JPH06113814A - 生化学装置 - Google Patents

生化学装置

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JPH06113814A
JPH06113814A JP26574892A JP26574892A JPH06113814A JP H06113814 A JPH06113814 A JP H06113814A JP 26574892 A JP26574892 A JP 26574892A JP 26574892 A JP26574892 A JP 26574892A JP H06113814 A JPH06113814 A JP H06113814A
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JP
Japan
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container
liquid
dispenser
sample
lid
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Pending
Application number
JP26574892A
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English (en)
Inventor
Masaharu Kiyama
政晴 木山
Noritaka Uchida
憲孝 内田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、核酸等生体試料の反応や精製や解
析する装置、特に汚染防止を苦慮した装置を提案する。 【構成】 はめあい可能なふたを一体成型して作られた
容器に液体を分注する分注機と、遠心加速度をかけて上
記容器内の液体を分離する遠心分離機と、上記容器内の
液体を混合する混合機と、上記容器内の液体を保存する
保冷室と、上記容器内の液体を加温する加温機と、上記
容器を上記分注機、上記遠心分離機、上記混合機、上記
保冷室、上記加温機間に搬送する搬送機と、上記分注
機、上記遠心分離機、上記混合機、上記加温機、上記搬
送機を制御するコントローラと、上記分注機、上記遠心
分離機、上記混合機、上記加温機、上記搬送機の作動空
間を覆い、生化学装置内部空間と生化学装置外部を遮断
する筐体を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核酸など生体試料の抽
出精製および解析処理を行なう装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】生体試料や細菌、原核生物等の免疫や遺
伝子を解析することによって感染症の診断や遺伝子診断
が可能となってきた。そのプロセスは、試料に化学反応
的及び酵素反応的な手法により、夾雑物を分離し化学修
飾するものであるが、単純な作業の連続であるため一般
に煩雑である。またこれらの試料には作業従事者に感染
したり、環境を汚染する細菌等も含まれる為、組み換え
DNA実験指針に示す法律等に従って、作業所全体を隔
離したり、クリーンベンチを使用する等、取り扱い場所
を限定し厳重な注意を払う必要があった。さらに放射性
同位元素を遺伝子に標識して、目的遺伝子を検出する方
法があり、遺伝子の塩基配列決定などに応用されてい
る。しかし放射性同位元素を扱う場合、人体の保護や作
業所全体を隔離するなど被爆を防止する必要があり危険
が伴っていた。近年特開平2―275362に示す、試
料調製装置およびその使用方法や特開平3―12597
2に示すDNA抽出精製装置のように、これらのプロセ
スの一部を自動化した装置が開発され作業者の省力化と
大量処理ができるようになりつつある。しかしこのよう
な装置もバイオハザードに関しての考慮はほとんどされ
ていなかった。
【0003】また一方で、装置外部から装置内部の試料
に対しての汚染についても考える必要がある。大気や人
体の皮膚などには試料に対して影響を与えるものがあ
る。例としてRNAを対象とした場合では、RNAの分
解酵素であるRNaseが操作者の皮膚や容器などに付
着し、極微量であっても活性を保ちRNAを分解するこ
とが問題となるため、操作者は常に手袋を着用し処理を
行ない、また実験室にはRNaseのエアロゾルのない
遮蔽された作業空間を必要とする。さらに、遺伝子診断
を行う上で重要な技術に特開昭61−274697等に
示すポリメラーゼチェイン リアクション法が発明され
た。この技術は目的とするDNA領域を、DNAポリメ
ラーゼによる鋳型特異的なDNA合成反応を繰り返すこ
とで、短時間に106倍に増幅し、試料中にただ1つの
標的部位でも増幅することが出来る。また元のサンプル
量も髪の毛1本や1滴の血液程度の微量な物でよい。そ
のためポリメラーゼ チェイン リアクション法は感染
症や遺伝病の診断、法医学などで目的部位の検出に威力
を発揮する。従来までポリメラーゼ チェイン リアク
ション法の様な遺伝子増幅技術を用いた自動装置は、反
応液の温度をプログラマブルに変化させる遺伝子増幅装
置があるが、遺伝子増幅技術を含む抽出、精製、増幅、
酵素反応等、全プロセスを自動化した装置はこれまでに
なかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの一部の作業の
自動化が進められているが、装置は試料の大量処理、人
手の省力化が目的であるため、試料からの汚染や感染の
危険を防止する等の安全面での処置が十分ではなかっ
た。更にポリメラーゼ チェイン リアクション法等の
遺伝子増幅技術の開発によって、他の試料の混入の防止
