JP5086559B2 - 反応容器及び反応容器処理装置 - Google Patents
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Description
患者が敗血症に罹りやすいか否か及び/又は敗血症に急速に進行しやすいか否かを決定するために、患者から核酸サンプルを採取し、該サンプル中におけるパターン2対立遺伝子、又はパターン2対立遺伝子と連鎖不平衡であるマーカー遺伝子を検出し、パターン2対立遺伝子又はパターン2対立遺伝子と連鎖不平衡であるマーカー遺伝子が検出されれば該患者が敗血症に罹りやすいと判定する(特許文献1参照。)。
比較的に少量のゲノムDNAを用いて数十万箇所に及ぶSNP部位についてタイピングを行なうために、少なくとも一つの一塩基多型部位を含む複数の塩基配列を、ゲノムDNA及び複数対のプライマーを用いて同時に増幅し、増幅した複数の塩基配列を用いて、当該塩基配列に含まれる一塩基多型部位の塩基をタイピング工程により判別する。そのタイピング工程として、インベーダ(登録商標)法又はタックマン(登録商標)PCR法を用いる(特許文献3参照。)。
核酸検出用容器としては、同一容器内に、特定の核酸を増幅させる核酸増幅部位と、予め該核酸の検出用プローブが固定化された核酸検出部位を備えた容器が提案されている(特許文献5,6参照)。
本発明の第2の目的は、本発明の反応容器を用いて遺伝子多型検出を自動化する装置を提供することである。
本発明の第3の目的は、本発明による遺伝子多型検出結果を用いて病気罹患率の診断や、投与薬剤の種類と効果及び副作用との関係などの診断を自動的に行なうための装置を提供することである。
プローブ配置部も分注チップで貫通可能なフィルムで封止されていることが好ましい。
また、増幅反応部は反応液を収容する流路をもち、その流路は反応プレートの裏面側に突出して外部の熱源により温度制御されるようになっているものであってもよい。
タイピング工程はインベーダ(登録商標)法やタックマン(登録商標)PCR法を使用することができる。その場合、タイピング試薬はインベーダ(登録商標)試薬又はタックマン(登録商標)PCR試薬である。
PCR工程では血液などの生体サンプル2にPCR反応試薬4を添加するか、逆にPCR反応試薬4に生体サンプル2を添加する。
プライマーはPCR反応によるDNA合成の開始点として働くオリゴヌクレオチドをいう。プライマーは合成したものであってもよく、生物界から単離したものであってもよい。
各レポータープローブはそれに対応したSNPの塩基に応じて2種類のものを用意すれば、そのSNPがホモ接合体であるかヘテロ接合体であるかを判別することができる。
プローブ配置部は不揮発性液体を保持できる凹部となっていることが好ましい。
同じ基板に凹部として形成され、サンプルを注入するためのサンプル注入部をさらに備えていてもよい。
プローブ配置部は使用前は剥離可能なシール材で被われていることが好ましい。
タイピング試薬はインベーダ(登録商標)試薬又はタックマン(登録商標)PCR試薬である。
分注チップを保持し移動可能に支持する構造の一例は、ダイアフラムやフィルムのように、気密性をもち柔軟性のある素材によって分注チップを保持し移動可能に支持する構造である。
本発明の遺伝子多型解析用反応容器を用いて測定されるサンプルは、生体試料、生体由来試料など種々のものを挙げることができ、特に限定されない。
タイピング反応としてインベーダ(登録商標)反応を使用する場合は、タイピング反応温度調節部38aはインベーダ(登録商標)反応のための温度調節部となる。
制御部84を外部から操作したり検査結果を表示したりするために、制御部84にパーソナルコンピュータ(PC)86を接続してもよい。
反応容器の液体収容部がフィルムで封止されている場合、そのフィルムで封止された状態で反応容器処理装置に装着されるときには、分注チップによりそのフィルムを貫通して液の吸入を行なうものとなる。
プローブ配置部が凹部となっていて不揮発性液体を保持できるようになっておれば、プローブ配置部での反応液の蒸発をより効果的に防ぐことができる。
サンプル導入部をさらに備えている場合には、カバーで覆われた空間内へのサンプルの導入操作が容易になる。
分注チップがカバーの外側から操作するシリンジを備えているものとすれば、ノズル機構を別途設ける必要がなくなる。
反応プレートが遺伝子増幅部をさらに備えている場合には、測定対象の遺伝子を微量にしか含んでいないサンプルでもPCR法やLAMP法など遺伝子増幅反応によって遺伝子を増幅して分析精度を高めることができるようになる。
分注チップを保持し移動可能に支持する構造を、気密性をもち柔軟性のある素材によって実現すれば、分注チップを保持し移動可能に支持する構造を簡単な構成で実現することができる。
