JP7037990B2 - 伸縮シート - Google Patents

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本発明は、使い捨ておむつ等の吸収性物品等に用いられる伸縮シートに関する。
吸収体と、この吸収体を固定する外装体とを備えるおむつ等のパンツ型吸収性物品では、着用者の胴回りへのフィット性を向上する等を目的として、外装体のウエスト部に伸縮性不織布からなる伸縮シートを用いるものがある(例えば特許文献1参照)。
特開2008-106378号公報
本発明の課題は、胴回りへのフィット性が望まれるパンツ型吸収性物品等に適した伸縮シートに関する。
本発明の一形態に係る伸縮シートは、複数の弾性フィラメントと、2層の不織布とを有する。
上記弾性フィラメントは、第1の方向に伸縮可能である。
上記2層の不織布は、複数の上記弾性フィラメントを介して対向配置される。
上記不織布は、上記第1の方向に沿って間欠的に配置され上記第1の方向と直交する第2の方向に沿って延在する複数の凸部と、複数の上記凸部の相互に隣り合う上記凸部間に配置される上記第2の方向に沿って延在する平坦部とを有する。
上記凸部は、上記第2の方向に沿って互いに高さの異なる第1の凸部と第2の凸部とを有し、該第2の凸部は上記第1の凸部よりも高さが高い。
本発明によれば、相互に収縮応力の異なる領域を有する伸縮シートが得られる。
本発明の第1の実施形態に係る伸縮シートの自然状態を模式的に示した斜視図である。 (A)は図1の伸縮シートの伸縮方向に沿ってIIA-IIA線で切断した状態を模式的に示す断面図であり、(B)は、図1の伸縮シートのIIB-IIB線で切断した状態を模式的に示す断面図である。 図1の伸縮シートを、弾性フィラメントを伸長することなく、弾性フィラメントの波形状のうねりをまっすぐ伸ばすように直線状とし、第1の不織布と第2の不織布との境界面を平面状に広げた状態を模式的に示す斜視図である。 図1の伸縮シートの概略平面図であり、図3と同様に第1の不織布と第2の不織布との境界面を平面状に広げた状態を示す平面図である。 図3の伸縮シートの自然状態及び伸長状態の凸部付近を模式的に示す部分拡大断面図であり、(A)は自然状態を示し、(B)は伸縮シートを伸縮方向(Y軸方向)に伸長した状態を示す。 図1の伸縮シートを伸縮方向に伸長した状態を示す概略平面図である。 (A)は図3に対応する状態を模式的に示す断面図、(B)は図1に対応し、伸縮シートの弾性フィラメント、第1の不織布と第2の不織布との境界面の波形状が維持されている状態を模式的に示す断面図である。 図1の伸縮シートの一部を構成する熱融着部の位置を示す不織布の概略拡大平面図である。 上記伸縮シートの製造時に用いられる一実施形態の延伸装置を模式的に示す断面図である。 (A)は図9の延伸装置に用いられる歯溝延伸ロールの斜視図、(B)は当該歯溝延伸ロールに設けられている歯の斜視図である。 ロール延伸加工によって伸縮シートの凸部が形成される様子を模式的に示す図であり、(A)、(B)、(C)の各図において、上部にはロール延伸加工時の図9の延伸装置の部分拡大図を示し、下部には上部に図示される加工時での積層体又は伸縮シートを、弾性フィラメントを伸長させることなく、平面状に伸ばした状態での断面図を示す。 上記伸縮シートを用いた使い捨ておむつの斜視図である。 図12の使い捨ておむつの展開状態における概略分解斜視図である。 図12の使い捨ておむつの外装体の展開状態を示す平面図である。 第2の実施形態に係る伸縮シートの部分拡大断面図であり、図3に対応する状態を模式的に示した図である。 他の実施形態に係る使い捨ておむつの展開状態における概略分解斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図面には、必要に応じて相互に直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。
本発明に係る伸縮シートは、収縮による引張応力(以下、収縮応力と称する。)が相互に異なる複数の領域を備えた平面方向につなぎ目のない連続したシートである。収縮による引張応力が相互に異なる複数の領域を備えたシートを形成する手段としては、収縮応力がそれぞれ異なる複数の別部材のシートを繋ぎ合わせて構成する手段が挙げられる。本発明に係る伸縮シートは、複数の別部材のシートを繋ぎ合わせて構成されていないので、伸縮シートに対する物体の接触や取扱者による把持といった外力に対する強度が優れているのみならず、更に全体的に一体感のある外観を備えたものとなっている。そして、つなぎ目を有さない構成とすることにより、別部材のシートを互いに収縮状態で繋ぎ合わせたときのつなぎ目付近で伸長が制限されるといったことがなく、また、別部材のシートを互いに伸長状態で繋ぎ合わせたときのつなぎ目付近で収縮が制限されるといったことがなく、伸縮シートに皺などの歪みが発生することが防止されるため、つなぎ目は設けられていないことが好ましい。ここで、収縮応力とは、自然状態の伸縮シートを伸長させたときの伸縮シートが収縮して元に戻ろうとする収縮による引張応力のことである。また、本明細書において自然状態とは、特別な説明が無い限り、伸縮シートに伸長や潰れなどの変形を生じる外力を与えずに、水平な面上に静置された状態を指す。加えて、例えばこのような伸縮シートを吸収性物品の外装体に用いた場合は、つなぎ目が無いことにより、排泄物の染み出しや濡れ広がり、物品外部への漏出も発生しにくい。
このような伸縮シートは、例えば胴回りに伸縮性を要する吸収性物品であるパンツ型の使い捨ておむつの外装体等に適している。
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係る伸縮シート、伸縮シートの製造時に用いられる延伸装置、伸縮シートの製造方法、当該伸縮シートを用いたパンツ型使い捨ておむつについて、順に説明する。
[伸縮シートの構成]
まず、第1の実施形態に係る伸縮シートについて図1~図4を用いて説明する。
伸縮シート70は、複数の弾性フィラメント87aと、弾性フィラメント87aを介して対向配置される2層の第1の不織布85及び第2の不織布86とを有する。
複数の弾性フィラメント87aは、第1の方向(Y軸方向)に伸縮可能であり、弾性層87を構成する。複数の弾性フィラメント87aによって伸縮シート70をY軸方向に伸縮可能としている。Y軸方向は、伸縮シート70の伸縮方向に相当する。Z軸方向は、伸縮シート70の厚み方向に相当する。第2の方向としてのX軸方向は、伸縮方向及び厚み方向に直交する方向に相当する。
第1の不織布85及び第2の不織布86は、特定の種類に限定されず、例えば、エアースルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布などから選択可能である。
また、不織布を構成する繊維は、特定の種類に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミドなどの化学繊維などから選択可能である。更に、不織布は、複数の種類の化学繊維を含む複合繊維で構成されていてもよい。加えて、不織布を構成する繊維には、例えば木綿や絹などの天然繊維が配合されていてもよい。
本実施形態では、第1の不織布85と第2の不織布86とは同種の不織布である。
弾性フィラメント87aは、Y軸方向に沿って延在する糸状の弾性体である。弾性フィラメント87aは、Y軸方向に直交するX軸方向に等間隔で複数配列される。弾性フィラメント87aは、第1の不織布85、第2の不織布86にそれぞれ直接溶着している。即ち、弾性フィラメント87aと第1の不織布85、第2の不織布86とは、接着剤などを介さずに接合されている。このように、第1の不織布85、第2の不織布86と、これら不織布間に挟まれた弾性フィラメント87aとが融着して伸縮シート70が構成されるので、弾性フィラメント87aは伸縮シート70の表面に露出せず不織布層に内包され、伸縮シート70は単独で伸縮可能な構成となる。
弾性フィラメント87aは、例えば、熱可塑性エラストマーなどの弾性材料で形成される。特に、弾性フィラメント87aは、不織布を構成する繊維と融着しやすい熱可塑性エラストマーで形成されることが好ましい。
弾性フィラメントを形成する熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーなどを用いることができる。また、弾性フィラメントは、複数種類の熱可塑性エラストマーを組み合わせて形成することもできる。更に、弾性フィラメントは、芯鞘型又はサイド・バイ・サイド型の複合繊維であってもよい。
この実施形態では、図1及び図2に示すように、弾性フィラメント87aは、自然状態で波形状にされている。この弾性フィラメント87aの波形状に沿って伸縮シート70も波形状を有している。換言すると、第1の不織布85と第2の不織布86との境界面は、弾性フィラメント87aの波形状に沿って波形状にされている。
波形状の伸縮シート70は、第1の不織布85側に位置する頂部81と、第2の不織布86側に位置する谷部82が交互に配列された波形状となっている。頂部81と谷部82とは壁部83を介して連なっている。
第1の不織布85(第2の不織布86)は、不織布を構成する繊維からなる複数の凸部74(71)と複数の平坦部75(72)を有する。図3に示すように、伸縮シート70の波形状を平面状に引き伸ばした状態で、凸部74(71)及び平坦部75(72)は、それぞれX軸方向に延在し、Y軸方向に沿って交互に複数配列される。
尚、本実施形態では、第1の不織布85と第2の不織布86との境界面が自然状態で波形状である場合を例にあげて説明しているが、平面形状であってもよい。この場合、伸縮シートは、自然状態で、図3に示すような形態を示す。
本実施形態では、図1及び図2に示すように、凸部74、凸部71は、波形状の伸縮シート70の壁部83に位置する。平坦部75、平坦部72は、波形状の伸縮シート70の頂部81又は谷部82に位置する。
このように、本実施形態では、第1の不織布85に設けられる凸部74、第2の不織布86に設けられる凸部71に加え、伸縮シート70が波形状をとることにより、伸縮シート70を使い捨ておむつの外装体に用いた際、使い捨ておむつの装着者の肌と伸縮シート70との接触面積を低減することができ、蒸れやかぶれなどを効果的に防止することができる。更に、伸縮シート70のY軸方向における自然状態での長さと、伸長寺の長さとの差異を大きくすることができるため、使い捨ておむつを幅広い体型の着用者に適用することができる。
