図1に示す実施例の遊技機1は、この発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機(弾球遊技機)である。遊技機1では、遊技台(外枠)2の内側に遊技盤3が着脱交換可能に収容されており、その遊技盤3に遊技球(遊技媒体)の内側ガイドレール4及び外側ガイドレール5が略円形に立設され、前記内側ガイドレール4によって囲まれて遊技球が流下可能な左側領域6a及び右側領域6bとで構成される遊技領域6に、遊技球の入賞可能な入賞領域である入賞口等の役物が設けられている。なお、遊技盤3に備えられた釘は省略している。
まず、遊技領域6の中心線上に設けられた表示装置9の下方に、普通電動役物である始動入賞口10が配設され、その下方にはアウト口17が配設されている。また、表示装置9の右側の遊技領域6の右側領域6b内には普通図柄変動開始用ゲート19、その下方に特別電動役物である遊技特典付与装置として大入賞装置(大入賞口とも称される。)15が設けられている。表示装置9の左側の遊技領域6の左側領域6a内には風車22が設けられており、その下方に袖入賞口23,25,27が配設されている。この実施例において、始動入賞口10は、遊技領域6を流下する遊技球を受け入れ可能とすると共に、その入球(入賞)に起因して特別遊技状態(大当たり状態)に移行するか否かの判定を開始するための入球口に相当する。
また、遊技機1の前面側には、遊技状態を報知する枠飾りランプ35,36、払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿32、上側球受け皿32の飽和時に遊技球を受けるための下側球受け皿34、音声や効果音を発して遊技状態等を遊技者に報知する音声手段としてのスピーカ37、遊技者の遊技操作によって適宜の演出等を操作可能な操作手段60、遊技者による操作ハンドルH1(操作手段)の発射操作に応じて遊技領域6の左側領域6aと右側領域6bとへ遊技球を打ち分けて発射することが可能な発射手段としての発射装置H等がそれぞれ組み付けられている。
この遊技機1では、特に、始動入賞口10が、図示しない複数の釘の配置により、遊技領域6の右側領域6bを流下してきた遊技球は入賞不可能となるとともに、遊技領域6の左側領域6aを流下してきた遊技球のみが入賞可能とされる一方、遊技領域6の右側領域6b内に配置された普通図柄変動開始用ゲート19が、発射装置Hにより遊技球を遊技領域6の右側領域6bへ発射させないと入賞させることが不可能な位置に配置されるように構成されている。
図中の表示装置9(表示手段、判定結果報知手段等を兼ねる。)において、符号43は数字,アルファベット,記号あるいは絵(キャラクタ)等の図柄を変動表示及び停止表示(最終的に確定表示する前の仮停止表示を含む、以下同じ)可能な図柄表示装置、49はセンター飾りを有する表示装置9の窓枠部、50は図柄表示装置43の液晶表示器(TFT−LCDモジュール)等からなる表示領域である。また、表示領域50は、特別図柄の変動中に、該特別図柄に加えて背景(建物、風景等)、キャラクタ(人物、動物、植物、物等)、文字等の装飾図柄を表示し、該装飾図柄は前記特別図柄の変動開始等の所定始動条件に起因して変動表示可能となっている。図柄表示装置43については、表示領域50が前記したように液晶表示器に限られるものではなく、有機EL、CRT、その他の表示手段で構成されていてもよい。
この実施例の表示領域50は、横に並ぶ左特別図柄表示部、中特別図柄表示部、右特別図柄表示部で構成される図柄表示部を有し、それぞれの図柄表示部で判定図柄(当否判定情報)である特別図柄が変動表示及び停止表示される。加えて、表示領域50には普通図柄表示部(図示せず)が設けられており、普通図柄が変動表示及び停止表示可能とされている。また、表示領域50には、特別図柄等に加えて背景画像(キャラクタ,背景,文字等を含む。)が表示されることもあり、背景画像が特別図柄の変動開始等の所定条件に起因して変動表示可能となっている場合もある。なお、この実施例において表示領域50に表示される左、中、右特別図柄は、各々『0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11』の12通りの数字からなる図柄である。なお、図示しないが、表示領域50は、特別図柄保留記憶数表示部、普通図柄変動数記憶領域を有する。
遊技盤3の背面(裏面)には、入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞口用検出スイッチ(遊技球検出手段に相当する。)等が設けられている。この実施例では、検出スイッチが各入賞口に対してそれぞれ設けられている。始動入賞口10に入賞(入球口に入球)した遊技球を検出する特別図柄変動開始スイッチは入賞球の通路に設けられており、入賞球の検出によって図柄表示装置43の図柄変動は開始される。その際、特別図柄変動中に始動入賞口10に入賞した遊技球の個数、すなわち特別図柄の変動を開始する回数については、現在変動中のものを除いて保留回数(この例では最高4回)を特別図柄保留記憶数表示部に表示し、記憶数の減少によって前記表示部内の特別図柄保留記憶数の表示個数を減らす。また、始動入賞口10の入賞口用検出スイッチは、始動入賞口10が遊技領域6の左側領域6aを流下してきた遊技球のみが入賞可能に構成されていることから、この左側領域6aを流下する遊技球を検知可能とするための左領域検知手段にも相当する。このように、左領域検知手段を入賞口用検出スイッチと兼用させれば、新たな検知手段を設ける必要がなくて経済的に有利であり、構成の簡略化を図ることができる。その他、袖入賞口23,25,27の入賞球を検出する各袖入賞口用検出スイッチが、それぞれ対応する遊技盤3背面に設けられている。
前述のとおり、始動入賞口10に入賞した遊技球を検出する特別図柄変動開始スイッチ(始動入賞口センサ)が入賞球用通路に設けられており、前記特別図柄変動開始スイッチによって入賞球が検出(図柄変動条件の契機)されると、図柄表示装置43における表示領域50の左,中,右特別図柄表示部で各特別図柄が変動を開始し、所定時間変動後、予め設定された順で特別図柄が変動停止して、停止図柄の組合せが確定表示される。なお、図柄変動パターン等によっては、特別図柄の確定表示以前に、いわゆるリーチ状態となったり、リーチ予告、当たり予告等が行われる。そして、前記確定表示された停止図柄の組合せが、予め決められた特別図柄組合せである特定の大当たり図柄組合せ、例えば、同一の特別図柄の組合せからなる通称ぞろ目であると、大当たり状態(特別遊技状態)に移行する。大当たり状態になると、大入賞装置15の開閉板が開いて遊技領域6表面を落下してくる遊技球を受け止め、大入賞装置15内へ入賞可能にする。
ここで、リーチ状態とは、表示領域50の左,中,右特別図柄表示部において、特別図柄の変動表示が開始された後、表示制御が進行して表示結果が停止表示される前段階において、特定の表示態様、つまり大当たり図柄の組合せ(同一図柄の組合せ)が表示されやすい可変表示態様となったと遊技者に思わせるための表示態様をいう。この実施例では、リーチ状態の1つとして、前記表示領域50の左,中,右特別図柄表示部のうち、最終停止図柄(ここでは右特別図柄)を表示する表示部(ここでは右特別図柄表示部)だけを残して、残りの2つの表示部で図柄が特定の組合せ(例えば同一図柄)となるように仮停止するリーチ変動表示処理がなされている。
また、リーチ状態時には、表示領域50における特別図柄(主に最終停止特別図柄)の変動時間を長くしたり、表示領域50における特別図柄を利用した図柄利用演出や特別図柄の背後に表示されるキャラクタや背景等を表示してリーチアクションが演出される。なお、リーチ状態になる前に、リーチ状態になる可能性または大当たりになる可能性が高いことを報知する予告(予兆)が演出されるようにしてもよい。前記の予告としては、表示領域50上へのキャラクタの表示や残像表示等が挙げられる。
遊技盤3の大入賞装置15の背面側には、大入賞装置15への入賞球を検出する入賞球検出スイッチが設けられている。前記各入賞口への遊技球の入賞を各検出スイッチが検出するとき、すなわち遊技における入賞条件が成立すると、賞球払出装置によって、入賞球数に応じて予め設定されている所定数の遊技球が賞品球として払い出される。開閉板は、所定時間(例えば30秒)経過した時点で閉鎖される。これにより、遊技者はより多くの賞球を得ることが可能となる。一連の遊技は特別遊技(大当たり遊技)であり、その状態は特別遊技状態である。
前記した入賞口用検出スイッチの他に遊技盤背面に設けられている装置としては、始動入賞口10の可動片を開閉する始動入賞口用ソレノイドと、大入賞装置15の開閉板を開閉する大入賞口開放用ソレノイド等があり、普通図柄変動開始用ゲート19には通過する遊技球を検出するゲート検出スイッチがある。
普通図柄変動開始用ゲート19のゲート検出スイッチでは、ゲート19を通過する遊技球を検出することによって、普通図柄表示部における普通図柄の変動は開始する。そして、普通図柄表示部において図柄変動した後に確定表示された図柄が予め設定されている特定の図柄であった場合には、小当たり(普通図柄当たり)となり、始動入賞口用ソレノイドにより始動入賞口10の可動片の拡開開放が後記する所定時間行われ、賞球が払い出される。普通図柄の変動を開始する回数については、現在変動中のものを除いて保留回数(この例では最高4回)を普通図柄変動数記憶領域に表示するようになっている。また、普通図柄変動開始用ゲート19のゲート検出スイッチは、ゲート19が遊技領域6の右側領域6bを流下してきた遊技球のみが入賞可能に構成されていることから、この右側領域6bを流下する遊技球を検知可能とするための右領域検知手段にも相当する。このように、右領域検知手段をゲート検出スイッチと兼用させれば、新たな検知手段を設ける必要がなくて経済的に有利であり、構成の簡略化を図ることができる。
図2に示す裏機構について説明すると、符号240は遊技球を貯留する貯留タンク、241はタンクレール、242は賞球センサ中継基板、243は音声制御基板、244はサブ制御基板(ランプ制御基板)、245は主制御基板、246は遊技盤3の前面側に配設された表示装置9の表示領域への図柄等の表示制御を行う図柄制御基板、247は電源基板、248は払出制御基板、249は発射装置制御基板、250は電源プラグ、Gは接地線である。
当該遊技機1は、図柄表示装置43における各種図柄の変動や演出、各種役物の作動や演出等の遊技動作を制御する制御装置を備える。制御装置は、図3に示す主制御回路121,サブ制御回路131,表示制御回路161等の各種制御回路を備える。主制御回路121には、サブ制御回路131、払出制御回路118、中継回路141等が接続される。サブ制御回路131には、表示制御回路161、音声制御回路112、発光制御回路115等が接続される。中継回路141には遊技盤3に配設された大入賞装置15等に係わるスイッチが接続されている。加えて、払出制御回路118には貸球払出装置96,発射制御回路119等が接続され、当該発射制御回路119には発射装置Hが接続されている。この払出制御回路118には賞球払出装置95が接続されている。各制御基板は主制御回路121、サブ制御回路131からの制御信号に基づいて所定の処理を実行可能に制御されている。なお、遊技機1では画像表示装置9や各種役物、枠飾りランプ35,36、スピーカ37等により、適宜の作動態様による演出や報知が実行される。
