JP4736543B2 - 無段変速装置 - Google Patents

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この発明は、車両(自動車)用自動変速装置として利用する、トロイダル型無段変速機を組み込んだ無段変速装置の改良に関する。具体的には、低速モードと高速モードとの切換時(モード切換時)に、上記トロイダル型無段変速機を通過するトルクの変動に基づくトロイダル型無段変速機の変速比の変動(トルクシフト)に拘らず、変速ショックを生じにくくできる構造を、低コストで実現するものである。
自動車用変速装置としてトロイダル型無段変速機を使用する事が、例えば特許文献1、2、非特許文献1、2等の多くの刊行物に記載され、且つ、一部で実施されて周知である。又、変速比の変動幅を大きくすべく、トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とを組み合わせた無段変速装置も、例えば特許文献3〜7に記載される等により従来から広く知られている。このうちの特許文献3には、トロイダル型無段変速機のみで動力を伝達するモード(低速モード)と、差動ユニットである遊星歯車式変速機により主動力を伝達し、上記トロイダル型無段変速機により変速比の調節を行なう、所謂パワースプリット状態を実現するモード(高速モード)とを備えた無段変速装置が記載されている。又、上記特許文献4〜7には、入力軸を一方向に回転させたまま、出力軸の回転状態を、停止状態を挟んで正転、逆転に切り換えられる、所謂ギヤードニュートラル状態を実現できるモード(低速モード)を備えた無段変速装置が記載されている。
図9〜10は、特許文献6〜7に記載された、ギヤードニュートラル状態を実現できるモードを備えた無段変速装置を示している。このうちの図9は無段変速装置のブロック図を、図10は、この無段変速装置を制御する油圧回路を、それぞれ示している。エンジン1の出力は、ダンパ2を介して、入力軸3に入力される。この入力軸3に伝達された動力は、直接又はトロイダル型無段変速機4を介して、差動ユニットである遊星歯車式変速機5に伝達される。そして、この遊星歯車式変速機5の構成部材の差動成分が、クラッチ装置6、即ち、図10の低速用、高速用各クラッチ7、8を介して、出力軸9に取り出される。
又、上記トロイダル型無段変速機4は、それぞれが第一、第二のディスクである入力側、出力側各ディスク10、11と、複数個のパワーローラ12と、それぞれが支持部材である複数個のトラニオン(図示省略)と、アクチュエータ13(図10)と、押圧装置14と、変速比制御ユニット15とを備える。このうちの入力側、出力側各ディスク10、11は、互いに同心に、且つ相対回転自在に配置されている。又、上記各パワーローラ12は、互いに対向する上記入力側、出力側各ディスク10、11の内側面同士の間に挟持されて、これら入力側、出力側各ディスク10、11同士の間で動力を伝達する。又、上記各トラニオンは、上記各パワーローラ12を回転自在に支持している。
又、上記アクチュエータ13は、油圧式のもので、上記各パワーローラ12を支持した上記各トラニオンを、それぞれの両端部に設けた枢軸の軸方向に変位させて、上記入力側ディスク10と出力側ディスク11との間の変速比を変える。又、上記押圧装置14は、油圧式のもので、上記入力側ディスク10と上記出力側ディスク11とを互いに近付く方向に押圧する。又、上記変速比制御ユニット15は、上記入力側ディスク10と出力側ディスク11との間の変速比を所望値にする為に、上記アクチュエータ13の変位方向及び変位量を制御する。
図示の例の場合、上記変速比制御ユニット15は、制御器16と、この制御器16からの制御信号に基づいて切り換えられる、ステッピングモータ17と、ライン圧制御用電磁開閉弁18と、電磁弁19と、シフト用電磁弁20と、これら各部材17〜20により作動状態を切り換えられる制御弁装置21とにより構成している。尚、この制御弁装置21は、変速比制御弁22と、差圧シリンダ23と、補正用制御弁24a、24bと、高速クラッチ用、低速クラッチ用各切換弁25、26(図10)とを合わせたものである。このうちの変速比制御弁22は、上記アクチュエータ13への油圧の給排を制御するものである。又、上記差圧シリンダ23は、前記トロイダル型無段変速機4を通過するトルク(通過トルク)に応じて、このトロイダル型無段変速機4の変速比を補正すべく、上記変速比制御弁22の切換状態を調節する為のものである。又、上記補正用制御弁24a、24bは、上記差圧シリンダ23への圧油の給排を制御するものである。更に、上記高速クラッチ用、低速クラッチ用各切換弁25、26は、前記低速用、高速用各クラッチ7、8への圧油の導入状態を切り換えるものである。
