JP2006223125A - 反応容器、遺伝子多型検出方法及び装置、並びに診断方法及び装置 - Google Patents

反応容器、遺伝子多型検出方法及び装置、並びに診断方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
種々の測定を自動化するのに適する試薬キットとして使用される反応容器を提供する。
【解決手段】
好ましい形態では、樹脂プレート40は弾性フィルム42で被われており、その上部にはダイヤフラム構造のキャップ18を備えたサンプル注入部44、PCR反応試薬収容部46、タイピング試薬収容部48及び混合部50が形成されている。サンプル注入部44に生体サンプルを注入し、ストッパ58を外し、流路の適当な箇所を閉じ、サンプル注入部44とPCR反応試薬収容部46を交互に押すことによってサンプルとPCR反応試薬を混合してPCR反応部54に保持させ、所定の温度サイクルによりPCR反応を行なわせる。その後、流路の適当な箇所を閉じ、タイピング試薬収容部48と混合部50を交互に押して反応液とタイピング試薬を混合した後、その反応液をプローブ配置部30に送り、対応するプローブで蛍光を検出することによりSNPを検出する。
【選択図】 図4

Description

本発明は医療現場において各種自動解析、例えば遺伝子解析の研究や臨床を行なうのに適する反応容器と、それを用いて人間を初めとする動物や植物のゲノムDNAの多型、特にSNP(一塩基多型)を検出するための遺伝子多型検出方法及びそのための自動解析装置や自動遺伝子解析装置、並びにその遺伝子多型検出結果を用いて病気罹患率の診断や、投与薬剤の種類と効果及び副作用との関係などの診断を行なう方法及びその装置に関するものである。
遺伝子多型を利用して病気の罹りやすさなどを予測する方法又は装置として、下記のようなものが提案されている。
患者が敗血症に罹りやすいか否か及び/又は敗血症に急速に進行しやすいか否かを決定するために、患者から核酸サンプルを採取し、該サンプル中におけるパターン2対立遺伝子、又はパターン2対立遺伝子と連鎖不平衡であるマーカー遺伝子を検出し、パターン2対立遺伝子又はパターン2対立遺伝子と連鎖不平衡であるマーカー遺伝子が検出されれば該患者が敗血症に罹りやすいと判定する(特許文献1参照。)。
ヒトのflt−1遺伝子中の1又はそれ以上の単一ヌクレオチド多型性の診断のために、ヒトの核酸の1又はそれ以上の位置:1953、3453、3888(各々EMBL受理番号X51602中の位置に従う)、519、786、1422、1429(各々EMBL受理番号D64016中の位置に従う)、454(配列番号3に従う)及び696(配列番号5に従う)の配列を決定し、flt−1遺伝子中の多型性を参照することにより、そのヒトの体質を決定する(特許文献2参照。)。
SNP部位の塩基を判別する、いわゆるタイピングについては多くの手法が報告されている。そのうちの代表的なものは次の方法である。
比較的に少量のゲノムDNAを用いて数十万箇所に及ぶSNP部位についてタイピングを行なうために、少なくとも一つの一塩基多型部位を含む複数の塩基配列を、ゲノムDNA及び複数対のプライマーを用いて同時に増幅し、増幅した複数の塩基配列を用いて、当該塩基配列に含まれる一塩基多型部位の塩基をタイピング工程により判別する。そのタイピング工程として、インベーダ法又はタックマンPCR法を用いる(特許文献3参照。)。
特表2002−533096号公報 特開2001−299366号公報 特開2002−300894号公報 特許第3452717号公報 Hsu T. M., Law S. M, Duan S, Neri B. P., Kwok P. Y., "Genotyping single-nucleotide polymorphisms by the invader assay with dual-color fluorescence polarization detection", Clin. Chem., 2001 Aug;47(8):1373-7
本発明の第1の目的は、遺伝子多型検出に限らないが、種々の測定を自動化するのに適する試薬キットとして使用できる反応容器を提供することである。
本発明の第2の目的は、本発明の反応容器を使用して反応を自動的に検出する方法と装置を提供することである。
本発明の第3の目的は、本発明の反応容器により特に遺伝子多型検出用の試薬キットを構成し、それを用いて遺伝子多型を検出する方法とそのための自動解析装置を提供することである。
本発明の第4の目的は、その遺伝子多型検出結果を用いて病気罹患率の診断や、投与薬剤の種類と効果及び副作用との関係などの診断を行なう自動的に行なう方法とそのための装置を提供することである。
第1の目的を達成するための本発明の反応容器は、平板状の基板内に形成され、サンプル又はサンプルと試薬との反応液を流路に沿って第1反応部に移送して反応させる反応容器であって、基板内に形成され、流路を介して反応部に接続され、上方からの押圧により弾性変形可能なキャップで被われて容積が可変になっている液溜め部を備え、前記キャップは弾性変形可能な上部部材とその周縁の枠体とからなり、前記キャップは上方からの押圧により前記液溜め部の容積を可変することができ、その液溜め部を押さえることで液を反応部に移送させるようにしたものである。
前記弾性変形可能な部材はダイヤフラム構造であることが好ましい。
前記弾性変形可能な部材はPDMS(ポリジメチルシロキサン)又はSiゴムを含む柔軟性をもつ素材を用いるようにする。
流路は上方からの押圧により閉塞することのできる弾性変形可能な部材からなるバルブ部を備えていることが好ましく、バルブ部を押さえることで所定の流路部分を塞ぎ、液溜め部を押さえることで液を移送させるようにする。
本発明の反応容器の一形態は、サンプルと試薬を混ぜて反応させる反応容器であって、平板状の基板内に形成され、サンプルが注入され又は収容し、上方からの押圧により弾性変形可能なキャップで被われて容積が可変になっているサンプル収容部と、前記基板内に形成され、試薬を収容し、上方からの押圧により弾性変形可能なキャップで被われて容積が可変になっている試薬収容部と、前記サンプル収容部と前記第1反応部の間及び前記試薬収容部と前記第1反応部の間を接続するとともに、各部間には上方からの押圧により閉塞することのできる弾性変形可能な部材からなるバルブ部を有する流路と、を備えている。
サンプルは予め収容しておくこともできるが、通常はこの反応容器を試薬キットとして使用し、その都度サンプルをサンプル収容部に注入して測定を行なう。そのために、サンプル収容部のキャップは、前記枠体が前記液溜め部の周囲にはめ込まれることで着脱可能に取りつけられるように取りつけられていることが好ましい。
サンプルと試薬を混ぜて反応させた後、希釈して第2の反応部に導いてさらに反応を行なわせる用途もある。そのような用途に対処するために、この反応容器は、前記基板内に形成され、希釈液を収容し、上方からの押圧により弾性変形可能なキャップで被われて容積が可変になっている希釈液収容部と、前記基板内に形成され、上方からの押圧により弾性変形可能なキャップで被われて容積が可変になっている空の空間からなる希釈部と、前記希釈部で希釈された反応液が導かれる第2反応部と、をさらに備え、前記流路は前記希釈液収容部及び希釈部にも接続しているとともに、前記希釈部と第2反応部の間も接続しており、それら各部間にも上方からの押圧により閉塞することのできる弾性変形可能な部材からなるバルブ部を有するものとすることができる。
この反応容器を使用する反応の1つとして遺伝子増幅がある。そのような用途に適する本発明の反応容器は、試薬収容部に収容された試薬が遺伝子増幅試薬であり、第1反応部が遺伝子増幅試薬とサンプルを混合し、増幅反応を行う増幅反応部であり、この反応容器がその遺伝子増幅反応の試薬キットを構成する。