凸部74、凸部71を構成する繊維は、後述するロール延伸加工によって塑性変形し、ロール延伸加工により伸長された状態のままの繊維であり、また、ロール延伸加工により弾性フィラメント87aから剥離した繊維である。平坦部75、平坦部72を構成する繊維は、後述するロール延伸加工によって塑性変形していない繊維である。
凸部74(71)は第1の不織布85(第2の不織布86)の伸縮部を形成し、平坦部75(72)は第1の不織布85(第2の不織布86)の繋ぎ部を形成する。伸縮部及び繋ぎ部については後述する。
凸部74(71)の繊維密度は、平坦部75(72)よりも相対的に低くなっている。
本実施形態では、厚み方向において、伸縮シート70の一方の面における凸部74の位置に、他方の面における凸部71が位置するように構成され、一方の面における平坦部75の位置に、他方の面における平坦部72が位置するように構成される。このように、本実施形態では、凸部74と凸部71とは、第1の不織布85と第2の不織布86との境界面でほぼ面対象の形状となっている。更に、第1の不織布85と第2の不織布86のそれぞれの繋ぎ部となる領域も、伸縮シート70の厚み方向で対向して位置する。
このため、本実施形態では、第1の不織布85における伸縮部、繋ぎ部と、第2の不織布86における伸縮部、繋ぎ部とをそれぞれ区別せずに、双方の不織布における伸縮部を伸縮シート70における伸縮部70aと称し、双方の不織布における繋ぎ部を伸縮シート70における繋ぎ部70bと称して説明する。
第1の不織布85(第2の不織布86)を構成する繊維の一部は、弾性フィラメント87aから剥離して塑性変形し、自然状態の伸縮シート70において、ループ状に飛び出て凸部74(凸部71)を形成する。この凸部74(凸部71)が、伸縮シート70の伸長時の伸び代部分となる。このような塑性変形した不織布の繊維が配置される領域が伸縮シート70の伸縮部70aとなる。このように、凸部74、凸部71は、Y軸方向に伸縮可能な伸縮部70aを構成する。
一方、第1の不織布85(第2の不織布86)を構成する繊維のうちロール延伸加工により伸長されず塑性変形しない繊維は、ロール延伸加工前の長さからほとんど変化していない繊維であり、平坦部75(72)を形成する。このような塑性変形しない不織布の繊維が配置される領域が伸縮シート70の繋ぎ部70bとなる。このように、平坦部75、平坦部72は、伸縮部70aよりもY軸方向に伸縮しにくい繋ぎ部70bを構成する。
これにより、弾性フィラメント87aと、第1の不織布85(第2の不織布86)との単位面積あたりの溶着接合領域は、繋ぎ部70bでよりも伸縮部70aでの方が少なくなっている。
図4に示すように、伸縮シート70には、X軸方向に延在する伸縮部70a及び繋ぎ部70bが、それぞれY軸方向に沿って間欠的に複数配置され、交互に配列されている。繋ぎ部70bは、Y軸方向に沿って間欠的に複数配置され、X軸方向に沿って延在する。繋ぎ部70bは、複数の伸縮部70aの相互に隣り合う伸縮部70a間に配置され、隣り合う伸縮部70a同士を繋ぐ。
伸縮シート70の伸長状態では、Y軸方向に伸長させる力が加えられることにより、主に伸縮部70aにおいてY軸方向に伸長する。つまり、伸長状態の伸縮シート70は、繋ぎ部70bにおいて実質的に伸長していない。なお、伸長状態の伸縮シート70は、繋ぎ部70bにおいても、伸縮部70aに比べて少量であれば伸長していてもよい。
伸縮シート70は、伸長状態からY軸方向に伸長させる力が解除されると、弾性フィラメント87aの弾性力によって、Y軸方向に収縮する。収縮状態の伸縮シート70では、伸長状態の伸縮シート70よりも、伸縮部70aのY軸方向の寸法が小さくなっている。このように、伸縮シート70では、糸ゴム等の弾性体を設ける構成としなくとも、伸縮シート70自体が、弾性フィラメント87aの弾性力によって伸縮可能である。
図5(A)に示すように、自然状態の伸縮シート70では、弾性フィラメント87aは伸長されず収縮状態にある。第1の不織布85(第2の不織布86)を構成する繊維は、伸縮部70aで凸部74(71)を形成し、凸部74(71)は、それぞれ弾性フィラメント87aから離れる方向に突出している。
図5(B)に示すように、伸長状態の伸縮シート70の伸縮部70aでは、凸部74を構成する第1の不織布85の繊維及び凸部71を構成する第2の不織布86の繊維は、ロール延伸加工で塑性変形されて伸長されているので、弾性フィラメント87aの収縮に伴って飛び出ていた部分が、まっすぐになるように引っ張られる。一方、繋ぎ部70bでは、繋ぎ部70bに位置する不織布の繊維は塑性変形されていないため、伸長しにくくなっている。
複数の凸部74及び凸部71は、この実施形態においては、図1~図3に示すように、いずれもX軸方向に沿って途切れなく連続して延在し、部分的に高さが異なった凸部となっている。
各凸部74(71)は、X軸方向に沿って相互に高さが異なる第2の凸部としての高凸部74b(71b)と第1の凸部としての低凸部74a(71a)とを有する。図2及び図3に示すように、高凸部74b(71b)は、低凸部74a(71a)よりも高さが高く、繊維密度が低くなっている。
このような繊維密度が異なる高凸部74b(71b)と低凸部74a(71a)は、歯溝延伸ロールを用いたロール延伸加工時の歯溝の噛み合わせ量等を調整することにより形成することができる。製造方法については後述する。
伸長状態の伸縮シート70の伸縮部70aでは、伸縮シート70の伸長時、弾性フィラメント87aの伸長に伴ってループ状に飛び出た部分がまっすぐになるように引っ張られる。すなわち、凸部の高さが高いほど、伸長時の伸び量が大きくなる。
したがって、高凸部74b(71b)が位置する伸縮部70aは、低凸部74a(71a)が位置する伸縮部70aよりも伸長時の伸び量が大きくなる。これにより、伸縮シート70において、高凸部74b(71b)が位置する領域と、低凸部74a(71a)が位置する領域とでは、伸長時における可能な伸び量が異なる。すなわち、高凸部74b(71b)が位置する領域は、低凸部74a(71a)が位置する領域よりも伸びやすくなり、両領域を同じ伸長率で伸長させたときに、伸縮シート70が元に戻ろうとする収縮応力は、高凸部74b(71b)が位置する領域よりも低凸部74a(71a)が位置する領域の方が高くなる。
図1及び図3に示すように、伸縮シート70において、X軸方向に延在する複数の高凸部74b(71b)がY軸方向に互いに離間して配置される領域は低収縮応力領域P2を構成する。X軸方向に延在する複数の低凸部74a(71a)がY軸方向に互いに離間して配置される領域は高収縮応力領域P1を構成する。
高収縮応力領域P1及び低収縮応力領域P2には、それぞれ等間隔の配置間隔で複数の弾性フィラメント87aが配列される。
本実施形態の伸縮シート70は、X軸方向に沿って順に低収縮応力領域P2、高収縮応力領域P1、低収縮応力領域P2が順に位置する。伸縮シート70は、X軸方向中央部における領域が、他の領域よりも収縮応力が高いシートとなっている。
これにより、図6に示すように、伸縮シート70をY軸方向に均一の伸長率で伸長させたときに、伸縮シート70は、X軸方向における上部、下部が伸びやすく、中央部は伸びにくいため、X軸方向中央部がくびれた形状となる。
図8を参照し、第1の不織布85を例にあげて説明するが、第2の不織布86も第1の不織布85と同様の構成をとる。
第1の不織布85は、本実施形態においては例えばスパンボンド法により形成され、エンボス加工が施され、複数の熱融着部63を有する。熱融着部63は第1の不織布85の全面にわたって一定のパターンで形成されており、これにより、面内全体で均一な肌触りとすることができる。なお、本発明における熱融着部とは、不織布中の繊維同士が熱融着している箇所を意味し、該不織布にエンボス加工は必ずしも施されている必要はない。例えばエアースルー不織布中における、熱風により繊維同士が融着した点も、本発明における熱融着部である。
第1の不織布85を用いて伸縮シート70を形成した際、熱融着部63は、第1の不織布85の高収縮応力領域P1と低収縮応力領域P2との境界64上にも熱融着部63が相互に離間して配置される場合がある。ここで、境界64上に隣り合って配置される熱融着部63及び境界64を介してX軸方向に沿って隣り合って配置される熱融着部63により囲まれる矩形状の熱融着部非存在領域65を想定する。この矩形状の熱融着部非存在領域65の各辺は、境界64(Y軸方向に延在)又は境界64と直交する仮想線(X軸方向に延在)に平行となっており、熱融着部63に接している。熱融着部非存在領域65は、X軸方向における長さがY軸方向における長さよりも長くなっていることが望ましい。これにより、第1の不織布85の材料破壊を生じにくくすることができる。
一般に、エンボス加工による熱融着部(エンボス部)はエンボス部以外の領域よりも厚みがつぶされており、エンボス部の縁辺付近には段差がある。更に、エンボス部は、熱の影響で劣化して壊れやすく、エンボス部の縁辺は、材料破壊の起点となりやすい。
本発明においては、伸縮シート70の伸長時、高収縮応力領域P1と低収縮応力領域P2との境界64では、せん断方向の力が作用する。ここで、熱融着部非存在領域65において、熱融着部非存在領域65のX軸方向における長さをY軸方向における長さよりも長くすることにより、Y軸方向における長さをX軸方向における長さよりも長くするよりも、伸長時の変位量を少なくすることができる。
従って、伸縮シート70の伸長により材料に負荷が生じやすい境界64付近において、強度を担保するための別な支持体を用いることなく、十分な強度を得ることができる。
尚、伸縮シート70において、第1の不織布85、第2の不織布86の少なくとも一方で、熱融着部非存在領域65のX軸方向における長さがY軸方向よりも長ければよい。
[延伸装置]
次に、上記の伸縮シート70を製造するのに用いられる延伸装置について図9及び図10を用いて説明する。上記の伸縮シート70は、後述する積層体70´を延伸装置によりロール延伸加工することにより、製造される。
延伸装置90は、一対の歯溝延伸ロール91、92を備えている。なお、延伸装置90が有する各ロールには、それらを駆動する図示していない駆動手段が接続されている。その駆動手段によって、各ロールは回転される。
