JP4746548B2 - 新規カルボニル還元酵素、その遺伝子、およびその利用法 - Google Patents

新規カルボニル還元酵素、その遺伝子、およびその利用法 Download PDF

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Description

本発明は、下記式(1):
Figure 0004746548
で表される(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを不斉的に還元して、下記式(2):
Figure 0004746548
で表される(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールを生成する活性を有する微生物より単離された、該活性を有するポリペプチド(カルボニル還元酵素)、該ポリペプチドをコードするDNA、該DNAを含むベクター、および該ベクターで形質転換された形質転換体に関する。
本発明はまた、該ポリペプチド、または、該形質転換体を用いた、光学活性アルコール、とりわけ前記式(2)で表される(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールの製造法に関する。
(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールは、医薬等の合成原料として有用な化合物である。
(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールの製造法としては、アミノ基が保護された(3S)−1−ハロ−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノン誘導体を、水素化ほう素ナトリウム等の還元剤で化学的に還元する方法が知られている(特許文献1、非特許文献1)。しかし、本方法は比較的高価な還元剤を用いる必要があり、その立体選択性も実用上十分とは言えない。
また、微生物を用いる方法として、(3S)−1−ハロ−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノン誘導体にキャンディダ(Candida)属等に属する微生物を作用させて、(2R,3S)−1−ハロ−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体を製造する方法(特許文献2)、および、(3S)−1−ハロ−2−オキソ−3−保護アミノ−4−置換ブタンにロドコッカス(Rhodococcus)属等に属する微生物を接触させて、(2R,3S)−1−ハロ−2−ヒドロキシ−3−保護アミノ−4−置換ブタンを製造する方法(特許文献3、非特許文献2)が知られている。しかし、これらの方法では、反応液中に蓄積させることができる生成物の濃度が実用上十分とは言えない。
特開平2−42048号公報 特開平9−285号公報 WO2002/014528号公報 Tetrahedoron, 50, 6333 (1994) Tetrahedoron:Asymmetry, 14, 3105 (2003)
上記に鑑み、本発明は、(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールの製造に有用なポリペプチド、該ポリペプチドをコードするDNA、該DNAを含むベクター、および該ベクターで形質転換された形質転換体を提供することを課題とする。
また、本発明は、該ポリペプチド、または、該形質転換体を用いた、(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールを始めとする種々の光学活性アルコールの効率的な製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを不斉的に還元し、(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールを生成する活性を有する微生物より、該活性を有するポリペプチドを単離した。さらに、該ポリペプチドをコードするDNAの塩基配列を明らかにし、これを利用して、該ポリペプチドを高生産する形質転換体を創製することに成功した。そして、該ポリペプチドまたは該形質転換体を利用することにより、(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールを始めとする種々の有用な光学活性アルコールを効率良く製造することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを不斉的に還元して、(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールを生成する活性を有するポリペプチドである。
また、本発明は、該ポリペプチドをコードするDNAである。また、本発明は、該DNAを含むベクターである。また、本発明は、該ベクターを含む形質転換体である。さらに、本発明は、該ポリペプチドまたは該形質転換体を用いた、(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールを始めとする光学活性アルコールの製造方法である。
本発明により、(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールを始めとする、有用な光学活性アルコールの実用的な製造方法が提供される。
組換えベクターpNTOM4G1の作製法および構造を示す
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において記述されている、(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンは、例えば、特開昭62−126158号公報、または、特開平2−42048号公報に開示された方法により調製できる。また、本明細書において記述されている、DNAの単離、ベクターの調製、形質転換等の遺伝子操作は、特に明記しない限り、Molecular Cloning 2nd Edition(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)等の成書に記載されている方法により実施できる。さらに、本明細書の記述に用いられる%は、特に断りのない限り、%(w/v)を意味する。
本発明のポリペプチドは、(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを不斉的に還元し、(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールを生成する活性を有するポリペプチドである。このようなポリペプチドは、当該活性を有する微生物から単離することができる。
