JP4755330B2 - オルガノポリシロキサン、およびその製造方法 - Google Patents
オルガノポリシロキサン、およびその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オルガノポリシロキサン、およびその製造方法に関し、詳しくは、ケイ素原子に結合したシラトラン残基を有する新規なオルガノポリシロキサン、およびこのようなオルガノポリシロキサンを効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シラトラン誘導体については、特開平10−182669号公報、特開平11−116584号公報、特開平1−158379号公報、および特開平11−279182号公報により開示されおり、また、その重合体については、特開平11−240955号公報により開示されているが、ケイ素原子に結合したシラトラン残基を有するオルガノポリシロキサン、およびその製造方法については記載も示唆もされていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ケイ素原子に結合したシラトラン残基を有する新規なオルガノポリシロキサン、およびこのようなオルガノポリシロキサンを効率よく製造する方法を提供することにある。さらに、本発明の目的は、ケイ素原子に結合したシラトラン残基、およびアミノ基、カルボキシル基、水酸基、フェノール基、エポキシ基、およびポリオキシアルキレン基からなる群より選択される少なくとも一種の基を有する新規なオルガノポリシロキサン、およびこのようなオルガノポリシロキサンを効率よく製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1、2に係る発明のオルガノポリシロキサンは、一般式:
【化7】
{式中、R1は同じか、または異なる水素原子もしくはアルキル基であり、R2は同じか、または異なる水素原子、アルキル基、アルケニルオキシアルキル基、アシロキシアルキル基、一般式:
−R4−Si(OR5)xR6 (3-x)
(式中、R4はアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基であり、R5はアルキル基であり、R6は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基であり、xは1〜3の整数である。)
で表される基、アルキレン基、およびアルキレンオキシアルキレン基からなる群より選択される基であり、R3は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基、アルコキシ基、グリシドキシアルキル基、オキシラニルアルキル基、アシロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキレン基、およびアルキレンオキシアルキレン基からなる群より選択される基であり、但し、式中のR2およびR3 の一つはアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基である。}
で表されるシラトラン残基を前記R 2 または前記R3のアルキレン基もしくはアルキレンオキシアルキレン基を介して分子中のケイ素原子に結合し、25℃における粘度が50〜1,000,000mPa・sであることを特徴とする。
【0005】
また、請求項3、4に係る発明のオルガノポリシロキサンの製造方法は、(A)一般式:
NHy(CR1 2CR1 2OH)(3-y)
(式中、R1は同じか、または異なる水素原子もしくはアルキル基であり、yは1〜3の整数である。)
で表されるアンモニアまたはアミン化合物、(B)分子中のケイ素原子に、エポキシ基を含有するアルキル基またはアルキルオキシアルキル基を結合しているオルガノポリシロキサン、(C)一般式:
R7Si(OR8)3
(式中、R7は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基、アルコキシ基、グリシドキシアルキル基、オキシラニルアルキル基、アシロキシアルキル基、およびアミノアルキル基からなる群より選択される基であり、R8はアルキル基である。)
で表されるアルコキシシラン、および必要に応じて、(D)一般式:
【化8】
{式中、R1は同じか、または異なる水素原子もしくはアルキル基であり、R9は水素原子、アルキル基、アルケニルオキシアルキル基、アシロキシアルキル基、および一般式:
−R4−Si(OR5)xR6 (3-x)
(式中、R4はアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基であり、R5はアルキル基であり、R6は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基であり、xは1〜3の整数である。)
で表される基からなる群より選択される基である。}
で表されるエポキシ化合物を、(B)成分中のエポキシ基1モルに対して、(A)成分中のyが1である場合、(A)成分0.5〜1.5モル、(C)成分1.0〜10モル、(A)成分中のyが2である場合、(A)成分0.5〜1.5モル、(C)成分1.0〜10モル、(D)成分0.2〜1.5モル、また、(A)成分中のyが3である場合、(A)成分0.5〜1.5モル、(C)成分1.0〜10モル、(D)成分1.0〜2.5モルとなる量でシラトラン残基形成反応させることを特徴とする。
【0006】
また、請求項5、6に係る発明のオルガノポリシロキサンの製造方法は、(E)一般式:
NHz(CR1 2CR1 2OH)(3-z)
(式中、R1は同じか、または異なる水素原子もしくはアルキル基であり、zは0〜3の整数である。)
で表されるアンモニアまたはアミン化合物、(F)分子中のケイ素原子に、トリアルコキシシリル基を含有するアルキル基またはアルキルオキシアルキル基を結合しているオルガノポリシロキサン、および必要に応じて、(D)一般式:
【化9】
{式中、R1は同じか、または異なる水素原子もしくはアルキル基であり、R9は水素原子、アルキル基、アルケニルオキシアルキル基、アシロキシアルキル基、および一般式:
−R4−Si(OR5)xR6 (3-x)
(式中、R4はアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基であり、R5はアルキル基であり、R6は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基であり、xは1〜3の整数である。)
で表される基からなる群より選択される基である。}
で表されるエポキシ化合物を、(F)成分中のトリアルコキシシリル基1モルに対して、(E)成分中のzが0である場合、(E)成分0.5〜1.5モル、(E)成分中のzが1である場合、(E)成分0.5〜1.5モル、(D)成分0.5〜1.5モル、(E)成分中のzが2である場合、(E)成分0.5〜1.5モル、(D)成分1.5〜2.5モル、また、(E)成分中のzが3である場合、(E)成分0.5〜1.5モル、(D)成分2.5〜5モルとなる量でシラトラン残基形成反応させることを特徴とする。
【0007】
また、請求項7に係る発明のオルガノポリシロキサンの製造方法は、(G)一分子中に少なくとも1個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン、(H)一般式:
【化10】
{式中、R1は同じか、または異なる水素原子もしくはアルキル基であり、R10は同じか、または異なる水素原子、アルキル基、アシロキシアルキル基、一般式:
−R4−Si(OR5)xR6 (3-x)
(式中、R4はアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基であり、R5はアルキル基であり、R6は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基であり、xは1〜3の整数である。)
で表される基、アルケニル基、およびアルケニルオキシアルキル基からなる群より選択される基であり、R11はアルキル基、アリール基、アルコキシ基、グリシドキシアルキル基、オキシラニルアルキル基、アシロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルケニル基、およびアルケニルオキシアルキル基からなる群より選択される基であり、但し、式中のR10およびR11 の一つはアルケニル基またはアルケニルオキシアルキル基である。}
