JP4754132B2 - 伝動ベルト等の成形型及びこれを用いた加硫装置 - Google Patents

伝動ベルト等の成形型及びこれを用いた加硫装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、伝動ベルト等の筒状成形に用いる成形型とこれを用いて行う加硫装置に係り、詳しくはローエッジベルト、Vリブドベルト、ダブルVリブドベルト、歯付ベルト等の成形型面の裏面に熱媒を収容する空洞を設けて回転軸体に連通させて加熱熱媒を導入出して加熱するもので、とりわけ周長が大きく内容積が大きくなるに伴い停滞量を無くして効率的な加硫が出来る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
中空金型の外周に成形した筒状ゴム成形体の外周面に同心状に外挿したジャケットを膨脹収縮させて加硫する方法につては、特公昭53−27311号公報、特公昭60−50569号公報、特公平6−8011号公報に開示されている。また本出願人からも特開平4−224909号公報、特開2000−824を提案している。
【0003】
ところが、これらにおいては何れも成形型の外周に成型した未加硫体をその外周から加熱加圧する加圧型と可撓膜つまりジャケット等に係わる技術であり、本発明に係わる成形型については一体中空体として構成され、つまり筒状体の両端面を密閉してその両端面の中心に回転軸を備えて熱媒体の導入排出流路として構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この一体中空体形状をした成形型では、成形サイズが大きくなり筒状径が大きくなると、それに伴って成形型内の内容積が大きくなり、これに導入出する熱媒の停滞量が多くなる問題がある。また蒸気源を熱媒とすると高圧気体を導入する事から加圧容器として構成し補強板材等も付加されて、同時に本来は加熱が不要な両端面やこれら型強化部材等を含んで、一体中空体として構成材の全体を加熱せざるを得ない、加熱ロスの多い構成である。従って加熱負荷容量が増えて加熱時間も要する問題がある。
【0005】
加熱熱媒には、蒸気源や熱媒オイル等が用いられて、蒸気源では放熱して液化した排水ドレーンが停滞しまた熱媒オイル等の液体ではとりわけ循環停滞量が多いことから加熱速度や温度分布等の障害がある。
【0006】
上述の様な問題や障害から、型費が高価で、取扱操作が厄介でまた加熱容量が増えることから加熱時間が掛かり、加熱エネルギーロスが発生して、製造原価を上げる問題がある。
【0007】
本発明は、このような円柱体内部が空っぽの一体中空成形型の抱かえる問題を改善するもので、加熱空間と型構造を見直して、加熱時間が短縮出来、温度バラツキを少なく出来る様な成形型としこれを用いた加硫装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち本願請求項1記載の発明では、未加硫のベルトスリーブを成形して加硫する際に用いる伝動ベルト等の成形型において、熱媒体の流路を備えた前記成形型の回転軸体と、前記成形型の外周壁面の内面側に熱媒体を収容する空洞を内臓した中空胴体と、前記回転軸体と前記中空胴体を接合する連結部材と、前記回転軸体内の流路と前記中空胴体を連通して熱媒体の導入排出を行う流路とを備えていることを特徴とする。
【0009】
これによれば、加熱を必要とする成形型の外周壁面をその内面側に構成した熱媒体を収容する空洞に限定して、熱媒体を流入させることが出来るから、型内での熱媒の停滞量が削減出来て、且つ加圧部が限定されて補強部材も薄肉化して型重量も軽減できる。また前記空洞内の停滞量が少ないことから成形型の内面側に接触する流速が早くなり加熱伝熱速度を上げることが出来、液体媒体を型内や管路に充液して効果的に使用できる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1において前記中空胴体を連通して熱媒体の導入排出を行う流路において、中空胴体への接続流路がその接続点でその胴壁面円周の接線方向に傾斜させて配設してある。
これによれば、環状の空洞に接続する出入口部で、円周方向に沿うスムースな吐出流れと吸入流れが出来る。このドーナツ形状内を螺旋状に流れてその方向流れを加速する事から出入り口の数を最小にして良好な温度分布が得られる。また熱媒体の流動圧損が少なく、液体の熱媒体が使える。
【0011】
