、その抽出要素の画像データ中の位置に応じて正規化される。このとき正規化手段は、検査対象光学部材の性能に与える影響が大きい位置に形成された光学的欠陥に起因する抽出要素の図形的特徴量が比較的大きな正規化値となり、検査対象光学部材の性能に与える影響が小さい位置に形成された光学的欠陥に起因する抽出要素の図形的特徴量が比較的小さな正規化値となるように、正規化することができる。従って、抽出手段によって抽出された全ての抽出要素についての正規化値に対して、演算手段が評価関数を実行すると、検査対象光学部材の全体的な不良の程度を示す数値が得られる。
【0009】
なお、図形的特徴量計測手段が計測する図形的特徴量は、具体的には、その抽出要素の面積であっても良いし、最大フィレ径であっても良いし、平均輝度であっても良いし、最大輝度であっても良い。また、位置計測手段は、検査対象光学部材の光軸に相当する位置からその抽出要素までの距離そのものを計っても良いし、光軸を中心とした同心円状の複数の領域のうちのどの領域内にその抽出要素が位置しているのかを識別しても良い。また、正規化手段は、位置計測手段が距離そのものを測る場合には、この距離と図形的特徴量に対して何らかの関数を実行することによって正規化を行っても良いし、位置計測手段が領域を識別する場合には、識別した領域に対して予め対応付けられている基準値に基づいて図形的特徴量を正規化しても良い。
【0010】
請求項2記載の光学部材検査装置は、請求項1の撮像装置が、その撮像光軸の外側から前記検査対象光学部材を照明することによって前記検査対象光学部材の光学的欠陥個所から散乱光を発生させて、この光学的欠陥個所が明部として写り込んだ画像データを出力することで、特定したものである。
【0011】
請求項3記載の光学部材検査装置は、請求項1又は2の抽出手段が、前記画像データを構成する各画素の輝度値を所定の閾値と比較して二値化することによって、前記抽出要素を抽出することで、特定したものである。
【0012】
請求項4記載の光学部材検査装置は、請求項1の図形的特徴量計測手段が、前記各抽出要素の面積を計測することで、特定したものである。
【0015】
請求項記載の光学部材検査装置は、請求項の位置計測手段が、前記検査対象光学部材の光軸に相当する位置を中心とした同心円状の複数の領域の何れに前記各抽出要素が位置しているのかを計測し、正規化手段が、これら同心円状の複数の領域の夫々に対応した前記基準値を設定することで、特定したものである。
【0016】
請求項記載の光学部材検査装置は、請求項の演算手段が、前記正規化手段によって得られた前記各抽出要素の正規化値を前記各領域毎に加算した上で、各領域毎の加算結果の二乗和の平方根を算出することで、特定したものである。
【0017】
請求項記載の光学部材検査装置は、請求項の演算手段が、前記抽出要素をその原因となった光学的欠陥の種類に応じて分類し、各種類毎に前記二乗和の平方根を算出するとともに、各種類毎の算出結果の二乗和の平方根を更に算出することで、特定したものである。
【0018】
請求項記載の光学部材検査装置は、請求項の演算手段が、所定値に満たない前記正規化値については、その正規化値に対応する抽出要素から所定距離内の間隔で所定個数以上の抽出要素が連なっていない限り、加算を行わないことで、特定したものである。
【0019】
請求項記載の光学部材検査装置は、請求項の演算手段が、前記所定値に満たない正規化値に対応する抽出要素から所定距離内の間隔で所定個数以上の抽出要素が連なっている場合には、前記所定距離内の間隔で連なっている抽出要素の数に一定値を乗じた数値をこれら抽出要素全体についての正規値とし、このような抽出要素全体についての正規値を他の正規値とは独立して分類することで、特定したものである。
【0020】
請求項10記載の光学部材検査装置は、請求項1において、演算手段が前記評価関数を実行することによって得られた値が所定の良否判定基準値を超えた場合に、前記検査対象光学部材が不良品であると判定する良否判定手段を更に備えることで、特定したものである。
【0021】
請求項11記載の光学部材検査装置は、請求項1の図形的特徴量計測手段が前記各抽出要素の面積及び輝度を計測することで、特定したものである。
【0022】
請求項12記載の光学部材検査装置は、検査対象光学部材を撮像して当該検査対象光学部材の像を含む画像データを出力する撮像装置と、前記画像データ中における周囲とは異なる輝度を有する部位を抽出要素として抽出する抽出手段と、前記各抽出要素の図形的特徴量を計測する図形的特徴量計測手段と、前記画像データ中における前記各抽出要素の重心の位置を計測する位置計測手段と、前記各抽出要素毎に、前記図形的特徴量計測手段によって計測された図形的特徴量を前記位置計測手段によって計測された位置に応じて正規化することによって、正規化値を得る正規化手段と、全ての抽出要素に関して前記正規化手段によって得られた全ての正規化値に基づいて所定の評価関数を実行する演算手段とを備えることを特徴とする
【0023】
請求項13記載の画像処理装置は、検査対象光学部材を撮像して得られた当該検査対象光学部材の像を含む画像データ中における周囲とは異なる輝度を有する部位を抽出要素として抽出する抽出手段と、前記各抽出要素の図形的特徴量を計測する図形的特徴量計測手段と、前記検査対象光学部材の光軸に相当する位置を基準として前記各抽出要素の前記画像データ中における位置を計測する位置計測手段と、前記位置計測手段によって計測されたその抽出要素の位置が前記検査対象光学部材の光軸に相当する位置から離れるにつれて大きくなる様に、前記各抽出要素毎に基準値を設定し、その抽出要素の図形的特徴量を設定された基準値で除算することによって、正規化値を得る正規化手段と、全ての抽出要素に関して前記正規化手段によって得られた全ての正規化値に基づいて所定の評価関数を実行する演算手段とを、備えることを特徴とする。
【0024】
請求項14記載の画像処理方法は、検査対象光学部材を撮像して得られた当該検査対象光学部材の像を含む画像データ中における周囲とは異なる輝度を有する部位を、抽出要素として抽出し、前記各抽出要素の図形的特徴量を計測し、前記検査対象光学部材の光軸に相当する位置を基準として前記各抽出要素の前記画像データ中における位置を計測し、前記位置計測手段によって計測されたその抽出要素の位置が前記検査対象光学部材の光軸に相当する位置から離れるにつれて大きくなる様に、前記各抽出要素毎に基準値を設定し、その抽出要素の図形的特徴量を設定された基準値で除算することによって、正規化値を取得し、全ての抽出要素に関して取得された全ての正規化値に基づいて所定の評価関数を実行することを、特徴とする。
【0025】
請求項15記載のコンピュータ可読媒体は、コンピュータに対して、検査対象光学部材を撮像して得られた当該検査対象光学部材の像を含む画像データ中における周囲とは異なる輝度を有する部位を、抽出要素として抽出させ、前記各抽出要素の図形的特徴量を計測させ、前記検査対象光学部材の光軸に相当する位置を基準として前記各抽出要素の前記画像データ中における位置を計測させ、前記位置計測手段によって計測されたその抽出要素の位置が前記検査対象光学部材の光軸に相当する位置から離れるにつれて大きくなる様に、前記各抽出要素毎に基準値を設定し、その抽出要素の図形的特徴量を設定された基準値で除算することによって正規化値を取得させ、全ての抽出要素に関して取得した全ての正規化値に基づいて所定の評価関数を実行させるプログラムを、格納したものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
【実施形態1】
<光学部材検査装置の構成>
本発明の第1の実施形態による光学部材検査装置の概略構成を、図1の側面断面図に示す。この図1に示すように、光学部材検査装置を構成する照明ランプ1,拡散板2,及び撮像装置3は、同一の光軸l上に配置されている。
【0028】
この撮像装置3は、正レンズ系である撮像レンズ4と、この撮像レンズ4によって収束された光による像を撮像する撮像素子5とから、構成されている。図1において、撮像素子5は、左右にその画素列を向かせるように設置されている。また、撮像素子5の画素列は、その中央において、撮像レンズ4の光軸lと垂直に交わっている。なお、撮像レンズ4は、撮像装置3内において撮像素子5に対して進退自在(ピント調節可能)であり、撮像装置3自体も、光軸l方向に進退調整し得る様に光学部材検査装置の図示せぬフレームに取り付けられている。
【0029】
撮像素子5は、所定時間(各画素に電荷が適度に蓄積する程度の時間)毎にライン状に画像を繰り返し撮像し、画素の並び順に各画素を自己走査して、各画素に蓄積した電荷を出力する。このようにして撮像素子5から出力された電荷は、所定の増幅処理やA/D変換処理を受けた後に、1ライン分の輝度信号からなる画像データとして、画像処理装置6に入力される。
【0030】
検査対象光学部材14は、図1,及び、撮像装置3側から見た平面図である図2に示す様に円形のレンズであり、光学部材検査装置の図示せぬフレームに取り付けられたホルダ15によって、撮像レンズ4に関してその表面(撮像レンズ4に対向する面)が撮像素子5の撮像面と共役となるように、保持されている。このホルダ15は、撮像レンズ4の光軸lと平行にオフセットしている中心軸Oを中心とした環状の形状を有しており、検査対象光学部材14の周縁をその全周に亘って保持する。