主制御回路121は、CPU,RAM,ROM、並びに複数のカウンタを備えたコンピュータと、該コンピュータとサブ制御回路131等を結ぶ入出力回路と、前記コンピュータと発射制御回路119等に接続される払出制御回路118と、前記コンピュータと大入賞装置等に接続される中継回路141等を結ぶ入出力回路等で構成される。CPUは、制御部,演算部,各種カウンタ,各種レジスタ,各種フラグ、各種タイマ等を備え、演算制御を行う他、大当たりの発生確率や小当たり(始動入賞口10の拡開開放を行う普通図柄当たり)の発生確率を定める乱数等も生成している。当該CPUは、実施例において、制御手段(主制御手段)、記憶手段(入力記憶手段、操作手順記憶手段を含む)、当否判定手段、特別遊技実行手段、表示態様選択手段、表示情報更新手段、表示選択設定手段、変動態様選択手段、特典遊技実行手段、操作判定手段、操作手順変更手段、特別プログラム実行手段、時間設定手段、計時値判定手段、計時記憶手段、報知制御手段、エラー報知手段、遊技方向報知選択手段、遊技方向報知停止手段、遊技状態選択手段等に相当し、前記列記した各手段に係る処理は同主制御回路121内のRAM,ROM等と連携して適式に各種演算されることにより、遊技機1における遊技進行は制御されている。なお、実施例では、主制御回路121のCPUは、割り込み時間(4msec)毎に主制御回路121のROMに記憶されている各プログラム(メインルーチン)を実行する。
前記RAMは、記憶手段に相当し、始動入賞口検出スイッチの検出信号及びゲート検出スイッチの検出信号に関する記憶領域,CPUで生成される各種乱数値用の記憶領域,各種データ(コマンドデータ)を一時的に記憶する記憶領域やフラグ,CPUの作業領域を備えており、判定図柄の図柄情報(各カウンタの取得数値)等の各種データを記憶する。また、このRAMは、操作手段60による入力操作による入力情報を記憶可能な入力記憶手段、操作手段60を操作した場合に有効となる有効操作手順が記憶され操作手順記憶手段に相当する。さらに、前記ROMには、遊技を実行するための遊技プログラムや該遊技プログラムに付属すると共に所定条件の成立を起因に実行される特別プログラム等の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、後述する各遊技状態における大当たり等の判定値等が書き込まれている。
サブ制御回路131は、CPU,RAM,ROMを備えたコンピュータと、該コンピュータと主制御回路121、音声手段である音声制御回路112及び発光手段である発光制御回路115、表示制御回路161とを結ぶ入出力回路を備える。同サブ制御回路131内のCPUは、実施例において、制御手段(主制御手段)、記憶手段(入力記憶手段、操作手順記憶手段を含む)、当否判定手段、特別遊技実行手段、表示態様選択手段、表示情報更新手段、表示選択設定手段、変動態様選択手段、特典遊技実行手段、操作判定手段、操作手順変更手段、特別プログラム実行手段、時間設定手段、計時値判定手段、計時記憶手段、遊技方向報知選択手段、遊技方向報知停止手段、遊技状態選択手段等に相当し、前記列記した各手段に係る処理は同サブ制御回路131内のRAM,ROM等と連携して前記の主制御回路121とほぼ同様の演算が実行される。このサブ制御回路131においては、主制御回路121で生成されたコマンドデータから末端の各制御回路に対し調製したコマンドデータがさらに生成される。このため、主制御回路121の演算負荷は軽減されると共に主制御回路は遊技の進行に関するコマンド生成に特化される。なお、実施例では、サブ制御回路131のCPUは、割り込み時間(2msecと10msec)毎にサブ制御回路131のROMに記憶されている各プログラム(メインルーチン)を実行する。
表示制御回路161は、表示制御手段であると共に報知手段、エラー報知手段等に相当し、CPU,RAM,ROMを備えたコンピュータと、該コンピュータと主制御回路121を結ぶ入力回路と、前記コンピュータと図柄表示装置43を結ぶ出力回路等で構成される。前記CPUは、内部に制御部,演算部,各種カウンタ,各種レジスタ,各種フラグ等を有し演算制御を行うようになっている。また、前記RAMは、記憶領域と前記CPUによる作業領域等を有しており、主制御回路121のRAMと同様にカウンタの取得数値等の各種データを記憶する。さらに、前記ROMには、図柄表示装置43の表示領域50への表示データや各種表示プログラム等の図柄データが書き込まれている。表示制御回路161は、主制御回路121と共に図柄表示手段に相当し、表示装置9(特には図柄表示装置43の表示領域50)に表示される遊技画像(特別図柄、普通図柄、キャラクタや風景等の背景画像等)の表示制御に関する信号をサブ制御回路131から受信し、表示用データを設定して表示制御を行う。また、表示制御回路161内のCPUを、実施例における制御手段(主制御手段)、記憶手段(入力記憶手段、操作手順記憶手段を含む)、当否判定手段、特別遊技実行手段、表示態様選択手段、表示情報更新手段、表示選択設定手段、変動態様選択手段、特典遊技実行手段、操作判定手段、操作手順変更手段、特別プログラム実行手段、時間設定手段、計時値判定手段、計時記憶手段、遊技方向報知選択手段、遊技方向報知停止手段、遊技状態選択手段等に相当するように構成してもよい。
中継回路141には遊技盤3に配設された大入賞装置15に係わるスイッチ、その他センサ、スイッチ類等が接続されている。音声制御回路112にはスピーカ37が接続されている。発光制御回路115には枠飾りランプ35,36、その他の発光体、LED等が接続されている。加えて、払出制御回路118には賞球払出装置95、貸球払出装置96、発射制御回路119等が接続され、当該発射制御回路119には発射装置Hが接続されている。音声制御回路112及び発光制御回路115についても、それぞれに制御用CPU、制御データROM、制御データRAMが適式に備えられ(図示せず)、主制御回路121から送信される各種コマンドを受信し、各種コマンドに応答した音声、発光が実行される。主制御回路121から送信されるコマンドとしては、リーチコマンド、大当たり関連コマンド(大当たりOPコマンド、大当たりEDコマンド、ラウンドコマンド等)、小当たりコマンド、特別遊技状態実行中コマンド、特典遊技状態実行中コマンド、始動口入賞コマンド、ゲート通過コマンド、主制御状態コマンド(通常コマンド、確変コマンド、時短コマンド等)等が挙げられる。図示はしないが、各制御回路に対し電源装置(電源基板)から所定の電源供給が行われている。
本発明の遊技機1では、前記したように、始動入賞口10が遊技領域6の左側領域6aを流下してきた遊技球のみ入賞可能であるとともに、普通図柄変動開始用ゲート19が遊技球を遊技領域6の右側領域6bへ発射させないと入賞させることが不可能な位置に配置されていることから、通常の遊技状態や大当たり遊技状態等の発射手段(発射装置H)によって遊技領域6の左側領域6aへ向かって遊技球を発射することが推奨される(遊技者に対して有利な状態となる)第1遊技状態と、確率変動遊技状態や時短遊技状態等の発射手段によって遊技領域6の右側領域6bへ向かって遊技球を発射することが推奨される(遊技者に対して有利な状態となる)第2遊技状態との、いずれかの遊技状態が実行される。
そして、当該遊技機1では、上記第1遊技状態または第2遊技状態に応じて、遊技者に対して発射装置(発射手段)Hによって遊技球を発射させる方向を促す報知を行う遊技方向報知手段を備える。実施例の遊技方向報知手段は、表示装置9等の表示手段と、スピーカ37等の音声手段とからなり、表示手段により推奨される遊技球の発射方向を遊技者が視覚的に認識可能な視覚情報として表示して報知するとともに、音声手段により推奨される遊技球の発射方向を遊技者が聴覚的に認識可能な音声情報を発して報知する。視覚情報としては、推奨される遊技球の発射方向を示す矢印や、「右打ちしてください」等の推奨される遊技球の発射方向を示す文字等の適宜の図柄からなる。音声情報としては、「右打ちしてください」等の推奨される遊技球の発射方向を示す音声からなる。
遊技方向報知手段では、表示手段で表示される適宜の視覚情報と、音声手段で発せられる適宜の音声情報との組合せによって、複数種類の遊技方向報知態様が実行される。実施例の遊技方向報知態様は、遊技領域6の左側領域6aに向かって遊技球を発射させることが遊技者に対して有利となる(右側領域6bへ発射させることが不利となる)場合等に左側領域6aへの発射を促すための第1左報知態様、第2左報知態様、第3左報知態様、第4左報知態様と、遊技領域6の右側領域6bに向かって遊技球を発射させることが遊技者に対して有利となる(左側領域6aへ発射させることが不利となる)場合等に遊技領域6の右側領域6bへの発射を促すための第1右報知態様、第2右報知態様と、大当たり遊技中に実行される大当たり中報知態様とを有する。
第1左報知態様は、遊技者に対して遊技領域6の左側領域6aへの遊技球の発射を促す報知を実行する報知態様であり、推奨される遊技領域(この例では左側領域6a)とは異なる遊技領域(右側領域6b)に残っている遊技球が検出された可能性が高い時に、遊技者に対し遊技の妨げになることを抑制して遊技方向の報知を行うものである。具体的には、表示装置9の表示領域50に左側領域6aを指し示す矢印図柄を表示させるとともに、スピーカ37から通常音量で「左打ちしてください」の音声を発声させる。また特に、この第1左報知態様は、所定の第1報知時間(この例では10秒間)実行されるものであり、矢印図柄は10秒間の点灯表示や点滅表示等、適宜のパターンで表示され、音声は10秒間、所定間隔で繰り返し発声される。
第2左報知態様は、遊技者に対して遊技領域6の左側領域6aへの遊技球の発射を第1左報知態様の報知より強調して促す報知を実行する報知態様であり、左側領域6aへの遊技球の発射が推奨されるにもかかわらず、遊技者が不適切な発射操作(右側領域6bへの遊技球の発射)を継続している可能性が極めて高い時に、遊技者に対して警告を発するものである。具体的には、表示装置9の表示領域50に左側領域6aを指し示す矢印図柄を表示させるとともに、スピーカ37から最大音量で「左打ちしてください」の音声を発声させる。また特に、この第2左報知態様は、第1報知時間より長い第2報知時間(この例では30秒間)実行されるものであり、矢印図柄は30秒間の点灯表示や点滅表示等、適宜のパターンで表示され、音声は30秒間、所定間隔で繰り返し発声される。
第3左報知態様は、遊技者に対して遊技領域6の左側領域6aへの遊技球の発射を第1左報知態様の報知より弱い報知で促す報知態様であり、遊技者が左側領域6aへの遊技球の発射が推奨される遊技状態に応じた適切な発射操作をしている可能性が高い時に、遊技者に対し遊技の妨げになることを抑制して遊技方向の報知を行うものである。具体的には、スピーカ37を消音として音声報知を実行せず、表示装置9の表示領域50に左側領域6aを指し示す矢印図柄を表示させた視覚的な報知のみが行われる。また、第3左報知態様は、第1報知時間(この例では10秒間)実行されるものであり、矢印図柄は10秒間の点灯表示や点滅表示等、適宜のパターンで表示される。
第4左報知態様は、遊技者に対して遊技領域6の左側領域6aへの遊技球の発射を促す報知を第2左報知態様の報知より弱い報知で促す報知態様であり、左側領域6aへの遊技球の発射が推奨されるにもかかわらず、遊技者が不適切な発射操作(右側領域6bへの遊技球の発射)を継続している可能性がある時に、遊技者に対して報知を行うものである。具体的には、表示装置9の表示領域50に左側領域6aを指し示す矢印図柄を表示させるとともに、スピーカ37から通常音量で「左打ちしてください」の音声を発声させる。また、第4左報知態様は、第2報知時間(この例では30秒間)実行されるものであり、矢印図柄は30秒間の点灯表示や点滅表示等、適宜のパターンで表示され、音声は30秒間、所定間隔で繰り返し発声される。
