JP4740951B2 - シアノ基及びラクトン骨格を含む多環式エステル - Google Patents

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Description

本発明は、塗料や機能性高分子の原料、医薬、農薬その他の精密化学品の原料などとして有用な新規なシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式エステル(6−オキサビシクロ[3.2.11,5]オクタン−7−オン誘導体及び3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン誘導体)とその製造法、該多環式エステルの合成原料として有用なシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式アルコール(4−ヒドロキシ−6−オキサビシクロ[3.2.11,5]オクタン−7−オン誘導体及び5−ヒドロキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン誘導体)とその製造法、及び前記シアノ基及びラクトン骨格を含む多環式エステルに対応するモノマー単位を含む新規な高分子化合物に関する。
5位に重合性不飽和基を有する3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン誘導体(=9位に重合性不飽和基を有する2−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−3−オン誘導体)や4位に重合性不飽和基を有する6−オキサビシクロ[3.2.11,5]オクタン−7−オン誘導体は、疎水性で嵩高く安定性の高い脂環式炭素環と、親水性で且つ加水分解性を示すラクトン環とを併有しているとともに、重合性不飽和基を有することから、その構造上の特異性を活かして塗料や機能性高分子の原料などとして用いられている。また、その簡易な製造法も提案されている(特許文献1、2等)。しかし、上記の化合物において、ラクトン環はアルカリによって加水分解されるものの、加水分解速度はさほど速くない。そのため、その用途によっては所望の機能が十分に発揮されなかったり、加水分解後の生成物の水に対する溶解性が低く、性能や操作性に劣るなどの問題があった。また、有機溶剤に対する溶解性も十分でなかった。
特開2002−193961号公報 特開2002−212174号公報
本発明の目的は、ポリマー等に誘導した場合に耐薬品性等の安定性を保持しつつ、有機溶剤に対する溶解性に優れ、加水分解性及び/又は加水分解後の水に対する溶解性を向上しうる、高機能性高分子等のモノマー成分等として有用な新規なシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式エステルとその効率のよい製造法を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記シアノ基及びラクトン骨格を含む多環式エステルの合成原料として有用な新規なシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式アルコールとその効率のよい製造法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、耐薬品性等の安定性が高く、有機溶剤に対する溶解性に優れ、しかも加水分解性及び/又は加水分解後の水に対する溶解性に優れる新規な高分子化合物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、ポリマー等に誘導した場合に、有機溶剤に対する溶解性に優れ、従来の3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン誘導体等よりもラクトン環の加水分解性が高く、また加水分解後の水に対する溶解性を向上できる新規なシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式エステルとその効率のよい製造法を見出すとともに、該シアノ基及びラクトン骨格を含む多環式エステルから新規な高機能性ポリマーが得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記式(1)
Figure 0004740951
(式中、Raは水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、R1は環に結合している置換基であって、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシル基部分が保護基で保護されていてもよく且つハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、塩を形成していてもよいカルボキシル基、又は置換オキシカルボニル基を示す。Aは非結合又はメチレン基を示す。mはR1の個数であって0〜8の整数を示す。nは環に結合しているシアノ基(CN)の個数であって1〜9の整数を示す。CH2=C(Ra)COO−基の立体的な位置はエンド、エキソの何れであってもよい。n個のシアノ基のうち、1個のシアノ基は、1位の位置に結合している
で表されるシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式エステルを提供する。
本発明は、また、下記式(2)
Figure 0004740951
(式中、R1は環に結合している置換基であって、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシル基部分が保護基で保護されていてもよく且つハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、塩を形成していてもよいカルボキシル基、又は置換オキシカルボニル基を示す。Aは非結合又はメチレン基を示す。mはR1の個数であって0〜8の整数を示す。nは環に結合しているシアノ基(CN)の個数であって1〜9の整数を示す。OHの立体的な位置はエンド、エキソの何れであってもよい。n個のシアノ基のうち、1個のシアノ基は、1位の位置に結合している
で表されるシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式アルコールと、下記式(3)
Figure 0004740951
(式中、Raは水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す)
で表される不飽和カルボン酸又はその反応性誘導体を反応させて、下記式(1)
Figure 0004740951
(式中、Ra、R1、A、m、nは前記に同じ。CH2=C(Ra)COO−基の立体的な位置は、エンド、エキソの何れであってもよい。n個のシアノ基のうち、1個のシアノ基は、1位の位置に結合している
で表される多環式エステルを得るシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式エステルの製造法を提供する。
本発明は、さらに、下記式(2)
Figure 0004740951
(式中、R1は環に結合している置換基であって、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシル基部分が保護基で保護されていてもよく且つハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、塩を形成していてもよいカルボキシル基、又は置換オキシカルボニル基を示す。Aは非結合又はメチレン基を示す。mはR1の個数であって0〜8の整数を示す。nは環に結合しているシアノ基(CN)の個数であって1〜9の整数を示す。OHの立体的な位置はエンド、エキソの何れであってもよい。n個のシアノ基のうち、1個のシアノ基は、1位の位置に結合している
で表されるシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式アルコールを提供する。
本発明は、さらにまた、下記式(4)
Figure 0004740951
(式中、Rbは有機基を示し、R1は環に結合している置換基であって、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシル基部分が保護基で保護されていてもよく且つハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、塩を形成していてもよいカルボキシル基、又は置換オキシカルボニル基を示す。Aは非結合又はメチレン基を示す。m′はR1の個数であって0〜8の整数を示す。n′は環に結合しているシアノ基(CN)の個数であって1〜9の整数を示す)
で表されるエポキシ化合物を環化反応に付して、下記式(2)
Figure 0004740951
(式中、R1は環に結合している置換基であって、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシル基部分が保護基で保護されていてもよく且つハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、塩を形成していてもよいカルボキシル基、又は置換オキシカルボニル基を示す。Aは非結合又はメチレン基を示す。mはR1の個数であって0〜8の整数を示す。nは環に結合しているシアノ基(CN)の個数であって1〜9の整数を示す。OHの立体的な位置はエンド、エキソの何れであってもよい。n個のシアノ基のうち、1個のシアノ基は、1位の位置に結合している
で表される多環式アルコールを得るシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式アルコールの製造法を提供する。
本発明は、また、下記式(I)
Figure 0004740951
(式中、Raは水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、R1は環に結合している置換基であって、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシル基部分が保護基で保護されていてもよく且つハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、塩を形成していてもよいカルボキシル基、又は置換オキシカルボニル基を示す。Aは非結合又はメチレン基を示す。mはR1の個数であって0〜8の整数を示す。nは環に結合しているシアノ基(CN)の個数であって1〜9の整数を示す。ポリマー鎖に結合している−COO−基の立体的な位置はエンド、エキソの何れであってもよい。n個のシアノ基のうち、1個のシアノ基は、1位の位置に結合している