【0031】
また、ホルダ15は、中心軸Oを中心として、光軸lに直交する面内で回転可能となっている。そして、このホルダ15の周縁には、環状ギア16が形成されている。この環状ギア16は、駆動モータ8の駆動軸に取り付けられたピニオンギア7に噛合している。従って、駆動モータ8がその駆動軸を回転させると、両ギア7,16を介してホルダ15が回転駆動を受け、ホルダ15に保持されている検査対象光学部材14が、光軸lに直交する面内において回転駆動される。
【0032】
なお、撮像レンズ4の倍率(即ち、撮像装置3自体の位置,及び撮像レンズ4の撮像素子5に対する位置)は、検査対象光学部材14の半径方向における全幅を撮像素子5の撮像面に結像し得るように、調整されている。従って、撮像素子5は、検査対象光学部材14の表面の画像(半径方向の全域にわたる1ライン分の画像)を撮像することができるのである。図2においては、撮像素子5によって撮像され得る一ライン分の撮像対象領域が、二点鎖線によって示されている。
【0033】
照明ランプ1は、照明光(白色光)を発光する白熱ランプであり、光学部材検査装置の図示せぬフレームに固定されている。
【0034】
この照明ランプ1と検査対象光学部材14との間に配置されている拡散板2は、図2に示すように、検査対象光学部材14の半径よりも直径が大きい円盤形状を有しており、その表面は粗面として加工されている。従って、この拡散板2は、照明ランプ1から出射された照明光をその裏面全面で受けて、検査対象光学部材14に向けて拡散することができる。なお、この拡散板2は、その中心において撮像レンズ4の光軸lと直交する様に、光学部材検査装置の図示せぬフレームに固定されている。
【0035】
この拡散板2の表面上には、帯状の形状を有する遮光板9が、その長手方向を撮像素子5の画素列の方向と平行な方向に向けて、貼り付けられている。この遮光板9の中心は撮像レンズ4の光軸lと一致している。また、遮光板9の長手方向における全長は検査対象光学部材14の半径よりも長い。また、遮光板9の幅は、撮像素子5の画素列の方向に直交する方向における光学部材検査装置の断面図である図4に示すように、撮像素子5の各画素に入射する光の周縁光線m,mの間隔よりも広い。
【0036】
制御装置6は、撮像装置3から入力された画像データに基づいて検査対象光学部材14が良品であるか不良品であるかの判定を行うとともに、この判定に伴って駆動モータ8に駆動電流を供給する処理装置である。
【0037】
図3は、この制御装置6の内部回路構成を示すブロック図である。図3に示す様に、制御装置6は、バスBを介して相互に接続されたCPU60,フレームメモリ61,ホストメモリ62,及びモータ駆動回路63から構成されている。
【0038】
フレームメモリ61は、撮像装置3から入力された画像データが書き込まれるバッファである。
【0039】
ホストメモリ62は、画像メモリ領域62a,作業メモリ領域62b,分類テーブル格納領域62c,及び、画像処理プログラム格納領域62dを、含んでいる。このうち、画像メモリ領域62aは、フレームメモリ61に書き込まれた画像データが所定時間毎に先頭行から行単位で書き込まれる領域である。この画像メモリ領域62aに書き込まれた画像データは、撮像装置3での撮像方式故に極座標系による画像データ(極座標データ)である。また、作業メモリ領域62bは、画像メモリ領域62a内の画像データ(極座標データ)が座標変換(極座標−直交座標変換)された状態で書き写されるとともに、所定の閾値に従って二値化され、更に、この二値化によって得られた二値化画像データ中の「不良候補要素(輝度値が高い画素の一群であるとして抽出された抽出要素)の評価がなされる領域である。分類テーブル格納領域62cは、図8に示す分類テーブルを格納する領域である。この分類テーブルの詳細については、後で説明する。また、画像処理プログラム格納領域62dは、CPU60にて実行される画像処理プログラムを格納するコンピュータ可読媒体としての領域である。
【0040】
モータ駆動回路63は、撮像装置3側から見てホルダ15及び検査対象光学部材14が時計方向に等速回転する様に駆動モータ8を駆動させる駆動電流を、この駆動モータ8に供給する。
【0041】
CPU60は、制御装置6全体の制御を行うコンピュータであり、抽出手段,図形的特徴量計測手段,位置計測手段,正規化手段,演算手段,及び、良否判定手段に、相当する。即ち、CPU60は、ホストメモリ62の画像処理プログラム格納領域62dに格納されている画像処理プログラムを実行し、フレームメモリ61に書き込まれた画像データを定期的にホストメモリ62の画像メモリ領域62aに書き写すとともに、画像メモリ領域62a中に検査対象光学部材14全体に対応する画像データ(極座標データ)が合成された時点で、この画像データに対して座標変換処理を施し、座標変換後の画像データ(直交座標データ)を作業メモリ領域62bに書き写す。そして、この画像データ(直交座標データ)を2値化することによって不良候補要素を抽出し、抽出した各不良候補要素の面積をその位置に応じて正規化し、後述する様々な基準に従って分類して、分類テーブル格納領域62c内の分類テーブルに集計する。そして、全ての不良候補要素についての分類及び集計が完了した後で、この集計結果に基づいて後述の評価関数Fを算出し、評価関数Fが所定の判定基準値を超えているか否かに基づいて検査対象光学部材14の良否判定を行う。なお、CPU60は、フレームメモリ61からの画像データ取り込みを行うのと同期して、モータ駆動回路63に対して、駆動電流を駆動モータ8に供給させる指示を行う。
【0042】
モータ駆動回路63は、撮像装置3側から見てホルダ15及び検査対象光学部材14が時計方向に等速回転する様に駆動モータ8を駆動させる駆動電流を、この駆動モータ8に供給する。
<光学的欠陥の検出原理>
以上のように構成される光学部材検査装置において、図4の面内では、撮像レンズ4に入射して撮像素子5の各画素に入射し得る光は、撮像レンズ4の光軸lに沿った光線を主光線とする光束であり且つ図4に示される周縁光線m,m間を通る光のみである。この周縁光線m,mを逆方向に辿ると、検査対象光学部材14の表面において交差した後に、拡散板2に向かって拡がっている。そして、拡散板2上において、この周縁光線m,mの間が遮光板9によって遮られている。従って、図4に示すように、検査対象光学部材14における撮像素子5による撮像対象領域(撮像レンズ4に関して撮像素子5の画素列の受光面と共役な部位及び光軸方向におけるその近傍)に光学的欠陥がないとすると、撮像素子5の各画素に入射する光はない。即ち、拡散板2の表面における遮光板9の側方箇所から拡散した光nは、検査対象光学部材14における撮像対象領域を透過するが、周縁光線m,mの外側を通るので、撮像レンズ4には入射しない。また、拡散板2の表面における遮光板9の側方箇所から拡散して検査対象光学部材14における撮像対象領域以外の箇所を透過した光は、撮像レンズ4に入射し得るが、撮像素子5の各画素上には収束されない。そのため、撮像装置3から出力される画像データは、検査対象光学部材14の外縁に対応する明部(側面での拡散光に因る)を除き、全域において暗くなっている。
【0043】
これに対して、図2に示すように、検査対象光学部材14表面における撮像対象領域内にキズβ及びゴミγがある場合、図5に示すように、拡散板2の表面における遮光板9の側方箇所から拡散した光nがこれらキズβ及びゴミγに当たると、この光がこれらキズβ及びゴミγによって拡散される。この拡散光n’は、周縁光線m,mの交点を中心として発散するので、その一部は、撮像レンズ4を介して撮像素子5の画素上に入射する。従って、キズβ及びゴミγの像(周囲よりも明るい像)が撮像素子5の撮像面に形成される。
【0044】
撮像素子5による撮像(電荷蓄積及び走査)は、駆動モータ8による検査対象光学部材14の回転と同期して、この検査対象光学部材14が所定角度だけ回転する毎に行われる。そして、撮像素子5による撮像(電荷蓄積及び走査)がなされる毎に、ライン状の画像データが、制御装置6のフレームメモリ61に書き込まれて、ホストメモリ62の画像メモリ領域62aに取り込まれる。その結果、検査対象光学部材14が回転するにつれて、画像メモリ領域62aの各行には、撮像装置3によって撮像された各ライン状画像データが、先頭行から順に書き込まれる。
【0045】
検査対象光学部材14が1回転した時点でホストメモリ62の画像メモリ領域62aに格納されている画像データは極座標データであるので、座標変換(極座標−直交座標変換)処理されることによって、図6に示す様な直交座標データに変換される。この直交座標データにおいては、不良要因を示す明部(不良候補要素)の形状は、その原因となった光学的欠陥の形状そのものと一致する。
<検査対象光学部材の品質評価原理>
CPU60は、画像メモリ領域62a中の画像データを構成する各画素の輝度値を所定の閾値と比較して、閾値を超える輝度値を有する画素に対しては新たな輝度値“255”を与えるとともに、閾値以下の輝度値を有する画素に対しては新たな輝度値“0”を与えることによって、二値化を行う。なお、この閾値としては、ノイズに起因する明部の輝度値より高いが光学的欠陥に起因する明部の輝度値よりも低い値に設定される。この結果、画像データから、不良候補要素のみが抽出される。
【0046】