には次の二つの問題から十分な配慮をする必要がある。
一つは増幅前の試料に外部からただ1つの遺伝子の混入
があっても解析可能な量に増幅され、誤った結果を示す
問題があり、二つめは増幅後の試料の小さな飛沫でも解
析可能な量の増幅産物が含まれ、その飛沫が他の増幅前
の試料や増幅後の他の試料中に混入すると、それらの試
料よりも圧倒的な量であるため有利な増幅や処理が行わ
れ、誤った診断結果を示す恐れがある。従って、遺伝子
増幅の前処理から遺伝子増幅の後処理までの連続した処
理を一つの装置内で行う場合、試料間の混入の問題は大
きな技術課題であった。
【0005】これらの課題に対して本発明は、試料の飛
散を防ぎ、試料間の混入を防ぐことによって、誤った処
理結果を示すことを防ぎ、試料からの汚染、感染、被爆
を防ぐ手段を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を達成するため
に、以下の手段を設けることによって、上記課題を達成
することができる。
【0007】はめあい可能なふたを一体成型して作られ
た容器に液体を分注する分注機と、遠心加速度をかけて
上記容器内の液体を分離する遠心分離機と、上記容器内
の液体を混合する混合機と、上記容器内の液体を保存す
る保冷室と、上記容器内の液体を加温する加温機と、上
記容器を上記分注機、上記遠心分離機、上記混合機、上
記保冷室、上記加温機間に搬送する搬送機と、上記分注
機、上記遠心分離機、上記混合機、上記加温機、上記搬
送機を制御するコントローラと、上記分注機、上記遠心
分離機、上記混合機、上記加温機、上記搬送機の作動空
間を覆い、生化学装置内部空間と生化学装置外部を遮断
する筐体を備える。 また、上記容器および液体を保
持する分注チップおよび概液体を設置する設置口にエア
カーテンを設けるよう構成する。
【0008】また、使用した上記容器および上記分注チ
ップは滅菌処理をするよう構成する。
【0009】また、装置内部に紫外線により滅菌処理や
核酸分解を行なうよう構成する。
【0010】また、上記容器を開ける前に、上記遠心分
離機によって遠心加速度を与えるよう構成する。
【0011】さらに、上記容器周辺の空気の流れを制御
するよう構成する。
【0012】また、装置内部の空気の流れがダウンフロ
ーとなるよう構成する。
【0013】また、試料が装置内雰囲気に触れる空気を
吸引する構成する。
【0014】また、上記分注機の液体を保持する部材
に、フィルタ付き分注チップを用いるよう構成する。
【0015】
【作用】本発明による生化学装置の作用を説明する。
【0016】この発明に係る生化学装置においては、は
めあい可能なふたを一体成型して作られた容器に液体を
分注する分注機と、遠心加速度をかけて上記容器内の液
体を分離する遠心分離機と、上記容器内の液体を混合す
る混合機と、上記容器内の液体を保存する保冷室と、上
記容器内の液体を加温する加温機と、上記容器を上記分
注機、上記遠心分離機、上記混合機、上記保冷室、上記
加温機間に搬送する搬送機と、上記分注機、上記遠心分
離機、上記混合機、上記加温機、上記搬送機を制御する
コントローラと、上記分注機、上記遠心分離機、上記混
合機、上記加温機、上記搬送機の作動空間を覆い、生化
学装置内部空間と生化学装置外部を遮断する筐体を備え
ているから、装置内部に試料に影響をおよぼす夾雑物が
侵入すること、および装置外の環境を汚染すること無
く、容器の搬送、液体の分注、遠心分離、混合、保存、
加熱と乾燥を行ない、酵素反応と精製操作をシーケンシ
ャルに行なうことができる。
【0017】また、上記容器および液体を保持する分注
チップおよび概液体を設置する設置口にエアカーテンを
設けるよう構成したので、装置内部に試料に影響をおよ
ぼす夾雑物が侵入すること、および装置外の環境を汚染
すること無く、試料の処理を行なうことができる。
【0018】また、試料に接触した上記容器および上記
分注チップは滅菌処理をする構成としたので、装置外の
環境を汚染したり、作業従事者に感染すること無く、試
料の処理を行なうことができる。
【0019】また、試料を入れた上記容器のふたの開い
ているとき以外は、装置内部を紫外線により滅菌処理や
核酸の分解を行なう構成にしたので、装置内を無菌化か
つ不要な核酸の無い状態に保つことができる。
【0020】さらにこの装置において、試料を入れた上
記容器を開ける前には、上記遠心分離機によって遠心加
速度を与え、ふたに付いた試料を取り除いたのちにふた
を開けるので、ふたを開けるときの試料の飛沫の量を低
減でき、試料間の混入や装置内を汚染することが無い。
【0021】また、試料の飛沫を上記容器周辺の空気の
流れによって他の試料に混入することを防ぐ構成にした
ので、試料間の混入や装置内を汚染することが無い。
【0022】また、装置内部の空気の流れがダウンフロ
ーのような常に一定方向になるよう構成したので、装置
内部を清浄化する作用があるとともに、装置外の環境を
汚染すること無く試料の処理が行える。
【0023】また、試料が装置内雰囲気に直接触れる周
辺の空気を吸引する手段を設けたので、装置内に試料の
拡散がおこることを無くし、試料間の混入の無い試料調
製が可能となる。
【0024】また、試料の分注動作においては、分注機
の液体を保持する部材が使い捨てのフィルタ付きチップ
を用いてあるので、同一の分注機を用いても試料間の混
入の恐れの無い試料調製が可能である。
【0025】よって本発明を用いた装置を用いると、こ
れまで作業者に感染したり、環境を汚染したり、被爆等
の恐れのある試料を安全に取り扱う事が出来、さらにこ
れらの試料を取り扱う場合に必要であった特別に遮蔽さ
れた作業空間を必要としない。また試料間の混入が無い
ので、遺伝子増幅技術を含む遺伝子増幅の前処理から後