この反応容器を用いる目的の主なものに遺伝子多型検出がある。そのような目的に適した反応容器の一例は、前記サンプル収容部に注入又は収容されるサンプルは生体サンプルであり、前記試薬収容部に収容された試薬は複数の多型部位それぞれをはさんで結合する複数のプライマーを含む遺伝子増幅試薬であり、前記第1反応部は遺伝子増幅試薬とサンプルを混合し、増幅反応を行う増幅反応部であり、前記基板内に形成され、前記複数の多型部位に対応して調製されたタイピング試薬を収容し、上方からの押圧により弾性変形可能なキャップで被われて容積が可変になっているタイピング試薬収容部と、前記基板内に形成され、上方からの押圧により弾性変形可能なキャップで被われて容積が可変になっている空の空間からなる混合部と、前記混合部で混合された反応液が導かれ、前記複数の多型部位のそれぞれに対応して蛍光を発する複数のプローブが個別に保持された、第2反応部としてのプローブ配置部と、をさらに備え、前記流路は前記タイピング試薬収容部及び混合部も接続しているとともに、前記混合部と前記プローブ配置部の間も接続しており、それら各部間にも上方からの押圧により閉塞することのできる弾性変形可能な部材からなるバルブ部を有し、この反応容器が遺伝子多型検出用の試薬キットを構成している。
増幅反応部は温度を変化させるサイクルを繰り返すことから基板の熱伝導性が高い方が好ましい。そのために、増幅反応部の基板肉厚が他の部分よりも薄くなっていることが好ましい。
遺伝子多型検出の目的に適した反応容器の他の例は、前記液溜め部が複数の多型部位に対応して調製されたタイピング試薬を収容したタイピング試薬収容部であって、枠体が液溜め部の周囲にはめ込まれることで着脱可能に取りつけられるようになっており、その液溜め部には遺伝子増幅反応を終了したサンプルが注入されるようになっており、第1反応部は前記液溜め部でタイピング試薬とサンプルが混合された反応液が導かれ、前記複数の多型部位のそれぞれに対応して蛍光を発する複数のプローブが個別に保持されたプローブ配置部であり、この反応容器が遺伝子多型検出用の試薬キットを構成している。
遺伝子多型検出の目的に適した反応容器のさらに他の例は、前記液溜め部が遺伝子増幅反応を終了したサンプルが注入されるサンプル収容部と、複数の多型部位に対応して調製されたタイピング試薬を収容したタイピング試薬収容部とを備えたものであり、両収容部は流路で接続されており、いずれかの収容部と第1反応部の間が流路で接続されており、前記サンプル収容部の枠体は前記液溜め部の周囲にはめ込まれることで着脱可能に取りつけられるようになっており、第1反応部は前記液溜め部でタイピング試薬とサンプルが混合された反応液が導かれ、前記複数の多型部位のそれぞれに対応して蛍光を発する複数のプローブが個別に保持されたプローブ配置部であり、前記流路は上方からの押圧により閉塞することのできる弾性変形可能な部材からなるバルブ部を備え、前記バルブ部を押さえることで所定の流路部分を塞ぎ、前記液溜め部を押さえることで液を移送させることができ、この反応容器が遺伝子多型検出用の試薬キットを構成している。
第2の目的を達成するための本発明の反応検出方法は、請求項1から8のいずれかに記載の反応容器を用い、液溜め部の押圧によりサンプル又はサンプルと試薬との反応液を流路に沿って反応部に移送して反応させ、その反応結果を検出する。
その反応検出方法を実現する本発明の検出装置は、その反応容器を装着するとともに、各部を所定の温度に制御する検査試薬キット装着部と、キャップ及びバルブ部を押さえることにより、液の移送を行なう送液装置と、反応容器の反応後の反応液部分に励起光を照射して蛍光を検出する蛍光検出装置と、検査試薬キット装着部の温度制御、送液装置の送液動作、並びに蛍光検出装置の検出動作を制御する制御部と、を備えている。
送液装置の一例はバルブ部を押すピンチバルブ軸と、キャップを押すアーム機構とを備えており、ピンチバルブ軸は下げる方向に押す操作ごとに進行位置と後退位置に交互に固定されるノック機構の先端に押圧用のピンを備えたものである。
第3の目的を達成するための本発明の遺伝子多型検出方法は、生体サンプルを複数の多型部位それぞれをはさんで結合する複数のプライマーを含む遺伝子増幅反応液に作用させ、ゲノムDNAを増幅させる増幅工程と、その増幅工程で増幅させたゲノムDNAに対し、前記複数の多型部位に対応して調製されたタイピング試薬を作用させて前記複数の多型部位の塩基を判別するタイピング工程とを含んでいる。
すなわち、遺伝子多型検出方法の一例は、請求項9又は10に記載の反応容器を用い、次の工程を備えて遺伝子多型を検出する。
(A)前記サンプル収容部にサンプルを注入する工程、
(B)前記流路の少なくとも1箇所のバルブ部を押さえることで所定の流路部分を塞ぎ、前記サンプル収容部と試薬収容部を交互に押すことでサンプルと遺伝子増幅試薬の混合液を作成して前記増幅反応部へ供給する工程、
(C)その混合液を前記増幅反応部で遺伝子増幅反応させる工程、
(D)前記流路の少なくとも1箇所のバルブ部を押さえることで所定の流路部分を塞ぎ、前記タイピング試薬収容部と混合部を交互に押すことで前記増幅反応部での遺伝子増幅反応終了液とタイピング試薬を混合する工程、及び
(E)前記工程(D)で混合された反応液を前記プローブ配置部へ送って蛍光を検出する工程。
遺伝子多型検出方法の他の例は、請求項11に記載の反応容器を用い、次の工程を備えて遺伝子多型を検出する遺伝子多型を検出する。
(A)前記液溜め部にサンプルを注入する工程、
(B)前記工程(A)でタイピング試薬とサンプルが混合された反応液を前記プローブ配置部へ送って蛍光を検出する工程。
遺伝子多型検出方法のさらに他の例は、請求項12に記載の反応容器を用い、次の工程を備えて遺伝子多型を検出する。
(A)前記サンプル収容部にサンプルを注入する工程、
(B)前記流路の少なくとも1箇所のバルブ部を押さえることで所定の流路部分を塞ぎ、前記サンプル収容部とタイピング試薬収容部を交互に押すことでサンプルとタイピング試薬を混合する工程、
(C)前記流路の少なくとも1箇所のバルブ部を押さえることで所定の流路部分を塞ぎ、前記工程(B)で混合された反応液を前記プローブ配置部へ送って蛍光を検出する工程。
ここで、多型部位とプライマーの関係を示すと、1つの多型部位を増幅するためにはその多型部位をはさんで結合する一対のプライマーが必要になる。対象となる生体サンプルには複数種類の多型部位が存在するので、それらの多型部位が互いに離れた位置に存在する場合には多型部位の種類の数の2倍の種類のプライマーが必要になる。しかし、2つの多型部位が接近している場合には、それらの多型部位それぞれをはさんでプライマーを結合させて増幅することも、またそれらの2つの多型部位の間にはプライマーを結合させず、2つの多型部位の配列の両側にのみプライマーを結合させて増幅することもできる。したがって、必要なプライマーの種類は必ずしも多型部位の種類の数の2倍になるわけではない。本発明における「複数の多型部位それぞれをはさんで結合する複数のプライマー」とは一対のプライマーが1つの多型部位をはさんで結合する場合だけでなく、2又はそれ以上の多型部位をはさんで結合する場合も含めて、複数の多型部位を増幅するのに必要な種類のプライマーという意味で使用している。
多型には変異、欠失、重複、転移等が含まれる。多型の代表的なものはSNPである。
生体サンプルは血液、唾液、ゲノムDNAなどである。
増幅工程はPCR法などを使用することができる。その場合、PCR法を25℃でのpHが8.5−9.5となる条件下で行なうのが好ましい。その場合、遺伝子増幅試薬はPCR反応試薬である。
SNPのタイピングには増幅工程に入る段階でゲノムDNAの調整が必須であり、そこに手間とコストがかかる。DNAを増幅するPCR法だけに着目すれば、前処理なしで血液などのサンプルから直接PCR反応を行なわせる方法も提案されている。そこでは、遺伝子を含むサンプル中の目的とする遺伝子を増幅する核酸合成法において、遺伝子を含むサンプル中の遺伝子包含体もしくは遺伝子を含むサンプルそのものを遺伝子増幅反応液に添加して、添加後の該反応液のpHが8.5−9.5(25℃)で遺伝子を含むサンプル中の目的とする遺伝子を増幅する(特許文献4参照。)。