この不良候補要素は、それが形成された位置に応じて分類される。即ち、図6に示すように、検査対象光学部材14は、その光軸に相当する位置を中心とした同心円状に、4つの領域A〜Dに区分けされる。このうち領域Aは、そこに形成された光学的欠陥が検査対象光学部材14の性能に与える影響が最も大きく、以下、B,C,Dの順で、光学的欠陥が検査対象光学部材14の性能に与える影響が、小さくなっていく。
【0047】
そこで、本実施形態においては、各領域毎に、その領域に生じた不良と判定されるべき不良候補要素の面積をその領域に対応して用意された基準値Rで除算することによって正規化し、正規化値(検査対象光学部材の性能に与える影響の程度を示す点数)Pに変換する。具体的には、領域Aに適用されるべき基準値Rを“S(=従来の判定のアルゴリズムにおいて用いられていた判定基準値)”とした場合、図7に示すように、領域Bについては基準値Rとして“2S”を適用し、領域Cについては基準値Rとして“4S”を適用し、領域Dについては基準値Rとして“8S”を適用する。即ち、不良候補要素の位置が検査対象光学部材14の光軸に相当する位置から離れるにつれて大きくなる様に、基準値Rが適用される。算出される正規化値Pは、不良候補要素の面積が基準値Rと同じ値であれば、“1”となる。従って、領域Aに生じた面積Sの不良候補要素,領域Bに生じた面積2Sの不良候補要素,領域Cに生じた面積4Sの不良候補要素,及び、領域Dに生じた面積8Sの不良候補要素については、何れも、算出される正規化値Pが“1”となる。このように、各不良候補要素の面積は、以上のようにして正規化されることにより、検査対象光学部材14の性能に与える影響の程度を示す正規化値Pに変換される。
【0048】
なお、基準値Rとしては、不良候補要素がキズに起因する場合には、基準値Rkが適用され、不良候補要素がゴミに起因する場合には、基準値Rdが適用される。これら基準値Rk,Rdは互いに異なる値である。即ち、領域Aに形成されたキズに起因する不良候補要素に適用される基準値Rkを“Sk”とし、領域Aに形成されたゴミに起因する不良候補要素に適用される基準値Rdを“Sd”とした場合、これらSk及びSdは、互いに異なった値となる。そのため、CPU60は、正規化値Pの算出に先立って、処理対象の不良候補要素がキズに起因するのかゴミに起因するのかを判定する。
【0049】
この判定は、図9に示す閾値関数を用いて行われる。具体的には、CPU60は、各不良候補要素のX軸方向(図6の左右方向)における最大幅(Xフィレ)及びY軸方向(図6の上下方向)における最大幅(Yフィレ)を測定し、Xフィレ及びYフィレのうち小さい方の他方に対する比率(フィレ比)を、下記式(1)に従って算出する。
【0050】
フィレ比=小さい方のフィレ/大きい方のフィレ×100 …(1)
一方、CPU60は、Xフィレ及びYフィレ,並びにその不良要素候補の面積に対して下記式(2)を実行し、占有率を算出する。
【0051】
占有率=不良要素候補の面積/(Xフィレ×Yフィレ)×100…(2)
そして、CPU60は、算出したフィレ比及び占有率と図9に示す閾値関数とを比較し、その不良候補要素がゴミに起因するかキズに起因するかの判定を行う。即ち、CPU60は、図9のグラフ上においてフィレ比と占有率との交点が閾値関数よりも上に位置していれば、不良候補要素がゴミに起因すると判定し、フィレ比と占有率との交点が閾値関数よりも下に位置していれば不良候補要素がキズに起因すると判定するのである。
【0052】
このようにして、不良候補要素がキズに起因するかゴミに起因するかを判定すると、CPU60は、判定されたキズ又はゴミの種別及びその不良候補要素が生じた領域の位置に応じた基準値Rk又はRdを求める。そして、求めた基準値Rk又はRdに基づいて上述した正規化値Pの計算を行うのである。
【0053】
次に、CPU60は、以上のようにして算出された正規化値Pが0.5以上であれば、分類テーブル格納領域62c内に格納されている分類テーブル中における、判定されたゴミ(ds)又はキズ(k)の区別とその不良候補要素が生じた領域A〜Dとに対応した欄に、その不良候補要素について算出された正規化値Pを加算する。
【0054】
なお、算出された正規化値Pが0.5未満である場合には、その原因となった光学的欠陥は検査対象光学部材14の性能に影響を与える程の大きさではないとして、原則として、分類テーブルには加算しない。但し、算出された正規化値Pが0.5未満となる小さな不良候補要素が、所定距離内の間隔で複数個連なって生じた場合には、同じ光学的欠陥に起因する明部が二値化の過程で複数個の不良候補要素に分断されてしまったものである可能性が大きい。従って、このような小さな不良候補要素が検出された場合には、その不良候補要素から一定距離の範囲内にある別の不良候補要素を探し出す。このようにして不良候補要素が探し出された場合には、さらに、その不良候補要素から一定距離の範囲内にある別の不良候補要素を探し出す。そして、このような不良候補要素の探索を、最後に探し出された不良候補要素から一定距離の範囲内に他の不良候補要素が探し出せなくなるまで連続して行う。このようにして探し出された相互に一定距離の範囲にある不良候補要素の数が3個以上である場合には、当該不良候補要素の数に0.25を乗じて得た点数を、分類テーブル中における、その不良候補要素が生じた領域A〜Dに対応した集中(m)の欄に加算する。つまり、所定値に満たない正規化値Pが算出された不良候補要素から所定距離内の間隔で所定個数(2個)以上の不良候補要素が連なっている場合には、当該所定距離内にある不良候補要素の数(3以上)に一定値(0.25)を乗じた数値が、これらの不良候補要素全体に対応した正規化値Pとして、0.5以上の点数が算出された不良候補要素とは独立して分類される。
【0055】
以上のような分類テーブルへの加算を全ての不良候補要素について実行すると、CPU60は、最初に、分類テーブルにおけるゴミ(ds)に対応した全ての欄に書き込まれた正規化値Pの総和の二乗和の平方根を下記式(3)に従って算出し、同じくキズ(k)に対応した全ての欄に書き込まれた正規化値Pの総和の二乗和の平方根を下記式(4)に従って算出し、同じく集中(m)に対応した全ての欄に書き込まれた正規化値Pの総和の二乗和の平方根を下記式(5)に従って算出する。その上で、夫々について算出された値の更なる二乗和の平方根を、下記式(6)に従って、評価関数Fとして算出する。
【0056】
ds=((dsA)2+(dsB)2+(dsC)2+(dsD)20.5……(3)
k=((kA)2+(kB)2+(kC)2+(kD)20.5 ……(4)
m=((mA)2+(mB)2+(mC)2+(mD)20.5 ……(5)
F=(ds2+k2+m20.5 ……(6)
この評価関数Fの値は、検査対象光学部材14全体の総合的な性能を示す値であり、大きければ大きい程、性能が悪化していることを示す。従って、この評価関数Fの値は、所定の合否判定基準点と比較され、評価関数Fの値が合否判定基準点未満であれば検査対象光学部材14が良品であると判断され、評価関数Fの値が合否判定基準点以上であれば検査対象光学部材14が不良品であると判断される。このように、評価関数Fは、各不良要因の種別毎に算出された正規化値Pの総和の二乗和の平方根に対して、更に二乗和の平方根を算出している。
【0057】
また、分類テーブルに書き込まれた各正規化値Pの総和及び評価関数Fの値は、夫々、その検査対象光学部材14に対する検査結果であるとして図示せぬディスク装置内に保存される。そして、ロット毎に、各検査済み光学部材に関して保存された検査結果に対して平均値,標準偏差,ヒストグラム等が求められることにより、品質が統計的に管理される。これにより、検査対象光学部材14の全体の品質の他、領域毎,不良要因の種別毎に夫々統計処理することができるので、製造工程の品質管理の上で、非常に有効となる。
<制御処理>
次に、上述した不良要因検出の原理及び品質評価の原理に基づいた良否判定を行うために、画像処理プログラム格納領域62dから読み出した画像処理プログラムに従って制御装置6(CPU60)が実行する制御処理の内容を、図10乃至図12のフローチャートを用いて説明する。
【0058】
図10の制御処理は、制御装置6に接続された図示せぬ検査開始ボタンが押下されることによりスタートする。スタート後最初のS01では、CPU60は、モータ駆動回路63に対して駆動モータ8への駆動電流の供給を指示し、検査対象光学部材14を等速回転させる。
【0059】
次のS02では、CPU60は、撮像装置3からフレームメモリ61に書き込まれた画像データを、ホストメモリ62の画像メモリ領域62aへ格納する。
【0060】
次のS03では、CPU60は、S02での画像データの格納によって画像メモリ領域62a内に検査対象光学部材14全体に対応する画像データ(極座標データ)が合成されたかどうかをチェックする。そして、未だ検査対象光学部材14全体に対応する画像データ(極座標データ)が合成されていない場合には、処理をS02に戻し、撮像装置3が次の撮像による画像データをフレームメモリ61に書き込むのを待つ。これに対して、検査対象光学部材14全体に対応する極座標データが合成された場合には、処理をS04に進める。
【0061】
S04では、CPU60は、画像メモリ領域62a内に格納されている画像データ(極座標データ)に対して座標変換(極座標−直交座標変換)処理を行って直交座標データに変換して、この画像データ(直交座標データ)を作業メモリ領域62bに格納する。