で表されるシラトラン誘導体{(G)成分中のケイ素原子結合水素原子1モルに対して、(H)成分中のアルケニル基が0.01〜3.0モルとなる量}、および必要に応じて(I)アミノ基、カルボキシル基、水酸基、フェノール基、エポキシ基、およびポリオキシアルキレン基からなる群より選択される少なくとも一種の基と脂肪族不飽和結合を有する有機化合物{(G)成分中のケイ素原子結合水素原子1モルに対して、(I)成分中の脂肪族不飽和結合が0〜5.0モルとなる量}をヒドロシリル化反応用触媒で付加反応させることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
はじめに、請求項1、2に係る発明のオルガノポリシロキサンを詳細に説明する。
このオルガノポリシロキサンは、分子中にケイ素原子に、一般式:
【化11】
で表されるシラトラン残基を該シラトラン残基中のアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基を介して結合していることを特徴とする。式中のR1は同じか、または異なる水素原子もしくはアルキル基である。R1のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が例示される。特に、R1は水素原子またはメチル基であることが好ましい。また、式中のR2は同じか、または異なる水素原子、アルキル基、アルケニルオキシアルキル基、アシロキシアルキル基、一般式:
−R4−Si(OR5)xR6 (3-x)
で表される基、アルキレン基、およびアルキレンオキシアルキレン基からなる群より選択される基である。R2のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が例示される。また、R2のアルケニルオキシアルキル基としては、アリロキシメチル基、アリロキシエチル基が例示される。また、R2のアシロキシアルキル基としては、アクリロキシメチル基、メタクリロキシメチル基が例示される。また、R2の一般式:
−R4−Si(OR5)xR6 (3-x)
で表される基において、式中のR4はアルキレン基またはアルキレンオキシアルキル基である。R4のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が例示される。また、R4のアルキレンオキシアルキレン基としては、プロピレンオキシメチレン基が例示される。また、R5はアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が例示される。また、R6は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ノナフルオロブチルエチル基等のハロゲン化アルキル基が例示される。また、xは1〜3の整数であり、特に、3であることが好ましい。このような基としては、次のような基が例示される。
−(CH2)2Si(OCH3)3
−(CH2)2Si(OCH3)2CH3
−(CH2)3Si(OC2H5)3
−(CH2)3Si(OC2H5)(CH3)2
−CH2O(CH2)3Si(OCH3)3
−CH2O(CH2)3Si(OC2H5)3
−CH2O(CH2)3Si(OCH3)2CH3
−CH2O(CH2)3Si(OC2H5)2CH3
−CH2OCH2Si(OCH3)3
−CH2OCH2Si(OCH3)(CH3)2
また、R2のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が例示される。また、R2のアルキレンオキシアルキレン基としては、プロピレンオキシメチレン基が例示される。また、上式中のR3は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基、アルコキシ基、グリシドキシアルキル基、オキシラニルアルキル基、アシロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキレン基、およびアルキレンオキシアルキレン基からなる群より選択される基である。R3の非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ノナフルオロブチルエチル基等のハロゲン化アルキル基が例示される。また、R3のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が例示される。また、R3のグリシドキシアルキル基としては、3−グリシドキシプロピル基が例示される。また、R3のオキシラニルアルキル基としては、4−オキシラニルブチル基、8−オキシラニルオクチル基が例示される。また、R3のアシロキシアルキル基としては、アセトキシプロピル基、3−メタクリロキシプロピル基が例示される。また、R3のアミノアルキル基としては、3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基が例示される。また、R3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が例示される。また、R3のアルキレンオキシアルキレン基としては、プロピレンオキシメチレン基が例示される。また、請求項1、2に係る発明のオルガノポリシロキサンにおいて、前記R2および前記R3 の一つはアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基であることが必要である。これは、オルガノポリシロキサンの分子中のケイ素原子に、前記R 2 または前記R3のアルキレン基もしくはアルキレンオキシアルキレン基を介して前記シラトラン残基を結合しているからである。
【0009】
請求項1、2に係る発明のオルガノポリシロキサンは、分子中のケイ素原子に、前記シラトラン残基を該シラトラン残基中のアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基を介して結合していることを特徴とするが、このオルガノポリシロキサンの分子構造は限定されず、例えば、環状、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状、樹枝状、網状が挙げられ、好ましくは、直鎖状、樹枝状である。また、このオルガノポリシロキサンの分子量は限定されないが、その25℃における粘度が少なくとも50mPa・sである液状のものからガム状等の高粘性液状のものであることが好ましく、取扱作業性が優れることから、その25℃における粘度が50〜1,000,000mPa・sのものであることが好ましい。また、このオルガノポリシロキサンが直鎖状である場合、その重合度は限定されず、シロキサンの繰り返し単位数が2であるオルガノジシロキサンからその繰り返し単位数が3000を越える高重合度のオルガノポリシロキサンであってもよいが、取扱作業性が優れることから、シロキサンの繰り返し単位数が2であるオルガノジシロキサンからその繰り返し単位数が1000以下のオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
【0010】
