JP4746548B2 - 新規カルボニル還元酵素、その遺伝子、およびその利用法 - Google Patents
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Description
本明細書において記述されている、(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンは、例えば、特開昭62−126158号公報、または、特開平2−42048号公報に開示された方法により調製できる。また、本明細書において記述されている、DNAの単離、ベクターの調製、形質転換等の遺伝子操作は、特に明記しない限り、Molecular Cloning 2nd Edition(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)等の成書に記載されている方法により実施できる。さらに、本明細書の記述に用いられる%は、特に断りのない限り、%(w/v)を意味する。
Molecular Cloning 2nd Edition(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)、
Current Protocols in Molecular Biology(Greene Publishing Associates and Wiley-Interscience)。
以下の方法に従って、オガタエア・ミニュータ・バー・ミニュータ(Ogataea minuta var. minuta)NBRC0975株より、(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを不斉的に還元して(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールを生成する活性を有するポリペプチドを単一に精製した。特に断りのない限り、精製操作は4℃で行った。
30Lジャーファーメンター(丸菱バイオエンジ社製)に、グルコース5%、ポリペプトン0.5%、イーストエキス0.1%、リン酸水素ニカリウム0.1%、リン酸ニ水素カリウム0.2%、硫酸マグネシウム・七水和物0.02%、(pH6.5)からなる液体培地18Lを調製し、120℃で20分間蒸気殺菌をおこなった。
上記の培養液から遠心分離により菌体を集め、10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)2000mlを用いて菌体を洗浄し、該菌株の菌体907gを得た。この菌体を0.1mMのジチオスレイトール(DTT)を含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)1800mlに懸濁し、UH−600型超音波分散機(SMT社製)を用いて菌体を破砕した。この破砕物から遠心分離にて菌体残渣を除き、無細胞抽出液を得た。
上記で得た無細胞抽出液のpHを、アンモニア水を用いて7.5に調整した後、同pHを維持しながら、40%飽和となるように硫酸アンモニウムを添加、溶解し、生じた沈殿を遠心分離により除いた。先と同様pH7.5を維持しながら、この遠心上清に60%飽和となるようさらに硫酸アンモニウムを添加、溶解し、生じた沈殿を遠心分離により集めた。この沈殿を0.1mMのDTTを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)に溶解した後、同一緩衝液で1夜透析し、活性画分を得た。
硫酸アンモニウム分画により得られた活性画分を、0.1mMのDTTを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)にて予め平衡化したDEAE−Sephacel(アマシャムバイオサイエンス株式会社製)カラム(φ29×290mm)に供し、活性画分を吸着させた。同一緩衝液でカラムを洗浄した後、 塩化ナトリウムのリニアグラジエント(0Mから1Mまで)により活性画分を溶出させた。活性画分を集め、同一緩衝液にて1夜透析を行った。
DEAE−Sephacelカラムクロマトグラフィーにより得られた活性画分を、0.1mMのDTTを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)にて予め平衡化したMonoQ HR 10/10カラム(アマシャムバイオサイエンス株式会社製)に供し、活性画分を吸着させた。同一緩衝液でカラムを洗浄した後、 塩化ナトリウムのリニアグラジエント(0Mから1Mまで)により活性画分を溶出させた。活性画分を集め、同一緩衝液にて1夜透析を行った。
MonoQ HRカラムクロマトグラフィーにより得られた活性画分に、終濃度が4Mとなるよう塩化ナトリウムを溶解し、4Mの塩化ナトリウムと0.1mMのDTTを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)にて予め平衡化したPhenyl−Superose HR 10/10カラム(アマシャムバイオサイエンス株式会社製)に供し、活性画分を吸着させた。同一緩衝液でカラムを洗浄した後、 塩化ナトリウムのリニアグラジエント(4Mから0Mまで)により活性画分を溶出させた。活性画分を集め、0.1mMのDTTを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)にて1夜透析を行った。
Phenyl−Superoseカラムクロマトグラフィーにより得られた活性画分を、0.1mMのDTTを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)にて予め平衡化したMonoQ HR 5/5カラム(アマシャムバイオサイエンス株式会社製)に供し、活性画分を吸着させた。同一緩衝液でカラムを洗浄した後、 塩化ナトリウムのリニアグラジエント(0Mから1Mまで)により活性画分を溶出させた。活性画分を集め、Centricon YM−10(ミリポア社製)を用いて濃縮した 。