請求項3、4に記載の発明では、請求項1において、前記熱媒体の流路を備えた回転軸体において、その流路が熱媒体の導入口と排出口に仕切されて、前記回転軸体内の流路と中空胴体を連通して熱媒体の導入排出を行う配管が、ループ状に流れ勾配を設けてある。
これによれば、回転軸体の一方から導入された熱媒体が、この回転軸体の他方へ漏出することなく仕切を挟んだ前後で、この熱媒体を中空胴体に導出する側と、この中空胴体から排出される熱媒体を型外に導出する側に分離出来るから、ドーナツ状の空洞内を均等に分流した流れを創出できる。更に加熱完了後の空洞内に残留する熱媒体を確実に排出できる。
【0012】
請求項5に記載の発明では、請求項1において、前記熱媒体の流路を備えた回転軸体の両端部において、その内面が円錐状の摺り合わせ穴で、外面側が嵌合軸としてある。これによれば、先端が円錐体である押し圧部材を、この成形型の円錐状の摺り合わせ穴に両側から挟持する事で、回転並びに水平位置決めが出来る。同時に軸芯の流路の連結も円錐状の摺り合わせ穴と押し圧部材で容易に漏れなく行える。また外面側の嵌合軸により外方から軸部をチャックし吊り上げや補助連結具が設置できる。
【0013】
請求項6に記載の発明では、成形型の外周面に成形した未加硫のベルトスリーブに、筒状ケーシングの内側に密封状態で取り付けた筒状ジャケットを同心状に外挿して、該ジャケットを膨張、収縮させて成形型に熱媒体を入れて加硫する伝動ベルト等の加硫装置において、
その成形型が、熱媒体の流路を備えた前記成形型の回転軸体と、
前記成形型の外周壁面の内面側に熱媒体を収容する空洞を内臓した中空胴体と、
前記回転軸体と前記中空胴体を接合する連結部材と、
前記回転軸体内の流路と前記中空胴体を連通して熱媒体の導入排出を行う流路と
を備えていることを特徴とする。
【0014】
これによれば、成形金型は、型内での熱媒の停滞量が少なくて、更に空洞内の容積が小さいことから環流流速がアップして加熱速度を上げることが出来るから、この成形型を用いれば、簡素化した、エネルギー効率の高い、加硫サイクルを短縮した加硫装置が実現できる。とりわけ周長が大きくなるに伴い中空容積を効果的に低減して停滞のない確実な加硫が出来る。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下添付図1〜3を参照し本発明の伝動ベルト等の成形型及びそれを用いた加硫装置を説明する。図1は本発明の伝動ベルト等の成形型の正面図でその縦断面図である。図2は本発明の伝動ベルト等の成形型の上面図で、中空胴体と回転軸体を連通する導入出流路並びに連結部材を表す。図3は本発明の伝動ベルト等の加硫装置の正面図で、その縦断面図を示す。
【0016】
先ず成形型2について、図1、2を用いてその構成から説明する。図1に示す様に、筒状の外周壁面31を成形基準面にして未加硫のベルトスリーブ3が成形被覆されている。伝動ベルト等はローエッジ、Vリブドベルト、ダブルVリブドベルト、タイミングベルトに適用し、歯付ベルト用ではこの外周壁面31に軸方向の歯型となる溝部を持ち、ローエッジベルトやリブドベルト等では平坦面で構成してある。
【0017】
この未加硫のベルトスリーブ3を加熱軟化させて、同時に加圧圧縮しながらエアーを排除し加硫成形する事により加硫ベルトスリーブ3が得られる。このスリーブの表裏面を選択してリブ溝或いは平滑面等の面加工を施してベルト幅に輪切りして伝動ベルトを製造する。
【0018】
上述の如く、加熱して用いられる成形型は、図1に示すように、外周壁面31の裏面側に熱媒体を収容する空洞32を内臓した中空胴体30と、中空軸穴の両端部に熱媒体の導入口12と排出口13を有して両端支持で回転する突き出し軸11を備えた回転軸体36と、これらの間を接合する構造部材である連結部材34と、またこれらの間に熱媒体を連通させる導入配管38と排出配管39を備えた熱媒体の導入排出を行う流路とから構成されている。
【0019】
この成形型を用いてスリーブを加熱し、更にこの外周から加圧加熱する筒状ケーシング6を備えた筒状ジャケット5と組み合わせて行う加硫装置については後述することにし、先に以上の成形型の各構成要素の個別内容について図1,2を用いて詳述する。
【0020】
先ず、回転軸体36は、成形型2の両端面の中心から突き出した突出軸11を連結して一体となした一本の中空軸にしてある。一端部はその外面に型を吊るチャックを嵌着出来る外周溝41を備え、また両端中心部には円錐状の摺り合わせ穴を設けて成形型2を両端で回転支持出来る構成にしてある。
【0021】