第1右報知態様は、遊技者に対して遊技領域6の右側領域6bへの遊技球の発射を促す報知を実行する報知態様であり、右側領域6bへの遊技球の発射が推奨されるにもかかわらず、遊技者が不適切な発射操作(左側領域6aへの遊技球の発射)を継続している可能性がある時に、遊技者に対して報知を行うものである。具体的には、表示装置9の表示領域50に右側領域6bを指し示す矢印図柄を表示させるとともに、スピーカ37から通常音量で「右打ちしてください」の音声を発声させる。また、第1右報知態様は、第1報知時間(この例では10秒間)実行されるものであり、矢印図柄は10秒間の点灯表示や点滅表示等、適宜のパターンで表示され、音声は10秒間、所定間隔で繰り返し発声される。
第2右報知態様は、遊技者に対して遊技領域6の右側領域6bへの遊技球の発射を第1右報知態様の報知より弱い報知で促す報知態様であり、遊技者が右側領域6bへの遊技球の発射が推奨される遊技状態に応じた適切な発射操作をしている可能性が高い時に、遊技者に対し遊技の妨げになることを抑制して遊技方向の報知を行うものである。具体的には、スピーカ37を消音として音声報知を実行せず、表示装置9の表示領域50に右側領域6bを指し示す矢印図柄を表示させた視覚的な報知のみが行われる。また、第2右報知態様は、第1報知時間(この例では10秒間)実行されるものであり、矢印図柄は10秒間の点灯表示や点滅表示等、適宜のパターンで表示される。
大当たり中報知態様は、大当たり遊技中に遊技者に対して大入賞装置15への遊技球の発射を促す報知を実行する報知態様である。当該遊技機1では、大入賞装置15が遊技領域6の右側領域6bに配置されていることから、表示装置9の表示領域50に右側領域6bを指し示す矢印図柄を表示させた視覚的な報知が行われる。また、大当たり中報知態様は、大当たり遊技が終了されるまで実行されるものであり、矢印図柄は点灯表示や点滅表示等、適宜のパターンで表示される。なお、この例ではスピーカ37による音声報知を実行しないものとするが、必要に応じて音声報知を実行しても構わない。
上記複数種類の遊技方向報知態様において、第1左報知態様、第2左報知態様、第3左報知態様、第4左報知態様では、それぞれ報知態様の実行中に始動入賞口10に遊技球が入賞した場合、すなわち、左領域検知手段に相当する特別図柄変動開始スイッチが遊技球を検知した場合、始動入賞口10には左側領域6aに遊技球を発射させないと入賞しないことから、遊技者が発射手段(発射装置H)により左側領域6aへ遊技球を発射させる操作を実行しているとみなされて、実行中の報知態様が停止(解除)される。一方、第1右報知態様、第2右報知態様では、それぞれ報知態様の実行中に普通図柄変動開始用ゲート19を遊技球が通過した場合、すなわち、右領域検知手段に相当するゲート検出スイッチが遊技球を検知した場合、普通図柄変動開始用ゲート19には右側領域6bに遊技球を発射させないと通過しないことから、遊技者が発射手段(発射装置H)により右側領域6bへ遊技球を発射させる操作を実行しているとみなされて、実行中の報知態様が停止(解除)される。
次に、遊技機1の主制御回路121における制御システムを説明する。図3に示す主制御回路121のCPUの主なカウンタとしては、大当たり当否判定乱数用カウンタ、大当たり図柄乱数用カウンタ、リーチ乱数用カウンタ、特別図柄データ乱数用カウンタ、演出乱数用カウンタ等のカウンタがある。各カウンタの所定時に取得された数値は、主制御回路121のRAM内に最高4個まで格納される。なお、前記RAMに記憶された各カウンタの数値は、該カウンタに基づく一連の遊技動作処理がされた後にクリアされる。各カウンタは公知のものであり、作動については説明を省略する。
主制御回路121に設けられるフラグとしては、大当たりフラグ、大当たり終了フラグ、始動入賞口入賞フラグ、特別遊技実行中フラグ、確変(確率変動)フラグ、リーチフラグ、時短フラグ、普通図柄当たり(小当たり)フラグ、遊技方向フラグ(左打ちフラグ、右打ちフラグ)等の種々のフラグが挙げられる。なお、これらのフラグは、初期設定時には全てOFFにセットされている。
実施例の遊技機1の主制御回路121が実行する処理を以下のフローチャートを用い説明する。主制御回路121のCPUは同回路のROM内に記憶されている遊技プログラムを含む各種プログラムに従いメイン処理Mを実行する。メイン処理Mにおいては、図4のフローチャートから理解されるように、初期設定(S1)、割り込み禁止処理(S2)、主要乱数更新処理(S3)、割り込み許可処理(S4)、割り込み処理(S10)が行われる。
初期設定(S1)では、スタックの設定、定数設定、CPUの設定、割り込み時間の設定、SIO,PIO,CTCの設定等が行われる。メイン処理Mは割り込み時間毎に繰り返し行われるが、初期設定(S1)は電源投入時のみ必要となるため最初の1順目のみ実行され、以降は実行されない。割り込み禁止処理(S2)では、実施例の場合、4msec毎に割り込み処理(S10)が入ってきても所定の割り込み許可条件が満たされるまで、割り込みを禁止する。主要乱数更新処理(S3)では、前記の各カウンタの乱数値が同更新処理(S3)を経る毎に1ずつ加算更新され、前記の対応した乱数の上限値に至ると‘0’に戻り、再度加算が始まる。更新された各乱数は主制御回路121のRAM内に記憶される。割り込み許可処理(S4)では、4msec毎に入ってくる割り込み処理(S10)に許可を与える。
割り込み処理(S10)においては、図5のフローチャートから理解されるように、出力処理(S100)、入力処理(S200)、主要乱数更新処理(S300)、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)、普通動作処理(S500)、特別動作処理(S1000)、保留球数処理(S1500)、電源断監視処理(S1600)その他の処理(S1700)が行われる。
出力処理(S100)では、各処理により主制御回路121のRAMのコマンドバッファ内に出力データの有無が確認され、出力データがある場合には、当該出力バッファ内の出力データが各々の制御回路に出力される。出力データがない場合には、データの出力は行われず終了する。出力データには、特別遊技状態、特典遊技状態、確率変動状態(確変状態)等の各種遊技状態のコマンド、入賞時や待機時のコマンド、エラー報知のコマンド等がある。
入力処理(S200)では、遊技機1に備えられている各種のセンサ(検出スイッチ)による検出信号がある場合の信号入力が行われる。
主要乱数更新処理(S300)では、前記のメイン処理Mにて行われている主要乱数更新処理(S3)と同様の処理が行われる。
始動入賞口スイッチ検出処理(S400)では、図6のフローチャートから理解されるように、普通図柄変動開始用ゲート19を球技球が通過したか、すなわち、該ゲート19への遊技球の通過が普通図柄変動開始スイッチにより検出されたか否か確認される(S401)。普通図柄変動開始用ゲート19の通過が確認された場合、ゲート通過処理(S410)が行われる。普通図柄変動開始用ゲート19の通過が確認されなかった場合、始動入賞口10へ遊技球が入賞したか、すなわち、始動入賞口10への遊技球の入球が始動入賞口検出スイッチにより検出されたか否か確認される(S402)。始動入賞口への入賞確認が無ければ当該始動入賞口スイッチ検出処理(S400)は終了する。始動入賞口への遊技球の入賞がある場合、主制御回路121のRAM(検出数記憶手段に相当)に記憶されている特別図柄用の保留球数が4以上であるか否か確認される(S403)。ここで、保留球数が4以上の場合、保留球数の設定限度を超えているため、当該始動入賞口スイッチ検出処理(S400)は終了する。
保留球数が4以上でない(4未満)場合、特別図柄用の保留球数に、始動入賞口検出スイッチにて検出した遊技球検出数が1加算される(S404)。続いて、主制御回路121のRAM内に記憶されている特別図柄に関係する乱数値が取得され、現在の保留球数に対応するRAMアドレスに当該取得乱数がセーブ(記憶、保存)される(S405)。S405にて取得される乱数とは、大当たり当否判定乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、特別図柄データ乱数、演出乱数等である。現在の保留球数に対応するRAMアドレスに当該取得乱数がセーブされるとは、例えば、現在の保留球数が1の場合、この保留球数1に対応するRAMアドレスに前記の乱数値がセーブされることであり、以下保留球数に応じて同様にセーブされる。
ゲート通過処理(S410)では、図7のフローチャートから理解されるように、普通図柄変動開始用ゲート19を遊技球が通過した場合、主制御回路121のRAM(検出数記憶手段に相当)に記憶されている普通図柄用の保留球数が4以上であるか否か確認される(S411)。ここで、保留球数が4以上の場合、保留球数の設定限度を超えているため、当該ゲート通過処理(S410)は終了する。保留球数が4以上でない(4未満)場合、普通図柄用の保留球数に、普通図柄変動開始スイッチにて検出した遊技球検出数が1加算される(S412)。続いて、主制御回路121のRAM内に記憶されている普通図柄に関係する乱数値が取得され、現在の保留球数に対応するRAMアドレスに当該取得乱数がセーブ(記憶、保存)される(S413)。S413にて取得される乱数とは、小当たり当否判定乱数等である。現在の保留球数に対応するRAMアドレスに当該取得乱数がセーブされるとは、例えば、現在の保留球数が1の場合、この保留球数1に対応するRAMアドレスに前記の乱数値がセーブされることであり、以下保留球数に応じて同様にセーブされる。
普通動作処理(S500)では、図8のフローチャートから理解されるように、第2始動入賞口11の可動片が開放処理中であるか否か確認される(S501)。開放処理中でない場合、普通図柄用の保留球数が0であるか否か確認され(S502)、保留球数が0であれば当該普通動作処理(S500)は終了する。保留球数が0でない(1〜4)場合、ゲート通過処理(S410)にて取得されRAM内に記憶されている小当たり当否判定乱数が判定値としてロード(読み出し)され(S503)、確率変動状態中であるか否か、つまり確変中であるか否か確認される(S504)。確変中の確認は、主制御回路121内に備えられている確変フラグがON(高確率状態)またはOFF(低確率状態)のいずれかであるかによって行われる。
確率変動状態中でない、すなわち、通常遊技状態(低確率状態)である場合、低確率状態時における小当たり成立数値と前記S503にてロードされた小当たり当否判定乱数が一致するか否かにより、小当たり成立か否か確認され(S505)、小当たり不成立(外れ)であると確認された場合は当該普通動作処理(S500)は終了する。小当たり成立(当たり)であると確認された場合、第2始動入賞口11の可動片の開放処理が実行される(S506)。実施例の低確率状態時における開放処理では、可動片が1秒間拡開開放される態様が1回行われる。
S504において、確率変動状態(高確率状態)中である場合、高確率状態時における小当たり成立数値と前記S503にてロードされた小当たり当否判定乱数が一致するか否かにより、小当たり成立か否か確認され(S507)、小当たり不成立(外れ)であると確認された場合は当該普通動作処理(S500)は終了する。小当たり成立(当たり)であると確認された場合、第2始動入賞口11の可動片の開放処理が実行される(S508)。実施例の高確率状態時における開放処理では、可動片が2秒間拡開開放される態様が3回行われる。