本発明のポリペプチドの起源となる微生物は、特に限定されないが、例えばオガタエア(Ogataea)属に属する酵母が挙げられ、特に好ましいものとしてはオガタエア・ミニュータ・バー・ミニュータ(Ogataea minuta var. minuta)NBRC0975株を挙げることができる。当該微生物は、独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジー本部 生物遺伝資源部門(NBRC:〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)より入手することができる。
本発明のポリペプチドの起源となる微生物を培養するための培地としては、その微生物が増殖する限り、通常の、炭素源、窒素源、無機塩類、有機栄養素などを含む液体栄養培地を用いることができる。
本発明のポリペプチドの起源となる微生物からの該ポリペプチドの単離は、通常公知の蛋白質精製法を適当に組み合わせて用いることにより実施できる。例えば、以下のように実施できる。
まず、当該微生物を適当な培地で培養し、培養液から遠心分離、あるいは、濾過により菌体を集める。得られた菌体を、超音波破砕機、あるいは、グラスビーズ等を用いた物理的手法で破砕した後、遠心分離にて菌体残さを除き、無細胞抽出液を得る。そして、塩析(硫酸アンモニウム沈殿、リン酸ナトリウム沈殿など)、溶媒沈殿(アセトンまたはエタノールなどによる蛋白質分画沈殿法)、透析、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、限外濾過等の手法を単独で、または組み合わせて用いることにより、該無細胞抽出液から、本発明のポリペプチドを単離する。
(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを還元する活性は、例えば、0.33%(v/v)のジメチルスルホキシドを含む100mMリン酸緩衝液(pH6.5)に、0.2mMの基質(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノン、0.25mMの補酵素NADPH、および粗酵素を添加し、30℃で1分間反応させた際の、波長340nmにおける吸光度の減少速度から算出できる。
また、上記反応において生成した、(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールの絶対配置の決定、および、ジアステレオマー過剰率の測定は、高速液体クロマトグラフィー(カラム:COSMOSIL 5C8−MS(φ4.6mm×250mm;ナカライテスク社製)、溶離液:10mMリン酸水溶液/アセトニトリル=1/1(v/v)、流速:1ml/min、検出:210nm)を用いて実施できる。
本発明のDNAは、上述の本発明のポリペプチドをコードするDNAであり、後述する方法に従って導入された宿主細胞内で該ポリペプチドを発現し得るものであればいかなるものでもよく、任意の非翻訳領域を含んでいてもよい。該ポリペプチドが取得できれば、該ポリペプチドの起源となる微生物より、当業者であれば公知の方法で、このようなDNAを取得できる。例えば、以下に示した方法で取得できる。
まず、単離された本発明のポリペプチドを適当なエンドペプチダーゼを用いて消化し、生じたペプチド断片を逆相HPLCにより分取する。そして、例えば、ABI492型プロテインシークエンサー(Applied Biosystems社製)により、これらのペプチド断片のアミノ酸配列の一部または全部を決定する。
このようにして得られたアミノ酸配列情報をもとにして、該ポリペプチドをコードするDNAの一部を増幅するためのPCR(Polymerase Chain Reaction)プライマーを合成する。次に、通常のDNA単離法、例えば、Visser等の方法(Appl. Microbiol. Biotechnol., 53, 415 (2000))により、該ポリペプチドの起源となる微生物の染色体DNAを調製する。この染色体DNAを鋳型として、先述のPCRプライマーを用いてPCRを行い、該ポリペプチドをコードするDNAの一部を増幅し、その塩基配列を決定する。塩基配列の決定は、例えば、 ABI373A型 DNA Sequencer(Applied Biosystems社製)等を用いて行うことができる。
該ポリペプチドをコードするDNAの一部の塩基配列が明らかになれば、例えば、i−PCR法(Nucl.Acids Res., 16, 8186 (1988))によりその全体の配列を決定することができる。
このようにして得られる本発明のDNAの例としては、配列表の配列番号1に示す塩基配列を含むDNA、および、配列表の配列番号2に示す塩基配列を含むDNAを挙げることができる。また、配列表の配列番号1または配列番号2に示す塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであって、かつ、(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを不斉的に還元し、(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールを生成する活性を有するポリペプチドをコードするDNAも、本発明のDNAに包含される。
配列表の配列番号1または配列番号2に示す塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAとは、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法、あるいはサザンハイブリダイゼーション法等を実施した際、配列表の配列番号1または配列番号2に示す塩基配列と相補的な塩基配列を有するDNAと特異的にハイブリッドを形成するDNAを言う。
ここで、ストリンジェントな条件とは、例えば、75mMクエン酸三ナトリウム、750mM塩化ナトリウム、0.5%ドデシル硫酸ナトリウム、0.1%ウシ血清アルブミン、0.1%ポリビニルピロリドン、および、0.1%Ficoll 400(アマシャムバイオサイエンス株式会社製)の組成からなる水溶液中、65℃でハイブリダイゼーションを行った後に、15mMクエン酸三ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、および0.1%ドデシル硫酸ナトリウムの組成からなる水溶液を用いて、60℃で洗浄が行われる条件を言う。好ましくは、上記条件でハイブリダイゼーションを行った後に、15mMクエン酸三ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、および0.1%ドデシル硫酸ナトリウムの組成からなる水溶液を用いて、65℃で洗浄が行われる条件を表す。より好ましくは、前記と同様にハイブリダイゼーションを行った後に、1.5mMクエン酸三ナトリウム、15mM塩化ナトリウム、および0.1%ドデシル硫酸ナトリウムの組成からなる水溶液を用いて、65℃で洗浄が行われる条件である。