で表されるモノマー単位を含む高分子化合物を提供する。
なお、6−オキサビシクロ[3.2.11,5]オクタン環における位置番号、及び3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン環における位置番号を下記に示す(前者が左、後者が右)。
Figure 0004740951
本発明によれば、ポリマー等に誘導した場合に耐薬品性等の安定性を保持しつつ、有機溶剤に対する溶解性に優れ、環の加水分解性及び/又は加水分解後の水に対する溶解性を向上しうる、高機能性高分子等のモノマー成分等として有用な新規なシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式エステルとその効率のよい製造法が提供される。また、前記シアノ基及びラクトン骨格を含む多環式エステルの合成原料として有用な新規なシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式アルコールとその効率のよい製造法が提供される。さらに、耐薬品性等の安定性が高く、有機溶剤に対する溶解性に優れ、加水分解性及び/又は加水分解後の水に対する溶解性に優れる新規な高分子化合物が提供される。
[シアノ基及びラクトン骨格を含む多環式エステル]
本発明のシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式エステル(6−オキサビシクロ[3.2.11,5]オクタン−7−オン誘導体及び3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン誘導体)は前記式(1)で表される。式(1)中、Rは水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、Rは環[6−オキサビシクロ[3.2.11,5]オクタン環(Aが非結合の場合)又は3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン環(Aがメチレン基の場合)]に結合している置換基であって、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシル基部分が保護基で保護されていてもよく且つハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、塩を形成していてもよいカルボキシル基、又は置換オキシカルボニル基を示す。Aは非結合又はメチレン基を示す。mはRの個数であって0〜8の整数を示す。nは環[6−オキサビシクロ[3.2.11,5]オクタン環(Aが非結合の場合)又は3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン環(Aがメチレン基の場合)]に結合しているシアノ基(CN)の個数であって1〜9の整数を示す。CH=C(R)COO−基の立体的な位置はエンド、エキソの何れであってもよい
前記ハロゲン原子には、例えば、フッ素、塩素、臭素原子などが含まれる。炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル基などが挙げられる。これらの中でも、C1−4アルキル基、特にメチル基が好ましい。ハロゲン原子を有する炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、クロロメチル基などのクロロアルキル基;トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル基などのフルオロアルキル基(好ましくは、C1−3フルオロアルキル基)などが挙げられる。
炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、6−ヒドロキシヘキシル基などが挙げられる。ハロゲン原子を有する炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基としては、例えば、ジフルオロヒドロキシメチル、1,1−ジフルオロ−2−ヒドロキシエチル、2,2−ジフルオロ−2−ヒドロキシエチル、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−ヒドロキシエチル基などが挙げられる。ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基の中でも、炭素数1又は2(特に炭素数1)のヒドロキシアルキル基若しくはヒドロキシハロアルキル基が好ましい。ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基のヒドロキシル基の保護基としては、有機合成の分野でヒドロキシル基の保護基として通常用いられる保護基、例えば、メチル基、メトキシメチル基等のヒドロキシル基を構成する酸素原子とともにエーテル又はアセタール結合を形成する基;アセチル基、ベンゾイル基等のヒドロキシル基を構成する酸素原子とともにエステル結合を形成する基などが挙げられる。カルボキシル基の塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、遷移金属塩などが挙げられる。
前記置換オキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、プロポキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基(C1−4アルコキシ−カルボニル基等);ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル基などのアルケニルオキシカルボニル基(C2−4アルコキシ−カルボニル基等);シクロヘキシルオキシカルボニル基などのシクロアルキルオキシカルボニル基;フェニルオキシカルボニル基などのアリールオキシカルボニル基などが挙げられる。
としては、水素原子、メチル基等のC1−3アルキル基、トリフルオロメチル基等のC1−3ハロアルキル基が好ましく、特に、水素原子又はメチル基が好ましい。また、Rとしては、メチル基やトリフルオロメチル基等の炭素数1〜3のアルキル基若しくはハロアルキル基、ヒドロキシ部分が保護基で保護されていてもよい炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基若しくはヒドロキシハロアルキル基(特に、ヒドロキシメチル基、アセトキシメチル基等の保護基で保護されていてもよいヒドロキシメチル基)、置換オキシカルボニル基などが好ましい。
mは0〜8、好ましくは0〜6、さらに好ましくは0〜3である。Rが複数個の場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。nは1〜9、好ましくは1〜5、さらに好ましくは1又は2である。Aが非結合の場合、シアノ基は、6−オキサビシクロ[3.2.11,5]オクタン環の1位、2位、3位、4位、5位、8位のどの位置に結合していてもよいが、1位又は2位が好ましく、中でも1位が特に好ましい。また、Aがメチレン基の場合、シアノ基は、3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン環の1位、4位、5位、6位、7位、8位、9位のどの位置に結合していてもよいが、1位又は9位が好ましく、中でも1位が特に好ましい。
式(1)で表されるシアノ基及びラクトン骨格を有する多環式エステルの代表的な例として、下記式で表される1−シアノ−6−オキサビシクロ[3.2.11,5]オクタン−7−オン化合物(各立体異性体を含む)、2−シアノ−6−オキサビシクロ[3.2.11,5]オクタン−7−オン化合物(各立体異性体を含む)、1−シアノ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン化合物(各立体異性体を含む)、9−シアノ−5−(メタ)アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン化合物(各立体異性体を含む)が挙げられる。式中、Rはアクリロイル基又はメタクリロイル基を示し、Acはアセチル基を示す。
Figure 0004740951
Figure 0004740951
式(1)で表されるシアノ基及びラクトン骨格を有する多環式エステルは、前記式(2)で表されるシアノ基及びラクトン骨格を有する多環式アルコール(4−ヒドロキシ−6−オキサビシクロ[3.2.11,5]オクタン−7−オン誘導体又は5−ヒドロキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン誘導体)と、前記式(3)で表される不飽和カルボン酸又はその反応性誘導体とを反応させることにより製造することができる。式(2)及び式(3)におけるR、R、m、nの具体例及び好ましい例(範囲)は前記と同様である。
式(3)で表される不飽和カルボン酸の代表的な例として、アクリル酸、メタクリル酸、α−トリフルオロメチルアクリル酸などが挙げられる。式(3)で表される不飽和カルボン酸の反応性誘導体としては、酸ハライド、酸無水物、エステルなどが挙げられる。式(2)で表されるシアノ基及びラクトン骨格を有する多環式アルコールの代表的な例としては、前記式(1)で表されるシアノ基及びラクトン骨格を有する多環式エステルの代表的な例として挙げた化合物に対応する化合物(Rが水素原子である化合物)が挙げられる。