このオルガノポリシロキサン中の前記シラトラン残基以外のケイ素原子に結合している基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ノナフルオロブチルエチル基等のハロゲン化アルキル基等の非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基が例示される。特に、請求項2に係る発明のオルガノポリシロキサンにおいては、分子中のケイ素原子に、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、フェノール基、エポキシ基、およびポリオキシアルキレン基からなる群より選択される少なくとも一種の基を有するアルキル基またはアルキルオキシアルキル基を結合していることを特徴とする。このようなケイ素原子に結合している基としては、3−アミノプロピル基、N−イソプロピル−3−アミノプロピル基、N−t−ブチル−3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基等のアミノ基含有アルキル基;カルボキシルエチル基、カルボキシルデシル基等のカルボキシル基含有アルキル基;3−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピルオキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル基等の水酸基含有アルキル基もしくはアルキルオキシアルキル基;p−ヒドロキシフェニルエチル基、p−ヒドロキシフェニルプロピル基、p−ヒドロキシ−m−メトキシフェニルプロピル基等のフェノール基含有アルキル基;3−グリシドキシプロピル基、4−オキシラニルブチル基、8−オキシラニルオクチル基、2,3−エポキシシクロヘキシエチル基等のエポキシ基含有アルキル基もしくはアルキレンオキシアルキル基;ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基、オキシエチレン・オキシプロピレン共重合性基等のポリオキシアルキレン基結合のアルキル基またはアルキレンオキシアルキル基が例示される。
【0011】
このような請求項1または請求項2に係る発明のオルガノポリシロキサンは、有機樹脂やシリコーン組成物の接着性付与剤として有用である。このようなオルガノポリシロキサンとしては、次のような化合物が例示される。なお、式中、Meはメチル基を示し、a、b、c、およびdはそれぞれ正の数であり、mは1以上の整数であり、nは0以上の整数であり、pは0以上の整数である。
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【0012】
次に、請求項3、4に係る発明のオルガノポリシロキサンの製造方法を詳細に説明する。
このオルガノポリシロキサンの製造方法は、(A)一般式:
NHy(CR1 2CR1 2OH)(3-y)
(式中、R1は同じか、または異なる水素原子もしくはアルキル基であり、yは1〜3の整数である。)
で表されるアンモニアまたはアミン化合物、(B)分子中のケイ素原子に、エポキシ基を含有するアルキル基またはアルキルオキシアルキル基を結合しているオルガノポリシロキサン、(C)一般式:
R7Si(OR8)3
(式中、R7は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基、アルコキシ基、グリシドキシアルキル基、オキシラニルアルキル基、アシロキシアルキル基、およびアミノアルキル基からなる群より選択される基であり、R8はアルキル基である。)
で表されるアルコキシシラン、および必要に応じて、(D)一般式:
【化32】
{式中、R1は同じか、または異なる水素原子もしくはアルキル基であり、R9は水素原子、アルキル基、アルケニルオキシアルキル基、アシロキシアルキル基、および一般式:
−R4−Si(OR5)xR6 (3-x)
(式中、R4はアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基であり、R5はアルキル基であり、R6は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基であり、xは1〜3の整数である。)
で表される基からなる群より選択される基である。}
で表されるエポキシ化合物を反応させることを特徴とする。
【0013】
(A)成分のアンモニアまたはアミン化合物は、前記のシラトラン残基を形成するための原料であり、一般式:
NHy(CR1 2CR1 2OH)(3-y)
で表される。式中のR1は同じか、または異なり、水素原子、あるいはアルキル基である。R1のアルキル基としては、前記と同様の基が例示される。また、式中のyは1〜3の整数である。すなわち、yが3である場合にはアンモニアであり、yが1〜2である場合にはアミン化合物である。このアミン化合物としては、2−ヒドロキシエチルアミン、2,2’−ジヒドロキシジエチルアミン、2−ヒドロキシ−2−メチル−エチルアミンが例示される。
【0014】
(B)成分のオルガノポリシロキサンは、分子中のケイ素原子に、エポキシ基を含有するアルキル基またはアルキルオキシアルキル基を結合しており、前記のシラトラン残基を形成するための原料である。このエポキシ基を含有するアルキル基またはアルキルオキシアルキル基としては、3−グリシドキシプロピル基、4−オキシラニルブチル基、8−オキシラニルオクチル基が例示される。また、このオルガノポリシロキサン中のその他のケイ素原子に結合している基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ノナフルオロブチルエチル基等のハロゲン化アルキル基等の非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基が例示される。このオルガノポリシロキサンの分子構造は限定されず、例えば、環状、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状、樹枝状、網状が挙げられ、好ましくは、直鎖状である。また、このオルガノポリシロキサンが直鎖状である場合、その重合度は限定されず、シロキサンの繰り返し単位数が2であるオルガノジシロキサンからその繰り返し単位数が3000を越える高重合度のオルガノポリシロキサンであってもよいが、取扱作業性が優れることから、シロキサンの繰り返し単位数が2であるオルガノジシロキサンからその繰り返し単位数が1000以下のオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
【0015】
このような(B)成分のオルガノポリシロキサンとしては、次のような化合物が例示される。なお、式中、Meはメチル基を示し、a、b、c、およびdはそれぞれ正の数であり、mは1以上の整数であり、nは0以上の整数であり、pは0以上の整数である。
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【0016】
(C)成分のアルコキシシランは、一般式:
R7Si(OR8)3
で表され、前記のシラトラン残基を形成するための原料である。式中のR7は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基、アルコキシ基、グリシドキシアルキル基、オキシラニルアルキル基、アシロキシアルキル基、およびアミノアルキル基からなる群より選択される基である。R7の非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ノナフルオロブチルエチル基等のハロゲン化アルキル基が例示される。また、R7のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が例示される。また、R7のグリシドキシアルキル基としては、3−グリシドキシプロピル基が例示される。また、R7のオキシラニルアルキル基としては、4−オキシラニルブチル基、8−オキシラニルオクチル基が例示される。また、R7のアシロキシアルキル基としては、アセトキシプロピル基、3−メタクリロキシプロピル基が例示される。また、R7のアミノアルキル基としては、3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基が例示される。また、R8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が例示される。
【0017】
このような(C)成分のアルコキシシランとしては、4−オキシラニルブチルトリメトキシシラン、8−オキシラニルオクチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、ノナフルオロブチルエチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランが例示される。
【0018】
請求項3、4に係る発明の製造方法において、(D)成分の一般式:
【化39】
