JP4746110B2 - 撮像装置およびカメラ本体 - Google Patents
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Description
一方、撮影レンズを撮影用として使用する場合は、反射ミラーが瞬時に位置を変え、撮影用光路から待避することで、ファインダ用光路を撮影用光路に切り換え、撮影が終了すると定位置に瞬時に戻る。この方式は、一眼レフ方式であれば、従来の銀塩カメラでも、デジタルカメラでも同様である。
そこで、反射ミラーおよびサブミラーを配置する必要がなくなるよう、コントラスト検出方式で焦点検出を行う一眼デジタルカメラが提案されている。
しかし、焦点検出方式がそれぞれ異なる交換レンズおよびカメラ本体が組み合わされる場合も考えられる。例えば、コントラスト検出方式に対応していない交換レンズが装着された場合にカメラ本体が対応できないおそれがあり、利便性に欠ける。
本発明の課題は、撮像装置およびカメラ本体の利便性を高めることにある。
なお、「本体制御部がレンズ情報を取得可能である」とは、本体制御部がレンズ情報を直接的あるいは間接的に取得する場合を含む。このため、本体制御部およびレンズ制御部の間に他の制御部が接続されており、その制御部を介してレンズ情報が本体制御部に送られる場合や、レンズ情報に基づいてその制御部により新たに生成された情報が本体制御部に送られる場合なども、本体制御部がレンズ情報を取得可能であることに含まれる。
第3の発明に係るカメラ本体は、第1または第2の発明に係るカメラ本体において、第1交換レンズが第1アダプタを介してボディマウントに装着された場合、本体制御部は焦点検出方式としてコントラスト検出方式および位相差検出方式のうち一方を選択する。
第4の発明に係るカメラ本体は、第1から3のいずれかの発明に係るカメラ本体において、第2交換レンズが第2アダプタを介してボディマウントに装着された場合、本体制御部は焦点検出方式としてコントラスト検出方式および位相差検出方式のうちいずれも選択しない。
第6の発明に係るカメラ本体は、第1から第5のいずれかの発明に係るカメラ本体において、アダプタが、焦点検出方式に関する情報を含むアダプタ情報を格納するアダプタ制御部を有している。本体制御部は、アダプタ情報に基づいて、アダプタが位相差検出方式に対応可能か否かの判断を行う。
第7の発明に係るカメラ本体は、第1から第6のいずれかの発明に係るカメラ本体において、レンズ情報は、交換レンズを特定するための情報、交換レンズのフォーカスレンズ群の駆動余裕範囲の有無に関する情報、およびフォーカスレンズ群の位置を検出する位置検出部の仕様に関する情報、のうち少なくとも1つの情報を有している。
第9の発明に係るカメラ本体は、第8の発明に係るカメラ本体において、位置検出部が、フォーカスレンズ群の移動量および移動方向を検出する相対位置検出部を有している。レンズ情報は、相対位置検出部の仕様に関する情報を含んでいる。相対位置検出部が2相式エンコーダを有している場合、本体制御部は、交換レンズがコントラスト検出方式に対応可能であると判断する。相対位置検出部が1相式エンコーダを有している場合、本体制御部は、交換レンズがコントラスト検出方式に対応できないと判断する。
第11の発明に係る撮像装置は、第10の発明に係る撮像装置において、ミラーがペリクルミラーである。
また、本文中における前方とは、カメラ本体に対して被写体側をいい、例えば図1においては左方向に相当する。後方とは、カメラ本体に対して被写体側の反対側、すなわち、撮像光学系に対して撮像素子側をいい、図1においては右方向に相当する。上側とは、撮影画像の長辺方向を水平方向とした場合における鉛直方向上方に相当し、図1においては、上方向に相当する。通常、カメラ本体においてレリーズボタンが配置される側が上側に相当する。また、下側とは、上側と反対方向をいい、図面においては下方向に相当する。また各部において、前方、後方、上側、下側の各面をそれぞれ前面、背面、上面、下面という。
図1に第1実施形態に係るカメラシステム1の全体構成図を示す。
図1に示すように、撮像装置としてのカメラシステム1は、例えば交換レンズ式の一眼レフデジタルカメラに用いられるシステムであり、主に、カメラシステム1の主要な機能を有するカメラ本体3と、カメラ本体3に取り外し可能に装着された交換レンズ2と、から構成されている。交換レンズ2は、カメラ本体3の前面に設けられた第1のレンズマウント70に装着されている。
ここで、このカメラシステム1の概要について説明する。
カメラ本体3の焦点検出方式としてコントラスト検出方式が採用されている。例えば交換レンズ2のようにコントラスト検出方式に対応可能な交換レンズが装着された場合は、カメラシステム1の焦点検出方式としてコントラスト検出方式を選択すればよい。
(1.1:第1のカメラ本体の構成)
図1に示す第1のカメラ本体3は主に、撮像部としての撮像センサ11と、本体制御部としてのボディーマイコン12と、画像表示部16と、画像表示制御部15と、画像記録部18と、画像記録制御部17と、第1のレンズマウント70と、から構成されている。第1のレンズマウント70には、第1のボディマウント80を有する交換レンズ2が取り外し可能に装着されている。
第1のカメラ本体3はさらに、不揮発性メモリ53と、コントラスト値検出ユニット31と、ぶれ検知ユニット30と、シャッターユニット10と、シャッター制御部14と、撮像センサ制御部13と、を備えている。コントラスト値検出ユニット31は、撮像センサ11により取得された画像信号からコントラスト値を検出する。ぶれ検知ユニット30は、手振れなどに起因するカメラ本体3の動きを検出する。シャッターユニット10は撮像センサ11の露光状態を調節する。シャッター制御部14は、ボディーマイコン12からの制御信号に基づいてシャッターユニット10の駆動を制御する。撮像センサ制御部13は撮像センサ11の動作を制御する。
さらに、不揮発性メモリ53には、カメラ本体3に関する各種情報(本体情報)が格納されている。この本体情報には、例えば、カメラ本体3のメーカー名、製造年月日、型番、ボディーマイコン12にインストールされているソフトのバージョン、およびファームアップに関する情報などのカメラ本体3を特定するための型式に関する情報(本体特定情報)、カメラ本体3が像ぶれ補正部を搭載しているか否かに関する情報、ぶれ検知ユニット30の型番および感度などの検出性能に関する情報、エラー履歴なども含まれている。なお、これらの情報は、不揮発性メモリ53の代わりにボディーマイコン12内のメモリ部に格納されていてもよい。
コントラスト値検出ユニット31は、撮像センサ11により取得された画像信号からコントラスト値を検出し、ボディーマイコン12に出力する。コントラスト値は、後述するオートフォーカス機能を実現するために用いられる。
(1.2:第1の交換レンズの構成)
