JP4755456B2 - オイルポンプ - Google Patents

オイルポンプ Download PDF

Info

Publication number
JP4755456B2
JP4755456B2 JP2005199511A JP2005199511A JP4755456B2 JP 4755456 B2 JP4755456 B2 JP 4755456B2 JP 2005199511 A JP2005199511 A JP 2005199511A JP 2005199511 A JP2005199511 A JP 2005199511A JP 4755456 B2 JP4755456 B2 JP 4755456B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
oil chamber
pump
chamber
discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005199511A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007016698A (ja
JP2007016698A5 (ja
Inventor
靖 渡辺
秀明 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Automotive Systems Ltd filed Critical Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority to JP2005199511A priority Critical patent/JP4755456B2/ja
Publication of JP2007016698A publication Critical patent/JP2007016698A/ja
Publication of JP2007016698A5 publication Critical patent/JP2007016698A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4755456B2 publication Critical patent/JP4755456B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)
  • Details And Applications Of Rotary Liquid Pumps (AREA)

Description

本発明は、エンジン駆動されるオイルポンプに関し、とりわけ、吐出部で発生するポンプ脈圧に起因した振動を低減することができるオイルポンプに関する。
この種のオイルポンプとしては、例えば以下の特許文献1に記載されるようなものが知られている。
このオイルポンプは、トロコイド形のポンプであり、インナロータとアウタロータの間の複数のポンプ室がエンジンの駆動力を受けて連続的に容積を増減変化させ、吸入ポートで吸い込んだオイルをポンプ室で加圧して吐出ポートに吐出する基本構成となっている。そして、吐出ポートの上部には、仕切壁を介して閉溝が形成され、その閉溝の上部が空気を溜めるエアーチャンバになっている。
このオイルポンプは、吐出ポートに閉溝によるエアーチャンバが形成されているため、複数のポンプ室が吐出ポートに順次開口しオイルを吐き出すことによって発生する脈圧(脈圧)はエアーチャンバによるダンピング作用によって吸収することができる。
実開平2−43482号公報(第2図)
しかし、この従来のオイルポンプの場合、仕切壁を可及的に薄肉に形成した場合に強度が低くなるという問題がある。
そして、このようにエアチャンバの共振によってエアが抜けると、脈圧低減性能が急激に低下するため、吐出されたオイルによって駆動されるアクチュエータ等に悪影響を与えると共に、騒音レベルの急変によって乗員に違和感を与える。
つまり、ポンプ騒音のレベルは、エンジン回転数の上昇にほぼ比例してリニアに上昇する分には乗員にさして違和感を与えることがないが、回転数の上昇途中で急変すると、乗員には耳障りな音として聞こえる。
本発明は、前記従来のオイルポンプの技術的課題に鑑みて案出されたもので、請求項1に記載の発明は、エンジンの二次振動を低減するバランサシャフトによって駆動され、吸入部で吸い込んだオイルを加圧して吐出部から吐出するオイルポンプであって、前記吐出部と仕切壁を介して隣接し、前記吐出部に重力方向の最上方位置にて連通するオイルチャンバを設け、前記仕切壁は、前記オイルチャンバ側に突出し、該突出部の内部がオイルの油通路の一部を構成していることを特徴としている。
