以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図30を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことであり、後述する第1入球口64への入球(始動始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。例えば、浅瀬の海の中をモチーフにした「海ステージ」、海底宮殿をモチーフにした「宮殿ステージ」、深海をモチーフにした「深海ステージ」等が、ステージとして用意される。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われる。
また、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、第1スルーゲート67、第2スルーゲート670、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図5参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、2つの第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37Aには、発光手段である複数のLED37Aaと7セグメント表示器37Abとが設けられている。他方の第1図柄表示装置37Bもまた同様に、発光手段である複数のLED37Baと7セグメント表示器37Bbとが設けられている。
第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施の形態では、これらの第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入球口64へ入賞したか、第2入球口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入球口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
複数のLED37Aa,37Baは、いずれも、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37Ab,37Bbは、いずれも、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37Aa,37Baは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、詳細については後述するが、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入球があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。LED37Aa,37Baには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入球口640へ球が入球し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入球口640へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
詳細は後述するが、確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入球口640へ球が入球し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図であり、図4(a)は、第3図柄表示装置81の表示画面及び有効ライン設定を模式的に示した模式図であり、図4(b)は、所謂ダブルリーチが成立した場合の第3図柄表示装置81の表示画面を示した図である。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、画面のほぼ全領域にわたって第3図柄を変動表示する主表示領域Dmとなっている。また、主表示領域Dmの中央下部には、第1入球口64及び第2入球口640に入球された球のうち、変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する保留表示領域Dbが設けられている。
主表示領域Dmに表示される第3図柄は、「0」から「9」の数字に対応する10種類のキャラクタ図柄(カメ、サメ、ジュゴン、エンゼルフィッシュ等)からなる10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された1種類の副図柄(本実施の形態では、貝の絵図柄)とにより構成されている。これらの主図柄及び副図柄は、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されることによって図柄列を構成している。
パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640への入球を検出すると、大当たり抽選を行い、第1図柄表示装置37(LED37a)における変動表示とあわせて、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動表示(変動演出)を実行する。変動演出は、各図柄列毎に主図柄及び副図柄が周期性をもって右から左(矢印X方向)へスクロール(横スクロール)するように行われる。なお、図4に示すように、かかる横スクロール時には、各図柄列は、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。この場合、上図柄列Z1においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び下図柄列Z3においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面には、それぞれ、各図柄列(Z1〜Z3)毎に左・中・右の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。また、第3図柄表示装置81の表示画面には、5つの有効ラインが設定されている。具体的には、図4(a)に示すように、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つのラインが有効ラインとして設定されている。
パチンコ機10では、毎回の遊技に際して、横にスクロールする変動演出の停止時に、いずれかの有効ラインL1〜L5上に、大当たり図柄の組み合わせ(例えば、同一の主図柄の組み合わせ)が揃えば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
即ち、後述の主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、いずれかの有効ラインL1〜L5上に同一の主図柄が揃う変動表示(変動演出)が行われ、その変動演出が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合(確変大当たりの場合)は、奇数番号に対応する主図柄(「確変図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合(通常大当たりの場合)は、偶数番号に対応する主図柄(「通常図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。
変動演出の停止は、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に行われる。そして、上図柄列Z1と下図柄列Z3とが停止表示された段階で、いずれかの有効ラインL1〜L5上に、その上図柄列Z1と下図柄列Z3とにおいて同一の主図柄が停止表示されていた場合、「リーチ成立」として、その旨を報知する画面が第3図柄表示装置81に表示されると共に、リーチを知らせる音声がパチンコ機10に設けられた音声出力装置226(図5参照)から出力される。ここで、「リーチ」とは、中図柄列Z2が停止表示された場合に、その中図柄列Z2に停止表示された図柄によって、大当たりが発生する可能性がある状態を表すものである。
また、本実施形態のパチンコ機10は、上述した通り、上図柄列Z1においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、下図柄列Z3においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されているので、図4(b)に示すように、上図柄列Z1と下図柄列Z3とが停止表示された段階で、それぞれの図柄列Z1,Z3における左・中・右の3段の第3図柄の並びが、逆の並びとなる場合がある。例えば、図4(b)に示した例では、上図柄列Z1には、左から順に「7」の主図柄(ジュゴン)、副図柄(貝)、「6」の主図柄(サメ)が並び、下図柄列Z1には、左から順に「6」の主図柄(サメ)、副図柄(貝)、「7」の主図柄(ジュゴン)が並んでおり、上図柄列Z1と下図柄列Z3とは、第3図柄の並びが逆になっている。
この場合において、中図柄列Z2が停止表示されたときに、中図柄列Z2の真ん中の図柄が「6」の主図柄(サメ)となれば、有効ラインL4上に「6」の主図柄(サメ)、即ち、偶数図柄に対応する主図柄である通常図柄が揃うので、通常大当たりとなり、大当たり終了後に低確率状態へ移行すると共に時短状態となる。一方、中図柄列Z2の真ん中の図柄が「7」の主図柄(ジュゴン)となれば、有効ラインL5上に「7」の主図柄(ジュゴン)、即ち、奇数図柄に対応する主図柄である確変図柄が揃うので、確変大当たりとなり、大当たり終了後に高確率状態へ移行する。つまり、図4(b)に示した状態は、2つの有効ラインL4,L5上において大当たりとなる可能性があり、中図柄列Z2に停止表示された図柄によって、通常大当たりにも確変大当たりにもなり得る状態、即ち、2つのリーチが成立した「ダブルリーチ」状態にある。
このように、本実施形態におけるパチンコ機10は、第3図柄表示装置81における変動演出においてダブルリーチが成立し得る。このダブルリーチを成立させることによって、単なるシングルリーチ(上図柄列Z1と下図柄列Z3とが停止表示された段階で、1つの有効ライン上にのみ大当たりとなる可能性が示されたリーチ)に比べ、遊技者に大当たりとなる可能性をより高く期待させることができる。また、確変大当たりとなるのか、通常大当たりとなるのか、或いは、確変大当たりにも通常大当たりにもならず、外れとなってしまうのか、といったより複雑な感情を、遊技者に抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる。
保留表示領域Dbは、第1入球口64及び第2入球口640に入球された球のうち、変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域である。第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37A,37B)にて変動表示が行われている間に、球が第1入球口64又は第2入球口640へ入球した場合、その入球回数は第1入球口64への入球に対して最大4回まで保留され、また、第2入球口640への入球に対しても最大4回まで保留される。この第1入球口64及び第2入球口640における保留球数の合計値が、第1図柄表示装置37A,37Bにより示されると共に、保留表示領域Dbにも示される。
保留表示領域Dbには、保留球数1球につき1つの保留球数図柄(図4(a),(b)の●図柄)が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、保留表示領域Dbに1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、8つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が8球であることを示す。また、保留表示領域Dbに保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。同様に、第2入球口640への入球においても、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口64への入球に対する最大保留球数と、第2入球口640への入球に対する最大保留球数とは、同一の回数に限定されるものではなく、異なった回数に設定してもよい。例えば、第1入球口64への入球に対する最大保留球数を4回に設定し、第2入球口640への入球に対する最大保留球数を2回に設定してもよい。
また、保留表示領域Dbにおける保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、1又は複数に区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の8つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670を通過したことが検出されと、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入球口640へ球が入球しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入球口640へ球が入球しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
第1スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の左方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。また、第2スルーゲート670は、可変表示装置ユニット80の右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置83にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37AのLED37Aaで示される。
一方、可変表示装置ユニット80の正面視右方には、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37BのLED37Baで示される。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施の形態においては、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入球口640へ入球しにくい状態となっている。一方、第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置83に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入球口640へ入球しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態を作ることができる。
ここで、詳細については後述するが、第1入球口64に球が入球した場合と第2入球口640へ球が入球した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入球口64の下方には第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64への入球に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37AのLED37Aaを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
また、第2入球口640の下方には第2可変入賞装置650が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)650aが設けられている。パチンコ機10においては、第2入球口640への入球に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37BのLED37Baを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口650aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65a,650aは、いずれも所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65a,650aが所定時間開放される。この特定入賞口65a,650aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
第1可変入賞装置65及び第2可変入賞装置650は、具体的には、特定入賞口65a又は特定入賞口650aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とをいずれも備えている。特定入賞口65a,650aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65a,650aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLED37Aa,LED37Baが点灯した場合に、特定入賞口65a,650aが所定時間開放され、その特定入賞口65a,650aの開放中に、球が特定入賞口65a,650a内へ入賞することを契機として特定入賞口65a,650aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65a,640,650aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図5を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
ここで、図6を参照して、RAM203及びROM202に格納されている各種データについて説明する。図6(a)は、RAM203に格納される各種データを模式的に示した模式図であり、図6(b)は、ROM202に格納される各種データを模式的に示した模式図である。
RAM203は、図6(a)に示す通り、特図1保留球格納エリア203a、特図2保留球格納エリア203b、特図保留球実行エリア203c、特図1保留球数カウンタ203d、特図2保留球カウンタ203e、普図保留球数カウンタ203f、普図1保留球数カウンタ203g、普図保留球数カウンタ203h、普図保留球格納エリア203i、普図保留球実行エリア203j、特図種別フラグ203kを少なくとも有している。
また、ROM202は、図6(b)に示す通り、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、大当たり用変動パターンテーブル202c202c、外れ用変動パターンテーブル202d202dを少なくとも有している。
更に、主制御装置110では、上述した、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行するために、RAM203には、各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図7参照)が設けられている。
ここで、図7及び図8を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられる各種カウンタと、ROM202内に格納された各種テーブル202a〜202dと、RAM203内に設けられた各種保留球格納エリア203a,203b,203i及び各種保留球実行エリア203c,203jとについて説明する。まず、図7は、各種カウンタの概要を示す図である。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示装置83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。また、第2図柄表示装置83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図14参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図21参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。カウンタ用バッファは、更新された各カウンタの値を格納するための領域であり、MPU201は、カウンタ毎に、そのカウンタの更新タイミングで、カウンタ用バッファに格納された値を用いて、そのカウンタの更新を行う。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜899)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜899の値を取り得るカウンタの場合は899)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり乱数カウンタC1の更新が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれ、その新たに読み込まれた初期値から、第1乱数カウンタC1の更新が行われる。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜899の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜899の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図14参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図21参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新される。そして、詳細については後述するが、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの第1当たり乱数カウンタC1の値が、特図1保留球格納エリア203aに設けられた特図1保留第1〜第4エリアのいずれかに格納される。また、球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの第1当たり乱数カウンタC1の値が、特図2保留球格納エリア203bに設けられた特図2保留第1〜第4エリアのいずれかに格納される。
大当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202a(図6(b))によって設定されている。第1入球口64又は第2入球口640に球が入賞(始動入賞)したタイミングで特図1保留球格納エリア203a又は特図第2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)と一致する場合に、MPU201は大当たりと判定する。
ここで、図8(a)を参照して、大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図8(a)は、大当たり乱数テーブル202aの一例を示した模式図である。この大当たり乱数テーブル202aは、遊技状態が低確率状態(確変中ではない状態)用と、その低確率状態より大当たりとなる確率の高い高確率状態(確変中の状態)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の数が異なって設定されている。大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜899の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1では、低確率状態に大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は3で、その大当たり乱数値「7,307,582」が、「遊技状態」の「低確率状態」に対応付けられて、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。
一方で、高確率状態における大当たり乱数値の数は30で、その大当たり乱数値「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が、「遊技状態」の「高確率状態」に対応付けられて、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。
尚、本実施形態では、大当たり乱数テーブル202aにおいて、「低確率状態」に対応付けられている大当たり乱数値と、「高確率状態」に対応付けられている大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たり乱数値を設定している。パチンコ機10の状況にかかわらず大当たり乱数値となる値が存在すれば、その値が外部から予測されやすくなるので、不正に大当たりを引き当てられる可能性が高くなる恐れがある。本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
図7に戻り、説明を続ける。第1当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後に0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新される。そして、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの第1当たり種別カウンタC2の値が第1当たり乱数カウンタC1の値と共に、RAM203の特図1保留球格納エリア203aに設けられた特図1保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。また、球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの第1当たり種別カウンタC2の値が第1当たり乱数カウンタC1の値と共に、RAM203の特図2保留球格納エリア203bに設けられた特図2保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。
ここで、特図1保留球格納エリア203b又は特図2保留球格納エリア203c内の1の保留エリア(特図1保留第1〜第4エリア、特図2保留第1〜第4エリアのいずれか)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、外れ時のものとなる。一方で、特図1保留球格納エリア203b又は特図2保留球格納エリア203c内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202b(図6(b))とに基づいて、大当たり種別が決定される。ここで、図8(b)を参照して、大当たり種別テーブル202bについて説明する。図8(b)は、大当たり種別テーブル202bの一例を模式的に示した図である。図8(b)に示すように、大当たり種別テーブル202bは、大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する「15R確変大当たり」、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行すると共に、100変動回数の間は時短状態となる「15R通常大当たり」、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する「4R確変大当たり」がある。
大当たり種別テーブル202bでは、第1入球口64への入賞に基づいて行われる大当たり抽選の結果が大当たりの場合の大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値との対応付けと、第2入球口640への入賞に基づいて行われる大当たり抽選の結果が大当たりの場合の大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値との対応付けが別々に規定されている。
図8(b)の例では、第1入球口64への入賞に基づいて行われる大当たり抽選の結果が大当たりの場合の大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値との対応付けとして、「第1入球口」用の大当たり種別テーブルとして次のように規定している。即ち、15R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「0〜24」が対応付けられ、15R通常大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「25〜49」が対応付けられ、4R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「50〜99」が対応付けられている。つまり、第1入球口64への入賞に伴って大当たりとなる場合は、その大当たり種別は、1/4(=25/100)の確率で15R確変大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で15R通常大当たりとなり、1/2(=50/100)の確率で4R確変大当たりとなる。
一方、第2入球口640への入賞に基づいて行われる大当たり抽選の結果が大当たりの場合の大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値との対応付けとして、「第2入球口」用の大当たり種別テーブルとして次のように規定している。即ち、4R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「0〜24」が対応付けられ、15R通常大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「25〜49」が対応付けられ、15R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「50〜99」が対応付けられている。つまり、第2入球口640への入賞に伴って大当たりとなる場合は、その大当たり種別は、1/2(=50/100)の確率で15R確変大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で15R通常大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で4R確変大当たりとなる。
このように、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、上述した通り、第2入球口640には電動役物640aが付随しており、電動役物640aの開閉状態に応じて第2入球口640への球の入球し易さが変化するのに対し、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
よって、通常時においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
図7に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチが発生しない「完全外れ」との3つの停止(演出)パターンが選択される。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新される。そして、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの停止パターン選択カウンタC3の値が第1当たり乱数カウンタC1の値と共に、RAM203の特図1保留球格納エリア203aに設けられた特図1保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。また、球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの停止パターン選択カウンタC3の値が第1当たり乱数カウンタC1の値と共に、RAM203の特図2保留球格納エリア203bに設けられた特図2保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。
特図1保留球格納エリア203b又は特図2保留球格納エリア203c内の1の保留エリア(特図1保留第1〜第4エリア、特図2保留第1〜第4エリアのいずれか)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、外れ時の停止種別として、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、停止種別が選択される。
停止パターン選択カウンタC3に対応して、停止種別の選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブル(図示せず)がROM202に設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、変動パターンの決定に用いられるカウンタであり、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図14参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図21参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。
そして、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの変動種別カウンタCS1の値が第1当たり乱数カウンタC1の値と共に、RAM203の特図1保留球格納エリア203aに設けられた特図1保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。また、球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、そのときの変動種別カウンタCS1の値が第1当たり乱数カウンタC1の値と共に、RAM203の特図2保留球格納エリア203bに設けられた特図2保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。
MPU201は、変動種別カウンタCS1と、ROM202に格納された変動パターンテーブル202bc,203d(図7(b))とによって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ等の変動パターンを決定する。変動パターンの決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様を決定する。
本パチンコ機10は、変動パターンテーブルとして、大当たり時に用いられる大当たり用変動パターンテーブル202cと、外れ時に用いられる外れ用変動パターンテーブル202dとが用意されている。また、外れ用変動パターンテーブル202dとして、遊技状態が時短中を除く通常中の低確率状態か、もしくは、時短中または確変中であるかに応じて、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1および外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2が用意されている。
ここで、特図1保留球格納エリア203b又は特図2保留球格納エリア203c内の1の保留エリア(特図1保留第1〜第4エリア、特図2保留第1〜第4エリアのいずれか)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、同じ保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、大当たり用変動パターンテーブル202cから決定される。
また、特図1保留球格納エリア203b又は特図2保留球格納エリア203c内の1の保留エリア(特図1保留第1〜第4エリア、特図2保留第1〜第4エリアのいずれか)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、遊技状態が時短中を除く通常中の低確率状態にあるときは、第1当たり乱数カウンタC1と同じ保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する停止パターンが、外れ用(通常)変動パターンから決定され、遊技状態が時短中または確変中にあるときは、第1当たり乱数カウンタC1と同じ保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する停止パターンが、外れ用(確変)変動パターンから決定される。
図8(c)は、ROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202cの一例を模式的に示した図である。大当たりの場合に選択される変動パターンには、ノーマルリーチ各種と、スーパーリーチ各種と、スペシャルリーチ各種とがあり、これらの変動パターンの中から、変動種別カウンタCS1の値に応じて変動パターン(変動時間)が選択される。
ここで、ノールリーチ各種とは、変動時間が30秒と短い変動パターンであり、短いリーチの後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(所謂、ビタ止まりで図柄が揃う)変動パターンである。スーパーリーチ各種とは、変動時間が60秒とノーマルリーチ各種よりも長い変動パターンであり、比較的長く行われるリーチ(例えば、ロングリーチやノーマルリーチから発展するリーチなど)後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う変動パターンである。スペシャルリーチ各種とは、変動時間が90秒とスーパーリーチ各種より更に長い変動パターンであり、最も長い時間行われるリーチ(例えば、スーパーリーチ後に更に発展するリーチやノーマルリーチからの発展先がスーパーリーチとは異なる特殊なリーチなど)後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う変動パターンである。
なお、「リーチ各種」とは、各リーチにおいても演出内容が異なるものが多数あることを意味しており、例えば、スーパーリーチには、背面画像を速く変化させて表示するリーチや、あるキャラクタを突然表示するリーチ等があり、そのほか変動開始前の予告演出が付加されるもの、再変動で大当たりとなる演出が付加されるものなど、演出内容が異なる複数のリーチが含まれている。
図8(c)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202cにおいても、外れ用変動パターンテーブル202d(図8(d),(e)参照)と同様に、遊技状態が通常中と、時短中または確変中とで、変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターン(変動時間)を異ならせている。
具体的には、遊技状態が通常中である場合の各変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、ノーマルリーチ各種が0〜50、スーパーリーチ各種が51〜179、スペシャルリーチ各種が180〜198となっている。一方、遊技状態が時短中または確変中である場合の各変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、ノーマルリーチ各種が0〜149、スーパーリーチ各種が150〜198となっている。
図8(c)に示した大当たり用変動パターンテーブル202cでは、遊技状態が通常中である場合において、変動時間の長いスーパーリーチ各種やスペシャルリーチ各種が、変動パターンとして選択されやすくなっているのに対し、遊技状態が時短中または確変中である場合は、変動時間の短いノーマルリーチ各種が、変動パターンとして選択されやすくなっている。
通常中は、大当たりとなる確率が低いため、変動時間の長いスーパーリーチ各種やスペシャルリーチ各種が変動パターンとして多く選択されることにより、スーパーリーチ各種やスペシャルリーチ各種による変動演出が行われている間、遊技者に大当たりとなる期待感を大きく膨らませることができる。一方、時短中や確変中は、電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入球口640において始動入賞が発生しやすくなる。よって、時短中や確変中において変動時間の長い変動パターンを多く選択すると、次の変動演出の開始まで時間がかかり、遊技者に待ちの状態を与えてしまい、遊技者に不快感を与える可能性がある。また、ホールとしても稼働率が低下して好ましくない。そこで、遊技状態が時短中または確変中にあるときは、通常中の場合よりも変動時間の短いノーマルリーチ各種が選択され易いように構成し、次の変動表示の開始を早期に行うことで、遊技者に不快感を与える可能性を低下できる。また、稼働率が極端に低下することも抑制できる。
また、図8(c)に示した大当たり用変動パターンテーブル202cでは、遊技状態が時短中または確変中の場合は、スペシャルリーチ各種が選択されないようになっている。詳細については後述するが、スペシャルリーチ各種は、外れの場合には選択されない。即ち、スペシャルリーチによって変動演出が行われた場合、それは100%大当たりとなることを意味する。ここで、確変中は、遊技者からすれば必ず大当たりとなる遊技状態であるので、仮に確変中にスペシャルリーチによって変動演出が行われた場合、大当たりとなった喜びよりも、早く変動演出が終了して特別遊技状態(大当たり状態)へ移行して欲しい、との不満感を強く持たせることとなる。本パチンコ機10では、時短中または確変中において、スペシャルリーチによる変動演出が行われないので、このような遊技者の不満感を回避することができる。
なお、本パチンコ機10では、遊技状態が時短中と確変中とで、各変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けを同じものとしたが、時短中と確変中とでも、各変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けを異ならせてもよい。例えば、時短中においては、変動パターンとしてスペシャルリーチ各種が選択されるように、大当たり用変動パターンテーブル202cを規定してもよい。時短中は、必ずしも大当たりとなることが確約されている訳ではないので、スペシャルリーチによる変動演出が行われることによって、大当たりとなる期待感を遊技者に持たせることができる。
また、大当たり時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して決定するものとしたが、他の複数の変動種別カウンタを使用して決定するように構成しても良い。例えば、大当たりやリーチ演出の開始を予告する予告演出を変動開始前や変動演出中に付加するか否かが、他の変動種別カウンタにより決定されても良いし、リーチが成立した場合に、最後に停止する第1図柄(又は第3図柄)を何図柄ずらして停止させる(例えば、1図柄ずれた前後外れ等)かを他の変動種別カウンタにより決定されても良い。
図8(d)は、ROM202に記憶される外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1の一例を模式的に示した図である。図8(d)に示すように、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1は、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照される完全外れ専用、及び、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照されるリーチ共通と、外れ時の停止種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。特図1保留球格納エリア203b又は特図2保留球格納エリア203c内の1の保留エリア(特図1保留第1〜第4エリア、特図2保留第1〜第4エリアのいずれか)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、遊技状態が時短中を除く通常中の低確率状態にあるときは、第1当たり乱数カウンタC1と同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1から決定される。
完全外れ専用には、短時間(7秒)で変動が終了してリーチも成立しない短外れと、その短外れより長い変動時間(10秒)となるがリーチが成立しない長外れとがあり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、短外れが0〜98、長外れが99〜198となっている。また、リーチ共通には、リーチは成立するが変動時間が30秒と短いノーマルリーチ各種と、そのノーマルリーチ各種より変動時間が60秒と長いスーパーリーチ各種とがあり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、ノーマルリーチ各種が0〜149、スーパーリーチ各種が150〜198となっている。
図8(e)は、ROM202に記憶される外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2の一例を模式的に示した図である。図8(e)に示すように、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照され、短外れと長外れとがある完全外れ専用、及び、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照され、ノーマルリーチ各種とスーパーリーチ各種とがあるリーチ共通というように、外れ時の停止種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
