JP4750939B2 - アミンの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルデヒドまたはケトンを、高い温度および高い圧力において、アンモニア、第一級および第二級アミンの群から選ばれている窒素化合物と、水素とを用いる触媒の存在における反応によるアミンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
欧州特許出願公開(EP−A)第514692号明細書から、気相中のアルコールと、アンモニアまたは第一級アミンおよび水素との接触アミノ化のための銅、ニッケルおよび/またはコバルト、酸化ジルコニウムおよび/または酸化アルミニウムを含む触媒が公知となっている。
【0003】
この特許出願は、この触媒では、ニッケルの銅に対する原子比が、0.1〜1.0、有利には0.2〜05(第2ページ、47〜48行;また上記文献:実施例1参照)でなければならないことを教示しており、それというのもさもなければアルコールのアミノ化の場合に、甚だしく収率を低下させる副産物が生成するからである(上記文献:実施例6および12)。担体として、有利には酸化アルミニウム(上記文献:実施例1〜5および7〜11)を用いている。
【0004】
欧州特許出願公開(EP−A)第382049号明細書からは、酸素含有のジルコニウム化合物、銅化合物、コバルト化合物およびニッケル化合物を含む触媒、およびアルコールまたはカルボニル化合物の水素添加アミノ化のための方法が公知となっている。この触媒の有利な酸化ジルコニウム含有量は、70〜80質量%である(上記文献:第2ページ、最終パラグラフ;第2、3ページのパラグラフ;実施例)。これらの触媒は、良好な活性および選択性が特徴であるが、しかし改善を要する耐用期間を有する。
【0005】
欧州特許出願公開(EP−A)第696572号明細書および欧州特許出願公開(EP−A)第697395号明細書からは、水素の存在下での窒素化合物を用いるアルコールの接触アミノ化のための酸化ニッケル、酸化銅、酸化ジルコニウムおよび酸化モリブデンを含む触媒が公知となっている。
【0006】
1999年3月12日付の以前のドイツ特許出願番号第19910960.5号明細書から、水素の存在下で窒素化合物を用いるアルデヒドまたはケトンの接触アミノ化のための酸化ニッケル、酸化銅および酸化ジルコニウムを含む触媒が公知となっている。触媒は、有利には触媒活性量のコバルトを含んでいない。これらの触媒は、良好な活性では優れているが、しかし改善を要する機械的安定性および選択性を有する。
【0007】
欧州特許出願公開(EP−A)第905122号明細書は、第一級または第二級アルコールと、アンモニア、第一級および第二級アミンの群から選ばれている窒素化合物との、高い温度および圧力において水素と一緒に、ジルコニウム、銅およびニッケルを含み、コバルトを含まない触媒の存在下での反応によるアミンの製造方法に関するものである。
【0008】
1999年6月10日付の以前の欧州特許出願番号第99111282.2号明細書は、第一級または第二級アルコールと、アンモニア、第一級および第二級アミンの群から選ばれている窒素化合物との、高い温度および圧力において水素と一緒に、ジルコニウム、銅、ニッケルおよびコバルトを含む触媒の存在下での反応によるアミンの製造方法に関するものである。
【0009】
1998年12月23日付の以前のドイツ特許出願番号第19859776.2号明細書は、第一級または第二級アルコール、アルデヒドまたはケトンと窒素化合物との高い温度および圧力における水素および銅およびチタンの酸素含有化合物を含む触媒の存在下での反応によるアミンの製造法を記載しており、その際、金属銅粉末を加えて製造した成形体の形の触媒を使用する。
【0010】
ドイツ特許出願公開(DE−A)第2838184号明細書は、第二級アミンとアルコールまたはカルボニル化合物との気相内の水素添加条件下における反応による第三級アミンの製造方法を記載しており、これは塩基性銅−アルミニウム−炭酸塩の熱分解および還元により得られた銅触媒上での反応を行っている。
【0011】
従来技術の欠点は、アルデヒドまたはケトンのアミノ化水素添加の際に、低すぎる選択率および収率にしか到達しないおよび/または触媒が不満足な活性および/または安定性を反応条件下で有するからである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、従来技術の欠点を除いて、アルデヒドおよびケトンの水素添加アミノ化のためのこれまでの方法の経済性を改善することである。技術的に簡単な方法で製造され、またアルデヒドおよびケトンの水素添加アミノ化を高いアルデヒド変換率ならびにケトン変換率、殊には90〜100%のアルデヒド変換率ならびにケトン変換率、高い収率、高い選択率、殊には95〜100%の選択率(アルデヒドならびにケトンに対して)、および高い触媒耐用期間と触媒成形体の高い機械的安定性(例えば側圧強度として測定)で実施できる触媒を発見しなければならなかった。これによると、触媒は、高い活性および反応条件下で高い化学的および機械的安定性を有していなければならない。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題は本発明により、アルデヒドまたはケトンを、高い温度および高い圧力において、アンモニア、第一級および第二級アミンの群から選ばれている窒素化合物と、水素とを用いる触媒の存在における反応によるアミンの製造方法において、製造の後および水素を用いる処理の前における触媒の触媒活性組成物が、ZrOとして計算したジルコニウムの酸素含有化合物22〜45質量%、
CuOとして計算した銅の酸素含有化合物1〜30質量%、
NiOとして計算したニッケルの酸素含有化合物5〜50質量%であって、その際、ニッケルの銅に対するモル比が1より大きく、
CoOとして計算したコバルトの酸素含有化合物5〜50質量%、
MoOとして計算したモリブデンの酸素含有化合物0〜5質量%、
およびAlならびにMnOとして計算したアルミニウムおよび/またはマンガンの酸素含有化合物0〜10質量%を含む
ことを特徴とするアミンの製造方法により解決されることが判明した。
【0014】
