JP4751720B2 - 遺伝子解析装置 - Google Patents

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本発明は医療現場において各種自動解析、例えば遺伝子解析の研究や臨床を行なうのに適する反応容器を用いた遺伝子解析装置に関するものであり、例えば人間を初めとする動物や植物のゲノムDNAの多型、例えばSNP(一塩基多型)などを検出するための反応容器を扱う遺伝子解析装置に関するものである。
遺伝子多型を利用して病気の罹りやすさなどを予測する方法又は装置として、下記のようなものが提案されている。
患者が敗血症に罹りやすいか否か及び/又は敗血症に急速に進行しやすいか否かを決定するために、患者から核酸サンプルを採取し、該サンプル中におけるパターン2対立遺伝子、又はパターン2対立遺伝子と連鎖不平衡であるマーカー遺伝子を検出し、パターン2対立遺伝子又はパターン2対立遺伝子と連鎖不平衡であるマーカー遺伝子が検出されれば該患者が敗血症に罹りやすいと判定する(特許文献1参照。)。
ヒトのflt−1遺伝子中の1又はそれ以上の単一ヌクレオチド多型性の診断のために、ヒトの核酸の1又はそれ以上の位置:1953、3453、3888(各々EMBL受理番号X51602中の位置に従う)、519、786、1422、1429(各々EMBL受理番号D64016中の位置に従う)、454(配列番号3に従う)及び696(配列番号5に従う)の配列を決定し、flt−1遺伝子中の多型性を参照することにより、そのヒトの体質を決定する(特許文献2参照。)。
SNP部位の塩基を判別する、いわゆるタイピングについては多くの手法が報告されている。そのうちの代表的なものは次の方法である。
比較的に少量の核酸を用いて数十万箇所に及ぶSNP部位についてタイピングを行なうために、少なくとも一つの一塩基多型部位を含む複数の塩基配列を、核酸及び複数対のプライマーを用いて同時に増幅し、増幅した複数の塩基配列を用いて、当該塩基配列に含まれる一塩基多型部位の塩基をタイピング工程により判別する。そのタイピング工程として、インベーダ(登録商標)法又はタックマン(登録商標)PCR(polymerase chain reaction)法を用いる(特許文献3参照。)。
本発明者らは、試薬収容部一体型でかつタイピング用の複数のプローブがそれぞれ小さな凹部からなるウエルに配置されている反応容器で、試薬収容部のシール材を貫通して分注する方式のものを提案している。そこでは、ウエルの大きさは、例えば直径が100μm〜2mm、深さが50μm〜1.5mmである。
また、その反応容器には微量の反応液を扱う増幅反応部としてPCR反応部が設けられているが、そのPCR反応部は反応部となる流路とそれにつながる分注ポートとからなる。PCR反応部は樹脂プレートにより構成することもでき、樹脂プレートと弾性プレートにより構成することもできる。弾性プレートを使用する場合は分注ポートを弾性プレートにより構成するのが好ましい。弾性プレートはPDMS(ポリジメチルシロキサン)やシリコーンゴムなどからなり、分注ポートに使い捨て可能なチップで分注する際、ポート壁面が弾性変形するので密着性がよく、液漏れがない。
PCR反応部のPCR反応領域は熱交換が容易になるように、プレート断面は流路と外表面との厚みが例えば0.1〜0.5mmに薄くなっている。PCR反応部で扱う増幅反応液であるPCR反応液の量は、例えば0.1μL〜5μL程度と微量である。
特表2002−533096号公報 特開2001−299366号公報 特開2002−300894号公報 特許第3452717号公報 Hsu T. M., Law S. M, Duan S, Neri B. P., Kwok P. Y., "Genotyping single-nucleotide polymorphisms by the invader assay with dual-color fluorescence polarization detection", Clin. Chem., 2001 Aug;47(8):1373-7
提案中の反応容器を使用する遺伝子解析装置では、反応容器において遺伝子増幅反応を終了した増幅反応終了液を分注装置のノズルから吸引した後、同じ分注装置のノズルを用いて、次の検体のPCR反応に関わるPCR用試薬やサンプル溶液などの溶液を吸引する。この場合、分注装置として遺伝子増幅反応の前後を通して共通の分注装置を使用する場合は、ノズルの先端に使い捨て可能な分注チップを取り付け検体ごとに付け替えたとしても、分注装置のノズルやシリンジ内部のエアロゾルや飛沫を介して、遺伝子増幅反応前の増幅反応液に増幅反応終了液が混入し、コンタミネーションが発生するという問題があった。この段階でコンタミネーションが発生すると、それに起因した誤差までもが遺伝子増幅反応によって増幅されてしまうため、結果として遺伝子解析結果に大きな誤差が生じるという問題があった。
本発明は、遺伝子解析装置において、遺伝子増幅反応前の増幅反応液が増幅反応終了液によって汚染されるのを防止して、解析精度を向上させることを目的としている。
本発明の遺伝子解析装置は、少なくとも増幅反応部を基板に備えた反応容器を装着する装着部と、増幅反応部内の増幅反応液に遺伝子増幅反応をさせるために増幅反応部の温度を制御する増幅反応温度制御部と、分注チップにより増幅反応液を増幅反応部へ分注し、遺伝子増幅反応終了後に増幅反応終了液を増幅反応部から他の部分へ移送する分注装置とを備えたものであり、分注装置が遺伝子増幅反応前の増幅反応液を扱う第1分注部と、遺伝子増幅反応終了後の増幅反応終了液を扱う第2分注部とを備えている遺伝子解析装置である。
