JP4749285B2 - 伸縮性シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、伸縮性シートの製造方法及びパンツ型着用物品の製造方法に関する。
従来、パンツ型使い捨ておむつとして、ウエスト開口部の周縁部(以下、ウエスト部ともいう)や、該ウエスト部よりも下方に位置しレッグ開口部よりも上方に位置する胴回り部(以下、胴回り部ともいう)に弾性伸縮部を形成したものが知られている。弾性伸縮部の形成方法としては、実質的に非弾性の2枚のシート間に糸状又は帯状の弾性部材を伸張状態で固定し、該弾性部材の収縮によりギャザーを形成させる方法が一般的である。また、パンツ型使い捨ておむつのウエスト部と胴回り部に異なる伸縮特性を付与するために、それぞれに配する弾性部材の太さや伸長率を異ならせることも知られている。
パンツ型使い捨ておむつ等に弾性伸縮部を形成する他の方法として、ギャザーを形成させない方法で得られた伸縮性シートを用いる方法が知られている。例えば、特許文献1には、ウエスト部とそれ以外の部分とに別々の伸縮性シートを使用することによって、それぞれに異なる伸縮特性を与えることが記載されている。
また、特許文献2には、おむつ等に使用する基部素材を弾性化する方法として、基部素材に結合するエラストマーの貼り合わせ方を異ならせることによって、ウエスト部(胴回り部も含む)と股下部分の伸縮特性の異ならせることが記載されている。
更に、特許文献3には、歪ゼロの延伸積層ウエブを、互いに噛み合う立体的な表面を有する加圧装置間に供給し、該装置による加圧により、前記ウエブの一部に延伸処理を施して弾性化する方法が記載されている。
特表2005−517496号公報 特許第3720366号公報 特許第3516679号公報
上述した弾性部材の収縮によりギャザーを形成させる方法は、弛緩状態の弾性伸縮部においては、非弾性のシートがひだ寄せされた状態となっており、外観が良好とは言えない。
他方、上述した伸縮性シートを用いて弾性伸縮部を形成する方法は、糸状又は帯状の弾性部材を固定してギャザーを形成させる方法に比べて、弾性部材及びその接着のための接着剤を削減可能であり、接着剤により伸縮性シートやおむつが硬くなることが防止され、製造コストの低減を図ることも可能である。
しかし、伸縮性シートを用いる従来の方法においては、伸縮特性が相異なる複数の伸縮領域を形成する場合、複数の伸縮性シートを使用しており、そのため、使用材料数が増加したり、それぞれの伸縮性シートの位置や伸縮率の調整が必要となる等により、製造工程が複雑化したりする不都合がある。
従って、本発明の目的は、伸縮特性が相異なる複数の伸縮領域を有し、外観に優れた伸縮性シート、及びそのような伸縮性シートを用いたパンツ型着用物品の効率的な製造方法を提供することにある。
本発明は、延伸により伸縮性が向上する帯状シートを、互いに噛み合う歯溝を有する一対の歯溝ロール間に噛み込ませて延伸し、該帯状シートの伸縮性を向上させる延伸工程を具備する伸縮性シートの製造方法であって、一対の前記歯溝ロールを、帯状シートの延伸倍率が部分的に異なるように構成し、伸縮特性が相異なる伸縮領域を長手方向又は幅方向に複数有する伸縮性シートを得る伸縮性シートの製造方法を提供することにより前記目的を達成したものである。
また、本発明は、伸縮特性が相異なる複数の伸縮部を有する外包材を具備するパンツ型着用物品の製造方法であって、延伸により伸縮性が向上する帯状シートを、互いに噛み合う歯溝を有する一対の歯溝ロール間に噛み込ませて延伸し、該帯状シートの伸縮性を向上させる延伸工程、伸縮性を付与した前記帯状シートを含む外包材連続体をその幅方向に2つ折りする工程、2つ折りした前記外包材連続体にサイドシール部を形成するシール工程、及び、2つ折りした前記外包材連続体を切断し、個々のパンツ型着用物品に分離する工程を具備し、前記延伸工程においては、一対の前記歯溝ロールを、帯状シートの延伸倍率が部分的に異なるように構成し、伸縮特性が相異なる伸縮領域を長手方向又は幅方向に複数有する伸縮性シートを形成し、前記個々のパンツ型吸収性物品として、複数の前記伸縮領域に対応し伸縮特性が相異なる複数の伸縮部を有する外包材を具備するパンツ型着用物品を得る、パンツ型着用物品の製造方法を提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明の伸縮性シートの製造方法によれば、伸縮特性が相異なる複数の伸縮領域を有し、外観に優れた伸縮性シートを効率よく製造することができる。
本発明のパンツ型着用物品の製造方法によれば、伸縮特性が相異なる複数の伸縮領域を有し、フィット性等に優れたパンツ型着用物品を効率よく製造することができる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本実施形態の伸縮性シートの製造方法は、延伸により伸縮性が向上する帯状シート120’を、図1に示すように、軸線方向に延び且つ互いに噛み合う歯溝を有する一対の歯溝ロール31,32間に噛み込ませて延伸して、該帯状シート120’の少なくとも一部の伸縮性を向上させる延伸工程を具備するものである。