第1の交換レンズ2は主に、撮像センサ11の撮像面に被写体像を結ぶための撮像光学系Lと、フォーカシングを行うフォーカス調節部42と、絞りを調節する絞り調節部41と、レンズ用像ぶれ補正部28と、交換レンズ2の動作を制御するレンズ制御部としてのレンズマイコン20と、不揮発性メモリ52と、第1のレンズマウント70に装着可能な第1のボディマウント80と、から構成されている。レンズ用像ぶれ補正部28は、光路を調節することにより、カメラ本体3の動きに起因する画像のぶれ(像ぶれ)を補正するためのユニットである。
フォーカスレンズ群24は、第1の交換レンズ2の規格として定められた最至近合焦位置F1から無限合焦位置F2までの規格範囲Fで光軸方向に移動可能である。また、フォーカスレンズ群24は、後述するコントラスト方式による合焦位置検出により、合焦位置を挟んで光軸方向前後に移動可能である必要があるため、上述の最至近合焦位置F1から無限合焦位置F2までの規格範囲Fよりもさらに光軸方向前後に移動可能な駆動余裕範囲H1およびH2を有している。
フォーカスレンズ群制御部25は、フォーカスレンズ群24の光軸方向の相対位置を検出する相対位置検出部90を有している。相対位置検出部90は、それのみでは絶対位置を検出することができないが、移動方向は検出可能である。相対位置検出部90として、例えば2相式エンコーダを用いている。2相式エンコーダとしては、例えば、回転パルスエンコーダ、MR素子(磁気抵抗素子)、ホール素子が挙げられる。2相式エンコーダには2つのセンサが設けられている。各センサは、フォーカスレンズ群24の光軸方向の位置に応じて等しいピッチで2値の信号を交互に出力する。これらのピッチの位相をずらすように、2つのセンサは配置されている。レンズマイコン20は、相対位置検出部90の出力からフォーカスレンズ群24の光軸方向の相対位置を算出する。
レンズ用像ぶれ補正部28は主に、像ぶれ補正レンズ群22と、像ぶれ補正制御部23とを備えている。像ぶれ補正制御部23は、像ぶれ補正レンズ群22を駆動および制御するユニットであり、撮像光学系Lの光軸に直交する平面内で、像ぶれ補正レンズ群22を上下左右に移動させる。さらに、レンズ用像ぶれ補正部28は移動量検出部(図示せず)を備えている。移動量検出部は、像ぶれ補正レンズ群22の実際の移動量を検出する検出部であり、像ぶれ補正制御部23と共に像ぶれ補正レンズ群22を駆動制御するための帰還制御ループを形成している。
レンズマイコン20は、交換レンズ2の中枢を司る制御装置であり、交換レンズ2に搭載された各部に接続されている。具体的には、レンズマイコン20には、CPU、ROM、RAMが搭載されており、ROMに格納されたプログラムがCPUに読み込まれることで、様々な機能を実現することができる。例えば、レンズマイコン20は、ボディーマイコン12からの信号に基づいてレンズ用像ぶれ補正部を補正可能状態または補正不能状態に設定する機能を有している。また、第1のレンズマウント70および第1のボディマウント80にそれぞれ設けられた電気接片(図示せず)を介してボディーマイコン12およびレンズマイコン20は電気的に接続されており、互いに情報の送受信が可能となっている。なお、これら通信は光通信や無線電波によるものでも良い。レンズマイコン20は交換レンズ2に設けられた各部と接続されている。
(2.1:第2のカメラ本体の構成)
図2に示す第2のカメラ本体300は、第1のカメラ本体3に加えて、さらに、撮像センサ駆動部319と、撮像センサ駆動制御部320と、を備えている。撮像センサ駆動部319は、ぶれ検知ユニット30の出力に応じて像ぶれを補正するように撮像センサ11を駆動する。撮像センサ駆動制御部320は撮像センサ駆動部319の動作を制御する。図2に示すように、ボディーマイコン12は撮像センサ駆動制御部320と接続されている。
カメラ本体用像ぶれ補正部328は主に、撮像センサ駆動部319と、撮像センサ駆動制御部320と、を有している。撮像センサ駆動制御部320は、撮像センサ駆動部319を制御して、撮像光学系Lの光軸に直交する平面内で、撮像センサ11を上下左右に移動させる。さらに、カメラ本体用像ぶれ補正部328は移動量検出部(図示せず)を有している。移動量検出部は、撮像センサ11の実際の移動量を検出するユニットであり、撮像センサ駆動制御部320と共に撮像センサ11を駆動制御するための帰還制御ループを形成している。
図2を参照して第2の交換レンズ200について説明する。第2の交換レンズ200は、第1の交換レンズ2から像ぶれ補正部を除いた交換レンズであり、その他の構成については第1の交換レンズ2と同様である。
(2.3:交換レンズとカメラ本体の組み合わせ)
図1に記載された第1のカメラシステム1では、像ぶれ補正部の内蔵されていない第1のカメラ本体3と、像ぶれ補正部28が内蔵された第1の交換レンズ2と、の組み合わせである。図2に記載された第2のカメラシステム100では、像ぶれ補正部328の内蔵されている第2のカメラ本体300と、像ぶれ補正部が内蔵されていない第2の交換レンズ200と、の組み合わせである。あらゆる組み合わせにおいても機能するように、ボディーマイコン12、レンズマイコン20は情報を交換することができる。
<3:カメラ本体と交換レンズとの互換性>
上述のように、第1および第2のカメラ本体3,300は、ファインダ用光路を形成するための反射ミラーと、焦点距離検出用光路を形成するためのサブミラーと、を有していない。このため、第1のレンズマウント70の前面から撮像センサ11の撮像面までの光軸方向の距離、いわゆるフランジバックは、従来の一眼レフカメラシステムのフランジバックよりも小さく設定されている。さらに、このカメラ本体3は、位相差検出方式のオートフォーカスに対応していない。
(3.1:フランジバック)
図3は交換レンズとの組み合わせによる接続概略図である。図3においては、本体の種類がタイプ1とタイプ2とに分類されており、さらにレンズの種類がタイプ1−Aとタイプ1−Bとに分類されている。図3は、異なるタイプのカメラ本体と交換レンズとを接続する場合の概略図を表している。
タイプ1のカメラ本体903は、例えば従来のカメラ本体であり、光学ファインダー(図示せず)に光路を導く反射ミラー904と、焦点検出ユニット6に光路を導くサブミラー4と、撮像センサ11と、を有する。一方、タイプ2のカメラ本体は、例えば本実施の形態に係る第1および第2のカメラ本体3,300である。タイプ1のカメラ本体903のフランジバックは、タイプ2のカメラ本体3のフランジバックよりも大きい。
フランジバックが小さいタイプ2のカメラ本体3にタイプ1−Aまたはタイプ1−Bの交換レンズ720、920を直接装着すると、合焦点が撮像センサ11から大きく後方にずれてしまう。そこで、タイプ2のカメラ本体3とタイプ1−Aまたはタイプ1−Bの交換レンズ720、920の間に、タイプ1のカメラ本体のフランジバックとタイプ2のカメラ本体のフランジバックとの差を補正するアダプタを装着することが考えられる。アダプタを用いる場合、タイプ1−Aまたはタイプ1−Bの交換レンズ720、920のフォーカスレンズ群24により焦点位置を撮像センサ11の撮像面に位置付けすることが可能になる。