反応容器の好ましい一例は、増幅反応部を備えた基板に、凹部として形成され不揮発性液体を収容しフィルムで封止された不揮発性液体収容部をさらに備えたものである。
反応容器のさらに好ましい一例は、増幅反応部を備えた基板に、凹部として形成され複数の多型部位それぞれをはさんで結合する複数のプライマーを含む遺伝子増幅試薬を収容しフィルムで封止された遺伝子増幅試薬収容部をさらに備えたものである。
反応容器のさらに好ましい一例は、増幅反応部を備えた基板に、凹部として形成されタイピング試薬を収容しフィルムで封止されたタイピング試薬収容部と、複数の多型部位のそれぞれに対応して蛍光を発するプローブを個別に保持した複数のプローブ配置部とを備えたものである。
本発明の遺伝子解析装置は、遺伝子増幅反応前の増幅反応液を扱う分注部と、遺伝子増幅反応終了後の増幅反応終了液を扱う分注部とを別のものとしたので、分注装置のノズルやシリンジ内部のエアロゾルや飛沫を介して増幅反応終了液によって別の検体が汚染されることを防ぐことができる。
図1は本発明が適用される遺伝子解析装置の一例を概略的に示したのである。
図1には表わされていないが、少なくとも増幅反応部を基板に備えた反応容器を装着する装着部を備えている。さらに、図1に示されるように、吸引及び吐出を行なって反応容器の液の移送を行なうために第1、第2の2つのノズル28−1,28−2を備えている。第1のノズル28−1は遺伝子増幅反応前の増幅反応液を扱うもの、第2のノズル28−2は遺伝子増幅反応終了後の増幅反応終了液を扱うものである。それらのノズル28−1,28−2は先端に使い捨て可能な分注チップを装着した状態で液の吸引と吐出を行なう。液の吸入は分注チップ内で行なわれる。分注チップは検体ごとに付け替えられる。それらのノズル28−1,28−2を移動させて液の分注を行なうために分注部112を備えている。制御部118は少なくとも分注部112の分注動作を制御する。
ノズルによる吸引と吐出の動作は、ノズルの先端に分注チップを装着した状態で行なわれるので、動作時の説明でノズルというときは先端に分注チップを装着した状態のものを意味している。
反応容器の好ましい一例は、遺伝子多型診断用反応容器であって、試薬収容部として複数の多型部位それぞれをはさんで結合する複数のプライマーを含む遺伝子増幅試薬を収容した遺伝子増幅試薬収容部、及びタイピング試薬を収容したタイピング試薬収容部を備え、反応部として遺伝子増幅試薬とサンプルとの混合液に対して遺伝子増幅反応を行なわせる増幅反応部を備え、さらに複数の多型部位のそれぞれに対応して蛍光を発するプローブを個別に保持した複数のプローブ配置部を備えたものである。そして、増幅反応部が基板内部に形成された流路をもち、その流路の端部に開口形状のポートをもつ流路型反応部となっている。その場合、この反応容器処理装置は、さらに、増幅部として、図1に示されるように、増幅反応部の温度をサンプルと遺伝子増幅試薬との反応液内でDNAを増幅させる遺伝子増幅のための温度に制御する増幅反応温度制御部120と、プローブ配置部の温度をサンプルのゲノムDNAとタイピング試薬との反応液をプローブ配置部のプローブと反応させる温度に制御するタイピング反応温度制御部110と、各プローブ配置部に励起光を照射して蛍光を検出する蛍光検出部64とを備え、制御部118は増幅反応温度制御部120の温度制御、タイピング反応温度制御部110の温度制御、及び蛍光検出部64の検出動作も行なうものとなる。
タイピング反応としてインベーダ(登録商標)反応を使用する場合は、タイピング反応温度制御部110はインベーダ(登録商標)反応のための温度調節部となる。
遺伝子増幅反応としてPCR反応を使用する場合は、増幅反応温度制御部120はPCR反応のための温度サイクル用の温度調節部となる。
制御部118を外部から操作したり検査結果を表示したりするために、制御部118にパーソナルコンピュータ(PC)122を接続してもよい。
本発明による多型検出の対象は特に限定されないが、例えばcDNA、ヒトを含む様々な生物の遺伝子、ウイルス及び細菌を含む様々な微生物の遺伝子などが挙げられる。したがって、これら核酸の配列をもつものを核酸増幅のための鋳型核酸とすることができる。また、これら多型検出の対象となる遺伝子としては、DNAの遺伝子であるかRNAの遺伝子であるかを問わない。
これらの遺伝子を含むサンプルも特に限定されない。すなわち、生体試料、生体由来試料、抽出核酸試料などに対して多型検出を行なうことができる。ここで、生体試料や生体由来試料は、核酸の抽出操作を行なわず、核酸包含体(例えば細胞、真菌、細菌、ウイルスなど、核酸を内部に含有する膜構造体)を維持した形態の試料である。生体試料の例としては、臓器、組織、体液、排泄物などが挙げられる。体液には、血液試料、髄液、唾液、乳などが含まれる。血液試料には、全血、血漿、血清などが含まれる。排泄物には、尿、便などが含まれる。生体由来試料は、生体試料から回収した核酸包含体である。核酸包含体の回収方法は特に限定されないが、遠心・超遠心操作、ポリエチレングリコールなどの共沈剤、吸着担体などを用いた方法が挙げられる。抽出核酸試料は、核酸の抽出操作を行なった試料であり、抽出後さらに核酸を精製した試料であってもよい。抽出方法としては、酵素、界面活性剤、カオトロピック剤などを用いた方法が挙げられる。精製方法としては、フェノール/クロロホルム、イオン交換樹脂、ガラスフィルター、ガラスビーズ、磁気ビーズ、タンパク凝集作用を有する試薬などを用いた方法が挙げられる。
