JP3069572U - 干し柿の乾燥前処理装置 - Google Patents

干し柿の乾燥前処理装置

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久正 小宮山
清史 雨宮
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 干し柿の生産日数を大幅に短縮す
る上、高品質な干し柿を生産するための前処理となる干
し柿の乾燥前処理装置を提供する。 【解決手段】 多数の柿を収納可能に形成した処
理庫10に、該庫内の空気を水平方向に対流させる水平
対流ファン21a,21bと、同庫内の空気を上下方向
に対流させる上下対流ファン22a,22bと、同庫内
の空気と外気との換気を行う換気ファン61bと、天井
側で同庫内の空気を加温するヒーター31と、同庫内の
空気を除湿する除湿機40とを備え、前記各ファンを連
続運転させた状態で、ヒーター31と前記除湿機40と
を、所定時間h1の加温と所定時間h2の除湿とが交互
に繰り返されるように制御することで、処理庫10内に
放置した柿から適量の水分を除去し、その柿に庫外で自
然乾燥する前の処理を施す。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、干し柿の生産の際、柿に自然乾燥する前の乾燥処理を施す干し柿の 乾燥前処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、干し柿は、剥皮された柿を硫黄燻蒸した後、日当たりと風通しの良い所 に一定期間干して乾燥することで生産される。前記乾燥期間は、柿の品種や干し 柿の種類により異なるが、あんぽ柿の場合少なくとも16〜18日程度、ころ柿 では30日程度かかり、一般的にあんぽ柿は短めでころ柿は長めである。 また、上記従来の干し柿の生産方法では、収穫した柿を干し柿にして出荷する までの日数がかかるという欠点を有するため、乾燥炉等を用いて柿を短期間に乾 燥処理する方法もある。
【0003】 しかしながら、乾燥炉等を用いた後者の方法では、柿の表皮や内部が硬くなり すぎて品質が低下してしまう場合があり、軟らかい表皮を有するとともに内部に 軟らかいゼリー状部分を有する高品質な干し柿を短期間に生産するのには工夫を 要する。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その目的とする処は、干 し柿の生産日数を大幅に短縮する上、高品質な干し柿を生産するための前処理と なる干し柿の乾燥前処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本考案の技術的手段として、請求項1は、多数の柿 を収納可能に形成した処理庫に、該庫内の空気を水平方向に対流させる水平対流 ファンと、同庫内の空気を上下方向に対流させる上下対流ファンと、同庫内の空 気と外気との換気を行う換気ファンと、天井側で同庫内の空気を加温するヒータ ーと、同庫内の空気を除湿する除湿機とを備え、前記各ファンを連続運転させた 状態で、前記ヒーターと前記除湿機とを、所定時間の加温と所定時間の除湿とが 交互に繰り返されるように制御することで、処理庫内に放置した柿から適量の水 分を除去し、その柿に庫外で自然乾燥する前の処理を施すことを特徴とする。
【0006】 ここで、該庫内の空気を水平方向に対流させる水平対流ファンとは、ファンの 軸線を略水平状にしたファンを意味し、この水平対流ファンが庫内に単数もしく は複数の水平方向の対流を生じさせるように作用する。 また、同庫内の空気を上下方向に対流させる上下対流ファンとは、ファンの軸 線を略上下方向にしたファンを意味し、この上下対流ファンが庫内に単数もしく は複数の上下方向の対流を生じさせるように作用する。 従って、処理庫内の空気は、水平方向の旋回流や上下方向の旋回流を発生する とともに、これらの旋回流が干渉し合うことで、前記以外の方向の気流も発生し 、庫内全体の温湿度分布を均一化させる。 