上述のMonoQ HRカラムクロマトグラフィーにより得られた活性画分を、0.2Mの塩化ナトリウムと0.1mMのDTTを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)にて予め平衡化したSuperdex 200 HR 10/30カラム(アマシャムバイオサイエンス株式会社製)に供し、同一緩衝液を用いて、0.5ml/分の流速で活性画分を溶出させた。活性画分を集め、Centricon YM−10(ミリポア社製)を用いて濃縮した 。さらに、これを、同上緩衝液にて予め平衡化したSuperdex 200 HR 10/30カラム(アマシャムバイオサイエンス株式会社製)に供し、同上緩衝液を用いて、0.5ml/分の流速で活性画分を溶出させた。活性画分を集め、ポリペプチドの精製標品とした。
(PCRプライマーの作成)
実施例1で得られた精製ポリペプチドを8M尿素存在下で変性した後、アクロモバクター由来のリシルエンドペプチダーゼ(和光純薬工業株式会社製)で消化し、得られたペプチド断片のアミノ酸配列をABI492型プロテインシーケンサー(パーキンエルマー社製)により決定した。このアミノ酸配列から予想されるDNA配列に基づき、該ポリペプチドをコードする遺伝子の一部をPCRにより増幅するためのプライマー1:5’−acngtntayttyathgcngg−3’(配列表の配列番号5)、および、プライマー2:5’−atnggdatrtcraaytgrtc−3’(配列表の配列番号6)を合成した。
実施例1と同様に培養したオガタエア・ミニュータ・バー・ミニュータ(Ogataea minuta var. minuta)NBRC0975株の菌体からVisser等の方法(Appl. Microbiol. Biotechnol., 53, 415 (2000))に従って染色体DNAを抽出した。次に、上記で調製したDNAプライマー1および2を用い、得られた染色体DNAを鋳型としてPCRを行ったところ、目的遺伝子の一部と考えられる約700bpのDNA断片が増幅された。PCRは、DNAポリメラ−ゼとしてTaKaRa Ex Taq(タカラバイオ社製)を用いて行い、反応条件はその取り扱い説明書に従った。このDNA断片を、プラスミドpT7Blue T−Vector(Novagen社製)にクローニングし、ABI PRISM Dye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit(Perkin Elmer社製)およびABI 373A DNA Sequencer(Perkin Elmer社製)を用いてその塩基配列を解析した。その結果、本PCRにより、塩基配列の異なる2種類のDNA断片が増幅されていることが判明した。それらの塩基配列を、配列表の配列番号7、および、配列番号8に示した。
上記で調製したオガタエア・ミニュータ・バー・ミニュータ(Ogataea minuta var. minuta)NBRC0975株の染色体DNAを、制限酵素XbaIで完全消化し、得られたDNA断片の混合物をT4リガーゼにより分子内環化させた。これを鋳型として用い、i−PCR法(Nucl. Acids Res., 16, 8186 (1988))により、上述の配列番号7に示す塩基配列を含む遺伝子の全塩基配列を決定した。その結果を、配列表の配列番号1に示した。i−PCRは、DNAポリメラ−ゼとしてTaKaRa LA Taq(タカラバイオ社製)を用いて行い、反応条件はその取り扱い説明書に従った。上述の配列番号8に示す塩基配列を含む遺伝子の全塩基配列も、同様の操作で決定し、その結果を配列表の配列番号2に示した。また、配列番号1に示した塩基配列がコードするアミノ酸配列を配列番号3に、配列番号2に示した塩基配列がコードするアミノ酸配列を配列番号4に、それぞれ示した。
プライマー3:5’−gtgcatatgaccaagactgtttatttca−3’(配列表の配列番号9)と、プライマー4:5’−gtcgaattcttattaaaatggaatgtcgaa−3’(配列表の配列番号10)を用い、実施例2で得たオガタエア・ミニュータ・バー・ミニュータ(Ogataea minuta var. minuta)NBRC0975株の染色体DNAを鋳型としてPCRを行った。その結果、配列表の配列番号2に示す塩基配列からなる遺伝子の開始コドン部分にNdeI認識部位が付加され、かつ終始コドンの直後にEcoRI認識部位が付加された二本鎖DNAを得た。PCRは、DNAポリメラ−ゼとしてTaKaRa LA Taq(タカラバイオ社製)を用いて行い、反応条件はその取り扱い説明書に従った。このDNAをNdeI及びEcoRIで消化し、プラスミドpUCNT(WO94/03613公報)のlacプロモーターの下流のNdeI認識部位とEcoRI認識部位の間に挿入し、組換えベクターpNTOM4を構築した。
Mutan−SuperExpress Km(タカラバイオ社製)を用いて、その取扱い説明書に記された操作方法に従い、配列表の配列番号2に示した塩基配列からなる遺伝子中の125番目のCをGに、128番目のAをCに、136番目のAをGに、そして、147番目のCをGに置換した変異遺伝子を作製した。本変異遺伝子は、配列表の配列番号4に示したアミノ酸配列中の、42番目のアラニンがグリシンに置換され、43番目のグルタミン酸がアラニンに置換され、46番目のリジンがグルタミン酸に置換され、49番目のアスパラギンがリジンに置換されたポリペプチドをコードする。本変異遺伝子の塩基配列を配列表の配列番号15に、当該遺伝子にコードされる変異ポリペプチドのアミノ酸配列を、配列表の配列番号16に示す。本変異遺伝子を、実施例3と同様にベクターpUCNTに挿入し、組換えベクターpNTOM5を構築した。
プライマー7:5’−gccgaattctaaggaggttaacaatgtataaa−3’(配列表の配列番号13)と、プライマー8:3’−gcggtcgacttatccgcgtcctgcttgg−5’(配列表の配列番号14)を用い、プラスミドpGDK1(Eur. J. Biochem., 186, 389 (1989))を鋳型としてPCRを行い、バシラス・メガテリウム(Bacillus megaterium)IAM1030株由来のグルコース脱水素酵素(以後、GDHと呼ぶ)遺伝子の開始コドンから5塩基上流に大腸菌のリボゾーム結合配列が、さらにその直前にEcoRI切断点が付加され、かつ、終止コドンの直後にSalI切断点が付加された、二本鎖DNAを取得した。
