JP4751125B2 - 建物床部の施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の基礎上に複数の土台部材および大引部材からなる床枠を形成し、その後、床板を支持する複数の床根太部材を前記床枠上に架設して建物の床部を施工する建物床部の施工方法に関する。
従来、2×4インチ等の規格化された木材で枠組を作成し、この枠組に対し、構造用合板等の面材を取り付けて建物を構築する枠組壁工法が知られている。また、前記木材を予め工場で採寸、切断および座掘り加工しておくことによって、現場での作業量を減らすことが可能な技術も知られている。
以上のような建物の構築方法によれば、建物や敷地条件に左右されること無く建物を構築することができるという利点がある。
ところが、このような方法で作業を行う場合は、現場に納入される木材等の建築材料の数が非常に多く、その分だけ作業手間が増えるので、工期が長くなってしまうだけでなく、正確な作業手順等を熟知した多くの熟練作業者を確保しなければならないという問題があった。
そこで、このような問題を解決すべく、予め工場で前記木材をパネル化しておき、このようにパネル化したものを現場でクレーンによって建て込むだけで、比較的容易に建物を構築することができるような技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−257152号公報
ところで、上記特許文献1に記載の技術においては、現場作業者にそれほど高い技能が無くとも品質が安定するということと、工期を短縮することができるという利点がある。
しかし、このように木材をパネル化したものを用いた場合は、パネル化しない場合に比して生産に係るコストが高くなるだけでなく、材料がパネル化して大きくなった分、輸送に係るコストも高くなってしまう場合があった。
そこで、以上のような諸問題を解決し得る技術の開発が強く望まれていた。特に、建物床部においては、例えば土台部材や大引部材、床根太部材等の建築材料が多く用いられるので、作業の簡略化や工期の短縮等、より施工性を向上させたいという要望が強かった。
本発明の課題は、建物全体の施工性について総合的に考慮しつつ、特に、建物床部の施工性を格段に向上させることが可能な建物床部の施工方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図9に示すように、建物の基礎1上面に沿って複数の土台部材2を配設するとともに、対向する土台部材2、2間の所定の位置に複数の大引部材3をそれぞれ架設して床枠4を形成し、
その後、床板を支持する複数の床根太部材5を、前記複数の大引部材3と直交する方向に前記床枠4上に架設するに際し、
前記床枠4の外周部の上面に、前記複数の床根太部材5と平行する複数の側根太部材6と、前記複数の床根太部材5と直交し、かつこれら複数の床根太部材5の端部が取付固定される複数の端根太部材7とを配設しておくとともに、
前記端根太部材7の内側面に、複数のガイド部材8を前記床根太部材5の端部が嵌まり込む間隔で前記端根太部材7の長さ方向に沿って取り付けておき、
さらに、前記側根太部材6等の各根太部材5,6,7と略同様の高さを有する略矩形状のガイド板材10aを前記大引部材3の上面に所定の間隔で複数設けることによって凹部を複数形成するとともに、各凹部間の高さを、前記側根太部材6等の各根太部材5,6,7と略同様の高さとし、これら複数の凹部を、前記複数の床根太部材5が嵌め込まれ、かつ、これら複数の床根太部材5を前記大引部材3と直交する方向に案内するガイド部10として、予め前記複数の大引部材3の上面に設けておき、
前記床根太部材5を前記大引部材3と直交する方向に配置するとともに、床根太部材5の端部を前記ガイド部材8、8間に嵌め込むことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、前記端根太部材7の内側面に、前記複数のガイド部材8を前記複数の床根太部材5の端部が嵌まり込む間隔で取り付けておくことから、前記床枠4の外周部の上面に前記端根太部材7を配設した際に、前記複数の床根太部材5の端部
を、前記複数のガイド部材8、8間に嵌め込むだけで、前記床根太部材5を正確な位置に取り付けることができるので、この床根太部材5の取り付け精度を格段に向上させること可能となる。その上、前記複数のガイド部材8を予め前記端根太部材7に取り付けておくことによって、現場に納入される建築材料の数を減らすこともきるので、その分だけ作業量および作業手間を減らして、建物床部Aの作業性を格段に向上させることができるとともに、建物床部Aの、延いては建物全体の施工工期を短縮することが可能となる。