歯溝延伸ロール91(92)の周面には、ロールの回転方向と直交する方向に複数の歯79(80)が、回転軸から放射状に設けられ、これら複数の歯により回転方向に沿って凹凸部が形成される。この凹凸部の凸部は歯79(80)に相当し、凹部は隣り合う歯79(80)間に位置する溝に相当する。
以下、伸縮シート70がロール延伸加工される前の状態のシートを積層体70´と称し、ロール延伸加工が施され伸縮性が発現した伸縮シート70と区別して説明する。積層体70´は、基材となる2枚の加工前の第1の不織布(後述する図11における符号85´)及び加工前の第2の不織布(後述する図11における符号86´)の間に加熱した弾性フィラメント87aを供給し圧をかけてラミネートすることで形成される。積層体70´では、溶融紡糸された弾性フィラメント87aの熱によって、弾性フィラメント87aが加工前の第1の不織布85´、第2の不織布86´に直接溶着されている。加工前の第1の不織布85´及び第2の不織布86´は、それぞれ複数の熱融着部63を有する。
積層体70´は、一対の歯溝延伸ロール91、92との間に挟まれ、歯溝延伸ロール91、92の回転によって送られる。一方の歯溝延伸ロール91の歯79とこれに対向して噛み合う歯溝延伸ロール92の溝、及び、歯溝延伸ロール92の歯80とこれに対向して噛み合う歯溝延伸ロール91の溝との間に積層体70´を通すことによりロール延伸加工が行われる。
図10(B)に示すように、歯79(80)は、高歯たけ部77b(78b)と、高歯たけ部77b(78b)よりも歯たけが低い低歯たけ部77a(78a)を有する。
本実施形態においては、歯79(80)は、回転方向と直交する軸方向に沿って3等分した中央部に低歯たけ部77a(78a)が位置し、この低歯たけ部77a(78a)の両側に高歯たけ部77b(78b)がそれぞれに位置しており、歯79(80)は軸方向に沿った中央部の歯たけが低くなっている。
歯79の低歯たけ部77aが位置する領域と歯80の低歯たけ部78aが位置する領域、歯79の高歯たけ部77bが位置する領域と歯80の高歯たけ部78bが位置する領域は、それぞれロール延伸加工で互いに対向する。
また、本実施形態においては、延伸装置90における歯溝延伸ロール91及び92の上流側に、積層体70´が巻き取られてなる原反ロール76が回転自在に備えられ、積層体70´が矢印C方向に引き出し可能になっている。原反ロール76と上記歯溝延伸ロール91、92との間には、一対のインフィードロール93が備えられている。
インフィードロール93の回転速度を調整することによって、歯溝延伸ロール91、92間に供給される積層体70´の供給速度が調整される。積層体70´は、一対のインフィードロール93及び歯溝延伸ロール91、92によって張力が加えられた状態で、歯溝延伸ロール91、92の間に供給可能となっている。
さらに、歯溝延伸ロール91、92の下流側には一対のアウトフィードロール94が備えられている。一対のアウトフィードロール94の回転速度を調整することによって、歯溝延伸ロール91、92間から送り出された伸縮シート70の送り速度が調整される。そして、ロール延伸加工された伸縮シート70はアウトフィードロール94によって矢印D方向に送り出される。
伸縮シート70は、アウトフィードロール94によって張力が加えられた状態で、歯溝延伸ロール91、92の間から引き出される。伸縮シート70は、わずかな張力でも伸びやすいため、一対のアウトフィードロール94によって延伸加工後の伸縮シート70に加える張力を、一対のインフィードロール93によって延伸加工前の積層体70´に加える張力よりも弱くすることが好ましい。
一対のインフィードロール93間を通過した積層体70´はロール延伸加工前であるため、伸縮性が付与されていない。この伸縮性が付与されていない積層体70´は、歯溝延伸ロール91、92間に位置した状態で歯79と歯80が噛み合うことによって、ロール延伸加工され、伸縮部70a及び繋ぎ部70bが形成される。これにより、伸縮シート70に伸縮性が発現する。
伸縮部70aとなる領域における延伸の度合いの調整は、歯溝延伸ロール91、92の回転速度及び一対のインフィードロール93の回転速度を調整することにより行われる。インフィードロール93と歯溝延伸ロール91、92それぞれの回転速度の比を調整することにより、積層体70´の歯溝延伸ロール91、92間への投入時の積層体70´に加える張力を調整する。例えば、伸縮部70aにおける不織布からなる凸部74の高さを相対的に高くしたい場合は、歯溝延伸ロール91、92に投入する積層体70´に加える張力を強くする。
低歯たけ部77aと低歯たけ部78aとの噛み合わせ量は、高歯たけ部77bと高歯たけ部78bとの噛み合わせ量よりも少なくなるように構成されている。これにより、延伸倍率は、低歯たけ部77aと低歯たけ部78aとが噛み合う領域よりも高歯たけ部77bと高歯たけ部78bとが噛み合う領域の方が高くなる。
積層体70´の相対的に高い延伸倍率で加工された領域では、高凸部74b及び高凸部71bが形成される。積層体70´の歯79の高歯たけ部77bと歯80の高歯たけ部78bとの間を通る領域は、伸縮シート70の高凸部74b及び高凸部71bが形成される領域である低収縮応力領域P2となる。
一方、積層体70´の相対的に低い延伸倍率で加工された領域では、低凸部74a及び低凸部71aが形成される。積層体70´の歯79の低歯たけ部77aと歯80の低歯たけ部78aとの間を通る領域は、伸縮シート70の低凸部74a及び低凸部71aが形成される領域である高収縮応力領域P1となる。
このように、本実施形態のロール延伸加工では、上下の歯の噛み合わせ量が異なる領域を設けることにより、積層体70´に対して領域毎に延伸倍率が異なるように加工が施され、高凸部74b(71b)と低凸部74a(71a)とを有する凸部74(71)が形成される。
また、インフィードロール93と歯溝延伸ロール91、92それぞれの回転速度の比を調整することにより、延伸倍率を適宜設定することができる。
尚、本実施形態においては歯溝延伸ロール91、92それぞれの歯は高歯たけ部及び低歯たけ部を有しているが、一方の歯溝延伸ロールの歯のみが高歯たけ部及び低歯たけ部を有し、他方の歯溝延伸ロールの歯は歯たけが軸方向に同じであってもよい。
[伸縮シートの製造方法]
次に、上記の延伸装置90を用いた伸縮シート70の製造方法について、図9及び図11を用いて説明する。
図11の上部に図示される図では、積層体70´が延伸装置90の一対の歯溝延伸ロール91、92に挟まれて加工される様子が示されている。積層体70´がロール延伸加工を施されている状態は当然ながら凹凸形状とされており、また伸縮シート70は、全体が波形状になされる場合があるが、図11(B)及び(C)では、便宜上、この凹凸形状及び波形状を、弾性フィラメント871を伸長させることなく、平面状に伸ばした状態を図示している。
図11(A)の下図に示すように、ロール延伸加工前の積層体70´では、弾性フィラメント87aに加工前の第1の不織布85´、第2の不織布86´の繊維が界面で溶着されている。この段階の積層体70´は、伸縮性を有さない。弾性フィラメント87aは、積層体70´の搬送方向に沿って延在している。搬送方向は、伸縮シート70のY軸方向に相当する。
次に、図11(B)に示すように、回転させた歯溝延伸ロール91、92間に積層体70´を噛み込ませることによって、部分的に、積層体70´が伸長される。詳細には、積層体70´の、歯79と歯80とが噛み合った時の隣り合う歯79の頂部88と歯80の頂部89との間に位置する領域が伸長され、歯79の頂部88と歯80の頂部89に当接する領域はほとんど伸長されない。
この積層体70´の伸長された領域では、弾性フィラメント87aは伸長され、加工前の第1の不織布85´及び第2の不織布86´それぞれを構成する繊維は延伸されて塑性変形し伸長され、また、弾性フィラメント87aに溶着している繊維の一部は弾性フィラメント87aから剥離される。
一方、積層体70´の伸長されない領域では、弾性フィラメント87aは伸長されず、加工前の第1の不織布85´及び第2の不織布86´それぞれを構成する繊維は塑性変形されず、また、弾性フィラメント87aからの繊維の剥離がほとんどない。
その後、ロール延伸加工による弾性フィラメント87aの伸長が解除されると、図11(C)に示すように、ロール延伸加工により塑性変形され伸長状態が維持された繊維や弾性フィラメント87aから剥離した繊維が、弾性フィラメント87aの収縮に伴って、弾性フィラメント87aから離れるようにループ状に飛び出て凸部74、凸部71を形成する。この不織布の繊維が飛び出た凸部74、凸部71が、伸縮シート70の伸長時の伸び代となる。このような塑性変形した不織布の繊維が配置される領域が伸縮シート70の伸縮部70aとなる。
一方、ロール延伸加工時に弾性フィラメント87aが伸長されず繊維が塑性変形されず弾性フィラメント87aとの溶着も維持されている領域の不織布は平坦部75、72を形成する。このような塑性変形しない不織布の繊維が配置される領域が伸縮シート70の繋ぎ部70bとなる。
このように、ロール延伸加工時に、歯79と歯80とが噛み合った際に、積層体70´の、歯79の頂部88及び歯80の頂部89に当接する領域とが繋ぎ部70bとなり、積層体70´の隣り合う歯79の頂部88と歯80の頂部89との間に位置する領域が伸縮部70aとなる。伸縮部70aと繋ぎ部70bとはY軸方向に交互に形成される。
本実施形態のロール延伸加工では、積層体70´の搬送方向に直交するX軸方向に3等分した中央部に、歯溝延伸ロール91の低歯たけ部77aと歯溝延伸ロール92の低歯たけ部78aが当接し、X軸方向における両側方部に、歯溝延伸ロール91の高歯たけ部77bと歯溝延伸ロール92の高歯たけ部78bが当接する。
本実施形態では、低歯たけ部77a、78aの噛み合わせ量は2mm、高歯たけ部77b、78bの噛み合わせ量は3mmとした。これにより、低歯たけ部77a、78aの噛み合わせによって延伸加工されたX軸方向中央部の領域の延伸倍率は、高歯たけ部77b、78bの噛み合わせによって延伸加工されたX軸方向両側方部の領域よりも低くなっている。
この製造方法では、接着剤を用いずに伸縮シート70を製造することができる。このため、伸縮シート70では、接着剤によって第1の不織布85及び第2の不織布86の肌触りを柔らかく保つことができる。また、伸縮シート70では、弾性フィラメント87aは、第1の不織布85、第2の不織布86によって内包され、弾性フィラメント87aによっても第1の不織布85、第2の不織布86の肌触りが損なわれず、不織布本来の柔らかい肌触りがそのまま得られる。
