JP6357462B2 - 伸縮性不織布の製造方法 - Google Patents

伸縮性不織布の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6357462B2
JP6357462B2 JP2015248236A JP2015248236A JP6357462B2 JP 6357462 B2 JP6357462 B2 JP 6357462B2 JP 2015248236 A JP2015248236 A JP 2015248236A JP 2015248236 A JP2015248236 A JP 2015248236A JP 6357462 B2 JP6357462 B2 JP 6357462B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
gear
stretchable
pair
roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015248236A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016125188A (ja
Inventor
橋本 達也
達也 橋本
哲郎 大窪
哲郎 大窪
奐奐 陳
奐奐 陳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Uni Charm Corp
Original Assignee
Uni Charm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Uni Charm Corp filed Critical Uni Charm Corp
Priority to PCT/JP2015/085667 priority Critical patent/WO2016104422A1/ja
Publication of JP2016125188A publication Critical patent/JP2016125188A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6357462B2 publication Critical patent/JP6357462B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)

Description

本発明は、伸縮性不織布の製造方法に関する。
従来、不織布は、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品、ワイパー等の清掃用品、マスク等の医療用品と、幅広い分野において使用されている。このように不織布は、異なる様々な分野で使用されるが、実際に各分野の製品に使用される場合には、それぞれの製品の用途に適した性質や構造となるよう製造されることが必要である。
例えば、特許文献1には、互いに噛み合う歯溝を有する一対の歯溝ロール間に帯状の不織布シートを噛み込ませることで不織布を延伸させて、伸縮性を向上させる技術が開示されている。また、同特許文献1では、不織布を延伸させる際に延伸倍率が部分的に異なる歯溝ロールを用いることで、伸縮特性が部分的に異なる不織布を製造する技術が開示されている。
特許第479285号公報
特許文献1に記載された方法によって製造可能な伸縮性不織布は、強い収縮性を有することから、おむつ等の外装部材に使用した場合に、使用者の肌に食い込みやすくなったり、おむつに備えられる吸収体を収縮させてしまったりする等の問題が生じる場合がある。そのため、収縮力が高い領域だけでなく収縮力の低い領域を設けることにより、収縮力が適度に調整された伸縮性不織布が望まれている。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、良好な伸縮性を有しつつ、収縮力の高い領域と収縮力の低い領域とを有する伸縮性の不織布を提供することにある。
上記目的を達成するための主たる発明は、伸縮性を有する伸縮性繊維と、前記伸縮性繊維よりも収縮性の低い伸長性繊維とを含む不織布を搬送方向に搬送する搬送工程と、前記不織布を1対の第1ギアロール間に通過させることで延伸させ、少なくとも一部の前記伸長性繊維を伸長させる第1加工工程と、前記第1加工工程の後で、前記不織布を前記搬送方向に延伸させる延伸工程と、前記延伸工程の後で、前記不織布を、周面に歯が形成されている部分と形成されていない部分とを有する1対の第2ギアロール間に通過させることで延伸させ、少なくとも一部の前記伸縮性繊維を切断する第2加工工程と、を有することを特徴とする、伸縮性不織布の製造方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、良好な伸縮性を有しつつ、収縮力の高い領域と収縮力の低い領域とを有する伸縮性の不織布を提供することができる。
伸縮性不織布1の概略斜視図である。 伸縮性不織布1を製造する製造装置100の構成について説明する図である。 第1ギア加工部120の構成を表す概略側面図である。 図3中の領域αについて拡大して示す図である。 第2ギア加工部140の構成を表す概略側面図である。 高収縮領域HSにおける伸縮性繊維2の状態について拡大して表した模式図である。 低収縮領域LSにおける伸縮性繊維2の状態について拡大して表した模式図である。 不織布の延伸倍率とMD方向の戻り応力との関係を表したグラフである。 不織布の延伸倍率とMD/CD比との関係を表したグラフである。 使い捨ておむつ5の概略斜視図である。 展開状態の使い捨ておむつ5の概略平面図である。 伸縮性不織布1を製造する製造装置200の構成について説明する図である。 ギアロール245の構成について説明する概略図である。 ギアロール246の構成について説明する概略図である。 図13中の領域Xについて表す図である。 図14中の領域Yについて表す図である。 第2ギア加工部240のCD方向の幅の関係について説明する概略図である。 第2加工工程で行われる伸縮性繊維2の延伸について説明する図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
伸縮性を有する伸縮性繊維と、前記伸縮性繊維よりも収縮性の低い伸長性繊維とを含む不織布を搬送方向に搬送する搬送工程と、前記不織布を1対の第1ギアロール間に通過させることで延伸させ、少なくとも一部の前記伸長性繊維を伸長させる第1加工工程と、前記第1加工工程の後で、前記不織布を前記搬送方向に延伸させる延伸工程と、前記延伸工程の後で、前記不織布を、周面に歯が形成されている部分と形成されていない部分とを有する1対の第2ギアロール間に通過させることで延伸させ、少なくとも一部の前記伸縮性繊維を切断する第2加工工程と、を有する、ことを特徴とする伸縮性不織布の製造方法。
このような伸縮性不織布の製造方法によれば、低収縮領域における収縮力の強さが、高収縮領域における収縮力の強さよりも弱い伸縮性不織布を製造することができる。これにより、良好な伸縮性を有しつつ、収縮力の高い領域と収縮力の低い領域とを有する伸縮性の不織布を提供することができる。
かかる伸縮性不織布の製造方法であって、前記1対の第2ギアロールのうち、少なくとも一方のギアロールを前記伸長性繊維の融点よりも低い温度に加熱する、ことが望ましい。
このような伸縮性不織布の製造方法によれば、伸長性繊維が加熱されることによって伸びやすくなり第2加工工程において切断されにくくなる。一方、伸縮性繊維が加熱されることによって歪が生じたり、劣化したりして切断されやすくなる。これにより、伸長性繊維を切断することなく一部の伸縮性繊維を効率よく切断することが可能となり、収縮力の高い領域と収縮力の低い領域とを有する伸縮性の不織布を精度よく製造することが可能となる。
かかる伸縮性不織布の製造方法であって、前記1対の第2ギアロールの歯は、いずれも周面の外側に向かって凸となるように形成されている、ことが望ましい。
このような伸縮性不織布の製造方法によれば、一方のギアロールにおいて互いに隣り合う歯の山部と、その間の谷部に入り込む他方のギアロールの山部とによって、不織布が三点曲げ状に変形され、伸縮性繊維を延伸搬送方向に延伸することができる。また、不織布を構成する伸縮性繊維の種類に応じて、ギアの噛み合いの浅さを変更したり、歯の形状やピッチを変更したりすることで、不織布が破断しないようにテンションを調整することが可能となり、良質な伸縮性不織布を製造しやすくなる。
かかる伸縮性不織布の製造方法であって、前記1対の第2ギアロールのうち、一方側のギアロールの歯は周面の外側に向かって凸となるように形成されており、前記1対の第2ギアロールのうち、他方側のギアロールの歯は周面の外側に向かって凹となるように形成されている、ことが望ましい。
このような伸縮性不織布の製造方法によれば、一方側のギアロールにおいて互いに隣り合う歯の山部と、その間の谷部に入り込む他方側のギアロールの山部とによって、不織布が三点曲げ状に変形され、伸縮性繊維を延伸搬送方向に延伸することができる。また、他方側のギアロールの歯が外周面から突出していないため、当該他方側のギアロールに不織布を巻き付けて搬送することが可能となる。これにより、他方側のギアロールによって不織布の搬送と延伸を行うことが可能となり、装置の構成が単純になる。
かかる伸縮性不織布の製造方法であって、前記1対の第1ギアロールと前記1対の第2ギアロールとの前記搬送方向の間に設けられた1対の駆動ロールによって、前記前記不織布を所定の速度で前記搬送方向に搬送し、前記1対の駆動ロールよりも前記搬送方向の下流側に設けられたプレスロールによって、前記不織布を、前記1対の第2ギアロールのうち前記他方側のギアロールの外周面に押し付けながら前記不織布を前記所定の速度よりも速い速度で前記搬送方向に搬送することにより、前記不織布を前記搬送方向に延伸させる、ことが望ましい。
このような伸縮性不織布の製造方法によれば、プレスロールを1つだけ設けることにより、別途の延伸手段が不要となるため、第1加工工程と第2加工工程との間の搬送距離をより短く構成することが可能となる。これにより、不織布が搬送方向に過度に伸ばされることが抑制され、当該不織布が幅方向に縮むことを抑制しやすくなる。また、プレスロールを用いて延伸が行われたすぐ後に、第2ギアロールを用いた第2加工工程が行われるため、伸縮性繊維の一部を第2加工工程で効率よく切断することができるようになる。
かかる伸縮性不織布の製造方法であって、前記1対の第2ギアロールのうち前記一方側のギアロールを前記伸長性繊維の融点よりも低い温度に加熱する、ことが望ましい。