しかも、このように前記床根太部材5の位置決めを容易に、かつ正確に行うことができることから、熟練作業者でなくとも作業を行うことができるので、施工品質の安定性も格段に向上する。
一方、従来とは異なり、前記土台部材2や大引部材3、各根太部材等の建築材料をパネル化せずに施工に用いるので、建物や敷地条件に左右されること無く作業を行うことができるとともに、生産および輸送に係るコストを低減することが可能となる。
したがって、前記端根太部材7の内側面に、複数のガイド部材8を前記床根太部材5の端部が嵌まり込む間隔で前記端根太部材7の長さ方向に沿って取り付けておくことによって、建物全体の施工性について総合的に考慮しつつ、特に建物床部Aの施工性を格段に向上させることが可能となる。
また、予め前記複数の大引部材3の上面に前記ガイド部10を設けておくことによって、前記複数の床根太部材5を前記ガイド部10に嵌め込みながら前記床枠4上に架設することができるので、前記複数の床根太部材5を前記大引部材3と直交する方向に容易に、かつ正確に案内することができる。これによって、前記複数の床根太部材5の取り付け作業を簡略化することができるとともに、施工工期の短縮を図ることが可能となり、延いては建物床部Aの施工性を向上させることが可能となる。
請求項2に記載の発明は、例えば図2〜図4、図7に示すように、請求項1に記載の建物床部Aの施工方法において、
前記複数の大引部材3の端部を受ける複数の大引受け金物9を、予め前記対向する土台部材2の側面に向き合うようにして取り付けておくことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、前記複数の大引受け金物9を、予め前記対向する土台部材2の側面に向き合うようにして取り付けておくことによって、前記大引部材3を前記複数の大引部材3間に架け渡すだけで、前記対向する土台部材2、2間に前記大引部材3を容易に、かつ正確に取り付けることができる。これによって、前記複数の大引部材3の取り付け作業を簡略化することができるとともに、施工工期の短縮を図ることが可能となり、延いては建物床部Aの施工性を向上させることが可能となる。
請求項に記載の発明は、例えば図4および図5に示すように、請求項1または2に記載の建物床部Aの施工方法において、
前記床枠4の外周部上に配設された前記複数の端根太部材7、7どうし間の距離が、これら複数の端根太部材7、7間に取り付けられる前記複数の床根太部材5の長さ寸法よりも大きい場合に、前記複数の端根太部材7と平行する補助根太部材11を前記床枠4内部の所定の位置に配設して、この補助根太部材11と前記複数の端根太部材7との間に前記複数の床根太部材5を取り付けることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、前記床枠4の外周部上に配設された前記複数の端根太
部材7、7どうし間の距離が、前記複数の床根太部材5の長さ寸法よりも大きい場合でも、前記床枠4内部の所定の位置に前記補助根太部材11を配設することによって、前記補助根太部材11から前記複数の端根太部材7までの距離を短くできるので、この間に前記複数の床根太部材5を取り付けることができ、これによって、これら複数の床根太部材5上に設置される床板を確実に、かつ強固に支持することが可能となる。
請求項に記載の発明は、例えば図5に示すように、請求項に記載の建物床部Aの施工方法において、
前記補助根太部材11の両側面に、複数のガイド部材8を前記床根太部材5の端部が嵌まり込む間隔で前記補助根太部材11の長さ方向に沿って取り付けておき、
前記床根太部材5を前記大引部材3と直交する方向に配置するとともに、床根太部材5の端部を前記ガイド部材8、8間に嵌め込むことを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、前記補助根太部材11の両側面に、前記複数のガイド部材8を前記複数の床根太部材5の端部が嵌まり込む間隔で取り付けておくことから、前記床枠4内部の所定の位置に前記補助根太部材11を配設した際に、前記複数の床根太部材5の端部を、前記複数のガイド部材8、8間に嵌め込むだけで、前記床根太部材5を正確な位置に取り付けることができるので、この床根太部材5の取り付け精度を格段に向上させることが可能となる。その上、前記複数のガイド部材8を予め前記補助根太部材11に取り付けておくことによって、現場に納入される建築材料の数を減らすこともきるので、その分だけ作業量および作業手間を減らして、建物床部Aの作業性を格段に向上させることができるとともに、建物床部Aの、延いては建物全体の施工工期を短縮することが可能となる。
