JP4746830B2 - 熱可塑性樹脂微多孔膜の製造方法 - Google Patents
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Description
(1) ポリオレフィンがポリエチレン又はポリエチレン組成物である。
(2) 上記(1)に記載のポリエチレンの質量平均分子量が1×104〜5×106である。
(3) 上記(1)に記載のポリエチレンの質量平均分子量が1×105〜4×106である。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリエチレンが超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載のポリエチレンが質量平均分子量5×105以上の超高分子量ポリエチレンである。
(6) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載のポリエチレンの質量平均分子量/数平均分子量(以下、「Mw/Mn」と記載する)が5〜300である。
(7) 上記(1)に記載のポリエチレン組成物が超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンからなる群から選ばれた少なくとも二種からなる。
(8) 上記(1)又は(7)に記載のポリエチレン組成物が質量平均分子量5×105以上の超高分子量ポリエチレンと質量平均分子量1×104以上5×105未満の高密度ポリエチレンを含む。
(9) 上記(1)、(7)、(8)に記載のポリエチレン組成物のMw/Mnが5〜300である。
(10) 上記(1)に記載のポリオレフィンが、上記(2)〜(6)に記載のポリエチレン又は上記(7)〜(9)のいずれかに記載のポリエチレン組成物に、シャットダウン機能(電池内部の温度上昇時に、発火等の事故を防止するため、微多孔膜が溶融して微多孔を目詰りさせて電流を遮断する機能)を付与するポリオレフィンとして分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、シングルサイト触媒を用いて製造されたエチレン-α-オレフィン共重合体、及び分子量1×103〜4×103の低分子量ポリエチレンからなる群から選ばれた少なくとも一種を添加したポリオレフィン組成物である。
(11) 上記ポリオレフィンが、上記(2)〜(6)に記載のポリエチレン又は上記(7)〜(10)のいずれかに記載のポリエチレン組成物に、メルトダウン温度(熱可塑性微多孔膜の破膜温度)を向上させるためのポリプロピレンを添加したポリオレフィン組成物である。
(12) 大気圧下における沸点が80℃以下である。
(13) 25℃における表面張力が20 mN/m以下である。
(14) 16℃における水への溶解度が300質量ppm以下である。
(15) ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル、パーフルオロカーボン、パーフルオロエーテル、炭素数5〜7のノルマルパラフィン、炭素数5〜7のイソパラフィン及び炭素数5〜7のシクロパラフィンからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
(16) C5H2F10の組成式で示される鎖状ハイドロフルオロカーボン、C4F9OCH3及びC4F9OC2H5の組成式で示されるハイドロフルオロエーテル、C6F14及び C7F16の組成式で示されるパーフルオロカーボン、並びにC4F9OCF3及びC4F9OC2F5の組成式で示されるパーフルオロエーテルからなる群から選ばれた少なくとも一種のフッ素系化合物である。
(17) ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン及びノルマルヘプタンからなる群から選ばれた少なくとも一種のノルマルパラフィンである。
(18) 2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキサン、3-エチルペンタン、2,2-ジメチルペンタン、2,3-ジメチルペンタン、2,4-ジメチルペンタン、3,3-ジメチルペンタン及び2,2,3-トリメチルブタンからなる群から選ばれた少なくとも一種のイソパラフィンである。
(19) シクロペンタン、メチルシクロペンタン及びシクロヘキサンからなる群から選ばれた少なくとも一種のシクロパラフィンである。
(20) 塩化メチレン、四塩化炭素、三フッ化エタン、メチルエチルケトン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ジエチルエーテル及びジオキサンからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