このような伸縮性不織布の製造方法によれば、第2加工工程において不織布が加熱されることにより、伸長性繊維は伸びやすく切断されにくくなり、伸縮性繊維は切断されやすくなる。また、1対の第2ギアロールのうち周面の外側に向かって凸となる歯を有するギアロールによって不織布を加熱することにより、ギアロールの周面と不織布との接触面積が大きくなり過ぎず、不織の全体が加熱されてしまうことが抑制される。したがって、第2加工工程において伸縮性繊維の歪が過度に大きくなる等の問題が生じにくくなる。
かかる伸縮性不織布の製造方法であって、前記1対の第2ギアロールのうち前記他方側のギアロールは、前記不織布を、周面の少なくとも一部に巻き付けた状態で回転することによって前記不織布を搬送方向に搬送する、ことが望ましい。
このような伸縮性不織布の製造方法によれば、1対の第2ギアロールのうち外周面の外側に向かって凹となる歯を有するギアロールの外周面の一部に不織布を巻き付けて回転することにより、該不織布をスムーズに搬送することが可能となる。また、プレスロールとの間に不織布をしっかりと挟み込むことができるため、不織布を安定して搬送しつつ延伸することができる。
かかる伸縮性不織布の製造方法であって、前記1対の第2ギアロールのうち前記他方側のギアロールの歯の先端部の厚さは、前記1対の第2ギアロールのうち前記一方側のギアロールの歯の先端部の厚さよりも厚い、ことが望ましい。
このような伸縮性不織布の製造方法によれば、外周面の外側に向かって凹となる歯を有する他方側のギアロールの外周面にプレスロールを押し付ける際に、歯の先端が鋭利に形成されていないため、プレスロールの表面に歯の跡が付きにくい。これにより、プレスロールの搬送精度が悪化することを抑制しやすくなる。
かかる伸縮性不織布の製造方法であって、前記1対の第2ギアロールの歯は、それぞれ前記搬送方向と直行する方向であるCD方向に連続的に形成されている、ことが望ましい。
このような伸縮性不織布の製造方法によれば、搬送方向に隣り合って設けられた2つのギアロールの歯の間の領域に存在する全ての伸縮性繊維が搬送方向に延伸されやすくなる。これにより、不織布を構成している複数の伸縮性繊維のうち、延伸される繊維と延伸されない繊維とが発生し、均一な延伸効果が得られない等の問題を抑制しやすくなる。これにより、CD方向において伸縮性に偏りが少ない伸縮性不織布を製造することができる。
かかる伸縮性不織布の製造方法であって、前記1対の第2ギアロールの歯は、前記CD方向と平行な方向に沿って配置されている、ことが望ましい。
このような伸縮性不織布の製造方法によれば、搬送方向に隣り合う2つのギアロールの歯の間で、搬送方向に搬送される不織布が均一な力で延伸されやすくなるため、不織布に歪等が生じにくくなる。
かかる伸縮性不織布の製造方法であって、前記伸縮性不織布を構成する繊維は長繊維であり、2以上の前記長繊維同士が、複数の圧着点によって互いに圧着されている、ことが望ましい。
このような伸縮性不織布の製造方法によれば、伸縮性繊維が長繊維であることから、少なくとも一部は搬送方向に沿うように配置されやすく、不織布が搬送方向へ伸縮しやすくなる。また、複数の長繊維同士が複数の圧着点によって互いに圧着されていることにより、互いに伸縮性を及ぼし合い、不織布全体が良好な伸縮性を発現しやすくなる。
かかる伸縮性不織布の製造方法であって、前記第2加工工程は、前記搬送方向に隣り合う2つの前記圧着点の間の最短距離よりも広いピッチの歯を有する前記1対の第2ギアロールを用いて行われる、ことが望ましい。
このような伸縮性不織布の製造方法によれば、ギアロールの歯のピッチの間には、伸縮性繊維同士を圧着する圧着点が少なくとも1以上含まれる確率が高くなる。これにより、第2加工工程において、ギアロールの歯のピッチの間に含まれる圧着点が外れやすくなるため、不織布の搬送方向における伸縮性がより弱くなり、伸縮性不織布において低収縮領域を効率的に形成することができる。
===第1実施形態===
<伸縮性不織布の概要>
はじめに、本実施形態に係る伸縮性を有する不織布として伸縮性不織布1の概要について説明する。伸縮性不織布1は、不織布シートSに対して後述する延伸加工を施すことにより、所定の方向に伸縮性を発現させたものである。不織布シートSは、伸縮性を有する伸縮性繊維2と、当該伸縮性繊維2よりも収縮性の低い伸長性繊維3とが混合し、伸縮性繊維2及び伸長性繊維3の相互間が一定の間隔を置いて配置された多数の圧着点において、軟化又は溶融による自己融着によって接合されている潜在伸縮性不織布である。
図1は伸縮性不織布1の概略斜視図である。伸縮性不織布1は図1のように縦方向と、縦方向と交差する方向である横方向とを有し、縦方向に長い平面帯状のシート部材である。また、伸縮性不織布1の縦方向及び横方向とそれぞれ交差する方向を厚さ方向とする。伸縮性不織布1(不織布シートS)を構成する伸縮性繊維2は弾性的に伸縮可能な熱可塑性エラストマー製繊維であり、例えばウレタン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、等の繊維を使用することができる。具体的には、ポリウレタン系エラストマーを用いることができる。伸長性繊維3は伸長性を有しつつ実質的には非弾性で収縮しにくい熱可塑性樹脂製繊維であり、例えばポリプロピレン繊維やポリエチレン繊維などの単独繊維やポリプロピレンやポリエチレンからなる芯鞘構造の複合繊維などを使用することができる。具体的には、ポリオレフィン系樹脂であるポリプロピレンを用いることができる。これらの繊維が無作為に絡み合うことにより不織布シートSが構成されている。
そして、該不織布シートSに含まれる伸長性繊維3を塑性変形させたり、繊維同士の圧着点(接合点)を破壊したりすれば、伸縮性繊維2の弾性的な変形を阻害し難い構造に当該不織布シートSを変化させることができ、これにより、不織布シートSの伸縮性が発現し、伸縮性不織布1として使用可能な状態となる。不織布シートSの伸縮性を発現させる具体的な方法については、後で説明する。
本実施形態の伸縮性不織布1は縦方向、及び、横方向について伸縮性を有する。また、伸縮性不織布1は、縦方向に伸長させた際に強い収縮力を発現する高収縮領域HSと、高収縮領域HSと比較して縦方向に伸長させた際の収縮力が弱い低収縮領域LSとを、縦方向に沿って交互に有する(図1参照)。このように高収縮領域HSと低収縮領域LSとが縦方向に並んで配置されているため、不織布シートSを縦方向に伸長させた場合に、収縮しやすい部分と収縮しにくい部分とが存在することになる。したがって、高収縮領域HS及び低収縮領域LSの大きさや形成される範囲を適宜変更することにより、伸縮性不織布1を伸長状態にしたときの収縮力の大きさを調整することが可能となる。
<伸縮性不織布1の製造方法>
不織布シートSに伸縮性を付与して伸縮性不織布1を製造する方向について説明する。図2は、伸縮性不織布1を製造する製造装置100の構成について説明する図である。本実施系形態の製造装置100は、搬送機構CVと、加熱部110と、第1ギア加工部120と、延伸加工部130と、第2ギア加工部140と、シート部材張り合わせ部150とを有する。
搬送機構CVは、不織布シートSを所定の搬送経路に沿って連続して搬送する搬送部である。搬送機構CVとしては、例えば、搬送ローラーや、載置面たるベルト面に吸着保持機能を有したサクションベルトコンベア等が使用される。本実施形態の搬送機構CVにおいて、不織布シートSは縦方向に連なった連続シートとして所定の搬送方向へ搬送される。そして、不織布シートSが搬送方向(縦方向)に搬送される過程において、加熱加工や延伸加工等、後述する各種処理を施されることにより、伸縮性不織布1が製造される。以下の説明では、搬送される不織布シートSの連続シートのことを不織布連続シートSaと呼ぶ。
また、以下の説明では、製造装置100上に設定された上記の搬送方向のことを「MD方向」とも言う。このMD方向は、図1に示されるように、場所によってその方向が変化する。すなわち、不織布連続シートSaが搬送される方向は一定の方向であるとは限らない。また、MD方向と交差(直交)する方向の2方向のうちの一方を「CD方向」と言い、他方を「Z方向」と言う。CD方向は、不織布連続シートSaの幅方向と平行な方向であり、図2では、紙面を貫通する方向を向いている。また、Z方向は、不織布連続シートSaの厚さ方向と平行な方向である。
不織布1を製造する際には、先ず、不織布連続シートSaがロール状に巻き付けられた原反ロールから、不織布連続シートSaが繰り出される。繰り出された不織布連続シートSaは、搬送機構CVによってMD方向の上流側から下流側へ所定の搬送速度V1で搬送され、加熱部110が配置されている位置へ到達する。
加熱部110は、搬送される不織布連続シートSaを複数の加熱ローラーによって加熱する(加熱工程)。図2に示されるように、本実施形態の加熱部110は4つの加熱ローラー111〜114を有する。加熱ローラー111〜114は、平滑な外周面を有する円筒状の搬送ローラーであり、その外周面にはヒーターが設けられている。不織布連続シートSaは、シート状態で各加熱ローラー111〜114の外周面に略S字状に巻き付きながら、MD方向上流側の加熱ローラー111からMD方向下流側の加熱ローラー114へと搬送される。そして、加熱部110を搬送される過程で、各加熱ローラー111〜114の外周面と接触している間に、当該外周面に設けられたヒーターによって加熱される。
加熱ローラー111〜114の外周面に設けられたヒーターは、それぞれ発熱量を調整することにより、不織布連続シートSaの加熱温度を調節することが可能である。不織布連続シートSaを加熱する際の温度は、不織布連続シートSaの繊維構成によって異なるが、上述した熱可塑性のポリプロピレンが用いられる場合、ポリプロピレン繊維の融点に基づいてその融点以下の温度となるように調整される。例えば、不織布連続シートSaの温度は、ポリプロピレン繊維の融点以下であり、かつ、40℃以上にすることが好ましい。40℃以下では、繊維の伸長性が悪く強度が低下しやすく、また、ポリプロピレン繊維の融点以上になると、不織布連続シートSaの繊維が加熱ローラー111〜114等に貼り付いてしまったり、後述する延伸加工時に切断されてしまうおそれがあるからである。本実施形態では、加熱部110による加熱温度が50℃〜60℃となるように温度が調整されている。なお、加熱工程は必須の工程ではなく、加熱を行わない場合でも伸縮性不織布1を製造することは可能である。
不織布連続シートSaは、加熱部110によって加熱された後で、第1ギア加工部120によって1回目のギア延伸加工が施される(第1加工工程)。図3は、第1ギア加工部120の構成を表す概略側面図である。また、図4は、図3中の領域αについて拡大して示す図である。