で表されるエポキシ化合物は任意の成分であり、前記のシラトラン残基を形成するための原料である。式中のR1は同じか、または異なり、水素原子、あるいはアルキル基である。R1のアルキル基としては、前記と同様の基が例示される。また、式中のR9は水素原子、アルキル基、アルケニルオキシアルキル基、アシロキシアルキル基、および一般式:
−R4−Si(OR5)xR6 (3-x)
で表される基からなる群より選択される基である。R9のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が例示される。また、R9のアルケニルオキシアルキル基としては、アリロキシメチル基、アリロキシエチル基が例示される。また、R9のアシロキシアルキル基としては、アクリロキシメチル基、メタクリロキシメチル基が例示される。また、R9の一般式:
−R4−Si(OR5)xR6 (3-x)
で表される基において、式中のR4はアルキレン基またはアルキレンオキシアルキル基であり、前記と同様の基が例示される。また、R5はアルキル基であり、前記と同様の基が例示される。また、R6は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基であり、前記と同様の基が例示される。また、xは1〜3の整数である。このような基としては、前記と同様の基が例示される。
【0019】
このような(D)成分のエポキシ化合物としては、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、2−グリシドキシアリルフェニル、グリシドキシヘプタフロロプロパン等、4−オキシラニルブチルトリメトキシシラン、8−オキシラニルオクチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシランが例示される。
【0020】
請求項3、4に係る発明の製造方法では、(A)成分、(B)成分、(C)成分、および(D)成分の添加量は限定されないが、(B)成分中のエポキシ基1モルに対して、(A)成分が0.5〜1.5モルの範囲内であり、(C)成分が1.0〜10モルの範囲内であり、(D)成分が0〜5.0モルの範囲内であることが好ましく、特に、副生物の生成を抑え、シラトラン残基を有するオルガノポリシロキサンを収率良く得るためには、(A)成分中のyが1である場合には、(B)成分中のエポキシ基1モルに対して、(A)成分は0.5〜1.5モルの範囲内であり、(C)成分は1.0〜10モルの範囲内であることが好ましく、また、(A)成分中のyが2である場合には、(B)成分中のエポキシ基1モルに対して、(A)成分は0.5〜1.5モルの範囲内であり、(C)成分は1.0〜10モルの範囲内であり、(D)成分は0.2〜1.5モルの範囲内であることが好ましく、また、(A)成分中のyが3である場合には、(B)成分中のエポキシ基1モルに対して、(A)成分は0.5〜1.5モルの範囲内であり、(C)成分は1.0〜10モルの範囲内であり、(D)成分は1.0〜2.5モルの範囲内であることが好ましい。
【0021】
請求項3、4に係る発明の製造方法において、この反応は常温もしくは加熱下で進行するが、この反応時間を短縮するためには、100℃以下で加熱することが好ましい。また、この製造方法において、有機溶媒の使用は任意であり、使用できる有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル;酢酸エチル、酢酸イソアミル等のエステル;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド化合物が例示され、特に、メタノール、エタノール等のアルコールを用いると、この反応時間を短縮でき、さらに目的のオルガノポリシロキサンを収率良く得ることができる。また、この製造方法においてアルコールを添加する場合には、このアルコールの還流温度で反応を行うことにより、反応を著しく短縮することができる。
【0022】
次に、請求項5、6に係る発明のオルガノポリシロキサンの製造方法を詳細に説明する。
この製造方法は、(E)一般式:
NHz(CR1 2CR1 2OH)(3-z)
(式中、R1は同じか、または異なる水素原子もしくはアルキル基であり、zは0〜3の整数である。)
で表されるアンモニアまたはアミン化合物、(F)分子中のケイ素原子に、トリアルコキシシリル基を含有するアルキル基またはアルキルオキシアルキル基を結合しているオルガノポリシロキサン、および必要に応じて、(D)一般式:
【化40】
{式中、R1は同じか、または異なる水素原子もしくはアルキル基であり、R9は水素原子、アルキル基、アルケニルオキシアルキル基、アシロキシアルキル基、および一般式:
−R4−Si(OR5)xR6 (3-x)
(式中、R4はアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基であり、R5はアルキル基であり、R6は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基であり、xは1〜3の整数である。)
で表される基からなる群より選択される基である。}
で表されるエポキシ化合物を反応させることを特徴とする。
【0023】
(E)成分のアンモニアまたはアミン化合物は、前記のシラトラン残基を形成するための原料であり、一般式:
NHz(CR1 2CR1 2OH)(3-z)
で表される。式中のR1は同じか、または異なり、水素原子、あるいはアルキル基である。R1のアルキル基としては、前記と同様の基が例示される。また、式中のzは0〜3の整数である。すなわち、yが3である場合にはアンモニアであり、yが0〜2である場合にはアミン化合物である。このアミン化合物としては、前記と同様の化合物の他に、2,2’,2’’−トリヒドロキシトリエチルアミンが例示される。
【0024】
(F)成分のオルガノポリシロキサンは、分子中のケイ素原子に、トリアルコキシシリル基を含有するアルキル基またはアルキルオキシアルキル基を結合しており、前記のシラトラン残基を形成するための原料である。このトリアルコキシシリル基を含有するアルキル基またはアルキルオキシアルキル基としては。トリメトキシシリルエチル基、トリメトキシシリルプロピル基、トリエトキシシリルプロピル基、トリメトキシシシリルプロピルオキシプロピル基が例示される。また、このオルガノポリシロキサン中のその他のケイ素原子に結合している基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ノナフルオロブチルエチル基等のハロゲン化アルキル基等の非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基が例示される。このオルガノポリシロキサンの分子構造は限定されず、例えば、環状、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状、樹枝状、網状が挙げられ、好ましくは、直鎖状である。また、このオルガノポリシロキサンが直鎖状である場合、その重合度は限定されず、シロキサンの繰り返し単位数が2であるオルガノジシロキサンからその繰り返し単位数が3000を越える高重合度のオルガノポリシロキサンであってもよいが、取扱作業性が優れることから、シロキサンの繰り返し単位数が2であるオルガノジシロキサンからその繰り返し単位数が1000以下のオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
【0025】
このような(F)成分のオルガノポリシロキサンとしては、次のような化合物が例示される。なお、式中、Meはメチル基を示し、a、b、c、およびdはそれぞれ正の数であり、mは1以上の整数であり、nは0以上の整数であり、pは0以上の整数である。
【化41】
【化42】
【化43】
【化44】
【化45】
【化46】
【0026】
請求項5、6に係る発明の製造方法において、(D)成分の一般式:
【化47】
で表されるエポキシ化合物は任意の成分であり、前記のシラトラン残基を形成するための原料である。式中のR1は同じか、または異なる水素原子もしくはアルキル基である。R1のアルキル基としては、前記と同様の基が例示される。また、式中のR9は水素原子、アルキル基、アルケニルオキシアルキル基、アシロキシアルキル基、および一般式:
−R4−Si(OR5)xR6 (3-x)