請求項に記載の発明は、例えば図10および図11に示すように、請求項1〜のいずれか一項に記載の建物床部Aの施工方法において、
前記床枠4の外周部より外部側に張り出す張出部Bを形成するに際し、
前記床枠4上に、前記床枠4の外周部よりも所定の長さ突出する複数の突出床根太部材15を、前記床枠4の外周部と直交する方向に配設しておくとともに、
前記複数の突出床根太部材15のうち、左右両端に位置する突出床根太部材15、15の先端部どうし間にわたって設けられる張出根太部材16の内側面に、複数のガイド部材8を前記突出床根太部材15の端部が嵌まり込む間隔で前記張出根太部材16の長さ方向に沿って取り付けておき、
前記複数の突出床根太部材15を前記床枠4の外周部と直交する方向に配置するとともに、複数の突出床根太部材15を、その端部が前記隣り合うガイド部材8、8の間に嵌め
込まれるようにして設けることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、前記張出根太部材16の内側面に、前記複数のガイド部材8を前記突出床根太部材15の端部が嵌まり込む間隔で取り付けておくことによって、前記左右両端の突出床根太部材15、15の先端部どうし間にわたって前記張出根太部材16を設ける際に、前記複数の突出床根太部材15の端部を前記隣り合うガイド部材8、8の間に嵌め込むだけで、前記張出根太部材16を正確な位置に取り付けることができるので、この張出根太部材16の取り付け精度を格段に向上させることが可能となる。
その上、前記複数のガイド部材8を予め前記張出根太部材16に取り付けておくことによって、現場に納入される建築材料の数を減らすこともできるので、その分だけ作業量および作業手間を減らして、張出部Bの作業性を格段に向上させることができるとともに、張出部Bの、延いては建物全体の施工工期を短縮することが可能となる。
一方、前記突出床根太部材15を前記床枠4上に配設し、前記床枠4より外部側に張り出した部分を前記張出部Bとすることによって、この張出部Bを建物床部Aと連続的に形成することができるので、張出部Bにおける構造安定性を確保することが可能となる。
請求項に記載の発明は、例えば図10に示すように、請求項6に記載の建物床部Aの施工方法において、
前記複数の突出床根太部材15の途中が嵌め込まれ、かつこれら複数の突出床根太部材15を前記床枠4の外周部と直交する方向に案内する複数の案内部材17を、予め前記床枠4の上面に取り付けておくことを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、予め前記床枠4の上面に前記案内部材17を取り付けておくことによって、前記複数の突出床根太部材15を前記複数の案内部材17、17間に嵌め込みながら前記床枠4上に配設することができるので、前記複数の突出床根太部材15を前記床枠4と直交する方向に容易に、かつ正確に案内することができる。これによって、前記複数の突出床根太部材15の取り付け作業を簡略化することができ、これとともに、施工工期の短縮を図ることが可能となる。
本発明によれば、床枠の外周部の上面に配設される端根太部材の内側面に、複数のガイド部材を複数の床根太部材の端部が嵌まり込む間隔で取り付けておくことによって、前記床根太部材の位置決めを容易に、かつ正確に行うことができるので、施工品質の安定性に優れ、なおかつ、建物床部の作業性が格段に向上するとともに、建物床部、延いては建物全体の施工工期を短縮することができる。
一方、従来とは異なり、前記土台部材や大引部材、各根太部材等の建築材料をパネル化せずに施工に用いるので、建物や敷地条件に左右されること無く作業を行うことができるとともに、生産および輸送に係るコストを低減することが可能となる。
また、床枠内部に配設される補助根太部材の両側面に、複数のガイド部材を複数の床根太部材の端部が嵌まり込む間隔で取り付けておくことによって、前記床根太部材の位置決めを容易に、かつ正確に行うことができるとともに、前記複数の床根太部材上に設置される床板を確実に、かつ強固に支持することが可能となる。
これによって、建物全体の施工性について総合的に考慮しつつ、特に建物床部の施工性を格段に向上させることが可能となる。
以下、図面を参照して本発明に係る建物床部Aの施工方法の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態の建物床部Aは、2×4インチの断面を有する木材、または2インチはそのままで4インチの整数倍の断面長さを有する木材を、主として釘打ち工法によって建て、壁全体で支える構造法で構築される。
