JP4749357B2 - 帆立貝柱の乾燥方法及び帆立貝柱の乾燥装置 - Google Patents

帆立貝柱の乾燥方法及び帆立貝柱の乾燥装置 Download PDF

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Description

本発明は、煮沸後の帆立貝柱を所定の含水率になるまで乾燥させて良質の乾燥貝柱を得る帆立貝柱の乾燥方法及び帆立貝柱の乾燥装置に係り、良質の乾燥貝柱を少ない労力により短期間で効率良く製造できるようにする帆立貝柱の乾燥方法及び帆立貝柱の乾燥装置に関する。
収穫した帆立貝を良質の乾燥貝柱に加工する場合には以下のような多くの工程を行い、手間と時間をかけて帆立貝柱の乾燥が行われている。即ち、収穫した帆立貝は最初に貝殻ごと塩水でボイルする一番煮と呼ばれている工程を行う。次に貝殻、耳、内臓等を除去して貝柱のみにした状態で塩水でボイルする二番煮と呼ばれている工程を行う。
このようにして煮沸された帆立貝柱に対して次に焙乾と呼ばれている工程を実施し、以下、乾燥、あん蒸、保管の各工程を何回も繰り返し、40日程度にも及ぶ多くの日数をかけて含水率16%以下の良質の乾燥貝柱に仕上げている。
尚、焙乾は焙乾機を使用して行う高温での乾燥で、二番煮した帆立貝柱の水分を速やかに除去し貝柱の緊締を促進させるために行われている。一般に熱風温度90℃程度で約1時間の焙乾が実施されている。
乾燥は乾燥機を使用して行う機械乾燥と天日乾燥とを併用して行う高温、中温、低温での乾燥で、木箱に入っている帆立貝柱を乾燥トレイに広げ、主に帆立貝柱の表面を乾燥させるために行われている。一般に機械乾燥の場合には1工程1時間程度の乾燥が実施されている。
あん蒸は乾燥トレイに収容された帆立貝柱を木箱に移してそのまま放置する常温での乾燥で、帆立貝柱の内部の乾燥を促して帆立貝柱の内部と表面の含水率を均一にするために行われている。
保管は乾燥途中の帆立貝柱の一時的な保管と、完成品である乾燥貝柱の出荷待ち状態での保管とを意味し、一般に温度15℃、湿度60%前後に管理されている保管室を利用して保管が実施されている。
下記に機械乾燥を行う場合の一番煮から出荷までの作業の流れを表1、表2に示す。尚、表中の重量(歩留)は二番煮後の重量(歩留)を100とした場合の各工程終了後の目標となる帆立貝柱の重量(歩留)を示しており、仕上乾燥終了後の重量(歩留)40.3の時の含水率が約16%となる。
Figure 0004749357
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このようにして加工された乾燥貝柱は高級食材であることから等級が定められており、乾燥貝柱の歩留と等級とによって大きく利益が左右されるようになっている。
等級の判定基準としては肉の締り、色、つや、白粉、黒変等を見る外観、香り、味等から判定する官能、含水率、重量、貝柱の割れ等から判定する歩留がある。
そしてこのうち、肉の締りは貝柱表面の乾燥過多により悪くなり、白粉は乾燥の遅滞によって多く発生する。また、歩留は貝柱の内部の乾燥の遅滞によって生ずる貝柱表面の乾燥過多やあん蒸の不足によって悪化するとされている。
このように帆立貝柱の乾燥には実に多くの工程を必要とし、40日程度にも及ぶ長期間を要していた。そしてシーズン中には1日に20〜50トンもの大量の帆立貝が入荷し、このような大量の帆立貝を上記従来の帆立貝柱の乾燥方法によって処理するには限界があり、作業の煩雑さによって生ずる乾燥貝柱の品質の低下も問題になっていた。
また、上記従来の帆立貝柱の乾燥方法は帆立貝柱の内部の乾燥が不十分になり易く、帆立貝柱内部の含水率を16%まで乾燥させた時には帆立貝柱表面の含水率は16%以下になって乾燥過多になってしまうことがある。そしてこのような帆立貝柱表面の乾燥過多が生ずると、上述したような外観、官能、歩留に影響が出てきて、完成した乾燥貝柱の品質を低下させて等級を下げ、乾燥貝柱の価格の低下を招いてしまう。
また、上記従来の帆立貝柱の乾燥方法の場合には表1、表2に示すように乾燥とあん蒸を頻繁に繰り返し、その都度、乾燥トレイから木箱、あるいは木箱から乾燥トレイへと帆立貝柱を移し替えなければならず、このような煩雑な作業に多大な労力を費やしていた。また、上記移し替え作業中に帆立貝柱に衝撃を与えた場合には帆立貝柱に割れ等を発生させて帆立貝柱の品質や歩留を低下させることになる。
また、屋外での天日乾燥は天候に左右されるし、衛生面でも問題になる。
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、このように多くの手間と時間がかかっている帆立貝柱の乾燥方法のプロセスと、帆立貝柱の乾燥装置の構成を根本から見直し、少ない労力で短期間に効率良く、帆立貝柱を表面と内部とが均一になるように乾燥でき、外観、官能、歩留に優れる高品質で安全な乾燥貝柱を製造することができる帆立貝柱の製造方法及び帆立貝柱の製造装置を提供することにある。