本発明のポリペプチドの例としては、配列表の配列番号1に示す塩基配列によってコードされる、配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド、および、配列表の配列番号2に示す塩基配列によってコードされる、配列表の配列番号4に示すアミノ酸配列からなるポリペプチドを挙げることができる。
また、これら2種のポリペプチドのいずれかと一定値以上の相同性を有し、かつ、(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを不斉的に還元し、(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールを生成する活性を有するポリペプチドは、これら2種のポリペプチドと機能的に同等であり、本発明に含まれる。
ここで配列の相同性は、例えば、相同性検索プログラムFASTA(W.R. Pearson & D.J. Lipman; Pro. Natl. Acad. Sci. USA, 85, 2444-2448 (1988))を用いて2つのアミノ酸配列を比較解析した場合に、配列全体に対するIdentityの値で表される。配列表の配列番号3または配列番号4に示すポリペプチドと同等なポリペプチドとしては、これら2種のポリペプチドのいずれかとの相同性が、78%以上(配列番号3のポリペプチドと配列番号4のポリペプチドの相同性が78%である)、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上であるポリペプチドを挙げることができる。
このようなポリペプチドは、例えば、先述の配列表の配列番号1または配列番号2に示す塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを、適当なベクターに連結した後、適当な宿主細胞に導入して発現させることにより得られる。また、例えば、Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley and Sons, Inc., 1989)等に記載の公知の方法に従い、配列表の配列番号3または配列番号4に示すアミノ酸配列からなるポリペプチドに、アミノ酸の置換、挿入、欠失または付加を生じさせることによっても取得できる。
後者の手法により取得したポリペプチドの例としては、配列表の配列番号4に示すアミノ酸配列において、42番目のアラニンをグリシンに、43番目のグルタミン酸をアラニンに、46番目のリジンをグルタミン酸に、および/または、49番目のアスパラギンをリジンに置換して得られるポリペプチドを挙げることができる。これら4つの変異全てを有するポリペプチド(変異ポリペプチド1)を配列表の配列番号16に、このポリペプチドをコードするDNA(変異DNA1)を配列表の配列番号15に示した。
本発明のDNAを宿主微生物内に導入し、導入された宿主微生物内で発現させるために用いられるベクターは、適当な宿主微生物内で該DNAがコードする遺伝子を発現できるものであれば特に限定されない。このようなベクターとしては、例えば、プラスミドベクター、ファージベクター、コスミドベクターなどが挙げられ、さらに、他の宿主株との間での遺伝子交換が可能なシャトルベクターも使用できる。
このようなベクターは、通常、lacUV5プロモーター、trpプロモーター、trcプロモーター、tacプロモーター、lppプロモーター、tufBプロモーター、recAプロモーター、pLプロモーター等の制御因子を含み、本発明のDNAと作動可能に連結された発現単位を含む発現ベクターとして好適に使用できる。例えば、pUCNT(WO94/03613公報)が好適に使用できる。
本明細書で用いる用語「制御因子」は、機能的プロモーター及び、任意の関連する転写要素(例えばエンハンサー、CCAATボックス、TATAボックス、SPI部位など)を有する塩基配列をいう。
本明細書で用いる用語「作動可能に連結」は、遺伝子の発現を調節するプロモーター、エンハンサー等の種々の調節エレメントと遺伝子が、宿主細胞中で作動し得る状態で連結されることをいう。制御因子のタイプ及び種類が、宿主に応じて変わり得ることは、当業者に周知の事項である。
本発明の発現ベクターとしては、後述する、pUCNTに配列番号1に示すDNAを導入したpNTOM3、配列番号2に示すDNAを導入したpNTOM4、配列番号15に示すDNAを導入したpNTOM5等を挙げることができる。
本発明のDNAを含むベクターを導入する宿主細胞としては、細菌、酵母、糸状菌、植物細胞、動物細胞などが挙げられるが、導入及び/又は培養の容易さから細菌が好ましく、大腸菌が特に好ましい。本発明のDNAを含むベクターは、公知の方法により宿主細胞に導入できる。宿主細胞として大腸菌を用いる場合、例えば、市販のE.coli HB101コンピテントセル(タカラバイオ社製)を用いることにより、当該ベクターを宿主細胞に導入できる。
本発明の形質転換体としては、後述する、E.coli HB101に前記pNTMO3を導入したE.coli HB101(pNTMO3) FERM BP−10368、前記pNTMO4を導入したE.coli HB101(pNTOM4) FERM BP−10369、前記pNTMO5を導入したE.coli HB101(pNTOM5) FERM BP−10370等が挙げられる。これら形質転換体は、それぞれ前記の受託番号にて、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(IPOD:〒305-8566 茨城県つくば市東1−1−1 中央第6)に寄託されている(原寄託日2004年6月3日の国内寄託株をブダペスト条約に基づく国際寄託へ移管(2005年7月6日))。
本発明のポリペプチドを用いて、カルボニル基を有する化合物を不斉的に還元し、光学活性アルコールを生産する場合、NADH、NADPH等の補酵素が必要となる。しかし、酸化された該補酵素を還元型に変換する能力(以後、補酵素再生能と呼ぶ)を有するポリペプチド、および、当該ポリペプチドの基質となる化合物を、本発明のポリペプチドと共存させて反応を行うことにより、高価な補酵素の使用量を大幅に削減できる。
補酵素再生能を有するポリペプチドとしては、例えば、ヒドロゲナーゼ、ギ酸脱水素酵素、アルコール脱水素酵素、アルデヒド脱水素酵素、グルコース−6−リン酸脱水素およびグルコース脱水素酵素などを使用できる。好適には、グルコース脱水素酵素が使用される。
本発明のポリペプチドを用いた、光学活性アルコールの製造は、以下のように実施できる。まず、適当な溶媒中に、基質となるカルボニル基を有する化合物、NADPH等の補酵素、および該ポリペプチドを添加し、pH調整下、攪拌して反応を行う。本発明のポリペプチドと補酵素再生能を有するポリペプチドを組み合わせて反応を行う場合は、上記反応組成に、補酵素再生能を有するポリペプチド(例えば、グルコース脱水素酵素)と、その基質となる化合物(例えば、グルコース)をさらに添加する。