本実施の形態の建物床部Aの施工方法は、図1〜図4に示すように、建物の基礎1上面に沿って複数の土台部材2を配設するとともに、対向する土台部材2、2間の所定の位置に複数の大引部材3をそれぞれ架設して床枠4を形成し、
その後、床板を支持する複数の床根太部材5を、前記複数の大引部材3と直交する方向に前記床枠4上に架設して建物の床部Aを施工するというものである。
ここで、前記基礎1は、図7に示すように、上部構造からの荷重を地盤に伝える下部構
造であり、本実施の形態では、壁の長さ方向に連続した同じ断面の布基礎が使用されている。また、この基礎1にはアンカーボルト(図示せず)が埋め込まれている。
なお、このように本実施の形態では前記基礎1の形式を布基礎としたが、これに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
また、前記基礎1と後述する土台部材2との間には、床の下部と外部と換気を行う換気孔(図示せず)を備えたパッキン材1aが設けられている。
前記土台部材2は、この土台部材2上に配置されるものから伝えられる荷重を前記基礎1に伝える木材であり、図2に示すように、前記基礎1の上面に沿って複数配設されている。
また、この土台部材2には孔部2aが形成されており、前記基礎1に設けられたアンカーボルトを、この孔部2aに通すことで前記土台部材2を前記基礎1上面に配設することができるようになっている。
なお、これら複数の土台部材2は、地面に近い位置に配設されるので、防腐防蟻処理が成された木材を用いることが望ましい。
さらに、前記基礎1上面に配設した複数の土台部材2の四隅部には、床枠4全体のひずみを防ぐための補強材である火打ち材2bを取り付けておくようにする。また、火打ち材2bの端部を受ける前記複数の土台部材の一部を切り欠いておき、前記火打ち材2bの取り付け位置に不陸を生じさせないようにする。
そして、火打ち材2bを取り付けた位置に浴室スペースA1が配置される場合には、図1に示すように、建物床部をAを構築していく段階で前記火打ち材2bを切断しておくようにする。すなわち、浴室スペースA1には排水設備やバスタブの設置を行わなければならないので、前記浴室スペースAの床面は、居室等の床面よりも一段下がった位置に設けなければならないためである。
前記大引部材3は、建物の最下階の床根太部材5を支持する木材であり、図3および図4に示すように、対向する土台部材2、2間の所定の位置にそれぞれ架設されている。また、これら大引部材3の下部には、大引部材3を支持することにより撓みを防ぐ束部材12(後述する)が所定の間隔で設けられている。
さらに、前記複数の大引部材3を前記対向する土台部材2、2間に架設するに際し、図2〜図4に示すように、前記複数の大引部材3の端部を受ける複数の大引受け金物9を、予め前記対向する土台部材2の側面に向き合うようにして取り付けておくようにする。
また、これら大引受け金物9は、図8(a)に示すように、前記土台部材2の側面に固定される固定部9aと、前記大引部材3を受ける本体部9bとを備えている。また、図8(b)に示すように、前記大引部材3を受ける本体部9bの一方の側縁から延出して、後述するガイド部10を形成するガイド板材10aを固定するための延出固定部9cを備えた構成としても良い。
そして、このように前記複数の大引受け金物9を、予め前記対向する土台部材2の側面に向き合うようにして取り付けておくことによって、前記大引部材3を前記複数の大引部材3間に架け渡すだけで、前記対向する土台部材2、2間に前記大引部材3を容易に、かつ正確に取り付けることができる。したがって、前記複数の大引部材3の取り付け作業を簡略化することができるとともに、施工工期の短縮を図ることが可能となり、延いては建物床部Aの施工性を向上させることができるようになっている。
なお、これら大引部材3も、前記土台部材2と同様に地面に近い位置に配設されるので、防腐防蟻処理が成された木材を用いることが望ましい。
前記束部材12は、図2および図7に示すように、前記大引部材3の下部に所定の間隔で設けられた束基礎13上に設置されるものであり、前記大引部材3と束基礎13との間に立設され、高さ調整可能に設定された束本体12aと、この束本体12aの下端に設けられ、前記束基礎13に固定されるベース部12bと、前記束本体12aの上端に設けられ、前記大引部材3を受ける大引受け板部12cとを備えている。
なお、前記束部材12は、図2中の破線によって描かれた円形部分ごとに設置されて、所定の間隔を開けるようになっている。
前記床根太部材5は、床板を受ける木材であり、図1および図6に示すように、前記大引部材3と直交する方向に複数架け渡されている。