第1ギア加工部120は、ガイドローラー121と、1対のギアロール125及び126(第1ギアロール)とを有する(図1参照)。ガイドローラー121は、MD方向において加熱部110と1対のギアロール125及び126との間に設けられ、CD方向に沿った回転軸回りに回転する複数の搬送ローラーによって構成される。ガイドローラー121の周速値V121は、上流工程から搬送される不織布連続シートSaの搬送速度値V1と概ね同値とされている。これにより、ガイドローラー121は、不織布連続シートSaを概ね伸長せずに、かつ、弛まない程度に張った状態でギアロール125及び126へと導くことができる。
ギアロール125及び126は、互いの外周面を対向させつつCD方向に沿った回転軸回りに回転する上下一対のロール機構である。ギアロール125の外周面には、それぞれ回転方向に沿って山部125mと谷部125vとが交互に形成されているとともに、各山部125m及び各谷部125vは、それぞれ、CD方向に延びて形成されている。なお、山部125m及び谷部125vはギアロール125のCD方向全体に形成されている必要は無く、ギアロール125の外周面でCD方向の一部の領域(例えば、不織布連続シートSaと当接する領域)のみに形成されていたり、CD方向に間欠的に形成されていたりするのであっても良い。また、ギアロール126の外周面にも同様の山部126mと谷部126vとが交互に形成されている。ギアロール125及び126が回転しているときには、一方のギアロール125の山部125mが他方のギアロール126の谷部126vに入り込むように互いの山部125mと谷部126vとが若干の隙間をもって噛み合うようになっている。そして、当該回転中に、1対のギアロール125及び126の間を不織布連続シートSaがMD方向に沿って通過する。
1対のギアロール125及び126の間を通過中の不織布連続シートSaは、一方のギアロール126において互いに隣り合う山部126m,126m同士と、その間の谷部126vに入り込む他方のギアロール125の山部125mとによって、三点曲げ状に変形される(図4参照)。このとき、不織布連続シートSaにおいて一方のギアロール126の山部126mの頂面と当接する部分Sa12は、当該頂面に概ね相対移動不能に当接するため、延伸されにくい。一方、隣り合う二つのSa12,Sa12同士の間の部分Sa11は、山部125mの入り込みに基づいて延伸される。その結果、不織布連続シートSaは、図4に示されるように、延伸された第1部分Sa11と、第1部分Sa11よりも延伸されていない第2部分Sa12とがMD方向に交互に並ぶように加工される。そして、第1部分Sa11の領域では、不織布連続シートSaを構成する伸長性繊維3が部分的に引き延ばされる。つまり、1対のギアロール125及び126の間を通過することにより、不織布連続シートSaにおいて、少なくとも一部の伸長性繊維3が伸長された状態となる。これにより伸長性繊維3は、伸縮性繊維2の弾性的な変形を阻害し得ない状態となり、不織布連続シートSaは伸縮性繊維2の弾性変形に基づいて伸縮性を発現する。
なお、ギアロール125において、谷部125vの回転方向の形成ピッチPv(谷部125vの頂面に相当する位置でのピッチPv)は、山部125mの回転方向の形成ピッチPm(山部125mの頂面でのピッチPm)と同値である。また、ギアロール125及び126でピッチPv、Pmはそれぞれ同値である。かかる山部125m(126m)の回転方向の形成ピッチPmは、例えば1.0mm〜5.0mmの範囲であることが望ましい。本実施形態では、Pm=2.72mmとしている。また、それぞれの歯の高さ(山部125mの頂面から谷部125vの頂面までの高さ)はピッチPm以上であることが好ましく、本実施形態では5.0mmである。また、山部125mと山部126mとの噛み合い高さは4.0mmである。
本実施形態では、前述の加熱工程において、不織布連続シートSaが予め加熱され、温度が高まっているため、伸長性繊維3は変形し易い状態となり、延伸されやすくなっている。これにより、第1加工工程における不織布連続シートSaの破断を防ぐことができる。なお、第1加工工程における延伸倍率は、他の諸条件に応じて適宜変更してもよい。
第1加工工程によって伸縮性を発現された後、不織布連続シートSaはMD方向下流側へ搬送され、延伸加工部130によってMD方向(縦方向)に延伸される(延伸工程)。延伸加工部130は、上流側ニップロール131と、下流側ニップロール132とを有する(図2参照)。上流側ニップロール131は、周速値を調整可能な上下1対のローラーであり、不織布連続シートSaを互いの外周面で挟み込みながら、所定の周速値V131で駆動回転することにより、同不織布連続シートSaをV131の搬送速度でMD方向の下流側へ搬送する。下流側ニップロール132は、上流側ニップロール131と同様の上下1対のローラーであり、所定の周速値V132で駆動回転することにより、不織布連続シートSaをV132の搬送速度でMD方向の下流側へ搬送する。
本実施形態では、上流側ニップロール131による不織布連続シートSaの搬送速度V131よりも、下流側ニップロール132による不織布連続シートSaの搬送速度V132の方が早くなるように各ニップロールの周速値が調整されている。これにより、延伸加工部130を通過した後の不織布連続シートSaは、所定の倍率でMD方向に延伸される。この延伸倍率は、不織布連続シートSaを構成する伸縮性繊維2の弾性限界に応じて決定される。具体的には、伸縮性繊維2が塑性変形を生じない程度に伸長した状態となるように延伸倍率が決定される。例えば、本実施形態で伸縮性繊維2としてポリウレタンを用いる場合、不織布連続シートSaの無負荷状態におけるMD方向長さを1.0としたときに、2.5倍程度の長さになるまでMD方向に延伸される。これにより、伸縮性繊維2は、破断しない程度に伸びきった状態となる。
延伸工程によって延伸された後、不織布連続シートSaはMD方向下流側へ搬送され、第2ギア加工部140によって、2回目のギア延伸加工が施される(第2加工工程)。図5は、第2ギア加工部140の構成を表す概略側面図である。第2ギア加工部140は、1対のギアロール145及び146(第2ギアロール)を有する。1対のギアロール145及び146は、第1ギア加工部120のギアロール125及び126と略同様に、互いの外周面を対向させつつCD方向に沿った回転軸回りに回転する上下一対のロール機構である。但し、第2ギア加工部140のギアロール145及び146は、外周面に歯が形成されている部分と形成されていない部分とを有する点で、第1ギア加工部120のギアロール125及び126と異なる。
図5のように、ギアロール145の外周面には、歯が形成された領域である歯面145tsと、歯が形成されていない領域である平滑面145fsとが交互に配置されている。そして、歯面145tsには、回転方向に沿って山部145mと谷部145vとが交互に形成されている。同様に、ギアロール146の外周面には、歯が形成された領域である歯面146tsと、歯が形成されていない領域である平滑面146fsとが交互に形成されている。そして、歯面146tsには、回転方向に沿って山部146mと谷部146vとが交互に形成されている。
第2ギア加工部140で、ギアロール145の歯面145ts及びギアロール146の歯面146tsは、互いに対向する位置に配置されている。これにより、ギアロール145及び146が回転すると互いの歯が噛み合うようになっている。また、ギアロール145の平滑面145fs及びギアロール146の平滑面146fsも互いに対向する位置に配置されている。そして、このような1対のギアロール145及び146の間を不織布連続シートSaがMD方向に沿って通過する。
不織布連続シートSaが平滑面145fs、及び146fsの間を通過する場合、当該領域には歯が形成されていないため、不織布連続シートSaは延伸されることなくそのままMD方向下流側へ通過する。すなわち、不織布連続シートSaのうち平滑面145fs、及び146fsの間を通過した領域は、第2ギア加工部140によって延伸されない領域である。この領域が、図1の高収縮領域HSとなる。
一方、不織布連続シートSaが歯面145ts、及び146tsの間を通過する場合、
不織布連続シートSaは、一方のギアロール146において互いに隣り合う山部146m,146m同士と、その間の谷部146vに入り込む他方のギアロール145の山部145mとによって、図4で説明したのと同様に三点曲げ状に変形される。その結果、延伸工程で弾性限界付近まで延伸されていた伸縮性繊維2は、不織布連続シートSaの無負荷状態の長さの4.0倍以上になるまでさらに延伸される。これにより、少なくとも一部の伸縮性繊維2が切断されて、図1の低収縮領域LSが形成される。低収縮領域LSでは、伸縮性繊維2の一部が切断されているため、伸縮性繊維2による収縮力が生じにくくなり、高収縮領域HSと比較してMD方向の収縮力が弱くなっている。
なお、第2ギア加工部140では、山部125mと山部126mとの噛み合い高さは1.5mmであり、第1ギア加工部120の1対のギアロール125、126における噛み合い高さ(4.0mm)と比較して噛み合いを浅くしている。これにより、伸縮性繊維2を破断させつつ、不織布連続シートSa自体が破断しないように、テンションを調整している。山部125m(126m)の高さや形状、ピッチは不織布連続シートSaを構成する繊維の種類等に応じて適宜変更される。また、図5では、ギアロール145(146)の外周面に歯面145ts(146ts)と平滑面145fs(146fs)とが交互に2つずつ形成されているが、当該外周面に形成される歯面や平滑面の数や配置も適宜変更可能である。
第2ギア加工部140によって一部の伸縮性繊維2が切断された不織布連続シートSaは、MD方向下流側においてシート部材張り合わせ部150によって、他のシート部材Sbと厚さ方向に張り合わされ接合される(張り合わせ工程)。シート部材張り合わせ部150は、接着剤塗布部151と、上下一対の張り合わせロール152を有する。接着剤塗布部151は、搬送される不織布連続シートSaの表面にホットメルト型接着剤等の接着剤を塗布する。張り合わせロール152は、所定の周速値V152で駆動回転することにより、不織布連続シートSaをV152の搬送速度でMD方向の下流側へ搬送しつつ、別途供給される他のシート部材Sbを、不織布連続シートSaで接着剤が塗布された側の面に張り合わせて接合する。