(21) 炭素数8以上のノルマルパラフィン、水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子で置換された炭素数5以上のノルマルパラフィン、炭素数8以上のイソパラフィン、炭素数7以上のシクロパラフィン、水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子で置換された炭素数5以上のシクロパラフィン、炭素数7以上の芳香族炭化水素、水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子で置換された炭素数6以上の芳香族炭化水素、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されることのある炭素数5〜10のアルコール、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されることのある炭素数7〜14のエステル及びエーテル、並びに炭素数5〜10のケトンからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
(22) 上記炭素数8以上のノルマルパラフィンは、より好ましくは炭素数が8〜12であり、具体的にはノルマルオクタン、ノルマルノナン、ノルマルデカン、ノルマルウンデカン及びノルマルドデカンからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
(23) 上記水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子で置換された炭素数5以上のノルマルパラフィンは、1-クロロペンタン、1-クロロヘキサン、1-クロロヘプタン、1-クロロオクタン、1-ブロモペンタン、1-ブロモヘキサン、1-ブロモヘプタン、1-ブロモオクタン、1,5-ジクロロペンタン、1,6-ジクロロヘキサン及び1,7-ジクロロヘプタンからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
(24) 上記炭素数8以上のイソパラフィンは、2,3,4-トリメチルペンタン、2,2,3-トリメチルペンタン、2,2,5-トリメチルヘキサン、2,3,5-トリメチルヘキサン、2,3,5-トリメチルヘプタン及び2,5,6-トリメチルオクタンからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
(25) 上記炭素数7以上のシクロパラフィンは、シクロヘプタン、シクロオクタン、メチルシクロヘキサン、シス-及びトランス-1,2-ジメチルシクロヘキサン、シス-及びトランス-1,3-ジメチルシクロヘキサン、並びにシス-及びトランス-1,4-ジメチルシクロヘキサンからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
(26) 上記水素原子の一部がハロゲン原子で置換された炭素数5以上のシクロパラフィンは、クロロシクロペンタン及びクロロシクロヘキサンからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
(27) 上記炭素数7以上の芳香族炭化水素は、トルエン、オルトキシレン、メタキシレン及びパラキシレンからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
(28) 上記水素原子の一部がハロゲン原子で置換された炭素数6以上の芳香族炭化水素は、クロロベンゼン、2-クロロトルエン、3-クロロトルエン、4-クロロトルエン、3-クロロオルトキシレン、4-クロロオルトキシレン、2-クロロメタキシレン、4-クロロメタキシレン、5-クロロメタキシレン及び2-クロロパラキシレンからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
(29) 上記水素原子の一部がハロゲン原子で置換されることのある炭素数5〜10のアルコールは、イソペンチルアルコール、ターシャリーペンチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、3-メトキシ-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、プロピレングリコールノルマルブチルエーテル及び5-クロロ-1-ペンタノールからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
(30) 上記水素原子の一部がハロゲン原子で置換されることのある炭素数7〜14のエステルは、炭酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸ノルマルブチル、酢酸イソペンチル、酢酸3-メトキシブチル、酢酸3-メトキシ-3-メチルブチル、ノルマル酪酸エチル、ノルマル吉草酸エチル及び酢酸2-クロロエチルからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