一般に、本発明による方法において、触媒は、有利には触媒を成形体として使用する場合に有利には、触媒活性組成物および場合により成形助剤(例えばグラファイトまたはステアリン酸)のみから成り、すなわちその他の触媒的に不活性な同伴物質を含まない触媒の形で使用される。
【0015】
触媒活性組成物は、粉砕の後、粉末または破砕物として反応容器内に装入され、または有利には、粉砕の後に、成形助剤と混合し、成形およびアニーリングし、触媒成形体−例えば錠剤、球体、リング、押出し物(例えばストランド)として反応器内に装入されることができる。
【0016】
触媒の成分の濃度の記載(質量%)は、いずれも、特に断らない限り、最後の熱処理の後かつ水素を用いる処理前における、製造した触媒の触媒活性組成物に対するものである。
【0017】
最後の熱処理の後かつ水素を用いる処理前の製造した触媒の触媒活性組成物は、触媒活性成分および担体材料の質量の和として定義され、かつ実質的にジルコニウムの酸素含有化合物、銅の酸素含有化合物、ニッケルの酸素含有化合物、コバルトの酸素含有化合物ならびに場合によりモリブデンの酸素含有化合物および/またはアルミニウムの酸素含有化合物および/またはマンガンの酸素含有化合物を含んでいる。
【0018】
上記の触媒活性成分および上記の担体材料の触媒活性組成物内での和は、ZrO、CuO、NiO、CoO、MoO、AlおよびMnOとして計算して、通常は70〜100質量%、有利には80〜100質量%、殊に有利には90〜100質量%、特には95〜100質量%、特に有利には100質量%である。
【0019】
本発明による方法により使用する触媒の触媒活性組成物は、さらに、周期表のIA〜VIAおよびIB〜VIIBおよびVIII族から選ばれている1種またはそれ以上の元素(酸化状態0)またはこれらの無機または有機化合物を含んでいる。
【0020】
このような元素ならびにその化合物の例は下記である。
【0021】
遷移金属、例えばReならびに酸化レニウム、Crならびに酸化クロム、Wならびに酸化タングステン、Taならびに酸化タンタル、Nbならびに酸化ニオブまたはギ酸ニオブ、Vならびに酸化バナジウムならびにピロリン酸バナジル、ランタノイド、例えばCeならびにCeOまたはPrならびにPr、アルカリ金属酸化物、例えばNaO、アルカリ金属炭酸塩、例えばNaCOおよびKCO、アルカリ土類金属酸化物、例えばSrO、アルカリ土類金属炭酸塩、例えばMgCO、CaCOおよびBaCO、酸化ホウ素(B)。
【0022】
本発明による方法に使用される触媒の触媒活性組成物は、その製造後および水素を用いる処理の前において、
ZrOとして計算したジルコニウムの酸素含有化合物22〜45質量%、有利には22〜39質量%、殊に有利には25〜39質量%、
CuOとして計算した銅の酸素含有化合物1〜30質量%、有利には2〜25質量%、殊に有利には5〜15質量%、
NiOとして計算したニッケルの酸素含有化合物5〜50質量%、有利には15〜45質量%、殊に有利には21〜40質量%であって、その際、ニッケルの銅に対するモル比が1より大、有利には1.2より大、殊に有利には1.5〜8.5であり、
CoOとして計算したコバルトの酸素含有化合物5〜50質量%、有利には20〜45質量%、殊に有利には21〜40質量%、
MoOとして計算したモリブデンの酸素含有化合物0〜5質量%、殊に有利には0.1〜0.5質量%、および
AlならびにMnOとして計算したアルミニウムおよび/またはマンガンの酸素含有化合物0〜10質量%を含み、その際、ZrOとして計算したジルコニウムの酸素含有化合物のAlならびにMnOとして計算したアルミニウムおよび/またはマンガンの酸素含有化合物に対する質量比は、有利には少なくとも2.5、殊に有利には少なくとも5であり、特に殊に有利にはアルミニウムおよび/またはマンガンの酸素含有化合物0%である。
【0023】
有利には、本発明による方法中で、触媒活性組成物が、その製造の後および水素を用いる処理の前に、CuOとして計算した銅の酸素含有化合物5〜15質量%、NiOとして計算したニッケルの酸素含有化合物、およびCoOとして計算したコバルトの酸素含有化合物を合計して35〜69質量%含み、その際、CoOとして計算したコバルトの酸素含有化合物の含有量が、NiOとして計算したニッケルの酸素含有化合物、およびCoOとして計算したコバルトの酸素含有化合物の和に対して、少なくとも1.7質量%、殊には少なくとも12.0質量%、特に殊に有利には少なくとも40質量%である触媒が使用される。
【0024】
触媒の製造のためには、種々の方法が可能である。これらは、例えば成分の水酸化物、炭酸塩、酸化物および/またはその他の塩の粉体混合物の水を用いる解こう(peptisieren)および後に続く得られた組成物の押出しおよびアニーリング(温度処理)により得られる。
【0025】
しかし一般に、本発明による触媒の製造のために沈降法も使用できる。すなわち、例えばニッケル成分、コバルト成分および銅成分をこれらの元素を含む塩水溶液から、無機塩基を用いて、難溶性、酸素含有ジルコニウム化合物のスラリーの存在下での同時沈降および引き続いて得られた沈殿物の洗浄、乾燥および焼成により得ることができる。難溶性で酸素含有ジルコニウム化合物として、例えば二酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウム水和物、リン酸ジルコニウム、ホウ酸ジルコニウムおよびケイ酸ジルコニウムを用いることができる。難溶性ジルコニウム化合物のスラリー化は、水中のこれらの化合物の微粒子の強力な攪拌による懸濁により製造できる。有利には、これらのスラリーは、無機塩基を用いるジルコニウム塩水溶液からの難溶性ジルコニウム化合物の沈降により得られる。
【0026】
殊には、本発明による触媒は、すべてのその成分の同時沈降(混合沈降)により製造される。このために、有利には、触媒成分を含有する塩水溶液を、水性無機塩基水溶液、殊にはアルカリ金属塩基、例えば炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウムまたは水酸化カリウムと一緒に混合して、沈降が完了するまで加熱および攪拌して行う。使用する塩の種類は、一般に重要ではない。これはこの操作方法の場合に、主として塩の水溶性が問題なので、基準は、比較的高く濃縮された塩溶液の製造のために必要な良好なその水溶性である。個別の成分の塩の選定の際に、当然、これらが望ましくない沈降を起こすかまたはこれらが錯体形成により沈降を困難とするかまたは妨害するといった障害とならないようなアニオンを有する塩のみが選定されることは当然と見なされる。