また、庫内の空気と外気との換気を行う換気ファンとは、例えば、上記処理庫 の壁面または天井等に換気扇を設置し、同処理庫の壁面に給気口を設けることで 、前記換気扇により庫内の空気を排気するとともに前記給気口から外気を給気す るようにした構成である。 また、上記各ファン、及び上記ヒーター、上記除湿機の制御は、例えば、リレ ー回路またはプログラミングされたシーケンサー等の制御回路を備える制御部に より行われる。この場合、前記制御部は、上記各ファンと上記ヒーターと上記除 湿機とを個別にON/OFF制御するように回路構成される。 また、上記処理庫内に放置とは、処理庫内に吊し棚を設置して該吊し棚に紐で 柿を吊るした場合や、串柿となる柿を所定の方法で処理庫内に設置した場合等を 含む。 また、上記適量の水分を除去しとは、好ましくは、柿の全体重量に対する水分 重量が約40%になるようにする。
【0007】 また、請求項2においては、上記ヒーターと上記除湿機の双方は、上記加温す る所定時間内と上記除湿する所定時間内との間、所定の調整時間停止するように 制御されていることを特徴とする。従って、所定の調整時間の間、処理庫内の空 気は外気により冷却されることになる。
【0008】 また、請求項3においては、上記処理庫に、該庫内の空気を攪拌する攪拌ファ ンと、該庫内外の空気を熱交換する熱交換パイプとを設けたことを特徴とする。 ここで、攪拌ファンとは、例えば、首振り機構を備え吹出し方向を多方向に変 化させながら吹出しを行うファン等を意味する。 また、熱交換パイプは、具体的には処理庫に貫通状に設けられ外気を強制的に 流通させているパイプ等を意味し、該パイプの途中に空気熱交換機を設けること で熱交換効率をより向上するようにしてもよい。
【0009】 尚、本考案の考案者は、一日内における自然界の温湿度変化にある程度近似す る温湿度変化を、人工的に短時間に繰り返し、その雰囲気中に柿を放置すること で、柿の乾燥時間を短縮できる上、高品質な干し柿を生産するための前乾燥とな ることを実験的に知見し、前記雰囲気に柿を効率的にさらすように様々な工夫を することで本考案を完成させている。
【0010】 また、本考案に係る干し柿の乾燥前処理方法は、剥皮後の柿を、箱状の処理庫 内に放置し、該庫内の空気を強制的に、水平方向及び上下方向に対流させるとと もに外気と換気させ、その状態で、前記処理庫内の空気に対し所定時間の加温と 所定時間の除湿とを交互に繰り返すことで、前記柿から適量の水分を除去し、前 記柿に庫外で自然乾燥する前の処理を施す。 上記干し柿の乾燥処理方法において、好ましくは、上記加温する所定時間内と 上記除湿する所定時間内との間に、加温及び除湿を行わない所定の調整時間を有 するようにする。
【0011】 上記技術的手段によれば、本考案は下記の作用を奏する。 (請求項1)複数のファンにより処理庫内の空気を水平方向及び上下方向に対流 させるとともに該庫内の空気と外気との換気を行うため、処理庫内の温度及び湿 度分布が均一化される上、庫内外の空気交換及び庫内空気の冷却も行われる。 そして、その庫内条件下で、処理庫内の空気に対しヒーターと除湿機とにより 所定時間の加温と所定時間の除湿とを交互に繰り返すことで、柿内部における柿 中心から表面への水分移動を促進するとともに、柿表面の水分を空気中に蒸発さ せ、柿から適量の水分を加速的に除去する。 (請求項2)所定の調整時間により、加温及び除湿を行わないで柿を処理庫外の 自然の空気にさらされて冷却される時間が確保されるため、より高品質な干し柿 を生産する前処理が行える。 (請求項3)攪拌ファンが処理庫内の温度及び湿度分布をより均一化するととも に、熱交換パイプが処理庫内の空気の熱と処理庫外の空気の熱とを熱交換する。 従って、比較的外気の低い干し柿生産時期においては、加温された処理庫内の暖 気を熱交換パイプにより冷却することで、必要以上に処理庫内の温度が上昇する のを防止できる。
