以下添付の図面に従って本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例に係る遊技機全体の正面図、図2は図1の遊技機における遊技板の正面図、図3は同遊技機の背面図、図4は同遊技機のシステム制御を簡略に示すブロック図、図5は第1実施例の大入賞装置の開放状態にある正面図、図6は取付ベースを取り外して示す大入賞装置の全体斜視図、図7は取付ベースを含めた大入賞装置の分解斜視図、図8は大入賞装置の下方からの全体斜視図、図9は大入賞装置と遊技板との組み付け状態の概略上面図、図10は第1実施例の開放状態にある主要部側面図、図11は第1実施例の開放状態にある大入賞装置の主要部分解図、図12は第1実施例の大入賞装置の閉鎖状態にある正面図、図13は第1実施例の閉鎖状態にある主要部側面図、図14は第1実施例の閉鎖状態にある大入賞装置の主要部分解図、図15は振動手段による衝撃未発生時の構造概略図、図16は振動手段による衝撃発生時の構造概略図、図17は振動手段の別例を示す概略図、図18は第2実施例の大入賞装置と遊技板との組み付け状態の概略上面図、図19は免振部材を含む遊技板との取り付け状態を示す断面模式図、図20はメイン処理に関するフローチャート、図21は割り込み処理に関するフローチャートである。
図1及び図2に示す遊技機1は、この発明の一実施例に係るパチンコ遊技機である。遊技機1では、枠体2の内側に遊技板3が着脱交換可能に収容される。遊技板3の前面3fに遊技球の外側ガイドレール4及び内側ガイドレール5が略円形に立設され、内側ガイドレール5によって囲まれた遊技球が流下可能な遊技領域6に、遊技球の入賞可能な入賞領域である入賞口等が設けられている。この実施例では、遊技板3の前面3fの遊技領域6に、次に説明する複数の入賞口(入賞装置)が設けられている。図示において釘は省略して表されている。以下の実施例の部材等の説明において「かっこ」で付記した語句は、本発明の語句に対応させたものである。
まず、遊技領域6の中心線上に設けられた画像表示装置9の下方に、普通電動役物で可動片11a,11bを有する始動入賞口10、特別電動役物である遊技特典付与装置として大入賞装置(大入賞口とも称される。)60が配設されており、その下方にはアウト口17が配設されている。また、上方両側にはランプ風車18a,18b、その下方に普通図柄変動開始用左ゲート19及び普通図柄変動開始用右ゲート21、その下方に風車22a,22bが設けられており、その下方に左袖入賞口23と右袖入賞口25が配設され、さらには大入賞装置60の両側に左落とし入賞口27と右落とし入賞口29が配設されている。開示の実施例では、大入賞装置60を入賞口の例として以下説明する。
また、遊技機1の前面側には、枠飾りランプ35,36、枠飾り左ランプ39L,枠飾り右ランプ39R、払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿32、上側球受け皿32を取り付けるための取付板33、上側球受け皿32の飽和時に遊技球を受けるための下側球受け皿34、前記の上側球受け皿32に内蔵されて音声や効果音を発して遊技状態を遊技者に報知するスピーカ37、遊技者による操作ハンドル92(操作手段)の発射操作に応じて遊技球を遊技領域6に向けて弾発発射する発射装置91等がそれぞれ組み付けられている。
発射装置91は、操作ハンドル92と、該操作ハンドル92の操作により駆動する発射モータ94と、この発射モータの駆動により間欠的に揺動して遊技球を弾発発射する打球杆(図示せず)とを有している。なお、遊技者により操作ハンドル92が握持されると、遊技者の生体電流はタッチスイッチ93により検知され、発射装置制御基板254(発射制御回路119)の制御を受け発射モータ94は駆動される(図3,図4を参照)。発射装置91により発射された遊技球は、遊技板面に立設された外側誘導レール4と内側誘導レール5間で構成される発射球誘導路を介して遊技領域6に誘導されるようになっている。発射球誘導路により遊技領域6に誘導された遊技球は、転動しつつ下方へ落下し、各入賞口に入賞するか、あるいは何処にも入賞しなければ前記アウト口17から遊技板3の裏側へ排出される。
図中の画像表示装置9(表示手段、エラー報知手段を兼ねる。)において、符号43は数字,アルファベット,記号あるいは絵(キャラクタ)等の図柄を変動表示及び停止表示(最終的に確定表示する前の仮停止表示を含む、以下同じ)可能な図柄表示装置、47はLED等からなる普通図柄変動数記憶表示器、49は画像表示装置9の窓枠部、50は図柄表示装置43の液晶表示器(TFT−LCDモジュール)等からなる画像表示部である。普通図柄変動数記憶表示器47は、前記の普通図柄変動開始用左ゲート19及び普通図柄変動開始用右ゲート21を遊技球が通過することによって発生する図柄変動開始の数を、現在変動中のものを除いて保留回数(この例では最高4回)として記憶し表示するようになっている。
この実施例の画像表示部50は、横に並ぶ3つの図柄表示領域(左特別図柄表示領域、中特別図柄表示領域、右特別図柄表示領域)で構成される図柄表示部を有し、それぞれの図柄表示領域で判定図柄(特別図柄)が変動表示及び停止表示可能とされている。加えて、画像表示部50には普通図柄表示領域41が設けられており、普通図柄が変動表示及び停止表示可能とされている。また、画像表示部50には、特別図柄等に加えて背景画像(キャラクタ,背景,文字等を含む。)が表示されることもあり、背景画像が特別図柄の変動開始等の所定条件に起因して変動表示可能となっている場合もある。実施例において画像表示部50に表示される左、中、右特別図柄は、各々『0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11』の12通りの数字からなる図柄である。その他、図中の符号44は特別図柄保留記憶数表示器である。
さらに、入賞口のひとつであり遊技特典付与装置である大入賞装置60に関し、符号601は開閉板(回動扉)、603は遊技板(遊技領域)の左右方向に横長の開口部(大入賞装置の入球口)である。なお、図柄表示装置43については、画像表示部50が前記したように液晶表示器に限られるものではなく、有機EL、CRT、その他の表示手段で構成されていてもよい。
遊技板3の背面3b(後出の図9等参照)には、入賞口(入球口)への遊技球の入賞を検出する入賞口用検出スイッチ(入球検出手段に相当する。)等が設けられている。この実施例では、検出スイッチが各入賞口に対してそれぞれ設けられている。始動入賞口10に入賞した遊技球を検出する始動入賞口検出スイッチは入賞球の通路に設けられており、入賞球の検出によって図柄表示装置43の図柄変動は開始される。その際、特別図柄変動中に始動入賞口10に入賞した遊技球の個数、すなわち特別図柄の変動を開始する回数については、保留回数(この例では最高4回)を、特別図柄保留記憶数表示器44に表示し、記憶数の減少によって前記表示器34の表示個数を減らす(色を変化させる)ようになっている。その他、左袖入賞口23と右袖入賞口25の入賞球を検出する左袖入賞口用検出スイッチと右袖入賞口用検出スイッチ、左落とし入賞口27と右落とし入賞口29の入賞球を検出する左落とし入賞口用検出スイッチと右落とし入賞口用検出スイッチが、それぞれ対応する遊技板背面に設けられている。
前述のとおり、始動入賞口10に入賞した遊技球を検出する始動入賞口検出スイッチ(始動入賞口センサ)が入賞球用通路に設けられており、始動入賞口検出スイッチによって入賞球が検出されると、図柄表示装置43における画像表示部50の左,中,右特別図柄表示領域で各特別図柄が変動を開始し、所定時間変動後、予め設定された順で特別図柄が変動停止して、停止図柄の組合せが確定表示される。なお、図柄変動パターン等によっては、特別図柄の確定表示以前に、いわゆるリーチ状態となったり、いわゆるリーチ予告、当たり予告等が行われたりすることがある。そして、前記確定表示された停止図柄の組合せが、予め決められた判定図柄組合せである特定の大当たり図柄組合せ、例えば、同一図柄の組合せからなる通称ぞろ目であると、大当たり状態(特別遊技状態)に移行する。大当たり状態になると、大入賞装置60の開閉板601が遊技板3の前面3f方向に開いて開放状態となり、遊技板3の前面3fの遊技領域6を落下してくる遊技球を受け止め、大入賞装置60内へ誘導可能にする。結果、遊技球は大入賞装置へ入賞可能となる。
ここで、リーチ状態とは、画像表示部50の左,中,右特別図柄表示領域において、特別図柄の変動表示が開始された後、表示制御が進行して表示結果が停止表示される前段階において、特定の表示態様、つまり大当たり図柄の組合せ(同一図柄の組合せ)が表示され易い可変表示態様となったと遊技者に思わせるための表示態様をいう。この実施例では、リーチ状態の1つとして、画像表示部50の左,中,右特別図柄表示領域のうち、最終停止図柄(ここでは中特別図柄)を表示する表示領域(ここでは中特別図柄表示領域)だけを残して、残りの2つの表示領域で図柄が特定の組合せ(例えば同一図柄)となるように仮停止するリーチ変動表示処理がなされている。
また、リーチ状態時には、画像表示部50における特別図柄(主に最終停止特別図柄)の変動時間を長くしたり、画像表示部50における特別図柄を利用した図柄利用演出や特別図柄の背後に表示されるキャラクタや背景等を表示してリーチアクションが演出されるようになっている。なお、リーチ状態になる前に、リーチ状態になる可能性または大当たりになる可能性が高いことを報知する予告(予兆)が演出されるようにしてもよい。予告態様としては、画像表示部50上へのキャラクタの表示や残像表示等が挙げられる。