(31) 上記水素原子の一部がハロゲン原子で置換されることのある炭素数7〜14のエーテルは、ノルマルブチルエーテル、ジイソブチルエーテル及びビスクロロエチルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
(32) 上記炭素数5〜10のケトンは、2-ぺンタノン、3-ペンタノン、2-ヘキサノン、3-ヘキサノン、シクロペンタノン及びシクロヘキサノンからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
熱可塑性樹脂は、ポリオレフィンを主体とする。ポリオレフィンとしては単独のポリオレフィン(混合物でないもの)又は二種以上のポリオレフィンからなるポリオレフィン組成物のどちらでもよい。
熱可塑性樹脂微多孔膜の製造方法は、(a) 上記熱可塑性樹脂に溶剤を添加して溶融混練し、熱可塑性樹脂溶液を調製する工程、(b) 熱可塑性樹脂溶液をダイリップより押し出し、冷却してゲル状成形物を形成する工程、(c) ゲル状成形物から溶剤除去する工程、及び(d) 得られた膜(洗浄成形物)から洗浄溶媒を除去する工程を含む。更に、(a)〜(d)の工程の後、必要に応じて、(e) 電離放射による架橋処理、(f) 熱処理、(g) 親水化処理、(h) 表面被覆処理等を行ってもよい。また(d)工程の前後に、必要に応じて延伸する工程を入れてもよい。
まず熱可塑性樹脂に適当な溶剤を添加して溶融混練し、熱可塑性樹脂溶液を調製する。この熱可塑性樹脂溶液には必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤、顔料、染料、無機充填材等の各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。例えば、孔形成剤として微粉珪酸を添加することができる。
溶融混練した熱可塑性樹脂溶液を直接に又は別の押出機を介して、或いは一旦冷却してペレット化した後再度押出機を介してダイリップから押し出す。ダイリップとしては、通常は長方形の口金形状をしたシート用ダイリップを用いるが、二重円筒状の中空状ダイリップ、インフレーションダイリップ等も用いることができる。シート用ダイリップの場合、ダイリップのギャップは通常0.1〜5mmであり、押し出し時にダイリップを140〜250℃に加熱する。加熱溶液の押し出し速度は0.2〜15 m/分であるのが好ましい。
熱可塑性樹脂微多孔膜の使用目的により、必要に応じてゲル状成形物を延伸する。延伸を行う場合は、ゲル状成形物を加熱後、通常のテンター法、ロール法、インフレーション法、圧延法又はこれらの方法の組合せによって所定の倍率で行う。延伸は一軸延伸でも二軸延伸でもよいが、二軸延伸が好ましい。また二軸延伸の場合は、縦横同時延伸又は逐次延伸のいずれでもよいが、特に同時二軸延伸が好ましい。延伸により機械的強度が向上する。
ゲル状成形物の延伸及び溶剤除去により得られた微多孔膜(洗浄成形物)を温水と接触させながら、洗浄溶媒吸引手段により微多孔膜に吸引力を作用させ、洗浄溶媒を吸引除去する。洗浄溶媒(A)は沸点が100℃以下、好ましくは80℃以下であるため、温水と接触させる乾燥方法によっても短時間で容易に除去、乾燥することができる。また25℃における表面張力が24 mN/m 以下、好ましくは20 mN/m 以下であるため、空孔率、透過性及び寸法安定性が良好である。特に洗浄溶媒としてハイドロフルオロエーテルを使用した場合は、塩化メチレンを使用した場合に比べ乾燥時の膜収縮が小さく、吸引ロールの上流側でMD方向のみにテンションが掛かった状態で膜が温水と接触した際のTD方向の膜収縮による物性低下が少ない。さらに16℃における水への溶解度が600質量ppm以下、好ましくは300質量ppm以下であるため、温水と接触させて乾燥しても水痕様の模様が発生せず外観を損なうことがない。
t≦(100−T)3/(700×P0.5×logL) ・・・(1)
(一般式(1)中、tは洗浄溶媒吸引手段を洗浄成形物に接触させる時間(秒)を表し、Tは温水の温度(℃)を表し、Pは大気圧と洗浄溶媒吸引手段内部の空洞部圧力との差(kPa)を表し、Lは洗浄溶媒吸引手段の透孔サイズ(μm)を表す。)で表される時間とするのが好ましい。接触時間tが上記範囲を超えると洗浄溶媒吸引手段の吸引力により膜が変形するだけでなく、吸引痕様の模様が膜表面に生成し、外観が悪化する。場合によっては透気度、空孔率等の物性値にも悪影響を与えることがある。一方、接触時間が短すぎると溶媒除去が十分に行われないため、接触時間tは一般式(1)で表される範囲内であって、かつ0.1秒以上が好ましく、0.3秒以上がより好ましい。
延伸・溶剤除去により得られた膜から吸引により洗浄溶媒を除去した後、電離放射により架橋処理を施すのが好ましい。電離放射線としてはα線、β線、γ線、電子線等が用いられ、電子線量0.1〜100 Mrad、加速電圧100〜300 kVにて行うことができる。これによりメルトダウン温度を向上させることができる。
