JP4744233B2 - 乗り物装置 - Google Patents

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Description

本発明は、乗り物装置に係り、特に、遊園地、博覧会、各種展示会場に設置される観覧用としての乗り物装置に関する。
遊園地等での遊戯用乗り物や、農園等での作業用車両等、人員(乗客)を乗せてレール上を走行する車両には、走行中の安全を確保するために前方の障害物又は別の車両を検知して停止させる非常停止装置を備えたものがある。そして、従来の非常停止装置には、障害物等との接触を検知するリミットスイッチを用いたものが一般的に知られている(特許文献1参照)。
また、車両を(プラットホーム等の)所定の位置で停止させるために、レール上に設置したリミットスイッチが車両の通過を検出後、停止信号を出力して停止させるように構成されたものもある。
実開平6−10072号公報
しかし、リミットスイッチでは車両の走行距離を把握できず、所定の停止位置に正確に停止することが困難であった。さらに、レール上を複数の車両が走行する場合、リミットスイッチは前後の車両と接触してブレーキが作動するので安全性に問題があり、前後の車両間隔の狭い過密走行するには不向きであった。また、検知対象物との接触にて信号(指令)を発するリミットスイッチは、故障し易いという欠点もあった。
そこで、本発明は、軌道上を走行する車両(列車)の走行距離を正確に把握でき、安全かつ円滑に走行することができる乗り物装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る乗り物装置は、不等間隔をもって複数停止位置が設定されるエンドレス軌道を備え、かつ、駆動モーターとブレーキとを有する複数の車両を一列に連結した車両群から成る列車を上記エンドレス軌道上に複数配設して循環走行させるようにし、かつ、全ての上記列車を制御する中央コンピュータを具備し、上記列車を構成する上記車両のうち一の車両は、上記エンドレス軌道のガイドレールに接触して転動する回転体と、該回転体の回転角度を検出するエンコーダとを有し、かつ、該エンコーダは上記列車が上記エンドレス軌道上の所定の停止位置で停止する度に検出した回転角度データをリセットするように設定され、上記エンコーダから回転角度データを受信し一つ後方の停止位置からの走行距離を上記中央コンピュータにて演算するように構成し、さらに、上記エンドレス軌道上の各停止位置の後方に減速開始マーカを配設し、上記列車は、該減速開始マーカを検知する第1検知センサーと、上記減速開始マーカを検知した第1検知センサーの信号を受けて列車を減速させる減速手段とを有し、さらに、上記列車の減速信号を上記中央コンピュータに入力可能に設定され、上記走行距離が一つ後方の停止位置と次の減速開始マーカとの間の距離を越えたときに上記列車が減速していないことを上記中央コンピュータにて検知した場合に、該中央コンピュータからの指令で自動的に上記減速手段を操作して減速させるように構成されている。
また、本発明は、不等間隔をもって複数停止位置が設定されるエンドレス軌道を備え、かつ、駆動モーターとブレーキとを有する複数の車両を一列に連結した車両群から成る列車を上記エンドレス軌道上に複数配設して循環走行させるようにし、かつ、全ての上記列車を制御する中央コンピュータを具備し、上記列車を構成する上記車両のうち一の車両は、上記エンドレス軌道のガイドレールに接触して転動する回転体と、該回転体の回転角度を検出するエンコーダとを有し、かつ、該エンコーダは上記列車が上記エンドレス軌道上の所定の停止位置で停止する度に検出した回転角度データをリセットするように設定され、上記エンコーダから回転角度データを受信し一つ後方の停止位置からの走行距離を上記中央コンピュータにて演算するように構成し、さらに、上記エンドレス軌道上に上記ブレーキを作動させ上記列車を各停止位置に停止させるためのブレーキ作動マーカを配設し、上記列車は該ブレーキ作動マーカを検知する第2検知センサーを有し、さらに、上記ブレーキの作動信号を上記中央コンピュータに入力可能に設定され、上記走行距離が一つ後方の停止位置と次のブレーキ作動マーカとの間の距離を越えたときに上記ブレーキが作動していないことを上記中央コンピュータにて検知した場合に、該中央コンピュータからの指令で自動的に上記ブレーキを作動させるように構成されている。