また、図1に示すように、前記複数の床根太部材5を前記大引部材3と直交する方向に架設するに際し、これら複数の床根太部材5の途中が嵌め込まれ、かつ、これら複数の床根太部材5を前記大引部材3と直交する方向に案内するガイド部10を、予め前記複数の大引部材3の上面に設けておくようにする。
このようなガイド部10は、図7に示すように、前記側根太部材6と略同様の高さを有し、略矩形状のガイド板材10aが前記大引部材3の上面に所定の間隔で設けられることによって形成されており、前記大引部材3の上面に前記床根太部材5の途中を嵌め込むための凹部を複数形成することができるようになっている
お、図4および図5に示すように、前記大引部材3上に、後述する補助根太部材11が配設される場合は、当該箇所の大引部材3上に前記ガイド部10を設けないようにしておく。
そして、このように予め前記複数の大引部材3の上面に前記ガイド部10を設けておくことによって、前記複数の床根太部材5を前記ガイド部10に嵌め込みながら前記床枠4上に架設することができるので、前記複数の床根太部材5を前記大引部材3と直交する方向に容易に、かつ正確に案内することができる。これによって、前記複数の床根太部材5の取り付け作業を簡略化することができるとともに、施工工期の短縮を図ることが可能となり、延いては建物床部Aの施工性を向上させることができるようになっている。
一方、以上のように前記複数の床根太部材5を前記床枠4上に架設するに際し、予め、前記床枠4の外周部の上面に、前記複数の床根太部材5と平行する複数の側根太部材6と、前記複数の床根太部材5と直交し、かつこれら複数の床根太部材5の端部が取付固定される複数の端根太部材7とを配設しておくとともに、
前記端根太部材7の内側面に、複数のガイド部材8を前記床根太部材5の端部が嵌まり込む間隔で前記端根太部材7の長さ方向に沿って取り付けておき、
前記床根太部材5を前記大引部材3と直交する方向に配置するとともに、床根太部材5の端部を前記ガイド部材8、8間に嵌め込むようにする。
ここで、前記側根太部材6は、図5に示すように、前記床枠4の外周部の上面に、前記複数の床根太部材5と平行する方向に配設される木材である。
さらに、前記複数の側根太部材6は、前記床枠4の一辺の距離が所定寸法よりも長い場合に、少なくとも2つ以上の側根太部材6を継ぎ合わせた状態で前記床枠4上に配設されている。このように床枠4の一辺に配設する側根太部材6を2つ以上の側根太部材6で構成することによって、作業時や輸送時において運びやすくなるという利点がある。
前記端根太部材7は、図5に示すように、前記床枠4の外周部の上面に、前記複数の床根太部材5と直交する方向に配設される木材である。また、これら端根太部材7は、前記複数の床根太部材5の端部が取付固定される。
さらに、前記複数の端根太部材7は、前記床枠4の一辺の距離が所定寸法よりも長い場合に、少なくとも2つ以上の側根太部材7を継ぎ合わせた状態で前記床枠4上に配設されている。このように床枠4の一辺に配設する端根太部材7を2つ以上の端根太部材7で構成することによって、作業時や輸送時において運びやすくなるという利点がある。
前記ガイド部材8は、図5に示すように、前記端根太部材7の内側面において、前記床根太部材5の端部が嵌まり込む間隔で前記端根太部材7の長さ方向に沿って取り付けられており、前記端根太部材7よりも短尺で、略矩形状に形成された板材が用いられている。
なお、上述したように、前記床根太部材5の端部を前記複数のガイド部材8、8間に嵌め込むことによって、これら複数のガイド部材8が前記床根太部材5の転び止めとしての役割を果たすことができるようになっている。
また、このガイド部材8を、前記端根太部材7と端根太部材7どうしの継ぎ合わせ部分に設けるには、予めどちらか一方の端根太部材7の端部に突出するようにして取り付けておくようにする。
また、前記床枠4の外周部上に配設された前記複数の端根太部材7、7どうし間の距離が、これら複数の端根太部材7、7間に取り付けられる前記複数の床根太部材5の長さ寸法よりも大きい場合に、前記複数の端根太部材7と平行する補助根太部材11を前記床枠4内部の所定の位置に配設して、この補助根太部材11と前記複数の端根太部材7との間に前記複数の床根太部材5を取り付けるようにする。
しかも、前記補助根太部材11の両側面に、複数のガイド部材8を前記床根太部材5の端部が嵌まり込む間隔で前記補助根太部材11の長さ方向に沿って取り付けておき、前記床根太部材5を前記大引部材3と直交する方向に配置するとともに、床根太部材5の端部を前記ガイド部材8、8間に嵌め込むようにする。