特図1保留球格納エリア203b又は特図2保留球格納エリア203c内の1の保留エリア(特図1保留第1〜第4エリア、特図2保留第1〜第4エリアのいずれか)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2から決定される。
完全外れ専用における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、短外れが0〜190、長外れが191〜198となっている。また、リーチ共通における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、ノーマルリーチ各種が0〜190、スーパーリーチ各種が191〜198となっている。
外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2は、遊技状態が時短中または確変中にあるときに参照されるテーブルであるので、電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入球口640において始動入賞が発生しやすい状態となる。よって、時短中または確変中にあるときに、長外れが多く行われると、次の変動表示の開始まで時間がかかり、遊技者に待ちの状態を与えてしまい、遊技者に不快感を与える可能性がある。また、ホールとしても稼働率が低下して好ましくない。そこで、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、それ以外の場合よりも短外れが選択され易いように構成し、次の変動表示の開始を早期に行うことで、遊技者に不快感を与える可能性を低下できる。また、稼働率が極端に低下することも抑制できる。
また、外れの場合に参照される外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1及び外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2では、大当たりの場合に変動パターンとして選択され得るスペシャルリーチ各種が選択されない。これにより、スペシャルリーチによる変動演出が行われた場合は、100%大当たりとなる。また、大当たりの場合であっても、変動パターンとしてスペシャルリーチが選択されるのは、遊技状態が通常中の場合だけであり、その選択される確率も10/199と低い。よって、スペシャルリーチは特別な変動演出として遊技者に感じさせることができ、スペシャルリーチによる変動演出が行われた場合に遊技者に大きな喜びを与えることができる。
なお、外れ時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。また、外れ種別の選択を、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2とに分けるように構成したが、遊技状態が通常中であっても、保留球が複数(例えば、最大4個であれば3個以上)の場合は、早期に変動表示を終了しても良いので、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2を参照して選択するものとしても良いし、保留球数に対応した通常用または確変用の変動パターンテーブルを用意するように構成しても良い。
さらに、図8(d)及び図8(e)に示す各外れ用の変動パターンテーブルで、短外れ及び長外れを単に外れとし、その外れが選択された場合に、他のテーブルを参照して、短外れと長外れとを所定の確率で選択するように構成しても良い。勿論、この場合も、保留球数に対応したテーブルをそれぞれ用意しても良い。
図7に戻り、各種カウンタの説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、第2図柄表示装置83にて行われる第2図柄(普通図柄)の変動表示の当たり抽選に用いられるカウンタであり、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。
第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図14参照)毎に更新され、球が第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670を通過したことが検知された時に取得され、RAM203に設けられた普図保留球格納エリア203iの普図保留第1〜第4エリアのいずれかに格納される。
第2当たり乱数カウンタC4において、遊技状態が通常中における当たりとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。即ち、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜153」の範囲にある場合に、遊技状態が通常中の場合は当たりと判定され、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640の電動役物640aが所定時間だけ開放される。また、遊技状態が時短中または確変中における当たりとなる乱数の値の数は250あり、その範囲は「1〜250」となっている。即ち、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「1〜250」の範囲にある場合に、遊技状態が時短中または確変中の場合は当たりと判定され、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640の電動役物640aが、通常中のときよりも長い所定時間だけ開放される。
このように、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く設定されている。また、上述した通り、第2図柄の変動表示にかかる時間も通常中よりも短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。一方、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態を作ることができる。
ここで、上述した通り、第1入球口64に球が入球した場合と第2入球口640へ球が入球した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一であるが、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
よって、通常時においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図14参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図21参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
さて、RAM203には、第1入球口63への入球に対して各カウンタ値が格納される4つの保留エリア(特図1保留第1〜第4エリア)からなる特図1保留球格納エリア203aが設けられている。また、RAM203には、第2入球口64への入球に対して各カウンタ値が格納される特図2保留球格納エリア203bが設けられている。図示はしていないが、特図2保留球格納エリア203bも、特図1保留球格納エリア203aと同様に、4つの保留エリア(特図2保留第1〜第4エリア)を有している。
特図1保留球格納エリア203aに設けられた各保留エリアは、いずれも、第1入球口64又は第2入球口640への入球によってカウンタ用バッファより取得される第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の値をそれぞれ格納するための、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2、変動パターン選択カウンタ格納エリア203a3、変動種別カウンタ格納エリア203a4を有している。また、図示はしていないが、特図2保留球格納エリア203bに設けられたいずれの保留エリアも、特図1保留球格納エリア203aの各保留エリアと同様に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の値をそれぞれ格納するための格納エリアが設けられている。
特図1保留球格納エリア203aには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、カウンタ用バッファから取得される第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値が格納される。このとき、特図1保留球格納エリア203aに保留が全くなく、特図1保留第1〜第4エリアの全てが空きエリアとなっている場合は、特図1第1保留エリアに各カウンタの値が格納される。特図1保留球格納エリア203aに保留が1つのみで、特図1保留第1エリアだけに各カウンタの値が格納されている場合は、特図1保留第2エリアに各カウンタの値を格納する。
特図1保留球格納エリア203aでの保留が2つで、特図1保留第1〜第2エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、特図1保留第3エリアに各カウンタの値を格納する。特図1保留球格納エリア203aでの保留が3つで、特図1保留第1〜第3エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、特図1保留第4エリアに各カウンタの値を格納する。これにより、第1入球口64への始動入賞があった順に、その始動入賞のタイミングでカウンタ用バッファから取得した各カウンタの値を、特図1保留第1エリア、特図1保留第2エリア、特図1保留第3エリア、特図1保留第4エリアに格納することができる。
一方、特図2保留球格納エリア203bには、第2入球口640への入球タイミングに合わせて、カウンタ用バッファから取得される第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。各カウンタの値を、特図2保留球格納エリア203bのどの保留エリア(特図2保留第1〜第4エリア)に格納するかは、特図2保留球格納エリア203bに格納された保留の数に基づいて、特図1保留球格納エリア203aの場合と同じ方法で決められる。これにより、第2入球口640への始動入賞があった順に、その始動入賞のタイミングでカウンタ用バッファから取得した各カウンタの値を、特図2保留第1エリア、特図2保留第2エリア、特図2保留第3エリア、特図2保留第4エリアに格納することができる。
尚、特図1保留第1〜第4エリアの全てに各カウンタの値が格納されているときに第1入球口64への始動入賞が検出された場合は、そのときの各カウンタの値は保留されずに破棄される。同様に、特図2保留第1〜第4エリアの全てに各カウンタの値が格納されているときに第2入球口640への始動入賞が検出された場合は、そのときの各カウンタの値は保留されずに破棄される。即ち、本実施形態では、第1入球口64及び第2入球口640のそれぞれにおいて、最大で4つの始動入賞まで、各カウンタの値が保留可能に構成されている。
RAM203には、また、特図保留球実行エリア203cが設けられている。変動演出の開始タイミングになると、特図2保留球格納エリア203bでの保留がある場合は、その特図2保留球格納エリア203bの特図2保留第1エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び停止種別カウンタCS1の各値が、それぞれ、特図保留球実行エリア203cに設けられた第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3、変動種別カウンタ格納エリア203c4に移される。
また、特図2保留球格納エリア203bでの保留がなく、特図1保留球格納エリア203aでの保留がある場合は、その特図1保留球格納エリア203aの特図1保留第1エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値が、それぞれ、特図保留球実行エリア203cに移される。そして、特図保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3、変動種別カウンタ格納エリア203c4に格納された各カウンタの値に基づいて、大当たり抽選や、変動演出の変動パターンおよび停止図柄の種別の決定が行われる。
第1図柄表示装置37では、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。
このように、特図2保留球格納エリア203bでの保留があれば、特図1保留球格納エリア203aでの保留の有無にかかわらず、特図2保留球格納エリア203bに格納された各カウンタの値が特図保留球実行エリア203cへ移され、その特図保留球実行エリア203cに格納された各カウンタの値に基づいて、大当たり抽選や、変動演出の変動パターンおよび停止図柄の種別の決定が行われる。よって、本パチンコ機10では、第2入球口640における始動入賞が、第1入球口64における始動入賞よりも優先して大当たり抽選が行われ、その大当たり抽選に基づいて変動演出が行われるように構成されている。
尚、特図1保留球格納エリア203aの特図1保留第1エリアの各カウンタの値、又は、特図2保留球格納エリア203bの特図2保留球第1エリアの各カウンタの値が、特図保留球実行エリア203cに移されると、その後、特図1保留第2エリア又は特図2保留第2エリアに格納された各カウンタの値が、空いた特図1保留第1エリア又は特図2保留第1エリアにシフトされる。そして、特図1保留第3エリア又は特図2保留第3エリアに格納された各カウンタの値が空いた特図1保留第2エリア又は特図2保留第2エリアにシフトされ、特図1保留第4エリア又は特図2保留第4エリアに格納された各カウンタの値が空いた特図1保留第3エリア又は特図2保留第3エリアにシフトされる。
これにより、特図2保留球格納エリア203bに保留された各カウンタの値に基づいて変動演出が開始されると、第2入球口640による保留が1つ分だけ減り、特図2保留球格納エリア203bの1エリアが開放される。また、特図1保留球格納エリア203aに保留された各カウンタの値に基づいて変動演出が開始されると、第1入球口64による保留が1つ分だけ減り、特図1保留球格納エリア203aの1エリアが開放される。
なお、本パチンコ機10では、各保留エリアにおけるデータの有無にかかわらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成したが、データ(各種カウンタの値)が記憶(保留)されている保留エリアについてのみデータのシフトを行ってもよい。例えば、データのシフトを行う前の特図1保留球格納エリア203aに保留された変動演出の数(保留球数)が2であり、特図1保留第1エリアと特図1保留第2エリアとにのみ、データが記憶されていた場合は、特図1保留第1エリアのデータを特図保留球実行エリア203cへシフトした後、特図1保留第2エリアのデータを特図1保留第1エリアへシフトさせて、シフト処理を終了させてもよい。これにより、データが記憶(保留)されていない保留エリア(上記の例では、特図1保留第3〜第4エリア)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
RAM203には、また、第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670における球の通過に対して各カウンタ値が格納される4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)からなる普図保留球格納エリア203iが設けられている。各保留エリアは、それぞれ、第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670における球の通過によってカウンタ用バッファより取得される第2当たり乱数カウンタC4の値を格納するための第2当たり乱数カウンタ格納エリア203i1を有している。
普図保留球格納エリア203iには、第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670における球の通過タイミングに合わせて、カウンタ用バッファから取得される第2当たり乱数カウンタC4が格納される。このとき、普図保留球格納エリア203iに保留が全くなく、普図保留第1〜第4エリアの全てが空きエリアとなっている場合は、普図第1保留エリアに第2当たり乱数カウンタC2の値が格納される。普図保留球格納エリア203aに保留が1つのみで、普図保留第1エリアだけに第2当たり乱数カウンタC4の値が格納されている場合は、普図保留第2エリアに第2当たり乱数カウンタC4の値を格納する。普図保留球格納エリア203iでの保留が2つで、普図保留第1〜第2エリアのみに第2当たり乱数カウンタC4の値が格納されている場合は、普図保留第3エリアに第2当たり乱数カウンタC4の値を格納する。普図保留球格納エリア203aでの保留が3つで、普図保留第1〜第3エリアのみに第2当たり乱数カウンタC4の値が格納されている場合は、普図保留第4エリアに第2当たり乱数カウンタC4の値を格納する。
これにより、第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670において球の通過が検出された順に、その球の通過タイミングでカウンタ用バッファから取得した第2当たり乱数カウンタC4の値を、普図保留第1エリア、普図保留第2エリア、普図保留第3エリア、普図保留第4エリアに格納することができる。尚、普図保留第1〜第4エリアの全てに第2当たり乱数カウンタC4の値が格納されているときに、第1又は第2スルーゲート67,670において球の通過が検出された場合は、そのときの第2当たり乱数カウンタC4の値は保留されずに破棄される。
RAM203には、また、普図保留球実行エリア203jが設けられている。第2図柄(普通図柄)の変動表示の開始タイミングになると、普図保留球格納エリア203iでの保留がある場合は、その普図保留球格納エリア203iの普図保留第1エリアに格納された第2当たり乱数カウンタC4の各値が、普図保留球実行エリア203jに設けられた第2当たり乱数カウンタ格納エリア203j1に移される。そして、普図保留球実行エリア203jの第2当たり乱数カウンタ格納エリア203j1に格納された第2当たり乱数カウンタC4の値に基づいて、第2図柄(普通図柄)の当たり抽選が行われる。
尚、普図保留球格納エリア203iの普図保留第1エリアの第2当たり乱数カウンタC4の値が、普図保留球実行エリア203jに移されると、その後、普図保留第2エリアに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が、空いた普図保留第1エリアにシフトされる。そして、普図保留第3エリアに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が空いた普図保留第2エリアにシフトされ、普図保留第4エリアに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が空いた普図保留第3エリアにシフトされる。
これにより、普図保留球格納エリア203iに保留された第2当たり乱数カウンタC4の値に基づいて第2図柄(普通図柄)の変動表示が開始されると、普通図柄の保留が1つ分だけ減り、普図保留球格納エリア203iの1エリアが開放される。
なお、本パチンコ機10では、普図保留球格納エリア203iの各保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)間でデータのシフト処理を行う場合に、各保留エリアにおけるデータの有無にかかわらず、保留エリア(普図保留第2〜第4エリア)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成したが、特図の場合と同様に、データ(各種カウンタの値)が記憶(保留)されている保留エリアについてのみデータのシフトを行ってもよい。例えば、データのシフトを行う前の普図保留球格納エリア203iに保留された変動演出の数(保留球数)が2であり、普図保留第1エリアと普図保留第2エリアとにのみ、データが記憶されていた場合は、普図保留第1エリアのデータを普図保留球実行エリア203jへシフトした後、普図保留第2エリアのデータを普図保留第1エリアへシフトさせて、シフト処理を終了させてもよい。これにより、データが記憶(保留)されていない保留エリア(上記の例では、普図保留第3〜第4エリア)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図6に戻り、RAM203の説明を続ける。特図1保留球数カウンタ203d、特図2保留球数カウンタ203eは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図14参照)の中で検出される第1入球口64又は第2入球口640への入球(始動入賞)に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動演出(第3図柄表示装置81で行われる変動演出)の保留球数(待機回数)を、それぞれ最大4回まで計数するカウンタである。特図1保留球数カウンタ203d、特図2保留球数カウンタ203eは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図20のS1613)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、それぞれ最大値4まで1加算される。一方、特図1保留球数カウンタ203a、特図2保留球数カウンタ203bは、変動演出が実行される毎に1減算される。
また、特図1保留球数カウンタ203dの値(即ち、保留球数)は、第1入球口64に球が入球したことに基づいて特図1保留球格納エリア203aに各カウンタ値が格納された場合に、主制御基板から出力される特図1保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113へ通知される。特図1保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて特図1保留球数カウンタ203dが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
また、特図2保留球数カウンタ203eの値(即ち、保留球数)は、第2入球口640に球が入球したことに基づいて特図2保留球格納エリア203bに各カウンタ値が格納された場合に、主制御基板から出力される特図2保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。特図2保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて特図2保留球数カウンタ203eが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特図1保留球数コマンド及び特図2保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数、及び、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数そのものの値を、取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110へアクセスすることなく変動演出の保留球数を管理することができる(図9(c)の特図1保留球数カウンタ223a及び特図2保留球数カウンタ223bを参照)。また、始動入賞が検出される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ保留球数コマンドを送信することにより、音声ランプ制御装置113において管理される変動演出の保留球数が、ノイズ等の影響によって主制御装置110に保留された実際の変動演出の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113内で管理される第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数(特図1保留球数カウンタ223a)、及び、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数(特図2保留球数カウンタ223b)は、音声ランプ制御装置113が主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信し、その変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81における変動演出の態様を設定するタイミング(即ち、変動演出を開始するタイミング)で更新される。即ち、開始する変動演出が第1入球口64への始動入賞に伴うものであれば、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数が1減らされ、開始する変動演出が第2入球口640への始動入賞に伴うものであれば、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数が1減らされる。
主制御装置110は、音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドに、その変動パターンコマンドによって変動種別が示される変動演出が、第1入球口64への始動入賞に伴うものであるのか、第2入球口640への始動入賞に伴うものであるのかを示す情報を含めている。音声ランプ制御装置113では、その変動パターンコマンドに含まれる情報に基づいて、開始する変動演出が第1入球口64への始動入賞に伴うものであるのか、第2入球口640への始動入賞に伴うものであるのかを判断し、その判断結果に基づいて、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数および第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数のいずれかを1減らす処理が行われる。
また、音声ランプ制御装置113は、その内部で管理する保留球数が変化する度に、表示制御装置114に対して、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数と、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数とを足した保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数分の保留球数図柄を、第3図柄表示装置81の保留表示領域Dbに表示する。これにより、保留表示領域Dbにおいて、第1入球口64及び第2入球口640への始動入賞によって保留された変動表示の数(保留球数)が、遊技者に対して示される。
普図保留球数カウンタ203fは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図14参照)の中で検出される第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670を球が通過したことに基づいて第2図柄表示装置83で行われる第2図柄(普通図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を、最大4回まで計数するカウンタである。電源投入後のRAM203の初期設定処理(図20のS1613)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図18のS1503〜S1504,S1508〜S1509)。一方、普図保留球数カウンタ203fは、第2図柄(普通図柄)の変動表示が実行される毎に1減算される。
普図保留球数カウンタ203fによって、第2図柄(普通図柄)の変動表示が最大4回まで保留可能に構成される。また、普図保留球数カウンタ203fによって示される保留球数分の第2図柄保留ランプ84(図2参照)が、点灯される。これにより、第2図柄の変動表示の保留球数が、遊技者に対して報知される。
特図種別フラグ203kは、特別図柄である第1図柄(第3図柄)の変動演出が、第1入球口64への始動入賞に伴って実行されるものであるのか、第2入球口640への始動入賞に伴って実行されるものであるのか、を示すフラグである。特図種別フラグ203kがオフの場合に、第1図柄(第3図柄)の変動演出が、第1入球口64への始動入賞に伴って実行されるものであることを示し、特図種別フラグ203kがオンの場合に、第1図柄(第3図柄)の変動演出が、第2入球口640への始動入賞に伴って実行されるものであることを示す。
この特図種別フラグ203kは、第1図柄(第3図柄)の変動演出の開始を設定する初めの段階で、オフ又はオンに設定される。具体的には、第1図柄(第3図柄)の変動演出の実行開始タイミングとなった場合に、特図2保留球数カウンタ203eの値が0より大きく、第2入球口640への始動入賞に伴って取得された各種カウンタの値が特図2保留球格納エリア203bに保留されていれば、その特図2保留球格納エリア203bの特図2保留第1エリアに格納された各種カウンタの値が特図保留球実行エリア203cへシフトされると共に、特図種別フラグ203kがオンに設定される(図16のS1304〜S1307参照)。
また、第1図柄(第3図柄)の変動演出の実行開始タイミングとなった場合に、特図2保留球数カウンタ203eの値が0である一方、特図1保留球数カウンタ203dの値が0より大きく、第1入球口64への始動入賞に伴って取得された各種カウンタの値が特図1保留球格納エリア203aに保留されていれば、その特図1保留球格納エリア203aの特図1保留第1エリアに格納された各種カウンタの値が特図保留球実行エリア203cへシフトされると共に、特図種別フラグ203kがオフに設定される(図16のS1304,S1309〜S1312参照)。
MPU201では、第1図柄(第3図柄)の変動演出の実行開始タイミングで行う大当たり抽選によって大当たりと判定した場合に、大当たり種別の決定に用いる大当たり種別テーブル(図8(b)参照)として、特図種別フラグ203kに基づいて、「第1入球口」用と「第2入球口」用とのいずれかを設定する。具体的には、特図種別フラグ203kがオフの場合、大当たりと判定された第1図柄(第3図柄)の変動演出は、第1入球口64への始動入賞に伴って実行されるものであるので、「第1入球口」用の大当たり種別テーブルを設定する。一方、特図種別フラグ203kがオンの場合、大当たりと判定された第1図柄(第3図柄)の変動演出は、第2入球口640への始動入賞に伴って実行されるものであるので、「第2入球口」用の大当たり種別テーブルを設定する。
上述した通り、第1入球口64への入賞に伴って大当たりとなる場合の大当たり種別は、1/4(=25/100)の確率で15R確変大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で15R通常大当たりとなり、1/2(=50/100)の確率で4R確変大当たりとなる。また、第2入球口640への入賞に伴って大当たりとなる場合の大当たり種別は、1/2(=50/100)の確率で15R確変大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で15R通常大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で4R確変大当たりとなる。即ち、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。
上述した通り、第2入球口640には電動役物640aが付随しており、電動役物640aの開閉状態に応じて第2入球口640への球の入球し易さが変化するのに対し、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
よって、通常時においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
図5に戻り、説明を続ける。RAM203は、図6(a)に図示した各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図21参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図20参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図19参照)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65a,650aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図19参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
ここで、図9(a)を参照して、音声ランプ制御装置113のROM222の詳細について説明する。図9(a)は、音声ランプ制御装置113のROM222に格納される各種データを模式的に示した模式図である。ROM222は、少なくとも音声データ記憶エリア222aを有している。
音声データ記憶エリア222aは、音声出力装置226から出力させる音声を再生するためのデータである音声データを格納するエリアである。音声データ記憶エリア222aは、第3図柄表示装置81に所定のキャラクタ画像が表示される場合に出力する音声、第3図柄表示装置81に所定領域を明るく発光させた発光エフェクト画像が表示される場合に出力する音声、第3図柄表示装置81において変動演出中にリーチが発生した場合に出力する音声(以下「リーチ音声」と称す)等、各音声の種別毎に対応する音声データが格納されている。
MPU221は、表示制御装置114から、第3図柄表示装置81の表示内容を示す表示コマンドを受信すると、その表示コマンドで示される表示内容に対応した音声データをROM222222の音声データ記憶エリア222aから読み出し、その音声データに基づいて再生した音声を音声出力装置226から出力する。これにより、第3図柄表示装置81に表示内容に合った音声データを音声出力装置226より出力させることができる。
なお、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から受信したコマンドや、枠ボタン22の遊技者による操作状態に応じて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、その決定した表示態様を表示制御装置114へコマンドによって指示している。よって、音声ランプ制御装置113では、決定した第3図柄表示装置81の表示態様に合わせて音声データを選択し、その音声データによって再生された音声を音声出力装置226から出力するように構成することも可能である。しかしながら、本パチンコ機10では、表示制御装置81から、第3図柄表示装置81の表示内容を示す表示コマンドを受信し、その表示コマンドによって示される第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて音声データを選択肢、その音声データによって再生された音声を音声出力装置226から出力している。
これにより、ノイズ等の何らかの原因で、音声ランプ制御装置113が決定した表示態様とは異なる画像が第3図柄表示装置81に表示されたとしても、表示制御装置114から受信した表示コマンドにより、第3図柄表示装置81の表示内容を把握できるので、実際に第3図柄表示装置81に表示された表示内容に合わせた音声を音声出力装置226から出力することができる。また、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を逐次表示コマンドによって音声ランプ制御装置113へ通知することにより、第3図柄表示装置81における画像の表示タイミングと、音声出力装置113からの音声の出力タイミングとを容易に合わせることができ、音ずれの発生を抑制できる。
さて、本パチンコ機10では、リーチ音声として、第3図柄の主図柄(「0」〜「9」の数字に対応する10種類のキャラクタ図柄)毎に、異なる音声データを用意している。具体的には、「0」の主図柄をリーチ図柄として通常リーチ(図柄が揃った場合に15R通常大当たりとなるリーチ)が発生した場合に、「0」の主図柄に対応するキャラクタ図柄(例えば、「カサゴ」)の声で「リーチだ!」という音声を再生するための音声データである第0図柄通常リーチ音声データ222a0が、音声データ記憶エリア222aに格納されている。「1」の主図柄をリーチ図柄として確変リーチ(図柄が揃った場合に4R確変大当たり又は15R確変大当たりとなるリーチ)が発生した場合に、「1」の主図柄に対応するキャラクタ図柄(例えば、「タコ」)の声で「リーチ!」という音声を再生するための音声データである第1図柄確変リーチ音声データ222a1が、音声データ記憶エリア222aに格納されている。
また、「2」〜「9」の各主図柄についても、その主図柄をリーチ図柄として通常リーチまたは確変リーチが発生した場合に、その主図柄に対応するキャラクタ図柄の声で「リーチだ!」、「リーチ!」、「リーチよ!」といった音声を再生するための音声データが、それぞれ、第2図柄通常リーチ音声データ222a2〜第9図柄確変リーチ音声データ222a9として、音声データ記憶エリア222aに格納されている。
このように、本パチンコ機10では、リーチが発生した場合に、リーチ図柄となった主図柄毎にリーチ音声を変えている。しかも、リーチ音声は、主図柄に対応するキャラクタ図柄の声で出力している。これにより、まるでリーチ図柄となった主図柄に配されたキャラクタが、リーチを通知しているかの印象を遊技者に与えることができる。よって、第3図柄表示装置81に表示される変動演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
なお、本パチンコ機10では、偶数番号に対応する主図柄がリーチ図柄の場合、上述した通り、図柄が揃ったときに15R通常大当たりが発生する。また、奇数番号に対応する主図柄がリーチ図柄の場合、図柄が揃ったときに4R確変大当たり又は15R確変大当たりが発生する。
本パチンコ機10では、奇数番号に対応する主図柄でリーチが発生した場合に出力するリーチ音声を「確変リーチ音声」とし、偶数番号に対応する主図柄でリーチが発生した場合に出力するリーチ音声を「通常リーチ音声」として、両者を区別している。
ここで、図9(b)を参照して、確変リーチ音声と通常リーチ音声との違いについて説明する。図9(b)は、確変リーチ音声および通常リーチ音声を模式的に示した模式図である。
確変リーチ音声は、図9(b)に示す通り、再生が開始されると直ぐに有音区間の再生が開始され、「リーチ!」といった音声が発声される。そして、所定時間(図9(b)の例では、1500ミリ秒)後に、有音区間が終了すると同時に、確変リーチ音声の再生が終了する。一方、通常リーチ音声は、再生が開始されると、一定の時間、本実施形態では20ミリ秒間、無音区間を再生し、その後、所定時間長さ(図9(b)の例では1500ミリ秒)の有音区間の再生を行う。即ち、通常リーチ音声の再生が開始されると、最初20ミリ秒間は無音となり、その後、「リーチ!」といった音声が発声される。
なお、有音区間の時間長さは、1500ミリ秒に限られるものではなく、任意の時間長さであってもよい。また、確変リーチ音声と通常リーチ音声とで異なる時間長さであってもよく、また、各主図柄に対応するリーチ音声データ222a0〜222a9毎に、有音区間の長さが任意の時間長さに設定されてもよい。
本パチンコ機10は、図4(b)を参照して上述した通り、上図柄列Z1と下図柄列Z3とが停止表示された段階で、中図柄列Z2に停止表示される図柄によって、通常大当たりにも確変大当たりにもなる可能性があるダブルリーチが成立する。言い換えれば、通常リーチと確変リーチとが同時に発生していることになる。
従来のパチンコ機では、第3図柄表示装置においてダブルリーチが発生した場合、表示制御装置から音声ランプ制御装置に対し、第3図柄表示装置の表示内容として、「確変リーチ成立」を通知する表示コマンドと、「通常リーチ成立」を通知する表示コマンドとを送信し、音声ランプ制御装置において、確変リーチ音声と通常リーチ音声とを重ねて音声出力装置より出力していた。しかしながら、上述したように、確変リーチ音声と通常リーチ音声とで、リーチ図柄となった主図柄に対応するキャラクタ図柄に合わせて、異なる音声とした場合、これらの音声が重ねて出力されると、それぞれのリーチ音声を聞き取りにくくなるという問題点があった。
また、確変リーチ音声と通常リーチ音声とで、それぞれの音声で発せられる言葉を完全に重ねて出力することで、各リーチ音声を聞き取りやすくすることも考えられるが、そのためには、各リーチ音声で、発せられる言葉のタイミングを合わせなければならず、各リーチ音声は声が異なるだけで画一的となってしまい、おもしろみに欠けてしまう。また、そもそも、それぞれの音声で発せられる言葉をタイミング的に完全に重ねて出力することは、各リーチ音声の出力を、厳密に同期を取りながら再生しなければならず、その制御が複雑となるという問題点も生じる。
一方、ダブルリーチ用の音声データを用意することも考えられるが、ダブルリーチを成立させた2組の主図柄(通常図柄と確変図柄)の組み合わせ毎に、その音声データを用意する必要があり、ROM222の記憶容量を増大させてしまうおそれがある。
更に、遊技者は、ダブルリーチが成立した場合、確変大当たりの方が、大当たり後に大当たり確率が高確率となる分、通常大当たりよりも、大当たりとして成立して欲しい、との期待を持つことになる。そこで、遊技者への期待を考慮した場合、ダブルリーチが発声したときに、通常リーチを成立させた主図柄に対応するキャラクタの声よりも、確変リーチを成立させた主図柄に対応するキャラクタの声でリーチ音声を遊技者に聞かせたい、即ち、確変リーチ音声を遊技者に聞かせたい、という要請もある。
そこで、本パチンコ機10では、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容として、まず、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信し、その後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信するように構成しておく。一方、音声ランプ制御装置113のMPU221では、表示制御装置113から各表示コマンドを受信した場合に、即座に、その表示コマンドで示された表示内容に対応する音声データを音声データ記憶エリア222aから読み出して、その音声を再生し、音声出力装置226より出力する。即ち、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示されると、音声ランプ制御装置113では、まず、確変リーチを成立させたリーチ図柄(主図柄)に対応する確変リーチ音声を出力し、その後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄(主図柄)に対応する通常リーチ音声を出力する。
ここで、図9(b)を参照して説明した通り、確変リーチ音声は、再生が開始されると直ぐに有音区間の再生が開始され、「リーチ!」といった音声が発声される。一方、通常リーチ音声は、再生が開始されても約20ミリ秒間は無音区間であるので、通常リーチ音声は無音のまま再生が開始される。
MPU221は、リーチ音声の再生を開始すると、すぐに、現在再生中のリーチ音声の数を確認する。そして、現在再生中のリーチ音声が2つである場合は、直近に再生したリーチ音声、即ち、後から再生を開始した通常リーチ音声の再生を停止する。これにより、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声だけが最後まで再生されることになる。また、通常リーチ音声は、最初の20ミリ秒間が無音区間となっているので、一旦、通常リーチ音声の再生が開始されても、その無音区間の再生中に通常リーチ音声の再生が停止される。よって、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声だけを遊技者に聞かせることができる。
なお、第3図柄表示装置81に通常リーチが表示された場合、表示制御装置114から「通常リーチ成立」をそのリーチ図柄と共に通知する表示コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、音声ランプ制御装置113は、その表示コマンドに基づいて、通常リーチを成立させたリーチ図柄(主図柄)に対応する通常リーチ音声を出力する。この場合も、最初の20ミリ秒間は無音区間となるが、20ミリ秒遅れて「リーチ!」といった音声が出力されても、人間には遅れて出力されたと感じることはない。また、音声と完全に同期させて動く画像を第3図柄表示装置81に表示させていなければ、20ミリ秒ほど遅れて「リーチ!」といった音声が出力されても、音声と表示とで音ずれが発生したと遊技者に感じさせることもない。よって、通常リーチ音声において、最初に20ミリ秒の無音区間を設定しても、問題となることはない。
ここで、本実施形態では、通常リーチ音声の無音区間の時間長さを20ミリ秒としたが、その時間長さは、「リーチ!」といった音声が遅れて出力されたと感じさせず、また、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226から出力される音声とで音ずれを感じさせない時間の範囲ないであれば、任意に設定されてよい。