実施例3および4で構築した組換えベクターpNTOM3、pNTOM4、および、pNTOM5をそれぞれ用いて、E.coli HB101コンピテントセル(タカラバイオ社製)を形質転換し、E.coli HB101(pNTOM3)、E.coli HB101(pNTOM4)、および、E.coli HB101(pNTOM5)を得た。これらの形質転換体は、それぞれ、受託番号FERM BP−10368、受託番号FERM BP−10369、受託番号FERM BP−10370として、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(IPOD)に寄託されている。
実施例6で得た6種の形質転換体、および、ベクタープラスミドpUCNTを含む形質転換体であるE.coli HB101(pUCNT)を、200μg/mlのアンピシリンを含む2×YT培地(トリプトン1.6%、イーストエキス1.0%、NaCl0.5%、pH7.0)50mlに接種し、37℃で24時間振盪培養した。遠心分離により菌体を集め、50mlの100mMリン酸緩衝液(pH6.5)に懸濁した。これを、UH−50型超音波ホモゲナイザー(SMT社製)を用いて破砕した後、遠心分離により菌体残渣を除去し、無細胞抽出液を得た。この無細胞抽出液の(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノン還元活性、および、GDH活性を測定し、比活性として表したものを、表1に示した。実施例6で得られた6種の形質転換体のいずれにおいても、(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノン還元活性の発現が認められた。また、GDH遺伝子を含むE.coli HB101(pNTOM3G1)、E.coli HB101(pNTOM4G1)、および、E.coli HB101(pNTOM5G1)では、GDH活性の発現も認められた。(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノン還元活性は、実施例1に記載の方法で測定した。GDH活性は、1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.0)に、グルコース0.1M、補酵素NADP2mM、および粗酵素液を添加して25℃で1分間反応を行い、波長340nmにおける吸光度の増加速度より算出した。この反応条件において、1分間に1μmolのNADPをNADPHに還元する酵素活性を1unitと定義した。また、無細胞抽出液中の蛋白質濃度は、プロテインアッセイキット(BIO−RAD社製)を用いて測定した。
実施例7で調製したE.coli HB101(pNTOM3)の無細胞抽出液50mlに、グルコース脱水素酵素(天野エンザイム社製)2000U、グルコース2g、NADP6mg、 (3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノン2.5gを添加し、5Mの水酸化ナトリウムの滴下によりpH6.5に調整しつつ、30℃で22時間攪拌した。反応終了後、反応液をトルエンで抽出し、脱溶剤した後、抽出物を分析した。その結果、収率86.3%でジアステレオマー過剰率96.4%d.e.の(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールが得られた。
実施例7で調製したE.coli HB101(pNTOM4)の無細胞抽出液22.5mlに、グルコース脱水素酵素(天野エンザイム社製)1250U、グルコース3g、NADP4mg、 (3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノン0.25gを添加し、5Mの水酸化ナトリウムの滴下によりpH6.5に調整しつつ、30℃で攪拌した。反応開始から2時間後、4時間後、6時間後に0.25g、8時間後に1.25gの(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを追加し、31時間反応させた。反応終了後、反応液をトルエンで抽出し、脱溶剤した後、抽出物を実施例8と同様に分析した。その結果、収率99.0%で、ジアステレオマー過剰率99.8%d.e.の(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールが得られた。
実施例7と同様に培養したE.coli HB101(pNTOM4G1)の培養液25mlに、グルコース3g、NADP3mg、トルエン0.25ml、 (3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノン2.5gを添加し、5Mの水酸化ナトリウムの滴下によりpH6.5に調整しつつ、30℃で40時間攪拌した。反応終了後、反応液をトルエンで抽出し、脱溶剤した後、抽出物を実施例8と同様に分析した。その結果、収率99.1%で、ジアステレオマー過剰率99.8%d.e.の(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールが得られた。
実施例7と同様に培養したE.coli HB101(pNTOM5G1)の培養液50mlに、グルコース6g、NADP1.4mg、トルエン0.25ml、 (3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノン2.5gを添加し、5Mの水酸化ナトリウムの滴下によりpH6.5に調整しつつ、30℃で攪拌した。反応開始から1時間後に2.5gの(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを追加し、20時間反応させた。反応終了後、反応液をトルエンで抽出し、脱溶剤した後、抽出物を実施例8と同様に分析した。その結果、収率99.6%で、ジアステレオマー過剰率99.8%d.e.の(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールが得られた。