上記目的を達成するべく本発明の請求項1による帆立貝柱の乾燥方法は、煮沸後の帆立貝柱に対して焙乾、初期乾燥、後期乾燥、あん蒸、保管の各工程を繰り返し実行して、帆立貝柱が所定の含水率になるまで段階的に乾燥させる帆立貝柱の乾燥方法において、上記焙乾及び初期乾燥は高温熱風乾燥機を使用して60〜90℃の乾燥温度で実行し、上記後期乾燥は低温熱風乾燥機またはマイクロ波加熱機を使用して20〜60℃の乾燥温度で実行し、上記あん蒸はマイクロ波加熱機またはマイクロ波加熱と冷風乾燥ないし熱風乾燥とを併用したマイクロ波乾燥機を使用して20〜60℃の乾燥温度で実行し、上記保管は温度、湿度が管理された保管室に帆立貝柱を入れて常温保管することによって実行されるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項2による帆立貝柱の乾燥方法は、煮沸後の帆立貝柱に対して焙乾、初期乾燥、後期乾燥、あん蒸、保管の各工程を繰り返し実行して、帆立貝柱が所定の含水率になるまで段階的に乾燥させる帆立貝柱の乾燥方法において、上記焙乾及び初期乾燥は高温熱風乾燥機を使用して60〜90℃の乾燥温度で実行し、上記後期乾燥は低温熱風乾燥機またはマイクロ波加熱と冷風乾燥ないし熱風乾燥とを併用したマイクロ波乾燥機を使用して20〜60℃の乾燥温度で実行し、上記あん蒸はマイクロ波加熱機またはマイクロ波加熱と冷風乾燥ないし熱風乾燥とを併用したマイクロ波乾燥機を使用して20〜60℃の乾燥温度で実行し、上記保管は温度、湿度が管理された保管室に帆立貝柱を入れて常温保管することによって実行されるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項3による帆立貝柱の乾燥方法は、請求項1または2記載の帆立貝柱の乾燥方法において、煮沸後の帆立貝柱は乾燥トレイに収容され、乾燥トレイに収容された状態で焙乾、初期乾燥、後期乾燥、あん蒸及び保管のすべての工程を実行するようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項4による帆立貝柱の乾燥方法は、請求項3記載の帆立貝柱の乾燥方法において、上記帆立貝柱が収容された乾燥トレイは焙乾及び初期乾燥工程では複数の乾燥トレイを隙間を空けた状態で収容し得る乾燥台車に載置した状態で焙乾、初期乾燥と、これらの工程間の移動とが実行され、後期乾燥及び保管工程では複数の乾燥トレイを段積み状態で載置し得る移動台車に移し替えて後期乾燥及び保管と、あん蒸を加えたこれらの工程間の移動とが実行されるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項5による帆立貝柱の乾燥方法は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の帆立貝柱の乾燥方法において、焙乾工程に入る前と、焙乾、初期乾燥及び後期乾燥工程終了後に帆立貝柱の重量を計測し、その計測結果に基づいて上記各工程の管理条件を補正するようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項6による帆立貝柱の乾燥装置は、煮沸後の帆立貝柱に対して焙乾、初期乾燥、後期乾燥、あん蒸、保管の各工程を繰り返し実行して、帆立貝柱が所定の含水率になるまで段階的に乾燥させる帆立貝柱の乾燥装置において、上記焙乾及び初期乾燥を60〜90℃の乾燥温度で実行し得る高温熱風乾燥機と、上記後期乾燥を20〜60℃の乾燥温度で実行し得る低温熱風乾燥機またはマイクロ波加熱機と、上記あん蒸を20〜60℃の乾燥温度で実行し得るマイクロ波加熱機またはマイクロ波加熱と冷風乾燥ないし熱風乾燥とを併用したマイクロ波乾燥機と、乾燥途中あるいは乾燥後の帆立貝柱を温度、湿度が管理された状態で常温保管し得る保管室とを具備することによって構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項7による帆立貝柱の乾燥装置は、煮沸後の帆立貝柱に対して焙乾、初期乾燥、後期乾燥、あん蒸、保管の各工程を繰り返し実行して、帆立貝柱が所定の含水率になるまで段階的に乾燥させる帆立貝柱の乾燥装置において、上記焙乾及び初期乾燥を60〜90℃の乾燥温度で実行し得る高温熱風乾燥機と、上記後期乾燥を20〜60℃の乾燥温度で実行し得る低温熱風乾燥機またはマイクロ波加熱と冷風乾燥ないし熱風乾燥とを併用したマイクロ波乾燥機と、上記あん蒸を20〜60℃の乾燥温度で実行し得るマイクロ波加熱機またはマイクロ波加熱と冷風乾燥ないし熱風乾燥とを併用したマイクロ波乾燥機と、乾燥途中あるいは乾燥後の帆立貝柱を温度、湿度が管理された状態で常温保管し得る保管室とを具備することによって構成されていることを特徴とするものである。
そして上記手段によって以下のような作用が得られる。まず、後期乾燥工程及びあん蒸工程において、あるいはあん蒸工程のみにおいてマイクロ波加熱機またはマイクロ波加熱と冷風乾燥ないし熱風乾燥とを併用したマイクロ波乾燥機を使用するようにしたから、上記工程では帆立貝柱は主に内部から加熱されるようになり、帆立貝柱の内部の乾燥促進が図られるようになる。
また特にマイクロ波加熱機に代えてマイクロ波加熱と冷風乾燥ないし熱風乾燥とを併用したマイクロ波乾燥機を使用した場合には、マイクロ波加熱による帆立貝柱内部の乾燥に加えて、冷風ないし熱風による帆立貝柱表面の乾燥が同時に行われるようになり、帆立貝柱全体の均一な乾燥と乾燥促進とが図られるようになる。
