JP4745468B2 - 不安の治療に対するニトロフラボノイドの使用 - Google Patents

不安の治療に対するニトロフラボノイドの使用 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、ベンゾジアゼピンなどの公知の鎮静剤で一般に認められるような不安減少に伴う中枢神経系の抑制を生じることのない抗不安特性(すなわち不安減少:anxiety reducing)を有することが明らかになっているフラボノイドに関する。
発明の背景
係属中の国際特許出願公開第95/05169号(ストラスクライド ユニバーシティ:Strathclyde University)は、フラボノイドおよびこれを患者の不安の治療方法に用いることに関するものである。国際特許出願公開第95/05169号のフラボノイドは、ベンゾジアゼピンでは一般的に認められる不安減少に伴う中枢神経系の抑制(例えば鎮静作用および筋弛緩作用)を生じることなく達成される抗不安特性を有するものであると述べられている。国際特許出願公開第95/05169号の化合物は、以下の一般式で表される。
Figure 0004745468
(式中、R1、R2、R3およびR4、R5およびR8は、H、OH、R、NO2、ハロ、OR、NH2、NHR、NR2、COOR、COOH、CNまたは糖類から独立に選択され、R6およびR7は共にHであるか、またはR6およびR7が組み合わせで一重結合を形成し、Rは炭素数1〜6のアルキルまたはアルケニル、またはこれらのダイマーである。)
国際特許出願公開第95/05169号の好ましい化合物は、特にR5が上記の一般式における2’位がハロで置換されたハロ誘導体であると記載されている。
国際特許出願公開第95/05169号の一般式に包含される特定の化合物では、フラボン核および/またはフェニル環に少なくとも1つのNO2置換基が含まれている場合に、ベンゾジアゼピンでは一般的な不安減少に伴う中枢神経系の抑制(例えば鎮静作用および筋弛緩作用)を生じることなく、予想外に良好な抗不安活性を呈することが明らかになっている。このため、鎮静や筋弛緩といった副作用を誘発することなく患者の不安を治療することができる。
また、本発明による化合物は、ベンゾジアゼピンでは一般的に認められる抗痙攣作用が少ないか全くなく、記憶に悪影響を及ぼすこともないのは明らかである。
発明の開示
本発明によれば、一般式(I)
Figure 0004745468
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、NO2およびHから独立に選択され、R6およびR7は、Br、Cl、FおよびHから独立に選択されるか、またはR6およびR7が組み合わせで一重結合を形成し、R8、R10およびR11は、H、-OH、-R、-NO2、Br、Cl、F、-OR、-NH2、-NHR、-NR2、-COOR、-COOH、-CNまたは糖類から独立に選択され、R9は、H、NO2、Br、ClまたはFから選択され、Rは炭素数1〜6のアルキルまたはアルケニルであり、但し、R9がHかつR5がHである場合を除いてR1、R2、R3、R4およびR5のうち少なくとも1つがNO2である)で表されるフラボノイドを無毒有効量で患者に投与するか、または一般式(I)の化合物のダイマーであって、R1乃至R11およびRが一般式(I)で定義したものと同様であるバイフラボノイドを無毒有効量で患者に投与する、患者の不安治療方法が得られる。
糖類は、単糖類、二糖類および多糖類を含む周知の糖類のいずれかであり、特に、グリコシル、ガラクトピラノシルまたはマンノピラノシルである。
式Iの好ましい化合物としては、R1、R2およびR5がNO2およびHから独立に選択され、R8、R10およびR11が全て水素であり、R9がH、NO2、Br、ClまたはFから選択され、但し、R9がHかつR5がHである場合を除いてR1、R2およびR5のうち少なくとも1つがNO2である化合物が挙げられる。
式(I)の化合物としてさらに好ましいものとしては、R1、R2およびR5がHおよびNO2から独立に選択され、R6およびR7が組み合わせで一重結合を形成し、R8、R10およびR11が全て水素であり、R9がH、NO2、Br、ClまたはFから選択され、但し、R9がHかつR5がHである場合を除いてR1、R2およびR5のうち少なくとも1つがNO2である化合物が挙げられる。
式(I)の化合物として最も好ましいものとしては、R1、R2およびR5がNO2およびHから独立に選択され、R3、R4、R8、R10およびR11が全て水素であり、R6およびR7が組み合わせで一重結合を形成し、R9がBr、Cl、FまたはNO2から選択され、但し、R1、R2およびR5のうち少なくとも1つがNO2である化合物が挙げられる。
患者の不安を治療するのに用いられる、式(I)の好ましい化合物の例としては、以下のものが挙げられる。
6,3’-ジニトロフラボン
Figure 0004745468
6,ブロモ,2’ニトロフラボン
Figure 0004745468
6,ブロモ,3’ニトロフラボン
Figure 0004745468
6,ブロモ,4’ニトロフラボン
Figure 0004745468
3’ニトロフラボン
Figure 0004745468
4’ニトロフラボン
Figure 0004745468
6,クロロ,3’ニトロフラボン
Figure 0004745468
6,フルオロ,3’ニトロフラボン
Figure 0004745468
特に好ましいのは、上記の化合物(II)、(IV)および(VIII)である。
R6およびR7が組み合わせで一重結合を形成する化合物はフラボン誘導体であり、一方、R6およびR7がいずれもHである化合物はフラボノン誘導体である。
バイフラボノイドは、各々が上記の一般式(I)で表される2つの部分が共有結合したダイマーである。2つの部分間の結合は一般に、一方の部分の3’位および他方の部分の8位に発生する。好ましいバイフラボノイドは、一般式(X)
Figure 0004745468
で表され、式中、R1乃至R11およびRは一般式(I)において定義した通りである。
一般式(I)のダイマー部分の各々におけるR1およびR2のうち少なくとも1つがNO2であり、R9がCl、Br、FおよびNO2から選択され、R6およびR7がいずれもHであるか、またはR6およびR7が組み合わせで一重結合を形成し、上記以外の官能基Rがいずれも水素である、一般式(X)の化合物が好ましい。
3’または4’ニトロ含有化合物であり、R9がNO2、ClおよびBrから選択され、R6およびR7がいずれもHであるか、またはR6およびR7が組み合わせで一重結合を形成し、上記以外の官能基Rがいずれも水素である、一般式(X)の化合物がより好ましい。
製剤の剤形としては、一般式(I)および/または(X)の化合物を少なくとも1種と、少なくとも1種の薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む。本来、本発明の製剤において用いられる化合物は、本明細書において定義したようなR1乃至R11およびRをR基として有していることは当業者であれば明らかであろう。各担体は、製剤の他の成分と適合し、患者に対して害のないという意味で「薬学的に許容される」ものでなければならない。
本発明のフラボノイド化合物は、薬学的に許容される塩またはそのエステルとして投与可能であることは理解できよう。塩は通常、酸添加塩(例えばヒドロハロゲン酸を添加)または認容される金属塩(例えばNa、Ca、Mgなど)である。
剤形としては、経口投与、直腸投与、経鼻投与、膣投与および非経口投与(皮下、筋肉内、静脈内および皮内を含む)用の剤形も含む。剤形を適宜単位ごとの剤形にし、薬学の技術分野において周知の任意の方法で調製することができる。このような方法は、1種以上の補助成分を構成する担体と活性成分とを会合させるステップを含む。一般に、この製剤は、液体担体または微粉砕した固体担体のいずれか一方または両方と活性成分とを均一かつ本質的に会合させ、必要であれば成形して調製される。
経口投与に適した本発明の製剤は、各々予め定められた量の活性成分を含有するカプセル、サシェまたは錠剤などの別々のユニット、粉末または顆粒、水性または非水性の液体である溶液または懸濁液、または液状のO/WエマルジョンまたはW/Oエマルジョンとして提供することもできるものである。また、活性成分を丸薬、舐剤または糊状剤として調製してもよい。