遊技板3の大入賞装置60(遊技特典付与装置)の略中央には、大入賞装置60に入球した遊技球を検出する入球検出手段として入賞球数カウントスイッチ61(後記図7等参照)が設けられ、遊技球の入球(入賞)の検出により大入賞装置60を再度開ける継続権利が成立するようにされている。前記の各入賞口への遊技球の入球を各検出スイッチが検出、すなわち遊技における入賞条件が成立すると、賞球払出装置によって、入球数に応じて予め設定されている所定数の遊技球が賞品球として払い出されるようになっている。開閉板601は、所定時間(例えば30秒)経過後、あるいは大入賞装置60内(入賞球数カウントスイッチ)で検出された入球数が所定個数(例えば10個)となった時点で閉じるようにされている。
また、大入賞装置60の開放中または大入賞装置60が閉じてから約2秒以内に、入賞球数カウントスイッチ(カウントセンサ)61(後記図7等参照)が入球を検出すると、前記大当たりを再度繰り返す継続権利が発生し、所定最高回数、実施例では最高15回、開閉板601(特別電動役物)の開放を繰り返すようになっている。このような所定回数の開閉板601の開放は、特別遊技(大当たり遊技)とも呼ばれる。一連の開閉板の開閉動作はラウンド遊技と称され、実施例のとおり15ラウンドが実行される。従って、大入賞装置60は遊技領域6に備えられて遊技球の受け入れと共に、遊技者に遊技上の特典の付与を可能とする。大入賞装置60は遊技特典付与装置である。
この実施例の遊技機1は特典遊技として確率変動機能及び時間短縮機能を備えた機種であり、大当たり成立時における大当たり特別図柄組合せが確変及び時短図柄である‘1’,‘3’,‘5’,‘7’,‘9’,‘11’のいずれかの奇数のぞろ目(以下、当該特別図柄の組合せを特定図柄という。)であるときには、大当たり(特別遊技状態)の発生に加えて、大当たり終了後に確率変動及び時間短縮が生じ、すなわち次回の大当たり発生確率が平時における通常遊技状態(低確率状態:1/315)よりも高い確率変動状態(高確率状態:7/315)に移行されると共に、特別図柄が変動開始してから確定表示されるまでの時間が通常より短くなる。当該確率変動状態及び時間短縮状態は次回の大当たりまで継続するようになっている。また、大当たり成立時における大当たり図柄組合せが通常図柄である‘0’,‘2’,‘4’,‘6’,‘8’,‘10’のいずれかの偶数のぞろ目(以下、当該特別図柄の組合せを非特定図柄という。)であるときには、大当たり終了後は、通常遊技状態(低確率状態:1/315)とされ、時間短縮も行われず、通常遊技状態は次回の大当たりまで継続する。なお、確率変動状態時に、再び上記確変及び時短図柄のぞろ目で大当たりが成立した場合には、その大当たり終了後に再度確率変動状態になる。
前記した入賞口用検出スイッチの他に遊技板背面に設けられているものとしては、始動入賞口10の可動片11a,11bを開閉する始動入賞口用ソレノイドと、大入賞装置60の開閉板601を開閉する大入賞装置開放ソレノイド(作動部材)620(図7等参照)等があり、普通図柄変動開始用左ゲート19及び普通図柄変動開始用右ゲート21には通過する遊技球を検出するゲート検出スイッチがある。
ゲート検出スイッチで両ゲート19,21を通過する遊技球を検出することにより、画像表示部50の普通図柄表示領域41における普通図柄の変動を開始させるようになっている。そして、普通図柄表示領域41において図柄変動した後に確定表示された図柄が予め設定されている特定の図柄であった場合には、小当たり(普通図柄当たり)となり、始動入賞口10の可動片11a,11bの拡開開放を所定時間行うようになっている。
図3に示すように、遊技機1の遊技板の裏面側には、該遊技板の前面側に配設された前記画像表示装置9の画像表示部への図柄等の表示制御を行う図柄制御基板257、同じく遊技板の前面側である遊技領域6に配設された入賞口に入球した遊技球を集合させる集合路を有する集合板(図示せず)が設けられている。
図3の符号240は遊技球を貯留する貯留タンク、241はタンクレール、242は枠用外部出力端子基板、243はランプ中継基板、244は受電基板、245は賞球センサ中継基板、246は盤面用外部出力端子基板、247は中継基板、248は音声制御基板、249はFG中継基板、250は主制御基板、251は電源基板、252はランプ制御基板、253は払出制御基板、254は発射装置制御基板、255はカードインターフェイス接続部、256は電源プラグ、257は図柄制御基板、260は制御基板収容ケース、Gは接地線である。
図柄表示装置43における図柄変動の制御は、図4に示す主制御回路121及び該主制御回路121と前記画像表示装置9とを接続する表示制御回路161によって行われる。
主制御回路121は、CPU,RAM,ROM、並びに複数のカウンタを備えたコンピュータと、該コンピュータと表示制御回路161等を結ぶ入出力回路と、前記コンピュータと大入賞装置60に接続される中継回路141等を結ぶ入出力回路等で構成される。CPUは、制御部,演算部,各種カウンタ,各種レジスタ,各種フラグ、各種タイマ等を備え、演算制御を行う他、大当たりの発生確率や小当たり(始動入賞口10の拡開開放を行う普通図柄当たり)の発生確率を定める乱数等も生成している。当該CPUは、実施例において、制御手段、記憶手段、当否判定手段、特別遊技実行手段、特典遊技実行手段、主制御手段、時間設定手段、計測手段、遊技進行制御手段、報知制御手段、エラー報知手段、遊技進行検出手段、振動制御手段等に相当し、前記列記した各手段に係る処理は同主制御回路121内のRAM,ROM等と連携して適式に各種演算されることにより、遊技機1における遊技進行は制御されている。また、前記RAMは、記憶手段に相当し、始動入賞口検出スイッチの検出信号及びゲート検出スイッチの検出信号に関する記憶領域,CPUで生成される各種乱数値用の記憶領域,各種データ(コマンドデータ)を一時的に記憶する記憶領域やフラグ,CPUの作業領域を備えており、後述する判定図柄の図柄情報(各カウンタの取得数値)等の各種データを記憶する。さらに、前記ROMには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、後述する各遊技状態における大当たり等の判定値等が書き込まれている。
主制御回路121には遊技施設管理コンピュータHCが接続され、当該遊技機の現在の遊技状態、賞球数、さらには後記する球詰まりや振動に伴うエラーの情報が送信される。
表示制御回路161は、表示制御手段であると共に報知手段、エラー報知手段に相当し、CPU,RAM,ROMを備えたコンピュータと、該コンピュータと主制御回路121を結ぶ入力回路と、前記コンピュータと図柄表示装置43を結ぶ出力回路等で構成される。前記CPUは、内部に制御部,演算部,各種カウンタ,各種レジスタ,各種フラグ等を有し演算制御を行うようになっている。また、前記RAMは、記憶領域と前記CPUによる作業領域等を有しており、主制御回路121のRAMと同様にカウンタの取得数値等の各種データを記憶する。さらに、前記ROMには、図柄表示装置43の画像表示部50への表示データや各種表示プログラム等の図柄データが書き込まれている。表示制御回路161は、主制御回路121と共に図柄表示装置に相当し、画像表示装置9(特には図柄表示装置43の画像表示部50)に表示される遊技画像(特別図柄、普通図柄、図示はしないがキャラクタ、風景等の背景画像等)、さらには後記する球詰まりを報知する画像の表示制御に関する信号を主制御回路121から受信し、表示用データを設定して表示制御を行う。
中継回路141には遊技板3に配設された大入賞装置15に係わるスイッチ、発光制御回路115には枠飾り左ランプ39L,枠飾り右ランプ39R及びその他の発光体、LED等が接続されている。加えて、払出制御回路118には貸球払出装置96、発射制御回路119等が接続され、当該発射制御回路119には発射装置91が接続されている。また、この払出制御回路118及びフォト分配回路146には賞球払出装置95が接続されており、音声制御回路112にはスピーカ37が接続されている。音声制御回路112及び発光制御回路115についても、それぞれに制御用CPU、制御データROM、制御データRAMが適式に備えられ(図示せず)、主制御回路121から送信される各種コマンド(リーチ、大当たり、小当たり、特別遊技状態実行中、特典遊技状態実行中、球詰まりの異常報知等)を受信し、各種コマンドに応答した音声、発光が実行される。加えて、後述の第1実施例として開示する大入賞装置開放ソレノイド620(作動手段)、振動ソレノイド650(振動手段)は中継回路141に接続され主制御回路121の制御を受ける。図示はしないが、各制御回路に対し電源装置(電源基板)から所定の電源供給が行われている。また、振動手段の他の例として、カムを備えたモータ655(後記図17参照)を備える場合も中継回路141に接続され主制御回路121の制御を受ける。