また、本発明は、不等間隔をもって複数停止位置が設定されるエンドレス軌道を備え、かつ、駆動モーターとブレーキとを有する複数の車両を一列に連結した車両群から成る列車を上記エンドレス軌道上に複数配設して循環走行させるようにし、かつ、全ての上記列車を制御する中央コンピュータを具備し、上記列車を構成する上記車両のうち一の車両は、上記エンドレス軌道のガイドレールに接触して転動する回転体と、該回転体の回転角度を検出するエンコーダとを有し、かつ、該エンコーダは上記列車が上記エンドレス軌道上の所定の停止位置で停止する度に検出した回転角度データをリセットするように設定され、上記エンコーダから回転角度データを受信し一つ後方の停止位置からの走行距離を上記中央コンピュータにて演算するように構成し、さらに、上記エンドレス軌道上の各停止位置の後方に減速開始マーカを配設し、上記列車は、該減速開始マーカを検知する第1検知センサーと、上記減速開始マーカを検知した第1検知センサーの信号を受けて列車を減速させる減速手段とを有し、さらに、上記列車の減速信号を上記中央コンピュータに入力可能に設定され、上記走行距離が一つ後方の停止位置と次の減速開始マーカとの間の距離を越えたときに上記列車が減速していないことを上記中央コンピュータにて検知した場合に、該中央コンピュータからの指令で自動的に上記減速手段を操作して減速させるように構成され、しかも、上記エンドレス軌道上に上記ブレーキを作動させ上記列車を各停止位置に停止させるためのブレーキ作動マーカを配設し、上記列車は該ブレーキ作動マーカを検知する第2検知センサーを有し、さらに、上記ブレーキの作動信号を上記中央コンピュータに入力可能に設定され、上記走行距離が一つ後方の停止位置と次のブレーキ作動マーカとの間の距離を越えたときに上記ブレーキが作動していないことを上記中央コンピュータにて検知した場合に、該中央コンピュータからの指令で自動的に上記ブレーキを作動させるように構成されている。
また、上記中央コンピュータは上記エンコーダから回転角度データを受信し一つ前方を走行する列車との間の車間距離を演算するように設定され、その車間距離が所定設定値以下になると上記中央コンピュータからの指令で自動的に上記全ての列車を停止させるように構成されている。
また、上記回転体は硬質ウレタン製である。
また、上記列車の先頭の車両の前端部に障害物検出センサーを有し、該障害物検出センサーの検出範囲が上記先頭の車両の前方の上記エンドレス軌道の形状に応じて上記中央コンピュータからの指令で自動的に調整可能となっている。
本発明は、次のような著大な効果を奏する。
本発明に係る乗り物装置によれば、列車の走行距離を正確に測定(把握)することができ、走行距離を基準に列車の加速・減速・停止の制御が可能となるので、安全かつ円滑に走行させることができる。
また、走行距離を基準に車両やその他の装置を正確なタイミングで制御できるので、特に、遊園地や博覧会等に使用される観覧用の乗り物装置として好適である。
さらに、エンコーダが列車が所定の停止位置で停止する度に検出した回転角度データをリセットするように設定されているので、回転角度データの微小な検出誤差が累積加算されることがなく、正確な走行距離を測定することができる。
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1の全体の概略平面図に示すように、エンドレス軌道1が左右に湾曲しながら閉ループ状に敷設され、そのエンドレス軌道1の内側には、情景や展示物、或いは、造形物、映像等による演出等の異なる複数の場面Sを配設している。また、エンドレス軌道1上には、乗客を乗せる複数の車両2を一列に連結した車両群から成る列車20が複数配設されている。
そして、エンドレス軌道1には、複数の停止位置Pが不等間隔をもって設定され、列車20はエンドレス軌道1上を循環走行しながら各停止位置Pに順に停車するようになっている。なお、各停止位置Pには列車20の先頭車両2aの前端が一致するように停止するものとする。
図1に於て、Bはオペレーションルーム、Dはメンテナンスルーム、Eは乗車プラットホーム、Fは降車プラットホームである。また、軌道1には、複数の扉12が設けられている。オペレーションルームBには、全ての列車20を制御する中央コンピュータCが設置され、中央コンピュータCは列車20の走行や扉12の開閉等を制御するものである。中央コンピュータCには、列車20の走行を制御するための各停止位置Pの間の列車20の走行速度情報等が入力されている。