[使い捨ておむつの構成]
図12は、上記の相互に収縮応力が異なる領域を有する伸縮シート70を外装体39に適用した本発明の一実施形態に係る使い捨ておむつ30(以下、おむつ30と称す。)の斜視図である。おむつ30は、着用者である乳幼児の排泄物を漏らさずに捕捉するためのパンツ型吸収性物品である。
おむつ30は、外装体39と、吸収体9と、を備える。外装体39は、おむつ30の外装を構成する。吸収体9は、外装体39の内側に保持されている。つまり、外装体39は、吸収体9の、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる外側の面側に配置される。
以下、各構成における内側とは、おむつ着用時の着用者の肌側に位置する側を示し、外側とは、着用者の肌側とは反対の側を示す。
吸収体9は、排泄物を捕捉するとともに、排泄物に含まれる液体を吸収可能に構成されている。吸収体9は、帯状に形成され、外装体39における股下部40からウエスト部34の腹側部34a及び背側部34bにわたる広い範囲に配置されている。
外装体39は、一連に形成されたウエスト部34及び股下部40から構成される。ウエスト部34は、ウエスト開口部7を形成し、着用者の胴回りに配置される。ウエスト部34は、着用者の胴回りにフィットするように、胴周方向に亘って伸縮可能な伸縮部材で構成されている。股下部40は、図12において、ウエスト部34の下側に位置し、着用者の股下に配置される。
ウエスト部34は、着用時に前側に配置される腹側部34aと、後側に配置される背側部34bと、を有する。腹側部34a及び背側部34bは、前後方向と直交する幅方向両端部に設けられたサイドシール部18において、例えばヒートシールや超音波シールなどで接合されている。これにより、ウエスト部34が筒状となり、腹側部34aと背側部34bとの間にウエスト開口部7が形成される。
股下部40は、腹側部34aと背側部34bとの間に位置する。股下部40は、その幅方向両側に着用者の脚が挿通される一対のレッグ開口部14を形成するように、腹側部34aと背側部34bとを接続している。股下部40には、レッグ開口部14に沿って配置された糸ゴム19aを含むレッグギャザー19が設けられている。
図13、図14に示すおむつ30及び外装体39は、図12に示す状態から、サイドシール部18を剥がして腹側部34aと背側部34bとを分離し、更に外装体39及び吸収体9をXY平面に沿って伸長させた状態である。
図14は、図12のおむつ30の外装体39の展開状態を示す平面図であり、高収縮応力領域P1と低収縮応力領域P2の位置が示されている。図14は、外装体39を外側からみている図に相当し、後述する第1のシート44が手前側に位置した状態である。外装体39の伸縮領域をドットパターンで示し、各領域の収縮応力の大きさの度合いをドットパターンの密度で表している。収縮応力が高いほど、ドットパターンの密度が高く、低いほど密度が低くなっている。
外装体39は伸縮シートを有しており、本実施形態の外装体39は、第1のシート44と、基材シートである第2のシート12とを接着層13により貼り合わせた伸縮部材である複合シート60から構成される。第1のシート44は、上記の相互に収縮応力が異なる複数の領域を有する伸縮シート70を用いて構成される。第1のシート44の腹側部34aと背側部34bに対応する領域は、胴の周方向に伸縮可能となっている。
第1のシート44は、弾性樹脂層を内包する不織布から構成される伸縮不織布である。第2のシート12は、第1のシート44と対向して配される非伸縮性不織布からなる非伸縮シートである。接着層13は、第1のシート44と第2のシート12とを接着する。本実施形態では、第1のシート44の内側に対向して第2のシート12が設けられ、第1のシート44が外装体39の外面39a側に位置する。
図12及び図13に示すおむつ30及び図14に示す外装体39では、X軸方向が前後方向、Y軸方向が幅方向、Z軸方向が厚み方向に対応する。図12におけるウエスト部34の腹側部34a及び背側部34bにおける胴の周方向は、図13及び図14における幅方向Yに対応する。また、上記した伸縮シート70の伸縮方向Yと、おむつ30における幅方向Yは一致する。
以下、ウエスト部34の説明で、上下方向と記載する場合がある。上下方向は、着用者が起立状態でおむつ30を着用したときのおむつ30の上下方向に相当する。前後方向と上下方向とは方向が一致する。
外装体39のウエスト部34は胴の周方向に伸縮性を有している。図14に示すように、胴周方向に伸縮性が求められる外装体39を構成する第1のシート44のウエスト部34の腹側部34a(背側部34b)は、相互に収縮応力が異なる第1の領域31a(第1の領域31b)と、2つの第2の領域32a(第2の領域32b)とを有する。
腹側部34a(背側部34b)は、胴の周方向と直交する上下方向で3等分した各領域のうち中央に位置する中央領域に第1の領域31a(第1の領域31b)が位置し、本実施形態では中央領域を介して上下方向に相互に対向して位置する一対の端部領域の両方に第2の領域32a(第2の領域32b)が位置する。尚、本実施形態では、一対の端部領域の両方に高凸部を配して第2の領域としたが、少なくとも一方に高凸部が配された形態でもよい。
第1の領域31(第2の領域32)は、腹側部の第1の領域31a(腹側部の第2の領域32a)と、背側部の第1の領域31b(背側部の第2の領域32b)とを含み、特に両者を区別する必要がない場合は、第1の領域31(第2の領域32)と称す。
第1の領域31と第2の領域32とは、収縮応力が相互に異なっている。第1の領域31は高収縮応力領域P1であり、第2の領域32は低収縮応力領域P2である。第1の領域31には低凸部71a、74aが配され、第2の領域32には高凸部71b、75が配される。収縮応力は、相対的に、第1の領域31が高く、第2の領域32が低くなっている。また、低収縮応力領域P2の幅寸法(Y軸方向における長さ)と高収縮応力領域P1の幅寸法とはほぼ等しくなっている。
つまり、ウエスト部34は、同じ伸長率で第1の領域31及び第2の領域32を伸長させたときに、各領域における収縮して元に戻ろうとする力(収縮応力)が異なるように構成される。これにより、同じ伸長率でウエスト部34を伸長したときに領域毎に異なる締め付け圧が着用者にかかることになる。
本実施形態では、ウエスト部34の上側(ウエスト開口部7付近)及び下側(ウエスト部34の股下部40に近い領域)は、ウエスト部34の上下方向における中央部よりも、収縮応力が低くなる、すなわち締め付け圧が弱くなるように構成されている。
(外装体の構造)
外装体39の各構成について図13及び図14を用いて説明する。
第1のシート44は腹側部34aから股下部40を通って背側部34bに亘って連なって形成されたつなぎ目のない連続した伸縮シートである。
複合シート60では、第1のシート44自体が、弾性フィラメント87aの弾性力によって伸縮可能であり、複合シート60が伸縮シートとして機能する。このため、複合シート60では、第1のシート44の伸縮性を利用して、外装体39のウエスト部34を図12における胴周方向に伸縮させることができる。したがって、複合シート60は、第1のシート44と第2のシート12との間に糸ゴムなどの弾性体を設けない構成とすることができる。
接着層13は、第1のシート44と第2のシート12との間に配置された複数の接着部21からなる。接着層13は、腹側部34a(背側部34b)の第1の領域31a(第1の領域31b)と2つの第2の領域32a(第2の領域32b)とにわたって配置される。複数の接着部21は、上下方向に連続して延在して胴の周方向に間欠的に配列される。
接着層13は、典型的には、接着剤で形成される。接着層13を形成する接着剤としては、ホットメルト接着剤が利用される。なお、接着層13は、ホットメルト接着剤以外にも、熱可塑性接着剤や反応型接着剤などの各種接着剤で形成することができる。
複合シート60の一部を構成する非伸縮性不織布からなる第2のシート12は、Y軸方向に伸縮しにくい任意の非伸縮シートで構成することができる。第2のシート12を構成する非伸縮シートとしては、例えば、不織布、織布、紙などを用いることができる。一例として、第2のシート12は、第1のシート44と同様の肌触りを得るために、第1のシート44の第1の不織布85及び第2の不織布86と同様の繊維を用いた不織布で構成することができる。
おむつ30は次のように製造される。
外装体39は、一定の伸長率で伸長させた第1のシート44に接着層13を配置し、第2のシート12と貼り合わせて形成される。ここで、一定の伸長率で貼り合わせるとは、第1のシート44の高収縮応力領域P1と低収縮応力領域P2とを同じ伸長率で伸長させた状態で第2のシート12を貼り合わせることをいう。
次に、伸長状態の外装体39の内側に吸収体9を重ね合わせ、両者を接着固定した後、伸長状態を維持した状態で、腹側部34aと背側部34bとを重ね合わせ、対応する側縁部を接合しサイドシール部18を形成する。これにより、パンツ型のおむつ30が製造される。
本実施形態のおむつ30においては、腹側部34a、背側部34bを構成する複合シート60に伸縮性を持たせるための第1のシート44として伸縮シート70が適用されている。これにより、身体追従性が高く、胴回りへのフィット性の良い使い捨ておむつ30を得ることができる。
更に、本実施形態のおむつ30においては、上記のように継ぎ目なく1枚の部材でX軸方向に互いに異なる収縮応力の領域が存在する伸縮シート70が、第1のシート44として用いられている。これにより、腹側部34a全域、背側部34b全域において、シートに継ぎ目がない、布地のような均一な風合いの下着のパンツのような外観と触感を持つおむつ30を得ることができる。
また、本実施形態のおむつ30では、ウエスト部34の上側及び下側よりも上下方向の中央部が、収縮応力が高くなって着用時に締め付け圧が高くなるように構成されているので、おむつ30の着用中のずれ落ちを効果的に防止することができる。
着用者、特に幼児は、その身体的な特徴として腹回りが張りだしているので、ウエスト部の張り出している腹回りに当接する部分の締め付け力を高くすると、その締め付け力が高いが故に使い捨て用おむつのウエスト部が次第に絞り込まれて、腹回りが細くなる部位にまでウエスト部がずれさがっていきやすい。
