JP5285287B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
NMOSFET(NチャネルMOSFET)とPMOSFET(PチャネルMOSFET)とでは、オン電流の増大のためにチャネル領域に加えるべき応力の種類が異なる。すなわち、NMOSFETでは、チャネル領域に引張り応力を加え、チャネル領域における電子の移動度を向上させることにより、オン電流の増大を図ることができる。一方、PMOSFETでは、チャネル領域に圧縮応力を加え、チャネル領域における正孔の移動度を向上させることにより、オン電流の増大を図ることができる。
図5A〜5Fは、前記提案に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す模式的な断面図である。
PMOS形成領域103には、ゲート電極116、ソース領域113およびドレイン領域114を有するPMOSFETが形成されている。ゲート電極116と半導体層102との間には、ゲート絶縁膜115が介在されており、ゲート電極116およびゲート絶縁膜115の周囲には、サイドウォール117が形成されている。
まず、図5Bに示すように、CVD法(Cgemical Vapor Deposition:化学的気相成長)により、半導体層102上の全域に、引張り応力膜118が形成される。NMOS形成領域104では、引張り応力膜118は、半導体層102、ゲート電極110およびサイドウォール111を連続的に被覆する。また、PMOS形成領域103では、引張り応力膜118は、半導体層102、ゲート電極116およびサイドウォール117を連続的に被覆する。
その後、図5Eに示すように、PMOS形成領域103における圧縮応力膜122上に、レジスト膜123が選択的に形成される。このレジスト膜123をマスクとして圧縮応力膜122がドライエッチングされることにより、NMOS形成領域104上から圧縮応力膜122が除去される。
第2開口の周縁が、素子分離部上において、第1開口の周縁に対してPMOS形成領域側に間隔を空けた位置に配置される場合には、第1開口から露出する半導体層上に形成される引張り応力膜と第2開口から露出する半導体層上に形成される圧縮応力膜とは、素子分離部上において、それらの周縁が互いに離間して形成される。そのため、引張り応力膜における素子分離部上に形成される部分の面積(引張り応力膜の素子分離部との接触面積)および圧縮応力膜における素子分離部上に形成される部分の面積(圧縮応力膜の素子分離部との接触面積)が小さい。これにより、素子分離部に加えられる引張り応力および圧縮応力の大きさを低減することができる。その結果、素子分離部の周囲の半導体層に局所的な応力の集中が生じることを防止でき、その応力の集中に起因する結晶欠陥の発生を防止することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の構造を示す図解的な断面図である。
半導体装置1は、プレーナ型のPMOSFET2およびNMOSFET3を含むCMOS構造を有している。
半導体装置1において、図示しない半導体基板上には、P−型の半導体層4が積層されている。
チャネル領域9上には、SiO2からなるゲート絶縁膜12が形成されている。ゲート絶縁膜12上には、ポリシリコンからなるゲート電極13が形成されている。ゲート電極13の周囲には、サイドウォール14が形成されており、このサイドウォール14によって、ゲート絶縁膜12およびゲート電極13の側面が取り囲まれている。
チャネル領域16上には、SiO2からなるゲート絶縁膜19が形成されている。ゲート絶縁膜19上には、ポリシリコンからなるゲート電極20が形成されている。ゲート電極20の周囲には、サイドウォール21が形成されており、このサイドウォール21によって、ゲート絶縁膜19およびゲート電極20の側面が取り囲まれている。
以上のように、半導体層4には、NMOSFET3が形成されるNMOS形成領域7とPMOSFET2が形成されるPMOS形成領域6とを絶縁分離するための素子分離部5が形成されている。NMOS形成領域7上には、NMOSFET3のチャネル領域9に引張り応力を付与するための引張り応力膜23が形成されている。引張り応力膜23は、その周縁が素子分離部5上に配置されている。また、PMOS形成領域6上には、PMOSFET2のチャネル領域16に圧縮応力を付与するための圧縮応力膜22が形成されている。圧縮応力膜22は、その周縁が素子分離部5上において引張り応力膜23の周縁と間隔を空けて配置されている。