そして、その延伸により、少なくとも一部の伸縮性が向上した伸縮性の帯状シート(伸縮性シート)120が得られる。本実施形態においては、帯状シート120’は、その幅方向の全域に延伸加工が施され、その結果、得られた帯状シート120は、その幅方向の全域が、伸縮性が発現した伸縮領域12H,12H,12Lとなっている。
延伸により伸縮性が向上する帯状シートには、延伸前には伸縮性を有さず延伸により伸縮性を発現するものと、延伸前にも多少の伸縮性を有し延伸により伸縮性が向上するものとの両者が含まれるが、延伸前には実質的に伸縮性を有さず延伸により伸縮性を発現するものが好ましい。
なお、ここでいう「伸縮性を向上する」とは、「小さな力でもより伸びやすくすること」で、具体的には1.0N/25mm荷重をかけたときの伸度が大きくなること、または破断伸度が大きくなることを意味する。
例えば、1.0N/25mm荷重をかけたときの伸度は、次のようにして測定することができる。幅(帯状シートの幅方向と同方向の長さ)が25mm、長さ(帯状シートの長手方向と同方向の長さ)が75〜100mmの試験片を切り出し、引張り試験機により、該試験片をその長さ方向に荷重1.0Nとなるまで伸長させたときの伸度を測定する(初期長50mm)。破断伸度も、同様にして、幅25mmの試験片を、引っ張り試験機により引っ張り、破断したときの伸度を測定する。
延伸により伸縮性が向上する帯状シートとしては、弾性繊維と非弾性繊維が混合されたタイプや、弾性伸縮性を有する弾性層と実質的に非弾性の非弾性繊維層とが積層されたタイプで、延伸により、非弾性繊維や非弾性繊維層が、弾性繊維や弾性層の伸縮を阻害しにくい構造に変化するもの等を好ましく用いることができる。
伸縮を阻害しにくい構造への変化としては、非弾性繊維の伸張や切断、非弾性繊維層の分断、非弾性繊維層の構成繊維の伸長や切断、構成繊維同士の接合点の破壊等が挙げられる。
積層タイプの場合、非弾性繊維層は、弾性層の両面に配されていても良いし、片面のみに配されていても良い。
弾性層は、単独の状態又は延伸後の伸縮性シートの状態において、平面方向に伸ばすことができ且つ伸ばした力から解放したときに収縮する性質を有するものであり、少なくとも面と平行な一方向において、100%伸長後に収縮させたときの残留歪みが20%以下、特に10%以下であることが好ましい。この値は、少なくとも、帯状シートの延伸方向と同方向において満足していることが好ましく、帯状シートの長手方向及び/又は幅方向において満足していることが好ましい。
弾性層は、弾性材料を含有する弾性繊維を含む弾性繊維層であることが好ましい。弾性材料としては、熱可塑性エラストマー、ゴム、エチレン・プロピレン共重合体等が挙げられ、これらの中でも、熱可塑性エラストマーが好ましい。熱可塑性エラストマーとしては、ポリウレタン、スチレン系(SBS,SIS,SEBS,SEPS等)、オレフィン系(エチレン、プロピレン、ブテン等の共重合体等)、塩化ビニル系、ポリエステル系等を挙げることができる。これらは一種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
弾性層としては、繊維層からなるものに代えて、フィルム状のもの、ネット状のもの等を用いることもできる。フィルムやネットの形成材料としては、上記各種の弾性材料を用いることができる。
弾性層が弾性繊維を含む繊維層である場合、該弾性層中の弾性繊維の含有率は50〜100重量%、特に75〜100重量%であることが好ましい。弾性層が、弾性繊維と共に非弾性繊維を含む場合の非弾性繊維としては、後述する非弾性繊維層を構成する繊維を挙げることができる。弾性繊維は、メルトブローン法、スパンボンド法、メルトブローン法にスパンボンド法を組み合わせたスピニングブローン法等により得られる。弾性繊維層は、例えば、スピニングブローン法、スパンボンド法、メルトブローン法等によって形成されたウエブや不織布であり得る。
非弾性繊維層は、伸長性を有するが、実質的に非弾性のものである。ここでいう、伸長性は、構成繊維自体が伸長する場合と、構成繊維自体は伸張しなくても、構成繊維同士の交点において熱融着していた両繊維同士が離れたり、繊維同士の熱融着等により複数本の繊維で形成されていた立体構造が構造的に変化したり、構成繊維がちぎれたりして、繊維層として伸長する場合の何れであっても良い。
非弾性繊維層を構成する繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル(PETやPBT)、ナイロン等のポリアミド等からなる繊維、ポリ乳酸等の生分解樹脂からなる繊維等が挙げられる。非弾性繊維層を構成する繊維は、短繊維でも長繊維でも良く、親水性でも撥水性でも良い。また、芯鞘型の複合繊維、分割繊維、異形断面繊維、捲縮繊維、熱収縮繊維等を用いることもできる。これらの繊維は一種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
弾性層と非弾性繊維層との間は全面的又は部分的に接合されている。繊維層と非弾性繊維層との接合方法としては、これらを積層して、スパンレース法により両層の繊維同士を交絡させる方法、エアースルー法等の熱風処理により両層の繊維同士の交点を熱融着させる方法、熱エンボス、接着剤、超音波エンボス等によって両層間を接合させる方法等が挙げられる。