【0062】
次のS05では、CPU60は、作業メモリ領域62b内の画像データに対して上述した二値化処理を施すことによって、強調された不良候補要素を含む二値化データを得る(抽出手段に相当)。即ち、CPU60は、所定の閾値以下の輝度値を有する画素の輝度値を“0”に書き換えるとともに、閾値を超える輝度値を有する画素の輝度値を“255”に書き換える。
【0063】
次のS06では、CPU60は、画像データ中における検査対象光学部材14の外縁(図6における領域Dの外縁)の外側を除去するマスキング処理を実行する(抽出手段に相当)。
【0064】
次のS07では、CPU60は、二値化データ中に抽出された不良候補要素の夫々に対して、一意の番号(ラベル)n(n=1,2,3,……)を付与する(抽出手段に相当)。具体的には、CPU60は、マスキング処理済みの二値化データ中において、先頭ラインから順に各ラインの輝度値をサーチしてゆき、不良候補要素に相当する輝度値(=255)が与えられている画素を検出すると、その画素の輝度値を一意のラベルnの値に、書き換える。但し、CPU60は、検出した画素が、既に輝度値がラベルn(≠0,255)の値に書き換えられている画素に隣接している場合には、当該検出した画素の輝度値を、隣接している画素の輝度値(n≠0,255)に書き換える。
【0065】
次に、CPU60は、S07にて付されたラベルnの順に、各不良候補領域に対する正規化値Pを算出するために、S08乃至S26のループ処理を実行する。このループに入って最初のS08では、CPU60は、未特定のラベルnのうち最も小さいラベルを、処理対象ラベルとして特定する。
【0066】
次のS09では、CPU60は、S08にて特定したラベルnが付された不良候補要素がゴミに起因するかキズに起因するかを、上述したようにして判定する。そして、当該不良候補要素がゴミに起因すると判定した場合には、CPU60は、処理をS10からS11に進める。これに対して、不良要因がキズに起因すると判定した場合には、CPU60は、処理をS10からS16に進める。
【0067】
S11では、CPU60は、S08にて特定したラベルnが付された不良候補要素の重心を求め、二値化データ中の各領域のうち、求められた重心が存在する領域を判定する(位置計測手段に相当)。
【0068】
次のS12では、CPU60は、S11にて判定した領域に応じた基準値Rdを設定する。具体的には、判定した領域が領域Aである場合には、基準値RdをSdと設定し、判定した領域が領域Bである場合には、基準値Rdを2Sdと設定し、判定した領域が領域Cである場合には、基準値Rdを4Sdと設定し、判定した領域が領域Dである場合には、基準値Rdを8Sdと設定する。
【0069】
次のS13では、CPU60は、S08にて特定したラベルnが付された不良候補要素の面積を測る。即ち、この不良候補要素を構成する画素の総数を数える。なお、ここでは、面積以外の図形的特徴量,例えば最大フィレ径を測っても良い(図形的特徴量計測手段に相当)。
【0070】
次のS14では、CPU60は、S13にて測った不良候補要素の面積をS12にて設定した基準値Rdによって除算することによって、この面積を正規化した数値(正規化値)Pを得る(正規化手段に相当)。
【0071】
次のS15では、CPU60は、S14にて得た正規化値Pが0.5以上であるか否かをチェックする。そして、正規化値Pが0.5以上であれば、CPU60は、S21において、分類テーブル格納領域62c内に格納された分類テーブル中のS11にて判定した領域に対応したゴミ(ds)欄にS14にて得た正規化値Pを加算した後に、処理をS26に進める。これに対して、正規化値Pが0.5未満であるとS15にて判定した場合には、CPU60は、処理をS23に進める。
【0072】
一方、S16では、CPU60は、S08にて特定したラベルnが付された不良候補要素の重心を求め、二値化データ中の各領域のうち、求められた重心が存在する領域を判定する(位置計測手段に相当)。
【0073】
次のS17では、CPU60は、S16にて判定した領域に応じた基準値Rkを設定する。具体的には、判定した領域が領域Aである場合には、基準値RkをSkと設定し、判定した領域が領域Bである場合には、基準値Rkを2Skと設定し、判定した領域が領域Cである場合には、基準値Rkを4Skと設定し、判定した領域が領域Dである場合には、基準値Rkを8Skと設定する。
【0074】
次のS18では、CPU60は、S08にて特定したラベルnが付された不良候補要素の面積を測る。即ち、この不良候補要素を構成する画素の総数を数える。なお、ここでは、面積以外の図形的特徴量,例えば最大フィレ径を測っても良い(図形的特徴量計測手段に相当)。
【0075】
次のS19では、CPU60は、S18にて測った不良候補要素の面積をS17にて設定した基準値Rkによって除算することによって、この面積を正規化した数値(正規化値)Pを得る(正規化手段に相当)。
【0076】
次のS20では、CPU60は、S19にて得た正規化値Pが0.5以上であるか否かをチェックする。そして、正規化値Pが0.5以上であれば、CPU60は、S22において、分類テーブル格納領域62c内に格納された分類テーブル中のS16にて判定した領域に対応したキズ(k)欄にS19にて得た正規化値Pを加算した後に、処理をS26に進める。これに対して、正規化値Pが0.5未満であるとS20にて判定した場合には、CPU60は、処理をS23に進める。
【0077】
S23では、CPU60は、S08にて特定したラベルnが付された不良候補要素から所定距離内の間隔で、他の不良候補要素が2個以上連なっているか否かをチェックする。そして、所定距離内の間隔で他の不良候補要素が2個以上連なっていない場合には、CPU60は、処理を直接S26に進める。これに対して、所定距離内の間隔で他の不良候補要素が2個以上連なっている場合には、CPU60は、S24において、S08にて特定したラベルnが付された不良候補要素,及び、そこから所定距離内の間隔で連なる他の不良候補要素の総数(集中要素数)に0.25を乗じた数値を、分類テーブル格納領域62c内に格納された分類テーブル中の、S09にて判定した領域に対応した集中(m)欄に加算する。次のS25では、CPU60は、S23にて所定距離内の間隔で連なると判定した不良候補要素に付されたラベルを、特定済みの扱いとする。S25の完了後、CPU60は、処理をS26に進める。
【0078】
S26では、S07にて付した全てのラベルnを既に特定したか否かをチェックする。そして、未だ全てのラベルnを特定していない場合には、CPU60は、処理をS08に戻す。これに対して、S08乃至S26のループ処理を繰り返した結果、全てのラベルnを特定し終わっている場合には、CPU60は、処理をS27に進める。
【0079】
S27では、CPU60は、上述した式(3)乃至式(6)を用いて、分類テーブルの各欄に記載された正規化値Pの総和に対する評価関数Fの値を算出する(演算手段に相当)。
【0080】
次のS28では、CPU60は、S27にて求めた評価関数Fの値が、予め設定した合否判定基準値未満であるか否かをチェックする。そして、評価関数Fの値が合否判定基準値未満である場合には、CPU60は、S29において、当該検査対象光学部材14が良品であると判定して、その旨を外部出力(画像表示,音声出力)する。これに対して、評価関数Fの値が合否判定基準値以上である場合には、CPU60は、S30において、当該検査対象光学部材14が不良品であると判定して、その旨を外部出力(画像表示,音声出力)する。何れの場合においても、CPU60は、その後でこの制御処理を終了する。
<実施形態の作用>
いま、理解を容易にするために、検査対象光学部材14の領域A及び領域Bに不良候補要素が一種類のみ形成されているものとする。この場合、評価関数Fを求める式は、下記式(7)によって表される。
【0081】
F=(A2+B20.5 ……(7)
ここで、Aは、領域Aに形成された何れかの種類の光学的欠陥に起因する不良候補要素についての正規化値Pの総和であり、Bは、領域Bに形成された同種類の光学的欠陥に起因する不良候補要素についての正規化値Pの総和である。このとき、合否判定基準点を1.2とすると、検査対象光学部材14が良品と判定される場合におけるA及びBの組み合わせの範囲と、検査対象光学部材14が不良品と判定される場合におけるA及びBの組み合わせの範囲とは、図13に示すように区分される。一方、上記評価関数Fを用いることなく各領域毎に算出された総和A,Bの何れかが1を越えたか否かで良否判定を行う場合における各範囲の区分を、比較のために、図21に示す。
【0082】
この図13から明らかなように、領域Aの正規化値Pの総和及び領域Bの正規化値Pの総和が両方とも1よりもわずかに小さい場合(即ち、斜線部αに該当する場合)、図21に示される評価方法によると検査対象光学部材14が良品と判断されてしまう。しかしながら、検査対象光学部材14を全体として見れば、その性能が低下していると考えられる。この点、本実施形態によると、評価関数Fの値が合否判定基準点1.2を超えるので、この検査対象光学部材14は不良品と判断される。逆に、領域Aの正規化値Pの総和が1をわずかに超えているが領域Bの正規化値Pの総和が0近傍である場合や、領域Bの正規化値Pの総和が1をわずかに超えているが領域Aの正規化値Pの総和が0近傍である場合(即ち、斜線部βに該当する場合)には、図21に示される評価方法によると検査対象光学部材14が不良品であると判定されてしまう。しかしながら、検査対象光学部材14を全体として見れば、良品とみなし得ると考えられる。この点、本実施形態によると、評価関数Fの値が合否判定基準値1.2を下回るので、その検査対象光学部材14は良品であると判断される。