また乾燥促進が図られた付随的効果として乾燥トレイから木箱、あるいは木箱から乾燥トレイへの帆立貝柱の移し替え作業が不要になり、焙乾、初期乾燥、後期乾燥、あん蒸及び保管のすべての工程を乾燥トレイのみを使用して実行できるようになる。
また乾燥の促進を図りたい焙乾及び初期乾燥工程では複数の乾燥トレイを隙間を空けた状態で収容し得る乾燥台車を使用し、一方、品質に影響を与える急速な乾燥を避けたい後期乾燥及び保管の各工程では複数の乾燥トレイを段積み状態で収容し得る移動台車を使用することによって帆立貝柱の良好な乾燥進渉と、工程間の円滑な移動とが図られるようになる。必要に応じては段積みされた乾燥トレイを覆い込むカバーをかけて表面乾燥の進行を避けることもできる。
また焙乾工程に入る前と、焙乾、初期乾燥及び後期乾燥工程後に帆立貝柱の重量を計測するようにした場合には、各工程後の帆立貝柱の目標重量と上記計測した重量とを比べることによって各工程での乾燥状態が把握できるようになり、各工程の管理条件の補正等に利用できるようになる。
本発明の帆立貝柱の乾燥方法及び帆立貝柱の乾燥装置によると、マイクロ波加熱機またはマイクロ波乾燥機を使用することによって乾燥期間の大幅な短縮が図られるようになり、大量の帆立貝を一度に処理できるようになる。
また、乾燥された帆立貝柱は表面と内部の乾燥が均一になり、外観、官能、歩留に優れた高品質の乾燥貝柱となる。また、木箱の使用を廃止して乾燥トレイのみによって焙乾以降の乾燥工程を実行することによって作業者の労力を大幅に軽減でき、少ない労力で帆立貝柱の乾燥作業を実行できるようになる。
また、乾燥台車と移動台車とを使い分けることによって、各工程での乾燥が円滑に実行されるようになり、各工程間の移動も円滑に短時間で行われるようになるとともに、移動台車は乾燥台車と同じ数量の乾燥トレイを収容するにもかかわらず、平面積が少ないので工期乾燥中の帆立貝柱の保管場所を減少することができる。
また、焙乾工程に入る前と、焙乾、初期乾燥及び後期乾燥工程終了後に帆立貝柱の重量を計測するようにした場合には、計測した重量の大きさや変化によって乾燥途中の帆立貝柱の乾燥状態が把握できるようになり、各工程での管理条件の補正等に利用すれば、帆立貝柱の無理のない円滑な乾燥と、品質の一層の向上が図られるようになる。
以下、表3、表4及び図示の実施の形態を例にとって、本発明を実施するための最良の形態を説明する。図1は本発明の帆立貝柱の乾燥方法を実行する乾燥貝柱の製造ラインを示す模式図、図2は焙乾及び初期乾燥工程で使用する高温熱風乾燥機の平面図、図3は同上、高温熱風乾燥機の正面図、図4は同上、高温熱風乾燥機の右側面図、図5は後期乾燥工程で使用する低温熱風乾燥機の平面図、図6は同上、低温熱風乾燥機の正面図、図7は同上、低温熱風乾燥機の右側面図、図8はあん蒸工程で使用するマイクロ波乾燥機の平面図、図9は同上、マイクロ波乾燥機の正面図、図10は同上、マイクロ波乾燥機の右側面図、図11は焙乾及び初期乾燥工程で使用する乾燥台車の平面図、図12は同上、乾燥台車の正面図、図13は同上、乾燥台車の右側面図、図14は後期乾燥及び保管工程で使用する移動台車の平面図、図15は同上、移動台車の正面図、図16は同上、移動台車の右側面図である。
本発明の帆立貝柱の乾燥方法は煮沸後の帆立貝柱Aに対して焙乾、初期乾燥、後期乾燥、あん蒸、保管の各工程を繰り返し実行して、帆立貝柱Aが所定の含水率になるまで段階的に乾燥させる方法である。
尚、本実施の形態では焙乾は高温熱風乾燥機3を使用して行う乾燥温度60〜90℃での乾燥を意味し、煮沸後の帆立貝柱Aの水分を速やかに除去し貝柱の緊締を促進させるために行われる。
初期乾燥は上記焙乾同様、高温熱風乾燥機3を使用して行う乾燥温度60〜90℃での乾燥を意味し、主に帆立貝柱Aの表面の乾燥を促進させるために2〜4日行われる。
後期乾燥は低温熱風乾燥機5を使用して行う乾燥温度20〜60℃での熱風乾燥を意味し、主に帆立貝柱Aの表面の乾燥を緩やかに進行させるために10日程度行われる。
あん蒸はマイクロ波乾燥機7を使用して行う乾燥温度20〜60℃でのマイクロ波加熱での乾燥を意味し、主に帆立貝柱Aの内部の乾燥を促して帆立貝柱Aの内部と表面の含水率を均一にするために10日程度かけて行われる。またマイクロ波加熱による殺菌効果も期待できる。
保管は乾燥途中の帆立貝柱Aの一時的な保管と、完成品である乾燥貝柱Bの出荷待ち状態での常温での保管を意味し、帆立貝柱A全体の緩やかな乾燥と完成した乾燥貝柱Bの品質を保持するために行われる。
また、本実施の形態では煮沸後の帆立貝柱Aは乾燥トレイ9に収容され、乾燥トレイ9に収容された状態で焙乾、初期乾燥、後期乾燥、あん蒸及び保管のすべての工程を工場33内で実行し得るように構成されている。尚、本実施の形態で使用される乾燥トレイ9は一例としてプラスチック製(マイクロ波加熱での使用が可能なポリプロピレン製等)で図11及び図14に示すように底面が格子状のリブによって構成されている外形寸法の幅が約610mm、奥行きが約820mm、厚さが約50mmの矩形状のトレイである。また、収容有効寸法は幅が約530mm、奥行きが約750mm、深さが約35mmである。また帆立貝柱Aの収容数量は直径40mm程度の帆立貝柱Aで13個×25列で計325個であり、この場合の収容重量は325個×10gで約3.25kgである。