錠剤は、任意に1種以上の補助成分を用いて圧縮または成形によって形成できる。圧縮錠剤は、任意に結合剤(ポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、潤滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(ソジウムスターチグリコレート、架橋ポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムなど)、界面活性剤または分散剤を混合した、粉末または顆粒などの自由に流動できる形態の活性成分を適当な装置で圧縮することによって調製される。成形錠剤は、不活性な希釈液によって水分を持たせた粉末状化合物の混合物を適当な装置で成形することによって調製される。この錠剤に、任意にコーティングを施したり刻み目を付けたりしてもよい。また、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースを様々な比率で用いて所望の徐放特性を持たせ、含有している活性成分を徐放するよう処方してもよい。
直腸投与用の製剤については、例えばカカオバターまたはサリチル酸塩などからなる適当な基剤を用いた座薬として提供することもできる。
膣投与用の製剤については、活性成分の他に従来技術において適当であるとされている担体を含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゼリー、ペースト、泡沫またはスプレー剤形として提供できる。
非経口投与用の剤形としては、治療対象となるレシピエントの血液と製剤とを等張にする酸化防止剤、緩衝液、静菌および溶質を含有してもよい水性および非水性の注射用滅菌等張液と、懸濁剤および増粘剤を含有してもよい水性および非水性の懸濁液とが挙げられる。この製剤を、例えばアンプルまたはバイアルなどの単位用量封入容器または多用量封入容器に入れて提供したり、あるいは使用する直前に注射水などの滅菌担体を添加するだけでよいフリーズドライ(凍結乾燥)状態で提供することができる。上述した種類の滅菌粉末、顆粒および錠剤から、即時注射(extemporaneous injection)溶液および懸濁液を調製することができる。
用量は、状態の重篤度、レシピエントのアイデンティティの他、一般式(I)で示される特定の投与化合物の効率および毒性など、熟練した医師らに周知な様々な因子によって変わる。一般には体重1kgあたり0.1〜100mg、特に1〜10mgの用量にすることができる。投与頻度は代謝速度すなわち投与した化合物を排泄する速度によって様々であるが、毎日繰り返し投与することがで、任意に一日量を2回以上に分けて投与してもよい。20から500mg、好ましくは100〜400mgの単位用量を用いることができる。
本発明の他の態様として、一般式(I)の化合物が得られる
Figure 0004745468
式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、NO2およびHから独立に選択され、R6およびR7は、Br、Cl、FおよびHから独立に選択されるか、またはR6およびR7が組み合わせで一重結合を形成し、R8、R10およびR11は、H、-R、NO2、Br、Cl、F、-OR、-NH2、-NHR、-NR2、-COOR、-COOH、-CNまたは糖類から独立に選択され、R9は、H、NO2、Br、ClまたはFから選択され、Rは炭素数1〜6のアルキルまたはアルケニルであり、但し、R9がHかつR5がHである場合を除いてR1、R2、R3、R4およびR5のうち少なくとも1つがNO2であるか、または一般式(I)の化合物のダイマーであって、R1乃至R11およびRが一般式(I)で定義したものと同様であるバイフラボノイドである。
一般式(I)の好ましい化合物は、R1、R2およびR5がNO2およびHから独立に選択され、R8、R10およびR11が全て水素であり、R9が、H、NO2、Br、Cl、またはFから選択され、R9がHかつR5がHである場合を除いてR1、R2およびR5がNO2であるものである。
一般式(I)のさらに好ましい化合物は、R1、R2およびR5がHまたはHおよびNO2から独立に選択され、R6およびR7が組み合わせで一重結合を形成し、R9が、H、NO2、Br、ClまたはFから選択され、R9がHかつR5がHである場合を除いてR1、R2およびR5がNO2であるものである。
一般式(I)の最も好ましい化合物は、R1、R2およびR5がNO2およびHから独立に選択され、R3、R4、R8、R10およびR11が全てHであり、R6およびR7が組み合わせで一重結合を形成し、R9が、Br、Cl、FおよびNO2から選択され、R1、R2およびR5がNO2であるものである。
本発明の好ましい化合物としては、6,3’-ジニトロフラボンおよび6ハロゲン、3’-ニトロまたは6ハロゲン、4’-ニトロフラボン類およびその誘導体が挙げられる。本発明の好ましい化合物としては、
6,3’-ジニトロフラボン
Figure 0004745468
6,ブロモ,2’ニトロフラボン
Figure 0004745468
6,ブロモ,3’ニトロフラボン
Figure 0004745468
6,ブロモ,4’ニトロフラボン
Figure 0004745468
3’ニトロフラボン
Figure 0004745468
4’ニトロフラボン
Figure 0004745468
6,クロロ,3’ニトロフラボン
Figure 0004745468
6,フルオロ,3’ニトロフラボン
Figure 0004745468
本発明の最も好ましい化合物は、II、IVおよびVIIIである。
本発明のさらに他の態様において、患者の不安を治療するための薬物の調製に式(I)の化合物を利用する方法が得られる。好ましくは、患者の不安を治療するための薬物の調製に式(II)、(III)乃至(IX)および(X)のいずれか1つに或いは複数に該当する化合物を利用する方法が得られる。さらに好ましくは、患者の不安を治療するための薬物の調製に化合物(II)、(IV)および(VIII)から選択される化合物またはその混合物を用いる方法が得られる。
以下、図面を参照して本発明について説明する。
図1:
化合物IIの非存在下(●)または存在下(■,20nM)におけるウシシナプトソーム膜に対する3H-フルニトラゼパム(3H-FNZ)結合の代表的な曲線を示すスキャッチャードプロットである。
図2:
ビヒクル(VEH)または化合物(II)(0.3〜100.0μg/kg)を腹腔内注射した15分後のマウスに対して高架式十字迷路試験を行い、5分間の間での成績を示す図である。結果をアームの総通過数(斜線)、オープンアーム通過数の比率(オープンアーム)およびオープンアームでの滞在時間の比率(白バー)を平均±SEMで示す。*:p<0.05、**:p<0.01であるダネット多重比較試験。実験に用いたマウスの数は1群あたり9〜16個体であった。
図3:
様々なラットの脳領域から採取し広範に洗浄した粗シナプトソーム膜に対する3H-FNZ結合の6,3’-ジニトロフラボンによる競合(competition)。小脳から採取した皮膜(■)、大脳皮質の皮膜(○)および脊髄の皮膜(▼)を「材料および方法」において述べるようにして用意した。データは、6〜8回繰り返して行った実験のうち典型的なものから得る。
図4:
ラットの脳の矢状切片に対する0.65nM[3H]-FNZ結合を様々な濃度の6,3’-ジニトロフラボンで抑制することによる競合実験(competition experiments)。オートラジオグラフィ分析用に脳領域を準備することに関しては、「材料および方法」で述べる。小脳(■)、頭頂皮質(parietal cortex)(○)および歯状回(▼)についての典型的な変位曲線を示す。
図5:
ビヒクル(VEH)または6,3’-ジニトロフラボン(DNF、0.001〜10mg/kg:詳細)を腹腔内注射した15分後にオプトヴァリメックス(Opto-varimex)▲R▼装置において5分間の試験セッションを行い、歩行運動での異所活性を計数する。データは平均±SEMで表してある。実験群の動物数は10〜16個体の範囲とした。*p<0.05、**p<0.01であり、対照例とは有意に異なる(ANOVA後のダネット多重比較試験)。
図6:
ビヒクル(VEH)、6,3’-ジニトロフラボン(DNF、30μg/kg)またはDNF(30μg/kg)+Ro 15 1788(1mg/kg)を腹腔内注射した20分後に高架式十字迷路試験で5分間のセッションで試行させたマウスのアーム総通過数(白バー)、オープンアーム通過数の比率(斜線)およびオープンアームでの滞在時間の比率(黒バー)の平均±SEMを示す。*p<0.01であり、対照例とは有意に異なる(ANOVA後のダネット多重比較試験)。各群における動物の数を括弧で示してある。