さらに、前記補助根太部材11は、前記床枠4内部の所定の位置の距離が所定寸法よりも長い場合に、少なくとも2つ以上の補助根太部材11を継ぎ合わせた状態で前記床枠4内部の所定の位置に配設されている。このように床枠4内部の所定の位置に配設する補助根太部材11を2つ以上の補助根太部材11で構成することによって、作業時や輸送時において運びやすくなるという利点がある。
このように前記床枠4の外周部上に配設された前記複数の端根太部材7、7どうし間の距離が、前記複数の床根太部材5の長さ寸法よりも大きい場合でも、前記床枠4内部の所定の位置に前記補助根太部材11を配設することによって、前記補助根太部材11から前記複数の端根太部材7までの距離を短くできるので、この間に前記複数の床根太部材5を取り付けることができ、これによって、これら複数の床根太部材5上に設置される床板を確実に、かつ強固に支持することが可能となる。
また、前記補助根太部材11の両側面に、前記複数のガイド部材8を前記複数の床根太部材5の端部が嵌まり込む間隔で取り付けておくことから、前記床枠4内部の所定の位置に前記補助根太部材11を配設した際に、前記複数の床根太部材5の端部を、前記複数のガイド部材8、8間に嵌め込むだけで、前記床根太部材5を正確な位置に取り付けることができるので、この床根太部材5の取り付け精度を格段に向上させることができるようになっている。その上、前記複数のガイド部材8を予め前記補助根太部材11に取り付けておくことによって、現場に納入される建築材料の数を減らすこともきるので、その分だけ作業量および作業手間を減らして、建物床部Aの作業性を格段に向上させることができるとともに、建物床部Aの、延いては建物全体の施工工期を短縮することが可能となっている。
また、図1に示すように、前記側根太部材6と床根太部材5との間や、床根太部材5どうし間には、前記床根太部材5と直交し、かつこの床根太部材5とともに床板を受ける複数の下地受け材14を一直線上に架け渡すようにする。
この時、前記下地受け材14を前記側根太部材6に取り付けるには、図9に示すように、前記側根太部材6の内側面に、前記下地受け材の端部を嵌め込むための切欠部6aを形成しておくようにする。一方、前記床根太部材5の両側面には、前記下地受け材14の端部を受けるガイド材14aを予め取り付けておくことによって、前記側根太部材6と床根太部材5との間や、床根太部材5どうし間に前記下地受け材14を簡単に架け渡すことができるようになっている。
このように、前記床根太部材5および側根太部材6に、前記下地受け材14の端部を受けるガイド材5aおよび切欠部6aを設けておくことで、前記下地受け材14を簡単に取り付けることができるだけでなく、床板をより確実に支持することが可能となる。
そして、この切欠部6aの形成作業を予め工場等で行っておくことによって、現場での作業性を向上させることが可能となるので望ましい。
なお、本実施の形態では、大引部材3を用いることにより建物の最下階の施工について説明したが、建物の上階部分において前記大引部材3の代わりとして床梁部材を用いて施工を行っても良い。
次に、図10および図11に示すように、建物床部Aには、建物の外面から突出してバルコニーや外部用の廊下を設けるために、床枠の外周部よりも外部側に張り出した張出部Bを形成する場合がある。
すなわち、前記床枠4の外周部より外部側に張り出す張出部Bを形成するに際し、
前記床枠4上に、前記床枠4の外周部よりも所定の長さ突出する複数の突出床根太部材15を、前記床枠4の外周部と直交する方向に配設しておくとともに、
前記複数の突出床根太部材15のうち、左右両端に位置する突出床根太部材15、15の先端部どうし間にわたって設けられる張出根太部材16の内側面に、複数のガイド部材8を前記突出床根太部材15の端部が嵌まり込む間隔で前記張出根太部材16の長さ方向に沿って取り付けておき、
前記複数の突出床根太部材15を前記床枠4の外周部と直交する方向に配置するとともに、複数の突出床根太部材15を、その端部が前記隣り合うガイド部材8、8の間に嵌め込まれるようにして設けるようにする。
ここで、前記突出床根太部材15は、建物内部においては床板を受けるために用いられ、前記床枠4よりも外部側に突出した部分は前記張出部Bを形成するために用いられる木材である。
また、これら複数の突出床根太部材15を設ける際は、前記複数の床根太部材5と略同様の間隔で設けていくようにする。さらに、図10に示すように、前記複数の突出床根太部材15の途中が嵌め込まれ、かつこれら複数の突出床根太部材15を前記床枠4の外周部と直交する方向に案内する複数の案内部材17を、予め前記床枠4の上面に取り付けておくようにする。
