JP5712984B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は半導体装置に関し、特に電界効果トランジスタを有する半導体装置に関する。
半導体LSIデバイスの性能を向上させるため、従来はムーアのスケーリング則にのっとり、前世代に対してデザインを0.7倍することで回路処理スピード、消費電力等の向上を図ってきた。しかし、45nm世代以降のLSIデバイスはMOSFET(金属―絶縁膜―半導体電界効果トランジスタ)のショートチャネル効果による半導体装置の急激な劣化等の影響により単純に縮小化するだけでは、半導体装置の性能向上は達成できないようになってきている。そこで、半導体装置の性能向上を達成させる技術として、チャネル形成領域に対して応力を印加してチャネル形成領域を歪ませる事により、トランジスタの電流向上を達成する研究開発が活発化している。
図22(a)にゲート長方向が<110>方向、図22(b)にゲート長方向が<100>方向である半導体基板を適用した場合にNチャネルトランジスタ,Pチャネルトランジスタに対して半導体装置を構成するトランジスタの性能を向上させるための応力の印加方向を示す。チャネル形成領域に対して、図22に示す方向に応力を印加して性能を向上する技術の一つとして、コンタクトエッチングストッパー膜(以下CESLとも称する)として高い応力を印加させる膜を適用することにより、トランジスタの電流値を高めることができる構造が知られている(非特許文献1参照)。
また、図18に示すように、NチャネルトランジスタとPチャネルトランジスタでは、半導体装置の性能を向上させるためにチャネル形成領域に印加させる応力の向きが異なるため、Nチャネルトランジスタ領域とPチャネルトランジスタ領域でCESLの応力値を変えるデュアルストレスライナー(以下DSLとも称する)技術も知られている(非特許文献2参照)。このようにチャネル形成領域に印加させる応力の方向により、半導体装置の性能は左右される。
従来使用されてきたHDP(高密度プラズマ)法により形成された酸化シリコンからなるSTI(shallow Trench Isolation)型の素子分離絶縁膜においても、その応力の影響がデザインの縮小化に伴い問題が顕在化している。HDP法により形成された酸化シリコンからなるSTI型の素子分離絶縁膜を形成する際、活性領域も酸化されるためより大きな圧縮応力が発生して、HDP法により形成された酸化シリコンからなるSTI型の素子分離絶縁膜が形成されている部分によっては、半導体装置を構成するトランジスタの性能劣化を引き起こしている。
この成膜時の酸化による応力の発生を防止する方法として、予めSTI側壁部にSiN膜を形成して、半導体装置の性能が劣化する応力方向には酸化が防止され、圧縮応力が印加され難い構造が提案されている(特許文献1参照)。上記構造により成膜時の活性領域の酸化は防止できるが、HDP法により形成された酸化シリコンからなるSTI型の素子分離絶縁膜自体が大きな圧縮応力を有しているため、デザインの縮小化とともに半導体装置を構成するトランジスタの性能劣化を引き起こしている。
さらに、このような状況下で、DSL膜を形成しても、チャネル形成領域幅の縮小に伴って、半導体装置を構成するトランジスタの性能改善効果が得られないことも知られている(非特許文献3参照)。
特開2003−158241号公報
S. Ito et al., IEDM Tech. Dig., p.247, 2000 H.S. Yang et al., IEDM Tech. Dig., p.1075, 2004 F. Ootsuka et al., IEDM Tech. Dig., 2000
したがって、本発明の目的は、チャネル形成領域に対し、トランジスタの電流駆動能力を向上させる方向に応力をかけることにより、さらに電流駆動能力が向上し、性能が向上された半導体装置を提供することにある。
本発明における半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板に形成され、活性領域を区画する素子分離絶縁膜と、前記半導体基板における前記活性領域に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極の両側部における前記半導体基板中に形成されたソース・ドレイン領域と、前記ソース領域と前記ドレイン領域の間における前記活性領域に形成されたチャネル形成領域と、前記ゲート電極、前記活性領域及び前記素子分離絶縁膜を被覆して、前記チャネル形成領域に対し応力を印加する被覆応力膜とを有しているNチャネルトランジスタとPチャネルトランジスタとを有し、前記活性領域におけるゲート長方向が<100>方向であり、前記Nチャネルトランジスタにおける前記ソース・ドレイン領域の両端部に位置する前記素子分離絶縁膜は前記チャネル形成領域に対し引張応力を印加する第1の引張応力膜により形成されており、前記Nチャネルトランジスタにおける前記ソース・ドレイン領域の両端部以外に位置する前記素子分離絶縁膜は前記チャネル形成領域に対し圧縮応力を印加する第1の圧縮応力膜により形成されており、前記Pチャネルトランジスタの前記素子分離絶縁膜は前記第1の圧縮応力膜により形成されており、前記Nチャネルトランジスタにおける前記被覆応力膜は前記チャネル形成領域に対し引張応力を印加する第2の引張応力膜により形成されており、前記Pチャネルトランジスタにおける前記被覆応力膜は前記チャネル形成領域に対し圧縮応力を印加する第2の圧縮応力膜により形成されている。