音声データ記憶エリア222aには、リーチ音声データ以外の音声データとしてその他音声データ222a10が格納されている。その他音声データ222a10には、上述したように、第3図柄表示装置81に所定のキャラクタ画像が表示される場合に出力する音声を再生するための音声データや、第3図柄表示装置81に発光エフェクト画像が表示される場合に出力する音声を再生するための音声データなどが含まれる。
次いで、図9(c)を参照して、RAM223の詳細について説明する。図9(c)は、RAM223に格納される各種データを模式的に示した模式図である。RAM223は、特図1保留球数カウンタ223a、特図2保留球数カウンタ223b、リーチ音声再生中カウンタ223c、再生音声データ記憶エリア223d、確変時短フラグ223e、第1スルーゲート通過フラグ223f、第2スルーゲート通過フラグ223g、第1スルーゲート通過後時間カウンタ223h、第2スルーゲート通過後時間カウンタ223i、第1スルーゲート通過球数カウンタ223j、第2スルーゲート通過球数カウンタ223kを少なくとも有している。
特図1保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の特図1保留球数カウンタ203dと同様に、第1入球口64への始動入賞に伴って第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
特図2保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特図2保留球数カウンタ203eと同様に、第2入球口640への始動入賞に伴って第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特図1保留球数カウンタ203d及び特図2保留球数カウンタ203eの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信されるコマンドに基づいて、第1入球口64及び第2入球口640へ入賞した保留球数をそれぞれカウントし、特図1保留球数カウンタ223a及び特図2保留球数カウンタ223bにて、これらの保留球数を管理するようにしている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第1入球口64への始動入賞によって変動演出の保留球数が追加されて主制御装置110において特図1保留球数カウンタ203dの値が加算された場合に主制御装置110より送信される特図1保留球数コマンドを受信すると、その特図1保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の特図1保留球数カウンタ203dの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数)を特図1保留球数カウンタ223aに格納する(図24のS2007参照)。
また、音声ランプ制御装置113は、第2入球口640への始動入賞によって変動演出の保留球数が追加されて主制御装置110において特図2保留球数カウンタ203eの値が加算された場合に主制御装置110より送信される特図2保留球数コマンドを受信すると、その特図2保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の特図2保留球数カウンタ203eの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数)を特図2保留球数カウンタ223bに格納する(図24のS2010参照)。
一方、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において特図1保留球数カウンタ203d又は特図2保留球数カウンタ203eの値が減算される場合に主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信し、その受信に伴って第3図柄表示装置81における変動演出の態様を設定すると、その変動演出が第1入球口64への始動入賞に伴うものか第2入球口640への始動入賞に伴うものなのかに応じて、特図1保留球数カウンタ223aおよび特図2保留球数カウンタ223bのいずれか一方の値を、1減算する(図25のS2108,S2109参照)。なお、変動演出が第1入球口64への始動入賞に伴うものか第2入球口640への始動入賞に伴うものなのかは、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに、そのことを示す情報が含まれており、その情報に基づいて判断する。
このように、主制御装置110より送信されるコマンドに従って、特図1保留球数カウンタ223a,特図2保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特図1保留球数カウンタ203d,特図2保留球数カウンタ203eと同期させながら、その値を更新することができる。
特図1保留球数カウンタ223a及び特図2保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、特図1保留球数コマンド又は特図2保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特図1保留球数カウンタ223a又は特図2保留球数カウンタ223bに格納したり、変動パターンコマンドの受信に応じて特図1保留球数カウンタ223a又は特図2保留球数カウンタ223bの値を更新したりするタイミングで、その格納もしくは更新が行われた後の特図1保留球数カウンタ223aの値と特図2保留球数カウンタ223bの値とを合算した値を、表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する(図24のS2008及び図25のS2110参照)。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の保留表示領域Dbに表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特図1保留球数カウンタ223a及び特図2保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特図1保留球数カウンタ203d及び特図2保留球数カウンタ203eと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の保留表示領域Dbに表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特図1保留球数カウンタ203d及び特図2保留球数カウンタ203eの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
リーチ音声再生中カウンタ223cは、再生中(音声出力装置226から出力中)のリーチ音声を計数するカウンタである。このリーチ音声再生中カウンタ223cは、電源投入時に実行されるRAM223の初期値設定処理(図22のS1810参照)において、初期値として0が設定される。そして、表示制御装置114よりリーチ成立(確変リーチ成立または通常リーチ成立)を通知するリーチ表示コマンドが受信されると、MPU221によって、そのリーチ表示コマンドに含まれるリーチ図柄(主図柄)に対応するリーチ音声が音声データ記憶エリア222aから読み出されて再生されると共に、リーチ音声再生中カウンタ223cの値に1が加算される(図29のS2304参照)。
このリーチ音声再生中カウンタ223cの値が「2」となった場合、2つのリーチ音声が再生中であることを意味する。2つのリーチ音声が再生中となるのは、第3図柄表示装置81においてダブルリーチが成立した場合である。即ち、本パチンコ機10の表示制御装置114は、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、第3図柄表示装置81の表示内容として、まず、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信し、その後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信するように構成されている。また、これら2つのリーチ表示コマンドは連続して送信され、2つのリーチ表示コマンドの間には、その他の表示コマンド(第3図柄表示装置81の表示内容を示すコマンドであって、リーチ表示コマンド以外のコマンド)が送信されないように構成されている。
一方、MPU221は、表示制御装置113から各コマンドを受信した場合に、即座に、そのコマンドで示された表示内容に対応する音声データを音声データ記憶エリア222aから読み出して、その音声を再生し、音声出力装置226より出力する。
即ち、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合、音声ランプ制御装置113では、まず、確変リーチを成立させたリーチ図柄(主図柄)に対応する確変リーチ音声を出力し、その後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄(主図柄)に対応する通常リーチ音声を出力する。よって、この場合、まず、確変リーチ音声が出力された段階でリーチ音声再生中カウンタ223cが「1」となり、次いで、通常リーチ音声が出力された段階でリーチ音声再生中カウンタ223cが「2」となる。
ここで、上述した通り、従来のパチンコ機では、第3図柄表示装置においてダブルリーチが発生した場合、音声ランプ制御装置は、第3図柄表示装置の表示内容として「確変リーチ成立」を通知するコマンドと、「通常リーチ成立」を通知するコマンドとを表示制御装置より受信すると、確変リーチ音声と通常リーチ音声とを重ねて音声出力装置より出力していた。しかしながら、上述したように、確変リーチ音声と通常リーチ音声とで、リーチ図柄となった主図柄に対応するキャラクタ図柄に合わせて、異なる音声とした場合、これらの音声が重ねて出力されると、それぞれのリーチ音声を聞き取りにくくなるという問題点があった。
また、確変リーチ音声と通常リーチ音声とで、それぞれの音声で発せられる言葉を完全に重ねて出力することで、各リーチ音声を聞き取りやすくすることも考えられるが、そのためには、各リーチ音声で、発せられる言葉のタイミングを合わせなければならず、各リーチ音声は声が異なるだけで画一的となってしまい、おもしろみに欠けてしまう。また、そもそも、それぞれの音声で発せられる言葉をタイミング的に完全に重ねて出力することは、各リーチ音声の出力を、厳密に同期を取りながら再生しなければならず、その制御が複雑となるという問題点も生じる。
一方、ダブルリーチ用の音声データを用意することも考えられるが、ダブルリーチを成立させた2組の主図柄(通常図柄と確変図柄)の組み合わせ毎に、その音声データを用意する必要があり、ROM222の記憶容量を増大させてしまうおそれがある。
そこで、本パチンコ機10では、音声ランプ制御装置113が、リーチ表示コマンドを表示制御装置114より受信すると、一先ず受信したリーチ表示コマンドによって示されるリーチ図柄(主図柄)に対応するリーチ音声を出力する一方、リーチ音声再生中カウンタ223cの値が「2」となり、再生中のリーチ音声の数が2つとなった場合は、直近に再生したリーチ音声、即ち、後から再生を開始した通常リーチ音声の再生を停止する。
これにより、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、一旦は、確変リーチ音声と通常リーチ音声との2つが再生されるが、通常リーチ音声は、すぐにその再生が停止され、確変リーチ音声だけが最後まで再生されることになる。ここで、図9(b)を参照して説明した通り、通常リーチ音声は、最初の20ミリ秒間が無音区間となっている。よって、一旦、通常リーチ音声の再生が開始されても、その無音区間の再生中に通常リーチ音声の再生が停止される。従って、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声だけを遊技者に聞かせることができる。
また、本実施形態では、ダブルリーチが成立した場合に、表示制御装置114からは、まず、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドが送信され、その後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドが送信されるようになっており、音声ランプ制御装置113では、一先ず、受信したリーチ表示コマンドに従って、2つのリーチ音声の再生を順に開始する。そして、音声ランプ制御装置113は、2つのリーチ音声が再生されていると判断すると、直近に再生を開始したリーチ音声(後から再生を開始したリーチ音声)の再生を停止する。これにより、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から受信したリーチ表示コマンドが、確変リーチであるか通常リーチであるのかを判定することなく、結果として、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声だけを遊技者に聞かせることができる。つまり、処理負担の増大を抑制しつつ、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声だけを遊技者に聞かせることができる。
リーチ音声再生中カウンタ223cは、そのリーチ音声再生中カウンタ223cの値が「2」となったことにより、直近に再生したリーチ音声(後から再生を開始した通常リーチ音声)の再生を停止することにあわせて、「0」に初期化される。また、リーチ音声再生中カウンタ223cは、リーチ表示コマンド以外のその他の表示コマンドが、音声ランプ制御装置113によって表示制御装置114から受信された場合にも、「0」に初期化される。
再生音声データ記憶エリア223dは、音声出力装置226から出力する音声を再生するための音声データを格納するエリアである。MPU221は、この再生音声データ記憶エリア223dに格納された音声データを復号しながら音声信号を生成し、生成した音声信号を音声出力装置226へ出力することで、音声出力装置226から音声が出力され、再生される。
ここで、音声ランプ制御装置113は、4つの音声再生チャンネルを有しており、4つの音声データを同時に再生可能に構成されている。再生音声データ記憶エリア223dは、4つの音声再生チャンネル毎に、その音声再生チャンネルで再生させる音声データを格納するためのエリアが用意されている。即ち、第1の音声再生チャンネルで再生させる音声データを格納するための第1チャンネル用エリア223d1と、第2の音声再生チャンネルで再生させる音声データを格納するための第2チャンネル用エリア223d2と、第3の音声再生チャンネルで再生させる音声データを格納するための第3チャンネル用エリア223d3と、第4の音声再生チャンネルで再生させる音声データを格納するための第4チャンネル用エリア223d4とが、再生音声データ記憶エリア223dに設けられている。
MPU221は、表示制御装置114から受信した表示コマンドによって示される第3図柄表示装置81の表示内容に基づいて、その表示内容に対応する音声データをROM222の音声データ記憶エリア222aから読み出す。読み出した音声データは、再生音声データ記憶エリア223dの第1〜第4チャンネル用エリア223d1〜d4のいずれかの空きエリアに格納される。
MPU221は、第1〜第4の音声再生チャンネル毎に、対応する第1〜第4チャンネル用エリア223d1〜d4に格納された音声データを復号し、音声信号を生成する。そして、音声再生チャンネル毎に生成された音声信号をミキシングした上で、音声出力装置226へ出力する。これにより、4つの音声データが同時に再生され、音声出力装置226から出力させることができる。
確変時短フラグ223eは、パチンコ機10の遊技状態が確変中または時短中であることを示すフラグである。確変時短フラグ223eは、オンの場合に、パチンコ機10の遊技状態が確変中または時短中であることを示し、オフの場合に、パチンコ機10の遊技状態が確変中でも時短中でもなく通常中であることを示す。
確変時短フラグ223eは、音声ランプ制御装置113が主制御装置110より確定コマンド(変動演出の終了時に第3図柄表示装置81において停止図柄を確定表示させるためのコマンド)を受信した場合に、第3図柄表示装置81において確定表示される結果に基づいて更新が行われる(図24のS2021参照)。
具体的には、確変大当たり(15R確変大当たり又は4R確変大当たり)の図柄が確定表示される場合は、その後の遊技状態が確変中となるので、確変時短フラグ223eをオンに設定する。また、通常大当たり(15R通常大当たり)の図柄が確定表示される場合は、その後、100回の変動演出が行われるまでの間、遊技状態が時短中となるので、確変時短フラグ223eをオンに設定する。また、遊技状態が時短中の場合は、外れの図柄の確定表示が行われる毎に通常大当たりとなった後に変動演出が100回行われたか否かを判断し、変動演出が100回行われたと判断される場合は、遊技状態が時短状態から通常中へ移行するので、確変時短フラグ223eをオフに設定する。
確変時短フラグ223eは、パチンコ機10の遊技状態に応じて、所謂「右打ち」や「左打ち」を、第3図柄表示装置81を介して遊技者に指示する制御を行うために用いる。上述した通り、第1入球口64に球が入球した場合と第2入球口640へ球が入球した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一であるが、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
よって、遊技状態が通常中の場合は、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
但し、中には、パチンコ機10の仕様として、遊技状態に応じて、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とで変更しなければならないことを知らない遊技者もいる。そこで、本パチンコ機10では、遊技者に対して「左打ち」や「右打ち」を指示する打球方向指示画面811,812を第3図柄表示装置81に表示する。
ここで、図10を参照して、第3図柄表示装置81に表示される打球方向指示画面について説明する。図10(a)は、遊技者に対して「左打ち」を指示する打球方向指示画面を模式的に示した模式図であり、図10(b)は、遊技者に対して「右打ち」を指示する打球方向指示画面を模式的に示した模式図である。
図10(a)に示す通り、遊技者に対して「左打ち」を指示する打球方向指示画面は、第3図柄表示装置81の正面視左下側に「←左へ打て!!」との図柄811が表示された画面である。図柄811には左向きの矢印が含まれており、また、図柄811は第3図柄表示装置81の正面視左側に配置されているので、「左打ち」を指示する打球方向指示画面を表示することにより、第3図柄表示装置81が設けられた可変表示装置80の左方を球が通過するように球を発射するように、遊技者に対して分かりやすく伝えることができる。
また、図10(b)に示す通り、遊技者に対して「右打ち」を指示する打球方向指示画面は、第3図柄表示装置81の正面視右下側に「右へ打て!!→」との図柄812が表示された画面である。図柄812には右向きの矢印が含まれており、また、図柄812は第3図柄表示装置81の正面視右側に配置されているので、「右打ち」を指示する打球方向指示画面を表示することにより、第3図柄表示装置81が設けられた可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射するように、遊技者に対して分かりやすく伝えることができる。
音声ランプ制御装置113は、確変時短フラグ223eから、遊技状態が確変中または時短中である場合は、遊技者が左打ちをしている可能性があるか否かを判断する。そして、遊技者が左打ちをしている可能性があれば、確変中または時短中は、右打ちの方が15R確変大当たりとなりやすく、遊技者にとって有利であるので、第3図柄表示装置81に「右打ち」を指示する打球方向指示画面を表示するよう、表示制御装置114へ右打ち指示画面表示コマンドを送信する(図27のS2216)。表示制御装置114は、この右打ち指示画面表示コマンドを受信することにより、図10(b)に示す「右打ち」を指示する打球方向指示画面を第3図柄表示装置81に表示する。これにより、遊技者に対して、球を「右打ち」するように仕向けることができ、遊技者が有利な状態で遊技を楽しませることができる。
また、音声ランプ制御装置113は、確変時短フラグ223eから、遊技状態が通常中である場合は、遊技者が右打ちをしている可能性があるか否かを判断する。そして、遊技者が右打ちをしている可能性があれば、通常中は、第1入球口64によって確実に始動入賞を得られやすく、大当たり抽選の機会を多く得られることから、左打ちの方が遊技者にとって有利であるので、第3図柄表示装置81に「左打ち」を指示する打球方向指示画面を表示するよう、表示制御装置114へ左打ち指示画面表示コマンドを送信する(図26のS2208)。表示制御装置114は、この左打ち指示画面表示コマンドを受信することにより、図10(a)に示す「左打ち」を指示する打球方向指示画面を第3図柄表示装置81に表示する。これにより、遊技者に対して、球を「左打ち」するように仕向けることができ、遊技者が有利な状態で遊技を楽しませることができる。
図9(c)に戻って、説明を続ける。第1スルーゲート通過フラグ223fは、第1スルーゲート67を球が通過したことを示すフラグである。第2スルーゲート通過フラグ223gは、第2スルーゲート670を球が通過したことを示すフラグである。第1スルーゲート通過フラグ223f及び第2スルーゲート通過フラグ223gは、いずれもオンの場合に、第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670を球が通過したことを示し、オフの場合に、第1スルーゲート67又は第2スルーゲート670を球が通過していないことを示す。
第1スルーゲート通過フラグ223f及び第2スルーゲート通過フラグ223gは、いずれも、電源投入時に実行されるRAM223の初期値設定処理(図22のS1810参照)において、初期値としてオフが設定される。そして、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信される、第1スルーゲート67を球が通過したことを通知する第1スルーゲート通過コマンドを、音声ランプ制御装置113が受信すると、おMPU221は、第1スルーゲート通過フラグ223fをオンに設定する。また、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信される、第2スルーゲート670を球が通過したことを通知する第2スルーゲート通過コマンドを、音声ランプ制御装置113が受信すると、MPU221は、第2スルーゲート通過フラグ223gをオンに設定する。
ここで、第1スルーゲート通過コマンドは、主制御装置110において第1スルーゲート67の球の通過が検出された場合に、主制御装置110が音声アンプ制御装置113に対して送信するコマンドである。また、第2スルーゲート通過コマンドは、主制御装置110において第2スルーゲート670の球の通過が検出された場合に、主制御装置110が音声アンプ制御装置113に対して送信するコマンドである。
詳細については図26のフリーチャートを参照して後述するが、MPU221は、右打ち左打ち判定処理を行っている。この右打ち左打ち判定処理では、パチンコ機10の遊技状態が通常中である場合において、第2スルーゲート通過フラグ223gのオン・オフ状態を見て、10秒の間に第2スルーゲート670に球が3球通過したことを検出すると、遊技者が通常中であるにもかかわらず「右打ち」していると判断し、通常中において遊技者に有利となる「左打ち」を指示する打球方向指示画面を第3図柄表示装置81に表示するよう、表示制御装置114に対して左打ち指示画面表示コマンドを送信する。
また、パチンコ機10の遊技状態が確変中または時短中である場合において、第1スルーゲート通過フラグ223fのオン・オフ状態を見て、10秒の間に第1スルーゲート67に球が3球通過したことを検出すると、遊技者が確変中または時短中であるにもかかわらず「左打ち」していると判断し、確変中または時短中において遊技者に有利となる「右打ち」を指示する打球方向指示画面を第3図柄表示装置81に表示するよう、表示制御装置114に対して右打ち指示画面表示コマンドを送信する。
ここで、従来のパチンコ機には、例えば、右打ちする方が遊技者にとって有利な場合に、遊技盤の左方にあるスルーゲートを球が1球通過しただけで、遊技者が左打ちをしていると判断し、「右打ち」を指示する報知を行うものがあった。しかしながら、遊技者が右打ちをしている場合であっても、幾つかの球は遊技盤の左方を流下することは十分にあり得ることであり、その球が遊技盤の左方にあるスルーゲートを通過することも十分に起こりうる。その度に、「右打ち」を指示されていては遊技者も煩わしい。また、例え、遊技者が左打ちをしていたとしても、スルーゲートを球が1球通過する毎に、「右打ち」を指示する報知が行われれば、その報知が頻発することになり、やはり煩わしい思いを遊技者にさせてしまう。
これに対し、本パチンコ機10では、パチンコ機10の遊技状態が通常中である場合は、10秒の間に第2スルーゲート670に球が3球通過したことを検出することによって、通常中において遊技者に有利となる「左打ち」を指示する打球方向指示画面を第3図柄表示装置81に表示するよう、表示制御装置114に対して左打ち指示画面表示コマンドを送信する。また、パチンコ機10の遊技状態が確変中または時短中である場合は、10秒の間に第1スルーゲート67に球が3球通過したことを検出することによって、確変中または時短中において遊技者に有利となる「右打ち」を指示する打球方向指示画面を第3図柄表示装置81に表示するよう、表示制御装置114に対して右打ち指示画面表示コマンドを送信する。これにより、遊技者が有利な方向へ球を発射しているにもかかわらず、一部の球が有利な方向とは別の方向へ発射されることによって、いちいち打球方向を指示する画面が表示されることを抑制することができる。また、たとえ、遊技者が有利な方向とは別の方向へ球を発射していたとしても、打球方向を指示する画面が頻発して表示されることを抑制できる。従って、遊技者が打球方向を指示する画面によって、かえって遊技に対する興趣が妨げられることを抑制できる。
第1スルーゲート通過フラグ223f及び第2スルーゲート通過フラグ223gは、MPU221によって実行される右打ち左打ち判定処理を終了する段階で、それぞれオフに設定される。
第1スルーゲート通過後時間カウンタ223hは、第1スルーゲート67を球が通過してからの経過時間を計数するためのカウンタである。第2スルーゲート通過後時間カウンタ223iは、第2スルーゲート670を球が通過してからの経過時間を計数するためのカウンタである。第1スルーゲート通過球数カウンタ223jは、10秒間に第1スルーゲート67を通過した球の数を計数するカウンタである。第2スルーゲート通過球数カウンタ223kは、10秒間に第2スルーゲート670を通過した球の数を計数するカウンタである。
第1スルーゲート通過後時間カウンタ223h、第2スルーゲート経過時間カウンタ223i、第1スルーゲート通過球数カウンタ223j、第2スルーゲート通過球数カウンタ223kは、いずれも、電源投入時に実行されるRAM223の初期値設定処理(図22のS1810参照)において、初期値として0が設定される。第1スルーゲート通過後時間カウンタ223h及び第2スルーゲート通過後時間カウンタ223iは、それぞれ、その値が0のときは、その0の値が維持される。
一方、第1スルーゲート通過後時間カウンタ223hの値が0の場合に、遊技状態が確変中または時短中において、第1スルーゲート通過フラグ223fがオンとなり、第1スルーゲート67を球が通過したことが検出されると、第1スルーゲート通過後時間カウンタ223hに1が設定され、第1スルーゲート通過球数カウンタ223jに1が設定される。また、第2スルーゲート通過後時間カウンタ223iの値が0の場合に、遊技状態が通常中において、第2スルーゲート通過フラグ223gがオンとなり、第2スルーゲート670を球が通過したことが検出されると、第2スルーゲート通過後時間カウンタ223iに1が設定され、第2スルーゲート通過球数カウンタ223kに1が設定される。
第1スルーゲート通過球数カウンタ223jは、その後も、遊技状態が確変中または時短中において、第1スルーゲート通過フラグ223fがオンとなり、第1スルーゲート67を球が通過したことが検出されると、1加算される。また、第2スルーゲート通過球数カウンタ223jは、遊技状態が通常中において第2スルーゲート通過フラグ223gがオンとなり、第2スルーゲート670を球が通過したことが検出されると、1加算される。
第1スルーゲート通過後時間カウンタ223h,第2スルーゲート通過後時間カウンタ223iは、その値が0以外の数となった場合、1ミリ秒毎にMPU221によって実行されるカウンタ更新処理(図23のS1912)において、1加算される更新処理が行われる。そして、第1スルーゲート通過後時間カウンタ223h,第2スルーゲート通過後時間カウンタ223iは、その値が10000となると、再び0に設定され、その後は値が0に維持される。また、第1スルーゲート通過球数カウンタ223jは、第1スルーゲート通過後時間カウンタ22hが0に設定されるのにあわせて、0に設定される。同様に、第2スルーゲート通過球数カウンタ223kは、第2スルーゲート通過後時間カウンタ22iが0に設定されるのにあわせて、0に設定される。
これにより、第1スルーゲート通過後時間カウンタ223hは、遊技状態が確変中または時短中に、その値が0の状態で第1スルーゲート67に球が入球すると、10000ミリ秒(10秒)を計数し、その10秒の間に、第1スルーゲート67を通過した球の数が、第1スルーゲート通過球数カウンタ223jによってカウントされる。また、第2スルーゲート通過後時間カウンタ223iは、遊技状態が通常中に、その値が0の状態で第2スルーゲート670に球が入球すると、10000ミリ秒(10秒)を計数し、その10秒の間に、第2スルーゲート670を通過した球の数が、第2スルーゲート通過球数カウンタ223kによってカウントされる。
そして、遊技状態が確変中または時短中において、第1スルーゲート通過球数カウンタ223jの値が「2」の場合に、第1スルーゲート通過フラグ223fがオンとなり、第1スルーゲート67を球が通過したことが検出されると、10秒間に第1スルーゲート67を球が3球通過したことを意味する。よって、この場合、遊技者が確変中または時短中であるにもかかわらず「左打ち」していると判断し、確変中または時短中において遊技者に有利となる「右打ち」を指示する打球方向指示画面を第3図柄表示装置81に表示するよう、表示制御装置114に対して右打ち指示画面表示コマンドを送信する。これにより、第3図柄表示装置81には、「右打ち」を指示する打球方向指示画面が表示されるので、確変中または時短中において遊技者にとって有利となる「右打ち」をするよう遊技者に仕向けることができる。
なお、右打ち指示画面表示コマンドを送信するのにあわせて、第1スルーゲート通過後時間カウンタ223hに「0」、第1スルーゲート通過球数カウンタ223jに「0」が設定される。
また、遊技状態が通常中において、第2スルーゲート通過球数カウンタ223kの値が「2」の場合に、第2スルーゲート通過フラグ223kがオンとなり、第2スルーゲート670を球が通過したことが検出されると、10秒間に第2スルーゲート670を球が3球通過したことを意味する。よって、この場合、遊技者が通常中であるにもかかわらず「右打ち」していると判断し、通常中において遊技者に有利となる「左打ち」を指示する打球方向指示画面を第3図柄表示装置81に表示するよう、表示制御装置114に対して左打ち指示画面表示コマンドを送信する。これにより、第3図柄表示装置81には、「左打ち」を指示する打球方向指示画面が表示されるので、通常中において遊技者にとって有利となる「左打ち」をするよう遊技者に仕向けることができる。
なお、左打ち指示画面表示コマンドを送信するのにあわせて、第2スルーゲート通過後時間カウンタ223iに「0」、第2スルーゲート通過球数カウンタ223kに「0」が設定される。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶する主制御コマンド記憶領域(図示せず)や、表示制御装置114により受信した表示コマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶する表示制御コマンド記憶領域(図示せず)、オン状態で変動演出を開始すべきことを示す変動開始フラグ(図示せず)などを有している。
主制御コマンド記憶領域および表示制御コマンド記憶領域は、いずれも、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113の主コマンド判定処理(図24参照)が実行されると、主制御コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、主コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
また、音声ランプ制御装置113によって、音声再生設定処理(図29参照)が実行されると、表示制御コマンド記憶領域に記憶された未処理の表示コマンドのうち、最初に格納された表示コマンドが読み出され、音声再生設定処理によって、その表示コマンドによって示される第3図柄表示装置81の表示内容に対応した音声データをROM222に設けられた音声データ記憶エリア222aから読み出し、読み出した音声データを再生音声データ記憶エリア223dの空きチャンネル用のエリア(第1〜第4チャンネル用エリアのいずれか)に格納する処理が行われる。これにより、第3図柄表示装置81の表示内容に合った音声を音声出力装置81から出力することができる。
変動開始フラグは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された停止種別コマンドを受信した場合にオンされる(図24のS2004参照)。そして、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図25のS2102参照)。
図5に戻って説明を続ける。表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。この表示制御装置114の詳細については、図11を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図19参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図11を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図11は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、プログラムROM232と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入出力ポート237と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入出力ポート238には音声ランプ制御装置113が接続されており、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113によって決定された第3図柄表示装置81の表示態様を指示するコマンドを音声ランプ制御装置113から受信すると共に、表示制御装置114の制御によって実際に第3図柄表示装置81に表示する表示内容を通知する表示コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。
入出力ポート238には、また、バスライン240を介して、MPU231、プログラムROM232、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237が接続されている。画像コントローラ237には、ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
MPU231は、音声ランプ制御装置113から入力されたコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。プログラムROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。また、ROM232は、表示データテーブル格納エリア232aを少なくとも有している。
表示データテーブル格納エリア232aは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる演出毎に用意された表示データテーブルが格納される領域である。表示データテーブルは、その表示データテーブルに対応した演出において、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルが格納される領域である。MPU231は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに従って第3図柄表示装置81に表示させる演出を特定し、その演出に対応する表示データテーブルを、表示データテーブル格納エリア232aから読み出して、その読み出した表示データテーブルに従って、第3図柄表示装置81の表示を制御する。
ここで、表示データテーブルの詳細について説明する。表示データテーブルは、音声ランプ制御装置113からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、デモ演出、確定表示演出、再始動演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
尚、デモ演出は、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
確定表示演出は、変動演出後に音声ランプ制御装置113を介して、主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信することによって停止図柄を確定表示する場合に第3図柄表示装置81に表示される演出である。例えば、停止図柄が外れ図柄である場合は、外れを強調する演出が行われ、停止図柄が15R確変大当たり、15R通常大当たり、4R確変大当たりのいずれかである場合は、それぞれの大当たりが強調される演出が行われる。遊技者は、この確定表示演出を視認することで、停止図柄の内容によって付与される遊技価値を容易に判断することができる。
再始動演出は、変動パターンコマンドにより示された変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても主制御装置110から送信される確定コマンドが受信されない場合に、所定位置を中心に第3図柄を振動(揺動)させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出である。遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄が振動して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。
表示データテーブル格納エリア232aには、デモ演出および再始動演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。変動演出用の表示データテーブルである変動用表示データテーブルは、設定される変動演出パターンと停止図柄との組み合わせに応じて、1テーブルずつ用意される。また、確定表示演出に対応する表示データテーブルとしては、停止図柄として外れ図柄を確定表示させるものと、確変大当たり(15R確変大当たり又は4R確変大当たり)を確定表示されるものと、通常大当たり(15R通常大当たり)を確定表示させるものとが、それぞれ用意されている。
ここで、図12を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図12は、表示データテーブルのうち、変動用表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、人物や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動用表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者が枠ボタン22を操作することによって選択されているステージ(「海ステージ」、「宮殿ステージ」、「深海ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応して、どの状態の背面画像を表示すべきかを示す表示状態情報とを規定するようにしてもよい。背面画像は、時間の経過とともに表示範囲や、明るさ、色合いなどが変化して表示される。この表示状態情報は、例えば、初期状態の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像を、表示状態情報により示される初期状態の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、表示状態情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、この表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像を、表示データテーブルに基づき画像の描画(もしくは、表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の状態と、表示状態情報により示される該画像の描画(もしくは、該画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、表示状態情報は、背面種別に応じて、初期状態に対応する背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81への表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および表示状態情報とともに、その表示状態情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、表示データテーブルに基づく画像の第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、表示状態情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、第3図柄に割り当てられた固有の識別番号が記載されている。本実施形態では、第3図柄の一つ一つに、それぞれを識別するための固有の識別番号を付している。例えば、「0」の主図柄には識別番号として「0」が付され、「0」と「1」との間の副図柄には識別番号として「1」が付され、「1」の主図柄には識別番号として「2」が付され、「1」と「2」との間の副図柄には識別番号として「3」が付されている。このように、副図柄についても、その副図柄が挿入される位置(どの主図柄の間にあるか)に応じて異なる識別番号が付されている。
また、変動が開始されてから所定時間が経過するまでの第3図柄の図柄種別情報としては、第3図柄の識別情報を直接規定するのではなく、1つ前に行われた変動演出の停止図柄の識別番号とのオフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に対して付された識別番号の差分を表す情報である。
変動が開始されてから所定時間が経過するまでの第3図柄の図柄種別情報として、オフセット情報を規定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためである。変動が開始されてから所定時間経過するまでは、各アドレスにおける図柄種別情報として、そのアドレスに対応する時間に表示すべき第3図柄の識別情報と1つ前に行われた変動演出の停止図柄の識別情報との差分(オフセット情報)を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出を開始することができる。
なお、図柄種別情報として、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報から、実際に表示する第3図柄の識別番号そのものに切り換えられる前記所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルでは、描画内容のほかに、一部のアドレスにおいて、これから第3図柄表示装置81に表示させる画像の表示内容を規定している。例えば、高速変動を表示させる場合は、表示内容として「高速変動表示」と規定し、人魚のキャラクタ画像を表示させる場合には、表示内容として「人魚キャラクタ表示」と規定し、発光エフェクト画像を表示させる場合は、表示内容として「発光エフェクト表示」と規定する。