タイピング試薬収容部114は複数の多型部位に対応して調製されたタイピング試薬を10〜300μL収容しており、ミネラルオイル収容部116は反応液の蒸発を防ぐためのミネラルオイルを20〜300μL収容している。遺伝子増幅試薬収容部130は複数の多型部位それぞれを挟んで結合する複数のプライマーを含むPCR反応試薬を2〜300μL収容している。
この反応容器は使い捨て可能なものであり、1つのサンプルについて分析を行なった後は反応プレート5がカバー24で覆われた状態のままでこの反応容器全体を破棄する。
図5の実施例では、反応プレート5における増幅反応部132aがウエル形状をしている点で図1の実施例のものと異なるが、他の構成は同じである
分析に先立ち、サンプルは開口31からサンプル容器32に注入され、その後サンプル容器32により開口31が閉じられることによってカバー本体26にサンプル容器32が固着されて、サンプルがこの反応容器のカバー24で覆われた空間内に導入された状態で外部と遮断される。
まず、図8に示されるように、シリンジ駆動部であるプランジャホルダ36bが下降してシリンジ22のプランジャと係合する。
続いて、図9に示されるように、チップホルダ36aも下降して分注チップ20に圧入されて分注チップ20を保持する。
サンプル容器32によりこの反応容器内に導入されるサンプルは核酸抽出操作を施していない生体サンプル、例えば血液である。サンプルは核酸抽出操作を施した生体サンプルであってもよい。
次に、分注チップ20は遺伝子増幅試薬収容部130へ移動し、フィルム120を貫通して挿入されてPCR反応試薬を吸入し、その後、サンプル注入部12へ移動して5〜20μL注入する。サンプル注入部112では分注チップ20による吸入と吐出が繰り返されることにより、サンプル液とPCR反応試薬が混合されてPCR反応液となる。
分注チップ20により増幅反応部132から回収された反応終了後のPCR反応終了液はPCR終了液注入部131に移送されて注入される。
各プローブ配置部118では反応液がプローブと反応して所定のSNPがあればそのプローブから蛍光が発せられる。蛍光は基板110の裏面側から励起光を照射することにより検出する。
図5の実施例においてもPCR反応液は分注チップ20により増幅反応部132aへ注入される。このとき、PCR反応中の反応液の蒸発を防ぐために、増幅反応部132aではPCR反応液の表面をミネラルオイルの層が被うように、分注チップ20によりミネラルオイルとPCR反応液を分注する。増幅反応部132でのPCR反応終了後、PCR反応終了液が分注チップ20により回収される。PCR反応終了液のみを回収してもよく、PCR反応終了液をミネラルオイルとともに回収してもよい。増幅反応部132aはウエル形状で上方に向かって開口しているので、分注チップ20による増幅反応部132aへのPCR反応液の分注も、増幅反応部132aからのPCR反応終了液の回収も、図1の実施例のものよりも容易である。増幅反応部132aからPCR反応終了液を回収した後の動作は図1の実施例と同じである。
PCR反応試薬は既知のものであり、例えば特許文献3の段落[0046]に記載されているような、プライマー、DNAポリメラーゼ及びTaqStart (CLONTECH Laboratories社製)を含む反応試薬を使用することができる。また、PCR反応試薬にはAmpDirect(島津製作所製)が混入されていてもよい。プライマーは、例えば、特許文献3の表1に記載されているSNP ID1〜20、配列番号を1〜40などを使用することができる。
80は上記の実施例に示される反応容器を表わしている。反応容器80は反応容器装着部であるテーブル82上に装着される。テーブル82は反応容器80の下面側に開口をもち、テーブル82の下部には反応容器82のプローブ配置部118での反応生成物を光学的に検出する検出部38が配置されている。反応容器82の温度制御を行なう温調(温度調節)ユニット83が概略的に示されている。ここでは反応容器80の側方に配置されているように描かれているが、実際には温調ユニット83は図3に示されているような増幅反応部132の流路133部分を両側面と下面から挟み込んで加熱するヒータユニット83b1,83b2又は図6に示されているような増幅反応部132aの底部を包み込んで加熱するヒータユニット83cと、図4に示されるようなプローブ配置部118を加熱するヒータユニット83aを含んでおり、これらは反応容器の下面側に配置されるものである。
テーブル82は前後方向(X方向)に移動し、一方、検出部38はそれに直交する横方向(Y方向)に移動するように支持されている。
20 分注チップ
22 シリンジのプランジャ
23 フィルタ
24 カバー
26 カバー本体
28 ベローズフィルム
32,32a サンプル容器
64,64a,71 カバープレート
66,68,72 シール材
83 反応温度調節部
110 基板
112 サンプル注入部
114 タイピング試薬収容部