上記式(1)で表されるシアノ基及びラクトン骨格を有する多環式エステルは、より具体的には、(a)テトラヒドロフラン、トルエン、塩化メチレン等の溶媒中、式(2)で表される化合物に、必要に応じてトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の塩基の存在下、(メタ)アクリル酸クロリド等の(メタ)アクリル酸ハライドや(メタ)アクリル酸無水物などの不飽和カルボン酸の活性な反応性誘導体を反応させたり、(b)前記と同様の溶媒中、式(2)で表される化合物に、チタンイソプロポキシド等のエステル交換触媒の存在下、(メタ)アクリル酸メチル等の不飽和カルボン酸エステルを反応させたり、(c)前記と同様の溶媒中、式(2)で表される化合物を、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸等の強酸の存在下で(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と反応させることにより得ることができる。
これらの方法における反応条件は、通常のエステル製造法と同様である。例えば、前記(a)の方法において、不飽和カルボン酸の活性な反応性誘導体の使用量は、式(2)で表される化合物1モルに対して、例えば1〜1.5モル程度、塩基の使用量は、不飽和カルボン酸の活性な反応性誘導体1モルに対して、例えば1〜3モル程度(大過剰量であってもよい)であり、反応温度は、例えば、−20℃〜50℃程度である。また、前記(b)の方法において、不飽和カルボン酸エステルの使用量は、式(2)で表される化合物1モルに対して、例えば1〜10モル程度(大過剰量であってもよい)、エステル交換触媒の使用量は、式(2)で表される化合物1モルに対して、例えば0.0001〜1モル程度であり、反応温度は、例えば0〜150℃程度である。さらに、前記(c)の方法において、不飽和カルボン酸の使用量は、式(2)で表される化合物1モルに対して、例えば1〜5モル程度(大過剰量であってもよい)、強酸の使用量は、式(2)で表される化合物1モルに対して、例えば0.0001〜1モル程度であり、反応温度は、例えば0〜150℃程度である。なお、これらの反応の際、重合を抑制するため、ハイドロキノンモノメチルエーテルなどの重合禁止剤や酸素を導入することもできる。
反応で生成した式(1)で表されるシアノ基及びラクトン骨格を有する多環式エステルは、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段により、又はこれらを組み合わせることにより分離精製できる。
前記式(2)で表されるシアノ基及びラクトン骨格を有する多環式アルコールは、前記式(4)で表されるエポキシ化合物(シクロヘキセンオキシド誘導体又は2,3−エポキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体)を環化反応に付すことにより得ることができる。式(4)におけるRは前記と同様である。m′は0〜8、好ましくは0〜6、さらに好ましくは0〜3である。n′は1〜9、好ましくは1〜5、さらに好ましくは1又は2である。
における有機基としては、カルボン酸エステルを構成する基であればよく、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル基などのアルキル基(特に、C1−6アルキル基);ビニル、アリル基等のアルケニル基(特に、C1−6アルケニル基);シクロヘキシル基等のシクロアルケニル基;フェニル基等のアリール基;ピリジル基等の複素環式基などが挙げられる。Rとしては、特に、水素原子のほか、メチル、エチル基等のC1−4アルキル基が好ましい。
環化反応は、Rが水素原子の場合は、例えば、式(4)で表される化合物を溶媒に溶解させるだけで進行する。Rが有機基の場合は、式(4)で表される化合物を慣用の加水分解反応(アルカリ加水分解反応、酸加水分解反応、中性加水分解等)に付してRが水素原子である化合物を生成させると、直ちに環化反応が進行して、式(2)で表される化合物が生成する。反応で生成した式(2)で表されるシアノ基及びラクトン骨格を有する多環式アルコールは、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段により、又はこれらを組み合わせることにより分離精製できる。
なお、前記式(2)で表される化合物のうち、環にフッ素原子が1以上結合している化合物は、環に水素原子が少なくとも1つ結合している化合物をフッ素等のフッ素化剤を用いた慣用のフッ素化反応に付することにより製造することもできる。
前記式(4)で表されるエポキシ化合物は、例えば、下記反応工程式に従って製造することができる。式中、R1aはジエン鎖又はシクロペンタジエン環に結合している置換基であって、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシル基部分が保護基で保護されていてもよく且つハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、塩を形成していてもよいカルボキシル基、置換オキシカルボニル基、又はシアノ基を示す。R1bは炭素−炭素二重結合を構成する炭素原子に結合している置換基であって、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシル基部分が保護基で保護されていてもよく且つハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、塩を形成していてもよいカルボキシル基、置換オキシカルボニル基、又はシアノ基を示す。iはR1aの個数であって、0〜6の整数を示す。jはR1bの個数であって、0〜3の整数を示す。i個のR1a及びj個のR1bのうち少なくとも一つはシアノ基である。Aは前記に同じである。R、R、m、nの意義、具体例及び好ましい例(範囲)は前記と同様である。
Figure 0004740951
すなわち、式(5)で表されるブタジエン類又はシクロペンタジエン誘導体と式(6)で表される不飽和カルボン酸又はそのエステルとをディールスアルダー反応に付して、式(7)で表されるシクロヘキセン誘導体又はビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−エン誘導体を得、これに過酸又は過酸化物を反応させることにより、式(4)で表されるエポキシ化合物(シクロヘキセンオキシド誘導体又は2,3−エポキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体)を得ることができる。なお、Rが水素原子である場合等においては、式(7)で表される化合物に過酸又は過酸化物を作用させることにより、エポキシ化の後直ちに環化して、前記式(2)で表される化合物が主生成物として得られる場合もある。
式(5)で表されるブタジエン類又はシクロペンタジエン誘導体の代表的な例として、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−シクロペンタジエン、1−メチル−1,3−シクロペンタジエン、2−メチル−1,3−シクロペンタジエン、5−メチル−1,3−シクロペンタジエン、1,2−ジメチル−1,3−シクロペンタジエン、1,4−ジメチル−1,3−シクロペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−シクロペンタジエン、1,2,3,4−テトラメチル−1,3−シクロペンタジエン、1,2,3,4,5−ペンタメチル−1,3−シクロペンタジエン、1−ヒドロキシメチル−1,3−ペンタジエン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−シクロペンタジエン、2,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−シクロペンタジエン、1−アセトキシメチル−1,3−シクロペンタジエン、1,4−ビス(アセトキシメチル)−1,3−シクロペンタジエン、2,3−ビス(アセトキシメチル)−1,3−シクロペンタジエンなどが挙げられる。
式(5)で表される化合物と式(6)で表される化合物との反応は溶媒の存在下又は非存在下で行われる。前記溶媒としては、例えば、酢酸エチルなどのエステル;酢酸などの有機酸;t−ブチルアルコールなどのアルコール;クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの鎖状又は環状エーテルなどが挙げられる。これらの溶媒は単独で又は2種以上混合して用いられる。
反応速度や反応の選択性(立体選択性等)を向上させるため、系内にルイス酸を添加してもよい。ルイス酸としては、例えば、AlCl、SnCl、TiCl、BF、ZnIなどが例示されるが、これらに限定されない。反応温度は反応原料の種類等に応じて適宜選択できるが、一般には−80℃〜300℃程度、好ましくは−70℃〜250℃程度である。反応は常圧又は加圧下で行われる。反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式などの何れの方法で行ってもよい。生成した式(7)で表される化合物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段により、又はこれらを組み合わせることにより分離精製できる。
式(7)で表される化合物と反応させる過酸又は過酸化物のうち、過酸としては、例えば、過ギ酸、過酢酸、トリフルオロ過酢酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸、モノペルオキシフタル酸などの有機過酸;過マンガン酸などの無機過酸が挙げられる。過酸は塩の形態で使用することもできる。有機過酸は平衡過酸(例えば、平衡過ギ酸、平衡過酢酸等)であってもよい。すなわち、例えば、ギ酸、酢酸などの有機酸と過酸化水素とを組み合わせて用い、系内で対応する有機過酸を生成させてもよい。平衡過酸を用いる場合、触媒として、硫酸などの強酸を少量添加してもよい。過酸の使用量は、例えば、式(7)で表される化合物1モルに対して、0.8〜2モル、好ましくは0.9〜1.5モル、さらに好ましくは0.95〜1.2モル程度である。
式(7)で表される化合物と反応させる過酸化物としては、例えば、過酸化水素、ペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ペルオキソ酸、ペルオキソ酸の塩などが挙げられる。過酸化水素としては、純粋な過酸化水素を用いてもよいが、取扱性の点から、通常、適当な溶媒、例えば水に希釈した形態(例えば、30重量%過酸化水素水)で用いられる。過酸化水素等の過酸化物の使用量は、式(7)で表される化合物1モルに対して、例えば0.9〜5モル程度、好ましくは0.9〜3モル程度、さらに好ましくは0.95〜2モル程度である。