タイプ1のカメラ本体903は位相差検出方式による合焦位置検出(位相差検出AF(Autofocus))が可能である。一方、タイプ2のカメラ本体3は位相差検出方式により合焦位置検出ができない。また、タイプ2のカメラ本体3はコントラスト検出方式による合焦位置検出(コントラストAF(Autofocus))が可能である。
図3においては、さらにバックフォーカスを調整するためのアダプタとして2種類のアダプタAおよびBを挙げている。アダプタAは、内部に焦点検出ユニット6を有しており、アダプタBは焦点検出ユニット6を有していない。焦点検出ユニットは、セパレータレンズで2つの像を生成し2つの像の間隔を計測する位相差検出器などがある。
次に、タイプ1−Aおよびタイプ1−Bの交換レンズについて説明する。タイプ1−Aの交換レンズ720は、コントラスト検出方式に対応していないが位相差検出方式に対応した交換レンズである。一方、タイプ1−Bの交換レンズ920は、AF方式において位相差検出方式およびコントラスト検出方式に対応した交換レンズである。タイプ1−Bの交換レンズ920は、コントラスト検出方式に対応するために、後述するようにフォーカスレンズ群24が移動する範囲およびフォーカスレンズ群24の位置検出方式がタイプ1−Aとは異なる。
タイプ1−Aの交換レンズ720を接続した条件においては、コントラスト検出方式に対応していないため、カメラ本体およびアダプタの仕様に関係なく、コントラスト検出方式は使用できない。また、タイプ1−Bの交換レンズ920を接続した条件においては、コントラスト検出方式に対応しているため、カメラ本体およびアダプタの仕様に関係なく、コントラスト検出方式は使用できる。
タイプ1のカメラ本体903を使用する条件においては、位相差検出方式用のサブミラー4および焦点検出ユニット6を有するため、交換レンズおよびアダプタの仕様に関係なく、位相差検出方式は使用できる。タイプ2のカメラ本体3およびアダプタAを使用する条件においては、位相差検出方式用のサブミラー4および焦点検出ユニット6を有するため、交換レンズによらず位相差検出方式は使用できる。タイプ2のカメラ本体3とアダプタBを使用する条件においては、位相差検出方式用のサブミラー4および焦点検出ユニット6を有していないため、交換レンズによらず位相差検出方式は使用できない。
ここで簡単に位相差検出方式の動作について説明する。位相差検出方式では、サブミラー4によって焦点検出ユニット6に導かれた光を焦点検出ユニット6で受光して、受光した情報から検出したデフォーカス量(以下、Df量ともいう)に基づいて交換レンズへフォーカスレンズ群24を駆動するように指令を出し、交換レンズでは本指令に基づいてフォーカスレンズ群24を移動させ、撮像センサ11の撮像面に対して焦点が合った状態(すなわち合焦状態)あるいは焦点がほぼ合った状態になるようにフォーカスレンズ群24の位置を調節する。
なお、いずれの組み合わせにおいても、マニュアルフォーカス動作は可能であることは言うまでもない。
以下、上述のアダプタAについて、第1のアダプタ4を例に説明する。説明の便宜上、図4では、第1のカメラ本体3と、上述のタイプ1−Aに相当する第3の交換レンズ720(像ぶれ補正機能付き)と、を使用した場合について説明する。図4は、第1のカメラ本体3と、第3の交換レンズ720と、これらの間に接続される第1のアダプタ4と、の組み合わせを示す。
(4.1:第3の交換レンズ)
第3の交換レンズ720について、第1の交換レンズ2と相違する部分を説明する。第3の交換レンズ720の焦点位置から第2のボディマウント81の背面までの光軸方向の距離(いわゆるバックフォーカス)は、第1の交換レンズ2のバックフォーカスと比べて長い。
フォーカスレンズ群制御部725は、フォーカスレンズ群24の光軸方向の相対位置を検出する相対位置検出部725bを有している。相対位置検出部725bは、それのみでは絶対位置を検出することができず、移動方向についても検出できない。例えば1相エンコーダを用いている。1相エンコーダとしては、回転パルスエンコーダ、MR素子、ホール素子が挙げられる。1相エンコーダには、1つのセンサが設けられている。このセンサは、フォーカスレンズ群24の光軸方向の位置に応じて等しいピッチで2値の信号を交互に出力する。
(4.2:第1のアダプタ)
第1のアダプタ4は、第1のカメラ本体が有する第1のレンズマウント70と接続可能な第2のボディマウント81と、第3の交換レンズ720の第1のボディマウント80と接続可能な第2のレンズマウント71と、焦点位置検出ユニット6と、アダプタマイコン7と、ハーフミラー8と、ミラー駆動部9と、を備える。
図4に示すように、被写体(図示せず)からの光は、第3の交換レンズ720を透過し、第1のアダプタ4に入射した光の一部はハーフミラー8により反射して焦点検出ユニット6に入射し、残りの光は透過してカメラ本体3の撮像センサ11に被写体像として入射する。この被写体像は、電気的に正立像に変換され、画像表示部16に表示される。これにより、被写体の正立像を観察できる。
(4.3:撮影時の動作)
撮影者が画像表示部16を観察し撮影する場合、電源スイッチにより電源がON状態になると、カメラ本体3およびアダプタ4、交換レンズ720の各部に電源が供給される。撮影者によりレリーズボタンが半押しされると、カメラ本体3のボディーマイコン12および各種ユニットに電力が供給され、第1のレンズマウント70、第1のボディマウント80、第2のレンズマウント71、第2のボディマウント81に設けられた電気接片(図示せず)を介してボディーマイコン12、アダプタマイコン7、および、レンズマイコン20は電気的に接続され、互いに情報の送受信が可能となっている。なお、これら通信は光通信や無線電波によるものでも良い。
この後、撮影者によりレリーズボタンが全押しされると、測光センサ(図示せず)からの出力に基づいて計算された絞り値にするようボディーマイコン12からレンズマイコン20へ命令が送信される。そして、レンズマイコン20により絞り制御部27がコントロールされ、指示された絞り値まで絞りを絞り込む。絞り値の指示と同時に、アダプタマイコン7は、ミラー駆動部9にミラーアップの指示を送り、ハーフミラー8が光路X内から退避する。退避完了後、撮像センサ制御部13から撮像センサ11の駆動命令が出力され、シャッターユニット10の動作が指示される。撮像センサ制御部13は、測光センサ(図示せず)からの出力に基づいて計算されたシャッタースピードの時間だけ、撮像センサ11を露光する。