【0012】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。 図1乃至2は、本考案に係わる干し柿の乾燥前処理装置の一例を示す。 干し柿の乾燥前処理装置Aは、処理庫10内に、複数のファン21a,21b ,22a,22b,23,61b,62bと、ヒーター31と、除湿機40とを 備え、前記各機器が制御部81に制御されることで、前記複数のファンが処理庫 10内の空気を水平方向及び上下方向に対流させるとともに、更にその空気を攪 拌させ、それと同時に該庫内の空気と外気との換気及び熱交換を行い、その状態 で、処理庫10内の空気に対しヒーター31と除湿機40とが所定時間の加温と 所定時間の除湿とを交互に繰り返すように構成してある。
【0013】 処理庫10は、板金加工により形成した壁及び天井、床部材を、複数の吊し棚 71を収納可能な箱状に組んだものであり、前記壁及び天井、床部材内には、該 処理庫10内の空気温度を安定させるように断熱材を介在してある。そして、こ の処理庫10の側壁には、吊し棚71を搬入搬出するための入出口11、処理庫 10外の自然の空気を導入するための給気口51等が該側壁を貫通するように形 成されている。
【0014】 上記複数のファンは、水平対流ファン21a,21b、及び上下対流ファン2 2a,22bと、攪拌ファン23と、換気ファン61bと、熱交用ファン62b とから構成されている。
【0015】 水平対流ファン21a,21bは、その軸線が略水平になるように処理庫10 内の内壁面に設けられ、処理庫10内の空気を水平方向に対流、即ち、処理庫1 0内の空気を左右前後の側壁に沿って旋回するように対流させる。尚、これら水 平対流ファン21a,21bは、主に処理庫10内の底部付近の空気を旋回させ るように、図2に示すように処理庫10の右側内壁の奥側と手前側とに配置され ている。
【0016】 上下対流ファン22a,22bは、その軸線が略垂直になるように処理庫10 内の対向する内壁面に設けられ、図1に示すように、処理庫10内の空気を上下 方向に対流、即ち、処理庫10内の空気を左側壁、天井、右側壁、床に沿って旋 回するように対流させる。また、上下対流ファン22aは、給気口51の上側に 設けられ、後述する換気ファン61bの作用により導入された処理庫10外の自 然の空気を速やかに上方向に対流させている。
【0017】 攪拌ファン23は、吹出し方向を円形状に常時可変させる首振り機構を備える ファンであり、処理庫10内の平面視略中央に配置されるように、後述する遠赤 外線パネル32の下面略中央に設置されている。
【0018】 換気ファン61bは、処理庫10の天井を上下に貫通する排気パイプ61a内 の流路に設けられたファンであり、処理庫10内の湿気を帯びた暖気を処理庫1 0外に排気するとともに、その排気により処理庫10内を負圧にすることで処理 庫10側壁の給気口51から処理庫10外の自然の空気を導入する。
【0019】 熱交用ファン62bは、処理庫10内外の空気を熱交換する熱交換パイプ62 a内に設けられている。この熱交換パイプ62aは、処理庫10の側壁を貫通し て庫外から庫内に入り、処理庫10の天井を貫通して庫内から庫外に出るように 配管され、該管内には、前記熱交用ファン62bにより外気が強制的に流通され る。 上記換気ファン61bと熱交用ファン62bとは、図示例では処理庫10内側 に配置されているが、それぞれ排気パイプ61aの先端側(庫外側)と熱交換パ イプ62aの先端側(庫外側)に配置しても構わない。
【0020】 上記熱交換パイプ62aは、処理庫10内の空気の熱と、管内を流通する外気 の熱とを管壁を介して熱交換させており、除湿機40の吹出し方向に配置される ことで、処理庫10内の空気の内、特に除湿機40が吹出した暖気を冷却するよ うに設けてある。 この熱交換パイプ62aは、鋼管や銅管等からなるパイプであり、本実施の形 態では、実験的に庫内温度を2〜3℃下げる効果を確認している。尚、更に熱交 換の効果を向上するために、前記熱交換パイプ62aの途中にプレートフィン式 空気熱交換器を設けてもよい。 尚、上記排気パイプ61a及び熱交換パイプ62aは、図示例では上端側を水 平方向に曲げた形状であるが、上端側を上方に開口したストレート状に形成し、 その上端部に排気可能で且つ雨水の進入防止する傘を取付けた構成としてもよい 。