【0083】
しかも、上述した各正規化値Pの総和は、各領域に生じた不良候補要素が検査対象光学部材14の性能に影響を及ぼす程度を示すように正規化された値である。従って、本実施形態によると、検査対象光学部材14が全体として評価され、その不良,良品の程度を示す点数が得られる。
【0084】
【実施形態2】
本発明の第2の実施形態による光学部材検査装置は、上述の第1実施形態と比較し、ホストメモリ62内の構成,及び、このホストメモリ62の画像処理プログラム格納領域62dに格納されている画像処理プログラムに従ってCPU60が実行する制御処理の内容のみが異なり、他の構成を共通としている。
【0085】
本第2実施形態が案出されたのは以下の理由による。上述の第1実施形態によると、二値化によって抽出された各不良候補要素の面積のみが基準値Rk,Rdに基づいて正規化され、正規化された面積に基づいて検査対象光学部材の良否判定がなされる。従って、同じ面積を有する不良候補要素同士で比較した場合、輝度値の大小如何に拘わらず、不良の程度が同じであると判断される。しかしながら、図14に示されるように、同じ面積の不良候補要素同志で比較した場合、輝度値が高い不良候補要素の方が輝度値が低い不良候補要素よりも目立つので、不良の程度としてはより高いという判断が成り立ち得る。このような判断の考え方に立てば、図15に示されるように輝度値及び面積が分布する様々な不良候補要素の中でも、輝度値が比較的高いもの(図15上において破線で囲まれる範囲内の不良候補要素)は、その面積が比較的小さくても、評価関数Fの計算のベースとなる正規化値(検査対象光学部材の性能に与える影響の程度を示す点数)Pに対して大きく影響を与えるべきである。従って、本第2実施形態による光学部材検査装置の制御装置6は、各不良候補要素の面積のみならず輝度をも加味して正規化値Pを算出することを、特徴としている。勿論、制御装置6は、各不良候補要素の輝度に基づいて正規化値Pを算出する際には、その不良候補要素の検査対象光学部材内での位置に応じて適宜設定される基準値により、その不良候補要素の輝度を正規化する。
【0086】
以下、本第2実施形態による光学部材検査装置の構成を説明する。但し、以下においては、上述した第1実施形態のものと共通する構成については、その説明を省略する。
【0087】
図1に示す構成を有する本第2実施形態による光学部材検査装置は、図16に示すような回路構成を有する制御装置6を備えている。図16に示す回路構成は、図3に示した第1実施形態のものと比較して、ホストメモリ62内に二つの作業メモリ領域(第1作業メモリ領域62e,第2作業メモリ領域62f)が形成される点のみが、異なっている。この第1作業メモリ領域62eは、画像メモリ領域62a内の画像データ(極座標データ)が座標変換(極座標−直交座標変換)された状態で書き写される領域である。また、第2作業メモリ領域62fは、第1作業メモリ領域62e内の画像データ(直交座標データ)が複写されるとともに、複写された画像データが所定の閾値に従って二値化されることによって「不良候補要素(輝度値が高い画素の一群であるとして抽出された抽出要素)」の位置の特定がなされる領域である。
【0088】
CPU60は、ホストメモリ62の画像処理プログラム格納領域62dに格納されている画像処理プログラムを実行し、フレームメモリ61に書き込まれた画像データを定期的にホストメモリ62の画像メモリ領域62aに書き写すとともに、画像メモリ領域62a中に検査対象光学部材14全体に対応する画像データ(極座標データ)が合成された時点で、この画像データに対して座標変換処理を施し、座標変換後の画像データ(直交座標データ)を第1作業メモリ領域62eに書き写す。次に、CPU60は、第1作業メモリ領域62e中の画像データ(直交座標データ)を第2作業メモリ領域62fに複写し、第2作業メモリ領域62e内に複写された画像データ(直交座標データ)を2値化することによって不良候補要素を抽出する。次に、CPU60は、抽出した個々の不良候補要素毎に、その面積をその位置に応じて正規化するとともに、第1作業メモリ領域62e内の画像データ(直交座標データ)におけるその不良候補要素と同位置の画素の平均輝度値をその位置に応じて正規化し、正規化された面積及び輝度値に対して所定演算を施すことによってその不良候補要素の正規化数Pを算出する。次に、CPU60は、このようにして各不良候補要素毎に算出された正規化数Pを後述する様々な基準に従って分類して、分類テーブル格納領域62c内の分類テーブルに集計する。そして、全ての不良候補要素についての正規化数Pの分類及び集計が完了した後で、この集計結果に基づいて後述の評価関数Fを算出し、評価関数Fが所定の判定基準値を超えているか否かに基づいて検査対象光学部材14の良否判定を行う。なお、CPU60は、フレームメモリ61からの画像データ取り込みを行うのと同期して、モータ駆動回路63に対して、駆動電流を駆動モータ8に供給させる指示を行う。
<検査対象光学部材の品質評価原理>
第2作業メモリ領域62f上の二値化データ中で抽出された不良候補要素は、先ず、第1実施形態の場合と同様に、それが形成された位置に応じて分類される。図6に示すように、検査対象光学部材14は、その光軸に相当する位置を中心とした同心円状に、4つの領域A〜Dに区分けされる。
【0089】
CPU60は、各領域に生じた各不良候補要素毎に、下記式(8)に従って、その面積をその領域に対応して用意された面積用基準値R1で除算することによって正規化するとともに、第1作業メモリ62e内においてその不良候補要素と重なる範囲に含まれる全画素の輝度値の平均値をその領域に対応して用意された輝度用基準値R2で除算することによって正規化し、正規化された面積及び平均輝度値の二乗和の平方根を算出することによって正規化値(検査対象光学部材の性能に与える影響の程度を示す点数)Pを算出する。
P=((面積/R1)2+(平均輝度/R2)20.5 ……(8)
具体的には、領域Aに適用されるべき面積用基準値R1を“S”とした場合、CPU60は、領域Bについては面積用基準値R1として“2S”を適用し、領域Cについては面積用基準値R1として“4S”を適用し、領域Dについては面積用基準値R1として“8S”を適用する。同様に、領域Aに適用されるべき平均輝度用基準値R2を“L”とした場合、領域Bについては平均輝度用基準値R2として“2L”を適用し、領域Cについては平均輝度用基準値R2として“4L”を適用し、領域Dについては平均輝度用基準値R2として“8L”を適用する。即ち、不良候補要素の位置が検査対象光学部材14の光軸に相当する位置から離れるにつれて大きくなる様に、両基準値R1,R2を適用する。また、正規化された面積及び平均輝度値の二乗和の平方根が正規化値Pとして算出されるので、面積が比較的小さくても平均輝度が非常に高ければ、正規化値Pは大きく算出される。逆に、平均輝度が比較的低くても面積が非常に大きければ、正規化値Pは大きく算出される。
【0090】
なお、基準値R1,R2としては、不良候補要素がキズに起因する場合には、基準値R1k,R2kが適用され、不良候補要素がゴミに起因する場合には、基準値R1d,R2dが適用される。これら基準値R1k及びR2k,R1d及びR2dは、互いに異なる値である。即ち、領域Aに形成されたキズに起因する不良候補要素の面積に適用される基準値R1kを“Sk”とし、領域Aに形成されたゴミに起因する不良候補要素の面積に適用される基準値R1dを“Sd”とした場合、これらSk及びSdは、互いに異なった値となる。同様に、領域Aに形成されたキズに起因する不良候補要素の平均輝度に適用される基準値R2kを“Lk”とし、領域Aに形成されたゴミに起因する不良候補要素の平均輝度に適用される基準値R2dを“Ld”とした場合、これらLk及びLdは、互いに異なった値となる。そのため、CPU60は、正規化値Pの算出に先立って、処理対象の不良候補要素がキズに起因するのかゴミに起因するのかを判定する。この判定は、図9に示す閾値関数を用いて行われる。そして、CPU60は、判定されたキズ又はゴミの種別及びその不良候補要素が形成された領域の位置に応じた基準値Rk又はRd及びLk又はLdを求め、求めた各基準値Rk又はRd及びLk又はLdに基づいて、上述した正規化値Pの計算を行うのである。
【0091】
次に、CPU60は、以上のようにして算出された正規化値Pが0.5以上であれば、分類テーブル格納領域62c内に格納されている分類テーブル中における、判定されたゴミ(ds)又はキズ(k)の区別とその不良候補要素が生じた領域A〜Dとに対応した欄に、その不良候補要素について算出された正規化値Pを加算する。
【0092】