で表される基からなる群より選択される基である。R9のアルキル基としては、前記と同様の基が例示される。また、R9のアルケニルオキシアルキル基としては、前記と同様の基が例示される。また、R9のアシロキシアルキル基としては、前記と同様の基が例示される。また、R9の一般式:
−R4−Si(OR5)xR6 (3-x)
で表される基である。式中のR4はアルキレン基またはアルキレンオキシアルキル基であり、前記と同様の基が例示される。また、R5はアルキル基であり、前記と同様の基が例示される。また、R6は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基であり、前記と同様の基が例示される。また、xは1〜3の整数である。このような基としては、前記と同様の基が例示される。このような(D)成分のエポキシ化合物としては、前記と同様の基が例示される。
【0027】
請求項5、6に係る発明の製造方法では、(E)成分、(F)成分、および(D)成分の添加量は限定されないが、(F)成分中のトリアルコキシシリル基1モルに対して、(E)成分は0.5〜1.5モルの範囲内であり、(D)成分は0〜5.0モルの範囲内であることが好ましい。特に、副生物の生成を抑え、目的のオルガノポリシロキサンを収率良く得るためには、(E)成分中のzが0である場合には、(F)成分中のトリアルコキシシリル基1モルに対して、(E)成分は0.5〜1.5モルの範囲内であることが好ましく、(E)成分中のzが1である場合には、(F)成分中のトリアルコキシシリル基1モルに対して、(E)成分は0.5〜1.5モルの範囲内であり、(D)成分は0.5〜1.5モルの範囲内であることが好ましく、また、(E)成分中のzが2である場合には、(F)成分中のトリアルコキシシリル基1モルに対して、(E)成分は0.5〜1.5モルの範囲内であり、(D)成分は1.5〜2.5モルの範囲内であることが好ましく、また、(E)成分中のzが3である場合には、(F)成分中のトリアルコキシシリル基1モルに対して、(E)成分は0.5〜1.5モルの範囲内であり、(D)成分は2.5〜5モルの範囲内であることが好ましい。
【0028】
請求項5、6に係る発明の製造方法において、この反応は常温もしくは加熱下で進行するが、この反応時間を短縮するためには、100℃以下で加熱することが好ましい。また、この製造方法において、有機溶媒の使用は任意であり、使用できる有機溶媒としては、前記と同様の溶媒が例示され、特に、メタノール、エタノール等のアルコールを用いると、この反応時間を短縮でき、さらに目的のオルガノポリシロキサンを収率良く得ることができる。また、この製造方法においてアルコールを添加する場合には、このアルコールの還流温度で反応を行うことにより、反応を著しく短縮することができる。
【0029】
次に、請求項7に係る発明のオルガノポリシロキサンの製造方法を詳細に説明する。
この製造方法は、(G)一分子中に少なくとも1個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン、(H)一般式:
【化48】
{式中、R1は同じか、または異なる水素原子もしくはアルキル基であり、R10は同じか、または異なる水素原子、アルキル基、アシロキシアルキル基、一般式:
−R4−Si(OR5)xR6 (3-x)
(式中、R4はアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基であり、R5はアルキル基であり、R6は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基であり、xは1〜3の整数である。)
で表される基、アルケニル基、およびアルケニルオキシアルキル基からなる群より選択される基であり、R11はアルキル基、アリール基、アルコキシ基、グリシドキシアルキル基、オキシラニルアルキル基、アシロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルケニル基、およびアルケニルオキシアルキル基からなる群より選択される基であり、但し、式中のR10およびR11 の一つはアルケニル基またはアルケニルオキシアルキル基である。}
で表されるシラトラン誘導体、および必要に応じて(I)アミノ基、カルボキシル基、水酸基、フェノール基、エポキシ基、およびポリオキシアルキレン基からなる群より選択される少なくとも一種の基と脂肪族不飽和結合を有する有機化合物をヒドロシリル化反応用触媒で付加反応することを特徴とする。
【0030】
(G)成分のオルガノポリシロキサンは、目的のオルガノポリシロキサンの骨格を形成するための原料であり、一分子中に少なくとも1個のケイ素原子結合水素原子を有する。このオルガノポリシロキサンの分子構造は限定されず、例えば、環状、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状、樹枝状、網状が挙げられ、好ましくは、直鎖状である。このオルガノポリシロキサン中の水素原子以外のケイ素原子に結合している基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ノナフルオロブチルエチル基等のハロゲン化アルキル基等の非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基が例示される。また、このオルガノポリシロキサンが直鎖状である場合、その重合度は限定されず、シロキサンの繰り返し単位数が2であるオルガノジシロキサンからその繰り返し単位数が3000を越える高重合度のオルガノポリシロキサンであってもよいが、取扱作業性が優れることから、シロキサンの繰り返し単位数が2であるオルガノジシロキサンからその繰り返し単位数が1000以下のオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
【0031】
このような(G)成分のオルガノポリシロキサンとしては、次のような化合物が例示される。なお、式中、Meはメチル基を示し、a、b、およびcはそれぞれ正の数であり、mは1以上の整数であり、nは0以上の整数である。
【化49】
【化50】
【化51】
【化52】
【化53】
【化54】
【0032】
(H)成分のシラトラン誘導体は、得られるオルガノポリシロキサンにシラトラン残基を導入するための原料であり、一般式:
【化55】
で表される。式中のR1は同じか、または異なる水素原子もしくはアルキル基である。R1のアルキル基としては、前記と同様の基が例示される。また、式中のR10は同じか、または異なる水素原子、アルキル基、アシロキシアルキル基、一般式:
−R4−Si(OR5)xR6 (3-x)
で表される基、アルケニル基、およびアルケニルオキシアルキル基からなる群より選択される基である。R10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が例示される。また、R10のアシロキシアルキル基としては、アクリロキシメチル基、メタクリロキシメチル基が例示される。また、R10の一般式:
−R4−Si(OR5)xR6 (3-x)