【0027】
この沈降反応の際に得られる沈殿は、一般に化学的に均質ではなく、なかでも使用した金属の酸化物、酸化物水和物、水酸化物、炭酸塩および不溶性および塩基性塩の混合物から成っている。沈殿が変質している場合、すなわち沈殿の後さらにいくらかの時間、場合により加熱または空気を通過させて放置すると、沈殿の濾過性に有利となることが分かっている。
【0028】
この沈降法により得られた沈殿は、慣用のようにして本発明による触媒にさらに加工される。洗浄の後に、これらを一般に80〜200℃、有利には100〜150℃で乾燥し、その後焼成する。焼成(熱処理)は、一般に温度300〜800℃、有利には400〜600℃、殊には450〜550℃において行われる。
【0029】
焼成の後、触媒を有利には条件調整、すなわち粉砕により規定の粒度に調整するかまたは粉砕の後に成形助剤、例えばグラファイトまたはステアリン酸と混合し、製錠プレスを用いて成形体にプレスし、アニーリング(熱処理)する。その際、アニーリング温度は、一般に焼成の際の温度に対応する。
【0030】
この方法で製造された触媒は、触媒活性金属をその酸素含有化合物、すなわち殊には酸化物および混合酸化物の混合物の形で含んでいる。
【0031】
製造した触媒は、そのまま貯蔵できる。アルデヒドまたはケトンの水素添加アミノ化のための触媒として使用する前に、これを慣用のように水素を用いる処理により予備還元する。しかしこれらはまたこの予備還元を行わなくても使用でき、その際これらは水素添加アミノ化の条件下で反応器内に存在する水素により還元される。予備還元のために、触媒を一般に最初は150〜200℃で12〜20時間の期間、窒素−水素雰囲気中に置き、引き続いてさらに約24時間、200〜400℃において水素雰囲気中で処理する。この予備還元の際に、触媒中に存在する酸素含有金属化合物の一部分は、相応する金属に還元され、これらは種々の酸素化合物と一緒に触媒の活性形として存在する。
【0032】
本発明による方法に使用する触媒の特別な利点は、その機械的な安定性、すなわちその硬度である。機械的安定性は、いわゆる側圧強度の測定により決定できる。このためには、触媒成形体、例えば触媒錠剤を2枚の平行な板の間に上昇する力を負荷し、その際、この負荷は例えば触媒錠剤の凸面側から、触媒成形体の破壊が起きるまで加えることができる。触媒成形体の破壊の際に記録された力が側圧強度である。
【0033】
一般式I
【0034】
【化4】
Figure 0004750939
【0035】
〔式中、
、Rは、水素、C〜C20−アルキル、C〜C12−シクロアルキル、アリール、C〜C20−アラルキルおよびC〜C20−アルキルアリールまたは一緒になって(CH−X−(CHを表し、
、Rは、水素、アルキル、例えばC〜C200−アルキル、シクロアルキル、例えばC〜C12−シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、例えばC〜C20−ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、例えばC〜C20−アミノアルキル、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、例えばC〜C20−ヒドロキシアルキルアミノアルキル、アルコキシアルキル、例えばC〜C30−アルコキシアルキル、ジアルキルアミノアルキル、例えばC〜C30−ジアルキルアミノアルキル、アルキルアミノアルキル、例えばC〜C30−アルキルアミノアルキル、R−(OCRCR−(OCR)、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、例えばC〜C20−アラルキル、ヘテロアリールアルキル、例えばC〜C20−ヘテロアリールアルキル、アルキルアリール、例えばC〜C20−アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、例えばC〜C20−アルキルヘテロアリール、およびY−(CH−NR−(CHまたは一緒になって(CH−X−(CHを表すか、または、
およびRは、一緒になって(CH−X−(CHを表し、
、R10は水素、C〜C−アルキル、C〜C40−アルキルフェニルを表し、
、R、R、Rは、水素、メチルまたはエチルを表し、
Xは、CH、CHR、酸素(O)、硫黄(S)またはNRを表し、
Yは、N(R10、ヒドロキシ、C〜C20−アルキルアミノアルキルまたはC〜C20−ジアルキルアミノアルキルを表し、
nは、1から30までの整数を表し、および
j、k、l、m、qは、1から4までの整数
を表す〕
のアミンが経済的に特に重要である。
【0036】
従って有利には、本発明による方法は、式IIならびにIII
【0037】
【化5】
Figure 0004750939
【0038】
のアルデヒドまたはケトンと、
一般式IV
【0039】
【化6】
Figure 0004750939
【0040】
〔式中、R、R、RおよびRは、上記のものを表す〕の窒素化合物とを反応させて、有利にはアミンIの製造のために用いられる。
【0041】
基RおよびRの定義から分かるように、反応はまた分子内で相応するアミノケトンまたはアミノアルデヒド内で行うこともできる。
【0042】
化合物I、II、IIIおよびIV中の置換基R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、変数X、Y、および指数j、k、l、m、nおよびqは、たがいに独立して下記を表す。
【0043】
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10は、
− 水素(H)、
、R