また、本発明の半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板に形成され、活性領域を区画する素子分離絶縁膜と、前記半導体基板における前記活性領域に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極の両側部における前記半導体基板中に形成されたソース・ドレイン領域と、前記ソース領域と前記ドレイン領域の間における前記活性領域に形成されたチャネル形成領域と、前記ゲート電極、前記活性領域及び前記素子分離絶縁膜を被覆して、前記チャネル形成領域に対し応力を印加させる被覆応力膜とを有しているNチャネルトランジスタとPチャネルトランジスタとを有し、前記活性領域におけるゲート長方向が<110>方向であり、前記Nチャネルトランジスタの前記素子分離絶縁膜は前記チャネル形成領域に対し引張応力を印加する第1の引張応力膜により形成されており、前記Pチャネルトランジスタにおける前記ソース・ドレイン領域の両端部に位置する前記素子分離絶縁膜は前記チャネル形成領域に対し圧縮応力を印加する第1の圧縮応力膜により形成されており、前記Pチャネルトランジスタにおける前記ソース・ドレイン領域の両端部以外に位置する前記素子分離絶縁膜は前記第1の引張応力膜により形成されており、前記Nチャネルトランジスタにおける前記被覆応力膜は前記チャネル形成領域に対し引張応力を印加する第2の引張応力膜により形成されており、前記Pチャネルトランジスタにおける前記被覆応力膜は前記チャネル形成領域に対し圧縮応力を印加する第2の圧縮応力膜により形成されている。
上記構成の本発明の半導体装置において、半導体基板における素子分離絶縁膜の構成を選択的に変えることにより、チャネル形成領域に対し選択的に引張応力又は圧縮応力を印加させることができる。そのため、チャネル領域に対し、トランジスタの電流駆動能力を向上させる方向に応力を印加させることができる。これにより、さらに電流駆動能力を向上させることができる。
本発明によれば、チャネル形成領域に対しトランジスタの電流駆動能力を向上させる方向に応力をかけることにより、さらに電流駆動能力が向上し、性能が向上された半導体装置を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置として、ゲート長方向が<110>方向である半導体基板を適用した場合の半導体装置及び半導体装置の性能を向上させるための印加させる応力方向を示す平面図である。 図2(a)は、本発明の一実施形態に係る図1中のA−A’における断面図であり、図2(b)は、本発明の一実施形態に係る図1中のB−B’における断面図である。 図3(a)は、本発明の一実施形態に係る図1中のC−C’における断面図であり、図3(b)は、本発明の一実施形態に係る図1中のD−D’における断面図である。 図4(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。 図5(a)及び図5(b)は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。 図6(a)及び図6(b)は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。 図7(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。 図8(a)及び図8(b)は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。 図9(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。 図10は、本発明の一実施形態に係る半導体装置として、ゲート長方向が<110>方向である半導体基板を適用した場合の半導体装置及び半導体装置の性能を向上させるための印加させる応力方向を示す平面図である。 図11(a)は、本発明の一実施形態に係る図10中のE−E’における断面図であり、図11(b)は、本発明の一実施形態に係る図10中のF−F’における断面図である。 図12(a)は、本発明の一実施形態に係る図10中のG−G’における断面図であり、図12(b)は、本発明の一実施形態に係る図10中のH−H’における断面図である。 図13(a)及び図13(b)は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。 図14(a)は、本発明の一実施形態に係る図1中のA−A’における絶縁基板の上に半導体層が形成されている基板を用いた半導体装置の断面図であり、図14(b)は、本発明の一実施形態に係る図1中のB−B’における絶縁基板の上に半導体層が形成されている基板を用いた半導体装置を示す断面図である。 図15(a)は、本発明の一実施形態に係る図1中のC−C’における絶縁基板の上に半導体層が形成されている基板を用いた半導体装置の断面図であり、図15(b)は、本発明の一実施形態に係る図1中のD−D’における絶縁基板の上に半導体層が形成されている基板を用いた半導体装置を示す断面図である。 図16(a)は、本発明の一実施形態に係る図10中のE−E’における絶縁基板の上に半導体層が形成されている基板を用いた半導体装置の断面図であり、図16(b)は、本発明の一実施形態に係る図10中のF−F’における絶縁基板の上に半導体層が形成されている基板を用いた半導体装置を示す断面図である。 図17(a)は、本発明の一実施形態に係る図10中のG−G’における絶縁基板の上に半導体層が形成されている基板を用いた半導体装置の断面図であり、図17(b)は、本発明の一実施形態に係る図10中のH−H’における絶縁基板の上に半導体層が形成されている基板を用いた半導体装置を示す断面図である。 図18は、本発明の一実施形態に係る半導体装置として、ゲート長方向が<100>方向である半導体基板を適用した場合の半導体装置及び半導体装置の性能を向上させるための印加させる応力方向を示す平面図である。 図19は、本発明の一実施形態に係る半導体装置として、ゲート長方向が<100>方向である半導体基板を適用した場合の半導体装置及び半導体装置の性能を向上させるための印加させる応力方向を示す平面図である。 図20は、本発明の効果を説明するための半導体装置の平面図を示す。 図21は、ゲート長に対するgmの改善率を示すグラフである。 図22(a)及び図22(b)は、従来技術を説明するための平面図である。
以下に、本発明に係る半導体装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置として、ゲート長方向が<110>方向である半導体基板を適用した場合の半導体装置及び半導体装置の性能を向上させるための印加させる応力方向を示す平面図である。また、図2(a)は、本発明の第1の実施形態に係る図1中のA−A’における断面図であり、図2(b)は、本発明の第1の実施形態に係る図1中のB−B’における断面図である。図3(a)は、本発明の第1の実施形態に係る図1中のC−C’における断面図であり、図3(b)は、本発明の第1の実施形態に係る図1中のD−D’における断面図である。