これより、遊技機1における遊技特典付与装置である大入賞装置60の構造を説明する。図5ないし図16に開示する大入賞装置60は第1実施例である。図5は大入賞装置60の正面図であり、実施例の大入賞装置60は、木ねじ等を介して取付ベース605(装飾部材)により遊技板3の前面の遊技領域6に固定される(図9参照)。大入賞装置60には、遊技領域6上を流下している遊技球Pを当該大入賞装置内へ受け入れる開口部として、遊技板3(遊技領域6)の左右方向に横長の大入賞装置入球口603(本発明における入賞口に相当する)が開口形成されている。大入賞装置入球口603(開口部)の横幅は複数の遊技球を同時に流入可能とした長さである。実施例の開閉板601は、後述するように、ケース板部631にその一端側608が軸支されている。詳細には、回動軸部611がケース板部631の下辺部に軸支されている(図6,7等参照)。開閉板601は、大入賞装置入球口603(取付ベース605)の開口縁部609にその一端側が軸支されるように構成してもよい。開閉板601(回動扉)の回動により大入賞装置入球口603の開放、閉鎖が変化し大入賞装置60内への遊技球の入球調節が可能となる。図中、符号61は入賞球数カウントスイッチ(入球検出手段)、602は受球面、606lは左側板部、606Rは右側板部、616lは左錘部、616Rは右錘部、612は正面部(受球面の反対面)である。取付ベース605が遊技板3に固定されることにより、開閉板601が取付ベースの開口部である取付ベース開口605oに臨んだ配置となる。取付ベース605は大入賞装置入球口603(開口部)の周囲を囲み、装飾していることから装飾部材となる。
図6は取付ベースを取り外して示す大入賞装置60の全体斜視図であり、図7は取付ベースを含めた大入賞装置60の分解斜視図である。大入賞装置は遊技板の上下方向に扁平箱型の直方体形状の機構ケース体630からなり、ケース板部631の上側にケースカバー部632が被着される。ケース板部631は大入賞装置60を構成する部材を搭載するベース体となる。ケースカバー部にはカバー側面部633が形成される。大入賞装置60の大入賞装置入球口603側の下辺部634には開閉板601の回動軸部611の回動中心が配されていることにより、遊技領域を流下する遊技球を受け入れて同大入賞装置内へ誘導可能とする開放状態と、遊技領域を流下する遊技球を受け入れず同大入賞装置内へ誘導不可能とする閉鎖状態との間で開閉板601は回動できる。
図6では開閉板601の開放状態が示され、遊技領域を流下する遊技球P(破線表記)は開放状態の開閉板601の受球面602に受け止められ、そのまま大入賞装置入球口603の転動面604上を転動する。そして遊技球Pは入賞球数カウントスイッチ61まで誘導される。また、図6から理解されるように、機構ケース体630には転動面604を底面とした遊技球が転動可能な遊技球転動空間が内部に形成されている。転動面604には大入賞装置入球口603から入球した遊技球を入賞球数カウントスイッチ61まで誘導し易くするための傾斜が設けられている。大入賞装置入球口603から入球した遊技球が入賞球数カウントスイッチ61を通過するまでに転動する面が、本発明の転動面となる。
図7より理解されるように、この大入賞装置60の機構ケース体630の内部には、開閉板601を開放状態と閉鎖状態との間で回動させる大入賞装置開放ソレノイド620(作動手段に相当する。)と、大入賞装置60の転動面604を振動させる振動ソレノイド650(振動手段に相当する。)の2個のソレノイドが配置されている。大入賞装置開放ソレノイド620にはプランジャ621、プランジャ板体622が備えられ、開閉板可動部材640のプランジャ挟持突部644と係合しており、ソレノイドの進退動作が開閉板601に伝達される。振動ソレノイド650にもプランジャ651、プランジャ板体652が備えられ、当接片660のプランジャ挟持突部661と係合しており、ソレノイドの進退動作が当接片660に伝達される。機構ケース体内に振動ソレノイドも収めることにより、振動手段を設ける場所が節約できる。特に、遊技板の背面には各種基板(図3参照)が備えられることから都合よい。また、配置設計も容易となる。符号662は当接片の軸部、639は通過路である。
入賞球数カウントスイッチ61には、遊技球が1球通過できる大きさのセンサ通過口62が形成され、ここを遊技球が1球ずつ通過し、その通過の有無並びに通過個数が前記の主制御回路121にて確認される。この構造からわかるように、数多くの遊技球が一度にセンサ通過口62に流れ込むことになれば、大入賞装置入球口603の転動面604で球詰まりを招くおそれがある。そこで、遊技球が滞留しやすい転動面604に振動を生じさせることにより、転動面上の遊技球同士を滑りやすくして球詰まりの解消につながる。特に、前記の振動ソレノイド650(振動手段)は転動面に振動を生じさせる役割を担う。なお、図中の符号605oは取付ベース開口、605uは取付ベース開口の上端、605dは取付ベース開口の下端である。
図8は大入賞装置60(機構ケース体630)の下方からの全体斜視図である。図1,2から明らかなように大入賞装置60の直上に始動入賞口10が配置される。このため、始動入賞口に入賞した遊技球は機構ケース体630の通過路639内を経由して遊技板の背面側に備えられた集合路を有する集合板(図示せず)に集められる。また、前記の転動面604から入賞球数カウントスイッチ61のセンサ通過口62を通過した遊技球は機構ケース体下部の排出口63から同様に遊技板の背面側の集合路を有する集合板(図示せず)に集められる。排出口63及び通過路639は断面視でほぼ正方形状に形成され、それぞれの一辺の長さは遊技球1球の直径よりも僅かに大きく、遊技球が一度に2球排出されるおそれもない。符号605vは取付ベースのねじ穴である。図7及び図8から理解されるように、機構ケース体630は、取付ベース605(装飾部材)の背面側に、大入賞装置入球口603(開口部)からの遊技球が流入可能なように連接して配置されている。これにより、本発明の入賞口に機構ケース体630を連接させて配置した状態となる。
図9の概略上面図をもとに大入賞装置60を遊技板3に組み付ける様子を説明する。本実施例の大入賞装置とは開口部のみを指すのではなく、開口部を有した大入賞装置のことを指している。第1実施例の大入賞装置60は、はじめに取付ベース605に各機構を備えた機構ケース体630がねじにより固定される。図9(a)のとおり取付ベースと機構ケース体からなる大入賞装置60ができあがる。遊技板3には大入賞装置60の機構ケース体630を受け入れる板開口3o(本発明の入賞口に相当する)が形成され、同板開口3oに向けて機構ケース体630が挿入される。板開口3oは遊技球が複数入球可能な横長の開口部である。図9(b)のとおり、遊技板3の板開口3o内の所定位置に機構ケース体630が収まったところで、取付ベース605に複数箇所設けられたねじ穴605v(図8参照)に木ねじ等が挿入される。この実施例の大入賞装置60では、箱型形状の機構ケース体630は遊技板3の背面3b側から連接して備えられる。こうして、大入賞装置60は取付ベース605を介して遊技板3に取り付けられる。実施例において、大入賞装置入球口603は本発明における入賞口に相当し、また、遊技板3の板開口3oも本発明の入賞口に相当する。
開閉板601の位置状態と大入賞装置開放ソレノイド620の駆動は、図10の主要部左側面図並びに図11の分解図として示すことができる。大入賞装置開放ソレノイド620に挿通されているプランジャ621は同ソレノイド620への通電(励磁)と同時に付勢ばね623に抗してその内部に後退し、プランジャ621の末端部分に形成されたプランジャ板体622も同時に後退する。開閉板可動部材640には棒状のプランジャ挟持突部644,644が設けられているため、プランジャ挟持突部644,644もプランジャ621のプランジャ板体622に引き寄せられて後退する(矢印d11)。すると、開閉板可動部材640は、可動部材軸部641を回動の軸として可動ロッド部642が上向きとなる回動をする(矢印d12)。
左側板部606lは開閉板上腕部613と一体化されており、当該開閉板上腕部613の下方には開閉板下腕部614が設けられている。開閉板可動部材640の上向きの回動に伴って可動ロッド部642も持ち上がり、可動ロッド係合部643が上昇する(矢印d13)。開閉板601は、左錘部616l,右錘部616rの自重により大入賞装置入球口603側の下辺部634(図6参照)を開閉板軸部611の回動軸として回動し(矢印d14)、開閉板は遊技領域に対して開放状態となる。開閉板601が最大量まで開放状態となる場合には、開閉板下腕部614の先端部と可動ロッド係合部643が係合する(図10参照)。
図12の大入賞装置60の正面図から把握されるように、開閉板601は、大入賞装置を開放する開放条件が成立するまでは(大当たり遊技が実行されるまでは)大入賞装置60(大入賞装置入球口603)へ遊技球Pを誘導不可能とする閉鎖状態にある。遊技領域を流下する遊技球Pは開閉板601の正面部612をそのまま流下し、前記のアウト口17より遊技板外に排出される。
閉鎖状態の開閉板601の位置状態と大入賞装置開放ソレノイド620の駆動は、図13の主要部左側面図並びに図14の分解図のとおり示すことができる。大入賞装置開放ソレノイド620に挿通されているプランジャ621は同ソレノイド620への通電(励磁)が無くなると、付勢ばね623の付勢力によりプランジャ621及びその末端部分に形成されたプランジャ板体622も同時に前進する(矢印d21)。このプランジャ621の前進に伴いプランジャ板体622は開閉板可動部材640のプランジャ挟持突部644,644を押し当てる。すると、開閉板可動部材640は、可動部材軸部641を回動の軸として図10の場合と逆に可動ロッド部642が下向きとなる回動をする(矢印d22)。