弾性繊維層の片面又は両面に非弾性繊維層が一体化されているものを用いる場合、弾性繊維層と非弾性繊維層とは、両層の界面及びその近傍において、弾性繊維層の構成繊維と、非弾性繊維層の構成繊維との交点が熱融着しており、実質的に全面で均一に接合されていることが好ましい。このような接合はエアースルー法等により達成できる。全面で接合されていることによって、弾性繊維層と非弾性繊維層との間に浮きが生じること、つまり、両層が離間して空間が形成されることが防止される。また、弾性繊維層は、その構成繊維が繊維形態を保った状態で非弾性繊維層と一体化されていることが好ましい。また、エアースルー法による全面的な接合に加え、熱エンボス等による部分的な接合を行っても良い。部分的に接合されている態様としては、円形や矩形等の任意の形状の接合部が、平面方向に散点状に分布しているもの等が挙げられる。
延伸により伸縮性が向上する帯状シートとしては、各種公知のものを用いることもでき、例えば、上述した特許文献3や、特開2003−73967号公報、特開2001−18309号公報に記載のもの等を使用することもできる。
図1は、本発明の伸縮性シート及びパンツ型着用物品の製造方法の一実施形態を示す図であり、図1には、延伸により伸縮性が発現する帯状シート120’を用いて、伸縮性シート120を製造する様子及びさらにその伸縮性シート120を用いてパンツ型使い捨ておむつ1を製造する様子が示されている。
本実施形態においては、延伸前には実質的に伸縮性を有しないが延伸により伸縮性を発現する帯状シート120’を、図1に示すように、延伸装置30における一対の歯溝ロール31,32間に噛み込ませて延伸し、それにより、伸縮特性が相異なる2種類の伸縮領域12H,12L,12Hを幅方向に有する伸縮性の帯状シート(伸縮性シート)120を得ている。また、延伸により伸縮性が発現する帯状シート120’として、弾性繊維からなる弾性繊維層の両面に実質的に非弾性の非弾性繊維層を有する積層シートを用いている。
一対の歯溝ロール31,32は、それぞれの周面部に、軸線方向に延び且つ互いに噛み合う歯溝を有している。また、一対の歯溝ロール31,32それぞれの周面部には、それぞれ軸線方向に並ぶように、高延伸部31H,32Hと低延伸部31L,32Lとが形成されている。
高延伸部31H,32Hは、帯状シート120’をその長手方向(流れ方向)に大きく延伸させる部位であり、低延伸部31L,32Lは、高延伸部31H,32Hに比べて、該帯状シート120’を同方向に低倍率に延伸させる部位である。高延伸部31Hについて大きく延伸とは、低延伸部31Lにおける延伸と比較して大きく延伸する意味である。
本実施形態における高延伸部31H,32Hは、図1に示すように、各歯溝ロール31,32それぞれにおける軸線方向の両端近傍に位置し、低延伸部31L,32Lは、各歯溝ロール31,32それぞれの軸線方向における高延伸部31H,32H同士間に位置している。
高延伸部31H,32Hは、図2に示すように、各ロールの軸中心線(図示せず)から歯先33Hまでの距離が、低延伸部31Lにおける、各ロールの軸中心線(図示せず)から歯先33Lまでの距離より長くなっている。それにより、一対の歯溝ロール31,32の噛み合いの深さは、高延伸部31H、32H同士が噛み合う部分の方が、低延伸部31L、32L同士が噛み合う部分よりも大きくなっている。
一対の歯溝ロール31,32の噛み合い深さDは、図3に示すように、歯溝ロール31,32どうしを噛み合わせて回転させるとき、隣接する歯31a,32aが重なり合う長さである。
尚、本実施形態における各歯溝ロール31,32は、高延伸部31Hと低延伸部31Lとで、歯31a,32aの高さH(図3参照、歯底38H,38Lから歯先33H,33Lまでの高さ)は略同じである。
一対の歯溝ロールの噛み合い深さDは、高延伸部31H,32H同士が噛み合う部分及び低延伸部31L、32L同士が噛み合う部分のそれぞれにおいて、帯状シート120’の延伸倍率を高くし良好な伸縮性を与えるために、1.0mm以上が好ましく、2.0mm以上が一層好ましい。高延伸部31H,32H同士が噛み合う部分における延伸倍率は1.5〜5.0倍が好ましい。また、高延伸部31H,32H同士が噛み合う部分における延伸倍率H1と、低延伸部31L、32L同士が噛み合う部分における延伸倍率H2との比(H1/H2)は1.1〜5.0であることが好ましく、2.0〜3.0であることがより好ましい。ここで、延伸倍率とは、(歯溝を有するロールの噛み合いによって材料が延伸されたときの長さ)/(該ロールの噛み合いによって延伸される前の材料長さ)で定義される。
延伸倍率は、例えば、図8に示すように、一対の歯溝ロールの噛み合い部分に、噛み合い部分において隣接する歯の重なり部分の高さ方向の中点を通り且つ歯の長手方向に直交する直線Lsと、噛み合い部分に挟まれたシートの断面形状と同形状に屈曲した屈曲線Lbとを想定したときに、個々のロールの相隣接する歯の先端中心点P1,P2同士間の距離を、前記直線Lsに沿って測定した距離(a)と、前記屈曲線Lbに沿って測定した距離(b)との比(b/a)として求めることもできる。
一対の歯溝ロールを、帯状シートの延伸倍率が部分的に異なるように構成するには、前記比(b/a)を部分的に変え得る多様な方法を採用し得るが、噛み合い深さ、歯のピッチ及び歯の幅の何れか1以上を部分的に異ならせることが好ましい。