処理までの連続した処理を同一の装置内で行うことが可
能である。
【0026】
【実施例】図1は本発明に係る生化学装置の平面図、図
2はこの発明に係る生化学装置の内部構成を示す概略斜
視図、図3は分注機の搬送装置を示す平面図、図4は分
注機のふた開機構を示す図、図5は分注機のふた閉機構
を示す図、図6は移送分注機及びその周辺の機構を示す
図、図7は圧送分注機の構成を示す図、図8は遠心分離
機を示す平面図、図9は遠心分離機の遠心分離機の遠心
分離バケットを示す断面図、図10は混合機を示す図、
図11は加温機を示す斜視図、図12は容器反転機構を
示す図、図13は搬送機のつかみ機構部を示す図、図1
4は廃棄物の処理を示す図、図15は容器周辺の空気の
流れの制御を示す図、図16は分注時の容器周辺の空気
の流れの制御を示す図、図17は試料の拡散を低減する
手段を示す図である。 本発明で使用する容器1は、図
4に示すようにはめあい可能なふた1aを備え、容器1
とふた1aとは一体成型で作られており、また容器1は
軽量で強度の高いポリプロピレン等のプラスチックから
なり、容器1は10000G以上の遠心分離加速度に耐
えることが出来る。
【0027】本発明における容器1への液体の分注動作
を図2、図3、図4、図5、図6、図7を用いて説明す
る。図2において7は分注機であり容器1に試薬等の液
体を分注する。2は搬送装置で、搬送装置2は容器1を
平面上に搬送する。3はふた開機構であり、搬送装置2
によって搬送された容器1のふた1aを開く。4はふた
閉機構であり搬送装置2によって搬送された容器1のふ
た1aを閉じる。21aは圧送分注機21(図7参照)
の液配管で、8は密閉容器であり、液配管21aと密閉
容器8は機械室17内部を通って接続されている。
【0028】搬送装置2の詳細な構成を図3及び図6に
示す。図3において2a、2bは搬送装置2のターンテ
ーブルであり、図6におけるパルスモータ18a、18
bによってターンテーブル2a、2bを駆動する。20
はターンテーブル2a、2bに設けられた容器載置孔で
ある。矢印はターンテーブル2a、2bの回転方向を示
す。
【0029】ふた開機構3の詳細な構成を図4に示す。
容器載置孔20にはレバー24とこれを押す弾性部材2
3が設けられ、容器1を容器載置孔20に固定する。ふ
た開機構3はベース30に固定された保持台29に構成
される。歯車28aはモータ120によって駆動され、
ベルト28cを介して歯車28aと歯車28bは連結さ
れている。また歯車27a、27bは歯車28bと噛み
合っており、この歯車27a、27bにふた引っかけ部
材25はピン26a、26bによって回動可能に取り付
けられており、25aは引っかけ部材25の先端部で、
先端部25aはふた1aを引っかける形状になってい
る。
【0030】ふた閉機構4の詳細な構成を図5に示す。
ふた閉機構4はベース30に固定された保持台35上に
構成されている。歯車34aはモータ121によって駆
動され、ベルト34cを介して歯車34aと歯車34b
は連結されている。また歯車33a、33bは歯車34
bと噛み合っており、この歯車33a、33bにふた押
し倒し部材31はピン32a、32bによって回動可能
に取り付けられており、ふた押し倒し部材31にローラ
31aが設けられ、ローラ31aはふた1aを押す形状
となっている。
【0031】分注機7の詳細な構成を図6に示す。5は
チップ取付け部38bに取り付けられるフィルタ付き分
注チップ(以下分注チップと略)を示し、図16のよう
にチップ胴体部5aとフィルタ5bで分注チップ5を構
成する。52は保持台でありベース30に固定され、分
注機7は保持台52に構成されている。50は保持板で
あり、保持板50はモータ51a、ベルト51bからな
る駆動装置によって図6紙面左右方向に移動される。4
9はパルスモータであり保持板50に取り付けられ、4
7bはパルスモータ49に連結された雄ネジであり、こ
れに螺合する雌ねじ47aは保持板46に固定され、保
持板46は保持板50に対して上下移動可能に取り付け
られている。この保持板50には保持板46の上下移動
動作の原点、上下リミットを指定する位置センサ(図示
せず)が設けられている。37a、37bは保持板46
に取り付けられた胴体部で、胴体部37a、37bとチ
ップ取付け部38a、38bはプランジャ36a、36
bを内包し(図16参照)、胴体部37aに内包された
プランジャ36aの径は、胴体部37bに内包されたプ
ランジャ36bの径より小さい。44は保持板46に取
り付けられたパルスモータであり、42bはパルスモー
タ44に連結された雄ネジであり、この雄ネジ42bに
雌ネジ42aは螺合し、雌ネジ42aにはカバー39
a、39b及びプランジャ36a、36bが取り付けら
れ、これらは保持板46に対して上下移動可能となって
いる。40a、40bはカバー39a、39bに押され
ることによって、チップ取付部38a、38bに取り付
けられた分注チップ5を取り外すチップ取外し部材であ
る。これらカバー39a、39b及びプランジャ36
a、36bの位置は、保持板46に設けられた位置セン
サ(図示せず)で原点・上下リミットを指定する。6は
分注チップ5を供給するチップ供給機構であり、6aは
分注チップ5が収納される収納部であり、6bは収納部
6aを搬送する搬送機構で、6cはモータであり、収納
部6a、搬送機構6b、モータ6cでチップ供給装置6
を構成している。15は搬送装置2とチップ供給装置6
との間に設けられたチップ廃棄孔である。
【0032】圧送分注機21の詳細な構成を図7に示
す。8は密閉容器、8aは密閉容器8に入れられた液
体、21cは空気配管21bにより密閉容器8に接続さ
れた電磁弁、21eは電磁弁21cに接続された空気タ