図7:
ビヒクル(VEH)または6,3’-ジニトロフラボン(DNF、0.3〜10mg/kg)を腹腔内注射した20分後に5分間のセッションでホールボード試験を行ったマウスのヘッドディップ回数(黒バー)およびヘッドディップで費やした時間の比率(黒バー)の平均±SEMを示す。*p<0.01であり、対照例とは有意に異なる(ANOVA後のダネット多重比較試験)。各群における動物の数を括弧で示してある。
図8:
ビヒクル(VEH)または6,3’-ジニトロフラボン(DNF、0.3〜10mg/kg)を腹腔内注射したマウスの十字横線試験での成績を示す。5分間の間隔をあけて試験セッションを2回実施した。(「材料および方法」を参照のこと。)各群における動物の数を括弧で示してある。
図9:
ジアゼパム(DZ、1mg/kg)または6,3’-ジニトロフラボン(DNF、1mg/kg)+ジアゼパム(DZ、1mg/kg)を腹腔内注射した20分後におけるマウスの十字横線試験での成績を示す。5分間の間隔をあけて試験セッションを2回実施した。(「材料および方法」を参照のこと。)*p<0.0001であるカイ二乗頻度試験。各群における動物の数を括弧で示してある。
図10:
ビヒクル(白バー)または6,3’-ジニトロフラボン(斜線)100μg/kgの事前訓練腹腔内注射および事後訓練腹腔内注射の、阻害回避試験での記憶に対する影響を示す。縦軸は、試験セッションでのステップダウン潜時(秒)を示す。データは中央値(四分位数範囲)で示されている。各群における動物の数を括弧で示してある。
図11:
ラットの小脳(●)、大脳皮質(○)および脊髄(▼)から採取した広範に洗浄した粗シナプトソーム膜に対する0.5nM3H-FNZ結合を9〜14種類の濃度の化合物(IV)で置換することを示す。3〜6回繰り返して行った実験のうち典型的なものをデータとして挙げる。グラフパッド(Graph-Pad)ソフトウェアを利用して競合曲線(competition curve)を分析した(表5の結果を参照のこと)。
図12:
ビヒクル(VEH)または化合物(IV)100μg/kgを腹腔内注射したマウスについて、注射をした20分後に高架式十字迷路試験を5分間のセッションで行った場合のアーム総通過数(黒バー)、オープンアーム通過数の比率(白バー)およびオープンアームでの滞在時間の比率(斜線)を平均±SEMで示す。*p<0.01であるスチューデント(Student t)試験。実験に用いた個体数は1群あたり17であった。
以下、実施例を用いて本発明について説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではないことは理解できよう。
実施例セクション1
実施例1:
6,3’-ジニトロフラボン(II)および6,4’-ジニトロフラボン(IIa)の調製
6,3’-ジニトロフラボン(II)および6,4’-ジニトロフラボン(IIa)を以下のようにして調製した(スキームA)。
Figure 0004745468
R1=NO2; R2=H(化合物(II))
R1=H; R2=NO2(化合物(IIa))
フラボン(1)に無水硝酸(d=1.4,750μL)を滴下した(エキストラシンセスィズ:Extrasynthese,フランス)(60mg; 0.27mmol)。
添加中は(1)を仕込んだバイアルを氷浴中にて保持した。このようにして得られる溶液を室温にて30分間静置した。薄いガラス棒で攪拌しながら、水(10mL)を添加し、バイアルを氷浴中において冷却した。沈降生成物を真空濾過によって回収し、水洗して乾燥させた。そのトルエン溶液をシリカゲルカラムでクロマトグラフィにかけたところ、トルエン中のアセトン濃度が高まるにつれて溶出された。2種類の主要な成分を単離し、アセトン-水から再結晶化して精製し、化合物(II)および(IIa)とした。化合物(II):収率45%、黄色の明るい結晶(アセトン-水から回収);
mp246〜248℃;1H NMR(300MHz, DMSO-D0):δ8.90(t, J=2Hz, 1H), 8.72(d, J=2.6Hz, 1H), 8.64(dd, J=9.3および2.6Hz, 1H), 8.59(m, 1H), 8.46(m, 1H), 8.16(d, J=9.3Hz, 1H), 7.89(t, J=8.4Hz, 1H), 7.43(s, 1H), EIMS m/z 312[M]+, 284, 266, 238, 220, 165。
化合物(IIa)収率45%、黄色結晶(アセトン-水から回収)。
mp260〜261℃;1H NMR(300MHz, DMSO-D6):δ8.72(s, 1H), 8.65(d, J=9.1Hz, 1H), 8.40(m, 4H), 8.10(d, J=9.2Hz, 1H), 7.42(s, 1H), EIMS m/z 312[M]+, 284, 266, 254
結果
フラボン核が非特異的にニトロ化されることで、2種類のニトロ化フラボン(II)および(IIa)が得られた。化合物(II)および(IIa)は、3H-フルニトラゼパム(3H-FNZ)と広範に洗浄したウシ大脳皮質膜との結合を、それぞれ12.0±1.7nM(n=7)および17±5μM(n=3)のKiで阻害した。簡単に言えば、3H-FNZ結合はLevy de Stein, M., Medina, J.H., De Robertis E., Mol. Brain Res. 1985, 5, 9-15に記載されているようにして起こる。簡単に説明すると、各アッセイについて、0.2から0.4mgのタンパク質を含有する3種類の膜を一組にした試料を最終容量1mLの0.25mMトリス-塩酸緩衝液中(pH7.3)に懸濁させた。0.6nM 3-FNZを用いて4℃で60分間保温した。結合飽和について検討するために、0.3〜10nMの3H-FNZを用いた。3μM FNZの存在下で同時に保温することで非特異的な結合を判断したところ、全体の5〜15%であった。Whatman GF/Aガラスファイバフィルタを用いて真空下で濾過を行うことによってアッセイを終了し、それぞれ3mLの保温培養液で3回洗浄した。フィルタを乾燥させ、2,5-ジフェニルオキサゾル/キシレンをシンチレーション液として5mL添加した後に計数した。実質的にMedina, J.H., De Robertis, E.J., J. Neurochem. 1985, 44, 1340-1345に記載されている方法に従って、ウシ大脳皮質膜を処理した。化合物(II)の飽和曲線をスキャッチャード分析したところ、部位の最大数(Bmax)を変化させずに見かけ上の親和性が減少し、競合相互作用が認められた(図1)。化合物(II)は、ベンゾジアゼピン(BDZ-R)受容体に対して極めて高い親和性を示した。
実施例2: 薬理活性:高架式十字迷路試験でのマウスの成績
化合物(II)はBDZ-Rに対して極めて高い活性を示したので、この化合物の薬理活性をさらに試験した。ビヒクルまたは化合物(II)を腹腔内注射し、高架式十字迷路試験でのマウスの成績を利用してげっ歯類における抗不安作用を測定した。
薬理試験では、育種系から得た体重28〜35gのオスのスイス(Swiss)マウスを動物として利用した。被験動物を、水および飼料に自由に到達できる状態で10個体ずつn群に分け、昼夜を12時間ずつにしたサイクルで維持した。全ての試験において、アッセイの15分前にマウスにVEHまたは薬液を腹腔内注射した。
高架式十字迷路は、25×5cmのオープンアーム2枚を同じ寸法のクローズドアームと交差させ、交差点からは全てのアームに到達できるように組んだ。クローズドアームは高さ35cmの側壁で周囲を囲ったものである。この迷路を部屋の床から50cm浮かせた。オープンアームに面した十字路の中心にマウスを置いた。オープンアームおよびクローズドアームでの通過数およびこれらのアームを通り抜けるまでの滞在時間を5分間計数した。オープンアームに対応するパラメータが選択的に大きくなることで抗不安作用があることが分かる。全探索活動(両アームでの通過数)についても求めた。結果を図2に示す。
化合物(II)を0から30μg/kgの範囲の用量で用いると、通過したアームの総数には影響なくオープンアームを通過する割合が高くなった。ジアゼパムでは同程度の抗不安作用を達成するのに最低でも30μg/kgの量が必要(データは図示せず)であるということに注目することが重要である。3μg/kgおよび30μg/kgの用量で、(II)でもオープンアームでの滞在時間の比率が大きくなった(図2)。