また、各歯溝ロール31,32は、高延伸部31H,32H及び低延伸部31L,31Lのそれぞれにおいて、隣接する歯のピッチPが、好ましくは1.0mm〜5.0mmであり、前記各歯の幅Wが前記ピッチPの好ましくは1/2未満であり、且つ前記歯の高さHが、好ましくは前記ピッチP以上である。
各歯溝ロールにおける歯溝の形態がこのような条件を満たすものであると、これら歯溝ロール31,32間に供給される帯状シート120’に従来にない高い伸縮性を付与することができる。歯溝ロール31,32における隣接する歯のピッチとは、1つの歯の中心線とそれと隣り合う歯の中心線との距離をいう。歯溝ロールの歯の幅とは、1つの歯の幅をいう。歯の幅は均等でなく、図3のように、歯の根元から歯の先端に向って細くなる台形型の歯が好ましい。そのほか、長方形型、三角型の歯であってもよい。この場合、各歯の幅Wは、歯の根元の幅を示す。ロールの歯の高さとは、歯の根元から先端までの長さをいう。
各歯溝ロール31,32において、歯31a、32aの先端のロール周方向の角部は、31a、32aの角部によって帯状シート120’にダメージが与えられないようにするために、面取りしておくことが好ましい。面取りの曲率半径は0.1〜0.3mmが好ましい。
また、高延伸部31H,32Hと低延伸部31L,31Lとの境界部に位置する歯の先端は、特に高延伸部と低延伸部とが並ぶ方向(ロール軸線方向)における角部も面取りしておくか、又は高延伸部から低延伸部に向かって歯先の位置が漸次低くなるようにすることが、帯状シート120’のダメージを防止する観点から好ましい。
歯溝ロール31,32は、何れか一方の回転軸に駆動手段(図示せず)からの駆動力が伝達されることによって噛み合って回転する。
歯溝ロール31,32の各軸に歯31a,32aとは別に、一般的な、JIS B1701に規定されているギアを駆動用のギアとして取り付けてもよい。その場合、歯溝ロール31,32の歯31a,32aは接触することなく、それら駆動用のギアが噛み合うことによって、歯溝ロール31,32を回転させることができる。本発明における歯溝ロールの噛み合いには、このように、一方のロールの歯と他方のロールの歯とが接触しない場合も含まれる。
帯状シート120’に延伸加工を施すには、図1及び図2に示すように、延伸装置30における一対の歯溝ロール31,32を回転させながら、それらの噛み合い部分に帯状シート120’を供給する。
本実施形態においては、図1に示すように、延伸装置30の前後に、歯溝ロール31,32による延伸加工前後の帯状シート120’に張力を加える張力付与手段34,35を配置してある。張力付与手段34は、歯溝ロール31,32の上流側に配された一組のテンションロール34a,34bを備えている。張力付与手段35は、歯溝ロール31,32の下流側に配された一組のテンションロール35a、35bを備えている。
帯状シート120’に一層効果的に伸縮性を付与する観点から、延伸加工前の帯状シート120’にテンションロール34a,34bによって張力を加えた状態で、歯溝ロール31,32間に帯状シート120’を供給することが好ましい。供給する帯状シート120’に加える張力は、延伸加工前の帯状シート120’の破断応力の10%〜80%が好ましく、20%〜70%が一層好ましい。
同様の観点から、延伸加工済みの帯状シート120にテンションロール35a,35bによって張力を加えて歯溝ロール31,32間から該シートを引き出すことが好ましい。延伸加工済みの帯状シート120に加える張力は、延伸加工後の帯状シート120の破断応力の5%〜80%が好ましく、10%〜70%が一層好ましい。シートの破断応力は歯溝延伸加工の加工前に比べて、加工後では小さくなる。また、歯溝延伸加工によって伸縮性を付与された延伸加工済みの帯状シート120はわずかな張力でも伸びやすい。そのような観点から、延伸加工済みの帯状シート120に加える張力を、延伸加工前の帯状シート120’に加える張力よりも小さくすることが好ましい。
前記の延伸加工により、帯状シート120’中の非弾性繊維層が伸長され、それによって非弾性繊維層が、弾性繊維層の自由な伸縮を阻害する程度が大きく低下する。また、一対の歯溝ロール31,32の噛み合いの深さDを部分的に異ならせたことにより、延伸加工後の帯状シート120には、大きく延伸され伸縮性に富む高伸縮領域12Hと比較的小さく延伸され伸縮性を有するが高伸縮領域よりは伸縮性に劣る低伸縮領域12Lが形成される。
このようにして、本実施形態の伸縮性シートの製造方法によれば、伸縮性に優れた伸縮領域12Hと該領域よりは伸縮性に劣るが適度な伸縮性を有する伸縮領域12Lとを有する伸縮性シート120を効率的に製造することができる。また、得られた伸縮性の帯状シート120は、その弛緩状態で非弾性繊維層に起因するひだが形成されない。そのため、外観が良好となる。更に、糸状ないし帯状の弾性部材をシートに固定して伸縮部を形成する方法と異なり、そのような弾性部材を固定する必要がないので、弾性部材を固定するための接着剤を使用しなくても良いし、使用したとしてもその量を低減することができる。そのため、得られた伸縮性シートは、柔らかくて風合いものとなる。