前記過酸化水素は金属化合物とともに用いる場合が多い。前記金属化合物としては、例えば、W、Mo、V、Mn、Reなどの金属元素を含む酸化物、オキソ酸又はその塩、硫化物、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、ホウ化物、炭化物、ケイ化物、窒化物、リン化物、過酸化物、錯体(無機錯体及び有機錯体)、有機金属化合物などが挙げられる。これらの金属化合物は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
前記酸化物としては、例えば、酸化タングステン(WO、WOなど)、酸化モリブデン(MoO、MoOなど)、酸化バナジウム(VO、V、VO、Vなど)、酸化マンガン(MnO、Mn、Mn、MnO、Mnなど)、W、Mo、V、Mnなどの金属元素を含む複合酸化物などが挙げられる。
オキソ酸には、タングステン酸、モリブデン酸、バナジン酸、マンガン酸等のほか、イソポリタングステン酸、イソポリモリブデン酸、イソポリバナジウム酸などのイソポリ酸;リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンモリブデンサン、ケイモリブデン酸、リンバナドモリブデン酸等の前記金属元素と他の金属元素等とからなるヘテロポリ酸が含まれる。ヘテロポリ酸における他の金属元素等として、リン又はケイ素、特にリンが好ましい。
オキソ酸の塩としては、前記オキソ酸のナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;遷移金属塩などが挙げられる。オキソ酸の塩(例えば、ヘテロポリ酸の塩)は、カチオンに相当する水素原子の一部を他のカチオンに置換した塩であってもよい。
金属元素を含む過酸化物としては、例えば、ペルオキソ酸(例えば、ペルオキソタングステン酸、ペルオキソモリブデン酸、ペルオキソバナジウム酸など)、ペルオキソ酸の塩(前記ペルオキソ酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、遷移金属塩など)、過酸(過マンガン酸など)、過酸の塩(前記過酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、遷移金属塩など)などが挙げられる。
前記過酸化水素とともに用いる金属化合物の使用量は、例えば、式(7)で表される化合物1モルに対して、0.0001〜2モル程度、好ましくは0.0005〜0.5モル程度、さらに好ましくは0.001〜0.2モル程度である。
式(7)で表される化合物と過酸又は過酸化物との反応は溶媒の存在下又は非存在下で行われる。前記溶媒としては、例えば、t−ブチルアルコールなどのアルコール;クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ベンゼンなどの芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの鎖状又は環状エーテル;酢酸エチルなどのエステル;酢酸などの有機酸;水などが挙げられる。これらの溶媒は1種で、又は2種以上混合して用いられる。なお、不均一系で反応を行う場合には、溶媒として水、又は水を含む溶媒を用いる場合が多い。
反応温度は、反応速度及び反応選択性を考慮して適宜選択できるが、一般には−10〜100℃程度、好ましくは0〜80℃程度である。反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式などの何れの方法で行ってもよい。
上記反応により、式(7)で表される化合物の二重結合のエポキシ化が起こり、式(4)で表されるエポキシ化合物が生成する。なお、例えば、Rが水素原子である場合等には、続いてエポキシ環の開環を伴う分子内環化反応が進行して、式(2)で表されるシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式アルコールが生成しうる。
反応で生成した式(4)で表されるエポキシ化合物や式(2)で表される化合物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段により、又はこれらを組み合わせることにより分離精製できる。
なお、式(1)において式中に示される環にフッ素原子が1以上結合している化合物は、式(1)において式中に示される環に水素原子が結合している化合物をフッ素等のフッ素化剤を用いた慣用のフッ素化反応に付することにより製造することもできる。
本発明のシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式エステルは、塗料や機能性高分子の原料、医薬、農薬その他の精密化学品の原料などとして用いることができる。
[高分子化合物]
本発明の高分子化合物は上記式(1)で表されるシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式エステルに対応するモノマー単位(繰り返し単位)、すなわち前記式(I)で表されるモノマー単位を含んでいる。該モノマー単位は1種又は2種以上含んでいてもよい。このような高分子化合物は、上記式(1)で表されるシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式エステルを重合に付すことにより得ることができる。
式(I)で表されるモノマー単位は、シアノ基が結合した6−オキサビシクロ[3.2.11,5]オクタン−7−オン骨格、又はシアノ基が結合した3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン骨格を有しており、シアノ基を有しない6−オキサビシクロ[3.2.11,5]オクタン−7−オン骨格や、シアノ基を有しない3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン骨格を有する単位と比較して、6−オキサビシクロ[3.2.11,5]オクタン−7−オン骨格又は3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン骨格の一部を構成するラクトン環が加水分解されやすく、加水分解後のポリマーの水溶性もより向上するという利点を有する。そのため、本発明の高分子化合物は、例えば所定の処理により水溶性に変化する機能が必要とされる分野で用いられる高機能性ポリマーとして有用である。
本発明の高分子化合物は、用途や要求される機能に応じて、式(I)で表されるモノマー単位に加えて、他のモノマー単位を有していてもよい。このような他のモノマー単位は、該他のモノマー単位に対応する重合性不飽和単量体を前記式(1)で表されるシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式エステルと共重合することにより形成できる。
上記他のモノマー単位に対応する重合性不飽和単量体として、例えば、分解反応等によりカルボキシル基を生成しうる単量体が挙げられる。このような単量体として、例えば、下記式(8a)、(8b)、(8c)、(8d)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004740951
上記式中、環Zは置換基を有していてもよい炭素数6〜20の脂環式炭化水素環を示す。Rは前記に同じ。R〜Rは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。Rは環Zに結合している置換基であって、同一又は異なって、オキソ基、アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、又は保護基で保護されていてもよいカルボキシル基を示す。但し、p個のRのうち少なくとも1つは、−COOR基を示す。前記Rは置換基を有していてもよい第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、又はオキセパニル基を示す。pは1〜3の整数を示す。R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。Rは水素原子又は有機基を示す。R、R、Rのうち少なくとも2つが互いに結合して隣接する原子とともに環を形成していてもよい。
式(8a)〜(8c)中、環Zにおける炭素数6〜20の脂環式炭化水素環は単環であっても、縮合環や橋かけ環等の多環であってもよい。代表的な脂環式炭化水素環として、例えば、シクロヘキサン環、シクロオクタン環、シクロデカン環、アダマンタン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環、ボルナン環、イソボルナン環、パーヒドロインデン環、デカリン環、パーヒドロフルオレン環(トリシクロ[7.4.0.03,8]トリデカン環)、パーヒドロアントラセン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、トリシクロ[4.2.2.12,5]ウンデカン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環などが挙げられる。脂環式炭化水素環には、メチル基等のアルキル基(例えば、C1−4アルキル基など)、塩素原子等のハロゲン原子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、オキソ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基などの置換基を有していてもよい。環Zは例えばアダマンタン環等の多環の脂環式炭化水素環(橋かけ環式炭化水素環)であるのが好ましい。