上記帆立貝柱Aが収容された乾燥トレイ9は焙乾及び初期乾燥工程と、これらの工程間の移動に際しては、図11〜図13に示す乾燥台車13に載置される。乾燥台車13はアングル材等を矩形枠状に組み立てたフレーム15と、乾燥トレイ9を収容するためのガイド部材17と、底面に設けられる4つのキャスタ19とによって構成されている。
そしてこのような乾燥台車13には16段4列、計64枚の乾燥トレイ9が収容できるようになっており、この場合の帆立貝柱Aの収容重量は64枚×3.25kgで約208kg、原貝換算で208kg÷0.08で約2600kgである。また、上下の乾燥トレイ9間には乾燥効率を高めるために約50mmの隙間Sが形成されるように構成されている。
また、帆立貝柱Aが収容された乾燥トレイ9は後期乾燥及び保管工程と、あん蒸を加えたこれらの工程間の移動に際しては、図14〜図16に示す移動台車21に載置される。移動台車21は矩形平板形状の底板23と、底板23の下面に設けられる4つのキャスタ25とによって構成されている。
そしてこのような移動台車21には32段2列、計64枚の乾燥トレイ9が段積み状態で載置できるようになっている。この場合の帆立貝柱Aの収容重量は64枚×3.25kgで約208kg、原貝換算で208kg÷0.08で約2600kgである。
従って、原貝Cを20トン処理する場合には、二番煮後の帆立貝柱Aの重量は20000kg×0.08で約1600kg、乾燥トレイ9の必要数が1600kg÷3.25kgで493枚、乾燥台車13の必要数が493枚÷64枚で8台、移動台車21の必要数が493枚÷64枚で8台となる。
また、本実施の形態では焙乾工程に入る前と、焙乾、初期乾燥及び後期乾燥工程終了後に帆立貝柱Aの重量を重量計27によって計測し、その計測結果を制御装置29に送って上記高温熱風乾燥機3、低温熱風乾燥機5及びマイクロ波乾燥機7の乾燥温度や乾燥時間等の管理条件を補正するようにしている。帆立貝柱Aの重量の計測は重量計27に代えて軽量装置付きのハンドリフトにより台車の計量と移動を行っても良く、データはプリントするとともに、パソコンに出力する方法が良い。尚、乾燥の進行に伴って2枚の乾燥トレイ9の貝柱が1枚のトレイに収容できるようになるが、トレイを減らす場合でも台車毎の貝柱は乾燥終了まで移動させない。この場合、トレイ減少時点での減少したトレイの重量を減算する必要がある。
次にこのようにして構成されている本実施の形態に係る帆立貝柱の乾燥方法の具体例を下記の表3、表4に基づいて説明する。尚、表中の日程は収穫した帆立貝Cを塩水でボイルする一番煮から完成した乾燥貝柱Bの選別、梱包、出荷に備えて行う常温保管までの日程を示している。また、表中の作業内容は1日に行う作業内容を示しており、表中の重量(歩留)は二番煮後の帆立貝柱Aの重量(歩留)を100とした場合の各工程終了後の目標重量(歩留)を示している。因みに目標重量(歩留)が42.3の時が含水率16%になるように設定されている。
Figure 0004749357
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まず、1日目に収穫された帆立貝Cが工場33内に前処理室35に運ばれ、一番煮される。そして貝殻、耳、内臓等を除去して帆立貝柱Aのみのむき身にする。次に帆立貝柱Aを二番煮して乾燥トレイ9上に密に並べて乾燥台車13に収容する。ここで帆立貝柱Aの重量を計測して、計測した値を100として設定する。
そして上記煮沸工程を終了した帆立貝柱Aを乾燥台車13に載せた状態で工場33内の乾燥室37内に運び、高温熱風乾燥機3に入れて焙乾を開始する。尚、焙乾工程では乾燥温度75〜88℃で約1時間の乾燥を行い、乾燥終了後、重量計27に載せて焙乾終了後の重量(歩留)を計測する。
この状態で放冷後、乾燥台車13ごと焙乾後の帆立貝柱Aを保管室31に入れて常温保管する。尚、保管室31の室温は12〜18℃、湿度は50〜60%に保たれている。
2日目と3日目は初期乾燥を行う。前日保管室31内に一時保管しておいた帆立貝柱Aを乾燥台車13ごと保管室31から出して高温熱風乾燥機3に入れる。そして乾燥温度60〜70℃で約1時間、初期乾燥を行い、計量後、保管室31に入れて常温保管する。
4日目は前日保管室31内に一時保管しておいた帆立貝柱Aを保管室31から出して高温熱風乾燥機3に乾燥台車13ごと入れ、乾燥温度60〜70℃で約5分間、初期乾燥を行う。初期乾燥終了後、乾燥台車13から乾燥トレイ9を取り出して移動台車21に移し替えて段積みする。
そしてこの状態で計量し、移動台車21ごと帆立貝柱Aを保管室31に移して常温保管する。
5日目〜14日目は後期乾燥とあん蒸を行う。前日保管室31内に一時保管しておいた帆立貝柱Aを移動台車21ごと保管室31から出して低温熱風乾燥機5に入れる。そして乾燥温度40〜50℃で約30分、後期乾燥を行い、計量する。
次に計量した帆立貝柱Aが収容された乾燥トレイ9を移動台車21から例えば1〜3枚ずつマイクロ波乾燥機7に搬入し、約40秒、マイクロ波加熱し、あん蒸を行う。そしてあん蒸終了後の帆立貝柱Aが収容された乾燥トレイ9を移動台車21に段積みし、移動台車21ごと保管室31内に移動して常温保管する。
