以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1参考形態)
図1は、本発明の第1参考形態による横型有機トランジスタ素子の構造を示した平面図であり、図2は、図1の100−100線に沿った断面図である。まず、図1および図2を参照して、第1参考形態による横型有機トランジスタ素子の構造について説明する。
この第1参考形態では、図2に示すように、n型シリコン基板からなるゲート電極1上の所定領域に、約100nmの厚みを有するSiO2膜からなるゲート絶縁膜2を介して、ソース電極3およびドレイン電極4が形成されている。このソース電極3およびドレイン電極4は、ゲート電極1の表面に対して平行な方向に所定の間隔を隔てて互いに対向するように配置されている。また、ソース電極3およびドレイン電極4は、ゲート絶縁膜2の上面に接触している。すなわち、第1参考形態の横型有機トランジスタ素子は、ボトムコンタクト構造を有する。なお、ソース電極3およびドレイン電極4は、Auからなるとともに、約50nmの厚みを有する。このソース電極3およびドレイン電極4の構成材料であるAuは、後述する有機半導体層5の構成材料であるポリチオフェンよりも大きい仕事関数を有する。このため、ソース電極3およびドレイン電極4と有機半導体層5との接触はオーミック接触となる。
また、ソース電極3およびドレイン電極4の互いに対向する側面間の領域に位置するゲート絶縁膜2の上面と、ソース電極3およびドレイン電極4の互いに対向する側面と、ソース電極3およびドレイン電極4の上面とに接触するように、約25nmの厚みを有するポリチオフェンからなるp型の有機半導体層5が形成されている。また、有機半導体層5は、その側端部5aおよび5bがソース電極3およびドレイン電極4の上面に沿って素子の側端面にまで延びるように形成されている。そして、ソース電極3およびドレイン電極4の互いに対向する側面間の領域に位置する有機半導体層5の部分5cと、ゲート絶縁膜2との界面近傍が、ソース電極3とドレイン電極4との間を流れる電流の通路(チャネル領域)となる。
ここで、第1参考形態では、ソース電極3およびドレイン電極4の互いに対向する側面間の領域に位置する有機半導体層5の部分5c上に、約200nmの厚みを有するAuからなるキャリア注入電極6が形成されている。このキャリア注入電極6の構成材料であるAuは、有機半導体層5の構成材料であるポリチオフェンよりも大きい仕事関数を有するため、キャリア注入電極6と有機半導体層5との接触はオーミック接触となる。また、キャリア注入電極6は、有機半導体層5のチャネル領域となる部分5cのみを覆うように、かつ、有機半導体層5のチャネル領域となる部分5cを介してゲート電極1に対向するように配置されている。そして、有機半導体層5の部分5cは、キャリア注入電極6と、ゲート電極1上に形成されたゲート絶縁膜2とにより挟み込まれている。また、図1に示すように、キャリア注入電極6のX方向(チャネル長方向)の側端部6aおよび6bは、平面的に見て、ソース電極3およびドレイン電極4と重ならないように配置されている。また、図1に示すように、平面的に見て、キャリア注入電極6は、有機半導体層5のチャネル領域となる部分5cのY方向(チャネル幅方向)の全域に渡って配置されている。なお、図1に示すように、平面的に見て、ソース電極3、ドレイン電極4、有機半導体層5およびキャリア注入電極6のY方向の長さは、ゲート電極1およびゲート絶縁膜2のY方向の長さよりも小さくなるように形成されている。
図3および図4は、図1および図2に示した第1参考形態による横型有機トランジスタ素子のキャリアの動きを説明するための模式図である。次に、図2〜図4を参照して、第1参考形態による横型有機トランジスタ素子の動作について説明する。
まず、図2に示したp型の有機半導体層5の部分5cがチャネル領域となる第1参考形態による横型有機トランジスタ素子では、ソース電極3が接地電位(GND電位)に保持されるとともに、ドレイン電極4が負電位に保持される。
ここで、第1参考形態では、キャリア注入電極6の電位は、ドレイン電極4の電位よりも高く、かつ、ソース電極3の電位以下になるように設定されている。具体的には、第1参考形態では、キャリア注入電極6の電位は、ソース電極3の電位と同じ接地電位(GND電位)に保持される。
そして、第1参考形態による横型有機トランジスタ素子をオン状態にする場合には、ゲート電極1をドレイン電極4の電位と同じ負電位にする。この際、図3に示すように、負電位に保持されたゲート電極1と、接地電位(GND電位)に保持されたソース電極3との間に電界が形成される。これにより、有機半導体層5の部分5cに接触するソース電極3の側面から有機半導体層5にキャリア(正孔)が注入されるとともに、そのソース電極3から注入されたキャリア(正孔)が、ゲート絶縁膜2と有機半導体層5の部分5cとの界面近傍に蓄積される。