ンク、21fは空気タンク21eに接続された圧力調整
弁、21iは圧力調整弁21fに接続された高圧空気
源、21dは電磁弁21cに接続された電磁弁、21g
は電磁弁21dに接続された大気圧源、21hは電磁弁
21dに接続された真空ポンプ、21aは一端が液体8
a内に浸漬されており、他端が図3及び図6に示すよう
にターンテーブル2bの上方に位置している液配管で、
密閉容器8a、電磁弁21c、真空ポンプ21h等によ
り圧送分注機21が構成されており、本装置においては
圧送分注機21を5組設置し、それぞれの密閉容器8内
には違う液体を入れている。
【0033】分注動作は上記分注機7、搬送装置2、ふ
た開機構3、ふた閉機構4、圧送機構21の各機構の動
作によって行われる。以下各機構の動作を説明する。図
6においてパルスモータ18a、18bを作動すれば、
ターンテーブル2a、2bが図3紙面矢印方向に回転さ
れるから、容器載置孔20に載置された容器1を平面上
に搬送することができる。次いで容器1をふた開機構3
に位置させ、レバー24とこれを押す弾性部材23によ
って、容器1を容器載置孔20に固定した後、図4に示
すようにモータ120により歯車28を図4紙面時計方
向に駆動すれば、歯車27a、27bが図4紙面反時計
方向に回転し、先端部25aが上方に移動するので、容
器1のふた1aを開くことができる。
【0034】ついで液体を分注するときは、このふた1
aを開いた状態で、容器1を図3に示す20b、20c
に位置させる。そして図6においてモータ51aを駆動
させ、保持板50を移動すれば、チップ取付け部38
a、38bの図6紙面左右方向の位置を定めることがで
き、またパルスモータ49を作動すれば、チップ取付け
部38a、38bの上下方向の位置を定めることが出来
る。またパルスモータ44を作動すれば、プランジャ3
6a、36b及びカバー39a、39bの上下方向の位
置を定めることができる。従って、チップ供給機構6を
駆動して分注チップ5を供給位置に移動し、チップ取付
け部38a、38bを収納部6aの上方に位置させた
後、チップ取付け部38a、38bを下降させれば、チ
ップ取付部38a、38bのどちらか一方に分注チップ
5を取り付けることができ、こののちチップ取付け部3
8a、38bを上昇し、水平に移動して、チップ取付け
部38a、38bを分注位置にある容器載置孔20bの
上方に位置させ、チップ取付け部38a、38bを下降
して分注チップ5の先端を容器載置孔20bに載置され
た容器1内の液体に浸漬し(図16参照)、プランジャ
36a、36bを上昇して分注チップ5内に液体を吸引
し、チップ取付け部38a、38bを上昇し、水平に移
動して、チップ取付け部38a、38bをターンテーブ
ル2bの分注位置にある容器載置孔20cの上方に位置
させ、チップ取付け部38a、38bを下降して分注チ
ップ5の先端を容器載置孔20cに載置された容器1内
に挿入し、プランジャ36a、36bを下降して分注チ
ップ5内の液体を吐出すれば、容器載置孔20bに載置
された容器1から、容器載置孔20cに載置された容器
1に液体を分注することができ、次にチップ取付け部3
8a、38bを上昇し、水平に移動して、チップ取付け
部38a、38bをチップ廃棄孔15の上方に位置させ
(図6参照)、カバー39a、39bを下降させれば、
カバー39a、39bによってチップ取外し部材40
a、40bが押され、チップ取付部38a、38bから
分注チップ5が取り外され、分注チップ5がチップ廃棄
孔15に廃棄される。この場合、目的分注量が少量の場
合には、チップ取付け部38aに分注チップ5を取付
け、目的分注量が多量の場合には、チップ取付け部38
bに分注チップ5を取り付けて、液体の吸引、吐出動作
を行わせる。ここで、もし分注チップ5のフィルタ5b
が無く分注動作を行うと、試料がエアロゾルとなりチッ
プ取付部38a、b内側に付着し、次いで分注チップ5
を新しいものに変えても、他の試料に分注を行うと、チ
ップ取付部38内側の付着したエアロゾルが試料に混入
する。本発明においてはフィルタ5aがあるので、試料
を含むエアロゾルはフィルタ5aに捕集され、チップ取
付部38内に侵入することが無い。よって分注動作ごと
の分注チップ5の交換で、試料が他の試料へ混入するこ
とを防ぐことができる。次いで圧送分注機の動作を説明
する。図3において容器1をふた1aの開いた状態で、
ターンテーブル2b上の液配管21aの下方の位置に搬
送し、図7において電磁弁21c、21dにより密閉容
器8と大気圧源21gとを接続した状態から、電磁弁2
1cを切り替えて密閉容器8と高圧空気源21iとを接
続すれば、密閉容器8から液配管21cを介して液体8
aが容器1内に供給される。この状態から、電磁弁21
c、21dを切り替えて密閉容器8と真空ポンプ21h
とを接続した後、電磁弁21dを切り替えて密閉容器8
と大気圧源21gとを接続すれば、液配管21a内の液
体8aを完全に密閉容器8内に引き戻すことができる。
【0035】このように、分注機7は数μlオーダの微
量の液体を精度良く分注し、圧送分注機21は多量の液
体を短時間に注入することが出来る。
【0036】次いでふた閉機構4の動作を説明する。図
5においてモータにより歯車34を図5紙面時計方向に
駆動すれば、歯車33a、33bが図5紙面反時計方向
に回転し、ローラ31が円弧上に移動するので、容器1
のふた1aを閉じることができる。
【0037】本発明における試薬の遠心分離動作を説明
する。図2における11は遠心分離機を示し、図8、図
9はその詳細な構成を示したものである。11は遠心加
速度をかけて容器1内の液体を分離する遠心分離機、6
8は遠心分離機11の本体、56は高速回転モータ(図
示せず)に直結した軸、57は軸56に取り付けられた