− C〜C200−アルキル、有利にはC〜C14−アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソ−ペンチル、sec−ペンチル、ネオ−ペンチル、1,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、イソ−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、イソ−ヘプチル、シクロヘキシルメチル、n−オクチル、イソ−オクチル、2−エチルヘキシル、n−デシル、2−n−プロピル−n−ヘプチル、n−トリデシル、2−n−ブチル−n−ノニルおよび3−n−ブチル−n−ノニル、殊に有利にはイソ−プロピル、2−エチルヘキシル、n−デシル、2−n−プロピル−n−ヘプチル、n−トリデシル、2−n−ブチル−n−ノニルおよび3−n−ブチル−n−ノニルならびに有利にはC40〜C200−アルキル、例えばポリブチル、ポリイソブチル、ポリプロピル、ポリイソプロピルおよびポリエチル、殊に有利にはポリブチルおよびポリイソブチル、
− C〜C20−ヒドロキシアルキル、有利にはC〜C−ヒドロキシアルキル、殊に有利にはC〜C−ヒドロキシアルキル、例えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシ−n−プロピル、2−ヒドロキシ−n−プロピル、3−ヒドロキシ−n−プロピルおよび1−ヒドロキシ−メチル−エチル、
− C〜C20−アミノアルキル、有利にはC〜C−アミノアルキル、例えばアミノメチル、2−アミノエチル、2−アミノ−1,1−ジメチルエチル、2−アミノ−n−プロピル、3−アミノ−n−プロピル、4−アミノ−n−ブチル、5−アミノ−n−ペンチル、N−(アミノエチル)アミノエチルおよびN−(アミノエチル)アミノメチル、
−C〜C20−ヒドロキシアルキルアミノアルキル、有利にはC〜C−ヒドロキシアルキルアミノアルキル、例えば(2−ヒドロキシエチルアミノ)メチル、2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)エチルおよび3−(2−ヒドロキシエチルアミノ)プロピル、
− C〜C30−アルコキシアルキル、有利にはC〜C20−アルコキシアルキル、殊に有利にはC〜C−アルコキシアルキル、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、n−プロポキシメチル、イソ−プロポキシメチル、n−ブトキシメチル、イソ−ブトキシメチル、sec−ブトキシメチル、t−ブトキシメチル、1−メトキシエチルおよび2−メトキシエチル、殊に有利にはC〜C−アルコキシアルキル、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、n−プロポキシメチル、イソ−プロポキシメチル、n−ブトキシメチル、イソ−ブトキシメチル、sec−ブトキシメチル、t−ブトキシメチル、1−メトキシエチルおよび2−メトキシエチル、
− R−(OCRCR−(OCR)、有利にはR−(OCHRCHR−(OCR)、殊に有利にはR−(OCHCHR−(OCR)、
−C〜C30−ジアルキルアミノアルキル、有利にはC〜C20−ジアルキルアミノアルキル、殊に有利にはC〜C10−N,N−ジアルキルアミノアルキル、例えばN,N−ジメチルアミノメチル、2−(N,N−ジブチルアミノ)メチル、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、2−(N,N−ジブチルアミノ)エチル、2−(N,N−ジ−n−プロピルアミノ)エチルおよび2−(N,N−ジ−イソ−プロピルアミノ)エチル、(RN−(CH
− C〜C30−アルキルアミノアルキル、有利にはC〜C20−アルキルアミノアルキル、殊に有利にはC〜C−アルキルアミノアルキル、例えばメチルアミノメチル、メチルアミノエチル、エチルアミノメチル、エチアミノエチルおよびイソ−プロピルアミノエチル、(R)HN−(CH
− Y−(CH−NR−(CH
− C〜C20−ヘテロアリールアルキル、例えばピリド−2−イル−メチル、フラン−2−イル−メチル、ピロール−3−イル−メチルおよびイミダゾール−2−イル−メチル、
− C〜C20−アルキルヘテロアリール、例えば2−メチル−3−ピリジニル、4,5−ジメチルイミダゾール−2−イル、3−メチル−2−フラニルおよび5−メチル−2−ピラジニル、
− ヘテロアリール、例えば2−ピリジニル、3−ピリジニル、4−ピリジニル、ピラジニル、ピロール−3−イル、イミダゾール−2−イル、2−フラニルおよび3−フラニル、
、R、R、Rは、
− C〜C12−シクロアルキル、有利にはC〜C−シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル、殊に有利にはシクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロオクチル、
− アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリルおよび9−アントリル、有利にはフェニル、1−ナフチルおよび2−ナフチル、殊に有利にはフェニル、
− C〜C20−アルキルアリール、有利にはC〜C12−アルキルフェニル、例えば2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,3,4−トリメチルフェニル、2,3,5−トリメチルフェニル、2,3,6−トリメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−エチルフェニル、3−エチルフェニル、4−エチルフェニル、2−n−プロピルフェニル、3−n−プロピルフェニルおよび4−n−プロピルフェニル、
− C〜C20−アラルキル、有利にはC〜C12−フェニルアルキル、例えばベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、1−フェネチル、2−フェネチル、1−フェニル−プロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニル−プロピル、1−フェニル−ブチル、2−フェニル−ブチル、3−フェニル−ブチルおよび4−フェニル−ブチル、殊に有利にはベンジル、1−フェネチルおよび2−フェネチル、
− RおよびRまたはRおよびRが一緒になって−(CH−X−(CH−基、例えば−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH)−O−(CH−、(CH)−NR−(CH−、−(CH−O−(CH−、(CH−NR−(CH−、−CH−O−(CH−、CH−NR−(CH−、
、Rは、