このとき、第1参考形態では、負電位に保持されたゲート電極1と、接地電位(GND電位)に保持されたキャリア注入電極6との間にも強い電界が形成される。これにより、有機半導体層5の部分5cに接触するキャリア注入電極6の下面からも有機半導体層5にキャリア(正孔)が注入されるとともに、そのキャリア注入電極6から注入されたキャリア(正孔)が、ゲート絶縁膜2と有機半導体層5の部分5cとの界面近傍に蓄積される。すなわち、第1参考形態では、ソース電極3およびキャリア注入電極6の両方から有機半導体層5の部分5cにキャリア(正孔)が注入されるので、多くのキャリア(正孔)をゲート絶縁膜2と有機半導体層5の部分5cとの界面近傍に蓄積することができる。なお、この場合、ゲート電極1とゲート絶縁膜2との界面近傍にも、キャリア(電子)が蓄積される。
そして、図4に示すように、ゲート絶縁膜2と有機半導体層5の部分5cとの界面近傍に蓄積された多くのキャリア(正孔)は、接地電位に保持されたソース電極3と、負電位に保持されたドレイン電極4との間に形成される弱い電界によりドレイン電極4側に引き寄せられる。このように、ソース電極3およびキャリア注入電極6の両方から注入された多くのキャリア(正孔)がドレイン電極4に向かって移動することにより、ソース電極3とドレイン電極4との間に大きい電流が流れるので、横型有機トランジスタ素子がオン状態となる。
また、第1参考形態による横型有機トランジスタ素子をオフ状態にする場合には、ソース電極3およびキャリア注入電極6が接地電位に保持されるとともに、ドレイン電極4が負電位に保持された状態を維持しながら、ゲート電極1をソース電極3およびキャリア注入電極6の電位と同じ接地電位にする。この場合、ゲート電極1と、ソース電極3およびキャリア注入電極6との間にはほとんど電位差が存在しないので、ソース電極3およびキャリア注入電極6から有機半導体層5にキャリア(正孔)が注入されるのを抑制することができる。これにより、ドレイン電極4に引き寄せられるキャリア(正孔)が減少することにより、ソース電極3とドレイン電極4との間に電流が流れるのを抑制することができるので、横型有機トランジスタ素子がオフ状態となる。
第1参考形態では、上記のように、ソース電極3およびドレイン電極4の互いに対向する側面に接触する有機半導体層5の部分5c上に、有機半導体層5の部分5cを介してゲート電極1に対向するようにキャリア注入電極6を配置することによって、ゲート電極1を負電位にすることにより横型有機トランジスタ素子をオン状態にしたときに、ゲート電極1とソース電極3との間に加えて、ゲート電極1とキャリア注入電極6との間にも電界を生じさせることができるので、ソース電極3のみならず、キャリア注入電極6からも有機半導体層5の部分5cにキャリア(正孔)を注入することができる。これにより、横型有機トランジスタ素子をオン状態にしたときに、ソース電極3およびキャリア注入電極6の両方から有機半導体層5の部分5cにキャリア(正孔)が注入されるので、多くのキャリア(正孔)をゲート絶縁膜2と有機半導体層5の部分5cとの界面近傍(チャネル領域)に蓄積することができる。その結果、横型有機トランジスタ素子がオン状態のときに、ソース電極3とドレイン電極4との間に流れる電流量を増加させることができるので、横型有機トランジスタ素子の特性を向上させることができる。
また、第1参考形態では、有機半導体層5のチャネル領域となる部分5cのチャネル幅方向(図1のY方向)の全域に渡ってキャリア注入電極6を配置することによって、有機半導体層5の部分5cに形成されるチャネル領域のチャネル幅方向の全域に渡ってキャリア注入電極6からキャリア(正孔)を注入することができるので、より多くのキャリア(正孔)をチャネル領域(ゲート絶縁膜2と有機半導体層5の部分5cとの界面近傍)に蓄積することができる。これにより、ソース電極3とドレイン電極4との間に流れる電流量をより増加させることができる。
また、第1参考形態では、キャリア注入電極6の図1のX方向の側端部6aおよび6bを、平面的に見て、ソース電極3およびドレイン電極4と重ならないように配置することによって、キャリア注入電極6とソース電極3およびドレイン電極4との間に電界が形成されるのが抑制されるので、キャリア注入電極6とソース電極3およびドレイン電極4との間に電流が流れるのを抑制することができる。これにより、キャリア注入電極6とソース電極3およびドレイン電極4との間に電流が流れることに起因して、素子特性が劣化するのを抑制することができる。
また、第1参考形態では、ゲート絶縁膜2の上面に接触するように、ソース電極3およびドレイン電極4を形成することによって、キャリア(正孔)が蓄積されるゲート絶縁膜2と有機半導体層5の部分5cとの界面近傍に、ソース電極3およびドレイン電極4の互いに対向する側面を近づけることができるので、容易に、キャリア(正孔)をソース電極3からドレイン電極4に移動させることができる。