ロータ、58はロータ57の外壁、図9における69は
ロータ57に取付けられた鋼線、62は鋼線69に指示
されたスウィングロータ式の遠心バケット、59は遠心
バケット62に設けられた容器挿入孔であり、図のよう
に容器1が挿入される。60は遠心バケット62に設け
られた溝で、溝60には容器1の上部が係合される。6
1はロータ57と遠心分離バケット62との間に設けら
れた隙間調整板、64は本体68に回動可能に取り付け
られたカム機構、64aはカム機構64に設けられたカ
ム面、63はカム機構64を回動するためのエアシリン
ダ、66は本体68に回動可能に設けられたレバー、6
5a〜65cはレバー66に取付けられたローラで、ロ
ーラ65a〜65cは弾性部材(図示せず)によりカム
面64aに押しつけられている。67はローラ65aを
回転するためのパルスモータでロータ57の位置を検出
するフォトセンサ(図示せず)が設けられており、カム
機構64、レバー66、ローラ65a〜65c、パルス
モータ67などにより位置決め機構が構成されている。
【0038】この遠心分離機11においては、図9のよ
うに容器挿入孔59に容器1を挿入し、容器1の上部の
突出部を溝60と係合させ、高速回転モータを作動させ
れば、容器1にかかる遠心加速度が10000G以上と
なる高速でロータ57が回転し、遠心バケット62が鋼
線69を中心として図9紙面反時計方向に回転して、容
器挿入孔59に挿入された容器1内の液体を分離するこ
とができる。そして、高速回転モータを停止したのち、
エアシリンダ63を縮小すれば、カム機構64が回転
し、ローラ65a〜65cがカム面64aに押されて、
ローラ65a〜65cが外壁58と接触する。この状態
で、フォトセンサの出力に応じてパルスモータ67を作
動させれば、遠心バケット62を容器1の搬出入が可能
な状態にすることができる。こののちエアシリンダ63
を伸長すれば、カム機構64が回転し、弾性部材により
ローラ65a〜65cがカム面64aに押しつけられ、
図8に示す状態となる。このように容器1にかかる遠心
加速度が10000G以上となる高速でロータ57が回
転するから、DNA溶液に酢酸アンモニウムとエタノー
ル、または酢酸ナトリウムとエタノールを分注して混
合、遠心分離するエタノール沈殿操作でのDNA回収率
を高くすることが出来る。
【0039】本発明における容器1内の液体を混合する
動作を説明する。図2における12は混合機を示し、図
10はその詳細な構成を示した。70は混合機本体、7
4はボルテックスミキサ、72a〜72cは混合機本体
70に取り付けられた歯車で、歯車72a〜72cは噛
み合っている。72dは歯車72aに固定されたレバ
ー、71は混合機本体70に一端が取り付けられたエア
シリンダで、エアシリンダ71の他端はレバー72dに
ピン結合されている。73は歯車72cに固定された容
器押さえ機構、76は容器1の突出部を押すことによ
り、容器1の方向を修正する容器方向修正機構、75は
容器方向修正機構76を駆動させるためのエアシリンダ
75で、ボルテックスミキサ74、容器押さえ機構7
3、容器方向修正機構76などにより混合機12が構成
されている。この混合機12においては、容器1を取り
付けた後、エアシリンダ71を作動して、容器押さえ機
構73により容器1を押さえた後、ボルテックスミキサ
74を作動すれば、容器1内の液体を混合することがで
きる。次に、エアシリンダ75を作動して、容器方向修
正機構76により容器1の方向を修正すれば、容器1を
搬出可能な状態にすることができる。
【0040】本発明における液体の保冷方法について説
明する。図2において9は容器1内の液体を保存する保
冷室、9aは冷蔵保存室、9bは冷凍保存室で、冷蔵保
存室9a、冷蔵保存室9bの上面には容器1の上部が係
合する溝が設けられており、冷蔵保存室9a、冷凍保存
室9bで保冷室を構成する。
【0041】この保冷室9においては、冷蔵保存室9a
に容器1を保持すれば、容器1内の液体を冷蔵保存する
ことができ、冷凍保存室9bに容器1を保持すれば、容
器1内の液体を冷凍保存することができる。
【0042】本発明における液体の加温方法について説
明する。図2における10は容器1内の液体を加温する
加温機を示し、図11にその詳細な構成を示す。図11
において87は密閉容器、91は密閉容器87の上面、
88は密閉容器87に接続された真空びき用配管で、真
空びき用配管88は真空ポンプ(図示せず)に接続され
ており、真空びき用配管88などで密閉容器87の内部
の空気を吸引排気する空気吸引排気手段が構成されてい
る。89は密閉容器87に接続された冷媒供給管、84
は密閉容器87内に設けられた金属ブロックで、金属ブ
ロック84はヒータ(図示せず)によって加熱される。
83は金属ブロック84に設けられた容器挿入孔で、金
属ブロック84の上面には容器1の上部が係合する溝が
設けられている。86は密閉容器87に回動可能に取り
付けられた遮断ふた、85は遮断ふた86を開閉するエ
アシリンダ、90は密閉容器87を上下移動するエアシ
リンダで、密閉容器87、金属ブロック84、遮断ふた
86等により加温機10が構成されている。
【0043】この加温機10においては、容器挿入孔8
3に容器1を挿入し、エアシリンダ85を作動して遮断
ふた86を閉じ、エアシリンダ90を作動して密閉容器
87を上昇して、上面91と遮断ふた86とを当接した
後、ヒータを作動すれば、容器1内の液体を適当な時間
加温することができ、しかも遮断ふた86が閉じられて
いるので、加温時の熱効率がよくなり、また容器1にお
ける温度差が少なくなって、ふた1aの内側に蒸発した
液体が凝集して液体の組成が変わることを防ぐことがで
き、さらに保冷室9などに与える熱の影響を少なくする