まず、反応性イオンエッチングにより、半導体層4の表層部に、素子分離部5に対応する溝が形成される。その後、HDP−CVD(High Density Plasma-Chemical Vapor Deposition:高密度プラズマ化学的気相成長)法により、半導体層4上に、SiO2膜(図示せず)が各溝を埋め尽くす厚さに堆積される。そして、SiO2膜における各溝外にはみ出た部分が選択的に除去され、各溝上にのみSiO2膜が残されることにより、図2Aに示すように、素子分離部5が形成される。SiO2膜の選択的な除去は、CMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)法により達成することができる。
その後、図2Dに示すように、窒化膜25が、ゲート電極13およびゲート電極20の上面が露出するまでエッチバックされることにより、ゲート絶縁膜12およびゲート電極13の周囲にサイドウォール14が形成されるとともに、ゲート絶縁膜19およびゲート電極20の周囲にサイドウォール21が形成される。
次いで、CVD法により、図2Fに示すように、第1マスク26上、半導体層4における第1開口28から露出する部分上、素子分離部5における第1開口28から露出する部分上およびゲート電極13上に、引張り応力膜23が形成される。その後、第1マスク26が、引張り応力膜23における第1マスク26上に形成された部分とともに除去される。
その後、アニール処理が行われる。これにより、図2Iに示すように、PMOS形成領域6における半導体層4の表層部に、ソース領域17およびドレイン領域18が形成される。また、NMOS形成領域7における半導体層4の表層部に、ソース領域10およびドレイン領域11が形成される。
以上のように、半導体層4に、NMOS形成領域7とPMOS形成領域6とを絶縁分離するための素子分離部5が形成される。そして、半導体層4上に、NMOS形成領域7を選択的に露出させる第1開口28を有する第1マスク26が形成され、この第1マスク26上および半導体層4における第1開口28から露出する部分上に、NMOS形成領域7に形成されるNMOSFET3のチャネル領域9に引張り応力を付与するための引張り応力膜23が形成される。その後、第1マスク26が、引張り応力膜23における第1マスク上に形成された部分とともに除去される。また、半導体層4上に、PMOS形成領域6を選択的に露出させる第2開口29を有する第2マスク27が形成され、この第2マスク27上および半導体層4における第2開口29から露出する部分上に、PMOS形成領域6に形成されるPMOSFET2のチャネル領域16に圧縮応力を付与するための圧縮応力膜22が形成される。その後、第2マスク27が、圧縮応力膜22における第2マスク27上に形成された部分とともに除去される。
図1に示す半導体装置1では、引張り応力膜23と圧縮応力膜22とは、素子分離部5上においてそれらの周縁が互いに離間して形成されている。これに対して、図3に示す構造では、後述する引張り応力膜52と圧縮応力膜51とは、素子分離部5上においてそれらの周縁部が重なった状態に形成される。
図4A〜4Iは、半導体装置50の製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。なお、図4A〜4Iにおいて、図2A〜2Iに示す各部に対応する部分には、それらの各部と同一の参照符号を付している。
その後、図4Eに示すように、半導体層4上に、NMOS形成領域7を選択的に露出させる第1開口28を有する第1マスク26が形成される。この第1マスク26の第1開口28を介して、半導体層4の表層部にN型の不純物が注入される。