で表される基において、式中のR4はアルキレン基またはアルキレンオキシアルキル基である。R4のアルキレン基としては、前記と同様の基が例示される。また、R4のアルキレンオキシアルキレン基としては、前記と同様の基が例示される。また、R5はアルキル基であり、前記と同様の基が例示される。また、R6は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基であり、前記と同様の基が例示される。また、xは1〜3の整数である。本発明において、xは3であることが好ましい。このような基としては、前記と同様の基が例示される。また、R10のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、ブテニル基、ヘキセニル基が例示される。また、R10のアルケニルオキシアルキル基としては、ビニルオキシプロピル基、アリルオキシプロピル基、アリルオキシエチル基が例示される。また、式中のR11はアルキル基、アリール基、アルコキシ基、グリシドキシアルキル基、オキシラニルアルキル基、アシロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルケニル基、およびアルケニルオキシアルキル基からなる群より選択される基である。R11のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が例示される。また、R11のアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基が例示される。R11のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が例示される。また、R11のグリシドキシアルキル基としては、3−グリシドキシプロピル基が例示される。また、R11のオキシラニルアルキル基としては、4−オキシラニルブチル基、8−オキシラニルオクチル基が例示される。また、R11のアシロキシアルキル基としては、アセトキシプロピル基、3−メタクリロキシプロピル基が例示される。また、R11のアミノアルキル基としては、3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基が例示される。また、R11のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、ブテニル基、ヘキセニル基が例示される。また、R11のアルケニルオキシアルキル基としては、ビニルオキシプロピル基、アリルオキシプロピル基、アリルオキシエチル基が例示される。(H)成分のシラトラン誘導体において、式中のR10およびR11 の一つはアルケニル基またはアルケニルオキシアルキル基であることが必要である。
【0033】
このような(H)成分のシラトラン誘導体としては次の化合物が例示される。
【化56】
【化57】
【化58】
【0034】
請求項7に係る発明の製造方法において、(I)成分のアミノ基、カルボキシ基、水酸基、フェノール基、エポキシ基、およびポリオキシアルキレン基からなる群より選択される少なくとも一種の基と脂肪族不飽和結合を有する有機化合物は任意の成分であり、得られるオルガノポリシロキサンにアミノ基、カルボキシ基、水酸基、フェノール基、エポキシ基、またはポリオキシアルキレン基を導入するための原料である。このような(I)成分の有機化合物としては、アリルアミン、メタリルアミン、アクリル酸、メタクリル酸、ウンデシレン酸、オクテニレン酸、デカニレン酸、アリルアルコール、エチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンエポキシド、グリシジルメタクリレート、2−アリルフェノール、4−アリルフェノール、オイゲノール、2−プロペニルフェノールが例示される。
【0035】
請求項7に係る発明の製造方法において、(G)成分、(H)成分、および(I)成分を付加反応するためのヒドロシリル化反応用触媒としては、白金系,ロジウム系,パラジウム系等の遷移金属系の触媒;三塩化アルミニウム等のルイス酸;過酸化ベンゾイル,過酸化ラウロイル等の有機過酸化物;2,2−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物が例示される。特に、この製造方法においては、反応速度が早く、かつ反応の選択性が良好であることから、白金系触媒を用いることが好ましい。この白金系触媒としては、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金のオレフィン錯体、白金とビニル基含有シロキサンとの錯体、白金坦持シリカ、白金坦持活性炭素が例示される。
【0036】
請求項6に係る発明の製造方法では、(G)成分、(H)成分、および(I)成分の添加量は限定されないが、(G)成分中のケイ素原子結合水素原子1モルに対して、(H)成分中のアルケニル基が0.01〜3.0モルの範囲内であり、(I)成分中の脂肪族不飽和結合が0〜5.0モルの範囲内であることが好ましく、特には、(G)成分中のケイ素原子結合水素原子1モルに対して、(H)成分中のアルケニル基と(I)成分中の脂肪族不飽和結合の合計モル数が0.01〜5.0モルの範囲内であることが好ましい。
【0037】
請求項7に係る発明の製造方法において、その反応条件は特に限定されず、使用するヒドロシリル化反応用触媒の種類によって異なるが、例えば、白金系触媒を使用した場合には、50〜150℃で1〜6時間の範囲内で反応を行うことができる。また、この製造方法は、無溶媒または溶媒中で行うことができる。使用できる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;四塩化炭素、ジクロロメタン等の塩素化炭化水素系溶媒が例示される。
【0038】
【実施例】
本発明のオルガノポリシロキサン、およびその製造方法を実施例により詳細に説明する。なお、式中のMeはメチル基を示す。
【0039】
[実施例1]
撹拌装置、温度計、および還流冷却管を備えた200mlの4つ口フラスコに、2,2’−ジヒドロキシジエチルアミン21g(0.2モル)、構造式:
【化59】
で表されるオルガノジシロキサン36.2g(0.1モル)、メチルトリメトキシシラン27.2g(0.2モル)、およびメタノール6.4gを投入して、この系をメタノール還流温度で8時間加熱攪拌した。次に、得られた反応混合物全量をなす型フラスコに移して、ロータリーエバポレーターにより低沸点成分を留去することにより粘度7900mPa・sの黄色透明液体62.5gを得た。この液体は、13C−核磁気共鳴分析(以下、13C−NMR)、および29Si−核磁気共鳴分析(以下、29Si−NMR)による分析の結果、構造式:
【化60】
で表されるオルガノジシロキサンであることが確認された。
【0040】
[実施例2]
撹拌装置、温度計、および還流冷却管を備えた200mlの4つ口フラスコに、2−ヒドロキシエチルアミン6.1g(0.1モル)、構造式:
【化61】
で表されるオルガノポリシロキサン65g(0.05モル)、ビニルトリメトキシシラン14.8g(0.1モル)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン26g(0.11モル)、およびメタノール9.4gを投入して、この系をメタノール還流温度で8時間加熱攪拌した。次に、得られた反応混合物全量をなす型フラスコに移して、ロータリーエバポレーターにより低沸点成分を留去することにより粘度7060mPa・sの黄色透明液体95gを得た。この液体は、13C−NMRおよび29Si−NMRによる分析の結果、構造式:
【化62】
で表されるオルガノポリシロキサンであることが確認された。
【0041】
[実施例3]
撹拌装置、温度計、および還流冷却管を備えた50mlの3つ口フラスコに、2,2’−ジヒドロキシジエチルアミン1.44g(0.014モル)、構造式:
【化63】
で表されるオルガノポリシロキサン37g(0.014モル)、ビニルトリメトキシシラン2.24g(0.015モル)、およびメタノール7gを投入して、この系をメタノール還流温度で8時間加熱攪拌した。次に、得られた反応混合物全量をなす型フラスコに移して、ロータリーエバポレーターにより低沸点成分を留去することにより粘度189mPa・sの黄色透明液体38gを得た。この液体は、13C−NMRおよび29Si−NMRによる分析の結果、構造式:
【化64】
で表されるオルガノポリシロキサンであることが確認された。
【0042】
[実施例4]
撹拌装置、温度計、および還流冷却管を備えた200mlの4つ口フラスコに、2,2’−ジヒドロキシジエチルアミン21.5g(0.21モル)、平均単位式:
【化65】
で表されるオルガノポリシロキサン45.8g(0.21当量モル)、ビニルトリメトキシシラン33.4g(0.23モル)、およびメタノール19.7gを投入して、この系をメタノール還流温度で8時間加熱攪拌した。次に、得られた反応混合物全量をなす型フラスコに移して、ロータリーエバポレーターにより低沸点成分を留去することにより淡黄色透明な高粘性液体75gを得た。この液体は、13C−NMRおよび29Si−NMRによる分析の結果、平均単位式:
【化66】
で表されるオルガノポリシロキサンであることが確認された。
【0043】
[実施例5]
撹拌装置、温度計、および還流冷却管を備えた100mlの3つ口フラスコに、構造式:
【化67】