反応には水系溶媒を用いてもよいし、水系と有機系の溶媒を混合して用いてもよい。有機系溶媒としては、例えば、トルエン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ヘキサン、イソプロパノール、ジイソプロピルエーテル、メタノール、アセトン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。反応は10℃〜70℃の温度で行われ、反応液のpHは4〜10に維持する。反応は、バッチ方式あるいは連続方式で実施できる。バッチ方式の場合、反応基質は0.1%から70%(w/v)の仕込み濃度で添加される。基質となるカルボニル基を有する化合物としては、例えば、(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンが挙げられるが、上述の反応条件において還元され、光学活性アルコールに変換されるものであれば、特に限定されない。
本発明のポリペプチドの代わりに、該ポリペプチドをコードするDNAを含む形質転換体またはその処理物を使用しても、同様に反応を行うことができる。また、本発明のポリペプチドをコードするDNA、および、補酵素再生能を有するポリペプチドをコードするDNAの両者を含む形質転換体またはその処理物を使用しても、同様に反応を行うことができる。なお、「形質転換体の処理物」とは、例えば、界面活性剤や有機溶媒で処理した細胞、乾燥細胞、破砕処理した細胞、細胞の粗抽出液等のほか、公知の手段でそれらを固定化したものを意味する。
なかでも、本発明のポリペプチドをコードするDNA、および、補酵素再生能を有するポリペプチドをコードするDNAの両者を含む形質転換体またはその処理物を使用した場合には、補酵素を再生するための酵素を別途調製・添加する必要がなく、光学活性アルコールの製造を効率よく行い得る。
本発明のポリペプチドをコードするDNA、および、補酵素再生能を有するポリペプチドをコードするDNAの両者を含む形質転換体は、本発明のポリペプチドをコードするDNA、および、補酵素再生能を有するポリペプチドをコードするDNAの両者を、同一のベクターに組み込み、これを宿主細胞に導入することにより得られるほか、これら2種のDNAを不和合性グループの異なる2種のベクターにそれぞれ組み込み、それら2種のベクターを同一の宿主細胞に導入することによっても得られる。
本発明のポリペプチドをコードするDNA及び補酵素再生能を有するポリペプチドをコードするDNAの両者が組込まれたベクターとしては、前記発現ベクターpNTOM3、pNTOM4、及びpNTOM5のそれぞれに、バシラス・メガテリウム由来のグルコース脱水素酵素遺伝子を導入した、pNTOM3G1、pNTOM4G1、pNTOM5G1等が挙げられる。本発明のポリペプチドをコードするDNA、および、補酵素再生能を有するポリペプチドをコードするDNAの両者を含む形質転換体としては、E.coli HB101をこれらのベクターで形質転換したE.coli HB101(pNTOM3G1)、E.coli HB101(pNTOM4G1)、E.coli HB101(pNTOM5G1)等が挙げられる。
形質転換体中の補酵素再生能を有するポリペプチドの活性は、常法により測定することができる。例えば、グルコース脱水素酵素の活性は、1Mのトリス塩酸緩衝液(pH8.0)に、100mMのグルコース、2mMの補酵素NADPまたはNAD、および酵素を添加し、25℃で1分間反応させた際の、波長340nmにおける吸光度の増加速度から算出できる。
本発明のポリペプチドをコードするDNAを含む形質転換体の培養は、それが増殖する限り、通常の、炭素源、窒素源、無機塩類、有機栄養素などを含む液体栄養培地を用いて実施できる。
反応で生じた光学活性アルコールは、常法により精製できる。例えば、反応で生じた光学活性アルコールが(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールである場合、反応液を酢酸エチル、トルエン等の有機溶媒で抽出し、有機溶媒を減圧下で除去する。さらに、晶析またはクロマトグラフィー等の処理を行うことにより、精製できる。
(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンと、(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールの定量、および、(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールのジアステレオマー過剰率の測定は、高速液体クロマトクロマトグラフィー(カラム:COSMOSIL 5C8−MS(φ4.6mm×250mm;ナカライテスク社製)、溶離液:10mMリン酸水溶液/アセトニトリル=1/1、流速:1ml/min、検出:210nm)を用いて行うことができる。
以上のように、本発明に従えば、本発明のポリペフチドの効率的生産が可能であり、それを利用することにより、(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールを始めとする、種々の有用な光学活性アルコールの優れた製造法が提供される。
以下、実施例で本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、以下の実施例において用いた組み換えDNA技術に関する詳細な操作方法などは、次の成書に記載されている:
Molecular Cloning 2nd Edition(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)、
Current Protocols in Molecular Biology(Greene Publishing Associates and Wiley-Interscience)。
(実施例1)ポリペプチドの精製
以下の方法に従って、オガタエア・ミニュータ・バー・ミニュータ(Ogataea minuta var. minuta)NBRC0975株より、(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを不斉的に還元して(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールを生成する活性を有するポリペプチドを単一に精製した。特に断りのない限り、精製操作は4℃で行った。