図5〜図7は、図1および図2に示した第1参考形態による横型有機トランジスタ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図1、図2および図5〜図7を参照して、第1参考形態による横型有機トランジスタ素子の製造プロセスについて説明する。
まず、図5に示すように、n型シリコン基板からなるゲート電極1の表面を熱酸化する。これにより、ゲート電極1の表面部分に、約100nmの厚みを有するSiO2膜からなるゲート絶縁膜2を形成する。
次に、図6に示すように、真空蒸着法などを用いて、ゲート絶縁膜2上の所定領域に、約50nmの厚みを有するAuからなるソース電極3およびドレイン電極4を形成する。この際、メタルマスク(図示せず)を用いることにより、ソース電極3およびドレイン電極4が、ゲート電極1の表面に対して平行な方向に所定の間隔を隔てて互いに対向するように形成する。
次に、図7に示すように、スピンコート法を用いて、ソース電極3およびドレイン電極4の互いに対向する側面間の領域に位置するゲート絶縁膜2の上面と、ソース電極3およびドレイン電極4の互いに対向する側面と、ソース電極3およびドレイン電極4の上面とに接触するように、約25nmの厚みを有するポリチオフェンからなるp型の有機半導体層5を形成する。この際、有機半導体層5の側端部5aおよび5bが、ソース電極3およびドレイン電極4の上面に沿って素子の側端面にまで延びるように形成する。
次に、図2に示したように、真空蒸着法などを用いて、ソース電極3およびドレイン電極4の互いに対向する側面間の領域に位置する有機半導体層5の部分5c上に、約200nmの厚みを有するAuからなるキャリア注入電極6を形成する。この際、メタルマスク(図示せず)を用いることにより、キャリア注入電極6が、有機半導体層5のチャネル領域となる部分5cのみを覆うように、かつ、有機半導体層5の部分5cを介してゲート電極1に対向するように形成する。また、図1に示したように、キャリア注入電極6のX方向の側端部6aおよび6bが、平面的に見て、ソース電極3およびドレイン電極4と重ならないように形成する。このようにして、第1参考形態による横型有機トランジスタ素子が形成される。
次に、上記した効果を確認するために行った実験について説明する。
この確認実験では、上記した第1参考形態の製造プロセスを用いて実際に作製したキャリア注入電極を含む横型有機トランジスタ素子の電流−電圧特性を調べた。また、従来例(比較例)として、図20に示した従来のキャリア注入電極を含まない横型有機トランジスタ素子の電流−電圧特性も調べた。
図8は、キャリア注入電極を含む横型有機トランジスタ素子(第1参考形態)の電流−電圧特性図であり、図9は、キャリア注入電極を含まない横型有機トランジスタ素子(従来例)の電流−電圧特性図である。なお、図8および図9の電流−電圧特性図は、ゲート電極の電位(Vg)とドレイン電極の電位(Vds)とを変化させたときに、ソース電極とドレイン電極との間に流れる電流(Ids)を測定した結果が示されている。具体的には、ゲート電極の電位(Vg)を、−10Vから−40Vまで10Vずつ変化させるとともに、ドレイン電極の電位(Vds)を、−1Vから−40Vまで1Vずつ変化させた。また、ソース電極の電位は、接地電位(0V)に保持した。
図8および図9を参照して、キャリア注入電極を含む横型有機トランジスタ素子(第1参考形態)は、キャリア注入電極を含まない横型有機トランジスタ素子(従来例)よりも、ソース電極とドレイン電極との間に流れる電流が大きくなることが判明した。具体的には、ゲート電極の電位(Vg)が−10V〜−40Vの範囲内であり、ドレイン電極の電位(Vds)が−1V〜−40Vまでの範囲内であれば、ソース電極とドレイン電極との間に流れる電流は、キャリア注入電極を含む横型有機トランジスタ素子(第1参考形態)の方がキャリア注入電極を含まない横型有機トランジスタ素子(従来例)よりも大きくなることが判明した。たとえば、ドレイン電極の電位(Vds)を−40Vにするとともに、ゲート電極の電位(Vg)を−40Vにした場合、キャリア注入電極を含む横型有機トランジスタ素子(第1参考形態)では、ソース電極とドレイン電極との間に流れる電流が−7.16×10−6A(アンペア)であったのに対して、キャリア注入電極を含まない横型有機トランジスタ素子(従来例)では、ソース電極とドレイン電極との間に流れる電流が−1.69×10−6A(アンペア)であった。
この結果から、ソース電極3およびドレイン電極4の互いに対向する側面に接触する有機半導体層5の部分5c上に、有機半導体層5の部分5cを介してゲート電極1に対向するように配置されたキャリア注入電極6を設けた第1参考形態では、横型有機トランジスタ素子がオン状態のときに、ソース電極3とドレイン電極4との間に大きい電流を流すことができることが確認できた。