これに対して、算出された正規化値Pが0.5未満である場合には、その不良候補要素から一定距離の範囲内にある別の不良候補要素を探し出す。このようにして不良候補要素が探し出された場合には、さらに、その不良候補要素から一定距離の範囲内にある別の不良候補要素を探し出す。そして、このような不良候補要素の探索を、最後に探し出された不良候補要素から一定距離の範囲内に他の不良候補要素が探し出せなくなるまで連続して行う。このようにして探し出された相互に一定距離の範囲にある不良候補要素の数が3個以上である場合には、当該不良候補要素の数に0.25を乗じて得た点数を、分類テーブル中における、その不良候補要素が生じた領域A〜Dに対応した集中(m)の欄に加算する。
【0093】
以上のような分類テーブルへの加算を全ての不良候補要素について実行すると、CPU60は、分類テーブルの各欄に書き込まれた各正規化値Pに対して上記(3)〜(6)を実行し、上述した第1実施形態の場合と同様に、評価関数Fを算出するとともに、算出した評価関数Fに従って検査対象光学部材14の良否判定を行う。
<制御処理>
次に、本第2実施形態において、画像処理プログラム格納領域62dから読み出した画像処理プログラムに従って制御装置6(CPU60)が実行する制御処理の内容を、説明する。本第2実施形態における制御処理では、図10乃至図12に示された第1実施形態の制御処理におけるS09乃至S20(図11)の代わりに、図17に示すS31乃至S42を実行する。即ち、CPU60は、図10に示されたS01乃至S08の処理を実行し、S08の処理を完了すると、処理を図17のS31へ進める。このS31では、CPU60は、S08にて特定したラベルnが付された不良候補要素はゴミに起因するのかキズに起因するのかを、上述したようにして判定する。そして、当該不良候補要素がゴミに起因すると判定した場合には、CPU60は、処理をS32からS33に進める。これに対して、不良要因がキズに起因すると判定した場合には、CPU60は、処理をS32からS38に進める。
【0094】
S33では、CPU60は、S08にて特定したラベルnが付された不良候補要素の重心を求め、二値化データ中の各領域のうち、求められた重心が存在する領域を判定する(位置計測手段に相当)。
【0095】
次のS34では、CPU60は、S33にて判定した領域に応じた面積用基準値R1d及び平均輝度用基準値R2dを設定する。具体的には、判定した領域が領域Aである場合には、面積用基準値R1dをSd,平均輝度用基準値R2dをLdと夫々設定し、判定した領域が領域Bである場合には、面積用基準値R1dを2Sd,平均輝度用基準値R2dを2Ldと夫々設定し、判定した領域が領域Cである場合には、面積用基準値R1dを4Sd,平均輝度用基準値R2dを4Ldと夫々設定し、判定した領域が領域Dである場合には、面積用基準値R1dを8Sd,平均輝度用基準値R2dを8Ldと設定する。
【0096】
次のS35では、CPU60は、S08にて特定したラベルnが付された不良候補要素の面積を測る。即ち、この不良候補要素を構成する画素の総数を数える。なお、ここでは、面積以外の図形的特徴量,例えば最大フィレ径を測っても良い(図形的特徴量計測手段に相当)。これと同時に、CPU60は、S08にて特定したラベルnが付された不良候補要素を構成する各画素の位置を特定し、第1作業メモリ領域62eに格納された画像データ(二値化前の直交座標データ)における対応位置に存在する全画素の輝度値を読み出し、読み出した輝度値の平均値を算出する。
【0097】
次のS36では、CPU60は、下記式(8−1)に従って、S35にて測った不良候補要素の面積をS34にて設定した面積用基準値R1dによって除算するとともに、S35にて算出した平均輝度値をS34にて設定した平均輝度用基準値R2dによって除算し、各除算結果の二乗和の平方根を、この不良候補要素についての正規化値Pとして算出する(正規化手段に相当)。
【0098】
P=((面積/R1d)2+(平均輝度/R2d)20.5 ……(8−1)次のS37では、CPU60は、S36にて算出された正規化値Pが0.5以上であるか否かをチェックする。そして、CPU60は、正規化値Pが0.5以上であれば処理を図12のS21へ進め、正規化値Pが0.5未満であれば、処理を図12のS23へ進める。
【0099】
一方、S38では、CPU60は、S08にて特定したラベルnが付された不良候補要素の重心を求め、二値化データ中の各領域のうち、求められた重心が存在する領域を判定する(位置計測手段に相当)。
【0100】
次のS39では、CPU60は、S38にて判定した領域に応じた面積用基準値R1k及び平均輝度用基準値R2kを設定する。具体的には、判定した領域が領域Aである場合には、面積用基準値R1kをSk,平均輝度用基準値R2kをLkと夫々設定し、判定した領域が領域Bである場合には、面積用基準値R1kを2Sk,平均輝度用基準値R2kを2Lkと夫々設定し、判定した領域が領域Cである場合には、面積用基準値R1kを4Sk,平均輝度用基準値R2kを4Lkと夫々設定し、判定した領域が領域Dである場合には、面積用基準値R1kを8Sk,平均輝度用基準値R2kを8Lkと設定する。
【0101】
次のS40では、CPU60は、S08にて特定したラベルnが付された不良候補要素の面積を測る。即ち、この不良候補要素を構成する画素の総数を数える。なお、ここでは、面積以外の図形的特徴量,例えば最大フィレ径を測っても良い(図形的特徴量計測手段に相当)。これと同時に、CPU60は、S08にて特定したラベルnが付された不良候補要素を構成する各画素の位置を特定し、第1作業メモリ領域62eに格納された画像データ(二値化前の直交座標データ)における対応位置に存在する全画素の輝度値を読み出し、読み出した輝度値の平均値を算出する。
【0102】
次のS41では、CPU60は、下記式(8−2)に従って、S40にて測った不良候補要素の面積をS39にて設定した面積用基準値R1kによって除算するとともに、S40にて算出した平均輝度値をS39にて設定した平均輝度用基準値R2kによって除算し、各除算結果の二乗和の平方根を、この不良候補要素についての正規化値Pとして算出する(正規化手段に相当)。
【0103】
P=((面積/R1k)2+(平均輝度/R2k)20.5 ……(8−2)
次のS42では、CPU60は、S41にて算出した正規化値Pが0.5以上であるか否かをチェックする。そして、CPU60は、正規化値Pが0.5以上であれば処理を図12のS22へ進め、正規化値Pが0.5未満であれば、処理を図12のS23へ進める。これらS21,S22,S23以降の処理は、上述した第1実施形態の場合と全く同じなので、その説明を省略する。
<実施形態の作用>
図18は、ある検査対象光学部材14を検査した時にA領域から抽出されたゴミに起因する各不良候補要素の面積及び平均輝度(各基準値R1d,R2dによる除算後の面積及び輝度値)の分布を示すグラフである。また、図18に描かれた各円弧は、各不良候補要素について算出される正規化値Pが1,2.7,4となる範囲を、夫々示している。この図18から明らかなように、同じ面積を有する不良候補要素同士であっても、算出される正規化値Pは、平均輝度如何に依って異なった値となる。従って、本第2実施形態による光学部材検査装置は、検査対象光学部材14中の不良候補要素の実際の「目立ち具合」をより反映させた評価関数Fを、得ることができる。
<実施形態の変形例>
上記第2実施形態によると、S35及びS40では不良候補要素の輝度値の平均値を算出したが、不良候補要素の最大輝度値をMAX演算によって得ても良い。但し、この場合には、S36及びS41での正規化値Pの算出には、平均輝度用基準値R2d,R2kの代わりに最大輝度用基準値が用いられる。この最大輝度用基準値は、S34又はS39において、平均輝度用基準値R2d,R2kよりも大きい値として設定される。
【0104】
【実施形態3】
本発明の第3の実施形態による光学部材検査装置は、上述の第2実施形態と比較し、ホストメモリ62の画像処理プログラム格納領域62dに格納されている画像処理プログラムに従ってCPU60が実行する制御処理の内容のみが異なり、他の構成を共通としている。
<検査対象光学部材の品質評価原理>
CPU60は、上述した第1実施形態の場合と同様に、光学部材検査装置の各部の制御を行うことにより、検査対象光学部材14を撮像することによって得られた画像データの座標系を極座標系から直交座標系に変換し、この変換によって第1作業メモリ領域62e上に形成された画像データを、第2作業メモリ領域62fに複写する。そして、CPU60は、第2作業メモリ領域62fに複写された画像データを構成する各画素の輝度値を所定の閾値と比較して、閾値を超える輝度値を有する画素に対しては新たな輝度値“255”を与えるとともに閾値以下の輝度値を有する画素に対しては新たな輝度値“0”を与えることによって二値化を行って、画像データから不良候補要素を抽出する。
【0105】
この不良候補要素は、第1実施形態の場合と同様に、それが形成された位置に応じて分類される。即ち、図6に示すように、検査対象光学部材14は、その光軸に相当する位置を中心とした同心円状に、4つの領域A〜Dに区分けされる。
【0106】
CPU60は、各領域に生じた各不良候補要素毎に、下記式(9)に従って、その不良候補要素の面積と第1作業メモリ62e内においてその不良候補要素と重なる範囲に含まれる全画素の輝度値の平均値とを積算し、その積算結果を基準値R3によって除算することによって、正規化値(検査対象光学部材の性能に与える影響の程度を示す点数)Pを算出する。
P=(面積×平均輝度)/R3 ……(9)