式(8a)、(8b)、(8d)中のR〜R、R、Rにおける置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素1〜6のアルキル基;トリフルオロメチル基等の炭素1〜6のハロアルキル基などが挙げられる。式(8c)中、Rにおけるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素1〜20程度のアルキル基が挙げられる。Rにおける保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基としては、例えば、ヒドロキシル基、置換オキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ基等のC1−4アルコキシ基など)などが挙げられる。保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基としては、前記保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基が炭素数1〜6のアルキレン基を介して結合している基などが挙げられる。保護基で保護されていてもよいカルボキシル基としては、−COOR基などが挙げられる。前記Rは水素原子又はアルキル基を示し、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられる。Rにおいて、−COOR基のRにおける第3級炭化水素基としては、例えば、t−ブチル、t−アミル、2−メチル−2−アダマンチル、(1−メチル−1−アダマンチル)エチル基などが挙げられる。テトラヒドロフラニル基には2−テトラヒドロフラニル基が、テトラヒドロピラニル基には2−テトラヒドロピラニル基が、オキセパニル基には2−オキセパニル基が含まれる。
における有機基としては、炭化水素基及び/又は複素環式基を含有する基が挙げられる。炭化水素基には脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらが2以上結合した基が含まれる。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル基等の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基(C1−8アルキル基等);アリル基等の直鎖状または分岐鎖状のアルケニル基(C2−8アルケニル基等);プロピニル基等の直鎖状または分岐鎖状のアルキニル基(C2−8アルキニル基等)などが挙げられる。脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基(3〜8員シクロアルキル基等);シクロペンテニル、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基(3〜8員シクロアルケニル基等);アダマンチル、ノルボルニル基等の橋架け炭素環式基(C4−20橋架け炭素環式基等)などが挙げられる。芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル、ナフチル基等のC6−14芳香族炭化水素基などが挙げられる。脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合した基としては、ベンジル、2−フェニルエチル基などが挙げられる。これらの炭化水素基は、アルキル基(C1−4アルキル基等)、ハロアルキル基(C1−4ハロアルキル基等)、ハロゲン原子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシメチル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、オキソ基などの置換基を有していてもよい。保護基としては有機合成の分野で慣用の保護基を使用できる。
前記複素環式基としては、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択された少なくとも1種のヘテロ原子を含む複素環式基が挙げられる。
好ましい有機基として、C1−8アルキル基、環式骨格を含む有機基等が挙げられる。前記環式骨格を構成する「環」には、単環又は多環の非芳香族性又は芳香族性の炭素環又は複素環が含まれる。なかでも、単環又は多環の非芳香族性炭素環、ラクトン環(非芳香族性炭素環が縮合していてもよい)が特に好ましい。単環の非芳香族性炭素環として、例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環などの3〜15員程度のシクロアルカン環などが挙げられる。
多環の非芳香族性炭素環(橋架け炭素環)として、例えば、アダマンタン環;ノルボルナン環、ノルボルネン環、ボルナン環、イソボルナン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環等のノルボルナン環又はノルボルネン環を含む環;パーヒドロインデン環、デカリン環(パーヒドロナフタレン環)、パーヒドロフルオレン環(トリシクロ[7.4.0.03,8]トリデカン環)、パーヒドロアントラセン環などの多環の芳香族縮合環が水素添加された環(好ましくは完全水素添加された環);トリシクロ[4.2.2.12,5]ウンデカン環などの2環系、3環系、4環系などの橋架け炭素環(例えば、炭素数6〜20程度の橋架け炭素環)などが挙げられる。前記ラクトン環として、例えば、γ−ブチロラクトン環、4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン環、4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン環、4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−5−オン環などが挙げられる。
前記環式骨格を構成する環は、メチル基等のアルキル基(例えば、C1−4アルキル基など)、トリフルオロメチル基などのハロアルキル基(例えば、C1−4ハロアルキル基など)、塩素原子やフッ素原子等のハロゲン原子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいメルカプト基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、保護基で保護されていてもよいスルホン酸基などの置換基を有していてもよい。保護基としては有機合成の分野で慣用の保護基を使用できる。
前記環式骨格を構成する環は、式(8d)中に示される酸素原子(Rの隣接位の酸素原子)と直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。連結基としては、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基;カルボニル基;酸素原子(エーテル結合;−O−);オキシカルボニル基(エステル結合;−COO−);アミノカルボニル基(アミド結合;−CONH−);及びこれらが複数個結合した基などが挙げられる。
、R、Rのうち少なくとも2つは、互いに結合して隣接する原子とともに環を形成していてもよい。該環としては、例えば、シクロプロパン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環などのシクロアルカン環;テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、オキセパン環などの含酸素環;橋架け環などが挙げられる。
式(8a)〜(8d)で表される化合物には、それぞれ立体異性体が存在しうるが、それらは単独で又は2種以上の混合物として使用できる。
式(8a)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、1−ヒドロキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、5−ヒドロキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−エチルアダマンタン。
式(8b)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。1−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン、1−ヒドロキシ−3−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン、1−(1−エチル−1−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アダマンタン、1−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチルプロピル)アダマンタン。
式(8c)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。1−t−ブトキシカルボニル−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−(2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン。
式(8d)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。1−アダマンチルオキシ−1−エチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチルメチルオキシ−1−エチル(メタ)アクリレート、2−(1−アダマンチルエチル)オキシ−1−エチル(メタ)アクリレート、1−ボルニルオキシ−1−エチル(メタ)アクリレート、2−ノルボルニルオキシ−1−エチル(メタ)アクリレート、2−テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、2−テトラヒドロフラニル(メタ)アクリレート。
上記式(8d)で表される化合物は、例えば、対応するビニルエーテル化合物と(メタ)アクリル酸とを酸触媒を用いた慣用の方法で反応させることにより得ることができる。例えば、1−アダマンチルオキシ−1−エチル(メタ)アクリレートは、1−アダマンチル−ビニル−エーテルと(メタ)アクリル酸とを酸触媒の存在下で反応させることにより製造できる。
上記他のモノマー単位に対応する重合性不飽和単量体の別の例として、親水性や水溶性を付与又は向上しうる単量体が挙げられる。このような単量体として、例えば、ヒドロキシル基含有単量体(ヒドロキシル基が保護されている化合物を含む)、メルカプト基含有単量体(メルカプト基が保護されている化合物を含む)、カルボキシル基含有単量体(カルボキシル基が保護されている化合物を含む)、アミノ基含有単量体(アミノ基が保護されている化合物を含む)、スルホン酸基含有単量体(スルホン酸基が保護されている化合物を含む)、ラクトン骨格含有単量体、環状ケトン骨格含有単量体、酸無水物基含有単量体、イミド基含有単量体などの単量体などの極性基含有単量体が挙げられる。