シート部材張り合わせ部150において、張り合わせロール152の周速値V152は、延伸加工部130の下流側ニップロール132の周速値V132と同値である。つまり、不織布連続シートSaは延伸工程で延伸された後は一定の速度でMD方向下流側へ搬送される。これにより、張り合わせロール152において不織布連続シートSaに対して他のシート部材Sbを張り合わせる際のタイミングを合わせやすくすることができる。なお、本張り合わせ工程は必須の工程ではなく、不織布連続シートSaと他のシート部材Sbとの貼り合わせが行われなくても良い。
本実施形態では、製造装置100を用いて上述の各工程を順次実行することにより、伸縮性不織布1が製造される。
<伸縮性不織布1の収縮特性について>
従来の伸縮性不織布では、上述した第1加工工程に相当するギア延伸加工によって高収縮領域HSのみが形成されていた。これに対して、本実施形態の伸縮性不織布1では、高収縮領域HSよりも収縮力の弱い低収縮領域LSを有することにより、収縮力の強い部分と弱い部分とが形成される。また、従来の伸縮性不織布と比較して、全体として収縮力を弱くすることもできる。そのため、吸収性物品(例えば後述する使い捨ておむつ)等の製品に使用した場合、必要な箇所に適正な収縮力を与えることができるようになる。以下、伸縮性不織布1の収縮特性について具体的に説明する。
まず、伸縮性不織布1で高収縮領域HSと低収縮領域LSとの構造の違いについて説明する。伸縮性不織布1では、伸縮性繊維2を伸長させた時に、該伸縮性繊維2が元の状態に戻ろうとする際の収縮力によって、伸縮性が発現される。本実施形態では、この伸縮性繊維2の状態が、高収縮領域HSと低収縮領域LSとで異なる。図6は、高収縮領域HSにおける伸縮性繊維2の状態について拡大して表した模式図である。図7は、低収縮領域LSにおける伸縮性繊維2の状態について拡大して表した模式図である。なお、伸縮性不織布1を構成する繊維のうち伸長性繊維1は上述の第1加工工程において延伸されることで伸長した状態となっている。そして、伸長性繊維1自体はほとんど収縮しないため、伸長状態の伸長性繊維1が伸縮性繊維2の収縮に影響を及ぼす可能性は低い。したがって、図6及び図7では説明の簡略化のため、伸長性繊維1については非表示としている。
高収縮領域HSでは、切断されていない状態の伸縮性繊維2同士が複数箇所で互いに圧着されることにより、図6に示されるような網目状の構造となっている。例えば、図6において伸縮性繊維2aと2bとは縦方向(MD方向)に沿って3か所の圧着点WPを有し、当該圧着点において互いに接合されている。なお、この圧着点WPは、不織布連続シートSaに対してエンボス加工等を施すことによって形成されたものである。
図6で伸縮性繊維2a及び2bが縦方向に伸長された場合、網目状構造を維持しながら互いの収縮力が作用し合うことによって、伸縮性繊維2a及び2bがそれぞれ単独で収縮を行う時と比較してより強い収縮力が発生する。そして、このような網目状の構造が高収縮領域HSの全領域に亘って形成されることにより、高収縮領域HSでは縦方向について大きな収縮力が発生する。また、当該網目構造によって、高収縮領域HSの伸縮性繊維2は横方向についても収縮力が発生するため、伸縮性不織布1は横方向にも伸縮可能となる。これにより、伸縮性不織布1の用途が広くなる。
一方、図7に示される低収縮領域LSでは、上述の第2加工工程によって一部の伸縮性繊維2が切断されているため、収縮力を発現可能な伸縮性繊維2の数量が少なくなっている。そのため、低収縮領域LS全体として発生する収縮力は相対的に弱くなる。さらに、伸縮性繊維2が縦方向の複数箇所で切断されている場合、収縮力が縦方向に伝達しにくくなるため、低収縮領域LSで発生する収縮力はより弱くなりやすい。つまり、低収縮領域LSでは、伸縮性繊維2が切断されることによって形成された切断端部CEが複数存在している。そして、低収縮領域LSに含まれる切断端部CEが多いほど、当該低収縮領域LSにおける収縮力が弱くなる。
本実施形態の伸縮性不織布1では、低収縮領域LSにおいて切断端部CEが形成されやすいのに対して、高収縮領域HSでは切断端部CEはほとんど形成されない。すなわち、低収縮領域LSの単位体積当たりに存在する切断端部CEの割合が、高収縮領域HSの単位体積当たりに存在する切断端部CEの割合よりも高くなっている。これにより、低収縮領域LSで生じる収縮力は高収縮領域HSで生じる収縮力よりも弱くなる。
なお、伸縮性不織布1には伸長性繊維1と伸縮性繊維2とが含まれているため、伸縮性繊維2の切断端部CEの数を測定する際には、伸縮性繊維2のみを染色して切断端部CEを目立ち易い状態にしてから、顕微鏡等を用いて観察を行うと良い。伸縮性繊維2を染色する染料としては、例えば、桂屋ファイングッズ製 コールダイオール等を用いることができる。当該染料は、ポリウレタン(伸縮性繊維2)を染色させる一方で、ポリプロピレン(伸長性繊維1)を染色させにくい性質を有する。このような染料を用いて伸縮性繊維2のみを染色することで、伸縮性繊維2の切断端部CEの数を必要に応じて効率的に測定することができる。
また、低収縮領域LSでは、伸縮性繊維2同士の圧着点WPが外れ、図7に示されるように、切断されていない伸縮性繊維2が縦方向に沿って配置された構造となっている。すなわち、伸縮性繊維2が縦配向(MD配向)となっている。例えば、図7において伸縮性繊維2cと2dとはそれぞれ縦方向(MD方向)に沿って略直線状に配置されている。この場合、伸縮性繊維2c,2dは、図6のような網目状構造を維持することができないため、複数の繊維間で収縮力が互いに作用し合うことはない。そのため、伸縮性繊維2が網目状構造を維持している高収縮領域HSと比較して、低収縮領域LSで発生する収縮力は相対的に弱くなりやすい。
つまり、本実施形態の伸縮性不織布1では、低収縮領域LSの単位体積当たりに存在する圧着点WPの割合が、高収縮領域HSの単位体積当たりに存在する圧着点WPの割合よりも低くなっている。これにより、低収縮領域LSで生じる収縮力は高収縮領域HSで生じる収縮力よりも弱くなる。
次に、高収縮領域HS及び低収縮領域LSにおいて実際に発生する収縮力の大きさについて説明する。「収縮力」の大きさは、「戻り応力」で表すことができる。「戻り応力」とは、被測定対象たるシート部材を所定の条件で伸長させたときに、元の状態に戻ろうとする力(すなわち収縮力)の大きさを測定した値である。
本実施形態における「戻り応力」の測定は、低速伸長型引張試験機(例えば、SHIMADZU製オートグラフ AG-1、以下単に「試験機」とも呼ぶ)を用いて行った。まず、伸縮性不織布1のMD方向、CD方向それぞれについて、長さ70mm、幅50mmのサンプル片を所定枚数ずつ採取する。試験機には所定の間隔を有する1対のチャック部(不図示)が備えられており、当該1対のチャック部でサンプル片を把持しつつ、チャック部の間隔を広げる方向にサンプル片を引っ張ることで、当該サンプル片を伸長させることができる。
まず、伸縮性不織布1から採取したサンプル片について、長さ方向の間隔が50mmとなるように試験機のチャック部により把持する。この状態で、チャック部の間隔が100mmになるまで、引っ張り速度100mm/minにて当該サンプル片を引っ張る。つまり、サンプル片を2倍の長さまで伸長させる。続いて、チャック部の間隔が50mmとなるようにサンプル片を戻し、再度100mmまで引っ張る。そして、チャック部の間隔が87.5mmの状態になるまで戻す。つまり、引っ張り動作を2回繰り返した後、サンプル片が元の長さの1.75倍の長さとなる状態で固定する。このときサンプル片が元に戻ろうとする力を測定して戻り応力として記録する(単位はN/50mmで表される)。なお、採取可能なサンプル片の大きさが70mm×50mmに満たない場合は、それよりも小さいサイズのサンプル片を用いて測定を行い、サンプル片の幅が50mmに相当するように換算することで戻り応力を算出する。
このようにして測定された戻り応力は、その値が大きいほど収縮力が強いことを表す。本実施形態では、伸縮性不織布1からMD方向(縦方向)、CD方向(横方向)についてそれぞれ3片ずつサンプルを採取して戻り応力の測定を行ったところ、高収縮領域HSにおけるMD方向の戻り応力の平均値は0.794(N/50mm)、CD方向の戻り応力の平均値は0.172(N/50mm)であった。また、低収縮領域LSにおけるMD方向の戻り応力の平均値は0.437(N/50mm)、CD方向の戻り応力の平均値は0.071(N/50mm)であった。この結果から、高収縮領域HSにおける戻り応力の方が、低収縮領域LSにおける戻り応力よりも大きいことが明らかとなった。つまり、伸縮性不織布1のMD方向(縦方向)において、低収縮領域LSで発生する伸縮力の方が高収縮領域HSで発生する伸縮力よりも小さくなっていることが分る。したがって、本実施形態の製造装置100を用いれば、良好な伸縮性を有しつつ、収縮力の高い領域と収縮力の低い領域とを有する伸縮性不織布1を製造することが可能である。
図8は、不織布の延伸倍率とMD方向の戻り応力との関係を表したグラフである。図8の横軸は、ギア延伸加工等によって延伸されたときのMD方向における伸縮性不織布1の延伸倍率を表し、縦軸は実際に測定されたMD方向の戻り応力を表している。図8のA点は、伸縮性不織布1が延伸されていない状態(延伸倍率1.0のときの状態)、すなわち、延伸加工が施される前の不織布連続シートSa(原反ロールの状態)についての戻り応力の大きさを表している。このとき、MD方向の戻り応力は約1(N/50mm)である。また、図8のB点は、伸縮性不織布1が3.3倍程度に延伸された状態、すなわち、第1ギア加工部120によって延伸されることによって形成された高収縮領域HSについての戻り応力の大きさを表している。また、図8のC点は、伸縮性不織布1が4.0倍程度に延伸された状態、すなわち、延伸加工部130によって延伸され、かつ、第2ギア加工部140によって延伸されることによって形成された低収縮領域LSについての戻り応力の大きさを表している。
本実施形態では、延伸加工部130によって延伸された不織布の一部の領域(低収縮領域LS)に対して、第2ギア加工部140によってさらにギア延伸加工を施すことにより、不織布において弾性限界を超えて切断される伸縮性繊維2の数が増加するため、当該領域における収縮力を小さくすることができる。その結果、図8に示されるように延伸倍率の増加とともに戻り応力値も降下し、戻り応力値を0.6(N/50mm)以下まで下げることが可能となる。なお、戻り応力が0.6(N/50mm)となるときの延伸倍率3.7倍は、第2ギア加工部140によってギア延伸加工を施すことによって実現可能な値である。
次に、CD方向(横方向)の戻り応力に対するMD方向(縦方向)の戻り応力の大きさ(以下、MD/CD比とも呼ぶ)について検討する。MD/CD比は、その値が大きいほど、MD方向の収縮力の影響が強いことを表している。すなわち、MD/CD比が大きいほど伸縮性繊維2の繊維配向がMD方向寄りになりやすいことを表している。