− C〜C20−アルキル、有利にはC〜C−アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソ−ペンチル、sec−ペンチル、ネオ−ペンチル、1,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、イソ−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、イソ−ヘプチル、n−オクチル、イソ−オクチル、殊に有利にはC〜C−アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチルおよびt−ブチル、
−RおよびRは一緒になって、−(CH−X−(CH−基、例えば−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH)−O−(CH−、(CH)−NR−(CH−、−(CH−O−(CH−、(CH−NR−(CH−、−CH−O−(CH−、CH−NR−(CH−、
、R10は、
− C〜C−アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec-ブチルおよびt−ブチル、有利にはメチルおよびエチル、殊に有利にはメチル、
− C〜C40−アルキルフェニル、例えば2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2−ノニルフェニル、3−ノニルフェニル、4−ノニルフェニル、2−デシルフェニル、3−デシルフェニル、4−デシルフェニル、2,3−ジノニルフェニル、2,4−ジノニルフェニル、2,5−ジノニルフェニル、3,4−ジノニルフェニル、3,5−ジノニルフェニル、2,3−ジデシルフェニル、2,4−ジデシルフェニル、2,5−ジデシルフェニル、3,4−ジデシルフェニルおよび3,5−ジデシルフェニル、
、R、R、Rは、
− メチルまたはエチル、有利にはメチル、
Xは、
− CH、CHR、酸素(O)、硫黄(S)またはNR、有利にはCHおよびO、
Yは、
− N(R10、有利にはNHおよびN(CH
− ヒドロキシ、
− C〜C20−アルキルアミノアルキル、有利にはC〜C16−アルキルアミノアルキル、例えばメチルアミノメチル、メチルアミノエチル、エチルアミノメチル、エチルアミノエチルおよびイソ−プロピルアミノエチル、
− C〜C20−ジアルキルアミノアルキル、有利にはC〜C16−ジアルキルアミノアルキル、例えばジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、ジ−n−プロピルアミノエチルおよびジ−イソ−プロピルアミノエチル、
j、lは、
− 1〜4の整数、例えば1、2、3および4、有利には2および3、殊に有利には2、
k、m、qは、
− 1〜4の整数、例えば1、2、3および4、有利には2、3および4、殊に有利には2および3、
nは、
− 1〜10の整数、有利には1〜8の整数、例えば1、2、3、4、5、6、7または8、殊に有利には1〜6の整数、例えば、1、2、3、4、5または6。
【0044】
本発明による方法に使用できるケトンとしては、実際的にすべての脂肪族および芳香族ケトンが適する。脂肪族ケトンは、直鎖、分枝状または環式であってもよく、ケトンはヘテロ原子を有していてもよい。アミノ化できるケトンの炭素数に関して、これまで制限は知られていない。ケトンは、さらに水素添加アミノ化の条件下で不活性に挙動する置換基、例えばアルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基を有していることができる。多価ケトンをアミノ化する場合には、反応条件の制御により、アミノケトン、アミノアルコール、環状アミンまたは多重アミノ化生成物を得ることができる。
【0045】
有利には、例えば下記のケトンがアミノ化水素添加できる。
【0046】
アセトン、エチルメチルケトン、メチルビニルケトン、イソブチルメチルケトン、3−メチルブタン−2−オン、ジエチルケトン、テトラロン、アセトフェノン、p−メチル−アセトフェノン、p−メトキシ−アセトフェノン、m−メトキシ−アセトフェノン、1−アセチル−ナフタレン、2−アセチル−ナフタレン、1−フェニル−3−ブタノン、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロペンテノン、シクロヘキサノン、シクロヘキセノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロドデカノン、アセチルアセトン、メチルグリオキサールおよびベンゾフェノン。
【0047】
本発明による方法に使用できるアルデヒドとして、実際的にすべての脂肪族および芳香族アルデヒドが適する。脂肪族アルデヒドは、直鎖、分枝状または環式であってもよく、アルデヒドはヘテロ原子を有していてもよい。アミノ化できるアルデヒドの炭素数に関して、これまで制限は知られていない。アルデヒドは、さらに水素添加アミノ化の条件下で不活性に挙動する置換基、例えばアルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基を有していることができる。多価アルデヒドまたはケトアルデヒドをアミノ化する場合には、反応条件の制御により、アミノアルコール、環状アミンまたは多重アミノ化生成物を得ることができる。
【0048】
有利には、例えば下記のアルデヒドがアミノ化水素添加できる。
【0049】
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ピバリンアルデヒド、n−ペンタナール、n−ヘキサナール、2−エチルヘキサナール、2−メチルペンタナール、3−メチルペンタナール、4−メチルペンタナール、グリオキサール、ベンズアルデヒド、p−メトキシベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、(p−メトキシ−フェニル)アセトアルデヒド、(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアルデヒド、4−ホルミルテトラヒドロピラン、3−ホルミルテトラヒドロフラン、5−ホルミルバレロニトリル、シトロネラール、アクロレイン、メタクロレイン、エチルアクロレイン、シトラール、クロトンアルデヒド、3−メトキシプロピオンアルデヒド、3−アミノプロピオンアルデヒド、ヒドロキシピバリンアルデヒド、ジメチロールプロピオンアルデヒド、ジメチロールブチルアルデヒド、フルフラール、グリオキサール、グルタルアルデヒドならびにヒドロホルミル化したオリゴマーおよびポリマー、例えばヒドロホルミル化ポリイソブテン(ポリイソブテンアルデヒド)または1−ペンテンおよびシクロペンテンのメタセシスにより得られかつヒドロホルミル化されたオリゴマー。