本実施形態における帯状シート120’は、その長手方向の両端それぞれから所定幅の領域12Sが、高延伸部31H,32Hに噛み込まれて大きく延伸され、その結果、得られた帯状シート120の長手方向の両側部に、高い伸縮性を発現した高伸縮領域12H,12Hが形成される。他方、帯状シート120’の長手方向の中央の所定幅の領域12Cは、低延伸部31L,32Lによって相対的に小さく延伸され、その結果、得られた帯状シート120の長手方向の中央部には、高伸縮領域12H,12Hに比べて相対的に低い伸縮性を示す低伸縮領域12Lが形成される。
帯状シート120の高伸縮領域12H,12Hと低伸縮領域12Lの伸縮性の差は、例えば、それらの100%伸長時の伸長応力を測定して判断することができる。
100%伸長時の伸長応力は、それぞれの領域から、帯状シート120の長手方向と同方向の長さが50mm、幅方向と同方向の長さが25mmの短冊状の測定片を切り出し、該測定片を自然に収縮させた状態から、帯状シート120の長手方向と同方向に伸長率が100%となるまで(2倍の長さとなるまで)伸長させたときの応力を測定する。
高伸縮領域12H,12Hの100%伸長時の伸長応力PHは、50〜120cN、特に60〜100cNであることが好ましく、低伸縮領域12Lの100%伸長時の伸長応力PLは、100〜600cN、特に200〜500cNであることが好ましい。また、伸長応力の比(PH/PL)は、1/6〜1/2、特に1/5〜1/3であることが好ましい。
本実施形態のパンツ型着用物品の製造方法は、上述のようにして得られた伸縮性の帯状シート120を用いてパンツ型使い捨ておむつ1を製造する。
本実施形態のパンツ型使い捨ておむつの製造方法においては、図1に示すように、帯状シート120を、外包材11のおむつ外面側を構成する外層シート12の原料シートとして用いると共に、外包材11のおむつ内面側を構成する内層シート13の原料シートとして第2帯状シート130を用いている。第2帯状シート130は、長手方向に伸長性を有するが伸縮性を有しないシートである。第2帯状シート130の長手方向の最大伸度は100%以上である。
本実施形態においては、図1に示すように、上述のようにして得られた伸縮性の帯状シート120を、連続搬送しながら、張力付与手段35とその下流側に設けたニップロール36との間で伸長状態を緩和し、その状態の帯状シート120を、連続搬送されてきた第2帯状シート130と貼り合わせる。
本実施形態における帯状シート120と第2帯状シート130との貼り合わせは、図1に示すように、両シート間に、レッグ部弾性部材61a,61b及びウエスト部弾性部材51を挟みこんだ状態で行っている。具体的には、両帯状シート120、130を重ね合わせる前に、両帯状シート120、130の何れか一方又は双方の相対向する面の所定の部位に、弾性部材固定用の接着剤を塗工しておき、弾性部材61a,61b,51を伸長状態で挟んだ状態で、両帯状シート120、130を、ニップロール37で狭圧している。これにより、弾性部材61a,61b,51を固定すると共に両帯状シート120、130間が接合され、外包材12が帯状に連続した構成の外包材連続体110が得られる。レッグ部弾性部材61a,61bは、帯状シート120,130の流れ方向に直交する方向に公知の揺動ガイド(図示せず)で揺動させながら、両帯状シート間に導入する。図1の形態では、レッグ部弾性部材61a,61bが、低伸縮領域12Lに導入されている。
パンツ型使い捨ておむつ1は、上述のようにして得られた外包材連続体110を用いる以外は、従来の、いわゆる横流れ方式のパンツ型使い捨ておむつの製造方法と同様にして製造することができる。
例えば、図1に示すように、外包材連続体110上に、吸収性本体連続体を切断して得た吸収性本体10を、それぞれ90度回転して、間欠的に接着固定し、また、ロータリーカッター、レーザーカッター等により、レッグ開口部形成用のトリム111を除去して、おむつ連続体100を得る。次いで、おむつ連続体100における外包材連続体110の両側部12a,12bを、吸収性本体10の両端部を覆うように折り返して該両端部を固定した後、おむつ連続体100を2つ折りし、次いで、サイドシール部S,Sを、ヒートシール、超音波シール、高周波シール等により形成した後、あるいはサイドシール部S,Sを形成すると同時に、個々のおむつに切断することにより、パンツ型使い捨ておむつ1を得る。
吸収性本体10を外包材連続体110に固定する接着剤15は、吸収性本体10及び外包材連続体110の何れか一方又は双方に塗工しておくことができる。また、レッグ開口部形成用のトリム111の除去は、吸収性本体10の固定前に行うこともできる。
図4には、本実施形態の製造方法により製造されたパンツ型使い捨ておむつ1の斜視図が示されている。図5には、図4に示すおむつの展開状態の平面図が示されている。図6には、図5のII−II線断面図が示されている
パンツ型使い捨ておむつ1(以下、おむつ1ともいう)は、液透過性の表面シート2、液不透過性又は撥水性の裏面シート3及び両シート2、3間に介在配置された液保持性の吸収性コア4を有する実質的に縦長の吸収体本体10と、該吸収体本体10の裏面シート3側に配され該吸収性本体10を固定している外包材11とを備えている。
外包材11は、その両側縁が、長手方向中央部において内方に括れた砂時計形の形状をしており、おむつの輪郭を画成している。おむつ1は、展開状態におけるその長手方向において、着用者の腹側に配される腹側部Aと背側に配される背側部Bとその間に位置する股下部Cとに区分される。外包材11は、腹側部Aにおける両側縁部A1,A2と背側部Bにおける両側縁部B1,B2とが互いに接合されており、その接合によって、おむつ1に、一対のサイドシール部S,S、ウエスト開口部5及び一対のレッグ開口部6が形成されている。