0.33%(v/v)のジメチルスルフォキシドを含む100mMリン酸緩衝液(pH6.5)に、基質となるカルボニル化合物を終濃度1mM、補酵素NADPHを終濃度0.25mMとなるようそれぞれ溶解した。これに、実施例7で調製したE.coli HB101(pNTOM4)、または、E.coli HB101(pNTOM3)の無細胞抽出液を添加し、30℃で1分間反応を行った。当該反応液の波長340nmにおける吸光度の減少速度から、各カルボニル化合物に対する還元活性を算出し、これを(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンに対する活性を100%とした場合の相対値で表し、表2に示した。当該形質転換体により生産された、配列表の配列番号3および配列番号4に示したアミノ酸配列からなるポリペプチドは、いずれも広範なカルボニル化合物に対して還元活性を示した。
Claims (21)
- 以下の(a)又は(b)のDNA:
(a)配列表の配列番号2に示す塩基配列を含むDNA、
(b)配列表の配列番号2に示す塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、前記式(1)で表される(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを不斉的に還元して、前記式(2)で表される(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールを生成する活性を有するポリペプチドをコードするDNA。 - 請求項1又は2記載のDNAにコードされ、かつ、前記式(1)で表される(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを不斉的に還元して、前記式(2)で表される(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールを生成する活性を有するポリペプチド。
- 以下の(a)又は(b)のポリペプチド:
(a)配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド。
(b)配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、前記式(1)で表される(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを不斉的に還元して、前記式(2)で表される(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールを生成する活性を有するポリペプチド。 - 以下の(a)又は(b)のポリペプチド:
(a)配列表の配列番号4に示すアミノ酸配列からなるポリペプチド。
(b)配列表の配列番号4に示すアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、前記式(1)で表される(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンを不斉的に還元して、前記式(2)で表される(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールを生成する活性を有するポリペプチド。 - 配列表の配列番号4に示すアミノ酸配列において、以下の1)〜4)のうちの、少なくとも1つの変異を有するポリペプチド:
1)42番目のアラニンがグリシンに置換されている、
2)43番目のグルタミン酸がアラニンに置換されている、
3)46番目のリジンがグルタミン酸に置換されている、
4)49番目のアスパラギンがリジンに置換されている。 - 前記1)〜4)の全ての変異を有する請求項6記載のポリペプチド。
- 請求項4〜7のいずれかに記載のポリペプチドをコードするDNA。
- 請求項1、2、又は8記載のDNAを含むベクター。
- プラスミドpNTOM3である請求項9記載のベクター。
- プラスミドpNTOM4である請求項9に記載のベクター。
- プラスミドpNTOM5である請求項9に記載のベクター。
- グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチドをコードするDNAをさらに含む、請求項9に記載のベクター。
- 前記グルコース脱水素酵素活性を有するポリペプチドがバシラス・メガテリウム(Bacillus megaterium)由来のグルコース脱水素酵素である、請求項13記載のベクター。
- 請求項9〜14のいずれかに記載のベクターにより、宿主細胞を形質転換して得られる形質転換体。
- 前記宿主細胞が大腸菌である、請求項15記載の形質転換体。
- E.coli HB101(pNTOM3)FERM BP−10368である、請求項16記載の形質転換体。
- E.coli HB101(pNTOM4)FERM BP−10369である、請求項16記載の形質転換体。
- E.coli HB101(pNTOM5)FERM BP−10370である、請求項16記載の形質転換体。
- 請求項3〜7のいずれかに記載のポリペプチド、または、請求項15〜19のいずれかに記載の形質転換体、またはその処理物を、カルボニル基を有する化合物と反応させることを特徴とする光学活性アルコールの製造方法。
- 前記カルボニル基を有する化合物が、前記式(1)で表される(3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノンであり、前記光学活性アルコールが、前記式(2)で表される(2R,3S)−1−クロロ−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノールである、請求項20記載の製造方法。
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