尚、14日目のあん蒸を終了することによって焙乾、初期乾燥及び後期乾燥によって構成されている一連の乾燥工程が終了する。
出荷日が表4のように乾燥開始から時間がある(表4では23日)場合、15日目〜21日目は帆立貝柱Aを保管室31内に入れたままで常温保管する。22日目と23日目は常温保管後計量し、帆立貝柱Aの重量(歩留)が42.3、含水率が16%になっていることを確認する。そして含水率16%になった帆立貝柱Aは完成した乾燥貝柱Bとして保管室31から工場33内の選別・包装室39に移され、選別、梱包、出荷の後工程に送られる。
乾燥開始から最短の出荷日は16日程度でも可能であるが、その場合には15日目も14日目と同様に後期乾燥とあん蒸を行って含水率16%である重量(歩留)42.3を目指すが、出荷時には確実に含水率16%以下としなければならず乾燥を強めに行って歩留の悪化を招きがちである。従って、表4のように出荷日までに余裕を持たせ、後期乾燥終了後から十分に含水率を平均化しながら重量を確認して出荷日を迎えることが歩留の向上につながる。
後期乾燥終了後後の保管は乾燥トレイから従来あん蒸に使用していた木箱に移しても良く、移したほうが保管場所を減少できる。しかし、風袋の違いにより帆立貝柱重量を誤らないように注意する必要がある。
また上記各工程終了後に行われた計量結果は焙乾、初期乾燥ないし後期乾燥の各工程の乾燥条件の管理に利用され、計量以後の工程や次ロットの乾燥条件の補正に活用される。
次に本発明の帆立貝柱の乾燥装置1の構成について説明する。帆立貝柱の乾燥装置1は図1に示すように、収穫された帆立貝Cを乾燥貝柱Bに加工する工場33内の乾燥室37内に設置されている高温熱風乾燥機3と、低温熱風乾燥機5と、マイクロ波乾燥機7と、工場33内の保管室31とを備えることによって基本的に構成されている。尚、図1中の2基の高温熱風乾燥機3は1基を兼用しても良い。
保管室31はあん蒸前の工程の原料を保管する部屋と、それ以降の貝柱を保管する部屋と、出荷調整の部屋に区分されることが好ましい。
高温熱風乾燥機3は焙乾及び初期乾燥において使用される乾燥機である。高温熱風乾燥機3は角箱状の本体41と、本体41の開口された一端面に取り付けられる観音扉状の一対のメイン扉43と、本体41の他端面寄りに設けられる機械室47における前面に設けられるメンテナンス扉45と、機械室47内に設けられる2基の蒸気ユニットヒータ49と、同じく機械室47内に設けられる正逆転可能な4基の循環送風機51と、機械室47の上面に取り付けられる排気ダクト53と、排気ダクト53の下方の機械室47内に取り付けられる熱交換ユニット55と、熱交換ユニット55に接続される排気送風機57と、機械室47の上面に設けられる吸気口59と、吸気口59の開口面積を調節するダンパ61と、メイン扉43側の本体41の前面に一例として設けられる操作盤63とを備えている。
本体41の大きさは幅が約3180mm、長さが約10500mm、高さが約2100mmであり、幅が約1340mm、奥行きが約1820mm、高さが約1844mmの上述した乾燥台車13が2列で4台ずつ、計8台が収容できるようになっている。
尚、蒸気ユニットヒータ49の加熱量は1基当たり54000kcal/Hであり、この高温熱風乾燥機3の乾燥温度は60〜90℃である。
そしてこのような高温熱風乾燥機3には、メイン扉43を開けてメイン扉43側の開口から乾燥トレイ9に収容された帆立貝柱A々乾燥台車13ごと入れ、2列に4台ずつ、計8台の乾燥台車13を収容する。次にメイン扉43を閉じて操作盤63を操作して焙乾ないし初期乾燥を実行する。
これにより2基設けられる蒸気ユニットヒータ49が動作を開始し、蒸気ユニットヒータ49によって加熱された加熱空気は4基の循環送風機51によって形成される循環流に乗って本体41内を循環するようになり、本体41内に収容された帆立貝柱Aを所定の乾燥温度で乾燥させる。尚、本実施の形態では好ましい形態として4基の循環送風機51のうち2基の循環送風機51と他の2基の循環送風機51とを図示しない制御装置で所定時間毎に正転・逆転切り換え運転し、逆方向への循環流に乗って本体41内を循環させている。またこの時、本体41内の温度はダンパ61、排気送風機57及び熱交換ユニット55によって一定に保たれている。
低温熱風乾燥機5は後期乾燥において使用される乾燥機である。低温熱風乾燥機5は基本的に上記高温熱風乾燥機3と同様の構成を有しており、上記高温熱風乾燥機3より小さな角箱状の本体65と、本体65の開口された一端面に取り付けられる観音扉状の一対のメイン扉67と、本体65の他端面寄りに設けられる機械室69における前面に取り付けられるメンテナンス扉71と、機械室69内に設けられる2基の蒸気ユニットヒータ73と、同じく機械室69内に設けられる正逆転可能な4基の循環送風機75と、機械室69の上面に取り付けられる排気ダクト77と、排気ダクト77の下方の機械室69内に設けられる熱交換ユニット79と、熱交換ユニット79に接続される排気送風機81と、機械室69の上面に設けられる吸気口83と、吸気口83の開口面積を調節するダンパ85と、メイン扉67側の本体65の前面に一例として設けられる操作盤87とを備えている。