表面シート2、裏面シート3及び吸収性コア4は、一体化されて縦長の吸収体本体10を形成している。表面シート2、裏面シート3及び吸収性コア4としては、それぞれ、従来この種のおむつに用いられているものと同様のものを用いることができる。例えば、吸収性コア4としては、高吸収性ポリマーの粒子及び繊維材料から構成され、ティッシュペーパ(図示せず)によって被覆されているもの等を用いることができる。図5及び図6に示すように、吸収体本体10の長手方向の左右両側には、液抵抗性ないし撥水性で且つ通気性の素材から構成された側方カフス8、8が形成されている。各側方カフス8の自由端部の近傍には、側方カフス弾性部材81が伸張状態で配されている。おむつ着用時には、弾性部材81が縮むことにより側方カフス8が起立して、吸収体本体10の幅方向への液の流出が阻止される。
外包材11は、図6に示すように、延伸加工により伸縮性が向上した上記帯状シート120からなる外層シート12と、上記第2帯状シート130からなる内層シート13とが積層された構造を有している。外層シート12はおむつ1の外面をなし、内層シート13は外層シート12の内面側に配され部分的に接合されている。
おむつ1においては、外層シート12と内層シート13との間は、腹側部A、背側部B及び股下部Cそれぞれの大部分において接合されていない。具体的には、外層シート12と内層シート13とは、腹側部A及び背側部Bそれぞれの両側縁部A1,A2,B1,B2において、ヒートシール、高周波シール又は超音波シールにより互いに接合されており、また、ウエスト開口部5の周縁部50及び一対のレッグ開口部6それぞれの周縁部60において、ホットメルト型接着剤等の接着剤により互いに接合されており、更に、腹側部A、背側部B及び股下部Cそれぞれのおむつ幅方向中央部において接合されている。そして、それらの以外の部分においては接合されていない。
このように、腹側部A及び背側部Bの大部分において、外層シート12と内層シート13との間を接合しない構成とすることにより、外包材11が接着剤で硬くなる部分を最小限に抑えることができ、おむつの外面や、外包材11の内面における吸収性本体10に覆われていない部分を、柔らかで肌触りの良いものとすることができる。また、外包材11の通気性が良好に維持されるので、ムレにくいおむつを提供することができる。
腹側部A、背側部B及び股下部Cそれぞれにおける外層シート12と内層シート13との間でウエスト部、サイドシール部、レッグ弾性部材以外の接合されていない部分の面積は、腹側部A、背側部B及び股下部Cのそれぞれの面積に対して、60〜100%であることが好ましく、70〜100%であることがより好ましい。この条件を満たすものを「大部分」というものとする。
腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける、ウエスト開口部5の周縁部50には、ウエスト開口部5の開口周縁端に沿って、複数のウエスト部弾性部材51,51が配されている。これらのウエスト部弾性部材51,51は、接着剤を介して外層シート12と内層シート13との間に伸長状態で固定されている。また、腹側部A、股下部C及び背側部Bに亘って存在するレッグ開口部の周縁部60,60にも、各開口部の周縁端に沿って、レッグ部弾性部材61a,61bが配されている。これらのレッグ部弾性部材61a,61bは、接着剤62を介して外層シート12と内層シート13との間に伸長状態で固定されている。ウエスト部弾性部材51及びレッグ部弾性部材61a,61bとしては、それぞれ、天然ゴム、ポリウレタン系樹脂、発泡ウレタン系樹脂、ホットメルト系伸縮部材等の伸縮性素材を糸状(糸ゴム)又は帯状(平ゴム)に形成したものが好ましく用いられる。
本明細書に記載の各部の寸法や比等は、図5に示すようにおむつを展開状態とし、ウエスト開口部及びレッグ開口部の弾性部材による収縮力を解除した自然状態(張力等の外力を作用させない状態)において測定した値又はそれに基づくものである。
吸収性本体10は、その長手方向両端部を除く部分においては、図6に示すように、幅方向中央部のみが本体接合部15により外包材11の内層シート13に接合されている。外包材11の伸縮が、吸収性本体10の接合によって阻害されにくくなるため、胴回り部に良好なフィット性が得られる。外包材11のおむつ幅方向中央部における外層シート12と内層シート13との間の接合部14の幅W1は、腹側部A及び背側部Bのそれぞれにおいて、吸収性本体10の幅W2の0〜40%であることが好ましく、0〜30%であることがより好ましい。
また、本体接合部15の幅は、腹側部A及び背側部Bのそれぞれにおいて、吸収性本体10の幅W2の10〜90%であることが好ましく、より好ましくは20〜80%である。
吸収性本体10の長手方向両端部は、ウエスト開口部の開口周縁端5a,5bにおいて、おむつ内面側に折り返した外層シートの折り返し部分12a,12bと内層シート13との間に挟まれて固定されている。