既に構築されているタイピングシステムは、タイピングしようとする複数のSNP領域をPCR法で増幅するために、最初に採取するDNA量は少なくてすむが、PCR法で増幅する前に予め生体サンプルからDNAを抽出しておくという前処理が必要である。そのためにその前処理に時間と手間がかかる。
直接PCR法とタイピング方法を結びつけたときに、タイピングを目的とする複数のSNP部位について同時に増幅を行なうような自動化システムはこれまで構築されていなかった。
前記タイピング工程はインベーダ法やタックマンPCR法を使用することができる。その場合、タイピング試薬はインベーダ試薬又はタックマンPCR試薬である。
第3の目的を達成するための本発明の遺伝子多型検出装置の一例は、請求項7又は8に記載の反応容器を装着するとともに、その反応容器の増幅反応部の温度を遺伝子増幅のための温度に制御する増幅部、及びプローブ配置部の温度をDNAとプローブとを反応させる温度に制御するタイピング反応部を備えた検査試薬キット装着部と、その反応容器のサンプル収容部、試薬収容部、タイピング試薬収容部、混合部及びバルブ部を押さえることにより、各部間の液の移送及び混合部からプローブ配置部への液の移送を行なう送液装置と、プローブ配置部に励起光を照射して蛍光を検出する蛍光検出装置と、増幅部及びタイピング反応部の温度制御、送液装置の送液動作、並びに蛍光検出装置の検出動作を制御する制御部と、を備えている。
前記送液装置の一例は、サンプル収容部、試薬収容部、タイピング試薬収容部、混合部又はバルブ部を押すピンチバルブ軸を備え、このピンチバルブ軸が、下げる方向に押す操作ごとに進行位置と後退位置に交互に固定されるノック機構の先端に押圧用のピンを備えたものである。
遺伝子多型検出装置の他の例は、請求項11に記載の反応容器を装着するとともに、その反応容器のプローブ配置部の温度をDNAとプローブとを反応させる温度に制御するタイピング反応部を備えた検査試薬キット装着部と、その反応容器のタイピング試薬収容部を押さえることによりプローブ配置部への液の移送を行なう送液装置と、プローブ配置部に励起光を照射して蛍光を検出する蛍光検出装置と、タイピング反応部の温度制御、送液装置の送液動作及び蛍光検出装置の検出動作を制御する制御部と、を備えている。
遺伝子多型検出装置のさらに他の例は、請求項12に記載の反応容器を装着するとともに、その反応容器のプローブ配置部の温度をDNAとプローブとを反応させる温度に制御するタイピング反応部を備えた検査試薬キット装着部と、その反応容器のサンプル収容部、タイピング試薬収容部及びバルブ部を押さえることにより、各部間の液の移送及びプローブ配置部への液の移送を行なう送液装置と、プローブ配置部に励起光を照射して蛍光を検出する蛍光検出装置と、タイピング反応部の温度制御、送液装置の送液動作及び蛍光検出装置の検出動作を制御する制御部と、を備えている。
第4の目的を達成するために、本発明の診断方法は、特定の多型又は複数の多型の組合せについての診断値をデータベースとして用意しておき、本発明の遺伝子多型検出方法により検出された多型の結果に基づいてそのデータベースから診断値を読み出す診断方法である。
また、本発明の診断装置は、本発明の遺伝子多型検出装置と、特定の多型又は複数の多型の組合せについての診断値を記憶したデータベースと、前記遺伝子多型検出装置により検出された多型結果に基づいて前記データベースから診断値を読み出して表示する表示装置と、を備えている。
図1は本発明の検出方法を概略的に示したものである。ここでは、増幅工程にはPCR法、タイピング工程にはインベーダ法を使用するものとして説明する。
PCR工程では血液などの生体サンプル2にPCR反応試薬4を添加するか、逆にPCR反応試薬4に生体サンプル2を添加する。生体サンプル2は例えば1μLを採取し、それにPCR反応試薬4を10μL程度添加する。PCR反応試薬4は予め調整されたものであり、測定しようとするSNP部位のための複数のプライマーを含み、それにpHを調整するためのバッファ液、4種類のデオキシリボヌクレオチド、その他必要な試薬が添加されており、サンプル2と混合したときにpHが8.5−9.5になるように調製されている。
生体サンプル2とPCR反応試薬4との混合液を所定の温度サイクルに従ってPCR反応を行わせる。PCR温度サイクルは、変性、プライマー付着(アニーリング)及びプライマー伸長の3工程を含み、そのサイクルを繰り返すことによりDNAを増幅させる。各工程の一例は、変性工程が94℃で1分間、プライマー付着工程が55℃で1分間、プライマー伸長が72℃で1分間である。生体サンプルはゲノム抽出操作を施したものであってもよいが、ここではゲノム抽出操作を施していないものを使用する。ゲノム抽出操作を施していない生体サンプルであっても、PCR温度サイクルの高温下でDNAが血球や細胞から遊離し、PCR反応に必要な試薬がDNAに接触して反応が進む。
PCR反応終了後、タイピング試薬としてインベーダ試薬6が添加される。インベーダ試薬6には蛍光を発するフレット(FRET)プローブ及びクリベース(Cleavase:構造特異的DNA分解酵素)が含まれている。フレットプローブはゲノムDNAと全く無関係な配列をもつ蛍光標識オリゴであり、SNPの種類によらず配列は共通であることが多い。
次に、インベーダ試薬6が添加された反応液をタイピング反応部のプローブ配置部8に添加して反応をさせる。プローブ配置部8の各部位には、複数のSNP部位のそれぞれに対応してインベーダプローブとレポータープローブが個別に保持されており、反応液がインベーダプローブと反応し、そのレポータープローブに対応するSNPが存在すれば蛍光を発する。
インベーダ法については、特許文献3の段落[0032]から[0034]に詳しく記載されている。
各レポータープローブはそれに対応したSNPの塩基に応じて2種類のものが用意されており、そのSNPがホモ接合体であるかヘテロ接合体であるかを判別することができる。
本発明で用いる増幅工程のPCR法は、目的とする複数のSNP部位を同時に増幅させるものであり、かつ核酸抽出操作を施していない生体サンプルから直接PCR法によりそれらのSNP部位を含む複数のゲノムDNAを増幅させる。そのため、それらのSNP部位のための複数のプライマーを含む遺伝子増幅反応試薬を生体サンプルに作用させ、25℃でのpHが8.5−9.5となる条件下でPCR反応を起こさせる。
PCR反応試薬は、pH緩衝液、MgCl2、KCl等の塩類、プライマー、デオキシリボヌクレオチド類及び熱安定性合成酵素を含む。その他に、界面活性剤や蛋白などの物質を必要に応じて添加することができる。
pH緩衝液は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンと塩酸、硝酸、硫酸等の鉱酸の組合せのほか、種々のpH緩衝液を使用することができる。pH調整された緩衝液は、PCR反応試薬の中で10mMから100mMの間の濃度で使用するのが好ましい。
プライマーはPCR反応によるDNA合成の開始点として働くオリゴヌクレオチドをいう。プライマーは合成したものであってもよく、生物界から単離したものであってもよい。
合成酵素はプライマー付加によるDNA合成用の酵素であり、化学合成系も含む。適切な合成酵素としては、E.coliのDNAポリメラーゼI、E.coliのDNAポリメラーゼのクレノーフラグメント、T4DNAポリメラーゼ、TaqDNAポリメラーゼ、T.litoralis DNAポリメラーゼ、TthDNAポリメラーゼ、PfuDNAポリメラーゼ、Hot Start Taq ポリメラーゼ、KOD DNAポリメラーゼ、EX TaqDNAポリメラーゼ、逆転写酵素などがあるが、これらに限定されるものではない。「熱安定性」は、高温下、好ましくは65−95℃でもその活性を保持する化合物の性質を意味する。