なお、図1では、エンドレス軌道1上には、5つの異なる場面S1 〜S5 が設けられ、車両2を4台連結した列車20が8つ配設されている。
図2と図3は、それぞれ1つの列車20の平面図と側面図であり、各車両2には、二人掛けの座席15が前後に2個付設され、全ての座席15は乗客が座った場合に場面S側に向くように配置されている。言い換えれば、座席15に座った乗客は、矢印で示す進行方向に対し常に右側を向くようになっている。
エンドレス軌道1は、左右一対の走行レール17,17と、走行レール17,17の間に配設されたガイドレール3とを有し(図5参照)、各車両2の下部には走行レール17上を転動自在の走行車輪16が4個ずつ付設されている。
図12の構成説明図に於て、列車20を構成する各車両2は、エンドレス軌道1のガイドレール3に接触して転動する駆動車輪13と、減速機14を介して駆動車輪13を回転駆動する駆動モーター5と、駆動モーター5の回転速度を減速させ停止させるブレーキ7とを有している。さらに、この列車20を構成する4台の車両2のうち1台の車両2aは、ガイドレール3に接触して転動する回転体4と、回転体4の回転角度を検出するエンコーダ6とを有している。なお、この回転体4及びエンコーダ6を付設された車両2aは先頭の車両である。
エンコーダ6で検出する回転角度データは、中央コンピュータCへ送信されるようになっており、かつ、エンコーダ6は、列車20がエンドレス軌道1上の所定の停止位置Pに停止する度に検出した回転角度データをリセットするように設定されている。そして、中央コンピュータCは、エンコーダ6から受信した回転角度データに基づいて一つ後方の停止位置Pからの走行距離を演算するように設定されている。
図5と図7に示すように、先頭車両2aの後部には駆動車輪13と回転体4とがガイドレール3を挟圧するように取り付けられ、回転体4の下方の回転軸24にはエンコーダ6が一体状に付設されている。この回転体4は硬質ウレタンにて形成されている。
図5と図6は、列車20が停止位置Pに停止している状態を示す簡略平面図と簡略側面図であり、各図に於ける矢印は、列車20の進行方向(前方)を示す。
図5に示すように、エンドレス軌道1の停止位置Pの後方には、ブレーキ作動マーカQが配設され、ブレーキ作動マーカQより後方には、減速開始マーカRが配設されている。これらブレーキ作動マーカQと減速開始マーカRは、ガイドレール3と内側(進行方向に対し左側)の走行レール17との間に設置されるマーカレール25上に付設されている。
また、列車20の先頭車両2aには、減速開始マーカRを検知する第1検知センサー9と、ブレーキ作動マーカQを検知する第2検知センサー10とを具備し、この実施例では、第1検知センサー9と第2検知センサー10は、先頭車両2aの下面から下方突出状に付設された1個の検知器26を共用している(図6参照)。
図8〜図10に於て、減速開始マーカRとブレーキ作動マーカQは、それぞれマーカレール25に取り付けられた遮光板(ドグ)であり、検知器26は正面視倒立U字型に形成された光電式のセンサーである。そして、検知器26は、減速開始マーカRとブレーキ作動マーカQとが(倒立U字型の)検知器26の間を相対的に通過するように配置されている。
なお、図10に於て、31はガイドレール3に接触して転動自在に設けられたガイド車輪である。
各車両2は、検知器26(第1検知センサー9)で減速開始マーカRを検知したときに、車両2を減速させる減速手段11を備えており(図12参照)、また、検知器26(第2検知センサー10)でブレーキ作動マーカQを検知したときにブレーキ7が作動するように設定されている。なお、この場合、減速手段11はブレーキ7であり、つまり、駆動モーター5の回転速度をブレーキ7にて減速させるようになっている。
また、列車20が減速開始マーカRを通過したときに発せられる減速信号と、ブレーキ作動マーカQを通過したときに発せられるブレーキ7の作動信号とは、中央コンピュータCに入力するように設定されている。