このように、予め前記床枠4の上面に前記案内部材17を取り付けておくことによって、前記複数の突出床根太部材15を前記複数の案内部材17、17間に嵌め込みながら前記床枠4上に配設することができるので、前記複数の突出床根太部材15を前記床枠4と直交する方向に容易に、かつ正確に案内することができる。これによって、前記複数の突出床根太部材15の取り付け作業を簡略化することができ、これとともに、施工工期の短縮を図ることが可能となっている。
なお、これら複数の突出床根太部材15は、その建物内部側の端部を、上述したように複数のガイド部材8、8間に嵌め込んでも良く、図10および図11に示すように、これら複数の突出床根太部材15の端部を受けるための受け金物15a等を用いても良い。
前記張出根太部材16は、前記張出部Bの前面に位置し、その内側面には前記複数の突出床根太部材15の端部を嵌め込むための複数のガイド部材8が取り付けられている。
前記案内部材17は、前記床枠4の上面において、前記突出床根太部材15の途中が嵌め込まれ、これら突出床根太部材15を前記床枠4の外周部と直交する方向に案内するためのものであり、略矩形状に形成された短尺な板材が用いられている。
また、図11に示すように、前記複数の突出部床根太部材5、5どうし間には、前記複数の案内部材17とともに、複数の転び止め部材18を設けるようにする。これは、前記複数の突出床根太部材15の転びを防ぐとともに、前記床枠4上の高さ方向の隙間を埋めるために設けられるものである。このように高さ方向の隙間を埋めておくことによって、上述した下地受け材14と同じ高さで上部に設けられる床板を安定的に支持することができるようになっている。
なお、本実施の形態の床枠4は、図4に示すように、建物の基礎1上面に沿って配設された複数の土台部材2と、対向する土台部材2、2間の所定の位置に架設された複数の大引部材3とからなる床枠4に限られるものではなく、例えば、建物下階の外壁上面および内壁上面の配置によって形成される床枠4であっても良い。また、このように建物下階の壁の上面には、壁どうしを連結させる頭つなぎ部材が取り付けられている。
したがって、前記張出部Bを、建物の1階部分や2階部分だけに限らず、建物の3階部分もしくはそれ以上の階層部分にも形成することができるので、建築、設計等における自由度を向上させることが可能となる。
そして、このように前記張出根太部材16の内側面に、前記複数のガイド部材8を前記突出床根太部材15の端部が嵌まり込む間隔で取り付けておくことによって、前記左右両端の突出床根太部材15、15の先端部どうし間にわたって前記張出根太部材16を設ける際に、前記複数の突出床根太部材15の端部を前記隣り合うガイド部材8、8の間に嵌め込むだけで、前記張出根太部材16を正確な位置に取り付けることができるので、この張出根太部材16の取り付け精度を格段に向上させることが可能となっている。
その上、前記複数のガイド部材8を予め前記張出根太部材16に取り付けておくことによって、現場に納入される建築材料の数を減らすこともできるので、その分だけ作業量および作業手間を減らして、張出部Bの作業性を格段に向上させることができるとともに、張出部Bの、延いては建物全体の施工工期を短縮することが可能となる。
一方、前記突出床根太部材15を前記床枠4上に配設し、前記床枠4より外部側に張り出した部分を前記張出部Bとすることによって、この張出部Bを建物床部Aと連続的に形成することができるので、張出部Bにおける構造安定性を確保することが可能となっている。
以上のように、本実施の形態によれば、床枠4の外周部の上面に配設される端根太部材7の内側面に、複数のガイド部材8を複数の床根太部材5の端部が嵌まり込む間隔で取り付けておくことによって、前記床根太部材5の位置決めを容易に、かつ正確に行うことができるので、施工品質の安定性に優れ、なおかつ、建物床部Aの作業性が格段に向上するとともに、建物床部A、延いては建物全体の施工工期を短縮することができる。
一方、従来とは異なり、前記土台部材2や大引部材3、各根太部材等の建築材料をパネル化せずに施工に用いるので、建物や敷地条件に左右されること無く作業を行うことができるとともに、生産および輸送に係るコストを低減することが可能となる。
また、床枠4内部に配設される補助根太部材11の両側面に、複数のガイド部材8を複数の床根太部材5の端部が嵌まり込む間隔で取り付けておくことによって、前記床根太部材5の位置決めを容易に、かつ正確に行うことができるとともに、前記複数の床根太部材5上に設置される床板を確実に、かつ強固に支持することが可能となる。
これによって、建物全体の施工性について総合的に考慮しつつ、特に建物床部Aの施工性を格段に向上させることが可能となる。