【0050】
アルデヒドおよびケトンの水素添加アミノ化の場合のアミノ化剤として、アンモニアも第一級または第二級、脂肪族、脂環式または芳香族アミンも使用できる。
【0051】
アミノ化剤としてのアンモニアの使用の際に、カルボニル基を最初に遊離アミノ基(−NH)に変換する。このようにして形成された第一級アミンは、ヒドロキシル基または別のカルボニル基と相当する第二級アミンに、およびこれを再度ヒドロキシル基または別のカルボニル基と、相応し場合により対称的な第三級アミンに反応できる。反応バッチの組成に応じて、また適用した反応条件(圧力、温度、反応時間、モル比)に応じて、この方法で希望に対して有利には第一級、第二級または第三級アミンを製造できる。
【0052】
1個を越えるアルデヒド基またはケト基を有するアルデヒドまたはケトンからまたはケトアルデヒドから、この方法により分子内水素添加アミノ化により、環状アミン、例えばピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンアミン、ピペラジンおよびモルホリンが製造できる。
【0053】
アンモニアと同様に、第一級または第二級アミンもアミノ化剤として使用できる。
【0054】
有利には、これらのアミノ化剤は、非対称置換ジアルキルアミンまたはトリアルキルアミン、例えばエチルジイソプロピルアミンおよびエチルジシクロヘキシルアミンの製造に使用される。有利には、例えば下記のモノアルキルアミンおよびジアルキルアミンがアミノ化剤として使用できる:メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミンおよびシクロヘキシルアミン。
【0055】
アミノ化剤は、アミノ化して水素添加すべきカルボニル基に関して化学量論的量で使用できる。しかし有利には、過剰のアミノ化剤の量で操作し、すなわち一般に、アミノ化して水素添加するカルボニル基モルあたりに1.05モル過剰以上である。特に、アンモニアは、一般に変換しようとするカルボニル基モルあたりに1.05〜250倍、有利には2〜100倍、殊には2〜50倍のモル過剰で使用される。アンモニアでも第一級または第二級アミンでもこれより高い過剰も可能である。
【0056】
本発明による方法は、不連続式または有利には連続式で、下記のように実施でき、その際、触媒は、有利には固定床として反応器内に配置される。
【0057】
原料のアルデヒド基またはケトン基のアミノ化は、液相中でも気相中でも実施できる。
【0058】
通常、反応の際に、温度50〜250℃、有利には50〜200℃、殊には60〜170℃で操作する。
【0059】
一般に、反応は、圧力1〜400バール(0.1〜40MPa)で実施される。有利には圧力10〜250バール、殊には20〜200バールを適用する。
【0060】
高い温度および高い全圧力の適用が可能である。アミノ化剤、カルボニル成分、形成された反応生成物ならびに場合により一緒に使用される溶剤の与えられた温度における分圧の和から発生する反応容器内の全圧力は、有利には所望の反応圧力への水素の圧縮により調整する。
【0061】
水素は、反応に一般には5〜400Nlの量、有利には50〜200Nlの量をカルボニル成分モルあたりに導入され、ここで、リットルの記載は、いずれも標準状態(S.T.P.)に換算してある。
【0062】
反応は、一般に追加の溶剤を用いないで行われる。高分子量で高粘度または室温で固体の出発原料の反応、またはこのような生成物への変換の際には、反応条件下で不活性の溶剤、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N−メチルピロリドン、ミハゴール(Mihagol)またはエチレングリコールジメチルエーテルを一緒に使用すると有利であることができる。
【0063】
触媒成形体を反応器内に不活性充填物と混合、いわゆる「希釈」すると、本発明による方法の選択性に有利であることができる。このような触媒調製剤中の充填剤の割合は、20〜80、特には30〜60および殊には40〜50体積部であることができる。
【0064】
実際的に、実施の際に、一般に、通常有利には外部から加熱する固定床反応器中にある触媒に、所望の反応温度および所望の圧力においてアルデヒドまたはケトンおよびアミノ化剤を同時に導入して実施する。その際、触媒を一般に0.01〜5、有利には0.05〜3、および殊に有利には0.1〜1.6l(アルデヒドまたはケトン)を触媒リットルおよび時間あたりに負荷する。その際、反応原系をあらかじめ反応容器内に導入の前に加熱しておくと有利である。
【0065】
反応器は、塔底法(Sumpf)またはトリクル法で操作し、すなわち、反応物を下から上にでも上から下でも反応器を通過して導くことができる。本方法が、不連続式でも連続式でも実施できることは当然理解できる。どちらの場合でも、過剰なアミノ化剤は、水素と一緒に循環系内に導くことができる。反応の際の変換が完全ではない場合には、未変換出発原料も同様に反応ゾーンに返還できる。
【0066】
反応搬出物から、これを有利には放圧した後に、過剰のアミノ化剤および水素を除去し、得られたアミノ化生成物を蒸留、液相抽出または結晶化により精製する。過剰のアミノ化剤および水素は、有利には再び反応ゾーン中に返還する。同じことは、場合により未変換または完全には変換されなかったカルボニル成分または相当する水素添加で生成したアルコール成分にも該当する。
【0067】
反応の間に形成される反応水は、一般に変換率、反応速度、選択率および触媒耐用期間に不利とならないで作用し、従って有利には、反応生成物の蒸留処理の際に初めて除去される。
【0068】
本発明による方法で得られるアミンは、なかでも燃料添加剤の製造の際の中間生成物〔米国特許(US−A)第3275554号、ドイツ特許出願公開(DE−A)第2125039号およびドイツ特許出願公開(DE−A)第3611230号の各明細書〕、界面活性剤、薬剤および農薬ならびに加硫促進剤として好適である。
【0069】
【実施例】
A)触媒Aの製造(本発明の方法)