本実施形態では、胴回りが細くなる部位に、ウエスト部34の締め付け力が相対的に高くなる領域が当接するように、ウエスト部34における上下方向の中央部に収縮応力が高い第1の領域31を設けるため、着用中のずれ落ちを効果的に防止することができる。このような着用中のずれ落ちを効果的に防止するために、ウエスト部34の上側及び下側と、上下方向の中央部との収縮応力の関係を下記の範囲とすることが好ましい。
以下、上記伸縮シート70をおむつといった吸収性物品等の外装体に用いる場合に適した収縮応力値、各構成の寸法等について説明する。ここに記載する数値は一例であって、伸縮シートを用いる物品に適した収縮応力分布を有するように伸縮シートの各構成の寸法等は適宜設定され得る。
[収縮応力値]
(伸縮シートにおける収縮応力値)
本発明の伸縮シートを吸収性物品等の外装体に用いることを想定した場合、伸縮シートの低収縮応力領域P2および高収縮応力領域P1の伸度50%における収縮応力を、後述する上限値以下とすることで着用者の肌に跡を付けることがなく、後述する下限値以上とすることで適切な着用状態が維持される。
ここで、外装体を、伸縮シート単体で構成する場合と、上記したおむつ30のように伸縮シートと非伸縮シートとを積層してなる複合シートで構成する場合がある。いずれの構成の場合においても、伸縮シート単体での収縮応力値を後述する範囲内とすることにより、外装体に適した収縮応力分布とすることができる。
具体的には、高凸部74b(71b)が配置される低収縮応力領域P2の伸度50%における収縮応力は、好ましくは1cN/mm以上、より好ましくは1.5cN/mm以上、また、好ましくは3cN/mm以下、より好ましくは2.5cN/mm以下であり、そして、好ましくは1cN/mm以上3cN/mm以下、より好ましくは1.5cN/m以上2.5cN/mm以下である。本実施形態においては、2cN/mmである。
高凸部74b(71b)が配置される低収縮応力領域P2の伸度100%における収縮応力は、好ましくは2cN/mm以上、より好ましくは2.5cN/mm以上、また、好ましくは4cN/mm以下、より好ましくは3.5cN/mm以下であり、そして、好ましくは2cN/mm以上4cN/mm以下、より好ましくは2.5cN/mm以上3.5cN/mm以下である。本実施形態においては、3cN/mmである。
低凸部74a(71a)が配置される高収縮応力領域P1の伸度50%における収縮応力は、好ましくは2cN/mm以上、より好ましくは2.5cN/mm以上、また、好ましくは4cN/mm以下、より好ましくは3.5cN/mm以下であり、そして、好ましくは2cN/mm以上4cN/mm以下、より好ましくは2.5cN/mm以上3.5cN/mm以下である。本実施形態においては、4cN/mmである。
低凸部74a(71a)が配置される高収縮応力領域P1の伸度100%における収縮応力は、好ましくは40cN/mm以上、より好ましくは50cN/mm以上であり、また、好ましくは90cN/mm以下、より好ましくは80cN/mm以下であり、そして、好ましくは40cN/mm以上90cN/mm以下であり、より好ましくは50cN/mm以上80cN/mm以下である。本実施形態においては、67cN/mmである。
このように、伸縮シート70では、低収縮応力領域P2のY軸方向における単位長さあたりの収縮応力は、高収縮応力領域P1よりも低くなっている。
本実施形態では、弾性フィラメント87aは、高収縮応力領域P1及び低収縮応力領域P2のいずれの領域においてもX軸方向に等間隔で複数配列されており、また、各弾性フィラメント87aの太さ、密度も同じとなっている。このため、伸縮シート70では、高凸部74b(71b)、低凸部74a(71a)の高さの違いによる収縮応力の違いが効果的に発現される。
例えば、高収縮応力領域を設けるべく弾性応力が高い弾性フィラメントを配し、低収縮応力領域を設けるべく弾性応力が低い弾性フィラメントを配するというように、弾性フィラメントを使い分ける必要がなくなる。
そのため、伸縮シート70において、高凸部と低凸部を有する凸部を備える構成とし、高収縮応力領域P1及び低収縮応力領域P2の伸度50%、伸度100%における収縮応力が上記の数値範囲となるように構成することが好ましい。
以下、伸縮シートの収縮応力測定に用いるサンプルの作成方法及び測定方法について説明する。
(伸縮シートの収縮応力測定用サンプルの作成方法)
伸縮シートを構成の一部に含む吸収性物品において、伸縮シートの最小構成単位である、弾性フィラメントおよびそれに直接接合する不織布のみからなる部分だけが露出している場合、上記露出部のみをハサミやカッターで切り出して得る。上記露出部が無く、伸縮シートが接着剤により他の構成物と接合されている場合は、吸収性物品をアセトン、トルエン、または酢酸ブチル中に24時間浸漬後、上記最小構成単位を金属バット上に取り出し、ドラフト内で96時間風乾処理を行って得る。上記露出部が無く、また伸縮シートが熱融着等により他の構成物と直接接合されている場合は、伸縮シートが損傷しないよう、手で慎重に取り外して得る。
上記手法で得た伸縮シートについて、高収縮応力領域P1、低収縮応力領域P2それぞれの領域から、伸縮方向(Y軸方向に相当する)と平行な直線に沿って切断し、更に伸縮方向に直交する方向(X軸方向に相当する)と平行な直線に沿って切断し、矩形状のサンプルを切り出す。切り出したのちの自然状態でのサンプルの大きさが、帯状の、Y軸方向に沿って70mm、X軸方向に沿って50mmとなるように切り出す。尚、幅方向に70mmのサンプルの形成が難しい場合は、適宜長さを変更する。
(測定方法)
切り出した各領域のサンプルの長さ方向(Y軸方向に相当する。)の両側を、テンシロン引張り試験機(株式会社島津製作所製「オートグラフ AG-X」)の一対のチャック間に固定する。チャック部は、引張方向の長さが20mm、引張方向と直交する方向の長さが60mmとする。サンプルの固定は、サンプルの長さ方向の両端部それぞれにおける、端縁から幅10mmの部分がチャック部に含まれるよう、少なくとも1MPaの空気圧によりチャックに挟んで留める。チャック間隔は50mmとし、サンプルは、自然状態で固定する。尚、チャック間隔はサンプル片の長さに応じて適宜調整する。そして、そのサンプルを300mm/minで伸長させ、サンプルの長さ(チャック間距離)が、自然状態での長さの150%となった時点及び200%となった時点の単位長さ(1mm)あたりの引張り荷重(cN)を、それぞれ伸度50%における収縮応力、伸度100%の伸度における収縮応力とする。
(外装体における収縮応力値)
複合シート60を用いておむつ30の外装体39を構成する場合、複合シート60における好ましい収縮応力値は以下の通りである。
高収縮応力領域P1(第1の領域31)の収縮応力は、好ましくは1.4cN/mm以上、より好ましくは2cN/mm以上、また、好ましくは5cN/mm以下であり、そして、好ましくは1.4cN/mm以上5cN/mm以下、より好ましくは2cN/mm以上5cN/mm以下である。
第2の領域32の収縮応力は、好ましくは0.1cN/mm以上、より好ましくは0.5cN/mm以上、また、好ましくは3cN/mm以下、より好ましくは2.5cN/mm以下であり、そして、好ましくは0.1cN/mm以上3cN/mm以下であり、より好ましくは0.5cN/mm以上2.5cN/mm以下である。
第1の領域31の収縮応力は、第2の領域32の収縮応力の好ましくは1.2倍以上、より好ましくは1.4倍以上、また、好ましくは3倍以下、より好ましくは2.5倍以下であり、そして、好ましくは1.2倍以上3倍以下、より好ましくは1.4倍以上2.5倍以下である。
以下、外装体の収縮応力測定に用いるサンプルの作成方法及び測定方法について説明する。
(外装体の収縮応力測定用サンプルの作成方法)
使い捨ておむつ30のサイドシール部18を剥離し、外装体39の第1の領域31及び第2の領域32のいずれの領域においても同じ比率で外装体39を伸長し、展開して平面上に広げ、腹側部34a及び背側部34bのそれぞれについて、第1の領域31及び第2の領域32それぞれの領域から幅方向と平行な直線に沿って切断し、更に前後方向と平行な直線に沿って切断し、矩形状のサンプルを切り出す。サンプルは、平面視したときに、外装体39の、吸収体9と対向する領域以外の領域であって、吸収体9の幅方向を規定する吸収体9の一対の両側縁部の延長線上で挟まれた領域よりも外側の領域から切り出す。切り出したのちの自然状態でのサンプルの大きさが、上記伸縮シートのサンプル作成時と同様に、Y軸方向に沿って70mm、X軸方向に沿って50mmとなるように切り出す。
(測定方法)
上記伸縮シートの測定方法と同様に、切り出した各領域のサンプルを、上記テンシロン引張り試験機に固定する。次に、サンプルを300mm/minで伸長させ、サンプルの長さ(チャック間距離)が、自然状態での長さの185%となった時点まで伸長させた後に、140%の長さまで収縮させたときの幅方向の単位長さ(1mm)あたりの引張り荷重(cN)を収縮応力とする。尚、140%を指標としたのは、パンツ型使い捨ておむつ30を着用した時のサンプルの伸長状態を再現するためである。
[伸縮シートの各構成の寸法]
伸縮シート70が上記の収縮応力値を有するようする場合の各構成の具体的な寸法の一例について説明する。
まず、各構成の示す位置について図4、図7を用いて説明する。
図7に示すように、凸部74(71)の高さhは、弾性フィラメント87aのZ軸方向における中心から凸部74(71)の頂部までの距離を示す。
凸部74(71)の幅w、すなわちY軸方向の長さは、各凸部74(71)からみて両隣に位置する平坦部75(72)それぞれとの境界間距離を示す。
凸部74(71)間距離cは、伸縮シート70の同一面側に位置する相互に隣り合う凸部74(71)の頂部間距離を示す。
平坦部75(72)の幅d、すなわちY軸方向の長さは、各平坦部75(72)からみて両隣に位置する凸部74(71)それぞれとの境界間距離を示す。
波幅eは、図7(B)に示すように、波形状を有する伸縮シート70の頂部81と谷部82との距離を示し、波形状の伸縮シート70の厚みに相当する。
図4に示すように、弾性フィラメント87aの配置間隔fは、隣り合う弾性フィラメント87aの中心間距離を示す。
(各構成の寸法)
人の指先における2点弁別閾は2mm前後と知られていることから、触感の観点での伸縮シート表面での均一性を得るために、上記高さh、幅w、距離c、幅d、波幅e、及び間隔fはいずれも2mm以下とすることが好ましい。
