以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63や第1入球口A64,B640等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ(図示せず)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ(図示せず)がオンされると共に可変抵抗器(図示せず)の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ(図示せず)および打ち止めスイッチ(図示せず)がオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口A64、第1入球口B640、可変入賞装置65、第2入球口67(スルーゲート)、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。なお、この図2は、符号を分かり易くするために、釘や金具などの一部を削除し図示したものである。一般入賞口63、第1入球口A64、第1入球口B640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が落下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、主に第1図柄を表示するための第1図柄表示装置37A,37Bが配設されており、第1図柄表示装置37Aには、主に第1入球口A64への入賞(入球)に対応する遊技状態が表示され、第1図柄表示装置37Bには、主に第1入球口B640への入賞(入球)に対応する遊技状態が表示される。
第1図柄表示装置37Aには、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37Aaと7セグメント表示器37Abとが設けられている。そして、第1図柄表示装置37Bにも同様に、発光手段である複数のLED37Baと7セグメント表示器37Bbとが設けられている。
第1図柄表示装置37A,37BのLED37Aa,37Baは、いずれもパチンコ機10の遊技状態を点灯状態で示すものであり、パチンコ機10が確変中であるか、時短中であるか、通常中であるかの遊技状態や、変動中であるか否かが点灯状態により示される。例えば、後述する「確変大当たり」に対応した第1図柄や、「通常大当たり」に対応した第1図柄や、「外れ」に対応した第1図柄が点灯状態により示されたり、保留球数が点灯状態により示される。なお、LED37Aa,37Baは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、黄、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ない数のLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。また、7セグメント表示器37Ab,37Bbは、いずれも大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。
このパチンコ機10では、大当たりの抽選結果として、第1図柄の「第1の確変大当たり」と、第1図柄の「第2の確変大当たり」と、第1図柄の「通常大当たり」と、第1図柄の「外れ」との4つの抽選結果が設けられている。そして、第1入球口A64または第1入球口B640へ入賞した場合には、第1図柄の「第1の確変大当たり」であるか、第1図柄の「第2の確変大当たり」であるか、第1図柄の「通常大当たり」であるか、第1図柄の「外れ」であるかが抽選される。
そして、抽選の結果、パチンコ機10が第1図柄の「第1の確変大当たり」または第1図柄の「第2の確変大当たり」となった場合には、第1図柄の大当たり確率がアップして特別遊技状態(大当たり)へ移行し易い遊技の状態となり、さらに、後述する第2図柄の当たり確率がアップして、第1入球口B640(図2参照)に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口B640へ入球し易い遊技の状態となる。以後、この状態のことを、確変中(確変状態)と称する。
また、パチンコ機10が第1図柄の「通常大当たり」となった場合には、第1図柄の大当たり確率が通常の状態となり、第2図柄の当たり確率のみがアップして、第1入球口B640に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口B640へ入球し易い遊技の状態となる。以後、この状態のことを、時短中(時短状態)と称し、確変中(確変状態)、及び、時短中(時短状態)以外の状態を、通常中(通常状態)と称する。
また、パチンコ機10が第1図柄の「外れ」となった場合には、確変中でも時短中でもない遊技の状態(第1図柄の大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)となる。なお、上述した通り、本実施の形態では、確変中や時短中に、第2図柄の当たり確率をアップさせているが、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口B640に付随する電動役物を開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
より具体的には、本実施の形態における第1図柄の「第1の確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドである大当たりの後、次に第1図柄の大当たり(確変大当たり、又は、通常大当たり)となるまでの間は、第1図柄の大当たり確率が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)へと移行すると共に、第2図柄の当たり確率もアップする大当たり(15R確変大当たり)のことである。
また、第1図柄の「第2の確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドである大当たりの後、次に第1図柄の大当たり(確変大当たり、又は、通常大当たり)となるまでの間は、第1図柄の大当たり確率が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)へと移行すると共に、第2図柄の当たり確率もアップする大当たり(2R確変大当たり)のことである。
また、第1図柄の「通常大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドである大当たりの後、第1図柄の大当たり確率が低確率状態(大当たり確率が通常の状態)へ移行し、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)だけ、第2図柄の当たり確率のみがアップする大当たり(15R通常大当たり)のことである。
なお、上述した通り、本実施の形態では、第1図柄の「第1の確変大当たり」または第1図柄の「第2の確変大当たり」となった場合には、次に第1図柄の大当たり(確変大当たり、又は、通常大当たり)となるまでの間、第2図柄の当たり確率をアップするように構成しているが、その代わりに、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)だけ、第2図柄の当たり確率をアップするように構成しても良い。
また、本実施の形態では、第1図柄の「通常大当たり」となった場合には、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)、第2図柄の当たり確率をアップするように構成しているが、その代わりに、次に第1図柄の大当たり(確変大当たり、又は、通常大当たり)となるまでの間、第2図柄の当たり確率のアップを継続するように構成しても良い。
また、本実施の形態では、第1図柄の「第1の確変大当たり」または第1図柄の「通常大当たり」となった場合には、最大ラウンド数を15ラウンドとしているが、ラウンド数は任意の数(例えば、8ラウンドや、16ラウンドなど)としても良い。また、第1図柄の「第1の確変大当たり」と、第1図柄の「通常大当たり」とでは、ラウンド数が異なるようにしても良い。例えば、第1図柄の「第1の確変大当たり」の場合は、最大ラウンド数を15ラウンドとし、第1図柄の「通常大当たり」の場合は、最大ラウンド数を8ラウンドとしても良い。
なお、これ以後の説明では、第1図柄の「第1の確変大当たり」のことを単に「第1の確変大当たり」と記載し、第1図柄の「第2の確変大当たり」のことを単に「第2の確変大当たり」と記載し、第1図柄の「通常大当たり」のことを単に「通常大当たり」と記載し、第1図柄の「外れ」のことを単に「外れ」と記載する。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口A64または第1入球口B640への入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67(スルーゲート)の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示部83と、第2入球口67(スルーゲート)を通過した球の保留球数を示す第2図柄保留ランプ84とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する演出制御装置117によって表示内容が制御され、例えば、表示画面上に上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に横にスクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている(図10参照)。また、本実施の形態では、第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
なお、本実施の形態では、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて主制御装置110の制御に伴った遊技状態や、大当たりの抽選結果を示す第1図柄の表示が行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示(変動演出)が、第3図柄表示装置81において行われる。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、大当たりの抽選が開始されてから、その抽選結果を示す停止図柄(第1の確変大当たりを示す第1図柄、第2の確変大当たりを示す第1図柄、通常大当たりを示す第1図柄、外れを示す第1図柄のいずれか1つ)が第1図柄表示装置37A,37Bに表示されるまでの間に球が第1入球口A64へ入賞(入球)した場合、その入賞(入球)回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が第1図柄表示装置37Aにより示されると共に、特図A保留ランプ85Aの点灯個数においても示される。以後、第1入球口A64についての保留回数のことを、特図A保留球数NAと称する。なお、特図A保留ランプ85Aは、最大保留回数分の4つ設けられており、第3図柄表示装置81の左上方に配設されている。
同様に、大当たりの抽選が開始されてから、その抽選結果を示す停止図柄(第1の確変大当たりを示す第1図柄、第2の確変大当たりを示す第1図柄、通常大当たりを示す第1図柄、外れを示す第1図柄のいずれか1つ)が第1図柄表示装置37A,37Bに表示されるまでの間に球が第1入球口B640へ入賞(入球)した場合、その入賞(入球)回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が第1図柄表示装置37Bにより示されると共に、特図B保留ランプ85Bの点灯個数においても示される。以後、第1入球口B640についての保留回数のことを、特図B保留球数NBと称し、特図A保留球数NAと特図B保留球数NBとの合計数を、全保留球数Nと称する。なお、特図B保留ランプ85Bもまた、最大保留回数分の4つ設けられており、第3図柄表示装置81の右上方に配設されている。
なお、本実施の形態においては、第1入球口A64への入賞や、第1入球口B640への入賞がそれぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、それぞれの最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口A64と、第1入球口B640とでは、最大保留回数が異なるようにしても良い。例えば、第1入球口A64では、最大4回まで保留されるようにし、第2入球口B640では、最大8回まで保留されるようにしても良い。
また、特図A保留ランプ85Aや特図B保留ランプ85Bを削除し、第1入球口A64または第1入球口B640への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて保留回数が表示されるので、特図A保留ランプ85Aや特図B保留ランプ85Bにより点灯表示を行わないものとしても良い。また、第3図柄表示装置81により保留回数が表示される場合には、特図A保留ランプ85Aや特図B保留ランプ85Bにより点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示部83は、球が第2入球口67(スルーゲート)を通過する毎に、表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。本実施の形態のパチンコ機10は、第2図柄表示部83における変動表示が所定図柄(「○」の図柄)で停止した場合に、第1入球口B640に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口B640へ入球し易い状態となるように構成されている。
球の第2入球口67(スルーゲート)の通過回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が第2図柄保留ランプ84において点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施の形態のように、第2図柄表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37Bや、第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。なお、第1図柄表示装置37A,37Bや、第3図柄表示装置81により保留回数が表示される場合には、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
また、第2図柄保留ランプ84を削除し、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第2入球口67(スルーゲート)についての球の保留回数は、第1入球口A64や第1入球口B640と同様に、最大回数が4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口A64が配設されている。この第1入球口A64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口Aスイッチ208a(図4参照)がオンとなり、その第1入球口Aスイッチ208aのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37AのLED37Aaで示される。
そして、第1入球口A64の下方には、球が入球し得る第1入球口B640が配設されている。この第1入球口B640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口Bスイッチ208b(図4参照)がオンとなり、その第1入球口Bスイッチ208bのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37BのLED37Baで示される。
また、第1入球口A64および第1入球口B640のそれぞれは、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施の形態においては、第1入球口A64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と、第1入球口B640へ球が入球した場合に払い出される賞球数と、一般入賞口63へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同一数としているが、入賞口63および第1入球口A64,B640のうち、一部だけを異なる数としても良いし、それぞれ異なる数としても良い。例えば、第1入球口A64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を20個とし、第1入球口B640および一般入賞口63へ球が入球した場合に払い出される賞球数を5個としても良い。また、第1入球口A64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を15個とし、第1入球口B640へ球が入球した場合に払い出される賞球数を10個とし、一般入賞口63へ球が入球した場合に払い出される賞球数を5個としても良い。
第1入球口B640の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10の主制御装置110では、第1入球口A64への入賞に基づいて抽選を行った結果、大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、第1図柄表示装置37AのLED37Aaを大当たりの停止図柄となるように点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。
同様に、主制御装置110では、第1入球口B640への入賞に基づいて抽選を行った結果、大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、第1図柄表示装置37BのLED37Baを大当たりの停止図柄となるように点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。
その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移し、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(ソレノイド209(図4参照)の一部)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞し易い開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37AのLED37Aaまたは第1図柄表示装置37BのLED37Baが大当たりに対応する態様で点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。入賞口63、第1入球口A64,B640、及び、特定入賞口65aの何れにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と演出制御基板(演出制御装置117)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、演出制御装置117、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置110は、パチンコ機10全体の動作を制御するものであり、払出制御装置111や、演出制御装置117などのサブ制御装置に対して各種コマンドを送信し、サブ制御装置の動作を制御するものである。なお、主制御装置110から該サブ制御装置へ送信される各種コマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。なお、サブ制御装置から主制御装置110へ、サブ制御装置の状態を示すコマンドを送信するように構成しても良い。
この主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、後述する各カウンタC1〜C3,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路とが内蔵されている。なお、各カウンタC1〜C3,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2の具体的構成については、図5を参照しつつ後述する。
RAM203は、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。更にRAM203は、特図A保留球格納エリア203aと、特図B保留球格納エリア203bと、保留球実行エリア203cと、特図A保留球カウンタ203dと、特図B保留球カウンタ203eと、ワークエリア203fと、先読み用高確率状態フラグ203gとを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図21参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図20参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図28参照)が即座に実行される。
特図A保留球格納エリア203aは、球が第1入球口A64へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1(図5参照)、第1当たり種別カウンタC2(図5参照)、第1変動種別カウンタCS1(図5参照)、第2変動種別カウンタCS2(図5参照)、及び、第3変動種別カウンタCS3(図5参照)の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。この特図A保留球格納エリア203aには、第1入球口A64への一の入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)される。なお、この特図A保留球格納エリア203aの具体的構成については、図5を参照しつつ後述する。
特図B保留球格納エリア203bは、球が第1入球口B640へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1(図5参照)、第1当たり種別カウンタC2(図5参照)、第1変動種別カウンタCS1(図5参照)、第2変動種別カウンタCS2(図5参照)、及び、第3変動種別カウンタCS3(図5参照)の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。この特図B保留球格納エリア203bには、特図A保留球格納エリア203aと同様に、第1入球口B640への一の入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)される。なお、この特図B保留球格納エリア203bの具体的構成についても、図5を参照しつつ後述する。
また、詳細については後述するが、第1入球口A64または第1入球口B640への入賞(入球)が検出されて、特図A保留球格納エリア203aまたは特図B保留球格納エリア203bに各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値が記憶(保留)される場合には(即ち、入賞時の特図A保留球数NAが4未満、または、入賞時の特図B保留球数NBが4未満の場合には)直ちに、変動演出の開始時とは別に、その記憶(保留)されるカウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値に基づいて、抽選結果および変動時間が取得される。
なお、入賞が検出されたら直ちに、変動演出の開始時とは別に、入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値)に基づいて、抽選結果および変動時間取得することを、以後、抽選結果や変動時間を先読みすると記載する。そして、先読みが終了すると直ちに、先読みされた抽選結果および変動時間と、その先読みされたデータが第1入球口A64への入賞に基づくものであるか、第1入球口B640への入賞に基づくものであるかを示す始動口入賞情報とを含む入賞情報コマンドが演出制御装置117へ送信される。
例えば、始動口入賞情報は、1ビットで構成されており、そのビット値が「0」の場合には、データが第1入球口A64への入賞に基づくものであることを示し、そのビット値が「1」の場合には、データが第1入球口B640への入賞に基づくものであることを示す。
演出制御装置117では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドに含まれている抽選結果、変動時間、および、始動口入賞情報が取得される。そして、その始動口入賞情報が第1入球口B640を示している場合に限り、その取得された抽選結果や変動時間等に基づいて、停止図柄が後述する「チャンス目(外れの停止図柄の一つ)」となる変動演出(変動表示)を第3図柄表示装置81において連続で実行させる(以後、「連続チャンス目演出」と称する)か否かが判定される。言い換えれば、取得された始動口入賞情報が第1入球口A64を示している場合には、連続チャンス目演出を実行するか否かが判定されない。なお、このように構成されている理由については後述する。
上述した通り、本実施の形態では、主制御装置110から演出制御装置117へ送信する入賞情報コマンドにより、各カウンタC1〜C2の各値(乱数値)では無く、抽選結果を送信している。これは、主制御装置110から各カウンタC1〜C2の各値(乱数値)が出力されないようにするためである。各カウンタC1〜C2の各値(乱数値)が出力されると、その出力信号が不正に盗み取られて、各カウンタC1〜C2の各値(乱数値)が解析される可能性があるが、抽選結果を送信しているのでその不正行為を抑制できる。即ち、主制御装置110から出力される出力信号から大当たりか否かを判定する乱数値などの重要な乱数値が解析されることを抑制できる。また、演算制御装置117においても、大当たりか否かを判定しなくて良いので、大当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)をROM272に格納しておく必要が無く、ROM272の空き容量を増やすことができる。
また、「チャンス目」の具体例については、図11(a),(b)を参照して後述するが、本実施の形態では、「外れチャンス目」と、「リーチチャンス目」という2種類のチャンス目を設けている。第3図柄表示装置81には、1列につき3つの第3図柄が表示される図柄列が、上・中・下の各段に1列ずつ表示され、計9個の第3図柄が停止表示される。以後、上段に表示される図柄列のことを上図柄列Z1と称し、中段に表示される図柄列のことを中図柄列Z2と称し、下段に表示される図柄列のことを下図柄列Z3と称する。
「外れチャンス目」は、図柄の組み合わせがリーチにはならない停止図柄であって、上・中・下の各図柄列Z1〜Z3に同一の主図柄(「0」から「9」の数字に対応する10種類のキャラクタ図柄)が1つずつ含まれ停止表示される停止図柄を示す。また、「リーチチャンス目」は、図柄の組み合わせがリーチにはなるが当たりとはならない停止図柄であって、中図柄列Z2の中央に表示される第3図柄として特定の主図柄(「4」または「7」の数字に対応するキャラクタ図柄)が停止表示される停止図柄を示す。なお、以後の説明において、「外れチャンス目」及び「リーチチャンス目」の両方を示す場合や、どちらでも良く何れか一方を示す場合には、単に「チャンス目」と記載する。
本実施の形態のパチンコ機10は、まだ実行開始していない変動演出の停止図柄を「チャンス目」に変更可能な上、さらに、第3図柄表示装置81において変動演出中の停止図柄を、変動演出の途中で「チャンス目」に変更可能に構成されている。よって、まだ実行開始していない変動演出の停止図柄だけを「チャンス目」に変更する構成と比較して、変動演出中の停止図柄を「チャンス目」に変更できる分、即ち、1回多くチャンス目を表示できる。
また、変動演出の途中で停止図柄を「チャンス目」に変更できるので、入賞情報コマンドを受信した際に、変動演出中であれば、連続チャンス目演出を行うことができる。よって、まだ実行開始していない変動演出の停止図柄だけを「チャンス目」に変更する場合よりも、連続チャンス目演出を実行する機会を増やすことができるので、遊技者の期待感を向上させることができる。また、停止図柄を「チャンス目」にすることで、連続チャンス目演出中であることを遊技者に認識させることができるので、遊技者の関心を引きつけることができる。よって、遊技への参加を遊技者に促すことができる。
保留球実行エリア203cは、大当たりの判定や、第1図柄表示装置37A,37Bの表示の設定等の処理の実行時に参照されるデータ(各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値)と、そのデータが第1入球口A64への入賞に基づくものであるか、第1入球口B640への入賞に基づくものであるかを示す始動口入賞情報とが記憶されるメモリである。なお、始動口入賞情報は、上述した入賞情報コマンドに含まれる始動入賞情報と同様に、例えば、1ビットで構成されている。そして、そのビット値が「0」の場合には、データが第1入球口A64への入賞に基づくものであることを示し、そのビット値が「1」の場合には、データが第1入球口B640への入賞に基づくものであることを示す。
大当たりの判定処理が実行される場合には、上述した特図A保留球格納エリア203aおよび特図B保留球格納エリア203bに記憶されている各入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値)のうち、一の入賞に対応するデータが、この保留球実行エリア203cにシフトされてくる。なお、本実施の形態におけるシフトとは、データが記憶されている領域から、そのデータを別の領域へ移動させることを示す。また、この保留球実行エリア203cの具体的構成については、図9を参照しつつ後述する。
特図A保留球カウンタ203dは、第1入球口A64についての入賞の保留回数、即ち、特図A保留球数NAを計数するカウンタであり、特図B保留球カウンタ203eは、第1入球口B640についての入賞の保留回数、即ち、特図B保留球数NBを計数するカウンタである。また、これらの特図A,B保留球カウンタ203d,203eは、いずれも最大値が「4」であり、RAMの初期設定(図20のS113参照)時に「0」に初期化される。
なお、上述した特図A保留ランプ85A(図2参照)では、特図A保留球数NAと同一数のランプが点灯され、特図B保留ランプ85B(図2参照)では、特図B保留球数NBと同一数のランプが点灯される。より具体的には、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)および特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)のうち、一方のカウンタ値が変化すると、主制御装置110から演出制御装置117に対して、一方のカウンタ値が変化した後の特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBの2つの値を示す保留数コマンドが送信される。
演出制御装置117では、主制御装置110から送信されてくる保留数コマンドを受信した場合に、その保留数コマンドが示す特図A保留球数NAと同一数のランプを特図A保留ランプ85Aにおいて点灯させ、また、その保留数コマンドが示す特図B保留球数NBと同一数のランプを特図B保留ランプ85Bにおいて点灯させる。
なお、特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBのそれぞれは、5種類の数値(「0」〜「4」)の何れかとなるので、パチンコ機10における特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBの組み合わせは、25通り(5種類×5種類)となり、それに応じて保留数コマンドも25種類設けられている。
なお、本実施の形態では、保留数コマンドが、特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBの2つの値を示すように構成しているが、保留数コマンドが、特図A保留球数NAおよび特図B保留球数NBの一方の値だけを示すように構成しても良い。このようにすれば、値が変化したカウンタ値についての情報だけを保留数コマンドにより送信できるので、主制御装置110から演出制御装置117に送信する情報量を抑制できる。また、保留数コマンドの数も10種類で済むので、ROM202等の記憶領域の消耗を抑制できる。
ワークエリア203fは、各カウンタC1〜C3,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2に関するデータなど(例えば、カウンタ値など)を記憶するための領域である。各カウンタC1〜C3,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2は、このワークエリア203f内に設けられており、各カウンタの値は、ワークエリア203f内に設けられているカウンタ用バッファに適宜記憶される。
先読み用高確率状態フラグ203gは、新たに保留される入賞のデータ(各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値)に基づいて、その抽選結果や変動時間を先読みする場合に、大当たり確率が高確率状態であるものとして入賞のデータを解析すれば良いのか、大当たり確率が低確率状態(通常の状態)であるものとして入賞のデータを解析すれば良いのかを示すフラグである。また、先読み用高確率状態フラグ203gは、RAMの初期設定(図20のS113参照)時にオフに初期化される。
この先読み用高確率状態フラグ203gがオンの場合には、大当たり確率が高確率状態であるものとして入賞のデータが解析され、先読み用高確率状態フラグ203gがオフの場合には、大当たり確率が低確率状態であるものとして入賞のデータが解析される。一般的なパチンコ機では、大当たりの抽選が行われ、その抽選結果が「(第1または第2の)確変大当たり」の場合には、次に大当たり(第1または第2の確変大当たり、又は、通常大当たり)となるまでの間、大当たり確率が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)へと移行する。一方、抽選結果が「通常大当たり」又は「外れ」の場合には、大当たり確率が通常の状態へと移行する。
つまり、直近の大当たりの抽選結果によって、次回の大当たり抽選の大当たり確率が決まる。そこで、本実施の形態では、新たに保留される入賞のデータを、保留される際に解析し、更に、解析した抽選結果に応じて、先読み用高確率状態フラグ203gの状態を順次更新している。これにより、新たな入賞のデータが特図A保留球格納エリア203aや特図B保留球格納エリア203bに記憶された後、その新たな入賞に対応する変動演出の開始時まで待って抽選結果を取得しなくても、新たな入賞のデータを取得した際に、その抽選結果を先読み用高確率状態フラグ203gの状態に基づいて解析(先読み)できる。
また、新たに保留される入賞のデータが取得されたら直ぐに、その入賞に対応する抽選結果を正確に取得でき、その抽選結果を示す入賞情報コマンドを演出制御装置117へ送信することができる。
ここで、図5および図6を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられている特図A保留球格納エリア203aや、特図B保留球格納エリア203bや、カウンタ用バッファや、各カウンタC1〜C3,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2等について説明する。図5は、各種カウンタや、特図A保留球格納エリア203aや、特図B保留球格納エリア203bの概要を模式的に示した模式図であり、図6(a)〜(d)は、各種カウンタC1,C2,CS1,CS2の概略を説明するための概略図である。
特図A保留球格納エリア203aや、特図B保留球格納エリア203bや、カウンタ用バッファや、各カウンタC1〜C3,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2等は、大当たりの判定や第1図柄表示装置37A,37Bの表示の設定、第2図柄表示部83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bの表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動演出の変動時間の選択に使用する第1変動種別カウンタCS1と、第2変動種別カウンタCS2と,第3変動種別カウンタCS3とが用いられる。また、第2図柄表示部83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC3が用いられ、第2当たり乱数カウンタC3の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度(図21および図25参照)、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
これらの各カウンタC1〜C3,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2は、メイン処理(図21参照)の実行間隔である4ms間隔、またはタイマ割込処理(図25参照)の実行間隔である2ms間隔で更新され、その更新値がRAM203のワークエリア203fに設けられているカウンタ用バッファに適宜記憶される。なお、各種の制御プログラムの実行に際して、各カウンタC1〜C3,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2の各値が参照される場合には、カウンタ用バッファに記憶されている各カウンタの各値がそれぞれ参照される。
図5に示すように、RAM203には、特図A保留球格納エリア203aと、特図B保留球格納エリア203bとが設けられている。上述した通り、特図A保留球格納エリア203aは、球が第1入球口A64へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値をそれぞれ記憶するためのメモリであり、特図B保留球格納エリア203bは、球が第1入球口B640へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。
この特図A保留球格納エリア203aは、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)で構成されている。この特図A保留球格納エリア203aの4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)にはそれぞれ、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2と、第1変動種別カウンタ格納エリア203a3と、第2変動種別カウンタ格納エリア203a4と、第3変動種別カウンタ格納エリア203a5とが設けられている。各格納エリア203a1,203a2には、各カウンタC1,C2の値が記憶され、各格納エリア203a3〜203a5には、各カウンタCS1〜CS3の値が記憶される。
また、特図B保留球格納エリア203bも同様に、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)で構成されており、その4つの保留エリアにはそれぞれ、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2と、第1変動種別カウンタ格納エリア203b3と、第2変動種別カウンタ格納エリア203b4と、第3変動種別カウンタ格納エリア203b5とが設けられている。各格納エリア203b1,203b2には、各カウンタC1,C2の値が記憶され、各格納エリア203b3〜203b5には、各カウンタCS1〜CS3の値が記憶される。
なお、本実施の形態では、特図A保留球格納エリア203aや特図B保留球格納エリア203bの中に、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1,203b1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2,203b2と、第1変動種別カウンタ格納エリア203a3,203b3と、第2変動種別カウンタ格納エリア203a4,203b4と、第3変動種別カウンタ格納エリア203a5,203b5とを設けているが、5つの各エリア203a1〜203a5,203b1〜203b5が必ず特図A保留球格納エリア203aや特図B保留球格納エリア203bの中に設けられている必要はない。例えば、特図A保留球格納エリア203aや特図B保留球格納エリア203bとは別に、新たな格納エリアを設けておき、5つの各エリア203a1〜203a5,203b1〜203b5のうち、一部を特図A保留球格納エリア203aや特図B保留球格納エリア203bの中に設け、残りを新たな格納エリアの中に設けても良い。
上述した通り、特図A保留球格納エリア203aには、球が第1入球口A64へ入賞したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶されることになる。
また、特図B保留球格納エリア203bには、球が第1入球口B640へ入賞したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合も同様に、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶されることになる。
なお、詳細は図22を参照しつつ後述するが、大当たりの抽選が開始される場合には、保留球格納エリア順送り処理(図23参照)により、特図A保留球格納エリア203aまたは特図B保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているデータ(各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値)が、保留球実行エリア203cの各エリア203c1〜203c5にそれぞれシフトされる。そして、保留球実行エリア203cにシフトされたデータは、変動開始処理(図24参照)において参照され、その参照データに基づいて大当たりの抽選結果が決定され、その抽選結果に対応する変動表示及び停止表示が、第1図柄表示装置37A,37Bなどで行われることになる。
次に、図6(a)〜(d)を参照しつつ、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜2309の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり2309)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成されており(値=0〜2309)、タイマ割込処理(図25参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図21参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
この第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新されると共に、球が第1入球口A64に入賞したタイミングで取得され、その値が特図A保留球格納エリア203aの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1に記憶される一方、球が第1入球口B640に入賞したタイミングで取得され、その値が特図B保留球格納エリア203bの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1に記憶される。
大当たりとなる確率は、低確率時(大当たり確率が通常の状態)と、高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)とで異なり、大当たりとなる乱数の値は、低確率時と高確率時とでそれぞれ個別に設定されている。具体的には、図6(a)に示すように、低確率時(大当たり確率が通常の状態)に大当たりとなる乱数の個数は7個あり、その値は「0〜6」となっている。また、高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)に大当たりとなる乱数の個数は70個あり、その値は「0〜69」となっている。
よって、低確率時に大当たりとなる確率は、第1入球口A64への入賞や、第1入球口Bへの入賞に関係なく「1/330」となり、高確率時に大当たりとなる確率は、第1入球口A64への入賞や、第1入球口Bへの入賞に関係なく「1/33」となる。なお、第1当たり乱数カウンタC1の値(乱数値)から、大当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
また、本実施の形態では、大当たりか否かを判定する乱数値が、低確率時と高確率時とにおいて重複しているが、低確率時と、高確率時とにおいて、大当たりか否かを判定する乱数値が重複しないように乱数値を設定しても良い。これにより、不正行為を抑制することができる。即ち、低確率時や、高確率時に関わらず、大当たりとなる乱数値が存在すれば、その値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられ易くなる恐れがある。これに対して、パチンコ機10が高確率時か低確率時かに応じて、大当たりとなる乱数値を変えることで、大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正行為を抑制することができる。
また、第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの種別(第1の確変大当たりであるか、第2の確変大当たりであるか、又は、通常大当たりであるか)を一つ決定するものであり、本実施の形態では、0〜19の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり19)に達した後0に戻る構成となっている。この第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新されると共に、球が第1入球口A64に入賞したタイミングで取得され、その値が特図A保留球格納エリア203aの第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2に記憶される一方、球が第1入球口B640に入賞したタイミングで取得され、その値が特図B保留球格納エリア203bの第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2に記憶される。
大当たりの種別の振り分けは、球が第1入球口A64へ入賞した場合と、球が第1入球口B640へ入賞した場合とで異なり、球が第1入球口A64へ入賞した場合と、球が第1入球口B640へ入賞した場合とでそれぞれ個別に設定されている。具体的には、図6(b)に示すように、球が第1入球口A64へ入賞した場合に第1の確変大当たりとなる乱数の個数は7個あり、その値は「0〜6」となっている。同様に、第2の確変大当たりとなる乱数の個数は6個で、その値は「7〜12」となっており、通常大当たりとなる乱数の個数は7個で、その値は「13〜19」となっている。一方、球が第1入球口B640へ入賞した場合に第1の確変大当たりとなる乱数の個数は12個で、その値は「0〜11」となっており、第2の確変大当たりとなる乱数の個数は2個で、その値は「12,13」となっており、通常大当たりとなる乱数の個数は6個で、その値は「14〜19」となっている。なお、第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、大当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
本実施の形態では、球が第1入球口A64,B640へ入賞したタイミングで取得されたデータに基づいて、「大当たり」および「第1の確変大当たり」と判定されると「第1の確変大当たり」となり、「大当たり」および「第2の確変大当たり」と判定されると「第2の確変大当たり」となり、「大当たり」および「通常大当たり」と判定されると「通常大当たり」となる。
また、大当たり時に、第1の確変大当たり(15R確変大当たり)となる確率は、第1入球口A64へ入賞した場合に「7/20」となり、第1入球口B640へ入賞した場合に「3/5」となる。また、大当たり時に、第2の確変大当たり(2R確変大当たり)となる確率は、第1入球口A64へ入賞した場合に「3/10」となり、第1入球口B640へ入賞した場合に「1/10」となる。また、大当たり時に、通常大当たり(15R通常大当たり)となる確率は、第1入球口A64へ入賞した場合に「7/20」となり、第1入球口B640へ入賞した場合に「3/10」となる。
よって、第1入球口A64への入賞に基づいて大当たりの抽選が行われるよりも、第1入球口B640への入賞に基づいて大当たりの抽選が行われた方が、遊技者に付与される遊技価値が高くなり易い。これにより、遊技者は、入賞する第1入球口が第1入球口A64であるか第1入球口B640であるかに応じて一喜一憂することになり、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
次に、第1変動種別カウンタCS1と、第2変動種別カウンタCS2と、第3変動種別カウンタCS3とについて説明するが、まず、第1変動種別カウンタCS1と、第2変動種別カウンタCS2について説明する。第1変動種別カウンタCS1と、第2変動種別カウンタCS2とのそれぞれは、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。これらの第1変動種別カウンタCS1の値と、第2変動種別カウンタCS2の値とは、例えば後述するメイン処理(図21参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
そして、この変動種別カウンタCS1,CS2の値は、球が第1入球口A64に入賞したタイミングで取得され、その値が特図A保留球格納エリア203aの第1変動種別カウンタ格納エリア203a3と、第2変動種別カウンタ格納エリア203a4とに記憶される一方、球が第1入球口B640に入賞したタイミングで取得され、その値が特図B保留球格納エリア203bの第1変動種別カウンタ格納エリア203b3と、第2変動種別カウンタ格納エリア203b4とに記憶される。
本実施の形態では、第1変動種別カウンタCS1によって、図柄変動の大まかな変動時間が決定される。図柄変動の大まかな変動時間としては、「11秒間」、「20秒間」、「40秒間」、「60秒間」の4つの時間が設けられている。つまり、第3図柄表示装置81において変動演出が実行される場合には、図柄変動の大まかな変動時間が上述した4つの何れか一つとなる変動演出が実行される。
なお、図柄変動の大まかな変動時間は4種類設けられているが、第3図柄表示装置81において実行される変動演出のパターン(変動パターン)は、「外れ変動」、「外れロング変動」、「ノーマルリーチ変動」、「スーパーリーチ変動」、「スペシャルリーチ変動」の5種類設けられている。以後、この5つの変動演出の変動パターンのことを、通常の変動演出の変動パターンと称する。
より具体的には、「外れ変動」は、停止図柄に関係無く、図柄変動の大まかな変動時間が11秒間となる変動演出のことを示し、「外れロング変動」は、停止図柄においてリーチが発生すること無く、図柄変動の大まかな変動演出が20秒間となる変動演出のことを示す。以下同様に、「ノーマルリーチ変動」は、停止図柄においてリーチが発生すると共に、図柄変動の大まかな変動演出が20秒間となる変動演出のことを示し、「スーパーリーチ変動」は、停止図柄においてリーチが発生すると共に、図柄変動の大まかな変動演出が40秒間となる変動演出のことを示し、「スペシャルリーチ変動」は、停止図柄においてリーチが発生すると共に、図柄変動の大まかな変動演出が60秒間となる変動演出のことを示す。
なお、「外れ変動」は、抽選結果が外れとなる場合にのみ実行され、「外れロング変動」は、抽選結果が「第2の確変大当たり(2R確変大当たり)」となり、且つ、特定の連続チャンス目演出(後述する連続演出B)が実行される場合にのみ実行される。また、「ノーマルリーチ変動」や、「スーパーリーチ変動」や、「スペシャルリーチ変動」は、抽選結果に関係なく実行される。
ここで、図7を参照して、本実施の形態に設けられている変動演出の変動パターンについて説明する。図7は、通常の変動演出の変動パターンと、その演出内容との一例を説明するための概略図である。本実施の形態では、変動演出の変動パターンとして、外れ変動、外れロング変動、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動、スペシャルリーチ変動の5つのパターンが設けられている。
図7に示す通り、外れ変動では、演出(例えば、高速変動)が実行開始されてから11秒後に停止図柄が表示される。以下同様に、外れロング変動およびノーマルリーチ変動では、演出が実行開始されてから20秒後、スーパーリーチ変動では40秒後、スペシャルリーチでは60秒後にそれぞれ停止図柄が表示される。なお、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動、スペシャルリーチ変動とはそれぞれ、停止図柄においてリーチを発生させると共に派手な演出(以後、「リーチ変動」と称する)を行って、遊技者に有利な遊技状態への期待感を持たせるものである。本実施の形態では、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動、スペシャルリーチ変動が実行開始された後、10秒が経過するとリーチ変動が開始され、その変動演出が終了するまで(停止図柄が表示されるまで)継続して実行される。
ここで、図8を参照して、上述した変動パターンの組み合わせで構成される連続チャンス目演出の内容の一例について説明する。図8は、連続チャンス目演出の内容の一例を説明するための概略図である。本実施の形態では、連続チャンス目演出の演出パターンとして、連続演出A、連続演出B、連続演出Cの3つのパターンが設けられている。
図8に示す通り、連続演出Aは、2つの外れ変動と、1つのリーチ変動(即ち、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動、スペシャルリーチ変動)とにより構成されており、実行開始されると、まず停止図柄が「チャンス目」となる外れ変動が2回連続で実行され、続けてリーチ変動が実行されて停止図柄が表示される。なお、本実施の形態では、この連続演出Aが実行された後には、必ず、第1の確変大当たり(15R確変大当たり)、または、通常大当たり(15R通常大当たり)へと移行するように構成されている。なお、2つの外れ変動のうち、一方または両方がリーチ変動であっても同様に、そのリーチ変動において、「チャンス目」となる停止図柄が表示される。
また、連続演出Bは、2つの外れ変動と、1つの外れロング変動とにより構成されており、実行開始されると、まず停止図柄が「チャンス目」となる外れ変動が2回連続で実行され、続けて外れロング変動が実行されて、その停止図柄として「チャンス目」が表示される。なお、本実施の形態では、この連続演出Bが実行された後には、必ず、第2の確変大当たり(2R確変大当たり)へと移行するように構成されている。なお、2つの外れ変動のうち、一方または両方がリーチ変動であっても同様に、そのリーチ変動において、「チャンス目」となる停止図柄が表示される。
また、連続演出Cは、1つの外れ変動と、1つのリーチ変動(即ち、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動、スペシャルリーチ変動)とにより構成されており、実行開始されると、まず停止図柄が「チャンス目」となる外れ変動が実行され、続けてリーチ変動が実行されて停止図柄が表示される。なお、1つの外れ変動がリーチ変動であっても同様に、そのリーチ変動において、「チャンス目」となる停止図柄が表示される。
ここで、図6に戻り、変動種別カウンタCS1,CS2の説明を続ける。第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後から最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2の各図柄)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)が決定される。本実施の形態では、上述した変動演出の変動パターン毎に、リーチ発生後から最終停止図柄が停止するまでの時間がリーチ時間として定められている。そして、第2変動種別カウンタCS2の乱数値に応じて、「±0秒」、「+0.5秒」、「−1秒」の3つの時間のうち、何れか一つが選択され、その選択された時間がリーチ時間に対して加減算される。
例えば、第2変動種別カウンタCS2の乱数値に応じて、変動時間「+0.5秒」が選択された場合には、変動時間が「±0秒」の場合と比較して、第3図柄表示装置81において中図柄列Z2の第3図柄が2図柄分多くスクロール表示される。しかし、停止図柄は、変動時間が「±0秒」の場合と同一のものが表示される。一方、変動時間「−1秒」が選択された場合には、変動時間が「±0秒」の場合と比較して、第3図柄表示装置81において中図柄列Z2の第3図柄が1図柄分少なくスクロール表示される。しかし、停止図柄は、変動時間が「±0秒」の場合と同一のものが表示される。このように、第1変動種別カウンタCS1の値と、第2変動種別カウンタCS2の値とにより決定された変動時間に基づいて、演出制御装置117により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの第1変動種別カウンタCS1と、第2変動種別カウンタCS2とを組み合わせることで、変動演出の多種多様化を容易に実現できる。
なお、本実施の形態では、第1変動種別カウンタCS1と、第2変動種別カウンタCS2との組み合わせによって図柄変動の態様を決定しているが、第1変動種別カウンタCS1のみで図柄変動の態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動の態様を決定したりすることも可能である。例えば、本実施の形態の第1変動種別カウンタCS1と、第2変動種別カウンタCS2との組み合わせにより生じる各図柄変動の態様と、第1変動種別カウンタCS1の値とを予め対応づけておき、第1変動種別カウンタCS1のみで図柄変動の態様を決定しても良い。また、例えば、各停止図柄ごとに、「±0秒」、「+0.5秒」、「−1秒」の3つの時間のうち、何れか一つを予め対応づけておき、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで図柄変動の態様を決定しても良い。
なお、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、4つの変動時間(「11秒間」、「20秒間」、「40秒間」、「60秒間」)の中から各変動時間が選択(決定)される比率は、入賞の抽選結果が第1の確変大当たり時と、第2の確変大当たり時と、通常大当たり時と、外れ時とでそれぞれ個別に設定されている。具体的には、図6(c)に示すように、入賞の抽選結果が第1の確変大当たり時(15R確変大当たり時)には、「11秒間」となる乱数の値は一つも無く、「20秒間」となる乱数の個数は20個で、その値は「0〜19」となっており、「40秒間」となる乱数の個数は30個で、その値は「20〜49」となっており、「60秒間」となる乱数の個数は50個で、その値は「50〜99」となっている。
また、入賞の抽選結果が第2の確変大当たり時(2R確変大当たり時)には、「11秒間」、「40秒間」、及び、「60秒間」となる乱数の値は一つも無く、「20秒間」が必ず選択される。即ち、「20秒間」となる乱数の個数が100個で、その値は「0〜99」である。
また、入賞の抽選結果が通常大当たり時(15R通常大当たり時)には、「11秒間」となる乱数の値は一つも無く、「20秒間」となる乱数の個数は40個で、その値は「0〜39」となっており、「40秒間」となる乱数の個数は30個で、その値は「40〜69」となっており、「60秒間」となる乱数の個数は30個で、その値は「70〜99」となっている。
また、入賞の抽選結果が外れ時には、「11秒間」となる乱数の個数は85個あり、その値は「0〜84」となっている。同様に、「20秒間」となる乱数の個数は10個で、その値は「85〜94」となっており、「40秒間」となる乱数の個数は3個で、その値は「95〜97」となっており、「60秒間」となる乱数の個数は2個で、その値は「98,99」となっている。なお、第1変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の大まかな変動時間を一つ決定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
一方、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、3つの変動時間(「±0秒」、「+0.5秒」、「−1秒」)の中から各変動時間が選択(決定)される比率は、入賞の抽選結果と、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて決定された変動時間との組み合わせ毎に個別に設定されている。具体的には、図6(d)に示すように、抽選結果が第1の確変大当たり時(15R確変大当たり時)であって、カウンタC1の値に基づいて決定された変動時間が「20秒間」又は「40秒間」の場合には、変動時間「±0秒」が必ず選択される。即ち、変動時間が「±0秒」となる乱数の個数が100個あり、その値が「0〜99」となっている。同様に、抽選結果が第1の確変大当たり時(15R確変大当たり時)であって、カウンタC1の値に基づいて決定された変動時間が「60秒間」の場合には、変動時間が「±0秒」となる乱数の個数は80個で、その値は「0〜79」となっており、変動時間が「−1秒」となる乱数の個数は20個で、その値は「80〜99」となっている。