本体65の大きさは幅が約3060mm、長さが約6800mm、高さが約2100mmであり、幅が約1280mm、奥行きが約880mm、高さが約1848mmの上述した移動台車21が2列で4台ずつ、計8台が収容できるようになっている。
尚、蒸気ユニットヒータ73の加熱量は1基当たり54000kcal/Hであり、この低温熱風乾燥機5の乾燥温度は20〜60℃である。
そしてこのような低温熱風乾燥機5には、メイン扉67を開けてメイン扉67側の開口から乾燥トレイ9に収容された帆立貝柱Aを移動台車21ごと入れ、2列に4台ずつ、計8台の移動台車21を収容する。次にメイン扉67を閉じて操作盤87を操作して後期乾燥を実行する。
これにより2基設けられる蒸気ユニットヒータ73が動作を開始し、蒸気ユニットヒータ73によって加熱された加熱空気は4基の循環送風機75によって形成される循環流に乗って本体65内を循環するようになり、本体65内に収容された帆立貝柱Aを所定の乾燥温度で乾燥させる。尚、本実施の形態では好ましい形態として4基の循環送風機75のうち2基の循環送風機75と他の2基の循環送風機75とを図示しない制御装置で所定時間毎に正転・逆転切り換え運転し、逆方向への循環流に乗って本体65内を循環させている。またこの時、本体65内の温度はダンパ85、排気送風機81及び熱交換ユニット79によって一定に保たれている。
マイクロ波乾燥機7はあん蒸において使用される乾燥機である。マイクロ波乾燥機7はアングル材等を枠状に組み立てることによって形成される底面のコーナ部に4つのキャスタが取り付けられている基台89と、基台89の上面に設置される角箱状の本体91と、本体91の搬入口93の外方近傍に設けられる搬入コンベヤ95及び搬入シャッタ97と、本体91の搬出口99の外方近傍に設けられる搬出コンベヤ101及び搬出シャッタ103と、本体91の内部に設けられる搬送コンベヤ105と、該搬送コンベヤ105を駆動するための本体91の外部に設けられる駆動モータ107と、本体91の上面に設置される4基の1.5kwのマグネトロン109と、マグネトロン109の後方に設置される2基の高圧盤111と、一方の高圧盤111の側方に設けられる制御盤113と、基台89内に設置される2基の耐熱ファン115と、該耐熱ファン115と上記本体91との間に空気の循環経路を形成する電熱ヒータ117が取り付けられたヒーターダクト119、供給ダクト121、循環ダクト123及びファンダクト125と、循環ダクト123の背面に設けられる排気シャッタ127と、ファンダクト125の背面に設けられる吸気シャッタ129とを備えている。
マイクロ波乾燥機7の外形寸法は幅が約1450mm、長さが約3400mm、高さが約1800mmであり、本体91内に形成される搬送コンベヤ105の上方空間は幅が約700mm、長さが約1680mm、高さが約400mmである。そしてこのような本体91内には例えば3枚の乾燥トレイ9が段積みされたものが2組、計6枚の乾燥トレイ9が収容できるようになっており、本体91内に搬入された帆立貝柱Aは搬送コンベヤ105によって搬送される約40秒の間、マグネトロン109からのマイクロ波の照射を受けて内部加熱され、更に耐熱ファン115からの送風(熱風の場合と冷風の場合がある)によって表面の乾燥が促進される。
また吸気シャッタ129を開くことによってファンダクト125内に流入した空気は耐熱ファン115によって発生した送風に乗ってヒーターダクト119に至り、ヒーターダクト119内で温められ、供給ダクト121を通って本体91内に流入する。更に本体91内に流入した温められた空気は循環ダクト123を通って、その一部は排気シャッタ127を開いて外部に排気され、残りの空気はファンダクト125内に再び戻されて再利用される。
尚、本体91内の温度は吸気シャッタ129と排気シャッタ127との開閉動作によって一定に保たれるようになっている。
以上、本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。まず、マイクロ波乾燥機7を使用することによって乾燥期間が上記表1、表2、表3及び表4からも明らかなように大幅な短縮が図られるようになり、1ロットで処理できる帆立貝Cの量を増大させて乾燥効率を高めることができる。また、乾燥された帆立貝柱Aは表面と内部の乾燥が均一になり、外観、官能、歩留に優れた高品質の乾燥貝柱Bとなる。また、木箱の使用を廃止して乾燥トレイ9のみによって焙乾以降の乾燥工程を実行することによって作業者の労力を大幅に軽減でき、少ない労力で帆立貝柱Aの乾燥作業を実行できるようになる。
また、乾燥台車13と移動台車21とを使い分けることによって、各工程での乾燥が円滑に実行されるようになり、各工程間の移動も円滑に短時間で行われるようになる。
また、焙乾工程に入る前と、焙乾、初期乾燥及び後期乾燥工程終了後に、帆立貝柱Aの重量を計測することによって、乾燥途中の帆立貝柱Aの乾燥状態が把握できるようになり、各工程での管理条件の補正等に利用すれば、帆立貝柱Aの無理のない円滑な乾燥と、品質の一層の向上とが図られるようになる。
