JP4334907B2 - 有機電界効果トランジスタ - Google Patents

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    • H10K10/481Insulated gate field-effect transistors [IGFETs] characterised by the gate conductors
    • H10K10/482Insulated gate field-effect transistors [IGFETs] characterised by the gate conductors the IGFET comprising multiple separately-addressable gate electrodes

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機半導体材料を用いた有機電界効果トランジスタ(以下、「有機FET」と記す)に関する。特に、有機半導体材料の薄膜を用いた有機薄膜トランジスタ(以下、「有機TFT」と記す)に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビ受像器、パーソナルコンピュータ、携帯電話など、半導体素子を内蔵した様々な半導体装置において、文字や画像を表示するためのディスプレイは人間が情報を認識する手段として必要不可欠なものとなっている。特に最近は、液晶の電気光学特性を利用した液晶ディスプレイや、有機物の電界発光を利用した有機ELディスプレイに代表される、平板型のディスプレイ(フラットパネルディスプレイ)が積極的に用いられている。
【0003】
フラットパネルディスプレイの一つの形態として、画素毎に薄膜トランジスタ(TFT)を設け、データ信号を順次書き込むことにより映像表示を行うアクティブマトリクス駆動方式が知られている。TFTはアクティブマトリクス駆動方式を実現する上で必須の素子であると言える。
【0004】
ところで、このようなTFTに代表される電界効果トランジスタ(FET)は、これまで非晶質シリコンや結晶質シリコンなどの無機半導体材料を用いて作製されるものがほとんどであった。しかしながら、これら無機半導体材料を用いてFETを形成する場合には、半導体層などの製造プロセスにおける基板処理温度が350℃を越えるため、有用な多くの基板物質(例えばプラスチックなど)が使用できなくなるといった問題を抱えている。
【0005】
また、現行の無機半導体材料を用いたFETを作製する場合、絶縁層や半導体層はプラズマCVD装置を、電極はスパッタ装置を用いて形成するが、これらCVD装置やスパッタ装置は比較的高額であり、メンテナンスなどにも時間を要する。
【0006】
これに対して、有機半導体材料でFETを作製する方法も提案されている。有機化合物はそれ自身キャリアを持たない材料であるため、本質的には優れた絶縁性を有するが、有機半導体材料(一般的にはπ共役系有機化合物)と呼ばれる一連の材料を用いることで電流を流すことは可能である。
【0007】
例えば、導電性高分子に代表されるように、π共役系有機化合物にアクセプタ(電子受容体)またはドナー(電子供与体)をドープすることにより、そのπ共役系有機化合物に不純物由来のキャリアを持たせ、導電性を発現させることが可能となる(非特許文献1参照)。ドープ量を増やすことによってキャリアはある程度の領域まで増加していくため、暗導電率もそれに伴い上昇し、多くの電流が流れるようになる。
【0008】
【非特許文献1】
ヒデキ シラカワ、外4名、ケミストリー コミュニケーション、vol.16、578−580(1977)
【0009】
このように、不純物(アクセプタやドナー)をドープすることによって暗導電率を向上させ、有機半導体材料に電流を流す手段は、一部では既にエレクトロニクスの分野で応用されている。例えば、ポリアニリンやポリアセンを用いた充電可能な二次電池や、ポリピロールを用いた電界コンデンサなどがある。
【0010】
そして、このような手段を有機半導体材料に適用することで、有機FETとして動作させることができる。構造としては、活性層として無機半導体材料の替わりに有機半導体材料を導入する点を除き、基本的には従来の無機半導体材料を用いたFETと同様である(なお、以下では、有機半導体材料を用いて形成された活性層を「有機半導体膜」と記す)。このような有機FETに関しては、既に多数の報告がなされている。
【0011】
例えば、導電性高分子材料の一種であるポリ(2,5−チエニレンビニレン)(以下、「PTV」と記す)を活性層として用いた有機TFTの報告がある(非特許文献2参照)。非特許文献2で用いられたPTVは、弱いアクセプタである空気中の酸素によりわずかにp型にドープされた状態となっており、活性層として適度な導電性を示す。このように、導電性高分子材料はドーピングによって導電性を容易に制御できるため、有機FETに用いる材料として着目されている。
【0012】
【非特許文献2】
H.フチガミ、外2名、アプライド フィジクス レターズ、vol.63、1372−1374(1993)
【0013】
上記の非特許文献2は、有機半導体膜に不純物をドープしてキャリアを持たせる手法を適用することにより、適度な電流をソース−ドレイン間に流しているものであると言える(以下では、「ドープ型有機FET」と記す)。
【0014】
一方で、有機半導体膜に不純物をドープするのではなく、低分子系の有機半導体材料の微結晶薄膜を用いて有機FETを作製した例もある(非特許文献3参照)。非特許文献3では、ハイドープシリコンウェハー上にシリコン酸化膜を絶縁膜として形成し、その上に有機半導体材料であるペンタセンの微結晶を真空蒸着により積層させ、さらにその上に金のソース電極及びドレイン電極を形成することにより、有機FETを作成している。
【0015】
【非特許文献3】
D.J.ガンドランチ、外4名、IEEE エレクトロン デバイス レターズ、vol.18、87−89(1997)
【0016】
上記の非特許文献3では、不純物由来のキャリアは有機半導体膜中に存在しないが、移動度の高い微結晶薄膜を用いているため、ソースおよびドレインから注入されたキャリアが移動することができ、FETとして動作していると言われている(以下では、「キャリア注入型有機FET」と記す)。
【0017】
これらのような有機FETは、低い基板温度での成膜が可能であり、そのためプラスチック等のフレキシブルな基板を適用することもできる。また、単結晶薄膜や微結晶薄膜を形成するのでなければ、通常の蒸着法やスピンコート法により容易に成膜できるため、作製プロセスも簡便で、省エネルギーである。これらのメリットから、無機半導体材料を用いたFETに替わる新たなFETとして、有機FETが注目を浴びている。