本発明で検出できる多型は、特に限定されず、SNP及び複数ヌクレオチドからなる配列にわたる多型の両方を含む。本発明においては、多型にはさらに変異も含む。具体的には、本発明で検出できる多型の例としては、SNP、挿入多型、欠失多型、反復配列多型などが挙げられる。
ここで、多型部位とプライマーの関係を示すと、1つの多型部位を増幅するためにはその多型部位をはさんで結合する一対のプライマーが必要になる。対象となる生体サンプルには複数種類の多型部位が存在するので、それらの多型部位が互いに離れた位置に存在する場合には多型部位の種類の数の2倍の種類のプライマーが必要になる。しかし、2つの多型部位が接近している場合には、それらの多型部位それぞれをはさんでプライマーを結合させて増幅することも、またそれらの2つの多型部位の間にはプライマーを結合させず、2つの多型部位の配列の両側にのみプライマーを結合させて増幅することもできる。したがって、必要なプライマーの種類は必ずしも多型部位の種類の数の2倍になるわけではない。本発明における「複数の多型部位それぞれをはさんで結合する複数のプライマー」とは一対のプライマーが1つの多型部位をはさんで結合する場合だけでなく、2又はそれ以上の多型部位をはさんで結合する場合も含めて、複数の多型部位を増幅するのに必要な種類のプライマーという意味で使用している。
遺伝子増幅試薬の一例はPCR反応試薬である。
SNPのタイピングには増幅工程に入る段階でゲノムDNAの調整が必須であり、そこに手間とコストがかかる。核酸を増幅するPCR法だけに着目すれば、前処理なしで血液などのサンプルから直接PCR反応を行なわせる方法も提案されている。そこでは、サンプル中の目的とする遺伝子を増幅する核酸合成法において、遺伝子を含むサンプル中の遺伝子包含体、すなわち生体由来試料、もしくは遺伝子を含むサンプルそのもの、すなわち生体試料を増幅反応液に添加して、添加後の該反応液のpHが8.5−9.5(25℃)で遺伝子を含むサンプル中の目的とする遺伝子を増幅する(特許文献4参照。)。
既に構築されているタイピングシステムは、タイピングしようとする複数のSNP領域をPCR法で増幅するために、最初に採取する核酸量は少なくてすむが、PCR法で増幅する前に予め生体サンプルから核酸を抽出しておくという前処理が必要である。そのためにその前処理に時間と手間がかかる。
直接PCR法とタイピング方法を結びつけたときに、タイピングを目的とする複数のSNP部位について同時に増幅を行なうような自動化システムはこれまで構築されていなかった。
タイピング工程はインベーダ(登録商標)法やタックマン(登録商標)PCR法を使用することができる。その場合、タイピング試薬はインベーダ(登録商標)試薬又はタックマン(登録商標)PCR試薬である。
図14は本発明で使用する反応容器を遺伝子多型診断用試薬キットとして使用して遺伝子多型を検出する際の検出方法を概略的に示したものである。ここでは、増幅工程にはPCR法、タイピング工程にはインベーダ(登録商標)法を使用するものとして説明する。
PCR工程では血液などの生体サンプル2にPCR反応試薬4を添加するか、逆にPCR反応試薬4に生体サンプル2を添加する。
PCR反応試薬4は予め調整されたものであり、測定しようとするSNP部位のための複数のプライマーを含み、それにpHを調整するためのpH緩衝液、4種類のデオキシリボヌクレオチド類、熱安定性合成酵素、及びMgCl2、KCl等の塩類などの必要な試薬が添加されている。その他に、界面活性剤や蛋白などの物質を必要に応じて添加することができる。本発明で用いることのある増幅工程のPCR法は、目的とする複数のSNP部位を同時に増幅させるものである。生体サンプルは核酸抽出操作を施しているものであってもよく、核酸抽出操作を施していないものであってもよい。ここで、核酸抽出操作を施していない生体サンプルとは、上述した生体試料、生体由来試料、及び、加熱処理又は凍結処理などの操作によって核酸包含体の膜構造を破壊した状態の生体試料若しくは生体由来試料を含む。核酸抽出操作を施していない生体サンプルから直接PCR法によりそれらのSNP部位を含む複数のゲノムDNAを増幅させる場合には、それらのSNP部位のための複数のプライマーを含む遺伝子増幅反応試薬を生体サンプルに作用させ、サンプル2と混合したときに25℃でのpHが8.5−9.5となる条件下でPCR反応を起こさせる。
pH緩衝液は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンと塩酸、硝酸、硫酸等の鉱酸の組合せのほか、種々のpH緩衝液を使用することができる。pH調整された緩衝液は、PCR反応試薬の中で10mMから100mMの間の濃度で使用するのが好ましい。
プライマーはPCR反応によるDNA合成の開始点として働くオリゴヌクレオチドをいう。プライマーは合成したものであってもよく、生物界から単離したものであってもよい。