S501において、開放処理中である場合、可動片の開放処理時間が経過したか否か確認され(S509)、経過していない場合は当該普通動作処理(S500)は終了する。経過したと確認された場合、可動片の閉鎖処理が実行される(S510)。
特別動作処理(S1000)においては、図9のフローチャートから理解されるように、特別動作ステータスが1か否か(S1010)、特別動作ステータスが2か否か(S1020)、特別動作ステータスが3か否か(S1030)確認される。特別動作ステータスが各所定値に該当する場合、特別図柄待機処理(S1100)、変動中処理(S1200)、特別図柄確定処理(S1300)に進む。特別動作ステータスが1,2,3のいずれにも該当しない場合、つまり特別動作ステータスが4である場合には、特別電動役物処理(S1400)が行われる。
S1020において特別動作ステータスが1である場合の特別図柄待機処理(S1100)は、図10のフローチャートから理解されるように、保留球数の有無が確認され(S1101)、保留球数が0である場合、表示領域50が特別図柄の変動中であるか否か(待機画面中であるか否か)確認される(S1102)。待機画面中でなければ、表示領域50を待機画面にする待機画面設定処理が行われ(S1103)、待機画面中であればそのまま当該特別図柄待機処理(S1100)を終了する。前記の保留球数有無の確認(S1101)にて保留球数が0ではない場合、特別図柄大当たり判定処理(S1110)、特別図柄選択処理(S1120)、特別図柄変動パターン選択処理(S1130)、特別図柄乱数シフト処理(S1150)、特別図柄変動開始設定処理(S1160)がそれぞれ実行される。
特別図柄大当たり判定処理(S1110)では、図11のフローチャートから理解されるように、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)により取得された主制御回路121のRAM内に記憶されている大当たり当否判定乱数が判定値としてロードされ(S1111)、現在確率変動状態時(高確率状態時)か否か、つまり確変中であるか否か確認される(S1112)。確変中の確認は、主制御回路121内に備えられている確変フラグがON(高確率状態)またはOFF(低確率状態)のいずれかであるかによって行われる。確変中の場合、高確率状態時における大当たり成立数値と前記S1111にてロードされた大当たり当否判定乱数が一致するか否かにより、大当たり成立か否か確認され(S1113)、大当たりでない場合は外れコマンドがセットされる(S1114)。また、確変中でない場合、低確率状態時における大当たり成立数値と前記S1111にてロードされた大当たり当否判定乱数が一致するか否かにより、大当たり成立か否か確認され(S1115)、大当たりでない場合は外れコマンドがセットされる(S1116)。いずれにおいても大当たり当否判定乱数の一致が確認されると大当たり成立となり、大当たりフラグがONにセットされ(S1117)、取得した大当たり図柄乱数値に基づいて確変当たりまたは非確変当たりのいずれであるかを判断して当たりコマンドがセットされる(S1118)。
特別図柄選択処理(S1120)では、図12のフローチャートから理解されるように、大当たりフラグがONであるか否か確認され(S1121)、同大当たりフラグがON(大当たり成立)である場合、大当たり図柄乱数に基づく図柄が表示領域50に確定停止表示される大当たり特別図柄組合せとしてセットされる(S1122)。
S1121において大当たりフラグがONでない場合(つまり外れの場合)、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得され主制御回路のRAM内に記憶されているリーチ乱数がロードされ、前出のリーチ成立数値と一致するか否か確認される(S1123)。両数値が一致の場合、リーチは成立となり、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得されRAM内に記憶されている特別図柄データ1が表示領域50に確定停止表示される左,右特別図柄としてセットされ(S1124)、当該特別図柄データ1に1が加算され(S1125)、この加算後のデータが表示領域50に確定停止表示される中特別図柄としてセットされる(S1126)。
S1123においてロードされたリーチ乱数がリーチ成立数値と一致しない場合、すなわちリーチ無しの場合、外れ特別図柄作成処理(S1010)にて作成された外れ特別図柄1,2,3の格納(セット)されているアドレス値が、格納元アドレス値としてセットされ(S1127)、続いて格納先アドレス値として停止特別図柄1,2,3のアドレスがセットされる(S1128)。そして、それぞれの格納元アドレスから格納先アドレスにデータの転送が行われる(S1129)。以上の各処理を伴い、特別図柄選択処理(S1120)は終了する。停止特別図柄1,2,3とは、順に、表示領域50に確定停止表示される停止左特別図柄、停止中特別図柄、停止右特別図柄である。
特別図柄変動パターン選択処理(S1130)は、変動態様選択手段に相当し、図13のフローチャートから理解されるように、大当たりフラグがONであるか否か確認される(S1131)。同大当たりフラグがON(大当たり成立)である場合、遊技状態が確率変動状態(確変状態)か否か確認される(S1132)。確変状態である場合、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得され主制御回路のRAM内に記憶されている演出乱数用カウンタの乱数値がロードされ、確変状態中当たり変動パターンテーブルより演出乱数用カウンタの取得数値に対応する所定の変動態様(変動パターン)が選択される(S1133)。
S1132において、確変状態でない、すなわち、通常の特別遊技状態である場合、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得され主制御回路のRAM内に記憶されている演出乱数用カウンタの乱数値がロードされ、通常状態中当たり変動パターンテーブルより演出乱数用カウンタの取得数値に対応する所定の変動態様(変動パターン)が選択される(S1134)。
S1131において、同大当たりフラグがONでない、すなわち、大当たりフラグがOFF(大当たり不成立)である場合、リーチ状態が成立しているか否か始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得されたリーチ乱数の値に基づいて確認(判定)される(S1135)。リーチ状態が成立している場合、遊技状態が確変状態か否か確認され(S1136)、確変状態である場合は、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得され主制御回路のRAM内に記憶されている演出乱数用カウンタの乱数値がロードされ、確変状態中リーチ外れ変動パターンテーブルより演出乱数用カウンタの取得数値に対応する所定の変動態様(変動パターン)が選択される(S1137)。
S1136において、確変状態でない、すなわち、通常遊技状態である場合、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得され主制御回路のRAM内に記憶されている演出乱数用カウンタの乱数値がロードされ、通常状態中リーチ外れ変動パターンテーブルより演出乱数用カウンタの取得数値に対応する所定の変動態様(変動パターン)が選択される(S1138)。
S1135において、リーチ状態が成立していない場合、遊技状態が確変状態か否か確認される(S1139)。確変状態である場合、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得され主制御回路のRAM内に記憶されている演出乱数用カウンタの乱数値がロードされ、確変状態中外れ変動パターンテーブルより演出乱数用カウンタの取得数値に対応する所定の変動態様(変動パターン)が選択される(S1140)。
S1139において、確変状態でない、すなわち、通常遊技状態である場合、始動入賞口スイッチ検出処理(S400)にて取得され主制御回路のRAM内に記憶されている演出乱数用カウンタの乱数値がロードされ、通常状態中外れ変動パターンテーブルより演出乱数用カウンタの取得数値に対応する所定の変動態様(変動パターン)が選択される(S1141)。なお、本実施例では、変動パターンテーブルに基づいて図柄(主に外れ図柄)が決定される。
いずれにおいても各変動態様の選択が行われた後、その他の必要な処理が行われ(S1142)、当該特別図柄変動パターン選択処理(S1130)は終了する。
特別図柄乱数シフト処理(S1150)では、主制御回路内RAMの保留球数のデータ記憶領域において、ロード順位(読み出し順位)1位のアドレスの記憶領域に記憶されていた保留球数のデータが、既述の処理によりロードされ空席となることに起因して、ロード順位2位以下のアドレスに記憶されている保留球数のデータに対しロード順位を1ずつ繰り上げるアドレスのシフトが行われる。図14のフローチャートから理解されるように、はじめに主制御回路のRAMに記憶されている保留球数から1減算される(S1151)。具体的には保留球数が3ならば2となる。次に各保留球数に対応するデータが各保留球数から1減算した保留球数のRAMアドレスにシフトされる(S1152)。続いて、最上位(ロード順位が最後、実施例では4個目)の保留球数に対応するRAMアドレスに0がセットされる(S1153)。
特別図柄変動開始設定処理(S1160)では、特別動作ステータスが2に設定され、同時に特別図柄の変動開始等に関する必要な処理が行われる。この処理(S1160)の後、特別動作ステータスが2にセットされて(S11170)、待機中であれば待機中が解除され(S1180)、特別図柄待機処理(S1100)は終了する。
前記の図9の特別動作処理(S1000)から把握されるとおり、S1020にて特別動作ステータスが2である場合に行われる変動中処理(S1200)では、図15のフローチャートから理解されるように、変動時間が終了したか否か確認され(S1201)、終了していない場合はそのまま当該変動中処理(S1200)は終了する。終了している場合、変動停止コマンドがセットされるとともに(S1202)、特別動作ステータスが3にセットされる(S1203)。その後、その他の必要な処理が行われ(S1204)、当該変動中処理(S1200)は終了する。
同じく図11の特別動作処理(S1000)から把握されるとおり、S1030にて特別動作ステータスが3である場合に行われる特別図柄確定処理(S1300)では、図16のフローチャートから理解されるように、大当たりフラグがONであるか否か確認され(S1301)、同大当たりフラグがON(大当たり成立)である場合、大当たりフラグがオフにセットされ(S1302)、特別動作ステータスが4にセットされる(S1303)。また、大当たりフラグがONでない場合(つまり外れの場合)、特別動作ステータスが1にセットされる(S1304)。それぞれの特別動作ステータスのセット後、特別図柄確定処理(S1300)は終了する。実施例では、ラウンドカウンタは15回にセットされる。