確変リーチの成立を表示させる場合は、表示内容として、その確変リーチを成立させた主図柄の種類とあわせて「確変リーチ成立」を規定する。通常リーチの成立を表示させる場合は、表示内容として、その通常リーチを成立させた主図柄の種類とあわせて「通常リーチ成立」を規定する。また、ダブルリーチを表示させる場合は、確変リーチおよび通常リーチの両方が成立しているので、表示内容として、まず、確変リーチを成立させた主図柄の種類とあわせて「確変リーチ成立」を規定し、更に、通常リーチを成立させた主図柄の種類とあわせて「通常リーチ成立」を規定する。
この表示データテーブルに規定される表示内容は、音声ランプ制御装置113に対して、第3図柄表示装置81に表示される表示内容を通知するために用いられる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図15の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、ワークRAM233に設けられた後述の表示データテーブルバッファ233aに格納すると共に、ポインタ233bを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233bを1加算し、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233bが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図13参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラに対しその画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233bの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
また、ポインタ233bが示すアドレスに表示内容が規定されている場合は、その表示内容に従って、その表示内容を表す表示コマンドを生成し、その表示コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。これにより、音声ランプ制御装置113に対して第3図柄表示装置81の表示内容が通知される。音声ランプ制御装置113では、この表示コマンドによって通知される表示内容にあった音声を音声出力装置226より出力する制御が行われる。
ポインタ233bが示すアドレスに、複数の表示内容が規定されている場合は、先に規定されている表示内容から順に、その表示内容を表す表示コマンドを生成して、その表示コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。上述した通り、第3図柄表示装置81においてダブルリーチが成立する場合、表示データテーブルには、そのダブルリーチの成立が表示されるタイミングのアドレスに、表示内容として、まず、確変リーチを成立させた主図柄の種類とあわせて「確変リーチ成立」が規定され、次いで、通常リーチを成立させた主図柄の種類とあわせて「通常リーチ成立」が規定される。従って、ダブルリーチが成立する場合、表示制御装置114は、先に、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信し、その後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信するように構成される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
ワークRAM233は、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。このワークRAM233は、表示データテーブルバッファ233a、ポインタ233b、描画リストエリア233c、計時カウンタ233dを少なくとも有している。
表示データテーブルバッファ233aは、主制御装置113からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブル格納エリア223aから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233bを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233bで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図13参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
また、ポインタ233bで示されるアドレスに表示内容が規定されている場合は、その表示内容に従って、その表示内容を表す表示コマンドを生成し、その表示コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。これにより、音声ランプ制御装置113に対して第3図柄表示装置81の表示内容が通知される。音声ランプ制御装置113では、この表示コマンドによって通知される表示内容にあった音声を音声出力装置226より出力する制御が行われる。
ポインタ233bは、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルから、対応する描画内容を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233bを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図32(a)のS2603参照)の中で、ポインタ233bの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233bの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルから、ポインタ233bが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図13参照)を作成する。これにより、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233aに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。よって、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
描画リストエリア233cは、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図13を参照して、描画リストの詳細について説明する。図13は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図13に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているアドレスが記述されており、画像コントローラ237は、キャラクタROM234に設けられた後述のキャラクタ記憶エリア234aのそのアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、キャラクタROM234より読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、ビデオRAM236に展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233bによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納アドレスは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されるキャラクタ記憶エリア234aのエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されているアドレスを即座に特定し、その情報を、描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
図11に戻って、説明を続ける。計時カウンタ233dは、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図32(b)参照)の表示設定処理(S2603)が実行される度に、計時カウンタ233dが1ずつ減算される。その結果、計時カウンタ233dの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233aに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や装飾図柄)といった各スプライトの画像データが記憶されたキャラクタ記憶エリア235aを備えている。キャラクタ記憶エリア235aには、記憶するデータ量を少なくするために、上記の画像データが圧縮形式のデータで記憶されている。本実施形態では、圧縮前の画像データは約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトの画像データが、約768Mバイトに圧縮されて、キャラクタ記憶エリア235aに記憶されている。
ビデオRAM236は、第3図柄表示装置81に表示される1フレーム分の画像を記憶するフレームバッファ領域を2フレーム分有するメモリである。
画像コントローラ236は、描画リストに従って、1フレーム分の画像データを生成して、ビデオRAM236の一方のフレームバッファ領域に書き込むと共に、ビデオRAM236の他方のフレームバッファ領域に書き込まれた1フレーム分の画像データを読み出して、読み出した画像データを、出力ポート239を介して第3図柄表示装置81へ出力することで、複数のフレーム画像を連続して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
画像コントローラ237は、描画リストに記述された順番に従って、その描画リストで規定されたスプライトの画像データ(圧縮形式の画像データ)をキャラクタ記憶エリア235aから読み出し、その画像データを解凍した上で、描画リストにて規定された描画情報に従って加工処理を行い、描画リストで指定された表示位置座標に、そのスプライトの画像データをビデオRAMの一方のフレームバッファ領域に書き込む。描画リストに規定された全てのスプライトについて、画像データの解凍・加工・書き込みを行うことで、1フレームで表示させる画像データが生成される。
この一方のフレームバッファ領域への1フレーム分の画像データの書き込みと、他方のフレームバッファ領域からの1フレーム分の画像データの読み出しは、並行して行われ、いずれも20ミリ秒で完了する。そして、他方のフレームバッファ領域からの1フレーム分の画像データの読み出しが完了すると、続いて、一方のフレームバッファ領域から先に書き込まれた1フレーム分の画像データの読み出しが行われ、その間、他方のフレームバッファ領域に対して、次の1フレーム分の画像データの書き込みが行われる。
このように、一方のフレームバッファ領域と他方のフレームバッファ領域とを、交互に、画像データの書き込みおよび画像データの読み出しを行うことによって、連続して複数のフレーム画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
次に、図14から図21のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では4ミリ秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図14は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に繰り返し実行される定期処理である。MPU201がこのタイマ割込処理を実行することによって、定期的に実行すべき各種の処理が行われる。
タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S1101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S1102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203のカウンタ用バッファに格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S1103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、899,99,99,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファに格納する。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bによる表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行し(S1104)、次いで、第1入球口64及び第2入球口640への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S1105)。更に、第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670への球の通過に伴うスルー−ゲート通過処理を実行する(S1106)。なお、変動処理、始動入賞処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、それぞれ図16、図15、及び、図18を参照して後述する。
スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S1107)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S1108)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図15のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S1105)を説明する。図15は、この始動入賞処理(S1105)を示すフローチャートである。始動入賞処理(S1105)は、タイマ割込処理(図14参照)の中で実行され、第1入球口64及び第2入球口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合は、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、保留球数の計数処理とを実行する。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S1201)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S1201:Yes)、特図1保留球数カウンタ203dの値(第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NA)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S1202)。そして、第1入球口64への入賞がないか(S1201:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NA<4でなければ(S1202:No)、S1206の処理へ移行する。
一方、第1入球口64への入賞があり(S1201:Yes)、且つ、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NA<4であれば(S1202:Yes)、特図1保留球数カウンタ203dの値(保留球数NA)を1加算し(S1203)、更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の特図1保留球格納エリア203aの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S1204)。
次いで、S1203の処理によって更新された、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NAの値を含めた特図1保留球数コマンドを設定し(S1205)、S1206の処理へ移行する。この特図1保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図20)のS1601の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、特図1保留球数コマンドに含められた第1入球口64への入賞に伴う変動演出の保留球数NAに基づいて、音声ランプ制御装置113の中で保留球数を管理する。
続くS11206の処理では、球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S1206)。ここでは、第2入球口640への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口640に入賞したと判別されると(S1206:Yes)、特図2保留球数カウンタ203eの値(第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NB)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S1207)。そして、第2入球口640への入賞がないか(S1206:No)、或いは、第2入球口640への入賞があっても第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NB<4でなければ(S1207:No)、始動入賞処理を終了し、タイマ割込処理に戻る。
一方、第2入球口640への入賞があり(S1206:Yes)、且つ、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NB<4であれば(S1207:Yes)、特図2保留球数カウンタ203の値(保留球数NB)を1加算し(S1208)、更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の特図2保留球格納エリア203bの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S1209)。
次いで、S1208の処理によって更新された、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NBの値を含めた特図2保留球数コマンドを設定し(S1210)、始動入賞処理を終了してタイマ割込処理へ戻る。この特図2保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図20)のS1601の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、特図2保留球数コマンドに含められた第2入球口640への入賞に伴う変動演出の保留球数NBに基づいて、音声ランプ制御装置113の中で保留球数を管理する。
次に、図16を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S1104)について説明する。図16は、この変動処理(S1104)を示すフローチャートである。この変動処理(S1104)は、タイマ割込処理(図1X4参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37A,37Bや第3図柄表示装置81にて行う変動表示を制御する。
この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S1301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37A,37Bで表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S1301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S1301:No)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であるか否かを判別し(S1302)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中でなければ(S1302:No)、次いで、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S1303)。その結果、変動停止後、所定時間経過していなければ(S1303:No)、そのまま本処理を終了する。これにより、変動演出における停止図柄が所定時間だけ第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S1303の処理の結果、変動停止後、所定時間経過していれば(S1303:Yes)、第1図柄(第3図柄)の変動演出が開始可能な状態となったことを意味するので、まず、特図2保留球数カウンタ203eの値(第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NB)が0よりも大きいか否かを判別する(S1304)。その結果、特図2保留球数カウンタ203eの値(保留球数NB)が0より大きいと判別された場合は(S1304:Yes)、特図2保留球数カウンタ203eの値(保留球数NB)を1減算し(S1305)、特図2保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフト処理する(S1306)。
このデータシフト処理は、特図2保留球格納エリア203bの特図2保留第1エリアに格納されているデータ(各カウンタ値)を特図保留球実行エリア203cへシフトさせ、また、特図2保留第2エリア→特図2保留第1エリア、特図2保留第3エリア→特図2保留第2エリア、特図2保留第4エリア→特図2保留第3エリアといった具合に、各保留エリア内のデータ(各カウンタ値)をシフトさせるものである。
データシフト処理の後は、特図種別フラグ203kをオンに設定し(S1307)、これから開始する第1図柄(第3図柄)の変動演出が、第2入球口640への始動入賞に伴って実行されるものであることを指し示した後、第1図柄表示装置37Bにおける変動開始処理(S1308)を実行し、本処理を終了する。なお、変動開始処理については、図17を参照して後述する。
S1304の処理の結果、特図2保留球数カウンタ203eの値(保留球数NB)が0よりも大きくない、即ち、保留球数NBが0であり、第2入球口640への始動入賞に伴う保留された変動演出がないと判別されると(S1304:No)、次いで、特図1保留球数カウンタ203dの値(第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数NA)が0よりも大きいか否かを判別する(S1309)。
その結果、特図1保留球数カウンタ203dの値(保留球数NA)が0よりも大きくない、即ち、保留球数NAが0であり、第1入球口64への始動入賞に伴う保留された変動演出がないと判別されると(S1309:No)、そのまま本処理を終了する。一方、特図1保留球数カウンタ203dの値(保留球数NA)が0より大きいと判別された場合は(S1309:Yes)、特図1保留球数カウンタ203dの値(保留球数NA)を1減算し(S1310)、特図1保留球格納エリア203dに格納されたデータをシフト処理する(S1311)。
このデータシフト処理は、特図1保留球格納エリア203aの特図1保留第1エリアに格納されているデータ(各カウンタ値)を特図保留球実行エリア203cへシフトさせ、また、特図1保留第2エリア→特図1保留第1エリア、特図1保留第3エリア→特図1保留第2エリア、特図1保留第4エリア→特図1保留第3エリアといった具合に、各保留エリア内のデータ(各カウンタ値)をシフトさせるものである。
データシフト処理の後は、特図種別フラグ203kをオフに設定し(S1312)、これから開始する第1図柄(第3図柄)の変動演出が、第1入球口64への始動入賞に伴って実行されるものであることを指し示した後、S1308の処理へ移行し、第1図柄表示装置37Aにおける変動開始処理を実行して、本処理を終了する。
この変動処理では、変動演出を開始可能な状態となった場合(S1303:Yesの場合)に、まず、特図2保留球数カウンタ203eの値が0よりも大きいか否かを確認し(S1304)、特図2保留球数カウンタ203eの値が0よりも大きい場合、即ち、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出が保留されている場合は(S1304:Yes)、特図1保留球数カウンタ203dの値にかかわらず、即ち、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出が保留されているか否かにかかわらず、特図2保留球格納エリア203bに保留されたデータ(各カウンタ値)に基づいて、変動演出を開始する。これにより、第2入球口640における始動入賞が、第1入球口64における始動入賞よりも優先して大当たり抽選が行われ、その大当たり抽選に基づいて変動演出が行われるように構成されている。
S1302の処理において、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であると判別されると(S1302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S1313)。第1図柄表示装置37A,37Bの変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S1313:No)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新して(S1314)、本処理を終了する。
本実施形態では、第1図柄表示装置37AのLED37Ab又は第1図柄表示装置37BのLED37Bbの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は2ミリ秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが200に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37A,37Bの変動時間が経過していれば(S1313:Yes)、第1図柄表示装置37A,37Bの停止図柄に対応した表示態様を設定する(S1315)。停止図柄の設定は、図17を参照して後述する変動開始処理(S1308)によって予め行われる。
即ち、S1308の処理により、特図保留球実行エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり後に15R確変大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する確変大当たり)となる図柄か、4R確変大当たり(最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する確変大当たり)となる図柄か、15R通常大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する大当たり)となる図柄かが決定される。
本実施形態では、大当たり後に15R確変大当たりになる場合には青色のLEDを点灯させ、4R確変大当たりになる場合には赤色のLEDを点灯させ、15R通常大当たりになる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯さる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S1315の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動演出の停止図柄を第1図柄表示装置37A,37BにおけるLEDの点灯と同調して確定させるために確定コマンドを設定して(S1316)、本処理を終了する。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対してそのまま確定コマンドを送信する。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、確定コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が確定される。
次に、図17を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理(S1308)について説明する。図17は、変動開始処理(S1308)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S1308)は、タイマ割込処理(図14参照)の変動処理(図16参照)の中で実行され、特図保留球実行エリア203cに格納された各種カウンタの値に基づき、「大当たり」又は「外れ」の抽選(大当たり抽選)を行うと共に、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定する。
変動開始処理では、まず、特図保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選処理を行う(S1401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態との関係に基づいて判別される。上述した通り、パチンコ機10の遊技状態が低確率状態(即ち、通常中および時短中)の場合は、大当たり乱数テーブル202aの中で「低確率状態」に対応づけられた「7,307,582」が大当たり乱数値となり、パチンコ機10の遊技状態が高確率状態(即ち、確変中)の場合は、大当たり乱数テーブル202aの中で「高確率状態」に対応づけられた「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が大当たり乱数値となる。S1301の処理では、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。
そして、S1401の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S1401:Yes)、大当たり時の表示態様を設定するために、まず、特図種別フラグはオンか否かを判別する(S1402)。そして、特図種別フラグがオンの場合は(S1402:Yes)、これから開始する第1図柄(第3図柄)の変動演出が、第2入球口640への始動入賞に伴って実行されるものであることを示しているので、大当たり種別を決定する大当たり種別テーブル202bとして、「第2入球口」用の大当たり種別テーブル(図8(b)参照)を設定する(S1403)。
一方、特図種別フラグがオフの場合は(S1402:No)、これから開始する第1図柄(第3図柄)の変動演出が、第1入球口64への始動入賞に伴って実行されるものであることを示しているので、大当たり種別を決定する大当たり種別テーブル202bとして、「第1入球口」用の大当たり種別テーブル(図8(b)参照)を設定する(S1404)。
そして、S1403又はS1404の処理によって設定された大当たり種別テーブルと、特図保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて大当たり種別を決定し、その大当たり種別に対応する大当たり時の表示態様を設定する(S1405)。
即ち、第1当たり種別カウンタC2と、S1403又はS1404の処理によって設定された大当たり種別テーブルとによって選定される大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する15R確変大当たりか、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する4R確変大当たりか、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する15R通常大当たりか、に基づいて、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の場合は第1図柄表示装置37Aの表示態様(LED37Abの点灯状態)が設定され、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の場合は、第1図柄表示装置37Bの表示態様(LED37Bbの点灯状態)が設定される。
また、その大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で各種大当たりに対応した大当たり図柄を停止表示させるべく、大当たり種別(15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たり)が停止種別として設定される。
ここで、第1入球口64への入賞に伴って大当たりとなる場合、その大当たり種別は、「第1入球口」用の大当たり種別テーブル(図8(b)参照)によって、1/4(=25/100)の確率で15R確変大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で15R通常大当たりとなり、1/2(=50/100)の確率で4R確変大当たりとなる。
一方、第2入球口640への入賞に伴って大当たりとなる場合は、その大当たり種別は、「第2入球口」用の大当たり種別テーブル(図8(b)参照)によって、1/2(=50/100)の確率で15R確変大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で15R通常大当たりとなり、1/4(=25/100)の確率で4R確変大当たりとなる。
このように、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、上述した通り、第2入球口640には電動役物640aが付随しており、電動役物640aの開閉状態に応じて第2入球口640への球の入球し易さが変化するのに対し、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
よって、通常時においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
次に、大当たり時の変動パターン(変動時間)を決定する(S1406)。この変動パターンの決定は、パチンコ機10の遊技状態(通常中か、時短中・確変中か)と、変動種別カウンタCS1の値と、大当たり用変動パターンテーブル202c(図8(c)参照)とに基づいて行われる。S1406の処理で変動パターンが設定されると、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の場合は、第1図柄表示装置37Aの表示時間が設定され、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の場合は、第1図柄表示装置37Bの表示時間が設定される。
S1401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S1401:No)、外れ時の表示態様が設定される(S1407)。S1307の処理では、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の場合は第1図柄表示装置37Aの表示態様を、また、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の場合は第1図柄表示装置37Bの表示態様を、外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特図保留球実行エリア203cに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるかに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S1408)。この変動パターンの決定は、パチンコ機10の遊技状態(通常中か、時短中・確変中か)と、S1302の処理で設定された停止種別と、変動種別カウンタCS1の値と、外れ用変動パターンテーブル202d(外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2)とに基づいて行われる。S1305の処理で変動パターンが設定されると、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の場合は、第1図柄表示装置37Aの表示時間が設定され、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の場合は、第1図柄表示装置37Bの表示時間が設定される。
S1406の処理またはS1408の処理が終わると、そのS1406又はS1408の処理で決定された変動パターン種別を、特図1(第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出)か特図2(第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出)かを示す特図種別情報を含めて、表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S1409)。
次いで、S1405又はS1407の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S1410)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図21)のS1701の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。
次に、図18のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S1106)を説明する。図18は、このスルーゲート通過処理(S1106)を示すフローチャートである。スルーゲート通過処理(S1106)は、タイマ割込処理(図14参照)の中で実行され、第1スルーゲート67、第2スルーゲート670を球が通過したかを判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。また、スルーゲート通過処理では、第1スルーゲート67,第2スルーゲート670における球の通過を通知する第1スルーゲート通過コマンド,第2スルーゲート通過コマンドを音声ランプ制御装置113に対して送信するための処理を行う。
スルーゲート通過処理では、まず、球が第1スルーゲート67を通過したか否かを判定する(S1501)。ここでは、第1スルーゲート67を球が通過したことを3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1スルーゲート67を通過したと判定されると(S1501:Yes)、音声ランプ制御装置113に対して第1スルーゲート67を球が通過したことを通知する、第1スルーゲート通過コマンドを設定する(S1502)。第1スルーゲート通過コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図21)のS1701の処理で、音声ランプ制御装置113に送信される。
次いで、普図保留球数カウンタ203fの値(第2図柄の変動表示の保留球数M)を取得し、普図保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S1503)。
球が第1スルーゲート67を通過していないか(S1501:No)、或いは、球が第1スルーゲート67を通過していても普図保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S1503:No)、S1506の処理へ移行する。一方、球が第1スルーゲート67を通過し(S1501:Yes)、且つ、普図保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S1503:Yes)、普図保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S1504)。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値RAM203のカウンタ用バッファから取得して、普図保留球格納エリア203iの空き保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S1505)、S1506の処理へ移行する。
尚、S1505の処理では、S1504に処理による加算後の普通図柄保留球カウンタ203fの値を参照し、その値が1であれば、普図保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が2であれば普図保留第2エリアを、その値が3であれば普図保留第3エリアを、その値が4であれば普図保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S1506の処理では、球が第2スルーゲート670を通過したか否かを判定する(S1506)。ここでは、第2スルーゲート670を球が通過したことを3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2スルーゲート670を通過したと判定されると(S1506:Yes)、音声ランプ制御装置113に対して第2スルーゲート67を球が通過したことを通知する、第2スルーゲート通過コマンドを設定する(S1507)。第2スルーゲート通過コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図21)のS1701の処理で、音声ランプ制御装置113に送信される。
次いで、普図保留球数カウンタ203fの値(第2図柄の変動表示の保留球数M)を取得し、普図保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S1508)。
球が第2スルーゲート670を通過していないか(S1506:No)、或いは、球が第2スルーゲート670を通過していても普図保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S1508:No)、そのまま本処理を終了する。一方、球が第2スルーゲート670を通過し(S1508:Yes)、且つ、普図保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S1508:Yes)、普図保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S1509)。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値RAM203のカウンタ用バッファから取得して、普図保留球格納エリア203iの空き保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S1510)、本処理を終了する。
尚、S1510の処理では、S1509に処理による加算後の普通図柄保留球カウンタ203fの値を参照し、その値が1であれば、普図保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が2であれば普図保留第2エリアを、その値が3であれば普図保留第3エリアを、その値が4であれば普図保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図19を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、図19は、このNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。
即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1551)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図20を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図20は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。