図5を用いてコントラスト検出方式の説明を行う。図5に、コントラスト検出方式におけるフォーカスレンズの動作説明図を示す。
(5.1:コントラスト検出方式の基本動作)
図5に示すように、コントラスト値のピークは、機械的構成によって決まるフォーカスレンズ群24を光軸方向に移動可能な範囲(以下、可動範囲という)内で移動させることにより、解像度、周辺光量、歪み等のレンズ性能を満たすことのできる交換レンズの規格として定められた最至近合焦位置F1から無限合焦位置F2までの区間(以下、規格範囲という)内で検出される。そのため、規格範囲でコントラスト値を検出するためには、可動範囲が規格範囲よりも広く、最至近合焦位置F1の後方(Near)側、無限合焦位置F2の前方(Far)側の両端に駆動余裕範囲H1およびH2を設ける必要がある。
コントラスト検出方式でのフォーカスレンズ群24の基本的な動作は、第1のフォーカス駆動動作、第2のフォーカス駆動動作、第3のフォーカス駆動動作の3つの動作で構成される。
まず、フォーカスレンズ群24が図5のコントラスト検出開始位置にあると仮定すると、コントラスト検出開始位置からフォーカスレンズ群24をB方向に駆動する(第1のフォーカス駆動動作)。これにより、撮像センサ11に入射される光学像が変化し、撮像センサ11から出力される映像信号も変化する。コントラスト値検出ユニット31は、この映像信号のコントラスト値およびコントラスト値の変化を検出し、コントラスト値のピークとなる場合のフォーカスレンズ群24の位置を記憶する。記憶された位置にフォーカスレンズ群24が配置されている場合、撮像光学系Lにより形成された光学像が合焦状態となる。フォーカスレンズ群24の位置は、相対位置検出部725bにより検出された位置情報により決定される。コントラスト値のピーク位置を検出した後、フォーカスレンズ群24は図5のコントラスト検出終了位置で停止し、第2のフォーカス駆動動作に移る。
(5.2:一眼レフカメラシステムにおけるコントラストAF方式の課題)
コントラストAF方式は、撮像センサ11で検知した映像信号におけるコントラスト値のピークをコントラスト値検出ユニット31にて検出することによりフォーカスレンズ群24の合焦位置調整を行うAF方式であり、フォーカスレンズ群24を検出したピーク位置に再度位置決めすることが重要となる。
コントラストAF方式は、一般的にコンパクトタイプのデジタルスチルカメラに主に採用されており、フォーカスレンズ駆動用モータとしてのステッピングモータと、モータ軸に直結されたスクリューによるネジ送り機構と、が使用されている。ステッピングモータは指令したパルス数に応じて微小ステップをすることにより回転を行うモータである為位置決め精度がよい。また、上記ネジ送り機構は光軸方向へフォーカスレンズ群を付勢しているため、バックラッシュはほとんど発生しない。そのため、ピーク位置を検出した時点でのステッピングモータの駆動パルス数を記憶することにより、再度フォーカスレンズ群をピーク位置に位置決めすることが可能である。しかしながら、ステッピングモータは発生するトルクが小さいため一眼レフカメラの交換レンズに搭載可能なサイズの小型ステッピングモータではフォーカスレンズ群24を駆動させるためのトルクを発生させることが難しい。そのためデジタル一眼レフカメラシステムにおいてコントラストAF方式を行う場合、コンパクトタイプのデジタルスチルカメラと同様のフォーカス駆動系を構成することが困難となる。
従来の一眼レフカメラシステムにおける位置検出器は主に絶対位置検出部725aと相対位置検出部725bの二つにより構成されており、絶対位置検出部725aはフォーカスレンズ群24の位置を検出する。ただし、細かな分解能で検出するは困難である。そのため、モータの相対的な回転位置を細かな分解能で検出する相対位置検出部が用いられている。
また、従来の一眼レフカメラシステムにおいては、AF方式として一般的に位相差検出方式が用いられており、焦点検出ユニット6により得られたDf量とフォーカスレンズ群24の現在位置から合焦位置までの移動量を算出し、これを基にモータを駆動させている。このようなAF方式においてはモータの駆動指令をする為に絶対位置検出部725aによる合焦前のフォーカスレンズ群24の現在位置が必要となり、その位置を基準として制御用の指令を算出する必要がある。そのため図6に示すように、2つの位置検出器の関係としては、絶対位置検出部を基準としてこの立ち上がりと同時に相対位置検出部の値をプリセットするように構成されている。実施の形態では、絶対位置検出部の立ち上がり1、2、3に対し相対位置検出部は自動的に6、11、16とプリセットされる。
図7にプリセット誤差による相対位置検出部の出力パルスの関係図を示す。図7に示すように、絶対位置検出部725aの立ち上がりタイミングの理想状態を実線で示し、これより立ち上がりが早い場合と遅い場合を破線で示す。理想状態での立ち上がりにおいては、相対位置検出部725bのパルスを6にプリセットしても相対位置検出部のパルスカウントは絶対位置検出部725aの立ち上がり前から連続的に増えていくが、立ち上がりに誤差を生じた場合、相対位置検出部のパルスカウントは強制的に6にプリセットされてしまうため、プリセット前の状態から連続的なパルスのカウントが行うことが出来なくなってしまう。位相差検出方式においてはDf量を徐々に減らすように指令を更新していくためこのようなプリセットによる誤差は大きな問題とはならないが、コントラストAFを行う場合においてはこのプリセット誤差が位置決め精度に大きく影響してくる。
(条件)
・第1および第2のフォーカス駆動動作ではピーク位置を越えてから4パルスカウント後に停止する。
・絶対位置検出部によるプリセットタイミングであるPreset1、2において相対位置検出部の値を、往路では6に、復路では5にプリセットする。
以下、フォーカス駆動動作について説明する。
(1)第1のフォーカス駆動動作
駆動開始から相対位置検出部725bのパルス数をカウント開始し、フォーカス駆動用モータの正転駆動によってパルス数をカウントアップしていく。 Preset 1 のタイミングで相対位置検出部725bのパルスカウント数を6にプリセットする。Preset 1 の時点では設定通りのプリセットが掛かり相対位置検出部のパルスカウントは 駆動開始から連続的に続行される。パルスカウント値が8の位置で、パスルカウント値が7の位置がコントラスト値のピークであったことを検出し、ピーク位置のパルスカウント値である7を記憶する。設定条件通りにピーク位置から4パルス進んだパスルカウンタ値が11の位置で停止する。以上により第1のフォーカス駆動動作を終了し第2のフォーカス駆動動作へ移る。