さらに図11の特別動作処理(S1000)から把握されるとおり、S1010,S1020,S1030にて特別動作ステータスが1,2,3のいずれにも該当しない場合、すなわち特別動作ステータスが4である場合に行われる特別電動役物処理(S1400)では、図17のフローチャートから理解されるように、確変フラグがOFFにセットされ(S1401)、大当たりオープニングが実施されたか否か確認される(S1402)。大当たりオープニングが実施されていない場合、大当たりオープニングが実施される(S1403)。S1402において大当たりオープニングが実施されたと確認された場合、あるいは、S1403にて大当たりオープニングが実施された場合、現在大入賞装置15の開閉板が開放中か否か確認され(S1404)、大入賞装置15が開放中でない(閉鎖中)場合、大入賞装置15の開放時間か否か、つまり大当たり動作タイマが0であるか否か確認される(S1405)。ここで、大当たり動作タイマが0である場合には大入賞装置15の開放処理が行われ(S1406)、大当たり動作タイマが0でない場合にはそのまま特別電動役物処理(S1400)を終了する。
S1404において、現在大入賞装置15の開閉板が開放中である場合、大入賞装置15内(入賞球数カウントスイッチ)で検出された入賞球数が10個に達したか(S1407)、ラウンド時間(実施例では30秒)を経過したか(S1408)のいずれかであるか否か(つまりラウンド終了条件を満たしているか否か)確認され、いずれでもない場合、当該特別電動役物処理(S1400)を終了する。これに対し、10個の入賞、ラウンド時間経過のいずれかが満たされている場合、大入賞装置15の開閉板の閉鎖処理が行われ(S1409)、ラウンドカウンタの値から1ずつ減算が行われる(S1410)。大入賞装置閉鎖処理(S1409)では、大入賞装置の閉鎖のコマンドが表示制御回路161にも送信可能に出力バッファにセットされる。
続いて、ラウンドカウンタが0であるか否か、つまり特別遊技(大当たり遊技)状態の終了が確認され(S1411)、同ラウンドカウンタが0でなければそのまま特別電動役物処理(S1400)は終了する。ラウンドカウンタが0である場合には、大当たり終了処理が行われ(S1412)、主制御回路RAM内の特別図柄用の保留球数記憶領域に記憶されている大当たり乱数データが大当たり終了コマンドと共に表示制御回路161へ送信可能に出力バッファにセットされる。その後、確変・非確変設定処理が実行され(S1413)、特別電動役物処理(S1400)は終了する。
確変・非確変設定処理(S1420)では、図18のフローチャートから理解されるように、確定停止図柄が確変図柄(実施例では奇数のぞろ目)であるか否か確認され(S1421)、確変図柄である場合、確変フラグがONにセットされ(S1422)、特別動作ステータスが1にセットされ(S1423)、確変・非確変処理(S1420)は終了する。確定停止図柄が確変図柄と異なる図柄の場合、確変フラグがオフにセットされ(S1424)、特別動作ステータスが1にセットされ(S1423)、確変・非確変処理(S1400)は終了する。
図5に開示の割り込み処理(S10)において、上記の特別動作処理(S1000)に続く保留球数処理(S1500)では、図19のフローチャートから理解されるように、記憶されている保留球数がロードされ(S1501)、そのロードされた保留球数が出力バッファにセットされ(S1502)、本処理(S1500)は終わる。
電源断監視処理(S1600)では、図20のフローチャートから理解されるように、電源断信号が入力されているか否か確認され(S1601)、入力がない場合は当該電源断監視処理(S1600)はそのまま終了する。入力されている場合、現在のデータを主制御回路121内のRAMに記憶し(S1602)、電源断フラグがオンにセットされる(S1603)。
その他の処理(S1700)では、その他の遊技に必要な処理が適式に行われる。以上、開示の各処理を経て割り込み処理(S10)は終了する。
次に、実施例の遊技機1のサブ制御回路131が実行する処理を以下のフローチャートを用い説明する。サブ制御回路131のCPUは同回路のROM内に記憶されている特別プログラムを含む各種プログラムに従いサブ制御回路メイン処理MSを実行する。
サブ制御回路メイン処理MSにおいては、図21のフローチャートから理解されるように、CPU初期化処理(SS10)が行われ、続いて電源断信号がオンでサブ制御回路131内のRAM内容が正常であるか否か確認される(SS20)。電源断信号がオンでないまたはサブ制御回路131内のRAM内容が正常でない場合、RAMの初期化が行われる(SS30)。電源断信号がオンでサブ制御回路131内のRAM内容が正常である場合、あるいは、RAMの初期化が行われると、ウォッチドッグタイマカウンタ1,2の初期化が行われ(SS40)、遊技方向フラグが左打ちフラグ、すなわち、遊技領域6の左側領域6aへの遊技球の発射が推奨される第1遊技状態に設定される(SS50)。続いて、割り込み禁止処理(SS60)、乱数シード更新処理(SS70)、コマンド送信処理(SS80)、ウォッチドッグタイマカウンタ1の初期化が行われ(SS90)、割り込み許可処理(SS100)が行われた後、受信割り込み処理(SS200)、2msタイマ割り込み処理(SS300)、10msタイマ割り込み処理(SS400)が行われる。以降は、SS60の割り込み禁止の設定に戻ってループされる。
CPU初期化処理(SS10)では、スタックの設定、定数設定、CPUの設定、割り込み時間の設定、SIO,PIO,CTCの設定等が行われる。メイン処理Mは割り込み時間毎に繰り返し行われるが、CPU初期化処理(SS10)は電源投入時のみ必要となるため最初の1順目のみ実行され、以降は実行されない。
割り込み禁止処理(SS20)では、実施例の場合、2msec毎、10msec毎に割り込み処理(SS200,SS300,SS400)が入ってきても所定の割り込み許可条件が満たされるまで、割り込みを禁止する。
乱数シード更新処理(SS70)では、各種演出や各種図柄の乱数等の更新処理が行われる。
コマンド送信処理(SS80)では、設定された各種コマンドを対応する表示制御回路161、音声制御回路112、発光制御回路115等に送信する処理が行われる。
割り込み許可処理(SS100)では、受信割り込み処理(S200)、2msec毎に入ってくる2msタイマ割り込み処理(SS300)、10msec毎に入ってくる10msタイマ割り込み処理(SS400)にそれぞれ許可を与える。
受信割り込み処理(SS200)では、図22のフローチャートから理解されるように、STB信号がオンであるか否か、すなわち、主制御回路121からのコマンドを受信したか否かが確認される(SS210)。受信が確認されなかった場合はそのまま当該受信割り込み処理(SS200)は終了し、受信が確認された場合は、受信コマンドがサブ制御回路131内のRAMに格納される(SS220)。
2msタイマ割り込み処理(SS300)では、図23のフローチャートから理解されるように、入力処理(SS310)、ランプデータ処理(SS320)、駆動処理(SS330)、ウォッチドッグタイマ処理(SS340)が行われる。
入力処理(SS310)では、始動入賞口検出スイッチやゲート検出スイッチ等の各種スイッチのエッジデータ及びレベルデータの作成が行われる。
ランプデータ処理(SS320)では、後述する10msタイマ割り込み処理(SS400)で作成されたランプデータの出力が行われる。
駆動処理(SS330)では、各種役物の駆動データの作成及び出力処理が行われる。
ウォッチドッグタイマ処理(SS340)では、ウォッチドッグタイマをリセットする処理が行われる。
10msタイマ割り込み処理(SS400)では、図24のフローチャートから理解されるように、メインコマンド解析処理(SS500)、報知タイマ減算処理(SS1000)、ウォッチドッグタイマカウンタ2の初期化(SS1100)、その他処理(SS1200)が行われる。
メインコマンド解析処理(SS500)では、まず各種コマンドのいずれかが受信されたか否か判断され(SS510)、コマンドが受信された場合はそのコマンドが始動口入賞コマンドであるか否か判断される(SS520)。受信されたコマンドが始動口入賞コマンドであると判断された場合、すなわち、始動入賞口10への球技球の入賞に基づいて生成されたコマンドである場合、左側遊技方向報知処理(SS600)が実行される。
SS520にて受信されたコマンドが始動口入賞コマンドでないと判断された場合、そのコマンドがゲート通過コマンドであるか否か判断される(SS530)。受信されたコマンドがゲート通過コマンドであると判断された場合、すなわち、普通図柄変動開始用ゲート19への遊技球の通過に基づいて生成されたコマンドである場合、右側遊技方向報知処理(SS700)が実行される。
SS530にて受信されたコマンドがゲート通過コマンドでないと判断された場合、そのコマンドが主制御状態コマンドであるか否か判断される(SS540)。受信されたコマンドが主制御状態コマンドであると判断された場合、すなわち、通常コマンド、確変コマンド、時短コマンドのいずれかのコマンドである場合、主制御状態コマンド処理(SS800)が実行される。
SS540にて受信されたコマンドが主制御状態コマンドでないと判断された場合、そのコマンドが大当たり関連コマンドであるか否か判断される(SS550)。受信されたコマンドが大当たり関連コマンドであると判断された場合、すなわち、大当たりOPコマンド、大当たりEDコマンド、ラウンドコマンドのいずれかのコマンドである場合、大当たり関連コマンド処理(SS900)が実行される。
SS510にてコマンドが受信されていないと判断された場合またはSS550にて受信されたコマンドが大当たり関連コマンドでないと判断された場合や、左側遊技方向報知処理(SS600)、右側遊技方向報知処理(SS700)、主制御状態コマンド処理(SS800)、大当たり関連コマンド処理(SS900)のいずれかの処理が実行された後、それぞれの受信コマンドに対応するその他処理が実行され(SS560)、当該メインコマンド解析処理は終了する。
左側遊技方向報知処理(SS600)は、遊技方向報知手段による複数種類の遊技方向報知態様から一の遊技方向報知態様を選択する遊技方向報知選択手段、左領域検知手段からの検知信号に基づいて遊技方向報知手段が実行する報知態様を停止(解除)させる遊技方向報知停止手段に相当し、左領域検知手段(始動入賞口10の入賞口用検出スイッチ)の遊技球の検出に基づいて、遊技領域6の左側領域6aへの遊技球の発射が推奨される場合に遊技方向報知態様を停止(解除)するとともに、右側領域6bへの遊技球の発射が推奨される場合に第2右報知態様を実行する。
左側遊技方向報知処理(SS600)では、図26のフローチャートから理解されるように、まず、遊技方向フラグが左打ちフラグであるか否か判断され(SS601)、左打ちフラグである場合、すなわち、遊技領域6の左側領域6aへの遊技球の発射が推奨される第1遊技状態である場合に遊技方向報知態様が解除(停止)されていないか否か判断される(SS602)。遊技方向報知態様が解除(停止)されている場合、右領域検知手段の記憶されている通過回数を0に戻し(SS603)、そのまま当該左側遊技方向報知処理(SS600)は終了する。