立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1601)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1602)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1603)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122がオンされているか否かを判別し(S1604)、オンされていれば(S1604:Yes)、処理をS1611へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1604:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1605)、記憶されていなければ(S1605:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1611へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1605:Yes)、RAM判定値を算出し(S1606)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1607:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1611へ移行する。なお、図21のS1712の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1611の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1611)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1612,S1613)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1612,S1613)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1612,S1613)を実行する。RAMの初期化処理(S1612,S1613)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1612)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1613)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1610の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1604:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1605:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1607:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1608)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1609)、S1610の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1610の処理では、割込みを許可する(S1610)。そして、後述するメイン処理に移行する。
次に、図21を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図21は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1701〜S1705の各処理が実行され、その残余時間でS1708,S1709のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図14参照)の中でRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1701)。
具体的には、タイマ割込処理(図14参照)におけるS1101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、始動入賞処理(図15参照)で設定された特図1保留球数コマンドや特図2保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。
更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンドや、大当たり時の特別遊技状態において大開放口65aを開閉動作させている場合に第3図柄表示装置81に各種画面を表示させるのに必要なコマンド等を、音声ランプ制御装置113に送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1702)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファに格納する。
動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1703)、次いで、大当たり時の特別遊技状態となっている場合に、大開放口65aの開閉動作(閉鎖条件)に従って、可変入賞装置65の大開放口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S1704)。
次に、第2図柄表示装置83による第2図柄(普通図柄。例えば「○」又は「×」の図柄。)の表示制御処理を実行する(S1705)。簡単に説明すると、普図保留球格納エリア203iに、球が第2入球口(スルーゲート)267を通過したことに伴って、第2当たり乱数カウンタC4の値が保留されている場合に、普図保留球格納エリア203iの普図保留第1エリアに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値を普図保留球実行エリア203jへシフトする。このとき、普図保留第2エリア→普図保留第1エリア、普図保留第3エリア→普図保留第2エリア、普図保留第4エリア→普図保留第3エリアといった具合に、各保留エリア内の第2当たり乱数カウンタの値もシフトさせる。
そして、普図保留球実行エリア203jに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が当たりとなる乱数値と一致するか否かを抽選(当たり抽選)し、当たりとなる乱数値と一致する場合は、第2図柄(普通図柄)の当たりとして、第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示を実施した後「○」の図柄を停止表示させ、「○」の図柄の停止表示後に、第2入球口640に付随する電動役物640aを所定時間開放動作させる。一方、当たり抽選の結果、普図保留球実行エリア203jに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が当たりとなる乱数値と一致しない場合は、第2図柄(普通図柄)の外れとして、第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示を実施した後「×」の図柄を停止表示させる。この場合、電動役物640aは閉鎖状態のままとする。
なお、当たりとなる乱数値は、遊技状態が通常中と時短中及び確変中とで、異なる数が設定される。即ち、遊技状態が通常中における当たりとなる乱数の値の数は149あり、その値は「5〜153」となっている。つまり、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜153」の範囲にある場合に、遊技状態が通常中の場合は当たりと判定される。一方、遊技状態が時短中または確変中における当たりとなる乱数の値の数は250あり、その範囲は「1〜250」となっている。つまり、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「1〜250」の範囲にある場合に、遊技状態が時短中または確変中の場合は当たりと判定される。
また、第2図柄(普通図柄)の変動時間は、遊技状態が時短中または確変中のほうが、通常中のときよりも短く設定される。更に、第2図柄(普通図柄)の当たりと判定された場合の電動役物640aの開放時間は、遊技状態が時短中または確変中のほうが、通常中のときよりも長い時間開放される。
このように、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く設定されている。また、上述した通り、第2図柄の変動表示にかかる時間も通常中よりも短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。一方、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態を作ることができる。
ここで、上述した通り、第1入球口64に球が入球した場合と第2入球口640へ球が入球した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一であるが、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
よって、通常時においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。一方、確変中や時短中は、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
S1705の処理の後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1706)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1706:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1707)、既に所定時間が経過していれば(S1707:Yes)、処理をS1701へ移行し、上述したS1701以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1707:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1及び第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1708,S1709)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1708)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1702の処理と同一の方法によって実行する(S1709)。
ここで、S1701〜S1705の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1706の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1706:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図19のNMI割込処理が実行されたということなので、S1710以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1710)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1711)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1712)、RAM203のアクセスを禁止して(S1713)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1706の処理は、S1701〜S1705で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1708とS1709の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1701の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1701の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1601)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1701の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図22から図30を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図22を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図22は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1801)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1920の電源断処理(図23参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1802)。図23を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図23のS1917参照)、S1920の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1920の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1802:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1920の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1803)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1806の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1803:Yes)、S1804へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1803:No)、S1808へ移行する。
一方、電源断処理中フラグがオンであれば(S1802:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1820の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1804へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1804の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1804)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1805:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定し(S1806)、S1808の処理へ移行する。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1805:No)、RAM223の異常を報知して(S1807)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1808の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1808)。電源断フラグはS1920の電源断処理の実行時にオンされる(図23のS1919参照)。つまり、電源断フラグは、S1920の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1920の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1920の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1808:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1809)、RAM223の初期値を設定した後(S1810)、割込み許可を設定して(S1811)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1808の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1804からS1806の処理を経由してS1808の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1808:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1809をスキップして、処理をS1810へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1810)、割込み許可を設定して(S1811)、メイン処理へ移行する。
なお、S1809のクリア処理をスキップするのは、S1804からS1806の処理を経由してS1808の処理へ至った場合には、S1804の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図22を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図22は、このメイン処理を示したフローチャートである。
メイン処理が実行されると、まず、該メイン処理が開始されてから、又は、前回S1901の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S1901)、1ミリ秒以上経過していなければ(S1901:No)、S1902〜S1912の処理を行わずにS1913の処理へ移行する。
S1901の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S1902〜S912が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1913の変動表示処理やS1914の右打ち左打ち判定処理、S1915の主コマンド判定処理、S1916の音声再生設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。
S1915の主コマンド判定処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止できる。S1916の音声再生設定処理が短い周期で実行されることにより、表示制御装置114から送信される表示コマンドの受信漏れを防止し、且つ、表示コマンドに基づいて、遅滞なく表示コマンドで示される第3図柄表示装置81の表示内容に応じた音声の再生を設定できる。
S1913の変動表示処理が短い周期で実行されることにより、主コマンド判定処理によって受信された変動パターンコマンド及び停止種別コマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。また、S1914の右打ち左打ち判定処理が短い周期で実行されることにより、主コマンド判定処理によって受信された第1スルーゲート通過コマンドや第2スルーゲート通過コマンドに基づいて、遅滞なく、遊技者に「右打ち」又は「左打ち」を指示する打球方向指示画面を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
S1901の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S1901:Yes)、まず、S1903〜S1916の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1902)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1909の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1903)、その後電源投入報知処理を実行する(S1904)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1905の処理へ移行する。
S1905の処理では客待ち演出が実行される(S1905)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1907)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、枠ボタン操作コマンドに代えて、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1907の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1909)、その後音編集・出力処理を実行する(S1910)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するように、表示制御装置113からの表示コマンドに従って、後述の音声再生設定処理(S1916)にて再生音声データ記憶エリア223dの第1〜第4チャンネル用エリア223d1〜d4に格納された音声データをそれぞれ復号し、復号された全チャンネルの音声をミキシングして、音声出力装置226から音が出力される。また、警報音の出力が設定された場合は、この音編集・出力処理によって、警報音の出力パターンが設定され、警報音が音声出力装置226から出力される。
S1910の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1911)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1909のランプ編集処理が実行される。なお、S1910の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1911の処理後、カウンタ更新処理を実行し(S1912)、S1913の処理へ移行する。カウンタ更新処理では、MPU221が使用する各種カウンタを更新する。例えば、第1スルーゲート通過後時間カウンタ223h及び第2スルーゲート通過後時間カウンタ223iの更新が、S1912の処理で行われる。第1スルーゲート通過後時間カウンタ223h及び第2スルーゲート通過後時間カウンタ223iの更新は、その値が0の場合は0に維持する一方、その値が1〜9999の場合は、その値に1を加算し、その値が10000の場合は、0に初期化することによって行う。
第1スルーゲート通過後時間カウンタ223hは、主制御装置110より第1スルーゲート通過コマンドを受信した場合に1が設定され、第2スルーゲート通過後時間カウンタ223iは、主制御装置110より第2スルーゲート通過コマンドを受信した場合に1が設定される。1ミリ秒毎に実行されるカウンタ更新処理によって、これら第1スルーゲート通過後時間カウンタ223h及び第2スルーゲート223iが更新されることによって、第1スルーゲート67及び第2スルーゲート670毎に、球が通過してから10秒が経過するまでの時間を計数することができる。
カウンタ更新処理(S1912)では、また、第1スルーゲート通過後時間カウンタ22hが0に設定されるのにあわせて、第1スルーゲート通過球数カウンタ223jを0に設定する。同様に、第2スルーゲート通過後時間カウンタ22iが0に設定されるのにあわせて、第2スルーゲート通過球数カウンタ223kを0に設定する。
S1913の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドに基づいて表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを生成し、生成したこれらのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示処理を実行する。この変動表示処理の詳細については、図25を参照して後述する。
変動表示処理の後、右打ち左打ち判定処理を実行する(S1914)。この右打ち左打ち判定処理は、遊技状態が時短中または確変中の場合に、遊技者が左打ちしていると判定した場合は、遊技者に有利な右打ちを指示する打球方向指示画面を第3図柄表示装置81に表示させ、遊技状態が通常中の場合に、遊技者が右打ちしていると判定した場合は、遊技者に有利な左打ちを指示する打球方向指示画面を第3図柄表示装置81に表示させる処理である。右打ち左打ち判定処理の詳細については、図26及び図27を参照して後述する。
次いで、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行う主コマンド判定処理を行う(S1915)。この主コマンド判定処理の詳細については、図24を参照して後述する。主コマンド判定処理の後、表示制御装置114より受信した表示コマンドに応じて、第3図柄表示装置81の表示内容に合った音声データを再生音声データ記憶エリア223dに設定する音声再生設定処理を実行する(S1916)。S1916にて設定された音声データが、S1910の音編集・出力処理によって復号され、音声出力装置226より音が再生される。この音声再生設定処理の詳細については、図29を参照して後述する。
S1916の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1917)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1917の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1917:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1919)、電源断処理を実行する(S1920)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1921)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1917の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1917:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1918)、RAM223が破壊されていなければ(S1918:No)、S1901の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1916:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図24を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される主コマンド判定処理(S1915)について説明する。図24は、この主コマンド判定処理(S1915)を示したフローチャートである。この主コマンド判定処理(S1915)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図23参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定し、受信したコマンドに対応する処理を行う。以下、主コマンド判定処理の詳細を説明する。
主コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられた主制御コマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2001)。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合(S2001:Yes)、変動パターンコマンドから、これから開始すべき変動演出の変動パターン種別(ノーマルリーチ各種、スーパーリーチ各種、スペシャルリーチ各種、短外れ、長外れ)を抽出し(S2002)、更に、その変動演出が第1入球口64への始動入賞に伴うものであるのか、第2入球口640への始動入賞に伴うものであるのかを示す特図種別情報を、変動パターンコマンドから抽出して(S2002)、メイン処理に戻る。
ここで抽出された変動パターン種別と特図種別情報とは、RAM223に記憶される。そして、変動パターン種別は、後述の変動表示処理(図25参照)において、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。また、特図種別情報は、その変動表示処理において、変動演出を開始することに伴い、特図1保留球数カウンタ223a又は特図2保留球数カウンタ223bのいずれか一方の値を1減らす場合に参照される。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S2001:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S2003)。そして、停止種別コマンドを受信したと判別された場合(S2003:Yes)、変動開始フラグをオンに設定し(S2004)、その停止種別コマンドで示される停止種別(15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たり、完全外れ、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)を抽出して、RAM233に記憶する(S2005)。そして、主コマンド判定処理を終了し、メイン処理に戻る。
変動開始フラグをオンに設定することにより、変動演出の開始が設定され、第3図柄表示装置81に変動演出を開始させる。また、停止種別は、後述の変動表示処理(図25参照)において、開始する変動演出の停止図柄を決定し、その決定した停止図柄で停止表示させるために、その停止図柄を通知する表示用停止種別コマンドを設定する場合に用いされる。
一方、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(S2003:No)、次いで、主制御装置110より特図1保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S2006)。そして、特図1保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S2006:Yes)、特図1保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の特図1保留球数カウンタ203dの値(即ち、主制御装置110に保留された、第1入球口64への始動入賞に伴う変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特図1保留球数カウンタ223aに格納する(S2007)。
そして、特図1保留球数カウンタ223aの値と特図2保留球数カウンタ223bの値とを合算し、その合算した値を主制御装置110に保留されている第3図柄の変動演出の数として表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定して(S2008)、主コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。ここで設定された表示用保留球数コマンドは、表示制御装置114へ送信される。表示制御装置114は、表示用保留球数コマンドを受信すると、その表示用保留球数コマンドによって示される保留球数分の保留球数図柄(●図柄)を第3図柄表示装置81の保留表示領域Dbに表示する。
一方、特図1保留球数コマンドを受信していないと判別された場合(S2006:No)、次いで、主制御装置110より特図2保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S2009)。そして、特図2保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S2009:Yes)、特図2保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の特図2保留球数カウンタ203eの値(即ち、主制御装置110に保留された、第2入球口640への始動入賞に伴う変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特図2保留球数カウンタ223bに格納する(S2010)。そして、S2008の処理へ移行し、上述した通り、特図1保留球数カウンタ223aの値と特図2保留球数カウンタ223bの値とを合算し、その合算した値(トータルの保留球数)を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定し(S2008)、主コマンド判定処理を終了して、メイン処理へ戻る。
一方、特図2保留球数コマンドを受信していないと判別された場合(S2009:No)、次いで、主制御装置110より第2スルーゲート通過コマンドを受信したか否かを判別する(S2011)。そして、第2スルーゲート通過コマンドを受信したと判別された場合(S2011:Yes)、第2入球口640を球が通過したことを意味するので、第2スルーゲート通過フラグ223gをオンに設定して(S2012)、主コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。
一方、第2スルーゲート通過コマンドを受信していないと判別された場合(S2011:No)、次いで、主制御装置110より第1スルーゲート通過コマンドを受信したか否かを判別する(S2013)。そして、第1スルーゲート通過コマンドを受信したと判別された場合(S2013:Yes)、第1入球口64を球が通過したことを意味するので、第1スルーゲート通過フラグ223fをオンに設定して(S2014)、主コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。
一方、第1スルーゲート通過コマンドを受信していないと判別された場合(S2013:No)、次いで、主制御装置110より確定コマンドを受信したか否かを判別する(S2015)。そして、確定コマンドを受信したと判別された場合(S2015:Yes)、まず、第3図柄の変動演出を確定表示させるための表示用確定コマンドを設定する(S2016)。ここで設定された表示用確定コマンドは、表示制御装置114へ送信される。表示制御装置114は、表示用確定コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81で行っていた第3図柄の変動演出を、表示用停止種別コマンドにて予め通知された停止図柄で確定表示させる。
S2016の処理の後、S2005の処理によって抽出されRAM223に格納された停止種別から、第3図柄表示装置81にて確定表示される停止図柄が確変大当たりか否かを判断する(S2017)。そして、確変大当たりの場合は(S2017:Yes)、時短回数カウンタ(図示せず)に0を設定する(S2018)。本実施形態では、通常大当たり後に、100回の変動演出が行われる間、遊技状態を時短中に設定する。時短回数カウンタは、通常大当たり後に100回の変動演出を計数するためのものであり、通常大当たりとなった場合に「100」が設定され、その後に行われる変動演出において外れが確定表示される度に1減算される。そして、時短回数カウンタが0となった場合に、遊技状態を時短中から通常中へ戻す。なお、時短中に再び通常大当たりとなれば、時短回数カウンタに再び「100」を設定することで、時短状態が継続される変動演出の回数を再び100回に戻す。また、時短中に確変大当たりとなれば、時短回数カウンタは0に設定される。なお、この場合、遊技状態は確変中となり、次の大当たりが成立するまで、確変中が維持される。
S2018の処理の後、確変時短フラグ223eをオンに設定し(S2021)、遊技状態が確変中であることを示す。そして、主コマンド判定処理を終了して、メイン処理へ戻る。
S2017の処理の結果、第3図柄表示装置81にて確定表示される停止図柄が確変大当たりではないと判断された場合(S2017:No)、次いで、その確定表示される停止図柄が通常大当たりか否かを判断する(S2019)。その結果、通常大当たりであれば(S2019:Yes)、時短回数カウンタに100を設定する(S2020)。これにより、遊技状態が時短中となってから100回の変動演出が計数し、外れとなる変動演出が100回繰り替えされた場合は、遊技状態が時短中から通常中に変更される。S2020の処理の後、確変時短フラグ223eをオンに設定し(S2021)、遊技状態が時短中であることを示す。そして、主コマンド判定処理を終了して、メイン処理へ戻る。
S2019の処理の結果、第3図柄表示装置81にて確定表示される停止図柄が通常大当たりではないと判断された場合(S2017:No)、その停止図柄は外れ図柄である。そこで、まず、時短回数カウンタが0よりも大きいか否かを判断し(S2022)、時短回数カウンタが0の場合は(S2022:No)、そのまま主コマンド判定処理を終了して、メイン処理へ戻る。一方、時短回数カウンタが0よりも大きい場合は(S2022:Yes)、時短回数カウンタを1減算し(S2023)、減算後の時短回数カウンタが0か否かを判断する(S2024)。
その結果、減算後の時短回数カウンタが0となった場合(S2023:Yes)、遊技状態が時短中となってから、外れとなる変動演出が100回繰り返されたので、確変時短フラグ223eをオフに設定し(S2025)、遊技状態が通常中であることを示す。そして、主コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。
一方、S2023の処理の結果、減算後の時短回数カウンタが0でなければ(S2023:No)、そのまま主コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。これにより、遊技状態は時短中に維持される。
また、S2015の処理の結果、確定コマンドを受信していないと判別された場合(S2015:No)、次いで、主制御装置110よりその他のコマンドを受信したか否かを判別する(S2026)。そして、その他のコマンドを受信していなければ(S2026:No)、そのまま主コマンド判定処理を終了して、メイン処理へ戻る。一方、その他のコマンドを受信していれば(S2026:Yes)、その他のコマンドに応じた処理を実行して(S2027)、主コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。
次に、図25を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示処理(S1913)について説明する。図25は、この変動表示処理(S1913)を示したフローチャートである。この変動表示処理(S1913)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図23参照)の中で実行され、上述したように、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドに基づいて表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを生成し、この生成した表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを示制御装置114に送信するために設定する処理である。
変動表示処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグがオンか否かを判別する(S2101)。そして、変動開始フラグがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2101:No)、主制御装置110より変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示処理を終了して、メイン処理に戻る。
一方、変動開始フラグがオンであると判別された場合(S2101:Yes)、変動開始フラグをオフし(S2102)、次いで、主コマンド判定処理(図24参照)のS2102の処理において変動パターンコマンドより抽出された変動演出における変動パターン種別(ノーマルリーチ各種、スーパーリーチ各種、スペシャルリーチ各種、短外れ、長外れのいずれか)と、S2105の処理において停止種別コマンドより抽出された変動演出における停止種別とを、RAM223より取得する(S2103)。
そして、RAM223に設けられた詳細な変動パターンを決定するためのカウンタの値及び停止図柄を決定するためのカウンタの値と、S2103の処理より取得した変動パターン種別および停止種別とに基づいて、詳細な変動パターンおよび停止図柄を決定する(S2104)。ここで、主制御装置110から変動パターンコマンドによって通知される変動パターン種別は、変動時間のみが規定されているが、このS2104によって、その変動時間に対して用意された各種の詳細な変動パターンの中から1つの変動パターンが選択され、その選択された変動パターンが、これから実行する変動演出の詳細な変動パターンとして決定される。また、主制御装置110から停止種別コマンドによって通知される停止種別は、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たり、完全外れ、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチといった、大まかな停止種別が示されているのみであり、このS2104の処理によって、その停止種別に合う停止図柄を決定する。
S2104の処理で、詳細な変動パターンを決定すると、次いで、その決定した詳細な変動パターンを表示制御装置114へ通知するための、表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2105)。また、S2104の処理により決定した停止図柄を表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2106)。
表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで第3図柄表示装置81に第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御を開始する。また、表示制御装置114では、表示用停止種別コマンドを受信することによって、表示用変動パターンコマンドによって開始された変動演出を確定表示させるときに、その表示用停止種別コマンドで示された停止図柄を表示する。
次いで、表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、保留球が消費される(即ち、保留球に対応する変動演出の設定が行われた)のに合わせて、音声ランプ制御装置113で管理している保留球数を減らすために、まず、S2002の処理で抽出した特図種別情報から、今回開始する変動演出が第1入球口64への始動入賞に伴うものか否か、即ち、特図1による変動か否かを判断し(S2107)、特図1による変動であれば(S2107:Yes)、特図1保留球数カウンタ223aの値を1減算する(S2108)。一方、S2107の処理の結果、今回開始する変動演出が第2入球口640への始動入賞に伴うものである、即ち、特図2による変動であると判断される場合は(S2107:No)、特図2保留球数カウンタ202bの値を1減算する(S2109)。
そして、S2108又はS2109の処理の後、特図1保留球数カウンタ223aの値と特図2保留球数カウンタ223bの値とを合算し、その合算した値を主制御装置110に保留されている第3図柄の変動演出の数として表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定して(S2110)、変動表示処理を終了し、メイン処理へ戻る。
ここで設定された表示用保留球数コマンドは、表示制御装置114へ送信される。表示制御装置114は、表示用保留球数コマンドを受信すると、その表示用保留球数コマンドによって示される保留球数分の保留球数図柄(●図柄)を第3図柄表示装置81の保留表示領域Dbに表示する。
次に、図26及び図27を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される右打ち左打ち判定処理(S1914)について説明する。図26及び図27は、この右打ち左打ち判定処理(S1914)を示したフローチャートである。この変動表示処理(S1913)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図23参照)の中で実行され、上述したように、遊技状態が時短中または確変中の場合に、遊技者が左打ちしていると判定した場合は、遊技者に有利な右打ちを指示する打球方向指示画面を第3図柄表示装置81に表示させ、遊技状態が通常中の場合に、遊技者が右打ちしていると判定した場合は、遊技者に有利な左打ちを指示する打球方向指示画面を第3図柄表示装置81に表示させる処理である。
まず、図26を参照して、右打ち左打ち判定処理(S1914)を説明する。右打ち左打ち判定処理(S1914)では、まず、大当たり中(特別遊技状態中)か否かを判断し(S2201)、大当たり中であれば(S2201:Yes)、第1スルーゲート通過フラグ223f及び第2スルーゲート通過フラグ223gをオフにリセットした上で(S2219)、右打ち左打ち判定処理を終了する。
即ち、大当たり中の場合は、右打ち左打ち判定処理は行わない。大当たり中の場合、パチンコ機10の大当たりとなる直前の遊技状態が確変中または時短中か、通常中かにかかわらず、大当たりとなった変動演出が第1入球口64への始動入賞によるものか、第2入球口640への始動入賞によるものかに応じて、第1可変入賞装置65の特定入賞口65aと、第2可変入賞装置650の特定入賞口650aとのいずれかが開閉動作する。このため、特定入賞口65a又は特定入賞口650aの開閉動作によって、遊技者にどの方向に球を発射すればよいかを示すことができる。よって、本実施形態では、大当たり中の場合には、右打ち左打ち判定を行わず、本処理を終了する。
ただし、大当たり中の場合において、第1可変入賞装置65の特定入賞口65aが開閉動作する場合は、遊技者が右打ちしていると判定した場合に、第1可変入賞装置65の特定入賞口65aに球が入賞し易い左打ちを指示する打球方向指示画面を第3図柄表示装置81に表示させ、第2可変入賞装置650の特定入賞口650aが開閉動作する場合は、遊技者が左打ちしていると判定した場合に、第2可変入賞装置650の特定入賞口650aに球が入賞し易い右打ちを指示する打球方向指示画面を第3図柄表示装置81に表示させる処理を行ってもよい。