より具体的には、低収縮応力領域P2に位置する高凸部74b(71b)の高さhは、好ましくは750μm以上950μm以下である。本実施形態においては、高凸部74b(71b)の高さhは、841μmである。
高凸部74b(71b)の幅wは、好ましくは900μm以上1100μm以下である。本実施形態においては、高凸部74b(71b)の幅wは、998μmである。
高凸部74b(71b)間距離c、すなわち、低収縮応力領域P2における凸部74(71)の配列間隔は、好ましくは1400μm以上1600μm以下である。本実施形態においては、高凸部74b(71b)間距離cは、1526μmである。
低収縮応力領域P2における平坦部75(72)の幅dは、好ましくは500μm以上750μm以下である。本実施形態においては、低収縮応力領域P2における平坦部75(72)幅dは、620μmである。
低収縮応力領域P2における波幅eは、好ましくは350μm以上600μm以下である。本実施形態においては、低収縮応力領域P2における波幅eは、481μmである。
高収縮応力領域P1に位置する低凸部74a(71a)の高さhは、好ましくは450μm以上650μm以下である。本実施形態においては、低凸部74a(71a)の高さhは、544μmである。
低凸部74a(71a)の幅wは、好ましくは850μm以上1050μm以下である。本実施形態においては、低凸部74a(71a)の幅wは、957μmである。
低凸部74a(71a)間距離c、すなわち、高収縮応力領域P1における凸部74(71)の配列間隔は、好ましくは1500μm以上1700μm以下である。本実施形態においては、低凸部74a(71a)間距離cは、1602μmである。
高収縮応力領域P1における平坦部75(72)の幅dは、好ましくは500μm以上750μm以下である。本実施形態においては、平坦部75(72)幅dは、636μmである。
高収縮応力領域P1における波幅eは、好ましくは350μm以上600μm以下である。本実施形態においては、高収縮応力領域P1における波幅eは、491μmである。
弾性フィラメント87aの配置間隔fは、好ましくは0.5mm以上2mm以下である。本実施形態においては、弾性フィラメント87aの配置間隔fは、1mmである。
伸縮シート70の同一面側にそれぞれ配置される低凸部74a(71a)と高凸部74b(71b)とは、低凸部74a(71a)の高さが、高凸部74b(71b)の高さの、好ましくは0.5倍以上、より好ましくは0.6倍以上、また、好ましくは0.8倍以下、より好ましくは0.7倍以下であり、そして、好ましくは0.5倍以上0.8倍以下であり、より好ましくは0.6倍以上0.7倍以下である。本実施形態においては、低凸部74a(71a)の高さは、高凸部74b(71b)の高さの約0.65倍である。
本実施形態では、低収縮応力領域P2における高凸部74b(71b)間距離cと、高収縮応力領域P1における低凸部74a(71a)間距離cとは、ほぼ同じである。また、高凸部74b(71b)の幅wと、低凸部74a(71a)の幅wとは、ほぼ同じであるので、自然状態で伸縮シート70の高収縮応力領域P1と低収縮応力領域P2における伸縮方向における幅がほぼ同じとなる。このような伸縮シート70は、高収縮応力領域P1と低収縮応力領域P2との境界が視認しにくく、一体感のある外観のものとなる。そして、このような一体感のある外観であるのにもかかわらず、伸長時では、領域によって収縮応力が異なるという機能が発現可能なシートとなる。
ここで、本願明細書において、「ほぼ同じ」とは、一方の値が、他方の値の90%~110%の範囲内にあることをいう。
伸縮シート70では、自然状態の伸縮シート70の各面において、高収縮応力領域P1と低収縮応力領域P2それぞれの領域で、凸部間距離cに対する凸部の高さhの比(h/c)の値が1以下であることが望ましい。この上限値以下とすることにより、伸縮シート70を、不織布面内で一体感のある外観とすることができるとともに、シート表面全体の起伏が滑らかになり引っ掛かりによる材料破壊がしにくいものとすることができる。
(伸縮シートの各構成の寸法の測定方法)
上記の非伸長時における伸縮シート70の凸部の高さ及び幅、凸部間距離、平坦部の幅の寸法、波幅、弾性フィラメント87aの配置間隔、後述する熱融着部非存在領域65の大きさは、次のように測定する。
日新EM株式会社製の片刃トリミング用カミソリ(3-Facet .009"/.23mm)の刃を伸縮シート70に少なくとも100Hzの歪み速度により押し当てることで切断して5片のサンプルを得、各切断されたサンプルの断面を、マイクロスコープ(株式会社キーエンス製VHX-1000)を用いて20~100倍の倍率で観察し、各寸法を測定することができ、5つのサンプルの測定結果の平均値を寸法として算出する。
[熱融着部非存在領域の寸法]
上記伸縮シート70の熱融着部非存在領域65のY軸方向における長さは、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.4mm以上、また、好ましくは1.4mm以下、より好ましくは1.2mm以下であり、そして、好ましくは0.2mm以上1.4mm以下、より好ましくは0.4mm以上1.2mm以下である。本実施形態においては、0.79mmである。
熱融着部非存在領域65のX軸方向における長さは、好ましくは1.2mm以上、より好ましくは1.4mm以上、また、好ましくは2.4mm以下、より好ましくは2.2mm以下であり、そして、好ましくは1.2mm以上2.4mm以下、より好ましくは1.4mm以上2.2mm以下である。本実施形態においては、1.84mmである。
熱融着部非存在領域65のX軸方向における長さは、伸縮方向Yにおける長さの、好ましくは1.5倍以上、より好ましくは1.8倍以上、また、好ましくは3倍以下、より好ましくは2.8倍以下であり、そして、好ましくは1.5倍以上3倍以下、より好ましくは1.8倍以上2.8倍以下である。本実施形態においては、約2.3倍である。
[不織布の繊維の残留歪み]
上記伸縮シート70を構成する不織布85、86の少なくとも1層は、不織布を構成する繊維が、100%伸長を与えたのちの残留歪みが、好ましくは70%以下、より好ましくは65%以下、また好ましくは50%以上、より好ましくは55%以上であり、そして、好ましくは50%以上70%以下、より好ましくは55%以上であり、そして、好ましくは50%以上70%以下、より好ましくは55%以上65%以下であることが望ましい。
伸長時、境界64では、境界64に対して斜めのせん断応力が作用する。伸長時の材料損傷を発生しにくくするには、第1の不織布85又は第2の不織布86は、このせん断応力を許容できる弾性のあるシートであることが望ましい。
第1の不織布85、第2の不織布86を、残留歪みが上記の上限値以下の弾性的な振る舞い分が多い繊維を用いて形成した場合、高収縮応力領域P1と低収縮応力領域P2との境界64付近において、せん断応力を許容でき、伸長時に材料損傷を発生しにくくすることができる。
このため、基材となる第1の不織布85、第2の不織布86のうち少なくとも1層を構成する繊維が、100%伸長を与えた後の残留歪みが上記の上限値以下とすることがより好ましい。このような残留歪みの小さい不織布は、例えば、アイソタクティックポリプロピレンにプロピレン・エチレン・α―オレフィン共重合体を混合した樹脂を用いスパンボンド法などにより得ることができる。
ここで、高収縮応力領域P1と低収縮応力領域P2それぞれに、境界64を一辺とする同じ大きさの仮想の正方形を設け、それぞれの領域の仮想正方形を互いの対角線が一直線上となるように配置した場合の力の合成を考える。
伸縮シート70に伸縮方向に沿ったせん断歪みを与えた場合、境界64付近に設けた仮想正方形の対角線方向に生じる伸長量は、伸縮方向に沿った正方形の辺方向に発生する伸長量の約1.41倍となる。したがって、不織布を構成する繊維の非弾性的な振る舞い分は、最大で、仮想正方形の辺の長さを仮想正方形の対角線の長さで割った値に100を乗じた約70%まで許容される。
したがって、第1の不織布85、第2の不織布86の少なくとも1層は、不織布を構成する繊維が、100%伸長を与えたのちの残留歪みが70%以下であることが望ましく、これにより材料損傷が生じにくくなる。
(不織布の繊維の残留歪みの測定方法)
上記伸縮シート70の不織布85、86を構成する繊維の残留歪みの測定は次のように行う。
伸縮シート70の平坦部における熱融着部を含まない領域において、上記各構成の寸法の測定方法と同様にカミソリを伸縮シートに押し当て、熱融着部を含まない範囲で最大の矩形を、4辺のうち2辺ずつX軸とY軸方向に平行となるように切り出す。切り出した伸縮シート片において、ピンセットで引っ張ることにより第1の不織布85と第2の不織布86を弾性フィラメント87aから剥がし、これらを分離する。伸縮シート70においては、第1の不織布85、第2の不織布86と弾性フィラメント87aとは界面で溶着しているので、このように分離することができる。
次に、剥がして分離した不織布85、86の不織布片において、伸縮シートX軸方向に沿う断面からピンセットで全ての繊維を引き抜き、繊維群を得る。繊維群から繊維を1本取り出し、繊維の両側を上記のテンシロン引張り試験機の一対のチャック間に固定する。サンプルの固定は、サンプルの長さ方向の両端部それぞれにおける、端縁から繊維長の20%の部分をチャックに挟んで留める。チャック間隔は繊維長の60%とする。尚、チャック間隔はサンプル片の長さに応じて適宜調整する。そして、そのサンプルを50mm/minで、サンプルの長さ方向に伸長率100%で伸長させた後、伸長状態を徐々に解放して収縮させ、引張り応力が0.1cN/mmとなったときの歪み(%)を求める。また、サンプルを50mm/minの速度でサンプルを伸長させ、サンプルの伸び止まりが生じたときの伸度を最大点伸度(%)として求める。残留歪み(%)は、引張り応力が0.1cN/mmとなったときの歪みを最大点伸度で割った値に100を乗じたものである。この測定を、上記繊維群全てに対して実施して残留歪みを求め、その平均値を、不織布を構成する繊維の残留歪みとする。
[弾性フィラメントの残留歪み]