また、抽選結果が第2の確変大当たり時(2R確変大当たり時)には、変動時間「±0秒」が必ず選択される。即ち、変動時間が「±0秒」となる乱数の個数が100個で、その値が「0〜99」となっている。また、抽選結果が通常大当たり時(15R通常大当たり時)であって、カウンタC1の値に基づいて決定された変動時間が「20秒間」又は「40秒間」の場合には、変動時間「±0秒」が必ず選択される。即ち、変動時間が「±0秒」となる乱数の個数が100個で、その値が「0〜99」となっている。
また、抽選結果が通常大当たり時(15R通常大当たり時)であって、カウンタC1の値に基づいて決定された変動時間が「60秒間」の場合には、変動時間が「±0秒」となる乱数の個数は80個で、その値は「0〜79」となっており、変動時間が「−1秒」となる乱数の個数は20個で、その値は「80〜99」となっている。
また、抽選結果が外れの場合には、変動時間が「±0秒」となる乱数の個数は40個で、その値は「0〜39」となっており、変動時間が「+0.5秒」となる乱数の個数は30個で、その値は「40〜69」となっており、変動時間が「−1秒」となる乱数の個数は30個で、その値は「70〜99」となっている。なお、第2変動種別カウンタCS2の値(乱数値)から、変動時間を一つ決定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
次に、第3変動種別カウンタCS3について説明する。第3変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。この第3変動種別カウンタCS3の値は、例えば後述するメイン処理(図21参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
そして、この第3変動種別カウンタCS3の値は、球が第1入球口A64に入賞したタイミングで取得され、その値が特図A保留球格納エリア203aの第3変動種別カウンタ格納エリア203a5に記憶される一方、球が第1入球口B640に入賞したタイミングで取得され、その値が特図B保留球格納エリア203bの第3変動種別カウンタ格納エリア203b5に記憶される。
本実施の形態の第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様に応じた装飾的な演出を行うものであり、図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出が行われる。本実施の形態では、予告演出の演出パターンが複数設けられており、第3図柄表示装置81において予告演出が実行される場合には、予告演出を実行するために必要な時間が加算または減算され、変動演出の変動時間が調整(例えば、+1秒、+2秒、−1秒、±0秒)される。そして、その調整時間(延長時間または短縮時間)に応じて予告演出が実行される。この予告演出を実行するために必要な延長時間または短縮時間が、第3変動種別カウンタCS3の値によって選択される。
なお、第3変動種別カウンタCS3の値(乱数値)から、予告演出を実行するために必要な延長時間または短縮時間を一つ決定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、低確率状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)や、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)や、始動口入賞情報(ビット値「0」またはビット値「1」)等に応じて、各演出パターンの選択比率が変化するように、複数のテーブルが設けられている。かかるテーブル(図示せず)は、変動種別カウンタCS1,CS2と同様に、ROM202内に設けられている。
上述したように、第1変動種別カウンタCS1と、第2変動種別カウンタCS2とにより図柄変動の変動時間が決定されると共に、第3変動種別カウンタCS3により変動時間に加減算される時間が決定される。よって、最終停止図柄が停止するまでの最終的な変動時間は、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3により決定される。
なお、本実施の形態では、主制御装置110は、演出制御装置117に対して実行すべき変動演出の変動時間を指示するために、変動パターンコマンドと、演出時間加算コマンドとを送信する。変動パターンコマンドは、実行開始すべき変動演出の変動パターン(外れ変動や、外れロング変動や、ノーマルリーチ変動や、スーパーリーチ変動や、スペシャルリーチ変動等)を示すコマンドである。変動パターンコマンドは、第1変動種別カウンタCS1の値と、第2変動種別カウンタCS2の値との組み合わせにより決定される各変動時間ごとに個別に設けられている。この変動パターンコマンドは、実行すべき変動演出の変動時間に対応するコマンドであるので、言い換えれば、変動時間を示すコマンドでもある。
また、演出時間加算コマンドは、予告演出を実行するために必要な延長時間または短縮時間を示すコマンドであり、第3変動種別カウンタCS3の値により決定される延長時間または短縮時間ごとに個別に設けられている。なお、予告演出は、延長時間または短縮時間に応じて実行されるので、演出時間加算コマンドは、予告演出のパターンを示すコマンドでもある。
第2当たり乱数カウンタC3は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。特に、第2当たり乱数カウンタC3が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC3の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC3の値は、本実施の形態ではタイマ割込処理(図25参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口67(スルーゲート)を通過したことが検知された時に取得される。当たりなる乱数の個数は149個あり、その値は「5〜153」となっている。なお、第2当たり乱数カウンタC3の値(乱数値)から、当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。
また、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC3と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図25参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図21参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
次に、図9を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられている保留球実行エリア203c等について説明する。図9は、保留球実行エリア203cの構成を模式的に示した模式図である。上述した通り、保留球実行エリア203cは、大当たりの判定や第1図柄表示装置37A,37Bの表示の設定等の処理の実行時に参照されるデータ(各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値)と、そのデータが第1入球口A64への入賞に基づくものであるか、第1入球口B640への入賞に基づくものであるかを示す始動口入賞情報(ビット値「0」またはビット値「1」)とが記憶されるメモリである。
保留球実行エリア203cは、一のエリアのみで構成されており、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2と、第1変動種別カウンタ格納エリア203c3と、第2変動種別カウンタ格納エリア203c4と、第3変動種別カウンタ格納エリア203c5と、始動口入賞情報格納エリア203c6とが設けられている。大当たりの判定処理が実行される場合には、上述した特図A保留球格納エリア203aの保留第1エリア、および、特図B保留球格納エリア203bの保留第1エリアのうち、一方のエリアに記憶されているデータ(各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値)が、この保留球実行エリア203cの各エリア203c1〜203c5にそれぞれシフトされる。
例えば、特図A保留球格納エリア203aの保留第1エリアから保留球実行エリア203cにデータがシフトされる場合には、保留第1エリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1の乱数値が、保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1へシフトされる。同様に、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2の乱数値が、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2へシフトされ、第1変動種別カウンタ格納エリア203a3の乱数値が、第1変動種別カウンタ格納エリア203c3へシフトされ、第2変動種別カウンタ格納エリア203a4の乱数値が、第2変動種別カウンタ格納エリア203c4へシフトされ、第3変動種別カウンタ格納エリア203a5の乱数値が、第3変動種別カウンタ格納エリア203c5へシフトされる。なお、特図B保留球格納エリア203bの保留第1エリアから保留球実行エリア203cにデータがシフトされる場合についても同様にシフトが行われるので、その説明を省略する。
さらに、特図A保留球格納エリア203aの保留第1エリアからデータがシフトされる場合には、保留球実行エリア203cに記憶されるデータが、第1入球口A64への入賞に基づくものであることを示す始動口入賞情報(例えば、ビット値「0」)が、始動口入賞情報格納エリア203c6に記憶される。一方、特図B保留球格納エリア203bの保留第1エリアからデータがシフトされる場合には、保留球実行エリア203cに記憶されるデータが、第1入球口B640への入賞に基づくものであることを示す始動口入賞情報(例えば、ビット値「1」)が、始動口入賞情報格納エリア203c6に記憶される。
なお、データのシフトは、後述する保留球格納エリア順送り処理(図23参照)により実行されるが、特図A保留球格納エリア203a、および、特図B保留球格納エリア203bの両方の保留第1エリアにデータが記憶されている場合には、特図B保留球格納エリア203bに記憶されているデータが必ず優先されて、保留球実行エリア203cへシフトされる。以後、データが必ず優先されてシフトされることを、データが優先的にシフトされると記載する。
ここで、特図B保留球格納エリア203bに記憶されているデータを優先的にシフトしているのは、遊技価値の有利度の高い抽選を必ず優先させて(優先的に)行うためである。上述した通り、主制御装置110おいて大当たりの抽選がなされる場合には、第1入球口A64への入賞に基づいて大当たりの抽選が行われるよりも、第1入球口B640への入賞に基づいて大当たりの抽選が行われた方が、第1の確変大当たり(15R確変大当たり確変大当たり)となり易く、遊技者に付与される遊技価値が高くなり易い。
よって、第1入球口A64への入賞に基づく大当たりの抽選と、第1入球口B640への入賞に基づく大当たりの抽選とがそれぞれなされる場合には、第1入球口B640への入賞に基づく大当たりの抽選を必ず優先して行うことで、遊技価値の有利度の高い大当たりが当選するという遊技者の期待感を高めることができる。従って、遊技性を向上させることができると共に、遊技者の第1入球口B640への入球意欲を高めることができるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
更に、上述した通り、本実施の形態では、第1入球口B640への入賞(入球)が検出された場合に限り、その入賞の抽選結果に基づいて連続チャンス目演出を実行するか否かの判定を行っており、第1入球口A64への入賞(入球)が検出された場合にはその判定を行わない。これは、遊技者の球の打ち込み方によって、遊技者に付与される遊技価値に差が生じるのを防止するためである。
例えば、第1入球口A64への入賞(入球)が検出された場合でも、第2入球口B640への入賞(入球)が検出された場合でも、それぞれの入賞の抽選結果に基づいて連続チャンス目演出を実行するか否かを判定したとする。そして、第1入球口A64への入賞(入球)の先読みに基づいて、連続チャンス目演出が開始されると、遊技機10の特性などの知識を有している遊技者は、第1の確変大当たり(15R確変大当たり)となる確率が「7/20」であると分かるので、第1の確変大当たり(15R確変大当たり)となる確率を上げるために、より第1の確変大当たり(15R確変大当たり)となり易い(確率が「3/5」となる)第1入球口B640へ球を入賞(入球)させようとする。
しかしながら、本実施の形態では、第1入球口B640への入賞(入球)が検出された場合に限り、その入賞の抽選結果に基づいて連続チャンス目演出を実行するか否かの判定を行っているので、遊技機10の特性などの知識を遊技者が有しているか否かに応じて、遊技者の球の打ち込み方が変わることを防止できる。よって、各遊技者が公平に遊技を楽しむことができる。
また、第1入球口A64についての入賞(入球)だけが保留されており、第1入球口A64への入賞(入球)の先読みに基づいて、連続チャンス目演出が開始されたとする。すると、遊技機10の特性などの知識を有している遊技者は、確変大当たりへ移行する可能性があることが分かるので、その結果を知るために球の打ち込みを止めてしまう。これは、第1入球口A64への入賞(入球)の先読みに基づく連続チャンス目演出が実行されている場合でも、第1入球口B640への入賞(入球)が検出されると、その第1入球口B640への入賞(入球)に応じて実行される抽選(変動演出)が優先的に実行されてしまい、確変大当たりへ移行するか否かの結果の表示が先送りされてしまうからである。
しかしながら、本実施の形態では、第1入球口B640への入賞(入球)が検出された場合に限り、その入賞の抽選結果に基づいて連続チャンス目演出を実行するか否かの判定を行っているので、遊技機10の特性などの知識を遊技者が有しているか否かに応じて、遊技者の球の打ち込み方が変わることを防止できる。よって、各遊技者が公平に遊技を楽しむことができる。また、遊技者が球の打ち込みを止めてしまうことを抑制できるので、遊技機の稼働率が低下することも抑制できる。
上述したように、本実施の形態のパチンコ機10によれば、第1入球口A64への入賞に応じたデータと、第1入球口B640への入賞に応じたデータとが区別されて、特図A保留球格納エリア203a、または、特図B保留球格納エリア203bに記憶(保留)される。よって、特図A保留球格納エリア203aから保留球実行エリア203cにデータをシフトした場合には、シフトしたデータが、第1入球口A64への入賞に基づくものであることを示す始動口入賞情報(ビット値「0」)を保留球実行エリア203cに記憶させることができる。また、特図B保留球格納エリア203bから保留球実行エリア203cにデータをシフトした場合には、シフトしたデータが、第1入球口B640への入賞に基づくものであることを示す始動口入賞情報(ビット値「1」)を保留球実行エリア203cに記憶させることができる。
従って、保留されていた入賞に対応する処理(変動開始処理(図24参照))を実行する場合に、例えば、変動表示を、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて、第1図柄表示装置37Aおよび第1図柄表示装置37Bの一方で抽選結果などを表示するように切り換えることができる。また、第1図柄表示装置37A,37Bでの変動表示に対応する装飾的な変動表示を第3図柄表示装置81において行う場合に、その変動態様を、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかに応じて変更することもできる。例えば、入賞した第1入球口A64,B640に応じて、変動表示のスクロール方向を、縦方向や横方向に変化させることも可能である。
そして、保留球実行エリア203cへのデータのシフトが終了すると、特図A保留球格納エリア203aの保留第1エリア、および、特図B保留球格納エリア203bの保留第1エリアのうち、一方のエリアが空き状態となるため、後述する保留球格納エリア順送り処理(図23参照)により、特図A保留球格納エリア203a、または、特図B保留球格納エリア203bの各保留エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理が行われる。なお、本実施の形態では、特図A保留球格納エリア203a、または、特図B保留球格納エリア203bにおいて、データが記憶(保留)されている保留エリア(第2〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、特図A保留球格納エリア203aにおいてのデータシフトについて説明する。例えば、特図A保留球カウンタ203dの値が「4」であり、特図A保留球格納エリア203aの全保留エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203cへシフトされ、保留第1エリアが空き状態となると、他の保留エリア(第2〜第4)のデータがそれぞれ、エリア番号の1小さい保留エリア(第1〜第3)にシフトされる。
即ち、保留第2エリアのデータが、保留第1エリアへシフトされ、保留第3エリアのデータが、保留第2エリアへシフトされ、保留第4エリアのデータが、保留第3エリアへシフトされる。また、例えば、特図A保留球カウンタ203dの値が「2」であれば、保留第2エリアのデータのみが、保留第1エリアへシフトされ、以上でデータのシフトが終了する。なお、特図B保留球格納エリア203bにおいてのデータシフトは、特図A保留球格納エリア203aのデータシフトと同様になされるので、その説明は省略する。
上述したように、本実施の形態では、データが記憶(保留)されていない保留エリア(第2〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。なお、データの有無に関わらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さい保留エリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくできるので、ROM202の空き容量を増やすことができる。
また、本実施の形態では、特図A保留球格納エリア203a、および、特図B保留球格納エリア203bに記憶されているデータの数(保留数)を、特図A保留球カウンタ203d、および、特図B保留球カウンタ203eにより計数しており、第1入球口A64において新たな入賞が生じた場合には、特図A保留球カウンタ203dが示す値(特図A保留球数NA)に応じた保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)に、新たな入賞に対応するデータを記憶し、第1入球口B640において新たな入賞が生じた場合には、特図B保留球カウンタ203eが示す値(特図B保留球数NB)に応じた保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)に、新たな入賞に対応するデータを記憶している。
よって、特図A保留球格納エリア203a、および、特図B保留球格納エリア203bにおいて、新たな入賞に対応するデータが、保留エリアに記憶(保留)されているデータに上書きされることがないので、シフト元のエリアから、シフト先のエリアにデータをシフトさせた後に、シフト元のエリアのデータをクリアせずに、そのまま残すことができる。従って、データのシフト後に、シフト元のエリアのデータをクリアする場合と比較して、制御的負担を軽減することができる。なお、シフト元のエリアから、シフト先のエリアにデータをシフトさせた後に、シフト元のエリアのデータをクリアするように構成しても良い。
また、本実施の形態では、特図A保留球格納エリア203aの第1保留エリアと、特図B保留球格納エリア203bの第1保留エリアとの両方にデータが記憶されている場合には、特図B保留球格納エリア203bの第1保留エリアに記憶されているデータを優先的に(必ず優先させて)、保留球実行エリア203cへシフトしているが、入賞した時間が早いデータから順に、保留球実行エリア203cへデータをシフトするように構成しても良い。
また、本実施の形態では、第1入球口A64,B640への入賞に応じたデータを、特図A保留球格納エリア203aと、特図B保留球格納エリア203bとの2つのエリアに分けて記憶しているが、1つのエリア内(例えば、保留球格納エリアを設ける)に共に記憶する構成としても良い。この場合には、保留球格納エリア内に、保留エリアを8個設け、各保留エリアには、上述した第1当たり乱数カウンタ格納エリアと、第1当たり種別カウンタ格納エリアと、第1変動種別カウンタ格納エリアと、第2変動種別カウンタ格納エリアと、第3変動種別カウンタ格納エリアとに加え、さらに、始動口入賞情報格納エリアをそれぞれ設ける。
そして、一の保留エリアに第1入球口A64への入賞に応じたデータを記憶する場合には、その保留エリアの始動口入賞情報格納エリアに、データが第1入球口A64への入賞に基づくものであることを示す始動口入賞情報(例えば、ビット値「0」)を記憶する。一方、一の保留エリアに第1入球口B640への入賞に応じたデータを記憶した場合には、その保留エリアの始動口入賞情報格納エリアに、データが第1入球口B640への入賞に基づくものであることを示す始動口入賞情報(例えば、ビット値「1」)を記憶する。
これにより、第1入球口A64への入賞に応じたデータと、第1入球口B640への入賞に応じたデータとを区別して、保留球格納エリア内に共に記憶(保留)することができる。なお、保留球格納エリア内の各保留エリアに記憶されているデータを、保留球実行エリアにシフトさせる場合には、保留第1エリアの各格納エリア内のデータを、保留球実行エリア内の対応する各格納エリアへそれぞれシフトする。
また、このように構成した場合には、8つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第8エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第8)の小さいエリアから順にデータを記憶し、保留エリアに新たなデータが記憶される度に、各保留エリアに記憶されているデータの並び替えを行う。例えば、新たに記憶されたデータが第1入球口B640への入賞に基づくものであれば、よりエリア番号の小さいエリアへデータを繰り返しシフトする。なお、よりエリア番号の小さいエリアに、第1入球口B640への入賞に基づくデータが記憶されている場合には、シフトを終了する。これにより、第1入球口A64への入賞に基づくデータと、第1入球口B640への入賞に基づくデータとをそれぞれ記憶しておく場合に、エリア番号の小さいエリアほど、第1入球口B640への入賞に基づくデータであって、時間的に古い入賞に対応するデータを記憶できる。
次に、図10を参照して、変動演出(変動表示)が実行された場合に第3図柄表示装置81に表示される表示内容について説明する。図10は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図であり、表示画面がスクロールする場合における実際の画面及び有効ライン設定を示した模式図である。
上述した通り、第3図柄表示装置81は、後述する演出制御装置117によって表示内容が制御され、表示画面上には、上図柄列Z1、中図柄列Z2、及び下図柄列Z3の3つの図柄列が表示される。そして、各図柄列Z1,Z2,Z3はぞれぞれ3つの第3図柄によって構成されている。第3図柄は、「0」から「9」の数字に対応する10種類のキャラクタ図柄からなる10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された1種類の副図柄(本実施の形態では、貝の絵図柄)とにより構成されている。これらの主図柄及び副図柄は、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されることによって図柄列(仮想図柄リール)を構成している。なお、仮想図柄リールの詳細については、図12を参照して後述する。
本実施の形態のパチンコ機10では、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。「第1の確変大当たり(15R確変大当たり)」や、「第2の確変大当たり(2R確変大当たり)」に移行する場合は、奇数番号に対応する主図柄(「確変大当たり図柄(高確率図柄)」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、「通常大当たり(15R通常大当たり」に移行する場合は、偶数番号に対応する主図柄(「通常大当たり図柄(低確率図柄)」に相当)が揃う変動表示が行われる。
そして、図10に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面には、1列につき3つの第3図柄が表示される図柄列が、上・中・下の各段に1列ずつ表示される。そして、上・中・下の各段毎に、第3図柄(主図柄及び副図柄)が周期性をもって右から左(矢印X方向)へとスクロール(横スクロール)する変動表示が行われ、その後、上段、下段、中段の順に第3図柄が停止表示され、最終的に、計9個の第3図柄が停止表示される。
なお、上述した通り、上段には上図柄列Z1が表示され、中段には中図柄列Z2が表示され、下段には下図柄列Z3が表示される。そして、かかる横スクロールが行われる場合、上図柄列Z1においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び下図柄列Z3においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列される。
また、第3図柄表示装置81の表示画面には、5つの有効ラインが設定されている。具体的には、図10に示すように、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つのラインが有効ラインとして設定されている。そして、毎回の遊技に際して、横にスクロールする変動表示の停止時にいずれかの有効ライン上に、大当たり図柄の組み合わせ(本実施の形態では、同一の主図柄の組み合わせ)が揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。なお、変動表示が開始された後は、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止する。
次に、図11(a),(b)を参照して、第3図柄表示装置81に表示される「チャンス目(外れチャンス目、リーチチャンス目)」について説明する。図11(a)は、第3図柄表示装置81に表示される「外れチャンス目」の一例を示す模式図であり、図11(b)は、第3図柄表示装置81に表示される「リーチチャンス目」の一例を示す模式図である。
まず、「外れチャンス目」について説明する。上述した通り、「外れチャンス目」とは、図柄の組み合わせがリーチにはならない停止図柄であって、上・中・下の各図柄列Z1,Z2,Z3に同一の主図柄が1つずつ表示されて停止する停止図柄である。図11(a)では、上図柄列Z1の右ラインL3と、中図柄列Z2の左ラインL1と、下図柄列Z3の中ラインL2とに、それぞれ「カメ」の図柄が表示されているが、5つの有効ラインL1〜L5の何れでも、リーチは発生していない。
本実施の形態では、このように、図柄の組み合わせがリーチにはならず、単に、同一図柄(ここでは、「カメ」)が3つ表示されている停止図柄のことを「外れチャンス目」としている。なお、図11(a)に示す一例では、上・中・下の各図柄列Z1,Z2,Z3に表示されている同一図柄が「カメ」であるが、図柄が同じであれば、他の図柄(例えば、「サメ」や「タコ」など)でも良い。
なお、上述した図11(a)に示す「外れチャンス目」は一例であり、同一の主図柄の停止位置をこれに限定するものではない。例えば、上図柄列Z1の左ラインL1と、中図柄列Z2の右ラインL3と、下図柄列Z3の中ラインL2とに同一図柄表示される場合も「外れチャンス目」である。
次に、「リーチチャンス目」について説明する。上述した通り、「リーチチャンス目」とは、図柄の組み合わせがリーチにはなるが当たりとはならない停止図柄であって、中図柄列Z2の中央に、「ジュゴン」または「サメ」(「4」または「7」の数字に対応する主図柄)が表示されて停止する停止図柄である。図11(b)では、上図柄列Z1の左ラインL1と、下図柄列Z3の右ラインL3とにそれぞれ「エンゼルフィッシュ(以後、「Aフィッシュ」と称する)」の図柄が表示されて、中図柄列Z2の中ラインL2に「サメ」の図柄が表示されている。更に、上図柄列Z1の右ラインL3と、下図柄列Z3の左ラインL1とにそれぞれ「ジュゴン」が表示されている。
つまり、5つの有効ラインL1〜L5のうち、L4およびL5においてリーチが発生しているが、当たりとはなっておらず、中図柄列Z2の中ラインL2に「サメ」の図柄が表示されている。本実施の形態では、このように、図柄の組み合わせがリーチにはなるが当たりとはならず、中図柄列Z2の中ラインL2に、「ジュゴン」または「サメ」(「4」または「7」の数字に対応する主図柄)が表示されている停止図柄のことを「リーチチャンス目」としている。
なお、上述した図11(b)に示す「リーチチャンス目」は一例であり、リーチとなる主図柄の停止位置をこれに限定するものではない。例えば、上図柄列Z1の中ラインL2と、下図柄列Z3の中ラインL2とに同一の主図柄が表示されてリーチが発生し、当たりとはならず、中図柄列Z2の中ラインL2に、「ジュゴン」または「サメ」(「4」または「7」の数字に対応する主図柄)が表示される場合も「リーチチャンス目」である。
なお、本実施の形態では、第3図柄表示装置81に表示される停止図柄のパターンとして、上述した「外れチャンス目」、「リーチチャンス目」に加えて、確変大当たりを示す「確変大当たり図柄」や、通常大当たりを示す「通常大当たり図柄」や、前後外れリーチを示す「前後外れリーチ図柄」や、前後外れ以外リーチを示す「前後外れ以外リーチ図柄」や、完全外れを示す「完全外れ図柄」を設けている。そして、「完全外れ図柄」は、上述した「外れチャンス目」を含み、「前後外れリーチ図柄」および「前後外れ以外リーチ図柄」は、「リーチチャンス目」を含む。
ここで、図4に戻り説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、演出制御装置117、第1図柄表示装置37A、第1図柄表示装置37B、第2図柄表示部83、第2図柄保留ランプ84や、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続されている。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払い出し制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図28参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ(図示しない)により検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
演出制御装置117は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力設定、特図A保留ランプ85Aおよび特図B保留ランプ85Bにおけるランプの点灯数の設定、電飾部29〜33や表示ランプ34などにおけるランプの点灯および消灯の設定、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動演出(変動表示)や大当たり演出を制御するものである。これらの制御は、主制御装置110から送信されてくる各種コマンドに基づいて実行される。例えば、特図A保留ランプ85Aおよび特図B保留ランプ85Bにおけるにおけるランプの点灯や消灯に関する制御は、主制御装置110から送信されてくる保留数コマンドに基づいて実行される。
演出制御装置117は、MPU271と、画像コントローラ274と、キャラクタROM275と、ビデオRAM276と、入出力ポート277と、出力ポート278と、バスライン279,280とを有している。入出力ポート277には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン279を介してMPU271が接続されている。また、入出力ポート277には、主制御装置110、画像コントローラ274、音声出力装置226、特図A保留ランプ85A、特図B保留ランプ85B、電飾部29〜33、及び、表示ランプ34などがそれぞれ接続されている。
また、画像コントローラ274には、キャラクタROM275、ビデオRAM276がそれぞれ接続されると共に、バスライン280を介して出力ポート278が接続されている。出力ポート278の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの当選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、演出制御装置117は共通部品化されコスト低減が図られている。
また、本実施の形態では、音声出力の制御や、各種ランプの点灯および消灯の制御や、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動演出(変動表示)の制御を一括して演出制御装置117で行うよう構成しているが、各種制御を複数の制御装置で分担して行うように構成しても良い。例えば、音声出力の制御と、各種ランプの点灯および消灯の制御とを音声ランプ制御装置で行い、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動演出(変動表示)の制御を表示制御装置で行うように構成しても良い。
MPU271は、1チップマイコンとしての演算装置である。MPU271には、MPU271により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM272と、ワークメモリ等として使用されるRAM273などの各種回路とが内蔵されている。演出制御装置117のROM272は、仮想図柄リールメモリ272aと、最大変更可能期間メモリ272bとを有している。仮想図柄リールメモリ272aには、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄の配列を示す仮想図柄リールが、上・中・下の3つの各図柄列Z1,Z2,Z3ごとに格納されており、最大変更可能期間メモリ272bには、第3図柄表示装置81において実行開始された変動演出の停止図柄を、別の停止図柄に変更可能な最大の期間(以後、「最大変更可能期間」と称する)が格納されている。なお、第3図柄表示装置81において実行開始された変動演出の停止図柄を、別の停止図柄に変更可能な期間のことは、単に、変更可能期間と称する。
ここで、図12(a)〜(c)を参照して、演出制御装置117の仮想図柄リールメモリ272aについて説明する。図12(a)は、上図柄列Z1に対応する仮想図柄リールの一例を示す概略図であり、図12(b)は、中図柄列Z2に対応する仮想図柄リールの一例を示す概略図であり、図12(c)は、下図柄列Z3に対応する仮想図柄リールの一例を示す概略図である。
仮想図柄リールメモリ272aは、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄の配列を示す仮想図柄リールが、上・中・下の3つの各図柄列Z1,Z2,Z3ごとに格納されているメモリである。上述した通り、上・中・下の図柄列Z1,Z2,Z3に表示される第3図柄の配列は、各図柄列Z1,Z2,Z3ごとに定められていると共に、「0」から「9」の数字に対応する10種類のキャラクタ図柄からなる10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された1種類の副図柄(本実施の形態では、貝の絵図柄)とにより構成されている。なお、一の仮想図柄リールは、一の図柄列Z1,Z2,Z3における第3図柄の配列を示すものである。
図12(a)に示すように、上図柄列Z1の仮想図柄リールは、18個の第3図柄で構成されている。図柄の配列は、先頭から後方に向かって、「貝」,「カニ(9)」,「貝」,「Aフィッシュ(エンゼルフィッシュ)(8)」,・・・,「貝」,「タコ(1)」の順に配列されており、仮想図柄リールにおける配置を示す配列番号が、その図柄の配列順に1から18まで付されている。なお、最終の「タコ(1)」の図柄の次は、先頭の図柄に戻り、「貝」,「カニ(9)」,「貝」,・・・の順に繰り返し続くものとする。
なお、キャラクタ図柄の名称に添えて括弧で囲み記載した数字は、キャラクタ図柄に対応する数字を示しており、例えば、「カニ」の図柄は、数字の「9」に対応する図柄であることを示している。この上図柄列Z1の仮想図柄リールを構成する第3図柄のうち、3つの連続する第3図柄(主図柄および副図柄)が、上図柄列Z1として第3図柄表示装置81に表示される。
また、図12(c)に示すように、下図柄列Z3の仮想図柄リールは、18個の第3図柄で構成されている。図柄の配列は、上図柄列Z1の配列とは正反対であって、先頭から後方に向かって、「タコ(1)」,「貝」,「ハリセンボン(2)」,・・・,「カニ(9)」,「貝」の順に配列されている。そして、仮想図柄リールにおける配置を示す配列番号が、その配列順に1から18まで付されている。なお、最終の「貝」の図柄の次は、先頭の図柄に戻り、「タコ(1)」,「貝」,「ハリセンボン(2)」,・・・の順に繰り返し続くものとする。この下図柄列Z3の仮想図柄リールを構成する第3図柄のうち、3つの連続する第3図柄(主図柄および副図柄)が、下図柄列Z3として第3図柄表示装置81に表示される。
また、図12(b)に示すように、中図柄列Z2の仮想図柄リールは、20個の第3図柄で構成されており、図柄の配列は、下図柄列Z3の仮想図柄リールの配列の最後尾に「サメ(4)」,「貝」の2個の図柄を加えた配列となっている。そして、上図柄列Z1および下図柄列Z3の仮想図柄リールの場合と同様に、最終の「貝」の図柄の次は、先頭の図柄に戻り、「タコ(1)」,「貝」,「ハリセンボン(2)」,・・・の順に繰り返し続くものとし、配列番号も、配列の先頭から後方に向かって順に1から20まで付されている。この中図柄列Z2の仮想図柄リールを構成する第3図柄のうち、3つの連続する第3図柄(主図柄および副図柄)が、中図柄列Z2として第3図柄表示装置81に表示される。
次に、図13および図14を参照して、演出制御装置117の最大変更可能期間メモリ272bについて説明する。図13は、演出制御装置117の最大変更可能期間メモリ272bの内容の一例を模式的に示した模式図であり、図14は、変動演出の各変動パターンにおける変更可能期間の概略を示す概略図である。
最大変更可能期間メモリ272bは、第3図柄表示装置81において実行開始された変動演出の停止図柄を、別の停止図柄に変更可能な最大の期間(最大変更可能期間)が格納されているメモリである。図13に示すように、最大変更可能期間は、変動演出の変動パターン(外れ変動、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動、スペシャルリーチ変動)に関わらず、一律10秒が格納されている。なお、図13に示す変動パターンの中に、外れロング変動が無いのは、外れロング変動では、予め定められている停止図柄(「チャンス目」)が必ず表示されるので、停止図柄の変更がそもそも行われないからである。
本実施の形態のパチンコ機10では、通常の変動演出のパターン(図7参照)として、例えば、外れ変動(11秒間の演出)、外れロング変動(20秒間の演出)、ノーマルリーチ変動(20秒間の演出)、スーパーリーチ変動(40秒間の演出)、スペシャルリーチ変動(60秒間の演出)が設けられている。そして、変動演出の全体の時間は、変動演出の変動パターン毎に異なるが、第3図柄表示装置81に表示される上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3(図10参照)の中で、1つ目の上図柄列Z1が停止するまでの時間(9秒)と、2つ目の下図柄列Z3が停止するまでの時間(10秒)とはそれぞれ共通である。
例えば、図14に示すように、外れ変動(11秒間)が実行された場合は、実行開始後すぐに、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3(図10参照)がそれぞれ高速変動を開始する。その後、上図柄列Z1は、8秒後に中速変動、低速変動の順に切り替わり9秒後に停止し、下図柄列Z3は、上図柄列Z1が停止するのと同時(即ち、9秒後)に中速変動、低速変動の順に切り替わり10秒後に停止する。そして、中図柄列Z2は、下図柄列Z3が停止するのと同時(即ち、10秒後)に中速変動、低速変動の順に切り替わり11秒後に停止する。
よって、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3のうち、上図柄列Z1が高速変動から中速変動に切り替わった後や、中速変動から低速変動に切り替わった後でも、中・下の各図柄列Z2,Z3の中に、同一の主図柄(上図柄列Z1に入っている主図柄)が入るように第3図柄を差し替えれば(変更すれば)、変動演出中の停止図柄を「完全外れ図柄」から「外れチャンス目」に変更できる。即ち、外れ変動の開始後、上図柄列Z1が中速変動を開始した後(8秒後)でも、中図柄列Z2および下図柄列Z3が高速変動中なら(9秒未満)、中図柄列Z2および下図柄列Z3の第3図柄を差し替える(変更する)ことで、外れ変動の停止図柄を「外れチャンス目」に変更できる。
従って、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3全てが高速変動中である期間(8秒未満)に加え、上図柄列Z1が中速変動になってから下図柄列Z3が中速変動になる前までの期間(9秒未満)も、変動演出中の停止図柄を、別の停止図柄に変更可能な変更可能期間にすることができる。故に、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3全てが高速変動中である期間(8秒未満)だけを変更可能期間とする場合よりも、変更可能期間を長く確保できるので、その分、連続チャンス目演出を行う機会を増やすことができる。
更に、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3のうち、上・下の各図柄列Z1,Z3の中に同一の主図柄が入っている場合には、その同一の主図柄が、中図柄列Z2の中に入るように第3図柄を変更すれば良い。具体的には、外れ変動の開始後、上図柄列Z1が停止表示され、下図柄列Z3が高速変動から中速変動に切り替わった後や、中速変動から低速変動に切り替わった後でも、中図柄列Z2が高速変動中なら(10秒未満)、中図柄列Z2の第3図柄を差し替える(変更する)ことで、外れ変動の停止図柄を「外れチャンス目」に変更できる。
従って、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3全てが高速変動中である期間(8秒未満)に加え、上図柄列Z1が中速変動になってから中図柄列Z2が中速変動になる前までの期間(10秒未満)も、変動演出中の停止図柄を、別の停止図柄に変更可能な変更可能期間にすることができる。故に、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3のうち、上・下の各図柄列Z1,Z3の中に同一の主図柄が入っている場合には、変更可能期間を更に長く確保できるので、その分、連続チャンス目演出を行う機会を更に増やすことができる。
以上説明した通り、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3のうち、上・下の各図柄列Z1,Z3に含まれる主図柄の組み合わせによって、変更可能期間が9秒または10秒となる。本実施の形態では、最大値である10秒を最大変更可能期間として、最大変更可能期間メモリ272bに格納している。
なお、外れ変動(11秒間)に関わらず、各変動演出において、8秒から9秒までの1秒間は、1つ目の上図柄列Z1を高速変動から中速変動に切り替え、更に低速変動に切り替えて停止させるなどの制御処理を確実に実行させるために設けられたマージン期間である。また、同様に、9秒から10秒までの1秒間は2つ目の下図柄列Z3を、高速変動から中速変動に切り替え、更に低速変動に切り替えて停止させるなどの制御処理を確実に実行させるために設けられたマージン期間である。なお、外れ変動の場合には、10秒から11秒までの1秒間は3つ目の中図柄列Z2を、高速変動から中速変動に切り替え、更に低速変動に切り替えて停止させるなどの制御処理を確実に実行させるために設けられたマージン期間である。
また、ここでは、一例として外れ変動における変更可能期間について説明したが、他の変動パターンについても変更可能期間は同様となる。具体的には、図14に示すように、ノーマルリーチ変動(20秒間)が実行された場合は、外れ変動の場合と同様に、実行開始後すぐに、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3がそれぞれ高速変動を開始し、上図柄列Z1は、8秒後に中速変動、低速変動の順に切り替わり9秒後に停止し、下図柄列Z3は、上図柄列Z1が停止するのと同時(即ち、9秒後)に中速変動、低速変動の順に切り替わり10秒後に停止する。そして、中図柄列Z2は、下図柄列Z3が停止するのと同時(即ち、10秒後)に中速変動、低速変動の順に切り替わる。その後は、中図柄列Z2の低速変動が10秒間続いてから停止表示となる。
また、スーパーリーチ変動(40秒間)が実行された場合も、外れ変動の場合と同様に、実行開始後すぐに、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3がそれぞれ高速変動を開始し、上図柄列Z1は、8秒後に中速変動、低速変動の順に切り替わり9秒後に停止し、下図柄列Z3は、上図柄列Z1が停止するのと同時(即ち、9秒後)に中速変動、低速変動の順に切り替わり10秒後に停止する。そして、中図柄列Z2は、下図柄列Z3が停止するのと同時(即ち、10秒後)に中速変動、低速変動の順に切り替わる。その後は、中図柄列Z2の低速変動が30秒間続いてから停止表示となる。
また、スペシャルリーチ変動(60秒間)が実行された場合も、外れ変動の場合と同様に、実行開始後すぐに、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3がそれぞれ高速変動を開始し、上図柄列Z1は、8秒後に中速変動、低速変動の順に切り替わり9秒後に停止し、下図柄列Z3は、上図柄列Z1が停止するのと同時(即ち、9秒後)に中速変動、低速変動の順に切り替わり10秒後に停止する。そして、中図柄列Z2は、下図柄列Z3が停止するのと同時(即ち、10秒後)に中速変動、低速変動の順に切り替わる。その後は、中図柄列Z2の低速変動が50秒間続いてから停止表示となる。
つまり、本実施の形態では、変動演出の変動パターンに関係なく、第3図柄表示装置81に表示される上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3(図10参照)の中で、1つ目の上図柄列Z1が停止するまでの時間は共通(9秒)となり、更に、2つ目の下図柄列Z3が停止するまでの時間も共通(10秒)となる。よって、変動演出の変動パターンに関わらず、変更可能期間は一律となり、最大変更可能期間も一律10秒となる。
なお、本実施の形態では、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3の第3図柄を差し替える場合には、高速変動中の図柄列Z1〜Z3の第3図柄だけを差し替えるように構成している。これは、図柄列Z1〜Z3が高速変動している間は、一般的に、第3図柄のスクロール速度が速く、図柄列Z1〜Z3を構成する第3図柄を遊技者が認識できないため(又は、認識困難であるため)、図柄列Z1〜Z3を構成する第3図柄の差し替えを、遊技者に気づかせずに行うことができるからである。
一方、図柄列Z1〜Z3が中速変動または低速変動している場合は、一般的に、第3図柄のスクロール速度が遅く、図柄列Z1〜Z3を構成する第3図柄を遊技者が認識できる。よって、図柄列Z1〜Z3を構成する第3図柄の差し替えを行うと、その変更が遊技者に認識されてしまうので、遊技者にとって不自然な変動演出が実行されてしまう。また、図柄列Z1〜Z3が停止表示されている場合も、図柄列Z1〜Z3を構成する第3図柄の差し替えを行うと、その変更が遊技者に認識されてしまうので、遊技者にとって不自然な表示になってしまい、その結果、遊技者に違和感を感じさせてしまう。よって、高速変動中の図柄列Z1〜Z3の第3図柄だけを差し替えることにより、遊技者にとって不自然な変動演出が実行されることを防止できるので、遊技者に違和感を感じさせずに停止図柄を変更できる。従って、変動演出の価値を向上させることができ、連続チャンス目演出の価値を高めることができる。なお、高速変動中の図柄列Z1〜Z3の第3図柄だけを差し替える構成に代えて、高速変動中または中速変動中の図柄列Z1〜Z3の第3図柄だけを差し替えるように構成しても良いし、中速変動中の図柄列Z1〜Z3の第3図柄だけを差し替えるように構成しても良い。
また、上述した例では、変動演出中の停止図柄を「外れチャンス目」に変更しているが、変更する図柄はこれに限らず、どのような図柄に変更しても良い。例えば、変動演出中の停止図柄が、偶然にも「外れチャンス目」に設定されている場合には、少なくとも中図柄列Z2の第3図柄を差し替える(変更する)ことで、停止図柄を「完全外れ図柄」に変更できる。上述した通り、本実施の形態では、連続チャンス目演出が実行されると、停止図柄を「チャンス目」とする変動演出が1回または複数回連続で実行され、その後、変動演出としてリーチ変動が実行され大当たりの抽選結果を示す停止図柄が表示される。
よって、遊技者は、「チャンス目」が表示されると、有利な遊技状態への期待感を向上させるが、連続チャンス目演出が実行されるわけでも無く、変動演出の停止図柄として「チャンス目」が偶然に選択され表示されると、遊技者は、有利な遊技状態への期待感を向上させることができないので、遊技者の期待感を損なうだけでなく、物足りなさや不満を遊技者に感じさせてしまう。
特に、偶然の「チャンス目」の表示が頻繁に行われると、物足りなさや不満を繰り返し遊技者に感じさせてしまうため、最終的には、遊技者の連続チャンス目演出に対する関心が薄れてしまい、その結果、連続チャンス目演出の価値が低下してしまう。詳細については後述するが(図35参照)、本実施の形態では、連続チャンス目演出が実行されるわけでも無く、変動演出の停止図柄として「チャンス目」が偶然に選択された場合には、その停止図柄を「チャンス目」以外の外れ図柄に変更するように構成している。よって、連続チャンス目演出が実行される場合にだけ、「チャンス目」が表示されるので、「チャンス目」が表示された場合には、連続チャンス目演出が実行されていることを遊技者が容易に認識できる。また、「チャンス目」が表示される場合に、連続チャンス目演出が実行されることを遊技者に印象づけることもできる。従って、遊技者は有利な遊技状態への期待感を向上させることができるので、遊技者の関心を引きつけることができ、連続チャンス目演出の価値を高めることができる。
また、上述した例では、外れ変動が実行されている場合の停止図柄の変更について説明したが、リーチ変動が実行されている場合であれば、少なくとも中図柄列Z2の第3図柄を差し替える(変更する)ことで、停止図柄を「前後外れリーチ図柄」から「リーチチャンス目」に変更できる。以下同様に、停止図柄を「前後外れ以外リーチ図柄」から「リーチチャンス目」に変更、停止図柄を「リーチチャンス目」から「前後外れリーチ図柄」に変更、又は、停止図柄を「リーチチャンス目」から「前後外れ以外リーチ図柄」に変更できる。なお、変更する図柄はこれに限らず、どのような図柄に変更しても良い。
なお、本実施の形態では、変動演出のパターンに関わらず、最大変更可能期間を全て同一時間(10秒)としているが、変動演出のパターン毎に、それぞれ変更可能期間を変化させても良い。例えば、変動演出のパターン毎に、変動開始してから上図柄列Z1が高速変動から中速変動に切り替わるまでの時間を変化させたり、下図柄列Z3が高速変動から中速変動に切り替わるまでの時間を変化させて、変動演出のパターン毎に、それぞれ変更可能期間を変化させても良い。
また、上述した通り、本実施の形態では、各図柄列Z1〜Z3を高速変動から中速変動に切り替え、更に低速変動に切り替えて停止させるなどの制御処理を確実に実行させるために設けられたマージン期間がある。そこで、制御処理の内容によっては(例えば、制御的負担が少ない場合には)、そのマージン期間を短くして、その分、制御処理の開始を遅らせることができる。従って、そのような場合には、変更可能期間を長く確保できるので、最大変更可能期間を10秒から11秒に近づけても良い。これにより、最大変更可能期間を長く確保できるので、連続チャンス目演出を行う機会をさらに増やすことができる。
また、本実施の形態では、上図柄列Z1が停止表示されるタイミング(例えば、9秒後)と、下図柄列Z3の停止表示が開始されるタイミング(例えば、9秒後)とを同一としているが、同一とする必要は無く任意に設定すれば良い。例えば、上図柄列Z1が停止表示されるタイミングよりも、下図柄列Z3の停止表示が開始されるタイミングを速くしても良いし、上図柄列Z1が停止表示されるタイミングよりも、下図柄列Z3の停止表示が開始されるタイミングを遅くしても良い。また、下図柄列Z3が停止表示されるタイミング(例えば、10秒後)と、中図柄列Z2の停止表示が開始されるタイミング(例えば、10秒後)とについても同様であり、タイミングを同一とする必要は無く任意に設定すれば良い。
ここで、図4に戻り説明を続ける。演出制御装置117のRAM273は、MPU271の内部レジスタの内容やMPU271により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。更に、RAM273は、各種のメモリ、フラグ、カウンタや、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。詳細については後述するが、演出制御装置117のコマンド判定処理(図38参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
ここで、図15を参照して、演出制御装置117のRAM273について説明する。図15は、演出制御装置117のRAM273の内容の一例を示す概略図である。演出制御装置117のRAM273は、特図A停止図柄指示格納エリア273aと、特図B停止図柄指示格納エリア273bと、停止図柄指示実行エリア273cと、特図A保留球カウンタ273dと、特図B保留球カウンタ273eと、変動時間メモリ273fと、変動時間カウンタ273gと、変動開始フラグ273hと、停止図柄変更可能期間フラグ273iと、停止図柄設定済フラグ273jと、停止図柄パターンテーブルメモリ273kと、表示図柄パターンメモリ273lとを有している。
特図A停止図柄指示格納エリア273aは、第1入球口A64への入賞(入球)に応じて実行される各変動演出について個別に、その変動演出が実行された場合に設定すべき停止図柄を示す設定値と、その変動演出が実行された場合の変動時間とを記憶するためのメモリである。
この特図A停止図柄指示格納エリア273aには、第1入球口A64への入賞(入球)に応じて実行される変動演出についての設定値および変動時間が、最大4回分まで記憶(保留)される。なお、この特図A停止図柄指示格納エリア273aの具体的構成については、図16を参照しつつ後述する。
特図B停止図柄指示格納エリア273bは、第1入球口B640への入賞(入球)に応じて実行される各変動演出について個別に、その変動演出が実行された場合に設定すべき停止図柄を示す設定値と、その変動演出が実行された場合の変動時間とを記憶するためのメモリである。
この特図B停止図柄指示格納エリア273bには、特図A停止図柄指示格納エリア273aと同様に、第1入球口B640への入賞(入球)に応じて実行される変動演出についての設定値および変動時間が、最大4回分まで記憶(保留)される。なお、この特図B停止図柄指示格納エリア273bの具体的構成についても、図16を参照しつつ後述する。
停止図柄指示実行エリア273cは、実行中または実行開始される変動演出についての設定値および変動時間と、実行中または実行開始される変動演出が第1入球口A64への入賞に基づくものであるか、第1入球口B640への入賞に基づくものであるかを示す始動口入賞情報(ビット値「0」またはビット値「1」)とが記憶されるメモリである。
第3図柄表示装置81において変動演出が新たに実行される場合には、上述した特図A停止図柄指示格納エリア273aおよび特図B停止図柄指示格納エリア273bに記憶されているデータ(設定値および変動時間)のうち、一方のエリアに記憶されている一の変動演出についてのデータが、この停止図柄指示実行エリア273cにシフトされてくる。なお、この停止図柄指示実行エリア273cの具体的構成については、図16を参照しつつ後述する。
特図A保留球カウンタ273dは、第1入球口A64についての入賞の保留回数、即ち、特図A保留球数NAを計数するカウンタであり、特図B保留球カウンタ273eは、第1入球口B640についての入賞の保留回数、即ち、特図B保留球数NBを計数するカウンタである。また、これらの特図A,B保留球カウンタ273d,273eは、主制御装置110における特図A,B保留球カウンタ203d,203eと同様に、いずれも最大値が「4」であり、RAMの初期設定(図31のS1013参照)時に「0」に初期化される。
この特図A,B保留球カウンタ273d,273eは、主制御装置110から送信されてくる入賞情報コマンドを受信した場合、又は、変動演出が新たに実行開始される場合に、そのカウンタ値が更新される。より具体的には、入賞情報コマンドを受信した場合に、その入賞情報コマンドが第1入球口A64への入賞に基づくものであれば、特図A保留球カウンタ273dに1が加算され、その入賞情報コマンドが第1入球口B640への入賞に基づくものであれば、特図B保留球カウンタ273eに1が加算される。そして、第1入球口A64についての変動演出が新たに開始される場合には、特図A保留球カウンタ273dの値が1減算され、第1入球口B640についての変動演出が新たに開始される場合には、特図B保留球カウンタ273eの値が1減算される。なお、本実施の形態では、入賞情報コマンドを受信した場合に、特図A,B保留球カウンタ273d,273eに1を加算するように構成しているが、主制御装置110から送信される保留数コマンドを受信した場合に、特図A,B保留球カウンタ273d,273eの各値を、保留数コマンドが示す各カウンタ値に設定(上書き)するように構成しても良い。
ここで、図16(a),(b)を参照して、演出制御装置117のRAM273内に設けられている特図A,B停止図柄指示格納エリア273a,273bや、停止図柄指示実行エリア273c等について説明する。図16(a)は、特図A,B停止図柄指示格納エリア273a,273bと、停止図柄指示実行エリア273cとの構成を模式的に示した模式図であり、図16(b)は、特図A保留球カウンタ273dおよび特図B保留球カウンタ273eの内容を模式的に示した模式図である。
まず、特図A,B停止図柄指示格納エリア273a,273bについて説明する。上述した通り、特図A停止図柄指示格納エリア273aは、第1入球口A64への入賞(入球)に応じて実行される各変動演出について個別に、その変動演出が実行された場合に設定すべき停止図柄を示す設定値と、その変動演出が実行された場合の変動時間とを記憶するためのメモリである。
また、特図B停止図柄指示格納エリア273bは、第1入球口B640への入賞(入球)に応じて実行される各変動演出について個別に、その変動演出が実行された場合に設定すべき停止図柄を示す設定値と、その変動演出が実行された場合の変動時間とを記憶するためのメモリである。
図16(a)に示す通り、特図A停止図柄指示格納エリア273aは、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)で構成されている。この特図A停止図柄指示格納エリア273aの4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)にはそれぞれ、設定値格納エリア273a1と、変動時間格納エリア273a2とが設けられている。また、特図B停止図柄指示格納エリア273bも同様に、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)で構成されており、その4つの保留エリアにはそれぞれ、設定値格納エリア273b1と、変動時間格納エリア273b2とが設けられている。
なお、本実施の形態では、特図A停止図柄指示格納エリア273aや特図B停止図柄指示格納エリア273bの中に、設定値格納エリア273a1,273b1と、変動時間格納エリア273a2,273b2とを設けているが、2つの各エリア273a1,273a2,273b1,273b2が必ず特図A停止図柄指示格納エリア273aや、特図B停止図柄指示格納エリア273bの中に設けられている必要はない。例えば、特図A停止図柄指示格納エリア273aや特図B停止図柄指示格納エリア273bとは別に、新たな格納エリアを設けておき、2つの各エリア273a1,273a2,273b1,273b2のうち、一部を特図A停止図柄指示格納エリア273aや特図B停止図柄指示格納エリア273bの中に設け、残りを新たな格納エリアの中に設けても良い。
また、詳細は図39を参照しつつ後述するが、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドに含まれている抽選結果、変動時間、および、始動口入賞情報が抽出される。そして、その始動口入賞情報に基づいて、その抽選結果および変動時間が、第1入球口A64への入賞に基づくものであるのか、第1入球口B640への入賞に基づくものであるのかが判定され、判定の結果、第1入球口A64への入賞に基づくものであれば、抽出された抽選結果および変動時間が、特図A停止図柄指示格納エリア273aの4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の最も小さいエリアに記憶される。また、第1入球口B640への入賞に基づくものであれば、抽出された抽選結果および変動時間が、特図B停止図柄指示格納エリア273bの4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の最も小さいエリアに記憶される。