【0018】
しかしながら、上述したような従来の有機FETは、不純物(アクセプタやドナー)あるいは有機半導体膜そのものの性質に由来する問題も抱えている。
【0019】
まず、非特許文献2で示されたように、有機半導体材料にアクセプタやドナーをドープすることによってキャリアを持たせる場合(すなわち、ドープ型有機FETの場合)、アクセプタやドナー自体が化学的に不安定なものが多く、作製が容易ではない。例えば、アルカリ金属やアルカリ土類金属はドナーとして有効であるが、そのドナー自体が水・酸素等に対して極めて活性であるため、使用が困難である。
【0020】
また、有機半導体材料に不純物がドープされた状態では、有機半導体材料と不純物との間で電子のやりとりが行われている、つまり一種の化学反応が起こっているため、ドープされた状態自体も不安定である場合が多い。
【0021】
一方で、非特許文献3で示されたようなキャリア注入型有機FETの場合、有機半導体材料にキャリアを持たせる必要がないため、アクセプタやドナーに由来する不安定さに関しては問題ない。しかしながら、注入されたキャリアがソース−ドレイン間に流れるためには、現状のソース−ドレイン間の距離を考慮すると、移動度が従来よりも高い有機半導体膜が必要であり、現状、単結晶もしくは微結晶に頼らざるを得ない。有機半導体材料の単結晶薄膜や微結晶薄膜はその作製が容易ではなく、現実的ではないことが問題である。
【0022】
さらに、単結晶薄膜や微結晶薄膜が形成できることを前提とすると、根本的に高分子材料を用いることが困難であり、湿式塗布による薄膜形成が容易でないことも問題である。このような問題から、キャリア注入型有機FETにおいては、材料の選択幅が狭いことは明らかである。
【0023】
以上の問題点から、アクセプタやドナーを添加することなく、かつ、単結晶や微結晶ではなくごく通常の蒸着膜や塗布膜で作製した有機半導体膜を用い、FETを動作させることが望まれている。
【0024】
その一案としては、有機半導体膜を光励起することによりキャリアを発生させ、そのキャリア由来の電流をソース−ドレイン間に流すことによって、FET動作をさせる試みがなされている(非特許文献4参照)。
【0025】
【非特許文献4】
K.S.ナラヤン、外1名、アプライド フィジクス レターズ、vol.79、No.12、1891−1893(2001)
【0026】
このように、光照射によって有機半導体膜にキャリアを発生させることができれば、FETとしての動作機能は向上することが実証されている。しかしながら、非特許文献4の方法では、FETの動作に対し、適切な光照射という手順をさらに必要とする。したがって、電気的な手段のみで動作させようとする場合には不適切であり、実際のデバイスとしては現実的ではない。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
以上のことから、本発明では、不純物がドープされた有機半導体膜を用いなくても、十分に動作できる新規な有機FET構造を提案することで、薄膜の状態が安定な有機FETを提供することを課題とする。
【0028】
また、単結晶や微結晶の有機半導体膜を適用することなく、通常の蒸着膜や塗布膜を用いても十分に動作できる新規な有機FET構造を提供することで、材料の選択幅が広く、なおかつ簡便に作製できる有機FETを提供することを課題とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、キャリアを注入できる電極をフローティング電極として有機半導体膜の中に埋め込むことにより、上記課題が解決できることを発案した(以下では、このフローティング電極を「キャリア発生電極」と記す)。すなわち、ゲート電極に電圧を印加することにより、有機半導体膜の中に埋め込まれたフローティング電極であるキャリア発生電極から有機半導体膜にキャリアが注入されるような設計である。
【0030】
この場合、ゲートに電圧を印加したときのみキャリアが活性層に存在することになるため、ゲート電圧によるON・OFFによりソース−ドレイン間に流れる電流が制御できる。このような構成であれば、有機半導体膜に不純物をドープしてキャリアを持たせる必要はない。また、フローティング電極であるキャリア発生電極からのキャリア注入を利用しているため、移動度の高い単結晶や微結晶を用いる必要もなく、容易に有機FETが作製できる。
【0031】
したがって本発明では、少なくとも、ゲート電極と、前記ゲート電極に接して形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜に接して形成された有機半導体膜と、前記有機半導体膜に接して形成された少なくとも一対のソース−ドレイン電極とが、絶縁表面を有する基板上に設けられた有機電界効果トランジスタにおいて、前記有機半導体膜の中にキャリア発生電極が埋め込まれていることを特徴とする。
【0032】
また、キャリア発生電極は通常、電子とホールの両方をそれぞれ逆方向に放出することになるため、図1および図2に示した構成が好ましい。
【0033】
すなわち、本発明の有機電界効果トランジスタでは、図1(a)のように、基板101上の絶縁表面に接して形成された第1ゲート電極102と、第1ゲート電極102に接して形成された第1ゲート絶縁膜103と、第1ゲート絶縁膜103に接して形成された第1ソース電極104aおよび第1ドレイン電極104bと、第1ソース電極104aおよび第1ドレイン電極104bおよび第1ゲート絶縁膜103に接して形成された有機半導体膜105と、有機半導体膜105の中に埋め込まれたキャリア発生電極106と、有機半導体膜105に接して形成された第2ソース電極107bおよび第2ドレイン電極107aと、有機半導体膜105に接して形成された第2ゲート絶縁膜108と、第2ゲート絶縁膜108に接して形成された第2ゲート電極109と、を有することを特徴とする。
【0034】
また、図1(b)に示すように、有機半導体膜を、第1有機半導体膜105aと第2有機半導体膜105bで構成し、その間にキャリア発生電極106を設けてもよい。したがって、本発明の有機電界効果トランジスタでは、図1(b)のように、基板101上の絶縁表面に接して形成された第1ゲート電極102と、第1ゲート電極102に接して形成された第1ゲート絶縁膜103と、第1ゲート絶縁膜103に接して形成された第1ソース電極104aおよび第1ドレイン電極104bと、第1ソース電極104aおよび第1ドレイン電極104bおよび第1ゲート絶縁膜103に接して形成された第1有機半導体膜105aと、第1有機半導体膜105aに接して形成されたキャリア発生電極106と、キャリア発生電極106に接して形成された第2有機半導体膜105bと、第2有機半導体膜105bに接して形成された第2ソース電極107bおよび第2ドレイン電極107aと、第2有機半導体膜105bに接して形成された第2ゲート絶縁膜108と、第2ゲート絶縁膜108に接して形成された第2ゲート電極109と、を有することを特徴とする。