開閉板可動部材640の下向きの回動に伴って可動ロッド部642は下がり、可動ロッド係合部が降下する(矢印d23)。可動ロッド部642の先端の可動ロッド係合部643は、開閉板下腕部614の下腕部係合面618に当接する。この当接を利用して開閉板601は、大入賞装置入球口603側の下辺部634(図6参照)を開閉板軸部611の回動軸として回動し(矢印d24)、開閉板は遊技領域に対して閉鎖状態となる(図12参照)。
図15及び図16の構造概略図を用い、振動手段である振動ソレノイド650の動作を説明する。図15(a)とそのX部分の拡大である(b)に示しているように、振動ソレノイド650に挿通されているプランジャ651は同ソレノイド650への通電(励磁)と同時に付勢ばね653に抗してその内部に後退し、プランジャ651の末端部分に形成されたプランジャ板体652も同時に後退する(矢印d31)。逆さh字状の当接片660には逆U字状のプランジャ挟持突部661が設けられ、プランジャ板体652にプランジャ挟持突部661は係合している。プランジャ挟持突部661は、プランジャ651のプランジャ板体652に引き寄せられ、当接片の軸部662を回動軸としてカバー側面部633から離れるように回動する(矢印d32)。そして、当接片660は遊技球転動空間を形成する壁部と当接する。このとき、遊技球転動空間を形成する壁部の背面側から転動面604に対して振動が加えられるものの、遊技機の上下方向には振動が加わらないため、転動面604を転動している遊技球の振動による跳ね上がりは防止可能となる。
次に、図16(a)とそのY部分の拡大である(b)に示しているように、振動ソレノイド650に挿通されているプランジャ651は同ソレノイド650への通電(励磁)が無くなると、付勢ばね653の付勢力によりプランジャ651及びその末端部分に形成されたプランジャ板体652も同時に前進する(矢印d41)。このプランジャ651の前進に伴いプランジャ板体652と係合しているプランジャ挟持突部661は、プランジャ板体652に引き寄せられて当接片の軸部662を回動軸としてカバー側面部633に当接するように回動する(矢印d42)。
当接片660の当接の結果、カバー側面部633に衝撃が生じると共に機構ケース体630(ケース板部631、ケースカバー部632)に伝播して、転動面604に衝撃は伝わる。図15及び図16に図示のように、振動ソレノイド650に挿通されているプランジャ651の進退動作が、例えば4msec毎の小刻みに繰り返されることにより、大入賞装置入球口603の転動面604に遊技球が溜まり始めたときであっても、遊技板に対し前後方向あるいは左右方向に機構ケース体630を直接振動させることができる。この振動により遊技球同士は滑りやすくなり球詰まりは効率よく解消されやすくなる。図示の実施例では、当接片660が当接部に相当し、振動ソレノイド650のプランジャ651が駆動部に相当する。当接片660を介在させたことにより、プランジャの進退動の衝撃を若干緩和できるため、機構ケース体の極端な振動発生を抑えることができる。なお、より強く機構ケース体を振動させたい場合には、当接片を省略しプランジャ板体652(プランジャ651)を当接部として直接機構ケース体に衝撃を与える構造とすることもできる。また、振動ソレノイド650が非励磁状態のときにはカバー側面部633に当接せず、励磁状態となったときに遊技球転動空間を形成する壁部にのみ当接して転動面604を振動させるようにしてもよい。これにより、不必要に転動面604を振動させることを防止しながら球詰まりの解消を図ることができる。
図17は振動手段の別例を示す概略図である。この例では前記の振動ソレノイドの代わりに振動モータ655が設けられ、そのシャフトsfにカム665が装着される。シャフトsfはカム665の中心からずれた位置に取り付けられている。シャフトの1回転に1回ずつカム665はカバー側面部633と当接し衝撃が生じ、機構ケース体は振動される。図17の例では、カムは当接部と駆動部を兼ねる。振動手段にソレノイドを用いる場合、振動に要する機構を小型とすることができるため、大入賞装置自体を小さく構成することができる。また、振動手段に振動モータを用いる場合、回転数により、より大きな振動を生じさせることが可能である。そこで、入賞口の構造、受け入れる遊技球の数等を考慮して振動手段は規定される。
図18は第2実施例の大入賞装置60Aの概略上面図であり、前出の図9とは異なる遊技板3との組み付け態様を示す。第2実施例の大入賞装置60Aにあっては、大入賞装置開放ソレノイド620がケース板部631Bに固定され、このケース板部631Bが取付ベース605に固定される。ケース板部631Bに前記の開閉板可動部材が備えられ、併せて開閉板軸部が軸支され、開閉板が接続されている、すなわち、開閉板の回動駆動に関係する機構が集約されている。また、前出の大入賞装置入球口、転動面、入賞球数カウントスイッチ等の遊技球流路に関連する部材、振動ソレノイド、当接片等の振動発生に関連する部材は機構ケース体630A(ケースカバー部632A)内に収容されている。
そこで、図18(a)のように、まず、ケース板部631Bが接続された取付ベース605Aがねじにより遊技板3の前面3f側に固定される。そして、機構ケース体630A(ケースカバー部632A)が、遊技板3の裏面3b側からケース板部631Bに重ねられる。機構ケース体630Aと、取付ベース605A(装飾部材)に固定されたケース板部631Bとの取り付けは、適度に隙間を形成した(離間した)状態で接続される。これは、機構ケース体630A内で振動ソレノイド(振動手段)により生じた振動がケース板部631Bを通じて、取付ベース605A(装飾部材)や遊技板3にまで伝わり難くするためである。これにより、機構ケース体630Aが取付ベース605Aとは独立して振動手段により振動される。また、遊技機の前後方向で取付ベース605Aと機構ケース体630Aとを離間させて遊技板3に取り付けるようにしてもよい。このとき、離間させる距離としては開閉板601の受球面602と転動面604との間に遊技球が滞留しない程度である。そこで、機構ケース体に生じた振動が取付ベース605Aへより伝わり難くすることができる。
図18(b)のとおり、ケース板部631B上の所定位置にケースカバー部632Aが被さり双方は離間した位置状態で仮固定される。ケースカバー部632Aには位置決め部材638は備えられ、位置決め部材638は遊技板3の裏面3bの予め規定された位置に当接される。位置決め部材に固定ねじ636が挿通され、同位置決め部材を介して機構ケース体630A(ケースカバー部632A)は遊技板3の裏面3bに固定される。
続く図19は前記の固定ねじによる機構ケース体と遊技板の裏面との固定の様子を示す。位置決め部材638に固定ねじ636を挿入して、ケースカバー部632A(機構ケース体630A)を遊技板3に固定するに際し、図19(a)からよくわかるように、位置決め部材の凹部637に、免振部材670が装着される。免振部材670には固定ねじ636を挿通可能とする貫通部672が形成された台形錐形状の環状体である。位置決め部材の凹部637に免振部材の側面部671が密着する(同(b)参照)。この免振部材は、SBR、シリコーンゴム、フッ素樹脂ゴム等の公知のゴム素材、エポキシ樹脂等の弾性体からなる。符号636hはねじ頭部、636sはねじ溝部である。
固定ねじ636は木ねじ等であり、木製合板等からなる遊技板3の裏面3bに食い込んで機構ケース体630Aの固定が完了する(図19(b)参照)。位置決め部材638に遊技板3(裏面3b)を密着させる際に、免振部材670を介在させていない場合、前記の振動手段(振動ソレノイド)に起因して機構ケース体630Aに生じた振動は、直接位置決め部材638から固定ねじ636を通じて遊技板3に伝わる。すると、遊技板3に不必要な振動が伝わり、他の入賞口、役物等の動作に影響を及ぼすおそれがある。しかし、図示の第2実施例のように、位置決め部材638と固定ねじ636の間に免振部材670を備えることによって、位置決め部材638から固定ねじ636を通じて遊技板3に伝わる振動を緩和することができる。従って、機構ケース体630Aと遊技板3とを固定しつつ、機構ケース体側からの振動の伝達をより抑えることができる。この免振部材の構成は前出の第1実施例における取付ベースと遊技板の取り付けにも適用することができる。また、免振部材としてばね等の弾性部材を用いてもよい。さらに、板開口の後端に大入賞装置入球口が連結されて大入賞装置が板開口内に挿通されない構成とすれば、大入賞装置自体を大きく揺り動かすことが可能となる。
引き続いて、遊技機1の主制御回路121における制御システムを説明する。図4に示す主制御回路121のCPUの主なカウンタとしては、大当たり当否判定乱数用カウンタ、大当たり図柄乱数用カウンタ、リーチ乱数用カウンタ、特別図柄データ乱数用カウンタ、演出乱数用カウンタ等のカウンタがある。各カウンタの所定時に取得された数値は、主制御回路121のRAM内に最高4個まで格納される。なお、前記RAMに記憶された各カウンタの数値は、該カウンタに基づく一連の遊技動作処理がされた後にクリアされる。各カウンタの作動については以下に示す。