また、この回転軸体36は内部貫通流路の途中に仕切を設けて区画してある。この仕切部材には、管用プラグ形状から成る締切栓37が用いてあり、プラグ前端部に液残りがないように凸形状にしてあり、軸端から若干内径を大きくした穴に挿入し仕切位置で脱着可能にネジ止めしてある。
【0022】
次に中空胴体30は、図1に示すように、2重管状でそのリング状の断面からなる外空間部の両端面を密閉した形状で、内部空間を空洞32とした構成から成る。この空洞32に熱媒体を導入出する事で保有内容積を少なくしつまり停滞量を少なくして、成形面である外周壁面31を重点的に効果的に加熱できる。
【0023】
次いで、連結部材34は、図2にその上面配置を示しているように前述の回転軸体36と中空胴体30との間隔に軸芯から放射状に均等間隔で複数のリブ材を設けて固着した構成で、回転軸体36を両端支持し回転させて外周壁面31の振れは最小に成るように仕上げ加工が施してある。
【0024】
次に、導入出流路は図2において回転軸体36内の熱媒体の導入路と中空胴体30内の空洞32との間で熱媒を空洞32へ導入する流路と空洞32の熱媒を排出する流路から構成している。
【0025】
また、この流路は成形面が均一な温度で加熱できるように図1,2では4本の流路でそれぞれ構成してあり、この本数は型サイズにより増数したり、経路の口径を大きくして対応するようにしてある。
【0026】
更に、型内の熱媒の流れについて、図1を用いて説明する。先ず回転軸体36の一端にある導入口12から成形型2内に導入され、仕切栓37に突き当たって複数の流路に分流する(各流路は同一流路だから一流路の流れを示す)。分流して、導入接続口12aから導入配管38を経由して中空胴体30の上部に設けてある導入接続口12bから空洞32に噴入して循環流を形成して温度バランス良く加熱する。
【0027】
一方、中空胴体30の下部に設けてある排出接続口13bから、空洞32内の加熱を終えた熱媒を排出する。排出接続口13bに配管した排出配管39を経由して回転軸体36の他端で仕切栓37後の排出接続口13aに導出して型外に排出する。
【0028】
続いて中空胴体30への接続流路は、図2に示す様に導入接続口12b、排出接続口13bが何れも中空胴体30への取付の向きが傾けてある。つまり導入接続口12bは、図2中で時計方向回りの導入配管流路でその取付の向きも同方向のループ状の流れに成るように傾斜してある。
【0029】
また、中空胴体30からの出口になる排出接続口13bは、空洞30内を時計方向に環流した熱媒をスムーズに排出できる様に流れに沿ってループ状に同方向の向きに呼び込めるように取り付けてある。
【0030】
この様なループ状のスムーズな流れによって空洞30内の熱媒の環流速を上げて均一加熱作用を発揮させるもので、前述の各接続口12b、13bの取付向きは、時計回りに限定させるものでなく反時計回りも出来る。
【0031】
更に導入出配管は、図1に示すように流れ勾配が設けてある。これは、上位の接続口と下位の接続口の間をループ状の流路として漸次高低差を設けて構成してある。ループ状の流路や空洞30内に熱媒が残留するのを阻止するものである。
【0032】
本発明に係わる伝動ベルト等の加硫装置の縦断面図を図3に示す。以下、この図面を用いて詳述する。本発明の加硫装置1は、外周面に未加硫のベルトスリーブ3を装着した成形型2と、成形型2を設置する型支持部材4と、未加硫のベルトスリーブ3の外周面側に密封状態でケーシングに装着したジャケット5と、そして圧力媒体空間部7と加熱媒体空間部8から画定されるケーシング6とから構成されている。
【0033】
先ず、本発明の成形型2は、前述したようにその外周壁面の裏面側に熱媒体を収容する空洞32を内蔵した中空胴体30を、回転軸体36の回りに同心状に配した環状の形態を備えて簡便に構成してある。ここでは、中空胴体30にある空洞32に蒸気等の加熱媒体を導入出して、成形型2を加熱してある。
【0034】
中空軸である回転軸体36が成形型の両側面に突き出て、両端で回転支持が出来る。一方の端面にはチャックが装着出来て、また両端面に熱媒体の導入口12と排出口13が設けてある。熱媒体を熱媒体供給部14からこの端面の導入口12ともう一方の端面の排出口13に軸継ぎ手のような連結部材29によって脱着可能に着装してある。
【0035】
成形型2の温度を一定に保持し、また熱媒体の外部への漏れもなくなり、ベルトスリーブ3の心線が劣化や、ベルトの機能が損なわれるといった問題を回避することができる。
【0036】