【0035】
この場合、第1有機半導体膜105aをホール輸送性材料で構成し、かつ、第2有機半導体膜105bを電子輸送性材料で構成することが好ましい。また逆に、第1有機半導体膜105aを電子輸送性材料で構成し、かつ、第2有機半導体膜105bをホール輸送性材料で構成してもよい。
【0036】
また、図1に示したいずれの有機電界効果トランジスタにおいても、キャリア発生電極106を電子注入電極およびホール注入電極の少なくとも二層で構成することが好ましい。
【0037】
さらに、本発明の有機電界効果トランジスタにおいては、第1ソース電極104aと第2ソース電極107bとが接続されていてもよい。あるいは、第1ドレイン電極104bと第2ドレイン電極107aとが接続されていてもよい。
【0038】
ところで、本発明では、図2のような構成でも動作するため、さらに好適である。すなわち、本発明の有機電界効果トランジスタは、図2(a)に示すように、基板201上の絶縁表面に接して形成された第1ゲート電極202と、第1ゲート電極202に接して形成された第1ゲート絶縁膜203と、第1ゲート絶縁膜203に接して形成された第1電極204と、第1電極204および第1ゲート絶縁膜203に接して形成された有機半導体膜205と、有機半導体膜205の中に埋め込まれたキャリア発生電極206と、有機半導体膜205に接して形成された第2電極207と、有機半導体膜205に接して形成された第2ゲート絶縁膜208と、第2ゲート絶縁膜208に接して形成された第2ゲート電極209と、を有することを特徴とする。なお、第1電極−第2電極間がソース−ドレイン間として作用する。
【0039】
また、図2(b)に示すように、有機半導体膜を、第1有機半導体膜205aと第2有機半導体膜205bで構成し、その間にキャリア発生電極206を設けてもよい。したがって、本発明の有機電界効果トランジスタでは、基板201上の絶縁表面に接して形成された第1ゲート電極202と、第1ゲート電極202に接して形成された第1ゲート絶縁膜203と、第1ゲート絶縁膜203に接して形成された第1電極204と、第1電極204および第1ゲート絶縁膜203に接して形成された第1有機半導体膜205aと、第1有機半導体膜205aに接して形成されたキャリア発生電極206と、キャリア発生電極206に接して形成された第2有機半導体膜205bと、第2有機半導体膜205bに接して形成された第2電極207と、第2有機半導体膜205bに接して形成された第2ゲート絶縁膜208と、第2ゲート絶縁膜208に接して形成された第2ゲート電極209と、を有することを特徴とする。なお、第1電極−第2電極間がソース−ドレイン間として作用する。
【0040】
この場合、第1有機半導体膜205aをホール輸送性材料で構成し、かつ、第2有機半導体膜205bを電子輸送性材料で構成することが好ましい。また逆に、第1有機半導体膜205aを電子輸送性材料で構成し、かつ、第2有機半導体膜205bをホール輸送性材料で構成してもよい。
【0041】
また、図2に示したいずれの有機電界効果トランジスタにおいても、キャリア発生電極206を電子注入電極およびホール注入電極の少なくとも二層で構成することが好ましい。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施形態について、動作原理および具体的な構成例を挙げて詳細に説明する。
【0043】
まず、本発明者は、有機エレクトロルミネッセント素子(以下、「有機EL素子」と記す)の分野において発案されている電荷発生層の概念に着目した。有機EL素子の分野においては、電荷発生層は既に公知の技術である(例えば、非特許文献5:城戸淳二、外5名、第49回応用物理学会関係連合講演会 講演予稿集(2002.3.)、p.1308、27p−YL−3、を参照)。
【0044】
電荷発生層の概念は、図3のように説明される。図3は、陽極、第1の有機EL層、電荷発生層、第2の有機EL層、陰極を順次積層した非特許文献5の有機EL素子の模式図である。なお、有機EL層とは、電界発光できる有機材料を含む層のことであり、有機半導体材料を含む構成となっている。また、電荷発生層は外部回路と接続しておらず、フローティング電極となっている。
【0045】
このような有機EL素子において、陽極と陰極との間に電圧Vを印加した場合、電荷発生層から第1の有機EL層に対しては電子が、電荷発生層から第2の有機EL層に対してはホールが、それぞれ注入される。外部回路から見れば、陽極から陰極に向かってホールが、陰極から陽極に向かって電子が流れている(図3(a))わけだが、電荷発生層から電子とホールの両方が逆方向へ向けて流れ出ている現象も生じている(図3(b))ため、第1の有機EL層および第2の有機EL層の両方でキャリアの再結合が起こり、発光に至る。この時、電流Iが流れているとすると、第1の有機EL層および第2の有機EL層共に、電流Iに対応する分のフォトンを放出することができるので、一層だけの有機EL素子に比べ、同じ電流で二倍の量の光を放出できるというメリットがある(ただし、電圧はその分、一層だけの有機EL素子に比べて二倍程度必要である)。
【0046】
この時有機EL素子に流れている電流は、空間電荷制限電流(SCLC;Space Charge Limited Current)と呼ばれる薄膜特有の電流である。SCLCとは、空間電荷を注入して移動させることにより流れる電流であり、その電流密度はチャイルド則、すなわち下記式(1)で表される。Jは電流密度、εは比誘電率、ε0は真空誘電率、μはキャリア移動度、Vは電圧、dはVが印加される間隔である。
【0047】
【数1】
J=9/8・εε0μ・V2/d3 (1)
【0048】
なお、上記式(1)で表されるSCLCは、SCLCが流れる際のキャリアのトラップを一切仮定しない式である。キャリアのトラップによって制限される電流はTCLC(Trap Charge Limited Current)と呼ばれ、電圧のべき乗に比例するが、これらはどちらもバルク律速の電流であるので以下では同様の扱いとする。
【0049】
ここで、対比のために、オーム則に従うオーム電流が流れる際の電流密度を表す式を、下記式(2)に示す。σは導電率、Eは電界強度である。
【0050】
【数2】
J=σE=σ・V/d (2)
【0051】
式(2)中の導電率σは、σ=neμ(nはキャリア密度、eは電荷)で表されるため、キャリア密度が流れる電流量の支配因子に含まれる。したがって、ある程度のキャリア移動度を持つ有機材料に対し、先に述べたようなドーピングによるキャリア密度の増大を図らない限り、通常キャリアがほとんど存在しない有機材料にはオーム電流は流れない。