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態による横型有機トランジスタ素子の構造を示した平面図であり、図11は、図10の200−200線に沿った断面図である。図10および図11を参照して、この第2実施形態では、上記第1参考形態と異なり、有機半導体層の上面および側面を覆うようにキャリア注入電極を形成する場合について説明する。
すなわち、この第2実施形態では、図11に示すように、ゲート電極1上の所定領域に、ゲート絶縁膜2を介して、約50nmの厚みを有するAuからなるソース電極13およびドレイン電極14が形成されている。なお、ゲート電極1およびゲート絶縁膜2は、それぞれ、上記第1参考形態のゲート電極1およびゲート絶縁膜2と同様の組成および厚みを有する。また、ソース電極13およびドレイン電極14は、ゲート電極1の表面に対して平行な方向に所定の間隔を隔てて互いに対向するように配置されている。また、ソース電極13およびドレイン電極14は、それぞれ、素子の側端面から所定の間隔を隔てて配置されている。また、ソース電極13およびドレイン電極14は、ゲート絶縁膜2の上面に接触している。すなわち、第2実施形態の横型有機トランジスタ素子は、上記第1参考形態と同様、ボトムコンタクト構造を有する。
ここで、第2実施形態では、ソース電極13およびドレイン電極14の互いに対向する側面以外の上面および側面を覆うとともに、ゲート絶縁膜2の上面に沿って素子の側端面にまで延びるように、約100nmの厚みを有するSiO2膜からなる絶縁膜15が形成されている。また、ソース電極13およびドレイン電極14の互いに対向する側面間の領域に位置するゲート絶縁膜2の上面と、ソース電極13およびドレイン電極14の互いに対向する側面と、ソース電極13およびドレイン電極14の上面および側面上に位置する絶縁膜15とに接触するように、約25nmの厚みを有するポリチオフェンからなるp型の有機半導体層16が形成されている。また、有機半導体層16の側端部16aおよび16bは、ソース電極13およびドレイン電極14の側面上に位置する絶縁膜15上に配置されている。そして、ソース電極13およびドレイン電極14の互いに対向する側面間の領域に位置する有機半導体層16の部分16cと、ゲート絶縁膜2との界面近傍が、ソース電極13とドレイン電極14との間を流れる電流の通路(チャネル領域)となる。
また、第2実施形態では、有機半導体層16のチャネル領域となる部分16cを含む上面および側面の全てを覆うように、約200nmの厚みを有するAuからなるキャリア注入電極17が形成されている。このキャリア注入電極17は、有機半導体層16のチャネル領域となる部分16cを介してゲート電極1に対向するように配置されている。そして、有機半導体層16の部分16cは、キャリア注入電極17と、ゲート電極1上に形成されたゲート絶縁膜2とにより挟み込まれている。また、図10に示すように、平面的に見て、キャリア注入電極17は、有機半導体層16のチャネル領域となる部分16cのY方向(チャネル幅方向)の全域のみならず、X方向(チャネル長方向)の全域に渡っても形成されている。すなわち、キャリア注入電極17は、有機半導体層16のチャネル領域となる部分16cの全域を覆うように形成されている。
第2実施形態では、上記のように、ソース電極13およびドレイン電極14の互いに対向する側面に接触する有機半導体層16の部分16c上に、有機半導体層16の部分16cを介してゲート電極1に対向するようにキャリア注入電極17を配置することによって、上記第1参考形態と同様、横型有機トランジスタ素子をオン状態にしたときに、ゲート電極1とソース電極13との間に加えて、ゲート電極1とキャリア注入電極17との間にも電界が形成されるので、ソース電極13およびキャリア注入電極17の両方から有機半導体層16の部分16cにキャリア(正孔)を注入することができる。これにより、ソース電極13とドレイン電極14との間に流れる電流量を増加させることができるので、横型有機トランジスタ素子の特性を向上させることができる。
また、第2実施形態では、有機半導体層16のチャネル領域となる部分16cを含む上面および側面の全てを覆うようにキャリア注入電極17を形成することによって、キャリア注入電極17を有機半導体層16の保護層としても機能させることができるので、有機半導体層16の劣化に起因する素子特性の低下を抑制することができる。また、有機半導体層16のチャネル領域となる部分16cの全域を覆うようにキャリア注入電極17を形成することによって、チャネル領域の全域に渡ってキャリア注入電極17からキャリア(正孔)を注入することができるので、より多くのキャリア(正孔)をチャネル領域(ゲート絶縁膜2と有機半導体層16の部分16cとの界面近傍)に蓄積することができる。これにより、ソース電極13とドレイン電極14との間に流れる電流量をより増加させることができる。