で表されるオルガノポリシロキサン19.1g(0.016モル)、構造式:
【化68】
で表されるシラトラン誘導体20.9g(0.039モル)を投入し、60℃に加温して2%塩化白金酸イソプロピルアルコール(以下、IPA)溶液を投入した。100℃で2時間加熱攪拌を継続し、赤外線分光分析(以下、IR)でSiHの吸収波長2160cm-1のピークが消失したことを確認した。次に、得られた反応混合物全量をなす型フラスコに移して、ロータリーエバポレーターにより低沸点成分を留去することにより粘度296mPa・sの黄色透明液体38.5gを得た。この液体は、13C−NMRおよび29Si−NMRによる分析の結果、構造式:
【化69】
で表されるオルガノポリシロキサンであることが確認された。
【0044】
[実施例6]
撹拌装置、温度計、および還流冷却管を備えた100mlの3つ口フラスコに、構造式:
【化70】
で表されるオルガノポリシロキサン27.4g(0.012モル)、構造式:
【化71】
で表されるシラトラン誘導体22.6g(0.039モル)を投入し、60℃に加温して2%塩化白金酸IPA溶液を投入した。この系を120℃で6時間加熱攪拌し、IRでSiH基の吸収波長2160cm-1のピークが消失したことを確認した。次に、得られた反応混合物全量をなす型フラスコに移して、ロータリーエバポレーターにより低沸点成分を留去することにより粘度665mPa・sの黄色透明液体48.5gを得た。この液体は、13C−NMRおよび29Si−NMRによる分析の結果、構造式:
【化72】
で表されるオルガノポリシロキサンであることが確認された。
【0045】
[実施例7]
撹拌装置、温度計、および還流冷却管を備えた100mlの3つ口フラスコに、平均単位式:
【化73】
で表されるオルガノポリシロキサン6.73g、構造式:
【化74】
で表されるシラトラン誘導体43.3g(0.075モル)を投入し、60℃に加温して2%塩化白金酸IPA溶液を投入した。100℃で2時間加熱攪拌を継続し、IRでSiHの吸収波長2160cm-1のピークが消失したことを確認した。次に、得られた反応混合物全量をなす型フラスコに移して、ロータリーエバポレーターにより低沸点成分を留去することにより粘度6000mPa・sの黄色透明液体48.0gを得た。この液体は、13C−NMRおよび29Si−NMRによる分析の結果、平均単位式:
【化75】
で表されるオルガノポリシロキサンであることが確認された。
【0046】
[実施例8]
撹拌装置、温度計、および還流冷却管を備えた100mlの3つ口フラスコに、構造式:
【化76】
で表されるオルガノポリシロキサン72.8g(0.015モル)、構造式:
【化77】
で表されるシラトラン誘導体15.14g(0.062モル)、およびアリルグリシジルエーテル5.25g(0.046モル)を投入し、60℃に加温して2%塩化白金酸IPA溶液を投入した。100℃で2時間加熱攪拌を継続し、IRでSiHの吸収波長2160cm-1のピークが消失したことを確認した。次に、得られた反応混合物全量をなす型フラスコに移して、ロータリーエバポレーターにより低沸点成分を留去することにより粘度480mPa・sの黄色透明液体38.5gを得た。この液体は、13C−NMRおよび29Si−NMRによる分析の結果、構造式:
【化78】
で表されるオルガノポリシロキサンであることが確認された。
【0047】
[実施例9]
撹拌装置、温度計、および還流冷却管を備えた100mlの3つ口フラスコに、構造式:
【化79】
で表されるオルガノポリシロキサン72.8g(0.015モル)、構造式:
【化80】
で表されるシラトラン誘導体17.17g(0.070モル)、およびt−ブチルアリルアミン11.89g(0.094モル)を投入し、60℃に加温して2%塩化白金酸IPA溶液を投入した。100℃で2時間加熱攪拌を継続し、IRでSiHの吸収波長2160cm-1のピークが消失したことを確認した。得られた反応混合物全量をなす型フラスコに移して、ロータリーエバポレーターにより低沸点成分を留去することにより粘度510mPa・sの黄色透明液体38.5gを得た。この液体は、13C−NMRおよび29Si−NMRによる分析の結果、構造式:
【化81】
で表されるオルガノポリシロキサンであることが確認された。
【0048】
【発明の効果】
本発明のオルガノポリシロキサンは、ケイ素原子に結合したシラトラン残基を有する新規な化合物である。また、本発明の製造方法は、このような新規なオルガノポリシロキサンを効率よく製造できるという特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で製造したオルガノジシロキサンの13C−核磁気共鳴分析チャートである。
【図2】 実施例1で製造したオルガノジシロキサンの29Si−核磁気共鳴分析チャートである。
【図3】 実施例2で製造したオルガノポリシロキサンの13C−核磁気共鳴分析チャートである。
【図4】 実施例2で製造したオルガノポリシロキサンの29Si−核磁気共鳴分析チャートである。
【図5】 実施例3で製造したオルガノポリシロキサンの13C−核磁気共鳴分析チャートである。
【図6】 実施例3で製造したオルガノポリシロキサンの29Si−核磁気共鳴分析チャートである。
【図7】 実施例4で製造したオルガノポリシロキサンの13C−核磁気共鳴分析チャートである。
【図8】 実施例4で製造したオルガノポリシロキサンの29Si−核磁気共鳴分析チャートである。
【図9】 実施例5で製造したオルガノポリシロキサンの13C−核磁気共鳴分析チャートである。
【図10】 実施例5で製造したオルガノポリシロキサンの29Si−核磁気共鳴分析チャートである。
【図11】 実施例6で製造したオルガノポリシロキサンの13C−核磁気共鳴分析チャートである。
【図12】 実施例6で製造したオルガノポリシロキサンの29Si−核磁気共鳴分析チャートである。
【図13】 実施例7で製造したオルガノポリシロキサンの13C−核磁気共鳴分析チャートである。
【図14】 実施例7で製造したオルガノポリシロキサンの29Si−核磁気共鳴分析チャートである。
【図15】 実施例8で製造したオルガノポリシロキサンの13C−核磁気共鳴分析チャートである。
【図16】 実施例8で製造したオルガノポリシロキサンの29Si−核磁気共鳴分析チャートである。
【図17】 実施例9で製造したオルガノポリシロキサンの13C−核磁気共鳴分析チャートである。
【図18】 実施例9で製造したオルガノポリシロキサンの29Si−核磁気共鳴分析チャートである。
Claims (7)
- 一般式:
−R4−Si(OR5)xR6 (3-x)
(式中、R4はアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基であり、R5はアルキル基であり、R6は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基であり、xは1〜3の整数である。)
で表される基、アルキレン基、およびアルキレンオキシアルキレン基からなる群より選択される基であり、R3は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基、アルコキシ基、グリシドキシアルキル基、オキシラニルアルキル基、アシロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキレン基、およびアルキレンオキシアルキレン基からなる群より選択される基であり、但し、式中のR2およびR3 の一つはアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基である。}
で表されるシラトラン残基を前記R 2 または前記R3のアルキレン基もしくはアルキレンオキシアルキレン基を介して分子中のケイ素原子に結合している、25℃における粘度が50〜1,000,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン。 - オルガノポリシロキサンが、分子中のケイ素原子に、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、フェノール基、エポキシ基、およびポリオキシアルキレン基からなる群より選択される少なくとも一種の基を含有するアルキル基またはアルキルオキシアルキル基を結合していることを特徴とする、請求項1記載のオルガノポリシロキサン。