建物床部を示す平面図である。 基礎上面に土台部材を配接したことを示す平面図である。 大引部材を示す平面図である。 床枠を示す平面図である。 側根太部材および端根太部材、補助根太部材を示す平面図である。 床根太部材を示す平面図である。 建物床部の一部であり、(a)は、基礎と土台部材、土台部材と大引部材、大引部材とガイド部、大引部材と束部材等の配置構造を示す斜視図であり、(b)はガイド金物と大引部材、大引部材と束部材の配置構造を示す斜視図である。 (a)および(b)は、大引受け金物を示す斜視図である。 建物床部の一部を示す斜視図である。 張出部を備えた建物床部の斜視図である。 張出部を備えた建物床部の斜視図である。
符号の説明
A 建物床部
B 張出部
1 基礎
2 土台部材
3 大引部材
4 床枠
5 床根太部材
6 側根太部材
7 端根太部材
8 ガイド部材
11 補助根太部材
15 突出床根太部材
16 張出根太部材

Claims (6)

  1. 建物の基礎上面に沿って複数の土台部材を配設するとともに、対向する土台部材間の所定の位置に複数の大引部材をそれぞれ架設して床枠を形成し、
    その後、床板を支持する複数の床根太部材を、前記複数の大引部材と直交する方向に前記床枠上に架設するに際し、
    前記床枠の外周部の上面に、前記複数の床根太部材と平行する複数の側根太部材と、前記複数の床根太部材と直交し、かつこれら複数の床根太部材の端部が取付固定される複数の端根太部材とを配設しておくとともに、
    前記端根太部材の内側面に、複数のガイド部材を前記床根太部材の端部が嵌まり込む間隔で前記端根太部材の長さ方向に沿って取り付けておき、
    さらに、前記側根太部材等の各根太部材と略同様の高さを有する略矩形状のガイド板材を前記大引部材の上面に所定の間隔で複数設けることによって凹部を複数形成するとともに、各凹部間の高さを、前記側根太部材等の各根太部材と略同様の高さとし、これら複数の凹部を、前記複数の床根太部材が嵌め込まれ、かつ、これら複数の床根太部材を前記大引部材と直交する方向に案内するガイド部として、予め前記複数の大引部材の上面に設けておき、
    前記床根太部材を前記大引部材と直交する方向に配置するとともに、床根太部材の端部を前記ガイド部材間に嵌め込むことを特徴とする建物床部の施工方法。
  2. 請求項1に記載の建物床部の施工方法において、
    前記複数の大引部材の端部を受ける複数の大引受け金物を、予め前記対向する土台部材の側面に向き合うようにして取り付けておくことを特徴とする建物床部の施工方法。
  3. 請求項1または2に記載の建物床部の施工方法において、
    前記床枠の外周部上に配設された前記複数の端根太部材どうし間の距離が、これら複数の端根太部材間に取り付けられる前記複数の床根太部材の長さ寸法よりも大きい場合に、前記複数の端根太部材と平行する補助根太部材を前記床枠内部の所定の位置に配設して、この補助根太部材と前記複数の端根太部材との間に前記複数の床根太部材を取り付けることを特徴とする建物床部の施工方法。
  4. 請求項に記載の建物床部の施工方法において、
    前記補助根太部材の両側面に、複数のガイド部材を前記床根太部材の端部が嵌まり込む間隔で前記補助根太部材の長さ方向に沿って取り付けておき、
    前記床根太部材を前記大引部材と直交する方向に配置するとともに、床根太部材の端部を前記ガイド部材間に嵌め込むことを特徴とする建物床部の施工方法。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の建物床部の施工方法において、
    前記床枠の外周部より外部側に張り出す張出部を形成するに際し、
    前記床枠上に、前記床枠の外周部よりも所定の長さ突出する複数の突出床根太部材を、前記床枠の外周部と直交する方向に配設しておくとともに、
    前記複数の突出床根太部材のうち、左右両端に位置する突出床根太部材の先端部どうし間にわたって設けられる張出根太部材の内側面に、複数のガイド部材を前記突出床根太部材の端部が嵌まり込む間隔で前記張出根太部材の長さ方向に沿って取り付けておき、
    前記複数の突出床根太部材を前記床枠の外周部と直交する方向に配置するとともに、複数の突出床根太部材を、その端部が前記隣り合うガイド部材の間に嵌め込まれるようにして設けることを特徴とする建物床部の施工方法。
  6. 請求項に記載の建物床部の施工方法において、
    前記複数の突出床根太部材の途中が嵌め込まれ、かつこれら複数の突出床根太部材を前記床枠の外周部と直交する方向に案内する複数の案内部材を、予め前記床枠の上面に取り付けておくことを特徴とする建物床部の施工方法。
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