尚、本発明の帆立貝柱の乾燥方法及び帆立貝柱の乾燥装置1は上記の実施の形態のものに限定されず、その発明の要旨内での設計変更が可能である。例えば上記実施の形態で使用したマイクロ波乾燥機7に代えてマイクロ波乾燥機7において設けられていた耐熱ファン115、電熱ヒータ117、ヒーターダクト119、供給ダクト121、循環ダクト123、ファンダクト125、排気シャッタ127及び吸気シャッタ129等を取り除いたマイクロ波加熱のみを行うマイクロ波加熱機を使用することも可能である。
後期乾燥を低温熱風乾燥機5に代えてマイクロ波乾燥機7や上述したマイクロ波加熱機によって行うようにすることも可能であるし、あん蒸をマイクロ波乾燥機7に代えてマイクロ波加熱機によって行うようにすることも可能である。あん蒸は乾燥温度20〜60℃でのマイクロ波加熱での乾燥を意味し、主に帆立貝柱Aの内部の乾燥を促して帆立貝柱Aの内部と表面の含水率を均一にするために10日程度かけて行われるものであり、マイクロ波加熱機により実行した場合、マイクロ波乾燥機7とほぼ同様の機能を発揮できる。
あん蒸を含めた更に多くの工程で乾燥途中の帆立貝柱Aの重量計測を行うようにすることも勿論可能である。
高温熱風乾燥機3は2基使用することも可能であるが、1基を焙乾と初期乾燥に兼用しても良い。
高温熱風乾燥機3や低温熱風乾燥機5の熱源は、蒸気ユニットヒータに限らず、電熱ヒータ、ガスヒータ、重油ヒータ等を使用することも可能である。
高温熱風乾燥機3や低温熱風乾燥機5は2組の循環送風機を所定時間毎に正転・逆転させて逆方向への循環流に乗って本体内を循環させるようにしたが、これに代えて一方向に連続して循環させても良いし、上記とは異なる循環流の切り換えをすることも可能である。
本発明の帆立貝柱の乾燥方法及び帆立貝柱の乾燥装置は、煮沸後の帆立貝柱を所定の含水率になるまで乾燥させて良質の乾燥貝柱に加工している乾燥貝柱の製造現場や該乾燥貝柱の製造現場で使用されている帆立貝柱の乾燥装置の設計、製造分野等で利用可能性を有する。
本発明の実施の形態を示す図で、本発明の帆立貝柱の乾燥方法を実行する乾燥室を備えた乾燥貝柱の製造ラインを示す模式図である。 本発明の実施の形態を示す図で、焙乾及び初期乾燥工程で使用する高温熱風乾燥機を示す平面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、焙乾及び初期乾燥工程で使用する高温熱風乾燥機を示す正面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、焙乾及び初期乾燥工程で使用する高温熱風乾燥機を示す右側面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、後期乾燥工程で使用する低温熱風乾燥機を示す平面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、後期乾燥工程で使用する低温熱風乾燥機を示す正面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、後期乾燥工程で使用する低温熱風乾燥機を示す右側面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、あん蒸工程で使用するマイクロ波乾燥機を示す平面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、あん蒸工程で使用するマイクロ波乾燥機を示す正面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、あん蒸工程で使用するマイクロ波乾燥機を示す右側面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、焙乾及び初期乾燥工程で使用する乾燥台車と乾燥トレイを示す平面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、焙乾及び初期乾燥工程で使用する乾燥台車と乾燥トレイを示す正面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、焙乾及び初期乾燥工程で使用する乾燥台車と乾燥トレイを示す右側面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、後期乾燥及び保管工程で使用する移動台車と乾燥トレイを示す平面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、後期乾燥及び保管工程で使用する移動台車と乾燥トレイを示す正面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、後期乾燥及び保管工程で使用する移動台車と乾燥トレイを示す右側面図である。
符号の説明
1 帆立貝柱の乾燥装置
3 高温熱風乾燥機
5 低温熱風乾燥機
7 マイクロ波乾燥機
9 乾燥トレイ
13 乾燥台車
15 フレーム
17 ガイド部材
19 キャスタ
21 移動台車
23 底板
25 キャスタ
27 重量計
29 制御装置
31 保管室
33 工場
35 前処理室
37 乾燥室
39 選別・包装室
41 本体
43 メイン扉
45 メンテナンス扉
47 機械室