また、伸縮シート70をおむつ30の外装体39に適用する場合、弾性フィラメント87aは、40℃の温度条件下で100%伸長を6時間与えられた後の残量歪みが60%以下であることが望ましい。また好ましくは50%以上である。ここで40℃とは、伸縮シート70を使い捨ておむつの外装体に適用したときに、使い捨ておむつの着用者の体温に近い温度とするためであり、実施に使用される環境に近い温度設定である。
このように、40℃の温度条件下で100%伸長を6時間与えられた後の残留歪みが60%以下という応力緩和が少ない弾性フィラメント87aを用いることにより、伸縮シート70の伸縮性を維持することができる。これにより快適な着用感を着用者に与えることができる。
尚、弾性フィラメント87aの弾性だけに注目した場合、残留歪みの下限値は限定されない。
(弾性フィラメントの残留歪みの測定方法)
上記の弾性フィラメントの残留歪みの測定は次のように行う。
伸縮シート70から、上記不織布の繊維の残留歪みの測定方法と同様の手法で、伸縮シート片を切り出し、不織布85,86と弾性フィラメント87aとを分離する。
次に、分離した弾性フィラメント87aを長さ10mmに切り出しサンプルを5つ作成する。切り出したサンプルの長さ方向の両側を、上記テンシロン引張り試験機の一対のチャック間に固定する。サンプルの固定は、サンプルの長さ方向の両端部それぞれにおける、端縁から幅2.5mmの部分を少なくとも1MPaの圧力でチャックに挟んで留める。チャック間隔は5mmとし、サンプルは、自然状態で固定する。尚、チャック間隔はサンプル片の長さに応じて適宜調整する。そして、そのサンプルを50mm/minでサンプルの長さ方向に伸長率100%まで伸長させた状態を40℃の温度条件下で6時間維持する。その後、伸長状態を解放して収縮させ、引張り応力が0となったときのサンプルの伸度を測定し、残留歪みを求める。
[伸縮シート、非伸縮シートの伸長回復率及び伸度]
上記の使い捨ておむつ30の外装体39は、伸縮シートである第1のシート44と、非伸縮シートである第2のシート12とを有する。伸縮不織布とは、少なくとも収縮方向と同方向に100%伸長させたときの回復率(伸長回復率)が70%以上のものを意味する。また、本実施形態で用いる伸縮不織布の伸度は、100%以上が好ましく、150%以上がさらに好ましい。
伸長回復率及び伸度は次のように測定できる。
(伸長回復率の測定)
長さ50mm、幅25mmの伸縮シートのサンプル片を用意し、上記のテンシロン引張り試験機を用いて、チャック間隔L0にサンプル片を固定し、300mm/minの速度で100%伸長時の長さL2(L2=L0×2)まで伸長させた後、引張速度と同様の速度で戻し始めて引張荷重が0になった時におけるサンプル片の長さを伸長回復後の長さL1とする。次式から100%伸長時の伸長回復率を算出する。
100%伸長時の伸長回復率(%)={(L2-L1)/(L2-L0)}×100
(伸度の測定方法)
伸長回復率の測定方法に用いたサンプル片と同じ寸法のサンプル片を、伸長回復率の測定と同様の条件で伸長させ、破断した時点の伸度を伸度とする。
<第2の実施形態>
図15を用いて本実施形態に係る伸縮シート99について説明する。尚、上記の実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する場合がある。
図15は、伸縮シート99の概略断面図である。図15は、弾性フィラメント87aを非伸長状態で、弾性フィラメント87aの波形状のうねりをまっすぐ伸ばすように、第1の不織布85と第2の不織布86との境界面を平面状に広げた状態の図である。
第1の実施形態における伸縮シート70では、一方の面における凸部74の位置に、他方の面における凸部71が厚み方向に対向して位置するように構成されていた。
これに対し、図15に示すように、第2の実施形態における伸縮シート99では、一方の面における隣り合う凸部74と凸部74との間の位置に、他方の面における凸部71が厚み方向に対向して位置するように構成されている。
伸縮シート99では、第1の不織布85における伸縮部95には、第1の不織布85の凸部74が位置し、繋ぎ部96には、平坦部75が位置する。第2の不織布86における伸縮部97には、第2の不織布の凸部71が位置し、繋ぎ部98には、平坦部72が位置する。凸部74(凸部71)のY軸方向における長さは、平坦部75(平坦部72)よりも長くなっている。
本実施形態では、第1の不織布85における伸縮部95と、第2の不織布86における伸縮部97とは、厚み方向で部分的に対向して位置している。第1の不織布85の伸縮部95は、第2の不織布86における繋ぎ部98と当該繋ぎ部98に隣接してその両側に位置する伸縮部97、97のそれぞれの一部分と、厚み方向で対向する。
すなわち、伸縮シート99では、第1の不織布85の繋ぎ部96が配置される領域と、第2の不織布86の繋ぎ部98が配置される領域とが、厚み方向で対向する領域がない。換言すると、伸縮シート99は、XY平面で繋ぎ部のみの領域がない構成となっている。
ここで、繋ぎ部96(98)は、第1の不織布85(第2の不織布86)と弾性フィラメント87aとの間の固定に必須となるが、繋ぎ部96(98)では伸縮性を発現させることができない。
本実施形態の伸縮シート99では、一方の面の凸部(伸縮部)に対し他方の面の平坦部(繋ぎ部)が厚み方向で対向するように設けられているので、平坦部(繋ぎ部)における伸縮性の非発現を凸部(伸縮部)が相殺し、一方の面の凸部と他方の面の平坦部とが対向する領域においても伸縮性を発現させることができる。これにより、XY面全域でY軸方向に伸長を発現させることができる。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、凸部74及び凸部71はそれぞれ高凸部と低凸部とを有し、第1の実施形態と同様の寸法を有する。このような高凸部と低凸部を有する伸縮シート99は、相対的に、高凸部が配置される領域が低収縮応力領域P2となり、低凸部が配置される領域が高収縮応力領域P1となる。
このような相互に収縮応力が異なる伸縮シート99を、第1の実施形態の伸縮シート70と同様に、使い捨ておむつの外装体等に適用することができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、第1の実施形態の伸縮シート70では、一方の面に配置される凸部74のY軸方向における中心と、この凸部74に厚み方向で対向する他方の面に配置される凸部71のY軸方向における中心がほぼ一致していた。また、第2の実施形態の伸縮シート99では、一方の面に形成される凸部74のY軸方向における中心と、この凸部74に厚み方向で対向する他方の面に配置される平坦部72のY軸方向における中心がほぼ一致していた。しかしながら、凸部74及び凸部71の配置位置はこれらに限定されない。
他の例として、一方の面に配置される凸部74に厚み方向で他方の面の凸部71及びこれの片側に隣接する平坦部72が対向配置されてもよい。この場合、一方の面に配置される凸部74のY軸方向における中心は、この凸部74に対向配置される平坦部72のY軸方向における中心と凸部71のY軸方向における中心との間に位置する。このような構成においても、凸部を高凸部と低凸部とから構成することにより、高収縮応力と低収縮応力とを有する伸縮シートを得ることができる。また、このような一方の面における凸部と他方の面における凸部の位置関係は、歯溝延伸ロール91、92それぞれの噛み合わせの歯の位置を変えることにより、調整することができる。
また、上記の使い捨ておむつの実施形態においては、外装体を第1のシートと第2のシートを用いて構成していたが、外装体を第1のシートのみで構成してもよい。第1のシートとしては、上記の伸縮シート70や伸縮シート99を用いることができる。
また、上記の各実施形態では、ウエスト部の腹側部及び背側部の双方が伸縮領域を有していたが、腹側部又は背側部の少なくとも一方が伸縮領域を有するようにしてもよい。
また、第1の実施形態の使い捨ておむつの外装体のウエスト部には、第1のシート(伸縮シート)と第2のシート(非伸縮シート)が積層された複合シートが用いられ、使い捨ておむつに適用したときに、伸縮シートである第1のシートが外面側に配置され、第2のシートが内面側に配置されていたが、第1のシートが内面側に配置され、第2のシートが外面側に配置されてもよい。
また、使い捨ておむつにおいて、ウエスト部の吸収体と対向する領域の伸縮シートの弾性要素の一部を切断又は除去して非伸縮領域としてもよい。これにより、伸縮シートの収縮が吸収体に作用して吸収体に皺が生じるということがなく、吸収体の吸液性能が阻害されない。
また、第1の実施形態の使い捨ておむつの外装体は、腹側部と背側部とが股下部を介して連なった継ぎ目のないシートから構成されていた。これに対し、図16に示す使い捨ておむつ45のように、腹側部と背側部とが分離された外装体59にも本発明に係る伸縮シートを用いることができる。外装体59は、腹側部53aと、背側部53bと、接着層13と、第2のシート12a、12bとからなる複合シート49を有する。腹側部53aと背側部53bに本発明に係る伸縮シート70、99を適用することができ、胴回りに伸縮性を有するおむつ45とすることができる。
また、本発明に係る吸収性物品は、上記実施形態のようなサイドシール部で接合されることにより予めパンツ形状に形成されたパンツタイプの使い捨ておむつでなくてもよい。つまり、本発明に係るパンツ型吸収性物品は、サイドシール部に代えて面ファスナーなどのテープが設けられるテープタイプの使い捨ておむつであってもよい。
更に、本発明に係る吸収性物品は、乳幼児用の使い捨ておむつでなくてもよく、例えば、大人用や子供用の使い捨ておむつであってもよい。更に、本発明に係る吸収性物品は、下半身に着用するタイプの吸収性物品であれば、使い捨ておむつでなくてもよい。このような吸収性物品としては、例えば、パンツ型の生理用ナプキンやパンツ型の尿漏れパッドなどが挙げられる。
前述した本発明の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
<1>
第1の方向に伸縮可能な複数の弾性フィラメントと、前記弾性フィラメントに溶着され、複数の前記弾性フィラメントを介して対向配置された2層の不織布を有する伸縮シートであって、
前記不織布は、前記第1の方向に沿って間欠的に配置され前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って延在する複数の凸部と、複数の前記凸部の相互に隣り合う前記凸部間に配置される前記第2の方向に沿って延在する平坦部とを有し、