図1に示すように、例えば、ゲート長方向が<110>方向である半導体基板のp型半導体領域1aにはNチャネルトランジスタ(以下NTrとも称する)が形成されており、n型半導体領域1bにはPチャネルトランジスタ(以下PTrとも称する)が形成されている。
まず、本実施形態における半導体装置の性能を向上させるために、チャネル形成領域に対し応力を印加させる方向について説明する。
図1に示すように、細い矢印は素子分離絶縁膜2及び素子分離絶縁膜6aにより印加される応力方向を示し、太い矢印は被覆応力膜14a及び被覆応力膜14bにより印加される応力方向を示す。
NTrにおいて、活性領域1cにおけるチャネル形成領域(不図示)の幅方向に対し素子分離絶縁膜2により引張応力を印加させ、ゲート長方向に対し素子分離絶縁膜2及び被覆応力膜14aにより引張応力を印加させる。
また、PTrにおいて、活性領域1dにおけるゲート電極の延伸方向に対し素子分離絶縁膜2により引張応力を印加させ、ゲート長方向に対し素子分離絶縁膜6a及び被覆応力膜14bにより圧縮応力を印加させる。以上の応力を印加させることにより、半導体装置の性能を向上させることができる。
次にNTrの構造について説明する。
図2に示すように、上記のp型半導体領域1aの活性領域(不図示)を区画するように、例えば、プラズマ酸化膜、LP−酸化膜、プラズマ窒化膜、LP−窒化膜、ポリシラザン、HSQ(Hydrogen Silsesquioxane)、カーボン含有酸化シリコン、SOG(塗布酸化膜)などの塗布膜からなり、チャネル形成領域に対し引張応力を印加させる素子分離絶縁膜2が形成されている。
さらにp型半導体領域1aの活性領域(不図示)上に例えば、酸化シリコンからなるゲート絶縁膜7aが形成され、その上層に例えば、ポリシリコンなどからなるゲート電極8aが形成され、その上層にシリサイド13aが形成されている。
またゲート電極8aの両側部には、サイドウォール絶縁膜10aが形成されている。
例えばサイドウォール絶縁膜10aは、TEOS(tetra−ethyl−ortho−silicate)を原料ガスとするCVD(chemical vapor deposition)法による酸化シリコン膜(TEOS膜)あるいはCVD法によるNSG(non−doped silicate glass)である酸化シリコン膜(NSG膜)で形成されている。
さらに、ゲート電極8aの両側部におけるp型半導体領域1a中に一対のソース・ドレイン領域11aが形成されている。
また、ソース・ドレイン領域11aのチャネル形成領域側におけるp型半導体領域1aの表層部にはエクステンション領域9aが形成されている。
上記のようにNTrが形成されている。
さらにNTrを被覆するように、例えば、プラズマCVD法あるいは熱CVD法で形成される窒化シリコン膜からなり、チャネル形成領域に対し引張応力を印加させる被覆応力膜14aが形成されている。
上記の素子分離絶縁膜2及び被覆応力膜14aが形成されているため、さらにトランジスタの電流駆動能力が向上し、半導体装置の性能が向上する。
次にPTrの構造について説明する。
図3に示すように、n型半導体領域1bの活性領域(不図示)を区画するように、例えば、プラズマ酸化膜、LP−酸化膜、プラズマ窒化膜、LP−窒化膜、ポリシラザン、HSQ、カーボン含有酸化シリコン、SOGなどの塗布膜からなり、チャネル形成領域に対し引張応力を印加させる素子分離絶縁膜2が形成されている。
さらに、n型半導体領域1bの後述のソース・ドレイン領域11bの両端部において活性領域(不図示)を区画するように例えば、HDPプラズマ酸化膜、熱酸化膜、フッ素あるいは窒素、あるいはカーボン含有プラズマ酸化膜からなり、チャネル形成領域に対し圧縮応力を印加させる素子分離絶縁膜6aが形成されている。
さらにn型半導体領域1bの活性領域(不図示)上に例えば、酸化シリコンからなるゲート絶縁膜7bが形成され、その上層に例えば、ポリシリコンなどからなるゲート電極8bが形成され、その上層にシリサイド13bが形成されている。
またゲート電極8bの両側部には、サイドウォール絶縁膜10bが形成されている。
サイドウォール絶縁膜10bは、前述したNTrのサイドウォール絶縁膜10aと同じ絶縁材料で形成されている。
さらに、ゲート電極8bの両側部におけるn型半導体領域1b中に一対のソース・ドレイン領域11bが形成されている。
また、ソース・ドレイン領域11bのチャネル形成領域側におけるn型半導体領域1bの表層部にはエクステンション領域9bが形成されている。
上記のようにPTrが形成されている。
さらにPTrを被覆して、例えば、プラズマCVD法あるいは熱CVD法で形成される窒化シリコン膜からなり、PTrに圧縮応力を印加させる被覆応力膜14bが形成されている。なお、NTrを被覆している引張応力を印加させる被覆応力膜14aも窒化シリコン膜からなるが、結合量や密度などにより、印加させる応力が変わる。
また、上記のチャネル形成領域に印加させる引張応力の絶対値が0.5GPa/cm以上、圧縮応力の絶対値が0.5GPa/cm以上であることが好ましい。
上記の素子分離絶縁膜6a及び被覆応力膜14bが形成されているため、さらにトランジスタの電流駆動能力が向上し、半導体装置の性能が向上する。
次に、上記の本実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。図1中のA−A’断面における断面図及びC−C’断面における断面図を用いて説明する。
図4から図9は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