図9は、不織布の延伸倍率とMD/CD比との関係を表したグラフである。図9の横軸は伸縮性不織布1の延伸倍率を表し、縦軸は実際に測定されたMD方向の戻り応力を表している。また、上述した図8の場合と同様、図9のA点は延伸加工が施される前の不織布連続シートSa(原反ロールの状態)についての戻り応力の大きさを表している。図9のB点は高収縮領域HSについての戻り応力の大きさを表し、C点は低収縮領域LSについての戻り応力の大きさを表している。
延伸加工が施される前の不織布連続シートSa(図9のA点)では、MD/CD比が約3.0であるのに対して、高収縮領域HS(図9のB点)では、MD/CD比が4.62、低収縮領域LS(図9のC点)では、MD/CD比が6.15となっている。図8の場合とは逆に延伸倍率の増加とともにMD/CD比が増加し、低収縮領域LSにおけるMD/CD比は、高収縮領域HSにおけるMD/CD比よりも大きくなる。これは、延伸加工部130によって延伸された不織布の一部の領域(低収縮領域LS)に対して、第2ギア加工部140によってさらにギア延伸加工を施すことにより、低収縮領域LSにおいて繊維同士の圧着点が外れるため、伸縮性繊維2の繊維配向がMD方向寄りになりやすいためと考えられる。その結果、収縮領域LSにおけるMD/CD比は5.3以上の高い値を示す。なお、MD/CD比が5.3となるときの延伸倍率3.7倍は、第2ギア加工部140によってギア延伸加工を施すことによって実現可能な値である。
また、伸縮性不織布1の低収縮領域LSにおいて伸縮性繊維2が収縮する際に生じる歪の範囲は、高収縮領域HSにおいて伸縮性繊維2が収縮する際に生じる歪の範囲よりも大きくなる。例えば、上述の戻り応力測定において、戻り応力の測定後に解放されたサンプル片についてMD方向に発生する歪を測定すると、高収縮領域HSから採取されたサンプル片では7〜8%の歪が生じるのに対して、低収縮領域LSから採取されたサンプル片では15〜20%の歪が生じる。これは、低収縮領域LSでは伸縮性繊維2の網目状構造が維持されず、伸縮性繊維2の繊維配向がMD方向寄りになっているため(図7参照)、伸縮性繊維2の長手方向に歪が発生した場合にその歪の影響が直接MD方向に現れやすくなるためと考えられる。伸縮性繊維2のMD方向の歪が大きいということは、伸縮性繊維2がMD方向に収縮しにくいということを示しているため、このことからも、低収縮領域LSは高収縮領域HSよりも収縮力が弱くなっているということが分る。
<伸縮性不織布1の使用例>
伸縮性不織布1の具体的な使用方法の一例として、使い捨ておむつの外装材として伸縮性不織布1を使用する例について説明する。図10は、使い捨ておむつ5の概略斜視図である。図11は、展開状態の使い捨ておむつ5の概略平面図である。
使い捨ておむつ5(以下、単に「おむつ5」とも呼ぶ)は、着用者の股間部にあてがわれ尿等の排泄物を吸収する吸収性本体51(第1部品)と、着用者の腹側部を覆う腹側帯部材52(第2部品)と、着用者の背側部を覆う背側帯部材53(第3部品)と、の3つの部品によって構成される所謂3ピースタイプの使い捨ておむつである。図11の展開状態では、略平行に配置された腹側帯部材52と背側帯部材53との間に吸収性本体51が掛け渡された状態で固定されており、その外観形状は平面視略H形状をなしている。おむつ5の着用時には、吸収性本体51がその長手方向の中央部で二つ折りされ、互いに対向する腹側帯部材52と背側帯部材53とが、幅方向短縁部52e及び53eで互いに接合されることにより、図10に示されるような胴周り開口5HB及び一対の脚周り開口5HLが形成された着用状態のおむつ5となる。
このおむつ5では、腹側帯部材52及び背側帯部材53がおむつ5の幅方向に伸縮可能となるように、腹側帯部材52及び背側帯部材53の材料として伸縮性不織布が用いられる場合がある。これにより、胴周り開口5HBに伸縮性(収縮性)が付与され、おむつ5の着用時において着用者の胴回り(腰回り)に適度なフィット感を与えることができる。
ところで、図11及び、図10に示されるように、おむつ5の腹側部において、腹側帯部材52が幅方向に内側に収縮すると、腹側帯部材52と接合されている吸収性本体51も幅方向内側に収縮する。吸収性本体51が収縮すると、当該収縮分だけ着用者の肌を覆う領域の面積が減少する。特に、吸収性本体51の腹側部において尿を吸収する部分の面積が減少すると、尿漏れ等の問題が生じるおそれがある。したがって、腹側帯部材52では、収縮力の強さを調整して吸収性本体51が幅方向内側に収縮してしまうことを抑制する必要がある。
そこで、おむつ5の腹側帯部材52として本実施形態の伸縮性不織布1を用いる。具体的には、伸縮性不織布1の縦方向がおむつ5の幅方向と揃うように伸縮性不織布1をおむつ5の腹側に配置する。上述したように伸縮性不織布1は、伸縮性を有しつつ、高収縮領域HSと低収縮領域LSとを有することにより、全体として収縮力を弱くすることが可能である。特に、腹側帯部材52として伸縮性不織布1を使用して低収縮領域LSと吸収性本体51とが重なるように配置することにより、吸収性本体51が幅方向内側に収縮するのを効果的に抑制することができる。また、伸縮性不織布1で、高収縮領域HSと低収縮領域LSとが形成される範囲を変更することで、収縮性の強さを調整することができる。これにより、吸収性本体51の収縮を抑制しつつ、おむつ5の胴周り開口5HBに適度な伸縮性を付与することで、着用者に快適なフィット感を与えることができる。また、他の部位についても、縮めたくない領域に低収縮領域LSを配置すれば、全体として伸縮性を有しつつ、縮めたくない領域は縮めないように製品を構成することができる。
===第2実施形態===
続いて、第2実施形態の製造装置200を用いて、伸縮性不織布1を製造する方向について説明する。図12は、伸縮性不織布1を製造する製造装置200の構成について説明する図である。製造装置200は、搬送機構CVと、加熱部210と、第1ギア加工部220と、第2ギア加工部240と、シート部材張り合わせ部250とを有する。
製造装置200では、第1実施形態の製造装置100と比較して第2ギア加工部240の構成が異なる。また、製造装置200には延伸加工部130が設けられていない。その他の基本的な構成・機能は、製造装置100と略同様であるため、ここでは説明を省略する。以下、第2ギア加工部240について説明する。
製造装置200の第2ギア加工部240は、第1実施形態における延伸工程及び第2加工工程に相当する加工を行う機構である。第2ギア加工部240は、駆動ロール241と、プレスロール242と、1対のギアロール245及び246(第2ギアロール)とを有する。
駆動ロール241は、周速値を調整可能な上下1対のローラーであり、不織布連続シートSaを互いの外周面で挟み込みながら、所定の周速値V241で駆動回転することにより、同不織布連続シートSaをV241の搬送速度でMD方向の下流側へ搬送する。搬送速度V241の大きさは、第1ギア加工部220による不織布連続シートSaの搬送速度V221以上であり、例えば、V221の115%程度の大きさが望ましい。搬送速度V241を搬送速度V221よりも大きくすることにより、不織布連続シートSaは、第1ギア加工部220と駆動ロール241との間でMD方向にわずかに伸長される。第1ギア加工部220における第1加工工程で不織布連続シートSaがMD方向に伸縮性を発現しているため、搬送中によれが発生するおそれがある。これに対して、駆動ロール241による搬送速度を調整して不織布連続シートSaにMD方向の張力を作用させることにより、不織布連続シートSaをMD方向に張った状態で搬送させ、該不織布連続シートSaの搬送中によれが発生することを抑制することができる。但し、搬送速度V241の大きさは上述の限りでなく、V221と同等の大きさでもよいし、V221の115%よりも大きくても良い。
なお、このような搬送速度の関係は第1実施形態にも当てはまる。すなわち、第1実施形態の上流側ニップロール131における搬送速度V131を、第1ギア加工部120における搬送速度V121以上としてもよい。不織布連続シートSaにMD方向の張力をかけながら搬送するようにすることで、伸縮性が発現した不織布連続シートSaの搬送時におけるよれの発生を抑制しやすくなる。
プレスロール242は、駆動ロール241よりもMD方向の下流側に設けられ、後述するギアロール246の外周面に不織布連続シートSaを押し付けながら回転する。ギアロール246は所定の周速値V242で回転しており、不織布連続シートSaは、プレスロール242との間に挟み込まれた状態でV242の搬送速度でMD方向の下流側へ搬送される。プレスロール242における搬送速度V242は、駆動ロール241における搬送速度V241よりも速く、本実施形態では第1ギア加工部220による搬送速度V221の255%程度の速さとなるように調整されている。したがって、不織布連続シートSaは、駆動ロール241による搬送速度V241とプレスロール242による搬送速度V242との周速差に基づいてMD方向に延伸され(延伸工程)、伸縮性繊維2は、塑性変形を生じない程度(破断しない程度)に伸びきった状態となる。
このようなプレスロール242を設けることにより、第1実施形態における延伸加工部130(図2参照)を設けることなく、不織布連続シートSaを延伸させることが可能となり、第1加工工程と第2加工工程との間の搬送距離を第1実施形態よりも短くすることができる。これにより、製造装置200をコンパクトに構成することができる。また、搬送距離が短くなることにより、不織布連続シートSaがMD方向に過度に伸ばされることが抑制され、不織布連続シートSaがCD方向(幅方向)に縮み難くなる。さらに、プレスロール242を用いて延伸工程が行われたすぐ後に、ギアロール245,246を用いた第2加工工程が行われるため(図12参照)、延伸工程で弾性限界付近まで延伸された伸縮性繊維2の一部を第2加工工程で効率よく切断することができる。
本実施形態において、プレスロール242のCD方向の幅W242は不織布連続シートSaのCD方向の幅WSaよりも広くなっている(W242>WSa、後述する図17参照)。また、プレスロール242の外周面はシリコーンゴム等の滑りにくい素材で形成され、第2ギアロール246の半径方向の中心軸の向きに(すなわち外周面の接線方向と垂直な方向に)一定の力で押し付けられる。これにより、不織布連続シートSaの全幅を第2ギアロール246の外周面に滑ることなく押し付けながら搬送することができ、不織布連続シートSaを正確に延伸させることができる。