上述した通り、特図A停止図柄指示格納エリア273aには、第1入球口A64への入賞に応じて実行される変動演出についてのデータ(設定値および変動時間)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶されることになる。
また、特図B停止図柄指示格納エリア273bには、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出についてのデータ(設定値および変動時間)が最大4回分まで記憶されるが、その場合も同様に、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶されることになる。
次に、停止図柄指示実行エリア273cについて説明する。上述した通り、停止図柄指示実行エリア273cは、実行中または実行開始する変動演出についてのデータ(設定値および変動時間)と、実行中または実行開始する変動演出が第1入球口A64への入賞に基づくものであるか、第1入球口B640への入賞に基づくものであるかを示す始動口入賞情報(ビット値「0」またはビット値「1」)とが記憶されるメモリである。停止図柄指示実行エリア273cに記憶されるデータは、変動演出の停止図柄を設定する場合に参照される。
図16(a)に示すように、停止図柄指示実行エリア273cは、一のエリアのみで構成されており、設定値格納エリア273c1と、変動時間格納エリア273c2と、始動口入賞情報格納エリア273c3とが設けられている。
なお、詳細は図45を参照しつつ後述するが、第3図柄表示装置81において変動演出が新たに開始される場合には、上述した特図A停止図柄指示格納エリア273aの保留第1エリア、および、特図B停止図柄指示格納エリア273bの保留第1エリアのうち、一方のエリアに記憶されているデータ(設定値および変動時間)が、停止図柄指示実行エリア273cの各エリア273c1,273c2にそれぞれシフトされる。
より具体的には、特図A停止図柄指示格納エリア273aの保留第1エリアから、停止図柄指示実行エリア273cへデータがシフトされる場合には、保留第1エリアの設定値格納エリア273a1の設定値が、停止図柄指示実行エリア273cの設定値格納エリア273c1へシフトされる。同様に、変動時間格納エリア273a2の変動時間が、変動時間格納エリア273c2へシフトされる。そして、停止図柄指示実行エリア273cに記憶されるデータが、第1入球口A64への入賞に基づくものであることを示す始動口入賞情報(例えば、ビット値「0」)が、始動口入賞情報格納エリア273c3に記憶される。
一方、特図B停止図柄指示格納エリア273bの保留第1エリアから、停止図柄指示実行エリア273cへデータがシフトされる場合には、保留第1エリアの設定値格納エリア273b1の設定値が、停止図柄指示実行エリア273cの設定値格納エリア273c1へシフトされる。同様に、変動時間格納エリア273b2の変動時間が、変動時間格納エリア273c2へシフトされる。そして、停止図柄指示実行エリア273cに記憶されるデータが、第1入球口B640への入賞に基づくものであることを示す始動口入賞情報(例えば、ビット値「1」)が、始動口入賞情報格納エリア273c3に記憶される。
なお、データのシフトは、後述する停止図柄指示格納エリア順送り処理(図46参照)により実行されるが、特図A停止図柄指示格納エリア273a、および、特図B停止図柄指示格納エリア273bの両方の保留第1エリアにデータが記憶されている場合には、特図B停止図柄指示格納エリア273bに記憶されているデータが必ず優先されて(優先的に)、停止図柄指示実行エリア273cへシフトされる。
これは、上述した通り、主制御装置110において、遊技価値の有利度の高い抽選が優先的に行われるためであり、第1入球口A64への入賞(入球)に応じて実行される変動演出と、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出とが共に保留されている場合には、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出が優先的に実行されるためである。
そして、停止図柄指示実行エリア273cにシフトされたデータは、停止図柄設定処理(図47参照)において参照され、その参照データに基づいて変動演出の停止図柄が設定されることになる。
上述したように、本実施の形態のパチンコ機10によれば、第1入球口A64への入賞に応じて実行される変動演出についてのデータ(設定値および変動時間)と、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出についてのデータとが区別されて、特図A停止図柄指示格納エリア273a、または、特図B停止図柄指示格納エリア273bに記憶(保留)される。よって、特図A停止図柄指示格納エリア273aから、または、特図B停止図柄指示格納エリア273bから、停止図柄指示実行エリア273cにデータをシフトした場合に、シフトしたデータが第1入球口A64への入賞に基づくものか、第1入球口B640への入賞に基づくものかを示す始動口入賞情報(ビット値「0」またはビット値「1」)を停止図柄指示実行エリア273cに記憶させることができる。
従って、連続チャンス目演出を開始するかを判定する処理(連続演出開始判定処理(図40参照))を実行する場合に、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留数に基づいて、連続チャンス目演出を開始可能かを判定できる。
そして、停止図柄指示実行エリア273cへのデータのシフトが終了すると、特図A停止図柄指示格納エリア273aの保留第1エリア、および、特図B停止図柄指示格納エリア273bの保留第1エリアのうち、一方のエリアが空き状態となるため、後述する停止図柄指示格納エリア順送り処理(図46参照)により、特図A停止図柄指示格納エリア273a、または、特図B停止図柄指示格納エリア273bの各保留エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理が行われる。なお、本実施の形態では、特図A停止図柄指示格納エリア273a、または、特図B停止図柄指示格納エリア273bにおいて、データが記憶(保留)されている保留エリア(第2〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、特図A停止図柄指示格納エリア273aにおいてのデータシフトについて説明する。例えば、特図A保留球カウンタ273dの値が「4」であり、特図A停止図柄指示格納エリア273aの全保留エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、保留第1エリアのデータが、停止図柄指示実行エリア273cへシフトされ、保留第1エリアが空き状態となると、他の保留エリア(第2〜第4)のデータがそれぞれ、エリア番号の1小さい保留エリア(第1〜第3)にシフトされる。
即ち、保留第2エリアのデータが、保留第1エリアへシフトされ、保留第3エリアのデータが、保留第2エリアへシフトされ、保留第4エリアのデータが、保留第3エリアへシフトされる。また、例えば、図16(b)に示すように、特図A保留球カウンタ273dの値が「2」であれば、保留第2エリアのデータのみが、保留第1エリアへシフトされ、以上でデータのシフトが終了する。なお、特図B停止図柄指示格納エリア273bにおいてのデータシフトは、特図A停止図柄指示格納エリア273aのデータシフトと同様になされるので、その説明は省略する。
上述したように、本実施の形態では、データが記憶(保留)されていない保留エリア(第2〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。なお、データの有無に関わらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さい保留エリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくできるので、ROM272の空き容量を増やすことができる。
また、本実施の形態では、特図A停止図柄指示格納エリア273a、および、特図B停止図柄指示格納エリア273bに記憶されているデータの数(保留数)を、特図A保留球カウンタ273d、および、特図B保留球カウンタ273eにより計数している。そして、主制御装置110から送信されてくる入賞情報コマンドを受信した場合に、その入賞情報コマンドが第1入球口A64への入賞に基づくものであれば、その入賞情報コマンドに対応する設定値および変動時間を、特図A停止図柄指示格納エリア273aの中で、特図A保留球カウンタ273dが示す値(特図A保留球数NA)に応じた保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)に記憶している。一方、その入賞情報コマンドが第1入球口B640への入賞に基づくものであれば、その入賞情報コマンドに対応する設定値および変動時間を、特図B停止図柄指示格納エリア273bの中で、特図B保留球カウンタ273eが示す値(特図B保留球数NB)に応じた保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)に記憶している。
よって、特図A停止図柄指示格納エリア273a、および、特図B停止図柄指示格納エリア273bにおいて、新たな入賞に応じて実行される変動演出についてのデータ(設定値および変動時間)が、保留エリアに記憶(保留)されているデータに上書きされることがないので、シフト元のエリアから、シフト先のエリアにデータをシフトさせた後に、シフト元のエリアのデータをクリアせずに、そのまま残すことができる。従って、データのシフト後に、シフト元のエリアのデータをクリアする場合と比較して、制御的負担を軽減することができる。なお、シフト元のエリアから、シフト先のエリアにデータをシフトさせた後に、シフト元のエリアのデータをクリアするように構成しても良い。
また、本実施の形態では、特図A停止図柄指示格納エリア273aの第1保留エリアと、特図B停止図柄指示格納エリア273bの第1保留エリアとの両方にデータが記憶されている場合には、特図B停止図柄指示格納エリア273bの第1保留エリアに記憶されているデータを優先的に(必ず優先させて)、停止図柄指示実行エリア273cへシフトしているが、入賞した時間が早いデータから順に、停止図柄指示実行エリア273cへデータをシフトするように構成しても良い。
また、本実施の形態では、第1入球口A64,B640への入賞に応じて実行される変動演出についてのデータ(設定値および変動時間)を、特図A停止図柄指示格納エリア273aと、特図B停止図柄指示格納エリア273bとの2つのエリアに分けて記憶しているが、1つのエリア内(例えば、停止図柄指示格納エリアを設ける)に共に記憶する構成としても良い。この場合には、停止図柄指示格納エリア内に、保留エリアを8個設け、各保留エリアには、上述した設定値格納エリアと、変動時間格納エリアとに加え、さらに、始動口入賞情報格納エリアを設ける。
そして、第1入球口A64への入賞に応じて実行される変動演出についてのデータ(設定値および変動時間)を一の保留エリアに記憶した場合には、その保留エリアの始動口入賞情報格納エリアに、データが第1入球口A64への入賞に基づくものであることを示す始動口入賞情報(例えば、ビット値「0」)を記憶する。一方、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出についてのデータを記憶した場合には、その保留エリアの始動口入賞情報格納エリアに、データが第1入球口B640への入賞に基づくものであることを示す始動口入賞情報(例えば、ビット値「1」)を記憶する。
これにより、第1入球口A64への入賞に応じて実行される変動演出についてのデータと、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出についてのデータとを区別して、停止図柄指示格納エリア内に共に記憶(保留)することができる。なお、停止図柄指示格納エリア内の各保留エリアに記憶されているデータを、停止図柄指示実行エリアにシフトさせる場合には、一の保留エリアの各格納エリア内のデータを、停止図柄指示実行エリア内の対応する各格納エリアへそれぞれシフトする。
また、このように構成した場合には、8つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第8エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第8)の小さいエリアから順にデータを記憶し、保留エリアに新たなデータが記憶される度に、各保留エリアに記憶されているデータの並び替えを行う。例えば、新たに記憶されたデータが第1入球口B640への入賞に基づくものであれば、よりエリア番号の小さいエリアへデータを繰り返しシフトする。なお、よりエリア番号の小さいエリアに、第1入球口B640への入賞に基づくデータが記憶されている場合には、シフトを終了する。これにより、第1入球口A64への入賞に基づくデータと、第1入球口B640への入賞に基づくデータとをそれぞれ記憶しておく場合に、エリア番号の小さいエリアほど、第1入球口B640への入賞に基づくデータであって、時間的に古い入賞に対応するデータを記憶できる。
ここで、図17(a)〜(c)を参照して、特図A,B停止図柄指示格納エリア273a,273bや停止図柄指示実行エリア273cに記憶される設定値について説明する。なお、本実施の形態では、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出が優先的に実行されるように構成されているので、ここでは、その優先的に実行される変動演出についてのデータ(設定値および変動時間)が記憶される特図B停止図柄指示格納エリア273bについて説明する。なお、特図A停止図柄指示格納エリア273aについての説明は、特図B停止図柄指示格納エリア273bについての説明と同様になるので省略する。
図17(a)は、特図B停止図柄指示格納エリア273bの内容の一例を示す概略図であり、図17(b)は、主に特図B停止図柄指示格納エリア273bに記憶される設定値と、停止図柄との関係の一例を示す概略図であり、図17(c)は、主制御装置110から送信されてくる入賞情報コマンド(抽選結果)と、そのコマンドに応じて設定される設定値との一例を示す概略図である。
上述した通り、特図B停止図柄指示格納エリア273bは、4つの保留エリア(保留第1〜保留第4)で構成されており、各保留エリアにはそれぞれ、設定値格納エリア273b1と、変動時間格納エリア273b2とが設けられている。
例えば、図17(a)に示すように、特図B停止図柄指示格納エリア273bの保留第1エリアには設定値として「チャンス目」が記憶されている。以後、設定値であることを明確にするために、設定値を示す場合には、各設定値の前に、“設定値:”を記載する。例えば、設定値が「チャンス目」の場合には、「設定値:チャンス目」と記載する。さらに、その保留第1エリアには変動時間として「10秒」が記憶されている。なお、上述した通り、変動時間が「10秒」となる変動演出のパターンとしては、外れ変動が該当する。
以下同様に、保留第2エリアには「設定値:チャンス目」および「11.5秒」が記憶され、保留第3エリアには「設定値:確変大当たり」および「60秒」が記憶され、保留第4エリアには何も記憶されていない。なお、上述した通り、変動時間が「11.5秒」となる変動演出のパターンとしては、外れ変動が該当し、変動時間が「60秒」となる変動演出のパターンとしては、スペシャルリーチ変動が該当する。
次に、特図B停止図柄指示格納エリア273bに記憶される設定値と、変動演出が実行された場合に表示される停止図柄との関係について説明する。図17(b)は、主に特図B停止図柄指示格納エリア273bに記憶される設定値と、停止図柄との関係の一例を示す概略図である。図17(b)に示す通り、本実施の形態では、設定値が4種類設けられている。具体的には、設定値として、「設定値:外れ」、「設定値:チャンス目」、「設定値:確変大当たり」、「設定値:通常大当たり」とが設けられている。
上述した通り、新たに変動演出が実行される場合には、保留第1エリアに記憶されているデータ(設定値および変動時間)が、停止図柄指示実行エリア273cへシフトされる。そして、シフトされてきた設定値に基づいて、変動演出の停止図柄が設定される。詳細については、図47を参照しつつ後述するが、例えば、シフトされてきた設定値が「設定値:外れ」の場合には、新たに変動演出が実行されると、「完全外れ図柄」、「前後外れリーチ図柄」、および、「前後外れ以外リーチ図柄」となる停止図柄のうち、何れか一つが表示される。なお、「完全外れ図柄」の中には、上述した「外れチャンス目」が含まれており、「前後外れリーチ図柄」および「前後外れ以外リーチ図柄」の中には、上述した「リーチチャンス目」が含まれている。
また、シフトされてきた設定値が「設定値:チャンス目」の場合には、新たに変動演出が実行されると、「外れチャンス目」および「リーチチャンス目」となる停止図柄のうち、何れか一つが表示される。また、シフトされてきた設定値が「設定値:確変大当たり」の場合には、新たに変動演出が実行されると、「確変大当たり図柄」となる停止図柄が表示され、シフトされてきた設定値が「設定値:通常大当たり」の場合には、新たに変動演出が実行されると、「通常大当たり図柄」となる停止図柄が表示される。
本実施の形態では、連続チャンス目演出が実行される場合には、実行中の変動演出を除き、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分だけが使用されて、連続チャンス目演出が行われる。また、実行中の変動演出についてのデータ(設定値および変動時間)は、停止図柄指示実行エリア273cに記憶される。
よって、「設定値:チャンス目」は、特図B停止図柄指示格納エリア273b、又は、停止図柄指示実行エリア273cに限って記憶されることになり、特図A停止図柄指示格納エリア273aには、「設定値:外れ」、「設定値:確変大当たり」、及び、「設定値:通常大当たり」の3つの設定値のうち、何れか一つが記憶されることになる。
次に、特図A,B停止図柄指示格納エリア273a,273bに新たな設定値が記憶されるタイミングについて説明する。図17(c)は、主制御装置110から送信されてくる入賞情報コマンド(抽選結果)と、そのコマンドが示す抽選結果に応じた設定値との一例を示す概略図である。
上述した通り、演出制御装置117では、主制御装置110により送信されてくる入賞情報コマンド(抽選結果など)が受信されると、その受信した入賞情報コマンドに対応する設定値および変動時間が、特図A停止図柄指示格納エリア273a、または、特図B停止図柄指示格納エリア273bに新たに記憶される。なお、その場合には、4つの保留エリア(第1〜第4保留エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号の小さい順番に設定値が記憶される。
そして、図17(c)に示す通り、受信した入賞情報コマンドに含まれている抽選結果が「外れ」であれば、入賞情報コマンドに対応する設定値として「設定値:外れ」が特図A,B停止図柄指示格納エリア273a,273bに記憶される。以下同様に、受信した入賞情報コマンドに含まれている抽選結果が「確変大当たり」であれば、入賞情報コマンドに対応する設定値として「設定値:確変大当たり」が、受信した入賞情報コマンドに含まれている抽選結果が「通常大当たり」であれば、入賞情報コマンドに対応する設定値として「設定値:通常大当たり」が、特図A,B停止図柄指示格納エリア273a,273bに記憶される。
なお、詳細については後述するが、受信した入賞情報コマンド(抽選結果)に対応する設定値、変動時間、および、始動口入賞情報が、特図A,B停止図柄指示格納エリア273a,273bに記憶されると、特図B停止図柄指示格納エリア273bに記憶されている設定値および変動時間の内容に応じて、特図B停止図柄指示格納エリア273bの内容が更新される(図41、図43、図44参照)。この更新が行われると、例えば、特図B停止図柄指示格納エリア273bに記憶されている「設定値:外れ」が、「設定値:チャンス目」に変更される。
ここで、図15の説明に戻る。変動時間メモリ273fは、第3図柄表示装置81において実行すべき変動演出の変動時間が記憶されるメモリである。主制御装置110から送信されてくる変動パターンコマンドおよび演出時間加算コマンドが受信されると、変動時間メモリ273fに変動時間が記憶される(図38のS1604参照)。
なお、変動パターンコマンドは、実行開始すべき変動演出の変動パターン(外れ変動や、外れロング変動や、ノーマルリーチ変動や、スーパーリーチ変動や、スペシャルリーチ変動等)を示すコマンドであり、演出時間加算コマンドは、実行開始すべき変動演出の予告演出のパターンを示すコマンドである。上述した通り、本実施の形態では、変動演出の変動パターンごとに、それぞれ変動時間が決まっており、予告演出のパターンごとに、それぞれ延長時間や短縮時間が決まっている。よって、この変動時間メモリ273fには、変動パターンコマンドに対応する変動時間と、演出時間加算コマンドに対応する延長時間(短縮時間)とを合計した時間が記憶される。
変動時間カウンタ273gは、第3図柄表示装置81において変動演出が開始されてからの経過時間が記憶されるカウンタである。変動開始フラグ273hは、第3図柄表示装置81における変動演出の開始を、主制御装置110から指示された場合にオンされ、変動演出を開始したらオフされるフラグである。具体的には、変動開始フラグ273hは、主制御装置110から送信されてくる変動パターンコマンドおよび演出時間加算コマンドを受信した場合にオンに設定され(図38のS1604参照)、第3図柄表示装置81において変動演出を開始した場合にオフに設定される(図34のS1305参照)。
停止図柄変更可能期間フラグ273iは、第3図柄表示装置81において実行開始された変動演出の停止図柄を、別の停止図柄に変更可能な期間内(即ち、変更可能期間内)であるか否かを示すフラグであり、抽選結果が外れとなる変動演出が実行開始される場合にだけオンに設定され(図45のS2107,S2108参照)、実行中の変動演出の停止図柄を変更不可能になった場合にオフに設定される(図32のS1112参照)。なお、外れロング変動が実行される場合は、停止図柄変更可能期間フラグ273iはオンされない。これは、外れロング変動では、予め定められている停止図柄(「チャンス目」)が必ず表示されるので、停止図柄の変更がそもそも行われないからである。
そして、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオンの間は、第3図柄表示装置81において実行中の変動演出の停止図柄を、別の停止図柄に変更できる(即ち、変更可能期間内である)。一方、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオフの場合は、実行中の変動演出の停止図柄を変更できない場合であり、具体的には、既に停止図柄の変更を行った場合や、変更可能期間を超えている場合や、変動演出が実行されていない場合などである。
停止図柄設定済フラグ273jは、第3図柄表示装置81において実行開始される(又は、実行開始された)変動演出の停止図柄が設定されたか、否かを示すフラグである。この停止図柄設定済フラグ273jは、停止図柄の設定が終了するとオンに設定される。停止図柄設定済フラグ273jがオフである場合には、停止図柄の設定がまだ行われていないことを示す。
停止図柄パターンテーブルメモリ273kは、停止図柄パターンテーブルを記憶するためのメモリである。停止図柄パターンテーブルは、停止図柄のパターン毎に、その停止図柄のパターンに対応する第3図柄の配列(図柄の組み合わせ)を事前に準備しておくためのテーブルである。なお、このテーブルには、上述した上・中・下図柄列Z1〜Z3の「第3図柄の配列」を示す情報(以後、「第3図柄配列情報」と称する)のみが記憶されるだけであり、画像データ等は記憶されない。
本実施の形態では、第3図柄表示装置81に停止図柄が表示される場合、まず、表示すべき停止図柄のパターンに対応する第3図柄配列情報(第3図柄の配列を示す情報)が、この停止図柄パターンテーブル内から取得される。そして、取得された第3図柄配列情報に対応する停止図柄を構成するために、その停止図柄に対応する第3図柄の画像データが取得される。その後、第3図柄配列情報が示す第3図柄の配列に従って、第3図柄表示装置81に第3図柄の画像が表示され、その結果、停止図柄が表示される。
ここで、図18(a),(b)を参照して、停止図柄パターンテーブルについて説明する。図18(a)は、停止図柄パターンテーブルの内容の一例を示す概略図であり、図18(b)は、更新されていく停止図柄パターンテーブルの内容の一例を示す概略図である。
停止図柄パターンテーブルは、停止図柄のパターン毎に、その停止図柄のパターンに対応する第3図柄配列情報(第3図柄の配列を示す情報)を事前に準備しておくためのテーブルである。図18(a)に示す通り、停止図柄パターンテーブルには、確変大当たりエリアと、通常大当たりエリアと、前後外れリーチエリアと、前後外れ以外リーチエリアと、完全外れエリアと、図柄パターン生成エリアとが設けられている。
確変大当たりエリアは、「確変大当たり図柄」に対応する第3図柄配列情報を記憶するためのエリアである。以下同様に、通常大当たりエリアは「通常大当たり図柄」に対応する、前後外れリーチエリアは「前後外れリーチ図柄」に対応する、前後外れ以外リーチエリアは「前後外れ以外リーチ図柄」に対応する、完全外れエリアは「完全外れ図柄」に対応する各第3図柄配列情報を記憶するためのエリアである。詳細については後述するが、図柄パターン生成エリアは、停止図柄パターンテーブルを更新する際のワークエリアである。
なお、詳細については図47を参照しつつ後述するが、停止図柄コマンドに基づいて停止図柄が設定される場合には、停止図柄コマンドから停止図柄のパターンが抽出され、そのパターンに対応するエリアに記憶されている第3図柄配列情報が取得される。上述した通り、本実施の形態では、停止図柄のパターンとして、「確変大当たり図柄」、「通常大当たり図柄」、「前後外れリーチ図柄」、「前後外れ以外リーチ図柄」、「完全外れ図柄」が設けられている。そして、「完全外れ図柄」の中には、「外れチャンス目」が含まれており、「前後外れリーチ図柄」および「前後外れ以外リーチ図柄」の中には、「リーチチャンス目」が含まれている。例えば、停止図柄コマンドから抽出された停止図柄のパターンが、「確変大当たり図柄」であれば、確変大当たりエリアに記憶されている第3図柄配列情報が取得される。そして、その取得した第3図柄配列情報に対応する停止図柄が、第3図柄表示装置81に表示される。
そして、この停止図柄パターンテーブルは、定期的(例えば、5ms毎)に更新されるように構成されており、各エリアの値(停止図柄の第3図柄の配列を示す情報)が取得される度に、不規則な値が取得されることになる。よって、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄の配列(停止図柄)を多様なものとできるので、遊技者が遊技に対して単調な印象を持つことを回避し、高い興趣性を有する遊技を提供することが可能となる。
そして、上述した各エリアにはそれぞれ、第1エリアと、第2エリアと、第3エリアとが設けられており、第1エリアには、第3図柄表示装置81に表示される3つの図柄列(上図柄列Z1、中図柄列Z2、下図柄列Z3(図10参照))のうち、上図柄列Z1の各図柄を示す情報が記憶され、以下同様に、第2エリアには中図柄列Z2の各図柄を示す情報が、第3エリアには下図柄列Z3の各図柄を示す情報が記憶される。
具体的には、第1エリアには、上図柄列Z1に対応する仮想図柄リールの配列番号(1〜18)であって、上図柄列Z1を構成する3つの第3図柄のうち、左端に停止表示される第3図柄の配列番号が記憶される。以下同様に、第2エリアには、中図柄列Z2に対応する仮想図柄リールの配列番号(1〜20)であって、中図柄列Z2の左端に停止表示される第3図柄の配列番号が記憶される。また、第3エリアには、下図柄列Z3に対応する仮想図柄リールの配列番号(1〜18)であって、下図柄列Z3の左端に停止表示される第3図柄の配列番号が記憶される。
例えば、図18(a)に示すように、確変大当たりエリアの第1エリアに「6」が記憶され、第2エリアに「12」が記憶され、第3エリアに「11」が記憶されているとする。第1エリアの配列番号は、上図柄列Z1の左端の第3図柄を示すので、配列番号が「6」の場合には、上図柄列Z1が、左から右に向かって順に、「ジュゴン(7)」,「貝」,「アンコウ(6)」と並ぶ図柄列であることを示す。以下同様に、第2エリアの配列番号が「12」の場合には、中図柄列Z2が、左から右に向かって順に、「貝」,「ジュゴン(7)」,「貝」と並ぶ図柄列であり、第3エリアの配列番号が「11」の場合には、下図柄列Z3が、左から右に向かって順に、「アンコウ(6)」,「貝」,「ジュゴン(7)」と並ぶ図柄列であることを示す。
これらの図柄列を組み合わせると、左上がりラインL5(図10参照)に「ジュゴン(7)」が並ぶので、確変大当たり図柄を示す停止図柄となる。よって、確変大当たりエリアの各配列番号に基づいて、第3図柄表示装置81に停止図柄が表示されると、確変大当たり図柄が表示される。なお、通常大当たりエリア、前後外れリーチエリア、前後外れ以外リーチエリア、完全外れエリアについても同様な説明となるので、その説明を省略する。
上述した通り、本実施の形態では、第1から第3の各エリアに、各図柄列Z1,Z2,Z3を示す配列番号をそれぞれ一つずつ記憶している。よって、各図柄列Z1,Z2,Z3を構成する3つの第3図柄の配列番号をそれぞれ記憶すると共に、各図柄列Z1,Z2,Z3の第3図柄の並び順(左・中・右の第3図柄の並び順)を記憶するよりも、RAM273内に記憶する情報量を軽減できる。
また、本実施の形態では、第1から第3の各エリアに、各図柄列Z1,Z2,Z3を構成する3つの第3図柄のうち、左端に停止表示される第3図柄の配列番号を記憶しているが、中央に停止表示される第3図柄の配列番号を記憶しても良いし、右端に停止表示される第3図柄の配列番号を記憶しても良い。また、各図柄列Z1,Z2,Z3を構成する3つの第3図柄のうち、何れか2つの第3図柄の配列番号を記憶しても良いし、各図柄列Z1,Z2,Z3を構成する3つの第3図柄の配列番号をそれぞれ記憶しても良い。
次に、図18(b)を参照して、図柄パターン生成エリアについて説明する。図柄パターン生成エリアは、停止図柄パターンテーブル内の各エリア(確変大当たりエリアや、通常大当たりエリアなど)を更新するためのワークエリアであり、第1から第3の各エリアでは、カウンタのように値が更新されていく。
具体的には、定期的(例えば、5ms毎)に、第3エリアに1が加算され、第3エリアの値が最大値(つまり18)に達したら、第3エリアが1にクリアされると共に、第2エリアに1が加算される。そして、第2エリアの値が最大値(つまり20)に達したら、第2エリアが1にクリアされると共に、第1エリアに1が加算される。なお、第1エリアの値が最大値(つまり18)に達した場合は、単に、第1エリアが1にクリアされる。
また、図柄パターン生成エリアの値が更新されると、その度に、その更新後の第1から第3の各エリアの値(配列番号)が、停止図柄パターンテーブル内のどのエリア(例えば、確変大当たりエリアや、通常大当たりエリアなど)に対応するかが判定され、その判定されたエリアに、更新後の図柄パターン生成エリアの値(配列番号)が記憶される。つまり、図柄パターン生成エリアおいて新たな第3図柄の配列(図柄の組み合わせ)が生成され、その後、生成した第3図柄の配列が、その第3図柄の配列に応じたエリア(例えば、確変大当たりエリアや、通常大当たりエリアなど)に記憶(コピー)される。
例えば、図18(b)に示すように、図柄パターン生成エリアの第1エリアに「15」が記憶され、第2エリアに「1」が記憶され、第3エリアに「18」が記憶されているとする。ここで、図柄パターン生成エリアの更新タイミングになると、第3エリアに1が加算されるが、この場合は、第3エリアの値が最大値(18)を超えるので、第3エリアが1にクリアされると共に、第2エリアに1が加算される。その結果、図柄パターン生成エリアは、第1エリアが「15」、第2エリアが「2」、第3エリアが「1」という状態に更新される。
第1エリアが「15」の場合は、上図柄列Z1が、左から右に向かって順に、「貝」,「ハリセンボン(2)」,「貝」と並ぶ図柄列であることを示し、以下同様に、第2エリアが「2」の場合は、中図柄列Z2が、「貝」,「ハリセンボン(2)」,「貝」と並び、第3エリアが「1」の場合は、下図柄列Z3が、「タコ(1)」,「貝」,「ハリセンボン(3)」と並ぶ図柄列であることを示している。
これらの図柄列を組み合わせると、上・中・下の各図柄列Z1,Z2,Z3にそれぞれ「ハリセンボン(2)」が存在するので、外れチャンス目を示す停止図柄となる。上述した通り、「外れチャンス目」は、「完全外れ図柄」に含まれるので、更新された図柄パターン生成エリアの値は、停止図柄パターンテーブル内の完全外れエリアに記憶(コピー)される。
そして、再度、図柄パターン生成エリアの更新タイミングになると、第3エリアに1が加算されて、その結果、図柄パターン生成エリアは、第1エリアが「15」、第2エリアが「2」、第3エリアが「2」という状態に更新される。よって、この場合は、下図柄列Z3の配列が更新されるだけとなる。
第3エリアが「2」の場合は、下図柄列Z3が、「貝」,「ハリセンボン(2)」,「貝」と並ぶ図柄列を示しており、これらの図柄列を組み合わせると、中ラインL2に「ハリセンボン(2)」が並ぶので、通常大当たり図柄を示す停止図柄となる。よって、更新された図柄パターン生成エリアの値は、停止図柄パターンテーブル内の通常大当たりエリアに記憶(コピー)される。
以下同様に、図柄パターン生成エリアの更新タイミングとなる度に、停止図柄パターンテーブルの更新が繰り返される。なお、図柄パターン生成エリアが更新された結果、確変大当たり図柄や、前後外れリーチ図柄や、前後外れ以外リーチ図柄を示す停止図柄が生成された場合には、更新された図柄パターン生成エリアの値が、停止図柄パターンテーブル内の確変大当たりエリアや、前後外れリーチエリアや、前後外れ以外リーチエリアにそれぞれ記憶される。なお、上述した通り、「リーチチャンス目」は、「前後外れリーチ図柄」または「前後外れ以外リーチ図柄」に含まれる。
ここで、図15の説明に戻る。表示図柄パターンメモリ273lは、第3図柄表示装置81に実際に表示する停止図柄の第3図柄配列情報(第3図柄の配列を示す情報)を記憶するためのメモリである。
ここで、図19(a)を参照して、表示図柄パターンメモリ273lについて説明する。図19(a)は、表示図柄パターンメモリ273lの内容の一例を示す概略図であり、図19(b)は、表示図柄パターンメモリ273lの内容に対応する第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示す模式図である。
表示図柄パターンメモリ273lは、第3図柄表示装置81に実際に表示する停止図柄の第3図柄配列情報(第3図柄の配列を示す情報)を記憶するためのメモリであり、停止図柄パターンテーブルと同様に、第1エリアと、第2エリアと、第3エリアとが設けられている。
つまり、第1エリアには、上図柄列Z1に対応する仮想図柄リールの配列番号(1〜18)であって、上図柄列Z1を構成する3つの第3図柄のうち、左端に停止表示される第3図柄の配列番号が記憶される。以下同様に、第2エリアには、中図柄列Z2に対応する仮想図柄リールの配列番号(1〜20)であって、中図柄列Z2の左端に停止表示される第3図柄の配列番号が記憶される。また、第3エリアには、下図柄列Z3に対応する仮想図柄リールの配列番号(1〜18)であって、下図柄列Z3の左端に停止表示される第3図柄の配列番号が記憶される。
例えば、図19(a)に示すように、表示図柄パターンメモリ273lの第1エリアに「6」が記憶され、第2エリアに「12」が記憶され、第3エリアに「11」が記憶されている状態で、第3図柄表示装置81の表示画面に停止図柄が表示されるとする。第1エリアの配列番号は、上図柄列Z1の左端の第3図柄を示すので、図19(b)に示す通り、第3図柄表示装置81の表示画面には、左から右に向かって順に、「ジュゴン(7)」,「貝」,「アンコウ(6)」と並ぶ図柄列が表示される。
以下同様に、第2エリアの配列番号は、中図柄列Z2の左端の第3図柄を示すので、左から右に向かって順に、「貝」,「ジュゴン(7)」,「貝」と並ぶ図柄列が表示され、第3エリアの配列番号は、下図柄列Z3の左端の第3図柄を示すので、左から右に向かって順に、「アンコウ(6)」,「貝」,「ジュゴン(7)」と並ぶ図柄列が表示される。なお、上述した通り、各図柄列Z1,Z2,Z3は、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順序で停止表示される。また、第1から第3の各エリアに、他の配列番号が記憶されている場合についても同様な説明となるので、その説明を省略する。
上述した通り、本実施の形態では、第1から第3の各エリアに、各図柄列Z1,Z2,Z3を示す配列番号をそれぞれ一つずつ記憶している。よって、各図柄列Z1,Z2,Z3を構成する3つの第3図柄の配列番号をそれぞれ記憶すると共に、各図柄列Z1,Z2,Z3の第3図柄の並び順を記憶するよりも、RAM273内に記憶する情報量を軽減できる。
また、本実施の形態では、第1から第3の各エリアに、各図柄列Z1,Z2,Z3を構成する3つの第3図柄のうち、左端に停止表示される第3図柄の配列番号を記憶しているが、中央に停止表示される第3図柄の配列番号を記憶しても良いし、右端に停止表示される第3図柄の配列番号を記憶しても良い。また、各図柄列Z1,Z2,Z3を構成する3つの第3図柄のうち、何れか2つの第3図柄の配列番号を記憶しても良いし、各図柄列Z1,Z2,Z3を構成する3つの第3図柄の配列番号をそれぞれ記憶しても良い。
ここで、図4の説明に戻る。画像コントローラ274は、キャラクタROM275、ビデオRAM276、入出力ポート277、出力ポート278のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM276に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
キャラクタROM275は、第3図柄表示装置81に表示する図柄(背景図柄や第3図柄や装飾図柄)などの演出用のデータが、圧縮された形式で格納されているメモリである。このキャラクタROM275には、例えば、変動演出に用いられる演出用の各種データや、第3図柄のキャラクタ図柄や、背景図柄や、予告キャラクタ図柄などが記憶されている。演出用の各種データとしては、外れ変動、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動、スペシャルリーチ変動の各変動演出に用いるデータ(以後、「変動演出データ」と称する)などが該当する。
キャラクタROM275には、記憶するデータ量を少なくするために、上記のような演出用のデータが圧縮された状態で記憶されている。本実施の形態では、演出用のデータは約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトのデータが、約768Mバイトに圧縮されてキャラクタROM275に記憶されている。キャラクタROM275に圧縮され記憶されている演出用のデータは、必要なものだけが読み出されて、解凍された後に、ビデオRAM276の所定の領域に書き込まれる。
ビデオRAM276は、第3図柄表示装置81に表示する演出用のデータを、解凍した状態(直ぐに使用可能な状態)で記憶するためのメモリである。ビデオRAM276には、変動演出データ記憶領域276aと、停止図柄データ記憶領域276bとが設けられている。
変動演出データ記憶領域276aは、第3図柄表示装置81において高速変動などの変動演出を行うための変動演出データを記憶するためのメモリであり、停止図柄データ記憶領域276bは、第3図柄表示装置81において表示する停止図柄を構成するための第3図柄の画像データ(以後、「停止図柄データ」と称する)を記憶するためのメモリである。
本実施の形態では、第3図柄表示装置81に表示される1回分の変動演出は、変動演出データと、停止図柄データとに基づいて行われる。詳細については後述するが、変動演出が開始されると、まず、変動演出データ(変動演出)に対応する画像が時間に応じて、第3図柄表示装置81に表示され、その後、停止図柄の表示時間となる度に、停止図柄(停止図柄データ)が表示される(図34のS1310,S1311参照)。
演出制御装置117は、主制御装置110から送信されてくる変動パターンコマンドおよび演出時間加算コマンドを受信すると、その受信したコマンドに対応する変動パターン(変動時間)の変動演出データを、キャラクタROM275から読み出して、この変動演出データ記憶領域276aに記憶する(図45のS2103,S2104参照)。一方、主制御装置110から送信されてくる停止図柄コマンドを受信すると、その受信したコマンドに対応する停止図柄のパターンの停止図柄データを、キャラクタROM275から読み出して、この停止図柄データ記憶領域276bに記憶する(図47のS2306,S2307参照)。
なお、各種データをキャラクタROM275から読み出し、変動演出データ記憶領域276aや、停止図柄データ記憶領域276bに記憶するのは、一般的に処理速度がROMよりRAMの方が高速であるためである。例えば、演出データをキャラクタROM275から読み出しながら第3図柄表示装置(LCD)81に表示する構成にすると、読み出すデータ量が大きい場合には読み出しに時間を有し、スムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができない場合があるからである。また、RAMに記憶する方が、表示データの加工(例えば、装飾図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるからでもある。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜112,117等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208や、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧のうち、各制御装置110〜112,117等が必要とする電圧を各々に供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理(図28参照)を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図28参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2が入力されると、RAM203におけるバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図20から図28のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図20参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図21参照)と、定期的に(本実施の形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理(図25参照)と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理(図28参照)とがあり、説明の便宜上、始めに、タイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
まず、図25を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理について説明する。図25は、主制御装置110のタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、MPU201により例えば2ms周期で繰り返し実行される処理である。タイマ割込処理では、まず、各種スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。ここでは、例えば、主制御装置110に接続されている各種スイッチ208の状態を読み込み、各種の入賞口(一般入賞口63、特定入賞口65a、第1入球口A64、第1入球口B640など)に設けられているスイッチにおいて入賞が検出されている場合には、当該入賞口に対応する賞球数の球を払出制御装置111により払い出しさせるための賞球コマンドを、RAM203の所定領域に設定(記憶)する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1に1を加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では2309)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203のワークエリア203fに設けられている第1初期値乱数カウンタバッファに記憶する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2に1を加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203のワークエリア203fに設けられている第2初期値乱数カウンタバッファに記憶する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び第2当たり乱数カウンタC3の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び第2当たり乱数カウンタC3にそれぞれ1を加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、2309,19,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM203のワークエリア203fに設けられている各カウンタC1〜C3に対応するバッファに記憶する。
その後は、第1入球口A64への入賞に伴う第1始動入賞処理を実行し(S504)、その後、第1入球口B640への入賞に伴う第2始動入賞処理を実行し(S505)、発射制御処理を実行して(S506)、タイマ割込処理を終了する。なお、第1始動入賞処理については、図26を参照して後述し、第2始動入賞処理については、図27を参照して後述する。
また、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ(図示しない)により検出し、発射を停止させるための打ち止めスイッチ(図示しない)が操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図26を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第1始動入賞処理(S504)について説明する。図26は、第1始動入賞処理(S504)を示すフローチャートである。第1始動入賞処理(S504)は、第1入球口A64への入賞を検出した場合に、その入賞に応じたデータを、特図A保留球格納エリア203aに記憶(保留)するための処理であり、上記したタイマ割込処理(図25参照)の中で実行される処理である。
この第1始動入賞処理(S504)では、まず、第1入球口Aスイッチ208aの状態(オンまたはオフ)を読み取り、球が第1入球口A64に入賞(入球)したか否かを判別する(S601)。S601の処理において、第1入球口Aスイッチ208aの状態がオフであり、第1入球口A64への入賞がないと判別された場合には(S601:No)、何も行うことなく、この第1始動入賞処理(S504)を終了してタイマ割込処理(図25参照)へ戻る。
一方で、第1入球口Aスイッチ208aの状態がオンであり、球が第1入球口A64に入賞(入球)したと判別された場合には(S601:Yes)、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)が、予め規定されている上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S602)。
S602の処理において、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)が4である場合、即ち、既に上限値に到達している場合には(S602:No)、S603〜S613の各処理をスキップし、この第1始動入賞処理(S504)を終了してタイマ割込処理(図25参照)へ戻る。一方、S602の処理において、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)が4未満であれば(S602:Yes)、特図A保留球カウンタ203dに1を加算する(S603)。
次に、タイマ割込処理(図25参照)におけるS503の処理により更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2の各値と、後述するメイン処理(図21参照)により更新される第1変動種別カウンタCS1、第2変動種別カウンタCS2、及び第3変動種別カウンタCS3の各値とを、RAM203の特図A保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち、特図A保留球数NAに応じたエリアの中の各格納エリア203a1〜203a5に記憶する(S604)。
例えば、S603の処理により更新された特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)が「1」である場合には、保留第1エリアの各格納エリア203a1〜203a5に、各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値をそれぞれ記憶する。つまり、特図A保留球数NAが「X(X=1〜4)」であれば、保留第Xエリアの各格納エリア203a1〜203a5に、各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値をそれぞれ記憶する。
次に、S604の処理で記憶した各カウンタC1,C2の各値と、先読み用高確率状態フラグ203gの状態とに基づいて、新たな入賞の抽選結果を取得する(S605)。より具体的には、先読み用高確率状態フラグ203gがオンなら、大当たり確率が高確率状態であるとして、記憶した各カウンタC1,C2の各値を解析し、先読み用高確率状態フラグ203gがオフなら、大当たり確率が低確率状態であるとして、記憶した各カウンタC1,C2の各値を解析する。そして、抽選結果として、「大当たり」又は「外れ」であるかと、大当たりの場合なら「第1の確変大当たり(15R確変大当たり)」、「第2の確変大当たり(2R確変大当たり)」、又は、「通常大当たり(15R通常大当たり)」であるかとを取得する(先読みする)。
そして、取得した抽選結果と、カウンタCS1〜CS3の各値とに基づいて、変動時間を取得する(S606)。次に、取得した抽選結果と、取得した変動時間と、始動口入賞情報(ビット値「0」)とを含む入賞情報コマンドを、演出制御装置117へ出力する(S607)。なお、上述した通り、始動口入賞情報は、データが第1入球口A64への入賞に基づくもの(ビット値「0」)であるか、第1入球口B640への入賞に基づくもの(例えば、ビット値「1」)であるかを示す情報である。
通常であれば、各種コマンドは、4msごとに実行されるメイン処理の外部出力処理(図21のS201参照)によって演出制御装置117へ送信されるが、ここでは外部出力処理の実行まで待たずに、直ちに、入賞情報コマンドを演出制御装置117へ出力する。メイン処理は4msごとに実行されるので、直ちに入賞情報コマンドを送信すれば、そのコマンドを最大約4ms早く演出制御装置117へ送信することができる。
よって、次のメイン処理の実行タイミングで入賞情報コマンドを出力する場合よりも、第3図柄表示装置81において実行中の変動演出の停止図柄を変更できる可能性を高めることができる。また、演出制御装置117では、入賞情報コマンドと、その他のコマンド(例えば、保留数コマンド)とを別々のタイミングで受信できるので、各コマンドに対応する処理を別のタイミングで実行することができ、制御的負担を分散させることができる。また、主制御装置110では、入球情報コマンドと、その他のコマンドとを別々に演出制御手段117へ送信できるので、同じタイミングで送信する場合と比較して、制御的負担を分散させることができる。
なお、本実施の形態では、入賞情報コマンドを直ちに出力しているが、ここでは、入賞情報コマンドの設定だけを行い、次のメイン処理の実行タイミングの外部出力処理により演出制御装置117へ出力するように構成しても良い。
また、本実施の形態では、一の入賞情報コマンドを送信することにより、取得した抽選結果と、取得した変動時間と、始動口入賞情報(例えば、ビット値「0」)とを一度に送信しているが、抽選結果と、変動時間と、始動口入賞情報とを一度に送らずに、複数のコマンドに分けて送信しても良い。
次に、S605の処理で取得した抽選結果が大当たりであるかを判定し(S608)、抽選結果が大当たりの場合には(S608:Yes)、大当たりが確変大当たりであるかを判定する(S609)。一方、抽選結果が外れの場合には(S608:No)、S609〜S611の処理をスキップして、S612の処理へ移行する。
S609の処理において、大当たりが確変大当たりであれば(S609:Yes)、先読み用高確率状態フラグ203gをオンに設定する(S610)。一方、大当たりが通常大当たりであれば(S609:No)、先読み用高確率状態フラグ203gをオフに設定する(S611)。これにより、新たな入賞に対応する変動演出の開始時まで待って抽選結果を取得しなくても、新たな入賞のデータを取得した際に、その抽選結果を先読み用高確率状態フラグ203gの状態に基づいて解析(先読み)できる。また、新たに保留される入賞のデータが取得されたら直ぐに、その入賞に対応する抽選結果を正確に取得でき、その抽選結果を示す入賞情報コマンドを演出制御装置117へ送信することができる。
次に、保留数コマンドを設定する(S612)。ここでは、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)と、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)とを示す保留数コマンドを設定する。ここで設定された保留数コマンドは、次のメイン処理(図21参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。出力された保留数コマンドが、演出制御装置117により受信されると、その保留数コマンドが示す特図A保留球数NAと同一数のランプが特図A保留ランプ85Aにおいて点灯され、また、その保留数コマンドが示す特図B保留球数NBと同一数のランプが特図B保留ランプ85Bにおいて点灯される。
次に、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)に応じて、第1図柄表示装置37AにおけるLED37Aaを点灯させ、新たな保留回数を点灯状態により示す(S613)。S613の処理が終了したら、この第1始動入賞処理(S504)を終了してタイマ割込処理(図25参照)へ戻る。
以上の図26の第1始動入賞処理(S504)によれば、第1入球口Aスイッチ208aにより、第1入球口A64への入賞が検出された場合に、その入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値)を、特図A保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち、エリア番号の最も小さいエリアに記憶することができる。よって、特図A保留球格納エリア203aにおいて、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータを記憶することができるので、時間的な入賞の順序(入賞順序)を持たせて、データを記憶することができる。
また、第1入球口A64への入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値)の抽選結果および変動時間を先読みし、その抽選結果と、その変動時間と、始動口入賞情報とを含む入賞情報コマンドを、メイン処理の外部出力処理(図21のS201参照)を待たずに、直ちに、演出制御装置117へ出力できる。直ちに入賞情報コマンドを出力(送信)することで、コマンドを最大約4ms早く演出制御装置117へ送信することができる。よって、第3図柄表示装置81において実行中の変動演出の停止図柄を変更できる可能性を高めることができる。
また、新たな入賞に対応するデータの抽選結果を先読み(取得)する度に、その抽選結果に基づいて、先読み用高確率状態フラグ203gの状態を更新できる。よって、その新たな入賞に対応する変動演出の開始時まで待って抽選結果を取得しなくても、新たな入賞のデータを取得した際に、その抽選結果を先読み用高確率状態フラグ203gの状態に基づいて解析(先読み)できる。また、新たに保留される入賞のデータが取得されたら直ぐに、その入賞に対応する抽選結果を正確に取得でき、その抽選結果を示す入賞情報コマンドを演出制御装置117へ送信することができる。
次に、図27を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2始動入賞処理(S505)について説明する。図27は、第2始動入賞処理(S505)を示すフローチャートである。第2始動入賞処理(S505)は、第1入球口B640への入賞を検出した場合に、その入賞に応じたデータを、特図B保留球格納エリア203bに記憶(保留)するための処理であり、上記したタイマ割込処理(図25参照)の中で実行される処理である。
この第2始動入賞処理(S505)では、まず、第1入球口Bスイッチ208bの状態(オンまたはオフ)を読み取り、球が第1入球口B640に入賞(入球)したか否かを判別する(S631)。S631の処理において、第1入球口Bスイッチ208bの状態がオフであり、第1入球口B640への入賞がないと判別された場合には(S631:No)、何も行うことなく、この第2始動入賞処理(S505)を終了してタイマ割込処理(図25参照)へ戻る。
一方で、第1入球口Bスイッチ208bの状態がオンであり、球が第1入球口B640に入賞(入球)したと判別された場合には(S631:Yes)、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が、予め規定されている上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S632)。
S632の処理において、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が4である場合、即ち、既に上限値に到達している場合には(S632:No)、S633〜S643の各処理をスキップし、この第2始動入賞処理(S505)を終了してタイマ割込処理(図25参照)へ戻る。一方、S632の処理において、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が4未満であれば(S632:Yes)、特図B保留球カウンタ203eに1を加算する(S633)。
次に、タイマ割込処理(図25参照)におけるS503の処理により更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2の各値と、後述するメイン処理(図21参照)により更新される第1変動種別カウンタCS1、第2変動種別カウンタCS2、及び第3変動種別カウンタCS3の各値とを、RAM203の特図B保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち、特図B保留球数NBに応じたエリアの中の各格納エリア203b1〜203b5に記憶する(S634)。
例えば、S633の処理により更新された特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が「1」である場合には、保留第1エリアの各格納エリア203b1〜203b5に、各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値をそれぞれ記憶する。即ち、特図B保留球数NBが「X(X=1〜4)」であれば、保留第Xエリアの各格納エリア203b1〜203b5に、各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値をそれぞれ記憶する。
次に、記憶した各カウンタC1,C2の各値と、先読み用高確率状態フラグ203gの状態とに基づいて、新たな入賞の抽選結果を取得する(S635)。より具体的には、先読み用高確率状態フラグ203gがオンなら、大当たり確率が高確率状態であるとして、記憶した各カウンタC1,C2の各値を解析し、先読み用高確率状態フラグ203gがオフなら、大当たり確率が低確率状態であるとして、記憶した各カウンタC1,C2の各値を解析する。そして、抽選結果として、「大当たり」又は「外れ」であるかと、大当たりの場合なら「第1の確変大当たり(15R確変大当たり)」、「第2の確変大当たり(2R確変大当たり)」、又は、「通常大当たり(15R通常大当たり)」であるかとを取得する(先読みする)。
そして、取得した抽選結果と、カウンタCS1〜CS3の各値とに基づいて、変動時間を取得する(S636)。次に、取得した抽選結果と、取得した変動時間と、始動口入賞情報(例えば、ビット値「1」)とを含む入賞情報コマンドを、演出制御装置117へ出力する(S637)。なお、上述した通り、始動口入賞情報は、データが第1入球口A64への入賞に基づくもの(例えば、ビット値「0」)であるか、第1入球口B640への入賞に基づくもの(例えば、ビット値「1」)であるかを示す情報である。
ここでは、メイン処理の外部出力処理(図21のS201参照)を待たずに、直ちに、入賞情報コマンドを演出制御装置117へ出力する。メイン処理は4msごとに実行されるので、直ちに入賞情報コマンドを送信すれば、そのコマンドを最大約4ms早く演出制御装置117へ送信することができる。
よって、次のメイン処理の実行タイミングで入賞情報コマンドを出力する場合よりも、第3図柄表示装置81において実行中の変動演出の停止図柄を変更できる可能性を高めることができる。また、演出制御装置117では、入賞情報コマンドと、その他のコマンド(例えば、保留数コマンド)とを別々のタイミングで受信できるので、各コマンドに対応する処理を別のタイミングで実行することができ、制御的負担を分散させることができる。また、主制御装置110では、入球情報コマンドと、その他のコマンドとを別々に演出制御手段117へ送信できるので、同じタイミングで送信する場合と比較して、制御的負担を分散させることができる。