大当たり当否判定乱数用カウンタは、遊技の大当たり及び外れを判定する乱数カウンタであり、乱数範囲:0〜314である。このカウンタは、当該遊技機1における当否判定手段に相当し、遊技球の検出に起因して当否判定を抽選するカウンタである。これは、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、後記の主要乱数更新処理毎に1ずつ加算され、数値が‘314’に至ると、再び‘0’に戻って加算を繰り返す。当該カウンタの数値は、遊技球が始動入賞口10に入賞(入球)して始動入賞口検出スイッチによって検出されたときに取得され、予め決定されている大当たり数値、この実施例では通常図柄組合せである平時(低確率状態時)には‘7’と対比され、確変図柄組合せである確率変動状態時(高確率状態時)には‘7’,‘57’,‘107’,‘157’,‘207’,‘257’,‘307’との対比により大当たりか否か判断される。
また、当否の判定が終了するまでの間に、遊技球が始動入賞口10に入賞(入球)してカウンタの数値が再び取得されることがあるため、カウンタの記憶取得値(更新取得数値)は、現在判定中の取得値を含めず始動入賞口10のそれぞれの入球毎に最大4個が、主制御回路121のRAMにいったん格納され、順次判定に供される。
大当たり図柄乱数用カウンタは、前記の当否判定結果が当たりの場合に画像表示部50に確定停止して揃う確定停止大当たり特別図柄組合せを決定するカウンタであり、乱数範囲:0〜11である。このカウンタは、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、後記の主要乱数更新処理毎に1ずつ加算され、数値が‘11’に至ると、再び‘0’に戻って加算を繰り返す。当該カウンタの数値は、遊技球が始動入賞口10に入賞(入球)して始動入賞口検出スイッチによって検出されたときに取得され、変動表示中の図柄に対するものを含めず始動入賞口10のそれぞれの入球毎に最大4個まで主制御回路121のRAMの特別図柄乱数記憶領域に格納される。前記大当たり図柄乱数用カウンタの数値には、各数値に対応する確定大当たり停止図柄組合せが予め割り当てられている。実施例においては、同カウンタの取得数値が‘0’の場合、左,中,右特別図柄は順に『0,0,0』、以下同様に‘1’の場合に『1,1,1』、‘2’の場合に『2,2,2』、‘3’の場合に『3,3,3』、‘4’の場合に『4,4,4』、‘5’の場合に『5,5,5』、‘6’の場合に『6,6,6』、‘7’の場合に『7,7,7』、‘8’の場合に『8,8,8』、‘9’の場合に『9,9,9』、‘10’の場合に『10,10,10』、‘11’の場合に『11,11,11』のぞろ目(全特別図柄同一)を確定大当たり停止図柄組合せとして最終的に確定停止表示する。
なお、本実施例において、大当たり図柄乱数用カウンタは、その取得数値により、当たり特別図柄が設定される他、確率変動状態になるか否かの設定等が決定され、当たり特別図柄の表示以降の遊技機が演出する遊技を主制御回路121内において、遊技制御手段として作用する。
リーチ乱数用カウンタは、大当たり当否判定乱数による大当たり当否判定結果が外れとなる場合において、リーチ状態となるか否かを決定するカウンタであり、乱数範囲:0〜126である。このカウンタは、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、後記の主要乱数更新処理毎に1ずつ加算され、数値が‘126’になると、再び‘0’に戻って加算を繰り返す。当該カウンタの数値は、遊技球が始動入賞口10に入賞(入球)して始動入賞口検出スイッチによって検出されたときに取得され、当否判定結果が外れの場合、その数値が予め決定されているリーチ成立数値と対比されてリーチ状態成立か否か判断される。
この実施例では、リーチ成立数値は、‘5’,‘17’,‘28’,‘40’,‘51’,‘63’,‘74’,‘86’,‘97’,‘109’,‘120’となっており、リーチ乱数用カウンタの取得数値が当該リーチ成立数値となった場合には、リーチ状態が成立する。当該リーチ乱数用カウンタの取得数値は、主制御回路121のRAMに所定数、この例では、決定中の数値を含めず始動入賞口10のそれぞれの入球毎に最大4個まで格納される。実施例では、前記大当たり当否判定乱数用カウンタによる大当たり当否判定結果が大当たりとなる場合には、必ずリーチ状態が成立するため、リーチ乱数用カウンタは使用されない。
特別図柄データ乱数用カウンタは、前記大当たり当否判定乱数用カウンタによる大当たり当否判定結果が外れとなる場合において、画像表示部50に確定停止表示する外れ特別図柄組合せの決定に用いられる。この特別図柄データ乱数用カウンタは、画像表示部50に確定停止表示する左特別図柄を決定する特別図柄データ1の乱数用カウンタと、中特別図柄を決定する特別図柄データ2の乱数用カウンタと、右特別図柄を決定する特別図柄データ3の乱数用カウンタより構成され、いずれの特別図柄データ乱数用カウンタとも、乱数範囲:0〜11である。
特別図柄データ1の乱数用カウンタは、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、後記の主要乱数更新処理毎に1ずつ加算され、数値が‘11’になると、再び‘0’に戻って加算を繰り返す。特別図柄データ2の乱数用カウンタは、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、特別図柄データ1の乱数用カウンタが‘0’に更新された際に1ずつ加算され、数値が‘11’になると、再び‘0’に戻って加算を繰り返す。特別図柄データ3の乱数用カウンタは、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、特別図柄データ2の乱数用カウンタが‘0’に更新された際に1ずつ加算され、数値が‘11’になると、再び‘0’に戻って加算を繰り返す。各カウンタの取得数値は、主制御回路121のRAMに所定数、この例では、決定中の数値を含めず始動入賞口10のそれぞれの入球毎に最大4個まで格納される。このため、各特別図柄データの乱数用カウンタの各乱数範囲が同一であっても、当該各カウンタが同期(同一の組合せで加算)するのを避けることができる。
各特別図柄データの乱数用カウンタの数値には、各数値に対応する図柄が予め割り当てられている。実施例では、それぞれのカウンタの各取得数値に対し、当該取得数値が‘0’の場合に『0』、‘1’の場合に『1』、‘2’の場合に『2』、‘3’の場合に『3』、‘4’の場合に『4』、‘5’の場合に『5』、‘6’の場合に『6』、‘7’の場合に『7』、‘8’の場合に『8』、‘9’の場合に『9』、‘10’の場合に『10』‘11’の場合に『11』とする特別図柄が割り当てられている。こうして、外れ時の画像表示部50に確定停止表示する左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄組合せが決まる。
演出乱数用カウンタは、下記の表1の第1テーブルパターン、表2の第2テーブルパターンより特別図柄変動の変動パターンを選択するカウンタであり、乱数範囲:0〜198である。演出乱数用カウンタは、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、後記の主要乱数更新処理毎に1ずつ加算され、数値が‘198’になると、再び‘0’に戻って加算を繰り返す。この演出乱数用カウンタの取得数値は、主制御回路121のRAMに所定数、実施例では、決定中の数値を含めず始動入賞口10のそれぞれの入球毎に最大4個まで格納される。大当たり当否判定乱数による大当たり当否判定結果が当たりの場合、第1テーブルパターンの変動パターン11,12,13が用いられ、同当否判定結果が外れの場合、第2テーブルパターンより、リーチ有りならば変動パターン21,22,23が用いられ、リーチ無しならば変動パターン24,25,26が用いられる。この例によると、演出の変動時間も併せて選択される。
主制御回路121に設けられるフラグとしては、大当たりフラグ、大当たり終了フラグ、始動入賞口入賞フラグ、特別遊技実行中フラグ、確変(確率変動)フラグ、リーチフラグ、時短フラグ、普通図柄当たり(小当たり)フラグ等の種々のフラグが挙げられる。なお、これらのフラグは、初期設定時には全てOFFにセットされている。
実施例の遊技機1の主制御回路121が実行する処理を以下のフローチャートを用い説明する。主制御回路121のCPUは同回路のROM内に記憶されている各種プログラムに従いメイン処理Mを実行する。メイン処理Mにおいては、図20のフローチャートから理解されるように、初期設定(S1)、割り込み禁止処理(S2)、主要乱数更新処理(S3)、割り込み許可処理(S4)、割り込み処理(S10)が行われる。
初期設定(S1)では、スタックの設定、定数設定、CPUの設定、割り込み時間の設定、SIO,PIO,CTCの設定等が行われる。メイン処理Mは割り込み時間毎に繰り返し行われるが、初期設定(S1)は電源投入時のみ必要となるため最初の1順目のみ実行され、以降は実行されない。割り込み禁止処理(S2)では、実施例の場合、4msec毎に割り込み処理(S10)が入ってきても所定の割り込み許可条件が満たされるまで、割り込みを禁止する。主要乱数更新処理(S3)では、前記の各カウンタの乱数値が同更新処理(S3)を経る毎に1ずつ加算更新され、前記の対応した乱数の上限値に至ると‘0’に戻り、再度加算が始まる。更新された各乱数は主制御回路121のRAM内に記憶される。割り込み許可処理(S4)では、4msec毎に入ってくる割り込み処理(S10)に許可を与える。