また、第2実施形態では、ソース電極13およびドレイン電極14の互いに対向する側面以外の上面および側面を覆うように絶縁膜15を形成することによって、平面的に見てキャリア注入電極17とソース電極13およびドレイン電極14とが重なる部分が存在することにより、キャリア注入電極17とソース電極13およびドレイン電極14との間に強い電界が形成されたとしても、絶縁膜15によりキャリア注入電極17とソース電極13およびドレイン電極14との間に電流が流れるのを抑制することができる。これにより、キャリア注入電極17とソース電極13およびドレイン電極14との間に電流が流れることに起因して、素子特性が劣化するのを抑制することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1参考形態と同様である。
図12〜図14は、図10および図11に示した第2実施形態による横型有機トランジスタ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図10〜図14を参照して、第2実施形態による横型有機トランジスタ素子の製造プロセスについて説明する。
まず、図5に示した第1参考形態と同様のプロセスを用いて、n型シリコン基板からなるゲート電極1の表面部分に、約100nmの厚みを有するSiO2膜からなるゲート絶縁膜2を形成する。
次に、図12に示すように、真空蒸着法などを用いて、ゲート絶縁膜2上の所定領域に、約50nmの厚みを有するAu層18を形成した後、全面を覆うように、約100nmの厚みを有するSiO2膜からなる絶縁膜15を形成する。
次に、図13に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、絶縁膜15の上面からAu層18(図12参照)までの所定領域を除去することによって、ゲート絶縁膜2の所定領域を露出させる。これにより、ゲート電極1の表面に対して平行な方向に所定の間隔を隔てて互いに対向するように配置されるとともに、約50nmの厚みを有するAuからなるソース電極13およびドレイン電極14が形成される。
次に、図14に示すように、スピンコート法を用いて、ソース電極13およびドレイン電極14の互いに対向する側面間の領域に位置するゲート絶縁膜2の上面と、ソース電極13およびドレイン電極14の互いに対向する側面と、ソース電極13およびドレイン電極14の上面および側面上に位置する絶縁膜15とに接触するように、約25nmの厚みを有するポリチオフェンからなるp型の有機半導体層16を形成する。この際、有機半導体層16の側端部16aおよび16bが、ソース電極13およびドレイン電極14の側面上に位置する絶縁膜15上に配置されるように形成する。
次に、図10および図11に示したように、真空蒸着法などを用いて、有機半導体層16のチャネル領域となる部分16cを含む上面および側面の全てを覆うように、約200nmの厚みを有するAuからなるキャリア注入電極17を形成する。このようにして、第2実施形態による横型有機トランジスタ素子が形成される。
(第3実施形態)
図15は、本発明の第3実施形態による横型有機トランジスタ素子の構造を示した平面図であり、図16は、図15の300−300線に沿った断面図である。図15および図16を参照して、この第3実施形態では、上記第1および第2実施形態と異なり、有機半導体層の側端部をソース電極およびドレイン電極の上面上の所定領域に配置し、かつ、その有機半導体層の上面および側面を覆うようにキャリア注入電極を形成する場合について説明する。
すなわち、この第3実施形態では、図16に示すように、ゲート電極1上の所定領域に、ゲート絶縁膜2を介して、約50nmの厚みを有するAuからなるソース電極23およびドレイン電極24が形成されている。なお、ゲート電極1およびゲート絶縁膜2は、それぞれ、上記第1参考形態のゲート電極1およびゲート絶縁膜2と同様の組成および厚みを有する。また、ソース電極23およびドレイン電極24は、ゲート電極1の表面に対して平行な方向に所定の間隔を隔てて互いに対向するように配置されている。また、ソース電極23およびドレイン電極24は、それぞれ、素子の側端面から所定の間隔を隔てて配置されている。また、ソース電極23およびドレイン電極24は、ゲート絶縁膜2の上面に接触している。すなわち、第3実施形態の横型有機トランジスタ素子は、上記第1参考形態と同様、ボトムコンタクト構造を有する。