さらに、一つ後方の停止位置Pと次の減速開始マーカRとの間の距離を(僅かに)越えた減速予定走行距離と、一つ後方の停止位置Pと次のブレーキ作動マーカQとの間の距離を(僅かに)越えたブレーキ作動予定走行距離と、が各停止位置Pごとに設定されており、これら減速予定走行距離データとブレーキ作動予定走行距離データは予め中央コンピュータCに入力されている。
そして、列車20が減速予定走行距離を走行したときに減速していない(上記減速信号が入力されていない)ことを中央コンピュータCが検知した場合は、中央コンピュータCからの指令で自動的にブレーキ7(減速手段11)を操作して減速させるように設定されている。また、列車20がブレーキ作動予定走行距離を走行したときにブレーキ7が作動していない(上記作動信号を入力されていない)ことを中央コンピュータCが検知した場合は、中央コンピュータCからの指令で自動的にブレーキ7を作動させるように設定されている。
また、中央コンピュータCは、エンコーダ6から回転角度データを受信し一つ前方を走行する列車20との間の車間距離を演算するように設定されている。そして、中央コンピュータCには、予め、前後の列車20との車間距離の所定設定値が入力されており、その車間距離が所定設定値以下になると中央コンピュータCからの指令で自動的に全ての列車20を停止させるように構成されている。
図12に於て、車両2は自分又は自分以外の車両2も含めて動作を制御する制御部21を有し、制御部21は、車両2の走行を制御したり、乗客に臨場感を与えるために座席15を昇降させたりする等の動作の指令を出すものである。
先頭車両2aが備えるエンコーダ6は軸の回転変位数に応じてパルス列を出力するタイプのものであり、先頭車両2aの制御部21は、エンコーダ6からの出力パルス数を数えるカウンタ22を有している。
また、連結された4台の車両2のうち2台(先頭から2両目と3両目の車両2)の制御部21には、インバータ23を備え、この2個のインバータ23にて4台の車両2の駆動モーター5(ブレーキ7)を制御するように構成されている。つまり、各車両2に1個ずつ搭載されている駆動モーター5を同時に制動させ、走行速度差を極力なくすために、2個の駆動モーター5を1個のインバータ23で制御するようにしている。
この制御部21と中央コンピュータCは、ガイドレール3及び走行レール17の側面に設けられたトロリー線18と(図4参照)、列車20に設けられると共にトロリー線18に接触する集電子19とを介して、電気的に接続され互いに情報を送受信可能となっている。
また、先頭車両2aは、それぞれの列車20ごとの個別の列車番号情報を入力した送信器(IDタグ)27を備え、軌道1には、その送信器27から送信される列車番号情報を受信する受信器28が配設されている。具体的には、送信器27は先頭車両2aの下面に付設され、受信器28は、先頭車両2aが停止位置Pで停止した状態で送信器27の下方のマーカレール25に付設されている(図6、図8参照)。
また、受信器28は中央コンピュータCと電気的に接続されている。
また、先頭車両2aの前端部に障害物検出センサー8が付設されている。図11に示すように、先頭車両2aの前方に設定された障害物検出センサー8の検出範囲Aは、さらに、前後に減速指示エリア29と停止指示エリア30とに分けられている。列車20が走行中に、前方の減速指示エリア29で障害物を検出した場合は、列車20を一定速度に減速するようにし、後方の停止指示エリア30で障害物を検出した場合は、列車を停止するように設定されている。
また、障害物検出センサー8の検出範囲Aは、先頭車両2aの前方の軌道1の形状に応じて中央コンピュータCからの指令で自動的に調整可能となっている。
具体的に説明すると、図11の(イ)に示すのは、障害物検出センサー8で検出する軌道1が直線状となっている場合の検出範囲A1 の平面図であり、検出範囲A1 は矩形に設定されている。なお、この直線状の軌道1に於ける検出範囲A1 が、最大の検出範囲となっている。また、図11の(ロ)に示すのは、障害物検出センサー8で検出する軌道1が曲線状となっている場合の検出範囲A2 の平面図であり、検出範囲A2 は軌道1の形状に沿うように、右端縁が曲線に設定されている。図11の(ハ)に示すのは、先頭車両2aが扉12の前で停止している場合の検出範囲A3 の平面図であり、この場合扉12は閉状態となっている。つまり、先頭車両2aがなるべく扉12に接近して停止できるように、検出範囲A3 は最大の検出範囲A1 に比べて前後方向に収縮されている。なお、この検出範囲A3 には、減速指示エリア29は設定されておらず、停止指示エリア30のみ設定されている。