割り込み処理(S10)においては、図21のフローチャートから理解されるように、出力処理(S100)、入力処理(S200)、主要乱数更新処理(S300)、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)、普通動作処理(S500)、特別動作処理(S1000)、保留球数処理(S1500)、異常検知処理(S1600)、その他の処理(S1700)が行われる。
出力処理(S100)では、各処理により主制御回路121のRAMのコマンドバッファ内に出力データの有無が確認され、出力データがある場合には、当該出力バッファ内の出力データが各々の制御回路に出力される。出力データがない場合には、データの出力は行われず終了する。出力データには、特別遊技状態、特典遊技状態、確率変動状態等の各種遊技状態のコマンド、エラー報知のコマンド等がある。
入力処理(S200)では、遊技機1に備えられている各種のセンサ(検出スイッチ)による検出信号がある場合の信号入力が行われる。
主要乱数更新処理(S300)では、前記のメイン処理Mにて行われている主要乱数更新処理(S3)と同様の処理が行われる。
始動入賞口スイッチ検出処理(S400)では、図22のフローチャートから理解されるように、始動入賞口10へ遊技球が入賞したか、すなわち、始動入賞口10への遊技球の入球が始動入賞口検出スイッチにより検出されたか否か確認される(S401)。始動入賞口への入賞確認が無ければ当該始動入賞口スイッチ検出処理(S400)は終了する。始動入賞口への遊技球の入賞がある場合、主制御回路121のRAM(検出数記憶手段に相当)に記憶されている特別図柄用の保留球数が4以上であるか否か確認される(S402)。ここで、保留球数が4以上の場合、保留球数の設定限度を超えているため、当該始動入賞口スイッチ検出処理(S400)は終了する。
保留球数が4以上でない(4未満)場合、特別図柄用の保留球数に、始動入賞口検出スイッチにて検出した遊技球検出数が1加算される(S403)。続いて、主制御回路121のRAM内に記憶されている特別図柄に関係する乱数値が取得され、現在の保留球数に対応するRAMアドレスに当該取得乱数がセーブ(記憶、保存)される(S404)。S404にて取得される乱数とは、大当たり当否判定乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、特別図柄データ乱数、演出乱数等である。現在の保留球数に対応するRAMアドレスに当該取得乱数がセーブされるとは、例えば、現在の保留球数が1の場合、この保留球数1に対応するRAMアドレスに前記の乱数値がセーブされることであり、以下保留球数に応じて同様にセーブされる。
普通動作処理(S500)では、普通図柄の当否判定、図柄設定に関連する乱数の取得が行われ、普通図柄当たり(小当たり)の判定、普通図柄の変動や停止、始動入賞口10の開閉等の普通図柄に関連する処理が行われる。本発明の説明にあたり、普通図柄の処理の詳細については省略する。
特別動作処理(S1000)においては、図23のフローチャートから理解されるように、外れ特別図柄作成処理(S1010)が行われ、特別動作ステータスが1か否か(S1020)、特別動作ステータスが2か否か(S1030)、特別動作ステータスが3か否か(S1040)確認される。特別動作ステータスが各所定値に該当する場合、特別図柄待機処理(S1100)、特別図柄変動処理(S1200)、特別図柄確定処理(S1300)に進む。特別動作ステータスが1,2,3のいずれにも該当しない場合、つまり特別動作ステータスが4である場合には、特別電動役物処理(S1400)が行われる。
外れ特別図柄作成処理(S1010)では、図24のフローチャートから理解されるように、前記の始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得されRAM内に記憶されている特別図柄データ1のアドレス値が格納元アドレス値にセットされ(S1011)、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得されRAM内に記憶されている特別図柄データ3が判定値としてロード(読み出し)される(S1012)。次に、前出の判定値としての特別図柄データ3の乱数と、格納元アドレス値に記憶されている特別図柄データ1の乱数が互いに一致しているか否か確認される(S1013)。両乱数値が一致の場合、当該外れ特別図柄作成処理(S1010)は終了し、外れ特別図柄のデータは更新されない。両乱数値が一致しなければ、主制御回路121のRAMにおける外れ特別図柄のデータ格納先アドレス値と、外れ特別図柄として転送される特別図柄データ1,2,3のアドレス値がセットされる(S1014)。特別図柄データ1,2,3の乱数値が外れ特別図柄のデータ格納先に転送され、外れ特別図柄1(左特別図柄),2(中特別図柄),3(右特別図柄)として格納され(S1015)、本処理(S1010)は終わる。前記の特別図柄1,2,3とは、画像表示部50に確定停止表示される外れ特別図柄である。
S1020において特別動作ステータスが1である場合の特別図柄待機処理(S1100)は、図25のフローチャートから理解されるように、保留球数の有無が確認され(S1101)、保留球数が0である場合、画像表示部50が特別図柄の変動中であるか否か(待機画面中であるか否か)確認される(S1102)。待機画面中でなければ、画像表示部50を待機画面にする待機画面設定処理が行われ(S1103)、待機画面中であればそのまま当該特別図柄待機処理(S1100)を終了する。前記の保留球数有無の確認(S1101)にて保留球数が0ではない場合、特別図柄大当たり判定処理(S1110)、特別図柄選択処理(S1120)、特別図柄変動パターン作成処理(S1130)、特別図柄乱数シフト処理(S1140)、特別図柄変動開始設定処理(S1150)が実行される。
特別図柄大当たり判定処理(S1110)では、図26のフローチャートから理解されるように、主制御回路121のRAM内に記憶されている大当たり当否判定乱数が判定値としてロードされ(S1111)、確率変動状態時(高確率状態時)及び通常遊技状態時(低確率状態時)における大当たり成立数値を定めた大当たり判定値テーブルが格納されているRAMのアドレスがセットされる(S1112)。続いて、現在確率変動状態時(高確率状態時)か否か、つまり確変中であるか否か確認される(S1113)。確変中の確認は、主制御回路121内に備えられている確変フラグがON(高確率状態)またはOFF(低確率状態)のいずれかであるかによって行われる。確変中の場合、高確率状態時における大当たり成立数値と前記S1111にてロードされた大当たり当否判定乱数が一致するか否かにより、大当たり成立か否か確認される(S1114)。また、確変中でない場合、低確率状態時における大当たり成立数値と前記S1111にてロードされた大当たり当否判定乱数が一致するか否かにより、大当たり成立か否か確認される(S1115)。いずれにおいても大当たり当否判定乱数の一致が確認されると大当たり成立となり、大当たりフラグがONにセットされる(S1116)。前記のS1114、S1115において大当たりが不成立となる場合、当該特別図柄大当たり判定処理(S1110)は終了する。
特別図柄選択処理(S1120)では、図27のフローチャートから理解されるように、大当たりフラグがONであるか否か確認され(S1121)、同大当たりフラグがON(大当たり成立)である場合、大当たり図柄乱数に基づく図柄が画像表示部50に確定停止表示される大当たり特別図柄組合せとしてセットされる(S1122)。
S1121において大当たりフラグがONでない場合(つまり外れの場合)、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得され主制御回路のRAM内に記憶されているリーチ乱数がロードされ、前出のリーチ成立数値と一致するか否か確認される(S1123)。両数値が一致の場合、リーチは成立となり、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得されRAM内に記憶されている特別図柄データ1が画像表示部50に確定停止表示される左,右特別図柄としてセットされ(S1124)、当該特別図柄データ1に1が加算され(S1125)、この加算後のデータが画像表示部50に確定停止表示される中特別図柄としてセットされる(S1126)。
S1123においてロードされたリーチ乱数がリーチ成立数値と一致しない場合、すなわちリーチ無しの場合、外れ特別図柄作成処理(S1010)にて作成された外れ特別図柄1,2,3の格納(セット)されているアドレス値が、格納元アドレス値としてセットされ(S1127)、続いて格納先アドレス値として停止特別図柄1,2,3のアドレスがセットされる(S1128)。そして、それぞれの格納元アドレスから格納先アドレスにデータの転送が行われる(S1129)。以上の各処理を伴い、特別図柄選択処理(S1120)は終了する。停止特別図柄1,2,3とは、順に、画像表示部50に確定停止表示される停止左特別図柄、停止中特別図柄、停止右特別図柄である。