結論として、(II)は競合的に相互作用し、かつBDZ-Rに対して高い親和性を有する、極めて有望な抗不安薬であることが分かる。
化合物(II)と国際特許出願公開第95/05169号に記載のハロ誘導体およびジアゼパムの抗不安濃度範囲を比較して以下に示す。
Figure 0004745468
実施例セクション2
材料および方法
動物
体重250gのオスのウイスタ(Wistar)ラットの成体を用いて生化学実験を行った。体重25〜30gのオスのスイス(Swiss)マウスの成体を用いて、ラットで行った阻害回避試験および逃避反射テールフリック試験を除く、薬理アッセイを行った。調節した環境に動物を収容し、飼料および水には自由に到達できるようにして昼夜12時間ずつのサイクルで行った。
ラジオレセプター結合アッセイ
[3H]-FNZまたは[3H]-ゾルピデム([3H]-ZOLP)を、ラットの大脳皮質、小脳、海馬、線条体または脊髄から採取した粗シナプトソーム膜における放射性リガンドとして使用し、置換曲線を得た。Medina et al.(1991)の方法に従って膜を用意した。簡単に説明すると、脳を氷上で速やかに解剖し、0.32Mスクロース10容量中にて異なる構造体を均質化し、900×gで10分間遠心分離した。このようにして得られた上澄を100,000×gで30分間遠心分離し、ペレットを100,000×gで30分かけてpH7.4の25mMトリス-塩酸緩衝液で2回洗浄し、使用するまで20℃で保存した。
[3H]-FNZ(84Ci/mmol、NEN)置換曲線について、濃度の異なるDNF(0.3nM〜1μM)を、放射性リガンド0.6nMの存在下で25mMトリス-塩酸緩衝液1mlに懸濁させた膜タンパク質0.3mgに添加した。Lowry et al.(1951)の方法を利用してタンパク質測定を実施した。10μM FNZ(Hoffmann-La Roche)を用いて同時に保温し、非特異的結合(<5%)を求めた。保温は4℃で1時間行った。真空下でWhatman GF/Aガラスファイバフィルタを用いて濾過し、各々3mlずつの保温培養液で2回洗浄してアッセイを求めた。フィルタを乾燥させ、2,5-ジフェニル-オキサゾル(PPO)-キシレンをシンチレーション液として5ml添加した後、計数した。
[3H]-ZOLP(50.8Ci/mmol、NEN)結合アッセイのために、Arbilla et al.(1986)の方法を以下のように若干変更して用いた。放射性リガンド1nMとゾルピデム10μMとを用いて置換曲線を得て、非特異的結合を求めた(<15%)。試料(pH7.4の50mMトリス-塩酸緩衝液と、120mM NaClと、5mM KClとの混合溶液中にタンパク質0.4mgを溶解)を4℃で30分間保温した。同じ緩衝液3mlを用いて3回洗浄して反応を終了した。その他のステップは元の技術と同様にした。
他の文献に記載されているようにして、さらに以下の研究すなわち、α1アドレナリン受容体に対する[3H]-プラゾシン結合(Medina et al., 1984)、βアドレナリン受容体に対する[3H]-ジヒドロアルプレノロール結合(Medina et al., 1984)、ムスカリンコリン受容体に対する[3H]-キヌクリニジルベンジレート(quinuclinidyl benzylate)結合(Jerusalinksy et al., 1983)、GABAA受容体に対する[3H]-ムシモール結合(Medina et al., 1983)およびセロトニン(5-HT1A)受容体に対する[3H]-8-ヒドロキシジプロピルアミノテトラリン([3H]-OH-DPAT)結合
Figure 0004745468
結合に関する研究を実施した。
オートラジオグラフィ実験
(ウイスタ)Wistarラットを断頭し、速やかに脳を除去した。ミクロトーム-クライオスタットを用いて-20℃で矢状切片(厚さ15μm)を用意した。組織切片を使用するまで-70℃にて凍結状態で保持した。[3H]-FNZ結合(0.65nM)に対するDNF置換曲線を得るために、濃度の異なるDNF(1〜600nM)の存在下、pH7.4の25mMトリス-塩酸緩衝液中にて4℃で60分間組織断片を保温した。非特異的結合について、発明者らはFNZを10μM用いた。冷たい緩衝液中にて断片を2分間洗浄して保温を終了した。これらの断片を冷たい蒸留水中に短時間浸漬し、冷風下にて速やかに乾燥させた(Niddam et al., 1987)。
スライドに載置した組織断片を、遮光X線カセットにて4℃で2週間トリチウム感受性フィルム(Hyperfilm Amersham)に置いてオートラジオグラフを生成した。
異なる脳領域から得られた光学密度を、まず放射線活性単位に変換した上で、フィルムについての[3H]標準を用いて、コンピュタ画像濃度分析システム(MCID 4.02)を利用してfmol/mm2に変換した。数値を正規化し、コンピュータプログラムを用いてKi値を求めた(グラフパッドプリズム:Graph-Pad Prism)(Bernabeu et al., 1995; Cammarota et al., 1995)。
薬理学的手順
歩行運動活性試験
Viola et al.(1994)に従ってオプトヴァリメックス(Opto-varimex)▲R▼装置を用いた。この装置は全活性と異所活性とを区別する。光線による遷移数の増加は歩行運動活性が高まっていることを意味する。この試験および以後のマウスを用いた試験では、いずれも試験開始20分前にビヒクルまたはDNFを腹腔内注射した。各セッションで、対照例のマウスを薬剤処理し、並行して試験した。
高架式十字迷路試験
同じセッションで歩行運動活性測定の直後に試験を実施した(Viola et al., 1994; Wolfman et al., 1994)。この試験は、げっ歯類で広く有効なものとされて(Pellow et al., 1985; Pellow and File, 1986; Lister, 1987)おり、不安を測定する他の試験よりも有利な点がいくつかある(Dawson and Tricklebank, 1995)。オープンアームの通過数およびオープンアームでの滞在時間が選択的に増加することから、この薬剤には抗不安作用があることが分かる(Pellow et al., 1985; Pellow and File, 1986)。選択的中枢神経性ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬Ro 15-1788(File and Pellow, 1986)を注射して行う一連の試験も実施した。
ホールボード試験
Viola et al.(1994)およびWolfman et al.(1994)に従って試験を実施した。ヘッドディップ回数およびヘッドディップに費やした時間を5分間計数した。これらのパラメータが小さくなることで、鎮静挙動があることが分かる。
十字横線(Horizontal Wire)試験
上述したようにして(Viola et al., 1994; Wolfman et al., 1994; Wiola et al., 1995)この試験を実施した。5分間隔で2回試行した後に試験を実施した。筋弛緩薬によってマウスがワイヤをつかむことができないようにする(Bonetti et al., 1992)。DZ-誘導に対するDNF(1mg/kg)の作用も求めた。
チオペンタールナトリウム誘導睡眠時間
チオペンタールナトリウム(Abbott)(22mg/kg)をビヒクルまたはDNFの15分後に腹腔内注射した。正向反射の消失および再出現は、それぞれ潜時および睡眠時間を示す指標と考えられる。
発作試験
Medina et al.(1990)に準じて、これをわずかに変更してペンチレンテトラゾール(PTZ)誘導痙攣を評価した。薬剤またはビヒクルの注射15分後にマウスにPTZ(200mg/kg)を腹腔内注射した。間代性痙攣を起こしたマウスの数を計数した。
阻害回避試験