まず、図4(a)に示すように、半導体基板のp型半導体領域1aとn型半導体領域1bにおいて、窒化シリコン膜3をマスクとして、例えば、RIE(反応性イオンエッチング)などのドライエッチングにより素子分離絶縁膜溝(不図示)を形成し、CVD(化学気相成長)法などにより素子分離絶縁膜溝にチャネル形成領域に引張応力を印加させる素子分離絶縁層を形成させる。そして、CMP(化学的機械的研磨)法などの研磨法により窒化シリコン膜3の表面まで素子分離絶縁層を除去することにより、例えば、プラズマ酸化膜、LP−酸化膜、プラズマ窒化膜、LP−窒化膜、ポリシラザン、HSQ、カーボン含有酸化シリコン、SOGなどの塗布膜からなる引張応力を印加させる素子分離絶縁膜2を形成する。
次に、図4(b)に示すように、窒化シリコン膜3、素子分離絶縁膜2の上層に例えば、スピンコータなどのレジスト塗布装置によりフォトレジスト膜4を形成し、フォトリソグラフィ法によりPTrのフォトレジスト膜4に素子分離絶縁膜2の表面を露出するパターン加工をする。
次に、図4(c)に示すように、例えば、PTrのパターン加工したフォトレジスト膜4をスピンデベロッパなどの現象装置により現像し、フォトレジストマスク4aを形成する。
次に、図5(a)に示すように、得られたフォトレジストマスク4aをマスクとして例えばウェットエッチングを施し、素子分離絶縁膜2を除去してPTr形成領域の素子分離絶縁膜溝5を形成する。
次に、図5(b)に示すように、例えば、プラズマアッシングなどによりフォトレジストマスク4aを除去する。
次に、図6(a)に示すように、例えば、CVD法などによりNTr形成領域の素子分離絶縁膜2、窒化シリコン膜3、PTr形成領域の窒化シリコン膜3及び素子分離絶縁膜溝5に、チャネル形成領域に対し圧縮応力を印加させる素子分離絶縁層6を形成する。
次に、図6(b)に示すように、例えば、CMP法などの研磨法により窒化シリコン膜3の表面まで素子分離絶縁層6を除去し、PTr形成領域に素子分離絶縁膜6aを形成する。
次に、図7(a)に示すように、NTr形成領域とPTr形成領域において、例えば、
ドライエッチング法などにより窒化シリコン膜3を除去し、活性領域1c及び活性領域1dの表面に熱酸化法などにより、酸化シリコンを成膜して、ゲート絶縁膜7a及びゲート絶縁膜7bを形成する。そして、ゲート絶縁膜7a及びゲート絶縁膜7bの上層に、例えば、CVD法などによりポリシリコンなどの導電層を形成させ、当該導電層の上層にフォトレジスト膜を形成する。そして、ゲート電極のパターンを形成したフォトレジスト膜をマスクとして、RIEなどのドライエッチングによりゲート電極8a及びゲート電極8bを形成する。
次に、図7(b)に示すように、NTr形成領域において、ゲート電極8aをマスクとしてn型の導電性不純物をp型半導体領域1aの活性領域1cにおける表層部分にイオン注入することにより、エクステンション領域9aを形成する。
次に、PTr形成領域において、ゲート電極8bをマスクとしてp型の導電性不純物をn型半導体領域1bの活性領域1dにおける表層部分にイオン注入することにより、エクステンション領域9bを形成する。
次に、図7(c)に示すように、例えば、NTr形成領域及びPTr形成領域において、TEOSを原料ガスとするCVD法により酸化シリコン膜(TEOS膜)10を形成する。
次に、図8(a)に示すように、例えば、NTr形成領域を開口するレジスト膜(不図示)をパターン形成し、NTrにおいて、TEOS膜10を全面にエッチバックして、TEOS膜であるサイドウォール絶縁膜10aを形成する。
次に、PTr形成領域を開口するレジスト膜をパターン形成し、PTr形成領域において、TEOS膜10を全面にエッチバックして、TEOS膜であるサイドウォール絶縁膜10bを形成する。
次に、図8(b)に示すように、例えば、NTr形成領域において、サイドウォール絶縁膜10a及びゲート電極8aをマスクとして、n型の導電性不純物をp型半導体領域1aの活性領域(不図示)における表層部分にイオン注入することで、ソース・ドレイン領域11aを形成する。
次に、例えば、PTr形成領域において、サイドウォール絶縁膜10b及びゲート電極8bをマスクとして、p型の導電性不純物をn型半導体領域1bの活性領域(不図示)における表層部分にイオン注入することで、ソース・ドレイン領域11bを形成する。
次に、図9(a)に示すように、例えば、NTr形成領域において、素子分離絶縁膜2、ゲート電極8a、サイドウォール絶縁膜10a及びソース・ドレイン領域11a上にスパッタリングなどの物理蒸着法により、Ti、Coなどからなるシリサイド膜12aを形成する。
次に、例えば、PTr形成領域において、素子分離絶縁膜2、素子分離絶縁膜6a、ゲート電極8b、サイドウォール絶縁膜10b及びソース・ドレイン領域11b上にスパッタリングなどの物理蒸着法により、Ti、Coなどからなるシリサイド膜12bを形成する。
次に、図9(b)に示すように、例えば、NTr形成領域において、アニールなどの熱処理によりシリサイド膜12aとゲート電極8a及びシリサイド膜12aとソース・ドレイン領域11aをシリサイド化反応させ、ゲート電極8a及びソース・ドレイン領域11aにシリサイド13aを形成する。
次に、例えば、PTr形成領域において、アニールなどの熱処理によりシリサイド膜12bとゲート電極8b及びシリサイド膜12bとソース・ドレイン領域11bをシリサイド化反応させ、ゲート電極8b及びソース・ドレイン領域11bにシリサイド13bを形成する。
次に、図9(c)に示すように、例えば、未反応のシリサイド膜12a及びシリサイド膜12bをウェット溶液により除去する。
次に、例えば、NTr形成領域において、CVD法などにより窒化シリコンなどからなる引張応力を印加させる被覆応力膜14aを形成する。
以上の工程により、図2に示すNTrが形成される。
次に、例えば、PTr形成領域において、CVD法などにより窒化シリコンなどからなる圧縮応力を印加させる被覆応力膜14bを形成する。
以上の工程により、図3に示すPTrが形成されている。
なお、本実施形態において、引張応力を印加させる素子分離絶縁膜として、プラズマ酸化膜、LP−酸化膜、プラズマ窒化膜、LP−窒化膜、ポリシラザン、HSQ、カーボン含有酸化シリコン、SOGを用い、圧縮応力を印加させる素子分離絶縁膜として、HDPプラズマ酸化膜、熱酸化膜、フッ素あるいは窒素、あるいはカーボン含有プラズマ酸化膜を用いたが、プラズマ酸化膜又はカーボン含有プラズマ酸化膜は、成膜条件等によって引張応力膜にも圧縮応力にもなりうる。