【0052】
ところが、式(1)を見てわかるとおり、SCLCを決定する因子は、誘電率、キャリア移動度、電圧、および電圧が印加される間隔であり、キャリア密度は関係ない。すなわち、キャリアを持たない絶縁体である有機材料であっても、電圧が印加される間隔dを十分薄くし、キャリア移動度μが大きい材料を選ぶことにより、キャリアを注入して電流を流すことができるのである。
【0053】
つまり、図3においては、各有機EL層の膜厚d1およびd2をせいぜい100nm〜200nm、あるいはそれ以下とすることにより、電極あるいは電荷発生層から注入されたキャリアはSCLCとして流れることができるのである。言い換えれば、サブミクロンオーダーの有機半導体膜に適切な電極を取り付け、十分な電界(あるいは電位差)を印加することにより、キャリアを注入することができるのである。
【0054】
本発明者は、電荷発生層(本明細書中では、同様のフローティング電極を「キャリア発生電極」と呼んでいる)をキャリアの発生源(あるいは注入源と言ってもよい)とすることで、有機FETを動作させる手法を考案した。
【0055】
まず、キャリア発生電極から発生させたキャリアを蓄積させるためには、例えば、図4(a)に示した模式図のような構成とすればよい。すなわち、第1の絶縁膜、第1の有機半導体膜、キャリア発生電極、第2の有機半導体膜、第2の絶縁膜を順次積層した構造を、外部電極間に設けた構成である。図3は有機EL素子であるため、キャリアを再結合させるような設計となっているが、図4(a)ではキャリアを蓄積させるために、外部電極と有機半導体膜との間に絶縁膜を設けてあることが相違点であると言える。
【0056】
この構造において、外部電極間に電位差Vを設けた場合(図4(b))、各有機半導体膜d1およびd2がサブミクロン程度のオーダーであれば、図3と同様に電界によってキャリア発生電極から多量のキャリアが注入されるが、図4(b)に示したとおり、電子およびホールは絶縁膜と有機半導体膜との界面に蓄積される。
【0057】
この原理から、キャリア発生電極が埋め込まれた有機半導体膜の上下をゲート絶縁膜で挟み込み、電位差を生じさせることで、有機半導体膜中の上下のゲート絶縁膜付近に大量の正負のキャリアを蓄積させることができる。表現を変えれば、ゲート絶縁膜近傍の有機半導体膜界面近傍に、正負の電荷蓄積チャネルを形成できたことに相当する。したがって、図4の構成を利用し、有機半導体膜の水平方向にソース−ドレイン電極を形成し、ソース−ドレイン電極間に電圧を加えれば、この電荷蓄積チャネルを通して上部チャネルをホール電流が、下部チャネルを電子電流が流れることになる。すなわち、上下のゲート電極に加えるゲート電圧により、ソース−ドレイン電流を制御できるFETが実現できる。
【0058】
なお、このFETにおいて重要なことは、不純物がドープされていない有機半導体膜を用いていても、電荷蓄積チャネルを流れる電流量は、もはや前述のSCLCの式(1)に従うものではないということである。すなわち、電荷蓄積チャネルに蓄積された正または負の電荷を中和するための強い電界が存在する下では、空間電荷制限の条件はないため、数十ナノメートル程度の薄いチャネル層中で数ミクロン以上の長さのチャネル幅に印加されたソース−ドレイン電圧による比較的低い電位勾配下であっても、蓄積された電荷は見かけ上オーム則(前述の式(2))に従い、電位勾配と移動度のみで規定される速さで移動できるのである。その結果、SCLCで規定されるより桁外れに大きなソース−ドレイン電流が流れることになり、大きな電流量を高速に制御可能な、実用的なFETが実現できる。
【0059】
なお、第1の有機半導体膜と第2の有機半導体膜を同じ材料で構成してもよいが、好ましくは、異なる極性の材料で構成した方がよい。例えば図4(b)では、図面下側の外部電極が図面上側の外部電極よりも高い電位となっているため、第1の有機半導体膜には電子が、第2の有機半導体膜にはホールが注入されるようになっている。したがって、第1の有機半導体膜を電子輸送性材料で、第2の有機半導体膜をホール輸送性材料で構成することが好ましい。
【0060】
次に、具体的な本発明の有機FETの構成および動作について例示する。まず、図1で述べたような、ソース−ドレイン電極を二対設ける場合について、図1(b)を例に説明する。その構成例を図5に示す。なお、図1の符号を引用する。
【0061】
図5では、第1有機半導体膜105aとして電子輸送性材料を用い、第2有機半導体膜105bとしてホール輸送性材料を用いたものである。この構造において、第1ゲート電極102にVg1(>0)を、第2ゲート電極109にVg2(<0)を印加すると、図5(a)に示すように、キャリア発生電極106から第1有機半導体膜105a(電子輸送性)に電子が、第2有機半導体膜105a(ホール輸送性)にホールが、それぞれ注入され、第1ゲート絶縁膜103表面近傍および第2ゲート絶縁膜108表面近傍の有機半導体膜中にそれぞれ蓄積されることにより、電子とホールそれぞれの電荷蓄積チャネル層を形成する。
【0062】
この時、第1ソース電極104aと第1ドレイン電極104bとの間にVsd1(>0)を、第2ソース電極107bと第2ドレイン電極107aとの間にVsd2(<0)を印加する。すると、第1ゲート絶縁膜103近傍の電子蓄積チャネル層の電子と、第2ゲート絶縁膜108近傍のホール蓄積チャネル層のホールが、それぞれのソース−ドレイン回路に電流を流す(図5(b))。
【0063】
このような、二つのゲート電極と二対のソース−ドレイン電極対とを備えたトランジスタでは、二つの独立したソース−ドレイン電流を制御する対のトランジスタとして利用することも想定される。その場合、二つのトランジスタは共通のキャリア発生電極で連結されているので、Vg1およびVsd1と、Vg2およびVsd2とが、それぞれ独立の動作をする保証はなく、動作特性の吟味と動作条件の最適化が必要である。
【0064】
この回路上・動作特性上での複雑さを回避するには、ゲート電圧およびソース−ドレイン電圧の印加方式を工夫すればよい。すなわち、上下それぞれのゲート電位を設定するのではなく、上下のゲート電極間に電位を加え、一方では、上下のソース−ドレイン電極を直列に結合すればよい。
【0065】
図6はその一例であり、第1ソース電極104aと第2ソース電極107bを結線し、第2ドレイン電極107aを接地しているものである。また、第1ゲート電極102にVg(>0)を印加し、第2ゲート電極109を接地する。このゲート電圧印加により、図6(a)に示すように、第1ゲート絶縁膜103の界面近傍に電子の蓄積が、第2ゲート絶縁膜108の界面近傍にホールの蓄積が起こる。この時、第1ドレイン電極104bにVsd(>0)を印加して、流れる電流をソース−ドレイン電流として利用する(図6(b))。