116 ミネラルオイル収容部
118 プローブ配置部
120 フィルム
130 遺伝子増幅試薬収容部
131 PCR終了液注入部
132,132a 増幅反応部
134a,34b 増幅反応部のポート
136a,36b ポートの開口
200 反応容器処理装置
202 データベース
204 表示装置
206 診断処理装置
Claims (14)
- 基板の表面側に複数の多型部位それぞれを挟んで結合する複数のプライマーを含む遺伝子増幅試薬を収容しフィルムで封止された遺伝子増幅試薬収容部、複数の多型部位に対応して調製されたタイピング試薬を収容しフィルムで封止されたタイピング試薬収容部、反応液よりも比重の低い不揮発性液体を収容しフィルムで封止された不揮発性液体収容部、及び前記複数の多型部位のそれぞれに対応して蛍光を発するプローブを個別に保持した複数のプローブ配置部を備え、さらに前記遺伝子増幅試薬とサンプルとの混合液に対して遺伝子増幅反応を行なわせる増幅反応部を備えた反応プレートと、
前記反応プレートの表面側の上方に配置された分注チップと、
前記反応プレート上の表面側の上部空間を覆うとともに、前記分注チップをその先端部が前記空間の内側、基端部が外側になるようにして移動可能に支持しているカバーと、
を備え、
前記増幅反応部は前記基板中に形成されて反応液を収容する流路、及びその流路の両端において前記基板の表面側に開口した液分注用ポートを備え、前記流路は外部の熱源により両側面と下面が挟み込まれて温度制御される形状になって前記反応プレートの裏面側に突出し、その突出した部分にアルミニウムのフィルム又はプレートが貼りつけられている遺伝子多型解析用反応容器。 - 前記増幅反応部の液分注用ポートは分注チップの先端形状に対応した開口形状をもち、分注チップの先端に密着できる素材で構成されている請求項1に記載の遺伝子多型解析用反応容器。
- 前記反応プレートの表面側に凹部として形成され、サンプルを注入するためのサンプル注入部をさらに備えている請求項1又は2に記載の遺伝子多型解析用反応容器。
- 前記不揮発性液体はミネラルオイル、植物油、動物油、シリコーンオイル及びジフェニルエーテルからなる群から選ばれた液体である請求項1から3のいずれかに記載の遺伝子多型解析用反応容器。
- 対象とする多型が一塩基多型である請求項1から4のいずれかに記載の遺伝子多型解析用反応容器。
- 前記サンプルは核酸抽出操作を施していない生体サンプルである請求項1から5のいずれかに記載の遺伝子多型解析用反応容器。
- 前記遺伝子増幅試薬はPCR反応試薬である請求項1から6のいずれかに記載の遺伝子多型解析用反応容器。
- 前記カバーの一部に密閉可能に設けられた開口を介して外部から前記空間内にサンプルを注入するサンプル導入部をさらに備えた請求項1から7のいずれかに記載の遺伝子多型解析用反応容器。
- 前記分注チップは前記カバーの外側から操作するシリンジを備えており、そのシリンジの操作により分注動作を行なうものである請求項1から8のいずれかに記載の遺伝子多型解析用反応容器。
- 前記分注チップは先端部の内部にフィルタを備えている請求項1から9のいずれかに記載の遺伝子多型解析用反応容器。
- 前記プローブ配置部は底部から光学的に測定が可能なように光透過性の材質にて構成されている請求項1から10のいずれかに記載の遺伝子多型解析用反応容器。
- 前記カバーは気密性をもち柔軟性のある素材によって前記分注チップを保持し移動可能に支持している請求項1から11のいずれかに記載の遺伝子多型解析用反応容器。
- 請求項1に記載の遺伝子多型解析用反応容器を装着する反応容器装着部と、
前記反応容器に取りつけられた分注チップによる吸引及び吐出のための機構を備えて液を移送して分注する分注部と、
前記反応容器の増幅反応部の温度をサンプルと遺伝子増幅試薬との反応液内でDNAを増幅させる遺伝子増幅のための温度に制御する増幅反応温度調節部と、
前記反応容器のプローブ配置部の温度をサンプルとタイピング試薬との反応液をプローブと反応させる温度に制御するタイピング反応温度調節部と、
前記プローブ配置部に励起光を照射して蛍光を検出する蛍光検出部と、
前記分注部の分注動作、前記増幅反応温度調節部の温度制御、前記タイピング反応温度調節部の温度制御及び前記蛍光検出部の検出動作を制御する制御部と、
を備え、
前記増幅反応温度調節部で前記増幅反応部の温度を制御するための熱源は、前記反応プレートの裏面側に突出している前記流路の部分を両側面と下面から挟み込んで接触する形状に構成されている反応容器処理装置。 - 前記反応容器は液体の収容部がフィルムで封止されており、そのフィルムで封止された状態で該反応容器処理装置に装着され、前記分注チップによりそのフィルムを貫通して液の吸入を行なう請求項13に記載の反応容器処理装置。
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