また、本実施形態において、引張応力を印加させる素子分離絶縁膜として、プラズマ酸化膜、LP−酸化膜、プラズマ窒化膜、LP−窒化膜、ポリシラザン、HSQ、カーボン含有酸化シリコン、SOGを用い、圧縮応力を印加させる素子分離絶縁膜として、HDPプラズマ酸化膜、熱酸化膜、フッ素あるいは窒素、あるいはカーボン含有プラズマ酸化膜を用いたが、これには限定されず、引張応力を印加させる材料、圧縮応力を印加させる材料を用いてもよい。
また、本実施形態において、NTr形成領域における被覆応力膜14aとして引張応力を印加させる材料を用い、PTr形成領域における被覆応力膜14bとして引張応力を印加させる材料を用いたが、NTr形成領域における被覆応力膜14a及びPTr形成領域における被覆応力膜14bともに引張応力を印加させる材料を用いてもよい。
上記の本実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、NTrとPTrのそれぞれにおいて、チャネル形成領域に対し電流駆動能力を向上させる方向に応力を印加させる素子分離絶縁膜を形成させることができる。
<第2の実施形態>
図10は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置として、ゲート長方向が<110>方向である半導体基板を適用した場合の半導体装置及び半導体装置の性能を向上させるための印加させる応力方向を示す平面図である。また、図11(a)は、本発明の第2の実施形態に係る図10中のE−E’における断面図であり、図11(b)は、本発明の第1の実施形態に係る図10中のF−F’における断面図である。図12(a)は、本発明の第2の実施形態に係る図10中のG−G’における断面図であり、図12(b)は、本発明の第2の実施形態に係る図10中のH−H’における断面図である。
第2の実施形態に係る半導体装置は、PTrにおける素子分離絶縁膜2a以外は第1の実施形態に係る半導体装置と同じである。そのため、重複する箇所については、記載を省略する。
図10に示すように、例えば、ゲート長方向が<110>方向である半導体基板のp型半導体領域1aにはNチャネルトランジスタ(以下NTrとも称する)が形成されており、n型半導体領域1bにはPチャネルトランジスタ(以下PTrとも称する)が形成されている。
まず、本実施形態における半導体装置の性能を向上させるために、チャネル形成領域に対し応力を印加させる方向について説明する。
図10に示すように、細い矢印は素子分離絶縁膜2により印加される応力方向を示し、太い矢印は被覆応力膜14a及び被覆応力膜14bにより印加される応力方向を示す。
NTrにおいて、活性領域1cにおけるゲート電極の延伸方向に対し素子分離絶縁膜2により引張応力を印加させ、ゲート長方向に対し素子分離絶縁膜2及び被覆応力膜14aにより引張応力を印加させる。
また、PTrにおいて、活性領域1dにおけるゲート電極の延伸方向に対し素子分離絶縁膜2により引張応力を印加させ、ゲート長方向に対し被覆応力膜14aにより圧縮応力を印加させる。以上の応力を印加させることにより、半導体装置の性能を向上させることができる。
次にPTrの構造について説明する。
PTrにおいて、図12に示すように、n型半導体領域1bの活性領域(不図示)を区画するように例えば、プラズマ酸化膜、LP−酸化膜、プラズマ窒化膜、LP−窒化膜、ポリシラザン、HSQ、カーボン含有酸化シリコン、SOGなどの塗布膜からなり、チャネル形成領域に対し引張応力を印加させる素子分離絶縁膜2が形成されている。
さらに、n型半導体領域1bのソース・ドレイン領域11bの両端部において活性領域(不図示)を区画するように、素子分離絶縁膜2と同じ材料からなる素子分離絶縁膜2aが、当該膜の表面が活性領域(不図示)の表面より低い位置となるように形成されている。
上記の素子分離絶縁膜2aにより、従来であれば、活性領域におけるゲート長方向に対し引張応力を印加させ、トランジスタの電流駆動能力を劣化させるが、素子分離絶縁膜2aの表面が活性領域の表面より低い位置に形成されているため、ゲート長方向に対し引張応力は印加されない。さらに、素子分離絶縁膜2aの表面が低い位置に形成さているため、被覆応力膜14bがチャネル形成領域の側面まで被覆するため、ゲート長方向に対し被覆応力膜14bにより印加される圧縮応力がより大きくなるため、さらにトランジスタの電流駆動能力が向上し、半導体装置の性能が向上する。
次に、上記の本実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。図10中のE−E’断面における断面図及びG−G’断面における断面図を用いて説明する。本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、PTrにおける素子分離絶縁膜2aの形成方法を除いて、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法と同じである。そのため、重複する箇所については、記載を省略する。
図13は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の製造工程を示す断面図である。
第1の実施形態の半導体製造方法における図4(c)に示すように、PTr形成領域においてフォトレジストマスク4aを形成した後、図13(a)に示すように、得られたフォトレジストマスク4aをマスクとしてドライエッチングを施し、素子分離絶縁膜2aの表面が活性領域(不図示)の表面より低くなるように素子分離絶縁膜2aを形成する。
次に、図13(b)に示すように、例えば、プラズマアッシングなどによりフォトレジストマスク4aを除去する。
上記の本実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、PTrにおいて、電流駆動能力を劣化させる方向に応力を印加させないように素子分離絶縁膜を形成させることができる。また、被覆応力膜がチャネル形成領域の側面まで被覆させるように形成させることができる。
<第3の実施形態>