(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンに対する還元活性は、0.33%(v/v)のジメチルスルホキシドを含む100mMリン酸緩衝液(pH6.5)に、基質(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを終濃度0.2mM、補酵素NADPHを終濃度0.25mMとなるよう溶解し、さらに粗酵素液を添加して30℃で1分間反応を行った際の、当該反応液の波長340nmにおける吸光度の減少速度から算出した。本反応条件において、1分間に1μmolのNADPHをNADPに酸化する活性を、1unitと定義した。
(微生物の培養)
30Lジャーファーメンター(丸菱バイオエンジ社製)に、グルコース5%、ポリペプトン0.5%、イーストエキス0.1%、リン酸水素ニカリウム0.1%、リン酸ニ水素カリウム0.2%、硫酸マグネシウム・七水和物0.02%、(pH6.5)からなる液体培地18Lを調製し、120℃で20分間蒸気殺菌をおこなった。
この培地に、予め同培地にて前培養しておいたオガタエア・ミニュータ・バー・ミニュータ(Ogataea minuta var. minuta)NBRC0975株の培養液を180ml接種し、攪拌回転数250rpm、通気量5.0NL/min、28℃の条件で、48時間培養した。
(無細胞抽出液の調整)
上記の培養液から遠心分離により菌体を集め、10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)2000mlを用いて菌体を洗浄し、該菌株の菌体907gを得た。この菌体を0.1mMのジチオスレイトール(DTT)を含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)1800mlに懸濁し、UH−600型超音波分散機(SMT社製)を用いて菌体を破砕した。この破砕物から遠心分離にて菌体残渣を除き、無細胞抽出液を得た。
(硫酸アンモニウム分画)
上記で得た無細胞抽出液のpHを、アンモニア水を用いて7.5に調整した後、同pHを維持しながら、40%飽和となるように硫酸アンモニウムを添加、溶解し、生じた沈殿を遠心分離により除いた。先と同様pH7.5を維持しながら、この遠心上清に60%飽和となるようさらに硫酸アンモニウムを添加、溶解し、生じた沈殿を遠心分離により集めた。この沈殿を0.1mMのDTTを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)に溶解した後、同一緩衝液で1夜透析し、活性画分を得た。
(DEAE−Sephacelカラムクロマトグラフィー)
硫酸アンモニウム分画により得られた活性画分を、0.1mMのDTTを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)にて予め平衡化したDEAE−Sephacel(アマシャムバイオサイエンス株式会社製)カラム(φ29×290mm)に供し、活性画分を吸着させた。同一緩衝液でカラムを洗浄した後、 塩化ナトリウムのリニアグラジエント(0Mから1Mまで)により活性画分を溶出させた。活性画分を集め、同一緩衝液にて1夜透析を行った。
(MonoQ HRカラムクロマトグラフィー)
DEAE−Sephacelカラムクロマトグラフィーにより得られた活性画分を、0.1mMのDTTを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)にて予め平衡化したMonoQ HR 10/10カラム(アマシャムバイオサイエンス株式会社製)に供し、活性画分を吸着させた。同一緩衝液でカラムを洗浄した後、 塩化ナトリウムのリニアグラジエント(0Mから1Mまで)により活性画分を溶出させた。活性画分を集め、同一緩衝液にて1夜透析を行った。
(Phenyl−Superoseカラムクロマトグラフィー)
MonoQ HRカラムクロマトグラフィーにより得られた活性画分に、終濃度が4Mとなるよう塩化ナトリウムを溶解し、4Mの塩化ナトリウムと0.1mMのDTTを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)にて予め平衡化したPhenyl−Superose HR 10/10カラム(アマシャムバイオサイエンス株式会社製)に供し、活性画分を吸着させた。同一緩衝液でカラムを洗浄した後、 塩化ナトリウムのリニアグラジエント(4Mから0Mまで)により活性画分を溶出させた。活性画分を集め、0.1mMのDTTを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)にて1夜透析を行った。
(MonoQ HRカラムクロマトグラフィー)
Phenyl−Superoseカラムクロマトグラフィーにより得られた活性画分を、0.1mMのDTTを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)にて予め平衡化したMonoQ HR 5/5カラム(アマシャムバイオサイエンス株式会社製)に供し、活性画分を吸着させた。同一緩衝液でカラムを洗浄した後、 塩化ナトリウムのリニアグラジエント(0Mから1Mまで)により活性画分を溶出させた。活性画分を集め、Centricon YM−10(ミリポア社製)を用いて濃縮した 。
(ゲルろ過クロマトグラフィー)
上述のMonoQ HRカラムクロマトグラフィーにより得られた活性画分を、0.2Mの塩化ナトリウムと0.1mMのDTTを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)にて予め平衡化したSuperdex 200 HR 10/30カラム(アマシャムバイオサイエンス株式会社製)に供し、同一緩衝液を用いて、0.5ml/分の流速で活性画分を溶出させた。活性画分を集め、Centricon YM−10(ミリポア社製)を用いて濃縮した 。さらに、これを、同上緩衝液にて予め平衡化したSuperdex 200 HR 10/30カラム(アマシャムバイオサイエンス株式会社製)に供し、同上緩衝液を用いて、0.5ml/分の流速で活性画分を溶出させた。活性画分を集め、ポリペプチドの精製標品とした。
(実施例2) 遺伝子のクローニング
(PCRプライマーの作成)
実施例1で得られた精製ポリペプチドを8M尿素存在下で変性した後、アクロモバクター由来のリシルエンドペプチダーゼ(和光純薬工業株式会社製)で消化し、得られたペプチド断片のアミノ酸配列をABI492型プロテインシーケンサー(パーキンエルマー社製)により決定した。このアミノ酸配列から予想されるDNA配列に基づき、該ポリペプチドをコードする遺伝子の一部をPCRにより増幅するためのプライマー1:5’−acngtntayttyathgcngg−3’(配列表の配列番号5)、および、プライマー2:5’−atnggdatrtcraaytgrtc−3’(配列表の配列番号6)を合成した。
(PCRによる遺伝子の増幅)