極性基含有単量体の代表的な例として、下記式(9)で表される単量体が挙げられる。
Figure 0004740951
上記式中、環Zは炭素数6〜20の脂環式炭化水素環を示す。Rは前記に同じ。Rは環Zに結合している置換基であって、同一又は異なって、オキソ基、アルキル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、又は保護基で保護されていてもよいスルホン酸基を示す。但し、q個のRのうち少なくとも1つは、オキソ基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、又は保護基で保護されていてもよいスルホン酸基を示す。qは1〜3の整数を示す。
環Zにおける炭素数6〜20の脂環式炭化水素環は単環であっても、縮合環や橋かけ環等の多環であってもよい。代表的な脂環式炭化水素環として、例えば、シクロヘキサン環、シクロオクタン環、シクロデカン環、アダマンタン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環、ボルナン環、イソボルナン環、パーヒドロインデン環、デカリン環、パーヒドロフルオレン環(トリシクロ[7.4.0.03,8]トリデカン環)、パーヒドロアントラセン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、トリシクロ[4.2.2.12,5]ウンデカン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環などが挙げられる。脂環式炭化水素環には、メチル基等のアルキル基(例えば、C1−4アルキル基など)、トリフルオロメチル基などのハロアルキル基、フッ素原子や塩素原子等のハロゲン原子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいメルカプト基、オキソ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、保護基で保護されていてもよいスルホン酸基などの置換基を有していてもよい。
式(9)中、Rにおけるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜20程度のアルキル基が挙げられる。保護基で保護されていてもよいアミノ基としては、アミノ基、置換アミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ基等のC1−4アルキルアミノ基など)などが挙げられる。保護基で保護されていてもよいスルホン酸基としては、−SO基などが挙げられる。前記Rは水素原子又はアルキル基を示し、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられる。Rにおける保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいメルカプト基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基は前記と同様である。
式(9)で表される化合物の代表的な例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。1−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1,3−ジヒドロキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−カルボキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1,3−ジカルボキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−カルボキシ−3−ヒドロキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−t−ブトキシカルボニル−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1,3−ビス(t−ブトキシカルボニル)−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−t−ブトキシカルボニル−3−ヒドロキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−(2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1,3−ビス(2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−ヒドロキシ−3−(2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキソアダマンタン。
極性基含有単量体の他の代表的な例として、ラクトン環含有単量体(式(1)で表される化合物を除く)が挙げられる。ラクトン環含有単量体の具体例として、例えば、下記化合物が挙げられる。1−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−4,7−ジオキサトリシクロ[4.4.1.13,9]ドデカン−5,8−ジオン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−4,8−ジオキサトリシクロ[4.4.1.13,9]ドデカン−5,7−ジオン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−5,7−ジオキサトリシクロ[4.4.1.13,9]ドデカン−4,8−ジオン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチル−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−6−メチル−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−9−メチル−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−9−カルボキシ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−9−メトキシカルボニル−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−9−エトキシカルボニル−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−9−t−ブトキシカルボニル−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン、8−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−5−オン、9−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−5−オン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−7−オン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−4−メチル−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−7−オン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−5−メチル−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−7−オン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−4,5−ジメチル−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−7−オン、6−(メタ)アクリロイルオキシ−2−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オン、6−(メタ)アクリロイルオキシ−6−メチル−2−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オン、6−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチル−2−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オン、6−(メタ)アクリロイルオキシ−1,6−ジメチル−2−オキサビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−α,α−ジメチル−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−α,α,β−トリメチル−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−β,γ,γ−トリメチル−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−α,α,β,γ,γ−ペンタメチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−α,β,β−トリメチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−α,γ,γ−トリメチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−β,β,γ,γ−テトラメチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−α,β,β,γ,γ−ペンタメチル−γ−ブチロラクトン、γ−(メタ)アクリロイルオキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン。
前記極性基含有単量体のさらに他の例として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイミドなどが挙げられる。