タイピング工程で使用するインベーダ法は、アレル特異的オリゴとタイピング対象のSNPを含むDNAとをハイブリダイゼーションすることによりSNP部位をタイピングする方法であり、タイピング対象のSNPを含むDNAと、タイピング対象のSNPのそれぞれのアレルに特異的な2種類のレポータープローブ及び1種類のインベーダプローブと、DNAの構造を認識して切断するという特殊なエンドヌクレアーゼ活性を有する酵素とを用いる方法である(特許文献3参照。)。
本発明の反応容器は、上方からの押圧により弾性変形可能なキャップで被われて容積が可変になっている液溜め部を備えているので、送液動作が容易になり、その反応容器を用いて反応を自動的に検出する装置の送液機構が簡単になる。
流路に上方からの押圧により閉塞することのできる弾性変形可能な部材からなるバルブ部を備えれば、送液動作の制御が容易になる。
この反応容器を用いた遺伝子多型検出方法によれば、複数の多型部位が増幅されたDNAサンプルについて、又は生体サンプルについてはそれから目的とする複数の多型部位を同時に増幅させた後に、それらの多型部位を同時にタイピングするので、多型のタイピングを簡単な工程で短時間に行なうことができる。
本発明の診断方法は得られた多型のタイピングを基にしてデータベースから診断値を読み出すので、医療現場で使用するのが可能になる。
本発明の検出装置では、タイピング試薬、又は遺伝子増幅反応試薬とタイピング試薬、又はさらに希釈液まで予め収容され、プローブ配置部が一体として形成された検査試薬キットを使用するので、簡便な測定装置によって目的とする複数の多型のタイピングを自動的に実行することができるようになる。
本発明の診断装置では、多型のタイピングからそれに基づいた診断値の表示までを自動的に実行することができるようになる。
図2は反応容器の第1の実施例である。(A)は平面図、(B)は斜視図、(C)は断面図である。
この反応容器はPCR反応によりDNAを増幅させたサンプル反応液を注入し、インベーダ反応によりSNPを検出するものであり、蛍光測定を行なうことのできる基板10上に薄層フィルム12が接合され、液溜め部14と、流路を介してそれにつながるチャンバ16が基板10に形成されたものである。液溜め部14、流路及びチャンバ16は上部が薄層フィルム12で被われている。基板10は底面側から蛍光を測定するために、低自蛍光性(それ自身からの蛍光発生が少ない性質のこと)で光透過性の樹脂、例えばポリカーボネートなどの素材で形成されている。
液溜め部14は上方からの押圧により弾性変形可能なキャップ18で覆われて容積が可変になっている。液溜め部14はタイピング試薬が収容されたタイピング試薬収容部となっている。キャップ18は弾性変形可能な上部部材15と周縁の枠体19とからなっており、枠体19が液溜め部14の周囲にはめ込まれることで着脱可能に取り付けられる。このキャップはスクリューキャップでもよい。
サンプル注入時は、キャップ18を取り外しPCR反応によりDNAを増幅させたサンプル反応液をタイピング試薬収容部14に注入する。
キャップ18の内側はダイヤフラム構造になっているので、上から押すと蓋のダイヤフラム面が下がり、封入されている液は流路に押し出される。
タイピング試薬収容部14と流路は、流路の一部が塞がれていて、タイピング試薬収容部14の内部の圧力がある圧力以上になると、その塞がれている部分が開き、タイピング試薬が流路の方へ流出するようになっている。流路の一部を塞ぐ方法は、例えば接着による方法、熱溶着による方法などを採用することができる。そのようにして閉塞された流路を開くための圧力は、例えば1.5〜2.0kg/cm2である。
チャンバ16は広い面積の凹部に複数の多型部位のそれぞれに対応して蛍光を発する複数のプローブが個別に保持されたプローブ配置部となっている。チャンバ16において、符号16aで示されるドットはそれぞれ個別のプローブ配置部を示している。チャンバ16の端部でタイピング試薬収容部14の反対側には空気抜きのための穴20が空けられている。
この反応容器では、タイピング試薬収容部14のキャップ18を外して、外部でPCR反応によりDNAが増幅されたサンプル反応液がピペットなどにより注入される。その後キャップ18が再び被せられ、この反応容器が検出装置に装着され、サンプル反応液とタイピング試薬が混合する。
検出装置において希釈部のキャップ18が上方から押圧されることにより、タイピング試薬収容部14の容積が減少し、希釈液中のサンプル反応液とタイピング試薬との反応液がチャンバ16に導かれ、プローブ配置部16aのプローブと反応して所定のSNPがあればそのプローブから蛍光が発せられる。蛍光は基板10の裏面側から励起光を照射することにより検出する。
チャンバ16の寸法は、例えば幅が2.5mm、長さが5〜25mm、深さが100μm、内容積が1.5〜50μLである。
図3は反応容器の第2の実施例を示したものである。基板22の内部にタイピング試薬収容部14、混合部28、及びプローブ配置部30がこの順に配置され、それぞれの間が流路で接続されている。この場合も、タイピング試薬収容部14と流路は、流路の一部が塞がれていて、タイピング試薬収容部14の内部の圧力がある圧力以上になると、その塞がれている部分が開き、タイピング試薬が流路の方へ流出するようになっている。流路の一部を塞ぐ方法は、例えば接着による方法、熱溶着による方法などを採用することができる。そのようにして閉塞された流路を開くための圧力は、例えば1.5〜2.0kg/cm2である。基板22は後の実施例の図4に示されるように、樹脂プレートとその上を被う弾性フィルムとからなっている。混合部28は効率よく攪拌できるように、蛇行流路にしたり、流路の広い部分と狭い部分を繰り返すなどの構成が好ましい。プローブ配置部30は、特に限定されるものではないが、1又は複数個のプローブが固定された複数個の凹部が流路に沿って直列に配列されたものが4列設けられており、プローブ配置部30の端部には空気抜きのための穴32が開けられている。プローブ配置部30はDNAとプローブとの反応に必要な温度に制御される。タイピング試薬収容部14と混合部28の間の流路にはPCR反応液を注入するためのサンプル注入口26が設けられ、注入時以外は栓で閉じることができるようになっている。
図3の反応容器ではサンプル注入口26からPCR反応液が注入されて、そのサンプル注入口26が塞がれた後、この反応容器が検出装置に装着される。装着装置ではタイピング試薬収容部14が押されて、タイピング試薬とPCR反応液が混合部28へ送られて混合される。その後、プローブ配置部30へ送られ、所定のプローブでSNPが蛍光により検出される。
タイピング試薬収容部14を押すことでタイピング試薬とPCR反応液を混合する作業は、装置外で手作業で行なってもよい。
図4は反応容器の第3の実施例を表わしたものである。(A)は断面図、(B)は平面図、(C)は液収容部の断面図、(D)はPCR反応部の断面図である。
図4の反応容器は、樹脂プレート40とその表面を覆う弾性フィルム42とからなっている。樹脂プレート40にはサンプル注入部44、PCR反応試薬収容部46、タイピング試薬収容部48及び混合部50が4つの凹部として形成され、それぞれの上部が弾性フィルム42で被われている。プローブ配置部30は図3のものと同じであり、またプローブ配置部30の他端部にはエアー抜きのための穴32が開けられている。樹脂プレート42は底面側から蛍光を測定するために、低自蛍光性で光透過性の樹脂、例えばポリカーボネートなどの素材で形成されている。
サンプル注入部44と混合部50の間の流路と、PCR反応試薬収容部46とタイピング試薬収容部48の間の流路との間を結んで、さらに流路54が形成されている。流路54はPCR反応部となる部分である。
混合部50とプローブ配置部30の間も流路で結ばれている。サンプル注入部44、PCR反応試薬収容部46、タイピング試薬収容部48及び混合部50はそれぞれ弾性変形可能なキャップで覆われ、それらの容積が可変になっている。サンプル注入部44のキャップ18は着脱可能であり、サンプルを注入する際にキャップ18が開けられる。