【0066】
このような結線にすれば、二つのゲート電極と二対のソース−ドレイン電極を有してはいるが、実質的には一つのゲート電極と一対のソース−ドレイン電極を有するFETと同様の回路で動作させることができる。
【0067】
なお、図5および図6では、第1有機半導体膜105aとして電子輸送性材料を用い、第2有機半導体膜105bとしてホール輸送性材料を用いているが、逆に第1有機半導体膜105aとしてホール輸送性材料を用い、第2有機半導体膜105bとして電子輸送性材料を用いてもよい。この場合、図5においてはVg1<0、Vg2>0とすればよい。また図6においては、Vg<0とすればよい。
【0068】
また、図1(a)のように、ある有機半導体膜の中にキャリア発生電極が埋め込まれた構成の場合でも、動作原理は同様である。この場合は、有機半導体膜をバイポーラ性材料とすることで、電子もホールも注入してソース−ドレイン電流として流すことができる。さらにこの場合は、キャリア発生電極を最適なものとすることにより、第1ゲート電極と第2ゲート電極の印加電圧の正負を逆転させても動作する。
【0069】
次に、図2で述べたような、ソース−ドレイン電極を一対設ける場合について、図2(b)を例に説明する。その構成例を図7に示す。なお、図2の符号を引用する。
【0070】
図7は、第1有機半導体膜205aとして電子輸送性材料を用い、第2有機半導体膜205bとしてホール輸送性材料を用いたものである。構造的には、図6から第1ソース電極104aと第2ソース電極107bを取り去った構造であるとも言える。この構造において、第1ゲート電極202にVg(>0)を印加すると、図7(a)に示すように、キャリア発生電極206から第1有機半導体膜205a(電子輸送性)に電子が、第2有機半導体膜205b(ホール輸送性)にホールが、それぞれ注入され、第1ゲート絶縁膜203表面近傍および第2ゲート絶縁膜208表面近傍の有機半導体膜中にそれぞれ蓄積されることにより、電子とホールそれぞれの電荷蓄積チャネル層を形成する。なお、図7では、第1ゲート電極202の電位をVg(>0)、第2ゲート電極209の電位を接地電位として電位差を形成しているが、第2ゲート電極209に負の電位を設けてもよい。
【0071】
この時、第1電極204と第2電極207の間にVsd(>0)を印加する。すると、第1ゲート絶縁膜203近傍の電子蓄積チャネル層の電子と、第2ゲート絶縁膜208近傍のホール蓄積チャネル層のホールが、第1電極204と第2電極207の間に電流を流す(図7(b))。この場合、一つのゲート信号に対し、直列に接続されたn型のトランジスタとp型のトランジスタが動作することになる。
【0072】
なお、図7では第1有機半導体膜205aとして電子輸送性材料を用い、第2有機半導体膜205bとしてホール輸送性材料を用いているが、逆に第1有機半導体膜205aとしてホール輸送性材料を用い、第2有機半導体膜205bとして電子輸送性材料を用いてもよい。この場合は、Vg<0とすればよい。なおこの場合、第2ゲート電極209は接地電位でもよいし、正の電位を設けてもよい。
【0073】
また、図2(a)のように、ある有機半導体膜の中にキャリア発生電極が埋め込まれた構成の場合でも、動作原理は同様である。この場合は、有機半導体膜をバイポーラ性材料とすることで、電子もホールも注入して第1電極と第2電極の間に電流を流すことができる。さらにこの場合は、キャリア発生電極を最適なものとすることにより、第1ゲート電極と第2ゲート電極の印加電圧の正負を逆転させても動作する。
【0074】
ところで、本発明におけるキャリア発生電極は、一種類の材料からなる電極ではなく、複数の材料から構成してもよい。例えば、図5〜図7においては、図面下方向に電子を、図面上方向にホールを注入するため、まず電子を注入しやすい電極(例えば仕事関数の小さい金属を含む膜)を成膜し、その上にホールを注入しやすい電極(例えば仕事関数の大きい金属を含む膜)を積層するなどの手法である。このように、複数の材料(電子を注入しやすい材料とホールを注入しやすい材料)を用いる場合は、その複数の材料それぞれがオーム接触していることが好ましい。
【0075】
さらに、複数の材料でキャリア発生電極を構成する場合、電子注入電極と正孔注入バッファ層、もしくは正孔注入電極と電子注入バッファ層、を組合せとする構成も可能である。ここで用いられる正孔注入バッファ層および電子注入バッファ層は、必ずしも電極として機能する必要はなく、電子注入電極もしくは正孔注入電極からのキャリア注入を促進させる事ができればよい。例えば、図5〜図7においては、図面下方向に電子を、図面上方向に正孔を注入するため、まず電子を注入しやすい電極(例えば、仕事関数の低い金属を含む膜)を成膜し、その上に正孔を注入しやすい正孔注入バッファ層(例えば、アクセプタ型の有機半導体材料と正孔輸送性の有機半導体材料との混合膜)を積層するなどの手法である。
【0076】
また、キャリア発生電極を単一の材料で構成する場合は、電子とホールの両方を注入できる材料でなければならない。この場合は、ホールを価電子帯に、電子を伝導体に有する真性半導体や、あるいは酸化・還元の両方を行えるレドックスポリマーなどが考えられる。
【0077】
以上では、本発明の基本的な動作原理および構成を述べた。以下では、本発明の有機薄膜トランジスタに用いる材料として好ましいものを列挙する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
【0078】
基板の材質は、シリコンウェハ、ガラス、インジウム錫酸化物、雲母、グラファイト、硫化モリブデンの他、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、マグネシウム、鉄、ニッケル、金、銀等の金属、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂等のプラスチックフィルム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0079】
ゲート絶縁膜の材質としては、ポリビニルフェノール、ポリパラキシリレンやその誘導体、ポリイミドやその誘導体、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリフェノール誘導体、ポリ尿素、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、アセチルセルロースやその誘導体等のポリマー薄膜、アルミナなどの金属酸化物薄膜、シリカなどの無機酸化物薄膜、シリコン窒化物薄膜等が用いられ、スピンコートにより形成する湿式法、パリレン薄膜を真空蒸着で形成する乾式法、電解酸化による薄膜形成法、電解重合法、シリカやアルミナの薄膜をスパッタで形成する方法等が用いられるが、これらに限定されるものではない。