1対のギアロール245及び246は、互いの外周面を対向させつつCD方向に沿った回転軸回りに回転する上下一対のロール機構である。図13は、ギアロール245の構成について説明する概略図である。図14は、ギアロール246の構成について説明する概略図である。図15は、図13中の領域Xについて表す図である。図16は、図14中の領域Yについて表す図である。
1対の第2ギアロールのうち、一方側のギアロール245は、第1実施形態のギアロール145と略同様に、外周面の外側に凸となるように複数の歯が形成された領域である歯面245tsと、歯が形成されていない領域である平滑面245fsとが交互に配置されている。ギアロール245のCD方向の幅W245は不織布連続シートSaのCD方向の幅WSaよりも広くなっている(W245>WSa)。図15に示されるように、歯面245tsには、回転方向に沿って山部245mと谷部245vとが交互に形成されている。ギアロール245の複数の歯(山部245m及び谷部245v)はそれぞれCD方向に沿って連続的に形成されており、山部245m(谷部245v)のCD方向の幅W245mは、不織布連続シートSaのCD方向の幅WSaよりも狭くなっている(WSa>W245m)。また、ギアロール245の歯の先端部の厚さt245m(山部245mの先端部のMD方向の幅)は0.2mm程度である。また、ギアロール245は、ヒーター等の加熱装置によって歯面245tsを所定の温度(例えば120℃程度)に加熱することができるようになっている。ギアロール245の歯を加熱する理由については後で説明する。
また、1対の第2ギアロールのうち、他方側のギアロール246は、外周面の外側に凹となるように複数の歯が形成された領域である歯面246tsと、歯が形成されていない領域である平滑面246fsとが交互に配置されている。本実施形態で、歯面246tsに形成される歯が外周面の外側に凹となる状態とは、図16に示されるように、歯の谷部246vの底がギアロール246の外周面よりも内側(ギアロール246の中心軸側)に形成され、歯の山部246mの先端部がギアロール246の外周面と同じ位置に形成される状態である。言い換えると、ギアロール246の中心から歯の谷部246vの底までの距離はギアロール246の半径よりも小さく、ギアロール246の中心から歯の山部246mの先端までの距離はギアロール246の半径とほぼ等しい。
ギアロール245の歯面245ts及びギアロール246の歯面246tsは、等ピッチPmで形成され、互いに対向する位置に配置されており、ギアロール245及び246が回転すると互いの歯が噛み合い、歯面245ts及び歯面246tsの間を不織布連続シートSaがMD方向に沿って通過する。不織布連続シートSaは、歯面245ts及び246tsの間を通過した部分において図4で説明したように三点曲げ状に変形され、延伸される(第2加工工程)。すなわち、弾性限界付近まで延伸されていた伸縮性繊維2がさらに延伸されることにより、不織布連続シートSaを構成する複数の伸縮性繊維2のうち少なくとも一部の伸縮性繊維2が切断されたり、伸縮性繊維2同士を圧着していた圧着点が外れたりして、図1の低収縮領域LSが形成される。
製造装置200において、ギアロール246は不織布連続シートSaをMD方向に搬送する機能を有している。すなわち、図12に示されるように、ギアロール246の外周面の一部に不織布連続シートSaを巻き付けて回転することにより、不織布連続シートSaを回転方向に搬送する。そのため、第2実施形態におけるギアロール246の歯は外周面の外側に凹となっており、当該歯の山部246mの先端部がギアロール246の外周面よりも外側に突出しないように構成されている。このような構成により、外周面に巻き付けた不織布連続シートSaをスムーズに搬送することが可能となる。また、ギアロール246の歯が外周面の外側に突出していないことにより、プレスロール242との間に不織布連続シートSaを挟み込んで十分に延伸することが可能となっている。仮に、外周面の外側に凸となる歯を有するギアロール245とプレスロール242との間に不織布連続シートSaを挟み込んで搬送しようとすると、プレスロール242が回転する際にその外周面がギアロール245の歯(山部245m)の先端部とのみ接触する状態が発生する。この場合、ギアロール245の歯面246tsの歯と歯の間(隣り合う2つの山部245mの間)でプレスロール242がバウンドするような挙動を示し、不織布連続シートSaが滑りやすくなる。これに対して、外周面の外側に凹となる歯を有するギアロール246とプレスロール242との間に不織布連続シートSaを挟み込んで搬送すれば、プレスロール242の外周面がギアロール246の歯(山部246m)の先端部とのみ接触している状態は生じない。すなわち、プレスロール242の外周面は少なくともギアロール246の外周面の一部に常に押し付けられているため、不織布連続シートSaが滑りにくくなり、不織布連続シートSaをMD方向に安定して搬送しながら延伸することができる。
なお、第2ギア加工部240では、ギアロール246の一部に不織布連続シートSaを巻き付けて搬送するために、駆動ロール241における不織布連続シートSaの接触位置(一対の駆動ロール241が不織布連続シートSaを挟み込む位置)の高さと、ギアロール246における不織布連続シートSaの接触位置(ギアロール245とギアロール246とが不織布連続シートSaを挟み込む位置)の高さとをずらして配置している。図12では、駆動ロール241の位置が低く、ギアロール246の位置が高くなるようにそれぞれのロールが配置されている。これにより、駆動ロール241とギアロール246との間において不織布連続シートSaに縦方向のテンションが生じ、同不織布連続シートSaにはギアロール246の外周面の外側から内側に向かう力が作用する。したがって、ギアロール246の外周面に不織布連続シートSaをずれなく巻き付けながら搬送することができるようになる。
図17は、第2ギア加工部240のCD方向の幅の関係について説明する概略図である。ギアロール246のCD方向の幅W246は、不織布連続シートSaのCD方向の幅WSaよりも広く(W246>WSa)、ギアロール245のCD方向の幅W245とほぼ同じ大きさである。山部246m及び谷部246vはCD方向に沿って連続的に形成されており、ギアロール246の山部246mのCD方向の幅W246mは、不織布連続シートSaのCD方向の幅WSaよりも狭く、かつ、ギアロール245の山部245mのCD方向の幅W245mよりも広くなっている(WSa>W246m>W245m)。これにより、CD方向について、不織布連続シートSaの幅WSaのうちギアロール245の歯が配置されているW245mの範囲が延伸される。このとき、WSa>W246mであることから、不織布連続シートSaのCD方向の両端部(図17の斜線部)は、搬送時においてギアロール245及びギアロール246の外周面によって常に挟み込まれた状態となっている。これにより、不織布連続シートSaが搬送中にずれにくくなる。そして、不織布連続シートSaが歯面245ts及び歯面246tsの間をずれなく通過することにより、伸縮性繊維2がしっかりと延伸される。
また、本実施形態において、ギアロール246の歯の先端部の厚さt246m(山部246mの先端部のMD方向の幅)は0.5mm程度である。つまり、ギアロール246の歯の先端部の厚さt246mは、ギアロール245の歯の先端部の厚さt245m(0.2mm)よりも厚くなっている(t246m>t245m)。これは、ギアロール246の外周面にプレスロール242を押し付ける際に、プレスロール242の外周面が傷つくのを抑制するためである。不織布連続シートSaを挟み込んだ状態で、プレスロール242がギアロール246の外周面に押しつけられたとき、ギアロール246の歯の先端部が細いと(すなわち、歯が鋭利であると)シリコーンゴム等で形成されたプレスロール242の外周面に当該歯の跡が付きやすくなり、搬送精度が徐々に悪化して行くおそれがある。そこで、プレスロール242と当接する側であるギアロール246の歯の先端部を、プレスロール242と当接しない側であるギアロール245の歯の先端部よりも厚くすることにより、プレスロール242の外周面に歯の跡が付きにくいようにしている。
===第2加工工程について===
製造装置100(第1実施形態)及び製造装置200(第2実施形態)は、第2加工工程において、不織布連続シートSaを延伸させて伸縮性繊維2の一部を切断したり圧着点を外したりする動作を精度よく行うために、上述の各実施形態で説明した構成に加えて、以下のような特徴を有している。
<ギアロールの加熱>
第2加工工程では、不織布連続シートSaを構成する伸縮性繊維2及び伸長性繊維3のうち、伸縮性繊維2の一部を切断することにより、図1の低収縮領域LSを形成している。このとき、伸長性繊維3を切断することなく、伸縮性繊維2のみを切断できることが望ましい。そのため、第2ギア加工部140,240において、搬送される不織布連続シートSaに対して熱を加えることにより、伸長性繊維3を伸びやすくして切断されにくくすると共に、伸縮性繊維2の一部の構造を劣化させ切断されやすくする。
第1実施形態の製造装置100では、第2ギア加工部140の1対のギアロール145及び146のうち少なくとも一方を所定の温度まで加熱した状態で不織布連続シートSaの延伸(第2加工工程)を行う。具体的には、ギアロール145の歯面145ts及びギアロール146の歯面146tsのうち少なくとも一方の温度を、常温よりも高く、かつ、伸長性繊維3の融点よりも低くなるように加熱する。加熱は、外部に設けられたヒーターによって行われても良いし、ギアロール145及び146自体に設けられたヒーターによって行われても良い。
不織布連続シートSaは、ギアロール145及び146の間を通過する際に加熱されることにより、伸長性繊維3が熱によって伸びやすくなり第2加工工程において切断されにくくなる。一方、伸縮性繊維2は、上述したような熱可塑性エラストマー(例えばTPU:熱可塑性ポリウレタン)繊維であるため、伸長性繊維3と比較して耐熱性が低く、加熱されることによって歪が生じたり、劣化したりして切断されやすくなる。これにより、第2ギア加工部140において伸長性繊維3を切断することなく一部の伸縮性繊維2を効率よく切断することが可能となる。また、不織布連続シートSa自体が搬送中に切断されてしまうことを抑制することができるようになる。ギアロール145,146を加熱する際の温度は、伸長性繊維3の融点(約200℃)より低い温度のうち、なるべく高い温度とすることが望ましく、第1実施形態では、例えば120℃程度までギアロールを加熱している。