PCR反応部54は熱伝導率をよくするためにその樹脂プレートの下面側が図4(C)に示されるように肉厚が薄くなっている。その部分の肉厚は、例えば0.2〜0.3mmである。
サンプル注入部44のキャップ18は取り外し可能であり、混合部50のキャップは取り外す必要がないため固定されている。
サンプル注入部44は使用前の状態ではまだサンプルが注入されない空の状態で提供される。PCR反応試薬収容部46にはPCR反応試薬が10〜20μL収容されている。タイピング試薬収容部48にはタイピング試薬が40μL程度収容されている。また、使用前の状態ではPCR反応試薬収容部46とタイピング試薬収容部48及びPCR反応部54の間がストッパ58で抑えられて試薬の移動が阻止されている。流路は上部が弾性フィルム42で覆われているので、上方から押すことにより流路のその部分を閉塞することができる。
この反応溶液はSNP検出用の試薬キットとして用意され、サンプル注入部44のキャップを外して核酸抽出操作を施していない生体サンプルをサンプルとして注入する。使用にあたってストッパ58を外し、流路の適当な箇所を閉じ、サンプル注入部44とPCR反応試薬収容部46を交互に押すことによってサンプルとPCR反応試薬を混合し、その混合液をPCR反応部54に保持させる。PCR反応部54で所定の温度サイクルによりPCR反応を行なわせる。その後、流路の適当な箇所を閉じ、タイピング試薬収容部48と混合部50を交互に押すことによって、PCR反応終了後の反応液とタイピング試薬を混合し、その後混合液を混合部50に保持させる。
その後、混合部50の反応液をプローブ配置部30に送り、対応するプローブで蛍光を検出することによりSNPを検出する。
以下、各反応試薬の組成を示して、本発明を詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
ヒト新鮮血液1μLに対して、PCR反応試薬24μLを用いて、PCRを行なう。PCR反応試薬は既知のものであり、例えば特許文献3の段落[0046]に記載されているような、プライマー、DNAポリメラーゼ及びTaqStart (CLONTECH Laboratories社製)を含む反応試薬を使用することができる。また、PCR反応試薬にはAmpDirect(島津製作所製)が混入されていてもよい。プライマーは、例えば、特許文献3の表1に記載されているSNP ID1〜20、配列番号を1〜40などを使用することができる。
タイピング試薬としてインベーダ試薬を使用する。そのインベーダ試薬としては、インベーダーアッセイキット(Third Wave Technology社製)を使用する。例えば、シグナルバッファー、フレットプローブ、構造特異的DNA分解酵素及びアレル特異的プローブを特許文献3の段落[0046]に記載されているような濃度に調製されたものである。
図5は図4の反応容器を試薬キットとして用い、生体サンプルのSNPを検出するための簡易型遺伝子多型検出装置の一実施例を示したものである。装置内に上下に一対のヒートブロック60と62が配置されて検査試薬キット装着部を構成しており、図4の反応容器41にサンプルが注入されたものが5枚平行に下側ヒートブロック60上に並べて設置される。これらのヒートブロック60,62は、矢印で示されるY方向に移動することができる。
下側のヒートブロック60はPCR反応部54の温度を所定の温度サイクルになるように制御する増幅部と、プローブ配置部30の温度をDNAとプローブとを反応させる温度に制御するタイピング反応部とを備えている。増幅部の温度は、例えば94℃、55℃及び72℃の3段階にその順に変化させられ、そのサイクルが繰り返されるように設定されている。タイピング反応部の温度は、例えば63℃に設定されている。
またヒータブロック60の下部には蛍光検出を行なう検出器64が配置されており、検出器64は図の矢印X方向に移動してプローブ配置部30からの蛍光を検出する。ヒータブロック60には蛍光検出のために開口が設けられている。検査試薬キット装着部によるプローブ配置部30のY方向移動と、検出器64のX方向移動により各プローブでの蛍光検出を行なう。
反応容器の各部を押して容積を変化させたり、流路上の一部を押して閉じるために、送液装置として送液アーム66が設けられている。送液アーム66は下方向に押すアクチュエータ68を備えている。ヒートブロック62にはその下に配置された反応容器41の流路上の所定の箇所を押すためのピンチバルブ軸と、エアー抜きの穴32を閉じるためのシールバルブ軸が埋め込まれている。また、アクチュエータ68がサンプル注入部44、PCR反応試薬収容部46、タイピング試薬収容部48及び混合部50を押すことができるように、ヒートブロック62には該当する位置に開口が設けられている。アクチュエータ68でそれらのピンチバルブ軸、並びにサンプル注入部44、PCR反応試薬収容部46、タイピング試薬収容部48及び混合部50を押すことにより送液動作を行なう。
図6は上側ヒートブロック60に埋め込まれたピンチバルブ軸70a〜70eとシールバルブ軸70fの位置を示したものである。(B)に示されるように、ピンチバルブ軸は流路上で5箇所の位置70a〜70eに配置されており、シールバルブ軸はエアー抜きの穴32の位置に配置されている。
ピンチバルブ軸70a〜70e及びシールバルブ軸の一例は、図7(A)に示されるノック機構部の先端にピン72を備えたものである。ピンチバルブ軸70a〜70eのノック機構部は、カム筒74、ノック棒76及び回転子78を備えたカーン式ノック式機構と同等のものである。カム筒74にはカム溝80が設けられ、カム溝80はノック棒76とかみ合っている。82はバルブ軸リフィールで、回転子78の先端側にはめ込まれ、バネ84により上方向に付勢されている。ピン72はバルブ軸リフィール82の先端にバネ86により先端方向に付勢されて取り付けられている。
シールバルブ軸は、図7(B)に示されるように、ピンチバルブ軸のピン72の先端にエアー抜きの穴32を塞ぐためのシール部88を設けたものである。
図8は検出器64を詳細に示したものである。検出器64は励起光源として473nmのレーザ光を発するレーザダイオード(LD)や発光ダイオード(LED)92を備え、そのレーザ光を反応容器41のプローブ配置部の底面に集光して照射する一対のレンズ94,96を備えている。レンズ94はレーザダイオード92からのレーザ光を集光して平行光にするものであり、レンズ96は平行にされたレーザ光を反応容器41の底面に収束させて照射する対物レンズである。対物レンズ96はまた、反応容器41から発生する蛍光を集光するレンズとしても作用する。一対のレンズ94,96の間にはダイクロイックミラー98が設けられており、ダイクロイックミラー98は励起光を透過させ、蛍光を反射させるように波長特性が設定されている。ダイクロイックミラー98の反射光(蛍光)の光路上にはさらにダイクロイックミラー100が配置されている。ダイクロイックミラー100は525nmの光を反射し605nmの光を透過するように波長特性が設定されている。ダイクロイックミラー100による反射光の光路上には525nmの蛍光を検出するようにレンズ102と光検出器104が配置され、ダイクロイックミラー100による透過光の光路上には605nmの蛍光を検出するようにレンズ106と光検出器108が配置されている。この2つの検出器104,108による2種類の蛍光検出により、各プローブ配置位置に固定されたインベーダプローブに対応したSNPの有無と、そのSNPがホモ接合体であるかヘテロ接合体であるかが検知される。標識蛍光体としては、例えばFAM,ROX,VIC,TAMRAなどを使用することができる。
次に、この実施例の動作について説明する。
図4に示される状態は未使用の状態の試薬キットを示したものである。
(サンプル注入)