【0080】
有機半導体膜の材質としては、共役ポリマーで代表されるポリマーないしはオリゴマー、例えば、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体およびこれらの共重合体、オリゴフェニレン、オリゴチオフェン、オリゴフェニレンビニレン等の芳香族炭化水素オリゴマー等が挙げられ、この場合にはスピンコート法、ディップコーティング法、インクジェットプリント法、スクリーンプリント法、スプレイコーティング法等の湿式法が用いられる。また、低分子物質、例えば、ペンタセン、テトラセン、銅フタロシアニン、フッ素置換フタロシアニン、ペリレン誘導体等の場合には主に真空蒸着法が用いられるが、電解重合法、電解析出法等の手法も用いることができる。
【0081】
キャリア発生電極としては、金属薄膜、金属酸化物薄膜、有機導電体薄膜、有機半導体膜ないしはそれらの組み合わせ、などが利用できる。キャリア発生電極の両側には、陰極側バッファ層としてLiF等の無機誘電体薄膜、Li酸化物等の金属酸化物、アルカリ金属やアルカリ土類金属イオンを含む有機物薄膜層等が挿入される場合があり、陽極側バッファ層として、TCNQやF4−TCNQ等のアクセプタ型有機半導体材料、VOx等のアクセプタ型無機半導体材料、銅フタロシアニンなどを用いる場合もある。本明細書中では、キャリア発生電極として用いる電極には、このようなバッファ層を付加した場合を含むものとする。
【0082】
ゲート電極や、ソース電極およびドレイン電極(あるいは第1電極および第2電極)の材料としては、金、銅、アルミニウム、白金、クロム、パラジウム、インジウム、ニッケル、マグネシウム、銀、ガリウム等の金属やこれらの合金、スズ・インジウム酸化物、ポリシリコン、アモルファスシリコン、スズ酸化物、酸化インジウム、酸化チタン等の酸化物半導体、ガリウム砒素、窒化ガリウム等の化合物半導体等の1種又は2種以上が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0083】
【実施例】
[実施例1]
本実施例では、図1(b)で示した有機FETを具体的に例示する。まず、ガラス基板上に、第1ゲート電極のパターンを有するマスクを介して、金を真空蒸着法により厚さ50nmに成膜し、一辺の長さが500μmの第1ゲート電極を形成する。
【0084】
このガラス基板を化学蒸着装置へ移す。減圧下でキシリレンダイマー(商品名:パリレン、日本パリレン(株)製)を加熱させ、680℃に過熱した加熱管を通して熱分解して、ラジカルモノマーを発生させる。室温に保持した当該基板上へ、発生させたラジカルモノマーを導入し、厚さ300nmのポリパラキシリレン薄膜を形成する。これが第1ゲート絶縁膜となる。
【0085】
次に、第1ソース電極と第1ドレイン電極を形成するため、ソース−ドレイン長が50μmとなるようなマスクパターンを設けて、厚さ50nmの金薄膜を形成する。
【0086】
この上に、基板全体を覆うように、電子輸送性材料であるトリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3)を真空蒸着法により、50nmの膜厚で形成する。これが第1有機半導体膜となる。
【0087】
この上面に、フローティング電極であるキャリア発生電極として、マスクパターンを介して、マグネシウムとAlq3との混合層を10nm、V25バッファ層を10nm、逐次真空蒸着により形成する。これがバッファ層付きのキャリア発生電極として機能する。
【0088】
この上部に、基板全体を覆うように、正孔輸送性材料であるN,N‘−ジフェニル−N,N’−(ビス−3−メチルフェニル)−1,1‘−ジフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)を50nmの厚さで形成する。これが第2有機半導体膜となる。
【0089】
さらに、第2ソース電極と第2ドレイン電極を形成するため、ソース−ドレイン長が50μmとなるようなマスクパターンを設けて、厚さ50nmの金薄膜を形成する。このマスクパターンは、第1ソース電極と第1ドレイン電極を形成する際のマスクパターンと同様でよい。
【0090】
次に、このガラス基板を化学蒸着装置へ移す。減圧下でキシリレンダイマー(商品名:パリレン、日本パリレン(株)製)を加熱させ、680℃に過熱した加熱管を通して熱分解して、ラジカルモノマーを発生させる。室温に保持した当該基板上へ、発生させたラジカルモノマーを導入し、厚さ300nmのポリパラキシリレン薄膜を形成する。これが第2ゲート絶縁膜となる。
【0091】
最後に、第2ゲート電極のパターンを有するマスクを介して、金を真空蒸着法により厚さ50nmに成膜し、一辺の長さが500μmの第1ゲート電極を形成する。このマスクパターンは、第1ゲート電極を形成する際のマスクパターンと同様でよい。作成した有機FETは測定容器に打ちし、容器を真空にした後、素子特性の測定を行う。
【0092】
[実施例2]
本実施例では、図1(b)で示した有機FETを具体的に例示する。まず、ガラス基板上に、第1ゲート電極のパターンを有するマスクを介して、金を真空蒸着法により厚さ50nmに成膜し、一辺の長さが500μmの第1ゲート電極を形成する。
【0093】
このガラス基板を化学蒸着装置へ移す。減圧下でキシリレンダイマー(商品名:パリレン、日本パリレン(株)製)を加熱させ、680℃に過熱した加熱管を通して熱分解して、ラジカルモノマーを発生させる。室温に保持した当該基板上へ、発生させたラジカルモノマーを導入し、厚さ300nmのポリパラキシリレン薄膜を形成する。これが第1ゲート絶縁膜となる。
【0094】
次に、第1ソース電極と第1ドレイン電極を形成するため、ソース−ドレイン長が50μmとなるようなマスクパターンを設けて、厚さ50nmの金薄膜を形成する。
【0095】
この上に、基板全体を覆うように、n型有機半導体材料である銅(II)1,2,3,4,8,9,10,11,15,16,17,18,22,23,24,25−ヘキサデカフルオロフタロシアニン(F16−CuPC)を真空蒸着法により、50nmの膜厚で形成する。これが第1有機半導体膜となる。
【0096】
この上面に、フローティング電極であるキャリア発生電極として、マスクパターンを介して、マグネシウムとF16−CuPCの混合層を10nm、V25バッファ層を10nm、逐次真空蒸着により形成する。これがバッファ層付きのキャリア発生電極として機能する。
【0097】
この上部に、基板全体を覆うように、p型有機半導体材料であるペンタセンを50nmの厚さで形成する。これが第2有機半導体膜となる。
【0098】