即ち、中央コンピュータCには、列車20の走行位置に於ける軌道1の形状データが予め入力されており、中央コンピュータCは、演算する列車20の走行距離と、軌道1の形状データに基づいて、検出範囲Aの形状を調整可能に構成されている。
なお、図11に於て、列車20の2両目〜3両目の車両2は省略し、先頭車両2aのみを図示している。
また、本発明の乗り物装置は設計変更自由であり、場面Sは軌道1の左右両側に配設してもよく、その場合、座席15を各場面Sの方向に対応して向きを変更できるように回転可能となっていてもよい。
上述した本発明の乗り物装置の使用方法(作用)について、図12の構成説明図と図13に示すフローチャート図に基づいて説明する。
各列車20は所定の停止位置Pに停止した状態にある(図1参照)。初めに、乗車・降車・列車20のメンテナンス作業が完了したか否かを中央コンピュータCのモニターにて、オペレーターが確認する。次に、予め設定された規定停止時間を経過後、中央コンピュータCのモニターにて、軌道1上の全扉12が開放状態にあるか確認する。そして、オペレーターの指示で全列車20同時に次の停止位置Pに向かって発進させる。
列車20の走行と同時に、エンコーダ6及びカウンタ22で回転体4の回転角度の測定を開始する。測定された回転角度データは制御部21から中央コンピュータCへ送信され、中央コンピュータCでは回転角度データに基づいて列車20の走行距離が演算され続けている。
そして、列車20の先頭車両2aの検知器26が、減速開始マーカRの通過を検知した場合、その検知信号はインバータ23,23送信され、インバータ23,23はブレーキ7(駆動モーター5)を操作して各車両2(1両目〜4両目)を所定の速度に減速させる。
また、何らかの不具合で検知器26が減速開始マーカRの通過を検知しなかった場合、即ち、列車20が減速予定走行距離(一つ後方の停止位置Pと次の減速開始マーカRとの間の距離を僅かに越えた距離)を走行したときに列車20が減速していないことを中央コンピュータCが検知した場合は、中央コンピュータCからの指令で自動的にブレーキ7(減速手段11)を操作して減速させる。
そして、列車20の先頭車両2aの検知器26が、ブレーキ作動マーカQの通過を検知した場合、その検知信号はインバータ23,23送信され、インバータ23,23はブレーキ7(駆動モーター5)を操作して各車両2(1両目〜4両目)を停止させる。
また、何らかの不具合で検知器26がブレーキ作動マーカQの通過を検知しなかった場合、即ち、列車20がブレーキ作動予定走行距離(一つ後方の停止位置Pと次のブレーキ作動マーカQとの間の距離を僅かに越えた距離)を走行したときにブレーキ7が作動していないことを中央コンピュータCが検知した場合は、中央コンピュータCからの指令で自動的にブレーキ7を作動させ、列車20を所定の停止位置Pに停止させる。この所定の停止位置Pに停止後、エンコーダ6の検出した回転角度データはリセットされる。
また、図14に示すのは、列車20がある停止位置Pから次の停止位置Pまでの走行速度の変化を示したグラフ図であり、P1 は後方の停止位置(スタート位置)、P2 は前方の停止位置を示す。
まず、後方の停止位置P1 を出発してから列車20は加速し、その後予め設定された一定の速度で走行する。この所定の走行速度は、例えば、1.5m/sである。
また、Lは検知器26が減速開始マーカRの通過を検知した時点を示し、このときブレーキ7が作動して所定の速度まで減速される。Mは列車20が減速開始マーカRの位置を越えて減速予定走行距離を走行した時点を示し、このときに作動するブレーキ7による減速量は、上記時点Lでの減速量より大きく設定され、どちらの場合もNで示す時点(走行距離)に於て一定速度に減速されるようになっている。
さらに、Tは検知器26がブレーキ作動マーカQの通過を検知した時点を示し、時点Tにてブレーキ7が作動し列車20は停止位置P2 に停止する。Uは列車20がブレーキ作動マーカQの位置を越えてブレーキ作動予定走行距離を走行した時点を示し、このとき作動するブレーキ7による減速量は、上記時点Tでの減速量より大きく設定され、どちらの場合も停止位置P2 に於て停止するようになっている。