ここで、第3実施形態では、ソース電極23およびドレイン電極24の上面上に、約100nmの厚みを有するSiO2膜からなる絶縁膜25が形成されている。また、ソース電極23およびドレイン電極24の互いに対向する側面間の領域に位置するゲート絶縁膜2の上面と、ソース電極23およびドレイン電極24の互いに対向する側面と、ソース電極23およびドレイン電極24の上面上に位置する絶縁膜25の一部とに接触するように、約25nmの厚みを有するポリチオフェンからなるp型の有機半導体層26が形成されている。また、有機半導体層26のX方向(図16参照)の側端部26aおよび26bは、ソース電極23およびドレイン電極24の互いに対向する側面とは反対側の側面よりも内側に配置されている。そして、ソース電極23およびドレイン電極24の互いに対向する側面間の領域に位置する有機半導体層26の部分26cと、ゲート絶縁膜2との界面近傍が、ソース電極23とドレイン電極24との間を流れる電流の通路(チャネル領域)となる。
また、第3実施形態では、有機半導体層26のチャネル領域となる部分26cを含む上面および側面の全てを覆うように、約200nmの厚みを有するAuからなるキャリア注入電極27が形成されている。このキャリア注入電極27は、有機半導体層26のチャネル領域となる部分26cを介してゲート電極1に対向するように配置されている。また、キャリア注入電極27のX方向(図16参照)の側端部27aおよび27bは、ソース電極23およびドレイン電極24の互いに対向する側面とは反対側の側面よりも内側に配置されている。そして、有機半導体層26の部分26cは、キャリア注入電極27と、ゲート電極1上に形成されたゲート絶縁膜2とにより挟み込まれている。また、図15に示すように、平面的に見て、キャリア注入電極27は、有機半導体層26のチャネル領域となる部分26cのY方向(チャネル幅方向)の全域のみならず、X方向(チャネル長方向)の全域に渡っても形成されている。すなわち、キャリア注入電極27は、有機半導体層26のチャネル領域となる部分26cの全域を覆うように形成されている。
第3実施形態では、上記のように、ソース電極23およびドレイン電極24の互いに対向する側面に接触する有機半導体層26の部分26c上に、有機半導体層26の部分26cを介してゲート電極1に対向するようにキャリア注入電極27を配置することによって、上記第1参考形態と同様、横型有機トランジスタ素子をオン状態にしたときに、ゲート電極1とソース電極23との間に加えて、ゲート電極1とキャリア注入電極27との間にも電界が形成されるので、ソース電極23およびキャリア注入電極27の両方から有機半導体層26の部分26cにキャリア(正孔)を注入することができる。これにより、ソース電極23とドレイン電極24との間に流れる電流量を増加させることができるので、横型有機トランジスタ素子の特性を向上させることができる。
また、第3実施形態では、有機半導体層26の側端部26aおよび26bとキャリア注入電極27の側端部27aおよび27bとを、それぞれ、ソース電極23およびドレイン電極24の互いに対向する側面とは反対側の側面よりも内側に配置することによって、有機半導体層26の側端部26aおよび26bとキャリア注入電極27の側端部27aおよび27bとが、ソース電極23およびドレイン電極24の互いに対向する側面とは反対側の側面から突出している場合よりも、その突出量の分だけゲート電極1上の素子形成領域を小さくすることができる。これにより、素子の集積度を向上させることができる。
また、第3実施形態では、ソース電極23およびドレイン電極24の互いに対向する側面以外の上面上に絶縁膜25を形成することによって、平面的に見てキャリア注入電極27とソース電極23およびドレイン電極24とが重なる部分が存在することにより、キャリア注入電極27とソース電極23およびドレイン電極24との間に強い電界が形成されたとしても、絶縁膜25によりキャリア注入電極27とソース電極23およびドレイン電極24との間に電流が流れるのを抑制することができる。これにより、キャリア注入電極27とソース電極23およびドレイン電極24との間に電流が流れることに起因して、素子特性が劣化するのを抑制することができる。
また、第3実施形態では、有機半導体層26のチャネル領域となる部分26cを含む上面および側面の全てを覆うようにキャリア注入電極27を形成することによって、上記第2実施形態と同様、キャリア注入電極27を有機半導体層26の保護層としても機能させることができるので、有機半導体層26の劣化に起因する素子特性の低下を抑制することができる。また、有機半導体層26のチャネル領域となる部分26cの全域を覆うようにキャリア注入電極27を形成することによって、チャネル領域の全域に渡ってキャリア注入電極27からキャリア(正孔)を注入することができるので、より多くのキャリア(正孔)をチャネル領域(ゲート絶縁膜2と有機半導体層26の部分26cとの界面近傍)に蓄積することができる。これにより、ソース電極23とドレイン電極24との間に流れる電流量をより増加させることができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1参考形態と同様である。