特別図柄変動パターン作成処理(S1130)では、図28のフローチャートから理解されるように、大当たりフラグがONであるか否か確認され(S1131)、同大当たりフラグがON(大当たり成立)である場合、前掲表1の第1テーブルパターンよりいずれかの変動パターンが選択される(S1132)。また、大当たりフラグがONでない場合(つまり外れの場合)、前掲表2の第2テーブルパターンよりいずれかの変動パターンが選択される(S1133)。いずれにおいても変動パターンの選択が行われた後、その他の必要な処理が行われ(S1134)、当該特別図柄変動パターン作成処理(S1130)は終了する。
特別図柄変動パターン作成処理における各テーブルパターン内の変動パターンの選択では、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得され主制御回路のRAM内に記憶されている演出乱数がロードされる。この乱数値と、各テーブルパターンの変動パターン毎に設定されている演出乱数値との対比により変動パターンの選択が行われる。
特別図柄乱数シフト処理(S1140)では、主制御回路内RAMの保留球数のデータ記憶領域において、ロード順位(読み出し順位)1位のアドレスの記憶領域に記憶されていた保留球数のデータが、既述の処理によりロードされ空席となることに起因して、ロード順位2位以下のアドレスに記憶されている保留球数のデータに対しロード順位を1ずつ繰り上げるアドレスのシフトが行われる。図34のフローチャートから理解されるように、はじめに主制御回路のRAMに記憶されている保留球数から1減算される(S1141)。具体的には保留球数が3ならば2となる。次に各保留球数に対応するデータが各保留球数から1減算した保留球数のRAMアドレスにシフトされる(S1142)。続いて、最上位(ロード順位が最後、実施例では4個目)の保留球数に対応するRAMアドレスに0がセットされる(S1143)。
特別図柄変動開始設定処理(S1150)では、特別動作ステータスが2に設定され、同時に特別図柄の変動開始等に関する必要な処理が行われる。この処理(S1150)の後、特別図柄待機処理(S1100)は終了する。
前記の図23の特別動作処理(S1000)から把握されるとおり、S1030にて特別動作ステータスが2である場合に行われる特別図柄変動処理(S1200)では、図30のフローチャートから理解されるように、まず、特別動作タイマ判定処理(S1201)が行われる。同処理においては、特別動作タイマ=0か否か、つまり各テーブルパターン(表1,表2参照)内より選択された変動パターンの変動時間(msec)に対応する特別動作タイマが設定されると共にこの減算が行われる。そこで、特別動作タイマ=0か否か、つまり変動パターンの変動時間終了か否か確認され(S1202)、特別動作タイマが0でない場合、すなわち変動時間の残余がある場合には特別図柄変動処理(S1200)は終了する。特別動作タイマが0である場合、すなわち変動時間終了の場合、変動停止図柄用のテーブルのアドレスがセットされ(S1203)、変動停止図柄のデータの格納(S1204)、特別動作ステータスの3へのセット(S1205)、その他の必要な処理(S1206)が実行され、当該特別図柄変動処理(S1200)は終了する。
同じく図23の特別動作処理(S1000)から把握されるとおり、S1040にて特別動作ステータスが3である場合に行われる特別図柄確定処理(S1300)では、図31のフローチャートから理解されるように、大当たりフラグがONであるか否か確認され(S1301)、同大当たりフラグがON(大当たり成立)である場合、ラウンドカウンタがセットされ(S1302)、特別動作ステータスが4にセットされる(S1303)。また、大当たりフラグがONでない場合(つまり外れの場合)、特別動作ステータスが1にセットされる(S1304)。それぞれの特別動作ステータスのセット後、特別図柄確定処理(S1300)は終了する。実施例では、ラウンドカウンタは15回にセットされる。
さらに図23の特別動作処理(S1000)から把握されるとおり、S1020,S1030,S1040にて特別動作ステータスが1,2,3のいずれにも該当しない場合、すなわち特別動作ステータスが4である場合に行われる特別電動役物処理(S1400)では、図32及び図33のフローチャートから理解されるように、確変フラグがOFFにセットされ(S1401)、大当たり終了フラグがON(大当たり遊技終了)であるか否か確認される(S1402)。大当たり終了フラグがONではない、すなわち大当たり遊技が終了ではない場合、現在大入賞装置60の開閉板601が開放中か否か確認され(S1403)、大入賞装置60が開放中でない(閉鎖中)場合、大入賞装置60の開放時間か否か、つまり大当たり動作タイマが0であるか否か確認される(S1404)。ここで、大当たり動作タイマが0である場合には大入賞装置60(開閉板601)の開放処理が行われ(S1405)、大当たり動作タイマが0でない場合にはそのまま特別電動役物処理(S1400)を終了する。
S1403において、現在大入賞装置60の開閉板601が開放中である場合、振動手段作動開始処理が行われる(S1406)。同処理では、前記の振動ソレノイドへの通電開始及び通電停止が行われて励磁と消磁によるプランジャの進退動作により、球詰まり予防のための振動が機構ケース体に生じる。そして、大入賞装置60内(入賞球数カウントスイッチ)で検出された入賞球数が10個に達したか(S1407)、ラウンド時間(実施例では30秒)を経過したか(S1408)のいずれかであるか否か(つまりラウンド終了条件を満たしているか否か)確認され、いずれでもない場合、振動手段作動停止処理(S1420)が行われ、当該特別電動役物処理(S1400)を終了する。これに対し、10個の入賞、ラウンド時間経過のいずれかが満たされている場合、大入賞装置60の開閉板601の閉鎖処理が行われ(S1409)、振動手段作動停止処理が行われ(S1410)、ラウンドカウンタの値から1ずつ減算が行われる(S1411)。大入賞装置閉鎖処理(S1409)では、大入賞装置の閉鎖のコマンドが表示制御回路161にも送信可能に出力バッファにセットされる。前記の振動手段作動停止処理(S1410,S1420)では、振動ソレノイドへの通電が停止され、機構ケース体の振動が停止される。振動ソレノイドの作動態様は本実施例に限られず、大入賞装置が開放されてから閉鎖されるまでの間、通電及び通電停止が所定の間隔で繰り返されるような構成としてもよい。
続いて、ラウンドカウンタが0であるか否か、つまり特別遊技(大当たり遊技)状態の終了が確認され(S1412)、同ラウンドカウンタが0でなければそのまま特別電動役物処理(S1400)は終了する。ラウンドカウンタが0である場合には、大当たり終了処理が行われ(S1413)、主制御回路RAM内の特別図柄用の保留球数記憶領域に記憶されている大当たり乱数データが大当たり終了コマンドと共に表示制御回路161へ送信可能に出力バッファにセットされる。その後、大当たり終了フラグはONにセットされ(S1414)、特別電動役物処理(S1400)は終了する。
前記のS1402において、大当たり終了フラグがON(すなわち大当たり遊技終了)である場合、大当たり終了フラグがOFFにセットされ(S1415)、大当たりフラグもOFFにセットされる(S1416)。次に確定停止図柄が確変図柄(実施例では奇数のぞろ目)であるか否か確認され(S1417)、確変図柄である場合、確変フラグがONにセットされ(S1418)、特別動作ステータスが1にセットされ(S1419)、特別電動役物処理(S1400)は終了する。確定停止図柄が確変図柄と異なる図柄の場合、そのまま特別動作ステータスが1にセットされ(S1419)、特別電動役物処理(S1400)は終了する。前述の振動モータを用いる場合、大入賞装置開放処理の次に作動を開始するようにして大入賞装置閉鎖処理の次に停止するようにすれば、大入賞装置の開放から閉鎖までの間の振動は続く。よって、転動面を振動させたい場面で重点的に振動させることが可能となる。
図示のフローチャートの処理からわかるように、開閉板601(回動扉)が開放状態となっている間(開放状態時)に振動ソレノイド620(振動手段)の作動が開始される。そして、開閉板601(回動扉)が閉鎖状態となったとき(閉鎖状態時)に振動ソレノイド620(振動手段)の作動が停止される。このような駆動態様により振動手段を作動させているため、遊技球が大入賞装置入球口と、その転動面に集まり、球詰まりが起こりやすくなっている時点に重点的に転動面を振動させて球詰まりを未然に防ぐことができる。また、遊技機に備えられた他の駆動体の駆動に対する転動面の振動による影響を抑えて他の駆動体に不具合が生じることを防止できる。
図21に開示の割り込み処理(S10)において、上記の特別動作処理(S1000)に続く保留球数処理(S1500)では、図34のフローチャートから理解されるように、記憶されている保留球数がロードされ(S1501)、そのロードされた保留球数が出力バッファにセットされ(S1502)、本処理(S1500)は終わる。
保留球数処理(S1500)に続く異常検知処理(S1600)は、図35のフローチャートから理解されるように、まず、大当たり遊技の終了が確認される(S1601)。大当たり遊技の終了は大当たり終了フラグがON(大当たり遊技終了)であるか否かにより確認される。大当たり遊技終了の場合、振動手段が作動中(通電中)であるか否かが確認される(S1602)。振動手段が作動中である場合には、振動手段作動停止処理が行われ(S1603)、エラーコマンドがセットされる(S1604)。S1601より大当たり遊技が終了していない場合、S1602より振動手段が作動していない場合、いずれも当該異常検知処理(S1600)は終了する。