洗浄溶媒除去後に熱処理を行ってもよい。熱処理によって結晶が安定化し、ラメラ層が均一化される。熱処理としては、熱延伸処理、熱固定処理、及び熱収縮処理のいずれも用いることができる。これらの処理は、熱可塑性樹脂微多孔膜の融点以下、好ましくは60℃以上融点−10℃以下で行う。
洗浄溶媒除去により得られた微多孔膜は親水化処理して用いることもできる。親水化処理としては、モノマーグラフト、界面活性剤処理、コロナ放電処理等を用いる。なお親水化処理は電離放射後に行うのが好ましい。
洗浄溶媒除去により得られた微多孔膜は、ポリビニリデンフルオライド、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂多孔質体、又はポリイミド、ポリフェニレンスルフィド等の多孔質体を表面に被覆することによりメルトダウン特性を改良することもできる。また、ラセミダイアド0.12〜0.88のポリプロピレン溶液を被覆して乾燥することにより無孔質のポリプロピレン膜を形成でき、電池セパレーターとして使用したときの高温特性を改良できる。
以上のように製造した微多孔膜の物性は、通常の場合、空孔率が25〜80%、透気度が10〜2000秒/100cc(膜厚30μm換算)である。洗浄溶剤除去後には高空孔率の膜が得られるので、その後の熱処理を従来よりも高い温度で行っても、従来と同等以上の空孔率/透気度を有し、かつ寸法安定性に優れた熱可塑性樹脂微多孔膜が得られる。熱可塑性樹脂微多孔膜の膜厚は、用途に応じて適宜選択しうるが、例えば電池用セパレーターとして使用する場合は5〜200μmにするのが好ましい。このように、本発明の製造方法により得られる熱可塑性樹脂微多孔膜は優れた透過性を示すので、電池用セパレーター、フィルター等として好適に使用できる。
質量平均分子量が2.0×106の超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)25質量%と質量平均分子量が3.5×105の高密度ポリエチレン(HDPE)75質量%とからなり、Mw/Mn=16.8であるポリエチレン組成物(融点135℃、結晶分散温度90℃)に、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン-3-(3,5-ジターシャリーブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート]メタンをポリエチレン組成物100質量部当たり0.375質量部加えたポリエチレン組成物を得た。得られたポリエチレン組成物25質量部を二軸押出機(内径58 mm、L/D=42、強混練タイプ)に投入し、この二軸押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン75質量部を供給し、200℃及び200 rpmで溶融混練し、押出機中でポリエチレン溶液を調製した。
実施例1と同様にして延伸膜を作製し、得られた膜を25 cm×65 cmのシート状に切り取り、ワイヤの隙間を100μmとした以外実施例1と同様の小型ワイヤロールに巻き付けて固定した。微多孔膜を巻き付けたワイヤロールを26℃に設定した塩化メチレン(沸点40.0℃、表面張力27.3 mN/m(25℃)、水への溶解度20,000質量ppm(20℃))を貯留した第一洗浄槽中で60秒間揺動させる洗浄を2回繰り返した。さらに26℃に設定したハイドロフルオロエーテル(C4F9OCH3、住友スリーエム(株)製HFE-7100、沸点61℃、表面張力13.6 mN/m(25℃)、水への溶解度12質量ppm(25℃))を貯留した第二洗浄槽中で40秒間揺動させる洗浄を2回繰り返した(以下第二洗浄槽を「リンス槽」と記し、第二洗浄槽中での洗浄処理を「リンス処理」と記す。)。洗浄処理後の膜を80℃に加温した温水を貯留した洗浄溶媒除去槽に入れるとともに、ロール内部の空洞部圧力が大気圧より−5kPaになるように吸引しながら1秒間揺動させた。洗浄溶媒除去操作を終了した後実施例1と同様にしてポリエチレン微多孔膜を作製した。微多孔膜の作製条件及び得られた微多孔膜の物性を表1に示す。
第一洗浄槽で用いる洗浄溶媒を60℃に設定したノルマルデカン(沸点173℃、表面張力23.4 mN/m(25℃)、水への溶解度50質量ppm(20℃))、リンス槽で用いる洗浄溶媒を26℃に設定したパーフルオロカーボン(C6F14、住友スリーエム(株)製フロリナートFC-72、沸点56℃、表面張力12.0 mN/m(25℃)、水への溶解度100質量ppm以下(25℃))、小型ワイヤロールの吸引部のワイヤの隙間を50μm、吸引圧力を−13kPa、洗浄溶媒除去槽の温水の温度を70℃、洗浄溶媒除去槽中での揺動時間を4秒間とした以外は実施例2と同様にしてポリエチレン微多孔膜を作製した。微多孔膜の作製条件及び得られた微多孔膜の物性を表1に示す。