図17〜図19は、図15および図16に示した第3実施形態による横型有機トランジスタ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図15〜図19を参照して、第3実施形態による横型有機トランジスタ素子の製造プロセスについて説明する。
まず、図5に示した第1参考形態と同様のプロセスを用いて、n型シリコン基板からなるゲート電極1の表面部分に、約100nmの厚みを有するSiO2膜からなるゲート絶縁膜2を形成する。
次に、図17に示すように、真空蒸着法などを用いて、ゲート絶縁膜2上に、約50nmの厚みを有するAu層28を形成した後、Au層28上に、約100nmの厚みを有するSiO2膜からなる絶縁膜25を形成する。
次に、図18に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、絶縁膜25およびAu層28(図17参照)をパターニングする。これにより、ゲート電極1の表面に対して平行な方向に所定の間隔を隔てて互いに対向するように配置されるとともに、約50nmの厚みを有するAuからなるソース電極23およびドレイン電極24が形成される。
次に、図19に示すように、スピンコート法を用いて、ソース電極23およびドレイン電極24の互いに対向する側面間の領域に位置するゲート絶縁膜2の上面と、ソース電極23およびドレイン電極24の互いに対向する側面と、ソース電極23およびドレイン電極24の上面上に位置する絶縁膜25の一部とに接触するように、約25nmの厚みを有するポリチオフェンからなるp型の有機半導体層26を形成する。この際、有機半導体層26のX方向(図16参照)の側端部26aおよび26bが、ソース電極23およびドレイン電極24の互いに対向する側面とは反対側の側面よりも内側に配置されるように形成する。
次に、図15および図16に示したように、真空蒸着法などを用いて、有機半導体層26のチャネル領域となる部分26cを含む上面および側面の全てを覆うように、約200nmの厚みを有するAuからなるキャリア注入電極27を形成する。この際、メタルマスク(図示せず)を用いることにより、キャリア注入電極27のX方向の側端部27aおよび27bが、ソース電極23およびドレイン電極24の互いに対向する側面とは反対側の側面よりも内側に配置されるように形成する。このようにして、第3実施形態による横型有機トランジスタ素子が形成される。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1参考形態及び第2〜第3実施形態では、ポリチオフェンからなるp型の有機半導体層を用いたが、本発明はこれに限らず、ポリチオフェン以外のp型の有機半導体からなる有機半導体層を用いてもよい。ポリチオフェン以外のp型の有機半導体としては、たとえば、ポリアセチレン、ペンタセンおよびフタロシアニン(CuPC)などがある。
また、上記第1参考形態及び第2〜第3実施形態では、p型の有機半導体層を用いたが、本発明はこれに限らず、n型の有機半導体からなる有機半導体層を用いてもよい。n型の有機半導体としては、たとえば、TCNQ(テトラシアノキノジメタン)、C60およびNTCDA(ナフタレンテトラカルボン酸二無水物)などがある。
また、上記第1参考形態及び第2〜第3実施形態では、スピンコート法を用いてポリチオフェンからなる有機半導体層を形成したが、本発明はこれに限らず、有機半導体層の構成材料が高分子であれば、ディッピング法を用いて有機半導体層を形成してもよい。なお、ペンタセン、フタロシアニン、TCNQ、NTCDAおよびC60などの分子量が小さい有機半導体からなる有機半導体層を形成する場合は、真空蒸着法を用いるのが好ましい。
また、上記第1参考形態及び第2〜第3実施形態では、有機半導体層の厚みを約25nmに設定したが、本発明はこれに限らず、有機半導体層の厚みが約10nm以上約100nm以下であればよい。また、チャネル領域は、有機半導体層とゲート絶縁膜との界面近傍にのみ形成されるので、約10nm以上約100nm以下の範囲内で有機半導体層の厚みを小さくするのが好ましい。
また、上記第1参考形態及び第2〜第3実施形態では、n型シリコンからなるゲート電極を用いたが、本発明はこれに限らず、n型シリコン以外の材料からなるゲート電極を用いてもよい。ゲート電極の構成材料としては、導電性が有り、かつ、ゲート電極上に形成されるゲート絶縁膜の安定性を確保することが可能な材料が好ましい。ゲート電極の構成材料としては、n型シリコン以外に、たとえば、Al、鋼、Au、PtおよびCuなどがある。