ことができる。また、ヒータを停止した後、冷媒供給管
89から冷媒を金属ブロック84内に循環させれば、金
属ブロック84を冷却することができる。また、冷却後
所定の温度に達すれば、冷媒の循環を停止しヒータ(図
示せず)を作動させ所定の温度で適当な時間で液体を加
温するよう構成すれば、容器1内の液体の温度を加温し
冷却し再び加温するよう連続的に動作できるので、核酸
試料において、核酸が一本鎖に解離する温度、次いで核
酸が相補的に結合する水素結合の起こる温度、次いで酵
素が核酸合成する温度をサイクリックに変化させること
ができるので、連続的に酵素反応を行わせて遺伝子を増
幅させることが出来る。さらに、容器挿入孔83に容器
1を挿入し、エアシリンダ85を作動して密閉容器87
を上昇して、上面91と遮断ふた86とを当接した後、
ヒータを作動するとともに、真空びき用配管88を介し
て密閉容器87の内部の空気を吸引排気すれば、容器1
内の液体を迅速に蒸発させることができるから、コンパ
クトな構成でDNA試料の乾燥を容易に行うことができ
る。
【0044】本発明における液体の除去方法について説
明する。図2における13はふた1aが開かれた容器1
を固定し、その状態で容器1を反転して容器1内の液体
を除去する容器反転機であり、図12にその詳細な構成
をしめす。図12において82は保持台、79は保持台
82に取り付けられた歯車で、歯車79はモータ(図示
せず)に連結されている。78は保持台82に取り付け
られた歯車で、歯車78は歯車79と噛み合っている。
77は歯車78に固定された容器固定台で、容器固定台
77はふた1aが開かれた容器1が搭載された後に負圧
配管(図示せず)によって内部を負圧にすることにより
容器1を固定する。80は保持台82に設けられた反転
動作終点位置指定センサ、81は保持台82に設けられ
た反転動作始点位置指定センサで、歯車78、79、容
器固定台77などで容器反転機13が構成されている。
【0045】この反転機13においては、ふた1aが開
かれた容器1を容器固定台77に搭載し、容器1を容器
固定台77に固定した後、モータ(図示せず)を作動し
て容器固定台77を回転すれば、容器1内の液体を除去
することができる。
【0046】図2において16は使い終わった容器1を
廃棄する容器廃棄孔である。
【0047】本発明における容器1の搬送方法について
説明する。図2において14は容器1を搬送装置2、遠
心分離機11、混合機12、保冷室9、加温機10、容
器反転機13、容器廃棄孔16間に搬送する搬送機を示
し、図13において搬送機14の容器1をつかむつかみ
機構の詳細な構成を示す。図2において14aはX軸駆
動機構、93はX軸駆動機構14aのモータ、94は雄
ネジ、95はモータ93の出力軸と雄ネジ94とを連結
するカップリング、14bはX軸駆動機構14aに取り
付けられたY軸駆動機構、14cはY軸駆動機構14b
に取り付けられた上下移動機構であり、図13において
53は上下移動機構14cのエアシリンダ、53aはエ
アシリンダ53の空気配管、14dは上下移動機構14
cに取り付けられたつかみ機構、54はつかみ機構14
dのエアシリンダ、54aはエアシリンダ54の空気配
管、55はエアシリンダ54によって駆動されるハンド
リングチャックで、X軸駆動機構14a、Y軸駆動機構
14b、上下移動機構14c、つかみ機構14dで搬送
機14を構成している。
【0048】この搬送機14においては、エアシリンダ
54を作動してハンドリングチャック55により容器1
をつかんだ状態で、X軸駆動機構14a、Y軸駆動機構
14b、上下移動機構14cを作動すれば、容器1を搬
送装置2、遠心分離機11、混合機12、保冷室9、加
温機10、容器反転機13、容器廃棄孔16間に搬送す
ることができる。
【0049】本発明における試料からの汚染や感染を防
ぐ手段、及び廃液、廃棄物の処理について説明する。図
1において100は筐体であり、分注機7、遠心分離機
11、混合機12、保冷室9、加温機10、容器反転機
13、容器廃棄孔16、搬送機14等を配置した作業空
間を覆うように設けられている。101は筐体100に
設けられた設置扉であり、設置扉101の開閉を検知す
る扉スイッチ101aが設けられている。102はエア
ノズルであり、設置扉101上部に設けられ、扉スイッ
チ101aに連動してエアを噴出する。このエアにはH
EPAフィルタ(図示せず)で浄化されたものを用い
る。103は紫外線ランプであり筐体100内部に設け
られている。106は吸気システムを示し、106aは
捕集フィルタであり、空気中の塵や試料に影響を与える
ものを除去するもので、HEPAフィルタが用いられ
る。106bは吸気ダクト、106cは吸気ファンであ
る。捕集フィルタ106a、吸気ダクト106b、吸気
ファン106cで吸気システム106を構成している。
107は排気システムを示し、30はベースであり、分
注機7、遠心分離機11、混合機12、保冷室9、加温
機10、容器反転機13、容器廃棄孔16、搬送機14
等が設置されており、機械室17上に設置されている。
107aは作業空間とベース30に貫通され機械室17
内に構成された排気ダクト、107bは捕集フィルタ、
107cは吸気ポンプである。排気ダクト107a、捕
集フィルタ107b、吸気ポンプ107cで排気システ
ム107を構成する。また、図14において104aは
容器反転機13の動作により排出された廃液、104b
は廃液受け、104cは廃液104aを一時保存する廃
液ビン、104dは廃液受け104bと104cを連結
する廃液管である。16aは容器廃棄孔16に接続され
た容器廃棄管、105は容器廃棄管16aに接続された
滅菌機である。15aは片方をチップ廃棄孔15に接続