S2201の処理の結果、大当たり中ではない場合(S2201:No)、次いで、確変時短フラグ223eはオフか否かを判断する(S2202)。その結果、確変時短フラグ223eがオフであれば(S2202:Yes)、遊技状態が通常中である。そこで、遊技者が右打ちを行っているか否かを判定するために、まず、第2スルーゲート通過フラグ223gはオンか否かを判断する(S2203)。その結果、第2スルーゲート通過フラグ223gがオフであれば(S2203:No)、第1スルーゲート通過フラグ223f及び第2スルーゲート通過フラグ223gをオフにリセットした上で(S2219)、右打ち左打ち判定処理を終了する。
一方、S2203の処理の結果、第2スルーゲート通過フラグ223gがオンの場合は(S2203:Yes)、次いで、第2スルーゲート通過後時間カウンタ223iが0か否かを判断する(S2204)。その結果、第2スルーゲート通過後時間カウンタ223iが0であれば(S2204:Yes)、第2スルーゲート通過後時間カウンタ223iに1を設定し、且つ、第2スルーゲート通過球数カウンタ223kに1を設定する(S2205)。そして、第1スルーゲート通過フラグ223f及び第2スルーゲート通過フラグ223gをオフにリセットした上で(S2219)、右打ち左打ち判定処理を終了する。
また、S2204の処理の結果、第2スルーゲート通過後時間カウンタ223iが0ではない場合は(S2204:No)、次いで、第2スルーゲート通過球数カウンタ223kが2か否かを判断する(S2207)。その結果、第2スルーゲート通過球数カウンタ223kが2ではなく、1の場合は(S2207:No)、第2スルーゲート通過球数カウンタ223kに1を加算し(S2210)、第1スルーゲート通過フラグ223f及び第2スルーゲート通過フラグ223gをオフにリセットした上で(S2219)、右打ち左打ち判定処理を終了する。
一方、S2207の処理の結果、第2スルーゲート通過球数カウンタ223kの値が2の場合は(S2207:Yes)、S2208の処理へ移行する。ここで、第2スルーゲート通過後時間カウンタ223iの更新は、上述した通り、メイン処理(図23参照)のS1912の処理によって1ミリ秒毎に行われ、その値が0の場合が0に維持する一方、その値が1〜9999の場合は、その値に1を加算し、その値が10000の場合は、0に初期化することによって行われる。
よって、S2204の処理によって、第2スルーゲート通過後時間カウンタ223iが0ではないと判断され(S2204:No)、S2207の処理によって、第2スルーゲート通過球数カウンタ223kの値が2であると判断された場合は(S2207:Yes)、10秒以下の短い時間の中で、遊技盤の右方にある第2スルーゲート670を3球の球が通過したことを意味する。よって、この場合は、遊技者が右打ちしている可能性があると判断できる。一方、遊技状態が通常中の場合、上述した通り、左打ちの方が遊技者にとって有利である。
そこで、この場合、表示制御装置114へ送信するための左打ち指示画面表示コマンドを設定する(S2208)。表示制御装置114では、この左打ち指示画面表示コマンドを受信することによって、図10(a)に示す「左打ち」を指示する打球方向指示画面を第3図柄表示装置81に表示する。これにより、遊技者に対して、球を「左打ち」するように仕向けることができ、遊技者が有利な状態で遊技を楽しませることができる。
S2208の処理の後、第2スルーゲート通過後時間カウンタ223iに0を設定し、第2スルーゲート通過球数カウンタ223kに0を設定して(S2209)、第1スルーゲート通過フラグ223f及び第2スルーゲート通過フラグ223gをオフにリセットした上で(S2219)、右打ち左打ち判定処理を終了する。
また、S2202の処理の結果、確変時短フラグ223eがオンであると判断される場合は(S2202:No)、遊技状態が確変中であるか時短中である。そこで、図27のS2211の処理へ移行する。
S2211の処理では、遊技者が左打ちを行っているか否かを判定するために、まず、第1スルーゲート通過フラグ223fはオンか否かを判断する(S2211)。その結果、第1スルーゲート通過フラグ223fがオフであれば(S2211:No)、図26のS2219の処理へ移行し、第1スルーゲート通過フラグ223f及び第2スルーゲート通過フラグ223gをオフにリセットした上で(S2219)、右打ち左打ち判定処理を終了する。
一方、図27に戻り、S2211の処理の結果、第1スルーゲート通過フラグ223fがオンの場合は(S2211:Yes)、次いで、第1スルーゲート通過後時間カウンタ223hが0か否かを判断する(S2212)。その結果、第1スルーゲート通過後時間カウンタ223hが0であれば(S2212:Yes)、第1スルーゲート通過後時間カウンタ223hに1を設定し、且つ、第1スルーゲート通過球数カウンタ223jに1を設定する(S2213)。そして、図26のS2219の処理へ移行し、第1スルーゲート通過フラグ223f及び第2スルーゲート通過フラグ223gをオフにリセットした上で(S2219)、右打ち左打ち判定処理を終了する。
また、図27に戻り、S2212の処理の結果、第1スルーゲート通過後時間カウンタ223hが0ではない場合は(S2212:No)、次いで、第1スルーゲート通過球数カウンタ223jが2か否かを判断する(S2215)。その結果、第1スルーゲート通過球数カウンタ223jが2ではなく、1の場合は(S2215:No)、第1スルーゲート通過球数カウンタ223jに1を加算し(S2218)、図26のS2219の処理へ移行して、第1スルーゲート通過フラグ223f及び第2スルーゲート通過フラグ223gをオフにリセットした上で(S2219)、右打ち左打ち判定処理を終了する。
一方、図27に戻り、S2215の処理の結果、第1スルーゲート通過球数カウンタ223jの値が2の場合は(S2215:Yes)、S2216の処理へ移行する。ここで、第1スルーゲート通過後時間カウンタ223hの更新は、上述した通り、メイン処理(図23参照)のS1912の処理によって1ミリ秒毎に行われ、その値が0の場合が0に維持する一方、その値が1〜9999の場合は、その値に1を加算し、その値が10000の場合は、0に初期化することによって行われる。
よって、S2212の処理によって、第1スルーゲート通過後時間カウンタ223hが0ではないと判断され(S2212:No)、S2215の処理によって、第1スルーゲート通過球数カウンタ223jの値が2であると判断された場合は(S2215:Yes)、10秒以下の短い時間の中で、遊技盤の左方にある第1スルーゲート67を3球の球が通過したことを意味する。よって、この場合は、遊技者が左打ちしている可能性があると判断できる。一方、遊技状態が確変中または時短中の場合、上述した通り、右打ちの方が遊技者にとって有利である。
そこで、この場合、表示制御装置114へ送信するための右打ち指示画面表示コマンドを設定する(S2216)。表示制御装置114では、この右打ち指示画面表示コマンドを受信することによって、図10(b)に示す「右打ち」を指示する打球方向指示画面を第3図柄表示装置81に表示する。これにより、遊技者に対して、球を「右打ち」するように仕向けることができ、遊技者が有利な状態で遊技を楽しませることができる。
S2216の処理の後、第1スルーゲート通過後時間カウンタ223hに0を設定し、第1スルーゲート通過球数カウンタ223jに0を設定して(S2217)、図26のS2219の処理へ移行し、第1スルーゲート通過フラグ223f及び第2スルーゲート通過フラグ223gをオフにリセットした上で(S2219)、右打ち左打ち判定処理を終了する。
ここで、図28を参照して、この右打ち左打ち判定処理の作用と効果について説明する。図28は、遊技状態が確変中または時短中の場合における、第1スルーゲート67の球の通過と、「右打ち」を指示する打球方向指示画面の表示との関係を示した説明図であり、(a)は、10秒間の間に第1スルーゲート67を球が2球だけ通過した場合の例を示した図であり、(b)は、10秒間の間に第1スルーゲート67を球が少なくとも3球通過した場合の例を示した図である。
なお、図28では、遊技状態が確変中または時短中の場合について示しているが、遊技状態が通常中の場合における、第2スルーゲート67の球の通過と、「左打ち」を指示する打球方向指示画面の表示との関係も、遊技状態が確変中または時短中の場合における、第1スルーゲート67の球の通過と、「右打ち」を指示する打球方向指示画面の表示との関係と同じであるので、説明を省略する。
なお、図28(a)及び(b)において、第1スルーゲート通過フラグ223gがオンとなっている場合、第1スルーゲート67を球が通過したことを意味する。また、右打ち指示画面表示コマンドの出力が「あり」となった場合に、第3図柄表示装置81において、「右打ち」を指示する打球方向指示画面が表示されることを意味する。
遊技状態が確変中または時短中の場合において、10秒間の間に第1スルーゲート67を球が2球だけ通過する場合、図28(a)に示す通り、まず、第1スルーゲート通過球数カウンタ223iが0の場合に、1球目の球が第1スルーゲート67を通過すると、第1スルーゲート通過球数カウンタ223iが1にカウントアップされる。そして、そのカウントアップから10秒を経過しないうちに2球目の球が第1スルーゲート67を通過すると、第1スルーゲート通過球数カウンタ223iが2にカウントアップされる。しかしながら、最初に第1スルーゲート通過球数カウンタ223iがカウントアップされてから10秒経過すると、メイン処理(図23参照)のカウンタ更新処理(S1912)によって、第1スルーゲート通過球数カウンタ223iも0に初期化される。これにより、10秒間の間に第1スルーゲート67を球が2球だけ通過する場合は、表示制御装置114に対して、右打ち指示画面表示コマンドは出力されず、第3図柄表示装置81において、「右打ち」を指示する打球方向指示画面を非表示とすることができる。
これに対し、遊技状態が確変中または時短中の場合において、10秒間の間に第1スルーゲート67を球が3球以上通過する場合、図28(b)に示す通り、まず、第1スルーゲート通過球数カウンタ223iが0の場合に、1球目の球が第1スルーゲート67を通過すると、第1スルーゲート通過球数カウンタ223iが1にカウントアップされる。そして、そのカウントアップから10秒を経過しないうちに2球目の球が第1スルーゲート67を通過すると、第1スルーゲート通過球数カウンタ223iが2にカウントアップされる。更に、最初に第1スルーゲート通過球数カウンタ223iがカウントアップから10秒を経過しないうちに3球目の球が第1スルーゲート67を通過すると、右打ち左打ち判定処理のS2216(図27)の処理によって、表示制御装置114に対して、右打ち指示画面表示コマンドが出力される。これにより、遊技状態が確変中または時短中の場合において、10秒間の間に第1スルーゲート67を球が3球以上通過すると、遊技者は左打ちを行っていると判定し、第3図柄表示装置81において、「右打ち」を指示する打球方向指示画面を表示することができる。
ここで、従来のパチンコ機には、例えば、右打ちする方が遊技者にとって有利な場合に、遊技盤の左方にあるスルーゲートを球が1球通過しただけで、遊技者が左打ちをしていると判断し、「右打ち」を指示する報知を行うものがあった。しかしながら、遊技者が右打ちをしている場合であっても、幾つかの球は遊技盤の左方を流下することは十分にあり得ることであり、その球が遊技盤の左方にあるスルーゲートを通過することも十分に起こりうる。その度に、「右打ち」を指示されていては遊技者も煩わしい。また、例え、遊技者が左打ちをしていたとしても、スルーゲートを球が1球通過する毎に、「右打ち」を指示する報知が行われれば、その報知が頻発することになり、やはり煩わしい思いを遊技者にさせてしまう。
これに対し、パチンコ機10の遊技状態が確変中または時短中である場合は、10秒の間に第1スルーゲート67に球が3球通過したことを検出することによって、確変中または時短中において遊技者に有利となる「右打ち」を指示する打球方向指示画面を第3図柄表示装置81に表示するよう、表示制御装置114に対して右打ち指示画面表示コマンドを送信する。また、本パチンコ機10では、パチンコ機10の遊技状態が通常中である場合は、10秒の間に第2スルーゲート670に球が3球通過したことを検出することによって、通常中において遊技者に有利となる「左打ち」を指示する打球方向指示画面を第3図柄表示装置81に表示するよう、表示制御装置114に対して左打ち指示画面表示コマンドを送信する。これにより、遊技者が有利な方向へ球を発射しているにもかかわらず、一部の球が有利な方向とは別の方向へ発射されることによって、いちいち打球方向を指示する画面が表示されることを抑制することができる。また、たとえ、遊技者が有利な方向とは別の方向へ球を発射していたとしても、打球方向を指示する画面が頻発して表示されることを抑制できる。従って、遊技者が打球方向を指示する画面によって、かえって遊技に対する興趣が妨げられることを抑制できる。
次に、図29を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される音声再生設定処理(S1916)について説明する。図29は、この音声再生設定処理(S1916)を示したフローチャートである。音声再生設定処理(S1916)は、上述した通り、表示制御装置114より受信した表示コマンドに応じて、第3図柄表示装置81の表示内容に合った音声データを再生音声データ記憶エリア223dに設定する処理である。また、この音声再生設定処理では、2つのリーチ音声が再生中となった場合に、直近に再生したリーチ音声(後から再生を開始した通常リーチ音声)の再生を停止する処理も行う。
この音声再生設定処理では、まず、リーチ音声再生中カウンタ223cの値が2か否かを判断する(S2301)。リーチ音声再生中カウンタ223cは、再生中のリーチ音声の数をカウントするものである。リーチ音声再生中カウンタ223cの値が2ではなく、0又は1の場合(S2301:No)、即ち、リーチ音声を再生していないか、1つのリーチ音声のみ再生している場合は、次いで、RAM223に設けられた表示制御コマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち表示制御装置114より受信した最初の表示コマンドを読み出して解析し、リーチ表示コマンドを受信したか否かを判断する(S2302)。
そして、リーチ表示コマンドを受信していない場合は(S2302:No)、更に、その他の表示コマンドを受信したか否かを判断する(S2307)。その結果、その他の表示コマンドを受信している場合は(S2307:Yes)、その受信した表示コマンドで示される第3図柄表示装置81の表示内容に対応した音声データを、音声データ記憶エリア222から読み出して、再生音声データ記憶エリア223dの第1〜第4チャンネル用エリア223d1〜223d4の空きチャンネル用エリアに設定し、音声の再生を開始する(S2308)。そして、リーチ音声再生中カウンタ223cを0に初期化して(S2309)、音声再生設定処理を終了する。また、S2307の処理の結果、その他の表示コマンドを受信していないと判断された場合は(S2307:No)、そのまま音声再生設定処理を終了する。
また、S2302の処理の結果、リーチ表示コマンドを受信している場合は(S2302:Yes)、そのリーチ表示コマンドで示されるリーチ図柄に対応したリーチ音声データを、音声データ記憶エリア222aの第0図柄通常リーチ音声データ222a0,第1図柄確変リーチ音声データ222a1,第2図柄通常リーチ音声データ222a2,・・・第9確変リーチ音声データ222a9の中から読み出して、再生音声データ記憶エリア223dの第1〜第4チャンネル用エリア223d1〜223d4の空きチャンネル用エリアに設定し、リーチ音声の再生を開始する(S2303)。そして、リーチ音声再生中カウンタ223cに1を加算して(S2304)、音声再生設定処理を終了する。
一方、S2301の処理の結果、リーチ音声再生中カウンタ223cの値が2であると判断される場合は(S2301:Yes)、2つのリーチ音声の再生が行われているので、直近に再生したリーチ音声、即ち、最後に再生を開始したリーチ音声の再生を停止する(S2305)。そして、リーチ音声再生中カウンタ223cの値を0に初期化して(S2306)、音声再生設定処理を終了する。
ここで、図30を参照して、この音声再生設定処理を実行することによる作用、効果について説明する。図30は、第3図柄表示装置81においてダブルリーチが表示された場合におけるリーチ音声の再生を説明するための説明図である。
第3図柄表示装置81において、変動演出の高速変動が表示された後、上図柄列Z1が低速表示から停止表示され、更に、下図柄列Z3が低速表示から停止表示された場合に、ダブルリーチが成立して表示されると、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113に対して、第3図柄表示装置81の表示内容として、まず、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信し、その後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信する。
このとき、音声ランプ制御装置114では、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを受信すると、まず、その確変リーチを成立させたリーチ図柄(主図柄)に対応する確変リーチ音声を出力する。確変リーチ音声は、図9(b)に示した通り、再生が開始されると、すぐに有音区間が再生される。また、確変リーチ音声が出力されると、リーチ音声再生中カウンタ223cの値は1となる。
次いで、音声ランプ制御装置114では、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを受信すると、今度は、その通常リーチを成立させたリーチ図柄(主図柄)に対応する通常リーチ音声を出力する。このとき、通常リーチ音声は、図9(b)に示した通り、再生が開始されると、最初20ミリ秒間は無音区間が再生される。また、通常リーチ音声が出力されると、リーチ音声再生中カウンタ223cの値は2となる。
音声ランプ制御装置114は、リーチ音声再生中カウンタ223cの値が2になると、直近に再生したリーチ音声、即ち、後から再生を開始した通常リーチ音声の再生を停止する。これにより、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、一旦は、確変リーチ音声と通常リーチ音声との2つが再生されるが、通常リーチ音声は、すぐにその再生が停止され、確変リーチ音声だけが最後まで再生されることになる。そして、通常リーチ音声は、最初の20ミリ秒間が無音区間となっているので、一旦、通常リーチ音声の再生が開始されても、その無音区間の再生中に通常リーチ音声の再生が停止される。
ここで、従来のパチンコ機では、第3図柄表示装置においてダブルリーチが発生した場合、音声ランプ制御装置は、第3図柄表示装置の表示内容として「確変リーチ成立」を通知するコマンドと、「通常リーチ成立」を通知するコマンドとを表示制御装置より受信すると、確変リーチ音声と通常リーチ音声とを重ねて音声出力装置より出力していた。しかしながら、上述したように、確変リーチ音声と通常リーチ音声とで、リーチ図柄となった主図柄に対応するキャラクタ図柄に合わせて、異なる音声とした場合、これらの音声が重ねて出力されると、それぞれのリーチ音声を聞き取りにくくなるという問題点があった。
また、確変リーチ音声と通常リーチ音声とで、それぞれの音声で発せられる言葉を完全に重ねて出力することで、各リーチ音声を聞き取りやすくすることも考えられるが、そのためには、各リーチ音声で、発せられる言葉のタイミングを合わせなければならず、各リーチ音声は声が異なるだけで画一的となってしまい、おもしろみに欠けてしまう。また、そもそも、それぞれの音声で発せられる言葉をタイミング的に完全に重ねて出力することは、各リーチ音声の出力を、厳密に同期を取りながら再生しなければならず、その制御が複雑となるという問題点も生じる。
一方、ダブルリーチ用の音声データを用意することも考えられるが、ダブルリーチを成立させた2組の主図柄(通常図柄と確変図柄)の組み合わせ毎に、その音声データを用意する必要があり、ROM222の記憶容量を増大させてしまうおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、音声ランプ制御装置113が、リーチ表示コマンドを表示制御装置114より受信すると、一先ず受信したリーチ表示コマンドによって示されるリーチ図柄(主図柄)に対応するリーチ音声を出力する一方、リーチ音声再生中カウンタ223cの値が「2」となり、再生中のリーチ音声の数が2つとなった場合は、直近に再生したリーチ音声、即ち、後から再生を開始した通常リーチ音声の再生を停止する。これにより、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、一旦は、確変リーチ音声と通常リーチ音声との2つが再生されるが、通常リーチ音声は、すぐにその再生が停止され、確変リーチ音声だけが最後まで再生されることになる。そして、通常リーチ音声は、最初の20ミリ秒間が無音区間となっているので、一旦、通常リーチ音声の再生が開始されても、その無音区間の再生中に通常リーチ音声の再生が停止される。従って、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声だけを遊技者に聞かせることができる。
また、本実施形態では、ダブルリーチが成立した場合に、表示制御装置114からは、まず、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドが送信され、その後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドが送信されるようになっており、音声ランプ制御装置113では、一先ず、受信したリーチ表示コマンドに従って、2つのリーチ音声の再生を順に開始する。そして、音声ランプ制御装置113は、2つのリーチ音声が再生されていると判断すると、直近に再生を開始したリーチ音声(後から再生を開始したリーチ音声)の再生を停止する。これにより、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から受信したリーチ表示コマンドが、確変リーチであるか通常リーチであるのかを判定することなく、結果として、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声だけを遊技者に聞かせることができる。つまり、処理負担の増大を抑制しつつ、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声だけを遊技者に聞かせることができる。
なお、リーチ音声再生中カウンタ223cは、そのリーチ音声再生中カウンタ223cの値が「2」となったことにより、直近に再生したリーチ音声(後から再生を開始した通常リーチ音声)の再生を停止することにあわせて、「0」に初期化される。確変リーチ音声の再生は継続されるので、本来であればリーチ音声再生中カウンタ223cの値は「1」に設定すべきである。しかしながら、リーチ音声再生中カウンタ223cは、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、後から再生される通常リーチ音声の再生を停止されるために用いられるものであり、その再生停止制御が行われた後、少なくとも確変リーチ音声が再生されている間は、第3図柄表示装置81にダブルリーチが表示されることはない。そこで、直近に再生したリーチ音声(後から再生を開始した通常リーチ音声)の再生を停止することにあわせて、リーチ音声再生中カウンタ223cを「0」に初期化しておけば、リーチ音声再生中カウンタ223cを「0」に初期化するために、確変リーチ音声の再生停止を判断する必要がないので、処理を簡略化できる。
また、リーチ音声再生中カウンタ2232cは、リーチ表示コマンド以外のその他の表示コマンドが、音声ランプ制御装置113によって表示制御装置114から受信された場合にも、「0」に初期化される。リーチ音声を再生中に、その他の表示コマンドを受信した場合、リーチ音声の再生は継続されるので、本来であればリーチ音声再生中カウンタ223cの値は「1」に設定すべきである。しかしながら、リーチ音声再生中カウンタ223cは、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、後から再生される通常リーチ音声の再生を停止されるために用いられるものである。一方、本実施形態では、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合は、2つのリーチ表示コマンドが連続して表示制御装置81より送信されるよう構成されており、リーチ音声を再生中にその他の表示コマンドを受信した場合は、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示されていないと判断できる。また、少なくともリーチ音声が再生されている間は、第3図柄表示装置81にダブルリーチが表示されることもない。そこで、リーチ表示コマンド以外のその他の表示コマンドが、音声ランプ制御装置113によって表示制御装置114から受信された場合に、リーチ音声再生中カウンタ223cを「0」に初期化しておけば、リーチ音声再生中カウンタ223cを「0」に初期化するために、リーチ音声の再生停止を判断する必要がないので、処理を簡略化できる。
次いで、図31及び図32を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、V割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。V割込信号は、画像コントローラ237がMPU231に対して送信する信号で、画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理を完了する20ミリ秒毎にMPU231に対してV割込信号を送信する。
MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図31を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図31は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理では、初期設定処理を実行する(S2401)。具体的には、ワークRAM233、ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。また、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始でるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
S2401の処理の後、割込許可を設定し(S2402)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2402の処理によって割込許可が設定されて以降、MPU231は、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図32(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図32(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2501)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図32(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図32(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図13参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
このV割込処理では、まず、コマンド判定処理(S2602)を実行し、次いで、表示設定処理(S2603)を実行する。コマンド判定処理(S2602)では、コマンドバッファ領域に格納されたコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行する。例えば、コマンドバッファ領域に表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、その表示用変動パターンコマンドで示される変動パターン種別に応じた変動用表示データテーブルを、表示データテーブル格納エリア232aから読み出して、表示データテーブルバッファ233aに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが20ミリ秒の間にコマンドバッファ領域に格納される可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出や連続予告演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
表示設定処理(S2603)では、コマンド判定処理(S1402)などによって表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルにおいて、ポインタ233bが示すアドレスに規定された描画内容に基づいて、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルにおいて、そのポインタ233bが示すアドレスに、これから第3図柄表示装置81に表示させる表示内容(図12参照)が規定されている場合は、その表示内容を音声ランプ制御装置113へ通知する表示コマンドを生成し、生成した表示コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するための処理を行う。
なお、表示データテーブルバッファ233aに設定された表示データテーブルにおいて、ポインタ233bが示すアドレスに、複数の表示内容が規定されている場合は、先に規定されている表示内容から順に、その表示内容を表す表示コマンドを生成して、その表示コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。上述した通り、第3図柄表示装置81においてダブルリーチが成立する場合、表示データテーブルには、そのダブルリーチの成立が表示されるタイミングのアドレスに、表示内容として、まず、確変リーチを成立させた主図柄の種類とあわせて「確変リーチ成立」が規定され、次いで、通常リーチを成立させた主図柄の種類とあわせて「通常リーチ成立」が規定される。従って、ダブルリーチが成立する場合、表示制御装置114は、先に、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信し、その後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信するように構成される。
ここで、本パチンコ機10では、コマンド判定処理および表示設定処理によって、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
表示設定処理(S2603)が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2604)。このタスク処理では、表示設定処理(S2603)によって特定された、第3表示装置281に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、描画処理を実行する(S1406)。この描画処理では、タスク処理(S1404)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S1405)により設定された転送指示とから、図13に示す描画リストを生成し、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。
次いで、図33及び図34を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。
上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容として、まず、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信し、その後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信する。一方、音声ランプ制御装置113は、リーチ表示コマンドを受信すると、とりあえず、そのリーチ表示コマンドで示されるリーチ図柄に対応するリーチ音声を出力する。そして、再生中のリーチ音声が2つとなったことを判断すると、直近に再生を開始したリーチ音声(後から再生を開始した通常リーチ音声)の再生を停止する。
これに対し、第2実施形態におけるパチンコ機10では、ダブルリーチの場合であっても、シングルリーチの場合であっても、確変リーチが第3図柄表示装置81に表示された場合、表示制御装置114は、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信した後、10ミリ秒経過すると、通常リーチ音声再生停止コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。なお、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113に対して、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信した後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信する点については、第1実施形態と同一である。但し、第2実施形態では、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置114に対して、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信した後に、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信してから10ミリ秒が経過することで、通常リーチ音声再生停止コマンドを音声ランプ制御装置114に対して送信する点で、第1実施形態と異なる。
そして、第2実施形態では、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から通常リーチ音声再生コマンドを受信すると、そのときに再生中のリーチ音声が1つの場合は、その前に送信された確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドに基づいて、確変リーチ音声のみが音声出力されているので、確変リーチ音声の出力を継続させる。一方、表示制御装置114からの通常リーチ音声再生コマンドを受信したときの再生中のリーチ音声が2つの場合は、第3図柄表示装置81にダブルリーチが表示されており、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドと、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドとに基づいて、確変リーチ音声と通常リーチ音声とが再生されているので、音声ランプ制御装置113は、確変リーチ音声の出力を継続させる一方、通常リーチ音声の出力を停止させる。
なお、本第2実施形態におけるパチンコ機10の構成は、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される音声再生設定処理(S1916)の一部の処理と、表示制御装置114が、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信した後、10ミリ秒経過すると、通常リーチ音声再生停止コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する点とを除き、第1実施形態と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図33は、第2実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される音声再生設定処理(S1916)について説明する。この音声再生設定処理では、第1実施形態のS2301の処理(図29参照)に代えて、S2311の処理が実行される。
このS2311の処理では、RAM223に設けられた表示制御コマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち表示制御装置114より受信した最初の表示コマンドを読み出して解析し、通常リーチ音声再生停止コマンドを受信したか否かを判断する(S2311)。そして、通常リーチ音声再生停止コマンドを受信していなければ、第1実施形態と同一のS2302〜S2304,S2307〜S2309の処理を実行する。一方、S2311の処理の結果、通常リーチ音声再生停止コマンドを受信していれば(S2311:Yes)、リーチ音声再生中カウンタ223cの値が2か否かを判断する(S2312)。
その結果、リーチ音声再生中カウンタ223cの値が2でなければ(S2312:No)、そのまま、音声再生設定処理を終了する。通常リーチ音声再生停止コマンドを受信した状態(S2311:Yes)で、リーチ音声再生中カウンタ223cの値が2でない場合(S2312:No)は、シングルリーチとしての確変リーチが第3図柄表示装置81に表示され、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドが送信された後、10ミリ秒経過後に通常リーチ音声再生停止コマンドを受信した場合である。よって、この場合、確変リーチ音声のみが再生されており、そのまま音声再生設定処理を終了することで、確変リーチ音声の再生を継続させることができる。
一方、S2312の処理の結果、リーチ音声再生中カウンタ223cの値が2の場合は(S2312:Yes)、第1実施形態と同一のS2305,S2306の処理を実行する。即ち、S2305の処理では、直近に再生したリーチ音声、即ち、最後に再生を開始したリーチ音声の再生を停止する(S2305)。
通常リーチ音声再生停止コマンドを受信した状態(S2311:Yes)で、リーチ音声再生中カウンタ223cの値が2である場合(S2312:Yes)は、第3図柄表示装置81にダブルリーチが表示されており、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドと、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドとに基づいて、確変リーチ音声と通常リーチ音声とが再生されているときに、通常リーチ音声再生停止コマンドを受信した場合である。よって、この場合、S2305の処理によって、直近に再生を開始したリーチ音声の再生を停止することによって、通常リーチ音声の再生を停止させることができる。
ここで、図34を参照して、この音声再生設定処理を実行することによる作用、効果について説明する。図34(a)は、第3図柄表示装置81においてダブルリーチが表示された場合におけるリーチ音声の再生を説明するための説明図であり、図34(b)は、第3図柄表示装置81において確変リーチのシングルリーチが表示された場合におけるリーチ音声の再生を説明するための説明図である。
まず、図34(a)を参照し、第3図柄表示装置81において、変動演出の高速変動が表示された後、上図柄列Z1が低速表示から停止表示され、更に、下図柄列Z3が低速表示から停止表示された場合に、ダブルリーチが成立して表示されると、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113に対して、第3図柄表示装置81の表示内容として、まず、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信し、その後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信する。
このとき、音声ランプ制御装置114では、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを受信すると、まず、その確変リーチを成立させたリーチ図柄(主図柄)に対応する確変リーチ音声を出力する。確変リーチ音声は、図9(b)に示した通り、再生が開始されると、すぐに有音区間が再生される。また、確変リーチ音声が出力されると、リーチ音声再生中カウンタ223cの値は1となる。
次いで、音声ランプ制御装置114では、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを受信すると、今度は、その通常リーチを成立させたリーチ図柄(主図柄)に対応する通常リーチ音声を出力する。このとき、通常リーチ音声は、図9(b)に示した通り、再生が開始されると、最初20ミリ秒間は無音区間が再生される。また、通常リーチ音声が出力されると、リーチ音声再生中カウンタ223cの値は2となる。
表示制御装置114は、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信すると、その送信から10ミリ秒経過後に通常リーチ音声再生停止コマンドを音声ランプ制御装置113に対して送信する。音声ランプ制御装置113は、その通常リーチ音声再生停止コマンドを受信した場合に、リーチ音声再生中カウンタ223cの値が2となっていれば、直近に再生したリーチ音声、即ち、後から再生を開始した通常リーチ音声の再生を停止する。これにより、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、一旦は、確変リーチ音声と通常リーチ音声との2つが再生されるが、通常リーチ音声は、確変リーチ音声が再生されてから10ミリ秒ほど経過した時点でその再生が停止され、確変リーチ音声だけが最後まで再生されることになる。そして、通常リーチ音声は、最初の20ミリ秒間が無音区間となっているので、一旦、通常リーチ音声の再生が開始されても、その無音区間の再生中に通常リーチ音声の再生が停止される。
ここで、従来のパチンコ機では、第3図柄表示装置においてダブルリーチが発生した場合、音声ランプ制御装置は、第3図柄表示装置の表示内容として「確変リーチ成立」を通知するコマンドと、「通常リーチ成立」を通知するコマンドとを表示制御装置より受信すると、確変リーチ音声と通常リーチ音声とを重ねて音声出力装置より出力していた。しかしながら、上述したように、確変リーチ音声と通常リーチ音声とで、リーチ図柄となった主図柄に対応するキャラクタ図柄に合わせて、異なる音声とした場合、これらの音声が重ねて出力されると、それぞれのリーチ音声を聞き取りにくくなるという問題点があった。
また、確変リーチ音声と通常リーチ音声とで、それぞれの音声で発せられる言葉を完全に重ねて出力することで、各リーチ音声を聞き取りやすくすることも考えられるが、そのためには、各リーチ音声で、発せられる言葉のタイミングを合わせなければならず、各リーチ音声は声が異なるだけで画一的となってしまい、おもしろみに欠けてしまう。また、そもそも、それぞれの音声で発せられる言葉をタイミング的に完全に重ねて出力することは、各リーチ音声の出力を、厳密に同期を取りながら再生しなければならず、その制御が複雑となるという問題点も生じる。
一方、ダブルリーチ用の音声データを用意することも考えられるが、ダブルリーチを成立させた2組の主図柄(通常図柄と確変図柄)の組み合わせ毎に、その音声データを用意する必要があり、ROM222の記憶容量を増大させてしまうおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、音声ランプ制御装置113が、リーチ表示コマンドを表示制御装置114より受信すると、一先ず受信したリーチ表示コマンドによって示されるリーチ図柄(主図柄)に対応するリーチ音声を出力する一方、表示制御装置114から通常リーチ音声再生停止コマンドを受信した場合は、直近に再生したリーチ音声、即ち、後から再生を開始した通常リーチ音声の再生を停止する。これにより、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、一旦は、確変リーチ音声と通常リーチ音声との2つが再生されるが、通常リーチ音声は、確変リーチ音声の再生が開始されてから10ミリ秒ほどでその再生が停止され、確変リーチ音声だけが最後まで再生されることになる。そして、通常リーチ音声は、最初の20ミリ秒間が無音区間となっているので、一旦、通常リーチ音声の再生が開始されても、その無音区間の再生中に通常リーチ音声の再生が停止される。従って、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声だけを遊技者に聞かせることができる。