49 蒸気ユニットヒータ
51 循環送風機
53 排気ダクト
55 熱交換ユニット
57 排気送風機
59 吸気口
61 ダンパ
63 操作盤
65 本体
67 メイン扉
69 機械室
71 メンテナンス扉
73 蒸気ユニットヒータ
75 循環送風機
77 排気ダクト
79 熱交換ユニット
81 排気送風機
83 吸気口
85 ダンパ
87 操作盤
89 基台
91 本体
93 搬入口
95 搬入コンベヤ
97 搬入シャッタ
99 搬出口
101 搬出コンベヤ
103 搬出シャッタ
105 搬送コンベヤ
107 駆動モータ
109 マグネトロン
111 高圧盤
113 制御盤
115 耐熱ファン
117 電熱ヒータ
119 ヒーターダクト
121 供給ダクト
123 循環ダクト
125 ファンダクト
127 排気シャッタ
129 吸気シャッタ
A 帆立貝柱
B 乾燥貝柱
S 隙間
C 帆立貝(原貝)

Claims (7)

  1. 煮沸後の帆立貝柱に対して焙乾、初期乾燥、後期乾燥、あん蒸、保管の各工程を繰り返し実行して、帆立貝柱が所定の含水率になるまで段階的に乾燥させる帆立貝柱の乾燥方法において、
    上記焙乾及び初期乾燥は高温熱風乾燥機を使用して60〜90℃の乾燥温度で実行し、上記後期乾燥は低温熱風乾燥機またはマイクロ波加熱機を使用して20〜60℃の乾燥温度で実行し、上記あん蒸はマイクロ波加熱機またはマイクロ波加熱と冷風乾燥ないし熱風乾燥とを併用したマイクロ波乾燥機を使用して20〜60℃の乾燥温度で実行し、上記保管は温度、湿度が管理された保管室に帆立貝柱を入れて常温保管することによって実行されるようにしたことを特徴とする帆立貝柱の乾燥方法。
  2. 煮沸後の帆立貝柱に対して焙乾、初期乾燥、後期乾燥、あん蒸、保管の各工程を繰り返し実行して、帆立貝柱が所定の含水率になるまで段階的に乾燥させる帆立貝柱の乾燥方法において、
    上記焙乾及び初期乾燥は高温熱風乾燥機を使用して60〜90℃の乾燥温度で実行し、上記後期乾燥は低温熱風乾燥機またはマイクロ波加熱と冷風乾燥ないし熱風乾燥とを併用したマイクロ波乾燥機を使用して20〜60℃の乾燥温度で実行し、上記あん蒸はマイクロ波加熱機またはマイクロ波加熱と冷風乾燥ないし熱風乾燥とを併用したマイクロ波乾燥機を使用して20〜60℃の乾燥温度で実行し、上記保管は温度、湿度が管理された保管室に帆立貝柱を入れて常温保管することによって実行されるようにしたことを特徴とする帆立貝柱の乾燥方法。
  3. 煮沸後の帆立貝柱は乾燥トレイに収容され、乾燥トレイに収容された状態で焙乾、初期乾燥、後期乾燥、あん蒸及び保管のすべての工程を実行するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の帆立貝柱の乾燥方法。
  4. 上記帆立貝柱が収容された乾燥トレイは焙乾及び初期乾燥工程では複数の乾燥トレイを隙間を空けた状態で収容し得る乾燥台車に載置した状態で焙乾、初期乾燥と、これらの工程間の移動とが実行され、後期乾燥及び保管工程では複数の乾燥トレイを段積み状態で載置し得る移動台車に移し替えて後期乾燥及び保管と、あん蒸を加えたこれらの工程間の移動とが実行されるようにしたことを特徴とする請求項3記載の帆立貝柱の乾燥方法。
  5. 焙乾工程に入る前と、焙乾、初期乾燥及び後期乾燥工程終了後に帆立貝柱の重量を計測し、その計測結果に基づいて上記各工程の管理条件を補正するようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の帆立貝柱の乾燥方法。
  6. 煮沸後の帆立貝柱に対して焙乾、初期乾燥、後期乾燥、あん蒸、保管の各工程を繰り返し実行して、帆立貝柱が所定の含水率になるまで段階的に乾燥させる帆立貝柱の乾燥装置において、
    上記焙乾及び初期乾燥を60〜90℃の乾燥温度で実行し得る高温熱風乾燥機と、上記後期乾燥を20〜60℃の乾燥温度で実行し得る低温熱風乾燥機またはマイクロ波加熱機と、上記あん蒸を20〜60℃の乾燥温度で実行し得るマイクロ波加熱機またはマイクロ波加熱と冷風乾燥ないし熱風乾燥とを併用したマイクロ波乾燥機と、乾燥途中あるいは乾燥後の帆立貝柱を温度、湿度が管理された状態で常温保管し得る保管室とを具備することによって構成されていることを特徴とする帆立貝柱の乾燥装置。
  7. 煮沸後の帆立貝柱に対して焙乾、初期乾燥、後期乾燥、あん蒸、保管の各工程を繰り返し実行して、帆立貝柱が所定の含水率になるまで段階的に乾燥させる帆立貝柱の乾燥装置において、
    上記焙乾及び初期乾燥を60〜90℃の乾燥温度で実行し得る高温熱風乾燥機と、上記後期乾燥を20〜60℃の乾燥温度で実行し得る低温熱風乾燥機またはマイクロ波加熱と冷風乾燥ないし熱風乾燥とを併用したマイクロ波乾燥機と、上記あん蒸を20〜60℃の乾燥温度で実行し得るマイクロ波加熱機またはマイクロ波加熱と冷風乾燥ないし熱風乾燥とを併用したマイクロ波乾燥機と、乾燥途中あるいは乾燥後の帆立貝柱を温度、湿度が管理された状態で常温保管し得る保管室とを具備することによって構成されていることを特徴とする帆立貝柱の乾燥装置。
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