この発明によれば、オイルチャンバ内に混入した空気を、吐出部から外部へ効率良く排出することができることから、前記オイルチャンバ内に空気が多く溜まることがなく、したがって、空気が抜けた際に、脈圧の急変により、騒音、振動が急変するのを防止できる。
しかも、前記仕切壁を可及的に薄肉に形成したとしても、突出部によって該仕切壁が補強されて強度が高くなっていることから、オイルポンプの小型化を図りつつ仕切壁の耐久性を向上させることが可能になる。
また、前記突出部の内部を前記オイルの油通路の一部として利用することによって、デッドスペースの有効利用が図れる。
以下、本発明にかかるオイルポンプの複数の参考例と実施形態を図面に基づいて説明する。
第1参考例のオイルポンプ1は、図1に示すように、トロコイド型に適用されたもので、車両用エンジンのバランサ装置2に取付けられている。
このバランサ装置2は、図外の同期ギヤで噛合って相反方向に同期回転する一対のバランサシャフトを有し、一方のシャフト2aがエンジンのクランクシャフトにチェーン(図示せず)を介して連係され、図外の他方のシャフトがオイルポンプ1を駆動するようになっている。このバランサ装置2の両シャフトは、クランクシャフトの2倍の速度で回転し、両シャフトに設けられたウェイトの回転によってエンジンの2次振動を低減する。なお、このバランサ装置2は、前記オイルポンプ1も含め全体がエンジン底部の図示しないオイルパンの内部に配置されている。
前記オイルポンプ1は、図1及び図2に示すように、ポンプハウジング3がバランサ装置2の支持フレームの前端部に一体に形成されたほぼ矩形状のベースブロック4と、このベースブロック4の前面に取付けられたカバーブロック5とからなり、両ブロック4,5の外周縁部が複数のボルト6によって結合されている。
このオイルポンプ1は、駆動軸1aに一体回転可能に取付けられたインナロータ7と、前記カバーブロック5の凹部5aに回転可能に収容されたアウタロータ8とを備えている。インナロータ7は、トロコイド曲線から成る複数の外歯を有し、アウタロータ8は、同様にトロコイド曲線からなり、インナロータ7の外歯よりも一つ分歯数の多い内歯を有している。
インナロータ7は、アウタロータ8の内周側に偏心して配置され、外歯が最偏心位置でアウタロータ8の内側に噛合されると共に、残余の部分が円周方向の複数個所で内歯に対して滑り接触するようになっている。そして、インナロータ7とアウタロータ8の接触部間に形成された複数の空間部はポンプ室9をなし、これらのポンプ室9がインナロータ7の回転に伴なって容積を連続的に増減変化させるようになっている。
また、前記インナーロータ7とアウターロータ8は、図1に示すように、横長のポンプハウジング3の一端側上部に偏寄して配置されており、ポンプハウジング3内の下方側には、オイルパン内のオイルを、インナーロータ7とアウターロータ8の吸入領域で吸入する吸入部である吸入ポート10が形成されている。
また、ポンプハウジング3には、インナーロータ7とアウターロータ8の吐出領域から吐出されたオイルを吐出通路12に誘導する吐出部である吐出ポート11が形成されている。
この吐出ポート11は、インナーロータ7とアウターロータ8から一方のバランサシャフト3の突出端を略V字状に迂回して斜め上方に延出し、その延出端が前記吐出通路12に接続されている。また、この吐出ポート11は、下流側に直線状の延出領域11aを有すると共に、ほぼV字形途中の下端部に深溝11bが形成されている。
ポンプハウジング3には、図1に示すように、オイル流入口をなす連通部である連通孔13を介して吐出ポート11に連通するオイルチャンバ14が形成されている。このオイルチャンバ14は、吐出ポート11の前記下流側延出領域11aの下方側に、該下流側延出領域11aに沿って平面長方形状に延設されている。
また、前記連通孔13は、オイルチャンバ14の重力方向の最上方位置に形成されて、前記吐出ポート11の下流側延出領域11aに対してほぼ鉛直方向から連通している。また、この連通孔13は、オイルチャンバ14の断面よりも小さなオリフィス状に形成され、連通孔13の吐出ポート11に臨む側の開口端は、表面張力によってオイルが保持され得る開口面積となっている。
前記吐出ポート11とオイルチャンバ14は、図1及び図3、図4に示すように、ベースブロック4とカバーブロック5の接合部間に半割り状に形成されていると共に、該両ブロック4,5に一体に形成された仕切壁15によって仕切られている。