合成酵素はプライマー付加によるDNA合成用の酵素であり、化学合成系も含む。適切な合成酵素としては、E.coliのDNAポリメラーゼI、E.coliのDNAポリメラーゼのクレノーフラグメント、T4DNAポリメラーゼ、TaqDNAポリメラーゼ、T.litoralis DNAポリメラーゼ、TthDNAポリメラーゼ、PfuDNAポリメラーゼ、Hot Start Taq ポリメラーゼ、KOD DNAポリメラーゼ、EX TaqDNAポリメラーゼ、逆転写酵素などがあるが、これらに限定されるものではない。「熱安定性」は、高温下、好ましくは65−95℃でもその活性を保持する化合物の性質を意味する。
PCR工程では、生体サンプル2とPCR反応試薬4との混合液を所定の温度サイクルに従ってPCR反応を行なわせる。PCR温度サイクルは、変性、プライマー付着(アニーリング)及びプライマー伸長の3工程を含み、そのサイクルを繰り返すことによりDNAを増幅させる。各工程の一例は、変性工程が94℃で1分間、プライマー付着工程が55℃で1分間、プライマー伸長が72℃で1分間である。生体サンプルは核酸抽出操作を施したものであってもよいが、ここでは核酸抽出操作を施していないものを使用する。核酸抽出操作を施していない生体サンプルであっても、PCR温度サイクルの高温下で核酸が血球や細胞から遊離し、PCR反応に必要な試薬が核酸に接触して反応が進む。
PCR反応終了後、タイピング試薬としてインベーダ(登録商標)試薬6が添加される。インベーダ(登録商標)試薬6には蛍光を発するフレット(FRET)プローブ及びクリベース(Cleavase:構造特異的DNA分解酵素)が含まれている。フレットプローブはゲノムDNAと全く無関係な配列をもつ蛍光標識オリゴであり、SNPの種類によらず配列は共通であることが多い。
次に、インベーダ(登録商標)試薬6が添加された反応液を複数のプローブ配置部8に添加して反応をさせる。各プローブ配置部8には、複数のSNP部位のそれぞれに対応してインベーダ(登録商標)プローブとレポータープローブが個別に保持されており、反応液がインベーダ(登録商標)プローブと反応し、そのレポータープローブに対応するSNPが存在すれば蛍光を発する。
インベーダ(登録商標)法については、特許文献3の段落[0032]から[0034]に詳しく記載されている。
各レポータープローブはそれに対応したSNPの塩基に応じて2種類のものを用意すれば、そのSNPがホモ接合体であるかヘテロ接合体であるかを判別することができる。
タイピング工程で使用するインベーダ(登録商標)法は、アレル特異的オリゴとタイピング対象のSNPを含むDNAとをハイブリダイゼーションすることによりSNP部位をタイピングする方法であり、タイピング対象のSNPを含むDNAと、タイピング対象のSNPのそれぞれのアレルに特異的な2種類のレポータープローブ及び1種類のインベーダ(登録商標)プローブと、DNAの構造を認識して切断するという特殊なエンドヌクレアーゼ活性を有する酵素とを用いる方法である(特許文献3参照。)。
図2は本発明の遺伝子解析装置で使用する反応容器の例である。(A)は正面図、(B)は平面図である。
平板状の基板10の同じ側に試薬収容部14及び反応液よりも比重の低い不揮発性液体収容部16が凹部として形成されている。基板10の同じ側にはさらに、反応部18も形成されている。試薬収容部14と不揮発性液体収容部16はフィルム20で封止されており、試薬と不揮発性液体をノズルで吸入して他の場所に移送する際には、そのフィルム20を取り除いてノズルで吸入するか、又はそのフィルム20をノズルで貫通可能なものとしておいてノズルを貫通させてノズルで吸入する。
基板10の表面は、フィルム20上から、試薬収容部14、不揮発性液体収容部16及び反応部18を被う大きさの剥離可能なシール材22で被われている。
反応液よりも比重の低い不揮発性液体としては、ミネラルオイル(鉱油)、植物油、動物油、シリコーンオイル又はジフェニルエーテルなどを用いることができる。ミネラルオイルはペトロラタムから蒸留により得られる液体の炭化水素混合物であり、流動パラフィン、流動ペトロラタム、ホワイト油などとも呼ばれ、低比重の軽油も含む。動物油としてはタラの肝油、オヒョウ油、ニシン油、オレンジラフィー油又はサメの肝油などを用いることができる。また、植物油としてはカノーラ油、扁桃油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、ピーナツ油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油などを用いることができる。
実施例では、不揮発性液体としてミネラルオイルを使用し、以後、不揮発性液体収容部をミネラルオイル収容部と称す。
この反応容器の具体的な用途の一例は、反応容器内でサンプルからPCR反応によりDNAを増幅させた後に、インベーダ(登録商標)反応によりSNPを検出する遺伝子多型診断用試薬キットとなったものである。図2を参照して、その遺伝子多型診断用試薬キットとしての実施例を詳細に説明する。
平板状の基板10aの同じ側に、サンプル注入部12、PCR終了液注入部31、遺伝子増幅試薬収容部30、タイピング試薬収容部14、ミネラルオイル収容部16が凹部として形成されている。基板10aの同じ側にはさらに、増幅反応部32と複数のプローブ配置部18も形成されている。
サンプル注入部12は核酸抽出操作を施していない生体サンプル又は核酸抽出操作を施した生体サンプルが注入されるものであるが、使用前の状態ではまだサンプルが注入されない空の状態で提供される。PCR終了液注入部31は増幅反応部32でPCR反応を終了した反応液とタイピング試薬とを混合するためのもので、使用前の状態では空の状態で提供される。