【0021】 ヒーター31は、処理庫10の天井側に空気流路を確保した状態で遠赤外線パ ネル32を固定し、その遠赤外線パネル32の上面に接触させて複数取付けられ 、処理庫10内の空気を加温するとともに、後述する遠赤外線パネル32を介し て処理庫10内の柿に遠赤外線を放射する。
【0022】 遠赤外線パネル32は、図1に示すように、左右それぞれの部位を下方に向け て湾曲凹面状に形成してあり、複数のヒーター31の熱を下面側に伝熱させて、 その湾曲凹面状の下面に略直角な遠赤外線を放射する。 そして、処理庫10内には、床面にも平板状の遠赤外線パネル33が敷設され 、天井側から放射された遠赤外線を反射させて下方側からも吊し棚71を放射す る。 従って、処理庫10内の吊し棚71に設置された多数の柿は、遠赤外線による 熱放射をあらゆる方向から受ける。その効率のよい遠赤外線放射は、外皮が軟ら かく内部にゼリー状部分を有する高品質な干し柿を仕上げるための一因にもなっ ている。
【0023】 除湿機40は、水平方向の吸込口42と上方向の吹出口41を有する周知の除 湿機であり、図2に示すように、処理庫10内の一側壁側の床面に設置され、処 理庫10内床側の空気を吸込み上方に吹出すことで、処理庫10内空気を除湿す るとともに、上下対流ファン22a,22bとの相乗効果で処理庫10内空気を 上下方向に対流させている。尚、本実施の形態では、2l(リットル)/h(温 度25℃で湿度85%の場合)の除湿能力を有するものを用いている。
【0024】 そして、上記した各機器は、処理庫10の外壁面に固定された制御部81によ って制御される。 制御部81は、リレー及び遅延タイマーを有するリレー回路またはプログラミ ングされたシーケンサー等の制御回路、及びブレーカー等を金属箱内に収納して なる所謂制御盤である。
【0025】 この制御部81による制御を詳細に説明すれば、図3に示すように、全てのフ ァン21a,21b,22a,22b,23,61b,62bをONにした状態 、即ち前記全てのファンを連続運転させた状態で、先ずヒーター31が所定時間 h1の間ONにされ、ヒーター31及び除湿機40が共にOFFとなる調整時間 h3が経過した後に、除湿機40が所定時間h2の間ONになる。そして、同調 整時間h3が経過した後、再びヒーター31が所定時間h1の間ONになる。
【0026】 上記時間h1、h2,h3は、柿の品種や干し柿の種類、外気温度(処理庫1 0外の気温)等に応じてそれぞれを設定変更できるようにしてあり、特に調整時 間h3は、外気温度が高い場合に15〜30分程度、外気温度が低い場合には0 〜15分程度に設定される。
【0027】 尚、本実施の形態による好ましい一例では、一日に変化する外気の温度が約5 〜20℃、且つ湿度が約45〜95%の範囲内の条件下において、所定時間h1 を約1時間15分、所定時間h2を約1時間15分、調整時間h3を約15分に 設定してあり、従って、ヒーター31がON及びOFFして再度ONになるまで の制御サイクルHが約3時間になるようにしてある。 そして、この際、処理庫10内の空気温度が約10〜25℃の範囲内で上下を 繰り返し、湿度が約55〜90%の範囲内で上下を繰り返すのを実験的に確認し ている。
【0028】 次に、上記干し柿の乾燥前処理装置Aを使用した干し柿の生産工程の一例につ いて説明する。 図4に示すように、収穫された柿は、先ず、剥皮され、そして連作りされて吊 し棚71に棚掛けされる。そして、吊し棚71がビニールシートで覆われて、吊 し棚71に吊るされた柿が約15分間硫黄燻蒸される。この硫黄燻蒸の工程は、 省いても構わないが、害虫駆除や殺菌、干し柿の仕上がりを良くする等のために 行った方が好ましい。