次に、S635の処理で取得した抽選結果が大当たりであるかを判定し(S638)、抽選結果が大当たりの場合には(S638:Yes)、大当たりが確変大当たりであるかを判定する(S639)。一方、抽選結果が外れの場合には(S638:No)、S639〜S641の処理をスキップして、S642の処理へ移行する。
S639の処理において、大当たりが確変大当たりであれば(S639:Yes)、先読み用高確率状態フラグ203gをオンに設定する(S640)。一方、大当たりが通常大当たりであれば(S639:No)、先読み用高確率状態フラグ203gをオフに設定する(S641)。
次に、保留数コマンドを設定する(S642)。ここでは、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)と、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)とを示す保留数コマンドを設定する。ここで設定された保留数コマンドは、次のメイン処理(図21参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。出力された保留数コマンドが、演出制御装置117により受信されると、その保留数コマンドが示す特図A保留球数NAと同一数のランプが特図A保留ランプ85Aにおいて点灯され、また、その保留数コマンドが示す特図B保留球数NBと同一数のランプが特図B保留ランプ85Bにおいて点灯される。
次に、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)に応じて、第1図柄表示装置37BにおけるLED37Baを点灯させ、新たな保留回数を点灯状態により示す(S643)。S643の処理が終了したら、この第2始動入賞処理(S505)を終了してタイマ割込処理(図25参照)へ戻る。
以上の図27の第2始動入賞処理(S505)によれば、第1入球口Bスイッチ208bにより、第1入球口B640への入賞が検出された場合に、その入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値)を、特図B保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち、エリア番号の最も小さいエリアに記憶することができる。よって、特図B保留球格納エリア203bにおいて、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータを記憶することができるので、時間的な入賞の順序(入賞順序)を持たせて、データを記憶することができる。
また、第1入球口B640への入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値)の抽選結果および変動時間を先読みし、その抽選結果と、変動時間と、始動口入賞情報とを含む入賞情報コマンドを、メイン処理の外部出力処理(図21のS201参照)を待たずに、直ちに、演出制御装置117へ出力できる。直ちに入賞情報コマンドを出力(送信)することで、コマンドを最大約4ms早く演出制御装置117へ送信することができる。よって、第3図柄表示装置81において実行中の変動演出の停止図柄を変更できる可能性を高めることができる。
また、新たな入賞に対応するデータの抽選結果を先読み(取得)する度に、その抽選結果に基づいて、先読み用高確率状態フラグ203gの状態を更新できる。よって、その新たな入賞に対応する変動演出の開始時まで待って抽選結果を取得しなくても、新たな入賞のデータを取得した際に、その抽選結果を先読み用高確率状態フラグ203gの状態に基づいて解析(先読み)できる。
次に、図28を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理について説明する。図28は、主制御装置110のNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、実行される処理である。NMI割込処理は、主制御装置110において実行される処理と、払出制御装置111において実行される処理とがある。ここでは、主制御装置110において実行されるNMI割込処理についてのみ説明する。
このNMI割込処理では、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
次に、図20を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図20は、主制御装置110の立ち上げ処理を示すフローチャートである。立ち上げ処理は、主制御装置110の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU201がリセットされた場合に実行される処理である。
立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ制御装置(払出制御装置111、演出制御装置117等)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施の形態では1秒)を実行する(S102)。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS111へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS111へ移行する。なお、メイン処理(図21参照)のS213の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111の処理では、払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを払出制御装置111へ送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。一方、主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0でクリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、払出制御装置111を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを払出制御装置111へ送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110の処理では、割込みを許可して、後述する主制御装置110のメイン処理(図21参照)に移行する。
次に、図21を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図21は、主制御装置110のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、パチンコ機10の主要な制御を実行するための処理であり、上記した主制御装置110の立ち上げ処理(図20参照)の終了後に実行され、その後は4ms周期で繰り返し実行される処理である。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
このメイン処理では、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ制御装置(払出制御装置111、演出制御装置117等)に送信する(S201)。例えば、タイマ割込処理(図25参照)のS501の処理により、賞球コマンドが設定された場合には、その賞球コマンドを払出制御装置111へ送信する。
また、例えば、上述した第1始動入賞処理(図26参照)や第2始動入賞処理(図27参照)により設定された保留数コマンドや、後述する保留球格納エリア順送り処理(図23参照)により設定される保留数コマンドや、後述する変動開始処理(図24参照)により設定される(第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な)変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等の各種コマンドをそれぞれ演出制御装置117に送信する。さらに、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
なお、これらのコマンド等の出力データの送信は、コマンド等の出力データが設定された順番に行われる。そして、演出制御装置117は、主制御装置110から出力された(第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な)各種コマンドを受信した場合に、受信したコマンドに応じて、第3図柄表示装置81に表示される変動演出や大当たり演出の態様や、第3図柄表示装置81に表示される停止図柄を設定する。
次に、第1変動種別カウンタCS1、第2変動種別カウンタCS2、及び、第3変動種別カウンタCS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3に1を加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では99,99,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203のワークエリア203fに設けられている各カウンタCS1〜CS3に対応するバッファに記憶する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理については、図22を参照して後述する。
変動処理(S204)の終了後、パチンコ機10が大当たり状態である場合に、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S205)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数(例えば、15ラウンド)繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示部83における第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口67(スルーゲート)を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC3の値が取得されると共に、第2図柄表示部83において第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC3の値により第2図柄における当たりの判定が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口B640に付随する電動役物が所定時間開放され、球が第1入球口B640へ入球し易い状態となる。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施の形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201〜S208の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S209)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2に1を加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では2309、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のワークエリア203fに設けられている各カウンタCINI1,CINI2に対応するバッファにそれぞれ記憶する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3に1を加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では99,99,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203のワークエリア203fに設けられている各カウンタCS1〜CS3に対応するバッファにそれぞれ記憶する。
上述したS201〜S206の各処理の実行時間は、遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC3の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図28のNMI割込処理が実行されたということなので、S211以降の電源遮断時の処理を実行する。まず、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドをサブ制御装置(払出制御装置111、演出制御装置117等)に対して送信する(S212)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS209とS210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、立ち上げ処理(図20参照)の初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図22を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S204)について説明する。図22は、主制御装置110の変動処理(S204)を示すフローチャートである。変動処理(S204)は、入賞に対応するデータが、特図A保留球格納エリア203a、または、特図B保留球格納エリア203bに記憶(保留)されている場合に、そのデータに対応する変動表示を開始させるための処理であり、メイン処理(図21参照)の中で実行される処理である。
この変動処理(S204)では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37A,37Bで表示される大当たり遊技の最中(即ち、「第1の確変大当たり(15R確変大当たり)」、「第2の確変大当たり(2R確変大当たり)」「通常大当たり(15R通常大当たり)」の3つ)と、大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、何も行うことなく、この変動処理(S204)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図21参照)に戻る。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37Aまたは第1図柄表示装置37Bの表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37Aおよび第1図柄表示装置37Bの表示態様が変動中でなければ(S302:No)、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)と、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)とをそれぞれ取得する(S303)。
そして、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)と、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)とを加算して、全保留球数Nを算出する(S304)。次に、全保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別し(S305)、S305の処理により確認した結果、全保留球数Nが0であれば(S305:No)、S306,S307の処理をスキップし、この変動処理(S204)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図21参照)に戻る。
一方で、全保留球数Nが1以上であれば(S305:Yes)、大当たりの判定に用いるデータを、特図A保留球格納エリア203a、又は、特図B保留球格納エリア203bから保留球実行エリア203cへシフトする保留球格納エリア順送り処理を実行し(S306)、第1図柄表示装置37Aまたは第1図柄表示装置37Bの変動表示を開始する変動開始処理を実行する(S307)。そして、この変動処理(S204)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図21参照)へ戻る。
なお、保留球格納エリア順送り処理については、図23を参照して後述し、変動開始処理については、図24を参照して後述する。また、この変動処理(S204)は、メイン処理において実行されるサブルーチンであるので、4ms毎に実行されるが、大当たり中の場合(S301:Yes)、または、変動中の場合(S302:Yes)には、S306,S307の処理がスキップされるので、変動処理が実行される度に、変動表示が開始されたり、保留中の入賞に対応するデータが消耗されることはない。
S302の処理において、第1図柄表示装置37Aまたは第1図柄表示装置37Bの表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S308)。第1図柄表示装置37A,37Bの変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動時間と変動種別カウンタCS3により選択された加算時間とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S308:No)、この変動処理(S204)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図21参照)へ戻る。
なお、本実施の形態では、第1図柄表示装置37Aおよび第1図柄表示装置37Bのいずれも、複数のLED37Aa,37Baの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に黄のLEDを点灯させ、黄のLEDが点灯していれば、その黄のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
一方、S308の処理において、第1図柄表示装置37Aまたは第1図柄表示装置37Bの変動時間が経過していれば(S308:Yes)、第1図柄表示装置37A,37Bの停止図柄に対応した表示態様を設定する(S309)。停止図柄の設定は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により「第1の確変大当たり(15R確変大当たり)」となる図柄か、「第2の確変大当たり(2R確変大当たり)」となる図柄か、「通常大当たり(15R通常大当たり)」となる図柄かが決定される。
本実施の形態では、「第1の確変大当たり(15R確変大当たり)」になる場合には赤色のLEDが点灯され、「第2の確変大当たり(2R確変大当たり)」になる場合には緑色のLEDが点灯され、「通常大当たり(15R通常大当たり)」になる場合には黄色のLEDが点灯され、外れである場合には青色のLEDが点灯される。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S309の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37Aまたは第1図柄表示装置37Bの表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動停止を第1図柄表示装置37Aまたは第1図柄表示装置37BにおけるLEDの点灯と同調させるために停止コマンドを設定する(S310)。演出制御装置117は、この停止コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において実行中の変動表示を終了させる。より具体的には、第3図柄表示装置81では、変動時間が経過すると画面表示が変化せずに保持される状態となり、停止コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における1の変動演出が終了する。そして、S310の処理が終了したら、この変動処理(S204)を終了して、主制御装置110のメイン処理(図21参照)へ戻る。
次に、図23を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される保留球格納エリア順送り処理(S306)について説明する。図23は、主制御装置110の保留球格納エリア順送り処理(S306)を示すフローチャートである。保留球格納エリア順送り処理(S306)は、大当たりの判定に用いるデータを、特図A保留球格納エリア203a、または、特図B保留球格納エリア203bから保留球実行エリア203cへシフトするための処理であり、変動処理(図22参照)の中で実行される処理である。なお、この処理は、全保留球数N(特図A保留球数NAと、特図B保留球数NBとの加算値)が1以上である場合に実行される処理である。
この保留球格納エリア順送り処理(S306)では、まず、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が0よりも大きいか否かを判別する(S351)。S351の処理において、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が0である場合は(S351:No)、特図A保留球格納エリア203aにのみ入賞に対応するデータが記憶(保留)されていることになるので、特図A保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各データを、保留球実行エリア203cへシフトする(S356)。
具体的には、保留第1エリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203a1に記憶されているデータを、保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1へシフトする。同様に、第1当たり種別カウンタ格納エリア203a2に記憶されているデータを、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2へ、第1変動種別カウンタ格納エリア203a3に記憶されているデータを、第1変動種別カウンタ格納エリア203c3へ、第2変動種別カウンタ格納エリア203a4に記憶されているデータを、第2変動種別カウンタ格納エリア203c4へ、第3変動種別カウンタ格納エリア203a5に記憶されているデータを、第3変動種別カウンタ格納エリア203c5へシフトする。
そして、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c6に、始動口入賞情報であるビット値「0」を記憶する(S357)。上述した通り、保留球実行エリア203cに記憶されているデータが第1入球口A64への入賞によるものであれば、始動口入賞情報格納エリア203c6にビット値「0」が記憶され、第1入球口B640への入賞によるものであれば、始動口入賞情報格納エリア203c6にビット値「1」が記憶される。ここでは、第1入球口A64への入賞に対応するデータを、保留球実行エリア203cに記憶させたので、始動口入賞情報格納エリア203c6に、ビット値「0」を記憶している。
次に、特図A保留球格納エリア203aの保留第2エリア〜保留第4エリアに記憶されている各データを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3エリア)へそれぞれシフトする(S358)。そして、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)を1減算し(S359)、S360の処理へ移行する。
なお、本実施の形態では、データが記憶(保留)されている保留エリア(第2〜第4)についてのみデータのシフトを行う。よって、データが記憶(保留)されていない保留エリア(第2〜第4)については、データのシフト処理が行われないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。また、データの有無に関わらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくすることができるので、ROM202の空き容量を増やすことができる。
S351の処理において、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)が1以上であれば(S351:Yes)、特図B保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されている各データを、保留球実行エリア203cへシフトする(S352)。
本実施の形態では、大当たり時に、第1の確変大当たり(15R確変大当たり)となる確率は、第1入球口A64へ入賞した場合に「7/20」となり、第1入球口B640へ入賞した場合に「3/5」となる。また、大当たり時に、第2の確変大当たり(2R確変大当たり)となる確率は、第1入球口A64へ入賞した場合に「3/10」となり、第1入球口B640へ入賞した場合に「1/10」となる。また、大当たり時に、通常大当たり(15R通常大当たり)となる確率は、第1入球口A64へ入賞した場合に「7/20」となり、第1入球口B640へ入賞した場合に「3/10」となる。
つまり、第1入球口A64への入賞に基づいて大当たりの抽選が行われるよりも、第1入球口B640への入賞に基づいて大当たりの抽選が行われた方が、遊技者に付与される遊技価値が高くなり易い。そこで、本実施の形態では、S351の判定を行い、第1入球口B640への入賞に対応するデータを優先的に保留球実行エリア203cにシフトさせて、第1入球口B640への入賞に基づく大当たりの抽選を優先的に行っている。これにより、遊技者は、入賞する第1入球口が第1入球口A64であるか第1入球口B640であるかに応じて一喜一憂することになり、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
S352の処理では、具体的には、保留第1エリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1に記憶されているデータを、保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1へシフトする。同様に、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2に記憶されているデータを、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2へ、第1変動種別カウンタ格納エリア203b3に記憶されているデータを、第1変動種別カウンタ格納エリア203c3へ、第2変動種別カウンタ格納エリア203b4に記憶されているデータを、第2変動種別カウンタ格納エリア203c4へ、第3変動種別カウンタ格納エリア203b5に記憶されているデータを、第3変動種別カウンタ格納エリア203c5へシフトする。
そして、保留球実行エリア203cの始動口入賞情報格納エリア203c6に、始動口入賞情報であるビット値「1」を記憶する(S353)。ここでは、第1入球口B640への入賞に対応するデータを、保留球実行エリア203cに記憶させたので、始動口入賞情報格納エリア203c6に、ビット値「1」を記憶している。次に、保留第2エリア〜保留第4エリアに記憶されている各データを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3エリア)へそれぞれシフトする(S354)。そして、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)を1減算し(S355)、S360の処理へ移行する。
なお、本実施の形態では、データが記憶(保留)されている保留エリア(第2〜第4)についてのみデータのシフトを行ったが、データの有無に関わらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。
そして、S355またはS359の処理が終了したら、次に、保留数コマンドを設定する(S360)。ここでは、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)と、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)とを示す保留数コマンドを設定する。ここで設定された保留数コマンドは、次のメイン処理(図21参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。出力された保留数コマンドが、演出制御装置117により受信されると、その保留数コマンドが示す特図A保留球数NAと同一数のランプが特図A保留ランプ85Aにおいて点灯され、また、その保留数コマンドが示す特図B保留球数NBと同一数のランプが特図B保留ランプ85Bにおいて点灯される。
次に、特図A保留球カウンタ203dの値(特図A保留球数NA)に応じて、第1図柄表示装置37AにおけるLED37Aaを点灯させると共に、特図B保留球カウンタ203eの値(特図B保留球数NB)に応じて、第1図柄表示装置37BにおけるLED37Baを点灯させて、新たな保留回数を点灯状態により表示する(S361)。S361の処理が終了したら、この保留球格納エリア順送り処理(S306)を終了して変動処理(図22参照)へ戻る。
以上の図23の保留球格納エリア順送り処理(S306)によれば、S351の判定処理を行うことで、特図A保留球格納エリア203aに記憶されているデータよりも、特図B保留球格納エリア203bに記憶されているデータを優先して、保留球実行エリア203cへシフトさせることができる。よって、第1入球口B640への入賞に基づく大当たりの抽選を優先的に行うことができるので、遊技者に付与される遊技価値が高くなり易い大当たりの抽選を優先的に行うことができる。従って、遊技者は、入賞する第1入球口が第1入球口A64であるか第1入球口B640であるかに応じて一喜一憂することになり、遊技者に高い興趣性遊技を提供することができる。
次に、図24を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理(S307)について説明する。図24は、主制御装置110の変動開始処理(S307)を示すフローチャートである。変動開始処理(S307)は、保留球実行エリア203cに記憶されているデータ(各カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値)に基づいて、大当たりであるか外れであるかを判定し、その判定結果に応じた変動表示を開始させるための処理であり、変動処理(図22参照)の中で実行される処理である。
この変動開始処理(S307)では、まず、保留球実行エリア203cに記憶されている各データを取得する(S401)。即ち、保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1に記憶されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2に記憶されている第1当たり種別カウンタC2の値と、第1変動種別カウンタ格納エリア203c3に記憶されている第1変動種別カウンタCS1の値と、第2変動種別カウンタ格納エリア203c4に記憶されている第2変動種別カウンタCS2の値と、第3変動種別カウンタ格納エリア203c5に記憶されている第3変動種別カウンタCS3の値と、始動口入賞情報格納エリア203c6に記憶されている始動口入賞情報(ビット値「0」または「1」)とを取得する。
そして、S401の処理により取得したカウンタC1,C2の各値と、始動口入賞情報とに基づいて、抽選結果を取得する(S402)。上述した通り、抽選結果が大当たりか否かは、第1当たり乱数カウンタC1の値と、その時々のモード(低確率状態または高確率状態)との関係に基づいて判別される。図6(a)に示すように、低確率時(大当たり確率が通常の状態)に大当たりとなる乱数の個数は7個あり、その値は「0〜6」となっている。また、高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)に大当たりとなる乱数の個数は70個あり、その値は「0〜69」となっている。
さらに、大当たりと判別された場合には、S401の処理により取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、始動口入賞情報とに基づいて、3種類ある大当たり(「第1の確変大当たり(15R確変大当たり)」、「第2の確変大当たり(2R確変大当たり)」、「通常大当たり(15R通常大当たり)」)のうち、どの大当たりであるか種別が判別される。
なお、上述した通り、大当たりの種別の振り分けは、球が第1入球口A64へ入賞した場合と、球が第1入球口B640へ入賞した場合とで異なる。図6(b)に示すように、球が第1入球口A64へ入賞した場合に第1の確変大当たりとなる乱数の個数は7個あり、その値は「0〜6」となっている。同様に、第2の確変大当たりとなる乱数の個数は6個で、その値は「7〜12」となっており、通常大当たりとなる乱数の個数は7個で、その値は「13〜19」となっている。一方、球が第1入球口B640へ入賞した場合に第1の確変大当たりとなる乱数の個数は12個で、その値は「0〜11」となっており、第2の確変大当たりとなる乱数の個数は2個で、その値は「12,13」となっており、通常大当たりとなる乱数の個数は6個で、その値は「14〜19」となっている。
次に、S402の処理で取得した抽選結果が大当たりであるかを判別し(S403)、抽選結果が大当たりであると判別された場合には(S403:Yes)、S402の処理により取得した大当たりの種別に応じて、大当たり時の表示態様を設定する(S404)。つまり、S404の処理では、第1図柄表示装置37Aまたは第1図柄表示装置37Bにおける大当たり中の表示態様(LED37Aa,37Baの点灯状態)と、大当たり後の表示態様(LED37Aa,37Baの点灯状態)とをそれぞれ設定する。
大当たりの種別が「第1の確変大当たり(15R確変大当たり)」と判別されている場合には、大当たり後の表示態様として「第1の確変大当たり」に対応した表示態様が設定され、以下同様に、「第2の確変大当たり(2R確変大当たり)」と判別されている場合には、「第2の確変大当たり」に対応した表示態様が、「通常大当たり(15R通常大当たり)」と判別されている場合には、「通常大当たり」に対応した表示態様が設定される。なお、演出制御装置117では、ここで設定された表示態様に対応するように、第3図柄表示装置81において停止表示される大当たりの停止図柄が設定される。
また、本実施の形態では、大当たり終了後に「第1の確変大当たり(15R確変大当たり)」へ移行する場合には赤色のLEDが点灯され、大当たり終了後に「第2の確変大当たり(2R確変大当たり)」へ移行する場合には緑色のLEDが点灯され、大当たり終了後に「通常大当たり(15R通常大当たり)」へ移行する場合には黄色のLEDが点灯され、外れである場合には青色のLEDが点灯される。
一方、S403の処理において、S402の処理で取得した抽選結果が外れであると判別された場合には(S403:No)、外れ時の表示態様を設定する(S405)。つまり、S405の処理では、第1図柄表示装置37Aまたは第1図柄表示装置37Bの表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定する。なお、演出制御装置117では、ここで設定された表示態様に対応するように、第3図柄表示装置81において停止表示される外れの停止図柄が設定される。
次に、S402の処理で取得した抽選結果と、S401の処理で取得した変動種別カウンタCS1,CS2の各値とに基づいて、図柄変動の変動時間を決定する(S406)。具体的には、図6(c)を参照して説明した通り、抽選結果と、第1変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、図柄変動の大まかな変動時間(「11秒間」、「20秒間」、「40秒間」、又は「60秒間」)が決定され、さらに、その決定された変動時間と、第2変動種別カウンタCS2の値とに基づいて、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2)が停止するまでの変動時間(「±0秒」、「+0.5秒」、又は「−1秒」)が決定される。よって、このS406の処理による変動時間の決定によって、第1図柄表示装置37Aまたは第1図柄表示装置37Bの表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。
なお、本実施の形態では、抽選結果と、変動種別カウンタCS1,CS2の値との関係に基づいて、変動時間を決定しているが、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけで設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や、始動口入賞情報の値や、遊技条件などに応じて適宜決めるように構成しても良い。
次に、第1及び第2変動種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に加減算する演出時間を決定する(S407)。具体的には、S401の処理で取得した第3変動種別カウンタCS3の値に基づいて演出時間の加減算が決定され、第1図柄表示装置37Aまたは第1図柄表示装置37Bの表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81の変動時間が設定される。本実施の形態では、演出時間の加減算の決定は、第3変動種別カウンタCS3の値に応じて、変動表示時間を変更しない場合と、変動表示時間を1秒加算する場合と、変動表示時間を2秒加算する場合と、変動表示時間を1秒減算する場合との4種類の加算値が決定される。
なお、変動表示時間が加減算される場合には、第3図柄表示装置81で大当たりの期待値が高くなる予告演出(例えば、変動表示時間を通常より長くしてスベリを伴わせるスベリ演出や予告キャラを表示させる演出や、変動時間を通常より短くして即停止させる演出など)が行われる。本実施の形態では、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりである場合には、2秒の加算値が選択される確率が高くなるように構成しており、遊技者は予告演出を確認することで大当たりを期待することができる。
次に、S406の処理で決定された変動時間に対応する変動パターンコマンドを設定する(S408)。なお、変動パターンコマンドは、第1変動種別カウンタCS1の値と、第2変動種別カウンタCS2の値との組み合わせにより決定される各変動時間ごとに個別に設けられている。そして、S404の処理またはS405の処理で設定された表示態様(停止図柄)と、S406の処理で決定された変動時間とに応じて、停止図柄のパターンを示す停止図柄コマンドを設定する(S409)。上述した通り、本実施の形態では、停止図柄のパターンとして、「確変大当たり図柄」、「通常大当たり図柄」、「前後外れリーチ図柄」、「前後外れ以外リーチ図柄」、「完全外れ図柄」が設けられている。なお、「完全外れ図柄」の中には、「外れチャンス目」が含まれており、「前後外れリーチ図柄」および「前後外れ以外リーチ図柄」の中には、「リーチチャンス目」が含まれている。
具体的には、表示態様が「第1の確変大当たり」または「第2の確変大当たり」に設定された場合には、図柄変動の大まかな変動時間に関わらず、停止図柄のパターンを「確変大当たり図柄」とする停止図柄コマンドが設定される。また、表示態様が「通常大当たり」に設定された場合には、図柄変動の大まかな変動時間に関わらず、停止図柄のパターンを「通常大当たり図柄」とする停止図柄コマンドを設定される。
また、表示態様が「外れ」に設定され、図柄変動の大まかな変動時間が「11秒」に決定された場合には、停止図柄のパターンを「完全外れ図柄」とする停止図柄コマンドが設定される。また、表示態様が「外れ」に設定され、図柄変動の大まかな変動時間が「20秒」、「40秒」、又は、「60秒」に決定された場合には、停止図柄のパターンを「前後外れリーチ」又は「前後外れ以外リーチ」とする停止図柄コマンドが設定される。なお、「前後外れリーチ」および「前後外れ以外リーチ」の2つの停止図柄のパターンのうち、どちらに決定するかは、例えば、第1変動種別カウンタCS1や第2変動種別カウンタCS2の各値に基づいて決定しても良いし、別途、乱数値などを取得して奇数であるか、偶数であるか等に応じて決定しても良い。
そして、S407の処理で決定された演出時間の加算値に応じて演出時間加算コマンドを設定し(S410)、この変動開始処理(S307)を終了して変動処理(図22参照)へ戻る。
この変動開始処理(S307)において設定された各コマンドは、次のメイン処理(図21参照)の実行タイミングにおいて、S201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。なお、演出制御装置117は、主制御装置110から出力された(第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な)各種コマンドを受信した場合に、受信したコマンドに応じて、第3図柄表示装置81において表示される変動演出や、大当たり演出の態様や、第3図柄表示装置81に表示される停止図柄を設定する。
ここで、第1図柄表示装置37Aや、第1図柄表示装置37Bや、第3図柄表示装置81において変動表示が開始される場合に、主制御装置110から演出制御装置117へ送信されるコマンドの順番について説明する。上述した通り、メイン処理(図21参照)の外部出力処理(S201)では、コマンドが設定された順番に各コマンドが送信される。また、変動開始処理(S307)の実行前には、必ず、保留球格納エリア順送り処理(S306)が実行される。
よって、保留球格納エリア順送り処理(S306)により、「保留数コマンド」が設定され、その後、変動開始処理(S307)により、「変動パターンコマンド」、「停止図柄コマンド」、「演算時間加算コマンド」の順で、コマンドが設定される。よって、主制御装置110から演出制御装置117へは、「保留数コマンド」、「変動パターンコマンド」、「停止図柄コマンド」、「演算時間加算コマンド」の順に各種コマンドが送信される。
なお、「演算時間加算コマンド」を設けずに、「演算時間加算コマンド」が示す情報を「変動パターンコマンド」の中に含める構成としても良い。また、これらのコマンドは、順序を入れ替えて送信しても良い。また、コマンドの設定順序を入れ替えて、送信する順序を入れ替えても良い。例えば、主制御装置110から演出制御装置117へ「変動パターンコマンド」を真っ先に送信するように構成すれば、他のコマンドの送信が完了していなくても、変動表示を開始させることが可能となるので、変動表示を迅速に開始することができる。これは、「保留数コマンド」、「停止図柄コマンド」、「演算時間加算コマンド」等は、変動表示の開始に影響を与え無いからである。
また、1回の外部出力処理(S201)の実行によって、外部へ送信するコマンドの最大数を所定数(例えば、3個)までに制限するようにしても良い。例えば、送信するコマンドの数が多い場合(例えば、6個)であれば、2回のメイン処理(今回実行されるメイン処理、及び、次回実行されるメイン処理)にわたって送信する。これは、一度に送信するコマンドが多い場合には、送信に時間が掛かり、メイン処理を4msごとに実行できなくなる可能性があるからである。
このように構成した場合には、優先度の高いコマンドから送信するように構成しても良い。具体的には、上述した通り、主制御装置110から演出制御装置117へ「変動パターンコマンド」を真っ先に送信し、その後、「保留数コマンド」、「停止図柄コマンド」、「演算時間加算コマンド」等を、1回または複数回のメイン処理にわたって送信する。なお、1回の外部出力処理(S201)の実行によって、外部へ送信するコマンドの最大数は、メイン処理の残余時間や、各メイン処理内で処理すべき情報量などに応じて変更しても良い。
次に、図28、図29、及び図30を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU211の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理(図28参照)とがあり、説明の便宜上、始めに、NMI割込処理を説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図28を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行されるNMI割込処理について説明する。図28は、払出制御装置111のNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、実行される処理である。
このNMI割込処理では、上述した主制御装置110のNMI割込処理と同様な処理が実行される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始する。そして、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM213に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
次に、図29を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行される立ち上げ処理について説明する。図29は、払出制御装置111の立ち上げ処理を示すフローチャートである。立ち上げ処理は、払出制御装置111の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU211がリセットされた場合に実行される処理である。
まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、RAMアクセスを許可すると共に(S802)、外部割込ベクタの設定を行う(S803)。
その後は、MPU211内のRAM213に関してのデータバックアップの処理を実行する。具体的には、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S804)、記憶されていなければ(S804:No)、バックアップデータは記憶されていないので、処理をS811へ移行する。RAM213に電源断の発生情報が記憶されていれば(S804:Yes)、RAM判定値を算出し(S805)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S806:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS811へ移行する。払出制御装置111のメイン処理(図30参照)のS917の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM213の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM213の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S811,S812のRAMの初期化処理では、RAM213の全ての領域を0クリアした後(S811)、RAM213の初期値を設定する(S812)。その後、MPU211の周辺デバイスの初期設定を行い(S809)、割込みを許可して(S810)、払出制御装置111のメイン処理(図30参照)へ移行する。
一方、電源断の発生情報が設定されており(S804:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S806:Yes)、RAM213にバックアップされたデータを保持したまま、電源遮断の発生情報をクリアすると共に(S807)、賞球や貸出球の払い出しを開始させるために、球の払出し許可を設定する(S808)。その後、MPU211の周辺デバイスの初期設定を行い(S809)、割込みを許可して(S810)、後述する払出制御装置111のメイン処理(図30参照)へ移行する。
次に、図30を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行されるメイン処理を説明する。図30は、払出制御装置111のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、球の払い出し制御を実行するための処理であり、上記した払出制御装置111の立ち上げ処理(図29参照)の終了後に実行され、その後は繰り返し実行される処理である。
このメイン処理では、まず主制御装置110から送信されてくる賞球コマンドや払出復帰コマンド、払出初期化コマンドなどを受信すると共に、それらコマンドの種別を判定するコマンド判定処理を行う(S901)。このコマンド判定処理は、主制御装置110から送信されて受信した各種コマンドに応じて、それぞれのコマンドに対応する処理を実行するための処理であり、ここでは、例えば、主制御装置110より送信された払出復帰コマンドや、払出初期化コマンドや、賞球コマンドを受信すると、賞球や貸出球の払い出しが許可される。
コマンド判定処理(S901)が終わると、払い出しが許可されているか否かが判別され(S902)、払い出しが許可されていなければ(S902:No)、未だ主制御装置110は立ち上がった状態にないので、かかる場合には、コマンド判定処理(S901)において払い出しの許可がなされるまでコマンド判定処理(S901)を繰り返し実行する。一方、S902の処理において払い出しが許可されていれば(S902:Yes)、状態復帰スイッチ120をチェックし、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S903)。
その後、下皿50の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S904)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿50の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S905)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態がある場合には、払出制御装置111に設けた7セグメントLEDにより報知する(S906)。
次に、S907〜S909の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つ記憶した総賞球個数が0でなければ(S907:No,S908:No)、賞球の払い出しを行うために賞球制御処理を開始する(S909)。一方、賞球の払出不可状態(S907:Yes)または総賞球個数が0であれば(S908:Yes)、貸球払出の処理に移行する。
S910〜S912の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S910:No,S911:Yes)、貸球を払い出しために貸球制御処理を開始する(S912)。一方、貸球の払出不可状態(S910:Yes)または貸球払出要求を受信していない場合には(S911:No)、処理をS913へ移行する。また、貸球制御処理(S912)の終了後も、同様に、処理をS913へ移行する。
S913の処理では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ134の制御(バイブモータ制御)を実行する(S913)。その後は、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S914)、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S914:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていないので、かかる場合には、処理をS901へ移行して、上述したS901〜S913の各処理を繰り返し実行する。
一方、S914の処理において、電源断の発生情報が記憶されていれば(S914:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図28のNMI割込処理が実行されたということである。よって、かかる場合には、各割込処理の発生の禁止をし(S915)、主制御装置110から送信されてくるコマンドの受信漏れを防止するために、再度、コマンド判定処理を実行する(S916)。そして、RAM判定値を算出してRAM213に保存し(S917)、RAM213のアクセスを禁止して(S918)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、例えば、RAM判定値は、RAM213のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S914の処理は、払出制御装置111のメイン処理の1サイクルが終わるタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断前の状態から復帰する場合には、処理を立ち上げ処理の終了後、S901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、メイン処理を開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU211が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、払出制御装置111の初期設定の処理(S801)(図29参照)において、スタックポインタを所定値(初期値)に設定することで、処理をS901から開始することができる。従って、払出制御装置111の制御負担を軽減することができると共に、払出制御装置111が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。また、各処理が終わったタイミングで電源断の処理が実行されるので、RAM213にバックアップする情報量を少なくすることができる。
次に、図31から図47のフローチャートと、図48および図49に示す概略図とを参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU271の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、電源が投入されてから遮断されるまで停止図柄パターンテーブルを更新し続ける停止図柄パターンテーブル更新処理とがある。
説明の便宜上、始めに、停止図柄パターンテーブル更新処理(図36参照)を説明し、続けて、立ち上げ処理(図31参照)、メイン処理(図32参照)の順に説明する。
まず、図36を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される停止図柄パターンテーブル更新処理について説明する。図36は、演出制御装置117の停止図柄パターンテーブル更新処理を示すフローチャートである。停止図柄パターンテーブル更新処理は、停止図柄パターンテーブルメモリ273kに記憶されている停止図柄パターンテーブルを、立ち上げ処理(図31参照)が終了してから繰り返し(例えば、5ms毎に)更新し続けるための処理である。この停止図柄パターンテーブル更新処理では、まず、図柄パターン生成エリア更新処理を実行する(S1501)。
ここで、図37を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される図柄パターン生成エリア更新処理(S1501)について説明する。図37は、演出制御装置117の図柄パターン生成エリア更新処理を示すフローチャートである。図柄パターン生成エリア更新処理(S1501)は、停止図柄パターンテーブル内の図柄パターン生成エリアを更新するための処理であり、停止図柄パターンテーブル更新処理(図36参照)の中で実行される処理である。
この図柄パターン生成エリア更新処理(S1501)では、まず、停止図柄パターンテーブルにおける図柄パターン生成エリアの第3エリアに1を加算する(S1531)。次に、第3エリアの値が18(最大値)を超えたかを判定し(S1532)、第3エリアの値が18を超えた場合は(S1532:Yes)、第3エリアの値が最大値(下図柄列Z3に対応する仮想図柄リールの配列番号(1〜18))を超えた場合である。よって、第3エリアを1にクリアすると共に、第2エリアに1を加算する(S1533)。一方、S1532において、第3エリアの値が18以内である場合には(S1532:No)、S1533〜S1537の各処理をスキップして、この図柄パターン生成エリア更新処理を終了し、停止図柄パターンテーブル更新処理(図36参照)へ戻る。
次に、第2エリアの値が20(最大値)を超えたかを判定し(S1534)、第2エリアの値が20を超えた場合は(S1534:Yes)、第2エリアの値が最大値(中図柄列Z2に対応する仮想図柄リールの配列番号(1〜20))を超えた場合である。よって、第2エリアを1にクリアすると共に、第1エリアに1を加算する(S1535)。一方、S1534において、第2エリアの値が20以内である場合には(S1534:No)、S1535〜S1537の各処理をスキップして、この図柄パターン生成エリア更新処理を終了し、停止図柄パターンテーブル更新処理(図36参照)へ戻る。
次に、第1エリアの値が18(最大値)を超えたかを判定し(S1536)、第1エリアの値が18を超えた場合は(S1536:Yes)、第1エリアの値が最大値(上図柄列Z1に対応する仮想図柄リールの配列番号(1〜18))を超えた場合である。よって、第1エリアを1にクリアする(S1537)。一方、S1536において、第1エリアの値が18以内である場合には(S1536:No)、S1537の各処理をスキップして、この図柄パターン生成エリア更新処理を終了し、停止図柄パターンテーブル更新処理(図36参照)へ戻る。
上述した通り、本実施の形態では、第3エリアの値を1ずつ増加させ、第3エリアの値が最大値に達すると、第2エリアに1を加算し、第2エリアの値が最大値に達すると、第1エリアに1を加算しているが、1ずつ値を増加させるエリアは、第2エリアや第1エリアであっても良い。例えば、第2エリアの値を1ずつ増加させるなら、第2エリアの値が最大値に達したら、第2エリアを1にクリアすると共に、第1エリアに1を加算する。そして、第1エリアの値が最大値に達したら、第1エリアを1にクリアすると共に、第3エリアに1を加算する。第3エリアが最大値に達した場合は、単に、第3エリアを1にクリアする。また、加算する値は、1に限らず、任意に設定すれば良い。また、第1から第3の各エリアにそれぞれ所定値を加算するように構成しても良い。
また、第1エリアに対応する(1〜18の範囲の)乱数値を取得して、第1エリアの値としても良いし、第2エリアに対応する(1〜20の範囲の)乱数値を取得して、第2エリアの値としても良いし、第3エリアに対応する(1〜18の範囲の)乱数値を取得して、第3エリアの値としても良い。
ここで、図36の説明に戻る。図柄パターン生成エリア更新処理(S1501)が終了したら、次に、更新された図柄パターン生成エリアの値が、前後外れリーチ図柄の停止図柄を示すかを判定する(S1502)。具体的には、図柄パターン生成エリアの第1エリアの値に対応する上図柄列Z1と、第2エリアの値に対応する中図柄列Z2と、第3エリアの値に対応する下図柄列Z3とを組み合わせた停止図柄が、前後外れリーチ図柄を示すかを判定する。
S1502の処理において、図柄パターン生成エリアの値が、前後外れリーチ図柄の停止図柄を示す場合には(S1502:Yes)、図柄パターン生成エリアの値を、停止図柄パターンテーブル内の前後外れリーチエリアに記憶する(S1503)。具体的には、図柄パターン生成エリアの第1エリアの値を、前後外れリーチエリアの第1エリアに記憶し、以下同様に、図柄パターン生成エリアの第2エリアの値を、前後外れリーチエリアの第2エリアに、図柄パターン生成エリアの第3エリアの値を、前後外れリーチエリアの第3エリアにそれぞれ記憶(コピー)する。その後、S1501の処理に戻る。
一方、S1502の処理において、図柄パターン生成エリアの値が、前後外れリーチ図柄以外の停止図柄を示す場合には(S1502:No)、図柄パターン生成エリアの値が、前後外れ以外リーチ図柄の停止図柄を示すかを判定する(S1504)。図柄パターン生成エリアの値が、前後外れ以外リーチ図柄の停止図柄を示す場合には(S1504:Yes)、図柄パターン生成エリアの値を、停止図柄パターンテーブル内の前後外れ以外リーチエリアに記憶する(S1505)。その後、S1501の処理に戻る。
一方、S1504の処理において、図柄パターン生成エリアの値が、前後外れ以外リーチ図柄以外の停止図柄を示す場合には(S1504:No)、図柄パターン生成エリアの値が、確変大当たり図柄の停止図柄を示すかを判定し(S1506)、確変大当たり図柄の停止図柄を示す場合には(S1506:Yes)、図柄パターン生成エリアの値を、停止図柄パターンテーブル内の確変大当たりエリアに記憶する(S1507)。その後、S1501の処理に戻る。
一方、S1506の処理において、図柄パターン生成エリアの値が、確変大当たり図柄以外の停止図柄を示す場合には(S1506:No)、図柄パターン生成エリアの値が、通常大当たり図柄の停止図柄を示すかを判定し(S1508)、通常大当たり図柄の停止図柄を示す場合には(S1508:Yes)、図柄パターン生成エリアの値を、停止図柄パターンテーブル内の通常大当たりエリアに記憶する(S1509)。その後、S1501の処理に戻る。
一方、S1508の処理において、図柄パターン生成エリアの値が、通常大当たり図柄以外の停止図柄を示す場合には(S1508:No)、図柄パターン生成エリアの値が、完全外れ図柄の停止図柄を示す場合である。よって、図柄パターン生成エリアの値を、停止図柄パターンテーブル内の完全外れエリアに記憶する(S1510)。その後、S1501の処理に戻る。