遺伝子増幅試薬収容部30は複数の多型部位それぞれを挟んで結合する複数のプライマーを含む遺伝子増幅試薬として、PCR反応試薬を2〜300μL収容している。タイピング試薬収容部14は複数の多型部位に対応して調製されたタイピング試薬を10〜300μL程度収容している。ミネラルオイル収容部16は反応液の蒸発を防ぐためのミネラルオイルを20〜300μL収容している。これらの遺伝子増幅試薬収容部30、タイピング試薬収容部14及びミネラルオイル収容部16はノズルで貫通可能なフィルム20で封止されている。そのようなフィルム20は、例えばアルミニウム箔、アルミニウムとPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムなどの樹脂との積層膜などであり、容易に剥がれないように融着や接着により貼りつけられている。
増幅反応部32はPCR反応試薬とサンプルとの混合液に対して遺伝子増幅反応を行なわせるものである。
各プローブ配置部18は複数の多型部位のそれぞれに対応して蛍光を発するプローブを個別に保持しており、ミネラルオイル収容部16からのミネラルオイルが分注されたときにそのミネラルオイルを保持できる凹部となっている。各プローブ配置部18の凹部の大きさは、例えば直径が100μm〜2mm、深さが50μm〜1.5mmの円形である。
基板10の表面は、フィルム20上から、サンプル注入部12、PCR終了液注入部31、遺伝子増幅試薬収容部30、タイピング試薬収容部14、ミネラルオイル収容部16、増幅反応部32及びプローブ配置部18を被う大きさの剥離可能なシール材22で被われている。このシール材22もアルミニウム箔、アルミニウムと樹脂との積層膜などであるが、貼りつけ強度はフィルム20よりは弱く、粘着剤などにより剥離可能な程度に貼りつけられている。
基板10は底面側から蛍光を測定するために、低自蛍光性(それ自身からの蛍光発生が少ない性質のこと)で光透過性の樹脂、例えばポリカーボネートなどの素材で形成されている。基板10の厚さは0.3〜4mm、好ましくは1〜2mmである。低自蛍光性の観点から基板10の厚さは薄い方が好ましい。
増幅反応部32の部分の断面を拡大して図3に示す。図3は図2のY−Y線位置での断面図である。図3に示されるように、増幅反応部32はその両端にポート34a,34bをもち、ポート34a,34bはノズル28の先端形状に対応した形状の上方向に開いた開口36a,36bをもち、ノズル28の先端に密着できるようにPDMSやシリコーンゴムなどの弾性素材で構成されている。
増幅反応部32は熱伝導率をよくするためにその部分の基板10aの下面側が、図2(C)、図3に示されるように肉厚が薄くなっている。その部分の肉厚は、例えば0.1〜0.5mmである。
増幅反応部32は基板内に形成された流路状の反応室33と、反応室33が構成されている流路の両端につながり、上方に向かって開口したポート34a,34bを備えている。
図4(A)は流路状の反応室33aの第1の形態を表わしたものであり、その反応室33aを構成する流路はポート34a,34bの間に直線状に延びている。
図4(B)は流路状の反応室33bの第2の形態を表わしたものであり、その反応室33bを構成する流路はポート34a,34bの間で「コ」状に折れ曲がっている。
増幅反応部32の平面状の部分には上下から温度調節ユニット37a,37bが接触して反応室33a,33b内の反応液の温度を制御し、増幅反応を起こさせる。
この反応容器の使用方法を示す。
図5に示されるように、使用時にシール材22が剥がされる。タイピング試薬収容部14、ミネラルオイル収容部18及び遺伝子増幅試薬収容部30を封止しているフィルム20は剥がされないでそのまま残っている。
サンプル注入部12にサンプル25がピペット26などにより0.5〜2μL、例えば1μL注入される。サンプルは核酸抽出操作を施していない生体サンプル、例えば血液である。サンプルは核酸抽出操作を施した生体サンプルであってもよい。サンプル注入後、この反応容器が遺伝子解析装置に装着される。
また、遺伝子解析装置には使い捨て可能な分注チップがセットされる。
遺伝子解析装置において、分注装置がノズル28−1,28−2に使い捨て可能な分注チップを装着する。ノズル28−1,28−2はその先端に分注チップを装着して分注動作を行なう。
第1の分注部のノズル28−1がフィルム20を貫通して遺伝子増幅試薬収容部30に挿入されてPCR反応試薬が吸入され、PCR反応試薬はそのノズル28−1によりサンプル注入部12に2〜20μL移送される。サンプル注入部12ではノズル28−1による吸入と吐出が繰り返されることにより、サンプル反応液とPCR反応試薬が混合されてPCR反応液となる。
次に、そのPCR反応液がノズル28−1により吸入されるが、このとき図6に示されるように、分注チップ内にミネラルオイル39、PCR反応液38、ミネラルオイル39の順に吸引し、分注チップ内では上層にミネラルオイル39、中間層にPCR反応液38、下層にミネラルオイルの3層になる状態にする。
次に、増幅反応部32へ注入される。すなわち、図7(A)に示されるようにノズル28−1が増幅反応部32の一方のポート34aに挿入されてその分注チップ内の3層の液がそのまま注入されて、注入された液は図7(B)に示される状態になる。この状態は、注入されたPCR反応液38が、増幅部の遺伝子増幅反応温度制御領域にのみ配置される状態であり、そのような状態になるように制御装置により分注装置でのミネラルオイル39、PCR反応液38及びミネラルオイル39の分注量が制御される。また、この状態は、増幅反応部32での反応中にPCR反応液38が蒸発するのを防ぐために、PCR反応液38の両端がミネラルオイル39で閉じられた状態となる。