【0029】 次に、上記硫黄燻蒸後、ビニールシートが外されて、吊し棚71が処理庫10 内に搬入される。そして、上述したように制御部81により、上記ファン21a ,21b,22a,22b,23,61b,62bの全てを連続運転させている 間に、上記ヒーター31と上記除湿機40を、それぞれ個別に間欠運転制御する ことで、所定時間h1の加温と所定時間h2の除湿とを交互に繰り返すとともに 、前記加温する所定時間h1内と除湿する前記所定時間h2内との間に、加温及 び除湿を行わない所定の調整時間h3を有するようように、処理庫10内が温湿 度制御される。
【0030】 そして、処理庫10内において、上記した制御サイクルHを16サイクル行う 。即ち、1サイクル3時間のため、柿は処理庫10内に48時間(2日)放置さ れる。 尚、上記処理庫10内での工程において、制御サイクルHを8サイクル行った 後、吊し棚71の配置を換え、更に前記制御サイクルHを8サイクル行うことで 、処理庫10内の柿の乾燥度合いを均一化し、干し柿の品質のばらつきをより少 なくなるようにしてもよい。
【0031】 上記干し柿の乾燥前処理装置Aによって柿の水分量は、乾燥前の柿の場合に全 体重量の約80%程度であるのに対し、乾燥後に全体重量の約40%程度になる 。その後、柿は、処理庫10外に搬出されて自然乾燥される。 その自然乾燥時間は、柿の品種や干し柿の種類に応じて異なり、通常、あんぽ 柿を生産する場合、柿の水分量が30〜35%程度になるように短めに設定され 、ころ柿を生産する場合には、柿の水分量が23%程度になるように長めに設定 される。
【0032】 そして、上記干し柿の乾燥前処理装置Aによりあんぽ柿を生産した場合、その 生産日数は、処理庫10内での前処理日数が約2日、自然乾燥日数が約7日で合 計約9日となる。即ち、自然乾燥のみの通常の生産日数が16〜18日であるの に対し、およそ半分近い日数となる。 また、上記干し柿の乾燥前処理装置Aによれば、柿の渋が酸化固定化されるの が速い上、糖分の濃縮が早く、上記生産日数(約9日)の前半の約5日間で、柿 の渋みが感じなくなり、甘味を感じるようになる。
【0033】 また、干し柿の種類に応じて更に水分量を除去したい場合には、上記処理庫1 0内での前処理日数又は自然乾燥日数を長くしたり、あるいは、上記自然乾燥の 後、再度、柿を処理庫10内に再搬入して再乾燥したりしてもよい。
【0034】 上記干し柿の乾燥前処理装置Aによれば、上述したように、庫内空気の対流及 び攪拌、処理庫10内外空気の換気と熱交換、遠赤外線放射による加温と除湿機 40による除湿の繰り返し等の相乗効果により、処理庫10内の柿に対し、外皮 が軟らかく内部にゼリー状部分を有する高品質な干し柿を生産するための前処理 を施せる。特に、通常は内部が固くなるころ柿においても、上記干し柿の乾燥前 処理装置Aを用いることで、内部にゼリー状部分を有するようにすることができ る。
【0035】 尚、上記各ファン21a,21b,22a,22b,23,61b,62bは 、その数及び配置を図示例に限定するものでなく、処理庫10内空気の温度及び 湿度分布の均一化、及び庫内外空気の換気、庫内外空気の熱交換が効率よく行わ れるように、適所に適数配置されるものである。 また、水平対流ファン21a,21bと上下対流ファン22a,22bとの軸 線の方向は、図示例に限定されるものでなく、処理庫10内空気の温度及び湿度 分布をより均一化させるように適宜調整される。
【0036】 また、上記干し柿の乾燥前処理装置Aの構成において、上記遠赤外線パネル3 2,33は、省かれた構成としてもよく、即ち、遠赤外線パネル32、33を有 さないヒーター31のみを天井側に固定した構成としても構わないが、遠赤外線 放射の効果によって、より高品質な干し柿に仕上げるためには、図示例のように 遠赤外線パネル32,33を設けるのが好ましい。
【0037】
【考案の効果】