本発明の高分子化合物において、式(I)で表されるモノマー単位の割合は特に限定されないが、ポリマーを構成する全モノマー単位に対して、一般には1〜100モル%、好ましくは5〜80モル%、さらに好ましくは10〜60モル%程度である。また、分解反応等によりカルボキシル基を生成しうる単量体に対応するモノマー単位の割合は、例えば0〜95モル%、好ましくは10〜90モル%、さらに好ましくは20〜60モル%程度である。ヒドロキシル基含有単量体、メルカプト基含有単量体及びカルボキシル基含有単量体から選択された少なくとも1種の単量体に対応するモノマー単位の割合は、例えば0〜95モル%、好ましくは5〜90モル%、さらに好ましくは10〜50モル%程度である。
本発明の高分子化合物を得るに際し、モノマー混合物の重合は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合、乳化重合など、アクリル系ポリマー等を製造する際に用いる慣用の方法により行うことができるが、特に、溶液重合が好適である。さらに、溶液重合のなかでも滴下重合が好ましい。滴下重合は、具体的には、例えば、(i)予め有機溶媒に溶解した単量体溶液と、有機溶媒に溶解した重合開始剤溶液とをそれぞれ調製し、一定温度に保持した有機溶媒中に前記単量体溶液と重合開始剤溶液とを各々滴下する方法、(ii)単量体と重合開始剤とを有機溶媒に溶解した混合溶液を、一定温度に保持した有機溶媒中に滴下する方法、(iii)予め有機溶媒に溶解した単量体溶液と、有機溶媒に溶解した重合開始剤溶液とをそれぞれ調製し、一定温度に保持した前記単量体溶液中に重合開始剤溶液を滴下する方法などの方法により行われる。
重合溶媒としては公知の溶媒を使用でき、例えば、エーテル(ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等グリコールエーテル類などの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテルなど)、エステル(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類など)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、アミド(N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド(ジメチルスルホキシドなど)、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノールなど)、炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素など)、これらの混合溶媒などが挙げられる。また、重合開始剤として公知の重合開始剤を使用できる。重合温度は、例えば30〜150℃程度の範囲で適宜選択できる。
重合により得られたポリマーは、沈殿又は再沈殿により精製できる。沈殿又は再沈殿溶媒は有機溶媒及び水の何れであってもよく、また混合溶媒であってもよい。沈殿又は再沈殿溶媒として用いる有機溶媒として、例えば、炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素)、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素など)、ニトロ化合物(ニトロメタン、ニトロエタンなど)、ニトリル(アセトニトリル、ベンゾニトリルなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタンなどの鎖状エーテル;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、カーボネート(ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど)、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなど)、カルボン酸(酢酸など)、これらの溶媒を含む混合溶媒等が挙げられる。
中でも、前記沈殿又は再沈殿溶媒として用いる有機溶媒として、少なくとも炭化水素(特に、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素)を含む溶媒が好ましい。このような少なくとも炭化水素を含む溶媒において、炭化水素(例えば、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素)と他の溶媒との比率は、例えば前者/後者(体積比;25℃)=10/90〜99/1、好ましくは前者/後者(体積比;25℃)=30/70〜98/2、さらに好ましくは前者/後者(体積比;25℃)=50/50〜97/3程度である。
高分子化合物の重量平均分子量(Mw)は、例えば1000〜500000程度、好ましくは3000〜50000程度であり、分子量分布(Mw/Mn)は、例えば1.5〜2.5程度である。なお、前記Mnは数平均分子量を示し、Mn、Mwともにポリスチレン換算の値である。
本発明の高分子化合物は、耐薬品性等の安定性が高く、有機溶剤に対する溶解性に優れ、しかも加水分解性及び加水分解後の水に対する溶解性に優れるため、種々の分野における高機能性ポリマーとして使用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、化学式中のEtはエチル基を示す。ポリマーの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、屈折率系(RI)を用い、テトラヒドロフラン溶媒を用いたGPC測定により求めた標準ポリスチレン換算値を示す。GPCは、昭和電工株式会社製カラム「KF−806L」を3本直列につないだものを使用し、カラム温度40℃、RI温度40℃、テトラヒドロフラン流速0.8ml/分の条件で行った。
実施例1
下記の反応工程式に従って、5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オンを製造した。
Figure 0004740951
2−シアノアクリル酸エチル(6a)50g(0.33モル)をトルエン200mlに溶解させ、35℃以下の温度で冷却しながら、1,3−シクロペンタジエン(5a)45g(0.68モル)を滴下して加えた。1時間撹拌後、濃縮することにより、式(7a)で表される5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−エン−5−カルボン酸エチル(粗生成物)を72g得た。
上記で得られた式(7a)で表される化合物(粗生成物)69g(0.36モル換算)を塩化メチレン501gに溶解させ、5℃以下に冷却しながら、m−CPBA(m−クロロ過安息香酸)115gをゆっくり投入した。4時間後、亜硫酸ナトリウム水溶液を加えて過剰の過酸化物を分解した後、炭酸水素ナトリウム水溶液で有機層を洗浄した。有機層[式(4a)で表される化合物を含む]に、ギ酸150g、水303gを仕込み、50℃まで昇温し、4時間撹拌を続けた。水層に生成物が無くなるまで酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、濃縮することにより、式(2a)で表される1−シアノ−5−ヒドロキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン(粗生成物)を23g得た。
[式(2a)で表される1−シアノ−5−ヒドロキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オンのスペクトルデータ]
H−NMR(CDCl) δ:4.52-4.54(1H), 3.69-3.73(2H), 2.54-2.55(1H), 2.29-2.35(2H), 2.13-2.16(1H), 1.85-1.88(1H)
上記で得られた式(2a)で表される化合物(粗生成物)23g(0.127モル換算)をテトラヒドロフラン(THF)252gに溶解させ、トリエチルアミン16.9g、ヒドロキノン0.2gを加え、5℃で冷却しながら、メタクリル酸クロリド(3a)18.3gを滴下して加えた。反応混合液に水300mlを加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液及び水で順次洗浄した後、有機層を濃縮し、濃縮物をジイソプロピルエーテルで晶析することにより、式(1a)で表される1−シアノ−5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オンを14g得た。
[式(1a)で表される1−シアノ−5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オンのスペクトルデータ]
H−NMR(CDCl) δ:6.12(d, 1H), 5.69(d, 1H), 4.83(1H), 4.69(1H), 3.82-3.83(1H), 2.78(1H), 2.27-2.45(3H), 2.04(1H), 1.93(3H)
実施例2
下記構造の高分子化合物の合成
Figure 0004740951
還流管、撹拌子、3方コックを備えた丸底フラスコに、窒素雰囲気下、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)35.7g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)23.8gを入れて温度を100℃に保ち、撹拌しながら、1−シアノ−5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン11.82g(47.8mmol)、1−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシアダマンタン5.65g(23.9mmol)、1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン12.54g(47.8mmol)、ジメチル 2,2′−アゾビスイソブチレート[和光純薬工業(株)製、商品名「V−601」]0.75g、PGMEA66.3g及びPGME44.2gを混合したモノマー溶液を6時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後、さらに2時間撹拌を続けた。重合反応終了後、得られた反応溶液を孔径0.1μmのフィルターで濾過した後、該反応溶液の7倍量のヘキサンと酢酸エチルの9:1(体積比;25℃)混合液中に撹拌しながら滴下した。生じた沈殿物を濾別することにより、所望の樹脂24.0gを得た。回収したポリマーをGPC分析したところ、Mw(重量平均分子量)が8100、分子量分布(Mw/Mn)が1.91であった。