PCR反応終了後、PCR反応終了液38aがポート34a又は34aから第2の分注部のノズル28−2により回収される。このとき、ミネラルオイル39/PCR反応終了液38a/ミネラルオイル39の3層のまま、又はミネラルオイル39/PCR反応終了液38aの2層で回収される。ここで、回収を容易にするために、図8(A),(B)に示されるように、増幅反応部32の一方のポート34aからミネラルオイルが注入されてもよい。PCR反応終了液38aは他方のポート34bに押しやられる。そこで、そのポート34bにノズル28−2が挿入され、PCR反応終了液38aがノズル28−2に吸入される。PCR反応終了液38aの回収に際しては、ノズル28−2にはミネラルオイル39/PCR反応終了液38a/ミネラルオイル39の3層を吸入してもよく、又はミネラルオイル39/PCR反応終了液38aの2層を吸入してもよい。ポート34a,34bはその開口36a,36bの形状がノズル28−2の形状に合わせて形成され、かつ弾性素材で形成されているので、ノズル28−2がポート34a,34bに密着して液漏れを防ぎ、PCR反応液の注入と回収の操作が容易である。
ここで、ポート34aから注入する液体はミネラルオイル40に限らず、他の液体であってもよく、好ましくは比重が反応液と同じか反応液よりも低い液体である。
ノズル28−2により増幅反応部32から回収された反応終了後のPCR反応終了液38aはPCR終了液注入部31に移送されて注入される。このとき、PCR終了液注入部31には回収した液のうちのミネラルオイル39層を捨ててPCR反応終了液38aのみ分注してもよいし、そのままミネラルオイル39ごと分注してもよい。ミネラルオイル39は次工程の反応を阻害しない。
次に、図9に示されるように、ノズル28−2がフィルム20を貫通してタイピング試薬収容部14に挿入されてタイピング試薬が吸入され、タイピング試薬はそのノズル28−2によりPCR終了液注入部31に移送されて注入される。PCR終了液注入部31ではノズル28−2による吸入と吐出が繰り返されることにより、PCR反応終了液とタイピング試薬が混合される。
その後、PCR反応液とタイピング試薬との反応液がノズル28−2により各プローブ配置部18へ0.5〜4μLずつ分注される。各プローブ配置部18にはノズル28−2によりミネラルオイル収容部16からミネラルオイルが0.5〜10μLずつ分注される。プローブ配置部18へのミネラルオイルの分注は、プローブ配置部18への反応液の分注前であってもよい。各プローブ配置部18ではミネラルオイルが反応液の表面を被い、検出装置のタイピング反応温度制御部での加熱を伴なうタイピング反応時間中の反応液の蒸発を防止する。
各プローブ配置部18では反応液がプローブと反応して所定のSNPがあればそのプローブから蛍光が発せられる。蛍光は基板10の裏面側から励起光を照射することにより検出する。
以下、各反応試薬の組成を示して、本発明を詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの反応容器に限定されるものではない。
PCR反応試薬は既知のものであり、例えば特許文献3の段落[0046]に記載されているような、プライマー、DNAポリメラーゼ及びTaqStart (CLONTECH Laboratories社製)を含む反応試薬を使用することができる。また、PCR反応試薬にはAmpDirect(島津製作所製)が混入されていてもよい。プライマーは、例えば、特許文献3の表1に記載されているSNP ID1〜20、配列番号を1〜40などを使用することができる。
タイピング試薬としてインベーダ(登録商標)試薬を使用する。そのインベーダ(登録商標)試薬としては、インベーダ(登録商標)アッセイキット(Third Wave Technology社製)を使用する。例えば、シグナルバッファー、フレットプローブ、構造特異的DNA分解酵素及びアレル特異的プローブを特許文献3の段落[0046]に記載されているような濃度に調製されたものである。
図10(A)は上記の反応容器を試薬キットとして用い、生体サンプルのSNPを検出するための簡易型遺伝子解析装置に本発明を適用した実施例を示したものである。
図10(A)の分注装置はZ方向に移動する送液アームに取りつけられた共通の分注ユニット66に第1の分注部のノズル28−1と第2の分注部のノズル28−2を備えており、両分注部のノズル28−1と28−2は同時に移動する。第1のノズル28−1は遺伝子増幅反応前の増幅反応液を扱うもの、第2のノズル28−2は遺伝子増幅反応終了後の増幅反応終了液を扱うものである。
図10(A)の2つのノズル28−1,28−2にはともに分注チップ70,71が装着可能であるが、分注動作を行うときは使用されるノズルにのみ分注チップを装着する。使用中のノズルの分注チップが反応容器の増幅反応部などに挿入されたときでも他方のノズルには分注チップが装着されていないので、分注チップが装着されていないノズルは反応容器と接触しない。
図10(A)の実施例では、送液アームは1台ですむので、この駆動機構が簡単なものとなる、小型で低コストな装置を提供する上で有利である。
