JP4745620B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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本発明はSOI(Silicon On Insulator)層が設けられた基板を使用した半導体装置及びその製造方法に関し、特に、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)等のように同一基板上にpチャネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)及びnチャネルMOSFETとが形成されている半導体装置及びその製造方法に関する。
従来、シリコン基板上にBOX(Buried Oxide:埋め込み酸化物)層を形成し、このBOX層上にSOI層を形成し、このSOI層にMOSFET等の素子を含む半導体集積回路を形成した半導体装置が開発されている。
このような半導体装置においては、pチャネルMOSFET及びnチャネルMOSFET等の各素子を相互に電気的に分離するため、SOI層にSTI(Shallow Trench Isolation:浅溝埋込分離)領域が形成されている。図13(a)乃至(c)及び図14(a)乃至(c)は従来の半導体装置の製造方法をその工程順に示す断面図である。先ず、図13(a)に示すように、シリコン基板102上にBOX層103が形成され、このBOX層103上にSOI層104が形成されたSOIウエハ101を用意する。そして、図13(b)に示すように、SOIウエハ101を熱酸化し、SOI層104の表面にシリコン酸化膜(SiO膜)105を形成する。その後、図13(c)に示すように、シリコン酸化膜105上にシリコン窒化膜(Si膜)106を成膜する。
次に、図14(a)に示すように、フォトリソグラフィによりシリコン窒化膜106上にフォトレジスト(図示せず)を形成する。このフォトレジストには、後の工程でSTI領域を形成する予定の領域に開口部が設けられている。そして、このフォトレジストをマスクにして、ドライエッチングによりシリコン窒化膜106をエッチングして選択的に除去した後、フォトレジストを剥離する。次に、シリコン窒化膜106をマスクにしてシリコン酸化膜105及びSOI層104をエッチングして選択的に除去し、溝107を形成する。このとき、溝107はBOX層103に到達するように形成する。
次に、図14(b)に示すように、SOIウエハ101に熱酸化処理を施し、溝107の内面におけるBOX層103が露出している領域に、シリコン酸化膜109を形成する。この処理を丸め酸化という。このとき、酸素が溝107の底部からBOX層103とSOI層104との界面に回り込み、溝107の近傍におけるBOX層103とSOI層104との間には、酸化物層113が形成される。
次に、図14(c)に示すように、HDP(High Density Plasma:高密度プラズマ)酸化膜等により、全面にシリコン酸化膜を成膜する。そして、CMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械研磨)により、溝107の内部以外の領域に形成されたシリコン酸化膜を除去し、溝107の内部にシリコン酸化膜からなるSTI領域112を形成する。そして、SOI層104におけるSTI領域112により区画された領域に、MOSFET等の素子を形成し、半導体装置にする。
図15はpチャネルMOSFETとnチャネルMOSFETとが隣接して形成された従来の半導体装置を示す断面図である。図15に示すように、pチャネルMOSFET120及びnチャネルMOSFET121は、STI領域112により区画されたSOI層104上に、ゲート絶縁膜116を介してゲート電極114が設けられ、更に、ゲート電極11の両側面にサイドウォール115が設けられている。このpチャネルMOSFET120及びnチャネルMOSFET121は、いずれも、STI領域112の近傍におけるBOX層103とSOI層104との間に酸化物層113が形成されているため、SOI層104に圧縮応力が発生する。
ところが、SOI層104に形成されるチャネル領域に圧縮応力がかかると、nチャネルMOSFETにおいてキャリア移動度が低下してトランジスタの特性が低下する。このため、STI領域を形成する際に、溝を2段階に分けて形成することにより、溝の近傍におけるBOX層とSOI層との間に酸化物層が形成されることを防止した半導体集積回路が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。図16は特許文献1に記載の半導体集積回路を示す断面図である。図16に示すように、特許文献1に記載の半導体集積回路は、BOX層103まで到達しないように溝107aを形成し、丸め酸化を行った後でBOX層103まで達成する溝107bを形成し、溝107a及び溝107bの内部にシリコン酸化膜からなるSTI領域112を形成している。
一方、チャネル領域にかかる応力の方向を適正化すると、トランジスタ特性を向上させることができる。図17(a)はnチャネルMOSFETの特性が向上する応力方向を模式的に示す平面図であり、図17(b)はpチャネルMOSFETの特性が向上する応力方向を模式的に示す平面図である。図17(a)に示すように、nチャネルMOSFETの場合は、隣り合う1対の拡散層130a及び拡散層130b間のチャネル領域上に形成されたゲート電極131が延びる方向と平行な方向及び垂直な方向に引張応力がかかると特性が向上する。また、図17(b)に示すように、pチャネルMOSFETの場合は、隣り合う1対の拡散層132a及び拡散層132b間のチャネル領域上に形成されたゲート電極133が延びる方向に平行な方向に引張応力がかかり、垂直な方向に圧縮応力がかかると特性が向上する(非特許文献1参照)。