具体的には、領域Aに適用されるべき基準値R3を“SL”とした場合、CPU60は、領域Bについては基準値R3として“2SL”を適用し、領域Cについては基準値R3として“4SL”を適用し、領域Dについては基準値R3として“8SL”を適用する。即ち、不良候補要素の位置が検査対象光学部材14の光軸に相当する位置から離れるにつれて大きくなる様に、基準値R3を適用する。また、面積及び平均輝度値の積が基準値R3で除算されることによって正規化値Pが算出されるので、面積が比較的小さくても平均輝度が非常に高ければ、正規化値Pは大きく算出される。逆に、平均輝度が比較的低くても面積が非常に大きければ、正規化値Pは大きく算出される。
【0107】
なお、基準値R3としては、不良候補要素がキズに起因する場合には、基準値R3kが適用され、不良候補要素がゴミに起因する場合には、基準値R3dが適用される。これら基準値R3k及びR3dは、互いに異なる値である。即ち、領域Aに形成されたキズに起因する不良候補要素の面積に適用される基準値R3kを“SLk”とし、領域Aに形成されたゴミに起因する不良候補要素の面積に適用される基準値R3dを“SLd”とした場合、これらSLk及びSLdは、互いに異なった値となる。そのため、CPU60は、正規化値Pの算出に先立って、処理対象の不良候補要素がキズに起因するのかゴミに起因するのかを判定する。この判定は、図9に示す閾値関数を用いて行われる。そして、CPU60は、判定されたキズ又はゴミの種別及びその不良候補要素が形成された領域の位置に応じた基準値R3k又はR3dを求め、求めた基準値R3k又はR3dに基づいて、上述した正規化値Pの計算を行うのである。
【0108】
次に、CPU60は、以上のようにして算出された正規化値Pが0.5以上であれば、分類テーブル格納領域62c内に格納されている分類テーブル中における、判定されたゴミ(ds)又はキズ(k)の区別とその不良候補要素が生じた領域A〜Dとに対応した欄に、その不良候補要素について算出された正規化値Pを加算する。
【0109】
これに対して、算出された正規化値Pが0.5未満である場合には、その不良候補要素から一定距離の範囲内にある別の不良候補要素を探し出す。このようにして不良候補要素が探し出された場合には、さらに、その不良候補要素から一定距離の範囲内にある別の不良候補要素を探し出す。そして、このような不良候補要素の探索を、最後に探し出された不良候補要素から一定距離の範囲内に他の不良候補要素が探し出せなくなるまで連続して行う。このようにして探し出された相互に一定距離の範囲にある不良候補要素の数が3個以上である場合には、当該不良候補要素の数に0.25を乗じて得た点数を、分類テーブル中における、その不良候補要素が生じた領域A〜Dに対応した集中(m)の欄に加算する。
【0110】
以上のような分類テーブルへの加算を全ての不良候補要素について実行すると、CPU60は、分類テーブルの各欄に書き込まれた各正規化値Pに対して上記(3)〜(6)を実行し、上述した第1実施形態の場合と同様に、評価関数Fを算出するとともに、算出した評価関数Fに従って検査対象光学部材14の良否判定を行う。
<制御処理>
次に、本第3実施形態において、画像処理プログラム格納領域62dから読み出した画像処理プログラムに従って制御装置6(CPU60)が実行する制御処理の内容を、説明する。本第3実施形態における制御処理では、図10乃至図12に示された第1実施形態の制御処理におけるS09乃至S20(図11)の代わりに、図19に示すS51乃至S62を実行する。即ち、CPU60は、図10に示されたS01乃至S08の処理を実行し、S08の処理を完了すると、処理を図19のS51へ進める。このS51では、CPU60は、S08にて特定したラベルが付された不良候補要素はゴミに起因するのかキズに起因するのかを、上述したようにして判定する。そして、当該不良候補要素がゴミに起因すると判定した場合には、CPU60は、処理をS52からS53に進める。これに対して、不良要因がキズに起因すると判定した場合には、CPU60は、処理をS52からS58に進める。
【0111】
S53では、CPU60は、S08にて特定したラベルnが付された不良候補要素の重心を求め、二値化データ中の各領域のうち、求められた重心が存在する領域を判定する(位置計測手段に相当)。
【0112】
次のS54では、CPU60は、S53にて判定した領域に応じた基準値R3dを設定する。具体的には、判定した領域が領域Aである場合には、基準値R3dをSLdと設定し、判定した領域が領域Bである場合には、基準値R3dを2SLdと設定し、判定した領域が領域Cである場合には、基準値R3dを4SLdと設定し、判定した領域が領域Dである場合には、基準値R3dを8SLdと設定する。
【0113】
次のS55では、CPU60は、S08にて特定したラベルnが付された不良候補要素の面積を測る。即ち、この不良候補要素を構成する画素の総数を数える。なお、ここでは、面積以外の図形的特徴量,例えば最大フィレ径を測っても良い(図形的特徴量計測手段に相当)。これと同時に、CPU60は、S08にて特定したラベルnが付された不良候補要素を構成する各画素の位置を特定し、第1作業メモリ領域62eに格納された画像データ(二値化前の直交座標データ)における対応位置に存在する全画素の輝度値を読み出し、読み出した輝度値の平均値を算出する。
【0114】
次のS56では、CPU60は、下記式(9−1)に従って、S55にて測った不良候補要素の面積とS55にて算出した平均輝度値とを乗ずるとともに、その乗算結果をS54にて設定した基準値R3dで除算することによって、この不良候補要素についての正規化値Pを算出する(正規化手段に相当)。
【0115】
P=(面積×平均輝度)/R3d ……(9−1)
次のS57では、CPU60は、S56にて算出された正規化値Pが0.5以上であるか否かをチェックする。そして、CPU60は、正規化値Pが0.5以上であれば処理を図12のS21へ進め、正規化値Pが0.5未満であれば、処理を図12のS23へ進める。
【0116】
一方、S58では、CPU60は、S08にて特定したラベルnが付された不良候補要素の重心を求め、二値化データ中の各領域のうち、求められた重心が存在する領域を判定する(位置計測手段に相当)。
【0117】
次のS59では、CPU60は、S58にて判定した領域に応じた基準値R3kを設定する。具体的には、判定した領域が領域Aである場合には、基準値R3kをSLkと設定し、判定した領域が領域Bである場合には、基準値R3kを2SLkと設定し、判定した領域が領域Cである場合には、基準値R3kを4SLkと設定し、判定した領域が領域Dである場合には、基準値R3kを8SLkと設定する。
【0118】
次のS60では、CPU60は、S08にて特定したラベルnが付された不良候補要素の面積を測る。即ち、この不良候補要素を構成する画素の総数を数える。なお、ここでは、面積以外の図形的特徴量,例えば最大フィレ径を測っても良い(図形的特徴量計測手段に相当)。これと同時に、CPU60は、S08にて特定したラベルnが付された不良候補要素を構成する各画素の位置を特定し、第1作業メモリ領域62eに格納された画像データ(二値化前の直交座標データ)における対応位置に存在する全画素の輝度値を読み出し、読み出した輝度値の平均値を算出する。
【0119】
次のS61では、CPU60は、下記式(9−2)に従って、S60にて測った不良候補要素の面積とS60にて算出した平均輝度値とを乗ずるとともに、その乗算結果をS59にて設定した基準値R3kで除算することによって、この不良候補要素についての正規化値Pを算出する(正規化手段に相当)。
【0120】
P=(面積×平均輝度)/R3k ……(9−2)
次のS62では、CPU60は、S61にて算出した正規化値Pが0.5以上であるか否かをチェックする。そして、CPU60は、正規化値Pが0.5以上であれば処理を図12のS22へ進め、正規化値Pが0.5未満であれば、処理を図12のS23へ進める。これらS21,S22,S23以降の処理は、上述した第1実施形態の場合と全く同じなので、その説明を省略する。
<実施形態の作用>
図20は、ある検査対象光学部材14を検査した時にA領域から抽出されたゴミに起因する各不良候補要素の面積及び平均輝度の分布を示すグラフである。また、図20に描かれた各双曲線は、基準値SLd=150とした場合において各不良候補要素について算出される正規化値Pが1,2.3,3.6となる範囲を、夫々示している。この図20から明らかなように、同じ面積を有する不良候補要素同士であっても、算出される正規化値Pは、平均輝度如何に依って異なった値となる。従って、本第2実施形態による光学部材検査装置は、検査対象光学部材14中の不良候補要素の実際の「目立ち具合」をより反映させた評価関数Fを、得ることができる。
<実施形態の変形例>
上記第3実施形態によると、S55及びS60では不良候補要素の輝度値の平均値を算出したが、不良候補要素の最大輝度値をMAX演算によって得ても良い。但し、この場合には、S56及びS61での正規化値Pの算出に用いられる基準値R3d,R3kは、より大きい値として設定される。