まずサンプル注入部44のキャップ44aが開けられて、ピペット45によりサンプルが注入され(図9参照。)、その後、キャップが閉じられる。ストッパ58が外されて図5の検出装置に装着される。
(サンプルとPCR反応試薬の混合)
検出装置では図10に示されるようにアクチュエータ68がピンチバルブ軸70b,70dを押し、その部分の流路を閉じる。ピンチバルブ軸は押されて先端が前進した状態又は後退した状態になると、アクチュエータによる押圧を解除しても、次に押圧されるまではその状態を維持する。そして、図10と図11に示されるように、サンプル注入部44とPCR反応試薬収容部46を上から交互にアクチュエータ68で押すことによって、PCR反応部54を通って両部44,46間で液を往復させながら混合する。混合液はPCR反応部54にも存在する。
(PCR反応)
図12に示されるようにピンチバルブ軸70a,70b,70c及び70dにより流路を4箇所で閉じ、PCR反応部54にサンプルとPCR反応試薬との混合液を閉じ込める。その状態で所定の温度サイクルを繰り返し、PCR反応を行なわせる。PCR温度サイクルは、変性、プライマー付着(アニーリング)及びプライマー伸長の3工程を含み、そのサイクルを繰り返すことによりDNAを増幅させる。各工程の一例は、変性工程が94℃で1分間、プライマー付着工程が55℃で1分間、プライマー伸長が72℃で1分間である。サンプルはゲノム抽出操作を施していないものであるが、PCR温度サイクルの高温下でDNAが血球や細胞から遊離し、PCR反応に必要な試薬がDNAに接触して反応が進む。
(タイピング反応液との混合)
PCR反応終了後、図13〜図15に示されるように、ピンチバルブ軸70a、70c及び70eにより流路のその部分を閉じ、タイピング試薬収容部48と混合部50をアクチュエータ68で交互に押すことによってタイピング試薬がPCR反応部54を通過するようにし、PCR反応を完了した反応液とタイピング試薬とを混合する。
(プローブ配置部への送液)
図16に示されるようにピンチバルブ軸70bにより流路のその部分を閉じ、混合部50をアクチュエータ68で押すことによって混合部50にある反応液をプローブ配置部30へ送液する。
(インベーダ反応)
図17に示されるように、ピンチバルブ軸70eにより流路のその部分を閉じ、シールバルブ軸70fによりエアー抜き用の穴32を閉じて、プローブ配置部30に反応液を溜めた状態でインベーダ反応を起こさせる。インベーダ反応は温度が例えば63℃に設定されて行なわれる。所定のプローブに該当するSNPがあればその部分が発色するので、反応容器の下側から検出器64で励起光を照射し蛍光を検出する。
図18は検出装置の他の実施例を表わしたものであり、送液アーム110に反応容器上の所定の部分を押圧する2つのアクチュエータ112,114と、流路の所定の位置に対応して設けられた7個のピンチバルブ軸116a,116b,116c,116d,116e,116f,116gを備えた例である。図5の検出装置では、流路を押さえるピンチバルブ軸は検査試薬キット装着部を構成する上側ヒートブロック62に埋め込まれていたが、この実施例では上側ヒートブロック62には該当する位置に穴をあけておき、ピンチバルブ軸は送液アーム110に設けてアクチュエータ112,114とは異なる別のアクチュエータにより押圧して作動させる。
次にこの実施例による動作を説明する。
(サンプル注入)
まずサンプル注入部44のキャップが開けられて、サンプルが注入され、その後、キャップが閉じられる。ストッパ58が外されて検出装置に装着される(図18参照。)。
(サンプルとPCR反応試薬の混合)
この工程では、サンプル注入部44とPCR反応試薬収容部46をPCR反応部54を介して導通させ、タイピング試薬収容部48との間、及び混合部50との間を閉じるように流路を押した状態でサンプルとPCR反応試薬を混合させる。そのために、図19に示されるように送液アーム110を位置決めしピンチバルブ軸116b,116dによりそれらの下の流路を閉じた状態でアクチュエータ112によりPCR反応試薬収容部46を押す動作と、図20に示されるように送液アーム110を位置決めしピンチバルブ軸116d,116fによりそれらの下の流路を閉じた状態でアクチュエータ112によりサンプル注入部44を押す動作とを交互に繰り返す。これによってPCR反応部54を通って両部44,46間で液を往復させながら混合する。混合液はPCR反応部54にも存在する。
(PCR反応)
図21に示されるように流路の閉塞を解除し、PCR反応部54にサンプルとPCR反応試薬との混合液が存在している状態で所定の温度サイクルを繰り返し、PCR反応を行なわせる。
(タイピング反応液との混合)
PCR反応終了後、図22に示されるように送液アーム110を位置決めし、ピンチバルブ軸116a、116b及び116cによりそれらの下の流路を閉じ、タイピング試薬収容部48をアクチュエータ112で押す動作と、図23に示されるように送液アーム110を位置決めし、ピンチバルブ軸116c、116d及び116eによりそれらの下の流路を閉じ、混合部50をアクチュエータ112で押す動作とを繰り返すことによって、PCR反応を完了した反応液とタイピング試薬とを混合する。
その後、図24に示されるように送液アーム110を位置決めし、ピンチバルブ軸116a、116b及び116cによりそれらの下の流路を閉じ、タイピング試薬収容部48をアクチュエータ112で押して混合液を混合部50に移動させる。
(プローブ配置部への送液)
図25に示されるように送液アーム110を位置決めし、ピンチバルブ軸116gによりその下の流路を閉じ、混合部50をアクチュエータ114で押して混合部50にある反応液をプローブ配置部30へ送液する。
(インベーダ反応)
図26に示されるように流路の閉塞を解除し、プローブ配置部30に反応液を存在させた状態でインベーダ反応を起こさせる。所定のプローブに該当するSNPがあればその部分が発色するので、反応容器の下側から検出器64で励起光を照射し蛍光を検出する。この例では、空気抜きのための穴32を閉じていない。その場合、反応液の蒸発によりインベーダ反応に影響が出ないようにするために、一例として蒸発をしてもインベーダ反応に影響が出ないだけの反応液量を穴32に存在させておくのが好ましい。
図27は反応容器の第4の実施例を示したものである。この反応容器では、サンプルとして外部でPCR反応を終了させた反応液を使用する。この反応容器は、液溜め部としてサンプル注入部120とタイピング試薬収容部48が設けられ、プローブ配置部30が設けられている。タイピング試薬収容部48及びプローブ配置部30は上記の実施例のものと同じである。
サンプル注入部120は外部でPCR反応を終了させた反応液を注入するために着脱可能なキャップで被われており、そのキャップは上方からの押圧により弾性変形可能で容積が可変になっている。サンプル注入部120とタイピング試薬収容部48の間が流路122を介して接続されており、サンプル注入部120とプローブ配置部30との間が流路122を介して接続されている。流路122,124も上記の実施例と同様に弾性フィルムにより被われていて、上方から押圧することによりその部分を閉塞することができる。
この反応容器は、使用前の状態では流路122がストッパ126で押さえられてサンプル注入部120とタイピング試薬収容部48の間が閉塞されている。
この反応容器の動作を説明する。送液アームは上記のいずれの実施例のものも使用することができるが、ここでは、図5の実施例のものを使用するものとする。
(PCR反応終了後のサンプル注入)
図27に示されるように、流路124を閉じ、サンプル注入部120のキャップを開けて、ピペット45により、外部でPCR反応を終了させた反応液を注入する。注入量は約1μLとする。その後、サンプル注入部120のキャップを閉じる。
(タイピング反応液との混合)
次に、ストッパ126を外し、ピンチバルブ軸で流路124を閉じた状態で、図28のようにアクチュエータ68でタイピング試薬収容部48を押す動作と、図29のようにアクチュエータ68でサンプル注入部120を押す動作を繰り返すことによって、PCR反応を完了した反応液とタイピング試薬とを混合する。