一方、SS602にて遊技方向報知態様が解除(停止)されていない、すなわち、いずれかの遊技方向報知態様が実行されいていると判断された場合、左領域検知手段の記憶されている通過回数を1つ増やし(SS604)、左領域検知手段の記憶されている通過回数が2回となったか否か判断される(SS605)。左領域検知手段の通過回数が2回ではない、すなわち、1回である場合は当該左側遊技方向報知処理(SS600)が終了し、2回である場合は、遊技方向報知態様が解除(停止)される(SS606)。このように、左領域検知手段による遊技球の検出が多数(この例では2回)の場合に遊技方向報知態様を停止させるのは、遊技領域6の左側領域6aへの遊技球の発射が推奨される状態において左領域検知手段により多数(この例では2回)の検出がなされることで、遊技者が遊技状態に応じて継続して推奨される左側領域6aへ適切に遊技球を発射させているとみなすことができるためである。これに対し、遊技球の検出が少数(この例では1回)の場合に遊技方向報知態様を停止させないのは、遊技者が継続して左側領域6aへ遊技球を発射させているとは限らず、適切な発射操作が行われていない可能性があるためである。
続いて、右領域検知手段の記憶されている通過回数を0に戻すとともに(SS607)、左領域検知手段の記憶されている通過回数を0に戻し(SS608)、報知タイマ(報知時間)の残り時間を0として(SS609)、現在の遊技方向報知態様の状態(解除)を表す信号を表示装置(表示手段)9へ送信して(SS610)、当該左側遊技方向報知処理(SS600)は終了する。
また、SS601にて左打ちフラグでないと判断された場合、すなわち、遊技領域6の右側領域6bへの遊技球の発射が推奨される第2遊技状態である場合には、右領域検知手段の記憶されている通過回数を0に戻し(SS611)、左領域検知手段の記憶されている通過回数が1回以上であるか否か判断される(SS612)。通過回数が1回以上でない場合、すなわち、通過回数が0である場合、左領域検知手段の記憶されている通過回数を1つ増やし(SS613)、当該左側遊技方向報知処理(SS600)は終了する。
一方、SS612にて左領域検知手段の記憶されている通過回数が1回以上であると判断された場合、遊技方向報知態様が第1右報知態様でないか否か判断され(SS614)、第1右報知態様でない場合、複数種類の遊技方向報知態様から第1右報知態様が選択され(SS615)、現在の遊技方向報知態様の状態(第1右報知態様)を表す信号が表示装置(表示手段)9へ送信される(SS616)。このように、遊技領域6の右側領域6bへの遊技球の発射が推奨される状態において左領域検知手段による遊技球の検出があった場合に第1右報知態様が実行されるのは、遊技者が推奨される発射方向(右側領域6b)へ継続して遊技球を発射させているとは限らず、適切な発射操作が行われていないとみなすことができるためである。
続いて、SS614にて遊技方向報知態様が第1右報知態様であると判断された場合、またはSS616にて遊技方向報知態様の状態を表す信号が表示装置9へ送信された後、報知タイマの残り時間を30000msec(第2報知時間)として(SS617)、左領域検知手段の記憶されている通過回数を2として(SS618)、当該左側遊技方向報知処理(SS600)は終了する。
右側遊技方向報知処理(SS700)は、遊技方向報知手段による複数種類の遊技方向報知態様から一の遊技方向報知態様を選択する遊技方向報知選択手段、左領域検知手段からの検知信号に基づいて遊技方向報知手段が実行する報知態様を停止(解除)させる遊技方向報知停止手段に相当し、右領域検知手段(普通図柄変動開始用ゲート19のゲート検出スイッチ)の遊技球の検出に基づいて、遊技領域6の右側領域6bへの遊技球の発射が推奨される場合に遊技方向報知態様を停止(解除)するとともに、左側領域6aへの遊技球の発射が推奨される場合に第2左報知態様または第4左報知態様を実行する。
右側遊技方向報知処理(SS700)では、図27,28のフローチャートから理解されるように、まず、遊技方向フラグが右打ちフラグであるか否か判断され(SS701)、右打ちフラグである場合、すなわち、遊技領域6の右側領域6bへの遊技球の発射が推奨される第2遊技状態である場合に遊技方向報知態様が解除(停止)されていないか否か判断される(SS702)。遊技方向報知態様が解除(停止)されている場合、左領域検知手段の記憶されている通過回数を0に戻し(SS703)、そのまま当該右側遊技方向報知処理(SS700)は終了する。
一方、SS702にて遊技方向報知態様が解除(停止)されていない、すなわち、いずれかの遊技方向報知態様が実行されいていると判断された場合、右領域検知手段の記憶されている通過回数を1つ増やし(SS704)、右領域検知手段の記憶されている通過回数が2回となったか否か判断される(SS705)。右領域検知手段の通過回数が2回ではない、すなわち、1回である場合は当該右側遊技方向報知処理(SS700)が終了し、2回である場合は、遊技方向報知態様が解除(停止)される(SS706)。このように、右領域検知手段による遊技球の検出が多数(この例では2回)の場合に遊技方向報知態様を停止させるのは、遊技領域6の右側領域6bへの遊技球の発射が推奨される状態において右領域検知手段により多数(この例では2回)の検出がなされることで、遊技者が遊技状態に応じて継続して推奨される右側領域6bへ適切に遊技球を発射させているとみなすことができるためである。これに対し、遊技球の検出が少数(この例では1回)の場合に遊技方向報知態様を停止させないのは、遊技者が継続して右側領域6bへ遊技球を発射させているとは限らず、適切な発射操作が行われていない可能性があるためである。
続いて、右領域検知手段の記憶されている通過回数を0に戻すとともに(SS707)、左領域検知手段の記憶されている通過回数を0に戻し(SS708)、報知タイマの残り時間を0として(SS709)、現在の遊技方向報知態様の状態(解除)を表す信号を表示装置(表示手段)9へ送信して(SS710)、当該右側遊技方向報知処理(SS700)は終了する。
また、SS701にて右打ちフラグでないと判断された場合、すなわち、遊技領域6の左側領域6aへの遊技球の発射が推奨される第1遊技状態である場合には、左領域検知手段の記憶されている通過回数を0に戻し(SS711)、遊技方向報知態様が第1左報知態様か否か判断される(SS712)。第1左報知態様である場合、右領域検知手段の記憶されている通過回数が4回以下であるか否か判断され(SS713)、4回以下である場合、右領域検知手段の記憶されている通過回数を1つ増やして(SS714)当該右側遊技方向報知処理(SS700)は終了し、4回より多いと判断された場合はそのまま右側遊技方向報知処理(SS700)が終了する。このように、遊技領域6の左側領域6aへの遊技球の発射が推奨される状態において第1左報知態様が実行中である場合は、右領域検知手段により遊技球が検出されても第1左報知態様が継続して実行される。
一方、SS712にて遊技方向報知態様が第1左報知態様でないと判断された場合、右領域検知手段の記憶されている通過回数が4回以上であるか否か判断され(SS715)、4回以上である場合には遊技方向報知態様が第2左報知態様でないか否か判断される(SS716)。第2左報知態様でない場合、複数種類の遊技方向報知態様から第2左報知態様が選択され(SS717)、現在の遊技方向報知態様の状態(第2左報知態様)を表す信号が表示装置(表示手段)9へ送信される(SS718)。SS716にて遊技方向報知態様が第2左報知態様であると判断された場合、またはSS718にて遊技方向報知態様の状態を表す信号が表示装置9へ送信された後、右領域検知手段の記憶されている通過回数を5として(SS719)、報知タイマの残り時間を30000msec(第2報知時間)とし(SS720)、当該右側遊技方向報知処理(SS700)は終了する。
また、SS715にて右領域検知手段の記憶されている通過回数が4回以上でないと判断された場合、右領域検知手段の記憶されている通過回数を1つ増やし(SS721)、右領域検知手段の記憶されている通過回数が2回以上であるか否か判断される(SS722)。2回以上でない場合は当該右側遊技方向報知処理(SS700)が終了し、2回以上である場合には遊技方向報知態様が第4左報知態様でないか否か判断され(SS723)、第4左報知態様でない場合、複数種類の遊技方向報知態様から第4左報知態様が選択され(SS724)、現在の遊技方向報知態様の状態(第4左報知態様)を表す信号が表示装置(表示手段)9へ送信される(SS725)。SS722にて遊技方向報知態様が第4左報知態様であると判断された場合、またはSS725にて遊技方向報知態様の状態を表す信号が表示装置9へ送信された後、報知タイマの残り時間を30000msec(第2報知時間)
として(SS726)、当該右側遊技方向報知処理(SS700)は終了する。
このように、遊技領域6の左側領域6aへの遊技球の発射が推奨される状態において第1左報知態様が実行されず右領域検知手段により検知信号が所定複数回(この例では4回)以上検出された場合に第2左報知態様が実行されるのは、右領域検知手段により過剰な(この例では4回)検出がなされることで、遊技者が左側領域6aが推奨される遊技状態とは異なる右側領域6bへ継続して発射させている可能性が極めて高いとみなすことができるためである。
これに対し、技領域6の左側領域6aへの遊技球の発射が推奨される状態において第1左報知態様が実行されず右領域検知手段により検知信号が所定複数回(この例では4回)より少ない複数回(この例では2または3回)検出された場合に第4左報知態様が実行されるのは、右領域検知手段により過剰ではないもののある程度(この例では2または3回)の検出がなされることで、遊技者が左側領域6aが推奨される遊技状態とは異なる右側領域6bへ継続して発射させている可能性があるとみなすことができるためである。
また、遊技領域6の左側領域6aへの遊技球の発射が推奨される状態において第1左報知態様が実行中の場合に右領域検知手段による遊技球の検出に関わらず第1左報知態様が継続されるのは、遊技者が左側領域6aが推奨される遊技状態に応じて左側領域6aへの発射操作を行っていたとしても、それ以前に右側領域6bへ発射された遊技球が流下途中で右側領域6bに残っていて右領域検知手段に検出される可能性があるためである。これは、遊技者が既に適切な発射操作(左側領域6aへの発射)を行っていることを考慮して、第2左報知態様より抑制された報知態様の第1報知態様を実行することで、遊技の妨げになることを回避し遊技者に対して不快感を与えることを抑制する。
主制御状態コマンド処理(SS800)は、遊技方向報知手段による複数種類の遊技方向報知態様から一の遊技方向報知態様を選択する遊技方向報知選択手段、第1遊技状態と第2遊技状態とのいずれか一方の遊技状態を選択する遊技状態選択手段に相当し、受信された主制御状態コマンド(通常コマンド、確変コマンド、時短コマンド)に基づいて、第1遊技状態と第2遊技状態のいずれか一方を選択するとともに、選択された遊技状態に応じて第1左報知態様、第3左報知態様、第1右報知態様、第2右報知態様のいずれかを実行する。
主制御状態コマンド処理(SS800)では、図29のフローチャートから理解されるように、まず、遊技方向フラグが左打ちフラグであるか否か判断され(SS801)、左打ちフラグである場合、すなわち、遊技領域6の左側領域6aへの遊技球の発射が推奨される第1遊技状態である場合には、受信された主制御状態コマンドが通常コマンドであるか否か判断される(SS802)。通常コマンドである場合、遊技領域6の左側領域6aへの遊技球の発射が推奨される第1遊技状態であると判断されて遊技方向フラグが左打ちフラグとされ(SS803)、複数種類の遊技方向報知態様から第3左報知態様が選択されて(SS804)、報知タイマの残り時間が10000msec(第1報知時間)とされる(SS805)。これは、第1遊技状態中に通常コマンドを受信して第1遊技状態が継続される時に第3左報知態様が選択されるものであり、遊技者が既に推奨される左側領域6aへ適切に発射操作を行っている可能性が高いことから、遊技の妨げになることを回避する報知を行い、遊技者に対して不快感を与えることを抑制する。