以上の図36の停止図柄パターンテーブル更新処理によれば、停止図柄パターンテーブルを、電源が投入されてから遮断されるまで常に(例えば、5ms毎に)更新し続けることができる。常に停止図柄パターンテーブル内の各エリアの値を更新できるので、各エリアの値(停止図柄の第3図柄の配列を示す情報)が取得される度に、不規則な値が取得される。よって、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄の配列(停止図柄)を多様なものとできるので、遊技者が遊技に対して単調な印象を持つことを回避し、高い興趣性を有する遊技を提供することが可能となる。
また、停止図柄パターンテーブル内には、確変大当たりエリアや、通常大当たりエリアなどの各種エリアが設けられているが、一旦、ワークエリアとして設けられている図柄パターン生成エリアの値(第3図柄配列情報)を更新し、その後、更新値に応じたエリア(確変大当たりエリアや、通常大当たりエリアなど)にその値を記憶(コピー)しているので、タイミングに関係なく正確に、所望するエリア内に記憶されている第3図柄配列情報(第3図柄の配列を示す情報)取得できる。
例えば、図柄パターン生成エリアを設けずに、停止図柄パターンテーブル内の各エリア(確変大当たりエリアや、通常大当たりエリア)の値(第3図柄配列情報)を直接更新する構成だと、値の更新タイミングによっては、所望する第3図柄配列情報を取得できない。即ち、直接更新したエリア内の値が、そのエリア内に応じた値でなければ、そのエリア内の値を正しい値に修正する(再度更新したり、適切なエリアに移動させる)必要がある。しかし、その処理が完了する前にそのエリア内の値が取得されると、間違った第3図柄配列情報が取得される。本実施の形態では、一旦、図柄パターン生成エリアの値(第3図柄配列情報)を更新し、その後、更新値に応じたエリア(確変大当たりエリアや、通常大当たりエリアなど)にその値を記憶(コピー)しているので、タイミングに関係なく正確に、所望するエリア内に記憶されている第3図柄配列情報を取得できる。
なお、図柄パターン生成エリアを設けずに、停止図柄パターンテーブル内のエリア(例えば、確変大当たりエリアや、通常大当たりエリアなど)において、値(第3図柄配列情報)を直接更新し、更新した値に対応するエリアへ、その値を記憶(コピー)するように構成しても良い。このように構成する場合には、エリア内で値を更新してから、その更新した値を、更新した値に対応するエリアへ記憶(コピー)し終えるまでの期間は、第3図柄配列情報の取得を禁止する。これにより、所望するエリア内に記憶されている第3図柄配列情報を正確に取得することができる。また、このように構成すれば、図柄パターン生成エリアを設けなくて良いので、RAM273の記憶領域の消耗を抑制できる。
次に、図31を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される立ち上げ処理を説明する。図31は、演出制御装置117の立ち上げ処理を示すフローチャートである。立ち上げ処理は、演出制御装置117の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU271がリセットされた場合に実行される処理である。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源投入報知処理を実行する(S1002)。
電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図A保留ランプ85Aや、特図B保留ランプ85Bや、第3図柄表示装置81の画面などにより行われる。
電源投入報知処理が終了したら、次に、第3図柄表示装置81に初期画面を表示するために、まず、初期画面に応じた演出データ(又は、画像データ)を、キャラクタROM275から読み出し、ビデオRAM276の所定領域に記憶する(S1003)。そして、その演出データを使用して、初期画面を第3図柄表示装置81(LCD)に表示する(S1004)。
次に、今回の立ち上げ処理が、後述する電源断処理(図32のS1118参照)の実行途中で、MPU271がリセットされたために実行されたものであるのかを、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって判定する(S1005)。
上述した通り、瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)が発生すると、主制御装置110は、演出制御装置117などに対して電源断コマンドを送信する。詳細については図32を参照しつつ後述するが、演出制御装置117では、電源断コマンドを受信すると、電源断コマンドを受信したことを示す電源断の発生情報をRAM273に記憶し、電源断処理(図32のS1118参照)を実行する。そして、かかる電源断処理の実行前には、電源断処理中フラグをオンし、電源断処理の終了後には、電源断処理中フラグをオフする。
つまり、電源断処理の実行途中で、MPU271がリセットされたか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。なお、電源断処理の実行途中に、または、実行完了した後に電源が完全に遮断された場合には、RAM273のデータが喪失するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
より具体的には、電源断処理中フラグがオフである場合は、次の3つの状態の何れかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合である。1つ目の状態としては、電源が完全に遮断された状態である。電源が完全に遮断されると、RAM273のデータが喪失するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
2つ目の状態としては、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図32のS1118参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理が完了した後に、MPU271がリセットされた状態である。この場合、電源が遮断されなかったため、RAM273のデータは喪失せずに保持される。また、電源断処理が完了するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
3つ目の状態としては、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされた状態である。つまり、電源断処理が実行されることなく(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、MPU271がリセットされると、電源断処理中フラグがオフのまま、RAM273のデータが保持される。
上述した3つの状態の何れかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合、即ち、電源断フラグがオフの場合は(S1005:No)、RAM273のデータが破壊されているか否かを確認する(S1006)。なお、ここでデータが破壊されているか否かを確認しているのは、ノイズなどによってMPU271のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合に、RAM273のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して演出制御装置117の制御を継続できるからである。
例えば、ノイズなどによってMPU271のみがリセットされたとしても、RAM273のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して、連続チャンス目演出に関する制御を継続することできる。ここで、ノイズなどによってMPU271のみがリセットされた場合に、RAM273のデータが必ず初期化される構成であると、連続チャンス目演出を開始するかの判定も、初期状態からやり直す必要がある。しかしながら、本実施の形態では、RAM273のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して、連続チャンス目演出を開始するかの判定を継続して行えるので、連続チャンス目演出を行う機会が減少することを抑制できる。
RAM273のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM273の特定の領域には、後述するS1009の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM273のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM273のデータ破壊を確認することができる。RAM273のデータ破壊が確認されれば(S1006:Yes)、S1007へ移行して、RAM273の初期化を開始する。一方、RAM273のデータ破壊が確認されなければ(S1006:No)、S1011の処理へ移行する。
より具体的には、電源が完全に遮断された後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM273の記憶は喪失するから)、RAM273のデータ破壊と判断され(S1006:Yes)、S1007の処理へ移行する。一方、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図32のS1118参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行が完了した後にMPU271がリセットされて、今回の立ち上げ処理が開始されたか、或いは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされた後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM273のデータは正常と判断されて(S1006:No)、S1011の処理へ移行する。
S1005の処理において、電源断処理中フラグがオンである場合は(S1005:Yes)、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図32のS1118参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中でMPU271がリセットされた場合である。この場合は、現在のRAM273の記憶状態が必ずしも正しいとは言えない。よって、かかる場合には制御を継続することが困難であるので、処理をS1007へ移行して、RAM273の初期化を開始する。
S1007の処理では、RAM273の全範囲の記憶領域をチェックする(S1007)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM273の読み書きチェックにより、RAM273のすべての記憶領域が0クリアされる。
次に、RAM273のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1008:Yes)、RAM273の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1009)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM273にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM273のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1008:No)、RAM273の異常を報知して(S1010)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM273の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM273の異常報知を行うようにしても良い。また、第3図柄表示装置81の画面において、RAM273の異常を報知するように構成しても良い。
S1011の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1011)。電源断フラグは、電源断処理(図32のS1118参照)が実行される前にオンされ、電源が完全に遮断されるとオフとなる(図32のS1118参照)。よって、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオンである場合とは、瞬間的な停電が発生したため電源断処理が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中に、または、実行完了してMPU271がリセットされた場合である。
従って、かかる場合には(S1011:Yes)、演出制御装置117の各処理を初期化するためにRAM273の作業エリアをクリアし(S1012)、RAM273の初期値を設定した後(S1013)、割込み許可を設定して(S1014)、メイン処理へ移行する。なお、RAM273の作業エリアとしては、RAM273の各メモリ273a〜273lなどが該当する。
一方、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオフである場合とは、例えば、電源が完全に遮断された後に、再度電源が投入された場合(電源断フラグのデータを含むRAM273のデータが喪失している場合)、或いは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされて、電源断フラグがオンされることなく(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、RAM273のデータが保持されている場合である。
よって、かかる場合には(S1011:No)、RAM273の作業領域のクリア処理であるS1012をスキップして、処理をS1013へ移行し、RAM273の初期値を設定した後(S1013)、割込み許可を設定して(S1014)、メイン処理へ移行する。
なお、S1012のクリア処理をスキップするのは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、演出制御装置117の制御を継続できるからである。例えば、ノイズなどによってMPU271のみがリセットされたとしても、RAM273のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して、連続チャンス目演出に関する制御を継続することできる。ここで、ノイズなどによってMPU271のみがリセットされた場合に、RAM273のデータが必ず初期化される構成であると、連続チャンス目演出を開始するかの判定も、初期状態からやり直す必要がある。しかしながら、本実施の形態では、RAM273のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して、連続チャンス目演出を開始するかの判定を継続して行えるので、連続チャンス目演出を行う機会が減少することを抑制できる。
また、S1007〜S1009の処理が実行された場合には、S1007の処理によって、既にRAM273のすべての記憶領域はクリアされているので、再度、RAM273の作業エリアをクリアする必要がないからである。
次に、図32を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行されるメイン処理について説明する。図32は、演出制御装置117のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技の演出(音声出力や表示など)に関する制御を実行するための処理であり、上記した演出制御装置117の立ち上げ処理(図31参照)の終了後に実行され、その後は繰り返し実行される処理である。
メイン処理では、まず、前回の判定(S1101の処理)が実行されてから、1m秒以上が経過したか否かを判定し(S1101)、前回の判定(S1101の処理)が実行されてから、1m秒以上経過している場合には(S1101:Yes)、音声ランプ演出処理を実行する(S1102)。なお、音声ランプ演出処理については、図33を参照して後述するが、主に、各種ランプの点灯制御や、音声出力制御を実行するための処理である。この音声ランプ演出処理(S1102)が終了したら、S1103の処理へ移行する。
一方、前回の判定(S1101の処理)が実行されてから、1m秒以上経過していなければ(S1101:No)、S1102の処理をスキップして、S1103の処理へ移行する。このS1101の処理によって、前回の判定が実行されてから1m秒以上経過したか否かを判定するのは、S1102の処理が、主にランプの点灯制御や、音声出力制御に関する処理であるので、短い周期(1m秒以内)で実行する必要がないからである。
S1103の処理では、前回の判定(S1103の処理)が実行されてから、20m秒以上が経過したか否かを判定し(S1103)、前回の判定(S1103の処理)が実行されてから、20m秒以上経過している場合には(S1103:Yes)、変動演出処理を実行する(S1104)。なお、変動演出処理については、図34を参照して後述するが、第3図柄表示装置81(LCD)に、変動演出に応じた動画(画像)を表示させるための処理である。この変動演出処理(S1104)が終了したら、S1105の処理へ移行する。
一方、前回の判定(S1103の処理)が実行されてから、20m秒以上経過していなければ(S1103:No)、S1104の処理をスキップして、S1105の処理へ移行する。このS1103の処理によって、前回の判定が実行されてから20m秒以上経過したか否かを判定するのは、S1104の処理が、第3図柄表示装置81(LCD)に表示させる画像を変動時間に応じて更新する処理であるので、短い周期(20m秒以内)で実行する必要がないからである。
S1105の処理では、RAM273の停止図柄変更可能期間フラグ273iがオンであるかを判定する(S1105)。
なお、上述した通り、停止図柄変更可能期間フラグ273iは、停止図柄が「外れ図柄」となる変動演出が実行開始される場合にだけ、オンに設定され、実行中の変動演出の停止図柄が変更可能な間は、オンの状態が継続される。そして、実行中の変動演出の停止図柄が変更不可能になった場合や、実行中の変動演出の停止図柄が「チャンス目」に変更された場合に、オフに設定される。
よって、実行中の変動演出の停止図柄が変更された場合には、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオフに設定され、後述する偶然チャンス目禁止処理(S1113)がスキップされるので、その偶然チャンス目禁止処理が実行されて、実行中の変動演出の停止図柄が「チャンス目」以外の停止図柄に再変更されることは無い。また、外れロング変動が実行される場合には、停止図柄が必ず「チャンス目」となるので、そもそも停止図柄変更可能期間フラグ273iがオンにならず、偶然チャンス目禁止処理はスキップされる。
S1105の処理において、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオフの場合には(S1105:No)、S1106〜S1113の処理をスキップして、S1114の処理へ移行する。一方、S1105の処理において、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオンの場合には(S1105:Yes)、RAM273の変動時間カウンタ273gを現在の経過時間に更新する(S1106)。なお、上述した通り、停止図柄変更可能期間フラグ273iは、実行中の変動演出の停止図柄を変更可能な期間内だけオンされるフラグであるので、フラグがオンなら必ず変動演出が実行されている。また、抽選結果が外れとなる変動演出が必ず実行されている(図45のS2107,S2108参照)。
次に、変動時間カウンタ273gの値が、最大変更可能期間(図13参照)を超えたかを判定し(S1107)、変動時間カウンタ273gの値が、最大変更可能期間を超えた場合には(S1107:Yes)、実行中の変動演出の停止図柄を変更不可能な期間になったので、S1112の処理へ移行する。より具体的には、S1107の処理では、実行中の変動演出が開始されてから10秒が経過したかを判定している。
一方、S1107の処理において、変動時間カウンタ273gの値が、最大変更可能期間を超えていない場合には(S1107:No)、実行中の変動演出が外れ変動であるかを判定する(S1108)。実行中の変動演出がリーチ変動(即ち、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動、スペシャルリーチ変動)の場合には(S1108:No)、上図柄列Z1および下図柄列Z3に必ず同一図柄があるため、最大変更可能期間を経過するまでは、停止図柄の変更が可能なので、S1109〜S1113の各処理をスキップして、S1114の処理へ移行する。
一方、実行中の変動演出が外れ変動の場合には(S1108:Yes)、表示図柄パターンメモリ273lの第3図柄配列情報を取得する(S1109)。そして、取得した第3図柄配列情報に対応する停止図柄の上・中・下の各図柄列Z1,Z2,Z3のうち、上図柄列Z1および下図柄列Z3に同一図柄があるかを判定し(S1110)、同一図柄がある場合には(S1110:Yes)、最大変更可能期間を経過するまでは、外れ変動の停止図柄の変更が可能なので、S1111〜S1113の各処理をスキップして、S1114の処理へ移行する。
これにより、外れ変動が実行されている場合に、上図柄列Z1および下図柄列Z3に同一図柄があれば、外れ変動の最大変更可能期間(10秒)が経過するまでは、停止図柄変更可能期間フラグがオフされないので、停止図柄変更可能期間フラグがオフされるタイミングを、上・中・下の各図柄列Z1,Z2,Z3が全て停止表示される時間(11秒)に極力近づけることができる。よって、上・中・下の各図柄列Z1,Z2,Z3が全て停止表示される時間(11秒)の間際まで、連続チャンス目演出を開始するか否かを判定することが可能となるので、連続チャンス目演出を行う機会を増やすことができる。
また、外れ変動が実行されている場合に、上図柄列Z1および下図柄列Z3に同一図柄が無くても、上図柄列Z1が停止するまで(即ち、下図柄列Z3が中速変動を開始するまで)は、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオフされない。この場合も、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオフされるタイミングを、上図柄列Z1が中速変動を開始する時間(8秒未満)とする場合と比較して、上・中・下の各図柄列Z1,Z2,Z3が全て停止表示される時間(11秒)に極力近づけることができる。よって、上・中・下の各図柄列Z1,Z2,Z3が全て停止表示される時間(11秒)が近づくまで、連続チャンス目演出を開始するか否かを判定することが可能となるので、連続チャンス目演出を行う機会を増やすことができる。
一方、上図柄列Z1および下図柄列Z3に同一図柄が無い場合には(S1110:No)、第3図柄表示装置81において上図柄列Z1が停止したかを判定する(S1111)。上図柄列Z1が停止した場合には(S1111:Yes)、外れ変動の停止図柄を変更不可能な期間になったので、S1112の処理へ移行する。
S1111の処理において、第3図柄表示装置81において上図柄列Z1が高速変動中、中速変動中、又は低速変動中の場合には(S1111:No)、まだ、外れ変動の停止図柄の変更が可能なので、S1112〜S1113の処理をスキップして、S1114の処理へ移行する。
S1112の処理では、停止図柄変更可能期間フラグ273iをオフに設定し(S1112)、次に、偶然チャンス目禁止処理を実行する(S1113)。なお、偶然チャンス目禁止処理については、図35を参照して後述するが、連続チャンス目演出が実行されないにも関わらず、停止図柄設定処理(図45参照)により停止図柄が偶然にも「チャンス目」に設定されている場合に、その停止図柄を「チャンス目」以外の外れ図柄に変更するための処理である。この偶然チャンス目禁止処理(S1113)が終了したら、S1114の処理へ移行する。
本実施の形態では、連続チャンス目演出が実行されないにも関わらず、変動演出の停止図柄が偶然にも「チャンス目」に設定されている場合には、停止図柄の変更が不可能となるタイミングまで待って、その停止図柄を「チャンス目」以外の外れ図柄に変更している。例えば、停止図柄の変更が不可能となるタイミングまで待たずに、停止図柄を「チャンス目」に変更すると、その後、連続チャンス目演出が開始されることになった場合には、一旦変更した停止図柄を、再度「チャンス目」に変更しなければならない。しかしながら、停止図柄の変更が不可能となるタイミングまで待って、停止図柄を変更すれば、停止図柄の再変更を防止できるので、停止図柄の変更回数を抑制でき、制御的負担を軽減できる。
S1114の処理では、コマンド判定処理を実行する(S1114)。なお、コマンド判定処理については、図38を参照して後述するが、主制御装置110から送信されてきた各種コマンドに応じた処理を実行するための処理である。このコマンド判定処理(S1114)が終了したら、RAM273に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判定する(S1115)。なお、電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1115の処理において、電源断の発生情報が記憶されている場合は(S1115:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1117)、電源断処理を実行する(S1118)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1119)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226、特図A保留ランプ85A、特図B保留ランプ85B、電飾部29〜33、表示ランプ34、及び、第3図柄表示装置81への出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。なお、各出力ポートをオフするのは、異常な表示や、異常な音声出力が行われることを防止するためであり、異常な表示や、異常な音声出力によって、遊技者を困惑させないようにするためである。
S1115の処理において、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1115:No)、RAM273に記憶されるキーワード「55AAh」(図31のS1009の処理参照)に基づき、RAM273が破壊されているか否かを判別し(S1116)、RAM273が破壊されていなければ(S1116:No)、S1101の処理へ戻り、上述したS1101〜S1116の各処理を繰り返し実行する。
一方、S1116の処理において、RAM273が破壊されていれば(S1116:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM273が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図A保留ランプ85Aや、特図B保留ランプ85Bや、第3図柄表示装置81の画面などによりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
以上の図32のメイン処理により、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオフされるタイミングを、上・中・下の各図柄列Z1,Z2,Z3が全て停止表示される時間に極力近づけることができる。よって、上・中・下の各図柄列Z1,Z2,Z3が全て停止表示される時間が近づくまで、連続チャンス目演出を開始するか否かを判定することが可能となるので、連続チャンス目演出を行う機会を増やすことができる。
また、高速変動中の図柄列Z1〜Z3の第3図柄だけを差し替えることにより連続チャンス目演出を実行可能な間は、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオンに設定される一方、中速変動中、低速変動中、又は、停止表示中の図柄列Z1〜Z3の第3図柄を差し替えなければ連続チャンス目演出を実行できない場合には、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオフに設定される。そして、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオフされた後は、連続チャンス目演出を開始するか否かの判定が行われない(スキップされる)ので、低速変動中(又は停止表示中)の第3図柄が変更されることを防止できる。よって、遊技者に認識可能な第3図柄が変更されることを防止できるので、遊技者にとって不自然な変動演出が実行されることを防止できる。従って、変動演出の価値を向上させることができ、連続チャンス目演出の価値を高めることができる。
次に、図33を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される音声ランプ演出処理(S1102)について説明する。図33は、演出制御装置117の音声ランプ演出処理(S1102)を示すフローチャートである。音声ランプ演出処理(S1102)は、主に、ランプの点灯制御や、音声出力制御を実行するための処理であり、上述したメイン処理(図32参照)の中で実行される処理である。
音声ランプ演出処理(S1102)では、まず、後述するS1205の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプ(例えば、電飾部29〜33や、表示ランプ34など)の出力を設定する(S1201)。そして、S1202の客待ち演出処理を実行し、その後、保留個数表示更新処理を実行する(S1203)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などを行う。また、保留個数表示更新処理では、主制御装置110から送信されて受信した保留数コマンドに基づいて、特図A保留ランプ85Aの点灯数と、特図B保留ランプ85Bの点灯数とが更新される。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理を実行する(S1204)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1204の処理は省略する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1205)、その後、音編集・出力処理を実行する(S1206)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンや、表示ランプ34などを設定する。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどを設定し、その設定に応じて音声出力装置226から音を出力させる。
S1206の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S1207)、音声ランプ演出処理を終了して、メイン処理(図32参照)へ戻る。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信されて受信した変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間を設定する。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1205のランプ編集処理を実行する。なお、S1206の音編集・出力処理も、第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行する。
次に、図34を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される変動演出処理(S1104)について説明する。図34は、演出制御装置117の変動演出処理(S1104)を示すフローチャートである。変動演出処理(S1104)は、第3図柄表示装置81(LCD)に、変動演出に応じた動画(画像)を表示させるための処理であり、上述したメイン処理(図32参照)の中で実行される処理である。
変動演出処理(S1104)では、まず、第3図柄表示装置81で実行されている変動演出が大当たり用の演出であるか(即ち、大当たり中であるか)否かを判定し(S1301)、大当たり中であれば(S1301:Yes)、大当たり演出処理を実行する(S1302)。大当たり演出処理では、ラウンド数を更新したり、賞球数を更新したり、ラウンド毎に背景の画像を更新するなど(例えば、ラウンド毎に、キャラクタROM275から演出データを読み出して、ビデオRAM276の所定領域に書き込むなど)を行う。大当たり演出処理(S1302)の終了後は、変動演出処理を終了して、メイン処理(図32参照)へ戻る。
一方、S1301の処理において、大当たり中でなければ(S1301:No)、第3図柄表示装置81において変動演出の実行中(変動中)であるか否かを判定し(S1303)、変動中でない場合は(S1303:No)、RAM273の変動開始フラグ273hがオンであるかを判定する(S1304)。上述した通り、変動開始フラグ273hは、第3図柄表示装置81における変動演出の開始を、主制御装置110から指示された場合にオンされ、変動演出を開始したらオフされるフラグである。具体的には、主制御装置110から送信されてくる変動パターンコマンドおよび演出時間加算コマンドを受信した場合にオンに設定されるフラグである(図38のS1604参照)。
S1304の処理において、変動開始フラグ273hがオフである場合は(S1304:No)、その他の表示処理を実行して(S1313)、この変動演出処理を終了する。その他の表示処理とは、例えば、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に実行する客待ち演出などの表示処理である。
一方、S1304の処理において、変動開始フラグ273hがオンである場合は(S1304:Yes)、まず、変動開始フラグ273hをオフする(S1305)。そして、RAM273の変動時間カウンタ273gをリセットして(0に設定して)、変動時間のカウントを開始し(S1306)、S1308の処理へ移行する。なお、上述した通り、変動時間カウンタ273gは、第3図柄表示装置81において変動演出が開始されてからの経過時間が記憶されるカウンタである。
一方、S1303の処理において、変動演出の実行中(変動中)である場合は(S1303:Yes)、変動時間カウンタ273gの値を更新して(S1307)、S1308の処理へ移行する。S1308の処理では、予定されていた変動演出が最後まで実行されたかを判定する(S1308)。例えば、変動時間カウンタ273gの値が、変動時間メモリ273fの値を超えていれば、予定されていた変動演出が最後まで実行されたと判定する。なお、変動演出のために用意した動画を全て表示し、表示すべきデータが無くなったかなどにより、変動演出が最後まで実行されたかを判定しても良い。
S1308の処理において、予定されていた変動演出が最後まで実行されていないと判定された場合は(S1308:No)、停止図柄の表示時間であるか判定する(S1309)。例えば、変動時間カウンタ273gの経過時間が、実行中の変動演出に対して定められている停止図柄の停止表示の時間になったかを判定し、経過時間が停止図柄の停止表示の時間となったら、停止図柄を表示する時間であると判定する。
S1309の処理において、まだ停止図柄の表示時間でない場合は(S1309:No)、ビデオRAM276の変動演出データ記憶領域276aに記憶されている変動演出データを使用して、第3図柄表示装置81(LCD)に、変動演出データ(高速変動などの変動演出)に対応する画像を表示する(S1310)。上述した通り、本実施の形態では、第3図柄表示装置81に表示される1回分の変動演出は、高速変動などの変動演出を行うための変動演出データと、停止図柄の画像データである停止図柄データとに基づいて行われる。そして、S1310の処理が終了したら、この変動演出処理を終了して、メイン処理(図32参照)へ戻る。
一方、S1309の処理において、停止図柄の表示時間である場合は(S1309:Yes)、ビデオRAM276の停止図柄データ記憶領域276bに記憶されている停止図柄データを使用して、第3図柄表示装置81(LCD)に、停止図柄を表示する(S1311)。そして、この変動演出処理を終了して、メイン処理(図32参照)へ戻る。
S1308の処理において、予定されていた変動演出が最後まで実行されたと判定された場合には(S1308:Yes)、主制御装置110から送信されてくる停止コマンドを受信するまで、第3図柄表示装置81(LCD)において表示中の画像を保持する(S1312)。具体的には、第3図柄表示装置81(LCD)に、新たな画像を表示することを停止する。その結果、第3図柄表示装置81(LCD)では、表示中の画像が変化せずにそのまま表示され続ける。S1312の処理が終了したら、変動演出処理を終了して、メイン処理(図32参照)へ戻る。
以上の図34の変動演出処理(S1104)によって、第3図柄表示装置81(LCD)に、変動演出に応じた動画(画像)および停止図柄を表示することができる。また、第3図柄表示装置81(LCD)に表示される1回分の変動演出を、変動演出データと、停止図柄データとに基づいて行うことができる。具体的には、変動演出を開始したら、まず、変動演出データ記憶領域276aに記憶されている変動演出データを読み出し、その変動演出データ(高速変動などの変動演出)に対応する画像を第3図柄表示装置81に表示する。そして、停止図柄の表示時間となる度に、停止図柄データ記憶領域276bに記憶されている停止図柄データを読み出して停止図柄を表示する。
つまり、1回分の変動演出に使用するデータを、それぞれ異なる記憶領域276a、276bに記憶し、必要に応じて読み出す構成としているので、変動演出の時間内であり、且つ、停止図柄の表示時間前であれば、変動演出の開始後に一度設定(記憶)した停止図柄データを、別の停止図柄データに書き換える(上書きする)ことができる。よって、第3図柄表示装置81(LCD)において変動演出が開始された後に(即ち、変動演出の途中で)、停止図柄を「チャンス目」に変更できる。
次に、図35を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される偶然チャンス目禁止処理(S1113)について説明する。図35は、演出制御装置117の偶然チャンス目禁止処理(S1113)を示すフローチャートである。偶然チャンス目禁止処理(S1113)は、連続チャンス目演出が実行されないにも関わらず、停止図柄設定処理(図45参照)により停止図柄が偶然にも「チャンス目」に設定されている場合に、その停止図柄を「チャンス目」以外の外れ図柄に変更するための処理である。また、上述したメイン処理(図32参照)の中で実行される処理である。
なお、図32のS1105の処理において説明した通り、後述する図42の停止図柄差替処理が実行され、実行中の変動演出の停止図柄が「チャンス目」変更された場合には、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオフされるので、この偶然チャンス目禁止処理はスキップされる。よって、実行中の変動演出の停止図柄が「チャンス目」以外の停止図柄に再変更されることは無い。また、外れロング変動が実行される場合には、停止図柄が必ず「チャンス目」となるので、そもそも停止図柄変更可能期間フラグ273iがオンにならず、この偶然チャンス目禁止処理はスキップされる。
偶然チャンス目禁止処理(S1113)では、まず、RAM273の表示図柄パターンメモリ273lに記憶されている第3図柄配列情報を取得する(S1401)。次に、取得した第3図柄配列情報に対応する停止図柄の上図柄列Z1と、中図柄列Z2と、下図柄列Z3とをそれぞれ取得する(S1402)。
そして、取得した各図柄列Z1〜Z3がチャンス目を構成する図柄列であるかを判定する(S1403)。取得した各図柄列Z1〜Z3がチャンス目を構成する図柄列でない場合は(S1403:No)、停止図柄を変更する必要がないので、S1404〜S1406の処理をスキップして、この偶然チャンス目禁止処理を終了し、メイン処理(図32参照)へ戻る。
一方、取得した各図柄列Z1〜Z3がチャンス目を構成する図柄列である場合には(S1403:Yes)、停止図柄として「外れ図柄」が構成されるように、取得した上図柄列Z1、中図柄列Z2、下図柄列Z3のうち、中図柄列Z2の第3図柄を差し替える(S1404)。
例えば、S1404の処理では、実行中の変動演出の変動パターンに応じて、停止図柄を「完全外れ図柄」や「前後外れリーチ図柄」や「前後外れ以外リーチ図柄」となるように第3図柄を差し替える。本実施の形態では、後述する図42の停止図柄差替処理によって、実行中の変動演出の停止図柄が「チャンス目」に変更される場合、実行中の変動演出の変動パターンが「外れ変動」であれば、停止図柄が「外れチャンス目」に変更され、また、実行中の変動演出の変動パターンが「リーチ変動(即ち、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動、スペシャルリーチ変動)」であれば、停止図柄が「リーチチャンス目」に変更される。
よって、ここでは、実行中の変動演出の変動パターンが「外れ変動」であれば、停止図柄が「完全外れ図柄」となるように第3図柄を差し替え、実行中の変動演出の変動パターンが「リーチ変動(即ち、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動、スペシャルリーチ変動)」であれば、停止図柄が「前後外れリーチ図柄」や「前後外れ以外リーチ図柄」となるように第3図柄を差し替える。
次に、第3図柄の差し替えにより新たに構成された停止図柄(完全外れ図柄、前後外れリーチ図柄、前後外れ以外リーチ図柄)を示す第3図柄配列情報を、表示図柄パターンメモリ273lに記憶する(S1405)。そして、既に停止図柄データ記憶領域276bに記憶されている停止図柄データのうち、第3図柄の差し替えにより変更となった部分の停止図柄データだけを入れ替える(S1406)。
具体的には、表示図柄パターンメモリ273lの第3図柄配列情報に対応する停止図柄を構成するために必要な停止図柄データ(第3図柄の画像データ)をキャラクタROM275から取得して、差し替え(変更)部分に対応する停止図柄データだけを、停止図柄データ記憶領域276bに上書きする。そして、この偶然チャンス目禁止処理を終了して、メイン処理(図32参照)へ戻る。
以上の図35の偶然チャンス目禁止処理(S1113)によれば、連続チャンス目演出が実行されないにも関わらず、変動演出の停止図柄が偶然にも「チャンス目」に設定されている場合に、その停止図柄を「チャンス目」以外の外れ図柄に変更することができる。よって、連続チャンス目演出が実行されないにも関わらず、連続チャンス目演出中に表示される「チャンス目」が表示されることを防止できるので、連続チャンス目演出の価値を高めることができる。
即ち、上述した通り、連続チャンス目演出は、連続的または断続的に行われる変動演出の回数等により、遊技者にとって有利な遊技状態へ移行する可能性の高さを遊技者に示唆するものである。よって、連続チャンス目演出が実行されないにも関わらず、偶然に「チャンス目」が表示されると、遊技者は、有利な遊技状態への期待感を向上させることができない。従って、遊技者の期待感を損なうだけでなく、物足りなさや不満を遊技者に感じさせてしまう。特に、偶然の「チャンス目」の表示が頻繁に行われると、物足りなさや不満を繰り返し遊技者に感じさせてしまうため、最終的には、遊技者の連続チャンス目演出に対する関心が薄れてしまい、その結果、連続チャンス目演出の価値が低下してしまう。
しかしながら、本実施の形態では、連続チャンス目演出が実行されない場合には、「チャンス目」の表示が禁止され、「チャンス目」以外の停止図柄に変更されるので、連続チャンス目演出が実行される場合にだけ、「チャンス目」が表示される。よって、「チャンス目」が表示された場合には、連続チャンス目演出が実行されていることを、遊技者に容易に認識させることができる。また、「チャンス目」が表示される場合に、連続チャンス目演出が実行されることを遊技者に印象づけることもできる。従って、「チャンス目」が表示された場合に、遊技者が有利な遊技状態への期待感を向上させることができると共に、実行される変動演出や、「チャンス目」の連続表示回数に、遊技者の関心を引きつけることができる。従って、連続チャンス目演出の価値を高めることができる。
また、本実施の形態では、連続チャンス目演出が実行されないにも関わらず、変動演出の停止図柄が偶然にも「チャンス目」に設定されている場合には、停止図柄の変更が不可能となるタイミングまで待って、その停止図柄を「チャンス目」以外の外れ図柄に変更している。例えば、停止図柄の変更が不可能となるタイミングまで待たずに、停止図柄を「チャンス目」に変更すると、その後、連続チャンス目演出が開始されることになった場合には、一旦変更した停止図柄を、再度「チャンス目」に変更しなければならない。しかしながら、停止図柄の変更が不可能となるタイミングまで待って、停止図柄を変更すれば、停止図柄の再変更を防止できるので、停止図柄の変更回数を抑制でき、制御的負担を軽減できる。なお、停止図柄の変更が不可能となるタイミングまで待たずに、停止図柄を「チャンス目」に変更しても良い。
また、本実施の形態では、停止図柄を構成する第3図柄の変更を最小限に抑えるために、中図柄列Z2の第3図柄だけを差し替えて、停止図柄を「チャンス目」以外の外れ図柄に変更している。よって、下図柄列Z3および中図柄列Z2の第3図柄をそれぞれ差し替える場合よりも、第3図柄を差し替えるための処理が軽減されるので、制御的負担を軽減できる。なお、下図柄列Z3および中図柄列Z2の第3図柄をそれぞれ差し替えても良い。
ここで、図48参照して、停止図柄における図柄列Z1,Z2,Z3の差し替えについて説明する。ここでは一例として、「リーチチャンス目」を構成している停止図柄を、「前後外れリーチ図柄」を構成する停止図柄に差し替える場合について説明する。
図48(a)は、第3図柄を差し替える前(変更前)の表示図柄パターンメモリ273lの内容の一例と、その内容に対応する停止図柄の一例とを示した概略図であり、図48(b)は、第3図柄を差し替えた後(変更後)の表示図柄パターンメモリ273lの内容の一例と、その内容に対応する停止図柄の一例とを示した概略図である。
例えば、図48(a)に示すように、表示図柄パターンメモリ273lの第1エリアに「4」が記憶され、第2エリアに「6」が記憶され、第3エリアに「13」が記憶されているとする。この状態で、第3図柄表示装置81の表示画面に停止図柄が表示されると、上図柄列Z1には、左から右に向かって順に、「Aフィッシュ(8)」,「貝」,「ジュゴン(7)」と並ぶ図柄列が表示される。
以下同様に、中図柄列Z2には、左から右に向かって順に、「貝」,「サメ(4)」,「貝」と並ぶ図柄列が、下図柄列Z3には、左から右に向かって順に、「ジュゴン(7)」,「貝」,「Aフィッシュ(8)」と並ぶ図柄列が表示される。
よって、5つの有効ラインL1〜L5のうち、L4およびL5においてリーチが発生しているが、当たりとはなっておらず、中図柄列Z2の中ラインL2に「サメ」の図柄が入るので、各種リーチ変動(即ち、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動、スペシャルリーチ変動)において表示される「リーチチャンス目」の停止図柄を示している。
上述した通り、停止図柄の上図柄列Z1および下図柄列Z3に同一図柄がある場合には、実行されている変動演出の変動パターンに関わらず、中図柄列Z2の中速変動が開始される前(10秒未満)まで、停止図柄を変更可能である。ここで、停止図柄を「前後外れリーチ図柄」に変更するには、中図柄列Z2の中ラインL2に「ジュゴン(7)」および「サメ(4)」が入らないように、中図柄列Z2の第3図柄を差し替えることになる。例えば、図48(b)に示すように、中図柄列Z2を、左から右に向かって順に、「アンコウ(6)」,「貝」,「ジュゴン(7)」と並ぶ図柄列に差し替える。
このように中図柄列Z2を差し替えると、有効ラインL4および有効ラインL5においてリーチが発生しているが、当たりとはなっておらず、中図柄列Z2の右ラインL3に「ジュゴン」の図柄が入るので、「前後外れリーチ図柄」となる。
そして、停止図柄を「前後外れリーチ図柄」に変更できたら、変更後の中図柄列Z2を示す配列番号「11」を、表示図柄パターンメモリ273lの第2エリアに記憶する。その結果、第3図柄表示装置81の表示画面に、実行中の変動演出の停止図柄として「前後外れリーチ図柄」が表示される。
なお、以上説明した第3図柄の差し替えは一例である。例えば、中図柄列Z2の左ラインL1に「ジュゴン」の図柄が配置されるように、第3図柄の差し替えを行っても良い。また、中図柄列Z2の左ラインL1、又は、中図柄列Z2の右ラインL3に、「Aフィッシュ」の図柄が配置されるように、第3図柄の差し替えを行っても良い。
また、上述した一例では、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3のうち、中図柄列Z2の第3図柄だけを差し替えているが、中図柄列Z2および下図柄列Z3の第3図柄を差し替えても良いし、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3の第3図柄を差し替えても良い。
また、上述した一例では、「リーチチャンス目」を構成している停止図柄を、「前後外れリーチ図柄」を構成する停止図柄に差し替える場合について説明したが、「前後外れ以外リーチ図柄」を構成する停止図柄に差し替える場合についても同様に、中図柄列Z2の第3図柄を差し替えれば良い。その場合に、中図柄列Z2および下図柄列Z3の第3図柄を差し替えても良いし、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3の第3図柄を差し替えても良い。
次に、図38を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行されるコマンド判定処理(S1114)について説明する。図38は、演出制御装置117のコマンド判定処理(S1114)を示すフローチャートである。コマンド判定処理(S1114)は、主制御装置110から送信されてきた各種コマンドに応じた処理を実行するための処理であり、上述したメイン処理(図32参照)の中で実行される。
上述した通り、主制御装置110により送信されて演出制御装置117により受信されたコマンドは、そのコマンドに対応した処理が行われるまで、RAM273におけるコマンド記憶領域(図示せず)に一時的に記憶される。このコマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。このコマンド判定処理では、このコマンド記憶領域に未処理のコマンドが記憶されているかを確認することで、各種コマンドを受信した否かを確認している。
コマンド判定処理では、まず、入賞情報コマンドを受信したかを判定し(S1601)、入賞情報コマンドを受信した場合には(S1601:Yes)、停止図柄指示格納処理を実行する(S1602)。なお、上述した通り、入賞情報コマンドには、新たな入賞について先読みされた抽選結果および変動時間と、その先読みされたデータが第1入球口A64への入賞に基づくもの(例えば、ビット値「0」)であるか、第1入球口B640への入賞に基づくもの(例えば、ビット値「1」)であるかを示す始動口入賞情報とが含まれている。
また、停止図柄指示格納処理については、図39を参照して後述するが、受信した入賞情報コマンドに対応する設定値および変動時間を、特図A停止図柄指示格納エリア273aまたは特図B停止図柄指示格納エリア273bに記憶するための処理である。この停止図柄指示格納処理(S1602)が終了したら、このコマンド判定処理を終了して、メイン処理(図32参照)へ戻る。一方、S1601の処理において、入賞情報コマンドを受信していない場合には(S1601:No)、上述したS1602の処理をスキップして、S1603の処理へ移行する。
S1603の処理では、変動パターンコマンドおよび演出時間加算コマンドを受信したかを判定し(S1603)、変動パターンコマンドおよび演出時間加算コマンドを受信した場合には(S1603:Yes)、変動演出設定処理を実行する(S1604)。
なお、上述した通り、変動パターンコマンドは、実行すべき変動演出の変動時間に対応するコマンドであるので、言い換えれば、変動時間を示すコマンドでもある。また、演出時間加算コマンドは、実行すべき変動演出の延長時間または短縮時間を示すコマンドである。また、変動演出設定処理については、図45を参照して後述するが、第3図柄表示装置81において変動演出を開始するために必要な変動演出データを設定するための処理である。この変動演出設定処理(S1604)が終了したら、このコマンド判定処理を終了して、メイン処理(図32参照)へ戻る。
一方、S1603の処理において、変動パターンコマンドおよび演出時間加算コマンドを受信していない場合には(S1603:No)、上述したS1604の処理をスキップして、S1605の処理へ移行する。S1605の処理では、停止図柄コマンドを受信したかを判定し(S1605)、停止図柄コマンドを受信した場合には(S1605:Yes)、停止図柄設定処理を実行する(S1606)。
なお、上述した通り、停止図柄コマンドは、実行すべき変動演出において表示する停止図柄のパターンを示すコマンドである。また、停止図柄設定処理については、図47を参照して後述するが、第3図柄表示装置81において実行中の、又は、実行開始する変動演出の停止図柄を設定するための処理である。この停止図柄設定処理(S1606)が終了したら、このコマンド判定処理を終了して、メイン処理(図32参照)へ戻る。一方、S1605の処理において、停止図柄コマンドを受信していない場合には(S1605:No)、上述したS1606の処理をスキップして、S1607の処理へ移行する。
S1607の処理では、停止コマンドを受信したかを判定し(S1607)、停止コマンドを受信した場合には(S1607:Yes)、第3図柄表示装置81において実行中の変動演出を終了する(S1608)。そして、このコマンド判定処理を終了して、メイン処理(図32参照)へ戻る。一方、S1607の処理において、停止図柄コマンドを受信してない場合には(S1607:No)、S1608の処理をスキップして、S1609の処理へ移行する。
S1609の処理では、その他のコマンドを受信したかを判定し(S1609)、その他のコマンドを受信した場合には(S1609:Yes)、その他のコマンドに応じた処理を実行する(S1610)。例えば、電源断コマンドを受信した場合なら、RAM273の所定領域に電源断の発生情報を記憶するなどの処理である。
また、例えば、保留数コマンドを受信した場合なら、保留個数表示更新処理(図33のS1203参照)が実行された際に、受信した保留数コマンドが示す特図A保留球数NAと同一数のランプが、特図A保留ランプ85Aにおいて点灯されるよう設定し、さらに、受信した保留数コマンドが示す特図B保留球数NBと同一数のランプが、特図B保留ランプ85Bにおいて点灯されるよう設定するなどの処理である。一方、S1609の処理において、その他のコマンドを受信していない場合には(S1609:No)、上述したS1610の処理をスキップして、このコマンド判定処理を終了し、メイン処理(図32参照)へ戻る。
次に、図39を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される停止図柄指示格納処理(S1602)について説明する。図39は、演出制御装置117の停止図柄指示格納処理(S1602)を示すフローチャートである。停止図柄指示格納処理(S1602)は、受信した入賞情報コマンドに対応する設定値および変動時間を、特図A停止図柄指示格納エリア273aまたは特図B停止図柄指示格納エリア273bに記憶するための処理である。また、この停止図柄指示格納処理(S1602)は、入賞情報コマンドを受信する度に実行される処理であり、上述したコマンド判定処理(図38参照)の中で実行される処理である。
この停止図柄指示格納処理(S1602)では、まず、受信した入賞情報コマンドから、抽選結果と、変動時間と、始動口入賞情報とを取得する(S1701)。なお、上述した通り、抽選結果は、「第1の確変大当たり」、「第2の確変大当たり」、「通常大当たり」、および、「外れ」の4つのうち、何れか一つとなり、始動口入賞情報は、ビット値「0」およびビット値「1」の一方となる。
そして、取得した始動口入賞情報が、ビット値「1」であるかを判定する(S1702)。なお、上述した通り、始動口入賞情報がビット値「0」である場合は、取得した抽選結果および変動時間が、第1入球口A64への入賞に基づくものであることを示し、始動口入賞情報がビット値「1」である場合は、取得した抽選結果および変動時間が第1入球口B640への入賞に基づくものであることを示す。S1702の処理において、始動口入賞情報がビット値「1」であれば(S1702:Yes)、RAM273の特図B保留球カウンタ273eの値に1を加算する(S1703)。
そして、S1701の処理により取得した抽選結果に対応する設定値と、変動時間とを、RAM273の特図B停止図柄指示格納エリア273bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち、特図B保留球数NBに応じたエリアの中の各格納エリア273b1,273b2に記憶する(S1704)。なお、抽出した抽選結果に対応する設定値とは、図17(c)を参照して上述した通り、抽選結果が「外れ」なら「設定値:外れ」となり、抽選結果が「確変大当たり」なら「設定値:確変大当たり」となり、抽選結果が「通常大当たり」なら「設定値:通常大当たり」となる。
例えば、S1703の処理により更新された特図B保留球カウンタ273eの値(特図B保留球数NB)が「1」である場合には、保留第1エリアの設定値格納エリア273b1に、抽選結果に対応する設定値を記憶し、保留第1エリアの変動時間格納エリア273b2に変動時間を記憶する。つまり、特図B保留球数NBが「X(X=1〜4)」であれば、保留第Xエリアの各格納エリア273b1,273b2に、設定値および変動時間を記憶する。
次に、S1701の処理により取得した抽選結果が「大当たり」であるかを判定し(S1707)、取得した抽選結果が「大当たり」である場合には(S1707:Yes)、S1709の処理へ移行する。一方、取得した抽選結果が「外れ」である場合には(S1707:No)、S1701の処理により取得した変動時間が「外れロング変動」に対応する時間であるかを判定する(S1708)。具体的には、図柄変動の大まかな変動時間が「20秒」であるかを判定する。取得した変動時間が「外れロング変動」に対応する時間である場合にも(S1708:Yes)、S1709の処理へ移行する。
そして、S1709の処理では、連続演出開始判定処理を実行する(S1709)。なお、連続演出開始判定処理については、図40を参照して後述するが、連続チャンス目演出を開始するかを、特図B停止図柄指示格納エリア273bの内容に基づいて決定するための処理である。
そして、連続演出開始判定処理(S1709)が終了したら、この停止図柄指示格納処理を終了し、コマンド判定処理(図38参照)へ戻る。一方、S1708の処理において、取得した変動時間が「外れロング変動」に対応する時間でない場合には(S1708:No)、S1709の処理をスキップして、この停止図柄指示格納処理を終了し、コマンド判定処理(図38参照)へ戻る。
一方、S1702の処理において、始動口入賞情報がビット値「0」であれば(S1702:No)、RAM273の特図A保留球カウンタ273dの値に1を加算する(S1705)。そして、S1701の処理により取得した抽選結果に対応する設定値と、変動時間とを、RAM273の特図A停止図柄指示格納エリア273aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち、特図A保留球数NAに応じたエリアの中の各格納エリア273a1,273a2に記憶する(S1706)。なお、抽出した抽選結果に対応する設定値とは、図17(c)を参照して上述した通り、抽選結果が「外れ」なら「設定値:外れ」であり、抽選結果が「確変大当たり」なら「設定値:確変大当たり」であり、抽選結果が「通常大当たり」なら「設定値:通常大当たり」である。
例えば、S1705の処理により更新された特図A保留球カウンタ273dの値(特図A保留球数NA)が「1」である場合には、保留第1エリアの設定値格納エリア273a1に、抽選結果に対応する設定値を記憶し、保留第1エリアの変動時間格納エリア273a2に変動時間を記憶する。即ち、特図A保留球数NAが「X(X=1〜4)」であれば、保留第Xエリアの各格納エリア273a1,273a2に、設定値および変動時間を記憶する。そして、この停止図柄指示格納処理を終了し、コマンド判定処理(図38参照)へ戻る。
以上の図39の停止図柄指示格納処理によれば、入賞情報コマンドを受信した場合に、その入賞情報コマンドが第1入球口A64への入賞に基づくものであれば、その入賞情報コマンドに対応する設定値および変動時間を、特図A停止図柄指示格納エリア273aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち、エリア番号の最も小さいエリアに記憶することができる。よって、特図A停止図柄指示格納エリア273aにおいて、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータを記憶することができるので、時間的な入賞の順序(入賞順序)を持たせて、データを記憶することができる。
また、入賞情報コマンドを受信した場合に、その入賞情報コマンドが第1入球口B640への入賞に基づくものであれば、その入賞情報コマンドに対応する設定値および変動時間を、特図B停止図柄指示格納エリア273bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち、エリア番号の最も小さいエリアに記憶することができる。よって、特図B停止図柄指示格納エリア273bにおいて、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータを記憶することができるので、時間的な入賞の順序(入賞順序)を持たせて、データを記憶することができる。