そこで、チャネル領域にかかる圧縮応力及び引張応力を利用して、特性向上を図った半導体装置が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。特許文献2に記載の半導体装置の製造方法においては、チャネル領域に引張応力を生じさせるシリコン膜、金属膜又はこれらの積層膜でnチャネルMOSFETのゲート電極を形成し、チャネル領域に圧縮応力を生じさせるシリコン膜、金属膜又はこれらの積層膜でpチャネルMOSFETのゲート電極を形成している。また、図18(a)は特許文献3に記載のpチャネルMOSFETを示す断面図であり、図18(b)はnチャネルMOSFETを示す断面図である。図18(a)及び(b)に示すように、特許文献3においては、シリコン基板141上に形成されたpウエル141a及びnウエル141b上に、ソース・ドレイン領域となる拡散層142が形成されており、各素子間の拡散層142はSTI領域143により分離され、また各ウエル上の拡散層142間のチャネル領域上にはゲート電極144が形成されており、このゲート電極144の両側面にはサイドウォール145が形成されている。そして、pチャネルMOSFETは、チェネル方向のソース・ドレイン領域の長さを1μm以下にし、ゲート電極長を0.2μm以下にすることにより、チャネル方向に圧縮応力がかかるようにしている。また、nチャネルMOSFETは、ゲート電極長方向と平行なソース・ドレイン領域の面とSTI領域143との間に、シリコン窒化膜146を挿入することにより、チャネル方向に引張応力がかかるようにしている。
特開2003−332416号公報 特開2002−93921号公報 特開2003−179157号公報 C. H. Ge、外17名,「Process-Strained Si (PSS) CMOS Technology Featuring 3D strain Engineering」,IEDM論文集,2003年,p.3.7.1−3.7.4
しかしながら、前述の従来の技術には以下に示す問題点がある。特許文献1に記載の半導体回路は、酸化物層の発生を抑制して、トランジスタ特性の低下は防止することができるが、トランジスタ特性を積極的に向上させる効果はない。また、特許文献2及び3に記載の方法は、特定の素子及び方向にのみ応力をかけることが困難であるため、CMOSのように同一基板上にpチャネルMOSFET及びnチャネルMOSFETとが形成されている半導体装置に適用した場合、一方の特性が低下してしまうという問題点がある。このように、同一基板上にp型MOSトランジスタと他の素子が混在して形成されている場合、p型MOSトランジスタの特性を向上させるために応力をかけると、他の素子の特性が低下してしまうという問題点がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、SOI層に形成されている他の素子の特性に影響を与えずに、p型MOSトランジスタの特性を向上させることができる半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本願第1発明に係る半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成された半導体層と、前記半導体層に形成されたp型MOSトランジスタと、前記p型MOSトランジスタに隣接して前記半導体層に形成されたn型MOSトランジスタと、前記p型MOSトランジスタと前記n型MOSトランジスタとの間に形成され、前記p型MOSトランジスタと前記n型MOSトランジスタとを相互に電気的に分離する第1の素子分離膜と、を有する半導体装置において、前記第1の素子分離膜には、前記n型MOSトランジスタ寄りで前記p型MOSトランジスタから離れた位置に前記絶縁膜に到達しない深さの第1の溝が形成され、前記p型MOSトランジスタ寄りで前記n型MOSトランジスタから離れた位置に前記絶縁膜に到達する深さの第2の溝が形成され、前記第1の溝及び第2の溝に絶縁物が埋設され、前記第2の溝近傍の前記p型MOSトランジスタが形成された前記半導体層と前記絶縁膜との間の一部には前記p型MOSトランジスタの中心にむけて延る酸化物層が形成されていることを特徴とする。
本発明においては、p型MOSトランジスタのソースドレインが対向するチャネル方向に位置する部分に第2の溝を形成しているため、p型MOSトランジスタの側面から前記チャネル方向における前記p型MOSトランジスタの中心にむけてその途中まで酸化物層が形成される。これにより、トランジスタ特性が低下するゲート電極が延びる方向、即ち、チャネル方向に直交する方向には圧縮応力はかからず、特性が向上するゲート電極が延びる方向に直交する方向、即ち、チャネル方向にのみ圧縮応力をかけることができる。その結果、SOI層に形成されている他の素子に影響を与えずにp型MOSトランジスタの特性を向上させることができる。
前記第2の溝は、前記第1の溝と比べて、幅が狭く形成されていてもよい。また、記酸化物層は、例えば、前記第2の溝近傍の前記p型MOSトランジスタが形成された前記半導体層の側面から前記p型MOSトランジスタの中心にむけて延びるに従い厚さが薄くなり、先端が尖った形状でもよい。また、前記第1の溝及び前記第2の溝は、前記第1の素子分離膜における前記p型MOSトランジスタまたは前記n型MOSトランジスタのソースドレインが対向するチャネル方向と直交する方向に形成されていてもよい。さらに、前記p型MOSトランジスタまたは前記n型MOSトランジスタが形成された半導体層と、前記p型MOSトランジスタ及び前記n型MOSトランジスタの何れも形成されていない半導体層との間に、隣り合う素子同士を電気的に分離する第2の素子分離膜を有し、前記第2の素子分離膜には、前記絶縁膜に到達する深さの第3の溝が形成されていてもよい。
た、前記半導体基板及び前記半導体層は、例えば、シリコンにより形成されている。