さらに、第2ソース電極と第2ドレイン電極を形成するため、ソース−ドレイン長が50μmとなるようなマスクパターンを設けて、厚さ50nmの金薄膜を形成する。このマスクパターンは、第1ソース電極と第1ドレイン電極を形成する際のマスクパターンと同様でよい。
【0099】
次に、このガラス基板を化学蒸着装置へ移す。減圧下でキシリレンダイマー(商品名:パリレン、日本パリレン(株)製)を加熱させ、680℃に過熱した加熱管を通して熱分解して、ラジカルモノマーを発生させる。室温に保持した当該基板上へ、発生させたラジカルモノマーを導入し、厚さ300nmのポリパラキシリレン薄膜を形成する。これが第2ゲート絶縁膜となる。
【0100】
最後に、第2ゲート電極のパターンを有するマスクを介して、金を真空蒸着法により厚さ50nmに成膜し、一辺の長さが500μmの第1ゲート電極を形成する。このマスクパターンは、第1ゲート電極を形成する際のマスクパターンと同様でよい。作成した有機FETは測定容器に打ちし、容器を真空にした後、素子特性の測定を行う。
【0101】
[実施例3]
本実施例では、図1(b)で示した有機FETを具体的に例示する。まず、ガラス基板上に、第1ゲート電極のパターンを有するマスクを介して、金を真空蒸着法により厚さ50nmに成膜し、一辺の長さが500μmの第1ゲート電極を形成する。
【0102】
このガラス基板を化学蒸着装置へ移す。減圧下でキシリレンダイマー(商品名:パリレン、日本パリレン(株)製)を加熱蒸発させ、680℃に加熱した加熱管を通して熱分解して、ジラジカルモノマーを発生させる。室温に保持した当該基板上へ、発生させたジラジカルモノマーを導入し、厚さ300nmのポリパラキシリレン薄膜を形成する。これが第1ゲート絶縁膜となる。
【0103】
次に、第1ソース電極と第1ドレイン電極を形成するため、ソース−ドレイン長が50μmとなるようなマスクパターンを設けて、厚さ50nmの金薄膜を形成する。
【0104】
この上に、基板全面を覆うように、電子輸送性材料であるトリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3)を真空蒸着により、50nmの膜厚で形成する。これが第1有機半導体膜となる。
【0105】
この上面に、フローティング電極であるキャリア発生電極のパターンのマスクを介して、LiFバッファ層を5nm、アルミニウム薄膜層を100nm、銅フタロシアニンバッファ層を5nm、逐次真空蒸着により形成する。これがバッファ層付きのキャリア発生電極として機能する。
【0106】
この上部に、基板全面を覆うように、正孔輸送性材料であるN,N’−ジフェニル−N,N’−(ビス−3−メチルフェニル)−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)を50nmの厚さで形成する。これが第2有機半導体膜となる。
【0107】
さらに、第2ソース電極と第2ドレイン電極を形成するため、ソース−ドレイン長が50μmとなるようなマスクパターンを設けて、厚さ50nmの金薄膜を形成する。このマスクパターンは、第1ソース電極と第1ドレイン電極を形成する際のマスクパターンと同様でよい。
【0108】
次に、このガラス基板を化学蒸着装置へ移す。減圧下でキシリレンダイマー(商品名:パリレン、日本パリレン(株)製)を加熱蒸発させ、680℃に加熱した加熱管を通して熱分解して、ジラジカルモノマーを発生させる。室温に保持した当該基板上へ、発生させたジラジカルモノマーを導入し、厚さ300nmのポリパラキシリレン薄膜を作製する。これが第2ゲート絶縁膜となる。
【0109】
最後に、第2ゲート電極のパターンを有するマスクを介して、金を真空蒸着法により厚さ50nmに成膜し、一辺の長さが500μmの第2ゲート電極を形成する。このマスクパターンは、第1ゲート電極を形成する際のマスクパターンと同様でよい。作製した有機FETは測定容器に移し、容器を真空にした後、素子特性の測定を行う。
【0110】
[実施例4]
本実施例では、図1(a)で示した有機FETを具体的に例示する。まず、ガラス基板上に、第1ゲート電極のパターンを有するマスクを介して、金を真空蒸着法により厚さ50nmに成膜し、一辺の長さが500μmの第1ゲート電極を形成する。
【0111】
さらに、このガラス基板上にポリビニルフェノールの水溶液をスピンコート法により塗布し、第1ゲート絶縁膜を形成する。
【0112】
次に、第1ソース電極と第1ドレイン電極を形成するため、ソース−ドレイン長が50μmとなるようなマスクパターンを設けて、厚さ50nmの金薄膜を形成する。
【0113】
この上に、基板全面を覆うように、レジオレギュラーポリ(3−オクチルチオフェン−2,5−ジイル)(P30T)のクロロフォルム溶液をスピンコート法により成膜し、50nmの膜厚の有機半導体膜を形成する。
【0114】
次に、水溶液からのスピンコート法により、バッファ層としてのポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)薄膜を50nm形成する。この上面に、フローティング電極となるパターンのマスクを介して、金薄膜層100nmを真空蒸着により形成する。この上面に、スピンコート法により、バッファ層としてのポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)薄膜を再度50nm形成する。これがバッファ層付きのキャリア発生電極として機能する。
【0115】
この上部に、基板全面を覆うように、スピンコート法によりレジオレギュラーポリ(3−オクチルチオフェン−2,5−ジイル)(P30T)のクロロフォルム溶液をスピンコート法により成膜し、50nmの膜厚の有機半導体膜を形成する。これにより、同一の有機半導体膜の中にキャリア発生電極が埋め込まれた構造を形成できる。
【0116】
さらに、第2ソース電極と第2ドレイン電極を形成するため、ソース−ドレイン長が50μmとなるようなマスクパターンを設けて、厚さ50nmの金薄膜を形成する。このマスクパターンは、第1ソース電極と第1ドレイン電極を形成する際のマスクパターンと同様でよい。
【0117】
この基板上にポリビニルフェノール溶液をスピンコート法により塗布し、第2ゲート絶縁膜を形成する。
【0118】
最後に、第2ゲート電極のパターンのマスクを介して金を真空蒸着法により厚さ50nmに成膜し、一辺の長さが500μmの第2ゲート電極を形成する。このマスクパターンは、第1ゲート電極を形成する際のマスクパターンと同様でよい。作製した有機FETは測定容器に移し、容器を真空にした後、素子特性の測定を行う。
【0119】
【発明の効果】
本発明を実施することで、不純物がドープされた有機半導体膜を用いなくても十分に動作できる有機FETを作製できるため、薄膜の状態が安定な有機FETを提供することができる。また、単結晶や微結晶の有機半導体膜を適用することなく、通常の蒸着膜や塗布膜を用いても十分に動作できる有機FETを作製できるため、材料の選択幅が広く、なおかつ簡便に作製できる有機FETを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的構成を示す図。