Izquierdo et al.(1990)に従ってこの試験を実施した。訓練装置は50×25×25cmのアクリルボックスで、前面がガラス板で床面は口径1mmのブロンズバーを0.8mm間隔で平行に配置したものである。高さ5cm、幅7cmのフォーマイカプラットフォーム(formica platform)を箱の左側の端に置いた。ラットをプラットフォーム上に載せ、四肢を格子にのせるステップダウンまでの潜時を測定した。ステップダウン時、0.35mAで2秒間マウスにスクランブルフットショックを与え、ボックスから取出した(訓練セッション)。20時間後に、フットショックを与えないこと以外は訓練セッションと同様にして試験セッションを実施した。試験でのステップダウン潜時(180秒の上限まで)を阻害回避の保持率測定値として得た(Izquierdo et al., 1990)。
尾打試験
Siegfried et al.(1987)に準じてこの試験を実施した。尾打装置を用いて無痛覚を評価した。ラットをタオルでくるみ、装置の中に置いた。尾の下に配備した光源は尾の先端まで2.3cm吻側の点に焦点を合わせた。尾の作用によって光電セルが励起され、試行を自動的に終了させた。基線尾打潜時(TFL)が3〜6秒になるよう光強度を調節した。カットオフ時間を10秒にし、組織の損傷を防止した。簡単に言えば、手順の概要としては以下のようになる。各個体について基線TFL値を得た。これに続いて、ラットを待機かごに1匹ずつ入れた。ビヒクルまたはDNFの腹腔内注射の1時間後にRFL値を測定した。
薬剤
6,3’-ジニトロフラボン(DNF)およびDZ(Hoffmann-La Roche)を蒸留水中のジメチルスルホキシド20%、エタノール20%中に溶解した。Ro 15-1788(Hoffmann-La Roche)を蒸留水中のプロピレングリコール10%およびジメチルスルホキシド15%に溶解した。注射量は、マウスで0.1ml/10g、ラットで0.1ml/100gとした。
統計分析
グラフパッドプリズム(Graph-Pad Prism)ソフトウェアを利用して競合曲線を分析した。マウスにおける複数の処置を比較する場合には分散分析(ANOVA)を用いた。ダネット多重比較試験を用いて個体処置の場合と対照例とを主効果多重比較検定した。必要に応じてカイ二乗頻度試験を用いた。阻害活性およびラットのTFL試験ではノンパラメトリックなMann-Whitney U試験を利用した。
結果
生化学的研究
DNFは様々なCNS領域において[3H]-FNZ結合置換の作用強度が異なっていた(表2)。小脳で作用強度が大きく、Ki値は17nMであった。作用強度が最も小さかったのは線条体および脊髄であり、Ki値は約44〜48nMであった。中間の作用強度は大脳皮質および海馬で認められた。図3は、DNF(濃度が異なる)による小脳膜、大脳皮質膜および脊髄膜に対する[3H]-FNZ結合の典型的な置換曲線を示す。これ作用薬すなわちDZは、研究対象とした全ての脳領域に対してKiが近い置換および[3H]-FNZ結合を示した(〜7nM)。
[3H]-ZOLPすなわち、I型を優先的に認識する周知の中枢神経性ベンゾジアゼピン受容体作用薬(Arbilla et al., 1986)を放射性リガンドとして利用したところ、大脳皮質、線条体および小脳から得たシナプトソーム膜でのDNFのKi値は似通っていた(17.2±3.7nM, n=5; 21±nM, n=2および17±1.5nM, n=3)
DNF(20μM)は[3H]-キヌクリニジルベンジレート(quinuclinidiyl benzilate)、[3H]-ムシモール、[3H]-パラゾジン、[3H]-ジヒドロアルプレノロールおよび[3H]-8-HO-DPATの結合をコリン性ムスカリン性、CABAAα1およびβアドレナリンおよび5-HT1A受容体に置換はしなかった(データは表示せず)。
オートラジオグラフィ実験において[3H]-FNZ結合を置換する際のDNFの作用強度における同様の領域変動が観察された(図2)。最大阻害作用は小脳(Ki, 17.2±2.3nM, n=3)において観察され、以下、頭頂皮質(Ki, 30.1±2.6nM, n=3)、線条体(Ki, 53.7±7.3nM, n=3)および歯状回(Ki, 82.2±7.6nM, n=3)であった。
したがって、DNFは小脳から採取した[3H]-FNZ結合と置換する方が歯状回との置換より作用強度が5倍大きい。
Figure 0004745468
Ki値は、グラフパッドプリズム(Graph-Pad Prism)ソフトウェアによって、9〜15の濃度で6,3’-ジニトロフラボンを用いて[3H]-FNZ結合の置換曲線から得たものである。
独立した実験の回数a
薬理学的実験
DNFの異所歩行運動活性に対する作用
図5は、DNF(最大3mg/kgまで)を腹腔内注射によって投与しても自発的異所歩行運動には影響しないことを示している。10mg/kg(試験した最大量)では、歩行運動が55%低下した(F(9,152)=4.52, p<0.01.0.3mg/kg(p<0.05で、このパラメータがわずかに増加したのが観察された。
高架式十字迷路試験におけるDNFの作用
発明者らの実験室で行った先の実験から、少量(1〜30μg/kg)のDNFをマウスに腹腔内注射すると本試験で測定されたように抗不安作用が認められることが分かった。これらの結果を確認し、DNFを抗不安量(30μg/kg)で腹腔内注射投与したところ、オープンアームを通過する比率が高くなった(F(2,23)=13.37, p<0.01;ANOVA後のダネット多重比較試験)(図6)。アームの総通過数(F(2,22)=0.83, p<0.05)との差は観察されなかった。Ro15-1788すなわち特異的中枢神経性ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬を注射することによって、この抗不安作用を遮断した(図6)。DZを用いて実験を並列に行い、この周知の抗不安薬では用量が10〜100倍高い場合にしかオープンアーム通過率は高くならないということが明らかになった(ビヒクル=22.9±2.0%;DZ0.3mg/kg=35.0±4.5%, p<0.05;図6)。
ホールボード試験におけるDNFの作用
ビヒクルまたはDNFを注射したマウスのホールボード試験での成績を図7に示す。同図から明らかなように、最大で3mg/kgの用量ではヘッドディップ回数およびヘッドディップに費やす時間に変化は認められなかった。最大用量の10mg/kg(研究に用いた抗不安量の300倍)になると、ようやくDNFによって両方のパラメータすなわち(F(ヘッドディップ)(4,61)=6.04, F(時間)(4,61)=4.63, p<0.01が小さくなった。ANOVA後のダネット比較試験)。DZでも1mg/kg(ヘッドディップ、ビヒクル=8.5±1.2; DZ1mg/kg=1.2±0.5, p<0.001)で注射したときに同様の作用が見られた。
Horizontal Wire試験におけるDNFの作用
最大用量の10mg/kgでもマウスのワイヤをつかむ比率に影響しなかった(図8)。一方、全中枢神経性ベンゾジアゼピン受容体作用薬DZ(1mg/kg)では、注目すべき作用が認められた(10個体のうち8個体)(図9)。この筋弛緩作用はDNFプラスDZ(1mg/kg、15個体のうち2個体、p<0.001, X2試験)の投与によって相殺された(図9)。
PTZ-誘導痙攣に対するDNFの作用
マウスにおいてPTZ 200mg/kgで誘導した発作は広範にわたる用量(30μg/kg〜6mg/kg)のDNFでは防止されなかった(表3)。これとは対照的に、DZ(0.3〜3mg/kg)は抗痙攣作用を示した(p<0.001、X2試験)(表3)。
Figure 0004745468
マウスにビヒクル(VEH)、ジアゼパム(DZ)または6,3’-ジニトロフラボン(DNF)を腹腔内注射した15分後にペンチレンテトラゾール(PTZ)200mg/kgを腹腔内注射した。データは、間代性発作または強直間代性発作を示したマウスの比率で表してある。各群における個体数a
bp<0.001, X2試験
チオペンタール誘導睡眠時間に対するDNFの作用
表4から明らかなように、3mg/kgのDNFを腹腔内注射した場合に睡眠時間が(p<0.05)長くなった。睡眠までの潜時には変化は観察されなかった。低い容量(1mg/kg)のDNFを注射すると、潜時も睡眠時間も変化しなかった。
Figure 0004745468
マウスにビヒクル(VEH)または6,3’-ジニトロフラボン(DNF)を注射した15分後にチオペンタールナトリウム(TP、22mg/kg腹腔内注射)を注射した。睡眠時間の上限値は1800秒とした。データは中央値で示してある(四分位数範囲)。各群における個体数a
*p<0.05、Kruskall Wallis後のダネット多重比較試験(KW=6.93)。
阻害回避および尾打試験に対するDNFの作用