されたチップ廃棄管であり、その一方は滅菌機105に
接続されている。
【0050】本発明において筐体100は、生化学装置
外部の大気と概装置内部大気を遮断する。また処理前、
概装置内部へ容器1や分注チップ5を設置する場合や、
処理後に使用した容器1を取り出す時、設置扉101を
開け装置内部を開放するが、扉スイッチ101aが作動
し、エアノズル102から装置外の下方に向かってエア
を噴出し、設置扉101での大気の出入りを防ぐ。この
とき容器1や分注チップ5はオートクレーブ(加圧蒸気
型)などの滅菌処理して設置するが、作業者も無菌の手
袋などを着用し容器1等に触れる人体を覆い、設置扉1
01より設置する。また紫外線ランプ103において
は、試料の入った容器1のふた1aが開いた状態以外は
常に装置内部全体に紫外線を照射し続け、細菌等を死滅
させ、さらに核酸をも分解させる。目的の試料は紫外線
を通さない容器1内にあるため、容器1のふた1aが閉
じた状態では紫外線の影響を受けない。
【0051】また吸気システム106は、装置外部から
空気を取り込むものであり、吸気ファン106cによっ
て取り込まれた空気は矢印の方向に流れ、捕集フィルタ
106aにより空気中の塵や試料に影響を与えるものを
捕集し、吸気ダクト106bを通って作業空間に浄化さ
れた空気を送る。一方、排気システム107は、吸気ポ
ンプ107cの作用によって、排気ダクト107aより
作業空間の試料のエアロゾルを含む空気を矢印の方向に
取り込み、捕集フィルタ107bにより試料のエアロゾ
ルの塵等を捕集し装置外へ排気する。このように吸気シ
ステム106、排気システム107によって、作業空間
の空気を常に浄化し、かつ空気の流れを一定に保つこと
により、装置内雰囲気を浄化し続ける。尚、吸気ファン
106cと吸気ポンプ107cの送気源の設置はどちら
か一方でも良い。
【0052】また図14において、容器反転機13の動
作により除去される廃液104aは、廃液受け104b
に補集され、廃液管104dを通って廃液ビン104c
に保存される。この後廃液104aの入った廃液ビン1
04cは装置外に取り出された後、オートクレーブ等の
滅菌処理を行う。また使い終わった容器1は搬送機14
によって、図14に示す容器廃棄孔16に運ばれたの
ち、容器廃棄管16aを経て、滅菌機105に集められ
る。一方使い終わった分注チップ5はチップ廃棄孔15
に廃棄されたのち、チップ廃棄管15aを経て、滅菌機
105に集められる。滅菌機105に集められた容器1
および分注チップ5は、滅菌が行なわれた後、装置外に
出され廃棄される。
【0053】次いで本発明における試料の相互の混入を
防ぐ手段を説明する。図15における108陽圧ノズル
であり、搬送装置2のターンテーブル2bの内側に設け
られ、陽圧源(図示せず)により浄化されたエアを噴出
し、109は負圧ノズルであり、ターンテーブル2aの
外側に設けられ、吸気システム(図示せず)に接続され
ている。図16における109aは負圧ノズルであり分
注機7付近に設けた場合の構成を示す。
【0054】この陽圧ノズル108においては、搬送台
2上のふた1aの開いた容器1に対してエアを矢印の方
向に噴出し、試料を含むエアロゾルを吹き飛ばし、負圧
ノズル109は吹き飛ばされたエアロゾルを吸引捕集す
る。特に容器1のふた1aをふた開機構3により開ける
とき、ふた1aに付着した試料は飛沫となって装置内部
の広い範囲に飛散するので、この飛沫を陽圧ノズル10
8によって、他の試料容器の存在しない一定の方向へ吹
き飛ばし、負圧ノズル109によって飛沫を吸引補集す
ることが出来る。また図16における負圧ノズル109
aにおいては、液体を容器1内に分注する時、分注チッ
プ5が試料と接触するので、分注動作中の分注チップ5
に付着した試料のエアロゾルを、矢印の方向に吸引し、
装置内部に拡散することを防ぐ。
【0055】図17のフローチャートにおいて、110
は試料の入ったふた1aを開ける前の容器1を指し、そ
の後111は容器1内の液体に遠心加速度を遠心分離機
11によって与えることを指し、その後112はふた開
け機構3によって試料のふた1aを開けることを指し、
113は容器1内に液体を分注する操作を行なう。本発
明において、ふた1aに付着した試料を、ふた1aを開
ける前に遠心加速度を与えることで、容器1の底に落
し、ふた1aから取り除いた後、ふた1aを開け試薬の
分注などを行うことを示す。これによりふた1aに付着
した試料が、ふた1aを開けるときに飛沫となって装置
内部に拡散することを防ぐ。
【0056】
【発明の効果】この発明に係る生化学装置においては、
解析したい試料を入れた容器に液体を分注する分注機
と、遠心加速度をかけて液体を分離する遠心分離機と、
容器内の液体を混合する混合機と、容器内の液体を冷却
する冷却機と、容器内の液体を加温する加熱機と、容器
を分注機、遠心分離機、混合機、冷却機、加熱機間に搬
送する搬送機と、分注機、遠心分離機、混合機、加熱
機、搬送機を制御するコントローラを具備した生化学装
置に、生化学装置内部空間と生化学装置外部を遮断する
筐体を備えているから、装置内部に試料に影響をおよぼ
す夾雑物が侵入すること、および装置外の環境を汚染す
ること無く、容器の搬送、液体の分注、遠心分離、混
合、保存、加熱と乾燥を行ない、酵素反応と精製操作を
シーケンシャルに行なうことができる。
【0057】また、設置する設置口にエアカーテンを設
けたので、装置内部に試料に影響をおよぼす夾雑物が侵
入すること、および装置外の環境を汚染すること無く、
容試料の処理をシーケンシャルに行なうことができる。
【0058】また、試料に接触した容器および使い捨て
チップは滅菌処理をするので、装置外の環境を汚染した
り、作業従事者に感染すること無く、試料の処理を行な