【図2】本発明の基本的構成を示す図。
【図3】電荷発生層を有する有機EL素子を示す図。
【図4】キャリア発生電極からの電荷を蓄積する原理を示す図。
【図5】本発明の有機電界効果トランジスタを示す図。
【図6】本発明の有機電界効果トランジスタを示す図。
【図7】本発明の有機電界効果トランジスタを示す図。

Claims (11)

  1. 基板上の絶縁表面に接して形成された第1ゲート電極と、
    前記第1ゲート電極に接して形成された第1ゲート絶縁膜と、
    前記第1ゲート絶縁膜に接して形成された第1ソース電極および第1ドレイン電極と、
    前記第1ソース電極および前記第1ドレイン電極および前記第1ゲート絶縁膜に接して形成された有機半導体膜と、
    前記有機半導体膜の中に埋め込まれ、フローティング電極であるキャリア発生電極と、
    前記有機半導体膜に接して形成された第2ソース電極および第2ドレイン電極と、
    前記有機半導体膜、前記第2ソース電極および前記第2ドレイン電極に接して形成された第2ゲート絶縁膜と、
    前記第2ゲート絶縁膜に接して形成された第2ゲート電極と、を有し、
    前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極に電圧が印加されることにより、前記キャリア発生電極は、電子とホールの両方を前記有機半導体膜に注入することを特徴とする有機電界効果トランジスタ。
  2. 基板上の絶縁表面に接して形成された第1ゲート電極と、
    前記第1ゲート電極に接して形成された第1ゲート絶縁膜と、
    前記第1ゲート絶縁膜に接して形成された第1ソース電極および第1ドレイン電極と、
    前記第1ソース電極および前記第1ドレイン電極および前記第1ゲート絶縁膜に接して形成された第1有機半導体膜と、
    前記第1有機半導体膜に接して形成され、フローティング電極であるキャリア発生電極と、
    前記キャリア発生電極に接して形成された第2有機半導体膜と、
    前記第2有機半導体膜に接して形成された第2ソース電極および第2ドレイン電極と、
    前記第2有機半導体膜、前記第2ソース電極および前記第2ドレイン電極に接して形成された第2ゲート絶縁膜と、
    前記第2ゲート絶縁膜に接して形成された第2ゲート電極と、を有し、
    前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極に電圧が印加されることにより、前記キャリア発生電極は、電子とホールの両方を前記第1有機半導体膜および前記第2有機半導体膜に注入することを特徴とする有機電界効果トランジスタ。
  3. 請求項2に記載の有機電界効果トランジスタにおいて、前記第1有機半導体膜はホール輸送性であり、かつ、前記第2有機半導体膜は電子輸送性であることを特徴とする有機電界効果トランジスタ。
  4. 請求項2に記載の有機電界効果トランジスタにおいて、前記第1有機半導体膜は電子輸送性であり、かつ、前記第2有機半導体膜はホール輸送性であることを特徴とする有機電界効果トランジスタ。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の有機電界効果トランジスタにおいて、前記第1ソース電極と前記第2ソース電極とが接続されていることを特徴とする有機電界効果トランジスタ。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の有機電界効果トランジスタにおいて、前記第1ドレイン電極と前記第2ドレイン電極とが接続されていることを特徴とする有機電界効果トランジスタ。
  7. 基板上の絶縁表面に接して形成された第1ゲート電極と、
    前記第1ゲート電極に接して形成された第1ゲート絶縁膜と、
    前記第1ゲート絶縁膜に接して形成された第1電極と、
    前記第1電極および前記第1ゲート絶縁膜に接して形成された有機半導体膜と、
    前記有機半導体膜の中に埋め込まれ、フローティング電極であるキャリア発生電極と、
    前記有機半導体膜に接して形成された第2電極と、
    前記有機半導体膜および前記第2電極に接して形成された第2ゲート絶縁膜と、
    前記第2ゲート絶縁膜に接して形成された第2ゲート電極と、を有し、
    前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極に電圧が印加されることにより、前記キャリア発生電極は、電子とホールの両方を前記有機半導体膜に注入することを特徴とする有機電界効果トランジスタ。
  8. 基板上の絶縁表面に接して形成された第1ゲート電極と、
    前記第1ゲート電極に接して形成された第1ゲート絶縁膜と、
    前記第1ゲート絶縁膜に接して形成された第1電極と、
    前記第1電極および前記第1ゲート絶縁膜に接して形成された第1有機半導体膜と、
    前記第1有機半導体膜に接して形成され、フローティング電極であるキャリア発生電極と、
    前記キャリア発生電極に接して形成された第2有機半導体膜と、
    前記第2有機半導体膜に接して形成された第2電極と、
    前記第2有機半導体膜および前記第2電極に接して形成された第2ゲート絶縁膜と、
    前記第2ゲート絶縁膜に接して形成された第2ゲート電極と、を有し、
    前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極に電圧が印加されることにより、前記キャリア発生電極は、電子とホールの両方を前記第1有機半導体膜および前記第2有機半導体膜に注入することを特徴とする有機電界効果トランジスタ。
  9. 請求項8に記載の有機電界効果トランジスタにおいて、前記第1有機半導体膜はホール輸送性であり、かつ、前記第2有機半導体膜は電子輸送性であることを特徴とする有機電界効果トランジスタ。
  10. 請求項8に記載の有機電界効果トランジスタにおいて、前記第1有機半導体膜は電子輸送性であり、かつ、前記第2有機半導体膜はホール輸送性であることを特徴とする有機電界効果トランジスタ。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか一に記載の有機電界効果トランジスタにおいて、前記キャリア発生電極は、電子注入電極およびホール注入電極の少なくとも二層を含むことを特徴とする有機電界効果トランジスタ。
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