実施例3
下記構造の高分子化合物の合成
Figure 0004740951
実施例1において、モノマー成分として、1−シアノ−5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン12.37g(50.1mmol)、1−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシアダマンタン5.91g(25.0mmol)、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン11.72g(50.1mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行ったところ、所望の樹脂21.9gを得た。回収したポリマーをGPC分析したところ、Mw(重量平均分子量)が9100、分子量分布(Mw/Mn)が1.96であった。
実施例4
下記構造の高分子化合物の合成
Figure 0004740951
実施例1において、モノマー成分として、1−シアノ−5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン11.67g(47.2mmol)、1,3−ジヒドロキシ−5−メタクリロイルオキシアダマンタン5.95g(23.6mmol)、1−(1−メタクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン12.38g(47.2mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行ったところ、所望の樹脂22.8gを得た。回収したポリマーをGPC分析したところ、Mw(重量平均分子量)が7800、分子量分布(Mw/Mn)が1.90であった。
実施例5
下記構造の高分子化合物の合成
Figure 0004740951
実施例1において、モノマー成分として、1−シアノ−5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン12.21g(49.4mmol)、1,3−ジヒドロキシ−5−メタクリロイルオキシアダマンタン6.23g(24.7mmol)、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン11.57g(49.4mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行ったところ、所望の樹脂21.0gを得た。回収したポリマーをGPC分析したところ、Mw(重量平均分子量)が8700、分子量分布(Mw/Mn)が1.95であった。
評価試験
上記実施例2〜5で得られた各樹脂について、樹脂1gを、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート):PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)=6:4(重量比)の混合溶媒9gと混合し、室温で撹拌したところ、円滑に溶解して均一な溶液を得ることができた。

Claims (5)

  1. 下記式(1)
    Figure 0004740951
    (式中、Raは水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、R1は環に結合している置換基であって、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシル基部分が保護基で保護されていてもよく且つハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、塩を形成していてもよいカルボキシル基、又は置換オキシカルボニル基を示す。Aは非結合又はメチレン基を示す。mはR1の個数であって0〜8の整数を示す。nは環に結合しているシアノ基(CN)の個数であって1〜9の整数を示す。CH2=C(Ra)COO−基の立体的な位置はエンド、エキソの何れであってもよい。n個のシアノ基のうち、1個のシアノ基は、1位の位置に結合している
    で表されるシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式エステル。
  2. 下記式(2)
    Figure 0004740951
    (式中、R1は環に結合している置換基であって、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシル基部分が保護基で保護されていてもよく且つハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、塩を形成していてもよいカルボキシル基、又は置換オキシカルボニル基を示す。Aは非結合又はメチレン基を示す。mはR1の個数であって0〜8の整数を示す。nは環に結合しているシアノ基(CN)の個数であって1〜9の整数を示す。OHの立体的な位置はエンド、エキソの何れであってもよい。n個のシアノ基のうち、1個のシアノ基は、1位の位置に結合している
    で表されるシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式アルコールと、下記式(3)
    Figure 0004740951
    (式中、Raは水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す)
    で表される不飽和カルボン酸又はその反応性誘導体を反応させて、下記式(1)
    Figure 0004740951
    (式中、Ra、R1、A、m、nは前記に同じ。CH2=C(Ra)COO−基の立体的な位置は、エンド、エキソの何れであってもよい。n個のシアノ基のうち、1個のシアノ基は、1位の位置に結合している
    で表される多環式エステルを得るシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式エステルの製造法。
  3. 下記式(2)
    Figure 0004740951
    (式中、R1は環に結合している置換基であって、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシル基部分が保護基で保護されていてもよく且つハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、塩を形成していてもよいカルボキシル基、又は置換オキシカルボニル基を示す。Aは非結合又はメチレン基を示す。mはR1の個数であって0〜8の整数を示す。nは環に結合しているシアノ基(CN)の個数であって1〜9の整数を示す。OHの立体的な位置はエンド、エキソの何れであってもよい。n個のシアノ基のうち、1個のシアノ基は、1位の位置に結合している
    で表されるシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式アルコール。
  4. 下記式(4)
    Figure 0004740951
    (式中、Rbは有機基を示し、R1は環に結合している置換基であって、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシル基部分が保護基で保護されていてもよく且つハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、塩を形成していてもよいカルボキシル基、又は置換オキシカルボニル基を示す。Aは非結合又はメチレン基を示す。m′はR1の個数であって0〜8の整数を示す。n′は環に結合しているシアノ基(CN)の個数であって1〜9の整数を示す)
    で表されるエポキシ化合物を環化反応に付して、下記式(2)
    Figure 0004740951
    (式中、R1は環に結合している置換基であって、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシル基部分が保護基で保護されていてもよく且つハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、塩を形成していてもよいカルボキシル基、又は置換オキシカルボニル基を示す。Aは非結合又はメチレン基を示す。mはR1の個数であって0〜8の整数を示す。nは環に結合しているシアノ基(CN)の個数であって1〜9の整数を示す。OHの立体的な位置はエンド、エキソの何れであってもよい。n個のシアノ基のうち、1個のシアノ基は、1位の位置に結合している
    で表される多環式アルコールを得るシアノ基及びラクトン骨格を含む多環式アルコールの製造法。
  5. 下記式(I)
    Figure 0004740951
    (式中、Raは水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示し、R1は環に結合している置換基であって、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシル基部分が保護基で保護されていてもよく且つハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、塩を形成していてもよいカルボキシル基、又は置換オキシカルボニル基を示す。Aは非結合又はメチレン基を示す。mはR1の個数であって0〜8の整数を示す。nは環に結合しているシアノ基(CN)の個数であって1〜9の整数を示す。ポリマー鎖に結合している−COO−基の立体的な位置はエンド、エキソの何れであってもよい。n個のシアノ基のうち、1個のシアノ基は、1位の位置に結合している
    で表されるモノマー単位を含む高分子化合物。
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