一方、図10(B)の分注装置は比較例であり、Z方向に移動するそれぞれの送液アームに取りつけられた分注ユニット66−1,66−2が設けられ、分注ユニット66−1に第1の分注部のノズル28−1が設けられ、分注ユニット66−2に第2の分注部のノズル28−2が設けられている。この比較例では両方のノズル28−1,28−2がそれぞれ独立して移動することができるので、両ノズル28−1,28−2にともに分注チップ70,71を装着しておくことができる。
図10(B)の比較例では、両方のノズル28−1,28−2に分注チップ70,71を装着しておくことができるので、遺伝子増幅反応の前後で分注チップを付け替える必要がなく、操作が簡単になる。
分注部は図1では符号112で示されている。
図10(A),(B)の遺伝子解析装置内には、ヒータとして上下に一対のヒートブロック60と62が配置されている。反応容器41を装着する反応容器装着部として、下側ヒートブロック60上に図2に示された反応容器41がスライドして所定の位置に位置決めされる案内部が形成されていることにより構成されたものが設けられている。反応容器装着部には反応容器41にサンプルが注入されたものが5枚平行に並べて設置される。これらのヒートブロック60,62は、矢印で示されるY方向に移動することができる。
下側のヒートブロック60は増幅反応部32の温度を所定の温度サイクルになるように制御する増幅反応温度制御部を構成している。また、両ヒートブロック60,62は、プローブ配置部18の温度をDNAとプローブとを反応させる温度に制御するタイピング反応温度制御部を備えている。増幅反応温度制御部とタイピング反応温度制御部は、図1ではそれぞれ符号120,110で示されている。増幅反応温度制御部の温度は、例えば94℃、55℃及び72℃の3段階にその順に変化させられ、そのサイクルが繰り返されるように設定されている。タイピング反応温度制御部の温度は、例えば63℃に設定されている。
図11に示されるように、タイピング反応温度制御部を構成する上側のヒートブロック62はプローブ配置部に対応する位置にのみ開口150をもち、下側のヒートブロック60でタイピング反応温度制御部を構成する部分もプローブ配置部に対応する位置にのみ開口152をもっている。ヒートブロック62上にはタイピング反応温度制御部カバー154が被せられており、そのカバー154にもヒートブロック62の開口150の位置にのみ開口156が開けられている。開口150,156を介してノズル28−2で反応容器41のプローブ配置部へ反応液を分注する。
図12はノズル28(28−1,28−2)の先端部を表わしたものである。ノズル28はその先端に使い捨て可能な分注チップ70,71が着脱可能に装着される。(A)はノズル28に分注チップ70,71が装着されていない状態、(B)はノズル28に分注チップ70,71が装着された状態を表わしている。ノズル28は分注チップ70,71内への液の吸入と吐出を行なう。そのため、ノズル28はその先端に分注チップ70,71を装着する外形寸法をもつ装着部28aと、その装着部28aの先端にあって、分注する液と接触しない長さで装着部28aよりも外形寸法の小さい突出部28bとを備えている。
図11に示されるように、ヒータブロック60の下部には蛍光検出を行なう蛍光検出部64が配置されており、蛍光検出部64は反応容器41の下面側からヒータブロック60の開口152を介してプローブ配置部に励起光を照射し、反応容器41の下面側でヒータブロック60の開口152を介してプローブ配置部からの蛍光を検出する。蛍光検出部64は図9の矢印X方向に移動してブローブ配置部18からの蛍光を検出する。反応容器装着部によるプローブ配置部18のY方向移動と、蛍光検出部64のX方向移動により各ブローブでの蛍光検出を行なう。
図10(A),(B)に戻って説明すると、ヒートブロック60,62、蛍光検出部64及び送液アーム66,66−1,66−2の動作を制御するために、それらの近くに制御部118が配置されている。制御部118はCPUを備えて、動作のためのプログラムを保持している。制御部118はヒートブロック60,62により実現されるタイピング反応温度制御部110や増幅反応温度制御部120の温度制御、蛍光検出部64の検出動作、並びに分注部112の送液アーム66,66−1,66−2の分注動作及び増幅反応終了液の回収動作を制御する。
図13は蛍光検出部64を詳細に示したものである。蛍光検出部64は励起光源として473nmのレーザ光を発するレーザダイオード(LD)や発光ダイオード(LED)92を備え、そのレーザ光を反応容器41のプローブ配置部の底面に集光して照射する一対のレンズ94,96を備えている。レンズ94はレーザダイオード92からのレーザ光を集光して平行光にするものであり、レンズ96は平行にされたレーザ光を反応容器41の底面に収束させて照射する対物レンズである。対物レンズ96はまた、反応容器41から発生する蛍光を集光するレンズとしても作用する。一対のレンズ94,96の間にはダイクロイックミラー98が設けられており、ダイクロイックミラー98は励起光を透過させ、蛍光を反射させるように波長特性が設定されている。ダイクロイックミラー98の反射光(蛍光)の光路上にはさらにダイクロイックミラー100が配置されている。ダイクロイックミラー100は525nmの光を反射し605nmの光を透過するように波長特性が設定されている。ダイクロイックミラー100による反射光の光路上には525nmの蛍光を検出するようにレンズ102と光検出器104が配置され、ダイクロイックミラー100による透過光の光路上には605nmの蛍光を検出するようにレンズ106と光検出器108が配置されている。この2つの光検出器104,108による2種類の蛍光検出により、各プローブ配置位置に固定されたインベーダ(登録商標)プローブに対応したSNPの有無と、そのSNPがホモ接合体であるかヘテロ接合体であるかが検知される。標識蛍光体としては、例えばFAM、ROX、VIC、TAMRA、Redmond Redなどを使用することができる。