そして、吐出ポート11とオイルチャンバ14は、図3及び図4に示すように、上下方向に長い横断面ほぼ矩形状に形成されており、カバーブロック5側のそれぞれの高さは均一に形成されているが、底部側の長さ(深さ)はオイルチャンバ14の方が大きく設定されている。
なお、図1中16は、吐出ポート11と吸入ポート15を連通する戻し通路17に介装されたリリフー弁である。
そして、前記仕切壁15のオイルチャンバ14側の一側面には、突出部18が一体に設けられている。この突出部18は、図1及び図3に示すように、横断面ほぼ薄肉な長方形状に形成されて、前記オイルチャンバ14の長手方向のほぼ中央部よりも僅かに図中上方位置に設けられていると共に、ベースブロック4とカバーブロック5の両方に渡って形成されている。また、この突出部18は、オイルチャンバ14内への突出長さLがオイルチャンバ14の幅長さの約半分程度に設定されている。
以下、この第1参考例におけるオイルポンプ1の作用について説明する。エンジンの始動に伴って各バランサシャフトが回転すると、駆動軸1aによるインナロータ7の回転によって複数のポンプ室9の容積が連続的に変化し、吸入ポート10から吸い上げたオイルを吐出ポート11に連続的に吐出する。このとき、吐出されたオイルは脈圧を含むが、この脈圧は連通孔13を通ってオイルチャンバ14に入り込んでここで効果的に減衰される。
つまり、オイルチャンバ14内に導入されているオイルには若干の空気が含まれているため、連通孔13に作用する吐出ポート11の脈圧はオイルチャンバ14内のオイルの若干の容積変化によって減衰される。
た、前記仕切壁15を可及的に薄肉に形成したとしても、突起部18によって該仕切壁15が補強されて強度が高くなっている。このため、仕切壁15の薄肉化に伴い吐出ポート11やオイルチャンバ14の断面積を代えずにオイルポンプの小型化が図れると共に、仕切壁15の耐久性を向上させることが可能になる。
しかも、仕切壁15の補強によって、エンジンやポンプ作動中の振動を効果的に抑制することが可能になる。
さらに、オイルチャンバ14が、連通孔13を介して重力方向の最上方位置で前記吐出ポート11に連通しているため、オイルチャンバ14内部に入り込んだオイルの内部に混入した気泡を連通孔13から吐出ポート11から外部に効率良く排出することができる。このため、脈圧低減効果を急変させることがなくなる。
つまり、オイルチャンバ14内に、オイルではなく空気が多く滞留していると、前記吐出ポート11で生じる脈圧との共振が発生して空気が抜け、抜けた際に脈圧が急変してしまうが、本実施形態では、オイルチャンバ14内に混入した空気を効率良く排出することができることから、オイルチャンバ14内に空気が多く溜まることがなく、したがって、空気が抜けた際に、脈圧の急変により、騒音、振動が急変するのを防止できる。
前記突出部18は、吐出ポート11側ではなく、オイルチャンバ14側に突出されているため、吐出ポート11内のオイルの流動に流動抵抗などの影響を与えることはない。
図5及び図6は本発明の第2参考例を示し、突出部18の構造を変更したものである。
すなわち、この突出部18は、仕切壁15のオイルチャンバ14側の一側面に一体に形成されていることは第1の実施形態と同様であるが、その横断面形状がほぼ円環状に形成されて全体が円筒状に形成されていると共に、内部に中空部21が形成されている。
この中空部21は、図6に示すように、ベースブロック4とカバーブロック5の突き合わせ面付近が最大径となるほぼ円柱状に形成されて、この最大径部から上下方向へ縮径状に形成されている。
したがって、この第2参考例では、突出部18が円筒状に形成されていることから仕切壁15に対する補強機能が第1の実施形態のものよりもさらに高くなる。
しかも、内部に中空部21が形成されていることから、高い補強を確保しつつ軽量化を図ることができる。
また、図7は第3参考例を示し、前記中空部21を、ベースブロック4とカバーブロック5とを結合するボルト6のボルト孔として構成したものである。この場合、ベースブロック4側のボルト孔は、ボルト6の軸部を挿通させるボルト挿通孔21aとして形成され、カバーブロック5側のボルト孔は、ボルト6先端の雄ねじ部が螺着する雌ねじ孔21bとして形成されている。
この第3参考例では、中空部21内にボルト6が挿通されるため、前記突出部18の補強機能がさらに高くなって、仕切壁15の強度を十分に高くすることが可能になる。これによって、該仕切壁15のさらなる薄肉化が可能になり、全体の小型化を促進できると共に、振動の抑制効果も高くなる。