SS802にて受信された主制御状態コマンドが通常コマンドでない、すなわち、確変コマンドまたは時短コマンドであると判断された場合、遊技領域6の右側領域6bへの遊技球の発射が推奨される第2遊技状態であると判断されて遊技方向フラグが右打ちフラグとされ(SS806)、複数種類の遊技方向報知態様から第1右報知態様が選択されて(SS807)、報知タイマの残り時間が10000msec(第1報知時間)とされる(SS808)。これは、第1遊技状態中に確変コマンドまたは時短コマンドを受信して第2遊技状態に切り替わる時に第1右報知態様が選択されるものであり、遊技者が遊技状態の切替を認識しやすいように、視覚情報と音声情報とで報知を行う。
また、SS801にて遊技方向フラグが左打ちフラグでないと判断された場合、すなわち、遊技領域6の右側領域6bへの遊技球の発射が推奨される第2遊技状態である場合には、受信された主制御状態コマンドが通常コマンドであるか否か判断される(SS809)。通常コマンドである場合、遊技領域6の左側領域6aへの遊技球の発射が推奨される第1遊技状態であると判断されて遊技方向フラグが左打ちフラグとされ(SS810)、複数種類の遊技方向報知態様から第1左報知態様が選択されて(SS811)、報知タイマの残り時間が10000msec(第1報知時間)とされる(SS812)。これは、第2遊技状態中に通常コマンドを受信して第1遊技状態に切り替わる時に第1左報知態様が選択されるものであり、遊技者が遊技状態の切替を認識しやすいように、視覚情報と音声情報とで報知を行う。
SS809にて受信された主制御状態コマンドが通常コマンドでない、すなわち、確変コマンドまたは時短コマンドであると判断された場合、遊技領域6の右側領域6bへの遊技球の発射が推奨される第2遊技状態であると判断されて遊技方向フラグが右打ちフラグとされ(SS813)、複数種類の遊技方向報知態様から第2右報知態様が選択されて(SS814)、報知タイマの残り時間が10000msec(第1報知時間)とされる(SS815)。これは、第2遊技状態中に確変コマンドまたは時短コマンドを受信して第2遊技状態が継続される時に第2右報知態様が選択されるものであり、遊技者が既に推奨される右側領域6bへ適切に発射操作を行っている可能性が高いことから、遊技の妨げになることを回避する報知を行い、遊技者に対して不快感を与えることを抑制する。
SS805、SS808、SS812、SS815のいずれかにおいて報知タイマ(報知時間)の残り時間が設定された後、現在の遊技方向報知態様の状態(第1左報知態様、第3左報知態様、第1右報知態様、第2右報知態様のいずれか)を表す信号が表示装置(表示手段)9へ送信され(SS816)、当該主制御状態コマンド処理(SS800)は終了する。
大当たり関連コマンド処理(SS900)は、遊技方向報知手段による複数種類の遊技方向報知態様から一の遊技方向報知態様を選択する遊技方向報知選択手段に相当し、大当たり中報知態様を実行する。図30のフローチャートから理解されるように、複数種類の遊技方向報知態様から大当たり中報知態様が選択され(SS901)、報知タイマの残り時間を0とし(SS902)、右領域検知手段の記憶されている通過回数を0に戻すとともに(SS903)、左領域検知手段の記憶されている通過回数を0に戻し(SS903)、現在の遊技方向報知態様の状態(大当たり中報知態様)を表す信号を表示装置(表示手段)9へ送信して(SS905)、当該大当たり関連コマンド処理(SS900)は終了する。
報知タイマ減算処理(SS1000)は、第1左報知態様、第2左報知態様、第3左報知態様、第4左報知態様、第1右報知態様、第2右報知態様のいずれかの遊技方向報知態様の実行中に設定された報知タイマ(報知時間)を順次減らしていき、報知タイマが0となった時に実行中の遊技方向報知態様を解除(停止)させる。図31のフローチャートから理解されるように、まず、遊技方向報知態様が大当たり中報知態様であるか否か判断され(SS1001)、大当たり中報知態様でない場合には遊技方向報知態様が解除(停止)されているか否か判断される(SS1002)。SS1001にて遊技方向報知態様が大当たり中報知態様であると判断された場合、または、SS1002にて遊技方向報知態様が解除(停止)されていると判断された場合、当該報知タイマ減算処理(SS1000)は終了する。
一方、SS1002にて遊技方向報知態様が解除(停止)されていないと判断された場合、報知タイマの残り時間が0ではない、すなわち、報知タイマが残っているか否か判断される(SS1003)。報知タイマの残り時間が0ではない(残っている)場合、報知タイマの残り時間を10msec減らして(SS1004)、当該報知タイマ減算処理(SS1000)は終了する。
これに対し、報知タイマの残り時間が0であると判断された場合、遊技方向報知態様が第1左報知態様ではないか否か判断され(SS1005)、第1左報知態様でないと判断された場合には、右領域検知手段の記憶されている通過回数が0に戻される(SS1006)。SS1005にて第1左報知態様であると判断された場合、または、SS1006にて右領域検知手段の記憶されている通過回数が0に戻された後、左領域検知手段の記憶されている通過回数を0に戻すとともに(SS1007)、遊技方向報知態様を解除(停止)させ(SS1008)、現在の遊技方向報知態様の状態(解除)を表す信号を表示装置(表示手段)9へ送信して(SS1009)、当該報知タイマ減算処理(SS1000)は終了する。これは、報知タイマが0の時、遊技方向報知態様が第1左報知態様以外であれば右領域検知手段と左領域検知手段の双方の通過回数を0とし、遊技方向報知態様が第1左報知態様であれば左領域検知手段の通過回数のみを0とすることを意味する。
その他処理(SS1200)では、その他の遊技に必要な処理が適式に行われる。以上、開示の各処理を経て10msタイマ割り込み処理(SS400)は終了する。
次に、遊技状態に対応して実行される複数種類の遊技方向報知態様について、図21〜図31のフローチャートに基づいて具体的に説明する。まず、初期状態(電源投入時)では、図21に示すように、遊技領域6の左側領域6aへの遊技球の発射が推奨される第1遊技状態に設定され、遊技者の発射装置(発射手段)Hの発射操作に従って遊技が開始される。この時点では、遊技方向報知態様は実行されない。
遊技状態が、第1遊技状態から遊技領域6の右側領域6bへの遊技球の発射が推奨される第2遊技状態に変更された場合(例えば、通常遊技から確変遊技または時短遊技に変更等)、遊技者が左側領域6aへ遊技球を発射している状況で遊技状態が変更された可能性が高いことから、図29に示すように、遊技者に対し右側領域6bへ遊技球を発射するように報知するために第1右報知態様が選択され、表示装置9の表示領域50に右側領域6bを指し示す矢印図柄の視覚情報を表示させるとともに、スピーカ37から通常音量の音声情報を発声させる。この第1右報知態様は、最大で第1報知時間(10000msec)実行され、その間に、図27に示すようにゲート通過スイッチ(右領域検知手段)により遊技球の通過が複数回(この例では2回)検出されると、遊技者が遊技状態に応じて適切な発射操作(右側領域6bへの発射)を継続して実行しているものとみなされ、右領域検知手段の検知信号に基づいて停止(解除)される。一方、第1右報知態様が実行中に特別図柄変動開始スイッチ(左領域検知手段)により遊技球の検出があった場合には、図26に示すように、複数回(この例では2回)検出されると、遊技者が遊技状態とは異なる不適切な発射操作(左側領域6aへの発射)を継続して実行しているものとみなされ、報知時間が第2報知時間(30000msec)に変更(延長)され、遊技者に対して適切な発射操作を実行するように継続して報知が実行される。なお、残りの報知時間が0になると、図31に示すように、第1右報知態様は終了する。
遊技状態が、第2遊技状態から第2遊技状態が継続された場合(例えば、確変遊技から確変大当りに当選して確変遊技が継続した場合等)、遊技者が既に適切な発射操作(右側領域6bへ発射)を行っている可能性が高いことから、図29に示すように、遊技者に対し遊技を妨げないように報知するために第2右報知態様が選択され、スピーカ37による報知が行われず、表示装置9の表示領域50に右側領域6bを指し示す矢印図柄の視覚情報による報知のみが行われる。この第2右報知態様は、第1右報知態様と同様に、最大で第1報知時間(10000msec)実行され、その間に、図27に示すようにゲート通過スイッチ(右領域検知手段)により遊技球の通過が複数回(この例では2回)検出されると、遊技者が遊技状態に応じて適切な発射操作(右側領域6bへの発射)を継続して実行しているものとみなされ、右領域検知手段の検知信号に基づいて停止(解除)される。一方、第2右報知態様が実行中に特別図柄変動開始スイッチ(左領域検知手段)により遊技球の検出があった場合には、図26に示すように、複数回(この例では2回)検出されると、遊技者が遊技状態とは異なる不適切な発射操作(左側領域6aへの発射)を継続して実行しているものとみなされて第1右報知態様が選択され、表示装置9の表示領域50に右側領域6bを指し示す矢印図柄の視覚情報を表示させるとともに、スピーカ37から通常音量の音声情報を発声させる報知が、最大で第2報知時間(30000msec)実行される。なお、残りの報知時間が0になると、図31に示すように、第2右報知態様は終了する。
遊技状態が、第2遊技状態から第1遊技状態に変更された場合(例えば、確変遊技から通常大当りに当選して通常遊技に変更した場合等)、遊技者が右側領域6bへ遊技球を発射している状況で遊技状態が変更された可能性が高いことから、図29に示すように、遊技者に対し左側領域6aへ遊技球を発射するように報知するために第1左報知態様が選択され、表示装置9の表示領域50に左側領域6aを指し示す矢印図柄の視覚情報を表示させるとともに、スピーカ37から通常音量の音声情報を発声させる。この第1左報知態様は、最大で第1報知時間(10000msec)実行され、その間に、図26に示すように特別図柄変動開始スイッチ(左領域検知手段)により遊技球の通過が複数回(この例では2回)検出されると、遊技者が遊技状態に応じて適切な発射操作(左側領域6aへの発射)を継続して実行しているものとみなされ、左領域検知手段の検知信号に基づいて停止(解除)される。
一方、第2遊技状態から第1遊技状態に変更された際にゲート通過スイッチ(右領域検知手段)により遊技球の検出があった場合、第1左報知態様が実行中であれば、図26,27,31に示すように、左領域検知手段が遊技球を複数回(この例では2回)検出するまで、第1報知時間(10000msec)継続して報知が実行される。また、第1左報知態様の終了後、ゲート通過スイッチ(右領域検知手段)による遊技球の検出が所定複数回(この例では4回)以上であると、過剰な(この例では4回)検出により遊技者が遊技状態とは異なる不適切な発射操作(右側領域6bへの発射)を継続して実行している可能性が極めて高いとみなされて、遊技者に対し左側領域6aへ遊技球を発射するよう強く報知するために第2左報知態様が選択され、表示装置9の表示領域50に左側領域6aを指し示す矢印図柄の視覚情報を表示させるとともに、スピーカ37から最大音量の音声情報を発声させる報知(警告)が、最大で第2報知時間(30000msec)実行される。これに対し、ゲート通過スイッチ(右領域検知手段)による遊技球の検出が所定複数回より少ない複数回(この例では2,3回)であると、遊技者が遊技状態とは異なる不適切な発射操作(右側領域6bへの発射)を継続して実行している可能性があるとみなされて、遊技者に対し左側領域6aへ遊技球を発射するように報知するために第4左報知態様が選択され、表示装置9の表示領域50に左側領域6aを指し示す矢印図柄の視覚情報を表示させるとともに、スピーカ37から通常音量の音声情報を発声させる報知が最大で第2報知時間(30000msec)延長して実行される。なお、第2左報知態様または第4左報知態様において、残りの報知時間が0になると、図31に示すように、各報知態様は終了する。