次に、型支持部材4には排出口13を挿入する貫通穴16があり、成形型2の排出口13を挿入して安定して成形型2を設置出来る。尚、型支持部材4と成形型2との間には、特に熱媒体の漏れを阻止するためのシール材を設ける必要はない。
【0037】
円筒体のケーシング6の内側には、伸縮膨張可能なゴム、ウレタン等の弾性体からなるジャケット5が配置され、上下端部に外方向へ突出した折り曲げ部17がケーシング6の端部18に固着され、ジャケット5とケーシング6間に加圧した空気のような圧力媒体を封入する圧力媒体空間部7を密封形成し、上記圧力媒体を入れる導入口19を有している。
【0038】
上記ケーシング6の外側には、蒸気、シリコンオイルのような熱媒油などの熱媒体を入れて圧力媒体空間部7の圧力媒体を加熱する加熱媒体空間部8が形成されている。該空間部8へ通じる注入口22と排出口23が穿設され、これらの各注入口22から熱媒体を加熱媒体空間部8へ送り込むようになっている。
【0039】
しかして、本発明の加硫装置1では、成形型2の外周に成形装着した未加硫のベルトスリーブ3を加熱するに際して、その外周壁面の裏面側に熱媒体を収容する空洞32を内蔵した中空胴体30を、回転軸体36の回りに同心状に配した環状の形態で構成してあるので、加熱要部を集中的に加熱し、加熱ロスが少なく、立ち上がりが早い。
【0040】
また、未加硫のベルトスリーブ3の外周面には筒状ケーシングの内側に密封状態で取り付けた筒状ジャケットで加圧加熱を行う事から、成形型2とジャケット5の上端面に上蓋を使用せずに成形型2とジャケット5の間隙部26を外部へ連通させ、この状態で加硫を行い、加硫中にジャケット5と成形型2間あるいはジャケット5とベルトスリーブ3間に内在する空気を抵抗なく外部へ自由に放出して気泡の含まないベルトスリーブ得ることができる。
【0041】
また、熱媒体を導入口12、空洞32、排出口13、そして配管15を経由して循環させ、常時成形型2の温度を一定に保持し、更に熱媒体の外部への漏れもをなくすことができるため、ベルト成形体の心線が劣化や、ベルトの機能が損なわれるといった問題を回避することができる。
【0042】
以下に、本発明の加硫装置1を使用して未加硫のベルトスリーブ3を加硫する工程を説明する。1)まず、未加硫のベルトスリーブ3を取り付けた成形型2を予め設置されたジャケット5内へ挿入する。このとき、ジャケット5とケーシング6間の圧力媒体空間部7の圧力は常圧になっている。
【0043】
2)そして、加圧装置を作動させて圧力媒体である空気を加圧してジャケット5を膨張させ、未加硫ベルトスリーブ3を加圧する。同時に、加熱したシリコンオイルからなる熱媒体を注入口22から加熱媒体空間部8へ導入し、そして排出口23から外部へ放出して循環し、加熱媒体空間部8の温度を一定に維持し、内側に隣接する圧力媒体空間部7の圧力媒体を加熱する。
【0044】
3)同時に、加熱した蒸気を導入口12、熱媒収容部10、排出口13、そして配管15を経由して循環させ、常時成形型2の温度を一定に保持して未加硫のベルトスリーブ3を加硫する。更に、加熱した蒸気は導入口12、熱媒収容部10、排出口13、そして配管15を経由して常時循環しているため、外部への漏れもなくなる。
【0045】
4)未加硫のベルトスリーブ3とジャケット5との間あるいは未加硫のベルトスリーブ3と成形型2との間に内在している空気は、上蓋がないため大気中へ自由に排出されるため、気泡を含まない品質の良いベルトスリーブを得ることができる。むろん、ジャケット5を膨張、収縮させる圧力媒体を入れる圧力媒体空間部7と、その外側に圧力媒体を加熱する加熱媒体を入れた加熱媒体空間部8とを区分して設けたことにより、ジャケット5が直接加熱媒体に触れることがないため、その熱老化も起こしにくく、寿命も向上する
【0046】
5)また、加硫後は、図3に示すようにケーシング6の圧力媒体空間部7の内圧を元に戻してジャケット5を収縮させた後、成形型2の熱媒収容部10への熱媒体の供給を停止して、配管15と導入口12及び排出口13との連結を開放した後、成形型2を取り出す。
【0047】
尚、実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば次の様に変更実施して良い。1)成形型の外周壁面の内面側に熱媒体を収容する空洞については、必ずしも本実施例に拘わらず、パイプ材を前記内面側つまり内面壁にコイル状に配設してロー付けしたり、或いは前記外周壁面を厚肉にしてドリル穴加工して得られるドリルドホールも空洞と出来る。