図8及び図9は本発明の第1の実施形態を示し、オイルポンプの基本構造は第1参考例と同じであり、また、突出部18の基本構成は第2参考例と同様であって、横断面ほぼ円環状に形成され、内部に均一内径の中空部21が形成されている。そして、この中空部21を、前記ベースブロック4の底壁内部に形成された油孔22と共に潤滑油の供給通路として利用したものである。
つまり、この供給通路は、例えば前記バランス機構2の各ギアや摺動部に潤滑油を供給するオイルギャラリーとして用いられ、前記油孔22の一端部22aが前記中空部21の底部に連通していると共に、他端部22bがバランス機構2の内部に連通している。また、前記中空部21は、上端部に連通した油通路孔23を介して吐出ポート11に連通している。
したがって、この実施形態によれば、突出部18によって前記第2の実施形態と同様な作用効果が得られると共に、中空部21を油孔22等と共に供給通路の一部として利用することによって、デッドスペースの有効利用が図れる。
図10は第4参考例を示し、突出部18の構造をさらに変更したもので、仕切壁15側を底辺とした横断面ほぼ三角形状に形成したものである。具体的には、前記突出部18は、最大断面積の底辺部18aが仕切壁15のオイルチャンバ14側の一側面に一体に結合されていると共に、2つの上辺部18b、18cが比較的なだらかな傾斜面に形成されている。
したがって、前記突起部18の最大断面積の底辺部18aが仕切壁15に一体に結合していることから、仕切壁15の強度がさらに大きくなり、仕切壁15のさらなる薄肉化が可能なる。
また、前記下側の上辺部18bがなだらかな傾斜面に形成されていることから、オイルチャンバ14の図中下部側から上昇したオイル内の気泡Bが、図10に示すように、底辺部18aの基端側から前記上辺部18bの傾斜面を伝って速やかに上昇し、さらに頂点部からそのままオイルチャンバ14の上方へ、あるいは上側の上辺部18cを伝ってオイルチャンバ14の上方へ流動する。そして、ここから連通孔13を通って吐出ポート11内に流入しつつそのまま吐出通路12から外部に排出される。
このように、オイルチャンバ14内のオイル内に混入した気泡を突出部18の外面を伝って外部に速やかに排出できるため、オイルチャンバ14内に気泡の少ないオイルを充満させることができる。この結果、吐出時の脈圧をオイルチャンバ14内のオイルによって効果的に低減することが可能になる。
図11は第5参考例を示し、内部中空状の突出部18などの基本構成は第2参考例と同様であるが、異なるところは、仕切壁15の前記突出部18が位置する下側にオイルチャンバ14と吐出ポート11を連通する空気抜き孔23を形成したものである。
この空気抜き孔23は、突出部18の基端部付近に形成されて、仕切壁15に対して直角方向へ貫通形成されている。
したがって、オイルチャンバ14内のオイルに混入した気泡は、仕切壁15の一側面15a下部側から上方へ伝って流動して、そのまま空気抜き孔23を通って吐出ポート11内に流入するか、あるいは突出部18の基端部の下側凹部18dに一時的に滞留してそのまま空気抜き孔23を通って吐出ポート11内に流入する。このため、気泡の排出効率が向上する。
また、前記気泡が前記突出部18の基端部の下側凹部18dに滞留してしまった場合には、ポンプの再始動時にオイルチャンバ14内でのオイルの流動によって気泡が攪拌されて空気抜き孔23から速やかに排出することが可能になる。
他の構成は第2の実施形態と同様であるから、この第2の実施形態と同様な作用効果が得られる。
図12は第6参考例を示し、第2参考例の構成を前提として、前記ベースブロック4の下部内、前記オイルチャンバ14の底部側と吐出ポート11の途中に形成された深溝11bの底部側を連通する連通路24を形成したものである。前記連通路24は、一端部24aがオイルチャンバ14の底部の角部である最下位部に開口形成されている一方、他端部24bが前記深溝11bの底部の最下位部に開口形成されている。
この第6参考例によれば、オイルチャンバ14内に連通孔13から流入した比重の大きな金属粉などのコンタミやスラッジが該オイルチャンバ14の底部の最下位部から連通路24を通って深溝11b内に排出させることか可能になる。
この実施形態によれば、オイルチャンバ14内に連通孔13から流入した比重の大きな金属粉などのコンタミやスラッジが該オイルチャンバ14の底部の最下位部から連通路24を通って深溝11b内に排出させることか可能になる。