この経路から把握されるとおり、大当たり遊技終了後に振動手段が作動している場合とは、振動ソレノイドの作動に異常が生じていることを示し、同振動ソレノイドの作動停止処理が行われると共に、動作異常を報知するエラーコマンドが主制御回路121からエラー報知手段となる表示制御回路161、音声制御回路112、発光制御回路115、さらには遊技施設コンピュータHC等に送信される(図4,図21等参照)。
1回の大当たり遊技(特別遊技)は、15回のラウンド遊技(大入賞装置の開閉板の1回分の開閉)より構成される。また、1回のラウンド当たりの開閉板の開放時間(所定時間)は最大30秒である。すると、1回の大当たり遊技の開閉板の開放時間は、30秒×15ラウンドより合計で最大450秒である。1回の大当たり遊技中の開閉板の合計開放時間が特定時間である。そこで、S1602における動作確認について、1回の大当たり遊技中の開閉板の合計開放時間(特定時間)を超えて振動ソレノイド(振動手段)が動作しているか否かを確認する構成とすることもできる。すなわち、振動ソレノイド(振動手段)の作動が一定期間継続した場合にエラー報知が行われ、そして振動ソレノイドが停止される。
従って、振動ソレノイドに異常が生じている場合でも振動は停止されるため、他の駆動装置へ与える振動の影響は低減できる。また、振動によっても大入賞装置内の球詰まりが解消できない場合であっても、不用意な振動を停止すると共にエラー報知により迅速に球詰まりの解消を図ることができる。
エラー報知の表示態様は、図38の表示例のとおり、画像表示部50(エラー報知手段に相当)に現在のラウンド数である『ROUND5』の表示メッセージAn1が表示され、併せてエラー表示である『エラー発生!!係員をお呼び下さい!!』のエラーメッセージAn2も表示される。図示はしないが、他のエラー報知手段に相当するスピーカより「エラー発生」の音声、各種のランプ表示器により通常とは異なる態様の発光が生じる。また、当該遊技機に球詰まりのエラーが発生したことが遊技施設の遊技機管理用のコンピュータに通報され、施設担当者による迅速な対応が可能となる。
その他の処理(S1600)では、その他の遊技に必要な処理が適式に行われる。以上、開示の各処理を経て割り込み処理(S10)は終了する。
図32及び図33のフローチャートに示し、説明した特別電動役物処理(S1400)については、図36及び図37のフローチャートの別実施形態の特別電動役物処理(S’1400)を行うように構成してもよい。S’1400以外の各処理は既述の実施例の処理と共通であるため、具体的な説明を省略する。むろん、当該別実施形態においても振動手段として振動モータを用いることは可能である。
別実施形態の特別電動役物処理(S’1400)では、確変フラグがOFFにセットされ(S’1401)、大当たり終了フラグがON(大当たり遊技終了)であるか否か確認される(S’1402)。大当たり終了フラグがONではない、すなわち大当たり遊技が終了ではない場合、現在大入賞装置60の開閉板601が開放中か否か確認され(S’1403)、大入賞装置60が開放中でない(閉鎖中)場合、大入賞装置60の開放時間か否か、つまり大当たり動作タイマが0であるか否か確認される(S’1404)。ここで、大当たり動作タイマが0である場合には大入賞装置60(開閉板601)の開放処理が行われ(S’1405)、大当たり動作タイマが0でない場合にはそのまま特別電動役物処理(S’1400)を終了する。
S1403において、現在大入賞装置60の開閉板601が開放中である場合、球詰まり検知処理が行われる(S’1410)。当該球詰まり検知処理(S’1410)は、図37のフローチャートから理解されるように、振動手段が作動中であるか否かが確認される(S’1411)。具体的には、前記の振動ソレノイドへの通電開始及び通電停止が繰り返されて励磁と消磁によるプランジャの進退動作が行われているか否かが確認される。振動手段が作動中でない場合、特定期間遊技球が入賞していないか否かが確認される(S’1412)。この特定期間(本発明の特定期間に相当する)とは、実施例の1回のラウンド遊技中における開閉板の開放時間(所定時間)は最大30秒であることから、その所定時間よりも短い時間、例えば15秒間にわたり、遊技球が入賞球数カウントスイッチ61(入球検知手段)により入賞検知信号を受信したか否かが確認される。特定期間は1回のラウンド遊技中における前記所定期間を超えない範囲で開始の起算点を設定することが可能である。
S’1412にて特定期間遊技球が入賞していない場合には、図7等参照のとおり、入賞球数カウントスイッチ61の手前の転動面604で遊技球が球詰まりを起こしている可能性がある。そこで、できるだけ速やかに球詰まりを解消するべく、振動手段による作動開始処理が始まる(S’1413)。同処理においては、前記の振動ソレノイドへの通電開始及び通電停止が繰り返されて励磁と消磁によるプランジャの進退動作が行われる。そこで、機構ケース体に振動が生じる。S’1412にて特定期間に遊技球の入賞が確認できた場合には、遊技球の流通は正常である(球詰まり等の異常は解消された)として、球詰まり検知処理(S’1410)を終了する。
S’1411より振動手段が作動中である場合、遊技球が入賞球数カウントスイッチ61(入球検知手段)により入賞検知信号を受信したか否かが確認される(S’1414)。遊技球の入賞がある場合には、振動手段を余計に動かし続ける必要はないため、振動手段の作動停止処理が行われる(S’1415)。同処理においては、前記の振動ソレノイドへの通電開始及び通電停止の繰り返しが止められ、機構ケース体の振動が停止される。なお、S’1414にて遊技球の入賞がない場合には、そのまま球詰まり検知処理(S’1410)を終了する。
球詰まり検知処理(S’1410)の後、大入賞装置60内(入賞球数カウントスイッチ)で検出された入賞球数が10個に達したか(S’1420)、ラウンド時間(実施例では30秒)を経過したか(S’1421)のいずれかであるか否か確認され、いずれでもない場合には当該別形態の特別電動役物処理(S’1400)を終了する。これに対し、10個の入賞、ラウンド時間経過のいずれかが満たされている場合、大入賞装置60の開閉板601の閉鎖処理が行われ(S’1422)、ラウンドカウンタの値から1ずつ減算が行われる(S’1423)。大入賞装置閉鎖処理(S’1422)では、大入賞装置の閉鎖のコマンドが表示制御回路161にも送信可能に出力バッファにセットされる。
続いて、ラウンドカウンタが0であるか否か、つまり特別遊技(大当たり遊技)状態の終了が確認され(S’1424)、同ラウンドカウンタが0でなければそのまま特別電動役物処理(S’1400)は終了する。ラウンドカウンタが0である場合には、大当たり終了処理が行われ(S’1425)、主制御回路RAM内の特別図柄用の保留球数記憶領域に記憶されている大当たり乱数データが大当たり終了コマンドと共に表示制御回路161へ送信可能に出力バッファにセットされる。その後、大当たり終了フラグはONにセットされ(S’1426)、特別電動役物処理(S’1400)は終了する。
前記のS’1402において、大当たり終了フラグがON(すなわち大当たり遊技終了)である場合に続く処理は、図33に開示のS1415以降の処理と同様であるため、図示、説明を省略する。むろん、当該別実施形態の特別電動役物処理(S’1400)を実行する遊技機にあっても、図38の球詰まりのエラー報知表示等は行われる。前記の説明からわかるように、別実施形態の遊技機によると、ラウンド遊技中に開閉板601(回動扉)が開放状態となる期間(所定期間:この例では30秒)以内で設定された時間(特定時間:この例では15秒)を超えても入賞球数カウントスイッチ61(入球検知手段)による遊技球の入球検出がない(入賞検知信号受信せず)場合には、振動ソレノイド(振動手段)が作動される。そこで、振動により大入賞装置の球詰まりが解消される。また、振動ソレノイド(振動手段)が作動している状態で入賞球数カウントスイッチ61(入球検知手段)による遊技球の入球検出がある(入賞検知信号受信)場合に同振動ソレノイド(振動手段)の作動が停止される。つまり、球詰まりのおそれが最も高まる時点に振動が生じそれ以外には振動は生じず、必要なときのみの作動に限られる。このため、他の作動装置、例えば、大入賞装置開放ソレノイド(作動部材)や各種の役物の作動、入球口のセンサ類に及ぼす影響をより低減することができる。
本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて構成の一部を適宜変更することができる。実施例では入賞口(入賞装置)の例として大入賞装置を用い説明したが、当然ながら、他の入賞口にも適用可能であり、その数も適宜である。また、振動手段には振動ソレノイドの他に振動モータ(図17参照)を用いることもできる。さらに、振動手段の取り付け位置も機構ケース体内部の他に効率よく振動できる位置にも取り付けられる。
本発明の遊技機は、パチンコ遊技機の実施例を用いて説明したが、アレンジボール遊技機等の適宜の遊技機に適用することができる。