第2実施形態の製造装置200では、第2ギア加工部240の1対のギアロール245及び246のうち、外周面の外側に凸となった歯を有するギアロール245を所定の温度まで加熱した状態で不織布連続シートSaの延伸(第2加工工程)を行う。ギアロール245の加熱方法や加熱温度の条件は、第1実施形態の場合と同様である。これにより、不織布連続シートSaを構成する伸長性繊維3は伸びやすく切断されにくくなり、伸縮性繊維2の少なくとも一部が切断されやすくなる。
なお、上述したように第2実施形態の第2ギア加工部240では、外側に凹となった歯を有するギアロール246の外周面の一部に不織布連続シートSaを巻き付けながら搬送を行う。その際、ギアロール246が加熱されていると、ギアロール246の周面と不織布連続シートSaとの接触面積が大きいため、不織布連続シートSaの全体が加熱されやすくなり、伸縮性繊維2の歪が過度に大きくなる等の問題が生じやすくなる。そのため、第2実施形態では、1対のギアロール245及び246のうちギアロール245側のみを加熱して、ギアロール246は加熱しないようにしている。
<ギアロールの歯の配置>
第2加工工程で用いられるギアロール145,146(第1実施形態)及びギアロール245,246(第2実施形態)の歯は、それぞれCD方向に連続的に形成されている。すなわち、各々の歯の山部145m,146m,245m,246mがCD方向に所定の幅を有するように形成されている。各ギアロールの歯がCD方向に連続的に形成されているため、不織布連続シートSaのCD方向(幅方向)の広範囲に亘って伸縮性繊維2を効率的に延伸させることができる(図17参照)。
図18は、第2加工工程で行われる伸縮性繊維2の延伸について説明する図である。同図18では、不織布連続シートSaを構成する複数の伸縮性繊維2c〜2gが互いに絡み合いながら圧着された状態の拡大図を模式的に表している。複数の伸縮性繊維2のうち、伸縮性繊維2cと伸縮性繊維2dとは圧着点WP1にて互いに圧着している。同様に、伸縮性繊維2d及び2eは圧着点WP2によって互いに圧着され、伸縮性繊維2e及び2fは圧着点WP2によって互いに圧着され、伸縮性繊維2f及び2gは圧着点WP4によって互いに圧着されているとする。なお、不織布連続シートSaを構成する伸縮性繊維2は長繊維であり、少なくとも一部はMD方向に沿うように配置されるため、MD方向へ伸縮しやすくなっている。さらにそのような長繊維同士が圧着点WPによって圧着されていることにより、互いに伸縮性を及ぼし合い、不織布連続シートSa全体としてMD方向について良好な伸縮性を発現する。
このような不織布連続シートSaをMD方向に延伸する際に、MD方向に隣り合って設けられた2つのギアロールの歯が、CD方向に連続的に形成されていれば、当該2つの歯の間の領域に存在する全ての伸縮性繊維2がMD方向に延伸される。例えば、図18の山部145m1及び山部145m2の間のピッチPmの間の領域において伸縮性繊維2c〜2g及び、圧着点WP1〜WP4の全体がMD方向に延伸される。これに対して、仮に、ギアロールの歯がCD方向に断続的に形成されていた場合、複数の伸縮性繊維2のうち、延伸される繊維と延伸されない繊維とが発生し、均一な延伸効果が得られないおそれがある。例えば、図18において山部145m1及び山部145m2がCD方向においてそれぞれ伸縮性繊維2c及び2dと重複し、伸縮性繊維2e及び2fと重複していないとすると、伸縮性繊維2c及び2dはMD方向に延伸されるが、伸縮性繊維2e及び2fは延伸されない。この場合、CD方向の領域によって不織布連続シートSaの伸縮性に差が生じたり、不織布連続シートSaに歪が発生したりするおそれがある。したがって、第2加工工程で用いられる各ギアロール145,146,245,246の歯は、それぞれCD方向に連続的に形成されていることが望ましい。
さらに、ギアロールの歯(山部145m1及び山部145m2)はCD方向に平行に配置されている。言い換えると、不織布連続シートSaの搬送方向(MD方向)と垂直な方向に配置されている。このような配置であれば、MD方向に隣り合う2つのギアロールの歯の間で、不織布連続シートSaをMD方向に沿って正確に延伸することができる。例えば、図18の伸縮性繊維2c〜2gは、MD方向の同じ領域(山部145m1と山部145m2との間の領域)において均一な力でMD方向に延伸されるため、不織布連続シートSaに歪等が生じにくくなる。但し、ギアロールの歯は、必ずしもCD方向と平行な方向に配置されている必要は無く、例えばCD方向に対して所定の角度を有するように斜めに配置されていても延伸加工を施すことは可能である。
また、各ギアロールでMD方向に隣り合って配置される2つの歯のMD方向の間隔(ピッチ)は、伸縮性繊維2同士を圧着する圧着点WPのMD方向のピッチよりも広くなっている。このような構成であれば、第2加工工程において、第2ギアロールの歯のピッチの間には、伸縮性繊維2同士を圧着する圧着点WPが少なくとも1以上含まれる確率が高くなる。図18では、山部145m1と山部145m2との間のピッチPm(MD方向の距離)は、圧着点WP1と圧着点WP2との間のMD方向の最短距離Pwpよりも広くなっており(P1>Pwp)、ギアロールの歯の間に4つの圧着点WP1〜WP4が含まれている。この状態でPmの領域がMD方向に延伸されると、伸縮性繊維2同士を圧着していた圧着点WP1〜WP4が外れやすくなるため、MD方向の伸縮性が弱くなり、図1の低収縮領域LSが形成されやすくなる。
一方、2つの歯のMD方向の間隔(図18においてPm)が圧着点WPのMD方向の間隔(図18においてPwp)以下であると(Pm≦Pwp)、2つの歯の間に伸縮性繊維2同士を圧着する圧着点WPが含まれなくなる可能性がある。この場合、Pmの領域がMD方向に延伸されたとしても当該領域に圧着点WPが存在しないため、伸縮性繊維2同士が圧着されたままとなり、上述の場合と比較してMD方向の伸縮性は弱くなり難い。したがって、製造装置100及び製造装置200では、ギアロールの歯のMD方向の間隔が、伸縮性繊維2同士を圧着する圧着点WPのMD方向のピッチよりも広くなるようにしている。
なお、上述の実施形態において、圧着点WPは不織布連続シートSaに対してエンボス加工等を施すことによって形成されるため、圧着点WPのMD方向の最短距離Pwpの大きさと第2ギアロールの歯のピッチPmの大きさとを調整することが可能である。
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
上述の実施形態では、第1ギア加工部120、及び、第2ギア加工部140に備えられた1対のギアロールについて、図4や図6を用いて説明されていたが、ギアの形状や大きさはこの限りではない。例えば、1対のギアロールのうち、一方のギアロールの外周面には凸部が形成されており、他方のギアロールの外周面には当該凸部に対応した溝部(凹部)が形成されており、凸部と溝部とが噛み合うことで、その間を通過する不織布シートを延伸させるような構造であっても良い。また、それぞれのギアロールに形成されている歯の高さや噛合いの長さを変更することによって、不織布の延伸倍率が調整されるようにしても良い。
上述の実施形態では、伸縮性不織布1の使用例として、3ピースタイプのおむつ5について説明されていたが、伸縮性不織布1の使用例はこの限りではない。例えばパンツ型の使い捨ておむつや、ナプキン、おりものシート等、不織布を用いた吸収性物品全般に伸縮性不織布1を使用することができる。
1 伸縮性不織布、
2 伸縮性繊維、2a〜2g 伸縮性繊維、
3 伸長性繊維、
5 使い捨ておむつ(おむつ)、
51 吸収性本体、
52 腹側帯部材、52e 幅方向短縁部、
53 背側帯部材、53e 幅方向短縁部、
5HB 胴周り開口、5HL 脚周り開口、
100 製造装置、
110 加熱部、
111〜114 加熱ローラー、
120 第1ギア加工部、
121 ガイドローラー、
125 ギアロール、125m 山部、125v 谷部、
126 ギアロール、126m 山部、126v 谷部、
130 延伸加工部、
131 上流側ニップロール、132 下流側ニップロール、
140 第2ギア加工部、
145 ギアロール、
145ts 歯面、145m 山部、145m1・145m2 山部、145v 谷部、
145fs 平滑面、
146 ギアロール、
146ts 歯面、146m 山部、146v 谷部、
146fs 平滑面、
150 シート部材張り合わせ部、
151 接着剤塗布部、152 張り合わせロール、
200 製造装置、
210 加熱部、
211〜214 加熱ローラー、
220 第1ギア加工部、
221 ガイドローラー、
225 ギアロール、
226 ギアロール、
240 第2ギア加工部、
241 駆動ロール、
242 プレスロール、
245 ギアロール、
245ts 歯面、245m 山部、245v 谷部、
245fs 平滑面、
246 ギアロール、
246ts 歯面、246m 山部、246v 谷部、
246fs 平滑面、
250 シート部材張り合わせ部、
251 接着剤塗布部、252 張り合わせロール、
CV 搬送機構、
HS 高収縮領域、LS 低収縮領域、
S 不織布シート、Sa 不織布連続シート、Sb 他のシート部材、
WP 圧着点、CE 切断端部

Claims (12)

  1. 伸縮性を有する伸縮性繊維と、前記伸縮性繊維よりも収縮性の低い伸長性繊維とを含む不織布を搬送方向に搬送する搬送工程と、
    前記不織布を1対の第1ギアロール間に通過させることで延伸させ、少なくとも一部の前記伸長性繊維を伸長させる第1加工工程と、
    前記第1加工工程の後で、前記不織布を前記搬送方向に延伸させる延伸工程と、
    前記延伸工程の後で、前記不織布を、周面に歯が形成されている部分と形成されていない部分とを有する1対の第2ギアロール間に通過させることで延伸させ、少なくとも一部の前記伸縮性繊維を切断する第2加工工程と、
    を有する、ことを特徴とする伸縮性不織布の製造方法。
  2. 請求項1に記載の伸縮性不織布の製造方法であって、
    前記1対の第2ギアロールのうち、少なくとも一方のギアロールを前記伸長性繊維の融点よりも低い温度に加熱する、ことを特徴とする伸縮性不織布の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の伸縮性不織布の製造方法であって、
    前記1対の第2ギアロールの歯は、いずれも周面の外側に向かって凸となるように形成されている、ことを特徴とする伸縮性不織布の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の伸縮性不織布の製造方法であって、