また、上記第1参考形態及び第2〜第3実施形態では、Auからなるソース電極、ドレイン電極およびキャリア注入電極を用いたが、本発明はこれに限らず、Au以外の材料からなるソース電極、ドレイン電極およびキャリア注入電極を用いてもよいし、ソース電極およびドレイン電極と、キャリア注入電極とを異なる材料により形成してもよい。ソース電極、ドレイン電極およびキャリア注入電極として使用可能なAu以外の材料としては、たとえば、Pt、Pd、Cu、Mg、Al、InおよびSnなどがある。ここで、有機半導体層がp型の場合には、Au、Pt、PdおよびCuなどの仕事関数が大きい材料からなるソース電極、ドレイン電極およびキャリア注入電極を用いるのが好ましく、有機半導体層がn型の場合には、Mg、Al、InおよびSnなどの仕事関数が小さい材料からなるソース電極、ドレイン電極およびキャリア注入電極を用いるのが好ましい。この場合、ソース電極、ドレイン電極およびキャリア注入電極と、有機半導体層との接触をオーミック接触にすることができる。
また、上記第1参考形態及び第2〜第3実施形態では、ソース電極およびドレイン電極の厚みを約50nmに設定したが、本発明はこれに限らず、ソース電極およびドレイン電極の厚みが約50nm以上約500nm以下であればよい。また、約50nm以上約500nm以下の範囲内でソース電極およびドレイン電極の厚みを小さくすれば、ソース電極およびドレイン電極を覆うように有機半導体層を形成した場合に、有機半導体層を実質的に平坦に近づけることができる。この場合、有機半導体層上にキャリア注入電極を形成する際に、キャリア注入電極の形成が容易になる。
また、第1参考形態及び第2〜第3実施形態では、キャリア注入電極の厚みを約200nmに設定したが、本発明はこれに限らず、キャリア注入電極の厚みが約50nm以上約500nm以下であればよい。また、約50nm以上約500nm以下の範囲内でキャリア注入電極の厚みを小さくすれば、キャリア注入電極が上面上に形成される有機半導体層に加わる応力を小さくすることができる。
また、上記第1参考形態及び第2〜第3実施形態では、ソース電極、ドレイン電極およびキャリア注入電極を、真空蒸着法により形成したが、本発明はこれに限らず、ソース電極、ドレイン電極およびキャリア注入電極を形成する際に、スパッタリング法、CVD(Chemical
Vapor Deposition)法および無電解メッキ法などを用いてもよい。なお、真空蒸着法やスパッタリング法を用いてキャリア注入電極を形成すれば、キャリア注入電極の形成時に、有機半導体層に熱によるダメージが加わるのを抑制することができる。
また、上記第1参考形態及び第2〜第3実施形態では、SiO2膜からなるゲート絶縁膜を用いたが、本発明はこれに限らず、SiO2膜以外の材料からなるゲート絶縁膜を用いてもよい。ゲート絶縁膜の構成材料としては、誘電率が高い材料が好ましい。誘電率が高い材料からなるゲート絶縁膜を用いれば、ゲート電極に印加する電圧が小さい場合にも横型有機トランジスタ素子を動作させることが可能となる。ゲート絶縁膜として使用可能なSiO2以外の材料としては、たとえば、Si3N4、Al2O3、Ta2O5およびHfO2などがある。
また、上記第1参考形態及び第2〜第3実施形態では、ゲート絶縁膜の厚みを約100nmに設定したが、本発明はこれに限らず、ゲート絶縁膜の厚みが約5nm以上約200nm以下であればよい。また、約5nm以上約200nm以下の範囲内でゲート絶縁膜の厚みを小さくすれば、ゲート電極に印加する電圧が小さい場合にも横型有機トランジスタ素子を動作させることが可能となる。
また、上記第1参考形態及び第2〜第3実施形態では、真空蒸着法を用いてゲート絶縁膜を形成したが、本発明はこれに限らず、ゲート絶縁膜を形成する際に、スパッタリング法およびCVD法などを用いてもよい。なお、Alからなるゲート電極を用いる場合には、ゲート電極の表面を陽極酸化することにより、ゲート電極上にAl2O3からなるゲート絶縁膜を形成してもよい。
また、上記第1参考形態及び第2〜第3実施形態では、p型の有機半導体層がチャネル領域となる横型有機トランジスタ素子を動作させる際に、キャリア注入電極の電位を、ソース電極の電位と同じ接地電位(GND電位)に保持したが、本発明はこれに限らず、p型の有機半導体層がチャネル領域となる横型有機トランジスタ素子を動作させる際に、キャリア注入電極の電位が、ドレイン電極の電位よりも高く、かつ、ソース電極の電位以下になるように設定されていればよい。たとえば、ソース電極およびドレイン電極を、それぞれ、接地電位および負電位に保持する場合において、ゲート電極を接地電位にすることにより横型有機トランジスタ素子をオフ状態にする際に、キャリア注入電極がドレイン電極の電位よりも高い負電位に保持されていれば、キャリア注入電極の電位がゲート電極の電位よりも低電位であるので、キャリア注入電極から有機半導体層にキャリア(正孔)が注入されるのを抑制することができることに加えて、有機半導体層に残留する不要なキャリア(正孔)をキャリア注入電極側に集めることができる。これにより、横型有機トランジスタ素子のオフ特性を改善することができる。