図13及び図14は第7参考例であって、第2参考例の突出部18などの構成を前提としているが、異なるところは、オイルチャンバ14の幅長さWを他の実施形態よりも短く形成して全体の容積を小さく設定されている。また、前記突出部18の先端部と該先端部と対向するオイルチャンバ14の内面との間に、オイルが流動する絞り部25が形成されており、この絞り部25によってオイルチャンバ14が、図13中、上側の小容積の第1チャンバ部14aと下側の大容積の第2チャンバ部14bの2つの室が直列に配置形成されている。
また、前記第1チャンバ部14aの上部側と吐出ポート11とを連通する第1連通孔13の他に、前記第2チャンバ部14bの底部側と前記深溝11b近傍の吐出ポート11内とを連通する第2連通孔26が形成されている。つまり、この第2連通孔26は、重力方向の最下方付近で前記吐出ポート11と連通するようになっている。
したがって、前記絞り部25によって形成された第1,第2チャンバ部14a、14bは、容積の大小相違によって互いの共振周波数が異っている。したがって、前記吐出ポート11で発生する吐出脈圧を、前記各チャンバ部14a、14bでの異なる共振周波数が打ち消し合って脈圧を低減させることができる。
すなわち、図15A、B及び図16A、Bは、オイルポンプ1がエンジン回転数の倍の速度で回転することから、ポンプ1倍次数成分と2倍次数成分、3倍次数成分及び4倍次数成分にそれぞれ分けて脈圧特性を実験によって検証した特性図である。
この特性図では、一点鎖線(a)がオイルチャンバを全く有しない場合、実線(b)がオイルチャンバ14を1つだけ設けた場合、破線(c)が本実施形態のような2つの第1、第2チャンバ部14a、14bを設けた場合を示している。
この各特性図からも明らかなように、いずれの次数成分の場合でもエンジンの回転数が低回転域の場合は脈圧の大きな差は発生しないが、エンジン回転数が上昇するに連れてオイルチャンバを有しないものや1つのみの場合に比較して、本実施形態のように、2つ設けた場合の方が脈圧低減効果が大きくなることが明らかになった。特に、脈圧低減効果が大きいのは、ポンプ1倍次数成分時と2倍次数成分時に顕著である。
これは、容積の異なる2つのチャンバ部14a、14bによって各連通孔13,26から伝達された吐出ポート11の脈圧の共振周波数に対して互いの共振周波数が打ち消し合ったためである。
したがって、共振周波数の異なるオイルチャンバ14を複数設けることによってより、脈圧低減効果が大きくなることが明らかである。
また、吐出ポート11から吐出されたオイルに混入した金属粉などのコンタミは、前記第1連通孔13を介して第1チャンバ部14a内に滞留し易くなるが、この実施形態では、重力方向の最下方付近で前記吐出ポート11と連通する第2連通孔26を設けたことから、前記第1チャンバ部14a内に滞留したコンタミは脈圧などによって絞り部25を通って第2チャンバ部14b内に流入し、さらに第2連通孔26から深溝11b内へ効果的に排出することができる。
本発明は、前記各参考例や実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、前記各参考例や実施形態では、ポンプ本体をトロコイド形のポンプで構成したが、複数のポンプ室が連続的に容積を増減変化させるものであれば、ベーン形やギア形などの各種のポンプに適用することが可能である。
また、オイルポンプの駆動は、必ずしもバランサシャフトに直結して行う必要はないが、この実施形態のように高速回転するバランサシャフトで駆動されるものにあっては、高周波の脈圧が発生し易いため、本発明のオイルチャンバによる対策は特に有効となる。
さらに、前記突出部18の構造を、例えば横断面台形状などのさら異なるものに変更することも可能である。
前記実施形態から把握される前記請求項に記載した発明以外の技術的思想について以下に説明する。
請求項(1)前記突出部の内部に油路を形成したことを特徴とする請求項1に記載のオイルポンプ。
前記突出部を単に突出させて補強用として機能させるだけではなく、内部に油路を形成して油の流通路としても機能させるようにした。
請求項(2)前記オイルチャンバは、少なくとも重力方向の最上位置付近で前記吐出部に連通していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のオイルポンプ。
前記オイルチャンバ内に空気が滞留していると、前記吐出部で生じる脈圧との共振が発生して空気が抜け、抜けた際に脈圧が急変してしまうが、オイルチャンバ内に、空気が混入したオイルが充満している場合には、吐出部で発生する脈圧の低減効果が大きく変化してしまうことがない。