実施例1と同様に培養したオガタエア・ミニュータ・バー・ミニュータ(Ogataea minuta var. minuta)NBRC0975株の菌体からVisser等の方法(Appl. Microbiol. Biotechnol., 53, 415 (2000))に従って染色体DNAを抽出した。次に、上記で調製したDNAプライマー1および2を用い、得られた染色体DNAを鋳型としてPCRを行ったところ、目的遺伝子の一部と考えられる約700bpのDNA断片が増幅された。PCRは、DNAポリメラ−ゼとしてTaKaRa Ex Taq(タカラバイオ社製)を用いて行い、反応条件はその取り扱い説明書に従った。このDNA断片を、プラスミドpT7Blue T−Vector(Novagen社製)にクローニングし、ABI PRISM Dye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit(Perkin Elmer社製)およびABI 373A DNA Sequencer(Perkin Elmer社製)を用いてその塩基配列を解析した。その結果、本PCRにより、塩基配列の異なる2種類のDNA断片が増幅されていることが判明した。それらの塩基配列を、配列表の配列番号7、および、配列番号8に示した。
(i−PCR法による目的遺伝子の全長配列の決定)
上記で調製したオガタエア・ミニュータ・バー・ミニュータ(Ogataea minuta var. minuta)NBRC0975株の染色体DNAを、制限酵素XbaIで完全消化し、得られたDNA断片の混合物をT4リガーゼにより分子内環化させた。これを鋳型として用い、i−PCR法(Nucl. Acids Res., 16, 8186 (1988))により、上述の配列番号7に示す塩基配列を含む遺伝子の全塩基配列を決定した。その結果を、配列表の配列番号1に示した。i−PCRは、DNAポリメラ−ゼとしてTaKaRa LA Taq(タカラバイオ社製)を用いて行い、反応条件はその取り扱い説明書に従った。上述の配列番号8に示す塩基配列を含む遺伝子の全塩基配列も、同様の操作で決定し、その結果を配列表の配列番号2に示した。また、配列番号1に示した塩基配列がコードするアミノ酸配列を配列番号3に、配列番号2に示した塩基配列がコードするアミノ酸配列を配列番号4に、それぞれ示した。
(実施例3) 発現ベクターの構築
プライマー3:5’−gtgcatatgaccaagactgtttatttca−3’(配列表の配列番号9)と、プライマー4:5’−gtcgaattcttattaaaatggaatgtcgaa−3’(配列表の配列番号10)を用い、実施例2で得たオガタエア・ミニュータ・バー・ミニュータ(Ogataea minuta var. minuta)NBRC0975株の染色体DNAを鋳型としてPCRを行った。その結果、配列表の配列番号2に示す塩基配列からなる遺伝子の開始コドン部分にNdeI認識部位が付加され、かつ終始コドンの直後にEcoRI認識部位が付加された二本鎖DNAを得た。PCRは、DNAポリメラ−ゼとしてTaKaRa LA Taq(タカラバイオ社製)を用いて行い、反応条件はその取り扱い説明書に従った。このDNAをNdeI及びEcoRIで消化し、プラスミドpUCNT(WO94/03613公報)のlacプロモーターの下流のNdeI認識部位とEcoRI認識部位の間に挿入し、組換えベクターpNTOM4を構築した。
同様に、プライマー5:5’−gtgcatatggctaagactgtctatttca−3’(配列表の配列番号11)と、プライマー6:5’−gtcgaattcttactagaatggaatgtcaaa−3’(配列表の配列番号12)を用い、配列表の配列番号1に示す塩基配列からなる遺伝子の開始コドン部分にNdeI認識部位が付加され、かつ終始コドンの直後にEcoRI認識部位が付加された、二本鎖DNAを得た。このDNAを、先と同様、プラスミドpUCNTに挿入し、組換えベクターpNTOM3を構築した。
(実施例4) 変異遺伝子の作製
Mutan−SuperExpress Km(タカラバイオ社製)を用いて、その取扱い説明書に記された操作方法に従い、配列表の配列番号2に示した塩基配列からなる遺伝子中の125番目のCをGに、128番目のAをCに、136番目のAをGに、そして、147番目のCをGに置換した変異遺伝子を作製した。本変異遺伝子は、配列表の配列番号4に示したアミノ酸配列中の、42番目のアラニンがグリシンに置換され、43番目のグルタミン酸がアラニンに置換され、46番目のリジンがグルタミン酸に置換され、49番目のアスパラギンがリジンに置換されたポリペプチドをコードする。本変異遺伝子の塩基配列を配列表の配列番号15に、当該遺伝子にコードされる変異ポリペプチドのアミノ酸配列を、配列表の配列番号16に示す。本変異遺伝子を、実施例3と同様にベクターpUCNTに挿入し、組換えベクターpNTOM5を構築した。
(実施例5) グルコース脱水素酵素遺伝子をさらに含む発現ベクターの構築
プライマー7:5’−gccgaattctaaggaggttaacaatgtataaa−3’(配列表の配列番号13)と、プライマー8:3’−gcggtcgacttatccgcgtcctgcttgg−5’(配列表の配列番号14)を用い、プラスミドpGDK1(Eur. J. Biochem., 186, 389 (1989))を鋳型としてPCRを行い、バシラス・メガテリウム(Bacillus megaterium)IAM1030株由来のグルコース脱水素酵素(以後、GDHと呼ぶ)遺伝子の開始コドンから5塩基上流に大腸菌のリボゾーム結合配列が、さらにその直前にEcoRI切断点が付加され、かつ、終止コドンの直後にSalI切断点が付加された、二本鎖DNAを取得した。
得られたDNA断片をEcoRIおよびSalIで消化し、実施例3および4において構築したpNTOM3、pNTOM4、および、pNTOM5のEcoRI、SalI部位にそれぞれ挿入した組み換えプラスミドpNTOM3G1、pNTOM4G1、および、pNTOM5G1を構築した。 例として、pNTOM4G1の作製法および構造を図1に示す。
(実施例6) 形質転換体の作製
実施例3および4で構築した組換えベクターpNTOM3、pNTOM4、および、pNTOM5をそれぞれ用いて、E.coli HB101コンピテントセル(タカラバイオ社製)を形質転換し、E.coli HB101(pNTOM3)、E.coli HB101(pNTOM4)、および、E.coli HB101(pNTOM5)を得た。これらの形質転換体は、それぞれ、受託番号FERM BP−10368、受託番号FERM BP−10369、受託番号FERM BP−10370として、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(IPOD)に寄託されている。