その後、図30に示されるようにタイピング試薬収容部48をアクチュエータで押して混合液をサンプル注入部120に移動させる。
(プローブ配置部への送液)
図31に示されるように流路122をピンチバルブ軸で閉じ、サンプル注入部120をアクチュエータ68で押してサンプル注入部120にある反応液をプローブ配置部30へ送液する。
(インベーダ反応)
図32に示されるようにピンチバルブ軸70eにより流路のその部分を閉じ、シールバルブ軸70fによりエアー抜き用の穴32を閉じて、プローブ配置部30に反応液を存在させた状態でインベーダ反応を起こさせる。所定のプローブに該当するSNPがあればその部分が発色するので、反応容器の下側から検出器で励起光を照射し蛍光を検出する。
本発明は遺伝子解析の研究や臨床分野において、種々の自動分析に利用することができ、例えば、人間を初めとして、動物や植物のゲノムDNAの多型、特にSNP(一塩基多型)を検出することができ、さらにその結果を用いて病気罹患率の診断や、投与薬剤の種類と効果及び副作用との関係などの診断のほか、動物や植物の品種判定、感染症診断(感染菌の型判定)などを行なうのにも利用することができる。
本発明の検出方法を概略的に示すフローチャート図である。 反応容器の第1の実施例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は斜視図、(C)は断面図である。 反応容器の第2の実施例を示す平面図である。 反応容器の第3の実施例を示す図であり、(A)は断面図、(B)は平面図、(C)は液収容部の断面図、(D)はそのPCR反応部の断面図である。 図4の反応容器を試薬キットとして用い、生体サンプルのSNPを検出するための簡易型遺伝子多型検出装置の一実施例を示す概略斜視図である。 (A)は同検出装置のピンチバルブ軸などの位置を示す斜視図、(B)はピンチバルブ軸などと反応容器との位置関係を示す平面図である。 (A)はピンチバルブ軸を示す断面図、(B)はシールバルブ軸の先端部を示す断面図である。 同検出装置における検出器を示す概略構成図である。 一実施例におけるサンプル注入動作を示す平面図である。 同実施例におけるサンプルとPCR反応試薬の混合動作を示す平面図である。 同実施例におけるサンプルとPCR反応試薬の混合動作を示す平面図である。 同実施例におけるPCR反応動作を示す平面図である。 同実施例におけるPCR反応後のサンプル液とタイピング反応液との混合動作を示す平面図である。 同実施例におけるPCR反応後のサンプル液とタイピング反応液との混合動作を示す平面図である。 同実施例におけるPCR反応後のサンプル液とタイピング反応液との混合動作を示す平面図である。 同実施例におけるプローブ配置部への送液動作を示す平面図である。 同実施例におけるインベーダ反応動作を示す平面図である。 他の実施例におけるサンプル注入動作を示す平面図である。 同実施例におけるサンプルとPCR反応試薬の混合動作を示す平面図である。 同実施例におけるサンプルとPCR反応試薬の混合動作を示す平面図である。 同実施例におけるPCR反応動作を示す平面図である。 同実施例におけるPCR反応後のサンプル液とタイピング反応液との混合動作を示す平面図である。 同実施例におけるPCR反応後のサンプル液とタイピング反応液との混合動作を示す平面図である。 同実施例におけるPCR反応後のサンプル液とタイピング反応液との混合動作を示す平面図である。 同実施例におけるプローブ配置部への送液動作を示す平面図である。 同実施例におけるインベーダ反応動作を示す平面図である。 さらに他の実施例におけるPCR反応後のサンプル注入動作を示す平面図である。 同実施例におけるPCR反応後のサンプル液とタイピング反応液との混合動作を示す平面図である。 同実施例におけるPCR反応後のサンプル液とタイピング反応液との混合動作を示す平面図である。 同実施例におけるPCR反応後のサンプル液とタイピング反応液との混合動作を示す平面図である。 同実施例におけるプローブ配置部への送液動作を示す平面図である。 同実施例におけるインベーダ反応動作を示す平面図である。
符号の説明
2 サンプル
4 PCR反応液
6 インベーダ試薬
8 プローブ配置部
14 希釈液収容部
16 チャンバ
16a,30 プローブ配置部
18 キャップ
26 サンプル注入口
28 混合部
41 反応容器
44,120 サンプル注入部
46 PCR反応試薬収容部
48 タイピング試薬収容部
50 混合部
54 PCR反応部
60,62 ヒートブロック
64 検出器
66,110 送液アーム
68,112,114 アクチュエータ
70a〜70e,116a〜116g ピンチバルブ軸
70f シールバルブ軸

Claims (29)

  1. 平板状の基板内に形成され、サンプル又はサンプルと試薬との反応液を流路に沿って第1反応部に移送して反応させる反応容器であって、
    前記基板内に形成され、流路を介して第1反応部に接続され、上方がキャップで被われている液溜め部を備え、
    前記キャップは弾性変形可能な上部部材とその周縁の枠体とからなり、
    前記キャップは上方からの押圧により前記液溜め部の容積を可変することができ、前記キャップを押さえることで液を第1反応部に移送させるようにした反応容器。
  2. 前記弾性変形可能な部材はダイヤフラム構造である請求項1に記載の反応容器。
  3. 前記弾性変形可能な部材はPDMS又はSiゴムを含む柔軟性をもつ素材である請求項2に記載の反応容器。
  4. 前記流路は上方からの押圧により閉塞することのできる弾性変形可能な部材からなるバルブ部を備え、
    前記バルブ部を押さえることで所定の流路部分を塞ぎ、前記液溜め部を押さえることで液を移送させるようにした請求項1から3のいずれかに記載の反応容器。
  5. 前記液溜め部としてサンプルが注入され又は収容したサンプル収容部と、試薬を収容した試薬収容部とを備え、
    前記流路はサンプル収容部と前記第1反応部の間及び前記試薬収容部と前記第1反応部の間を接続するとともに、各部間にはバルブ部を有する請求項4に記載の反応容器。
  6. 前記サンプル収容部のキャップは前記枠体が前記液溜め部の周囲にはめ込まれることで着脱可能に取りつけられるようになっている請求項5に記載の反応容器。
  7. 前記液溜め部として希釈液を収容した希釈液収容部と空の空間からなる希釈部とをさらに備え、
    この反応容器は前記希釈部で希釈された反応液が導かれる第2反応部をさらに備え、
    前記流路は前記希釈液収容部及び希釈部も接続しているとともに、前記希釈部と第2反応部の間も接続しており、それら各部間にもバルブ部を有する請求項5又は6に記載の反応容器。
  8. 前記試薬収容部に収容された試薬は遺伝子増幅試薬であり、
    前記第1反応部は遺伝子増幅試薬とサンプルを混合し、増幅反応を行う増幅反応部であって、この反応容器が試薬キットを構成している請求項5から7のいずれかに記載の反応容器。
  9. 前記サンプル収容部に注入又は収容されるサンプルは生体サンプルであり、
    前記試薬収容部に収容された試薬は複数の多型部位それぞれをはさんで結合する複数のプライマーを含む遺伝子増幅試薬であり、
    前記第1反応部は遺伝子増幅試薬とサンプルを混合し、増幅反応を行う増幅反応部であり、
    前記基板内に形成され、前記複数の多型部位に対応して調製されたタイピング試薬を収容し、上方からの押圧により弾性変形可能なキャップで被われて容積が可変になっているタイピング試薬収容部と、
    前記基板内に形成され、上方からの押圧により弾性変形可能なキャップで被われて容積が可変になっている空の空間からなる混合部と、
    前記混合部で混合された反応液が導かれ、前記複数の多型部位のそれぞれに対応して蛍光を発する複数のプローブが個別に保持された、第2反応部としてのプローブ配置部と、をさらに備え、