請求項(3)前記オイルチャンバには、重力方向の最上方位置付近で前記吐出部に連通する前記連通部よりも上流側でかつ前記オイルチャンバの重力方向の最下方付近で前記吐出部と連通する第2の連通部を設けたことを特徴とする請求項(2)に記載のオイルポンプ。
吐出部から吐出されたポンプ流体に混入した金属粉などのコンタミが前記連通部を介してオイルチャンバ内に滞留し易くなるが、この発明では、重力方向の最下方付近で前記吐出部と連通する第2の連通部を設けたことから、前記チャンバ内に滞留したコンタミを、脈圧を利用して第2の連通部から外部へ効果的に排出することができる。
請求項(4)前記突出部を、前記オイルチャンバ側に突出させたことを特徴とする請求項1〜(3)のいずれかに記載のオイルポンプ。
前記突出部が吐出部側ではなく、オイルチャンバ側に突出されており、そもそもオイルチャンバ内にはオイルの流動が殆どないことから、吐出部内のオイルの流動に流動抵抗などの影響を与えることはない。
請求項(5)前記オイルチャンバを、前記吐出部に対して少なくとも二箇所で連通させると共に、前記オイルチャンバ内に突出した前記突出部を、前記オイルチャンバの二つの連通箇所間でのオイルの流動の絞り部として形成し、該絞り部によって前記オイルチャンバ内を容積の異なる直列の2室に画成したことを特徴とする請求項(4)に記載のオイルポンプ。
この発明によれば、前記突出部(絞り部)によってオイルチャンバ内が容積の異なる2つの室に形成され、この2つの室は、容積の相違によって互いの共振周波数が異っている。したがって、前記吐出部で発生する吐出脈圧を、前記各室での異なる共振周波数が打ち消し合って脈圧を低減させることができる。
請求項(6)前記突出部の外面を傾斜状に形成して、オイルチャンバ内の気泡を前記傾斜状外面に沿って上方へ案内するように形成したことを特徴とする請求項(4)に記載のオイルポンプ。
前記吐出部からオイルチャンバ内に流入したオイルの内部には、通常、気泡が混入されているが、この発明では、オイルチャンバ内に流入したオイル内の気泡が突出部の傾斜状外面を伝って上方へ案内されるため、該オイル内の気泡を吐出部から外部へ速やかに排出することが可能になる。
請求項(7)前記仕切壁の突出部の上流側基端付近にオイルチャンバ内の気泡を吐出部に排出する排出孔を形成したことを特徴とする請求項(4)に記載のオイルポンプ。
この発明も同じくオイルチャンバに流入したオイル内の気泡が突出部の基端側に一時的に滞留して排出孔に流入するか、あるいはそのまま排出孔を通って吐出部から外部へ速やかに排出させることができる。
請求項(8)外周にトロコイド曲線形状の複数の外歯が設けられ、駆動軸によって回転駆動されるインナロータと、該インナロータの外周側に偏心して配置され、内周に前記インナロータが噛合するトロコイド曲線形状の複数の内歯が設けられたアウタロータと、を備えたトロコイド形のポンプであることを特徴とする請求項1〜(7)のいずれかに記載のオイルポンプ。
本発明の第1参考例におけるオイルポンプのカバーブロックを取り外した状態を示す正面図である。 同実施形態を示す図1のA−A線に沿う断面図である。 図1のB−B線に沿う断面図である。 図1のC−C線に沿う断面図である。 第2参考例におけるカバーブロックを取り外した状態を示す正面図である。 図5のD−D線に沿う断面図である。 第3参考例を示す要部断面図である。 実施形態におけるオイルポンプのカバーブロックを取り外した状態を示す正面図である。 図8のE−E線に沿う断面図である。 4参考例におけるオイルポンプのカバーブロックを取り外した状態を示す正面図である。 5参考例におけるオイルポンプのカバーブロックを取り外した状態を示す正面図である。 6参考例におけるオイルポンプのカバーブロックを取り外した状態を示す正面図である。 7参考例におけるオイルポンプのカバーブロックを取り外した状態を示す正面図である。 図13のF−F線に沿う断面図である。 Aはポンプ1倍次数成分時、Bはポンプ2倍次数成分時における吐出脈圧−エンジン回転数特性を比較して示す線図である。 Aはポンプ3倍次数成分時、Bはポンプ4倍次数成分時における吐出脈圧−エンジン回転数特性を比較して示す線図である。
符号の説明
1…オイルポンプ
9…ポンプ室
10…吸入ポート(吸入部)
11…吐出ポート(吐出部)
13…連通孔(連通部)
14…オイルチャンバ
15…仕切壁
18…突出部
21…中空部