本願第2発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に半導体層を形成する工程と、前記半導体層におけるp型MOSトランジスタが形成される部分とn型MOSトランジスタが形成される部分との間に前記p型MOSトランジスタと前記n型MOSトランジスタとを相互に電気的に分離する第1の素子分離膜を形成する工程と、を有し、前記第1の素子分離膜を形成する工程は、前記絶縁膜に到達しない深さの第1の溝を形成する工程と、前記第1の溝を形成した後、前記p型MOSトランジスタ寄りで前記n型MOSトランジスタから離れた位置に前記絶縁膜に到達する深さの第2の溝を形成する工程と、前記第2の溝近傍の前記p型MOSトランジスタが形成される前記半導体層と前記絶縁膜との間の一部に前記p型MOSトランジスタの中心にむけて延びる酸化物層を形成する工程と、前記酸化物層を形成した後、前記第1及び第2の溝に絶縁物を埋設する工程と、を有することを特徴とする。
本発明においては、p型MOSトランジスタのチャネル方向に位置する部分に第2の溝を形成しているため、ゲート電極が延びる方向に平行な素子分離領域の側面に沿って酸化物層が形成される。このため、p型MOSトランジスタの特性が向上するゲート電極が延びる方向に対して直交する方向、即ち、チャネル方向にのみ圧縮応力がかかる。その結果、他の素子の特性に影響を与えずに、効率的にp型MOSトランジスタの特性を向上させることができる。
前記第2の溝を形成する工程は、前記第1の溝と比べて前記第2の溝の幅を狭く形成してもよい。また、前記第1の溝を形成する工程で形成される前記第1の溝、及び前記第2の溝を形成する工程で形成される前記第2の溝は、前記p型MOSトランジスタまたは前記n型MOSトランジスタのソースドレインが対向するチャネル方向に直交する方向に形成してもよい。又は、前記p型MOSトランジスタまたは前記n型MOSトランジスタが形成される半導体層と、前記p型MOSトランジスタ及び前記n型MOSトランジスタの何れも形成されない半導体層との間に、隣り合う素子同士を電気的に分離する第2の素子分離膜を形成する工程を有し、前記第2の素子分離膜を形成する工程は、前記絶縁膜に到達する深さの第3の溝を形成する工程と、前記第3の溝に絶縁物を埋設する工程と、を有してもよい。
本発明によれば、p型MOSトランジスタのソースドレインが対向するチャネル方向に位置する素子分離領域を、半導体層の表面側に形成された第1の溝及びこの第1の溝と絶縁膜との間に形成された第2の溝に、絶縁物を埋設することにより形成し、この第2の溝を第1の溝の中心よりも前記p型MOSトランジスタ寄りの位置に形成することにより、半導体層と絶縁膜との間に第2の溝の側面からチャネル方向におけるp型MOSトランジスタの中心にむけてその途中まで延びる酸化物層を形成して、p型MOSトランジスタのチャネル方向にのみ圧縮応力をかけることができるため、隣接して形成された他素子の特性を低下させずにp型MOSトランジスタの特性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。先ず、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置について説明する。本実施形態の半導体装置は、pチャネルMOSFETとnチャネルMOSFETとが混在して形成されているCMOSデバイスを備えた半導体装置である。図1(a)は本実施形態の半導体装置を示す平面図であり、図1(b)はその断面図である。図1(a)及び(b)に示すように、本実施形態の半導体装置1においては、シリコン基板2上にBOX層3が形成されており、このBOX層3上にはpウエル4a及びnウエル4bとなるSOI層4が形成されている。また、pウエル4a及びnウエル4b上には、夫々ソース・ドレイン領域となるp型拡散層5及びn型拡散層6が形成されている。更に、p型拡散層5間及びn型拡散層6間に夫々形成されたチャネル領域上には、ゲート絶縁膜7を介してゲート電極8が形成され、ゲート電極8の両側面にはサイドウォール9が形成されている。そして、nウエル4b、p型拡散層5及びゲート電極8等により構成されるpチャネルMOSFET10と、pウエル4a、n型拡散層6及びゲート電極8等により構成されるnチャネルMOSFET11とは、STI領域19により区画されている。
本実施形態の半導体装置1においては、STI領域19を、BOX層3に到達しない溝12と、この溝12の底部に形成されBOX層3に到達している溝13とで構成している。具体的には、pチャネルMOSFET10とnチャネルMOSFET11の周囲に溝12が形成されており、溝12の底部におけるゲート電極8が延びる方向と平行で、且つpチャネルMOSFET10側の辺に沿って溝13が形成されている。即ち、本実施形態の半導体装置1におけるSTI領域19は、ゲート電極8が延びる方向と平行で、且つpチャネルMOSFET10寄りの部分のみBOX層3まで到達しており、それ以外の部分はBOX層3に到達していない。
また、本実施形態の半導体装置1においては、溝13近傍のBOX層3とSOI層4との間に、溝13の側面から離れるに従い厚さが薄くなり、先端が尖った形状である酸化物層(以下、バーズビークという)14が形成されている。このバーズビーク14は、丸め酸化の際に、溝13の底部を構成するBOX層3と、側面を構成するSOI層4との境界部から酸素が入り込み、BOX層3とSOI層4との界面においてSOI層4が酸化したものである。SOI層4が酸化すると、体積膨張が起こるため、素子に圧縮応力がかかる。通常、バーズビークは溝の両側に形成されるため、その両側の素子に圧縮応力がかかってしまうが、本実施形態の半導体装置1においては、溝12の底部におけるゲート電極8が延びる方向と平行で且つpチャネルMOSFET10側の辺に沿って溝13を形成しているため、pチャネルMOSFET10側のバーズビーク14は拡散層の下方に、nチャネルMOSFET11側のバーズビーク14は溝12の下方に、夫々形成される。このため、pチャネルMOSFET10のチャネル領域には、ゲート電極8が延びる方向に対して垂直な方向の圧縮応力がかかるが、nチャネルMOSFET11のチャネル領域に対して圧縮応力はほとんど影響を及ぼさない。
前述の図17(a)及び(b)に示すように、nチャネルMOSFETの場合は、ゲート電極が延びる方向と平行な方向及び垂直な方向に引張応力がかかると特性が向上し、pチャネルMOSFETの場合は、ゲート電極が延びる方向に平行な方向に引張応力がかかり、垂直な方向に圧縮応力がかかると特性が向上する。よって、本実施形態の半導体装置1においては、pチャネルMOSFET10にゲート電極8が延びる方向と垂直な方向に圧縮応力をかけると共に、nチャネルMOSFET11に圧縮応力がかかることを抑制しているため、nチャネルMOSFET11を低下させずに、pチャネルMOSFET10の特性を向上させることができる。
更に、本実施形態の半導体装置1においては、溝12がBOX層3に到達していないため、溝12の近傍にはバーズビーク14は形成されない。このため、トランジスタ特性を低下させるpチャネルMOSFET10におけるゲート電極8が延びる方向に対して平行方向の圧縮応力、nチャネルMOSFET11におけるゲート電極8が延びる方向に対して平行方向及び垂直方向の圧縮応力の発生を防止することができる。
次に、本実施形態の半導体装置1の製造方法について説明する。図2(a)乃至(c)及び図3(a)乃至(c)は本実施形態の半導体装置1の製造方法をその工程順に示す断面図である。先ず、図2(a)に示すように、シリコン基板2上にBOX層3及びSOI層4が形成されたSOIウエハを熱酸化処理し、SOI層4の表面にシリコン酸化膜(SiO膜)15を形成し、次いで、CVD法によりシリコン窒化膜(Si膜)16を成膜する。本実施形態の半導体装置1においては、SOI層4の膜厚は、例えば、400乃至10000Åであり、シリコン酸化膜15の厚さは、例えば、50乃至150Åであり、シリコン窒化膜16の厚さは1000乃至2000Åである。
次に、シリコン窒化膜16上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィにより、STI領域19を形成する領域が開口部となっているレジストパターンを形成する。そして、このフォトレジストをマスクとして、ドライエッチングにより、シリコン窒化膜16を選択的に除去した後、フォトレジストを剥離する。引き続き、図2(b)に示すように、シリコン窒化膜16をマスクにして、ドライエッチングにより、シリコン酸化膜15及びSOI層4を選択的に除去し、溝12を形成する。このとき、シリコン酸化膜15及びシリコン窒化膜16をドライエッチングする際は、エッチングガスとして、例えば、CFを使用し、ガス圧力は例えば0.7乃至6.7Paとする。また、SOI層4をドライエッチングする際は、エッチングガスとして、例えばClとOとの混合ガスを使用し、ガス圧は例えば1乃至10Paとする。なお、このドライエッチングは、SOI層4の途中で止め、溝12がBOX層3に到達しないようにする。
この溝12の深さは、例えば、SOI層4の厚さの(1/2)乃至(4/5)程度であることが好ましい。溝12をSOI層4の厚さの1/2よりも浅くすると、素子分離できないことがある。また、溝12をSOI層4の厚さの4/5より深く形成すると、溝12の側面にもバーズビークが形成されることがある。
次に、図2(c)に示すように、シリコン窒化膜16上にフォトレジスト18を形成する。そして、フォトリソグラフィにより、このフォトレジスト18に、溝12のゲート電極形成される方向と平行に延びる部分の底部におけるpチャネルMOSFET10側の辺に沿って、開口部18aを形成する。即ち、開口部18aは、BOX層3の表面に垂直な方向から見て、溝12の内部のpチャネルMOSFET10側に位置するように形成する。
次に、図3(a)に示すように、フォトレジスト18をマスクとして、溝12の底部に位置するSOI層4をエッチングして選択的に除去し、BOX層3まで到達する溝13を形成する。このドライエッチングは、エッチングガスとして例えば、HBrOを使用し、ガス圧は例えば、0.5乃至3.0Paとする。その後、フォトレジストを除去する。
次に、図3(b)に示すように、SOIウエハに熱酸化処理を施し、丸め酸化を行う。この酸化処理は、例えば、ガス組成がH−O、圧力が常圧、温度が900乃至1200℃の雰囲気中に10乃至1000秒間保持することにより行う。これにより、SOI層4における溝12及び溝13の底部及び側面に相当する領域を酸化し、この領域にシリコン酸化膜19aを形成すると共に、溝13の両側にバーズビーク14a及び14bを形成する。このバーズビーク14a及び14bの大きさ及び長さは、熱酸化処理の温度及び時間を変えることにより調節することができる。
次に、HDP酸化膜等により、SOIウエハ上の全面にシリコン酸化膜を成膜し、溝12及び溝13の内部にシリコン酸化膜を埋め込む。そして、図3(c)に示すように、CMPにより溝12及び溝13の内部以外に形成されたシリコン酸化膜を除去し、溝12及び溝13の内部にシリコン酸化膜からなるSTI領域19を形成する。
その後、SOI層4にpウエル4a及びnウエル4bを形成した後、pウエル4a及びnウエル4b上に夫々ゲート絶縁膜7を介してゲート電極8を形成し、更に、ゲート電極8の側面にサイドウォール9を形成する。そして、このゲート電極8及びサイドウォール9をマスクとして、ソース・ドレイン領域となるp型拡散層5及びn型拡散層6を夫々形成して、図1(a)及び(b)に示す半導体装置1にする。なお、図1(a)及び(b)では省略しているが、半導体装置1上には層間絶縁膜及び配線層等が形成される。
本実施形態の半導体装置1の製造方法においては、STI領域19の高さを変えることにより、圧縮応力を発生するバーズビークの形成を制御しているため、チャネル領域にかかる圧縮応力の方向及び有無を容易に調節することができる。このため、CMOSのように、pチャネルMOSFET10とnチャネルMOSFET11とが混在するような場合でも、pチャネルMOSFET10のチャネル領域のみに、ゲート電極8が延びる方向に対して垂直方向の圧縮応力をかけることができる。
また、本実施形態の半導体装置1の製造方法においては、STI領域19における溝を、溝12を形成及び溝13形成の2段階にしているため、ゲート間隔が短い場合でも、パターニングが容易であり、精度よく溝13を形成することができる。
図4(a)は本発明の第1の実施形態の変形例の半導体装置を示す平面図であり、図4(b)は図4(a)に示すB−B線による断面図である。前述の第1の実施形態に係る半導体装置1においては、STI領域の一部にのみBOX層に到達する第2の溝を形成しているため、隣り合う素子間でSOI層が連続している部分がある。このため、例えば、SOI層の厚さが薄い場合又はトランジスタに印加される電圧が大きい場合等のように、隣り合う素子同士を完全に分離する必要があるときは、図4(a)及び(b)に示すように、溝13aを形成し、丸め酸化を行った後で、溝12の底部におけるゲート電極8が延びる方向と平行な部分以外の部分に、選択的にBOX層4に到達する第3の溝13b形成し、第1乃至第3の溝の内部にシリコン酸化膜を埋め込んでSTI領域19aとすることもできる。
本変形例の半導体装置1aにおいては、pチャネルMOSFET10とnチャネルMOSFET11の周囲に溝12が形成されている。また、この溝12の底部におけるゲート電極8が延びる方向と平行で、且つpチャネルMOSFET10側の辺に沿って溝13aが形成され、それ以外の部分には第3の溝13bが形成されている。そして、この半導体装置1aにおいては、第3の溝13bを丸め酸化後に形成しているため、バーズビーク14は溝13aの両側にのみ形成されており、第3の溝13bの両側には形成されていない。これにより、nチャネルMOSFET11を低下させずに、pチャネルMOSFET10の特性を向上させることができると共に、隣り合う素子同士を完全に分離することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置について説明する。図5(a)は実施形態の半導体装置を示す平面図であり、図5(b)は図5(a)に示すC−C線による断面図である。図5(a)及び(b)に示すように、本実施形態の半導体装置21においては、pチャネルMOSFET10及びnチャネルMOSFET11の周囲に、溝22と、この溝22の底部に形成され溝22よりも幅が狭くBOX層3に到達する溝23が設けられている。即ち、この半導体装置21は、溝23により、隣り合う素子同士が完全分離されている。
この場合、溝23は、ゲート電極8が延びる方向と平行な部分については、溝22の底部に相当する領域のpチャネルMOSFET10側の辺に沿って形成され、それ以外の部分については、pチャネルMOSFET10及びnチャネルMOSFET11と反対側の領域に、即ち、pチャネルMOSFET10及びnチャネルMOSFET11から所定の距離だけ離れた位置に形成されている。このため、バーズビーク24は、pチャネルMOSFET10においては、溝23のゲート電極8が延びる方向と平行な側面に沿ってp型拡散層5の下方に形成されるが、これ以外は全て溝22の下方に形成される。その結果、pチャネルMOSFET10のチャネル領域に、ゲート電極8が延びる方向に対して垂直方向の圧縮応力をかけることができると共に、溝22の下方に形成されたバーズビーク24により発生する圧縮応力が、pチャネルMOSFET10及びnチャネルMOSFET11のチャネル領域に与える影響を抑制することができる。なお、本実施形態の半導体装置21における上記以外の構成及び効果は、前述の第1の実施形態の半導体装置1と同様である。
次に、本実施形態の半導体装置21の製造方法について説明する。図6(a)乃至(c)及び図7(a)乃至(c)は本実施形態の半導体装置1の製造方法をその工程順に示す断面図である。先ず、図6(a)に示すように、前述の第1の実施形態の半導体装置1の製造方法と同様の方法で、SOIウエハのSOI層4上にシリコン酸化膜15及びシリコン窒化膜16を形成する。次に、シリコン窒化膜16上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィにより、STI領域29を形成する領域が開口部となっているレジストパターンを形成する。そして、このフォトレジストをマスクとして、ドライエッチングにより、シリコン窒化膜16を選択的に除去した後、フォトレジストを剥離する。引き続き、図5(b)に示すように、シリコン窒化膜16をマスクにして、シリコン酸化膜15及びSOI層4を選択的に除去し、溝22を形成する。このとき、ドライエッチングをSOI層4の途中で止め、溝22がBOX層3に到達しないようにする。
次に、図6(c)に示すように、シリコン窒化膜16上にフォトレジスト28を形成する。そして、フォトリソグラフィにより、このフォトレジスト28に、ゲート電極8が延びる方向と平行な部分については、溝22の底部に相当する領域のpチャネルMOSFET10側の辺に沿って、それ以外の部分については、pチャネルMOSFET10及びnチャネルMOSFET11と溝23との距離が、バーズビーク24の長さよりも長くなるように、pチャネルMOSFET10及びnチャネルMOSFET11から所定の距離だけ離れた位置に開口部28aを形成する。
次に、図7(a)に示すように、フォトレジスト28をマスクとして、溝12の底部に位置するSOI層4をエッチングして選択的に除去し、BOX層3まで到達する溝23を形成する。次に、図7(b)に示すように、SOIウエハに熱酸化処理を施し、丸め酸化を行う。これにより、SOI層4における溝22及び溝23の底部及び側面に相当する領域を酸化し、この領域にシリコン酸化膜29aを形成すると共に、溝23の両側にバーズビーク24を形成する。
次に、HDP酸化膜等により、SOIウエハ上の全面にシリコン酸化膜を成膜して、溝22及び溝23の内部にもシリコン酸化膜を埋め込む。そして、図7(c)に示すように、CMPにより溝22及び溝23の内部以外に形成されたシリコン酸化膜を除去し、溝22及び溝23の内部にシリコン酸化膜からなるSTI領域29を形成する。
その後、通常のCMOSと同様の方法で、SOI層4にpウエル4a及びnウエル4bを形成した後、pウエル4a及びnウエル4b上に夫々ゲート絶縁膜7を介してゲート電極8を形成し、更に、ゲート電極8の側面にサイドウォール9を形成する。そして、このゲート電極8及びサイドウォール9をマスクとして、ソース・ドレイン領域となるp型拡散層5及びn型拡散層6を夫々形成して、図5(a)及び(b)に示す半導体装置21とする。なお、図5(a)及び(b)では省略しているが、半導体装置21上には層間絶縁膜及び配線層等が形成される。
本実施形態の半導体装置21の製造方法においては、溝23を形成する位置を変えることにより、圧縮応力を発生するバーズビーク位置を制御しているため、チャネル領域にかかる圧縮応力を容易に調節することができる。このため、CMOSのように、pチャネルMOSFET10とnチャネルMOSFET11が混在するような場合でも、pチャネルMOSFET10のチャネル領域のみに、ゲート電極8が延びる方向に対して垂直方向の圧縮応力をかけることができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置について説明する。図8は本実施形態の半導体装置を示す平面図であり、図9(a)は図8に示すD−D線による断面図であり、図9(b)は図8に示すE−E線による断面図である。前述の第1及び第2の実施形態の半導体装置においては、pチャネルMOSFETとnチャネルMOSFETとがゲート電極が延びる方向と垂直な方向に隣り合って形成されている場合について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図8に示すように、pチャネルMOSFET40とnチャネルMOSFET41とがゲート電極38が延びる方向と平行な方向に隣り合って形成されていてもよい。
本実施形態の半導体装置31は、ゲート電極38が延びる方向と垂直な方向に複数個のpチャネルMOSFET40が配列されたpチャネルMOSFET部と、ゲート電極38が延びる方向と垂直な方向に複数個のnチャネルMOSFET41が配列されたnチャネルMOSFET部とが、ゲート電極38が延びる方向と平行な方向に交互に配置されている。そして、ゲート電極38が延びる方向に隣り合うpチャネルMOSFET40及びnチャネルMOSFET41が、1つのゲート電極38に接続されている。
また、図9(a)及び(b)に示すように、半導体装置31においては、pチャネルMOSFET40及びnチャネルMOSFET41の周囲に、BOX層3まで到達しない溝42が形成されており、pチャネルMOSFET40の周囲に形成された溝42のうちゲート電極38が延びる方向と平行に延びている部分の底部に、ゲート電極38が延びる方向と平行に延びBOX層3に到達する溝43が形成されている。即ち、半導体装置31におけるSTI領域49は、pチャネルMOSFET40の周囲のゲート電極38が延びる方向と平行に延びる部分のみBOX層3に到達しており、それ以外の部分はBOX層3に到達していない。また、半導体装置31においては、溝43近傍のBOX層3とSOI層4との間に、溝43のゲート電極38が延びる方向と平行な側面に沿って、バーズビーク44が形成されている。
このように、本実施形態の半導体装置31においては、pチャネルMOSFET40のp型拡散層35の下方にのみ、ゲート電極38が延びる方向と平行にバーズビーク44が形成されており、nチャネルMOSFET41にはバーズビーク44は形成されていない。このため、pチャネルMOSFET40にのみゲート電極8が延びる方向と垂直な方向に圧縮応力がかかる。その結果、pチャネルMOSFET40とnチャネルMOSFET41とがゲート電極38が延びる方向と平行な方向に隣り合って形成されている半導体装置においても、nチャネルMOSFET41の特性を低下させずに、pチャネルMOSFET40の特性を向上させることができる。
次に、本実施形態の半導体装置31の製造方法について説明する。本実施形態の半導体装置31は、前述の第1及び第2の実施形態の半導体装置と同様の方法で、pチャネルMOSFET40及びnチャネルMOSFET41の周囲に、溝42を、BOX層3に到達しないように形成する。その後、pチャネルMOSFET40の周囲に形成された溝42のうち、ゲート電極38が延びる方向と平行に延びている部分の底部に、選択的にゲート電極38が延びる方向と平行に延びる溝43を、BOX層3に到達するように形成する。次に、SOIウエハに熱酸化処理を施し、丸め酸化を行う。これにより、SOI層4における溝42及び溝43の底部及び側面に相当する領域を酸化し、この領域にシリコン酸化膜を形成すると共に、溝43近傍のBOX層3とSOI層4との間に、溝13のゲート電極38が延びる方向と平行な側面に沿って、バーズビーク44を形成する。
次に、SOIウエハ上の全面にHDP酸化膜等を成膜して、溝42及び溝43の内部にシリコン酸化膜を埋め込む。そして、CMPにより溝42及び溝43の内部以外に形成されたシリコン酸化膜を除去し、溝42及び溝43の内部にシリコン酸化膜からなるSTI領域49を形成する。その後、通常のCMOSと同様の方法で、SOI層4にpウエル34a及びnウエル34bを形成した後、pウエル34a及びnウエル34b上に夫々ゲート絶縁膜37を介してゲート電極38を形成し、更に、ゲート電極38の側面にサイドウォール39を形成する。そして、このゲート電極38及びサイドウォール39をマスクとして、ソース・ドレイン領域となるp型拡散層35及びn型拡散層36を夫々形成して、図9(a)及び(b)に示す半導体装置31とする。なお、図9(a)及び(b)では省略しているが、半導体装置31上には層間絶縁膜及び配線層等が形成される。
また、本実施形態の半導体装置31においては、pチャネルMOSFET部にのみ、ゲート電極38が延びる方向と平行に延びる溝43を形成しているが、隣り合う素子同士を完全に分離する必要があるときは、第2の溝を形成し、丸め酸化を行った後で、pチャネルMOSFET40の周囲に形成された溝42のうちゲート電極38が延びる方向に対して垂直に延びる部分の底部、及びnチャネルMOSFETの周囲に形成された溝42の底部に、選択的にBOX層4に到達する第3の溝を形成し、第1乃至第3の溝の内部にシリコン酸化膜を埋め込んでSTI領域とすることもできる。これにより、nチャネルMOSFET41を低下させずに、pチャネルMOSFET40の特性を向上させることができると共に、隣り合う素子同士を完全に分離することができる。
以下、本発明の実施例の効果について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して説明する。本発明の実施例1として、図5(a)及び(b)に示す構造のpチャネルMOSFET及びnチャネルMOSFETを備えたCMOSデバイスを作製した。このとき、第1の溝の高さと第2の溝の高さの比(第1の溝/第2の溝)は、(5/5)乃至(7/3)とした。また、本発明の比較例1として、図16に示すバーズビークがない構造のpチャネルMOSFET及びnチャネルMOSFETを備えたCMOSデバイスを作製した。この比較例1のCMOSデバイスにおいては、実施例1のCMOSデバイスと同様に、第1の溝の高さと第2の溝の高さの比(第1の溝/第2の溝)を、(5/5)乃至(7/3)とした。更に、本発明の比較例2として、図18(a)及び(b)に示す構造のpチャネルMOSFET及びnチャネルMOSFETを備えたCMOSデバイスを作製した。
そして、実施例1、比較例1及び2のCMOSデバイスのトランジスタ特性を評価した。図10はトランジスタ特性の評価方法を示す模式図である。図10に示すように、本実施例においては、ゲート電極51の下方、即ち、拡散層52aと拡散層52bとの間に形成されたチャネル領域とSTI領域50との距離(以下、ソース・ドレイン長という)Lsdを変化させて、オン電流Ionを測定した。図11(a)は横軸にソース・ドレイン長(Lsd)をとり、縦軸にオン電流(Ion)をとって、実施例1及び比較例1のCMOSデバイスにおけるpチャネルMOSFETの特性を示すグラフ図であり、図11(b)はnチャネルMOSFETの特性を示すグラフ図である。また、図12(a)は横軸にソース・ドレイン長(Lsd)をとり、縦軸にIon比をとって、実施例1及び比較例2のCMOSデバイスにおけるpチャネルMOSFETの特性を示すグラフ図であり、図12(b)はnチャネルMOSFETの特性を示すグラフ図である。なお、図11(a)及び(b)並びに図12(a)及び(b)に示すオン電流Ion値は、ソース・ドレイン長Lsdが5.00μmのときのオン電流Ionを1として規格化した値である。
図11(a)及び図12(a)に示すように、実施例1のCMOSデバイスにおけるpチャネルMOSFETは、比較例1及び比較例2の従来のCMOSデバイスにおけるnチャネルMOSFETに比べて、大幅にオン電流Ionを向上させることができた。また、図11(b)及び図12(b)に示すように、実施例1のCMOSデバイスにおけるnチャネルMOSFETは、比較例1及び比較例2のCMOSデバイスにおけるnチャネルMOSFETと、同等のオン電流Ionが得られた。その結果、実施例1のCMOSデバイスは、nチャネルMOSFETの特性を低下させることなく、pチャネルMOSFETの特性を向上させることができた。
(a)は本発明の第1の実施形態の半導体装置を示す平面図であり、(b)は(a)に示すA−A線による断面図である。 (a)乃至(c)は本発明の第1の実施形態の半導体装置1の製造方法をその工程順に示す断面図である。 (a)乃至(c)は本発明の第1の実施形態の半導体装置1の製造方法をその工程順に示す断面図であり、図2(c)の次の工程を示す。 (a)は本発明の第1の実施形態の変形例の半導体装置を示す平面図であり、(b)は(a)に示すB−B線による断面図である。 (a)は本発明の第2の実施形態の半導体装置を示す平面図であり、(b)は(a)に示すC−C線による断面図である。 (a)乃至(c)は本発明の第2の実施形態の半導体装置21の製造方法をその工程順に示す断面図である。 (a)乃至(c)は本発明の第2の実施形態の半導体装置21の製造方法をその工程順に示す断面図であり、図6(c)の次の工程を示す。 本発明の第3の実施形態の半導体装置を示す平面図である。 (a)及び(b)は本発明の第3の実施形態の半導体装置を示す断面図であり、(a)は図8に示すD−D線による断面図であり、(b)は図8に示すE−E線による断面図である。 トランジスタ特性の評価方法を示す模式図である。 (a)は横軸にソース・ドレイン長(Lsd)をとり、縦軸にIon比をとって、実施例1及び比較例1のCMOSデバイスにおけるpチャネルMOSFETの特性を示すグラフ図であり、(b)はnチャネルMOSFETの特性を示すグラフ図である。 (a)は横軸にソース・ドレイン長(Lsd)をとり、縦軸にIon比をとって、実施例1及び比較例2のCMOSデバイスにおけるpチャネルMOSFETの特性を示すグラフ図であり、(b)はnチャネルMOSFETの特性を示すグラフ図である。 (a)乃至(c)は従来の半導体装置の製造方法をその工程順に示す断面図である。 (a)乃至(c)は従来の半導体装置の製造方法をその工程順に示す断面図であり、図13(c)の次の工程を示す。 pチャネルMOSFETとnチャネルMOSFETとが隣接して形成された従来の半導体装置を示す断面図である。 特許文献1に記載の半導体集積回路を示す断面図である。 (a)はnチャネルMOSFETの特性が向上する応力方向を模式的に示す平面図であり、(b)はpチャネルMOSFETの特性が向上する応力方向を模式的に示す平面図である。 (a)は特許文献3に記載のpチャネルMOSFETを示す断面図であり、(b)はnチャネルMOSFETを示す断面図である。
符号の説明
1、21、31;半導体装置
2、101;シリコン基板
3、103;BOX層
4、104;SOI層
4a、34a、141a;pウエル
4b、34b、141b;nウエル
5、35;p型拡散層