- (A)一般式:
NHy(CR1 2CR1 2OH)(3-y)
(式中、R1は同じか、または異なる水素原子もしくはアルキル基であり、yは1〜3の整数である。)
で表されるアンモニアまたはアミン化合物、(B)分子中のケイ素原子に、エポキシ基を含有するアルキル基またはアルキルオキシアルキル基を結合しているオルガノポリシロキサン、(C)一般式:
R7Si(OR8)3
(式中、R7は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基、アルコキシ基、グリシドキシアルキル基、オキシラニルアルキル基、アシロキシアルキル基、およびアミノアルキル基からなる群より選択される基であり、R8はアルキル基である。)
で表されるアルコキシシラン、および必要に応じて、(D)一般式:
−R4−Si(OR5)xR6 (3-x)
(式中、R4はアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基であり、R5はアルキル基であり、R6は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基であり、xは1〜3の整数である。)
で表される基からなる群より選択される基である。}
で表されるエポキシ化合物を、(B)成分中のエポキシ基1モルに対して、(A)成分中のyが1である場合、(A)成分0.5〜1.5モル、(C)成分1.0〜10モル、(A)成分中のyが2である場合、(A)成分0.5〜1.5モル、(C)成分1.0〜10モル、(D)成分0.2〜1.5モル、また、(A)成分中のyが3である場合、(A)成分0.5〜1.5モル、(C)成分1.0〜10モル、(D)成分1.0〜2.5モルとなる量でシラトラン残基形成反応させることを特徴とする、一般式:
−R4−Si(OR5)xR6 (3-x)
(式中、R4はアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基であり、R5はアルキル基であり、R6は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基であり、xは1〜3の整数である。)
で表される基、アルキレン基、およびアルキレンオキシアルキレン基からなる群より選択される基であり、R3は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基、アルコキシ基、グリシドキシアルキル基、オキシラニルアルキル基、アシロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキレン基、およびアルキレンオキシアルキレン基からなる群より選択される基であり、但し、式中のR2およびR3 の一つはアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基である。}
で表されるシラトラン残基を前記R 2 または前記R3のアルキレン基もしくはアルキレンオキシアルキレン基を介して分子中のケイ素原子に結合しているオルガノポリシロキサンの製造方法。 - アルコールの存在下で反応させることを特徴とする、請求項3記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
- (E)一般式:
NHz(CR1 2CR1 2OH)(3-z)
(式中、R1は同じか、または異なる水素原子もしくはアルキル基であり、zは0〜3の整数である。)
で表されるアンモニアまたはアミン化合物、(F)分子中のケイ素原子に、トリアルコキシシリル基を含有するアルキル基またはアルキルオキシアルキル基を結合しているオルガノポリシロキサン、および必要に応じて、(D)一般式:
−R4−Si(OR5)xR6 (3-x)
(式中、R4はアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基であり、R5はアルキル基であり、R6は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基であり、xは1〜3の整数である。)
で表される基からなる群より選択される基である。}
で表されるエポキシ化合物を、(F)成分中のトリアルコキシシリル基1モルに対して、(E)成分中のzが0である場合、(E)成分0.5〜1.5モル、(E)成分中のzが1である場合、(E)成分0.5〜1.5モル、(D)成分0.5〜1.5モル、(E)成分中のzが2である場合、(E)成分0.5〜1.5モル、(D)成分1.5〜2.5モル、また、(E)成分中のzが3である場合、(E)成分0.5〜1.5モル、(D)成分2.5〜5モルとなる量でシラトラン残基形成反応させることを特徴とする、一般式:
−R4−Si(OR5)xR6 (3-x)
(式中、R4はアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基であり、R5はアルキル基であり、R6は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基であり、xは1〜3の整数である。)
で表される基、アルキレン基、およびアルキレンオキシアルキレン基からなる群より選択される基であり、R3は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基、アルコキシ基、グリシドキシアルキル基、オキシラニルアルキル基、アシロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキレン基、およびアルキレンオキシアルキレン基からなる群より選択される基であり、但し、式中のR2およびR3 の一つはアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基である。}
で表されるシラトラン残基を前記R 2 または前記R3のアルキレン基もしくはアルキレンオキシアルキレン基を介して分子中のケイ素原子に結合しているオルガノポリシロキサンの製造方法。 - アルコールの存在下で反応させることを特徴とする、請求項5記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
- (G)一分子中に少なくとも1個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン、(H)一般式:
−R4−Si(OR5)xR6 (3-x)
(式中、R4はアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基であり、R5はアルキル基であり、R6は非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基であり、xは1〜3の整数である。)
で表される基、アルケニル基、およびアルケニルオキシアルキル基からなる群より選択される基であり、R11はアルキル基、アリール基、アルコキシ基、グリシドキシアルキル基、オキシラニルアルキル基、アシロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルケニル基、およびアルケニルオキシアルキル基からなる群より選択される基であり、但し、式中のR10およびR11 の一つはアルケニル基またはアルケニルオキシアルキル基である。}
で表されるシラトラン誘導体{(G)成分中のケイ素原子結合水素原子1モルに対して、(H)成分中のアルケニル基が0.01〜3.0モルとなる量}、および必要に応じて(I)アミノ基、カルボキシル基、水酸基、フェノール基、エポキシ基、およびポリオキシアルキレン基からなる群より選択される少なくとも一種の基と脂肪族不飽和結合を有する有機化合物{(G)成分中のケイ素原子結合水素原子1モルに対して、(I)成分中の脂肪族不飽和結合が0〜5.0モルとなる量}をヒドロシリル化反応用触媒で付加反応させることを特徴とする、請求項1記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
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