【0121】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明の光学部材検査装置,画像処理装置,画像処理方法,及びコンピュータ可読媒体によれば、各不良要因の形成位置を考慮してその不良要因が検査対象光学部材全体の性能に与える影響を評価することによって、検査対象光学部材の全体的な不良の程度を数値化することができる。
【0122】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態による光学部材検査装置の概略構成を示す側面断面図
【図2】 図1の検査対象光学部材等を撮像装置の位置から見た平面図
【図3】 図1の制御装置の内部回路構成を示すブロック図
【図4】 検査対象光学部材に光学的欠陥がない場合における光の進行状態を示す図
【図5】 検査対象光学部材に光学的欠陥がある場合における光の進行状態を示す図
【図6】 画像データの領域を示す図
【図7】 図6の各領域と正規化基準値との関係を示すグラフ
【図8】 分類テーブルを示す表
【図9】 形状判定に用いられる閾値関数を示すグラフ
【図10】 図3のCPUにて実行される制御処理を示すフローチャート
【図11】 図3のCPUにて実行される制御処理を示すフローチャート
【図12】 図3のCPUにて実行される制御処理を示すフローチャート
【図13】 評価関数の説明図
【図14】 同じ面積の不良候補要素同士における輝度値の相違を示すグラフ
【図15】 各不良候補要素の面積と輝度値との分布を示すグラフ
【図16】 本発明の第2実施形態による光学部材検査装置の制御装置の内部回路構成を示すブロック図
【図17】 本発明の第2実施形態において図16のCPUにて実行される制御処理を示すフローチャート
【図18】 正規化値の分布を示すグラフ
【図19】 本発明の第3実施形態において実行される制御処理を示すフローチャート
【図20】 正規化値の分布を示すグラフ
【図21】 評価関数に対する比較例を示すグラフ
【符号の説明】
3 撮像装置
4 撮像レンズ
5 撮像素子
6 制御装置
8 駆動モータ
14 検査対象光学部材
15 ホルダ
60 CPU
62 ホストメモリ
62a 画像メモリ領域
62b 分類テーブル格納領域

Claims (15)

  1. 検査対象光学部材を撮像して当該検査対象光学部材の像を含む画像データを出力する撮像装置と、
    前記画像データ中における周囲とは異なる輝度を有する部位を抽出要素として抽出する抽出手段と、
    前記各抽出要素の図形的特徴量を計測する図形的特徴量計測手段と、
    前記検査対象光学部材の光軸に相当する位置を基準として前記各抽出要素の前記画像データ中における位置を計測する位置計測手段と、
    前記位置計測手段によって計測されたその抽出要素の位置が前記検査対象光学部材の光軸に相当する位置から離れるにつれて大きくなる様に、前記各抽出要素毎に基準値を設定し、その抽出要素の図形的特徴量を設定された基準値で除算することによって、正規化値を得る正規化手段と、
    全ての抽出要素に関して前記正規化手段によって得られた全ての正規化値に基づいて所定の評価関数を実行する演算手段と
    を備えることを特徴とする光学部材検査装置。
  2. 前記撮像装置は、その撮像光軸の外側から前記検査対象光学部材を照明することによって、前記検査対象光学部材の光学的欠陥個所から散乱光を発生させて、この光学的欠陥個所が明部として写り込んだ画像データを出力する
    ことを特徴とする請求項1記載の光学部材検査装置。
  3. 前記抽出手段は、前記画像データを構成する各画素の輝度値を所定の閾値と比較して二値化することによって、前記抽出要素を抽出する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の光学部材検査装置。
  4. 前記図形的特徴量計測手段は、前記各抽出要素の面積を計測する
    ことを特徴とする請求項1記載の光学部材検査装置。
  5. 前記位置計測手段は、前記検査対象光学部材の光軸に相当する位置を中心とした同心円状の複数の領域の何れに前記各抽出要素が位置しているのかを計測し、
    前記正規化手段は、これら同心円状の複数の領域の夫々に対応した基準値を設定する
    ことを特徴とする請求項記載の光学部材検査装置。
  6. 前記演算手段は、前記正規化手段によって得られた前記各抽出要素の正規化値を前記各領域毎に加算した上で、各領域毎の加算結果の二乗和の平方根を算出する
    ことを特徴とする請求項記載の光学部材検査装置。
  7. 前記演算手段は、前記抽出要素をその原因となった光学的欠陥の種類に応じて分類し、各種類毎に前記二乗和の平方根を算出するとともに、各種類毎の算出結果の二乗和の平方根を更に算出する
    ことを特徴とする請求項記載の光学部材検査装置。
  8. 前記演算手段は、所定値に満たない前記正規化値については、その正規化値に対応する抽出要素から所定距離内の間隔で所定個数以上の抽出要素が連なっていない限り、加算を行わない
    ことを特徴とする請求項記載の光学部材検査装置。
  9. 前記演算手段は、前記所定値に満たない正規化値に対応する抽出要素から所定距離内の間隔で所定個数以上の抽出要素が連なっている場合には、前記所定距離内の間隔で連なっている抽出要素の数に一定値を乗じた数値をこれら抽出要素全体についての正規値とし、このような抽出要素全体についての正規値を、他の正規値とは独立して分類する
    ことを特徴とする請求項記載の光学部材検査装置。
  10. 前記演算手段が前記評価関数を実行することによって得られた値が所定の良否判定基準値を超えた場合に、前記検査対象光学部材が不良品であると判定する良否判定手段を
    更に備えることを特徴とする請求項1記載の光学部材検査装置。
  11. 前記図形的特徴量計測手段は、前記各抽出要素の面積及び輝度を計測する
    ことを特徴とする請求項1記載の光学部材検査装置。
  12. 検査対象光学部材を撮像して当該検査対象光学部材の像を含む画像データを出力する撮像装置と、
    前記画像データ中における周囲とは異なる輝度を有する部位を抽出要素として抽出する抽出手段と、
    前記各抽出要素の図形的特徴量を計測する図形的特徴量計測手段と、
    前記画像データ中における前記各抽出要素の重心の位置を計測する位置計測手段と、
    前記各抽出要素毎に、前記図形的特徴量計測手段によって計測された図形的特徴量を前記位置計測手段によって計測された位置に応じて正規化することによって、正規化値を得る正規化手段と、
    全ての抽出要素に関して前記正規化手段によって得られた全ての正規化値に基づいて所定の評価関数を実行する演算手段と
    を備えることを特徴とする光学部材検査装置。
  13. 検査対象光学部材を撮像して得られた当該検査対象光学部材の像を含む画像データ中における周囲とは異なる輝度を有する部位を、抽出要素として抽出する抽出手段と、
    前記各抽出要素の図形的特徴量を計測する図形的特徴量計測手段と、
    前記検査対象光学部材の光軸に相当する位置を基準として前記各抽出要素の前記画像データ中における位置を計測する位置計測手段と、
    前記位置計測手段によって計測されたその抽出要素の位置が前記検査対象光学部材の光軸に相当する位置から離れるにつれて大きくなる様に、前記各抽出要素毎に基準値を設定し、その抽出要素の図形的特徴量を設定された基準値で除算することによって、正規化値を得る正規化手段と、
    全ての抽出要素に関して前記正規化手段によって得られた全ての正規化値に基づいて所定の評価関数を実行する演算手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  14. 検査対象光学部材を撮像して得られた当該検査対象光学部材の像を含む画像データ中における周囲とは異なる輝度を有する部位を、抽出要素として抽出し、
    前記各抽出要素の図形的特徴量を計測し、
    前記検査対象光学部材の光軸に相当する位置を基準として前記各抽出要素の前記画像データ中における位置を計測し、
    前記位置計測手段によって計測されたその抽出要素の位置が前記検査対象光学部材の光軸に相当する位置から離れるにつれて大きくなる様に、前記各抽出要素毎に基準値を設定し、その抽出要素の図形的特徴量を設定された基準値で除算することによって、正規化値を取得し、
    全ての抽出要素に関して取得された全ての正規化値に基づいて所定の評価関数を実行する
    ことを特徴とする画像処理方法。
  15. コンピュータに対して、
    検査対象光学部材を撮像して得られた当該検査対象光学部材の像を含む画像データ中における周囲とは異なる輝度を有する部位を、抽出要素として抽出させ、
    前記各抽出要素の図形的特徴量を計測させ、
    前記検査対象光学部材の光軸に相当する位置を基準として前記各抽出要素の前記画像データ中における位置を計測させ、
    前記位置計測手段によって計測されたその抽出要素の位置が前記検査対象光学部材の光軸に相当する位置から離れるにつれて大きくなる様に、前記各抽出要素毎に基準値を設定し、その抽出要素の図形的特徴量を設定された基準値で除算することによって正規化値を取得させ、
    全ての抽出要素に関して取得した全ての正規化値に基づいて所定の評価関数を実行させる
    プログラムを格納したコンピュータ可読媒体。
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