また、停止位置Pに停止した列車20は、送信器(IDタグ)27から列車番号情報(ID信号)を受信器28を介して中央コンピュータCへ送信される。そして、中央コンピュータCはその列車番号情報に基づいて、座席15の昇降の指示や、次の停止位置Pへ向かうときの走行速度情報等を車両2へ送信する。
なお、さらに次の停止位置Pまで走行する場合は、上記説明と同様にして走行する。
また、列車20が走行中、中央コンピュータCは、エンコーダ6から回転角度データを受信し一つ前方を走行する列車20との間の車間距離を演算しており、その車間距離が予め与えられている所定設定値以下になった(前車との距離が狭い)ことを中央コンピュータCが検知した場合は、中央コンピュータCからの指令で自動的に全ての列車20を(緊急)停止させる。
以上のように、本発明の乗り物装置は、不等間隔をもって複数停止位置Pが設定されるエンドレス軌道1を備え、かつ、駆動モーター5とブレーキ7とを有する複数の車両2を一列に連結した車両群から成る列車20をエンドレス軌道1上に複数配設して循環走行させるようにし、かつ、全ての列車20を制御する中央コンピュータCを具備し、列車20を構成する車両2のうち一の車両2aは、エンドレス軌道1のガイドレール3に接触して転動する回転体4と、回転体4の回転角度を検出するエンコーダ6とを有し、かつ、エンコーダ6は列車20がエンドレス軌道1上の所定の停止位置Pで停止する度に検出した回転角度データをリセットするように設定され、エンコーダ6から回転角度データを受信し一つ後方の停止位置Pからの走行距離を中央コンピュータCにて演算するように構成したので、列車20の走行距離を正確に測定(把握)することができ、走行距離を基準に列車20の加速・減速・停止の制御が可能となるので、安全かつ円滑に走行させることができる。
また、走行距離を基準に車両2やその他の装置を正確なタイミングで制御できるので、特に、遊園地や博覧会等に使用される観覧用の乗り物装置として好適である。
さらに、エンコーダ6が列車20が所定の停止位置Pで停止する度に検出した回転角度データをリセットするように設定されているので、回転角度データの微小な検出誤差が累積加算されることがなく、正確な走行距離を測定することができる。
そして、エンドレス軌道1上の各停止位置Pの後方に減速開始マーカRを配設し、列車20は、減速開始マーカRを検知する第1検知センサー9と、減速開始マーカRを検知した第1検知センサー9の信号を受けて列車20を減速させる減速手段11とを有し、さらに、列車20の減速信号を中央コンピュータCに入力可能に設定され、走行距離が一つ後方の停止位置Pと次の減速開始マーカRとの間の距離を越えたときに列車20が減速していないことを中央コンピュータCにて検知した場合に、中央コンピュータCからの指令で自動的に減速手段11を操作して減速させるように構成されているので、故障等で第1検知センサー9が減速開始マーカRを検知せず減速しなかった場合であっても、エンコーダ6・中央コンピュータC等による列車20の位置検出手段にて所定位置で正確かつ確実に減速することができ、安全性が向上する。
そして、エンドレス軌道1上にブレーキ7を作動させ列車20を各停止位置Pに停止させるためのブレーキ作動マーカQを配設し、列車20はブレーキ作動マーカQを検知する第2検知センサー10を有し、さらに、ブレーキ7の作動信号を中央コンピュータCに入力可能に設定され、走行距離が一つ後方の停止位置Pと次のブレーキ作動マーカQとの間の距離を越えたときにブレーキ7が作動していないことを中央コンピュータCにて検知した場合に、中央コンピュータCからの指令で自動的にブレーキ7を作動させるように構成されているので、故障等で第2検知センサー10がブレーキ作動マーカQを検知せずブレーキ7が作動しなかった場合であっても、エンコーダ6・中央コンピュータC等による列車20の位置検出手段にて所定位置で正確かつ確実にブレーキ7を作動させて停止させることができ、安全性が向上する。
また、中央コンピュータCはエンコーダ6から回転角度データを受信し一つ前方を走行する列車20との間の車間距離を演算するように設定され、その車間距離が所定設定値以下になると中央コンピュータCからの指令で自動的に全ての列車20を停止させるように構成されているので、列車20の前後の車間距離を正確に測定(把握)することができ、安全に走行させることができる。また、特に、前後の車間距離の狭い過密走行させる場合でも、円滑かつ安全に走行させることができる。