また、同様に、実施例5で構築した組換えベクターpNTOM3G1、pNTOM4G1、および、pNTOM5G1をそれぞれ用いて、E.coli HB101コンピテントセル(タカラバイオ社製)を形質転換し、E.coli HB101(pNTOM3G1)、E.coli HB101(pNTOM4G1)、および、E.coli HB101(pNTOM5G1)を得た。
(実施例7) 形質転換体における遺伝子の発現
実施例6で得た6種の形質転換体、および、ベクタープラスミドpUCNTを含む形質転換体であるE.coli HB101(pUCNT)を、200μg/mlのアンピシリンを含む2×YT培地(トリプトン1.6%、イーストエキス1.0%、NaCl0.5%、pH7.0)50mlに接種し、37℃で24時間振盪培養した。遠心分離により菌体を集め、50mlの100mMリン酸緩衝液(pH6.5)に懸濁した。これを、UH−50型超音波ホモゲナイザー(SMT社製)を用いて破砕した後、遠心分離により菌体残渣を除去し、無細胞抽出液を得た。この無細胞抽出液の(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノン還元活性、および、GDH活性を測定し、比活性として表したものを、表1に示した。実施例6で得られた6種の形質転換体のいずれにおいても、(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノン還元活性の発現が認められた。また、GDH遺伝子を含むE.coli HB101(pNTOM3G1)、E.coli HB101(pNTOM4G1)、および、E.coli HB101(pNTOM5G1)では、GDH活性の発現も認められた。(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノン還元活性は、実施例1に記載の方法で測定した。GDH活性は、1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.0)に、グルコース0.1M、補酵素NADP2mM、および粗酵素液を添加して25℃で1分間反応を行い、波長340nmにおける吸光度の増加速度より算出した。この反応条件において、1分間に1μmolのNADPをNADPHに還元する酵素活性を1unitと定義した。また、無細胞抽出液中の蛋白質濃度は、プロテインアッセイキット(BIO−RAD社製)を用いて測定した。
Figure 0004746548
(実施例8) 形質転換体を用いた反応
実施例7で調製したE.coli HB101(pNTOM3)の無細胞抽出液50mlに、グルコース脱水素酵素(天野エンザイム社製)2000U、グルコース2g、NADP6mg、 (3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノン2.5gを添加し、5Mの水酸化ナトリウムの滴下によりpH6.5に調整しつつ、30℃で22時間攪拌した。反応終了後、反応液をトルエンで抽出し、脱溶剤した後、抽出物を分析した。その結果、収率86.3%でジアステレオマー過剰率96.4%d.e.の(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールが得られた。
(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンと(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールの定量、および、(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールのジアステレオマー過剰率の測定は、高速液体クロマトクロマトグラフィー(カラム:COSMOSIL 5C8−MS(φ4.6mm×250mm;ナカライテスク社製)、溶離液:10mMリン酸水溶液/アセトニトリル=1/1、流速:1ml/min、検出:210nm)で行った。
(実施例9) 形質転換体を用いた反応
実施例7で調製したE.coli HB101(pNTOM4)の無細胞抽出液22.5mlに、グルコース脱水素酵素(天野エンザイム社製)1250U、グルコース3g、NADP4mg、 (3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノン0.25gを添加し、5Mの水酸化ナトリウムの滴下によりpH6.5に調整しつつ、30℃で攪拌した。反応開始から2時間後、4時間後、6時間後に0.25g、8時間後に1.25gの(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを追加し、31時間反応させた。反応終了後、反応液をトルエンで抽出し、脱溶剤した後、抽出物を実施例8と同様に分析した。その結果、収率99.0%で、ジアステレオマー過剰率99.8%d.e.の(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールが得られた。
(実施例10) 形質転換体を用いた反応
実施例7と同様に培養したE.coli HB101(pNTOM4G1)の培養液25mlに、グルコース3g、NADP3mg、トルエン0.25ml、 (3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノン2.5gを添加し、5Mの水酸化ナトリウムの滴下によりpH6.5に調整しつつ、30℃で40時間攪拌した。反応終了後、反応液をトルエンで抽出し、脱溶剤した後、抽出物を実施例8と同様に分析した。その結果、収率99.1%で、ジアステレオマー過剰率99.8%d.e.の(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールが得られた。
(実施例11) 形質転換体を用いた反応
実施例7と同様に培養したE.coli HB101(pNTOM5G1)の培養液50mlに、グルコース6g、NADP1.4mg、トルエン0.25ml、 (3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノン2.5gを添加し、5Mの水酸化ナトリウムの滴下によりpH6.5に調整しつつ、30℃で攪拌した。反応開始から1時間後に2.5gの(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを追加し、20時間反応させた。反応終了後、反応液をトルエンで抽出し、脱溶剤した後、抽出物を実施例8と同様に分析した。その結果、収率99.6%で、ジアステレオマー過剰率99.8%d.e.の(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールが得られた。
(実施例12) ポリペプチドの基質特異性