また、入賞情報コマンドを受信した場合に、その入賞情報コマンドが第1入球口B640への入賞に基づくものであることを条件として、連続チャンス目演出を実行するか否かの判定(S1709の処理)を行っているので、遊技機10の特性などの知識を遊技者が有しているか否かに応じて、遊技者の球の打ち込み方が変わることを防止できる。よって、各遊技者が公平に遊技を楽しむことができる。また、遊技者が球の打ち込みを止めてしまうことを抑制できるので、遊技機の稼働率が低下することも抑制できる。
次に、図40を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される連続演出開始判定処理(S1709)について説明する。図40は、演出制御装置117の連続演出開始判定処理(S1709)を示すフローチャートである。連続演出開始判定処理(S1709)は、連続チャンス目演出を開始するかを、特図B停止図柄指示格納エリア273bの内容に基づいて決定するための処理であり、停止図柄指示格納処理(図39参照)の中で実行される処理である。
本実施の形態では、連続チャンス目演出を開始するかの判定は、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留数と、実行中の変動演出の有無とに基づいて行われる。より具体的には、まず、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分だけで連続チャンス目演出を実行可能であるかが判定され、実行可能であれば、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分だけが使用されて、連続チャンス目演出が実行される。
一方、保留数が不足しており、連続チャンス目演出を実行不可能であれば、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分に、実行中の変動演出を加えることで連続チャンス目演出を実行可能であるかが判定される。実行可能であれば、その実行中の変動演出と、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分とが使用されて、連続チャンス目演出が実行される。なお、実行中の変動演出を加えても、連続チャンス目演出を実行不可能な場合には、連続チャンス目演出は実行されない。
この連続演出開始判定処理(S1709)では、まず、RAM273の特図B保留球カウンタ273eの値(特図B保留球数NB)が3以上であるかを判定する(S1801)。特図B保留球カウンタ273eの値(特図B保留球数NB)が3以上である場合は(S1801:Yes)、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分だけで連続チャンス目演出を実行可能な場合であるので、S1804の処理へ移行する。
一方、特図B保留球カウンタ273eの値(特図B保留球数NB)が3未満の場合には(S1801:No)、特図B保留球カウンタ273eの値(特図B保留球数NB)が2であるかを判定する(S1802)。特図B保留球カウンタ273eの値(特図B保留球数NB)が2の場合は(S1802:Yes)、連続チャンス目演出として連続演出C(図8参照)は実行可能であるが、実行中の変動演出を使用すれば、より演出期間の長い連続チャンス目演出(連続演出Aまたは連続演出B)を実行できる可能性がある。
よって、この場合は、実行中の変動演出を使用可能かを判定するために、RAM273の停止図柄変更可能期間フラグ273iがオンであるかを判定する(S1803)。上述した通り、停止図柄変更可能期間フラグ273iは、実行中の変動演出の停止図柄を変更可能な期間内だけオンされるフラグであり、フラグがオンなら必ず変動演出が実行されている。また、抽選結果が外れとなる変動演出が必ず実行されている(図45のS2107,S2108参照)。
停止図柄変更可能期間フラグ273iがオンである場合は(S1803:Yes)、実行中の変動演出を使用可能な場合なので、S1804の処理へ移行する。一方、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオフである場合は(S1803:No)、実行中の変動演出は使用不可能であるが、連続演出Cは実行可能なので、S1809の処理へ移行する。
S1804の処理では、受信した入賞情報コマンドに含まれている抽選結果が「15R大当たり」であるかを判定する(S1804)。即ち、「第1の確変大当たり(15R確変大当たり)」または「通常大当たり(15R通常大当たり)」であるかを判定する。抽選結果が「15R大当たり」である場合には(S1804:Yes)、連続演出A開始処理を実行して(S1805)、この連続演出開始判定処理を終了し、停止図柄指示格納処理(図39参照)へ戻る。なお、連続演出A開始処理については、図41を参照して後述するが、連続チャンス目演出として連続演出A(図8参照)を開始するための処理である。
一方、S1804の処理において、抽選結果が「15R大当たり」以外である場合には(S1804:No)、抽選結果が「2R確変大当たり(第2の確変大当たり)」であるかを判定する(S1806)。抽選結果が「2R確変大当たり」である場合には(S1806:Yes)、連続演出B開始処理を実行して(S1807)、この連続演出開始判定処理を終了し、停止図柄指示格納処理(図39参照)へ戻る。
なお、連続演出B開始処理については、図43を参照して後述するが、連続チャンス目演出として連続演出B(図8参照)を開始するための処理である。一方、S1806の処理において、抽選結果が「2R確変大当たり」以外である場合は(S1806:No)、抽選結果が「外れ」の場合であるので、S1809の処理へ移行する。
S1802の処理において、特図B保留球カウンタ273eの値(特図B保留球数NB)が2以外の場合は(S1802:No)、特図B保留球数NBが1または0の場合であり、特図B保留球数NBが不足しているため、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分だけでは連続チャンス目演出を実行できない。よって、この場合は、実行中の変動演出を使用可能かを判定するために、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオンであるかを判定する(S1808)。
停止図柄変更可能期間フラグ273iがオンである場合は(S1808:Yes)、実行中の変動演出を使用可能な場合なので、連続チャンス目演出として連続演出Cを実行可能である。よって、この場合は、S1809の処理へ移行する。S1809の処理では、連続演出C開始処理を実行して(S1809)、この連続演出開始判定処理を終了し、停止図柄指示格納処理(図39参照)へ戻る。なお、連続演出C開始処理については、図44を参照して後述するが、連続チャンス目演出として連続演出C(図8参照)を開始するための処理である。
一方、S1808の処理において、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオフである場合は(S1808:No)、連続チャンス目演出を実行不可能な場合であるので、この連続演出開始判定処理を終了し、停止図柄指示格納処理(図39参照)へ戻る。
以上の図40の連続演出開始判定処理(S1709)によれば、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分だけで連続チャンス目演出を実行可能な場合には、その保留されている変動演出だけを使用して、連続チャンス目演出を実行することができる。
一方、保留数が不足しており、その保留されている変動演出だけでは連続チャンス目演出を実行不可能な場合には、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分に、実行中の変動演出を加えて連続チャンス目演出を実行することができる。よって、保留されている変動演出だけで連続チャンス目を実行する場合と比較して、実行中の変動演出を連続チャンス目演出の一部に加えることができる分、連続チャンス目演出を行う機会を増やすことができる。従って、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、連続演出Aと、連続演出Bとに加え、連続演出Cも実行できるので、連続チャンス目演出を実行できる機会を増やすことができ、「チャンス目」が表示される機会を増やすことができる。一方、連続演出A、連続演出B、及び連続演出Cが実行されない場合には、「チャンス目」が表示されることが禁止される。よって、「チャンス目」が表示される場合に、連続チャンス目演出が実行されることを遊技者に印象づけできる機会を増やすことができるので、遊技者の関心を連続チャンス目演出により引きつけることができる。従って、連続チャンス目演出の価値を高めることができる。
次に、図41を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される連続演出A開始処理(S1805)について説明する。図41は、演出制御装置117の続演出A開始処理(S1805)を示すフローチャートである。連続演出A開始処理(S1805)は、連続チャンス目演出として連続演出A(図8参照)を開始するための処理であり、連続演出開始判定処理(図40参照)の中で実行される処理である。
この連続演出A開始処理(S1805)では、まず、RAM273の特図B保留球カウンタ273eの値(特図B保留球数NB)が2であり、且つ、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオンであるかを判定する(S1901)。なお、上述した通り、特図B保留球カウンタ273eは、第1入球口B640についての入賞の保留回数、即ち、特図B保留球数NBを計数するカウンタであり、停止図柄変更可能期間フラグ273iは、実行中の変動演出の停止図柄を変更可能な期間内だけオンされるフラグである。
S1901の処理において、特図B保留球カウンタ273eの値(特図B保留球数NB)が2であり、且つ、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオンである場合は(S1901:Yes)、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分に、実行中の変動演出を加えて連続演出A(連続チャンス目演出)を実行する場合である。
この場合には、まず、停止図柄差替処理を実行する(S1902)。なお、停止図柄差替処理については、図42を参照して後述するが、実行中の変動演出の停止図柄を「チャンス目」に変更するための処理である。この停止図柄差替処理が実行されると、実行中の変動演出の停止図柄のうち、高速変動中の各図柄列Z1〜Z3の第3図柄が差し替えられて、停止図柄が「チャンス目」に変更される。
停止図柄差替処理(S1902)が終了したら、次に、停止図柄指示実行エリア273cの設定値格納エリア273c1に記憶されている設定値を「設定値:チャンス目」に変更する(S1903)。次に、特図B停止図柄指示格納エリア273bの中で、前回(1回前)の入賞のデータ(設定値および変動時間)が記憶されている保留エリアにおける設定値格納エリア273c1の設定値を「設定値:チャンス目」に変更する(S1904)。なお、連続演出Aでは、今回の入賞のデータが記憶されている保留エリアの設定値は変更しない。これにより、変動演出の停止図柄を2回連続で「チャンス目」にでき、3回目の変動演出の停止図柄を「確変大当たり図柄」または「通常大当たり図柄」にできる。そして、この連続演出A開始処理を終了し、連続演出開始判定処理(図40参照)へ戻る。
S1901の処理において、特図B保留球カウンタ273eの値(特図B保留球数NB)が2以外である、または、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオフである場合は(S1901:No)、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分だけで連続チャンス目演出を実行する場合である。
この場合には、特図B停止図柄指示格納エリア273bの中で、前回(1回前)の入賞のデータ(設定値および変動時間)が記憶されている保留エリアと、前々回(2回前)の入賞のデータとが記憶されている保留エリアとにおける各設定値格納エリア273c1の設定値をそれぞれ「設定値:チャンス目」に変更する(S1905)。なお、連続演出Aでは、今回の入賞のデータが記憶されている保留エリアの設定値は変更しない。これにより、変動演出の停止図柄を2回連続で「チャンス目」にでき、3回目の変動演出の停止図柄を「確変大当たり図柄」または「通常大当たり図柄」にできる。そして、この連続演出A開始処理を終了し、連続演出開始判定処理(図40参照)へ戻る。
以上の図41の連続演出A開始処理(S1805)によれば、連続演出A(連続チャンス目演出)が実行されるように、実行中の変動演出の停止図柄や、特図B停止図柄指示格納エリア273b内の設定値を変更することができる。
次に、図42を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される停止図柄差替処理(S1902)について説明する。図42は、演出制御装置117の停止図柄差替処理を示すフローチャートである。停止図柄差替処理(S1902)は、実行中の変動演出の停止図柄を「チャンス目」に変更するための処理であり、上述した連続演出A開始処理(図41参照)の中で実行される処理である。なお、後述する連続演出B開始処理(図43参照)や、後述する連続演出C開始処理(図44参照)の中で実行される処理でもある。なお、この停止図柄差替処理は、実行中の変動演出の停止図柄をチャンス目に差し替え可能な場合に限り(即ち、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオンの場合に限り)実行される処理である。よって、例えば、中図柄列Z2が中速変動になった後には実行されない。
この停止図柄差替処理(S1902)では、まず、RAM273の停止図柄設定済フラグ273jがオンであるかを判定する(S2001)。上述した通り、停止図柄設定済フラグ273jは、第3図柄表示装置81において実行開始される(又は、実行開始された)変動演出の停止図柄が設定されると、オンされるフラグである(図47のS2310参照)。
S2001の処理において、停止図柄設定済フラグ273jがオフである場合は(S2001:No)、まだ停止図柄コマンドを受信しておらず、変動演出の停止図柄が設定されていない場合である。この場合は、停止図柄が決まっておらず、停止図柄の差し替えが行えないので、停止図柄コマンドが受信されて、変動演出の停止図柄が設定されるまで待機する。
一方、S2001の処理において、停止図柄設定済フラグ273jがオンである場合には(S2001:Yes)、RAM273の表示図柄パターンメモリ273lに記憶されている第3図柄配列情報を取得する(S2002)。次に、取得した第3図柄配列情報に対応する停止図柄の上図柄列Z1と、中図柄列Z2と、下図柄列Z3とをそれぞれ取得する(S2003)。
そして、取得した各図柄列Z1〜Z3がチャンス目を構成する図柄列であるかを判定し(S2004)、取得した各図柄列Z1〜Z3がチャンス目を構成する図柄列である場合は(S2004:Yes)、停止図柄コマンドが受信されて変動演出の停止図柄が設定された場合に、偶然にもチャンス目が変動演出の停止図柄として設定された場合である。よって、この場合は、変動演出の停止図柄をわざわざ変更する必要が無いので、S2005〜S2011の各処理をスキップして、S2012の処理へ移行する。
S2004の処理において、取得した各図柄列Z1〜Z3がチャンス目を構成する図柄列でない場合には(S2004:No)、S2003の処理で取得した上図柄列Z1および下図柄列Z3に同一図柄(主図柄)があるかを判定する(S2005)。上図柄列Z1および下図柄列Z3に同一図柄がある場合には(S2005:Yes)、S2003の処理で取得した上図柄列Z1および下図柄列Z3の中から、各図柄列Z1,Z3に共通して存在する第3図柄(同一の主図柄)を1つ選択する(S2008)。そして、選択した第3図柄でチャンス目が構成されるように、S2003の処理で取得した中図柄列Z2の第3図柄を差し替えて(S2009)、S2010の処理へ移行する。
例えば、S2009の処理では、実行中の変動演出の変動パターンに応じて、停止図柄を「外れチャンス目」や「リーチチャンス目」となるように第3図柄を差し替える。具体的には、実行中の変動演出の変動パターンが「外れ変動」であれば、停止図柄が「外れチャンス目」となるように第3図柄を差し替え、実行中の変動演出の変動パターンが「リーチ変動(即ち、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動、スペシャルリーチ変動)」であれば、停止図柄が「リーチチャンス目」となるように第3図柄を差し替える。
一方、S2005の処理において、S2003の処理で取得した上図柄列Z1および下図柄列Z3に同一図柄が無い場合には(S2005:No)、S2003で取得した上図柄列Z1の中から、第3図柄(主図柄)を1つ選択する(S2006)。そして、選択した第3図柄でチャンス目が構成されるように、S2003の処理で取得した下図柄列Z3および中図柄列Z2の第3図柄を差し替える(S2007)。
次に、第3図柄の差し替えにより新たに構成された停止図柄(チャンス目)を示す第3図柄配列情報を、表示図柄パターンメモリ273lに記憶する(S2010)。そして、既に停止図柄データ記憶領域276bに記憶されている停止図柄データのうち、第3図柄の差し替えにより変更となった部分の停止図柄データだけを入れ替える(S2011)。
具体的には、表示図柄パターンメモリ273lの第3図柄配列情報に対応する停止図柄を構成するために必要な停止図柄データ(第3図柄の画像データ)をキャラクタROM275から取得して、差し替え(変更)部分に対応する停止図柄データだけを、停止図柄データ記憶領域276bに上書きする。
そして、RAM273の停止図柄変更可能期間フラグ273iをオフに設定して(S2012)、この停止図柄差替処理を終了し、連続演出A開始処理(図41参照)へ戻る。なお、この停止図柄差替処理が、後述する連続演出B開始処理(図43参照)や、後述する連続演出C開始処理(図44参照)の中で実行された場合には、連続演出B開始処理や、連続演出C開始処理へ戻る。
以上の図42の停止図柄差替処理(S1902)によれば、変動演出の停止図柄がチャンス目以外に設定されている場合に、停止図柄をチャンス目に変更することができる一方、変動演出の停止図柄が偶然にもチャンス目が設定されている場合には、停止図柄をチャンス目に変更する処理をスキップすることができる。よって、チャンス目に設定されている停止図柄を再度、チャンス目に設定するという不用な処理の実行(回数)を抑制できるので、制御的負担を軽減できる。
また、変動演出の停止図柄がチャンス目に変更された後は、S2012の処理により、停止図柄変更可能期間フラグ273iをオフに設定できるので、変動演出の停止図柄が再度変更されることを防止できる。上述した通り(図35を参照)、連続チャンス目演出が実行されないにも関わらず、停止図柄設定処理(図45参照)により停止図柄が偶然にも「チャンス目」に設定されている場合には、その停止図柄を「チャンス目」以外の外れ図柄に変更するために、偶然チャンス目禁止処理(S1113)が実行される。しかしながら、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオフの場合には、偶然チャンス目禁止処理(S1113)がスキップされるので、その偶然チャンス目禁止処理が実行されて、実行中の変動演出の停止図柄が「チャンス目」以外の停止図柄に変更されることは無い。よって、連続チャンス目演出として連続演出Aを確実に実行できる。
また、S2011の処理では、既に停止図柄データ記憶領域276bに記憶されている停止図柄データのうち、第3図柄の差し替えにより変更となった部分の停止図柄データだけを入れ替えている。よって、第3図柄表示装置81の表示画面に停止表示されている図柄列Z1,Z2,Z3の停止図柄データや、低速変動(又は中速変動)が開始された図柄列Z1,Z2,Z3の停止図柄データには影響を与えずに、未停止表示の図柄列Z1,Z2,Z3の停止図柄データだけを入れ替える(変更する)ことができる。従って、第3図柄表示装置81の表示画面において正確に図柄列Z1,Z2,Z3を停止表示させつつ、停止図柄を変更できる。
また、上図柄列Z1および下図柄列Z3に同一図柄(第3図柄)がある場合には、第3図柄の変更を最小限に抑えるために、中図柄列Z2の第3図柄だけを差し替えて、停止図柄をチャンス目に変更している。よって、下図柄列Z3および中図柄列Z2の第3図柄をそれぞれ差し替える場合よりも、第3図柄を差し替えるための処理が軽減されるので、制御的負担を軽減できる。
また、第3図柄を差し替える場合は、停止図柄データ記憶領域276bに記憶されている停止図柄データを変更するだけで良いので、停止図柄を簡単に変更することができる。例えば、1回分の変動演出を行うためのデータが、変動演出データと、停止図柄データとに区別されず、一つのデータ(「一体演出データ」と称する)として単にビデオRAM276に記憶されている場合には、まず、一体演出データの中から停止図柄データに対応するデータ部分を特定し、その後、変更が必要な第3図柄のデータを変更しなければならない。しかしながら、本実施の形態では、停止図柄データ記憶領域276bに記憶されている停止図柄データを変更するだけで良いので、停止図柄を簡単に変更することができる。
また、本実施の形態では、この停止図柄差替処理により、高速変動中の図柄列Z1〜Z3の第3図柄だけを差し替えている。これは、図柄列Z1〜Z3が高速変動している間は、一般的に、第3図柄のスクロール速度が速く、図柄列Z1〜Z3を構成する第3図柄を遊技者が認識できないため(又は、認識困難であるため)、図柄列Z1〜Z3を構成する第3図柄の差し替えを、遊技者に気づかせずに行うことができるからである。よって、第3図柄を差し替えた場合に、遊技者にとって不自然な変動演出が実行されることを防止できる。従って、遊技者に違和感を感じさせずに停止図柄を変更できるので、変動演出の価値を向上させることができ、連続チャンス目演出の価値を高めることができる。
なお、本実施の形態では、上図柄列Z1および下図柄列Z3に同一図柄(第3図柄)がある場合には、中図柄列Z2の第3図柄だけを差し替えて、停止図柄をチャンス目に変更しているが、下図柄列Z3および中図柄列Z2の第3図柄をそれぞれ差し替えて、停止図柄をチャンス目に変更しても良い。また、上・中・下の図柄列Z1〜Z3が全て高速変動中である場合には、上図柄列Z1および下図柄列Z3に同一図柄(主図柄)が有るか無いかに関わらず、上・中・下の図柄列Z1〜Z3の第3図柄をそれぞれ差し替えて、「チャンス目」に変更しても良い。
ここで、図49を参照して、停止図柄における図柄列Z1,Z2,Z3の差し替えについて説明する。ここでは一例として、「完全外れ図柄」を構成している停止図柄を、「外れチャンス目」を構成する停止図柄に差し替える場合について説明する。
図49(a)は、第3図柄を差し替える前(変更前)の表示図柄パターンメモリ273lの内容の一例と、その内容に対応する停止図柄の一例とを示した概略図であり、図49(b)は、第3図柄を差し替えた後(変更後)の表示図柄パターンメモリ273lの内容の一例と、その内容に対応する停止図柄の一例とを示した概略図である。
例えば、図49(a)に示すように、表示図柄パターンメモリ273lの第1エリアに「11」が記憶され、第2エリアに「11」が記憶され、第3エリアに「4」が記憶されているとする。この状態で、第3図柄表示装置81の表示画面に停止図柄が表示されると、上図柄列Z1には、左から右に向かって順に、「貝」,「サメ(4)」,「貝」と並ぶ図柄列が表示される。
以下同様に、中図柄列Z2には、左から右に向かって順に、「アンコウ(6)」,「貝」,「ジュゴン(7)」と並ぶ図柄列が、下図柄列Z3には、左から右に向かって順に、「貝」,「カメ(3)」,「貝」と並ぶ図柄列が表示される。つまり、これらの図柄列Z1,Z2,Z3は、外れ変動において表示される「完全外れ図柄」の停止図柄を示している。
上述した通り、停止図柄の上図柄列Z1および下図柄列Z3に同一図柄が無い場合には、実行されている変動演出の変動パターンに関わらず、下図柄列Z3の中速変動が開始される前(9秒未満)まで、停止図柄を変更可能である。ここで、停止図柄を変更する場合には、上図柄列Z1の中から、第3図柄(主図柄)を一つ選択しないといけないが、この停止図柄では、「サメ」しかない。よって、この場合は、「サメ」が、中図柄列Z2および下図柄列Z3にそれぞれ入るように、下図柄列Z3および中図柄列Z2の第3図柄を差し替えることになる。
例えば、図49(b)に示すように、中図柄列Z2を、左から右に向かって順に、「カメ(3)」,「貝」,「サメ(4)」と並ぶ図柄列に差し替える。また、下図柄列Z3を、左から右に向かって順に、「カメ(3)」,「貝」,「サメ(4)」と並ぶ図柄列に差し替える。
このように図柄列Z2,Z3を差し替えると、上図柄列Z1の中ラインL2と、中図柄列Z2の右ラインL3と、下図柄列Z3の右ラインL3とに、それぞれ「サメ」の図柄が入るので、停止図柄が「外れチャンス目」となる。
そして、停止図柄を「外れチャンス目」に変更できたら、変更後の中図柄列Z2を示す配列番号「5」を、表示図柄パターンメモリ273lの第2エリアに記憶し、変更後の下図柄列Z3を示す配列番号「5」を、表示図柄パターンメモリ273lの第3エリアに記憶する。その結果、第3図柄表示装置81の表示画面に、実行中の変動演出の停止図柄として「外れチャンス目」が表示される。
なお、以上説明した第3図柄の差し替えは一例である。例えば、中図柄列Z2の左ラインL1に「サメ」の図柄が配置されるように、下図柄列Z3の左ラインL1に「サメ」の図柄が配置されるように、第3図柄の差し替えを行っても良い。また、例えば、上図柄列Z1の中に主図柄が2つ入っている場合には、何れか一方の主図柄によって、停止図柄が「外れチャンス目」となるように、中図柄列Z2および下図柄列Z3を変更すれば良い。
また、上述した一例では、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3のうち、中図柄列Z2および下図柄列Z3の第3図柄を差し替えているが、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3の第3図柄を差し替えても良い。
また、上述した一例では、「完全外れ図柄」を構成している停止図柄を、「外れチャンス目」を構成する停止図柄に差し替える場合について説明したが、「前後外れリーチ図柄」を構成している停止図柄を、「リーチチャンス目」を構成する停止図柄に差し替える場合や、「前後外れ以外リーチ図柄」を構成している停止図柄を、「リーチチャンス目」を構成する停止図柄に差し替える場合についても同様に、中図柄列Z2の第3図柄や、下図柄列Z3の第3図柄を差し替えればい良い。また、「前後外れリーチ図柄」や、「前後外れ以外リーチ図柄」には、上図柄列Z1および下図柄列Z3に同一図柄が必ずあるので、中図柄列Z2の第3図柄だけを差し替えても良い。また、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3の第3図柄を差し替えても良い。
次に、図43を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される連続演出B開始処理(S1807)について説明する。図43は、演出制御装置117の続演出B開始処理(S1807)を示すフローチャートである。連続演出B開始処理(S1807)は、連続チャンス目演出として連続演出B(図8参照)を開始するための処理であり、連続演出開始判定処理(図40参照)の中で実行される処理である。
この連続演出B開始処理(S1807)では、まず、RAM273の特図B保留球カウンタ273eの値(特図B保留球数NB)が2であり、且つ、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオンであるかを判定する(S1931)。なお、上述した通り、特図B保留球カウンタ273eは、第1入球口B640についての入賞の保留回数、即ち、特図B保留球数NBを計数するカウンタであり、停止図柄変更可能期間フラグ273iは、実行中の変動演出の停止図柄を変更可能な期間内だけオンされるフラグである。
S1931の処理において、特図B保留球カウンタ273eの値(特図B保留球数NB)が2であり、且つ、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオンである場合は(S1931:Yes)、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分に、実行中の変動演出を加えて連続演出B(連続チャンス目演出)を実行する場合である。
この場合には、まず、停止図柄差替処理を実行する(S1902)。なお、停止図柄差替処理については、図42を参照して上述した通り、実行中の変動演出の停止図柄を「チャンス目」に変更するための処理である。この停止図柄差替処理が実行されると、実行中の変動演出の停止図柄のうち、高速変動中の各図柄列Z1〜Z3の第3図柄が差し替えられて、停止図柄が「チャンス目」に変更される。
停止図柄差替処理(S1902)が終了したら、次に、停止図柄指示実行エリア273cの設定値格納エリア273c1に記憶されている設定値を「設定値:チャンス目」に変更する(S1932)。次に、特図B停止図柄指示格納エリア273bの中で、前回(1回前)の入賞のデータ(設定値および変動時間)が記憶されている保留エリアと、今回の入賞のデータが記憶されている保留エリアとにおける各設定値格納エリア273c1の設定値をそれぞれ「設定値:チャンス目」に変更する(S1933)。これにより、変動演出の停止図柄を3回連続で「チャンス目」にできる。そして、この連続演出B開始処理を終了し、連続演出開始判定処理(図40参照)へ戻る。
S1931の処理において、特図B保留球カウンタ273eの値(特図B保留球数NB)が2以外である、または、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオフである場合は(S1931:No)、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分だけで連続チャンス目演出を実行する場合である。
この場合には、特図B停止図柄指示格納エリア273bの中で、今回の入賞のデータが記憶されている保留エリアと、前回(1回前)の入賞のデータ(設定値および変動時間)が記憶されている保留エリアと、前々回(2回前)の入賞のデータが記憶されている保留エリアとにおける各設定値格納エリア273c1の設定値をそれぞれ「設定値:チャンス目」に変更する(S1934)。これにより、変動演出の停止図柄を3回連続で「チャンス目」にできる。そして、この連続演出B開始処理を終了し、連続演出開始判定処理(図40参照)へ戻る。
以上の図43の連続演出B開始処理(S1807)によれば、連続演出B(連続チャンス目演出)が実行されるように、実行中の変動演出の停止図柄や、特図B停止図柄指示格納エリア273b内の設定値を変更することができる。
また、連続演出Aと、連続演出Cとに加え、連続演出Bも実行できるので、連続チャンス目演出を実行できる機会を増やすことができ、「チャンス目」が表示される機会を増やすことができる。一方、連続演出A、連続演出B、及び連続演出Cが実行されない場合には、「チャンス目」が表示されることが禁止される。よって、「チャンス目」が表示される場合に、連続チャンス目演出が実行されることを遊技者に印象づけできる機会を増やすことができるので、遊技者の関心を連続チャンス目演出により引きつけることができる。従って、連続チャンス目演出の価値を高めることができる。
次に、図44を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される連続演出C開始処理(S1809)について説明する。図44は、演出制御装置117の続演出C開始処理(S1809)を示すフローチャートである。連続演出C開始処理(S1809)は、連続チャンス目演出として連続演出C(図8参照)を開始するための処理であり、連続演出開始判定処理(図40参照)の中で実行される処理である。
この連続演出C開始処理(S1809)では、まず、RAM273の特図B保留球カウンタ273eの値(特図B保留球数NB)が1であり、且つ、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオンであるかを判定する(S1951)。なお、上述した通り、特図B保留球カウンタ273eは、第1入球口B640についての入賞の保留回数、即ち、特図B保留球数NBを計数するカウンタであり、停止図柄変更可能期間フラグ273iは、実行中の変動演出の停止図柄を変更可能な期間内だけオンされるフラグである。
S1951の処理において、特図B保留球カウンタ273eの値(特図B保留球数NB)が1であり、且つ、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオンである場合は(S1951:Yes)、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分に、実行中の変動演出を加えて連続演出C(連続チャンス目演出)を実行する場合である。
この場合には、まず、停止図柄差替処理を実行する(S1902)。なお、停止図柄差替処理については、図42を参照して上述した通り、実行中の変動演出の停止図柄を「チャンス目」に変更するための処理である。この停止図柄差替処理が実行されると、実行中の変動演出の停止図柄のうち、高速変動中の各図柄列Z1〜Z3の第3図柄が差し替えられて、停止図柄が「チャンス目」に変更される。
停止図柄差替処理(S1902)が終了したら、次に、停止図柄指示実行エリア273cの設定値格納エリア273c1に記憶されている設定値を「設定値:チャンス目」に変更する(S1953)。なお、連続演出Cでは、今回の入賞のデータが記憶されている保留エリアの設定値は変更しない。これにより、1回目の変動演出の停止図柄を「チャンス目」にでき、2回目の変動演出の停止図柄を「確変大当たり図柄」、「通常大当たり図柄」、又は、「外れ図柄」にできる。そして、この連続演出B開始処理を終了し、連続演出開始判定処理(図40参照)へ戻る。
S1951の処理において、特図B保留球カウンタ273eの値(特図B保留球数NB)が1以外である、または、停止図柄変更可能期間フラグ273iがオフである場合は(S1931:No)、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分だけで連続チャンス目演出を実行する場合である。
この場合には、特図B停止図柄指示格納エリア273bの中で、前回(1回前)の入賞のデータ(設定値および変動時間)が記憶されている保留エリアにおける設定値格納エリア273c1の設定値を「設定値:チャンス目」に変更する(S1954)。なお、連続演出Cでは、今回の入賞のデータが記憶されている保留エリアの設定値は変更しない。これにより、1回目の変動演出の停止図柄を「チャンス目」にでき、2回目の変動演出の停止図柄を「確変大当たり図柄」、「通常大当たり図柄」、又は、「外れ図柄」にできる。そして、この連続演出C開始処理を終了し、連続演出開始判定処理(図40参照)へ戻る。
以上の図44の連続演出C開始処理(S1809)によれば、連続演出C(連続チャンス目演出)が実行されるように、実行中の変動演出の停止図柄や、特図B停止図柄指示格納エリア273b内の設定値を変更することができる。
また、連続演出Aと、連続演出Bとに加え、連続演出Cも実行できるので、連続チャンス目演出を実行できる機会を増やすことができ、「チャンス目」が表示される機会を増やすことができる。一方、連続演出A、連続演出B、及び連続演出Cが実行されない場合には、「チャンス目」が表示されることが禁止される。よって、「チャンス目」が表示される場合に、連続チャンス目演出が実行されることを遊技者に印象づけできる機会を増やすことができるので、遊技者の関心を連続チャンス目演出により引きつけることができる。従って、連続チャンス目演出の価値を高めることができる。
次に、図45を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される変動演出設定処理(S1604)について説明する。図45は、演出制御装置117の変動演出設定処理(S1604)を示すフローチャートである。変動演出設定処理(S1604)は、第3図柄表示装置81において変動演出を開始するために必要な変動演出データを設定するための処理であり、変動パターンコマンドおよび演出時間加算コマンドを受信する度に実行される処理である。なお、上述したコマンド判定処理(図38参照)の中で実行される処理である。
この変動演出設定処理(S1604)では、まず、RAM273の変動開始フラグ273hをオンに設定し、停止図柄設定済フラグ273jをオフに設定する(S2101)。なお、上述した通り、変動開始フラグ273hは、第3図柄表示装置81における変動演出の開始を、主制御装置110から指示された場合にオンされ、変動演出を開始したらオフされるフラグである。また、停止図柄設定済フラグ273jは、第3図柄表示装置81において実行開始される(又は、実行開始された)変動演出の停止図柄が設定されると、オンされるフラグである。
次に、受信した変動パターンコマンドおよび演出時間加算コマンドから変動時間を抽出し、それを変動時間メモリ273fに記憶する(S2102)。なお、上述した通り、変動パターンコマンドは、実行すべき変動演出の変動時間に対応するコマンドであるので、変動演出の変動時間を示すコマンドでもある。また、演出時間加算コマンドは、実行すべき変動演出の延長時間または短縮時間を示すコマンドである。そして、変動時間メモリ273fに記憶した変動時間に対応する変動演出データを、キャラクタROM275から取得し(S2103)、その取得した変動演出データを、ビデオRAM276の変動演出データ記憶領域276aに記憶する(S2104)。
次に、停止図柄指示格納エリア順送り処理を実行する(S2105)。なお、停止図柄指示格納エリア順送り処理については、図46を参照して後述するが、変動演出の停止図柄の設定に用いるデータを、特図A停止図柄指示格納エリア273a、または、特図B停止図柄指示格納エリア273bから停止図柄指示実行エリア273cへシフトするための処理である。
そして、停止図柄指示格納エリア順送り処理(S2105)が終了したら、次に、停止図柄指示実行エリア273cの設定値格納エリア273c1に記憶されている設定値を取得し(S2106)、取得した設定値が「設定値:外れ」であるかを判定する(S2107)。取得した設定値が「設定値:外れ」以外である場合は(S2107:No)、実行中の変動演出の停止図柄を変更しない場合である。即ち、実行中の変動演出の停止図柄が「確変大当たり図柄」や「通常大当たり図柄」や「チャンス目」の場合には、停止図柄を「チャンス目」に変更しない。よって、この場合は、変動演出設定処理を終了し、コマンド判定処理(図38参照)へ戻る。なお、外れロング変動が実行される場合については、取得される設定値が「確変大当たり図柄」となるので、S2107:Noへ分岐し、停止図柄変更可能期間フラグ273iはオンされず、後述するS2108の処理がスキップされる。
S2107の処理において、取得した設定値が「設定値:外れ」である場合には(S2107:Yes)、停止図柄を変更する可能性があるので、停止図柄変更可能期間フラグ273iをオンに設定して(S2108)、この変動演出設定処理を終了し、コマンド判定処理(図38参照)へ戻る。
以上の図45の変動演出設定処理(S1604)によれば、停止図柄が「外れ図柄」となる変動演出が実行開始される場合にだけ、停止図柄変更可能期間フラグ273iをオンに設定できる。よって、実行中の変動演出の停止図柄を変更しない場合であるにも関わらず、停止図柄が誤って変更されることを防止できる。
次に、図46を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される停止図柄指示格納エリア順送り処理(S2105)について説明する。図46は、演出制御装置117の停止図柄指示格納エリア順送り処理(S2105)を示すフローチャートである。停止図柄指示格納エリア順送り処理(S2105)は、変動演出の停止図柄の設定に用いるデータを、特図A停止図柄指示格納エリア273a、または、特図B停止図柄指示格納エリア273bから停止図柄指示実行エリア273cへシフトするための処理である。この停止図柄指示格納エリア順送り処理は、変動演出設定処理(図45参照)の中で実行される処理であり、新たな変動演出が開始される度に実行される処理である。
この停止図柄指示格納エリア順送り処理(S2105)では、まず、特図B保留球カウンタ273eの値(特図B保留球数NB)が0よりも大きいか否かを判別する(S2201)。S2201の処理において、特図B保留球カウンタ273eの値(特図B保留球数NB)が0である場合は(S2201:No)、特図A停止図柄指示格納エリア273aにのみ入賞に対応するデータ(設定値および変動時間)が記憶(保留)されていることになるので、特図A停止図柄指示格納エリア273aの保留第1エリアに記憶されている各データを、停止図柄指示実行エリア273cへシフトする(S2206)。
具体的には、保留第1エリアの設定値格納エリア273a1に記憶されているデータを、停止図柄指示実行エリア273cの設定値格納エリア273c1へシフトする。同様に、変動時間格納エリア273a2に記憶されているデータを、変動時間格納エリア273c2へシフトする。
そして、停止図柄指示実行エリア273cの始動口入賞情報格納エリア273c3に、始動口入賞情報であるビット値「0」を記憶する(S2207)。上述した通り、停止図柄指示実行エリア273cに記憶されているデータが第1入球口A64への入賞によるものであれば、始動口入賞情報格納エリア273c3にビット値「0」が記憶され、第1入球口B640への入賞によるものであれば、始動口入賞情報格納エリア273c3にビット値「1」が記憶される。ここでは、第1入球口A64への入賞に対応するデータを、停止図柄指示実行エリア273cに記憶させたので、始動口入賞情報格納エリア273c3に、ビット値「0」を記憶している。
次に、特図A停止図柄指示格納エリア273aの保留第2エリア〜保留第4エリアに記憶されている各データを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3エリア)へそれぞれシフトする(S2208)。
なお、本実施の形態では、データが記憶(保留)されている保留エリア(第2〜第4)についてのみデータのシフトを行う。よって、データが記憶(保留)されていない保留エリア(第2〜第4)については、データのシフト処理が行われないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。また、データの有無に関わらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくすることができるので、ROM272の空き容量を増やすことができる。
そして、特図A保留球カウンタ273dの値(特図A保留球数NA)を1減算して(S2209)、この停止図柄指示格納エリア順送り処理を終了し、変動演出設定処理(図45参照)へ戻る。
一方、S2201の処理において、特図B保留球カウンタ273eの値(特図B保留球数NB)が1以上であれば(S2201:Yes)、特図B停止図柄指示格納エリア273bの保留第1エリアに記憶されている各データを、停止図柄指示実行エリア273cへシフトする(S2202)。
上述した通り、本実施の形態では、第1入球口A64への入賞に基づく大当たりの抽選よりも、第1入球口B640への入賞に基づく大当たりの抽選を優先的に行うように構成しているので、第1入球口A64への入賞に応じて実行される変動演出の停止図柄の設定よりも、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の停止図柄の設定を優先的に行わなければならない。そこで、S2201の判定を行い、第1入球口B640への入賞に対応するデータを優先的に停止図柄指示実行エリア273cにシフトさせて、第1入球口B640への入賞に基づく変動演出の停止図柄の設定が優先的に行われるようにしている。よって、第1入球口B640への入賞に基づく大当たりの抽選結果(停止図柄)を優先的に、第3図柄表示装置81において表示させることができる。
S2202の処理では、具体的には、保留第1エリアの設定値格納エリア273b1に記憶されているデータを、停止図柄指示実行エリア273cの設定値格納エリア273c1へシフトする。同様に、変動時間格納エリア273b2に記憶されているデータを、変動時間格納エリア273c2へシフトする。
そして、停止図柄指示実行エリア273cの始動口入賞情報格納エリア273c3に、始動口入賞情報であるビット値「1」を記憶する(S2203)。ここでは、第1入球口B640への入賞に対応するデータを、停止図柄指示実行エリア273cに記憶させたので、始動口入賞情報格納エリア273c3に、ビット値「1」を記憶している。次に、保留第2エリア〜保留第4エリアに記憶されている各データを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3エリア)へそれぞれシフトする(S2204)。
なお、本実施の形態では、データが記憶(保留)されている保留エリア(第2〜第4)についてのみデータのシフトを行ったが、データの有無に関わらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。
そして、特図B保留球カウンタ273eの値(特図B保留球数NB)を1減算して(S2205)、この停止図柄指示格納エリア順送り処理を終了し、変動演出設定処理(図45参照)へ戻る。
以上の図46の停止図柄指示格納エリア順送り処理(S2105)によれば、S2201の判定処理を行うことで、特図A停止図柄指示格納エリア273aに記憶されているデータよりも、特図B停止図柄指示格納エリア273bに記憶されているデータを優先して、停止図柄指示実行エリア273cへシフトさせることができる。よって、第1入球口B640への入賞に基づく大当たりの抽選結果(停止図柄)を優先的に、第3図柄表示装置81に表示させることができる。即ち、本実施の形態では、第1入球口B640への入賞に基づく大当たりの抽選が優先的に行われるので、その抽選に対応するように、第1入球口B640への入賞に基づく大当たりの抽選結果(停止図柄)を優先的に、第3図柄表示装置81に表示させることができる。
次に、図47を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される停止図柄設定処理(S1606)について説明する。図47は、演出制御装置117の停止図柄設定処理(S1606)を示すフローチャートである。停止図柄設定処理(S1606)は、第3図柄表示装置81において実行中の、又は、実行開始する変動演出の停止図柄を設定するための処理であり、停止図柄コマンドを受信する度に実行される処理である。また、上述したコマンド判定処理(図38参照)の中で実行される処理である。
停止図柄設定処理(S1606)では、まず、停止図柄指示実行エリア273cに記憶されている各データ(設定値、変動時間、始動口入賞情報)を取得する(S2301)。そして、取得した設定値が「設定値:チャンス目」であるかを判定し(S2302)、取得した設定値が「設定値:チャンス目」である場合には(S2302:Yes)、取得した変動時間が「外れ変動」に対応する時間であるかを判定する(S2303)。具体的には、図柄変動の大まかな変動時間が「11秒」であるかを判定する。なお、上述した通り、設定値は、「外れ」、「確変大当たり」、および、「通常大当たり」の3つのうち、何れか一つとなり、始動口入賞情報は、ビット値「0」およびビット値「1」の一方となる。
S2303の処理において、取得した変動時間が「外れ変動」に対応する時間である場合には(S2303:Yes)、停止図柄として「外れチャンス目」を構成する第3図柄配列情報を作成して(S2304)、S2308の処理へ移行する。一方、S2303の処理において、取得した変動時間が「外れ変動」に対応する時間でない場合には(S2303:No)、停止図柄として「リーチチャンス目」を構成する第3図柄配列情報を作成して(S2305)、S2308の処理へ移行する。
一方、S2302の処理において、取得した設定値が「設定値:チャンス目」以外である場合には(S2302:No)、停止図柄コマンドにより指示された停止図柄をそのまま設定したら良い場合である。この場合は、受信した停止図柄コマンドから、停止図柄のパターンを抽出する(S2306)。なお、停止図柄コマンドからは、停止図柄のパターンとして「前後外れリーチ図柄」、「前後外れ以外リーチ図柄」、「完全外れ図柄」、「確変大当たり図柄」、「通常大当たり図柄」の何れかが一つ抽出される。
次に、停止図柄パターンテーブル内の各エリアのうち(図18(a)参照)、その抽出した停止図柄のパターンに対応するエリアから、第3図柄配列情報を取得して(S2307)、S2308の処理へ移行する。
S2308の処理では、S2304やS2305の処理で作成した第3図柄配列情報、又は、S2307の処理で取得した第3図柄配列情報を、RAM273の表示図柄パターンメモリ273lに記憶する(S2308)。
そして、表示図柄パターンメモリ273lの第3図柄配列情報に対応する停止図柄を構成するために必要な停止図柄データ(第3図柄の画像データ)をキャラクタROM275から取得して、ビデオRAM276の停止図柄データ記憶領域276bに記憶する(S2309)。これにより、変動演出において表示される停止図柄の画像データである停止図柄データが停止図柄データ記憶領域276bに記憶される。
そして、RAM273の停止図柄設定済フラグ273jをオンに設定して(S2310)、この停止図柄設定処理を終了し、コマンド判定処理(図38参照)へ戻る。
以上の図47の停止図柄設定処理(S1606)によって、停止図柄コマンドを受信した場合に、停止図柄指示実行エリア273cに記憶されている各データ(設定値、変動時間、始動口入賞情報)や、受信した停止図柄コマンドが示す停止図柄のパターンに基づいて、第3図柄表示装置81において実行中の、又は、実行開始する変動演出の停止図柄を設定することができる。
上述した通り、本実施の形態では、通常は、受信した停止図柄コマンドに基づいて、実行中の、又は、実行開始する変動演出の停止図柄を設定しているが、停止図柄をチャンス目に設定する場合には、受信した停止図柄コマンドの内容に関係なく、停止図柄指示実行エリア273cの各データ(設定値、変動時間、始動口入賞情報)に基づいて設定している。言い換えると、停止図柄コマンドを受信する度に、連続チャンス目演出の実行中であるかや、連続演出A〜Cの中でどの連続演出を実行しているかや、連続チャンス目演出を開始してから何回目の変動演出を実行しているかなどの状況に基づいて、今回の変動演出の停止図柄をチャンス目にするかの判断を行い、停止図柄をチャンス目設定する必要がない。よって、制御的負担を軽減できる。
なお、本実施の形態では、停止図柄指示実行エリア273cを設けているが、これを止めて、連続チャンス目演出を実行しているか否かを示すフラグや、連続演出A〜Cの中でどの連続演出を実行しているかを示すステータスや、連続チャンス目演出を開始してから実行した変動演出の回数を計数するカウンタなどを設けておき、停止図柄コマンドを受信する度に、上述したフラグ、ステータス、カウンタ等の内容などの状況に基づいて、今回の変動演出の停止図柄を決定する判断を行い、適切な停止図柄を設定しても良い。
以上説明したように、本実施の形態のパチンコ機10によれば、まだ演出を開始していない変動演出の停止図柄を「チャンス目」に変更可能な上、さらに、第3図柄表示装置81において変動演出中の停止図柄を、変動演出の途中で「チャンス目」に変更できる。よって、まだ演出を開始していない変動演出の停止図柄だけを「チャンス目」に変更する構成と比較して、変動演出中の停止図柄を「チャンス目」に変更できる分、即ち、1回多く「チャンス目」を表示できる。従って、連続チャンス目演出を行う機会を増やすことができるので、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、連続チャンス目演出が実行されないにも関わらず、変動演出の停止図柄が偶然にも「チャンス目」に設定されている場合には、その停止図柄を「チャンス目」以外の外れ図柄に変更できる。よって、連続チャンス目演出が実行される場合にだけ、「チャンス目」を表示できるので、「チャンス目」が表示された場合に、連続チャンス目演出が実行されていることを、遊技者に容易に認識させることができる。また、「チャンス目」が表示される場合に、連続チャンス目演出が実行されることを遊技者に印象づけることもできる。従って、「チャンス目」が表示された場合に、遊技者が有利な遊技状態への期待感を向上させることができると共に、実行される変動演出や、「チャンス目」の連続表示回数に、遊技者の関心を引きつけることができる。よって、連続チャンス目演出の価値を高めることができる。
以上、上記各実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施の形態では、遊技機10の特性などの知識を遊技者が有しているか否かに応じて、遊技者の球の打ち込み方が変わることを防止するために(即ち、遊技者に付与される遊技価値に差が生じるのを防止するために)、第1入球口B640への入賞(入球)が検出された場合に限り、その入賞の抽選結果に基づいて連続チャンス目演出を実行するか否かの判定を行っているが、これに代えて、第1入球口A64への入賞(入球)が検出された場合に限り、その入賞の抽選結果に基づいて連続チャンス目演出を実行するか否かの判定を行っても良い。また、第1入球口A64への入賞(入球)が検出された場合でも、第2入球口B640への入賞(入球)が検出された場合でも、それぞれの入賞の抽選結果に基づいて連続チャンス目演出を実行するか否かの判定を行っても良い。
また、上記実施の形態では、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分だけで連続チャンス目演出を実行可能であるかが判定され、実行可能であれば、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分だけが使用されて、連続チャンス目演出が実行される一方、保留数が不足しており、連続チャンス目演出を実行不可能であれば、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分に、実行中の変動演出を加えることで連続チャンス目演出を実行可能であるかが判定され、実行可能であれば、その実行中の変動演出と、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分とが使用されて、連続チャンス目演出が実行される。これに代えて、保留数が不足しており、連続チャンス目演出を実行不可能であれば、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分に、第1入球口A64への入賞に応じて実行される変動演出の保留分を加えることで連続チャンス目演出を実行可能であるかを判定しても良い。そして、その判定で、実行可能と判定されたなら、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分と、第1入球口A64への入賞に応じて実行される変動演出の保留分とを使用して、連続チャンス目演出を実行する。なお、実行中の変動演出を加えても、連続チャンス目演出を実行不可能な場合には、連続チャンス目演出は実行しない。これにより、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分だけで連続チャンス目を実行する場合と比較して、第1入球口A64への入賞に応じて実行される変動演出の保留分を連続チャンス目演出の一部に加えることができる分、連続チャンス目演出を行う機会を増やすことができる。従って、遊技者の期待感を向上させることができる。また、連続チャンス目演出を実行できる機会を増やすことができるので、「チャンス目」が表示される機会を増やすことができる。一方、連続チャンス目演出が実行されない場合には、「チャンス目」が表示されることが禁止される。よって、「チャンス目」が表示される場合に、連続チャンス目演出が実行されることを遊技者に印象づけできる機会を増やすことができるので、遊技者の関心を連続チャンス目演出により引きつけることができる。従って、連続チャンス目演出の価値を高めることができる。また、連続チャンス目演出を実行不可能であれば、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分に、第1入球口A64への入賞に応じて実行される変動演出の保留分と、実行中の変動演出とを加えることで連続チャンス目演出を実行可能であるかを判定しても良い。この場合には、第1入球口B640への入賞に応じて実行される変動演出の保留分だけで連続チャンス目を実行する場合と比較して、第1入球口A64への入賞に応じて実行される変動演出の保留分と、実行中の変動演出とを連続チャンス目演出の一部に加えることができる分、さらに、連続チャンス目演出を行う機会を増やすことができる。従って、遊技者の期待感をさらに向上させることができる。また、連続チャンス目演出を実行できる機会をさらに増やすことができるので、「チャンス目」が表示される機会をさらに増やすことができる。一方、連続チャンス目演出が実行されない場合には、「チャンス目」が表示されることが禁止される。よって、「チャンス目」が表示される場合に、連続チャンス目演出が実行されることを遊技者に印象づけできる機会をさらに増やすことができるので、遊技者の関心を連続チャンス目演出にさらに引きつけることができる。従って、連続チャンス目演出の価値をさらに高めることができる。
また、上記実施の形態では、連続チャンス目演出として、図8に示すように、連続演出Aと、連続演出Bと、連続演出Cとの3つの演出を設けているが、これらは一例であり、連続演出の種類を増やしても良いし、減らしても良い。また、各連続演出A〜Cにおけるチャンス目の連続表示回数や、変動演出の実行回数も一例であり、チャンス目の連続表示回数や、変動演出の実行回数を増やしても良いし、減らしても良い。また、チャンス目の表示が断続的に行われるように、連続チャンス目演出を構成しても良い。
また、上記実施の形態では、ノーマルリーチ変動であれば、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3のうち、上・下の各図柄列Z1,Z3の中に必ず同一の主図柄が入っており、更に、中図柄列Z2の停止表示が開始されても、停止表示までの時間が長い(10秒間)。よって、中図柄列Z2が中速変動中や低速変動中でも、中図柄列Z2の第3図柄を差し替えて、外れ変動の停止図柄を「前後外れリーチ図柄」から「リーチチャンス目」に、又は、「前後外れ以外リーチ図柄」から「リーチチャンス目」に変更しても良い。これにより、中図柄列Z2が中速変動や低速変動に切り替わった後でも、変動演出中の停止図柄を「リーチチャンス目」に変更できるので、中図柄列Z2が高速変動中である場合(例えば、10秒未満)にだけ、変動演出中の停止図柄を「リーチチャンス目」に変更するよりも、変更可能期間を長く確保できる分、連続チャンス目演出を行う機会を更に増やすことができる。例えば、中図柄列Z2の停止表示が開始(10秒後)されてから5秒未満なら、中図柄列Z2の第3図柄を変更する。つまり、ノーマルリーチ変動(20秒間)に対応する最大変更可能期間を15秒とする。この場合には、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3全てが高速変動中である期間に加え、上図柄列Z1が中速変動になってから中図柄列Z2が中速変動になる前までの期間と、中図柄列Z2が中速変動になってから所定期間(例えば、5秒)が経過するまでの期間とが、変更可能期間となる。なお、ここで、5秒未満としたのは、停止図柄の変更を確実に実行させるためであり、制御処理の内容によっては(例えば、制御的負担が少ない場合には)、最大変更可能期間を20秒に近づけても良い。その場合には、最大変更可能期間を長く確保できるので、連続チャンス目演出を行う機会をさらに増やすことができる。また、外れ変動の場合と同様に、変動演出中の停止図柄を「リーチチャンス目」以外の停止図柄に変更することも可能である。例えば、変動演出中の停止図柄が、偶然に「リーチチャンス目」に設定されてしまった場合には、少なくとも中図柄列Z2の第3図柄を差し替える(変更する)ことで、ノーマルリーチ変動の停止図柄を「前後外れリーチ図柄」や、「前後外れ以外リーチ図柄」に変更できる。これにより、連続チャンス目演出が実行される場合にだけ、「チャンス目」が表示されるので、「チャンス目」が表示された場合には、遊技者が有利な遊技状態への期待感を向上させることができるので、遊技者の関心を引きつけることができ、連続チャンス目演出の価値を高めることができる。また、「チャンス目」が表示される場合に、連続チャンス目演出が実行されることを遊技者に印象づけることもできる。
また、上記実施の形態では、仮想図柄リールで定められている第3図柄の配列順に、各図柄列Z1,Z2,Z3の第3図柄が第3図柄表示装置81においてスクロール表示されるように構成されている。例えば、外れ変動が実行されている場合に、中図柄列Z2が中速変動に切り替わってから中図柄列Z2の第3図柄を変更すると、残りの演出時間が短い(1秒間)ので、停止表示すべき第3図柄(停止図柄)までの各第3図柄をスクロール表示させることが困難であり、所望する停止図柄を表示できないことがある。しかし、ノーマルリーチ変動であれば、中図柄列Z2が中速変動に切り替わってから中図柄列Z2の第3図柄を変更しても、残りの演出時間が長い(10秒間)ので、中速変動に切り替わってから例えば5秒未満なら、停止表示すべき第3図柄(停止図柄)までの各第3図柄をスクロール表示させることができ、所望する停止図柄を確実に表示できる。つまり、ノーマルリーチ変動のように、停止表示すべき第3図柄(停止図柄)を確実に表示できる場合にだけ、停止図柄の変更を行う構成にすることにより、実行中の変動演出の変動パターンに関係なく、停止図柄の変更を試みる場合よりも、制御的負担を軽減できる。なお、実行中の変動演出の変動パターンに関係なく、停止図柄の変更を試みるように構成しても良い。スーパーリーチ変動や、スペシャルリーチの場合も、ノーマルリーチ変動の場合と同様に、中図柄列Z2が中速変動に切り替わっても、停止表示までの時間が長いので、中図柄列Z2が中速変動に切り替わった後でも、中図柄列Z2の第3図柄(停止図柄)を変更することで、停止図柄を「前後外れリーチ図柄」から「リーチチャンス目」に、又は、「前後外れ以外リーチ図柄」から「リーチチャンス目」に変更できる。また、ノーマルリーチ変動の場合と同様に、「リーチチャンス目」を「前後外れリーチ図柄」や「前後外れ以外リーチ図柄」にも変更できる。