第1のフォーカス駆動動作で検出したピーク位置のパルスカウント値7から設定条件である4パルス分戻ったパルスカウント値3までフォーカス駆動用モータの回転を正転駆動から反転さて逆転駆動するように指令し、逆転動作を開始する。反転後しばらくはバックラッシュの影響がでる。すなわち、逆転動作開始後、フォーカス駆動用モータがパスルカウント値で2つ分逆転駆動してもフォーカスレンズ群24の位置は変わらない。バックラッシュの影響がなくなると、フォーカス駆動用モータの逆転駆動によってパルス数をカウントダウンしていく。Preset 2 のタイミングでプリセットされ相対位置検出部のパルスカウント値を5にプリセットする。ここで、プリセット誤差により、Preset 1と違う位置でプリセットされたため、パルスカウント値がずれている。また、バックラッシュの影響により、コントラストのピーク位置でのパスルカウント値が5となりずれが生じている。さらに、バックラッシュの影響により、記憶したパルスカウント値7の位置はピーク位置からずれている。
(3)第3のフォーカス駆動動作
ピークを検出したパルスカウント値である7までフォーカス駆動用モータの回転を逆転駆動から反転させて正転駆動するように指令し、正転動作を開始する。反転後しばらくはバックラッシュの影響がでる。指令通り、パルスカウント値7の位置で駆動し、第3のフォーカス駆動動作を終了させフォーカス駆動動作全体を終了する。
このように絶対位置検出部725aの立ち上がりばらつきの影響で発生したPreset 1とPreset 2のプリセット誤差により、第1のフォーカス駆動動作にて検出したコントラスト値のピーク位置とは別の位置で停止を判断してしまい、停止位置誤差を生じてしまう結果となった。絶対位置検出部を使い相対位置検出部の値をプリセットする方式では、繰り返し位置精度が悪く、コントラストAF方式を行うことが難しいことがわかる。
このように、コントラストAF方式においては、フォーカスレンズ群24の現在位置の情報というものは必要ではなく、検出したピーク位置へいかに再度位置決めするかが重要となる。
そこで、第1および第2の一眼レフカメラシステム1,100のコントラストAF方式においては、従来方式のように絶対位置検出部725aと相対位置検出部725bの2つの位置検出器を使用するのではなく、相対位置検出部90の出力パルスのみで位置検出を行う方式を用いる。
図9に相対位置検出部のみを用いた場合における一眼レフカメラのコントラストAF方式の動作の一例を示す。図9より、絶対位置検出部によるプリセットが入らず、常に相対位置検出部のパルス情報を把握することが可能となるため、パルスカウント数に誤差を持つことなく第1のフォーカス駆動動作にて検出したコントラスト値のピークに対応する位置へきちんと位置決めが出来ていることが分かる。このように相対位置検出部90のみを用いてコントラストAFを行うことにより絶対位置検出部によるプリセット誤差の影響を受けず、ピークに対応する位置への位置決め精度が向上する。
図10より、1相式エンコーダでは、ロータの回転中はモータへの入力指令によりモータが正転しているのか逆転しているのかを判断することができる。そのため、モータへの入力信号がある場合はそのモータ信号と相対位置検出部か検出したパルス数とによりどちらの方向へどれくらい回転したのかを判断することができる。
しかし、図11に示すように、相対位置検出部が2相式である場合は、モータの入力信号にかかわらず、CH1とCH2の相互のパルス関係により、モータの回転方向を常に把握することが可能になる。そのため、反転時の誤差も無くなり常に正しい出力パルスのカウントを行うことが可能となる。
図12は第1および第2のカメラ本体3,300(タイプ2)と交換レンズとの組み合わせによる選択可能なAF方式の判断処理説明図である。図12において、交換レンズに搭載された情報あるいはアダプタに搭載された情報、アダプタの装着有無情報によって、第1および第2のカメラ本体3,300にてAF方式を選択する判断処理について説明する。
上述したように、タイプ2のカメラ本体に相当する第1および第2のカメラ本体3,300は、従来のカメラ本体(タイプ1)に比べフランジバックが短い。また、タイプ1−Aとタイプ1−Bの交換レンズはいずれも、フランジバックが長い従来のカメラ本体(タイプ1)に対応した交換レンズである。
交換レンズの不揮発性メモリ52にレンズIDとコントラスト検出方式可否情報とがレンズ情報として格納されていることを主に想定している。レンズIDとは、交換レンズの種類を表し、ここでは交換レンズがタイプ1−A、タイプ1−Bおよびタイプ2のいずれに該当するかが判定可能な情報である。また、このコントラスト検出方式可否情報とは、交換レンズがコントラスト検出方式に対応しているか否かに関する情報である。タイプ1−Aの交換レンズの場合、レンズ情報は、交換レンズがコントラスト検出方式に対応していないという情報を含んでいる。タイプ1−Bおよびタイプ2の交換レンズの場合、レンズ情報は、交換レンズがコントラスト検出方式に対応しているという情報を含んでいる。
(1)アダプタマイコン7と位相差検出方式に対応する焦点検出ユニット6とが搭載されている場合
(2)アダプタマイコン7は搭載されているが位相差検出方式に対応する焦点検出ユニット6が搭載されていない場合
(3)アダプタマイコン7と位相差検出方式に対応する焦点検出ユニット6とがともに搭載されていない場合
(4)アダプタマイコン7は搭載されていないが位相差検出方式に対応する焦点検出ユニット6が搭載されている場合
なお、アダプタに搭載されるアダプタマイコン7は、例えば、(a)カメラ本体と交換レンズとの間、(b)カメラ本体とアダプタとの間、(c)交換レンズとアダプタとの間、でやり取りされる情報やカメラ本体から交換レンズあるいはアダプタに供給される電源などの信号線を制御する機能を有している。位相差検出方式に対応する焦点検出ユニット6がアダプタ内に搭載されている場合には、焦点検出ユニット6から得られる情報に基づいてDf量を算出する機能を有する。上記(4)の条件の場合には、焦点検出ユニット6から得られる情報に基づいて交換レンズあるいはカメラ本体でDf量を算出する。
アダプタ情報は、アダプタAおよびアダプタBのいずれに該当するかが判断可能な情報を含んでいる。アダプタAの場合にはボディーマイコン12は位相差検出方式に対応可能と判断し、アダプタBの場合はボディーマイコン12は位相差検出方式に非対応と判断する。タイプ1−Aの交換レンズとアダプタAとをタイプ2のカメラ本体に接続した場合には、ボディーマイコン12は位相差検出方式に対応可能と判断し、タイプ1−Aの交換レンズとアダプタBとをタイプ2のカメラ本体に接続した場合には、ボディーマイコン12は位相差検出方式に非対応と判断する。タイプ1−Bの交換レンズとアダプタAとをタイプ2のカメラ本体に接続した場合には、ボディーマイコン12は位相差検出方式に対応可能と判断し、タイプ1−Bの交換レンズとアダプタBとをタイプ2のカメラ本体に接続した場合には、ボディーマイコン12は位相差検出方式に非対応と判断する。また、タイプ2の交換レンズとタイプ2のカメラ本体とはアダプタを介さず直接接続するため、アダプタからの情報はない。
具体的には、タイプ1−Aの交換レンズの場合、交換レンズがコントラスト検出方式に対応していないという情報をレンズ情報は含んでいる。タイプ1−Bおよびタイプ2の交換レンズの場合、コントラスト検出方式に対応可能であるという情報をレンズ情報は含んでいる。
アダプタ情報の中で位相差検出方式に対応しているか否かに関する情報(あるいはアダプタID情報)を用いて位相差検出方式の可否判断が可能である。具体的には、アダプタが装着されている場合、このアダプタ情報に基づいて、位相差検出方式に対応可能(アダプタAが装着された場合)、位相差検出方式に非対応(アダプタBが装着された場合)であると判断することができる。
図13は、第1および第2のカメラ本体(タイプ2)で処理されるAF方式選択処理に関するフローチャート1である。図13は、第1および第2のカメラ本体3,300(タイプ2)に搭載されているボディーマイコン12の処理フローを表している。AF方式選択処理からフローが開始される。
Step2では、アダプタが装着されているか否かの判断を行う。前述のように、アダプタの装着の有無については、機構的あるいは電気的に検出するなど、いずれの方式で検出してもよい。ここで、アダプタが装着されていないとボディーマイコン12により判断された場合には、Step3に進む。Step3では、図12で説明したように、アダプタが装着されていない状態で使用する交換レンズはタイプ2の交換レンズである。この場合、ボディーマイコン12は、コントラスト検出方式をAF方式として選択して、AF方式選択処理を終了させる。
Step6では、Step1で取得したレンズ情報に基づいて、交換レンズがコントラスト検出方式に対応しているかどうかの判断を行う。コントラスト検出方式に対応している場合には、Step8に進む。ここまでのフローで、コントラスト検出方式に対応したタイプ1−Bの交換レンズと位相差検出方式に対応したアダプタAとが、カメラ本体に装着されていることを特定することができる。
Step6において、コントラスト検出方式に対応していない場合には、Step9に進む。Step9では、コントラスト検出方式に対応していないタイプ1−Aの交換レンズと位相差検出方式に対応したアダプタAとがカメラ本体に装着されていることが分かっているため、位相差検出方式がAF方式としてボディーマイコン12により選択される。
Step7において、交換レンズがコントラスト検出方式に対応していない場合にはStep10に進む。ここでは、コントラスト検出方式に対応していないタイプ1−Aの交換レンズと位相差検出方式に対応していないアダプタBとがカメラ本体に装着されているため、AF方式として選択する方式がなく、マニュアルフォーカス設定となる。
図14は第1および第2のカメラ本体(タイプ2)で処理されるAF方式選択処理に関するフローチャート2である。図14においては、タイプ2のカメラ本体に搭載されているボディーマイコン12の処理フローを表し、AF方式選択処理開始から処理が開始される。Step11では、アダプタが装着されているかどうかの判断がボディーマイコン12により行われる。
アダプタが装着されていない場合にはStep12に進み、コントラスト検出方式が選択される。ここでは、タイプ2の交換レンズがタイプ2のカメラ本体に装着されている状態を示し、AF方式としてはコントラスト検出方式が選択される。
一方、Step11でアダプタが装着されていると判断された場合にはStep13に進み、位相差検出方式が選択される。ここでは、タイプ1−Aあるいはタイプ1−Bの交換レンズが位相差検出方式に対応したアダプタAを介してタイプ2のカメラ本体に接続されている状態を示し、AF方式としては位相差検出方式が有効となる。
図15は第1および第2のカメラ本体(タイプ2)で処理されるAF方式選択処理に関するフローチャート3である。図15においては、タイプ2のカメラ本体に搭載されているボディーマイコン12の処理フローを表し、AF方式選択処理開始から処理が開始される。Step21では、アダプタが装着されているかどうかの判断を行う。
なお、アダプタが装着されているかどうかの判断については、アダプタに搭載されるアダプタマイコン7から出力される情報の他に、アダプタが装着されることにより交換レンズあるいはカメラ本体の機構的あるいは電気的にスイッチがON/OFFされるか電圧レベルや信号の種類が変化することなどを検出することによって可能となる。
一方、Step21でアダプタが装着されていると判断された場合にはStep23に進み、マニュアルフォーカスが選択される。ここでは、タイプ1−Aあるいはタイプ1−Bの交換レンズが位相差検出方式に対応したアダプタAを介してタイプ2のカメラ本体に接続されている状態を示し、マニュアルフォーカスが選択される例を示す。
本フローチャート3は、位相差検出方式に対応するアダプタAが装着された場合、位相差検出方式に対応しないアダプタBが装着された場合のいずれの場合でもマニュアルフォーカスがデフォルトで選択される例を示している。位相差検出方式に対応するアダプタAが装着されている場合には、マニュアルフォーカスがデフォルトで設定されるが、ユーザ指定によって位相差検出方式も選択することが可能である。
(1)コントラスト検出方式のオートフォーカスに対応可能な交換レンズ(タイプ2)が装着された場合にはコントラスト検出方式のオートフォーカスが選択される。
(2)コントラスト検出方式のオートフォーカスに対応可能な交換レンズ(タイプ1−B)が位相差検出ユニットを有するアダプタ(アダプタA)を介して装着された場合にはコントラスト検出方式のオートフォーカスまたは位相差検出方式のオートフォーカスのいずれかが選択される。
(3)コントラスト検出方式のオートフォーカスに対応できない交換レンズ(タイプ1−A)が位相差検出ユニットを有するアダプタ(アダプタA)を介して装着された場合には位相差式のオートフォーカスが選択される。
<7:第2のアダプタを用いた変形例>
以下、上述のアダプタAの変形例1について説明する。説明の便宜上、図16では第1のカメラ本体3と第3の交換レンズ720を使用した場合について説明する。図16は、第1のカメラ本体3と、第3の交換レンズと、これらの間に接続される第2のアダプタの組み合わせを示す。
(7.1:第2のアダプタ)
第2のアダプタ40は、第1のカメラ本体が有する第1のレンズマウント70と接続可能な第2のボディマウント81と、第3の交換レンズが有する第1のボディマウント80と接続可能な第2のレンズマウント71と、焦点位置検出ユニット6と、アダプタマイコン7と、ハーフミラー8と、ハーフミラー8を駆動するミラー駆動部49と、リレー光学系101と、を備える。
図16に示すように、被写体(図示せず)からの光は、交換レンズ720を透過し、アダプタ40に入射した光はリレー光学系101を透過し、光の一部はハーフミラー8により反射して焦点検出ユニット6に入射する。残りの光は透過してカメラ本体3の撮像センサ11に被写体像として入射する。この被写体像は、電気的に正立像に変換され画像表示部16に表示し、被写体の正立像を観察できる。
交換レンズ720のバックフォーカスは第2のレンズマウント71からカメラ本体3の撮像センサ11までの光軸方向の距離(フランジバック)よりも長い。したがって、リレー光学系101によって第2のレンズマウント71からカメラ本体3の撮像センサ11までの光学的距離が交換レンズ720のバックフォーカスと等しくなるように、リレー光学系101は設計されている。
撮影時の動作は上述する図4に示す第1のアダプタ4を備えたカメラシステムと概ね同じであるため、説明を省略する。
<8:第3のアダプタを用いた変形例>
以下、上述のアダプタAの第2変形例について説明する。説明の便宜上、図17では第1のカメラ本体3と第4の交換レンズ820(像ぶれ補正機能なし)とを使用した場合について説明する。図17は、第1のカメラ本体3と、第4の交換レンズ820と、これらの間に接続される第3のアダプタ400と、の組み合わせを示す。
(8.1:第4の交換レンズ)
第4の交換レンズ820は、ぶれ検知ユニット21および像ぶれ補正制御部23を有していない点で、第3の交換レンズ720と相違する。その他の構成は、第3の交換レンズ720と同様である。
第3のアダプタ400は、第1のカメラ本体3が有する第1のレンズマウント70と接続可能な第2のボディマウント81と、第4の交換レンズが有する第1のボディマウント80と接続可能な第2のレンズマウント71と、焦点位置検出ユニット6と、アダプタマイコン7と、ハーフミラー8と、ハーフミラー8を駆動するミラー駆動部49と、リレー光学系101と、を備える。第3のアダプタ400は、さらに、ぶれ検知ユニット21、像ぶれ補正制御部23を有している。さらに、リレー光学系101はぶれ補正レンズ101aを有している。
ぶれ検知ユニット21および像ぶれ補正制御部23については、第1の交換レンズ2で説明したものと同様であるため、説明を省略する。
図17に示すように、被写体(図示せず)からの光は、第4の交換レンズ820を透過し、アダプタ400に入射した光はリレー光学系101を透過し、光の一部はハーフミラー8にて反射して焦点検出ユニット6に入射する。残りの光は透過してカメラ本体3の撮像センサ11に被写体像として入射する。この被写体像は、電気的に正立像に変換され画像表示部16に表示し、被写体の正立像を観察できる。
交換レンズ820のバックフォーカスは第2のレンズマウント71からカメラ本体3の撮像センサ11までの距離(フランジバック)よりも長く設定されている。したがって、リレー光学系101によって第2のレンズマウント71からカメラ本体3の撮像センサ11までの光学的距離が交換レンズ820のフランジバックと等しくなるように、リレー光学系101は設計されている。
(8.4:撮影時の動作)
撮影時の動作は上述する図4に示す第1のアダプタ4を備えた一眼レフカメラシステムと概ね同じであるため、相違点についてのみ説明する。
アダプタマイコン7は、レンズマウント70の電気接片(図示せず)を介して、アダプタが接続された旨の情報をボディーマイコン12に送信する。このとき、アダプタマイコンは、交換レンズ820が像ぶれ補正部を搭載しているかどうかに関する情報も受信し、撮影動作に係わる各機能の使いわけを判断し、ボディーマイコン12に送信する。たとえば、図17に示す構成であれば、像ぶれ補正機能はアダプタ400が担い、焦点検出はアダプタに内蔵した焦点検出ユニット6で行うように指示を出す。
<9:第4のアダプタを用いた変形例>
以下、上述のアダプタAの変形例3について説明する。説明の便宜上、図18では第1のカメラ本体3と第3の交換レンズ720を使用した場合について説明する。図18は、第1のカメラ本体3と、第3の交換レンズと、これらの間に接続される第4のアダプタの組み合わせを示す。
(9.1:第4のアダプタ)
第4のアダプタ5は、図4に示す第1のアダプタ4のハーフミラー8およびミラー駆動部9を有しておらず、ペリクルミラー58と保護ガラス板59を有している点で、第1のアダプタ4と異なる。その他の構成については、第1のアダプタ4と実質的に同じである。
図18に示すように、被写体(図示せず)からの光は、交換レンズ720の撮像光学系Lを透過し、アダプタ5に入射する。アダプタ5に入射した光の一部は、ペリクルミラー58により反射され、焦点検出ユニット6に入射する。残りの光は、ペリクルミラー58を透過して、カメラ本体3の撮像センサ11に被写体像として入射する。この被写体像は、電気的に正立像に変換され、画像表示部16に表示される。これにより、被写体の正立像を画像表示部16で観察できる。また、ペリクルミラー58は非常に薄い半透過薄膜であるため、外力が直接加わらないように保護ガラス板59が第1のボディマウント80および第2のレンズマウント71の双方の開口部を覆うように設けられている。
ペリクルミラー58は、撮影時においても、光路上に配置されたままである。撮影時には、ペリクルミラー58を透過した光が撮像センサ11にて受光される。
図19に示す第5のアダプタ500は、図16に示す第2のアダプタ40のハーフミラー8およびミラー駆動部49を有しておらず、ペリクルミラー58と保護ガラス板59とを有している点で、第2のアダプタ40と異なる。その他の構成については、第2のアダプタ40と同様である。
<11:第6のアダプタを用いた変形例>
図20に示す第6のアダプタ550は、図17に示す第3のアダプタ400のハーフミラー8およびミラー駆動部49を有しておらず、ペリクルミラー58と保護ガラス板59を有している点で、第3のアダプタ400と異なる。その他の構成については、第3のアダプタ400と同様である。
以上に述べたカメラシステムの特徴は以下の通りである。
(1)
前述のカメラシステムでは、交換レンズがコントラスト検出方式に対応可能である場合、ボディーマイコン12によりコントラスト検出方式が焦点検出方式として選択される。交換レンズがコントラスト検出方式に対応しておらず、かつ、アダプタが位相差検出方式に対応可能である場合、ボディーマイコン12により位相差検出方式が焦点検出方式として選択される。つまり、交換レンズがコントラスト検出方式に対応していなくても、アダプタが位相差検出方式に対応していれば、位相差検出方式により焦点検出が可能である。このため、このカメラシステムでは、様々な交換レンズに対応可能となり、利便性を高めることができる。
(2)
交換レンズがコントラスト検出方式に対応可能であり、かつ、アダプタが位相差検出方式に対応可能である場合、ボディーマイコン12は焦点検出方式としてコントラスト検出方式および位相差検出方式のうち一方を選択する。このため、位相差検出方式およびコントラスト検出方式のいずれの焦点検出方式も選択することができ、交換レンズやアダプタの機能を最大限に生かすことができる。