また、本実施形態では、ダブルリーチが成立した場合に、表示制御装置114からは、まず、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドが送信され、その後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドが送信されるようになっており、音声ランプ制御装置113では、一先ず、受信したリーチ表示コマンドに従って、2つのリーチ音声の再生を順に開始する。そして、音声ランプ制御装置113は、2つのリーチ音声が再生された後に、通常リーチ音声再生停止コマンドを受信すると、直近に再生を開始したリーチ音声(後から再生を開始したリーチ音声)の再生を停止する。これにより、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から受信したリーチ表示コマンドが、確変リーチであるか通常リーチであるのかを判定することなく、結果として、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声だけを遊技者に聞かせることができる。つまり、処理負担の増大を抑制しつつ、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声だけを遊技者に聞かせることができる。
次いで、図34(b)を参照して、第3図柄表示装置81において、変動演出の高速変動が表示された後、上図柄列Z1が低速表示から停止表示され、更に、下図柄列Z3が低速表示から停止表示された場合に、シングルリーチとして確変リーチが成立して表示されると、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113に対して、第3図柄表示装置81の表示内容として、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信する。
このとき、音声ランプ制御装置114では、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを受信すると、その確変リーチを成立させたリーチ図柄(主図柄)に対応する確変リーチ音声を出力する。確変リーチ音声は、図9(b)に示した通り、再生が開始されると、すぐに有音区間が再生される。また、確変リーチ音声が出力されると、リーチ音声再生中カウンタ223cの値は1となる。
表示制御装置114は、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信すると、その送信から10ミリ秒経過後に通常リーチ音声再生停止コマンドを音声ランプ制御装置113に対して送信する。音声ランプ制御装置113は、その通常リーチ音声再生停止コマンドを受信した場合に、リーチ音声再生中カウンタ223cの値が1となっていれば、音声再生設定処理はそのまま処理を終了する。これにより、確変リーチ音声の出力を継続させることができる。
その他、第2実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成部分に基づいて、第1実施形態におけるパチンコ機10と同様の作用効果を奏することができる。
次いで、図35及び図36を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態おけるパチンコ機10では、第3図柄表示装置81にダブルリーチが表示されると、音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114からのリーチ表示コマンドに従って、とりあえず、ダブルリーチを構成する確変リーチ音声を出力した後、通常リーチ音声を出力し、その後、再生中のリーチ音声が2つとなったことを判断すると、直近に再生を開始したリーチ音声(後から再生を開始した通常リーチ音声)の再生を停止した。これに対し、第3実施形態におけるパチンコ機10では、再生中のリーチ音声が2つとなったことを判断すると、直近に再生を開始したリーチ音声、即ち、後から再生を開始した通常リーチ音声の音声データを全て無音データに上書きする。
なお、本第3実施形態におけるパチンコ機10の構成は、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される音声再生設定処理(S1916)の一部の処理を除き、第1実施形態と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図35は、第3実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される音声再生設定処理(S1916)について説明する。この音声再生設定処理では、第1実施形態のS2305の処理に代えて(図29参照)、S2321の処理が実行される。
即ち、S2301の処理の結果、リーチ音声再生中カウンタ223cの値が2であると判断される場合は(S2301:Yes)、2つのリーチ音声の再生が行われているので、直近、即ち、最後に再生音声データ記憶エリア223dの第1〜第4チャンネル用エリア223d1〜d4のいずれかに設定した音声データに対して、無音データを上書きする(S2321)。そして、S2321の処理の後、第1実施形態と同一のS2306の処理を実行して、音声再生設定処理を終了する。
ここで、図36を参照して、この音声再生設定処理を実行することによる作用、効果について説明する。図36は、第3図柄表示装置81においてダブルリーチが表示された場合におけるリーチ音声の再生を説明するための説明図である。
第3図柄表示装置81において、変動演出の高速変動が表示された後、上図柄列Z1が低速表示から停止表示され、更に、下図柄列Z3が低速表示から停止表示された場合に、ダブルリーチが成立して表示されると、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113に対して、第3図柄表示装置81の表示内容として、まず、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信し、その後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信する。
このとき、音声ランプ制御装置114では、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを受信すると、まず、その確変リーチを成立させたリーチ図柄(主図柄)に対応する確変リーチ音声を出力する。確変リーチ音声は、図9(b)に示した通り、再生が開始されると、すぐに有音区間が再生される。また、確変リーチ音声が出力されると、リーチ音声再生中カウンタ223cの値は1となる。
次いで、音声ランプ制御装置114では、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを受信すると、今度は、その通常リーチを成立させたリーチ図柄(主図柄)に対応する通常リーチ音声を出力する。このとき、通常リーチ音声は、図9(b)に示した通り、再生が開始されると、最初20ミリ秒間は無音区間が再生される。また、通常リーチ音声が出力されると、リーチ音声再生中カウンタ223cの値は2となる。
音声ランプ制御装置114は、リーチ音声再生中カウンタ223cの値が2になると、直近に再生したリーチ音声、即ち、後から再生を開始した通常リーチ音声の音声データが設定された再生音声データ記憶エリア223dの第1〜第4チャンネル用エリア223d1〜d4のいずれかに対し、無音データを上書きする。これにより、後から再生を開始した通常リーチ音声として、無音が出力され続ける。
ここで、従来のパチンコ機では、第3図柄表示装置においてダブルリーチが発生した場合、音声ランプ制御装置は、第3図柄表示装置の表示内容として「確変リーチ成立」を通知するコマンドと、「通常リーチ成立」を通知するコマンドとを表示制御装置より受信すると、確変リーチ音声と通常リーチ音声とを重ねて音声出力装置より出力していた。しかしながら、上述したように、確変リーチ音声と通常リーチ音声とで、リーチ図柄となった主図柄に対応するキャラクタ図柄に合わせて、異なる音声とした場合、これらの音声が重ねて出力されると、それぞれのリーチ音声を聞き取りにくくなるという問題点があった。
また、確変リーチ音声と通常リーチ音声とで、それぞれの音声で発せられる言葉を完全に重ねて出力することで、各リーチ音声を聞き取りやすくすることも考えられるが、そのためには、各リーチ音声で、発せられる言葉のタイミングを合わせなければならず、各リーチ音声は声が異なるだけで画一的となってしまい、おもしろみに欠けてしまう。また、そもそも、それぞれの音声で発せられる言葉をタイミング的に完全に重ねて出力することは、各リーチ音声の出力を、厳密に同期を取りながら再生しなければならず、その制御が複雑となるという問題点も生じる。
一方、ダブルリーチ用の音声データを用意することも考えられるが、ダブルリーチを成立させた2組の主図柄(通常図柄と確変図柄)の組み合わせ毎に、その音声データを用意する必要があり、ROM222の記憶容量を増大させてしまうおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、音声ランプ制御装置113が、リーチ表示コマンドを表示制御装置114より受信すると、一先ず受信したリーチ表示コマンドによって示されるリーチ図柄(主図柄)に対応するリーチ音声を出力する一方、リーチ音声再生中カウンタ223cの値が「2」となり、再生中のリーチ音声の数が2つとなった場合は、直近に再生したリーチ音声、即ち、後から再生を開始した通常リーチ音声として無音が再生され続けることになる。これにより、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声と通常リーチ音声との2つが再生されるが、通常リーチ音声は無音として再生されるので、確変リーチ音声だけが遊技者に聞こえることになる。従って、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声だけを遊技者に聞かせることができる。
その他、第3実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成部分に基づいて、第1実施形態におけるパチンコ機10と同様の作用効果を奏することができる。
次いで、図37〜図39を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1,第3実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114よりリーチ表示コマンドを受信すると、とりあえず、そのリーチ表示コマンドで示されるリーチ図柄に対応するリーチ音声を出力した。これに対し、第4実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113が表示制御装置114よりリーチ表示コマンドを受信すると、そのリーチ表示コマンドを受信してから所定時間(例えば、20ミリ秒)が経過するまでは、表示制御装置114からの表示コマンドを受信してもその表示コマンドを無視する。
なお、本第4実施形態において、通常リーチ音声は、第1〜第3実施形態のような20ミリ秒間の無音区間を必要とせず、確変リーチ音声と同様に、通常リーチ音声の再生が開始されると、即座に「リーチだ!」といった有音区間の再生が行われる。また、本第4実施形態におけるパチンコ機10の構成は、音声ランプ制御装置113のRAM223の一部の構成と、MPU221によって実行される音声再生設定処理(S1916)の一部の処理とを除き、第1,第3実施形態と同一である。例えば、表示制御装置114は、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、第3図柄表示装置81の表示内容として、まず、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信し、その後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信する。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図37は、第4実施形態における音声ランプ制御装置113内のRAM223に格納されている各種データを模式的に示した模式図である。第4実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223は、第1,第3実施形態におけるRAM223のリーチ音声再生中カウンタ223cに代えて、リーチ音声再生開始後時間カウンタ223lを有している。
リーチ音声再生開始後時間カウンタ223lは、リーチ音声の再生が開始されてからの経過時間を計時するカウンタである。リーチ音声再生開始後時間カウンタ223lは、電源投入時に実行されるRAM223の初期値設定処理(図22のS1810参照)において、初期値として0が設定される。リーチ音声再生開始後時間カウンタ223lは、その値が0のときは、その0の値が維持される。
MPU223は、リーチ音声の再生を開始すると、リーチ音声再生開始後時間カウンタ223lに1を設定する。リーチ音声再生開始後時間カウンタ223lは、その値が0以外の数となった場合、1ミリ秒毎にMPU221によって実行されるカウンタ更新処理(図23のS1912)において、1加算される更新処理が行われる。そして、リーチ音声再生開始後時間カウンタ223lは、その値が20となると、再び0に設定され、その後は値が0に維持される。これにより、リーチ音声再生開始後時間カウンタ223lによって、リーチ音声の再生を開始してから20ミリ秒を計数することができる。
リーチ音声再生開始後時間カウンタ223lは、音声再生設定処理(S1916)の中で参照され、リーチ音声再生開始後時間カウンタ223lが0以外の値を示している間、表示制御装置114から表示コマンドを受信しても、その表示コマンドが無視される。
図38は、第4実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される音声再生設定処理(S1916)を示すフローチャートである。
第4実施形態における音声再生設定処理では、まず、リーチ音声再生開始後時間カウンタ223lが0か否かを判断する(S2331)。その結果、リーチ音声再生開始後時間カウンタ223lが0であれば(S2331:Yes)、RAM223に設けられた表示制御コマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち表示制御装置114より受信した最初の表示コマンドを読み出して解析し、通常リーチ音声再生停止コマンドを受信したか否かを判断する(S2302)。
その結果、リーチ表示コマンドを受信していれば(S2302:Yes)、そのリーチ表示コマンドで示されるリーチ図柄に対応したリーチ音声データを、音声データ記憶エリア222aの第0図柄通常リーチ音声データ222a0,第1図柄確変リーチ音声データ222a1,第2図柄通常リーチ音声データ222a2,・・・第9確変リーチ音声データ222a9の中から読み出して、再生音声データ記憶エリア223dの第1〜第4チャンネル用エリア223d1〜223d4の空きチャンネル用エリアに設定し、リーチ音声の再生を開始する(S2303)。
そして、リーチ音声再生開始後時間カウンタ223lに1を設定する(S2332)。そして、音声再生設定処理を終了する。S2332の処理により、リーチ音声再生開始後時間カウンタ223lは、1ミリ秒毎にMPU221によって実行されるカウンタ更新処理(図23のS1912)において、値が「20」となるまで1加算され、値が「20」となった場合に「0」に初期化する更新処理が行われる。即ち、リーチ音声再生開始後時間カウンタ223lによって、リーチ音声の再生を開始してから20ミリ秒が計数される。
S2302の処理の結果、リーチ表示コマンドを受信していなければ(S2302:No)、次いで、その他の表示コマンドを受信したか否かを判断する(S2307)。その結果、その他の表示コマンドを受信している場合は(S2307:Yes)、その受信した表示コマンドで示される第3図柄表示装置81の表示内容に対応した音声データを、音声データ記憶エリア222から読み出して、再生音声データ記憶エリア223dの第1〜第4チャンネル用エリア223d1〜223d4の空きチャンネル用エリアに設定し、音声の再生を開始する(S2308)。そして、音声再生設定処理を終了する。また、S2307の処理の結果、その他の表示コマンドを受信していなければ(S2307:No)、そのまま音声再生設定処理を終了する。
一方、S2331の処理の結果、リーチ音声再生開始後時間カウンタが0ではないと判断された場合(S2331:No)、表示コマンドを受信したか否かを判断する(S2333)。その結果、表示コマンドを受信していなければ(S2333:No)、そのまま音声再生設定処理を終了する。また、表示コマンドを受信していれば(S2333:Yes)、その受信した表示コマンドを消去して(S2334)、音声再生設定処理を終了する。
リーチ音声再生開始後時間カウンタ223lは、リーチ音声の再生を開始してから20ミリ秒の間、0以外の値をとる。よって、リーチ音声の再生が開始されてから20ミリ秒間は、表示制御装置114より受信した表示コマンドが無視される。
ここで、図39を参照して、この音声再生設定処理を実行することによる作用、効果について説明する。図39は、第3図柄表示装置81においてダブルリーチが表示された場合におけるリーチ音声の再生を説明するための説明図である。
第3図柄表示装置81において、変動演出の高速変動が表示された後、上図柄列Z1が低速表示から停止表示され、更に、下図柄列Z3が低速表示から停止表示された場合に、ダブルリーチが成立して表示されると、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113に対して、第3図柄表示装置81の表示内容として、まず、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信し、その後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信する。
このとき、音声ランプ制御装置114では、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを受信すると、まず、その確変リーチを成立させたリーチ図柄(主図柄)に対応する確変リーチ音声を出力する。確変リーチ音声は、図9(b)に示した通り、再生が開始されると、すぐに有音区間が再生される。また、確変リーチ音声が出力されると、リーチ音声再生開始後時間カウンタ223lの値が1となる。そして、リーチ音声再生開始後時間カウンタ223lは20ミリ秒を計数し、その間0以外の値をとる。
次いで、音声ランプ制御装置114では、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを受信するが、このリーチ表示コマンドは、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドの受信後、20ミリ秒経たずにすぐに受信されるコマンドである。即ち、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを受信したとき、リーチ音声再生開始後時間カウンタ223lが0以外の値をとっているので、このリーチ表示コマンドは無視される。よって、通常リーチ音声は非出力となる。
ここで、従来のパチンコ機では、第3図柄表示装置においてダブルリーチが発生した場合、音声ランプ制御装置は、第3図柄表示装置の表示内容として「確変リーチ成立」を通知するコマンドと、「通常リーチ成立」を通知するコマンドとを表示制御装置より受信すると、確変リーチ音声と通常リーチ音声とを重ねて音声出力装置より出力していた。しかしながら、上述したように、確変リーチ音声と通常リーチ音声とで、リーチ図柄となった主図柄に対応するキャラクタ図柄に合わせて、異なる音声とした場合、これらの音声が重ねて出力されると、それぞれのリーチ音声を聞き取りにくくなるという問題点があった。
また、確変リーチ音声と通常リーチ音声とで、それぞれの音声で発せられる言葉を完全に重ねて出力することで、各リーチ音声を聞き取りやすくすることも考えられるが、そのためには、各リーチ音声で、発せられる言葉のタイミングを合わせなければならず、各リーチ音声は声が異なるだけで画一的となってしまい、おもしろみに欠けてしまう。また、そもそも、それぞれの音声で発せられる言葉をタイミング的に完全に重ねて出力することは、各リーチ音声の出力を、厳密に同期を取りながら再生しなければならず、その制御が複雑となるという問題点も生じる。
一方、ダブルリーチ用の音声データを用意することも考えられるが、ダブルリーチを成立させた2組の主図柄(通常図柄と確変図柄)の組み合わせ毎に、その音声データを用意する必要があり、ROM222の記憶容量を増大させてしまうおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、音声ランプ制御装置113がリーチ表示コマンドを表示制御装置114より受信すると、一先ず受信したリーチ表示コマンドによって示されるリーチ図柄(主図柄)に対応するリーチ音声を出力する一方、リーチ音声再生開始後時間カウンタ223lの値が0以外となり、次に受信するリーチ表示コマンドが無視される。つまり、後から受信するリーチ表示コマンドによって、通常リーチ音声が出力されない。従って、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声だけを遊技者に聞かせることができる。
また、本実施形態では、ダブルリーチが成立した場合に、表示制御装置114からは、まず、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドが送信され、その後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドが送信されるようになっており、音声ランプ制御装置113では、先に受信したリーチ表示コマンドに従って、そのリーチ表示コマンドで示されるリーチ図柄に対応したリーチ音声(結果として、確変リーチ音声)だけを出力する。これにより、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から受信したリーチ表示コマンドが、確変リーチであるか通常リーチであるのかを判定することなく、結果として、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声だけを遊技者に聞かせることができる。つまり、処理負担の増大を抑制しつつ、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声だけを遊技者に聞かせることができる。
また、本実施形態では、ダブルリーチが成立した場合に、通常リーチ音声は一切再生されないので、通常リーチ音声において、第1〜第3実施形態のような20ミリ秒間の無音区間を必要とせず、確変リーチ音声と同様に、通常リーチ音声の再生が開始されると、即座に「リーチだ!」といった有音区間の再生を行うことができる。よって、シングルリーチとして通常リーチが第3図柄表示装置81に表示された場合にも、通常リーチ音声の再生が開始されると、即座に「リーチだ!」といった音声を再生することができる。
次いで、図40及び図41を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1〜第4実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113のRAM223の再生音声データ記憶エリア223dに、第1〜第4チャンネル用エリア223d1〜d4を設け、リーチ音声を再生する音声データを第1〜第4チャンネル用エリア223d1〜d4のいずれかのエリアに設定する場合について説明した。これに対し、第5実施形態におけるパチンコ機10では、再生音声データ記憶エリア2232dに、第4チャンネル用エリア223d4に代えてリーチ音声用エリア223d5を設け、リーチ音声を再生する音声データは、このリーチ音声用エリア223d5に設定する。また、リーチ音声用エリア2232d5に設定されたリーチ音声を再生中に、リーチ表示コマンドが表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して送信されても、そのリーチ表示コマンドを無視する。
なお、本第5実施形態において、第4実施形態と同様に、通常リーチ音声は、第1〜第3実施形態のような20ミリ秒間の無音区間を必要とせず、通常リーチ音声の再生が開始されると、即座に「リーチだ!」といった有音区間の再生が行われる。また、本第5実施形態におけるパチンコ機10の構成は、音声ランプ制御装置113のRAM223の一部の構成と、MPU221によって実行される音声再生設定処理(S1916)の一部の処理とを除き、第1,第3,第4実施形態と同一である。例えば、表示制御装置114は、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、第3図柄表示装置81の表示内容として、まず、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信し、その後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信する。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図40は、第5実施形態における音声ランプ制御装置113内のRAM223に格納されている各種データを模式的に示した模式図である。第5実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223の再生音声データ記憶エリア223dは、第4チャンネル用エリア223d4に代えて、リーチ音声用エリア223d5を有している。また、第4実施形態におけるRAM223は、第1,第3実施形態におけるリーチ音声再生中カウンタ223cや、第4実施形態におけるリーチ音声再生開始後時間カウンタ223lに代えて、リーチ音声用エリア使用中フラグ223mを有している。
リーチ音声用エリア223d5は、リーチ音声を再生するための音声データを専ら格納するための専用エリアである。MPU221は、表示制御装置114からリーチ表示コマンドを受信すると、そのリーチ表示コマンドで示されるリーチ図柄に対応する音声データ(第0図柄通常リーチ音声データ222a0,第1図柄確変リーチ音声データ222a1,第2図柄通常リーチ音声データ222a2,・・・,第9図柄確変リーチ音声データ222a9のいずれか)を音声データ記憶エリア222aから読み出し、読み出したリーチ音声データを、リーチ音声用エリア223d5へ格納する。
MPU221は、第1〜第3チャンネル用エリア223d1〜d3と、リーチ音声用エリア223d5とに格納された音声データを復号し、音声信号を生成する。そして、音声再生チャンネル毎に生成された音声信号をミキシングした上で、音声出力装置226へ出力する。これにより、4つの音声データが同時に再生され、音声出力装置226から出力させることができる。
リーチ音声用エリア使用中フラグ223mは、リーチ音声用エリア223mにリーチ音声データが設定(格納)され、その設定されたリーチ音声データを使用して、リーチ音声が再生されていることを示すフラグである。リーチ音声用エリア使用中フラグ223mは、オンの場合に、リーチ音声用エリア223mに設定されたリーチ音声データを使用して、リーチ音声が再生されていることを示す。また、リーチ音声用エリア使用中フラグ223mは、オフの場合に、リーチ音声用エリア223mに設定されたリーチ音声データを使用して、リーチ音声が再生されていないことを示す。
リーチ音声用エリア使用中フラグ223mは、電源投入時に実行されるRAM223の初期値設定処理(図22のS1810参照)において、初期値としてオフが設定される。そして、音声ランプ制御装置114によって、表示制御装置114からリーチ表示コマンドが受信され、リーチ音声データがリーチ音声用エリア223d5に設定されて、そのリーチ音声用エリア223d5に設定されたリーチ音声データを使用してリーチ音声の出力が開始された場合に、リーチ音声用エリア使用中フラグ223mがオンに設定される。このリーチ音声用エリア使用中フラグ223mがオンの場合に、別のリーチ表示コマンドを表示制御装置114から受信すると、そのリーチ表示コマンドは無視される。そして、リーチ音声用エリア223d5に設定されたリーチ音声データを使用したリーチ音声の再生が終了すると、リーチ音声用エリア使用中フラグ223mはオフに設定される。
図41は、第5実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される音声再生設定処理(S1916)を示すフローチャートである。
この音声再生設定処理では、まず、これまで再生中のリーチ音声が再生を終了したか否かを判断し(S2341)、これまでリーチ音声を再生していないか、再生中であってもまだその再生を終了していないと判断された場合は(S2341:No)、次いで、RAM223に設けられた表示制御コマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち表示制御装置114より受信した最初の表示コマンドを読み出して解析し、通常リーチ音声再生停止コマンドを受信したか否かを判断する(S2302)。
その結果、リーチ表示コマンドを受信していなければ(S2302:No)、次いで、その他の表示コマンドを受信したか否かを判断する(S2307)。その結果、その他の表示コマンドを受信している場合は(S2307:Yes)、その受信した表示コマンドで示される第3図柄表示装置81の表示内容に対応した音声データを、音声データ記憶エリア222から読み出して、再生音声データ記憶エリア223dの第1〜第4チャンネル用エリア223d1〜223d4の空きチャンネル用エリアに設定し、音声の再生を開始する(S2308)。そして、音声再生設定処理を終了する。また、S2307の処理の結果、その他の表示コマンドを受信していなければ(S2307:No)、そのまま音声再生設定処理を終了する。
S2302の処理の結果、リーチ表示コマンドを受信していれば(S2302:Yes)、次いで、リーチ音声用エリア使用中フラグ223mはオフか否かを判断する(S2342)。その結果、リーチ音声用エリア使用中フラグ223mがオフであれば(S2342:Yes)、そのリーチ表示コマンドで示されるリーチ図柄に対応したリーチ音声データを、音声データ記憶エリア222aの第0図柄通常リーチ音声データ222a0,第1図柄確変リーチ音声データ222a1,第2図柄通常リーチ音声データ222a2,・・・第9確変リーチ音声データ222a9の中から読み出して、再生音声データ記憶エリア223dのリーチ音声用エリア223d5に設定し、リーチ音声の再生を開始する(S2343)。そして、リーチ音声用エリア使用中フラグ223mをオンに設定し(S2344)、音声再生設定処理を終了する。
また、S2342の処理の結果、リーチ音声用エリア使用中フラグ223mがオンである場合は(S2342:No)、受信したリーチ表示コマンドを消去して(S2335)、音声再生設定処理を終了する。
一方、S2341の処理の結果、これまで再生中のリーチ音声が再生を終了したと判断される場合は(S2341:Yes)、リーチ音声用エリア使用中フラグ223mをオフに設定し(S2346)、音声再生設定処理を終了する。
ここで、第3図柄表示装置81においてダブルリーチが表示された場合、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113に対して、第3図柄表示装置81の表示内容として、まず、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信し、その後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信する。
このとき、音声ランプ制御装置114では、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを受信すると、音声再生設定処理によって、その確変リーチを成立させたリーチ図柄(主図柄)に対応する確変リーチ音声を再生するための音声データをリーチ用音声エリア223d5に設定し、その確変リーチ音声の再生を開始する。このとき、確変リーチ音声の再生が終了するまで、リーチ音声用エリア223d5は使用中の状態となり、リーチ音声用エリア使用中フラグ223mがオンとなる。
次いで、音声ランプ制御装置114では、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを受信するが、このリーチ表示コマンドは、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドの受信後、すぐに受信されるコマンドである。即ち、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを受信したとき、リーチ音声用エリア223d5は使用中の状態であり、リーチ音声用エリア使用中フラグ223mがオンとなっている。これにより、このリーチ表示コマンドは無視され、通常リーチ音声は非出力となる。
ここで、従来のパチンコ機では、第3図柄表示装置においてダブルリーチが発生した場合、音声ランプ制御装置は、第3図柄表示装置の表示内容として「確変リーチ成立」を通知するコマンドと、「通常リーチ成立」を通知するコマンドとを表示制御装置より受信すると、確変リーチ音声と通常リーチ音声とを重ねて音声出力装置より出力していた。しかしながら、上述したように、確変リーチ音声と通常リーチ音声とで、リーチ図柄となった主図柄に対応するキャラクタ図柄に合わせて、異なる音声とした場合、これらの音声が重ねて出力されると、それぞれのリーチ音声を聞き取りにくくなるという問題点があった。
また、確変リーチ音声と通常リーチ音声とで、それぞれの音声で発せられる言葉を完全に重ねて出力することで、各リーチ音声を聞き取りやすくすることも考えられるが、そのためには、各リーチ音声で、発せられる言葉のタイミングを合わせなければならず、各リーチ音声は声が異なるだけで画一的となってしまい、おもしろみに欠けてしまう。また、そもそも、それぞれの音声で発せられる言葉をタイミング的に完全に重ねて出力することは、各リーチ音声の出力を、厳密に同期を取りながら再生しなければならず、その制御が複雑となるという問題点も生じる。
一方、ダブルリーチ用の音声データを用意することも考えられるが、ダブルリーチを成立させた2組の主図柄(通常図柄と確変図柄)の組み合わせ毎に、その音声データを用意する必要があり、ROM222の記憶容量を増大させてしまうおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、音声ランプ制御装置113がリーチ表示コマンドを表示制御装置114より受信すると、一先ず受信したリーチ表示コマンドによって示されるリーチ図柄(主図柄)に対応するリーチ音声を出力する一方、リーチ音声用エリア223d5は使用中の状態となり、次に受信するリーチ表示コマンドが無視される。つまり、後から受信するリーチ表示コマンドによって、通常リーチ音声が出力されない。従って、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声だけを遊技者に聞かせることができる。
また、本実施形態では、ダブルリーチが成立した場合に、表示制御装置114からは、まず、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドが送信され、その後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドが送信されるようになっており、音声ランプ制御装置113では、先に受信したリーチ表示コマンドに従って、そのリーチ表示コマンドで示されるリーチ図柄に対応したリーチ音声(結果として、確変リーチ音声)だけを出力する。これにより、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から受信したリーチ表示コマンドが、確変リーチであるか通常リーチであるのかを判定することなく、結果として、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声だけを遊技者に聞かせることができる。つまり、処理負担の増大を抑制しつつ、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声だけを遊技者に聞かせることができる。
また、本実施形態では、ダブルリーチが成立した場合に、通常リーチ音声は一切再生されないので、通常リーチ音声において、第1〜第3実施形態のような20ミリ秒間の無音区間を必要とせず、確変リーチ音声と同様に、通常リーチ音声の再生が開始されると、即座に「リーチだ!」といった有音区間の再生を行うことができる。よって、シングルリーチとして通常リーチが第3図柄表示装置81に表示された場合にも、通常リーチ音声の再生が開始されると、即座に「リーチだ!」といった音声を再生することができる。
尚、上記実施形態に記載の「第3図柄」が特許請求の範囲に記載の「識別情報」に対応する。上記実施形態に記載の「大当たり」が特許請求の範囲に記載の「所定の遊技価値」に対応し、上記実施形態に記載の「通常大当たり」が特許請求の範囲に記載の「第1の遊技価値」に対応し、上記実施形態に記載の「確変大当たり」が特許請求の範囲に記載の「第2の遊技価値」に対応する。上記実施形態に記載の「通常リーチ」が特許請求の範囲に記載の「第1の演出態様」に対応し、上記実施形態に記載の「確変リーチ」が特許請求の範囲に記載の「第2の演出態様」に対応し、上記実施形態に記載の「ダブルリーチ」が特許請求の範囲に記載の「第3の演出態様」に対応する。上記実施形態に記載の「通常リーチ音声」が特許請求の範囲に記載の「第1の音声」に対応し、上記実施形態に記載の「確変リーチ音声」が特許請求の範囲に記載の「第2の音声」に対応する。上記実施形態に記載の「通常中」が特許請求の範囲に記載の「第1状態」に対応し、上記実施形態に記載の「確変中」及び「時短中」が特許請求の範囲に記載の「第2状態」に対応する。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記第1〜第3実施形態では、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられたリーチ音声再生中カウンタ223cにおいて、再生中のリーチ音声の数を0〜2の間でカウントする場合について説明したが、このリーチ音声再生中カウンタ223cは1ビットのカウンタで構成されてもよい。この場合の、リーチ音声再生中カウンタ223cは、電源投入時に実行されるRAM223の初期値設定処理(図22のS1810参照)において、初期値として0が設定される。そして、表示制御装置114よりリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドが受信され、リーチ音声の再生が開始されると、MPU221によって、リーチ音声再生中カウンタ223cの値に1が加算される。
ここで、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示されると、表示制御装置114からは、まず、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドが送信され、その後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドが送信される。よって、この場合、2つ目の通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを音声ランプ制御装置113が受信すると、リーチ音声再生中カウンタ223cの値は0となる。
音声ランプ制御装置113は、リーチ音声の再生を開始し、リーチ音声再生中カウンタ223cに1を加算した後に、そのリーチ音声再生中カウンタ223cの値を確認し、その値が0であれば、2つのリーチ音声が再生されていると判断して、直近に再生したリーチ音声、即ち、後から再生を開始した通常リーチ音声の再生を停止するか、若しくは、その後から再生を開始した通常リーチ音声を再生するために再生音声データ記憶エリア223dに設定された音声データに対し、無音データを上書きする。又は、表示制御装置114から通常リーチ音声再生停止コマンドを受信した場合に、リーチ音声再生中カウンタ223cの値が0であれば、2つのリーチ音声が再生されていると判断して、直近に再生したリーチ音声、即ち、後から再生を開始した通常リーチ音声の再生を停止するか、若しくは、その後から再生を開始した通常リーチ音声を再生するために再生音声データ記憶エリア223dに設定した音声データに対し、無音データを上書きする。
これらによっても、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声だけを遊技者に聞かせることができる。
なお、リーチ音声再生中カウンタ223cは1ビットのカウンタで構成された場合、リーチ音声再生中カウンタ223cは、リーチ表示コマンド以外のその他の表示コマンドが、音声ランプ制御装置113によって表示制御装置114から受信された場合に、「0」に初期化すればよい。
上記第2実施形態において、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から通常リーチ音声再生停止コマンドを受信した場合に、2つのリーチ音声が再生されていると判断されると、直近に再生したリーチ音声、即ち、後から再生を開始した通常リーチ音声の再生を停止する場合について説明したが、再生を停止するのではなく、後から再生を開始した通常リーチ音声を再生するために再生音声データ記憶エリア223dに設定された音声データに対し、無音データを上書きしてもよい。これによっても、第2実施形態と同様に、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声だけを遊技者に聞かせることができる。
上記第1〜第3実施形態では、音声ランプ制御装置113において、通常リーチ音声が再生される場合、再生が開始されてから20ミリ秒間は無音区間である場合について説明したが、その無音区間の時間長さは必ずしも20ミリ秒である必要はない。第3図柄表示装置81にダブルリーチが表示された場合に、音声ランプ制御装置113が通常リーチ音声の再生を開始してからその再生を停止するまでに要する時間、又は、通常リーチ音声の再生を開始してから、その通常リーチ音声を再生するために再生音声データ記憶エリア223dに設定された音声データが無音データで上書きされるまでに要する時間以上であれば、通常リーチ音声の無音区間は20ミリ秒より短くても長くてもよい。
上記第4実施形態では、音声ランプ制御装置113が表示制御装置114よりリーチ表示コマンドを受信すると、そのリーチ音声の再生を開始してから20ミリ秒間、表示制御装置114からの全ての表示コマンドを無視する場合について説明したが、その表示コマンドを無視する時間は必ずしも20ミリ秒である必要はない。第3図柄表示装置81にダブルリーチが表示された場合に、表示制御装置114から送信される1つ目のリーチ表示コマンドに基づいて、確変リーチ音声の再生が音声ランプ制御装置113によって開始されてから、音声ランプ制御装置113において、表示制御装置114から送信される2つ目のリーチ表示コマンド(通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンド)の受信を判定するまでに要する時間よりも長い時間であれば、表示コマンドを無視する時間は任意の長さであってよい。
上記第4実施形態では、音声ランプ制御装置113が表示制御装置114よりリーチ表示コマンドを受信すると、そのリーチ音声の再生を開始してから所定秒間、表示制御装置114からの全ての表示コマンドを無視する場合について説明したが、リーチ音声の再生を開始してから所定時間、リーチ表示コマンドだけを無視するように構成してもよいし、又は、リーチ表示コマンドを含む一部のコマンドだけを無視するように構成してもよい。この場合も、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声だけを遊技者に聞かせることができる。
上記第1〜第3実施形態において、第3図柄表示装置81にダブルリーチが表示された場合、表示制御装置114は、まず、確変リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信し、その後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信する場合について説明したが、2つのリーチ表示コマンドが送信される順番を逆にしてもよい。即ち、第3図柄表示装置81にダブルリーチが表示された場合、表示制御装置114は、まず、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信し、その後、直ぐに、通常リーチを成立させたリーチ図柄の種類とあわせてリーチ成立を通知するリーチ表示コマンドを送信するように構成されてもよい。この場合、上記第1実施形態の変形例として、音声ランプ制御装置113では、2つのリーチ音声が再生されていると判断した場合に、先に再生を開始した通常リーチ音声の再生を、その通常リーチ音声が無音区間を再生している間に停止するようにしてもよい。または、上記第2実施形態の変形例として、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から通常リーチ音声再生停止コマンドを受信したときに2つのリーチ音声が再生されていると、先に再生を開始した通常リーチ音声の再生を、その通常リーチ音声が無音区間を再生している間に停止するようにしてもよい。または、上記第3実施形態の変形例として、音声ランプ制御装置113では、2つのリーチ音声が再生されていると判断した場合に、先に再生を開始した通常リーチ音声を再生するために再生音声データ記憶エリア223dに設定された音声データに対して、無音データを上書きするようにしてもよい。この場合も、ダブルリーチが第3図柄表示装置81に表示された場合に、確変リーチ音声だけを遊技者に聞かせることができる。