又、前記ダンパ2部分から取り出した動力により駆動されるオイルポンプ27(図10の27a、27b)から吐出した圧油は、上記制御弁装置21や上記押圧装置14等に送り込まれる。即ち、油溜28(図10)から吸引されて上記オイルポンプ27a、27bにより吐出された圧油を、調圧弁29a、29bで所定圧に調整自在としている。又、これら両調圧弁29a、29bのうち、上記押圧装置14並びに手動油圧切換弁30側に送る油圧を調整する為の調圧弁29aによる調整圧を、上記ライン圧制御用電磁開閉弁18の開閉に基づいて調節自在としている。そして、上記両調圧弁29a、29bにより圧力を調整された圧油を、前記変速比制御弁22を介して前記アクチュエータ13に送り込み自在とする他、前記差圧シリンダ23のストロークを調節する為の前記補正用制御弁24a、24bに、前記電磁弁19の開閉に基づいて送り込み自在としている。
又、この圧油は、上記手動油圧切換弁30と、前記高速クラッチ用切換弁25又は低速クラッチ用切換弁26とを介して、前記低速用クラッチ7又は高速用クラッチ8の油圧室内に送り込み自在としている。又、これら低速用、高速用各クラッチ7、8のうちの低速用クラッチ7は、減速比を大きくする{変速比無限大(ギヤードニュートラル状態)を含む}低速モードを実現する際に接続されると共に、減速比を小さくする高速モードを実現する際に接続を断たれる。これに対して、上記高速用クラッチ8は、上記低速モードを実現する際に接続を断たれると共に高速モードを実現する際に接続される。又、これら低速用、高速用各クラッチ7、8への圧油の給排状態は、前記シフト用電磁弁20の切り換えに応じて切り換えられる。
上述の様な図9〜10に示した無段変速装置の運転時、前記制御器16の制御信号に基づき上記シフト用電磁弁20を切り換える事により、上記低速用、高速用各クラッチ7、8の断接状態を切り換えて、低速モードと高速モードとの切り換えを行なう。ところで、トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とをクラッチ装置を介して組み合わせて成り、低速モードと高速モードとを有する無段変速装置の場合、上述した様なギヤードニュートラル状態を実現できるものにしても、前記特許文献3に記載されたパワースプリット状態を実現できるものにしても、低速モードと高速モードとのモード切換時に、このモード切換を滑らかに行なう事が、乗り心地性能(乗り心地の良さ)等を確保する面で重要になる。
この様なモード切換を滑らかに行なう技術として、例えば特許文献8、9には、トロイダル型無段変速機(やベルト式無段変速機)を組み込んだ無段変速装置で、このトロイダル型無段変速機の変速比を所定値に維持した状態(変速指令を出さない状態)でモード切換(通過トルクの反転)を行なう事により、このモード切換時のショックを低減する技術が記載されている。又、特許文献10には、トロイダル型無段変速機を通過して遊星歯車式変速機に入力される動力の回転速度と、このトロイダル型無段変速機を通過せずにこの遊星歯車式変速機に入力される動力の回転速度とが一致した状態で、モード切換を行なう事により、このモード切換時のクラッチの接続を滑らかに行なう技術が記載されている。又、特許文献11には、モード切換時に、それまで接続されていたクラッチとそれまで接続されていなかったクラッチとの両方のクラッチを同時に接続させる事により、これら各クラッチの断接を円滑に行なう技術が記載されている。
ところが、上述の様な各特許文献8〜11に記載された従来技術の場合、モード切換時のトルクシフトに基づく変速ショックを十分に防止できない可能性がある。即ち、上記モード切換時には、トロイダル型無段変速機を通過するトルク(通過トルク)の大きさ並びに方向が急変動(例えば反転)し、この様な通過トルクの急変動に基づき、上記トロイダル型無段変速機の構成各部材が弾性変形並びに変位する。そして、この様な構成部材の弾性変形並びに変位に伴いパワーローラの傾転角が変化し、上記トロイダル型無段変速機の変速比が変速指令を出していないにも拘らず変化(変動)する、所謂トルクシフトを生じる。
この為、例えば上記特許文献8、9に記載された従来技術の場合は、モード切換時に変速比を所定値に保とうとしても(変速指令を出さなくても)、上述の様なトルクシフトに基づき変速比が変動する事が避けられない。そして、この様に変速比が変動した場合には、例えばエンジンの回転数(回転速度)が急上昇して(吹き上がって)変速ショック(トルク抜け感、押し出し感)を生じ、運転者を初めとする乗員に違和感を与える可能性がある。又、上記変速比の変動が著しい場合には、この変速比が収束せずにトロイダル型無段変速機が振動(ハンチング)し、動力の伝達系部品の耐久性を損なう可能性がある。又、上記特許文献10に記載された従来技術の場合は、回転速度を一致させた状態でクラッチを接続させても、このクラッチの接続の際にトルクシフトに基づき変速比が変動する可能性があり、上述の場合と同様の不都合を生じると考えられる。又、上記特許文献11に記載された従来技術の場合も、接続を断つべきクラッチの接続が断たれる際にトルクシフトに基づき変速比が変動する可能性があり、やはり上述の場合と同様の不都合を生じる可能性がある。