ラットにおいて、DNFを100μg/kg訓練前および訓練後のいずれで腹腔内注射しても試験セッションでの阻害回避の成績に影響はしなかった(図10)。さらに、同じ用量のDNFでTFL(ビヒクル+3.2秒(2.8/4.3、n=11);DNF 100μg/kg=3.5秒(2.7/4.2、n=11)も変化しなかった。[中間値(四分位数範囲、p<0.05、Mann-Whitney U試験)。
考察
DNFは不安選択特性を有するため、中枢神経性ベンゾジアゼピン受容体において、中枢神経性ベンゾジアゼピン受容体サブタイプIおよびIIに対する選択性の低い部分アゴニストとして作用すると思われる。
薬理学的な証拠および生化学的な証拠から、これら2種類の異なる中枢神経性ベンゾジアゼピン受容体型が存在するのではないかと思われる(Seigharth and Karobath, 1980; Trifiletti et al., 1984; Niddam et al., 1987; Mohler et al., 1995; McKernan and Whiting, 1996)。脳ではI型が最も多い。小脳は主にこの型が多く(Niddam et al., 1987)、海馬(Arbilla et al., 1986)および大脳皮質はI型とII型を混合量で含有している(Trifiletti et al., 1984)が、線条体、脊髄、歯状回および嗅球(Watanabe et al., 1985; Niddam et al., 1987; Pritchett et al., 1989; McKernan and Whiting, 1996)などのいくつかの脳領域ではII型の方が優勢である。粗シナプトソーム膜(図3および表2)を利用して、[3H]-FNZ結合に対するDNF阻害定数が最も小さいのは小脳で、続いて大脳皮質>海馬>線条体>脊髄であることを見出した。オートラジオグラフィ実験では、作用強度のランクは順に小脳>頭頂皮質>線条体>歯状回であった(図4)。これらの知見は、中枢神経性ベンゾジアゼピン受容体サブタイプに対するDNFの親和性の違いや、各脳領域における相対密度の違いによるものであった可能性もある。サブタイプIおよびII(例えば大脳皮質および海馬)の混合個体群を有する領域では、得られるKi値が中枢神経性ベンゾジアゼピン受容体I型およびII型に対する平均親和性を反映していることがある。これとは対照的に、本願発明者らは、優先中枢神経性ベンゾジアゼピン受容体I型作動薬CL 218,872(高親和性Ki値=10nM、低親和性Ki値=1.2μM)を使用して、十分に定義された結合部位を皮質膜に2つ見出した。さらに、選択的中枢神経性ベンゾジアゼピン受容体Iリガンドすなわち[3H]-ZOLP(Arbilla et al., 1986)を使用すると、大脳皮質、線条体および小脳に対するDNFのKi値は近い値になった。これらの親和性は、小脳結合部位の性質と調和する。DNFは、特異的な[3H]放射性リガンドのα1およびβアドレナリン作動性受容体、ムスカリン作動性受容体、コリン作動性受容体、GABAA受容体または5-HT1A受容体への結合を置換しないため、中枢神経性ベンゾジアゼピン受容体に対する選択的リガンドである。
きわめて少量のDNF(1〜30μg/kg)でも高架式十字迷路試験で測定すると潜在的な抗不安作用を有するという最近の知見を確認および拡大し、本研究で観察されたオープンアーム探索におけるDNF誘導の増加を、選択的ベンゾジアゼピン拮抗薬であるRo 15-1788を投与して遮断した(図6)。DNF(最大10mg/kgまで)の抗痙攣作用、筋弛緩作用、健忘作用または鎮痛作用は明らかにはならなかった(表3および図8および図10)。
一方、DNFは多量(抗不安作用を生み出す用量の100〜300倍)になるとわずかに降下剤としての作用を有することが、チオペンタール睡眠時間が増強し(表4)、歩行運動活性および異所運動活性が弱まり、ホールボード探索が減少するから明らかになった(図5および図7)(File 1985)。したがって、DNFを用いて発作を引き起こす可能性のある量よりもかなり少ない量で不安を減少させることができる。
DZに比べ、DNFは抗不安性が30倍強く、同様の発作作用を引き起こすまでには10倍以上多い量を必要とする。
本願発明者らは、DNFが完全アゴニスト(the full agonist)であるDZの筋弛緩作用を逆転できることを示した(図9)。
薬理学的プロファイルが選択的であって、かつ内在的有効性(intrinsic efficacy)が低く、さらに不要な副作用を引き起こす可能性が少ないため、DNFは不安治療用の改善された治療手段となり得る。
結論を言えば、DNFは、中枢神経性ベンゾジアゼピン受容体に対する[3H]-FNZ結合を置換する可能性という点での領域差の少ない特異的かつ高親和性のベンゾジアゼピン受容体リガンドである。マウスにおいて不安選択作用を有し、全ベンゾジアゼピン受容体アゴニスト(a full benzodiazepine receptor agonist)の筋弛緩作用を防止する。
実施例セクション3: 6-ブロモ-3’-ニトロフラボンおよび他のニトロフラボン
6-ブロモ-3’-ニトロフラボン(IV)、6-ブロモ-2’-ニトロフラボン(III)および6-ブロモ-4’-ニトロフラボン(V)を以下のようにして調製した。
方法A:
スキーム1に示されるように、フラボン(I)から開始して2段階で化合物IV、VおよびIIIを調製した(Extrasynthese, France)。
(1)(2.7mmol)およびピリジン(0.15mmol)のC Cl4(9.6mL)溶液に、0℃で、臭素(6.2mmol)のC Cl4溶液(3.72mL)を滴下した。混合物を30℃で1時間攪拌し、さらに65℃で45分間攪拌した。冷却後、反応混合物をNa2S2O5の飽和水溶液100mLで2回洗浄した後に水洗し、Na2SO4上で乾燥させて水分がなくなるまで回転蒸発器にて乾燥させた。
トルエンに溶解させた粗生成物を、10〜40μ、タイプHのシリカゲルのカラム(2.5cm×40cm)にてクロマトグラフィ処理し、トルエン200mLで段階的に溶出した後、1、2、3、4および5%アセトン(V/V)を含有する同量のトルエンで段階的に溶出した。
このようにして得られた画分をTLCによる分析結果に基づいてプールした。溶媒を蒸発させ、エタノール-水から再結晶させることで、6ブロモフラボン(2)を含有するプールが回収された。
化合物(2):6ブロモフラボン:mp:189〜190℃。UVλmax256、299nm。EIMS M+300および302(C15H9O2Br)。1H NMR(DMSO-d6, 400MHZ)δ8.11-8.13(3H m, H-5, H-2’, H-6’), 8.00(1H, dd, J=8,2Hz, H-7), 7.47(1H, d, J=8Hz, H-8), 7.57-7.63(3H, m, H-3’, H-4’, H-5’), 7.11(1H, s, H-3), 13C NMR(100MHz)162.9(s, C-2), 106.9(d, C-3), 175.9(s, C-4), 124.9(s, C-4a), 126.9(d, C-5), 117.9(s, C-6), 136.9(d, C-7), 121.3(d, C-8), 154.7(s, C-8a), 130.8(s, C-1’), 126.5(C-2’/C-6’), 129.1(C-3’/C-5’), 132.0(C-4’)
化合物(2)を0℃にて無水硝酸に溶解させた。得られた溶液を室温にて45分間放置した後、過剰な水を攪拌しながら添加した。濾過によって沈降物を収集し、トルエンに溶解して上述したようにシリカゲルカラムでクロマトグラフィ処理した。3種類の画分が得られた。溶媒を蒸発させることでこれらの画分を回収し、アセトン-水から再結晶化させて精製した。得られた化合物をスキーム1においてIV、V、IIIで示したようにして1H NMRで同定した。
Figure 0004745468
3種類の化合物のMSおよび元素分析データは構造と一致していた。化合物(IV):1H NMR(300Mhz, CDCl3):δ8.80(t, J=2.0Hz, H-2’), 8.42(dt, J=8.0, 2.4Hz, H-4’), 8.37(d, J=2.4Hz, H-5’), 8.21(dt, J=8.0, 2.0Hz, H-6’), 7.84(dd, J=8.8, 2.5Hz, H-7’), 7.76(t, J=8.2Hz, H-5’), 7.54(d, J=9.2Hz, H-8’), 6.92(s, H-3’)