また、回転体4は硬質ウレタン製であるので、ガイドレール3に圧接する回転体4が変形したり(撓んだり)、ガイドレール3に対してスリップしたりすることがなく、さらに、耐摩擦性に優れるので、正確な回転体4の回転角度を検出することができる。このことにより、一層正確な列車20の走行距離を測定することができる。
また、列車20の先頭の車両2の前端部に障害物検出センサー8を有し、障害物検出センサー8の検出範囲Aが先頭の車両2の前方のエンドレス軌道1の形状に応じて中央コンピュータCからの指令で自動的に調整可能となっているので、障害物検出センサー8の検出範囲Aを必要な範囲に設定でき、的確に障害物を検知することができる。言い換えれば、車両2の前方の軌道1以外の場所にある障害物等に対して障害物検出センサー8が反応することがないので、障害物検出センサー8が走行の妨げとならず、円滑に走行することができる。
本発明の全体の概略平面図である。 列車の平面図である。 列車の側面図である。 車両の側面図である。 説明用の簡略平面図である。 要部側面図である。 要部正面図である。 要部拡大側面図である。 要部拡大側面図である。 要部正面図である。 説明用の全体平面図である。 構成説明図である。 フローチャート図である。 走行速度の変化を示したグラフ図である。
1 エンドレス軌道
2 車両
2a 一の車両
3 ガイドレール
4 回転体
5 駆動モーター
6 エンコーダ
7 ブレーキ
8 障害物検出センサー
9 第1検知センサー
10 第2検知センサー
11 減速手段
20 列車
A 検出範囲
C 中央コンピュータ
P 停止位置
Q ブレーキ作動マーカ
R 減速開始マーカ

Claims (6)

  1. 不等間隔をもって複数停止位置(P)が設定されるエンドレス軌道(1)を備え、かつ、駆動モーター(5)とブレーキ(7)とを有する複数の車両(2)を一列に連結した車両群から成る列車(20)を上記エンドレス軌道(1)上に複数配設して循環走行させるようにし、かつ、全ての上記列車(20)を制御する中央コンピュータ(C)を具備し、
    上記列車(20)を構成する上記車両(2)のうち一の車両(2a)は、上記エンドレス軌道(1)のガイドレール(3)に接触して転動する回転体(4)と、該回転体(4)の回転角度を検出するエンコーダ(6)とを有し、かつ、該エンコーダ(6)は上記列車(20)が上記エンドレス軌道(1)上の所定の停止位置(P)で停止する度に検出した回転角度データをリセットするように設定され、上記エンコーダ(6)から回転角度データを受信し一つ後方の停止位置(P)からの走行距離を上記中央コンピュータ(C)にて演算するように構成し、さらに、上記エンドレス軌道(1)上の各停止位置(P)の後方に減速開始マーカ(R)を配設し、上記列車(20)は、該減速開始マーカ(R)を検知する第1検知センサー(9)と、上記減速開始マーカ(R)を検知した第1検知センサー(9)の信号を受けて列車(20)を減速させる減速手段(11)とを有し、さらに、上記列車(20)の減速信号を上記中央コンピュータ(C)に入力可能に設定され、上記走行距離が一つ後方の停止位置(P)と次の減速開始マーカ(R)との間の距離を越えたときに上記列車(20)が減速していないことを上記中央コンピュータ(C)にて検知した場合に、該中央コンピュータ(C)からの指令で自動的に上記減速手段(11)を操作して減速させるように構成されていることを特徴とする乗り物装置。
  2. 不等間隔をもって複数停止位置(P)が設定されるエンドレス軌道(1)を備え、かつ、駆動モーター(5)とブレーキ(7)とを有する複数の車両(2)を一列に連結した車両群から成る列車(20)を上記エンドレス軌道(1)上に複数配設して循環走行させるようにし、かつ、全ての上記列車(20)を制御する中央コンピュータ(C)を具備し、