    前記1対の第2ギアロールのうち、一方側のギアロールの歯は周面の外側に向かって凸となるように形成されており、
    前記1対の第2ギアロールのうち、他方側のギアロールの歯は周面の外側に向かって凹となるように形成されている、ことを特徴とする伸縮性不織布の製造方法。
  5. 請求項4に記載の伸縮性不織布の製造方法であって、
    前記1対の第1ギアロールと前記1対の第2ギアロールとの前記搬送方向の間に設けられた1対の駆動ロールによって、前記前記不織布を所定の速度で前記搬送方向に搬送し、
    前記1対の駆動ロールよりも前記搬送方向の下流側に設けられたプレスロールによって、前記不織布を、前記1対の第2ギアロールのうち前記他方側のギアロールの外周面に押し付けながら前記不織布を前記所定の速度よりも速い速度で前記搬送方向に搬送することにより、
    前記不織布を前記搬送方向に延伸させる、ことを特徴とする伸縮性不織布の製造方法。
  6. 請求項4または5に記載の伸縮性不織布の製造方法であって、
    前記1対の第2ギアロールのうち前記一方側のギアロールを前記伸長性繊維の融点よりも低い温度に加熱する、ことを特徴とする伸縮性不織布の製造方法。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載の伸縮性不織布の製造方法であって、
    前記1対の第2ギアロールのうち前記他方側のギアロールは、前記不織布を、周面の少なくとも一部に巻き付けた状態で回転することによって前記不織布を搬送方向に搬送する、ことを特徴とする伸縮性不織布の製造方法。
  8. 請求項4〜7のいずれかに記載の伸縮性不織布の製造方法であって、
    前記1対の第2ギアロールのうち前記他方側のギアロールの歯の先端部の厚さは、
    前記1対の第2ギアロールのうち前記一方側のギアロールの歯の先端部の厚さよりも厚い、ことを特徴とする伸縮性不織布の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の伸縮性不織布の製造方法であって、
    前記1対の第2ギアロールの歯は、それぞれ前記搬送方向と直行する方向であるCD方向に連続的に形成されている、ことを特徴とする伸縮性不織布の製造方法。
  10. 請求項9に記載の伸縮性不織布の製造方法であって、
    前記1対の第2ギアロールの歯は、前記CD方向と平行な方向に沿って配置されている、ことを特徴とする伸縮性不織布の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の伸縮性不織布の製造方法であって、
    前記伸縮性不織布を構成する繊維は長繊維であり、
    2以上の前記長繊維同士が、複数の圧着点によって互いに圧着されている、ことを特徴とする伸縮性不織布の製造方法。
  12. 請求項11に記載の伸縮性不織布の製造方法であって、
    前記第2加工工程は、
    前記搬送方向に隣り合う2つの前記圧着点の間の最短距離よりも広いピッチの歯を有する前記1対の第2ギアロールを用いて行われる、ことを特徴とする伸縮性不織布の製造方法。
JP2015248236A 2014-12-26 2015-12-21 伸縮性不織布の製造方法 Active JP6357462B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2015/085667 WO2016104422A1 (ja) 2014-12-26 2015-12-21 伸縮性不織布の製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014265424 2014-12-26
JP2014265424 2014-12-26

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016125188A JP2016125188A (ja) 2016-07-11
JP6357462B2 true JP6357462B2 (ja) 2018-07-11

Family

ID=56358981

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015248236A Active JP6357462B2 (ja) 2014-12-26 2015-12-21 伸縮性不織布の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6357462B2 (ja)
CN (1) CN107109734B (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7154968B2 (ja) * 2018-11-15 2022-10-18 花王株式会社 吸収性物品
CN115279960B (zh) * 2020-03-13 2024-06-18 尤妮佳股份有限公司 伸缩性无纺布以及其制造方法和使用该伸缩性无纺布的口罩以及吸收性物品
CN112144292B (zh) * 2020-09-22 2022-10-18 荣新(唐山)涂料有限公司 一种软片真石漆连续生产工艺
EP4331544A1 (en) * 2021-05-24 2024-03-06 Zuiko Corporation Method of manufacturing article of clothing and article of clothing

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3561477B2 (ja) * 2001-03-16 2004-09-02 大王製紙株式会社 伸縮性シートの製造方法
US8647553B2 (en) * 2005-04-25 2014-02-11 Kao Corporation Stretch sheet and process of producing the same
JP4749285B2 (ja) * 2006-09-05 2011-08-17 花王株式会社 伸縮性シートの製造方法
JP4749286B2 (ja) * 2006-09-05 2011-08-17 花王株式会社 伸縮性シートの製造方法
US7824594B2 (en) * 2007-11-19 2010-11-02 The Procter & Gamble Company Process for activating a web
JP5337677B2 (ja) * 2009-11-27 2013-11-06 ユニ・チャーム株式会社 複合シートの製造方法、及び製造装置
JP5506520B2 (ja) * 2010-04-16 2014-05-28 ユニ・チャーム株式会社 伸長性繊維と伸縮性繊維とを含む、凹凸を有する不織布、及び当該不織布を製造する方法
JP5704877B2 (ja) * 2010-09-30 2015-04-22 ユニ・チャーム株式会社 不織布、及び上記不織布を含む吸収性物品、並びに上記不織布の形成方法
WO2012176825A1 (ja) * 2011-06-23 2012-12-27 花王株式会社 複合シート及びその製造方法
JP5726119B2 (ja) * 2012-03-27 2015-05-27 ユニ・チャーム株式会社 伸縮性不織布の製造方法、及び伸縮性不織布
JP5709788B2 (ja) * 2012-03-30 2015-04-30 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016125188A (ja) 2016-07-11
CN107109734A (zh) 2017-08-29
CN107109734B (zh) 2019-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2016104422A1 (ja) 伸縮性不織布の製造方法
JP6446264B2 (ja) 伸縮性不織布の製造方法、及び、吸収性物品の製造方法
TWI441966B (zh) A stretchable nonwoven fabric, a composite sheet provided with the nonwoven fabric, an absorbent article having the composite sheet, and a method of manufacturing the stretchable nonwoven fabric
JP6357462B2 (ja) 伸縮性不織布の製造方法
KR101445092B1 (ko) 착용 물품의 제조방법
KR101290233B1 (ko) 시트 가공장치 및 시트의 제조방법
US9126372B2 (en) Method of manufacturing a body adhering absorbent article orientated in the cross-machine direction with reduced curl
JP5186386B2 (ja) 複合シート及び複合シートを用いた吸収性物品
CN106456383A (zh) 吸收性物品的多个片材的固定装置以及固定方法
JP5337688B2 (ja) 使い捨ておむつの製造方法
EP2522487A1 (en) Drawing device and method of manufacturing absorptive article
WO2011025032A1 (ja) 吸収性物品の製造方法及び延伸装置
JP6864502B2 (ja) 伸縮性シートの製造方法
JP6549206B2 (ja) 吸収性物品の製造方法及び吸収性物品の製造装置
JP5655116B2 (ja) 伸縮性不織布
JP2008012742A (ja) 複合シートの製造方法
JP5426340B2 (ja) 着用物品の製造方法
WO2023033084A1 (ja) 伸縮性シート、パンツ型吸収性物品、及び、伸縮性シートの製造方法
JP7125884B2 (ja) 伸縮性シート
JP7037990B2 (ja) 伸縮シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180522

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180618

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6357462

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250