    前記流路は前記タイピング試薬収容部及び混合部も接続しているとともに、前記混合部と前記プローブ配置部の間も接続しており、それら各部間にも上方からの押圧により閉塞することのできる弾性変形可能な部材からなるバルブ部を有し、この反応容器が遺伝子多型検出用の試薬キットを構成している請求項5又は6に記載の反応容器。
  10. 前記増幅反応部の基板肉厚が他の部分よりも薄くなっている請求項8又は9に記載の反応容器。
  11. 前記液溜め部は複数の多型部位に対応して調製されたタイピング試薬を収容したタイピング試薬収容部であり、前記キャップの前記枠体が前記液溜め部の周囲にはめ込まれることで着脱可能に取りつけられるようになっており、前記液溜め部には遺伝子増幅反応を終了したサンプルが注入されるようになっており、
    第1反応部は前記液溜め部でタイピング試薬とサンプルが混合された反応液が導かれ、前記複数の多型部位のそれぞれに対応して蛍光を発する複数のプローブが個別に保持されたプローブ配置部であり、この反応容器が遺伝子多型検出用の試薬キットを構成している請求項1から3のいずれかに記載の反応容器。
  12. 前記液溜め部として遺伝子増幅反応を終了したサンプルが注入されるサンプル収容部と、複数の多型部位に対応して調製されたタイピング試薬を収容したタイピング試薬収容部とを備え、両収容部は流路で接続されており、いずれかの収容部と第1反応部の間が流路で接続されており、
    第1反応部は前記液溜め部でタイピング試薬とサンプルが混合された反応液が導かれ、前記複数の多型部位のそれぞれに対応して蛍光を発する複数のプローブが個別に保持されたプローブ配置部であり、
    前記サンプル収容部の前記枠体は前記液溜め部の周囲にはめ込まれることで着脱可能に取りつけられるようになっており、
    前記流路は上方からの押圧により閉塞することのできる弾性変形可能な部材からなるバルブ部を備え、前記バルブ部を押さえることで所定の流路部分を塞ぎ、前記液溜め部を押さえることで液を移送させることができ、
    この反応容器が遺伝子多型検出用の試薬キットを構成している請求項1から3のいずれかに記載の反応容器。
  13. 対象とする多型が一塩基多型である請求項9から12のいずれかに記載の反応容器。
  14. 前記サンプルは核酸抽出操作を施していない生体サンプルである9から13のいずれかに記載の反応容器。
  15. 前記遺伝子増幅試薬はPCR反応試薬である請求項9から14のいずれかに記載の反応容器。
  16. 前記タイピング試薬はインベーダ試薬又はタックマンPCR試薬である請求項9から15のいずれかに記載の反応容器。
  17. 請求項1から8のいずれかに記載の反応容器を用い、前記液溜め部の押圧によりサンプル又はサンプルと試薬との反応液を流路に沿って第1反応部に移送して反応させ、その反応結果を検出する反応検出方法。
  18. 請求項9又は10に記載の反応容器を用い、次の工程を備えて遺伝子多型を検出する遺伝子多型検出方法。
    (A)前記サンプル収容部にサンプルを注入する工程、
    (B)前記流路の少なくとも1箇所のバルブ部を押さえることで所定の流路部分を塞ぎ、前記サンプル収容部と試薬収容部を交互に押すことでサンプルと遺伝子増幅試薬の混合液を作成して前記増幅反応部へ供給する工程、
    (C)その混合液を前記増幅反応部で遺伝子増幅反応させる工程、
    (D)前記流路の少なくとも1箇所のバルブ部を押さえることで所定の流路部分を塞ぎ、前記タイピング試薬収容部と混合部を交互に押すことで前記増幅反応部での遺伝子増幅反応終了液とタイピング試薬を混合する工程、及び
    (E)前記工程(D)で混合された反応液を前記プローブ配置部へ送って蛍光を検出する工程。
  19. 請求項11に記載の反応容器を用い、次の工程を備えて遺伝子多型を検出する遺伝子多型検出方法。
    (A)前記液溜め部にサンプルを注入する工程、
    (B)前記工程(A)でタイピング試薬とサンプルが混合された反応液を前記プローブ配置部へ送って蛍光を検出する工程。
  20. 請求項12に記載の反応容器を用い、次の工程を備えて遺伝子多型を検出する遺伝子多型検出方法。
    (A)前記サンプル収容部にサンプルを注入する工程、
    (B)前記流路の少なくとも1箇所のバルブ部を押さえることで所定の流路部分を塞ぎ、前記サンプル収容部とタイピング試薬収容部を交互に押すことでサンプルとタイピング試薬を混合する工程、
    (C)前記流路の少なくとも1箇所のバルブ部を押さえることで所定の流路部分を塞ぎ、前記工程(B)で混合された反応液を前記プローブ配置部へ送って蛍光を検出する工程。
  21. 前記サンプルは核酸抽出操作を施していない生体サンプルである請求項18に記載の遺伝子多型検出方法。
  22. 特定の多型又は複数の多型の組合せについての診断値をデータベースとして用意しておき、
    請求項18から21のいずれかに記載の方法により検出された多型の結果に基づいて前記データベースから診断値を読み出す診断方法。
  23. 請求項1から16のいずれかに記載の反応容器を装着するとともに、各部を所定の温度に制御する検査試薬キット装着部と、
    前記キャップとバルブ部の一方又は両方を押さえることにより、液の移送を行なう送液装置と、
    前記反応容器の反応後の反応液部分に励起光を照射して蛍光を検出する蛍光検出装置と、
    前記検査試薬キット装着部の温度制御、前記送液装置の送液動作、並びに前記蛍光検出装置の検出動作を制御する制御部と、
    を備えた検出装置。
  24. 前記送液装置はバルブ部を押すピンチバルブ軸と、前記キャップを押すアーム機構とを備えており、前記ピンチバルブ軸は下げる方向に押す操作ごとに進行位置と後退位置に交互に固定されるノック機構の先端に押圧用のピンを備えたものである請求項23に記載の検出装置。
  25. 前記検査試薬キット装着部は請求項9又は10に記載の反応容器を装着するとともに、前記増幅反応部の温度を遺伝子増幅のための温度に制御する増幅部、及び前記プローブ配置部の温度をDNAと前記プローブとを反応させる温度に制御するタイピング反応部を備え、
    前記送液装置は前記サンプル収容部、試薬収容部、タイピング試薬収容部、混合部及びバルブ部を押さえることにより、各部間の液の移送及び前記混合部から前記プローブ配置部への液の移送を行なう、ことにより遺伝子多型を検出する請求項23又は24に記載の検出装置。
  26. 前記サンプルは核酸抽出操作を施していない生体サンプルである請求項25に記載の検出装置。
  27. 前記検査試薬キット装着部は請求項11に記載の反応容器を装着するとともに、前記プローブ配置部の温度をDNAと前記プローブとを反応させる温度に制御するタイピング反応部を備え、
    前記送液装置は前記タイピング試薬収容部を押さえることにより前記プローブ配置部への液の移送を行なう、ことにより遺伝子多型を検出する請求項23又は24に記載の検出装置。
  28. 前記検査試薬キット装着部は請求項12に記載の反応容器を装着するとともに、前記プローブ配置部の温度をDNAと前記プローブとを反応させる温度に制御するタイピング反応部を備え、
    前記送液装置は前記サンプル収容部、タイピング試薬収容部及びバルブ部を押さえることにより、各部間の液の移送及び前記プローブ配置部への液の移送を行なう、ことにより遺伝子多型を検出する請求項23又は24に記載の検出装置。
  29. 請求項25から28のいずれかに記載の検出装置と、
    特定の多型又は複数の多型の組合せについての診断値を記憶したデータベースと、
    前記遺伝子多型検出装置により検出された多型結果に基づいて前記データベースから診断値を読み出して表示する表示装置と、を備えた診断装置。
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