6、36;n型拡散層
7、37、116;ゲート絶縁膜
8、38、51、114、131、133、144;ゲート電極
9、39、115、145;サイドウォール
10、40;pチャネルMOSFET
11、41;nチャネルMOSFET
12、13、22、23、42、43、107、107a、107b;溝
14、24、44、113;バーズビーク(酸化物層)
15、19a、29a、105;シリコン酸化膜
16、106、146;シリコン窒化膜
18、28;フォトレジスト
18a、28a;開口部
19、29、49、50、112、143;STI領域
43b;第3の溝
52a、52b、130a、130b、132a、132b、142;拡散層

Claims (11)

  1. 半導体基板と、前記半導体基板上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成された半導体層と、前記半導体層に形成されたp型MOSトランジスタと、前記p型MOSトランジスタに隣接して前記半導体層に形成されたn型MOSトランジスタと、前記p型MOSトランジスタと前記n型MOSトランジスタとの間に形成され、前記p型MOSトランジスタと前記n型MOSトランジスタとを相互に電気的に分離する第1の素子分離膜と、を有する半導体装置において、前記第1の素子分離膜には、前記n型MOSトランジスタ寄りで前記p型MOSトランジスタから離れた位置に前記絶縁膜に到達しない深さの第1の溝が形成され、前記p型MOSトランジスタ寄りで前記n型MOSトランジスタから離れた位置に前記絶縁膜に到達する深さの第2の溝が形成され、前記第1の溝及び第2の溝に絶縁物が埋設され、前記第2の溝近傍の前記p型MOSトランジスタが形成された前記半導体層と前記絶縁膜との間の一部には前記p型MOSトランジスタの中心にむけて延る酸化物層が形成されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第2の溝は、前記第1の溝と比べて、幅が狭く形成されたことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 記酸化物層は、前記第2の溝近傍の前記p型MOSトランジスタが形成された前記半導体層の側面から前記p型MOSトランジスタの中心にむけて延びるに従い厚さが薄くなり、先端が尖った形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 前記第1の溝及び前記第2の溝は、前記第1の素子分離膜における前記p型MOSトランジスタまたは前記n型MOSトランジスタのソースドレインが対向するチャネル方向と直交する方向に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記p型MOSトランジスタまたは前記n型MOSトランジスタが形成された半導体層と、前記p型MOSトランジスタ及び前記n型MOSトランジスタの何れも形成されていない半導体層との間に、隣り合う素子同士を電気的に分離する第2の素子分離膜を有し、前記第2の素子分離膜には、前記絶縁膜に到達する深さの第3の溝が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の半導体装置。
  6. 前記半導体基板がシリコンにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 前記半導体層がシリコンにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の半導体装置。
  8. 半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に半導体層を形成する工程と、前記半導体層におけるp型MOSトランジスタが形成される部分とn型MOSトランジスタが形成される部分との間に前記p型MOSトランジスタと前記n型MOSトランジスタとを相互に電気的に分離する第1の素子分離膜を形成する工程と、を有し、前記第1の素子分離膜を形成する工程は、前記絶縁膜に到達しない深さの第1の溝を形成する工程と、前記第1の溝を形成した後、前記p型MOSトランジスタ寄りで前記n型MOSトランジスタから離れた位置に前記絶縁膜に到達する深さの第2の溝を形成する工程と、前記第2の溝近傍の前記p型MOSトランジスタが形成される前記半導体層と前記絶縁膜との間の一部に前記p型MOSトランジスタの中心にむけて延びる酸化物層を形成する工程と、前記酸化物層を形成した後、前記第1及び第2の溝に絶縁物を埋設する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 前記第2の溝を形成する工程は、前記第1の溝と比べて、前記第2の溝の幅を狭く形成することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記第1の溝を形成する工程で形成される前記第1の溝、及び前記第2の溝を形成する工程で形成される前記第2の溝は、前記p型MOSトランジスタまたは前記n型MOSトランジスタのソースドレインが対向するチャネル方向に直交する方向に形成されることを特徴とする請求項8または9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記p型MOSトランジスタまたは前記n型MOSトランジスタが形成される半導体層と、前記p型MOSトランジスタ及び前記n型MOSトランジスタの何れも形成されない半導体層との間に、隣り合う素子同士を電気的に分離する第2の素子分離膜を形成する工程を有し、前記第2の素子分離膜を形成する工程は、前記絶縁膜に到達する深さの第3の溝を形成する工程と、前記第3の溝に絶縁物を埋設する工程と、を有することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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