NiO 2.39質量%、CoO 2.39質量%、CuO 0.94質量%およびZrO2.82質量%を含む硝酸ニッケル、硝酸銅、硝酸コバルトおよび酢酸ジルコニウムから成る水溶液を同時に、攪拌槽中で20質量%炭酸ナトリウム水溶液の定常流中で、温度70℃において、ガラス電極を用いて測定したpH値7.0を保持して沈殿させた。
【0070】
得られた懸濁液を濾過し、濾過ケークを完全脱塩した水を用いて、濾液の電気伝導率が約20mSとなるまで洗浄した。その後、濾過ケークを温度150℃において、乾燥器または噴霧乾燥器の中で乾燥した。この方法で得られた水酸化物−炭酸塩混合物を温度500℃において4時間の期間で温度処理した。
【0071】
このようにして得られた触媒Aは、下記の組成を有していた。
【0072】
NiO 28質量%、CoO 28質量%、CuO 11質量%およびZrO33質量%。
【0073】
触媒粉末をグラファイト3質量%と混合し、5×3mmの錠剤に成形した。
【0074】
B)触媒Bの製造〔欧州特許出願公開(EP−A)第382049号明細書、第6ページの方法;比較試験のため〕
ジルコニウム塩、銅(II)塩、コバルト(II)塩およびニッケル(II)塩から成る水溶液を密度1.208kg/lの炭酸ナトリウム水溶液と同時に、沈降装置内にポンプ輸送したが、その中には新たに析出して水中に懸濁している二酸化ジルコニムが存在していた。溶液のpH値を沈降の間に、6.0の一定に維持し、金属塩溶液の消費の後に、炭酸ナトリウム水溶液の添加によりpH7.5に上昇させた。沈殿を洗浄し、120℃において質量一定となるまで乾燥し、400℃において重量一定となるまで焼成した。得られた触媒組成物を粉砕し、グラファイト3質量%と混合し、製錠し、再度520℃で3時間焼成した。
【0075】
このようにして得られた触媒Bは下記の組成を有していた。
【0076】
ZrO76質量%、CuO 4質量%、CoO 10質量%およびNiO 10質量%。
【0077】
C)本発明による触媒の機械的安定性
触媒A)に記載のようにして製造した異なるNiO/CoO比を有するCuO 11質量%、ZrO33質量%、および〔NiO+CoO〕を合計して56質量%を有する触媒の機械的安定性を測定した。
【0078】
これには触媒を反応条件下で16時間下記のように処理(煮沸試験)、その後、その機械的性質に関してその側圧強度を測定して試験した。
【0079】
これは、オートクレーブに触媒30g(容器1個内)、イソプロピルアミン67ml、アセトン67mlおよび水16mlを充填して行った。オートクレーブを閉じた後、オートクレーブをアルゴンを用いてパージした。オートクレーブ内容物を反応時間の間、700回転/分で攪拌した。引き続いて50バールのHを圧入し、反応器内容物を120分以内で130℃に昇温した。圧力をHを用いて200バールまで上昇させ、16時間、その温度で攪拌した。オートクレーブを冷却した後、減圧の際に放出される成形体内の気体状反応物による触媒成形体の破砕を防ぐために、非常にゆっくりと減圧した。
【0080】
開放した後に錠剤をその硬度について側圧強度測定により試験した。
【0081】
結果:
【0082】
【表1】
Figure 0004750939
【0083】
CoO/NiO比が上昇すると、触媒成形体の側圧強度は増加した。
【0084】
本発明による方法に対して、上記の煮沸試験により少なくとも5ニュートン、有利には少なくとも10ニュートン、特に有利には少なくとも20ニュートンの側圧強度を有している触媒が有利である。
【0085】
側圧強度は、以下のようにして測定した。
【0086】
触媒錠剤を平行な2枚の板の間で凸面上に段々と強くなる力を破壊が起きるまで負荷した。破壊の際に記録された力を側圧強度とする。この測定は、定置した回転皿および成形体を定置した回転皿に対して押しつける自由に動く垂直プランジャーを有するツヴィック社(FirmaZwick,Ulm)の試験機を用いて行った。自由に動くプランジャーは、力を受けるための圧力測定カムと結合していた。この装置は、測定値を記録および評価する計算機で制御されていた。良く混合された触媒試料から、完全(すなわち割れがなくまた剥離した隅がない)錠剤25個を取り出し、その側圧強度を個別に測定し、次いで平均した。
【0087】
例1:
シクロペンタノンの連続アミノ化
連続運転する高圧反応器に触媒A500cmを充填し、液相運転方法により、1時間あたりにシクロペンタノン300cmおよび液体アンモニア750gを送り込んだ。触媒温度を150℃、反応器内の圧力を水素の同時圧入により200バールに調整した。反応搬出物からその放圧の後、過剰のアンモニアを蒸留除去した。集めた反応搬出物をガスクロマトグラフで分析した:シクロペンチルアミンを収率98.1%で得た。
【0088】
例2:
α−テトラロンの不連続アミノ化
マグネチックスターラーおよび触媒容器を有する300mlオートクレーブに、α−テトラロン30mlおよび触媒A30mlを充填した。引き続いてアンモニア70mlを圧入した。攪拌しながら水素を用いて100バールにさらに加圧し、100℃に加熱し、水素を用いて200バールにさらに加圧した。12時間、100℃で攪拌した。反応搬出物をガスクロマトグラフで測定した(カラムRtx−5−アミン)。アミンの1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフチルアミンを収率97.9%で得た。
【0089】
例3:
p−メトキシベンズアルデヒド(アニスアルデヒド)のp−メトキシベンジルアミンへの連続アミノ化
連続運転する実験室用装置(直進通過式、触媒体積100ml)に触媒Aを充填した。引き続いてアンモニアを低温で圧入し(30バール)、反応器を130℃に加熱した。水素を用いて圧力200バールに調整した。
【0090】
a)アニスアルデヒド65.5g/時間およびアンモニア53g/時間を水素20Nl/時間と一緒に130℃において下部から上部に接触させた:収率98.6%。
【0091】
b)アニスアルデヒド67.5g/時間およびアンモニア53g/時間を水素20Nl/時間と一緒に120℃において下部から上部に接触させた:収率99.2%。
【0092】
c)アニスアルデヒド32.7g/時間およびアンモニア26g/時間を水素20Nl/時間と一緒に130℃において下部から上部に接触させた:収率98.5%。
【0093】
例4(比較例):