また、上記実施の形態では、第3図柄表示装置81において横スクロールの変動表示が実行される場合、停止図柄における上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3のうち、一部の図柄列(上図柄列Z1や下図柄列Z3)が停止表示された後でも、高速変動中の図柄列の第3図柄を差し替えて、変動演出中の停止図柄を「チャンス目」に変更しているが、図柄列Z1,Z2,Z3の全てが停止表示された後に、停止図柄が「チャンス目」となるように、各図柄列Z1,Z2,Z3の第3図柄を差し替えてもよい。例えば、停止図柄が全て表示されたら直ぐに、全ての図柄列Z1,Z2,Z3を入れ替える演出を行っても良いし、一部の図柄列Z1,Z2,Z3だけを入れ替える演出を行っても良い。このように構成すれば、中図柄列Z2が停止表示された後でも、停止図柄を変更できるので、停止図柄を変更可能な期間(変更可能期間)を最も長く確保できる。よって、変更可能期間を長く確保できる分、連続チャンス目演出を行う機会も更に増やすことができる。なお、縦スクロールの変動表示が実行される場合についても同様である。
また、上記実施の形態では、変動演出に使用する変動演出データと、停止図柄の表示に使用する停止図柄データとを分けて記憶しており、停止図柄の図柄列Z1,Z2,Z3が「チャンス目」となるように停止図柄データ変更し、その停止図柄が停止表示されるように各図柄列Z1,Z2,Z3をスクロール表示させている(変動している)が、停止図柄データを記憶せずに、停止図柄が表示されるまでの残余時間を取得し、その残余時間経過したら図柄列Z1,Z2,Z3が「チャンス目」で停止するように、スクロール表示中の(変動している)図柄列Z1,Z2,Z3を変更するように構成しても良い。
また、上記実施の形態では、第3図柄表示装置81において変動表示が横スクロールする場合、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示されるように構成されているが、図柄列の列数は3列に限らず、1列や2列としても良いし、4列以上としても良い。
また、上記実施の形態では、連続チャンス目演出が実行されると、停止図柄が「チャンス目」となる変動演出が連続で実行されるように構成されているが、停止図柄が「チャンス目」となる変動演出が断続的(例えば、1回おき)に実行される演出を連続チャンス目演出として行っても良い。
また、上記実施の形態では、連続チャンス目演出を行うか否かの判定を、演出制御装置117において行っているが、その代わりに、主制御装置110において連続チャンス目演出を行うか否かの判定を行う構成としても良い。主制御装置110において、連続チャンス目演出を行うか否かの判定を行う場合は、入賞情報コマンドの送受信が不用となるので、主制御装置110におけるコマンドの送信回数、および、演出制御装置117におけるコマンドの受信回数を軽減することができる。よって、主制御装置110および演出制御装置117の制御的負担を共に軽減することができる。
また、上記実施の形態では、演出制御装置117において、入賞情報コマンドが受信される度に、受信した入賞情報コマンドに含まれている抽選結果に応じた設定値を、特図A停止図柄指示格納エリア273aや、特図B停止図柄指示格納エリア273bに記憶するように構成しているが、抽選結果を記憶するように構成しても良い。
また、上記実施の形態では、演出制御装置117において、入賞情報コマンドが受信される度に、受信した入賞情報コマンドに含まれている変動時間を、特図A停止図柄指示格納エリア273aや、特図B停止図柄指示格納エリア273bに記憶するように構成しているが、変動時間に代えて変動パターンが入賞情報コマンドに含まれるように構成し、その変動パターンを特図A停止図柄指示格納エリア273aや、特図B停止図柄指示格納エリア273bに記憶するように構成しても良い。
また、上記実施の形態では、特図A停止図柄指示格納エリア273aや、特図B停止図柄指示格納エリア273bに、実行すべき変動演出の変動時間を記憶しているので、その変動時間に基づいて、実行すべき変動演出の変動演出データを設定(取得)するように構成しても良い。その場合には、変動パターンコマンドの送受信が不用となるので、主制御装置110におけるコマンドの送信回数、および、演出制御装置117におけるコマンドの受信回数を軽減することができる。よって、主制御装置110および演出制御装置117の制御的負担を共に軽減することができる。
また、上記実施の形態の連続チャンス目演出では、停止図柄を「チャンス目(外れチャンス目、リーチチャンス目)」とする変動演出を連続で行っているが、停止図柄を「チャンス目」とする代わりに、変動演出中の効果音(動的表示の効果音の態様、例えば、第3図柄の停止音など)や、停止図柄を停止表示する場合の効果音(停止表示の効果音の態様)を、通常の変動演出中とは異なる効果音に変えても良い。この効果音により、連続チャンス目演出中であることを遊技者に認識させることができるので、遊技者の関心を引きつけることができる。よって、遊技への参加を遊技者に促すことができる。また、停止図柄を「チャンス目」とした上に、更に、変動演出中の効果音(動的表示の効果音の態様、例えば、第3図柄の停止音など)や、停止図柄を停止表示する場合の効果音(停止表示の効果音の態様)を、通常の変動演出中とは異なる効果音に変えても良い。
また、上記実施の形態の連続チャンス目演出では、停止図柄を「チャンス目(外れチャンス目、リーチチャンス目)」とする変動演出を連続で行っているが、停止図柄を「チャンス目」とする代わりに、変動演出中の電飾部29〜33や、表示ランプ34の点灯パターン(動的表示の演出の態様)や、停止図柄を停止表示する場合の電飾部29〜33や、表示ランプ34の点灯パターン(停止表示の演出の態様)を、通常の変動演出中とは異なるパターンに変えても良い。通常とは異なる点灯パターンにより、連続チャンス目演出中であることを遊技者に認識させることができるので、遊技者の関心を引きつけることができる。よって、遊技への参加を遊技者に促すことができる。また、停止図柄を「チャンス目」とした上に、更に、変動演出中の電飾部29〜33や、表示ランプ34の点灯パターン(動的表示の演出の態様)や、停止図柄を停止表示する場合の電飾部29〜33や、表示ランプ34の点灯パターン(停止表示の演出の態様)を、通常の変動演出中とは異なるパターンに変えても良い。
また、上記実施の形態の連続チャンス目演出では、停止図柄を「チャンス目(外れチャンス目、リーチチャンス目)」とする変動演出を連続で行っているが、その代わりに、通常とは異なる特別な変動演出を連続で行うようにしても良い。例えば、同一の変動演出(動的表示の演出の態様が同一)を連続で行っても良いし、それぞれ異なる変動演出を所定の順番に連続で行っても良い。また、例えば、同一の停止図柄(停止表示の演出の態様が同一)を連続で停止表示させても良いし、それぞれ異なる停止図柄を所定の順番に連続で停止表示させても良い。この特別な変動演出により、連続チャンス目演出中であることを遊技者に認識させることができるので、遊技者の関心を引きつけることができる。よって、遊技への参加を遊技者に促すことができる。
また、上記実施の形態の連続チャンス目演出では、停止図柄を「チャンス目(外れチャンス目、リーチチャンス目)」とする変動演出を連続で行っているが、その際に、変動演出中の効果音(動的表示の効果音の態様、例えば、第3図柄の停止音など)や、停止図柄を停止表示する場合の効果音(停止表示の効果音の態様)を、通常の変動演出中とは異なる効果音に変えたり、変動演出中の電飾部29〜33や表示ランプ34の点灯パターン(動的表示の演出の態様)や、停止図柄を停止表示する場合の電飾部29〜33や、表示ランプ34の点灯パターン(停止表示の演出の態様)を、通常の変動演出中とは異なるパターンに変えたり、通常とは異なる特別な変動演出を連続で行うようにしても良い。また、それぞれを複数組み合わせて行っても良い。
また、上記実施の形態では、第3図柄表示装置81に、同一の第3図柄が3つ停止表示される停止図柄を「外れチャンス目」としているが、予め定められた3つの第3図柄(例えば、「3」「4」「1」などの図柄)が第3図柄表示装置81に停止表示される停止図柄を「外れチャンス目」としても良い。
また、上記実施の形態では、音声出力の制御や、各種ランプの点灯および消灯の制御や、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動演出(変動表示)の制御を一括して演出制御装置117で行うよう構成しているが、各種制御を複数の制御装置で分担して行うように構成しても良い。例えば、音声出力の制御と、各種ランプの点灯および消灯の制御とを音声ランプ制御装置で行い、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動演出(変動表示)の制御を表示制御装置で行うように構成しても良い。
また、上記実施の形態では、大当たりの判定が開始される入球口として、第1入球口A64と、第1入球口B640との2つを設ける構成としたが、この第1入球口は1つでも良いし、3つ以上であっても良い。そして、第1入球口を複数設けている場合には、遊技球が入賞した第1入球口に応じて、連続チャンス目演出の演出態様を変化させる(例えば、演出のスクロール方向(縦横)を変化させる)ように構成しても良い。
また、上記実施の形態では、第3図柄表示装置81で表示される変動パターン(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ等)は、カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値の組み合わせに基づいて決定しているが、カウンタC1〜C2,CS1〜CS3の各値のうち、一部のカウンタ値の組み合わせに基づいて決定しても良い。また、変動パターンを決定するためのカウンタを設けて、そのカウンタ値に基づいて決定するように構成しても良い。
また、上記実施の形態における第1当たり乱数カウンタC1では、0〜2309の範囲の数値をカウントしているが、カウントする範囲は適宜決定すれば良い。ここで、0〜2309の範囲の数値をカウントするには、少なくとも2バイトの領域(2バイトでカウント可能な範囲は0〜65535)が必要である。例えば、第1当たり乱数カウンタC1が2バイトで構成されているなら、2バイトによりカウント可能な最大範囲である0〜65535の範囲の数値をカウントしても良いし、0〜32768(最上位ビットのみビット値が「1」、その他のビットはビット値「0」)の範囲の数値をカウントしても良い。
同様に、上記実施の形態における第1当たり種別カウンタC2では、0〜19の範囲の数値をカウントしているが、カウントする範囲は適宜決定すれば良い。ここで、0〜19の範囲の数値をカウントするには、少なくとも1バイトの領域(1バイトでカウント可能な範囲は0〜255)が必要である。例えば、第1当たり種別カウンタC2が1バイトで構成されているなら、1バイトによりカウント可能な最大範囲である0〜255の範囲の数値をカウントしても良いし、0〜128(最上位ビットのみビット値が「1」、その他のビットはビット値「0」)の範囲の数値をカウントしても良い。
ここで、カウントする範囲の最大値を分母とし、一のカウント値を分子として確率を算出する場合に、カウントする範囲が広ければ広いほど、様々な確率を設けることが容易となる。例えば、分母が100であれば、1%毎にしか確率を設けることができないが、分母が1000であれば、0.1%毎に確率を設けることができる。つまり、カウントする範囲が広ければ広いほど、確率の微調整を簡単に行うことができる。パチンコ機では、変動演出や大当たり演出が同一で大当たりの確率が異なる機種を製作することが一般的に行われるので、確率の微調整を簡単に行うことができるようパチンコ機を構成することにより、大当たりの確率の微調整を機種毎に簡単に行うことができ、設計負担を軽減することができる。
また、上記実施の形態では、主制御装置110から演出制御装置117へ保留数コマンドを送信するように構成しているが、保留数コマンドを送信しないように構成しても良い。即ち、演出制御装置117では、RAM273の特図A保留球カウンタ273dの中に特図A保留球数NAを記憶し、特図B保留球カウンタ273eの中に特図B保留球数NBを記憶しているので、保留数コマンドを受信しなくても特図A保留球数NAや特図B保留球数NBがわかる。つまり、この場合は、特図A保留球カウンタ273dの値と同一数のランプが、特図A保留ランプ85Aにおいて点灯されるように構成し、特図B保留球カウンタ273eの値と同一数のランプが、特図B保留ランプ85Bにおいて点灯されるように構成する。これにより、主制御装置110におけるコマンドの送信回数、および、演出制御装置117におけるコマンドの受信回数を軽減することができので、主制御装置110および演出制御装置117の制御的負担を共に軽減することができる。
また、上記実施の形態では、「演算時間加算コマンド」を設けているが、本発明を、「演算時間加算コマンド」が設けられていないパチンコ機等で実施しても良い。
また、上記実施の形態では、主制御装置110により、第3図柄表示装置81に表示させる変動演出や、予告演出が決定されているが、主制御装置110の代わりに、演出制御装置117が、第3図柄表示装置81に表示させる変動演出や、予告演出を決定しても良い。例えば、演出制御装置117では、入賞情報コマンドを受信した場合に、特図A停止図柄指示格納エリア273aの内容や、特図B停止図柄指示格納エリア273bの内容に基づいて第3図柄表示装置81に表示させる変動演出や、予告演出を決定する。なお、演出制御装置117が、第3図柄表示装置81に表示させる変動演出や、予告演出を決定する場合には、特図A保留ランプ85Aにより、第1入球口A64についての保留数の表示をしなくても良いし、しても良い。同様に、特図B保留ランプ85Bにより、第1入球口B640についての保留数の表示をしなくても良いし、しても良い。保留数の表示をしない場合には、主制御装置110における保留数コマンドの送信回数を軽減することができので、主制御装置110の制御的負担を軽減することができる。
また、上記実施の形態では、特図A保留球数NAを特図A保留ランプ85Aの点灯によって報知し、特図B保留球数NBを特図B保留ランプ85Bの点灯によって報知しているが、特図A保留ランプ85Aを設けずに、特図A保留球数NAを第3図柄表示装置81に表示するように構成しても良い。同様に、特図B保留ランプ85Bを設けずに、特図B保留球数NBを第3図柄表示装置81に表示するように構成しても良い。なお、表示は、保留数を視覚的に区別可能に表示する(例えば、数字または、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)として表示する)ようにする。また、特図A保留球数NAを特図A保留ランプ85Aの点灯によって報知すると共に、特図A保留球数NAを第3図柄表示装置81に表示するように構成しても良い。同様に、特図B保留球数NBを特図B保留ランプ85Bの点灯によって報知すると共に、特図B保留球数NBを第3図柄表示装置81に表示するように構成しても良い。
また、上記実施の形態においては、第1入球口A64への入賞(入球)は、最大4回保留できるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。同様に、第1入球口B640への入賞(入球)は、最大4回保留できるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
また、上記実施の形態では、第1入球口A64の特図A保留球数NAを計数するカウンタとして特図A保留球カウンタ203dを設けるように構成したが、カウンタ203dを設けずに、必要に応じて(例えば、変動開始の際に)、特図A保留球格納エリア203aの内容を確認する(データがあるエリアの数を計数)ことによって、第1入球口A64の特図A保留球数NAを得るように構成しても良い。この場合は、シフト元のエリアから、シフト先のエリアにデータをシフトさせた後に、シフト元のエリアのデータをクリアするように構成する。同様に、第1入球口B640の特図B保留球数NBを計数するカウンタとして特図B保留球カウンタ203eを設けるように構成したが、カウンタ203eを設けずに、必要に応じて(例えば、変動開始の際に)、特図B保留球格納エリア203bの内容を確認する(データがあるエリアの数を計数)ことによって、第1入球口B640の特図B保留球数NBを得るように構成しても良い。この場合も、シフト元のエリアから、シフト先のエリアにデータをシフトさせた後に、シフト元のエリアのデータをクリアするように構成する。
また、上記実施の形態では、第1入球口A64の特図A保留球数NAを計数するカウンタとして特図A保留球カウンタ273dを設けるように構成したが、カウンタ273dを設けずに、必要に応じて(例えば、入賞情報コマンドを受信した際に)、特図A停止図柄指示格納エリア273aの内容を確認する(データがあるエリアの数を計数)ことによって、第1入球口A64の特図A保留球数NAを得るように構成しても良い。この場合は、シフト元のエリアから、シフト先のエリアにデータをシフトさせた後に、シフト元のエリアのデータをクリアするように構成する。同様に、第1入球口B640の特図B保留球数NBを計数するカウンタとして特図B保留球カウンタ273eを設けるように構成したが、カウンタ273eを設けずに、必要に応じて(例えば、入賞情報コマンドを受信した際に)、特図B停止図柄指示格納エリア273bの内容を確認する(データがあるエリアの数を計数)ことによって、第1入球口B640の特図B保留球数NBを得るように構成しても良い。この場合も、シフト元のエリアから、シフト先のエリアにデータをシフトさせた後に、シフト元のエリアのデータをクリアするように構成する。
また、上記実施の形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を横方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向や、L字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、斜めにスクロールさせても良い。また、一直前上でスクロールさせても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
また、上記実施の形態においては、第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
本発明を上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組み合わせが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。識別情報を表示する表示手段と、遊技媒体が入球する第1入球口と、その第1入球口への遊技媒体の入球を検出する第1検出手段と、前記第1入球口とは別に設けられ遊技媒体が入球する第2入球口と、その第2入球口への遊技媒体の入球を検出する第2検出手段とを備え、前記第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に識別情報の動的表示を前記表示手段において実行する遊技機において、前記第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、その入球に伴う入球情報を取得する入球情報取得手段と、その入球情報取得手段により取得された入球情報を記憶する入球情報記憶手段と、その入球情報記憶手段の内容に基づいて前記動的表示を前記表示手段において実行する場合に、前記第1入球口への入球に応じて実行される動的表示である第1動的表示よりも前記第2入球口への入球に応じて実行される動的表示である第2動的表示を優先的に実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様を所定の態様またはその所定の態様とは別の態様に設定する態様設定手段と、その態様設定手段により設定された停止表示態様で前記動的表示実行手段により実行される第1動的表示または第2動的表示を前記表示手段において停止表示させる停止表示実行手段と、前記第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、前記動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示のうち、その全部または一部の第2動的表示を前記所定の態様で停止表示させる第1連続演出を実行可能かを判定する演出可否判定手段と、その演出可否判定手段により前記第1連続演出を実行可能と判定された場合に、前記動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示のうち、その全部または一部の第2動的表示の停止表示態様を前記所定の態様となるように制御する態様制御手段と、前記演出可否判定手段により前記第1連続演出を実行不可能と判定されている間は、前記第1動的表示および第2動的表示が前記所定の態様で停止表示されることを制限する所定態様制限手段とを備えていることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の入球が検出されると、その入球に伴う入球情報が入球情報取得手段により取得され、その取得された入球情報が入球情報記憶手段に記憶される。そして、その入球情報記憶手段の内容に基づいて動的表示が表示手段において実行される場合に、第1入球口への入球に応じて実行される動的表示である第1動的表示よりも第2入球口への入球に応じて実行される動的表示である第2動的表示が優先的に動的表示実行手段により実行される。その実行される第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様は所定の態様またはその所定の態様とは別の態様に態様設定手段により設定され、その設定された停止表示態様で動的表示実行手段により実行される第1動的表示または第2動的表示が表示手段において停止表示実行手段により停止表示させられる。また、第2検出手段により遊技媒体の入球が検出されると、動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示のうち、その全部または一部の第2動的表示を所定の態様で停止表示させる第1連続演出を実行可能かが演出可否判定手段により判定される。ここで、第1連続演出を実行可能と判定されると、動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示のうち、その全部または一部の第2動的表示の停止表示態様が所定の態様となるように態様制御手段により制御される。一方、演出可否判定手段により第1連続演出を実行不可能と判定されている間は、第1動的表示および第2動的表示が所定の態様で停止表示されることが所定態様制限手段により制限される。よって、動的表示実行手段により実行される第1動的表示および第2動的表示の停止表示態様が態様設定手段により所定の態様に設定されたとしても、第1連続演出が実行されない場合には、その第1動的表示および第2動的表示を所定の態様とは別の態様で停止表示させることができるので、第1連続演出が実行される場合にだけ、第1動的表示および第2動的表示を所定の態様で停止表示させることができる。従って、第1動的表示および第2動的表示が所定の態様で停止表示された場合に、連続演出が実行されていることを遊技者に容易に認識させることができるので、遊技者の関心を連続演出に引きつけることができ、連続演出の価値を高めることができる。
遊技機A1において、前記動的表示は、前記動的表示実行手段により実行開始されてから所定時間を経過するまでは、その動的表示の実行が終了するまでの間にその実行中の動的表示の停止表示態様を変更可能に構成されており、前記所定態様制限手段は、前記動的表示実行手段により第1動的表示または第2動的表示が実行開始されてからの経過時間を計時する計時手段と、前記動的表示実行手段により実行されている第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が前記所定の態様であるかを判定する第1態様判定手段と、前記計時手段により計時される経過時間が前記所定時間を経過する場合に、前記第1態様判定手段により前記第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が前記所定の態様であると判定され、前記演出可否判定手段により前記第1連続演出を実行不可能と判定されていれば、前記動的表示実行手段により実行されている第1動的表示および第2動的表示の停止表示態様を前記所定の態様とは別の態様に変更する第1態様変更手段とを備えていることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、動的表示は、動的表示実行手段により実行開始されてから所定時間を経過するまでは、その動的表示の実行が終了するまでの間にその実行中の動的表示の停止表示態様を変更可能に構成され、動的表示実行手段により第1動的表示または第2動的表示が実行開始されてからの経過時間が計時手段により計時される。そして、その経過時間が所定時間を経過する場合に、動的表示実行手段により実行されている第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が所定の態様であると第1態様判定手段により判定され、演出可否判定手段により第1連続演出を実行不可能と判定されていると、動的表示実行手段により実行されている第1動的表示および第2動的表示の停止表示態様が所定の態様とは別の態様に第1態様変更手段により変更される。よって、動的表示の停止表示態様を変更可能な期間であっても、動的表示の停止表示態様が変更不可能になるまでは、動的表示の停止表示態様を所定の態様から所定の態様とは別の態様に変更しないので、停止表示態様の変更回数を抑制できる。即ち、動的表示の停止表示態様を変更可能な場合に、直ぐに、所定の態様から所定の態様とは別の態様に変更しておくと、その後、動的表示の停止表示態様が変更不可能になるまでに第1連続演出が実行されることになった場合に、変更した停止表示態様を再び所定の態様に変更しなければならない。しかしながら、動的表示の停止表示態様が変更不可能になる場合に動的表示の停止表示態様を変更するので、その後、停止表示態様を変更することが無い。従って、動的表示の停止表示態様の変更回数を抑制できるので、制御的負担を軽減できる。
遊技機A1またはA2において、前記演出可否判定手段は、前記第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、前記動的表示実行手段により第1動的表示または第2動的表示が実行されていれば、その動的表示と、その動的表示が終了した後に前記動的表示実行手段により実行される第2動的表示との各動的表示を前記所定の態様で停止表示させる第2連続演出を実行可能かを判定し、前記態様制御手段は、前記演出可否判定手段により前記第2連続演出を実行可能と判定された場合に、前記動的表示実行手段により実行されている動的表示と、その動的表示が終了した後に前記動的表示実行手段により実行される第2動的表示の停止表示態様とが前記所定の態様となるように制御し、前記所定態様制限手段は、前記演出可否判定手段により前記第1連続演出および第2連続演出を実行不可能と判定されている間は、前記第1動的表示および第2動的表示が前記所定の態様で停止表示されることを制限するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、動的表示実行手段により第1動的表示または第2動的表示が実行されていれば、その動的表示と、その動的表示が終了した後に動的表示実行手段により実行される第2動的表示との各動的表示を所定の態様で停止表示させる第2連続演出を実行可能かが演出可否判定手段により判定される。ここで、第2連続演出を実行可能と判定されると、動的表示実行手段により実行されている動的表示と、その動的表示が終了した後に動的表示実行手段により実行される第2動的表示との各動的表示の停止表示態様が所定の態様となるように態様制御手段により制御される。一方、演出可否判定手段により第1連続演出および第2連続演出を実行不可能と判定されている間は、第1動的表示および第2動的表示が所定の態様で停止表示されることが所定態様制限手段により制限される。よって、動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示によって第1連続演出を実行できると共に、実行中の動的表示と、その動的表示が終了した後に動的表示実行手段により実行される第2動的表示とによって第2連続演出も実行できるので、連続演出を実行できる機会を増やすことができる。
遊技機A3において、前記態様制御手段は、前記演出可否判定手段により前記第2連続演出を実行可能と判定された場合に、前記動的表示実行手段により実行されている第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が前記態様設定手段により前記所定の態様に設定されているかを判定する第2態様判定手段と、その第2態様判定手段により前記所定の態様とは別の態様に設定されていると判定される場合に、前記動的表示実行手段により実行されている第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様を前記所定の態様に変更する変更処理を実行すると共に、前記第2態様判定手段により前記所定の態様に設定されていると判定される場合に、前記変更処理を未実行とする第2態様変更手段とを備え、前記第2連続演出を実行可能と判定された場合に実行されていた第1動的表示または第2動的表示が終了した後に前記動的表示実行手段により実行される第2動的表示の停止表示態様を前記態様設定手段により前記所定の態様に設定するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、演出可否判定手段により第2連続演出を実行可能と判定された場合に、動的表示実行手段により実行されている第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が態様設定手段により所定の態様に設定されているかが第2態様判定手段により判定される。第2態様判定手段により所定の態様とは別の態様に設定されていると判定される場合には、動的表示実行手段により実行されている第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が所定の態様に変更される変更処理が第2態様変更手段により実行され、第2態様判定手段により所定の態様に設定されていると判定される場合には、第2態様変更手段による変更処理が未実行となる。そして、第2連続演出を実行可能と判定された場合に実行されていた第1動的表示または第2動的表示が終了した後に動的表示実行手段により実行される第2動的表示の停止表示態様が態様設定手段により所定の態様に設定される。よって、第2連続演出が実行される場合に、動的表示実行手段により実行されている動的表示の停止表示態様が態様設定手段により所定の態様に設定されていれば、その停止表示態様を変更することなく動的表示を停止表示させることができる。従って、動的表示実行手段により実行されている動的表示の停止表示態様が所定の態様に設定されているか否かに関わらず、停止表示態様を所定の態様に変更する場合と比較して、第2態様変更手段による変更処理の実行回数を抑制できるので、制御的負担を軽減できる。
遊技機A1またはA2において、前記演出可否判定手段は、前記第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、前記動的表示実行手段により実行される第1動的表示とその第1動的表示と実行順序が連続する前記第2動的表示とのうち、その全部または一部の動的表示を前記所定の態様で停止表示させる第3連続演出を実行可能かを判定し、前記態様制御手段は、前記演出可否判定手段により前記第3連続演出を実行可能と判定された場合に、前記動的表示実行手段により実行される第1動的表示と、その第1動的表示と実行順序が連続する第2動的表示とのうち、その全部または一部の動的表示の停止表示態様を前記態様設定手段により前記所定の態様に設定し、前記所定態様制限手段は、前記演出可否判定手段により前記第1連続演出および第3連続演出を実行不可能と判定されている間は、前記第1動的表示および第2動的表示が前記所定の態様で停止表示されることを制限するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、動的表示実行手段により実行される第1動的表示とその第1動的表示と実行順序が連続する第2動的表示とのうち、その全部または一部の動的表示を所定の態様で停止表示させる第3連続演出を実行可能かが演出可否判定手段により判定される。ここで、第3連続演出を実行可能と判定されると、動的表示実行手段により実行される第1動的表示と、その第1動的表示と実行順序が連続する第2動的表示とのうち、その全部または一部の動的表示の停止表示態様が態様設定手段により所定の態様に設定される。一方、演出可否判定手段により第1連続演出および第3連続演出を実行不可能と判定されている間は、第1動的表示および第2動的表示が所定の態様で停止表示されることが所定態様制限手段により制限される。よって、動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示によって第1連続演出を実行できると共に、動的表示実行手段により実行される第1動的表示と、その動的表示が終了した後に動的表示実行手段により実行される第2動的表示とによって第3連続演出も実行できるので、連続演出を実行できる機会を増やすことができる。
識別情報を表示する表示手段と、遊技媒体が入球する第1入球口と、その第1入球口への遊技媒体の入球を検出する第1検出手段と、前記第1入球口とは別に設けられ遊技媒体が入球する第2入球口と、その第2入球口への遊技媒体の入球を検出する第2検出手段と、その第2検出手段または第1検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に識別情報の動的表示を前記表示手段において実行する周辺制御手段と、その周辺制御手段を制御すると共に遊技に関する主な制御を行う主制御手段とを備えた遊技機において、前記主制御手段は、前記第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、その入球に伴う入球情報を取得する入球情報取得手段と、その入球情報取得手段により取得された入球情報に基づいて、入球の抽選結果を示す抽選情報を取得する抽選情報取得手段と、その抽選情報取得手段により取得された抽選情報と、その抽選情報に対応する入球が検出された入球口を示す入球口情報とを前記周辺制御手段へ送信する情報送信手段と、前記入球情報取得手段により取得された入球情報を記憶する入球情報記憶手段と、その入球情報記憶手段の内容に基づいて前記動的表示の実行を前記周辺制御手段に指示する場合に、前記第1入球口への入球に応じて実行される動的表示である第1動的表示の実行よりも前記第2入球口への入球に応じて実行される動的表示である第2動的表示の実行を優先的に指示する動的表示指示手段とを備え、前記周辺制御手段は、前記主制御手段の動的表示指示手段により指示された第1動的表示または第2動的表示を前記表示手段において実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様を所定の態様またはその所定の態様とは別の態様に設定する態様設定手段と、その態様設定手段により設定された停止表示態様で前記動的表示実行手段により実行される第1動的表示または第2動的表示を前記表示手段において停止表示させる停止表示実行手段と、前記主制御手段の情報送信手段により送信された抽選情報と入球口情報とを受信する情報受信手段と、その情報受信手段により受信された抽選情報に対応する動的表示の停止表示態様を示す態様情報と、その抽選情報に対応して受信された入球口情報が示す入球口とを関連づけて記憶する態様情報記憶手段と、その態様情報記憶手段の内容に基づいて、前記動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示のうち、その全部または一部の第2動的表示を前記所定の態様で停止表示させる第1連続演出を実行可能かを判定する演出可否判定手段と、その演出可否判定手段により前記第1連続演出を実行可能と判定された場合に、前記動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示のうち、その全部または一部の第2動的表示の停止表示態様を前記所定の態様となるように制御する態様制御手段と、前記演出可否判定手段により前記第1連続演出を実行不可能と判定されている間は、前記第1動的表示および第2動的表示が前記所定の態様で停止表示されることを制限する所定態様制限手段とを備えていることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、主制御手段では、第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の入球が検出されると、その入球に伴う入球情報が入球情報取得手段により取得され、その取得された入球情報に基づいて、入球の抽選結果を示す抽選情報が抽選情報取得手段により取得される。そして、その取得された抽選情報と、その抽選情報に対応する入球が検出された入球口を示す入球口情報とが周辺制御手段へ情報送信手段により送信される。また、入球情報取得手段により入球情報が取得されると、その入球情報が入球情報記憶手段に記憶され、その入球情報記憶手段の内容に基づいて動的表示の実行が周辺制御手段に動的表示指示手段により指示される場合に、第1入球口への入球に応じて実行される動的表示である第1動的表示の実行よりも第2入球口への入球に応じて実行される動的表示である第2動的表示の実行が優先的に指示される。一方、周辺制御手段では、主制御手段の動的表示指示手段により指示された第1動的表示または第2動的表示が表示手段において動的表示実行手段により実行され、その実行される第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が所定の態様またはその所定の態様とは別の態様に態様設定手段により設定される。そして、その設定された停止表示態様で動的表示実行手段により実行される第1動的表示または第2動的表示が表示手段において停止表示実行手段により停止表示させられる。また、主制御手段の情報送信手段により送信された抽選情報と入球口情報とが情報受信手段により受信されると、その受信された抽選情報に対応する動的表示の停止表示態様を示す態様情報と、その受信された入球口情報が示す入球口とが関連づけられて態様情報記憶手段に記憶され、その態様情報記憶手段の内容に基づいて、動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示のうち、その全部または一部の第2動的表示を所定の態様で停止表示させる第1連続演出を実行可能かが演出可否判定手段により判定される。ここで、第1連続演出を実行可能と判定されると、動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示のうち、その全部または一部の第2動的表示の停止表示態様が所定の態様となるように態様制御手段により制御される。一方、演出可否判定手段により第1連続演出を実行不可能と判定されている間は、第1動的表示および第2動的表示が所定の態様で停止表示されることが所定態様制限手段により制限される。よって、動的表示実行手段により実行される第1動的表示および第2動的表示の停止表示態様が態様設定手段により所定の態様に設定されたとしても、第1連続演出が実行されない場合には、その第1動的表示および第2動的表示を所定の態様とは別の態様で停止表示させることができるので、第1連続演出が実行される場合にだけ、第1動的表示および第2動的表示を所定の態様で停止表示させることができる。従って、第1動的表示および第2動的表示が所定の態様で停止表示された場合に、連続演出が実行されていることを遊技者に容易に認識させることができるので、遊技者の関心を連続演出に引きつけることができ、連続演出の価値を高めることができる。
遊技機A1からA6の何れかにおいて、前記所定の態様には、停止表示の演出の態様、停止表示の表示結果の態様、停止表示の効果音の態様のうち、少なくとも一つが含まれていることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、所定の態様には、停止表示の演出の態様、停止表示の表示結果の態様、停止表示の効果音の態様のうち、少なくとも一つが含まれているので、連続演出が実行されていることを遊技者にさらに容易に認識させることができる。よって、遊技者の関心をさらに連続演出に引きつけることができるので、連続演出の価値をさらに高めることができる。
なお、実行順序の連続する動的表示または実行順序が断続的となる動的表示を所定の態様で停止表示させる場合に、各停止表示ごとに所定の態様の内容を変化させても良い。例えば、1回目の停止表示では、所定の態様を停止表示の演出の態様とし、2回目の停止表示では、所定の態様を停止表示の表示結果の態様とし、3回目の停止表示では、所定の態様を停止表示の効果音の態様とする。このように、停止表示の態様の内容を変化させれば、停止表示が多彩となるので、遊技者の関心をより強く引きつけることができる。
識別情報を表示する表示手段と、所定の始動条件の成立を検出する第1検出手段と、その第1検出手段とは別に所定の始動条件の成立を検出する第2検出手段とを備え、前記第1検出手段または第2検出手段により始動条件の成立が検出された場合に識別情報の動的表示を前記表示手段において実行する遊技機において、前記第1検出手段または第2検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、その成立に伴う始動情報を取得する始動情報取得手段と、その始動情報取得手段により取得された始動情報を記憶する始動情報記憶手段と、その始動情報記憶手段の内容に基づいて前記動的表示を前記表示手段において実行するものであって、前記第1検出手段により検出される前記始動条件の成立に応じて実行される動的表示である第1動的表示よりも前記第2検出手段により検出される前記始動条件の成立に応じて実行される動的表示である第2動的表示を優先的に実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様を所定の態様を含む複数の態様の中から一つ設定する態様設定手段と、その態様設定手段により設定された停止表示態様で前記動的表示実行手段により実行される第1動的表示または第2動的表示を前記表示手段において停止表示させる停止表示実行手段と、前記第2検出手段により前記始動条件の成立が検出された場合に、前記始動情報記憶手段の内容に基づいて前記動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示のうち、その全部または一部の第2動的表示を前記所定の態様で停止表示させる第1連続演出を実行するかを判定する演出実行判定手段と、その演出実行判定手段により前記第1連続演出を実行すると判定された場合に、前記動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示のうち、その全部または一部の第2動的表示が前記所定の態様で前記停止表示実行手段により停止表示されるように制御する態様制御手段と、前記演出実行判定手段により前記第1連続演出を実行しないと判定されている間は、前記停止表示実行手段により前記第1動的表示および第2動的表示が前記所定の態様で停止表示されることを制限する所定態様制限手段とを備えていることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、第1検出手段または第2検出手段により始動条件の成立が検出されると、その成立に伴う始動情報が始動情報取得手段により取得され、その取得された始動情報が始動情報記憶手段に記憶される。そして、その始動情報記憶手段の内容に基づいて動的表示実行手段により動的表示が表示手段において実行される。このとき、第1検出手段により検出される始動条件の成立に応じて実行される動的表示である第1動的表示よりも第2検出手段により検出される始動条件の成立に応じて実行される動的表示である第2動的表示が優先的に実行される。その実行される第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が所定の態様を含む複数の態様の中から一つ態様設定手段により設定され、その設定された停止表示態様で動的表示実行手段により実行される第1動的表示または第2動的表示が表示手段において停止表示実行手段により停止表示させられる。また、第2検出手段により始動条件の成立が検出されると、始動情報記憶手段の内容に基づいて動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示のうち、その全部または一部の第2動的表示を所定の態様で停止表示させる第1連続演出を実行するかが演出実行判定手段により判定される。ここで、第1連続演出を実行すると判定されると、動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示のうち、その全部または一部の第2動的表示が所定の態様で停止表示実行手段により停止表示されるように態様制御手段により制御される。一方、演出実行判定手段により第1連続演出を実行しないと判定されている間は、第1動的表示および第2動的表示が所定の態様で停止表示実行手段により停止表示されることが所定態様制限手段により制限される。よって、第1連続演出が実行される場合には、動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示のうち、その全部または一部の第2動的表示を所定の態様で停止表示させることができる一方、第1連続演出が実行されない場合には、動的表示実行手段により実行される第1動的表示および第2動的表示が所定の態様で停止表示されることを制限できる。従って、動的表示が所定の態様で停止表示される場合に連続演出が実行されることを遊技者に印象づけることができるので、遊技者の関心を連続演出に引きつけることができ、連続演出の価値を高めることができる。
遊技機B1において、前記動的表示は、前記動的表示実行手段により実行開始されてから所定時間を経過するまでは、その実行中の動的表示の停止表示態様を変更可能に構成されており、前記所定態様制限手段は、前記動的表示実行手段により第1動的表示または第2動的表示が実行開始されてからの経過時間を計時する計時手段と、前記動的表示実行手段により実行されている第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が前記所定の態様であるかを判定する第1態様判定手段と、前記計時手段により計時される経過時間が前記所定時間を経過する以前に、前記第1態様判定手段により前記第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が前記所定の態様であると判定され、前記演出実行判定手段により前記第1連続演出を実行しないと判定されていれば、前記動的表示実行手段により実行されている第1動的表示および第2動的表示の停止表示態様を前記所定の態様とは別の態様に変更する第1態様変更手段とを備え、前記停止表示実行手段は、前記第1態様変更手段により設定された停止表示態様で前記動的表示実行手段により実行されている第1動的表示または第2動的表示を前記表示手段において停止表示させるものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、動的表示は、動的表示実行手段により実行開始されてから所定時間を経過するまでは、その実行中の動的表示の停止表示態様を変更可能に構成され、動的表示実行手段により第1動的表示または第2動的表示が実行開始されてからの経過時間が計時手段により計時される。そして、その経過時間が所定時間を経過する以前に、動的表示実行手段により実行されている第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が所定の態様であると第1態様判定手段により判定され、演出実行判定手段により第1連続演出を実行しないと判定されていると、動的表示実行手段により実行されている第1動的表示および第2動的表示の停止表示態様が所定の態様とは別の態様に第1態様変更手段により変更される。そして、その変更された態様で動的表示実行手段により実行されている第1動的表示または第2動的表示が表示手段において停止表示実行手段により停止表示させられる。よって、第1連続演出が実行されない場合には、動的表示の停止表示態様を変更可能な期間内に、第1動的表示および第2動的表示の停止表示態様を所定の態様とは別の態様に変更することができるので、第1連続演出が実行される場合にだけ、動的表示を所定の態様で停止表示させることができる。従って、動的表示が所定の態様で停止表示される場合には、連続演出が実行されていることを遊技者に容易に認識させることができる。
遊技機B2において、前記第1態様変更手段は、前記計時手段により計時される経過時間が前記所定時間を経過する時に、前記第1態様判定手段により前記第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が前記所定の態様であると判定され、前記演出実行判定手段により前記第1連続演出を実行しないと判定されていれば、前記動的表示実行手段により実行されている第1動的表示および第2動的表示の停止表示態様を前記所定の態様とは別の態様に変更するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、計時手段により計時される経過時間が所定時間を経過する時に、第1態様判定手段により第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が所定の態様であると判定され、演出実行判定手段により第1連続演出を実行しないと判定されていると、動的表示実行手段により実行されている第1動的表示および第2動的表示の停止表示態様が所定の態様とは別の態様に第1態様変更手段により変更される。よって、動的表示の停止表示態様を変更可能な期間であっても、動的表示の停止表示態様が変更不可能になるまでは、動的表示の停止表示態様を所定の態様から所定の態様とは別の態様に変更しないので、停止表示態様の変更回数を抑制できる。即ち、動的表示の停止表示態様を変更可能な場合に、例えば直ぐに、所定の態様から所定の態様とは別の態様に変更しておくと、その後、動的表示の停止表示態様が変更不可能になるまでに第1連続演出が実行されることになった場合、その変更した停止表示態様を再び変更して所定の態様にしなければならない。しかしながら、動的表示の停止表示態様が変更不可能になる場合に動的表示の停止表示態様を変更するので、その後、停止表示態様を変更することが無い。従って、動的表示の停止表示態様の変更回数を抑制できるので、制御的負担を軽減できる。
遊技機B1からB3の何れかにおいて、前記演出実行判定手段は、前記動的表示実行手段により第1動的表示または第2動的表示が実行されている間に、前記第2検出手段により前記始動条件の成立が検出されれば、前記始動情報記憶手段の内容に基づいてその実行されている動的表示とその動的表示が終了した後に前記動的表示実行手段により実行される第2動的表示との各動的表示を前記所定の態様で停止表示させる第2連続演出を実行するかを判定し、前記態様制御手段は、前記演出実行判定手段により前記第2連続演出を実行すると判定された場合に、前記動的表示実行手段により実行されている動的表示と、その動的表示が終了した後に前記動的表示実行手段により実行される第2動的表示とが前記所定の態様で前記停止表示実行手段により停止表示されるように制御し、前記所定態様制限手段は、前記演出実行判定手段により前記第1連続演出および第2連続演出を実行しないと判定されている間は、前記停止表示実行手段により前記第1動的表示および第2動的表示が前記所定の態様で停止表示されることを制限するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、動的表示実行手段により第1動的表示または第2動的表示が実行されている間に、第2検出手段により始動条件の成立が検出されると、始動情報記憶手段の内容に基づいてその実行されている動的表示とその動的表示が終了した後に動的表示実行手段により実行される第2動的表示との各動的表示を所定の態様で停止表示させる第2連続演出を実行するかが演出実行判定手段により判定される。ここで、第2連続演出を実行すると判定されると、動的表示実行手段により実行されている動的表示と、その動的表示が終了した後に動的表示実行手段により実行される第2動的表示とが所定の態様で停止表示実行手段により停止表示されるように態様制御手段により制御される。一方、演出実行判定手段により第1連続演出および第2連続演出を実行しないと判定されている間は、第1動的表示および第2動的表示が所定の態様で停止表示実行手段により停止表示されることが所定態様制限手段により制限される。よって、第1連続演出に加え、第2連続演出も実行できるので、連続演出を実行できる機会を増やすことができ、動的表示が所定の態様で停止表示される機会を増やすことができる一方、第1連続演出および第2連続演出の両方が実行されない場合には、動的表示実行手段により実行される第1動的表示および第2動的表示が所定の態様で停止表示されることを制限できる。従って、動的表示が所定の態様で停止表示される場合に連続演出が実行されることを遊技者に印象づけできる機会を増やすことができるので、遊技者の関心を連続演出により引きつけることができ、連続演出の価値をより高めることができる。
遊技機B4において、前記態様制御手段は、前記演出実行判定手段により前記第2連続演出を実行すると判定された場合に、前記動的表示実行手段により実行されている第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が前記態様設定手段により前記所定の態様に設定されたか又は前記所定の態様とは別の態様に設定されたかを判定する第2態様判定手段と、その第2態様判定手段により前記所定の態様とは別の態様に設定されたと判定される場合に、前記動的表示実行手段により実行されている第1動的表示または第2動的表示に対して前記態様設定手段により設定された停止表示態様を前記所定の態様に変更する変更処理を実行すると共に、前記第2態様判定手段により前記所定の態様に設定されたと判定される場合に、前記変更処理を非実行とする第2態様変更手段とを備え、前記態様制御手段は、前記第2連続演出を実行すると判定された場合に実行されていた第1動的表示または第2動的表示が終了した後に前記動的表示実行手段により実行される第2動的表示の停止表示態様を前記態様設定手段により前記所定の態様に設定するものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、演出実行判定手段により第2連続演出を実行すると判定された場合に、動的表示実行手段により実行されている第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が態様設定手段により所定の態様に設定されたか又は所定の態様とは別の態様に設定されたかが第2態様判定手段により判定される。第2態様判定手段により所定の態様とは別の態様に設定されたと判定される場合には、動的表示実行手段により実行されている第1動的表示または第2動的表示に対して態様設定手段により設定された停止表示態様を所定の態様に変更する変更処理が第2態様変更手段により実行され、第2態様判定手段により所定の態様に設定されたと判定される場合には、第2態様変更手段による変更処理が非実行となる。そして、第2連続演出を実行すると判定された場合に実行されていた第1動的表示または第2動的表示が終了した後に動的表示実行手段により実行される第2動的表示の停止表示態様が態様設定手段により所定の態様に設定される。よって、第2連続演出が実行される場合に、動的表示実行手段により実行されている動的表示の停止表示態様が態様設定手段により所定の態様に設定されていれば、その停止表示態様を変更する変更処理を実行することなく動的表示を停止表示させることができる。従って、動的表示実行手段により実行されている動的表示の停止表示態様が所定の態様に設定されているか否かに関わらず、停止表示態様を所定の態様に変更する変更処理を実行する場合と比較して、第2態様変更手段による変更処理の実行回数を抑制できるので、制御的負担を軽減できる。
遊技機B1からB3の何れかにおいて、前記演出実行判定手段は、前記第2検出手段により前記始動条件の成立が検出された場合に、前記始動情報記憶手段の内容に基づいて前記動的表示実行手段により実行される第1動的表示とその第1動的表示と実行順序が連続する前記第2動的表示とのうち、その全部または一部の動的表示を前記所定の態様で停止表示させる第3連続演出を実行するかを判定し、前記態様制御手段は、前記演出実行判定手段により前記第3連続演出を実行すると判定された場合に、前記動的表示実行手段により実行される第1動的表示と、その第1動的表示と実行順序が連続する第2動的表示とのうち、その全部または一部の動的表示の停止表示態様を前記態様設定手段により前記所定の態様に設定し、前記所定態様制限手段は、前記演出実行判定手段により前記第1連続演出および第3連続演出を実行しないと判定されている間は、前記停止表示実行手段により前記第1動的表示および第2動的表示が前記所定の態様で停止表示されることを制限するものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、第2検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、始動情報記憶手段の内容に基づいて動的表示実行手段により実行される第1動的表示とその第1動的表示と実行順序が連続する第2動的表示とのうち、その全部または一部の動的表示を所定の態様で停止表示させる第3連続演出を実行するかが演出実行判定手段により判定される。ここで、第3連続演出を実行すると判定されると、動的表示実行手段により実行される第1動的表示と、その第1動的表示と実行順序が連続する第2動的表示とのうち、その全部または一部の動的表示の停止表示態様が態様設定手段により所定の態様に設定される。一方、演出実行判定手段により第1連続演出および第3連続演出を実行しないと判定されている間は、第1動的表示および第2動的表示が所定の態様で停止表示実行手段により停止表示されることが所定態様制限手段により制限される。よって、第1連続演出に加え、第3連続演出も実行できるので、連続演出を実行できる機会を増やすことができ、動的表示が所定の態様で停止表示される機会を増やすことができる一方、第1連続演出および第3連続演出の両方が実行されない場合には、動的表示実行手段により実行される第1動的表示および第2動的表示が所定の態様で停止表示されることを制限できる。従って、動的表示が所定の態様で停止表示される場合に連続演出が実行されることを遊技者に印象づけできる機会を増やすことができるので、遊技者の関心を連続演出により引きつけることができ、連続演出の価値をより高めることができる。