図14(a)は、本発明の第3の実施形態に係り、図1中のA−A’に相当する部分の断面図であり、図14(b)は、本発明の第3の実施形態に係り、図1中のB−B’に相当する部分の断面図である。図15(a)は、本発明の第3の実施形態に係り、図1中のC−C’に相当する部分の断面図であり、図15(b)は、本発明の第3の実施形態に係り、図1中のD−D’に相当する部分の断面図である。
本実施形態に係る半導体装置は、半導体基板以外は第1の実施形態に係る半導体装置と同じである。そのため、半導体装置を示す平面図は第1の実施形態における半導体装置を示す平面図である図1と同じである。また、本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法と同じである。そのため、重複する箇所については、記載を省略する。
本実施形態において、ゲート長方向が<110>方向である半導体基板として、絶縁基板の上に半導体層が形成されている基板を用いている。
上記基板のp型半導体領域1aにはNTrが形成されており、n型半導体領域1bにはPTrが形成されている。
まず、NTrについて説明する。
図14に示すように、上記のp型半導体領域1aの下層に絶縁基板15が形成されている。
さらに、上記のp型半導体領域1aの活性領域(不図示)を区画するように、絶縁基板15の上に例えば、第1の実施形態における素子分離絶縁膜2と同じ材料からなり、チャネル形成領域に対し引張応力を印加させる素子分離絶縁膜2が形成されている。
第1の実施形態と同様に、上記の素子分離絶縁膜2及び被覆応力膜14aが形成されているため、さらにトランジスタの電流駆動能力が向上し、半導体装置の性能が向上する。
次にPTrについて説明する。
図15に示すように、上記のn型半導体領域1bの下層に絶縁基板15が形成されている。
さらに、n型半導体領域1bの活性領域(不図示)を区画するように、絶縁基板15の上に例えば、第1の実施形態における素子分離絶縁膜2と同じ材料からなり、チャネル形成領域に対し引張応力を印加させる素子分離絶縁膜2が形成されている。
さらに、n型半導体領域1bのソース・ドレイン領域11bの両端部において活性領域(不図示)を区画するように、絶縁基板15の上に例えば、第1の実施形態における素子分離絶縁膜6aと同じ材料からなり、チャネル形成領域に対し圧縮応力を印加させる素子分離絶縁膜6aが形成されている。
本実施形態において、第1の実施形態と同様に、上記の素子分離絶縁膜6a及び被覆応力膜14bが形成されているため、さらにトランジスタの電流駆動能力が向上し、半導体装置の性能が向上する。
<第4の実施形態>
図16(a)は、本発明の第4の実施形態に係り、図10中のE−E’に相当する部分の断面図であり、図16(b)は、本発明の第4の実施形態に係り、図1中のF−F’に相当する部分の断面図である。図17(a)は、本発明の第4の実施形態に係り、図1中のG−G’に相当する部分の断面図であり、図17(b)は、本発明の第4の実施形態に係り、図1中のH−H’に相当する部分の断面図である。
本実施形態に係る半導体装置は、半導体基板以外は第2の実施形態に係る半導体装置と同じである。そのため、半導体装置を示す平面図は第2の実施形態における図10と同じである。また、本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法と同じである。そのため、重複する箇所については、記載を省略する。
例えば、ゲート長方向が<110>方向である半導体基板として、絶縁基板の上に半導体層が形成されている基板を用いている。
上記の基板のp型半導体領域1aにはNTrが形成されており、n型半導体領域1bにはPTrが形成されている。
PTrにおいて、図17に示すように、上記のn型半導体領域1bの下層に絶縁基板15が形成されている。
さらに、n型半導体領域1bの活性領域(不図示)を区画するように例えば、第2の実施形態における素子分離絶縁膜2と同じ材料からなり、チャネル形成領域に対し引張応力を印加させる素子分離絶縁膜2が形成されている。
さらに、上記のn型半導体領域1bのソース・ドレイン領域11bの両端部において活性領域(不図示)を区画するように素子分離絶縁膜溝5が形成されている。
さらに、PTrを被覆して、例えば、窒化シリコンからなり、PTrに圧縮応力を印加させる被覆応力膜14bが形成されている。
本実施形態によれば、ソース・ドレイン領域11bの両端部において素子分離絶縁膜が形成されていないため、チャネル形成領域に対し引張応力は印加されない。さらに、被覆応力膜14bがチャネル形成領域の側面まで被覆するため、被覆応力膜14bにより印加される圧縮応力がより大きくなり、さらにトランジスタの電流駆動能力が向上し、半導体装置の性能が向上する。さらに、本実施形態によれば、ゲート長方向に応力を印加させる素子分離絶縁膜が存在しないため、素子分離絶縁膜の高さを調節しないでよく、半導体装置の性能のばらつきを防止できる。
<第5の実施形態>
図18は、本発明の第5の実施形態に係る半導体装置としてゲート長方向が<100>方向である半導体基板を適用した場合の半導体装置を示す平面図である。
本実施形態に係る半導体装置は、素子分離絶縁膜及び被覆応力膜の材質以外は第1の実施形態に係る半導体装置と同じである。そのため、重複する箇所については、記載を省略する。
まず、本実施形態における半導体装置の性能を向上させるために、チャネル形成領域に対し応力を印加させる方向について説明する。
図18に示すように、細い矢印は素子分離絶縁膜2及び素子分離絶縁膜6aにより印加される応力方向を示し、太い矢印は被覆応力膜14a及び被覆応力膜14bにより印加される応力方向を示す。
NTrにおいて、活性領域1cにおけるゲート電極の延伸方向に対し素子分離絶縁膜2により圧縮応力を印加させ、ゲート長方向に対し素子分離絶縁膜6a及び被覆応力膜14aにより引張応力を印加させる。
また、PTrにおいて、活性領域1dにおけるゲート電極の延伸方向に対し素子分離絶縁膜2により圧縮応力を印加させ、ゲート長方向に対し素子分離絶縁膜2及び被覆応力膜14bにより圧縮応力を印加させる。以上の応力を印加させることにより、半導体装置の性能を向上させることができる。
次にNTrについて説明する。
本実施形態におけるNTrの構造は、素子分離絶縁膜2、素子分離絶縁膜6a及び被覆応力膜14a以外は第1の実施形態と同じである。