0.33%(v/v)のジメチルスルフォキシドを含む100mMリン酸緩衝液(pH6.5)に、基質となるカルボニル化合物を終濃度1mM、補酵素NADPHを終濃度0.25mMとなるようそれぞれ溶解した。これに、実施例7で調製したE.coli HB101(pNTOM4)、または、E.coli HB101(pNTOM3)の無細胞抽出液を添加し、30℃で1分間反応を行った。当該反応液の波長340nmにおける吸光度の減少速度から、各カルボニル化合物に対する還元活性を算出し、これを(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンに対する活性を100%とした場合の相対値で表し、表2に示した。当該形質転換体により生産された、配列表の配列番号3および配列番号4に示したアミノ酸配列からなるポリペプチドは、いずれも広範なカルボニル化合物に対して還元活性を示した。
Figure 0004746548

Claims (21)

  1. 以下の(a)又は(b)のDNA:
    (a)配列表の配列番号1に示す塩基配列を含むDNA、
    (b)配列表の配列番号1に示す塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、下記式(1)
    Figure 0004746548
    で表される(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを不斉的に還元して、下記式(2)
    Figure 0004746548
    で表される(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールを生成する活性を有するポリペプチドをコードするDNA。
  2. 以下の(a)又は(b)のDNA:
    (a)配列表の配列番号2に示す塩基配列を含むDNA、
    (b)配列表の配列番号2に示す塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、前記式(1)で表される(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを不斉的に還元して、前記式(2)で表される(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールを生成する活性を有するポリペプチドをコードするDNA。
  3. 請求項1又は2記載のDNAにコードされ、かつ、前記式(1)で表される(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを不斉的に還元して、前記式(2)で表される(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールを生成する活性を有するポリペプチド。
  4. 以下の(a)又は(b)のポリペプチド:
    (a)配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド。
    (b)配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、前記式(1)で表される(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを不斉的に還元して、前記式(2)で表される(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールを生成する活性を有するポリペプチド。
  5. 以下の(a)又は(b)のポリペプチド:
    (a)配列表の配列番号4に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド。
    (b)配列表の配列番号4に示すアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、前記式(1)で表される(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを不斉的に還元して、前記式(2)で表される(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールを生成する活性を有するポリペプチド。
  6. 配列表の配列番号4に示すアミノ酸配列において、以下の1)〜4)のうちの、少なくとも1つの変異を有するポリペプチド:
    1)42番目のアラニンがグリシンに置換されている、
    2)43番目のグルタミン酸がアラニンに置換されている、
    3)46番目のリジンがグルタミン酸に置換されている、
    4)49番目のアスパラギンがリジンに置換されている。
  7. 前記1)〜4)の全ての変異を有する請求項6記載のポリペプチド。
  8. 請求項4〜7のいずれかに記載のポリペプチドをコードするDNA。
  9. 請求項1、2、又は8記載のDNAを含むベクター。
  10. プラスミドpNTOM3である請求項9記載のベクター。
  11. プラスミドpNTOM4である請求項9に記載のベクター。
  12. プラスミドpNTOM5である請求項9に記載のベクター。
  13. グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAをさらに含む、請求項9に記載のベクター。
  14. 前記グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチドがバシラス・メガテリウム(Bacillus megaterium)由来のグルコース脱水素酵素である、請求項13記載のベクター。
  15. 請求項9〜14のいずれかに記載のベクターにより、宿主細胞を形質転換して得られる形質転換体。
  16. 前記宿主細胞が大腸菌である、請求項15記載の形質転換体。
  17. E.coli HB101(pNTOM3)FERM BP−10368である、請求項16記載の形質転換体。
  18. E.coli HB101(pNTOM4)FERM BP−10369である、請求項16記載の形質転換体。
  19. E.coli HB101(pNTOM5)FERM BP−10370である、請求項16記載の形質転換体。
  20. 請求項3〜7のいずれかに記載のポリペプチド、または、請求項15〜19のいずれかに記載の形質転換体、またはその処理物を、カルボニル基を有する化合物と反応させることを特徴とする光学活性アルコールの製造方法。
  21. 前記カルボニル基を有する化合物が、前記式(1)で表される(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンであり、前記光学活性アルコールが、前記式(2)で表される(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールである、請求項20記載の製造方法。
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