おむつ1においては、腹側部A及び背側部Bそれぞれに、帯状シート12の高伸縮領域12Hが位置しており、股下部Cに、帯状シート12の低伸縮領域12Lが位置している。これにより、外包材11は、腹側部A、背側部B及び股下部Cの何れにおいてもおむつ幅方向に伸縮するが、腹側部A及び背側部Bの方が、股下部Cよりも伸縮性が良好である。
具体的には、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける外包材11を、おむつ幅方向に伸長率100%まで伸長させたときの伸長応力が、股下部Cにおける外包材11を、同条件で伸長させたときの伸長応力よりも小さい。
おむつ1は、腹側部A及び背側部Bにおける外包材11が伸縮性に富むため、ウエスト開口部5の周縁部50及び該周縁部50よりも下方でレッグ開口部より上方に位置する胴回り部7が、それぞれ、着用者に良好にフィットして、装着性に優れると共に、股下部Cにおける外包材は腹側部Aおよび背側部Bよりも伸縮性が低いため、内層シートに接合されている吸収体にしわが起こりにくく、外観及び装着性が良好となる。
このように本実施形態のパンツ型着用物品の製造方法によれば、帯状シート120に形成した高伸縮領域12H及び低伸縮領域12Lに対応し伸縮特性が相異なる複数の伸縮部を有するパンツ型使い捨ておむつを容易且つ効率的に製造することができる。特に本実施形態においては、外面側に配される外層シート12を、伸縮領域を形成した帯状シート120から形成したので、おむつの外面側にひだのない外観の良好なものとなる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は、前記実施形態に制限されない。
例えば、上述したおむつ1の製造方法においては、帯状シート120の高伸縮領域12Hをおむつ1の腹側部A及び背側部Bに配する一方、帯状シート120の低伸縮領域12Lを股下部Cに配したが、これに代えて、帯状シート120の高伸縮領域12Hをおむつ1のウエスト開口部の周縁部50に配する一方、帯状シート120の低伸縮領域12Lを前記胴回り部7に配することもできる。
ウエスト開口部の周縁部50を高伸縮性とする一方、胴回り部をやや劣るが伸縮性とすることで、おむつを装着させる際に、ウエスト開口部が伸びやすいことから拡げやすくて装着しやすいというメリットがある一方で、胴回り部での伸縮特性をやや落とすことで、フィット性がよくなる。また、この場合、帯状シート120における股下部Cに配される部分は、延伸加工されておらずに伸縮性を有しない非伸縮領域としても良いし、胴回り部と同程度に延伸されて胴回り部と同程度の伸縮性を有する伸縮領域とすることもできる。更に胴回り部よりやや低倍率に延伸されて胴回り部よりやや劣る伸縮性を有する伸縮領域とすることもできる。
伸縮性を有しない領域を形成するには、一対の歯溝ロールの一方又は双方に歯溝のない非延伸部を設ければ良い。伸縮性が胴回り部よりやや劣る領域を形成するには、一対の歯溝ロールに、噛み合い深さが胴回り部より小さくなる部分を形成すれば良い。
また、腹側部A及び背側部Bの何れか一方に、帯状シート120の低伸縮領域12Lを配し、他方に、帯状シート120の高伸縮領域12Hを配することもできる。これにより、腹側部Aと背側部Bとに異なる伸縮特性を有する伸縮部を形成することができる。
このように、本発明のパンツ型着用物品の製造方法によれば、伸縮特性が異なる複数の伸縮領域を有する一枚のシートを用いて、外包材に様々パターンで、伸縮特性が相異なる複数の伸縮部を形成したパンツ型着用物品を製造することができる。
また、帯状シートの幅方向に、伸縮特性が相異なる複数の伸縮領域12H,12Lを形成するのに代えて、帯状シートの長手方向に、伸縮特性が相異なる複数の伸縮領域を形成することもできる。例えば、図7に示すように、一対の歯溝ロール31,32それぞれにおける周方向の一部分に、両ロールの噛み合い深さが他の部分より浅くなる部分31L,32Lを形成し、該部分31L,32Lに噛み込まれた部分を低伸縮領域とし、他の部分に噛み込まれた部分を低伸縮領域よりも伸縮性に富む高伸縮領域とすることもできる。
また、歯溝ロールの噛み合いの深さを部分的に異ならせるのに代えて、一対の歯溝ロールそれぞれに、歯のピッチ又は回転方向における歯の幅が、それぞれのロールにおける他の部分とは異なる部分を形成することにより、帯状シートの一部を大きく延伸すると共に他の一部をそれより低い倍率に延伸することもできる。また、噛み合いの深さ及び歯のピッチの両者を部分的に異ならせたり、噛み合いの深さ及び歯の幅の両者を部分的に異ならせる等、噛み合い深さ、歯のピッチ及び歯の幅の何れか2以上を部分的に異ならせることにより、伸縮特性の相異なる複数の伸縮領域を形成することもできる。更に、帯状シート120’を、周方向に延び且つ互いに噛み合う歯溝を有し、軸線方向に、歯溝ロールの噛み合いの深さやピッチが異なる複数の部分を有する一対の歯溝ロールを用いて、該帯状シート120’の幅方向に、伸縮特性が異なる複数の領域を形成することもできる。
また、上述したおむつ1の製造方法においては、伸縮性の帯状シート120と、長手方向に伸長性を有するが伸縮性を有さない第2帯状シート130とを積層して外包材連続体110を得ていたが、これに代えて、伸縮性の帯状シート120と同様に一対の歯溝ロールによる延伸加工により伸縮性を向上(発現)させてなる第2帯状シート130を、帯状シート120と積層して外包材連続体110を得ることもできる。また、第1帯状シート130等の他のシートと貼り合わせることなく帯状シート120のみで外包材連続体110を構成させることもできる。また、シール工程と外包材連続体を切断する工程とはこの順に行っても良いし同時に行っても良い。