化合物(V):1H NMR(300Mhz, CDCl3):δ8.37-8.42(m, H-5, H-2’, H-6’), 8.10(d, J=8.8Hz, H-3’, H-5’), 7.84(dd, J=9.0, 2.4Hz, H-7), 7.52(d, J=9.0Hz, H-8), 6.92(s, H-3)
化合物(III):1H NMR(300Mhz, CDCl3):δ8.37(d, J=2.4Hz, H-5), 8.11(dd, J=1.5, 7.7Hz, H-6’), 7.75(m, H-7, H-3’, H-4’, H-5’), 7.29(d, J=9.0Hz, H-8), 6.60(s, H-3)
また、本発明の6,3’-ジニトロフラボンは、Ares J.J. et al. J. Med. Chem(1995)38, pp. 4937-4943(方法B)の教示内容を以下に概説するように部分的に変更したもので合成することもできる。
Figure 0004745468
本発明の目的のために、式(I)の番号体系と矛盾しないようにするために、スキームIIの環番号体系を用いる。
当業者であれば、ハロゲン化ベンゾイル(B)が上記の3’位以外の芳香環の他の位置すなわちハロゲン化ベンゾイルの2’、4’、5’および/または6’に1つ以上のニトロ基を有している場合に本発明の他のニトロフラボンを上述した概要の後に合成できることは当然に分かるであろう。適したハロゲン化ベンゾイルとしては、3’位にニトロ基を有する塩化ベンゾイル、臭化ベンゾイルまたはフッ化ベンゾイルまたはニトロ基が例えば2’位や4’位などの芳香環の他の位置にある他のハロゲン化ベンゾイルが挙げられる。
上記の概要の後で、かつフラボン核のニトロ化工程の前に、適当なハロゲン化2-ヒドロキシアセトフェノンで開始し、これを上述したような適当なハロゲン化ベンゾイルと反応させることで、本発明のハロニトロフラボンを合成できることは当業者間で明らかであろう。アセトフェノンの芳香環の遊離炭素位置すなわち上記の5、6、7および/または8位などをハロ群で置換してもよい。アセトフェノンの芳香環のハロ置換基は、Cl、BrまたはFから選択でき、好ましくは前記アセトフェノンの芳香環の6位に存在する。
本発明のニトロフラボン(例えば化合物VIおよびVII)のフラボン核にハロ基またはニトロ基を持たない場合、このようなニトロフラボンを生成するための一般的な合成方法では、芳香環の5、6、7および8位にH置換基を有する2-ヒドロキシアセトフェノンと、適当なハロゲン化ベンゾイルとを反応させ、化合物(C)に対する上記の概要に従う。当業者であれば、設計によってはニトロ基がニトロフラボンのフェニル環の3’、4’、5’または6’位にあってもよいことは当然に理解できよう。
NO2基が6位にあるジニトロフラボン誘導体を得るために、フラボン核の全遊離炭素位置にH置換基を有し、適宜NO2置換基をそのフェニル環に有する化合物(C)をCushman M. et al. J. Med. Chem.(!994)37, pp. 3353-3362の表示内容にそってニトロ化することができる。
本発明の具体的な化合物すなわち、化合物(II)乃至(IX)を以下のようにして調製することができる。
(1) 化合物6,3’-ジニトロフラボン(II)および3’-ニトロフラボン(VI)
スキームIIを参照
ステップ1:
1 ピリジン(10ml)中の塩酸(B)溶液(Aldrich)(15mmol)に、0℃にて、固体2-ヒドロキシアセトフェノン(2)(9mmol)を攪拌しながら添加した。反応混合物を0℃にて15分間攪拌した後、室温にて30分間攪拌した。次に、これを強く攪拌しながら3%塩酸水溶液/氷溶液に注いだ。得られた沈降物を濾過し、水洗した。粗物質をメタノールから再結晶化し、化合物(3)を得た(75%収率)。
ステップ2:
ピリジン(10ml)中の(3)の溶液(10mmol)に、50℃にて、微粉砕した水酸化カリウム(15mmol)を添加した。混合物を15分間攪拌し、冷却後、10%酢酸水溶液を添加した。得られた沈降物を濾過した。ジケトン(4)を含有している粗物質を精製せずに次のステップに用いた。
ステップ3:
ステップ2で得られた粗物質(化合物(4)10mmolに相当)を濃縮硫酸(0.5ml)および氷酢酸(13ml)を用いて還流で1時間加熱し、室温まで冷却した。次に、混合物を砕氷(75g)上に注ぎ、得られた沈降物を濾過した。
アセトン添加(acetone afforded)生成物(C)からの再結晶化、3’-ニトロフラボン(VI)(mp.205.2-205.7℃)(65%収率)。
ステップ4:
濃縮硫酸(14ml)中の(C)の混合物(5mmol)に対して、室温にて、硝酸(d=1.40、1.6ml)を攪拌しながら添加した。3時間反応を継続させた後、混合物を氷(100g)上に注いだ。沈降生成物を濾過し、水洗し、乾燥させた。アセトン添加(5)からの再結晶化、6,3’-ジニトロフラボン(II)(mp.290-292℃、収率90%;NMRデータを本願明細書の第20ページに示す)。
3’-ニトロフラボン(VI):1H-NMR(200Mhz, CDCl3):δ8.83(t, J=1.8Hz, H-2’), 8.56(d, J=8.1Hz, H-4’), 8.42(dd, J=2.0Hz, 8.1Hz, H-5), 8.07(d, J=8.0Hz, H-6’), 7.88(m, H-7, H-8), 7.53(m, H-6), 7.28(s, H-3)。
(2) 6-ブロモ-3’-ニトロフラボン(IV)
ステップ1、2および3、同一条件、(スキームII)であるが、化合物6(Aldrich)および(B)を開始材料とした。
Figure 0004745468
[NMRデータを本願明細書の第39ページに示す。]
(3) 6-ブロモ-2’-ニトロフラボン(III)
ステップ1、2および3、同一条件、(スキームII)であるが、化合物6および7(Aldrich)を開始材料とした。
Figure 0004745468
[NMRデータを本願明細書の第40ページに示す。]
(4) 6-ブロモ-4’-ニトロフラボン(V)
ステップ1、2および3、同一条件、(スキームII)であるが、化合物6および8(Aldrich)を開始材料とした。
Figure 0004745468
[NMRデータを本願明細書の第40ページに示す。]
(5) 4’-ニトロフラボン(VII)
ステップ1、2および3、同一条件、(スキームII)であるが、化合物2および8(Aldrich)を開始材料とした。
4’-ニトロフラボン(VII):1H-NMR(300Mhz, CDCl3):δ8.40(d, J=8.80Hz, H-2’, H-6’), 8.25(dd, J=1.60Hz, 8.0Hz, H-5), 8.12(d, J=8.80Hz, H-3’, H-5’), 7.77(td, J=2.0Hz, 7.20Hz, H-7), 7.62(dd, J=1.60Hz, 8.60Hz, H-8), 7.47(td, J=1.0Hz, 8.0Hz, H-6), 6.92(s, H-3)
(6) 6-クロロ-3’-ニトロフラボン(VIII)
ステップ1、2および3、同一条件、(スキームII)であるが、化合物1および9(Aldrich)を開始材料とした。
Figure 0004745468
6-クロロ-3’-ニトロフラボン(VIII):1H-NMR(200Mhz, CDCl3):δ8.80(s, H-2’), 8.41(d, J=2.5Hz, H-5), 8.21(m, H-4’, H-6’), 7.75(t, J=8.2Mz, H-5’), 7.70(dd, J=8.7Hz, 2.4Hz, H-7), 7.60(d, J=9.0Hz, H-8), 6.90(s, H-3)
(7) 6-フルオロ-3’-ニトロフラボン(IX)
ステップ1、2および3、同一条件、(スキームII)であるが、化合物1および10(Aldrich)を開始材料とした。
Figure 0004745468
6-クロロ-3’-ニトロフラボン(IX):1H-NMR(200Mhz, CDCl3):δ8.82(t, J=2Hz, H-2’), 8.44(dt, J=2.1Hz, 8.2Hz, H-4’), 8.25(dt, J=2.2Hz, 8.3Hz, H-3’), 7.90(dd, J=3.2Hz, 8.3Hz, H-8), 7.80(t, J=8.1Hz, H-5’), 7.65(dd, J=3.3Hz, 8.2Hz, H-5), 7.52(m, H-7), 6.91(s, H-3)