識別情報を表示する表示手段と、所定の始動条件の成立を検出する第1検出手段と、その第1検出手段とは別に所定の始動条件の成立を検出する第2検出手段と、その第2検出手段または第1検出手段により始動条件の成立が検出された場合に識別情報の動的表示を前記表示手段において実行する制御を行う周辺制御手段と、その周辺制御手段を制御すると共に遊技に関する主な制御を行う主制御手段とを備えた遊技機において、前記主制御手段は、前記第1検出手段または第2検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、その成立に伴う始動情報を取得する始動情報取得手段と、その始動情報取得手段により取得された始動情報に基づいて、その始動情報に対応する抽選の抽選結果を示す抽選情報を取得する抽選情報取得手段と、その抽選情報取得手段により取得された抽選情報と、その抽選情報に対応する始動条件の成立が検出された検出手段を判別可能な判別情報とを前記周辺制御手段へ送信する情報送信手段と、前記始動情報取得手段により取得された始動情報を記憶する始動情報記憶手段と、その始動情報記憶手段の内容に基づいて前記動的表示の実行を前記周辺制御手段に指示するものであって、前記第1検出手段により検出される前記始動条件の成立に応じて実行される動的表示である第1動的表示の実行よりも前記第2検出手段により検出される前記始動条件の成立に応じて実行される動的表示である第2動的表示の実行を優先的に指示する動的表示指示手段とを備え、前記周辺制御手段は、前記主制御手段の動的表示指示手段により指示された第1動的表示または第2動的表示を前記表示手段において実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様を所定の態様を含む複数の態様の中から一つ設定する態様設定手段と、その態様設定手段により設定された停止表示態様で前記動的表示実行手段により実行される第1動的表示または第2動的表示を前記表示手段において停止表示させる停止表示実行手段と、前記主制御手段の情報送信手段により送信された抽選情報と判別情報とを受信する情報受信手段と、その情報受信手段により受信された抽選情報に対応する動的表示の停止表示態様を示す態様情報と、その抽選情報に対応して受信された判別情報とを関連づけて記憶する態様情報記憶手段と、その態様情報記憶手段の内容に基づいて、前記動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示のうち、その全部または一部の第2動的表示を前記所定の態様で停止表示させる第1連続演出を実行するかを判定する演出実行判定手段と、その演出実行判定手段により前記第1連続演出を実行すると判定された場合に、前記動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示のうち、その全部または一部の第2動的表示が前記所定の態様で前記停止表示実行手段により停止表示されるように制御する態様制御手段と、前記演出実行判定手段により前記第1連続演出を実行しないと判定されている間は、前記停止表示実行手段により前記第1動的表示および第2動的表示が前記所定の態様で停止表示されることを制限する所定態様制限手段とを備えていることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、主制御手段では、第1検出手段または第2検出手段により始動情報の成立が検出されると、その成立に伴う始動情報が始動情報取得手段により取得され、その取得された始動情報に基づいて、その始動情報に対応する抽選の抽選結果を示す抽選情報が抽選情報取得手段により取得される。そして、その取得された抽選情報と、その抽選情報に対応する始動条件の成立が検出された検出手段を判別可能な判別情報とが周辺制御手段へ情報送信手段により送信される。また、始動情報取得手段により始動情報が取得されると、その始動情報が始動情報記憶手段に記憶され、その始動情報記憶手段の内容に基づいて動的表示指示手段により動的表示の実行が周辺制御手段に指示される。このとき、第1検出手段により検出される始動条件の成立に応じて実行される動的表示である第1動的表示の実行よりも第2検出手段により検出される始動条件の成立に応じて実行される動的表示である第2動的表示の実行が優先的に指示される。一方、周辺制御手段では、主制御手段の動的表示指示手段により指示された第1動的表示または第2動的表示が表示手段において動的表示実行手段により実行され、その実行される第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が所定の態様を含む複数の態様の中で一つ態様設定手段により設定される。そして、その設定された停止表示態様で動的表示実行手段により実行される第1動的表示または第2動的表示が表示手段において停止表示実行手段により停止表示させられる。また、主制御手段の情報送信手段により送信された抽選情報と判別情報とが情報受信手段により受信されると、その受信された抽選情報に対応する動的表示の停止表示態様を示す態様情報と、その受信された判別情報とが関連づけられて態様情報記憶手段に記憶され、その態様情報記憶手段の内容に基づいて、動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示のうち、その全部または一部の第2動的表示を所定の態様で停止表示させる第1連続演出を実行するかが演出実行判定手段により判定される。ここで、第1連続演出を実行すると判定されると、動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示のうち、その全部または一部の第2動的表示の停止表示態様が所定の態様で停止表示実行手段により停止表示されるように態様制御手段により制御される。一方、演出実行判定手段により第1連続演出を実行しないと判定されている間は、第1動的表示および第2動的表示が所定の態様で停止表示実行手段により停止表示されることが所定態様制限手段により制限される。よって、第1連続演出が実行される場合には、動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示のうち、その全部または一部の第2動的表示を所定の態様で停止表示させることができる一方、第1連続演出が実行されない場合には、動的表示実行手段により実行される第1動的表示および第2動的表示が所定の態様で停止表示されることを制限できる。従って、動的表示が所定の態様で停止表示される場合に連続演出が実行されることを遊技者に印象づけることができるので、遊技者の関心を連続演出に引きつけることができ、連続演出の価値を高めることができる。
遊技機B7において、前記主制御手段は、前記始動情報と、その始動情報に対応する抽選の抽選結果との関係を示す関係情報を複数記憶する関係情報記憶手段を備え、前記抽選情報取得手段は、前記抽選情報を取得した場合に、その抽選情報に基づいて前記関係情報記憶手段に記憶されている関連情報のうち次回の抽選情報の取得に使用する関連情報を決定する関連情報決定手段を備え、前記始動情報取得手段により始動情報が取得された場合に、その始動情報と前記関連情報決定手段により決定された関連情報とに基づいて、その始動情報に対応する抽選の抽選結果を示す抽選情報を取得するものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、主制御手段の関係情報記憶手段には、始動情報と、その始動情報に対応する抽選の抽選結果との関係を示す関係情報が複数記憶されており、抽選情報取得手段により抽選情報が取得されると、その抽選情報に基づいて前記関係情報記憶手段に記憶されている関連情報のうち次回の抽選情報の取得に関連情報が関連情報決定手段により決定される。また、始動情報取得手段により始動情報が取得されると、その始動情報と、関連情報決定手段により決定された関連情報とに基づいて、その始動情報に対応する抽選の抽選結果を示す抽選情報が取得される。よって、抽選情報取得手段により抽選情報が取得される度に、今回の始動情報に対応する抽選の抽選結果を示す抽選情報を取得できると共に、次回の抽選情報の取得に使用する関連情報を決定することができる。従って、始動情報取得手段により始動情報が取得されたら直ぐに、その始動情報に対応する抽選情報を正確に抽選情報取得手段により取得して、その抽選情報を周辺制御手段へ情報送信手段により送信できる。
遊技機B1からB8の何れかにおいて、前記所定の態様には、停止表示の演出の態様、停止表示の表示結果の態様、停止表示の効果音の態様のうち、少なくとも一つが含まれていることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、所定の態様には、停止表示の演出の態様、停止表示の表示結果の態様、停止表示の効果音の態様のうち、少なくとも一つが含まれているので、動的表示が所定の態様で停止表示される場合に連続演出が実行されることを遊技者にさらに容易に認識させることができる。よって、遊技者の関心をさらに連続演出に引きつけることができるので、連続演出の価値をさらに高めることができる。
なお、実行順序の連続する動的表示または実行順序が断続的となる動的表示を所定の態様で停止表示させる際に、各停止表示ごとに所定の態様の内容を変化させても良い。例えば、1回目の停止表示では、所定の態様を停止表示の演出の態様とし、2回目の停止表示では、所定の態様を停止表示の表示結果の態様とし、3回目の停止表示では、所定の態様を停止表示の効果音の態様とする。このように、停止表示の態様の内容を変化させれば、停止表示が多彩となるので、遊技者の関心をより強く引きつけることができる。
識別情報を表示する表示手段と、所定の始動条件の成立を検出する第1検出手段と、その第1検出手段とは別に所定の始動条件の成立を検出する第2検出手段とを備え、前記第1検出手段または第2検出手段により始動条件の成立が検出された場合に識別情報の動的表示を前記表示手段において実行する遊技機において、前記第1検出手段または第2検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、その成立に伴う始動情報を取得する始動情報取得手段と、その始動情報取得手段により取得された始動情報を記憶する始動情報記憶手段と、その始動情報記憶手段の内容に基づいて識別情報の動的表示を前記表示手段において実行するものであって、前記第1検出手段により検出される前記始動条件の成立に応じて実行される動的表示である第1動的表示よりも前記第2検出手段により検出される前記始動条件の成立に応じて実行される動的表示である第2動的表示を優先的に実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様を所定の態様を含む複数の態様の中から一つ設定する態様設定手段と、その態様設定手段により設定された停止表示態様で前記動的表示実行手段により実行されている第1動的表示または第2動的表示を前記表示手段において停止表示させる停止表示実行手段と、前記動的表示実行手段により第1動的表示または第2動的表示が実行されている間に、前記第2検出手段により前記始動条件の成立が検出されれば、その実行されている動的表示の状態に基づいてその動的表示の停止表示態様を前記所定の態様に変更するかを判定する変更判定手段と、その変更判定手段により変更すると判定された場合に、前記動的表示実行手段により実行されている動的表示に対して前記態様設定手段により設定される停止表示態様を前記所定の態様に変更する態様変更手段と、その態様変更手段により停止表示態様が変更された動的表示が終了した後に前記動的表示実行手段により実行される第2動的表示の停止表示態様として前記所定の態様が前記態様設定手段により設定されるように制御する態様制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、第1検出手段または第2検出手段により始動条件の成立が検出されると、その成立に伴う始動情報が始動情報取得手段により取得され、その取得された始動情報が始動情報記憶手段に記憶される。そして、その始動情報記憶手段の内容に基づいて動的表示実行手段により動的表示が表示手段において実行される。このとき、第1検出手段により検出される始動条件の成立に応じて実行される動的表示である第1動的表示よりも第2検出手段により検出される始動条件の成立に応じて実行される動的表示である第2動的表示が優先的に実行される。その実行される第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が所定の態様を含む複数の態様の中から一つ態様設定手段により設定され、その設定された停止表示態様で動的表示実行手段により実行される第1動的表示または第2動的表示が表示手段において停止表示実行手段により停止表示させられる。また、動的表示実行手段により第1動的表示または第2動的表示が実行されている間に、第2検出手段により始動条件の成立が検出されると、その実行されている動的表示の状態に基づいてその動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更するかが変更判定手段により判定される。ここで、変更すると判定されると、動的表示実行手段により実行されている動的表示に対して態様設定手段により設定される停止表示態様が所定の態様に態様変更手段により変更され、その停止表示態様が変更された動的表示が終了した後に動的表示実行手段により実行される第2動的表示の停止表示態様として所定の態様が設定されるように態様制御手段により制御される。よって、既に実行中の動的表示から停止表示態様を所定の態様にすることができるので、その動的表示の次に実行される未実行の動的表示から停止表示態様を所定の態様にするよりも、1回多く動的表示の停止表示態様を所定の態様にすることができる。従って、実行順序が連続的となる動的表示の停止表示態様を所定の態様にする機会を増やすことができる。なお、実行順序が断続的となる動的表示の停止表示態様を所定の態様にする機会を増やすこともできる。
遊技機C1において、前記動的表示実行手段は、複数の識別情報により構成される識別情報群によって行われる前記第1動的表示または第2動的表示を、遊技者が識別情報を認識困難な態様で前記表示手段において実行し、その後、遊技者が識別情報を認識可能な態様へ変更するものであり、前記停止表示実行手段は、前記動的表示実行手段により前記認識可能な態様に変更された第1動的表示または第2動的表示を前記態様設定手段により設定された停止表示態様で前記表示手段において停止表示させ、前記変更判定手段は、前記第2検出手段により前記始動条件の成立が検出された場合に、前記動的表示実行手段により前記認識困難な態様で動的表示されている識別情報群に対して前記態様設定手段により設定される停止表示態様を変更することでその動的表示の停止表示態様を前記所定の態様に変更するかを判定し、前記態様変更手段は、前記変更判定手段により変更すると判定された場合に、前記動的表示実行手段により前記認識困難な態様で動的表示されている識別情報群に対して前記態様設定手段により設定される停止表示態様を変更してその動的表示の停止表示態様を前記所定の態様に変更するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技者が識別情報を認識困難な態様で、複数の識別情報により構成される識別情報群によって行われる第1動的表示または第2動的表示が動的表示実行手段により実行された後に、その態様が、動的表示実行手段により遊技者が識別情報を認識可能な態様へ変更される。そして、認識可能な態様に変更された第1動的表示または第2動的表示が態様設定手段により設定された態様で表示手段において停止表示実行手段により停止表示させられる。第2検出手段により始動条件の成立が検出されると、動的表示実行手段により認識困難な態様で動的表示されている識別情報群に対して態様設定手段により設定される停止表示態様を変更することでその動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更するかが変更判定手段により変更される。ここで、変更すると判定されると、動的表示実行手段により認識困難な態様で動的表示されている識別情報群に対して態様設定手段により設定される停止表示態様が態様変更手段により変更され、その結果、動的表示の停止表示態様が所定の態様に変更される。よって、動的表示実行手段により認識困難な態様で動的表示されている第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様を変更できるので、動的表示の停止表示態様を変更した場合に、その変更が遊技者に認識されることを抑制できる。従って、遊技者に違和感を感じさせることを抑制しつつ、動的表示の停止表示態様を変更することができる。
なお、識別情報群としては、複数の識別情報や、複数の識別情報が連なる識別情報列などが例示される。
また、遊技者が識別情報を認識困難な態様としては、識別情報が高速で移動表示(スクロール表示)されている状態などが例示される。また、遊技者が識別情報を認識可能な態様としては、識別情報が中速または低速で移動表示(スクロール表示)されいる状態などが例示される。
遊技機C2において、前記変更判定手段は、前記第2検出手段により前記始動条件の成立が検出された場合に、前記停止表示実行手段により識別情報群の一部が停止表示または前記動的表示実行手段により識別情報群の一部が前記認識可能な態様で動的表示されていれば、前記動的表示実行手段により前記認識困難な態様で動的表示されている他の識別情報群に対して前記態様設定手段により設定される停止表示態様を変更することでその動的表示の停止表示態様を前記所定の態様に変更するかを判定し、前記態様変更手段は、前記変更判定手段により変更すると判定された場合に、前記動的表示実行手段により前記認識困難な態様で動的表示される他の識別情報群に対して前記態様設定手段により設定される停止表示態様を変更してその動的表示の停止表示態様を前記所定の態様に変更するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、第2検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、停止表示実行手段により識別情報群の一部が停止表示または動的表示実行手段により識別情報群の一部が認識可能な態様で動的表示されていれば、動的表示実行手段により認識困難な態様で動的表示されている他の識別情報群に対して態様設定手段により設定される停止表示態様を変更することでその動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更するかが変更判定手段により判定される。ここで、変更すると判定されると、動的表示実行手段により認識困難な態様で動的表示されている他の識別情報群に対して態様設定手段により設定される停止表示態様が態様変更手段により変更され、その結果、動的表示の停止表示態様が所定の態様に変更される。よって、動的表示実行手段により第1動的表示または第2動的表示が実行され、停止表示実行手段により識別情報群の一部が停止表示された状態であっても、又は、動的表示実行手段により識別情報群の一部が認識可能な態様で動的表示されている状態であっても、動的表示実行手段により認識困難な態様で動的表示されている識別情報の停止表示態様を変更して、動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更できる。従って、識別情報群の全てが認識困難な態様で動的表示されている期間に加え、識別情報群の一部が認識困難な態様で動的表示されている期間でも動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更できる。故に、動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更できる期間を長くすることができるので、実行順序が連続的となる動的表示の停止表示態様を所定の態様にする機会をより増やすことができる。なお、実行順序が断続となる動的表示の停止表示態様を所定の態様にする機会をより増やすこともできる。
遊技機C1からC3の何れかにおいて、前記動的表示実行手段は、複数の識別情報が連なり構成される第1から第n(nは2以上の整数)までの識別情報列によって行われる前記第1動的表示または第2動的表示を、遊技者が識別情報を認識困難な態様で前記表示手段において実行し、その後、遊技者が識別情報を認識可能な態様へ変更するものであり、前記停止表示実行手段は、前記動的表示実行手段により前記認識可能な態様で動的表示される第1から第nまでの識別情報列を、第1から第nの識別情報列の順序で各識別情報列ごとに前記態様設定手段により設定された停止表示態様で前記表示手段において停止表示させ、前記所定の態様は、前記第1から第nまでの識別情報列のそれぞれに同一の識別情報が含まれて停止表示される停止表示態様を含み、前記変更判定手段は、前記第2検出手段により前記始動条件の成立が検出された場合に、前記動的表示実行手段により第2の識別情報列が前記認識困難な態様で動的表示されていれば、その動的表示の停止表示態様を前記所定の態様に変更すると判定し、前記態様変更手段は、前記変更判定手段により変更すると判定された場合に、前記動的表示実行手段により動的表示されている第2から第nまでの識別情報列のうち、その全部または一部の識別情報列に対して前記態様設定手段により設定される停止表示態様を変更してその動的表示の停止表示態様を前記所定の態様に変更するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技者が識別情報を認識困難な態様で、複数の識別情報が連なり構成される第1から第n(nは2以上の整数)までの識別情報列によって行われる第1動的表示または第2動的表示が表示手段において動的表示実行手段により実行された後に、その態様が、動的表示実行手段により遊技者が識別情報を認識可能な態様へ変更される。そして、その認識可能な態様に変更され動的表示される第1から第nまでの識別情報列が、停止表示実行手段により第1から第nの識別情報列の順序で各識別情報列ごとに態様設定手段により設定された停止表示態様で表示手段において停止表示させられる。なお、所定の態様は、第1から第nまでの識別情報列のそれぞれに同一の識別情報が含まれて停止表示される停止表示態様を含む。また、第2検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、動的表示実行手段により第2の識別情報列が認識困難な態様で動的表示されていれば、その動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更すると変更判定手段により判定される。ここで、変更すると判定されると、動的表示実行手段により動的表示されている第2から第nまでの識別情報列のうち、その全部または一部の識別情報列に対して前記態様設定手段により設定される停止表示態様が態様変更手段により変更され、その結果、実行されている動的表示の停止表示態様が所定の態様に変更される。よって、第1から第nまでの各識別情報列の動的表示が実行され、第1の識別情報列が停止表示された状態であっても、又は、第1の識別情報列が認識可能な態様で動的表示されている状態であっても、第2の識別情報列が認識困難な態様で動的表示されていれば、認識困難な態様で動的表示されている第2から第nまでの識別情報列のうち、その全部または一部の識別情報列の停止表示態様を変更して、動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更できる。従って、第1から第nまでの識別情報列が全て認識困難な態様で動的表示されている期間に加え、第1の識別情報列が認識可能な態様で動的表示されてから第2の識別情報列が認識可能な態様で動的表示される前までの期間でも、動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更できる。故に、動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更できる期間を長くすることができるので、実行順序が連続的となる動的表示の停止表示態様を所定の態様にする機会をさらに増やすことができる。なお、実行順序が断続的となる動的表示の停止表示態様を所定の態様にする機会をさらに増やすこともできる。
なお、第1から第nまでの各識別情報列は、表示手段において、第1から第nの順序で並んで表示されていても良いし、第1から第nの順序に関わらず並んで表示されていても良い。
また、第1から第nまでの各識別情報列の配置は、表示手段において、どの様な配置で表示されていても良い。例えば、各識別情報列を縦方向の列とし、横方向に順番に並ぶ配置で表示されていても良いし、各識別情報列を横方向の列とし、縦方向に順番に並ぶ配置で表示されていても良いし、各識別情報列を斜め方向の列とし、平行にずらして順番に並ぶ配置で表示されていても良い。また、各識別情報列が一直線上に配置され表示されていても良い。
また、第1から第nまでの識別情報列に予め定められた識別情報が停止表示される停止表示態様を所定の態様に含めても良い。
遊技機C4において、前記変更判定手段は、前記第1から第(n−1)までの各識別情報列のそれぞれに同一の識別情報が停止表示されるかを判定する第1識別情報判定手段を備え、前記第2検出手段により前記始動条件の成立が検出された場合に、前記第1識別情報判定手段により第1から第(n−1)までの各識別情報列のそれぞれに同一の識別情報が停止表示されると判定され、前記動的表示実行手段により第nの識別情報列が前記認識困難な態様で動的表示されていれば、その動的表示の停止表示態様を前記所定の態様に変更すると判定し、前記態様変更手段は、前記変更判定手段により変更すると判定された場合に、前記動的表示実行手段により動的表示されている第nの識別情報列に対して前記態様設定手段により設定される停止表示態様を変更してその動的表示の停止表示態様を前記所定の態様に変更するものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、第2検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、第1識別情報判定手段により第1から第(n−1)までの各識別情報列のそれぞれに同一の識別情報が停止表示されると判定され、動的表示実行手段により第nの識別情報列が認識困難な態様で動的表示されていれば、その動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更すると変更判定手段により判定される。ここで、変更すると判定されると、動的表示実行手段により動的表示されている第nの識別情報列に対して態様設定手段により設定される停止表示態様が態様変更手段により変更され、その結果、動的表示の停止表示態様が所定の態様に変更される。よって、第1から第(n−1)までの各識別情報列が停止表示されると、各識別情報列のそれぞれに同一の識別情報が停止表示される動的表示が実行される場合には、第2の識別情報列が認識可能な態様で動的表示された後でも、第nの識別情報列が認識困難な態様で動的表示されていれば、認識困難な態様で動的表示されている第nの識別情報列の停止表示態様を変更して、動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更できる。即ち、第1から第nまでの識別情報列が全て認識困難な態様で動的表示されている期間に加え、第1の識別情報列が認識可能な態様で動的表示されてから第nの識別情報列が認識可能な態様で動的表示される前までの期間でも、動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更できる。従って、動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更できる期間を一層長くすることができるので、実行順序が連続的となる動的表示の停止表示態様を所定の態様にする機会を一層増やすことができる。なお、実行順序が断続的となる動的表示の停止表示態様を所定の態様にする機会を一層増やすこともできる。
遊技機C4またはC5において、前記動的表示には、前記第(n−1)の識別情報列が前記認識可能な態様で動的表示されてから前記第nの識別情報列が停止表示されるまでの間に前記態様変更手段により動的表示されている識別情報列の停止表示態様を変更する変更処理を実行可能な処理可能動的表示と、前記第(n−1)の識別情報列が前記認識可能な態様で動的表示されてから前記第nの識別情報列が停止表示されるまでの間に前記態様変更手段による前記変更処理を実行不可能な処理不可能動的表示とが設けられており、前記変更判定手段は、前記第2検出手段により前記始動条件の成立が検出された場合に、前記第1識別情報判定手段により第1から第(n−1)までの各識別情報列のそれぞれに同一の識別情報が停止表示されると判定され、前記動的表示実行手段により処理可能動的表示が実行されていれば、その動的表示の停止表示態様を前記所定の態様に変更すると判定し、前記態様変更手段は、前記変更判定手段により変更すると判定された場合に、前記動的表示実行手段により動的表示されている第nの識別情報列に対して前記態様設定手段により設定される停止表示態様を変更してその動的表示の停止表示態様を前記所定の態様に変更するものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、動的表示には、第(n−1)の識別情報列が認識可能な態様で動的表示されてから第nの識別情報列が停止表示されるまでの間に態様変更手段により動的表示されている識別情報列の停止表示態様を変更する変更処理を実行可能な処理可能動的表示と、第(n−1)の識別情報列が認識可能な態様で動的表示されてから第nの識別情報列が停止表示されるまでの間に態様変更手段による変更処理を実行不可能な処理不可能動的表示とが設けられている。そして、第2検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、第1識別情報判定手段により第1から第(n−1)までの各識別情報列のそれぞれに同一の識別情報が停止表示されると判定され、動的表示実行手段により処理可能動的表示が実行されていれば、その動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更すると変更判定手段により判定される。ここで、変更すると判定されると、動的表示実行手段により動的表示されている第nの識別情報列に対して態様設定手段により設定される停止表示態様が態様変更手段により変更され、その結果、動的表示の停止表示態様が所定の態様に変更される。よって、動的表示実行手段により処理可能動的表示が実行され、第1から第(n−1)までの各識別情報列のそれぞれに同一の識別情報が停止表示される場合には、第nの識別情報列が停止表示される前であれば態様変更手段による変更処理を実行して、動的表示されている識別情報の停止表示態様を所定の態様に変更できるので、第nの識別情報列が停止表示される前まで、動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更するかの判定を変更判定手段により行える。従って、変更判定手段により判定可能な期限を遅くすることができるので、動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更できる期間をより一層長くすることができる。故に、実行順序が連続的となる動的表示の停止表示態様を所定の態様にする機会をより一層増やすことができる。なお、実行順序が断続的となる動的表示の停止表示態様を所定の態様にする機会をより一層増やすこともできる。
遊技機C1からC3の何れかにおいて、前記動的表示実行手段は、複数の識別情報が連なり構成される第1から第n(nは2以上の整数)までの識別情報列によって行われる前記第1動的表示または第2動的表示を、遊技者が識別情報を認識困難な態様で前記表示手段において実行し、その後、遊技者が識別情報を認識可能な態様へ変更するものであり、前記停止表示実行手段は、前記動的表示実行手段により前記認識可能な態様で動的表示されている第1から第nまでの識別情報列を、第1から第nの識別情報列の順序で各識別情報列ごとに前記態様設定手段により設定された停止表示態様で前記表示手段において停止表示させ、前記所定の態様は、前記第1から第nまでの各識別情報列の識別情報がそれぞれ停止表示されると共に停止表示されて並ぶ識別情報がそれぞれ同一であれば遊技者に所定の遊技価値が付与される識別情報のライン上に、1つだけ異なる識別情報が停止表示されると共にその識別情報が予め定められた識別情報である停止表示態様を含み、前記変更判定手段は、前記識別情報のライン上において、前記第1から第(n−1)までの各識別情報列の識別情報がそれぞれ同一となり停止表示されるかを判定する第2識別情報判定手段を備え、前記第2検出手段により前記始動条件の成立が検出された場合に、前記第2識別情報判定手段により前記識別情報のライン上において第1から第(n−1)までの各識別情報列の識別情報がそれぞれ同一となり停止表示されると判定され、前記動的表示実行手段により第nの識別情報列が前記認識困難な態様で動的表示されていれば、その動的表示の停止表示態様を前記所定の態様に変更すると判定し、前記態様変更手段は、前記変更判定手段により変更すると判定された場合に、前記動的表示実行手段により動的表示されている第nの識別情報列に対して前記態様設定手段により設定される停止表示態様を変更してその動的表示の停止表示態様を前記所定の態様に変更するものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技者が識別情報を認識困難な態様で、複数の識別情報が連なり構成される第1から第n(nは2以上の整数)までの識別情報列によって行われる第1動的表示または第2動的表示が表示手段において動的表示実行手段により実行された後に、その態様が、動的表示実行手段により遊技者が識別情報を認識可能な態様へ変更される。そして、その認識可能な態様に変更され動的表示される第1から第nまでの識別情報列が、停止表示実行手段により第1から第nの識別情報列の順序で各識別情報列ごとに態様設定手段により設定された停止表示態様で表示手段において停止表示させられる。なお、所定の態様は、第1から第nまでの識別情報列の識別情報がそれぞれ停止表示されると共に停止表示されて並ぶ識別情報がそれぞれ同一であれば遊技者に所定の遊技価値が付与される識別情報のライン上に、1つだけ異なる識別情報が停止表示されると共にその識別情報が予め定められた識別情報である停止表示態様を含む。また、第2検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、識別情報のライン上において第1から第(n−1)までの各識別情報列の識別情報がそれぞれ同一になり停止表示されると第2識別情報判定手段により判定され、動的表示実行手段により第nの識別情報列が認識困難な態様で動的表示されていれば、その動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更すると変更判定手段により判定される。ここで、変更すると判定されると、動的表示実行手段により動的表示されている第nの識別情報列に対して態様設定手段により設定される停止表示態様が態様変更手段により変更され、その結果、実行されている動的表示の停止表示態様が所定の態様に変更される。よって、第1から第(n−1)までの各識別情報列が停止表示されると、識別情報のライン上において各識別情報列のそれぞれに同一の識別情報が停止表示される動的表示が実行される場合には、第1から第(n−1)の各識別情報列の態様に関わらず、第nの識別情報列が認識困難な態様で動的表示されていれば、認識困難な態様で動的表示されている第nの識別情報列の停止表示態様を変更して、動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更できる。即ち、第1から第nまでの識別情報列が全て認識困難な態様で動的表示されている期間に加え、第1の識別情報列が認識可能な態様で動的表示されてから第nの識別情報列が認識可能な態様で動的表示される前までの期間でも、動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更できる。従って、動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更できる期間を長くすることができるので、実行順序が連続的となる動的表示の停止表示態様を所定の態様にする機会をさらに増やすことができる。なお、実行順序が断続的となる動的表示の停止表示態様を所定の態様にする機会をさらに増やすこともできる。
なお、第1から第nまでの各識別情報列は、表示手段において、第1から第nの順序で並んで表示されていても良いし、第1から第nの順序に関わらず並んで表示されていても良い。
また、第1から第nまでの各識別情報列の配置は、表示手段において、どの様な配置で表示されていても良い。例えば、各識別情報列を縦方向の列とし、横方向に順番に並ぶ配置で表示されていても良いし、各識別情報列を横方向の列とし、縦方向に順番に並ぶ配置で表示されていても良いし、各識別情報列を斜め方向の列とし、平行にずらして順番に並ぶ配置で表示されていても良い。また、各識別情報列が一直線上に配置され表示されていても良い。
また、第1から第nまでの識別情報列に予め定められた識別情報が停止表示される停止表示態様を所定の態様に含めても良い。
遊技機C7において、前記動的表示には、前記第(n−1)の識別情報列が前記認識可能な態様で動的表示されてから前記第nの識別情報列が停止表示されるまでの間に前記態様変更手段により動的表示されている識別情報列の停止表示態様を変更する変更処理を実行可能な処理可能動的表示と、前記第(n−1)の識別情報列が前記認識可能な態様で動的表示されてから前記第nの識別情報列が停止表示されるまでの間に前記態様変更手段による前記変更処理を実行不可能な処理不可能動的表示とが設けられており、前記変更判定手段は、前記第2検出手段により前記始動条件の成立が検出された場合に、前記第2識別情報判定手段により前記識別情報のライン上において第1から第(n−1)までの各識別情報列の識別情報がそれぞれ同一となり停止表示されると判定され、前記動的表示実行手段により処理可能動的表示が実行されていれば、その動的表示の停止表示態様を前記所定の態様に変更すると判定し、前記態様変更手段は、前記変更判定手段により変更すると判定された場合に、前記動的表示実行手段により動的表示されている第nの識別情報列に対して前記態様設定手段により設定される停止表示態様を変更してその動的表示の停止表示態様を前記所定の態様に変更するものであることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、動的表示には、第(n−1)の識別情報列が認識可能な態様で動的表示されてから第nの識別情報列が停止表示されるまでの間に態様変更手段により動的表示されている識別情報列の停止表示態様を変更する変更処理を実行可能な処理可能動的表示と、第(n−1)の識別情報列が認識可能な態様で動的表示されてから第nの識別情報列が停止表示されるまでの間に態様変更手段による変更処理を実行不可能な処理不可能動的表示とが設けられている。そして、第2検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、第1識別情報判定手段により第1から第(n−1)までの各識別情報列のそれぞれに同一の識別情報が停止表示されると判定され、動的表示実行手段により処理可能動的表示が実行されていれば、その動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更すると変更判定手段により判定される。ここで、変更すると判定されると、動的表示実行手段により動的表示されている第nの識別情報列に対して態様設定手段により設定される停止表示態様が態様変更手段により変更され、その結果、動的表示の停止表示態様が所定の態様に変更される。よって、動的表示実行手段により処理可能動的表示が実行され、第1から第(n−1)までの各識別情報列のそれぞれに同一の識別情報が停止表示される場合には、第nの識別情報列が停止表示される前であれば態様変更手段による変更処理を実行して、動的表示されている識別情報の停止表示態様を所定の態様に変更できるので、第nの識別情報列が停止表示される前まで、動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更するかの判定を変更判定手段により行える。従って、変更判定手段により判定可能な期限を遅くすることができるので、動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更できる期間をより一層長くすることができる。故に、実行順序が連続的となる動的表示の停止表示態様を所定の態様にする機会をより一層増やすことができる。なお、実行順序が断続的となる動的表示の停止表示態様を所定の態様にする機会をより一層増やすこともできる。
遊技機C2からC8の何れかにおいて、前記態様設定手段は、前記所定の態様を含む複数の態様の中から態様を一つ選択する態様選択手段と、その態様選択手段により選択された態様に対応する識別情報群を取得する識別情報取得手段と、その識別情報取得手段により取得された識別情報群を記憶する識別情報記憶手段とを備え、前記停止表示実行手段は、前記動的表示実行手段により動的表示が実行された後に、前記識別情報記憶手段に記憶されている識別情報群を前記表示手段において停止表示させ、前記態様変更手段は、前記変更判定手段により変更すると判定された場合に、前記識別情報記憶手段に記憶されている識別情報群のうち前記動的表示実行手段により前記認識困難な態様で動的表示されている識別情報群に対応するものを変更してその動的表示の停止表示態様を前記所定の態様に変更するものであることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、所定の態様を含む複数の態様の中から態様が一つ態様選択手段により選択されると、その選択された態様に対応する識別情報群が識別情報取得手段により取得され、その識別情報群が識別情報記憶手段に記憶される。また、動的表示実行手段により動的表示が実行されると、その後、識別情報記憶手段に記憶される識別情報群が表示手段において停止表示実行手段により停止表示させられる。そして、変更判定手段により変更すると判定されると、識別情報記憶手段に記憶されている識別情報群のうち、動的表示実行手段により認識困難な態様で動的表示されている識別情報群に対応するものが態様変更手段により変更され、その結果、動的表示の停止表示態様が所定の態様に変更される。よって、動的表示実行手段により実行されている識別情報群に関係なく、識別情報記憶手段に記憶されている識別情報群のうち、まだ停止表示されていない識別情報群または認識困難な態様で動的表示されている識別情報群を変更するだけで、動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更できる。従って、動的表示の停止表示態様を簡単に所定の態様に変更することができる。
識別情報を表示する表示手段と、所定の始動条件の成立を検出する第1検出手段と、その第1検出手段とは別に所定の始動条件の成立を検出する第2検出手段と、その第2検出手段または第1検出手段により始動条件の成立が検出された場合に識別情報の動的表示を前記表示手段において実行する制御を行う周辺制御手段と、その周辺制御手段を制御すると共に遊技に関する主な制御を行う主制御手段とを備えた遊技機において、前記主制御手段は、前記第1検出手段または第2検出手段により始動条件の成立が検出された場合に、その成立に伴う始動情報を取得する始動情報取得手段と、その始動情報取得手段により取得された始動情報を記憶する始動情報記憶手段と、その始動情報記憶手段の内容に基づいて前記動的表示の実行を前記周辺制御手段に指示するものであって、前記第1検出手段により検出される前記始動条件の成立に応じて実行される動的表示である第1動的表示の実行よりも前記第2検出手段により検出される前記始動条件の成立に応じて実行される動的表示である第2動的表示の実行を優先的に指示する動的表示指示手段と、前記始動情報取得手段により始動情報が取得された場合に、その始動情報に対応する始動条件の成立が検出された検出手段を判別可能な判別情報を前記周辺制御手段へ送信する情報送信手段とを備え、前記周辺制御手段は、前記主制御手段の動的表示指示手段により指示された第1動的表示または第2動的表示を前記表示手段において実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様を所定の態様を含む複数の態様の中から一つ設定する態様設定手段と、その態様設定手段により設定された停止表示態様で前記動的表示実行手段により実行される第1動的表示または第2動的表示を前記表示手段において停止表示させる停止表示実行手段と、前記主制御手段の情報送信手段により送信された判別情報を受信する情報受信手段と、前記動的表示実行手段により第1動的表示または第2動的表示が実行されている間に、前記情報受信手段により判別情報が受信されれば、その判別情報に基づいて前記第2検出手段により前記始動条件の成立が検出されたかを判定する情報判定手段と、その情報判定手段により第2検出手段により前記始動条件の成立が検出されたと判定される場合に、前記動的表示実行手段により実行されている動的表示の状態に基づいてその動的表示の停止表示態様を前記所定の態様に変更するかを判定する変更判定手段と、その変更判定手段により変更すると判定された場合に、前記動的表示実行手段により実行されている動的表示に対して前記態様設定手段により設定される停止表示態様を前記所定の態様に変更する態様変更手段と、その態様変更手段により停止表示態様が変更された動的表示が終了した後に前記動的表示実行手段により実行される第2動的表示の停止表示態様として前記所定の態様が前記態様設定手段により設定されるように制御する態様制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、主制御手段では、第1検出手段または第2検出手段により始動情報の成立が検出されると、その成立に伴う始動情報が始動情報取得手段により取得され、その始動情報が始動情報記憶手段に記憶される。そして、始動情報記憶手段の内容に基づいて動的表示指示手段により動的表示の実行が周辺制御手段に指示される。このとき、第1検出手段により検出される始動条件の成立に応じて実行される動的表示である第1動的表示の実行よりも第2検出手段により検出される始動条件の成立に応じて実行される動的表示である第2動的表示の実行が優先的に指示される。また、始動情報取得手段により始動情報が取得されると、その始動情報に対応する始動条件の成立が検出された検出手段を判別可能な判別情報が周辺制御手段へ情報送信手段により送信される。一方、周辺制御手段では、主制御手段の動的表示指示手段により指示された第1動的表示または第2動的表示が表示手段において動的表示実行手段により実行され、その実行される第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が所定の態様を含む複数の態様の中で一つ態様設定手段により設定される。そして、その設定された停止表示態様で動的表示実行手段により実行される第1動的表示または第2動的表示が表示手段において停止表示実行手段により停止表示させられる。また、動的表示実行手段により第1動的表示または第2動的表示が実行されている間に、主制御手段の情報送信手段により送信された判別情報が情報受信手段により受信されると、その判別情報に基づいて第2検出手段により始動条件の成立が検出されたかが情報判定手段により判定される。ここで、情報判定手段により第2検出手段により始動条件の成立が検出されたと判定されると、動的表示実行手段により実行されている動的表示の状態に基づいてその動的表示の停止表示態様を所定の態様に変更するかが変更判定手段により判定される。ここで、変更すると判定されると、動的表示実行手段により実行されている動的表示に対して態様設定手段により設定される停止表示態様が所定の態様に態様変更手段により変更され、その停止表示態様が変更された動的表示が終了した後に動的表示実行手段により実行される第2動的表示の停止表示態様として所定の態様が設定されるように態様制御手段により制御される。
よって、既に実行中の動的表示から停止表示態様を所定の態様にすることができるので、その動的表示の次に実行される未実行の動的表示から停止表示態様を所定の態様にするよりも、1回多く動的表示の停止表示態様を所定の態様にすることができる。従って、実行順序が連続的となる動的表示の停止表示態様を所定の態様にする機会を増やすことができる。なお、実行順序が連続的となる動的表示の停止表示態様を所定の態様にする機会を増やすこともできる。
遊技機C1からC10の何れかにおいて、前記所定の態様には、停止表示の演出の態様、停止表示の表示結果の態様、停止表示の効果音の態様のうち、少なくとも一つが含まれていることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、所定の態様には、停止表示の演出の態様、停止表示の表示結果の態様、停止表示の効果音の態様のうち、少なくとも一つが含まれているので、実行順序が連続的または断続的となる動的表示の停止表示態様を所定の態様にしていることを遊技者に認識させることができ、遊技者の関心を引きつけることができる。
なお、実行順序が連続的または断続的となる動的表示の停止表示態様を所定の態様にする場合に、各動的表示ごとに所定の態様の内容を変化させても良い。例えば、1回目の動的表示では、所定の態様を停止表示の演出の態様とし、2回目の動的表示では、所定の態様を停止表示の表示結果の態様とし、3回目の動的表示では、所定の態様を停止表示の効果音の態様とする。このように、動的表示における停止表示態様の内容を順番に変化させれば、停止表示が多彩となるので、遊技者の関心をより強く引きつけることができる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機D1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機D2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機D3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
近年、液晶表示装置等の表示装置で変動演出(動的表示)などを行って、遊技の興趣向上を図ったパチンコ機が知られている。変動演出(動的表示)とは、入球口(始動口)に遊技球が入球(入賞)することで開始される演出であり、例えば、液晶表示装置の表示領域内に設けられた3×3の升目に合計9個の図柄等を表示するものである。より具体的には、遊技球が始動口へ入賞した場合に、図柄等のスクロールを開始し、その後、スクロール中の図柄等を順次停止して合計9個の図柄等(停止図柄)を停止表示する。かかる変動演出では、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、大当たり)へ移行することを事前に示唆する演出を実行して、遊技者に期待感を持たせる工夫がなされている。
この種のパチンコ機では、例えば、遊技者にとって有利な遊技状態へ移行することを事前に示唆する演出として、チャンス目などの表示を1回の変動演出だけでなく、複数回の変動演出にわたって連続的に行うように構成したものや、或いは同一演出や異なる演出を複数回にわたり表示や効果音によって連続的に行うものがあり(以下「連続演出」という)、有利な遊技状態への期待感を遊技者に継続して持たせるなど、遊技の興趣向上が更に図られている。なお、チャンス目とは、例えば、当たり以外の停止図柄であって、予め定められた図柄(例えば、「3」「4」「1」などの図柄)がそれぞれ含まれている停止図柄(表示結果の態様)のことをいう。この連続演出は、例えば、遊技球が始動口へ入賞した場合に、開始されるべき変動演出が複数保留されていれば、その保留されている複数の変動演出について行われるものであり、連続的または断続的に行われる変動演出の回数等により、遊技者にとって有利な遊技状態へ移行する可能性の高さを遊技者に示唆するものである。
「先行技術文献:実開平7−24383号公報」
しかしながら、連続演出が実行されないにも関わらず、チャンス目などの表示が偶然に実行されてしまうことがあり、その度に、遊技者にとって有利な遊技状態へ移行することを期待している遊技者の期待感を損なってしまうため、遊技者の連続演出に対する関心が薄れてしまうという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、連続演出の価値を高めることができる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1記載の遊技機は、識別情報を表示する表示手段と、遊技媒体が入球する第1入球口と、その第1入球口への遊技媒体の入球を検出する第1検出手段と、前記第1入球口とは別に設けられ遊技媒体が入球する第2入球口と、その第2入球口への遊技媒体の入球を検出する第2検出手段とを備え、前記第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に識別情報の動的表示を前記表示手段において実行するものであり、前記第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、その入球に伴う入球情報を取得する入球情報取得手段と、その入球情報取得手段により取得された入球情報を記憶する入球情報記憶手段と、その入球情報記憶手段の内容に基づいて前記動的表示を前記表示手段において実行する場合に、前記第1入球口への入球に応じて実行される動的表示である第1動的表示よりも前記第2入球口への入球に応じて実行される動的表示である第2動的表示を優先的に実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様を所定の態様またはその所定の態様とは別の態様に設定する態様設定手段と、その態様設定手段により設定された停止表示態様で前記動的表示実行手段により実行される第1動的表示または第2動的表示を前記表示手段において停止表示させる停止表示実行手段と、前記第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、前記動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示のうち、その全部または一部の第2動的表示を前記所定の態様で停止表示させる第1連続演出を実行可能かを判定する演出可否判定手段と、その演出可否判定手段により前記第1連続演出を実行可能と判定された場合に、前記動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示のうち、その全部または一部の第2動的表示の停止表示態様を前記所定の態様となるように制御する態様制御手段と、前記演出可否判定手段により前記第1連続演出を実行不可能と判定されている間は、前記第1動的表示および第2動的表示が前記所定の態様で停止表示されることを制限する所定態様制限手段とを備えている。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記動的表示は、前記動的表示実行手段により実行開始されてから所定時間を経過するまでは、その動的表示の実行が終了するまでの間にその実行中の動的表示の停止表示態様を変更可能に構成されており、前記所定態様制限手段は、前記動的表示実行手段により第1動的表示または第2動的表示が実行開始されてからの経過時間を計時する計時手段と、前記動的表示実行手段により実行されている第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が前記所定の態様であるかを判定する第1態様判定手段と、前記計時手段により計時される経過時間が前記所定時間を経過する場合に、前記第1態様判定手段により前記第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が前記所定の態様であると判定され、前記演出可否判定手段により前記第1連続演出を実行不可能と判定されていれば、前記動的表示実行手段により実行されている第1動的表示および第2動的表示の停止表示態様を前記所定の態様とは別の態様に変更する第1態様変更手段とを備えている。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想1または2記載の遊技機において、前記演出可否判定手段は、前記第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、前記動的表示実行手段により第1動的表示または第2動的表示が実行されていれば、その動的表示と、その動的表示が終了した後に前記動的表示実行手段により実行される第2動的表示との各動的表示を前記所定の態様で停止表示させる第2連続演出を実行可能かを判定し、前記態様制御手段は、前記演出可否判定手段により前記第2連続演出を実行可能と判定された場合に、前記動的表示実行手段により実行されている動的表示と、その動的表示が終了した後に前記動的表示実行手段により実行される第2動的表示の停止表示態様とが前記所定の態様となるように制御し、前記所定態様制限手段は、前記演出可否判定手段により前記第1連続演出および第2連続演出を実行不可能と判定されている間は、前記第1動的表示および第2動的表示が前記所定の態様で停止表示されることを制限するものである。
技術的思想4記載の遊技機は、技術的思想3記載の遊技機において、前記態様制御手段は、前記演出可否判定手段により前記第2連続演出を実行可能と判定された場合に、前記動的表示実行手段により実行されている第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が前記態様設定手段により前記所定の態様に設定されているかを判定する第2態様判定手段と、その第2態様判定手段により前記所定の態様とは別の態様に設定されていると判定される場合に、前記動的表示実行手段により実行されている第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様を前記所定の態様に変更する変更処理を実行すると共に、前記第2態様判定手段により前記所定の態様に設定されていると判定される場合に、前記変更処理を未実行とする第2態様変更手段とを備え、前記第2連続演出を実行可能と判定された場合に実行されていた第1動的表示または第2動的表示が終了した後に前記動的表示実行手段により実行される第2動的表示の停止表示態様を前記態様設定手段により前記所定の態様に設定するものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、第1検出手段または第2検出手段により遊技媒体の入球が検出されると、その入球に伴う入球情報が入球情報取得手段により取得され、その取得された入球情報が入球情報記憶手段に記憶される。そして、その入球情報記憶手段の内容に基づいて動的表示が表示手段において実行される場合に、第1入球口への入球に応じて実行される動的表示である第1動的表示よりも第2入球口への入球に応じて実行される動的表示である第2動的表示が優先的に動的表示実行手段により実行される。その実行される第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様は所定の態様またはその所定の態様とは別の態様に態様設定手段により設定され、その設定された停止表示態様で動的表示実行手段により実行される第1動的表示または第2動的表示が表示手段において停止表示実行手段により停止表示させられる。また、第2検出手段により遊技媒体の入球が検出されると、動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示のうち、その全部または一部の第2動的表示を所定の態様で停止表示させる第1連続演出を実行可能かが演出可否判定手段により判定される。ここで、第1連続演出を実行可能と判定されると、動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示のうち、その全部または一部の第2動的表示の停止表示態様が所定の態様となるように態様制御手段により制御される。一方、演出可否判定手段により第1連続演出を実行不可能と判定されている間は、第1動的表示および第2動的表示が所定の態様で停止表示されることが所定態様制限手段により制限される。よって、動的表示実行手段により実行される第1動的表示および第2動的表示の停止表示態様が態様設定手段により所定の態様に設定されたとしても、第1連続演出が実行されない場合には、その第1動的表示および第2動的表示を所定の態様とは別の態様で停止表示させることができるので、第1連続演出が実行される場合にだけ、第1動的表示および第2動的表示を所定の態様で停止表示させることができる。従って、第1動的表示および第2動的表示が所定の態様で停止表示された場合に、連続演出が実行されていることを遊技者に容易に認識させることができるので、遊技者の関心を連続演出に引きつけることができ、連続演出の価値を高めることができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示は、動的表示実行手段により実行開始されてから所定時間を経過するまでは、その動的表示の実行が終了するまでの間にその実行中の動的表示の停止表示態様を変更可能に構成され、動的表示実行手段により第1動的表示または第2動的表示が実行開始されてからの経過時間が計時手段により計時される。そして、その経過時間が所定時間を経過する場合に、動的表示実行手段により実行されている第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が所定の態様であると第1態様判定手段により判定され、演出可否判定手段により第1連続演出を実行不可能と判定されていると、動的表示実行手段により実行されている第1動的表示および第2動的表示の停止表示態様が所定の態様とは別の態様に第1態様変更手段により変更される。よって、動的表示の停止表示態様を変更可能な期間であっても、動的表示の停止表示態様が変更不可能になるまでは、動的表示の停止表示態様を所定の態様から所定の態様とは別の態様に変更しないので、停止表示態様の変更回数を抑制できる。即ち、動的表示の停止表示態様を変更可能な場合に、直ぐに、所定の態様から所定の態様とは別の態様に変更しておくと、その後、動的表示の停止表示態様が変更不可能になるまでに第1連続演出が実行されることになった場合に、変更した停止表示態様を再び所定の態様に変更しなければならない。しかしながら、動的表示の停止表示態様が変更不可能になる場合に動的表示の停止表示態様を変更するので、その後、停止表示態様を変更することが無い。従って、動的表示の停止表示態様の変更回数を抑制できるので、制御的負担を軽減できるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1または2記載の遊技機の奏する効果に加え、第2検出手段により遊技媒体の入球が検出された場合に、動的表示実行手段により第1動的表示または第2動的表示が実行されていれば、その動的表示と、その動的表示が終了した後に動的表示実行手段により実行される第2動的表示との各動的表示を所定の態様で停止表示させる第2連続演出を実行可能かが演出可否判定手段により判定される。ここで、第2連続演出を実行可能と判定されると、動的表示実行手段により実行されている動的表示と、その動的表示が終了した後に動的表示実行手段により実行される第2動的表示との各動的表示の停止表示態様が所定の態様となるように態様制御手段により制御される。一方、演出可否判定手段により第1連続演出および第2連続演出を実行不可能と判定されている間は、第1動的表示および第2動的表示が所定の態様で停止表示されることが所定態様制限手段により制限される。よって、動的表示実行手段により実行される実行順序の連続する第2動的表示によって第1連続演出を実行できると共に、実行中の動的表示と、その動的表示が終了した後に動的表示実行手段により実行される第2動的表示とによって第2連続演出も実行できるので、連続演出を実行できる機会を増やすことができるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想3記載の遊技機の奏する効果に加え、演出可否判定手段により第2連続演出を実行可能と判定された場合に、動的表示実行手段により実行されている第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が態様設定手段により所定の態様に設定されているかが第2態様判定手段により判定される。第2態様判定手段により所定の態様とは別の態様に設定されていると判定される場合には、動的表示実行手段により実行されている第1動的表示または第2動的表示の停止表示態様が所定の態様に変更される変更処理が第2態様変更手段により実行され、第2態様判定手段により所定の態様に設定されていると判定される場合には、第2態様変更手段による変更処理が未実行となる。そして、第2連続演出を実行可能と判定された場合に実行されていた第1動的表示または第2動的表示が終了した後に動的表示実行手段により実行される第2動的表示の停止表示態様が態様設定手段により所定の態様に設定される。よって、第2連続演出が実行される場合に、動的表示実行手段により実行されている動的表示の停止表示態様が態様設定手段により所定の態様に設定されていれば、その停止表示態様を変更することなく動的表示を停止表示させることができる。従って、動的表示実行手段により実行されている動的表示の停止表示態様が所定の態様に設定されているか否かに関わらず、停止表示態様を所定の態様に変更する場合と比較して、第2態様変更手段による変更処理の実行回数を抑制できるので、制御的負担を軽減できるという効果がある。