上記各実施形態では、音声ランプ制御装置113において、4つの音声再生チャンネルを有し、4チャンネル分の音声を再生可能に構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、音声ランプ制御装置113は、複数の音声再生チャンネルを有し、複数チャンネル分の音声を再生可能に構成されていればよい。
上記各実施形態では、遊技状態が通常中の場合、遊技盤の右方にある第2スルーゲート670への球の通過を監視し、10秒の間に少なくとも3球の球が第2スルーゲート670を通過した場合に、遊技者が右打ちしていると判断する場合について説明したが、右打ちの判断条件は一例であり、所定時間の間に2以上の所定球数の球が第2スルーゲート670を通過した場合に、遊技者が右打ちしていると判断するように、構成されていればよい。
上記各実施形態では、遊技状態が確変中または時短中の場合に、遊技盤の左方にある第1スルーゲート67への球の通過を監視し、10秒の間に少なくとも3球の球が第1スルーゲート67を通過した場合に、遊技者が左打ちしていると判断する場合について説明したが、左打ちの判断条件は一例であり、所定時間の間に2以上の所定球数の球が第1スルーゲート67を通過した場合に、遊技者が左打ちしていると判断するように、構成されていればよい。
上記各実施形態では、遊技者に対して行う左打ち又は右打ちの指示を、図10に示した第3図柄表示装置81に打球方向指示画面を表示することによって行う場合について説明したが、この左打ち又は右打ちの指示は必ずしも第3図柄表示装置81による表示によって行われる場合に限られるものではなく、左打ち又は右打ちを指示するランプ(例えば、矢印の形をしたランプ)を、パチンコ機10を正面視した場合に視認可能な位置に設け、このランプを点灯または点滅させることにより、遊技者に対して左打ち又は右打ちを指示してもよい。また、右打ち又は左打ちの指示を音声出力装置226から音声によって出力してもよい。
上記各実施形態では、遊技者が右打ちしているか、又は、左打ちしているかの判断を音声ランプ制御装置113にて行う場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、表示制御装置114にて行ってもよい。この場合、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より第1スルーゲート通過コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して、第1スルーゲート67を球が通過したことを示す表示用第1スルーゲート通過コマンドを送信すればよい。また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より第2スルーゲート通過コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して、第2スルーゲート670を球が通過したことを示す表示用第2スルーゲート通過コマンドを送信すればよい。
また、遊技者が右打ちしているか、又は、左打ちしているかの判断を、主制御装置110にて行ってもよい。主制御装置110は、元々、パチンコ機10の遊技状態を把握しており、また、第1スルーゲート67の球の通過および第2スルーゲート670の球の通過を検出するスイッチも入力されているので、主制御装置110は、その判断を容易に行うことができる。主制御装置110において、遊技者が右打ちしているか、又は、左打ちしているかの判断を行う場合は、主制御装置110が、遊技状態が通常中において遊技者が右打ちしていると判断すれば、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ左打ち指示画面表示コマンドを送信し、遊技状態が通常中において遊技者が左打ちしていると判断すれば、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ右打ち指示画面表示コマンドを送信すればよい。
上記各実施形態では、遊技状態が通常中の場合に、遊技者が右打ちしていると判断されれば、遊技者に有利な左打ちを遊技者に指示し、遊技状態が確変中または時短中の場合に、遊技者が左打ちしていると判断されれば、遊技者に有利な右打ちを遊技者に指示する場合について説明したが、遊技状態が通常中の場合にのみ、遊技者が右打ちしていると判断されれば、遊技者に有利な左打ちを遊技者に指示し、遊技状態が確変中または時短中の場合は、特に打球方向を遊技者に指示しなくてもよい。逆に、遊技状態が確変中または時短中の場合にのみ、遊技者が左打ちしていると判断されれば、遊技者に有利な右打ちを遊技者に指示し、遊技状態が通常中の場合は、特に打球方向を遊技者に指示しなくてもよい。特に、遊技者は、遊技状態が確変中または時短中の場合に、より多くの利益を得たいと考えるので、少なくとも、遊技状態が確変中または時短中で、遊技者が左打ちしていると判断された場合に、遊技者に有利な右打ちを遊技者に指示することで、遊技者が有利な状態で遊技を楽しませることができる。
上記各実施形態では、表示制御装置114において、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターン毎に表示データテーブルを用意する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、変動演出を、例えば、「変動立ち上げ」、「高速変動」、「予告演出」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」といった各要素毎に表示データテーブルを用意し、表示用変動パターンコマンドに示される変動パターンに応じてその変動演出に必要な要素を特定した上で、その特定された変動演出に必要な要素に対応する表示データテーブルを1つにまとめて、その変動パターンに対応する最終定期な表示データテーブルを生成するようにしてもよい。「変動立ち上げ」、「高速変動」、「ノーマルリーチ」などは、それぞれの変動パターンに共通した表示が行われる場合が多い。よって、このように変動演出を要素化し、それぞれの要素に対応して表示データテーブルを用意することで、データテーブルを効率的に持たせることができる。
上記各実施形態では、画像コントローラ237が、描画処理を終了する1フレーム分の画像の表示間隔毎(上記各実施形態では20ミリ秒毎)に、V割込信号をMPU231に対して送信する場合について説明したが、画像コントローラ237は、第3図柄表示装置81を駆動して1フレーム分の画像を表示させる度に、このV割込信号をMPU231に対して送信するようにしてもよい。第3図柄表示装置81の駆動は、常に1フレーム分の画像を常に等時間間隔(20ミリ秒間隔)で表示されるように行われるので、1フレーム分の画像の表示毎にV割込信号を送信することで、その時間間隔を計時しなくても正確に保つことができる。
上記各実施形態では、画像コントローラ237は、MPU231から送信される描画対象バッファ情報に基づいて、描画した画像を展開すべきフレームバッファを特定すると共に、もう一方のフレームバッファから先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237が、描画リストを受信する毎に、描画した画像を展開すべきフレームバッファを交互に選択するようにし、その選択されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信するようにしてもよい。また、画像コントローラ237が、第3図柄表示装置81に1フレーム分の画像情報を送信する度に、描画した画像を展開すべきフレームバッファと、第3図柄表示装置81に対して画像情報を出力するフレームバッファとを入れ替えるようにしてもよい。
上記各実施形態では、デモ演出が「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動表示で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記各実施形態において、表示データテーブルは、20ミリ秒を1単位として表した時間に対応して、その時間に描画すべき画像の内容(描画内容)を規定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の時間間隔毎に表示内容を規定するものであればよい。この所定の時間間隔は、第3図柄表示装置81のフレームレートにあわせて設定するようにしてもよい。例えば、第3図柄表示装置81のフレームレートが30fps、即ち、第3図柄表示装置81が1秒間に30フレームの画像を表示するものである場合は、第3図柄表示装置81は1/30秒毎に1フレームの画像が表示されるので、表示データテーブルは、1/30秒間隔毎に表示内容を規定するものにしてもよい。
また、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される描画すべきスプライト種別として、そのスプライト種別そのものを指示するのではなく、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定するものであってもよい。表示制御装置114では、第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別に対応する画像データをキャラクタROM234から読み出すため、各スプライト種別に対応付けて、そのスプライト種別の画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを管理している。よって、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される表示内容として、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定すれば、各スプライト種別に対応付けて、スプライトを特定する情報とキャラクタROM234のアドレスとの両方を管理する必要がなくなるため、処理負担の軽減を図ることができる。
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
上記各実施形態では、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特図1保留球数カウンタ223a又は特図2保留級数カウンタ223bの値を1減らす(図25のS2107〜S2109参照)場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、主制御装置110のMPU201によって実行される変動処理(図16参照)において、変動開始処理(S1308)により変動パターンコマンドが設定されるのに合わせて減算された主制御装置110の特図1保留球数カウンタ203dの値(NA)又は特図2保留球数カウンタ203eを(図16のS1310,S1305参照)、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信するように、特図1保留球数コマンド又は特図2保留球数コマンドを設定し、その特図1保留球数コマンド又は特図2保留球数コマンドが変動パターンコマンドの送信と合わせて主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信されるようにしてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113では、より正確に主制御装置110に保留された保留球の数を把握することができる。尚、この場合、図25のS2107〜S2109は省略される。
上記各実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。これらを1つの制御装置とすることで、部品点数が削減でき、パチンコ機のコスト増加を抑制することができる。
音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1つの制御装置として構成する場合、音声ランプ制御装置113で生成して表示制御装置114に通知するコマンドに代えてフラグを生成し、そのフラグに基づいて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233aに設定したり、警告画像などの各種画像データを生成したりしてもよい。また、表示制御装置114で生成して音声ランプ制御装置113に通知する表示コマンドに代えて、表示フラグを生成し、その表示フラグに基づいて、音声データを音声データ記憶エリア222aから読み出し、再生音声データ記憶エリア223dへ設定してもよい。
上記各実施形態においては、第1入球口64への入賞、第2入球口640への入賞、および、第1スルーゲート67と第2スルーゲート670とへの球の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動演出の保留球数および第2入球口640への入賞に基づく変動演出の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動演出は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を横方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
遊技の主たる制御を行う主制御手段と、その主制御手段からの制御信号に基づいて制御を行う副制御手段と、その副制御手段の制御により識別情報の動的表示を伴った変動演出が行われる表示手段と、その表示手段における表示内容に基づいて音声を出力する音声出力手段とを備え、前記表示手段で行われる変動演出で前記識別情報が予め定めた表示態様で停止表示された場合に遊技者に所定の遊技価値が付与される遊技機において、該遊技機は、前記表示手段で行われる変動演出で前記識別情報が第1の表示態様で停止表示された場合に、遊技者に所定の遊技価値として第1の遊技価値を付与し、前記表示手段で行われる変動演出で前記識別情報が第2の表示態様で停止表示された場合に、遊技者に所定の遊技価値として前記第1の遊技価値よりも遊技者に有利な第2の遊技価値を付与し、前記表示手段で行われる変動演出の演出態様として、前記第1の表示態様で停止表示される可能性があることを示す第1の演出態様と、前記第2の表示態様で停止表示される可能性があることを示す第2の演出態様と、前記第1の演出態様と前記第2の演出態様とを同時に示す第3の演出態様とを含み、前記音声出力手段により出力される音声として、前記表示手段にて前記変動演出が前記第1の演出態様で行われる場合に出力される第1の音声と、前記表示手段にて前記変動演出が前記第2の演出態様で行われる場合に出力される第2の音声とを含むものであり、前記副制御手段は、前記表示手段にて前記第3の演出態様で前記変動演出を行わせる場合に、前記音声出力手段から前記第2の音声を出力させることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、主制御手段により遊技の主たる制御が行われ、その主制御手段からの制御信号に基づいて副制御手段により制御が行われる。その副制御手段の制御により識別情報の動的表示を伴った変動演出が表示手段により行われ、その表示手段における表示内容に基づいて音声出力手段から音声が出力される。
この遊技機では、表示態様で行われる変動演出で識別情報が第1の表示態様で停止表示された場合に、遊技者に所定の遊技価値として第1の遊技価値が付与される。また、表示態様で行われる変動演出で識別情報が第2の表示態様で停止表示された場合に、遊技者に所定の遊技価値として第1の遊技価値よりも遊技者に有利な第2の遊技価値が付与される。また、表示手段で行われる変動演出の演出態様としては、第1の表示態様で停止表示される可能性があることを示す第1の演出態様と、第2の表示態様で停止表示される可能性があることを示す第2の演出態様と、第1の演出態様と第2の演出態様とを同時に示す第3の演出態様とが含まれている。更に、表示手段にて変動演出が第1の演出態様で行われる場合には、第1の音声が音声出力手段から出力され、表示手段にて変動演出が第2の演出態様で行われる場合には、第2の音声が音声出力手段から出力される。
ここで、表示手段にて第3の演出態様で変動演出が行われる場合、即ち、第1の演出態様と第2の演出態様とが同時に示される演出態様で変動演出が行われる場合は、副制御手段によって、音声出力手段から第2の音声のみが出力され、第1の音声は非出力とされる。これにより、表示手段にて第3の演出態様で変動演出が行われる場合に、遊技者は、変動演出が第2の表示態様で行われる場合と同じ第2の音声を聞くことによって、遊技者に有利な第2の遊技価値が付与される第2の表示態様で識別情報が停止表示されることへの期待感を高めることができる。よって、遊技者の興趣を高めることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記副制御手段は、前記表示手段における表示を制御する表示制御手段と、前記音声出力手段における音声の出力を制御する音声制御手段とを備え、前記表示制御手段は、前記表示手段における表示内容を前記音声制御手段へ通知する通知手段を備え、その通知手段は、前記表示手段に前記第3の演出態様で前記変動演出を行う場合に、前記表示手段における表示内容として、前記第2の演出態様と前記第1の演出態様とを前記音声制御手段へ通知するものであり、前記音声制御手段は、前記通知手段より通知された前記表示手段における表示内容に基づいて、出力すべき音声を選択して出力を開始する出力制御手段と、前記通知手段より、前記表示手段における表示内容として、前記第2の演出態様と前記第1の演出態様とが通知されたことに基づいて、前記出力制御手段によって、出力すべき音声として前記第2の音声と前記第1の音声との出力が開始された場合に、前記第1の音声の出力を停止する停止手段とを備えることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示手段は、副制御手段に設けられた表示制御手段によって表示が制御され、音声出力手段は、副制御手段に設けられた音声制御手段によって音声の出力が制御される。また、表示手段における表示内容は、表示制御手段設けられた通知手段によって、音声制御手段へ通知される。そして、音声制御手段に設けられた出力制御手段によって、通知手段より通知された表示手段における表示内容に基づいて、出力すべき音声が選択され、出力が開始される。
ここで、表示手段に第3の演出態様で変動演出が行われると、表示手段における表示内容として、第2の演出態様と第1の演出態様とが、表示制御手段の通知手段によって、音声制御手段へ通知される。そして、音声制御手段の出力制御手段によって、出力すべき音声として第2の音声と第1の音声との出力が出力されると、その第1の音声の出力が、停止手段により停止される。これにより、音声制御手段では、一旦は、表示制御手段の通知手段から通知される表示手段における表示内容に基づいて、出力すべき音声を選択して出力する制御を行うものの、出力すべき音声として第2の音声と第1の音声とが出力された場合は、第1の音声の出力が停止されるので、表示手段にて第3の演出態様で変動演出が行われる場合に、第2の音声だけを出力させることができる。よって、遊技者に有利な第2の遊技価値が付与される第2の表示態様で識別情報が停止表示されることへの期待感を高めることができるので、遊技者の興趣を高めることができるという効果がある。また、表示制御手段の通知手段からの表示内容の通知に基づいて、まずは、音声の出力を開始するので、通知手段から通知された表示内容に基づいて、音声出力の有無を判断する必要がないため、処理負担の増加を抑制できるという効果がある。また、通知手段から通知された表示内容に基づく音声出力を、即座に行うことができるという効果がある。
遊技機A2において、前記通知手段は、前記表示手段に前記第3の演出態様で前記変動演出を行う場合に、前記表示手段における表示内容として、まず、前記第2の演出態様を前記音声制御手段へ通知し、次いで、前記第1の演出態様を前記音声制御手段へ通知するものであり、前記出力制御手段は、前記通知手段より通知された前記表示手段における表示内容の順に、出力すべき音声を選択して出力を開始することを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示手段に第3の演出態様で前記変動演出が行われると、表示手段における表示内容として、まず、第2の演出態様が通知手段によって音声制御手段へ通知され、次いで、第1の演出態様が通知手段よって音声制御手段へ通知される。また、通知手段より通知された表示手段における表示内容の順に、出力すべき音声が出力制御手段によって選択され出力されるので、表示手段に第3の演出態様で前記変動演出が行われた場合、まず、第2の音声の出力が開始され、次いで、第1の音声の出力が開始される。その後、第1の音声は、停止手段によって出力が停止される。これにより、第3の演出態様で変動演出が行われる場合に出力されることになる第2の音声を、出力が停止される第1の音声よりも先に、出力を開始することができるので、第3の演出態様で変動演出が行われると、遅滞なく、第2の音声の出力を開始させることができるという効果がある。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記第1の音声は、音声の出力が開始されてから所定時間は無音状態の音声を出力するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の音声は、音声の出力が開始されてから所定時間は無音状態の音声を出力するものであるので、表示手段にて第3の演出態様で変動演出が行われる場合に、一旦は、出力すべき音声として第2の音声と第1の音声との出力が開始されても、第1の音声からは無音状態の音声が出力される。よって、第1の音声の出力が開始されてから所定時間が経過するまでに、第1の音声の出力を停止させることによって、第1の音声が一瞬の間出力されたとしても、遊技者にそれが雑音となって聞かせてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1において、前記副制御手段は、前記表示手段における表示を制御する表示制御手段と、前記音声出力手段における音声の出力を制御する音声制御手段とを備え、前記表示制御手段は、前記表示手段における表示内容を前記音声制御手段へ通知する通知手段を備え、その通知手段は、前記表示手段に前記第3の演出態様で前記変動演出を行う場合に、前記表示手段における表示内容として、前記第2の演出態様と前記第1の演出態様とを前記音声制御手段へ通知するものであり、前記音声制御手段は、前記通知手段より通知された前記表示手段における表示内容に基づいて、出力すべき音声を選択して出力を開始する出力制御手段と、前記通知手段より、前記表示手段における表示内容として、前記第2の演出態様と前記第1の演出態様とが通知されたことに基づいて、前記出力制御手段によって、出力すべき音声として前記第2の音声と前記第1の音声との出力が開始された場合に、前記第1の音声を無音状態の音声に書き換えて出力する書換手段とを備えることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示手段は、副制御手段に設けられた表示制御手段によって表示が制御され、音声出力手段は、副制御手段に設けられた音声制御手段によって音声の出力が制御される。また、表示手段における表示内容は、表示制御手段設けられた通知手段によって、音声制御手段へ通知される。そして、音声制御手段に設けられた出力制御手段によって、通知手段より通知された表示手段における表示内容に基づいて、出力すべき音声が選択され、出力が開始される。
ここで、表示手段に第3の演出態様で変動演出が行われると、表示手段における表示内容として、第2の演出態様と第1の演出態様とが、表示制御手段の通知手段によって、音声制御手段へ通知される。そして、音声制御手段の出力制御手段によって、出力すべき音声として第2の音声と第1の音声との出力が出力されると、その第1の音声の出力が、書換手段によって無音状態の音声に書き換えられて出力される。これにより、音声制御手段では、一旦は、表示制御手段の通知手段から通知される表示手段における表示内容に基づいて、出力すべき音声を選択して出力する制御を行うものの、出力すべき音声として第2の音声と第1の音声とが出力された場合は、第1の音声の出力が無音状態の音声に書き換えられて出力されるので、表示手段にて第3の演出態様で変動演出が行われる場合に、遊技者には第2の音声だけが出力されたように聞かせることができる。よって、遊技者に有利な第2の遊技価値が付与される第2の表示態様で識別情報が停止表示されることへの期待感を高めることができるので、遊技者の興趣を高めることができるという効果がある。また、表示制御手段の通知手段からの表示内容の通知に基づいて、まずは、音声の出力を開始するので、通知手段から通知された表示内容に基づく音声出力を、即座に行うことができるという効果がある。
遊技機B1において、前記通知手段は、前記表示手段に前記第3の演出態様で前記変動演出を行う場合に、前記表示手段における表示内容として、まず、前記第2の演出態様を前記音声制御手段へ通知し、次いで、前記第1の演出態様を前記音声制御手段へ通知するものであり、前記出力制御手段は、前記通知手段より通知された前記表示手段における表示内容の順に、出力すべき音声を選択して出力を開始することを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示手段に第3の演出態様で前記変動演出が行われると、表示手段における表示内容として、まず、第2の演出態様が通知手段によって音声制御手段へ通知され、次いで、第1の演出態様が通知手段よって音声制御手段へ通知される。また、通知手段より通知された表示手段における表示内容の順に、出力すべき音声が出力制御手段によって選択され出力されるので、表示手段に第3の演出態様で前記変動演出が行われた場合、まず、第2の音声の出力が開始され、次いで、第1の音声の出力が開始される。その後、第1の音声は、書換手段によって無音状態の音声に書き換えられて出力される。これにより、第3の演出態様で変動演出が行われる場合に遊技者に聞かせることになる第2の音声を、無音状態の音声に書き換えられる第1の音声よりも先に、出力を開始することができるので、第3の演出態様で変動演出が行われると、遅滞なく、第2の音声の出力を開始させることができるという効果がある。
遊技機B1又はB2において、前記第1の音声は、音声の出力が開始されてから所定時間は無音状態の音声を出力するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の音声は、音声の出力が開始されてから所定時間は元々無音状態の音声を出力するものであるので、表示手段にて第3の演出態様で変動演出が行われる場合に、出力すべき音声として第2の音声と第1の音声との出力が開始されても、第1の音声からは無音状態の音声が出力される。よって、第1の音声の出力が開始されてから所定時間が経過するまでに、第1の音声が無音状態の音声に書き換えられることによって、遊技者に第1の音声が雑音となって聞かせてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1において、前記副制御手段は、前記表示手段における表示を制御する表示制御手段と、前記音声出力手段における音声の出力を制御する音声制御手段とを備え、前記表示制御手段は、前記表示手段における表示内容を前記音声制御手段へ通知する通知手段を備え、その通知手段は、前記表示手段に前記第3の演出態様で前記変動演出を行う場合に、前記表示手段における表示内容として、まず、前記第2の演出態様を前記音声制御手段へ通知し、次いで、前記第1の演出態様を前記音声制御手段へ通知するものであり、前記音声制御手段は、前記通知手段より通知された前記表示手段における表示内容に基づいて、出力すべき音声を選択して出力を開始する出力制御手段と、前記通知手段より、前記表示手段における表示内容として、前記第2の演出態様が通知された場合に、その通知を受け付けてから所定時間は、少なくとも通知手段からの前記第1の演出態様の通知を非受付状態とする非受付手段とを備えることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示手段は、副制御手段に設けられた表示制御手段によって表示が制御され、音声出力手段は、副制御手段に設けられた音声制御手段によって音声の出力が制御される。また、表示手段における表示内容は、表示制御手段設けられた通知手段によって、音声制御手段へ通知される。そして、音声制御手段に設けられた出力制御手段によって、通知手段より通知された表示手段における表示内容に基づいて、出力すべき音声が選択され、出力が開始される。
ここで、表示手段に第3の演出態様で変動演出が行われると、表示手段における表示内容として、まず、第2の演出態様が通知手段により音声制御手段へ通知され、次いで、第1の演出態様が通知手段により音声制御手段へ通知される。一方、音声制御手段において、通知手段より表示手段における表示内容として第2の演出態様の通知が受け付けられると、その通知が受け付けられてから所定時間は、少なくとも通知手段からの第1の演出態様の通知が、非受付手段によって非受付状態となる。これにより、表示手段にて第3の演出態様で変動演出が行われる場合に、音声制御手段の出力制御手段によって、第2の音声だけを出力させることができる。よって、遊技者に有利な第2の遊技価値が付与される第2の表示態様で識別情報が停止表示されることへの期待感を高めることができるので、遊技者の興趣を高めることができるという効果がある。また、この場合に、第1の音声の出力が一切行われないので、処理負担の増加を抑制できるという効果がある。また、第3の演出態様で変動演出が行われる場合に遊技者に聞かせることになる第2の音声の出力を即座に開始することができるので、第3の演出態様で変動演出が行われると、遅滞なく、第2の音声の出力を開始させることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記副制御手段は、前記表示手段における表示を制御する表示制御手段と、前記音声出力手段における音声の出力を制御する音声制御手段とを備え、前記表示制御手段は、前記表示手段における表示内容を前記音声制御手段へ通知する通知手段を備え、その通知手段は、前記表示手段に前記第3の演出態様で前記変動演出を行う場合に、前記表示手段における表示内容として、まず、前記第2の演出態様を前記音声制御手段へ通知し、次いで、前記第1の演出態様を前記音声制御手段へ通知するものであり、前記音声制御手段は、前記通知手段より通知された前記表示手段における表示内容に基づいて、出力すべき音声を選択して出力を開始する出力制御手段と、前記通知手段より前記第1の演出態様または前記第2の演出態様が通知されたことに基づいて、前記出力制御手段により前記第1の音声または前記第2の音声が出力すべき音声として選択された場合に、前記第1の音声を出力するための第1の音声データ又は前記第2の音声を出力するための第2の音声データを記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された第2の音声データに基づいて前記出力制御手段により前記第2の音声を出力している場合に、前記通知手段より前記第1の演出態様が通知されたとしても、前記記憶手段に第1の音声データを非記憶とする記憶制御手段とを備えることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示手段は、副制御手段に設けられた表示制御手段によって表示が制御され、音声出力手段は、副制御手段に設けられた音声制御手段によって音声の出力が制御される。また、表示手段における表示内容は、表示制御手段設けられた通知手段によって、音声制御手段へ通知される。そして、音声制御手段に設けられた出力制御手段によって、通知手段より通知された表示手段における表示内容に基づいて、出力すべき音声が選択され、出力が開始される。
ここで、表示手段に第3の演出態様で変動演出が行われると、表示手段における表示内容として、まず、第2の演出態様が通知手段により音声制御手段へ通知され、次いで、第1の演出態様が通知手段により音声制御手段へ通知される。そして、音声制御手段の出力制御手段によって、出力すべき音声として、まず第2の音声が選択される。すると、記憶手段には、第2の音声を出力するための第2の音声データが記憶される。なお、記憶手段は、通知手段より第1の演出態様または第2の演出態様が通知されたことに基づいて、出力制御手段により前記第1の音声または前記第2の音声が出力すべき音声として選択された場合に、第1の音声を出力するための第1の音声データ又は第2の音声を出力するための第2の音声データが記憶されるものである。その記憶手段に記憶された第2の音声データに基づいて、出力制御手段により第2の音声が出力されている場合は、通知手段より第1の演出態様が通知されたとしても、記憶制御手段によって、記憶手段に第1の音声データが非記憶とされる。これにより、表示手段にて第3の演出態様で変動演出が行われる場合に、音声制御手段の出力制御手段によって、第2の音声だけを出力させることができる。よって、遊技者に有利な第2の遊技価値が付与される第2の表示態様で識別情報が停止表示されることへの期待感を高めることができるので、遊技者の興趣を高めることができるという効果がある。また、この場合に、第1の音声の出力が一切行われないので、処理負担の増加を抑制できるという効果がある。また、第3の演出態様で変動演出が行われる場合に遊技者に聞かせることになる第2の音声の出力を即座に開始することができるので、第3の演出態様で変動演出が行われると、遅滞なく、第2の音声の出力を開始させることができるという効果がある。
遊技盤と、その遊技盤に向けて球を発射する発射手段と、その発射手段により発射された球が前記遊技盤上に設けられた所定の始動領域へ入球したことを検出する検出手段と、その検出手段によって前記指導領域への球の入球が検出されたことを契機として判定を行う判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて識別情報の動的表示を伴った変動演出が行われる表示手段と、前記表示手段で行われる変動演出で前記識別情報が予め定めた表示態様で停止表示された場合に遊技者に所定の遊技価値が付与される遊技機において、前記始動領域は、前記遊技盤の左方に発射された球が入球し易い第1始動領域と、前記遊技盤の右方に発射された球が入球し易い第2始動領域とによって構成され、前記遊技機は、遊技状態として、第1状態と第2状態とを少なくとも有し、前記前記遊技状態が前記第1状態であれば、前記第1始動領域に球が入球した場合の方が前記第2始動領域に球が入球した場合よりも遊技者に有利に働き、前記遊技状態が前記第2状態であれば、前記第2始動領域に球が入球した場合の方が前記第1始動領域に球が入球した場合よりも遊技者に有利に働くものであり、前記遊技機は、更に、前記遊技盤の左方を流下する球の少なくとも一部が通過する第1通過手段と、前記遊技状態が前記第2状態にある場合に、所定時間の間に2球以上の所定球数の球が前記第1通過手段を通過したことを検出する第1検出手段と、その第1検出手段により、前記遊技状態が前記第2状態にある場合に、所定時間の間に2球以上の所定球数の球が前記第1通過手段を通過したことが検出された場合に、球を遊技盤の右方へ向けて発射するよう報知する第1報知手段とを備えることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、発射手段により遊技盤に向けて発射された球が、遊技盤上に設けられた所定の始動領域へ入球したことが検出手段により検出されると、その検出を契機として判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定の結果に基づいて、識別情報の動的表示を伴った変動演出が表示手段で行われ、その変動演出で識別情報が予め定めた表示態様で停止表示された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。
この遊技機では、始動領域が、遊技盤の左方に発射された球が入球し易い第1始動領域と、遊技盤の右方に発射された球が入球し易い第2始動領域とによって構成されている。また、この遊技盤は、遊技状態として、第1状態と第2状態とを少なくとも有している。そして、遊技状態が第1状態であれば、第1始動領域に球が入球した場合の方が第2始動領域に球が入球した場合よりも遊技者に有利に働き、遊技状態が第2状態であれば、第2始動領域に球が入球した場合の方が第1始動領域に球が入球した場合よりも遊技者に有利に働くようになっている。
ここで、遊技状態が第2状態にある場合に、遊技盤の左方を流下する球の少なくとも一部が通過する第1通過手段を、所定時間の間に2球以上の所定球数の球が通過したことが、第1検出手段によって検出されると、球を遊技盤の右方へ向けて発射するよう第1報知手段によって報知される。これにより、遊技状態が第2状態にあり、遊技盤の右方に発射された球が入球し易い第2始動領域に球を入球させた方が、遊技者にとって有利であるにもかかわらず、遊技球を遊技盤の左方へ向けて発射している可能性がある場合は、遊技者に対し、球を遊技盤の右方へ向けて発射するよう仕向けることができる。よって、遊技者に対し、有利な状態で遊技を楽しませることができるという効果がある。
また、第1通過手段を所定時間の間に2球以上の所定球数の球が通過して初めて、球を遊技盤の右方へ向けて発射するよう遊技者に仕向ける報知が行われるので、遊技者が遊技盤の右方へ向けて球を発射しているにもかかわらず、一部の球が遊技盤の左方を流下したことで、その球が第1通過手段を通過したことにより、球を遊技盤の右方へ向けて発射するよう遊技者に仕向ける報知が行われることが頻発することを抑制できる。また、例え、遊技者が遊技盤の左方へ向けて球を発射していたとしても、第1通過手段を所定時間の間に2球以上の所定球数の球が通過して初めて、球を遊技盤の右方へ向けて発射するよう遊技者に仕向ける報知を行う事で、その報知が頻発することを抑制できる。よって、球の発射方向の報知が適切に行われ、その報知が頻発することにより、遊技に対する興趣が妨げられることを抑制できるという効果がある。
遊技盤と、その遊技盤に向けて球を発射する発射手段と、その発射手段により発射された球が前記遊技盤上に設けられた所定の始動領域へ入球したことを検出する検出手段と、その検出手段によって前記指導領域への球の入球が検出されたことを契機として判定を行う判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて識別情報の動的表示を伴った変動演出が行われる表示手段と、前記表示手段で行われる変動演出で前記識別情報が予め定めた表示態様で停止表示された場合に遊技者に所定の遊技価値が付与される遊技機において、前記始動領域は、前記遊技盤の左方に発射された球が入球し易い第1始動領域と、前記遊技盤の右方に発射された球が入球し易い第2始動領域とによって構成され、前記遊技機は、遊技状態として、第1状態と第2状態とを少なくとも有し、前記前記遊技状態が前記第1状態であれば、前記第1始動領域に球が入球した場合の方が前記第2始動領域に球が入球した場合よりも遊技者に有利に働き、前記遊技状態が前記第2状態であれば、前記第2始動領域に球が入球した場合の方が前記第1始動領域に球が入球した場合よりも遊技者に有利に働くものであり、前記遊技機は、更に、前記遊技盤の右方を流下する球の少なくとも一部が通過する第2通過手段と、前記遊技状態が前記第1状態にある場合に、所定時間の間に2球以上の所定球数の球が前記第2通過手段を通過したことを検出する第2検出手段と、その第2検出手段により、前記遊技状態が前記第1状態にある場合に、所定時間の間に2球以上の所定球数の球が前記第2通過手段を通過したことが検出された場合に、球を遊技盤の左方へ向けて発射するよう報知する第2報知手段とを備えることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、発射手段により遊技盤に向けて発射された球が、遊技盤上に設けられた所定の始動領域へ入球したことが検出手段により検出されると、その検出を契機として判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定の結果に基づいて、識別情報の動的表示を伴った変動演出が表示手段で行われ、その変動演出で識別情報が予め定めた表示態様で停止表示された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。
この遊技機では、始動領域が、遊技盤の左方に発射された球が入球し易い第1始動領域と、遊技盤の右方に発射された球が入球し易い第2始動領域とによって構成されている。また、この遊技盤は、遊技状態として、第1状態と第2状態とを少なくとも有している。そして、遊技状態が第1状態であれば、第1始動領域に球が入球した場合の方が第2始動領域に球が入球した場合よりも遊技者に有利に働き、遊技状態が第2状態であれば、第2始動領域に球が入球した場合の方が第1始動領域に球が入球した場合よりも遊技者に有利に働くようになっている。
ここで、遊技状態が第1状態にある場合に、遊技盤の右方を流下する球の少なくとも一部が通過する第2通過手段を、所定時間の間に2球以上の所定球数の球が通過したことが、第2検出手段によって検出されると、球を遊技盤の左方へ向けて発射するよう第2報知手段によって報知される。これにより、遊技状態が第1状態にあり、遊技盤の左方に発射された球が入球し易い第1始動領域に球を入球させた方が、遊技者にとって有利であるにもかかわらず、遊技球を遊技盤の右方へ向けて発射している可能性がある場合は、遊技者に対し、球を遊技盤の左方へ向けて発射するよう仕向けることができる。よって、遊技者に対し、有利な状態で遊技を楽しませることができるという効果がある。
また、第2通過手段を所定時間の間に2球以上の所定球数の球が通過して初めて、球を遊技盤の左方へ向けて発射するよう遊技者に仕向ける報知が行われるので、遊技者が遊技盤の左方へ向けて球を発射しているにもかかわらず、一部の球が遊技盤の右方を流下したことで、その球が第2通過手段を通過したことにより、球を遊技盤の左方へ向けて発射するよう遊技者に仕向ける報知が行われることが頻発することを抑制できる。また、例え、遊技者が遊技盤の右方へ向けて球を発射していたとしても、第2通過手段を所定時間の間に2球以上の所定球数の球が通過して初めて、球を遊技盤の左方へ向けて発射するよう遊技者に仕向ける報知を行う事で、その報知が頻発することを抑制できる。よって、球の発射方向の報知が適切に行われ、その報知が頻発することにより、遊技に対する興趣が妨げられることを抑制できるという効果がある。
遊技機A1からA4,B1からB3,C1,D1,E1,E2のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機F1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA4,B1からB3,C1,D1,E1,E2のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機F2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA4,B1からB3,C1,D1,E1,E2のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機F3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
近年、パチンコ機等の遊技機においては、液晶表示装置等の表示装置に変動演出などの様々な演出画像を表示して遊技の興趣向上を図っている。変動演出は、入球口(始動口)に球が入球(始動入賞)することで開始される演出であり、例えば、有効表示領域に横又は縦に3個、或いは3×3の升目に合計9個の図柄等を表示し、所定の遊技条件に基づいて表示される図柄等をスクロールさせ、そのスクロールが停止した際に、所定の停止位置において停止図柄が予め定められた組み合わせとなっている場合に大当たりを発生させるものである(特許文献1:特開2008−272159号公報)。
また、図柄等のスクロール中には、時として遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、大当たり)となることを事前に示唆する興趣演出(例えば、リーチ表示による演出等)が行われて、有利な遊技に対する期待感を遊技者に持たせる工夫もなされている。更に、リーチ表示による演出では、所謂ダブルリーチ表示を行い、単に大当たりとなることを示唆するだけでなく、スクロールが停止したときの停止図柄によって、大当たり後に、大当たりとなる確率が高確率となるか否かを期待させる演出も行われる遊技機もある。
従来の遊技機において、リーチ表示が行われた場合、そのリーチ表示を成立させた図柄によって異なるリーチ音声が用意されたものがある。この種の遊技機では、ダブルリーチ表示等によって複数の図柄でリーチが発生した場合、それぞれの図柄に応じたリーチ音声が出力されていたが、必ずしも遊技者の興趣を考慮して、リーチ音声が出力されてはいなかった。
本技術的思想は、上記事情を鑑みてなされたものであり、遊技者の興趣を考慮した音声出力を行うことができる遊技機を提供することを目的とする。