本発明のパンツ型着用物品の製造方法は、パンツ型の使い捨ておむつ、パンツ型の生理用ナプキン、パンツ型の失禁パッド等のパンツ型の吸収性物品の製造に特に適しているが、吸収性本体ないし吸収性コアを具備しない、サニタリーショーツその他のパンツ型着用物品の製造にも好ましく使用することができる。
また、本発明の伸縮性シートの製造方法は、パンツ型着用物品の外包材の全部又は一部を構成する伸縮性シートを製造するものに限られず、パンツ型着用物品における他の部位を構成するシート、更には、テープ型の紙おむつ、生理用ナプキン、湿布、サポーター、マスク等を製造するものであっても良い。
図1は、本発明の伸縮性シート及びパンツ型着用物品の製造方法の一実施形態を示す図である。 図2は、延伸装置における歯溝ロールによって帯状シートに延伸加工を施す様子を示す模式図であり、高延伸部及び低延伸部それぞれにおける歯溝の表面形状並びに高延伸部及び低延伸部に噛み込まれた帯状シートの断面形状を、両ロールの軸線方向と平行に、該軸線方向に直交する平面に投影して示す図である。 図3は、延伸装置における歯溝ロールの歯溝の説明図である。 本発明の製造方法により製造されるパンツ型使い捨ておむつの一例を示す斜視図である。 図4に示すおむつの展開状態を示す平面図である。 図5のII−II線断面図である。 本発明の他の実施形態に使用される一対の歯溝ロールを示す図である。 延伸倍率の測定方法の説明図である。
符号の説明
1 パンツ型使い捨ておむつ(パンツ型着用物品)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収性コア
5 ウエスト開口部
50 ウエスト開口部の周縁部
6 レッグ開口部
60 レッグ開口部の周縁部
7 胴回り部
10 吸収性本体
11 外包材
12 外層シート
13 内層シート
30 延伸装置
31,32 歯溝ロール
31a,32a 歯
110 外包材連続体
120’ 延伸により伸縮性が向上する帯状シート
12H 高伸縮領域
12L 低伸縮領域
120 延伸加工により伸縮性が向上した帯状シート

Claims (6)

  1. 延伸により伸縮性が向上する帯状シートを、互いに噛み合う歯溝を有する一対の歯溝ロール間に噛み込ませて延伸し、該帯状シートの伸縮性を向上させる延伸工程を具備する伸縮性シートの製造方法であって、
    一対の前記歯溝ロールを、帯状シートの延伸倍率が部分的に異なるように構成し、伸縮特性が相異なる伸縮領域を長手方向又は幅方向に複数有する伸縮性シートを得る伸縮性シートの製造方法。
  2. 一対の前記歯溝ロールについて、噛み合いの深さ又はそれぞれの歯のピッチ若しくは回転方向における歯の幅を部分的に異ならせることにより、前記延伸倍率を部分的に異ならせる請求項1記載の伸縮性シートの製造方法。
  3. 前記各歯溝ロールは、前記帯状シートを延伸させる高延伸部と、該帯状シートを該高延伸部に比して低倍率に延伸させる低延伸部とを有し、前記各ロールにおける隣接する歯のピッチが1.0mm〜5.0mmであり、前記各歯の幅が前記ピッチの1/2未満であり、且つ前記各歯の高さHが、前記ピッチ以上であり、高延伸部における延伸倍率は1.5〜5.0倍で、低延伸部における延伸倍率よりも大きい請求項1記載の伸縮性シートの製造方法。
  4. 伸縮特性が相異なる複数の伸縮部を有する外包材を具備するパンツ型着用物品の製造方法であって、
    延伸により伸縮性が向上する帯状シートを、互いに噛み合う歯溝を有する一対の歯溝ロール間に噛み込ませて延伸し、該帯状シートの伸縮性を向上させる延伸工程、伸縮性を付与した前記帯状シートを含む外包材連続体をその幅方向に2つ折りする工程、2つ折りした前記外包材連続体にサイドシール部を形成するシール工程、及び、2つ折りした前記外包材連続体を切断し、個々のパンツ型着用物品に分離する工程を具備し、
    前記延伸工程においては、一対の前記歯溝ロールを、帯状シートの延伸倍率が部分的に異なるように構成し、伸縮特性が相異なる伸縮領域を長手方向又は幅方向に複数有する伸縮性シートを形成し、前記個々のパンツ型吸収性物品として、複数の前記伸縮領域に対応し伸縮特性が相異なる複数の伸縮部を有する外包材を具備するパンツ型着用物品を得る、パンツ型着用物品の製造方法。
  5. 前記外包材は、パンツ型着用物品の外面側に配される外層シート及びパンツ型着用物品の内面側に配される内層シートを有し、前記伸縮領域を形成した前記帯状シートから前記外層シートが形成されており、前記延伸工程後に、該帯状シートに、内層シート用の第2帯状シートを貼り合わせる工程を具備する、請求項記載のパンツ型着用物品の製造方法。
  6. 前記パンツ型着用物品が、前記外包材及び該外包材に固定された吸収性本体を具備するパンツ型吸収性物品であり、
    前記延伸工程後に、前記外包材連続体に前記吸収性本体を接合する工程を具備する、請求項4又は5記載のパンツ型着用物品の製造方法
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