前記凸部は、前記第2の方向に沿って互いに高さの異なる第1の凸部と第2の凸部とを有し、該第2の凸部は前記第1の凸部よりも高さが高い
伸縮シート。
<2>
2層の前記不織布のうち少なくとも1層は、100%伸長を与えた後の残留歪みが70%以下である繊維を含む、
前記<1>に記載の伸縮シート。
<3>
2層の前記不織布のうち少なくとも1層は、該不織布を構成する繊維が、100%伸長を与えた後の残留歪みが50%以上70%以下である繊維である、
前記<1>又は<2>に記載の伸縮シート。
<4>
前記繊維は、100%伸長を与えた後の残留歪みが55%以上65%以下である、
前記<2>又は<3>に記載の伸縮シート。
<5>
前記弾性フィラメントは、40℃の温度条件下で100%伸長を6時間与えた後の残留歪みが60%以下である、
前記<1>から<4>のうちいずれか1に記載の伸縮シート。
<6>
前記弾性フィラメントは、40℃の温度条件下で100%伸長を6時間与えた後の残留歪みが50%以上60%以下である、
前記<1>から<5>のうちいずれか1に記載の伸縮シート。
<7>
前記伸縮シートは、前記第2の凸部が配置される低収縮応力領域と前記第1の凸部が配置される高収縮応力領域とを有し、
前記不織布は、前記不織布を構成する複数の繊維が熱融着される複数の熱融着部を有し、
前記高収縮応力領域と前記低収縮応力領域との境界上で隣り合って配置される前記熱融着部及び前記境界を介して前記第2の方向に沿って隣り合って配置される前記熱融着部により囲まれ、前記熱融着部に接する各辺が前記境界又は前記境界と直交する仮想線に平行な矩形状の熱融着部非存在領域は、前記第2の方向における長さが前記第1の方向における長さよりも長い、
前記<1>から<6>のうちいずれか1に記載の伸縮シート。
<8>
熱融着部非存在領域の前記第2の方向における長さが前記第1の方向における長さの、1.5倍以上3倍以下である、
前記<7>に記載の伸縮シート。
<9>
熱融着部非存在領域の前記第2の方向における長さが前記第1の方向における長さの、1.8倍以上2.8倍以下である、
前記<7>に記載の伸縮シート。
<10>
前記伸縮シートは、前記第2の凸部が配置される低収縮応力領域と前記第1の凸部が配置される高収縮応力領域とを有し、
前記低収縮応力領域の前記第1の方向における単位長さあたりの収縮応力は、前記高収縮応力領域よりも低い、
前記<1>から<9>のうちいずれか1に記載の伸縮シート。
<11>
前記伸縮シートは平面方向につなぎ目のない連続したシートである、
前記<1>から<10>のうちいずれか1に記載の伸縮シート。
<12>
前記弾性フィラメントは、前記不織布に直接溶着している、
前記<1>から<11>のうちいずれか1に記載の伸縮シート。
<13>
前記伸縮シートは、2層の前記不織布の境界面は波形状である、
前記<1>から<12>のうちいずれか1に記載の伸縮シート。
<14>
前記凸部を構成する繊維は前記弾性フィラメントから剥離している、
前記<1>から<13>のうちいずれか1に記載の伸縮シート。
<15>
前記凸部の繊維密度は、前記平坦部の繊維密度よりも低い、
前記<1>から<14>のうちいずれか1に記載の伸縮シート。
<16>
厚み方向において、前記伸縮シートの一方の面における前記凸部の位置に、他方の面における前記凸部が位置するように構成され、一方の面における前記平坦部の位置に、他方の面における前記非凸部が位置する、
前記<1>から<15>のうちいずれか1に記載の伸縮シート。
<17>
複数の前記凸部は第2の方向に沿って途切れなく連続している、
前記<1>から<16>のうちいずれか1に記載の伸縮シート。
<18>
前記第1の凸部の高さが、前記第2の凸部の高さの0.5倍以上0.8倍以下である、
前記<1>から<17>のうちいずれか1に記載の伸縮シート。
<19>
前記第1の凸部の高さが、前記第2の凸部の高さの0.6倍以上0.7倍以下である、
前記<1>から<18>のうちいずれか1に記載の伸縮シート。
<20>
前記凸部間距離に対する前記凸部の高さの比(凸部の高さ/凸部間距離)の値が1以下である、
前記<1>から<19>のうちいずれか1に記載の伸縮シート。
<21>
前記凸部は、前記第1の方向に伸縮可能な伸縮部を構成し、
前記平坦部は、前記伸縮部よりも前記第1の方向に伸縮しにくい繋ぎ部を構成する、
前記<1>から<20>のうちいずれか1に記載の伸縮シート。
<22>
前記<1>から<21>のうちいずれか1に記載の伸縮シートを具備する吸収性物品。
<23>
前記吸収性物品が、股下に位置する吸収体と、
胴回りに位置する腹側部及び背側部を有し、前記腹側部及び前記背側部の少なくとも一方が、前記胴の周方向に伸縮可能な前記伸縮シートを用いて構成されたウエスト部と、
前記腹側部と前記背側部との間に位置し、前記腹側部及び前記背側部とともに前記吸収体を保持する股下部とを具備し、
前記伸縮シートで構成されたウエスト部は、前記ウエスト部を前記周方向と直交する方向で3等分した各領域のうち中央に位置する中央領域には前記第1の凸部が配置され、前記中央領域を介して相互に対向して位置する一対の端部領域の少なくとも一方には前記第2の凸部が配置される、
前記<22>に記載の吸収性物品。
<24>
前記伸縮シートで構成されたウエスト部は、前記中央領域を介して相互に対向して位置する一対の端部領域の両方に前記第2の凸部が配置される、
前記<23>に記載の吸収性物品。
<25>
前記吸収性物品は外装体と前記吸収体とを備え、
前記外装体が前記伸縮シートを有する、
前記<22>から<24>のうちいずれか1に記載の吸収性物品。
<26>
前記外装体は前記伸縮シートと基材シートとを備え、
前記伸縮シートと前記基材シートとは弾性体を介さずに接合されている、
前記<25>に記載の吸収性物品。
<27>
前記吸収性物品は乳幼児用の使い捨ておむつである、
前記<22>から<26>のうちいずれか1に記載の吸収性物品。
<28>
第1の不織布及び第2の不織布の間に加熱した弾性フィラメントを供給し圧をかけてラミネートし積層体を得る工程と、
前記積層体を一対の歯溝延伸ロールに通すことによりロール延伸加工を行う延伸工程を有し、
前記歯溝延伸ロールが、高歯たけ部と、前記高歯たけ部よりも歯たけが低い低歯たけ部を有する、
伸縮シートの製造方法。
<29>
前記延伸工程後の伸縮シートに加える張力を、前記延伸加工前の前記積層体に加える張力よりも弱くする、
前記<28>に記載の伸縮シートの製造方法。
<30>
前記<28>又は<29>に記載の製造方法により製造された伸縮シートを、一定の伸長率で伸長させ、基材シートと貼り合わせて外装体を得る工程と、
吸収体と前記外装体とを重ねあわせる工程を有する、
吸収性物品の製造方法。
<31>
前記伸縮シートと前記基材シートとを弾性体を介さずに接合する、
前記<30>に記載の吸収性物品の製造方法。
44…第1のシート(伸縮シート)
85…第1の不織布(不織布)
70、99…伸縮シート
71、74…凸部
71a、74a…低凸部(第1の凸部)
71b、74b…高凸部(第2の凸部)
72、75…平坦部
70a、95、97…伸縮部
70b、96、98…繋ぎ部
86…第2の不織布(不織布)
87a…弾性フィラメント
X軸方向…伸縮方向及び厚み方向に直交する方向(第2の方向)
Y軸方向…伸縮方向(第1の方向)

Claims (7)

  1. 第1の方向に伸縮可能な複数の弾性フィラメントと、前記弾性フィラメントに溶着され、複数の前記弾性フィラメントを介して対向配置された2層の不織布を有する伸縮シートであって、
    前記不織布は、前記第1の方向に沿って間欠的に配置され前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って延在する複数の凸部と、複数の前記凸部の相互に隣り合う前記凸部間に配置される前記第2の方向に沿って延在する平坦部とを有し、
    前記凸部は、前記第2の方向に沿って互いに高さの異なる第1の凸部と第2の凸部とを有し、該第2の凸部は前記第1の凸部よりも高さが高い
    伸縮シート。
  2. 2層の前記不織布のうち少なくとも1層は、100%伸長を与えた後の残留歪みが70%以下である繊維を含む
    請求項1に記載の伸縮シート。
  3. 前記弾性フィラメントは、40℃の温度条件下で100%伸長を6時間与えた後の残留歪みが60%以下である
    請求項1又は2に記載の伸縮シート。
  4. 前記伸縮シートは、前記第2の凸部が配置される低収縮応力領域と前記第1の凸部が配置される高収縮応力領域とを有し、
    前記不織布は、前記不織布を構成する複数の繊維間が熱融着される複数の熱融着部を有し、
    前記高収縮応力領域と前記低収縮応力領域との境界上で隣り合って配置される前記熱融着部及び前記境界を介して前記第2の方向に沿って隣り合って配置される前記熱融着部により囲まれ、前記熱融着部に接する各辺が前記境界又は前記境界と直交する仮想線に平行な矩形状の熱融着部非存在領域は、前記第2の方向における長さが前記第1の方向における長さよりも長い
    請求項1から3のうちいずれか1項に記載の伸縮シート。
  5. 前記伸縮シートは、前記第2の凸部が配置される低収縮応力領域と前記第1の凸部が配置される高収縮応力領域とを有し、
    前記低収縮応力領域の前記第1の方向における単位長さあたりの収縮応力は、前記高収縮応力領域よりも低い
    請求項1から4のうちいずれか1項に記載の伸縮シート。
  6. 請求項1から5のうちいずれか1項に記載の伸縮シートを具備する吸収性物品。
  7. 前記吸収性物品は、
    股下に位置する吸収体と、
    胴回りに位置する腹側部及び背側部を有し、前記腹側部及び前記背側部の少なくとも一方が、前記胴の周方向に伸縮可能な前記伸縮シートを用いて構成されたウエスト部と、
    前記腹側部と前記背側部との間に位置し、前記腹側部及び前記背側部とともに前記吸収体を保持する股下部とを具備し、
    前記伸縮シートで構成されたウエスト部は、前記ウエスト部を前記周方向と直交する方向で3等分した各領域のうち中央に位置する中央領域には前記第1の凸部が配置され、前記中央領域を介して相互に対向して位置する一対の端部領域の少なくとも一方には前記第2の凸部が配置される
    請求項6に記載の吸収性物品。
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