図11の検出器64は1光源による励起光で励起し、2波長の蛍光を測定するように構成されているが、検出器64としては2波長の蛍光測定のために異なる励起波長で励起できるように2光源を使用するように構成してもよい。
本発明は種々の化学反応の測定のほか、例えば遺伝子解析の研究や臨床分野において、種々の自動分析に利用することができ、例えば、人間を初めとして、動物や植物のゲノムDNAの多型、特にSNPなどを検出することができ、さらにその結果を用いて病気罹患率の診断や、投与薬剤の種類と効果及び副作用との関係などの診断のほか、動物や植物の品種判定、感染症診断(感染菌の型判定)などを行なうのにも利用することができる。
本発明が適用される反応容器処理装置を概略的に示すブロック図である。 反応容器の例を示す図であり、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は(B)のX−X線位置での拡大断面図である。 同反応容器における増幅反応部を図2(B)のY−Y線位置で示す拡大断面図である。 (A),(B)はそれぞれ増幅反応部の例を透視図として示す斜視図である。 同反応容器を使用したSNP検出方法の工程の前半部を示す図であり、(A)は正面図、(B)は平面図である。 分注ノズル先端の分注チップへの液のPCR反応液の吸入方法を示す工程図である。 (A),(B)は分注ノズルから増幅反応部への液の注入方法を示す正面断面図である。 (A),(B)は増幅反応部から分注ノズルへのPCR反応終了液の回収方法を示す正面断面図である。 同反応容器を使用したSNP検出方法の工程の後半部を示す図であり、(A)は正面図、(B)は平面図である。 (A),(B)はそれぞれ本発明の遺伝子解析装置の実施例を示す概略斜視図である。 同実施例におけるタイピング反応温度制御部を示す断面図である。 同実施例におけるノズル先端部を表わした正面図であり、(A)はノズルに分注チップが装着されていない状態、(B)はノズルに分注チップが装着された状態を表わしている。 同実施例における蛍光検出部を示す概略構成図である。 本発明が関係することのあるSNP検出方法を概略的に示すフローチャート図である。
符号の説明
2 サンプル
4 PCR反応試薬
6 インベーダ(登録商標)試薬
8 プローブ配置部
10a 基板
12 サンプル注入部
14 タイピング試薬収容部
16 ミネラルオイル収容部
18 プローブ配置部
20 フィルム
22 シール材
28−1,28−2 分注ノズル
30 遺伝子増幅試薬収容部
31 PCR終了液注入部
32 増幅反応部
34a,34b ポート
36a,36b ポートの開口
38 PCR反応液
38a PCR反応終了液
41 反応容器
60,62 ヒートブロック
64 蛍光検出部
66,66−1,66−2 分注ユニット
70,71 分注チップ
110 タイピング反応温度制御部
112 分注部
118 制御部

Claims (4)

  1. 少なくとも増幅反応部を基板に備えた反応容器を装着する装着部と、前記増幅反応部内の増幅反応液に遺伝子増幅反応をさせるために増幅反応部の温度を制御する増幅反応温度制御部と、分注チップにより増幅反応液を前記増幅反応部へ分注し、遺伝子増幅反応終了後に増幅反応終了液を前記増幅反応部から他の部分へ移送する分注装置とを備え、
    前記分注装置は遺伝子増幅反応前の増幅反応液を扱う第1分注部と、遺伝子増幅反応終了後の増幅反応終了液を扱う第2分注部とを備えており、
    前記第1分注部は分注チップが着脱可能に装着される第1ノズルを備え、第2分注部は他の分注チップが着脱可能に装着される第2ノズルを備え、第1ノズル及び第2ノズルは共通の分注ユニットに取りつけられて同時に移動するように構成されているとともに、分注動作を行うノズルにのみ分注チップが装着される遺伝子解析装置。
  2. 前記反応容器は、前記基板に、凹部として形成され前記不揮発性液体を収容しフィルムで封止された不揮発性液体収容部をさらに備えたものである請求項1に記載の遺伝子解析装置。
  3. 前記反応容器は、前記基板に、凹部として形成され複数の多型部位それぞれをはさんで結合する複数のプライマーを含む遺伝子増幅試薬を収容しフィルムで封止された遺伝子増幅試薬収容部をさらに備えたものである請求項1又は2に記載の遺伝子解析装置。
  4. 前記反応容器は、前記基板に、凹部として形成されタイピング試薬を収容しフィルムで封止されたタイピング試薬収容部と、複数の多型部位のそれぞれに対応して蛍光を発するプローブを個別に保持した複数のプローブ配置部とを備えた遺伝子多型診断用反応容器である請求項1から3のいずれかに記載の遺伝子解析装置。
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