本実施形態における素子分離絶縁膜2は、チャネル形成領域に対し圧縮応力を印加させる、例えば、第1の実施形態における素子分離絶縁膜6aと同じ材料により形成されている。また、素子分離絶縁膜6aは、チャネル形成領域に対し引張応力を印加させる、例えば、第1の実施形態における素子分離絶縁膜2と同じ材料により形成されている。また、被覆応力膜14aは、チャネル形成領域に対し引張応力を印加させる、例えば、第1の実施形態における被覆応力膜14aと同じ材料により形成されている。
上記のようにNTrが形成されている。
次にPTrについて説明する。
本実施形態におけるPTrの構造は、素子分離絶縁膜2及び被覆応力膜14b以外は第1の実施形態と同じである。
本実施形態における素子分離絶縁膜2は、チャネル形成領域に対し圧縮応力を印加させる例えば、第1の実施形態における素子分離絶縁膜6aにより形成されている。また、被覆応力膜14bは、チャネル形成領域に対し圧縮応力を印加させる、例えば、第1の実施形態における被覆応力膜14bにより形成されている。
上記のようにPTrが形成されている。
なお、本実施形態において、第1の実施形態と同じ半導体基板を用いたが、これには限定されず、例えば、第3の実施形態と同じp型半導体領域1a及びn型半導体領域1bの下層に絶縁基板15が形成されている基板を用いてもよい。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、素子分離絶縁膜及び被覆応力膜が形成されているため、さらにトランジスタの電流駆動能力が向上し、半導体装置の性能が向上する。
<第6の実施形態>
図19は、本発明の第6の実施形態に係る半導体装置としてゲート長方向が<100>方向である半導体基板を適用した場合の半導体装置を示す平面図である。
本実施形態に係る半導体装置は、素子分離絶縁膜2、被覆応力膜14a及び被覆応力膜14bの材質以外は第2の実施形態に係る半導体装置と同じである。そのため、重複する箇所については、記載を省略する。
まず、本実施形態における半導体装置の性能を向上させるために、チャネル形成領域に対し応力を印加させる方向について説明する。
図19に示すように、細い矢印は素子分離絶縁膜2により印加される応力方向を示し、太い矢印は被覆応力膜14a及び被覆応力膜14bにより印加される応力方向を示す。
NTrにおいて、活性領域1cにおけるゲート電極の延伸方向に対し素子分離絶縁膜2により圧縮応力を印加させ、ゲート長方向に対し被覆応力膜14aにより引張応力を印加させる。
また、PTrにおいて、活性領域1dにおけるゲート電極の延伸方向に対し素子分離絶縁膜2により圧縮応力を印加させ、ゲート長方向に対し素子分離絶縁膜2及び被覆応力膜14bにより圧縮応力を印加させる。以上の応力を印加させることにより、半導体装置の性能を向上させることができる。
次にNTrについて説明する。
本実施形態におけるNTrの構造は、素子分離絶縁膜2及び被覆応力膜14a以外は第2の実施形態と同じである。
本実施形態における素子分離絶縁膜2は、チャネル形成領域に対し圧縮応力を印加させる、例えば、第1の実施形態における素子分離絶縁膜6aにより形成されている。
また、素子分離絶縁膜2aは、p型半導体領域1aのソース・ドレイン領域11aの両端部において活性領域(不図示)を区画するように、チャネル形成領域に対し圧縮応力を印加させる、例えば、第1の実施形態における素子分離絶縁膜6aにより形成されており、第2の実施形態のPTrにおける素子分離絶縁膜2aと同様に素子分離絶縁膜2aの表面が活性領域(不図示)の表面より低い位置となるように形成されている。また、被覆応力膜14aは、チャネル形成領域に対し引張応力を印加させる、例えば、第1の実施形態における被覆応力膜14aにより形成されている。
上記のようにNTrが形成されている。
次にPTrについて説明する。
本実施形態におけるPTrの構造は、素子分離絶縁膜2及び被覆応力膜14b以外は第2の実施形態と同じである。
本実施形態における素子分離絶縁膜2は、チャネル形成領域に対し圧縮応力を印加させる、例えば、第1の実施形態における素子分離絶縁膜6aにより形成されている。また、被覆応力膜14bは、チャネル形成領域に対し圧縮応力を印加させる、例えば、第1の実施形態における被覆応力膜14bにより形成されている。
上記のようにPTrが形成されている。
なお、本実施形態において、第2の実施形態と同じ半導体基板を用いたが、これには限定されず、例えば、第4の実施形態と同じp型半導体領域1a及びn型半導体領域1bの下層に絶縁基板15が形成されている基板を用いてもよい。その場合、NTrにおけるp型半導体領域1aのソース・ドレイン領域11aの両端部において上記の素子分離絶縁膜2aではなく、活性領域(不図示)を区画するように素子分離絶縁膜溝5が形成されている。
本実施形態によれば、第2の実施形態と同様に、素子分離絶縁膜及び被覆応力膜が形成されているため、さらにトランジスタの電流駆動能力が向上し、半導体装置の性能が向上する。
以下に、本発明における素子分離絶縁膜と被覆応力膜とからなるトランジスタの効果を説明する。
図20は、本発明の効果を説明するために実験で使用した半導体装置の平面図を示す。
図20中の矢印の向きは、実験3の場合の半導体装置に印加される応力方向であり、細い矢印は、素子分離絶縁膜2により印加される応力方向を示し、太い矢印は被覆応力膜により印加される応力方向を示す。
本実験で使用した半導体装置は図20中の活性領域1dにおけるゲート電極の延伸方向の長さBに比べゲート長方向の長さAが長いため、素子分離絶縁膜により印加されるゲート長方向への応力は無視することができる。
以下に、本実験で使用した半導体装置について説明する。
実験1において、以下に示す条件の半導体装置を使用した。
(1)ゲート長方向が<110>方向である半導体基板。
(2)Pチャネルトランジスタ。
(3)素子分離絶縁膜として、引張応力を印加させる膜。
(4)被覆応力膜として、応力を印加させない膜。
実験2において、以下に示す条件の半導体装置を使用した。
(1)ゲート長方向が<110>方向である半導体基板。
(2)Pチャネルトランジスタ。
(3)素子分離絶縁膜として、圧縮応力を印加させる膜。
(4)被覆応力膜として、圧縮応力を印加させる膜。