その後、図4Gに示すように、引張り応力膜52上に、PMOS形成領域6を選択的に露出させる第2開口29を有する第2マスク27が形成される。第2開口29の周縁は、素子分離部5上において、引張り応力膜52の周縁の位置(図4Eに示す第1マスク26の第1開口28の周縁の位置)に対して、NMOS形成領域7側に間隔を空けた位置に配置される。これにより、素子分離部5上において、引張り応力膜52の周縁部が第2開口29を介して露出する。そして、この第2マスク27の第2開口29を介して、半導体層4の表層部にP型の不純物が注入される。
この後、半導体層4、圧縮応力膜51および引張り応力膜52上に、CVD法により、層間絶縁膜24が積層される。これにより、図3に示す半導体装置50が得られる。
たとえば、図2A〜2Iに示す工程では、引張り応力膜23が先に形成されていたが、圧縮応力膜22が先に形成されてもよい。すなわち、図2Eに示す工程において、第1マスク26に代えて、第2マスク28が形成され、図2Fに示す工程において、引張り応力膜23に代えて、圧縮応力膜22が形成されてもよい。この場合、図2Gに示す工程において、第2マスク28に代えて第1マスク26が形成され、図2Hに示す工程において、圧縮応力膜22に代えて、引張り応力膜23が形成される。これにより、図1に示す半導体装置1を製造することができる。
2 PMOSFET
3 NMOSFET
4 半導体層
5 素子分離部
6 PMOS形成領域
7 NMOS形成領域
9 チャネル領域
16 チャネル領域
22 圧縮応力膜
23 引張り応力膜
26 第1マスク
27 第2マスク
28 第1開口
29 第2開口
50 半導体装置
51 圧縮応力膜
52 引張り応力膜
Claims (2)
- 半導体層に、NMOSトランジスタが形成されるNMOS形成領域とPMOSトランジスタが形成されるPMOS形成領域とを絶縁分離するための素子分離部を形成する工程と、
前記半導体層上に、前記NMOS形成領域を選択的に露出させる第1開口を有する第1マスクを形成する工程と、
前記第1マスク上および前記半導体層における前記第1開口から露出する部分上に、前記NMOSトランジスタのチャネル領域に引張り応力を付与するための引張り応力膜を形成する工程と、
前記引張り応力膜の形成後、前記第1マスクを、前記引張り応力膜における前記第1マスク上に形成された部分とともに前記半導体層上から除去する工程と、
前記半導体層上に、前記PMOS形成領域を選択的に露出させる第2開口を有する第2マスクを形成する工程と、
前記第2マスク上および前記半導体層における前記第2開口から露出する部分上に、前記PMOSトランジスタのチャネル領域に圧縮応力を付与するための圧縮応力膜を形成する工程と、
前記圧縮応力膜の形成後、前記第2マスクを、前記圧縮応力膜における前記第2マスク上に形成された部分とともに前記半導体層上から除去する工程とを含み、
前記第2開口の周縁は、前記素子分離部上において、前記第1開口の周縁の位置に対して前記PMOS形成領域側に間隔を空けた位置に配置される、半導体装置の製造方法。 - 半導体層に、NMOSトランジスタが形成されるNMOS形成領域とPMOSトランジスタが形成されるPMOS形成領域とを絶縁分離するための素子分離部を形成する工程と、
前記半導体層上に、前記NMOS形成領域を選択的に露出させる第1開口を有する第1マスクを形成する工程と、
前記第1マスク上および前記半導体層における前記第1開口から露出する部分上に、前記NMOSトランジスタのチャネル領域に引張り応力を付与するための引張り応力膜を形成する工程と、
前記引張り応力膜の形成後、前記第1マスクを、前記引張り応力膜における前記第1マスク上に形成された部分とともに前記半導体層上から除去する工程と、
前記半導体層上に、前記PMOS形成領域を選択的に露出させる第2開口を有する第2マスクを形成する工程と、
前記第2マスク上および前記半導体層における前記第2開口から露出する部分上に、前記PMOSトランジスタのチャネル領域に圧縮応力を付与するための圧縮応力膜を形成する工程と、
前記圧縮応力膜の形成後、前記第2マスクを、前記圧縮応力膜における前記第2マスク上に形成された部分とともに前記半導体層上から除去する工程とを含み、
前記第2開口の周縁は、前記素子分離部上において、前記第1開口の周縁の位置に対して前記NMOS形成領域側に間隔を空けた位置に配置される、半導体装置の製造方法。
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