    上記列車(20)を構成する上記車両(2)のうち一の車両(2a)は、上記エンドレス軌道(1)のガイドレール(3)に接触して転動する回転体(4)と、該回転体(4)の回転角度を検出するエンコーダ(6)とを有し、かつ、該エンコーダ(6)は上記列車(20)が上記エンドレス軌道(1)上の所定の停止位置(P)で停止する度に検出した回転角度データをリセットするように設定され、上記エンコーダ(6)から回転角度データを受信し一つ後方の停止位置(P)からの走行距離を上記中央コンピュータ(C)にて演算するように構成し、さらに、上記エンドレス軌道(1)上に上記ブレーキ(7)を作動させ上記列車(20)を各停止位置(P)に停止させるためのブレーキ作動マーカ(Q)を配設し、上記列車(20)は該ブレーキ作動マーカ(Q)を検知する第2検知センサー(10)を有し、さらに、上記ブレーキ(7)の作動信号を上記中央コンピュータ(C)に入力可能に設定され、上記走行距離が一つ後方の停止位置(P)と次のブレーキ作動マーカ(Q)との間の距離を越えたときに上記ブレーキ(7)が作動していないことを上記中央コンピュータ(C)にて検知した場合に、該中央コンピュータ(C)からの指令で自動的に上記ブレーキ(7)を作動させるように構成されていることを特徴とする乗り物装置。
  3. 不等間隔をもって複数停止位置(P)が設定されるエンドレス軌道(1)を備え、かつ、駆動モーター(5)とブレーキ(7)とを有する複数の車両(2)を一列に連結した車両群から成る列車(20)を上記エンドレス軌道(1)上に複数配設して循環走行させるようにし、かつ、全ての上記列車(20)を制御する中央コンピュータ(C)を具備し、
    上記列車(20)を構成する上記車両(2)のうち一の車両(2a)は、上記エンドレス軌道(1)のガイドレール(3)に接触して転動する回転体(4)と、該回転体(4)の回転角度を検出するエンコーダ(6)とを有し、かつ、該エンコーダ(6)は上記列車(20)が上記エンドレス軌道(1)上の所定の停止位置(P)で停止する度に検出した回転角度データをリセットするように設定され、上記エンコーダ(6)から回転角度データを受信し一つ後方の停止位置(P)からの走行距離を上記中央コンピュータ(C)にて演算するように構成し、さらに、上記エンドレス軌道(1)上の各停止位置(P)の後方に減速開始マーカ(R)を配設し、上記列車(20)は、該減速開始マーカ(R)を検知する第1検知センサー(9)と、上記減速開始マーカ(R)を検知した第1検知センサー(9)の信号を受けて列車(20)を減速させる減速手段(11)とを有し、さらに、上記列車(20)の減速信号を上記中央コンピュータ(C)に入力可能に設定され、上記走行距離が一つ後方の停止位置(P)と次の減速開始マーカ(R)との間の距離を越えたときに上記列車(20)が減速していないことを上記中央コンピュータ(C)にて検知した場合に、該中央コンピュータ(C)からの指令で自動的に上記減速手段(11)を操作して減速させるように構成され、しかも、上記エンドレス軌道(1)上に上記ブレーキ(7)を作動させ上記列車(20)を各停止位置(P)に停止させるためのブレーキ作動マーカ(Q)を配設し、上記列車(20)は該ブレーキ作動マーカ(Q)を検知する第2検知センサー(10)を有し、さらに、上記ブレーキ(7)の作動信号を上記中央コンピュータ(C)に入力可能に設定され、上記走行距離が一つ後方の停止位置(P)と次のブレーキ作動マーカ(Q)との間の距離を越えたときに上記ブレーキ(7)が作動していないことを上記中央コンピュータ(C)にて検知した場合に、該中央コンピュータ(C)からの指令で自動的に上記ブレーキ(7)を作動させるように構成されていることを特徴とする乗り物装置。
  4. 上記中央コンピュータ(C)は上記エンコーダ(6)から回転角度データを受信し一つ前方を走行する列車(20)との間の車間距離を演算するように設定され、その車間距離が所定設定値以下になると上記中央コンピュータ(C)からの指令で自動的に上記全ての列車(20)を停止させるように構成されている請求項1,2又は3記載の乗り物装置。
  5. 上記回転体(4)は硬質ウレタン製である請求項1,2,3又は4記載の乗り物装置。
  6. 上記列車(20)の先頭の車両(2)の前端部に障害物検出センサー(8)を有し、該障害物検出センサー(8)の検出範囲(A)が上記先頭の車両(2)の前方の上記エンドレス軌道(1)の形状に応じて上記中央コンピュータ(C)からの指令で自動的に調整可能となっている請求項1,2,3,4又は5記載の乗り物装置。
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