Claims (1)

  1. エンジンの二次振動を低減するバランサシャフトによって駆動され、吸入部で吸い込んだオイルを加圧して吐出部から吐出するオイルポンプであって、
    前記吐出部と仕切壁を介して隣接し、前記吐出部に重力方向の最上方位置にて連通するオイルチャンバを設け、
    前記仕切壁は、前記オイルチャンバ側に突出し、該突出部の内部がオイルの油通路の一部を構成していることを特徴とするオイルポンプ。
JP2005199511A 2005-07-08 2005-07-08 オイルポンプ Expired - Fee Related JP4755456B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005199511A JP4755456B2 (ja) 2005-07-08 2005-07-08 オイルポンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005199511A JP4755456B2 (ja) 2005-07-08 2005-07-08 オイルポンプ

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2007016698A JP2007016698A (ja) 2007-01-25
JP2007016698A5 JP2007016698A5 (ja) 2008-08-28
JP4755456B2 true JP4755456B2 (ja) 2011-08-24

Family

ID=37754075

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005199511A Expired - Fee Related JP4755456B2 (ja) 2005-07-08 2005-07-08 オイルポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4755456B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4593505B2 (ja) * 2006-03-29 2010-12-08 本田技研工業株式会社 オイル脈動圧低減構造が設けられた機械

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0932990A (ja) * 1995-07-20 1997-02-07 Hitachi Constr Mach Co Ltd 脈動低減装置
WO1999056052A1 (fr) * 1998-04-24 1999-11-04 Hitachi Construction Machinery Co., Ltd. Dispositif de reduction des pulsations d'un fluide
JP4328184B2 (ja) * 2003-11-17 2009-09-09 株式会社日立製作所 オイルポンプ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007016698A (ja) 2007-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5089729B2 (ja) オイルポンプ装置
US9581156B2 (en) Gear pump including an inner rotor having a plurality of teeth
JP4328184B2 (ja) オイルポンプ
JP4224378B2 (ja) オイルポンプ
JP4593505B2 (ja) オイル脈動圧低減構造が設けられた機械
JP4755456B2 (ja) オイルポンプ
JP2005146995A5 (ja)
WO2018084107A1 (ja) ベーンポンプ
JP4856907B2 (ja) オイルポンプ
JP5468487B2 (ja) オイルポンプ
JP4933577B2 (ja) オイルポンプ
JP2007278183A (ja) オイルポンプ
JP2005146994A (ja) オイルポンプ
WO2018084105A1 (ja) ベーンポンプ
JP2005146998A (ja) オイルポンプ
JP2008248893A (ja) オイルポンプ
JP4347024B2 (ja) エンジンのバランサ装置
JP2005127161A (ja) エンジンユニットケース
JP3761159B2 (ja) オイルのエアレーション防止構造
JP4212455B2 (ja) オイルポンプ
JP4221541B2 (ja) 燃料ポンプ
JPH0454804Y2 (ja)
JPH0814174A (ja) ベーン式バキュームポンプ
JPH05215079A (ja) 内接歯車ポンプ
JPH05180173A (ja) 内接歯車ポンプ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080715

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090922

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20090922

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100708

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100713

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110308

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110418

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110418

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110517

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110527

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140603

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4755456

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees