JP2004109689A - レンズ装置およびカメラシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】カメラの画素ピッチに対して要求されるオートフォーカス精度に合ったフォーカスレンズの駆動制御が可能なレンズ装置が求められている。
【解決手段】互いに画素ピッチが異なる撮像素子を備えた複数のカメラ1に対して着脱が可能なレンズ装置2に、フォーカスレンズ8を駆動するフォーカス駆動手段11と、このレンズ装置が装着されたカメラから、撮影光学系の合焦を得るためのフォーカス駆動指令を受信することに応じてフォーカス駆動手段を制御する制御手段とを設ける。制御手段は、カメラに備えられた撮像素子4の画素ピッチに関する情報をカメラから受信し、該画素ピッチが所定値より大きいときはフォーカス駆動手段を所定駆動単位で制御し、該画素ピッチが上記所定値より小さいときはフォーカス駆動手段を上記所定駆動単位で制御した後、この所定駆動単位よりも小さな駆動単位で制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】互いに画素ピッチが異なる撮像素子を備えた複数のカメラ1に対して着脱が可能なレンズ装置2に、フォーカスレンズ8を駆動するフォーカス駆動手段11と、このレンズ装置が装着されたカメラから、撮影光学系の合焦を得るためのフォーカス駆動指令を受信することに応じてフォーカス駆動手段を制御する制御手段とを設ける。制御手段は、カメラに備えられた撮像素子4の画素ピッチに関する情報をカメラから受信し、該画素ピッチが所定値より大きいときはフォーカス駆動手段を所定駆動単位で制御し、該画素ピッチが上記所定値より小さいときはフォーカス駆動手段を上記所定駆動単位で制御した後、この所定駆動単位よりも小さな駆動単位で制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動焦点調節機能を有するビデオカメラやスチルカメラ等のデジタルカメラに着脱交換可能に装着されるレンズ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のデジタルカメラの発展は目覚しく、CCD等の撮像素子の単位面積あたりでの画素数は益々増加する傾向にある。
【0003】
このような傾向の中、カメラのオートフォーカスの精度は、撮像素子の画素数が増え、画素ピッチ(画素サイズ)が小さいほど高精度が要求される。その一方、カメラでの速写性を確保するためには、オートフォーカスの高速性も重要である。
【0004】
従来、カメラシステムにおいて、オートフォーカス高速化と高精度化を両立させるための手法について様々な提案がなされている。
【0005】
例えば、特許文献1には、フォーカスレンズを粗いステップ間隔で駆動しながら概略の合焦位置を検出した後、微小ステップ間隔で駆動しながら合焦位置を検出するモードとの選択を可能としたオートフォーカス装置が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−66494号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、様々な画素サイズのカメラが混在する中で、各画素サイズに対して要求されるオートフォーカス精度に合ったフォーカスレンズの駆動制御が可能なレンズ装置を専用に用意するのでは、カメラとレンズ装置との組み合わせ自由度を制限することになり、カメラシステムとしての使い勝手が悪くなる。
【0008】
本発明は、互いに画素ピッチが異なる撮像素子を備えた複数のカメラに対して使用することができ、かつオートフォーカスの高速化と高精度化を両立させることができるようにしたレンズ装置およびカメラシステムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明では、互いに画素ピッチが異なる撮像素子を備えた複数のカメラに対して着脱が可能で、カメラとの通信が可能なレンズ装置に、フォーカスレンズを含む撮影光学系と、フォーカスレンズを駆動するフォーカス駆動手段と、このレンズ装置が装着されたカメラから、撮影光学系の合焦を得るためのフォーカス駆動指令を受信することに応じてフォーカス駆動手段を制御する制御手段とを設ける。そして、制御手段は、装着されたカメラに備えられた撮像素子の画素ピッチに関する情報をカメラから受信し、該画素ピッチが所定値より大きいときはフォーカス駆動手段を所定駆動単位で制御する一方、該画素ピッチが上記所定値より小さいときはフォーカス駆動手段を上記所定駆動単位で制御した後、この所定駆動単位よりも小さな駆動単位で制御する。
【0010】
すなわち、カメラの画素ピッチ(画素サイズ)が大きいときには、フォーカス駆動手段を所定駆動単位で高速駆動する。一方、画素ピッチが小さいときには、はじめは上記所定駆動単位で高速駆動し、最終的に高い合焦精度を得るために上記所定駆動単位よりも小さな駆動単位で低速駆動する。これにより、カメラ側の画素ピッチに応じた合焦精度を確保でき、かつ高速性に優れたオートフォーカス制御が可能なレンズ装置およびカメラシステムを実現することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態であるレンズ交換式デジタル一眼レフカメラの光学的構成を示している。1はデジタルカメラ、2はデジタルカメラ1に対して着脱可能な交換レンズである。
【0012】
まず、カメラ1の構成について説明する。3はハーフミラーである。このハーフミラー3は、撮影開始前は交換レンズ2内の撮影光学系を通ってきた撮影光束の光路上に配置されて、撮影光束の一部を撮像素子4に、残りをファインダー光学系に反射する。また、撮影中は撮影光路から退避する。
【0013】
撮像素子4は、撮影光学系を通ってきた撮影光束により形成される被写体象を光電変換する。
【0014】
ファインダー光学系は、ペンタプリズム5および接眼レンズ6により構成されている。ペンタプリズム5では、ハーフミラー3から入射した光束の一部を焦点検出部7に分光する。焦点検出部7は入射した光束を2つの光束に分割するコンデンサレンズ7aと、分割されたそれぞれの光束を再結像させる2つのセパレータレンズ7bと、結像した2像を光電変換するCCD等の一対のラインセンサにより構成されている。これら一対のラインセンサ7c上に結像した2像のずれから、撮影光学系のピントずれ量(焦点調節状態)であるデフォーカス(Def)量を検出することができる。この焦点検出方式を位相差検出方式という。
【0015】
次に、交換レンズ2の構成について説明する。2aはカメラのマウント1aに対して着脱可能に結合されるレンズ側マウントであり、後述するレンズ接点が設けられている。8は光軸方向に移動することにより焦点調節を行うフォーカスレンズである。9はフォーカスレンズ8を保持するフォーカス保持枠である。10はフォーカス保持枠9を光軸方向に移動可能に保持する保持鏡筒である。
【0016】
11はフォーカス駆動手段(アクチュエータ)としてのステッピングモータであり、出力軸がリードスクリューとなっており、このリードスクリューとフォーカス保持枠9に形成されたラック部(図示せず)とが噛み合っている。このため、ステッピングモータ11が回転すると、フォーカス保持枠9(フォーカスレンズ8)が光軸方向に駆動される。
【0017】
なお、交換レンズ2内には、図示しない絞りユニットが配置されており、撮像素子4に到達する撮影光量を調節することができるようになっている。
【0018】
図2には、本実施形態のデジタルカメラシステムの電気的構成を示している。図2中、200はデジタルカメラ1側の電気回路、300は交換レンズ2側の電気回路を示している。
【0019】
カメラ側電気回路200において、201はマイクロコンピュータで構成されるカメラCPUであり、カメラ側電気回路200内の種々の回路の動作を制御するとともに、カメラ接点202およびレンズ接点302を介してレンズCPU301との通信を行う。カメラ接点202は、レンズ2側との通信を行う信号伝達接点とレンズ2側に電源を供給する電源用接点とから構成されている。
【0020】
203は外部より操作可能な電源スイッチであり、カメラCPU201を立ち上げてシステム内の各アクチュエータやセンサ等への電源供給およびシステムの動作を可能な状態とするためのスイッチである。
【0021】
204は外部より操作可能な2段ストローク式のレリーズスイッチである。レリーズスイッチ204からの信号はカメラCPU201に入力される。カメラCPU201は、レリーズスイッチ204を構成する第1ストロークスイッチ(SW1)からのON信号が入力されることにより、測光回路205および上述した焦点検出部7のラインセンサ7cを含む焦点検出回路206を動作させる。カメラCPU201は、測光回路205からの出力に基づいて撮像素子4の露光量(電荷蓄積時間)を決定する。また、焦点検出回路206からの出力に基づいて撮影光学系のデフォーカス量を演算し、さらにこのデフォーカス量に基づいて被写体に対する合焦を得るために必要なフォーカスレンズ8(つまりはステッピングモータ11)の目標駆動量を算出する。
【0022】
また、カメラCPU201は、レリーズスイッチ204を構成する第2ストロークスイッチ(SW2)からのON信号が入力されることにより、露光回路208に露光開始命令を出力する。露光開始命令を受けた露光回路208は撮像素子4を駆動して、撮像素子4上に結像した被写体像を光電変換させる。撮像素子4から出力された画像信号は、画像処理回路210でデジタル化されて圧縮され、画像記録回路211にてフラッシュメモリ等の半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク等の記録媒体に記録される。
【0023】
次に、レンズ側電気回路300において、レンズCPU301は、レンズ側電気回路300内の種々の回路の動作を制御するとともに、レンズ接点302を介してカメラCPU201との通信を行う。
【0024】
レンズ接点302は、カメラ側との通信を行うための信号伝達接点と、カメラ側から電源供給を受ける電源用接点とから構成されている。303はレンズCPU301からの制御信号に応じてステッピングモータ11を駆動するフォーカス駆動回路である。308は絞り駆動回路であり、レンズCPU301からの制御信号に応じて、図1においては図示しない絞りユニットを駆動する。
【0025】
上記構成において、カメラCPU201では、後述するフローチャートに従い、自身が持つ撮像素子4の画素ピッチに応じて異なるAF処理を行う。撮像素子4の画素ピッチが所定値より大きいカメラでは、カメラCPU201は、焦点検出回路206からの出力に基づいて、デフォーカス量を第1の合焦範囲内とするために必要なフォーカスレンズ8の目標駆動量を演算するとともに、レンズCPU301に対してこの目標駆動量の情報(フォーカス駆動指令)を送信する。また、カメラCPU201は、自身が持つ撮像素子4の画素ピッチの情報をレンズCPU301に対して送信する。
【0026】
一方、撮像素子4の画素ピッチが上記所定値以下のカメラの場合は、カメラCPU201は、まず焦点検出回路206からの出力に基づいて、デフォーカス量を第1の合焦範囲内とするために必要なフォーカスレンズ8の目標駆動量を演算するとともに、レンズCPU301に対してこの目標駆動量の情報(フォーカス駆動指令)を送信する。さらにその後、焦点検出回路206からの出力に基づいて、デフォーカス量を第2の合焦範囲内とするために必要なフォーカスレンズ8の目標駆動量を演算するとともに、レンズCPU301に対してこの目標駆動量の情報(フォーカス駆動指令)を送信する。また、カメラCPU201は、自身が持つ撮像素子4の画素ピッチの情報をレンズCPU301に対して送信する。
【0027】
ここで、第1の合焦範囲は、上記所定値より大きな画素ピッチ(画素サイズ)に対応した許容錯乱円径に応じて設定されており、第2の合焦範囲は、上記所定値より小さな画素ピッチ(画素サイズ)に対応した許容錯乱円径に応じて設定されている。すなわち、第2の合焦範囲は、第1の合焦範囲に比べてより精度の高い合焦状態が得られる範囲である。
【0028】
また、レンズCPU301では、後述するフローチャートに従い、装着されたカメラが持つ撮像素子4の画素ピッチの情報に応じて異なるフォーカスレンズ駆動制御を行う。具体的には、カメラCPU201から受信した撮像素子4の画素ピッチの情報が上記所定値より大きいときは、第1の駆動制御モードによってステッピングモータ11に通常ステップ駆動(基本ステップ単位又は基本ステップの1/2単位での駆動)を行わせてステッピングモータ11を高速回転させ、フォーカスレンズ8をデフォーカス量が第1の合焦範囲内になるまで高速で駆動する。
【0029】
一方、カメラCPU201から受信した撮像素子4の画素ピッチの情報が上記所定値以下のときは、まず第1の駆動制御モードによってステッピングモータ11に通常ステップ駆動を行わせてステッピングモータ11を高速回転させ、フォーカスレンズ8をデフォーカス量が第1の合焦範囲内になるまで高速で駆動する。その後、第2の駆動制御モードによってステッピングモータ11にマイクロステップ駆動を行わせてステッピングモータ11を低速(微速)回転させ、フォーカスレンズ8をデフォーカス量が第2の合焦範囲内になるまで低速で駆動する。
【0030】
図3および図4には、本実施形態におけるAF動作を示すフローチャートを示している。なお、図3および図4中において、同じ丸囲みの数字が付されている部分は互いにつながっていることを示す。また、本実施形態では、説明を分かり易くするため、カメラCPU201の動作フローとレンズCPU301の動作フローとを一緒にして示しているが、これらは実際には別々のプログラムとして動作するものである。
【0031】
まず、カメラCPU201は、レリーズスイッチ204からSW1のON信号が入力されているか否かを判別し(ステップ〈図ではSと記す〉4001)、入力されていれば焦点検出回路206からの出力に基づいてデフォーカス量(Def)を演算し(ステップ4002)、演算したデフォーカス量が第1の合焦範囲内かどうかを判別する(ステップ4003)。デフォーカス量が第1の合焦範囲外であればステップ4005へ、第1の合焦範囲内ならばステップ4004へ進む。
【0032】
ステップ4005では、レンズCPU301により第1の駆動制御モードが初期設定される。このとき、カメラCPU201からはフォーカスレンズ8の目標駆動量(ステッピングモータ11の駆動ステップ数換算値)がレンズCPU301に送信される。レンズCPU301は、上記目標駆動量分、ステッピングモータ11の通常ステップ駆動制御を行い(ステップ4006)、ステップ4002へ戻る。この第1の駆動制御モードによるステッピングモータ11の通常ステップ駆動制御は、デフォーカス量が第1の合焦範囲内に入るまで繰り返し行われる。
【0033】
こうして、デフォーカス量が第1の合焦範囲内に入ると(ステップ4002、4003)、レンズCPU301はカメラが持つ撮像素子4の画素ピッチが所定値より大きいか否かを判別する(ステップ4004)。ここで、カメラCPU201から上記所定値より大きい画像ピッチの情報を受信したときは、ステップ5001へ進み、それ以外(上記所定値以下の画像ピッチの情報を受信したとき)は、画素ピッチが上記所定値より大きい撮像素子4に対応した合焦精度が得られたものとしてAF動作を終了する(ステップ4007)。
【0034】
ステップ5001では、カメラCPU201は焦点検出回路206の出力に基づいて再度、デフォーカス量を演算し、ステップ5002で、演算したデフォーカス量が第2の合焦範囲内かどうかを判別する。第2の合焦範囲外であればステップ5004へ、第2の合焦範囲内であれば、上記所定値より小さな画素ピッチを有する撮像素子4に対応した高精度の合焦が得られたものとしてステップ5003へ進み、AF動作を終了する。
【0035】
また、ステップ5004では、レンズCPU301は第2の駆動制御モードを設定する。このとき、カメラCPU201からはフォーカスレンズ8の目標駆動量(ステッピングモータ11の駆動ステップ数換算値)がレンズCPU301に送信される。レンズCPU301は、上記目標駆動量分、第2の駆動制御モードによるステッピングモータ11のマイクロステップ駆動制御を行う。この第2の制御モードによるステッピングモータ11のマイクロステップ駆動制御は、デフォーカス量が第2の合焦範囲内に入るまで繰り返し行われる。
【0036】
こうして、デフォーカス量が第2の合焦範囲内に入ると(ステップ5001、5002)、レンズCPU301はステップ5003へ進み、AF動作を終了する。
【0037】
(第2実施形態)
図5には、本発明の第2実施形態であるレンズ交換式デジタル一眼レフカメラシステムの電気的構成を示している。なお、本実施形態のカメラシステムの光学的構成は、基本的に図1に示したものと同じであるが、本実施形態では、第1実施形態にて説明した位相差検出方式での焦点検出に加え、撮影前において、ハーフミラー3を透過した光束を撮像素子4にて光電変換し、その出力信号の高周波成分を抽出して焦点検出を行う。すなわち、撮像素子4をコントラスト検出方式による焦点検出部として用いる。
【0038】
図5中、400はデジタルカメラ1側の電気回路、500は交換レンズ2側の電気回路を示している。
【0039】
カメラ側電気回路400において、401はマイクロコンピュータで構成されるカメラCPUであり、カメラ側電気回路400内の種々の回路の動作を制御するとともに、カメラ接点402およびレンズ接点402を介してレンズCPU501との通信を行う。カメラ接点402は、レンズ2側との通信を行う信号伝達接点とレンズ2側に電源を供給する電源用接点とから構成されている。
【0040】
403は外部より操作可能な電源スイッチであり、カメラCPU401を立ち上げてシステム内の各アクチュエータやセンサ等への電源供給およびシステムの動作を可能な状態とするためのスイッチである。
【0041】
404は外部より操作可能な2段ストローク式のレリーズスイッチである。レリーズスイッチ404からの信号はカメラCPU401に入力される。カメラCPU401は、レリーズスイッチ404を構成する第1ストロークスイッチ(SW1)からのON信号が入力されることにより、測光回路405および焦点検出部7のラインセンサ7cを含む第1の焦点検出回路406を動作させる。また、撮像素子4を入力部として含むコントラスト検出方式による焦点検出を行う第2の焦点検出回路407も動作させる。
【0042】
カメラCPU401は、測光回路405からの出力に基づいて撮像素子4の露光量(電荷蓄積時間)を決定する。また、第1の焦点検出回路406からの出力に基づいて撮影光学系のデフォーカス量を演算し、さらにこのデフォーカス量に基づいて被写体に対する合焦を得るために必要なフォーカスレンズ8(つまりはステッピングモータ11)の目標駆動量を算出する。
【0043】
また、カメラCPU401は、レリーズスイッチ404を構成する第2ストロークスイッチ(SW2)からのON信号が入力されることにより、露光回路408に露光開始命令を出力する。露光開始命令を受けた露光回路408は撮像素子4を駆動して、撮像素子4上に結像した被写体像を光電変換させる。撮像素子4から出力された画像信号は、画像処理回路410でデジタル化されて圧縮され、画像記録回路411にてフラッシュメモリ等の半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク等の記録媒体に記録される。
【0044】
次に、レンズ側電気回路500において、レンズCPU501は、レンズ側電気回路500内の種々の回路の動作を制御するとともに、レンズ接点502を介してカメラCPU401との通信を行う。
【0045】
レンズ接点502は、カメラ側との通信を行うための信号伝達接点と、カメラ側から電源供給を受ける電源用接点とから構成されている。503はレンズCPU501からの制御信号に応じてステッピングモータ11を駆動するフォーカス駆動回路である。508は絞り駆動回路であり、レンズCPU501からの制御信号に応じて、絞りユニットを駆動する。
【0046】
上記構成において、カメラCPU401では、後述するフローチャートに従い、自身が持つ撮像素子4の画素ピッチに応じて異なるAF処理を行う。撮像素子4の画素ピッチが所定値より大きいカメラでは、カメラCPU401は、第1の焦点検出回路406からの出力に基づいて、デフォーカス量を第1の合焦範囲内とするために必要なフォーカスレンズ8の目標駆動量を演算するとともに、レンズCPU501に対してこの目標駆動量の情報(フォーカス駆動指令)を送信する。また、カメラCPU401は、自身が持つ撮像素子4の画素ピッチの情報をレンズCPU501に対して送信する。
【0047】
一方、撮像素子4の画素ピッチが所定値以下のカメラでは、カメラCPU401は、第1の焦点検出回路406からの出力に基づいて、デフォーカス量を第1の合焦範囲内とするために必要なフォーカスレンズ8の目標駆動量を演算するとともに、レンズCPU501に対してこの目標移動量の情報(フォーカス駆動指令)を送信する。さらにその後、第2の焦点検出回路407によって撮像素子4の出力から高周波成分が抽出されると、カメラCPU401はその高周波成分が最大となるフォーカスレンズ8の位置(第2の合焦範囲内にあること)を検出するために、フォーカスレンズ8を光軸方向前方又は後方に所定量移動させるためのフォーカス駆動指令をレンズCPU501に送信する。また、カメラCPU401は、自身が持つ撮像素子4の画素ピッチの情報をレンズCPU501に対して送信する。
【0048】
ここで、第1の合焦範囲は、上記所定値より大きな画素ピッチ(画素サイズ)に対応した許容錯乱円径に応じて設定されており、第2の合焦範囲は、上記所定値より小さな画素ピッチ(画素サイズ)に対応した許容錯乱円径に応じて設定されている。すなわち、第2の合焦範囲は、第1の合焦範囲に比べてより精度の高い合焦状態が得られる範囲である。
【0049】
また、レンズCPU501では、後述するフローチャートに従い、装着されたカメラが有する撮像素子4の画素ピッチに応じて異なるフォーカスレンズ駆動制御を行う。具体的には、カメラCPU401から受信した画素ピッチの情報が上記所定値より大きいときは、第1の駆動制御モードによってステッピングモータ11に通常ステップ駆動(基本ステップ単位又は基本ステップの1/2単位での駆動)を行わせてステッピングモータ11を高速回転させ、フォーカスレンズ8をデフォーカス量が第1の合焦範囲内になるまで高速で駆動する。
【0050】
一方、カメラCPU401から受信した画素ピッチの情報が上記所定値以下のときは、まず第1の駆動制御モードによってステッピングモータ11に通常ステップ駆動を行わせてステッピングモータ11を高速回転させ、フォーカスレンズ8をデフォーカス量が第1の合焦範囲内になるまで高速で駆動する。その後、第2の駆動制御モードによってステッピングモータ11にマイクロステップ駆動を行わせてステッピングモータ11を低速(微速)回転させ、第2の焦点検出回路407によって抽出された撮像素子4の出力からの信号の高周波成分の最大値がピークとなるようにフォーカスレンズ8を低速で駆動する。
【0051】
図6および図7は、本実施形態におけるAF動作を示すフローチャートを示している。なお、図6および図7中において、同じ丸囲みの数字が付されている部分は互いにつながっていることを示す。また、本実施形態では、説明を分かり易くするため、カメラCPU401の動作フローとレンズCPU501の動作フローとを一緒にして示しているが、これらは実際には別々のプログラムとして動作するものである。
【0052】
まず、カメラCPU401は、レリーズスイッチ404からSW1のON信号が入力されているか否かを判別する(ステップ6001)。入力されていればステップ6002に進み、装着されているカメラの撮像素子4の画素ピッチが所定値より大きいか否かを判別する(ステップ6002)。画素ピッチが上記所定値より大きいときはステップ6004に進み、上記所定値以下のときはステップ7001に進む。
【0053】
ステップ6004では、レンズCPU501により第1の駆動制御モードが初期設定される。
【0054】
一方、ステップ6005では、カメラCPU401は、第1の焦点検出回路406からの出力に基づいてデフォーカス量(Def)を演算し、演算したデフォーカス量が第1の合焦範囲内かどうかを判別する(ステップ6006)。デフォーカス量が第1の合焦範囲外であればステップ6007へ、第1の合焦範囲内ならばステップ6008へ進んでAF動作を終了する。
【0055】
ステップ6007では、カメラCPU401からは、デフォーカス量に基づいて算出されたフォーカスレンズ8の目標駆動量(ステッピングモータ11の駆動ステップ数換算値)がレンズCPU501に送信される。レンズCPU501は、上記目標駆動量分、ステッピングモータ11の通常ステップ駆動制御を行い、ステップ6002へ戻る。この第1の駆動制御モードによるステッピングモータ11の通常ステップ駆動制御は、デフォーカス量が第1の合焦範囲内に入るまで繰り返し行われる。
【0056】
こうして、デフォーカス量が第1の合焦範囲内に入ると(ステップ6005、6006)、上記所定値より大きい画素ピッチを有する撮像素子4に対応した合焦精度が得られたものとしてステップ6008へ進んでAF動作を終了する。
【0057】
一方、ステップ7001に進んだ場合は、レンズCPU501は第1の駆動制御モードを設定する。そして、ステップ7002では、カメラCPU401は第1の焦点検出回路406からの出力に基づいてデフォーカス量(Def)を演算し、演算したデフォーカス量が第1の合焦範囲内かどうかを判別する(ステップ7003)。デフォーカス量が第1の合焦範囲外であればステップ7004へ、第1の合焦範囲内ならばステップ7005へ進む。
【0058】
ステップ7004では、カメラCPU401から、デフォーカス量に基づいて算出されたフォーカスレンズ8の目標駆動量がレンズCPU501に送信される。レンズ内CPU501は、第1の駆動制御モードによるステッピングモータ11の通常ステップ駆動制御を行ってステッピングモータ11を高速回転させ、フォーカスレンズ8を、算出された目標駆動量を越えない十分手前の位置まで高速駆動し、その後、減速して停止させる。
【0059】
ここで、ステッピングモータ11の高速(一定速)駆動中においては、カメラCPU401は、可能な限り繰り返し第1の焦点検出回路406からの出力に基づいてデフォーカス量(Def)を演算し、演算したデフォーカス量が第1の合焦範囲内かどうかを判別する(ステップ7002,7003)。こうしてデフォーカス量が第1の合焦範囲内に入ると、ステップ7005へ進む。
【0060】
ステップ7005では、レンズ内CPU501は第2の駆動制御モードを設定し、ステップ7006へ進む。ステップ7006では、カメラCPU401は初期設定を行い、ステップ7007へ進む。この初期設定は、後述するコントラスト方式の焦点検出によって抽出される被写体像の高周波成分の最大値を格納するβの値をゼロとするものである。
【0061】
次に、カメラCPU401は第2の焦点検出回路407により、コントラスト検出方式による焦点検出を開始する(ステップ7007)。カメラCPU401は、撮像素子4上に結像した被写体像の高周波成分を抽出してその最大値を求め(ステップ7008)、その値とβを比較して(ステップ7009)、βより小さい場合はステップ7012へ、それ以外の場合はステップ7010へ進む。
【0062】
ステップ7010では、カメラCPU401はβを新たに求めた最大値に更新する。そして、ステップ7011では、カメラCPU401は、レンズCPU501に対して、ステッピングモータ11を前述したステップ7004で駆動した方向と同じ方向に焦点深度幅に相当する量、駆動させるためのフォーカス駆動指令を送信する。レンズCPU501は、このフォーカス駆動指令に応じて、第2の駆動制御モードによってステッピングモータ11(フォーカスレンズ8)を、ステップ7004で駆動した方向と同じ方向に、焦点深度幅に相当する量、単位駆動(マイクロステップ駆動)し、ステップ7007へ戻る。
【0063】
一方、ステップ7009からステップ7012へ進んだ場合は、カメラCPU401はβの更新が1回以上あったか否かを判別し、更新がないときは異常とみなしてステップ7002へ戻る。βの更新が1回以上あった場合は、被写体像の高周波成分の最大値がピークを越したとして、ステップ7013へ進む。
【0064】
ステップ7013では、カメラCPU401は、レンズCPU501に対して、ステッピングモータ11を前回の駆動方向と反対方向に焦点深度幅に相当する量、駆動させるためのフォーカス駆動指令を送信する。レンズCPU501は、このフォーカス駆動指令に応じて、第2の駆動制御モードによってステッピングモータ11を前回の駆動方向とは逆方向に、焦点深度幅に相当する量、単位駆動(マイクロステップ駆動)し、ステップ7014へ進む。
【0065】
ステップ7014では、AF動作を終了する。これにより、上記所定値以下の画素ピッチを有する撮像素子4に対応した高精度の合焦が得られたことになる。
【0066】
なお、上記各実施形態においては、フォーカスレンズ8を駆動するアクチュエータ(フォーカス駆動手段)としてステッピングモータを用いた場合について説明したが、本発明においてはこれに限られず、直流モータや振動型モータを用いてもよい。
【0067】
但し、直流モータを用いる場合は、例えばモータの回転量を検出するパルス板に長短のスリットを交互に形成し、第1の駆動制御モードでは長いスリットのみをフォトインターラプタで検出して大きな駆動単位でモータを制御する一方、第2の駆動制御モードでは長短のスリットをフォトインターラプタで検出して小さな駆動単位でモータを制御するといった構成を用いるとよい。
【0068】
また、振動型モータを用いる場合には、電気−機械エネルギー変換素子に入力する複数相のパルス信号の周波数を、第1の駆動制御モードでは低くして大きな駆動単位で制御する一方、第2の駆動制御モードでは高くして小さな駆動単位で制御するといった構成を用いるとよい。
【0069】
また、上記各実施形態では、レンズ交換式デジタルカメラシステムについて説明したが、本発明はレンズ一体型のカメラにも適用することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、カメラ側の撮像素子の画素ピッチに応じた合焦精度を確保でき、かつ高速性に優れたオートフォーカス制御が可能なレンズ装置およびカメラシステムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるデジタルカメラシステムの光学的構成を示す断面図。
【図2】上記第1実施形態のデジタルカメラシステムの電気的構成を示すブロック図。
【図3】上記第1実施形態のデジタルカメラシステムのAF動作を示すフローチャート。
【図4】上記第1実施形態のデジタルカメラシステムのAF動作を示すフローチャート。
【図5】本発明の第2実施形態のデジタルカメラシステムの電気的構成を示すブロック図。
【図6】上記第2実施形態のデジタルカメラシステムのAF動作を示すフローチャート。
【図7】上記第2実施形態のデジタルカメラシステムのAF動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ
2 交換レンズ
3 ハーフミラー
4 撮像素子
5 ペンタプリズム
6 接眼レンズ
7 焦点検出部
8 フォーカスレンズ
9 フォーカス保持枠
10 保持鏡筒
11 ステッピングモータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動焦点調節機能を有するビデオカメラやスチルカメラ等のデジタルカメラに着脱交換可能に装着されるレンズ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のデジタルカメラの発展は目覚しく、CCD等の撮像素子の単位面積あたりでの画素数は益々増加する傾向にある。
【0003】
このような傾向の中、カメラのオートフォーカスの精度は、撮像素子の画素数が増え、画素ピッチ(画素サイズ)が小さいほど高精度が要求される。その一方、カメラでの速写性を確保するためには、オートフォーカスの高速性も重要である。
【0004】
従来、カメラシステムにおいて、オートフォーカス高速化と高精度化を両立させるための手法について様々な提案がなされている。
【0005】
例えば、特許文献1には、フォーカスレンズを粗いステップ間隔で駆動しながら概略の合焦位置を検出した後、微小ステップ間隔で駆動しながら合焦位置を検出するモードとの選択を可能としたオートフォーカス装置が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−66494号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、様々な画素サイズのカメラが混在する中で、各画素サイズに対して要求されるオートフォーカス精度に合ったフォーカスレンズの駆動制御が可能なレンズ装置を専用に用意するのでは、カメラとレンズ装置との組み合わせ自由度を制限することになり、カメラシステムとしての使い勝手が悪くなる。
【0008】
本発明は、互いに画素ピッチが異なる撮像素子を備えた複数のカメラに対して使用することができ、かつオートフォーカスの高速化と高精度化を両立させることができるようにしたレンズ装置およびカメラシステムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明では、互いに画素ピッチが異なる撮像素子を備えた複数のカメラに対して着脱が可能で、カメラとの通信が可能なレンズ装置に、フォーカスレンズを含む撮影光学系と、フォーカスレンズを駆動するフォーカス駆動手段と、このレンズ装置が装着されたカメラから、撮影光学系の合焦を得るためのフォーカス駆動指令を受信することに応じてフォーカス駆動手段を制御する制御手段とを設ける。そして、制御手段は、装着されたカメラに備えられた撮像素子の画素ピッチに関する情報をカメラから受信し、該画素ピッチが所定値より大きいときはフォーカス駆動手段を所定駆動単位で制御する一方、該画素ピッチが上記所定値より小さいときはフォーカス駆動手段を上記所定駆動単位で制御した後、この所定駆動単位よりも小さな駆動単位で制御する。
【0010】
すなわち、カメラの画素ピッチ(画素サイズ)が大きいときには、フォーカス駆動手段を所定駆動単位で高速駆動する。一方、画素ピッチが小さいときには、はじめは上記所定駆動単位で高速駆動し、最終的に高い合焦精度を得るために上記所定駆動単位よりも小さな駆動単位で低速駆動する。これにより、カメラ側の画素ピッチに応じた合焦精度を確保でき、かつ高速性に優れたオートフォーカス制御が可能なレンズ装置およびカメラシステムを実現することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態であるレンズ交換式デジタル一眼レフカメラの光学的構成を示している。1はデジタルカメラ、2はデジタルカメラ1に対して着脱可能な交換レンズである。
【0012】
まず、カメラ1の構成について説明する。3はハーフミラーである。このハーフミラー3は、撮影開始前は交換レンズ2内の撮影光学系を通ってきた撮影光束の光路上に配置されて、撮影光束の一部を撮像素子4に、残りをファインダー光学系に反射する。また、撮影中は撮影光路から退避する。
【0013】
撮像素子4は、撮影光学系を通ってきた撮影光束により形成される被写体象を光電変換する。
【0014】
ファインダー光学系は、ペンタプリズム5および接眼レンズ6により構成されている。ペンタプリズム5では、ハーフミラー3から入射した光束の一部を焦点検出部7に分光する。焦点検出部7は入射した光束を2つの光束に分割するコンデンサレンズ7aと、分割されたそれぞれの光束を再結像させる2つのセパレータレンズ7bと、結像した2像を光電変換するCCD等の一対のラインセンサにより構成されている。これら一対のラインセンサ7c上に結像した2像のずれから、撮影光学系のピントずれ量(焦点調節状態)であるデフォーカス(Def)量を検出することができる。この焦点検出方式を位相差検出方式という。
【0015】
次に、交換レンズ2の構成について説明する。2aはカメラのマウント1aに対して着脱可能に結合されるレンズ側マウントであり、後述するレンズ接点が設けられている。8は光軸方向に移動することにより焦点調節を行うフォーカスレンズである。9はフォーカスレンズ8を保持するフォーカス保持枠である。10はフォーカス保持枠9を光軸方向に移動可能に保持する保持鏡筒である。
【0016】
11はフォーカス駆動手段(アクチュエータ)としてのステッピングモータであり、出力軸がリードスクリューとなっており、このリードスクリューとフォーカス保持枠9に形成されたラック部(図示せず)とが噛み合っている。このため、ステッピングモータ11が回転すると、フォーカス保持枠9(フォーカスレンズ8)が光軸方向に駆動される。
【0017】
なお、交換レンズ2内には、図示しない絞りユニットが配置されており、撮像素子4に到達する撮影光量を調節することができるようになっている。
【0018】
図2には、本実施形態のデジタルカメラシステムの電気的構成を示している。図2中、200はデジタルカメラ1側の電気回路、300は交換レンズ2側の電気回路を示している。
【0019】
カメラ側電気回路200において、201はマイクロコンピュータで構成されるカメラCPUであり、カメラ側電気回路200内の種々の回路の動作を制御するとともに、カメラ接点202およびレンズ接点302を介してレンズCPU301との通信を行う。カメラ接点202は、レンズ2側との通信を行う信号伝達接点とレンズ2側に電源を供給する電源用接点とから構成されている。
【0020】
203は外部より操作可能な電源スイッチであり、カメラCPU201を立ち上げてシステム内の各アクチュエータやセンサ等への電源供給およびシステムの動作を可能な状態とするためのスイッチである。
【0021】
204は外部より操作可能な2段ストローク式のレリーズスイッチである。レリーズスイッチ204からの信号はカメラCPU201に入力される。カメラCPU201は、レリーズスイッチ204を構成する第1ストロークスイッチ(SW1)からのON信号が入力されることにより、測光回路205および上述した焦点検出部7のラインセンサ7cを含む焦点検出回路206を動作させる。カメラCPU201は、測光回路205からの出力に基づいて撮像素子4の露光量(電荷蓄積時間)を決定する。また、焦点検出回路206からの出力に基づいて撮影光学系のデフォーカス量を演算し、さらにこのデフォーカス量に基づいて被写体に対する合焦を得るために必要なフォーカスレンズ8(つまりはステッピングモータ11)の目標駆動量を算出する。
【0022】
また、カメラCPU201は、レリーズスイッチ204を構成する第2ストロークスイッチ(SW2)からのON信号が入力されることにより、露光回路208に露光開始命令を出力する。露光開始命令を受けた露光回路208は撮像素子4を駆動して、撮像素子4上に結像した被写体像を光電変換させる。撮像素子4から出力された画像信号は、画像処理回路210でデジタル化されて圧縮され、画像記録回路211にてフラッシュメモリ等の半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク等の記録媒体に記録される。
【0023】
次に、レンズ側電気回路300において、レンズCPU301は、レンズ側電気回路300内の種々の回路の動作を制御するとともに、レンズ接点302を介してカメラCPU201との通信を行う。
【0024】
レンズ接点302は、カメラ側との通信を行うための信号伝達接点と、カメラ側から電源供給を受ける電源用接点とから構成されている。303はレンズCPU301からの制御信号に応じてステッピングモータ11を駆動するフォーカス駆動回路である。308は絞り駆動回路であり、レンズCPU301からの制御信号に応じて、図1においては図示しない絞りユニットを駆動する。
【0025】
上記構成において、カメラCPU201では、後述するフローチャートに従い、自身が持つ撮像素子4の画素ピッチに応じて異なるAF処理を行う。撮像素子4の画素ピッチが所定値より大きいカメラでは、カメラCPU201は、焦点検出回路206からの出力に基づいて、デフォーカス量を第1の合焦範囲内とするために必要なフォーカスレンズ8の目標駆動量を演算するとともに、レンズCPU301に対してこの目標駆動量の情報(フォーカス駆動指令)を送信する。また、カメラCPU201は、自身が持つ撮像素子4の画素ピッチの情報をレンズCPU301に対して送信する。
【0026】
一方、撮像素子4の画素ピッチが上記所定値以下のカメラの場合は、カメラCPU201は、まず焦点検出回路206からの出力に基づいて、デフォーカス量を第1の合焦範囲内とするために必要なフォーカスレンズ8の目標駆動量を演算するとともに、レンズCPU301に対してこの目標駆動量の情報(フォーカス駆動指令)を送信する。さらにその後、焦点検出回路206からの出力に基づいて、デフォーカス量を第2の合焦範囲内とするために必要なフォーカスレンズ8の目標駆動量を演算するとともに、レンズCPU301に対してこの目標駆動量の情報(フォーカス駆動指令)を送信する。また、カメラCPU201は、自身が持つ撮像素子4の画素ピッチの情報をレンズCPU301に対して送信する。
【0027】
ここで、第1の合焦範囲は、上記所定値より大きな画素ピッチ(画素サイズ)に対応した許容錯乱円径に応じて設定されており、第2の合焦範囲は、上記所定値より小さな画素ピッチ(画素サイズ)に対応した許容錯乱円径に応じて設定されている。すなわち、第2の合焦範囲は、第1の合焦範囲に比べてより精度の高い合焦状態が得られる範囲である。
【0028】
また、レンズCPU301では、後述するフローチャートに従い、装着されたカメラが持つ撮像素子4の画素ピッチの情報に応じて異なるフォーカスレンズ駆動制御を行う。具体的には、カメラCPU201から受信した撮像素子4の画素ピッチの情報が上記所定値より大きいときは、第1の駆動制御モードによってステッピングモータ11に通常ステップ駆動(基本ステップ単位又は基本ステップの1/2単位での駆動)を行わせてステッピングモータ11を高速回転させ、フォーカスレンズ8をデフォーカス量が第1の合焦範囲内になるまで高速で駆動する。
【0029】
一方、カメラCPU201から受信した撮像素子4の画素ピッチの情報が上記所定値以下のときは、まず第1の駆動制御モードによってステッピングモータ11に通常ステップ駆動を行わせてステッピングモータ11を高速回転させ、フォーカスレンズ8をデフォーカス量が第1の合焦範囲内になるまで高速で駆動する。その後、第2の駆動制御モードによってステッピングモータ11にマイクロステップ駆動を行わせてステッピングモータ11を低速(微速)回転させ、フォーカスレンズ8をデフォーカス量が第2の合焦範囲内になるまで低速で駆動する。
【0030】
図3および図4には、本実施形態におけるAF動作を示すフローチャートを示している。なお、図3および図4中において、同じ丸囲みの数字が付されている部分は互いにつながっていることを示す。また、本実施形態では、説明を分かり易くするため、カメラCPU201の動作フローとレンズCPU301の動作フローとを一緒にして示しているが、これらは実際には別々のプログラムとして動作するものである。
【0031】
まず、カメラCPU201は、レリーズスイッチ204からSW1のON信号が入力されているか否かを判別し(ステップ〈図ではSと記す〉4001)、入力されていれば焦点検出回路206からの出力に基づいてデフォーカス量(Def)を演算し(ステップ4002)、演算したデフォーカス量が第1の合焦範囲内かどうかを判別する(ステップ4003)。デフォーカス量が第1の合焦範囲外であればステップ4005へ、第1の合焦範囲内ならばステップ4004へ進む。
【0032】
ステップ4005では、レンズCPU301により第1の駆動制御モードが初期設定される。このとき、カメラCPU201からはフォーカスレンズ8の目標駆動量(ステッピングモータ11の駆動ステップ数換算値)がレンズCPU301に送信される。レンズCPU301は、上記目標駆動量分、ステッピングモータ11の通常ステップ駆動制御を行い(ステップ4006)、ステップ4002へ戻る。この第1の駆動制御モードによるステッピングモータ11の通常ステップ駆動制御は、デフォーカス量が第1の合焦範囲内に入るまで繰り返し行われる。
【0033】
こうして、デフォーカス量が第1の合焦範囲内に入ると(ステップ4002、4003)、レンズCPU301はカメラが持つ撮像素子4の画素ピッチが所定値より大きいか否かを判別する(ステップ4004)。ここで、カメラCPU201から上記所定値より大きい画像ピッチの情報を受信したときは、ステップ5001へ進み、それ以外(上記所定値以下の画像ピッチの情報を受信したとき)は、画素ピッチが上記所定値より大きい撮像素子4に対応した合焦精度が得られたものとしてAF動作を終了する(ステップ4007)。
【0034】
ステップ5001では、カメラCPU201は焦点検出回路206の出力に基づいて再度、デフォーカス量を演算し、ステップ5002で、演算したデフォーカス量が第2の合焦範囲内かどうかを判別する。第2の合焦範囲外であればステップ5004へ、第2の合焦範囲内であれば、上記所定値より小さな画素ピッチを有する撮像素子4に対応した高精度の合焦が得られたものとしてステップ5003へ進み、AF動作を終了する。
【0035】
また、ステップ5004では、レンズCPU301は第2の駆動制御モードを設定する。このとき、カメラCPU201からはフォーカスレンズ8の目標駆動量(ステッピングモータ11の駆動ステップ数換算値)がレンズCPU301に送信される。レンズCPU301は、上記目標駆動量分、第2の駆動制御モードによるステッピングモータ11のマイクロステップ駆動制御を行う。この第2の制御モードによるステッピングモータ11のマイクロステップ駆動制御は、デフォーカス量が第2の合焦範囲内に入るまで繰り返し行われる。
【0036】
こうして、デフォーカス量が第2の合焦範囲内に入ると(ステップ5001、5002)、レンズCPU301はステップ5003へ進み、AF動作を終了する。
【0037】
(第2実施形態)
図5には、本発明の第2実施形態であるレンズ交換式デジタル一眼レフカメラシステムの電気的構成を示している。なお、本実施形態のカメラシステムの光学的構成は、基本的に図1に示したものと同じであるが、本実施形態では、第1実施形態にて説明した位相差検出方式での焦点検出に加え、撮影前において、ハーフミラー3を透過した光束を撮像素子4にて光電変換し、その出力信号の高周波成分を抽出して焦点検出を行う。すなわち、撮像素子4をコントラスト検出方式による焦点検出部として用いる。
【0038】
図5中、400はデジタルカメラ1側の電気回路、500は交換レンズ2側の電気回路を示している。
【0039】
カメラ側電気回路400において、401はマイクロコンピュータで構成されるカメラCPUであり、カメラ側電気回路400内の種々の回路の動作を制御するとともに、カメラ接点402およびレンズ接点402を介してレンズCPU501との通信を行う。カメラ接点402は、レンズ2側との通信を行う信号伝達接点とレンズ2側に電源を供給する電源用接点とから構成されている。
【0040】
403は外部より操作可能な電源スイッチであり、カメラCPU401を立ち上げてシステム内の各アクチュエータやセンサ等への電源供給およびシステムの動作を可能な状態とするためのスイッチである。
【0041】
404は外部より操作可能な2段ストローク式のレリーズスイッチである。レリーズスイッチ404からの信号はカメラCPU401に入力される。カメラCPU401は、レリーズスイッチ404を構成する第1ストロークスイッチ(SW1)からのON信号が入力されることにより、測光回路405および焦点検出部7のラインセンサ7cを含む第1の焦点検出回路406を動作させる。また、撮像素子4を入力部として含むコントラスト検出方式による焦点検出を行う第2の焦点検出回路407も動作させる。
【0042】
カメラCPU401は、測光回路405からの出力に基づいて撮像素子4の露光量(電荷蓄積時間)を決定する。また、第1の焦点検出回路406からの出力に基づいて撮影光学系のデフォーカス量を演算し、さらにこのデフォーカス量に基づいて被写体に対する合焦を得るために必要なフォーカスレンズ8(つまりはステッピングモータ11)の目標駆動量を算出する。
【0043】
また、カメラCPU401は、レリーズスイッチ404を構成する第2ストロークスイッチ(SW2)からのON信号が入力されることにより、露光回路408に露光開始命令を出力する。露光開始命令を受けた露光回路408は撮像素子4を駆動して、撮像素子4上に結像した被写体像を光電変換させる。撮像素子4から出力された画像信号は、画像処理回路410でデジタル化されて圧縮され、画像記録回路411にてフラッシュメモリ等の半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク等の記録媒体に記録される。
【0044】
次に、レンズ側電気回路500において、レンズCPU501は、レンズ側電気回路500内の種々の回路の動作を制御するとともに、レンズ接点502を介してカメラCPU401との通信を行う。
【0045】
レンズ接点502は、カメラ側との通信を行うための信号伝達接点と、カメラ側から電源供給を受ける電源用接点とから構成されている。503はレンズCPU501からの制御信号に応じてステッピングモータ11を駆動するフォーカス駆動回路である。508は絞り駆動回路であり、レンズCPU501からの制御信号に応じて、絞りユニットを駆動する。
【0046】
上記構成において、カメラCPU401では、後述するフローチャートに従い、自身が持つ撮像素子4の画素ピッチに応じて異なるAF処理を行う。撮像素子4の画素ピッチが所定値より大きいカメラでは、カメラCPU401は、第1の焦点検出回路406からの出力に基づいて、デフォーカス量を第1の合焦範囲内とするために必要なフォーカスレンズ8の目標駆動量を演算するとともに、レンズCPU501に対してこの目標駆動量の情報(フォーカス駆動指令)を送信する。また、カメラCPU401は、自身が持つ撮像素子4の画素ピッチの情報をレンズCPU501に対して送信する。
【0047】
一方、撮像素子4の画素ピッチが所定値以下のカメラでは、カメラCPU401は、第1の焦点検出回路406からの出力に基づいて、デフォーカス量を第1の合焦範囲内とするために必要なフォーカスレンズ8の目標駆動量を演算するとともに、レンズCPU501に対してこの目標移動量の情報(フォーカス駆動指令)を送信する。さらにその後、第2の焦点検出回路407によって撮像素子4の出力から高周波成分が抽出されると、カメラCPU401はその高周波成分が最大となるフォーカスレンズ8の位置(第2の合焦範囲内にあること)を検出するために、フォーカスレンズ8を光軸方向前方又は後方に所定量移動させるためのフォーカス駆動指令をレンズCPU501に送信する。また、カメラCPU401は、自身が持つ撮像素子4の画素ピッチの情報をレンズCPU501に対して送信する。
【0048】
ここで、第1の合焦範囲は、上記所定値より大きな画素ピッチ(画素サイズ)に対応した許容錯乱円径に応じて設定されており、第2の合焦範囲は、上記所定値より小さな画素ピッチ(画素サイズ)に対応した許容錯乱円径に応じて設定されている。すなわち、第2の合焦範囲は、第1の合焦範囲に比べてより精度の高い合焦状態が得られる範囲である。
【0049】
また、レンズCPU501では、後述するフローチャートに従い、装着されたカメラが有する撮像素子4の画素ピッチに応じて異なるフォーカスレンズ駆動制御を行う。具体的には、カメラCPU401から受信した画素ピッチの情報が上記所定値より大きいときは、第1の駆動制御モードによってステッピングモータ11に通常ステップ駆動(基本ステップ単位又は基本ステップの1/2単位での駆動)を行わせてステッピングモータ11を高速回転させ、フォーカスレンズ8をデフォーカス量が第1の合焦範囲内になるまで高速で駆動する。
【0050】
一方、カメラCPU401から受信した画素ピッチの情報が上記所定値以下のときは、まず第1の駆動制御モードによってステッピングモータ11に通常ステップ駆動を行わせてステッピングモータ11を高速回転させ、フォーカスレンズ8をデフォーカス量が第1の合焦範囲内になるまで高速で駆動する。その後、第2の駆動制御モードによってステッピングモータ11にマイクロステップ駆動を行わせてステッピングモータ11を低速(微速)回転させ、第2の焦点検出回路407によって抽出された撮像素子4の出力からの信号の高周波成分の最大値がピークとなるようにフォーカスレンズ8を低速で駆動する。
【0051】
図6および図7は、本実施形態におけるAF動作を示すフローチャートを示している。なお、図6および図7中において、同じ丸囲みの数字が付されている部分は互いにつながっていることを示す。また、本実施形態では、説明を分かり易くするため、カメラCPU401の動作フローとレンズCPU501の動作フローとを一緒にして示しているが、これらは実際には別々のプログラムとして動作するものである。
【0052】
まず、カメラCPU401は、レリーズスイッチ404からSW1のON信号が入力されているか否かを判別する(ステップ6001)。入力されていればステップ6002に進み、装着されているカメラの撮像素子4の画素ピッチが所定値より大きいか否かを判別する(ステップ6002)。画素ピッチが上記所定値より大きいときはステップ6004に進み、上記所定値以下のときはステップ7001に進む。
【0053】
ステップ6004では、レンズCPU501により第1の駆動制御モードが初期設定される。
【0054】
一方、ステップ6005では、カメラCPU401は、第1の焦点検出回路406からの出力に基づいてデフォーカス量(Def)を演算し、演算したデフォーカス量が第1の合焦範囲内かどうかを判別する(ステップ6006)。デフォーカス量が第1の合焦範囲外であればステップ6007へ、第1の合焦範囲内ならばステップ6008へ進んでAF動作を終了する。
【0055】
ステップ6007では、カメラCPU401からは、デフォーカス量に基づいて算出されたフォーカスレンズ8の目標駆動量(ステッピングモータ11の駆動ステップ数換算値)がレンズCPU501に送信される。レンズCPU501は、上記目標駆動量分、ステッピングモータ11の通常ステップ駆動制御を行い、ステップ6002へ戻る。この第1の駆動制御モードによるステッピングモータ11の通常ステップ駆動制御は、デフォーカス量が第1の合焦範囲内に入るまで繰り返し行われる。
【0056】
こうして、デフォーカス量が第1の合焦範囲内に入ると(ステップ6005、6006)、上記所定値より大きい画素ピッチを有する撮像素子4に対応した合焦精度が得られたものとしてステップ6008へ進んでAF動作を終了する。
【0057】
一方、ステップ7001に進んだ場合は、レンズCPU501は第1の駆動制御モードを設定する。そして、ステップ7002では、カメラCPU401は第1の焦点検出回路406からの出力に基づいてデフォーカス量(Def)を演算し、演算したデフォーカス量が第1の合焦範囲内かどうかを判別する(ステップ7003)。デフォーカス量が第1の合焦範囲外であればステップ7004へ、第1の合焦範囲内ならばステップ7005へ進む。
【0058】
ステップ7004では、カメラCPU401から、デフォーカス量に基づいて算出されたフォーカスレンズ8の目標駆動量がレンズCPU501に送信される。レンズ内CPU501は、第1の駆動制御モードによるステッピングモータ11の通常ステップ駆動制御を行ってステッピングモータ11を高速回転させ、フォーカスレンズ8を、算出された目標駆動量を越えない十分手前の位置まで高速駆動し、その後、減速して停止させる。
【0059】
ここで、ステッピングモータ11の高速(一定速)駆動中においては、カメラCPU401は、可能な限り繰り返し第1の焦点検出回路406からの出力に基づいてデフォーカス量(Def)を演算し、演算したデフォーカス量が第1の合焦範囲内かどうかを判別する(ステップ7002,7003)。こうしてデフォーカス量が第1の合焦範囲内に入ると、ステップ7005へ進む。
【0060】
ステップ7005では、レンズ内CPU501は第2の駆動制御モードを設定し、ステップ7006へ進む。ステップ7006では、カメラCPU401は初期設定を行い、ステップ7007へ進む。この初期設定は、後述するコントラスト方式の焦点検出によって抽出される被写体像の高周波成分の最大値を格納するβの値をゼロとするものである。
【0061】
次に、カメラCPU401は第2の焦点検出回路407により、コントラスト検出方式による焦点検出を開始する(ステップ7007)。カメラCPU401は、撮像素子4上に結像した被写体像の高周波成分を抽出してその最大値を求め(ステップ7008)、その値とβを比較して(ステップ7009)、βより小さい場合はステップ7012へ、それ以外の場合はステップ7010へ進む。
【0062】
ステップ7010では、カメラCPU401はβを新たに求めた最大値に更新する。そして、ステップ7011では、カメラCPU401は、レンズCPU501に対して、ステッピングモータ11を前述したステップ7004で駆動した方向と同じ方向に焦点深度幅に相当する量、駆動させるためのフォーカス駆動指令を送信する。レンズCPU501は、このフォーカス駆動指令に応じて、第2の駆動制御モードによってステッピングモータ11(フォーカスレンズ8)を、ステップ7004で駆動した方向と同じ方向に、焦点深度幅に相当する量、単位駆動(マイクロステップ駆動)し、ステップ7007へ戻る。
【0063】
一方、ステップ7009からステップ7012へ進んだ場合は、カメラCPU401はβの更新が1回以上あったか否かを判別し、更新がないときは異常とみなしてステップ7002へ戻る。βの更新が1回以上あった場合は、被写体像の高周波成分の最大値がピークを越したとして、ステップ7013へ進む。
【0064】
ステップ7013では、カメラCPU401は、レンズCPU501に対して、ステッピングモータ11を前回の駆動方向と反対方向に焦点深度幅に相当する量、駆動させるためのフォーカス駆動指令を送信する。レンズCPU501は、このフォーカス駆動指令に応じて、第2の駆動制御モードによってステッピングモータ11を前回の駆動方向とは逆方向に、焦点深度幅に相当する量、単位駆動(マイクロステップ駆動)し、ステップ7014へ進む。
【0065】
ステップ7014では、AF動作を終了する。これにより、上記所定値以下の画素ピッチを有する撮像素子4に対応した高精度の合焦が得られたことになる。
【0066】
なお、上記各実施形態においては、フォーカスレンズ8を駆動するアクチュエータ(フォーカス駆動手段)としてステッピングモータを用いた場合について説明したが、本発明においてはこれに限られず、直流モータや振動型モータを用いてもよい。
【0067】
但し、直流モータを用いる場合は、例えばモータの回転量を検出するパルス板に長短のスリットを交互に形成し、第1の駆動制御モードでは長いスリットのみをフォトインターラプタで検出して大きな駆動単位でモータを制御する一方、第2の駆動制御モードでは長短のスリットをフォトインターラプタで検出して小さな駆動単位でモータを制御するといった構成を用いるとよい。
【0068】
また、振動型モータを用いる場合には、電気−機械エネルギー変換素子に入力する複数相のパルス信号の周波数を、第1の駆動制御モードでは低くして大きな駆動単位で制御する一方、第2の駆動制御モードでは高くして小さな駆動単位で制御するといった構成を用いるとよい。
【0069】
また、上記各実施形態では、レンズ交換式デジタルカメラシステムについて説明したが、本発明はレンズ一体型のカメラにも適用することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、カメラ側の撮像素子の画素ピッチに応じた合焦精度を確保でき、かつ高速性に優れたオートフォーカス制御が可能なレンズ装置およびカメラシステムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるデジタルカメラシステムの光学的構成を示す断面図。
【図2】上記第1実施形態のデジタルカメラシステムの電気的構成を示すブロック図。
【図3】上記第1実施形態のデジタルカメラシステムのAF動作を示すフローチャート。
【図4】上記第1実施形態のデジタルカメラシステムのAF動作を示すフローチャート。
【図5】本発明の第2実施形態のデジタルカメラシステムの電気的構成を示すブロック図。
【図6】上記第2実施形態のデジタルカメラシステムのAF動作を示すフローチャート。
【図7】上記第2実施形態のデジタルカメラシステムのAF動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ
2 交換レンズ
3 ハーフミラー
4 撮像素子
5 ペンタプリズム
6 接眼レンズ
7 焦点検出部
8 フォーカスレンズ
9 フォーカス保持枠
10 保持鏡筒
11 ステッピングモータ
Claims (3)
- 互いに画素ピッチが異なる撮像素子を備えた複数のカメラに対して着脱が可能で、前記カメラとの通信が可能なレンズ装置であって、
フォーカスレンズを含む撮影光学系と、
前記フォーカスレンズを駆動するフォーカス駆動手段と、
このレンズ装置が装着されたカメラから、前記撮影光学系の合焦を得るためのフォーカス駆動指令を受信することに応じて前記フォーカス駆動手段を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記装着されたカメラに備えられた撮像素子の画素ピッチに関する情報を前記カメラから受信し、該画素ピッチが所定値より大きいときは前記フォーカス駆動手段を所定駆動単位で制御し、該画素ピッチが前記所定値より小さいときは前記フォーカス駆動手段を前記所定駆動単位で制御した後、この所定駆動単位よりも小さな駆動単位で制御することを特徴とするレンズ装置。 - 前記フォーカス駆動手段がステッピングモータであり、
前記制御手段は、前記画素ピッチが前記所定値より大きいときは前記ステッピングモータの通常ステップ駆動制御を行い、前記画素ピッチが前記所定値より小さいときは前記フォーカス駆動手段の通常ステップ駆動制御を行った後、マイクロステップ駆動制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。 - 請求項1又は2に記載のレンズ装置と、
撮像素子を備えるとともに、前記撮影光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出手段を備え、前記焦点検出手段の検出結果に基づいて前記レンズ装置にフォーカス駆動指令を送信するカメラとを有することを特徴とするカメラシステム。
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---|---|---|---|
JP2002274001A JP2004109689A (ja) | 2002-09-19 | 2002-09-19 | レンズ装置およびカメラシステム |
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JP2002274001A JP2004109689A (ja) | 2002-09-19 | 2002-09-19 | レンズ装置およびカメラシステム |
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JP2002274001A Pending JP2004109689A (ja) | 2002-09-19 | 2002-09-19 | レンズ装置およびカメラシステム |
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JP (1) | JP2004109689A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006113432A (ja) * | 2004-10-18 | 2006-04-27 | Canon Inc | 光学機器、レンズユニットおよびカメラ本体 |
JP2008176063A (ja) * | 2007-01-18 | 2008-07-31 | Sharp Corp | カメラモジュール |
JP2009175552A (ja) * | 2008-01-25 | 2009-08-06 | Canon Inc | 光学機器 |
-
2002
- 2002-09-19 JP JP2002274001A patent/JP2004109689A/ja active Pending
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