(i)ラット膜(化合物IV)の中枢神経性ベンゾジアゼピン受容体(BDZ-Rs)への結合
Levi de Stein, M. et al., Mol. Brain Res. 1989, S. 9.に記載されているようにして、3H-FNZ(81.8Ci/mmol;NEN)(図11)の結合を実施した。簡単に言えば、各アッセイについて、0.2乃至0.4mgのタンパク質を含有している膜3枚を一組にした試料を、pH7.3の0.25mMトリス塩酸緩衝液を最終容量1mLにしたものに懸濁させた。0.6nM 3H-FNZを用いて、4℃で60分間保温した。結合飽和を検討するために、0.3から10nMの範囲で3H-FNZを用いた。3μMのFNZ存在下にて同時保温し、非特異的結合を求めたところ、典型的なものは全体の5〜15%であった。Whatman GF/Aガラスファイバフィルタを用いて真空下で濾過してアッセイを終了し、培養液で3回洗浄した。フィルタを乾燥させ、2,5-ジフェニルオキサゾル/キシレンをシンチレーション液として5mL添加した後に計数した。
(ii) ラット大脳皮質膜(化合物II、III、V、VI、VII、VIIIおよびIX)のBDZ-R’sへの結合
上記の(i)と同様にして3H-FNZ結合を実施した。
結果を以下の表5に示す。
Figure 0004745468
(iii) 高架式十字迷路
薬理試験では、育種系から得た体重28〜35gのオスのスイス(Swiss)マウスを動物として利用した。被験動物を、水および飼料に自由に到達できる状態で10個体ずつn群に分け、昼夜を12時間ずつにしたサイクルで維持した。高架式十字迷路は、25×5cmのオープンアーム2枚を同じ寸法のクローズドアームと交差させ、交差点からは全てのアームに到達できるように組んだ。クローズドアームは高さ35cmの側壁で周囲を囲ったものである。この迷路を部屋の床から50cm浮かせた。オープンアームに面した十字路の中心にマウスを置いた。オープンアームおよびクローズドアームでの通過数およびこれらのアームを通り抜けるまでの滞在時間を5分間計数した。オープンアームに対応するパラメータが選択的に大きくなることで抗不安作用があることが分かる。Pellow, S. J. et al., Neurosci. Meth. 1986, 14, 149; Lister R.G. Psychopharmacology 1987, 92 180)の方法に従って全探索活動(両アームでの通過数)についても求めた。
結果および考察
化合物6-ブロモフラボンの非特異的ニトロ化によって、3種類の主な生成物が得られた。化合物(III)および(V)は広範に洗浄したラットの大脳皮質膜に対する3H-FNZ結合を、それぞれKi値208±19nM(n=4)および220±1nM(n=2)(表5)で阻害したが、化合物(IV)は表6に示されるように数倍活性が高かった。3H-FNZ結合置換における化合物(IV)の作用強度は小脳および大脳皮質BDZ結合部位の一個体群において最も強かった(図11)。II型BDZ-Rが優勢な脳領域では、化合物(IV)の3H-FNZ結合置換に対する作用強度は、I型BDZ-Rsの均質な個体群を有する(Siegharth, W. Trends Pharmacol. Sci.(1992), 13 P. 446; Doble, A. and Martin I.L. Trends Pharmacol. Sci.(1992)13 P. 76)脳領域である小脳で認められた値の1/3〜1/4であった。さらに、脊髄では、化合物(IV)の親和性は、Ki値が1.2nMおよび15.5nMの異なる2種類の結合部位の個体群を認識できる大脳皮質で観察された最大値の1/10であった(表6および図11)。
Figure 0004745468
大脳皮質膜に対する3H-FNZ結合飽和曲線のスキャッチャード分析を行うと、化合物(IV)がBDZ-Rに対する競合リガンドであることが分かる(データ示さず)。
一方、小脳および大脳皮質では、化合物(IV)が3H-ゾルピデムを同様の作用強度(それぞれ3±1nMおよび3.8±1nM、n=3)で置換する。ゾルピデムはI型BDZ-Rsに対する選択性を有するイミダゾピリジンである(上記Arbilla S. et al)。
化合物(IV)は、それぞれGABAA、AMPA-グルタミン酸、コリン作動性-ムスカリンおよびセロトニン1A受容体に対する3H-ムシモール、3H-AMPA、3H-QNBおよび3H-8-OH-DPAT結合を(10μMにて)置換しないため、選択的BDZ-Rリガンドであるように思われる。
マウスにおいて予備薬理実験を行うことで、化合物(IV)を0.1mg/kgで腹腔内注射すると高架式十字迷路での抗不安特性が得られ、オープンアーム通過比率が高まると同時にこれらのアームでの滞在時間も長くなる(図12)。
結論として、本願発明者らは、I型BDZ-Rの領域分布から判断して、化合物(IV)が大脳皮質における結合部位の2つの個体群を認識し、ラットの脳の様々な領域での3H-FNZ結合阻害に対して異なる作用強度を呈する作動薬特性を有する極めて高親和性のBDZ-Rリガンドであるとしている。
参考文献
Figure 0004745468
Figure 0004745468
Figure 0004745468
Figure 0004745468
Figure 0004745468
Figure 0004745468

Claims (15)

  1. 不安治療剤製造のための一般式(Ia)で表されるフラボノイド化合物の使用。
    Figure 0004745468
    (式中、R9は、Br、ClまたはFから選択される。)
  2. 前記一般式(Ia)で表されるフラボノイド化合物が下記の式(III)で表わされる化合物である請求項1に記載の使用。
    Figure 0004745468
  3. 前記一般式(Ia)で表されるフラボノイド化合物が下記の式(IV)で表わされる化合物である請求項1に記載の使用。
    Figure 0004745468
  4. 前記一般式(Ia)で表されるフラボノイド化合物が下記の式(V)で表わされる化合物である請求項1に記載の使用。
    Figure 0004745468
  5. 前記一般式(Ia)で表されるフラボノイド化合物が下記の式(IX)で表わされる化合物である請求項1に記載の使用。
    Figure 0004745468
  6. 不安治療剤製造のための一般式(VI)で表されるフラボノイド化合物の使用。
    Figure 0004745468
  7. 不安治療剤製造のための一般式(VII)で表されるフラボノイド化合物の使用。
    Figure 0004745468
  8. 一般式(Ia)で表されるフラボノイド化合物の有効量と、薬学的に許容される担体を含有する不安治療用製剤。
    Figure 0004745468
    (式中、R9は、Br、ClまたはFから選択される。)
  9. 前記一般式(Ia)で表されるフラボノイド化合物が下記の式(III)で表わされる化合物である請求項8記載の不安治療用製剤。
    Figure 0004745468
  10. 前記一般式(Ia)で表されるフラボノイド化合物が下記の式(IV)で表わされる化合物である請求項8記載の不安治療用製剤。
    Figure 0004745468
  11. 前記一般式(Ia)で表されるフラボノイド化合物が下記の式(V)で表わされる化合物である請求項8記載の不安治療用製剤。
    Figure 0004745468
  12. 前記一般式(Ia)で表されるフラボノイド化合物が下記の式(IX)で表わされる化合物である請求項8記載の不安治療用製剤。
    Figure 0004745468
  13. 一般式(VI)で表されるフラボノイド化合物の有効量と、薬学的に許容される担体を含有する不安治療用製剤。
    Figure 0004745468
  14. 一般式(VII)で表されるフラボノイド化合物の有効量と、薬学的に許容される担体を含有する不安治療用製剤。
    Figure 0004745468
  15. 一般式(Ia)で表されるフラボノイド化合物。
    Figure 0004745468
    (式中、R9は、BrまたはFから選択される。)
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