うことができる。
【0059】また、試料を入れた上記容器のふたの開い
ているとき以外は、装置内部を紫外線により滅菌処理と
核酸の分解を行なう構成にしたので、装置内を無菌化か
つ不要な核酸の無い状態に保つことができる。
【0060】さらにこの装置において、試料を入れた容
器を開ける前には、遠心分離機によって遠心加速度を与
えて、ふたに付いた試料を取り除いたのちにふたを開け
るので、ふたを開けるときの試料の飛沫の飛散量を低減
でき、試料間の混入や装置内を汚染することが無い。
【0061】また、試料の飛沫を容器周辺の空気の流れ
によって他の試料に混入することを防ぐ手段をもうけて
あるので、試料間の混入や装置内を汚染することが無
い。
【0062】また、装置内部の空気の流れがダウンフロ
ーのような常に一定方向になるよう構成しているので、
装置内部を清浄化する作用があるとともに、装置外の環
境を汚染すること無く試料の処理が行える。
【0063】また、試料が装置内雰囲気に直接触れる周
辺の空気を吸引する手段を設けたので、装置内に試料の
拡散がおこることを無くし、試料間の混入の無い試料調
製が可能となる。
【0064】また、試料の分注動作においては、分注機
の液体を保持する部材が使い捨てのフィルタ付きチップ
を用いてあるので、同一の分注機を用いても試料間の混
入の恐れの無い試料調製が可能である。
【0065】このように、この発明の効果は顕著であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す生化学装置の断面図であ
る。
【図2】本発明の装置の概略斜視図である。
【図3】本発明における分注機周辺の容器搬送装置を示
す平面図である。
【図4】本発明における分注機のふた開機構を示す図で
ある。
【図5】本発明における分注機のふた閉機構を示す図で
ある。
【図6】本発明における分注機の移送分注機を示す図で
ある。
【図7】本発明における分注機の圧送分注機の構成を示
す図である。
【図8】本発明における遠心分離機を示す図である。
【図9】本発明における遠心分離機の遠心バケットを示
す断面図である。
【図10】本発明における混合機を示す図を示す図であ
る。
【図11】本発明における加温機を示す図である。
【図12】本発明における容器反転機を示す図である。
【図13】本発明における搬送機のつかみ機構部を示す
図である。
【図14】本発明における廃棄物の処理を示す図であ
る。
【図15】本発明における容器周辺の空気の流れを制御
を示す図である。
【図16】本発明における分注時の容器周辺の空気の流
れの制御を示す図である。
【図17】本発明における試料の拡散を低減する手段を
示す図である。
【符号の説明】
1・・容器、2・・容器搬送台、3・・ふた開機構、7
・・分注機、8・・圧送分注機、9a・・冷蔵室、9b
・・冷凍室、10・・加温機、11・・遠心分離機、1
2・・混合機、13・・容器反転機、14・・容器搬送
機、100・・筐体、101・・設置扉、101a・・
扉スイッチ、102・・エアノズル、103・・紫外線
ランプ、106a・・補集フィルタ、106b・・吸気
ダクト、106c・・吸気ファン、107a・・排気ダ
クト、107b・・補集フィルタ、107c・・排気ポ
ンプ。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】はめあい可能なふたを一体成型して作られ
    た容器に液体を分注する分注機と、遠心加速度をかけて
    上記容器内の液体を分離する遠心分離機と、上記容器内
    の液体を混合する混合機と、上記容器内の液体を保存す
    る保冷室と、上記容器内の液体を加温する加温機と、上
    記容器を上記分注機、上記遠心分離機、上記混合機、上
    記保冷室、上記加温機間に搬送する搬送機と、上記分注
    機、上記遠心分離機、上記混合機、上記加温機、上記搬
    送機を制御するコントローラと、上記分注機、上記遠心
    分離機、上記混合機、上記加温機、上記搬送機の作動空
    間を覆い、生化学装置内部空間と生化学装置外部を遮断
    する筐体を備えたことを特徴とする生化学装置。
  2. 【請求項2】請求項1の装置において、上記容器および
    液体を保持する分注チップおよび概液体を設置する設置
    口にエアカーテンを設けことを特徴とする生化学装置。
  3. 【請求項3】請求項1の装置において、使用した上記容
    器および上記分注チップは滅菌処理をするよう構成した
    ことを特徴とする生化学装置。
  4. 【請求項4】請求項1の装置において、装置内部に紫外
    線により滅菌処理および核酸分解を行なうよう構成した
    ことを特徴とする生化学装置。
  5. 【請求項5】請求項1の装置において、上記容器を開け
    る前に、上記遠心分離機によって遠心加速度を与えるよ
    う構成したことを特徴とする生化学装置。
  6. 【請求項6】請求項1の装置において、上記容器周辺の
    空気の流れを制御するよう構成したことを特徴とする生
    化学装置。
  7. 【請求項7】請求項1の装置において、装置内部の空気
    の流れがダウンフローとなるよう構成したことを特徴と
    する生化学装置。
  8. 【請求項8】請求項1の装置において、試料が装置内雰
    囲気に触れる空気を吸引する手段を設けたことを特徴と
    する生化学装置。
  9. 【請求項9】請求項1の装置において、上記分注機の液
    体を保持する部材がフィルタ付き分注チップを用いるよ
    う構成したことを特徴とする生化学装置。
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