このように、第2遊技状態から第1遊技状態に変更された場合では、右領域検知手段の検出回数にかかわらず第1左報知態様が実行され、終了後に右領域検知手段の検出回数に応じて第2左報知態様や第4左報知態様が実行される。これは、右領域検知手段によって検出される遊技球が発射装置Hから遠い右側領域6bへ発射された遊技球であり、検出されるまでにある程度の時間を要することから、遊技者が適切な発射操作(左側領域6aへ発射)に切り換えた後であっても推奨される遊技領域(この例では左側領域6a)とは異なる遊技領域(右側領域6b)に残っている遊技球が右領域検知手段によって複数回検出される可能性があることを考慮して、第1報知時間(10000msec)中は警告(第2左報知態様)や長い報知(第4左報知態様)を実行しないようにし、遊技者が既に適切な発射操作(左側領域6aへの発射)を行っていた場合に遊技を妨げて不快感を与えてしまうことを回避するものである。そして、第1左報知態様終了後に、右領域検知手段の検出回数が過剰であれば警告(第2左報知態様)を発し、過剰ではないが複数回あれば長い報知(第4左報知態様)を行って、遊技者に対して適切な発射操作を促す。なお、第1左報知態様終了後、右領域検知手段の検出回数が1回以下であれば、第2左報知態様や第4左報知態様は実行されない。
遊技状態が、第1遊技状態から第1遊技状態が継続された場合(例えば、通常遊技から通常大当りに当選して通常遊技が継続した場合等)、遊技者が既に適切な発射操作(左側領域6aへ発射)を行っている可能性が高いことから、図29に示すように、遊技者に対し遊技を妨げないように報知するために第3左報知態様が選択され、スピーカ37による報知が行われず、表示装置9の表示領域50に左側領域6aを指し示す矢印図柄の視覚情報による報知のみが行われる。この第3左報知態様は、最大で第1報知時間(10000msec)実行され、その間に、図26に示すように特別図柄変動開始スイッチ(左領域検知手段)により遊技球の通過が複数回(この例では2回)検出されると、遊技者が遊技状態に応じて適切な発射操作(左側領域6aへの発射)を継続して実行しているものとみなされ、左領域検知手段の検知信号に基づいて停止(解除)される。一方、第3左報知態様が実行中にゲート通過スイッチ(右領域検知手段)により遊技球の検出があった場合、図27に示すように、右領域検知手段の検出回数が過剰(この例では所定複数回以上=4回以上)であれば第2左報知態様が選択され、過剰ではないが複数回(この例では、所定複数回より少ない複数回=2,3回)であれば第4左報知態様が選択される。なお、右領域検知手段の検出回数が1回以下であれば、第2左報知態様や第4左報知態様は実行されず、図31に示すように、残りの報知時間が0になることによって第3左報知態様は終了する。
以上図示し説明したように、本発明の遊技機1は、遊技球が流下可能な左側領域6a及び右側領域6bとで構成される遊技領域6を有する遊技盤3と、遊技領域6の左側領域6aと右側領域6bとへ遊技球を打ち分けて発射することが可能な発射手段Hと、遊技者に対して発射手段Hによって遊技球を発射させる方向を促す報知を行う遊技方向報知手段とを備え、発射手段Hにより発射されて遊技領域6の左側領域6aを流下する遊技球を検知可能な左領域検知手段と、発射手段Hにより発射されて遊技領域6の右側領域6bを流下する遊技球を検知可能な右領域検知手段と、遊技方向報知手段による複数種類の遊技方向報知態様から一の遊技方向報知態様を選択する遊技方向報知選択手段と、左領域検知手段または右領域検知手段からの検知信号に基づいて遊技方向報知手段が実行する報知態様を停止させる遊技方向報知停止手段と、発射手段Hによって遊技領域6の左側領域6aへ向かって遊技球を発射することが推奨される第1遊技状態と、発射手段Hによって遊技領域6の右側領域6bへ向かって遊技球を発射することが推奨される第2遊技状態とのいずれか一方の遊技状態を選択する遊技状態選択手段とを備え、複数種類の遊技方向報知態様は、少なくとも、遊技者に対して左側領域6aへの遊技球の発射を促す報知を実行する第1左報知態様と、遊技者に対して左側領域6aへの遊技球の発射を第1左報知態様の報知より強調して促す報知を実行する第2左報知態様とを有し、遊技方向報知手段による第1左報知態様または第2左報知態様の実行中に左領域検知手段からの検知信号が検出された場合には遊技方向報知停止手段により第1左報知態様または第2左報知態様が停止され、第2遊技状態中に遊技状態選択手段により第1遊技状態が選択された場合には遊技方向報知選択手段により第1左報知態様が選択される一方、第1遊技状態時に右領域検知手段からの検知信号が所定複数回以上検出されかつ第1左報知態様が実行されていない場合には遊技方向報知選択手段により第2左報知態様が選択されるため、遊技状態の変化に応じて複数種類の遊技方向報知態様が実行可能となって遊技者が遊技状態を認識しやすくなる一方、遊技者が遊技状態に対応して適切な発射操作を行ったと判断された場合には遊技方向報知態様が停止されるとともに、遊技者が左側領域6aに適切な発射操作を行っている時に推奨される遊技領域と異なる遊技領域に残っている遊技球が検出されてもすぐに強調した報知である第2左報知態様が実行されることがなく、適切な操作を行う遊技者に対してしつこく報知することがなくなって不快感を与えることを抑制することができる。
また、複数種類の遊技方向報知態様は、遊技者に対して左側領域6aへの遊技球の発射を第1左報知態様の報知より弱い報知で促す第3左報知態様と、遊技者に対して左側領域6aへの遊技球の発射を第2左報知態様の報知より弱い報知で促す第4左報知態様とを有し、遊技方向報知手段による第3左報知態様または第4左報知態様の実行中に左領域検知手段からの検知信号が検出された場合には遊技方向報知停止手段により第3左報知態様または第4左報知態様が停止され、第1遊技状態中に遊技状態選択手段により第1遊技状態が選択された場合には遊技方向報知選択手段により第3左報知態様が選択される一方、第1遊技状態時に右領域検知手段からの検知信号が所定複数回より少ない複数回検出されかつ第1左報知態様が実行されていない場合には遊技方向報知選択手段により第4左報知態様が選択されるため、多様な遊技状態に応じた複数種類の遊技方向報知態様が実行可能となり、遊技者が遊技状態をより認識しやすくなるとともに、左側遊技領域6aに適切な発射操作を行っている時に遊技状態が継続された場合には弱い報知である第4左報知態様が実行されて遊技の妨げになることを回避して不快感を与えることを抑制することができる。
さらに、複数種類の遊技方向報知態様は、遊技者に対して右側領域6bへの遊技球の発射を促す報知を実行する第1右報知態様と、遊技者に対して右側領域6bへの遊技球の発射を第1右報知態様の報知より弱い報知で促す第2右報知態様とを有し、遊技方向報知手段による第1右報知態様または第2右報知態様の実行中に右領域検知手段からの検知信号が検出された場合には遊技方向報知停止手段により第1右報知態様または第2右報知態様が停止され、第1遊技状態中に遊技状態選択手段により第2遊技状態が選択された場合には遊技方向報知選択手段により第1右報知態様が選択される一方、第2遊技状態中に遊技状態選択手段により第2遊技状態が選択された場合には遊技方向報知選択手段により第2右報知態様が選択されるため、より多様な遊技状態に応じた複数種類の遊技方向報知態様が実行可能となって遊技者が遊技状態をより認識しやすくなるとともに、右側遊技領域6bに適切な発射操作を行っている時に遊技状態が継続された場合には弱い報知である第2右報知態様が実行されて遊技の妨げになることを回避して不快感を与えることを抑制することができる。
加えて、第1左報知態様と第3左報知態様と第1右報知態様と第2右報知態様とが第1報知時間で実行される一方、第2左報知態様と第4左報知態様とが第1報知時間より長い第2報知時間で実行されるため、各遊技方向報知態様に応じた適切な報知時間が設定されて、遊技者に不快感を与えることをより効果的に抑制することが可能となる。
また、遊技方向報知手段は、画像が表示可能な表示領域を有する表示手段と、音声を発生させることが可能な音声手段とからなり、複数種類の報知態様が、表示手段により遊技者が視覚的に認識可能な視覚情報と、音声手段により遊技者が聴覚的に認識可能な音声情報との組合せによって構成されているため、極めて簡易な構成で多様な遊技方向報知態様を実行することが可能となる。
なお、本発明の遊技機は、前述の実施例のみに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の一部を適宜に変更して実施することができる。例えば、実施例では、遊技方向報知手段を表示手段である表示装置と音声手段であるスピーカとしたが、これに限らず、発光手段である各種発光体を含めてもよい。
また、実施例では、第1左報知態様と第4左報知態様と第1右報知態様の音声手段による報知をいずれも通常音量による報知としたが、それぞれ異なる音量としてもよい。
加えて、実施例では、第2左報知態様を視覚情報と最大音量の音声情報としたが、表示領域に表示する視覚情報で強調して通常音量の音声情報としたり、表示領域に表示する視覚情報で強調して最大音量の音声情報としたりする等、第1左報知態様より強調した報知であれば適宜の態様とすることが可能である。同様に、第3左報知態様と第2右報知態様を、いずれも視覚情報のみで音声手段による報知を消音としたが、音声情報のみとしたり、縮小した視覚情報と小音量の音声情報とする等、第2左報知態様や第1右報知態様より弱い報知でであれば適宜の態様とすることが可能である。
さらに、実施例では、第1報知時間を10秒とし第2報知時間を30秒としたが、これに限定されるものではなく、第2報知時間が第1報知時間より長い時間となるのであれば適宜の時間に設定することができる。また、実施例では、第1左報知態様と第3左報知態様と第1右報知態様と第2右報知態様とが第1報知時間、第2左報知態様と第4左報知態様とが第2報知時間としたが、それぞれの遊技方向報知態様の報知時間を異ならせてもよい。その際、第2左報知態様と第4左報知態様の報知時間は、第1左報知態様と第3左報知態様の報知時間より長く設定することが好ましい。
また、実施例では、左領域検知手段を始動入賞口の入賞口用検出スイッチとしたが、これに限定されるものではなく、遊技領域の右側領域を流下(通過)した遊技球の検出は行わず左側領域を流下する遊技球のみが検出可能な構成であれば、他の入賞口用検出スイッチ等に兼用させたり、遊技盤上等に新たに検出スイッチを設ける等、適宜の位置に設けることが可能である。一方、右領域検知手段を普通図柄変動開始用ゲートのゲート検出スイッチとしたが、これに限定されるものではなく、遊技領域の左側領域を流下(通過)した遊技球の検出は行わず右側領域を流下する遊技球のみが検出可能な構成であれば、他の入賞口用検出スイッチ等に兼用させたり、遊技盤上等に新たに検出スイッチを設ける等、適宜の位置に設けることが可能である。