【0048】
2)回転軸体と前記中空胴体を接合する連結部材は、軸芯から放射状に均等間隔で複数のリブ材を設けて固着した構成で例示してあるが、自転車車輪のスポークの様に構成できるし、また穴開き円盤状のフランジ構造も可能である。
【0049】
【発明の効果】
本願請求項1の記載の発明では、型内での熱媒の停滞量が削減出来、また加熱速度を上げることが出来るから、型加熱時間の短縮に伴い全体時間の短縮と加熱エネルギー損失が低減できる。
【0050】
本願請求項2の記載の発明では、円周方向に沿うスムースな吐出流れと吸入流れが出来る事から流動圧損が少なく、またドーナツ形状内を螺旋状に流れてその方向流れを加速する事から加熱面を均一な温度に出来るので、品質の安定とエネルギーロスの削減が出来た。
【0051】
本願請求項3、4の記載の発明では、ドーナツ状の空洞内を均等に分流した流れが創出できるから、均一な加熱が出来て加硫品質が向上する。更に加熱完了後の空洞内に残留する熱媒体を確実に排出できるから、型搬送時の熱媒体の漏洩も解決できた。
【0052】
本願請求項5の記載の発明では、先端が円錐体である押し圧部材を、この成形型の円錐状の摺り合わせ穴に両側から挟持する事で、回転並びに水平位置決めが出来るから、金型外部から回転軸体を通じて簡便に熱媒の導入出が出来る。
【0053】
本願請求項6の記載の発明では、エネルギー効率の高い、加硫サイクルを短縮した加硫装置が実現できる事から、先ず加硫装置のイニシャルコスト、ランニングコストが削減でき、更にサイクルアップに伴い原価低減が出来る。以上のことから、とりわけ周長の長いサイズにおいて小ロット生産に適した装置づくりが出来る。以上の様に、本願の請求項1〜6記載の伝動ベルト等の成形型及びこれを用いた加硫装置に係わる発明では機能を発揮する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の伝動ベルト等の成形型の正面図で縦断面図である。
【図2】本発明の伝動ベルト等の成形型の上面図で、中空胴体と回転軸体を連通する導入出流路並びに連結部材を表す。
【図3】本発明の伝動ベルト等の加硫装置の正面図で、その縦断面図を示す。
【符号の説明】
1 加硫装置
2 成形型
3 ベルトスリーブ
4 型支持部材
5 ジャケット
6 ケーシング
30 中空胴体
32 空洞
34 連結部材
36 回転軸体
37 仕切栓
38 導入配管
39 排出配管

Claims (6)

  1. 未加硫のベルトスリーブを成形して加硫する際に用いる伝動ベルト等の成形型において、
    熱媒体の流路を備えた前記成形型の回転軸体と、
    前記成形型の外周壁面の内面側に熱媒体を収容する空洞を内臓した中空胴体と、
    前記回転軸体と前記中空胴体を接合する連結部材と、
    前記回転軸体内の流路と前記中空胴体を連通して熱媒体の導入排出を行う流路と
    を備えていることを特徴とする伝動ベルト等の成形型。
  2. 前記中空胴体を連通して熱媒体の導入排出を行う流路において、中空胴体への接続流路がその接続点でその胴壁面円周の接線方向に傾斜させて配設してある請求項1記載の伝動ベルト等の成形型。
  3. 前記熱媒体の流路を備えた回転軸体において、その流路が熱媒体の導入口と排出口に仕切されている請求項1記載の伝動ベルト等の成形型。
  4. 前記回転軸体内の流路と中空胴体を連通して熱媒体の導入排出を行う配管が、ループ状に流れ勾配を設けてある請求項1記載の伝動ベルト等の成形型。
  5. 前記熱媒体の流路を備えた回転軸体の両端部において、その内面が円錐状の摺り合わせ穴で、外面側が嵌合軸としてある請求項1記載の伝動ベルト等の成形型。
  6. 成形型の外周面に成形した未加硫のベルトスリーブに、筒状ケーシングの内側に密封状態で取り付けた筒状ジャケットを同心状に外挿して、該ジャケットを膨張、収縮させて成形型に熱媒体を入れて加硫する伝動ベルト等の加硫装置において、
    その成形型が、熱媒体の流路を備えた前記成形型の回転軸体と、
    前記成形型の外周壁面の内面側に熱媒体を収容する空洞を内臓した中空胴体と、
    前記回転軸体と前記中空胴体を接合する連結部材と、
    前記回転軸体内の流路と前記中空胴体を連通して熱媒体の導入排出を行う流路と
    を備えていることを特徴とする伝動ベルト等の加硫装置。
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