実験3において、以下に示す条件の半導体装置を使用した。
(1)ゲート長方向が<110>方向である半導体基板。
(2)Pチャネルトランジスタ。
(3)素子分離絶縁膜として、引張応力を印加させる膜。
(4)被覆応力膜として、圧縮応力を印加させる膜。
本実験で使用した半導体装置は以下のものから構成される。
(1)素子分離絶縁膜
引張応力膜:SOG膜
圧縮応力膜:HDPプラズマ酸化膜
(2)ゲート電極:ポリシリコン
(3)被覆応力膜:窒化シリコン膜
(4)ゲート幅 :0.5μm
以上に示す半導体装置を使用して、相互コンダクタンス(以下gmとも称する)の改善率を測定した。
図21は、ゲート長に対するgmの改善率を示すグラフである。gmは移動度を示す指標であり、gmの改善率が高くなると半導体装置の性能が向上したことを示す。
図21中における△は実験1の測定結果を、●は実験2の結果を、□は実験1と実験2の和を、◆は実験3の結果をそれぞれ示す。
ここで実験1はチャネル形成領域に応力を印加させる膜が素子分離絶縁膜のみの測定結果であり、実験2はチャネル形成領域に応力を印加させる膜が被覆応力膜のみの測定結果であり、実験3はチャネル形成領域に応力を印加させる膜が素子分離絶縁膜及び被覆応力膜の測定結果である。
図21から、ゲート長が短くなると、すなわち半導体装置が縮小すると実験2におけるgmの改善率は低下するが、実験1におけるgmの改善率は高いことが分かる。したがって、半導体装置が縮小化されてもチャネル形成領域に対し素子分離絶縁膜を用いて、トランジスタの電流駆動能力を向上させる方向に応力を印加させることにより半導体装置の性能を向上させることができる。
また実験3におけるgmの改善率と、実験1のgmの改善率と実験2のgmの改善率の和とを比較すると、実験3におけるgmの改善率のほうが高いことが分かる。したがって、チャネル形成領域に対し、トランジスタの電流駆動能力を向上させる方向に素子分離絶縁膜及び被覆応力膜の両方により応力を印加させると、素子分離絶縁膜と被覆応力膜の相乗効果により印加される応力がより高くなるため、さらに半導体装置の性能が向上する。
したがって本発明の係る半導体装置によれば、半導体装置が縮小化されても素子分離絶縁膜を用いて応力を印加させることにより、半導体装置の性能を向上させることができる。また素子分離絶縁膜と被覆応力膜を用いることで、素子分離絶縁膜と被覆応力膜の相互作用によりさらに半導体装置の性能を向上させることができる。
なお、上記の実施形態におけるp型半導体領域1a、n型半導体領域1bは、本発明の半導体基板に相当する。
なお、本発明の実施に際しては、上記した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形形態を採用することができる。
本発明の第1の実施形態において、チャネル形成領域に印加させる好ましい引張応力の絶対値は0.5GPa/cm以上、圧縮応力の絶対値は0.5GPa/cm以上であるが、この値は第2の実施形態から第6の実施形態においても適用される。
1a:p型半導体領域(半導体基板) 1b:n型半導体領域(半導体基板) 1c,1d:活性領域 2,2a:素子分離絶縁膜 3:窒化シリコン膜 4:フォトレジスト膜 4a:フォトレジストマスク 5:素子分離絶縁膜溝 6:素子分離絶縁層 6a:素子分離絶縁膜 7a,7b:ゲート絶縁膜 8a,8b:ゲート電極 9a,9b:エクステンション領域 10:TEOS膜 10a,10b:サイドウォール絶縁膜 11a,11b:ソース・ドレイン領域 12:シリサイド膜 13a,13b:シリサイド 14a,14b:被覆応力膜 15:絶縁基板

Claims (3)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板に形成され、活性領域を区画する素子分離絶縁膜と、
    前記半導体基板における前記活性領域に形成されたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
    前記ゲート電極の両側部における前記半導体基板中に形成されたソース・ドレイン領域と、
    前記ソース領域と前記ドレイン領域の間における前記活性領域に形成されたチャネル形成領域と、
    前記ゲート電極、前記活性領域及び前記素子分離絶縁膜を被覆して、前記チャネル形成領域に対し応力を印加する被覆応力膜と
    を有しているNチャネルトランジスタとPチャネルトランジスタとを有し、
    前記活性領域におけるゲート長方向が<100>方向であり、
    前記Nチャネルトランジスタにおける前記ソース・ドレイン領域の両端部に位置する前記素子分離絶縁膜は前記チャネル形成領域に対し、<100>方向に引張応力を印加する第1の引張応力膜により形成されており、
    前記Nチャネルトランジスタにおける前記ソース・ドレイン領域の両端部以外に位置する前記素子分離絶縁膜は前記チャネル形成領域に対し、<100>方向と直交する方向に圧縮応力を印加する第1の圧縮応力膜により形成されており、
    前記Pチャネルトランジスタの前記素子分離絶縁膜は前記チャネル形成領域に対し、<100>方向及び<100>方向と直交する方向に圧縮応力を印加する前記第1の圧縮応力膜により形成されており、
    前記Nチャネルトランジスタにおける前記被覆応力膜は前記チャネル形成領域に対し、<100>方向に引張応力を印加する第2の引張応力膜により形成されており、
    前記Pチャネルトランジスタにおける前記被覆応力膜は前記チャネル形成領域に対し、<100>方向に圧縮応力を印加する第2の圧縮応力膜により形成されている
    半導体装置。
  2. 前記半導体基板が、絶縁基板の上に半導体層が形成されている基板である
    請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第2の引張応力膜による引張応力の絶対値が0.5GPa/cm以上であり、前記第2の圧縮応力膜による圧縮応力の絶対値が0.5GPa/cm以上である
    請求項1または2に記載の半導体装置。
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