本考案は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような 効果を奏する。 水平方向及び上下方向の対流と庫内外の換気を行っている庫内条件下で、所定 時間の加温と所定時間の除湿とが交互に繰り返されることにより、柿内部の適量 の水分を除去でき、渋の酸化固定化及び糖分の濃縮が速く、その後の比較的短い 日数の自然乾燥により、外皮が軟らかく且つ内部にゼリー状部分を有する上、適 度な甘味を持った高品質な干し柿が生産される。即ち、処理庫内における柿の水 分の除去が自然乾燥と比較して加速的に行われるため、処理庫内での前処理時間 とその後の自然乾燥時間とを合計したとしても、従来の自然乾燥による生産方法 に対して大幅に短縮された日数で干し柿を生産できる。 その上、水平方向及び上下方向の対流により処理庫内の温度及び湿度分布が均 一化されるため、処理庫内で乾燥前処理される多数の柿の乾燥率にバラツキが少 ない。ひいては、高品質な干し柿を安定的に生産できる。 また、加温時間内と除湿時間内との間に加温及び除湿を行わない所定の調整時 間を有するようにすれば、その調整時間内において柿が強制的に加温及び除湿さ れることなく自然の空気にさらされるため、より高品質な干し柿を生産する前処 理となる。 更に、処理庫内に攪拌ファンと熱交換パイプを設ければ、処理庫内の温度及び 湿度分布をより均一化して、前処理後における柿の乾燥率及び品質のバラツキを 更に少なくできるとともに、処理庫内の温度が必要以上に上昇して柿の品質が損 なわれるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案に係る干し柿の乾燥前処理装置の一例
を示す縦断面図である。
【図2】 図1における(2)−(2)線断面図であ
る。
【図3】 本考案に係る干し柿の生産工程の一例を示す
流れ図である。
【図4】 各機器の制御状態の一例を示すタイムチャー
トである。
【符号の説明】
10:処理庫 21a,21
b:水平対流ファン 22a,22b:上下対流ファン 23:攪拌フ
ァン 31:ヒーター 32,33:
遠赤外線パネル 40:除湿機 51:給気口 61a:排気パイプ 61b:換気
ファン 62a:熱交換パイプ 62b:熱交
用ファン 81:制御部 A:干し柿の
乾燥前処理装置

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の柿を収納可能に形成した処理庫
    に、該庫内の空気を水平方向に対流させる水平対流ファ
    ンと、同庫内の空気を上下方向に対流させる上下対流フ
    ァンと、同庫内の空気と外気との換気を行う換気ファン
    と、天井側で同庫内の空気を加温するヒーターと、同庫
    内の空気を除湿する除湿機とを備え、 前記各ファンを連続運転させた状態で、前記ヒーターと
    前記除湿機とを、所定時間の加温と所定時間の除湿とが
    交互に繰り返されるように制御することで、処理庫内に
    放置した柿から適量の水分を除去し、その柿に庫外で自
    然乾燥する前の処理を施すことを特徴とする干し柿の乾
    燥前処理装置。
  2. 【請求項2】 上記ヒーターと上記除湿機の双方は、上
    記加温する所定時間内と上記除湿する所定時間内との
    間、所定の調整時間停止するように制御されていること
    を特徴とする請求項1記載の干し柿の乾燥前処理装置。
  3. 【請求項3】 上記処理庫に、該庫内の空気を攪拌する
    攪拌ファンと、該庫内外の空気を熱交換する熱交換パイ
    プとを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の干
    し柿の乾燥前処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008101901A (ja) * 2006-09-21 2008-05-01 Santo Dengyo:Kk 乾燥装置
JP2012167911A (ja) * 2011-02-17 2012-09-06 Santo Dengyo:Kk 乾燥装置

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