ボディーマイコン12が、レンズ情報に基づいて、交換レンズがコントラスト検出方式に対応可能か否かの判断を行うため、カメラ本体3が様々な交換レンズに対応することができ、互換性の範囲を広げることができる。
(4)
ボディーマイコン12が、アダプタ情報に基づいて、アダプタが位相差検出方式に対応可能か否かの判断を行うため、カメラ本体3が位相差検出ユニットを有していなくても、アダプタの位相差検出ユニットを利用して位相差検出方式によるAFを行える。
(5)
レンズ情報がレンズIDおよび焦点検出方式に関する情報を含んでいるため、カメラ本体3が交換レンズの焦点検出方式を容易にかつ正確に判断することができる。これにより、交換レンズの焦点検出方式に合わせて適正な判断をすることができる。
例えば、交換レンズが駆動余裕範囲を有している場合、ボディーマイコン12は、交換レンズがコントラスト検出方式に対応可能であると判断する。交換レンズが駆動余裕範囲を有していない場合、ボディーマイコン12は、交換レンズがコントラスト検出方式に対応していないと判断する。
(6)
また、交換レンズがコントラスト検出方式に対応しているか否かを、相対位置検出部の仕様に関する情報に基づいて判断することも考えられる。この情報は、例えばレンズ情報に含まれている。相対位置検出部が2相式エンコーダを有している場合、ボディーマイコン12は、交換レンズがコントラスト検出方式に対応可能であると判断する。相対位置検出部が1相式エンコーダを有している場合、ボディーマイコン12は、交換レンズがコントラスト検出方式に対応できないと判断する。
アダプタが位相差検出方式の焦点検出ユニット6を有しているため、交換レンズがコントラスト検出方式に対応していれば、位相差検出方式およびコントラスト検出方式のいずれかを選択することができ、利便性が高まる。
(8)
アダプタがカメラ本体3に装着されたことを検出し、その検出結果に基づいて焦点検出方式が選択される場合、より簡単なシステムで焦点検出方式を選択することができる。
(9)
以上に説明したように、このカメラシステム1およびカメラ本体3では、様々な交換レンズに対応することができるため、利便性を高めることができる。
本発明に係る一眼レフカメラシステム、カメラ本体、交換レンズ、アダプタは、前述の実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の修正および変更が可能である。
2 第1の交換レンズ
3 第1のカメラ本体
4 第1のアダプタ
Claims (11)
- 交換レンズを装着可能かつアダプタを介して前記交換レンズを装着可能なカメラ本体であって、
前記交換レンズを装着可能かつ前記アダプタを介して前記交換レンズを装着可能なボディマウントと、
前記交換レンズにより形成された被写体の光学像を画像信号に変換する撮像部と、
前記画像信号に基づいてコントラスト値を検出し前記コントラスト値に基づいて前記光学像の合焦状態を判定する焦点検出部と、
前記交換レンズに格納されたレンズ情報を取得可能であり、前記アダプタに格納されたアダプタ情報を取得可能であり、前記レンズ情報および前記アダプタ情報に基づいて焦点検出方式を選択する本体制御部と、を備え、
クイックリターンミラーを有しておらず、
コントラスト検出方式に対応可能な前記交換レンズを第1交換レンズとし、コントラスト検出方式に対応していない前記交換レンズを第2交換レンズとし、位相差検出方式に対応可能な前記アダプタを第1アダプタとし、位相差検出方式に対応していない前記アダプタを第2アダプタとすると、
前記第1交換レンズが前記アダプタを介さずに前記ボディマウントに装着された場合、前記本体制御部は、焦点検出方式としてコントラスト検出方式を選択し、
前記第2交換レンズが前記第1アダプタを介して前記ボディマウントに装着された場合、前記本体制御部は、焦点検出方式として位相差検出方式を選択する、
カメラ本体。 - 前記第1交換レンズが前記第2アダプタを介して前記ボディマウントに装着された場合、前記本体制御部は焦点検出方式としてコントラスト検出方式を選択する、
請求項1に記載のカメラ本体。 - 前記第1交換レンズが前記第1アダプタを介して前記ボディマウントに装着された場合、前記本体制御部は焦点検出方式としてコントラスト検出方式および位相差検出方式のうち一方を選択する、
請求項1または2に記載のカメラ本体。 - 前記第2交換レンズが前記第2アダプタを介して前記ボディマウントに装着された場合、前記本体制御部は焦点検出方式としてコントラスト検出方式および位相差検出方式のうちいずれも選択しない、
請求項1から3のいずれかに記載のカメラ本体。 - 前記本体制御部は、前記レンズ情報に基づいて、前記交換レンズがコントラスト検出方式に対応可能か否かの判断を行う、
請求項1から4のいずれかに記載のカメラ本体。 - 前記アダプタは、焦点検出方式に関する情報を含む前記アダプタ情報を格納するアダプタ制御部を有しており、
前記本体制御部は、前記アダプタ情報に基づいて、前記アダプタが位相差検出方式に対応可能か否かの判断を行う、
請求項1から5のいずれかに記載のカメラ本体。 - 前記レンズ情報は、前記交換レンズを特定するための情報、前記交換レンズのフォーカスレンズ群の駆動余裕範囲の有無に関する情報、および前記フォーカスレンズ群の位置を検出する位置検出部の仕様に関する情報、のうち少なくとも1つの情報を有している、
請求項1から6のいずれかに記載のカメラ本体。 - 前記交換レンズが前記駆動余裕範囲を有している場合、前記本体制御部は、前記交換レンズがコントラスト検出方式に対応可能であると判断し、
前記交換レンズが前記駆動余裕範囲を有していない場合、前記本体制御部は、前記交換レンズがコントラスト検出方式に対応していないと判断する、
請求項7に記載のカメラ本体。 - 前記位置検出部は、前記フォーカスレンズ群の移動量および移動方向を検出する相対位置検出部を有しており、
前記レンズ情報は、前記相対位置検出部の仕様に関する情報を含んでおり、
前記相対位置検出部が2相式エンコーダを有している場合、前記本体制御部は、前記交換レンズがコントラスト検出方式に対応可能であると判断し、
前記相対位置検出部が1相式エンコーダを有している場合、前記本体制御部は、前記交換レンズがコントラスト検出方式に対応できないと判断する、
請求項8に記載のカメラ本体。 - 請求項1から9のいずれかに記載のカメラ本体と、
前記交換レンズから出射した光の一部を反射するミラーと、前記ミラーで反射された光を利用して位相差検出方式により合焦状態を判定する第2焦点検出部と、を有し、前記ボディマウントに装着可能なアダプタと、
を備えた撮像装置。 - 前記ミラーは、ペリクルミラーである、
請求項10に記載の撮像装置。
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