実施例1と同様にして二軸延伸を行い、幅0.4 m、長さ約600 mの延伸膜を得た。この延伸膜を第一洗浄槽3槽、リンス槽2槽からなる連続式洗浄装置を用い、膜移送速度6m/分で連続的に洗浄処理を行った。第一洗浄槽には26℃に設定した塩化メチレンを貯留し、各槽における延伸膜の液中滞留時間が30秒になるようにした。リンス槽には26℃に設定したハイドロフルオロエーテル(C4F9OCH3、住友スリーエム(株)製HFE-7100)を貯留し、各槽における延伸膜の液中滞留時間が20秒になるようにした。
洗浄溶媒として塩化メチレンを使用し、延伸膜を20 cm×20 cmのアルミニウム製の枠に固定し、洗浄溶媒除去槽中で揺動させて溶剤を洗浄した以外実施例1と同様にしてポリエチレン微多孔膜を作製した。微多孔膜の作製条件及び得られた微多孔膜の物性を表1に示す。
吸引ロールとして直径8mmの円を開孔度20%になるように均一に配置したパンチングロールを用い、吸引圧力を−20 kPa、洗浄溶媒除去槽の温水の温度を70℃、洗浄溶媒除去槽中での揺動時間を5秒間とした以外実施例2と同様にしてポリエチレン微多孔膜を作製した。微多孔膜の作製条件及び得られた微多孔膜の物性を表1に示す。
ワイヤの隙間を5μm、吸引圧力を−5 kPa、温水の温度を80℃及び洗浄溶媒除去槽中での揺動時間を30秒間とした以外実施例3と同様にしてポリエチレン微多孔膜を作製した。微多孔膜の作製条件及び得られた微多孔膜の物性を表1に示す。
(1) 膜厚:(株)ミツトヨ製接触式厚み計により測定した。
(2) 透気度:JIS P8117に準拠して測定した(膜厚30μm換算)。
(3) 空孔率:重量法により測定した。
(4) 熱収縮率:微多孔膜を105℃で8時間暴露したときの機械方向(MD)、垂直方向(TD)の収縮率をそれぞれ測定し、平均値を求めた。
Claims (3)
- ポリオレフィンを主体とする熱可塑性樹脂と溶剤を溶融混練して得られた溶液をダイより押し出し、冷却して得られたゲル状成形物から残存する前記溶剤を洗浄溶媒により除去して洗浄成形物とした後、前記洗浄成形物を温水と接触させながら、洗浄溶媒吸引手段により前記洗浄成形物から前記洗浄溶媒を吸引除去する工程を有する熱可塑性樹脂微多孔膜の製造方法であって、(1) 前記洗浄溶媒として、大気圧下における沸点が100℃以下、25℃における表面張力が24 mN/m以下及び16℃における水への溶解度が600質量ppm以下である洗浄溶媒(A)を用い、(2) 前記洗浄溶媒吸引手段として、10〜5,000μmの透孔サイズ(前記洗浄溶媒を吸引するための透孔に内接する最大円の直径)を有するワイヤロール、パンチングロール又はスリットロールを用い、かつ(3) 前記洗浄成形物と前記洗浄溶媒吸引手段の吸引面との接触時間を、式:t≦(100−T) 3 /(700×P 0.5 ×logL)[ただしtは前記接触時間(秒)を表し、Tは前記温水の温度(℃)を表し、Pは吸引圧力(kPa)を表し、Lは前記透孔サイズ(μm)を表す]を満たす範囲にすることを特徴とする熱可塑性樹脂微多孔膜の製造方法。
- 請求項1に記載の熱可塑性樹脂微多孔膜の製造方法において、前記吸引圧力を0.5〜60 kPaの範囲とし、前記温水の温度を、30〜95℃の範囲において(前記洗浄溶媒の沸点−10℃)〜(沸点+50℃)の範囲とすることを特徴とする熱可塑性樹脂微多孔膜の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂微多孔膜の製造方法において、(a) 前記ポリオレフィンは、(i) 質量平均分子量が5×10 5 以上の超高分子量ポリエチレンからなるか、(ii) 前記超高分子量ポリエチレンと、質量平均分子量が1×10 4 以上〜5×10 5 未満の高密度ポリエチレンとを含み、さらに質量平均分子量が各々1×10 4 〜4×10 6 の範囲内のポリプロピレン、ポリブテン-1及びエチレン・α-オレフィン共重合体、並びに質量平均分子量が1×10 3 〜4×10 4 の範囲内のポリエチレンワックスからなる群から選ばれた少なくとも一種を含んでもよい組成物からなり、(b) 前記洗浄溶媒(A)の16℃における水への溶解度は300質量ppm以下であり、かつ前記洗浄溶媒(A)は、C 5 H 2 F 10 、C 4 F 9 OCH 3 、C 4 F 9 OC 2 H 5 、C 6 F 14 、C 7 F 16 、C 4 F 9 OCF 3 、C 4 F 9 OC 2 F 5、 炭素数5〜7のノルマルパラフィン、炭素数5〜7のイソパラフィン、及び炭素数5〜7のシクロパラフィンからなる群から選ばれた少なくとも一種であり、(c) 前記透孔サイズが10〜500μmであり、(d) 前記吸引圧力が3〜20 kPaであることを特徴とする熱可塑性樹脂微多孔膜の製造方法。
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