シクロペンタノンの連続アミノ化のために例1を上記のように実施したが、ただし触媒Bを用いた点が異なっていた。
【0094】
触媒は数日(10日未満)の試験期間の後に崩壊し、すなわち不満足な機械的安定性を有し、このために不適当であった。
【0095】
例5:
α−インダノンの連続アミノ化
連続運転する高圧反応器に触媒A250cmを充填し、130℃および100バールにおいて液相運転法により1時間あたりにα−インダノンのメタノール溶液(インダノン80質量%)32g、液体アンモニア55mlおよび水素15Nlを送り込んだ。過剰のアンモニアおよびメタノールを引き続いて蒸留除去した。全反応生成物をガスクロマトグラフで分析した:1−アミノインダンが収率91.8%で得られた。

Claims (12)

  1. アルデヒドまたはケトンを、温度50〜250℃および圧力0.1〜40MPaにおいて、アンモニア、第一級および第二級アミンの群から選ばれている窒素化合物と、水素とを用いる触媒の存在下で反応させることによるアミンの製造方法において、触媒の触媒活性組成物が、
    ZrOとして計算したジルコニウムの酸素含有化合物22〜45質量%、
    CuOとして計算した銅の酸素含有化合物1〜30質量%、
    NiOとして計算したニッケルの酸素含有化合物5〜50質量%、および
    CoOとして計算したコバルトの酸素含有化合物5〜50質量
    み、かつ、
    ニッケルの銅に対するモル比が1よりも大きい、
    ことを特徴とするアミンの製造方法。
  2. 媒の触媒活性組成物が、
    ZrOとして計算したジルコニウムの酸素含有化合物22〜39質量%、
    CuOとして計算した銅の酸素含有化合物2〜25質量%、
    NiOとして計算したニッケルの酸素含有化合物15〜45質量%、および
    CoOとして計算したコバルトの酸素含有化合物20〜45質量
    含む、
    請求項1に記載の方法。
  3. 媒の触媒活性組成物が、ZrOとして計算したジルコニウムの酸素含有化合物25〜39質量%を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 媒の触媒活性組成物が、CuOとして計算した銅の酸素含有化合物5〜15質量%を含む、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 媒の触媒活性組成物が、NiOとして計算したニッケルの酸素含有化合物およびCoOとして計算したコバルトの酸素含有化合物を合計して35〜69質量%含み、その際、CoOとして計算したコバルトの酸素含有化合物の含有量が、NiOとして計算したニッケルの酸素含有化合物およびCoOとして計算したコバルトの酸素含有化合物の和に対して、少なくとも12.0質量%である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 触媒の触媒活性組成物が、CoOとして計算したコバルトの酸素含有化合物の含有量が、NiOとして計算したニッケルの酸素含有化合物およびCoOとして計算したコバルトの酸素含有化合物の和に対して、少なくとも40質量%である、請求項5に記載の方法。
  7. 触媒の触媒活性組成物が、MoO として計算したモリブデンの酸素含有化合物0〜5質量%を含む、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 媒の触媒活性組成物が、MoOとして計算したモリブデンの酸素含有化合物0.1〜5質量%を含む、請求項に記載の方法。
  9. 触媒の触媒活性組成物が、Al として計算したアルミニウムの酸素含有化合物0〜10質量%を含む、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  10. 触媒の触媒活性組成物が、MnO として計算したマンガンの酸素含有化合物0〜10質量%を含む、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. 触媒を成形体の形で使用する、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
  12. 式I
    Figure 0004750939
    〔式中、
    、Rは、水素、C〜C20−アルキル、C〜C12−シクロアルキル、アリール、C〜C20−アラルキル若しくは〜C20−アルキルアリールを表すか、または およびR 一緒になって(CH−X−(CHを表し、
    、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルカノールアミノアルキル、アルコキシアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルアミノアルキル、R−(OCRCR−(OCR)、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアリールアルキル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール若しくはY−(CH−NR−(CH を表すか、または およびR 一緒になって(CH−X−(CHを表すか、または、
    およびRは、一緒になって(CH−X−(CHを表し、
    、R10水素、C〜C−アルキルまたは〜C40−アルキルフェニルを表し、
    、R、R、Rは、水素、メチルまたはエチルを表し、
    Xは、CH、CHR、酸素、硫黄またはNRを表し、
    Yは、N(R10、ヒドロキシル、C〜C20−アルキルアミノアルキルまたはC〜C20−ジアルキルアミノアルキルを表し、
    nは、1から30までの整数を表し、かつ
    j、k、l、m、qは、1から4までの整数
    を表す〕
    のアミン、式IIもしくはIII
    Figure 0004750939
    のアルデヒドまたはケトンと、
    式IV
    Figure 0004750939
    の窒素化合物と反応させることによって得ることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
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