一方、特許文献12には、パワースプリット状態を実現できる無段変速装置で、低速モードから高速モードに切り換える際の低速用クラッチの接続を断つタイミングと、高速モードから低速モードに切り換える際の高速用クラッチの接続を断つタイミングとを異ならせる技術が記載されている。又、特許文献13には、モード切換中にトロイダル型無段変速機の変速比を補正(調節)する事により、トルクシフトに基づく変速ショックを低減する技術が記載されている。より具体的には、低速用、高速用両クラッチの断接動作中に、上記トロイダル型無段変速機の変速比を、上記トルクシフトに基づき変動する分補正する事により、上記モード切換時に生じる変速ショックを低減する技術が記載されている。又、特許文献14には、モード切換時のトルクシフトを見込んでモード切換(クラッチの断接)を行なうタイミングを調節する事により、このトルクシフトに基づく変速ショックを低減する技術が記載されている。
更に、特許文献15には、モード切換時に、低速用、高速用両クラッチが同時に接続されている状態で、トロイダル型無段変速機の変速比を補正する技術が記載されている。即ち、モード切換時に、接続すべきクラッチの圧力(クラッチ圧)が所定の値以上になった時点、又は、モード切換制御の開始から所定時間経過した時点で、上記両クラッチが同時に接続されていると判断して、上記変速比の補正を行なう技術が記載されている。但し、この様な特許文献15に記載された従来技術の場合、次の様な点を改良する事が望まれる。即ち、上記低速用、高速用両クラッチが同時に接続されている事をクラッチ圧から検出する場合は、このクラッチ圧を検出する為の圧力センサを、例えば上記各クラッチの油圧室内等に別途設ける必要があり、装置が複雑になると共に、コストが増大する事が避けられない。又、モード切換制御の開始から所定時間経過した時点で変速比の補正を行なう場合は、実際に上記両クラッチが同時に接続されているか否かの検出はしない為、必ずしもこれら両クラッチが適切に接続された状態で変速比の補正が行なわれるとは限らない。
即ち、モード切換時に低速用、高速用各クラッチは、その切換時の状態、例えば油温やこれら低速用、高速用各クラッチを構成する摩擦材の温度特性等に応じて、接続が開始されてから接続し切るまでの時間が異なる。例えば、上記油温が高く、油の粘度が低い場合には、通油路中を圧油が流動する事に対する抵抗が低くなる為、上記各クラッチの接続が開始されてから接続し切るまでの時間が短くなる。これとは逆に、上記油温が低く、油の粘度が高い場合には、通油路中を圧油が流動する事に対する抵抗が高くなる為、上記各クラッチの接続が開始されてから接続し切るまでの時間が長くなる。
これに対して、上述の様に変速比の補正を所定時間経過後に行なう場合、上記油温等の車両の状態に拘らず十分な補正を行なう為には、この所定時間を必要以上に長くする必要がある。ところが、この所定時間を長くすると、上記両クラッチが同時に接続されてから上記変速比の補正がされるまでの時間が長くなり、モード切換全体の時間が必要以上に長くなる可能性がある。これに対して、上記所定時間を短くすると、上記両クラッチが同時に接続されていないにも拘らず変速比が補正されて、変速ショックが発生する可能性がある。この様な不都合を防止する為に、上述の様にクラッチ圧を検出する構造を採用すれば、上述した様に装置が複雑になると共に、コストが増大する事が避けられない。
又、前記特許文献13の場合も、油温等の車両の状態量に応じて低速用、高速用各クラッチの接続が開始されてから接続し切るまでの時間が変化する事に就いては記載されていない。この為、上記状態量によっては、必要とする変速比の補正が、クラッチの断接動作中に終了しなくなる可能性がある。
特許第2734583号公報 特開平5−39850号公報 特開平10−196759号公報 特開2003−307266号公報 特開2000−220719号公報 特開2004−225888号公報 特開2004−211836号公報 特開2002−139140号公報 特開2002−276789号公報 特開平11−108147号公報 特開平9−210191号公報 特開2003−207042号公報 特開2003−194207号公報 特開2004−116576号公報 特開2002−13627号公報 青山元男著、「別冊ベストカー 赤バッジシリーズ245/クルマの最新メカがわかる本」、株式会社三雄社/株式会社講談社、平成13年12月20日、p.92−93 田中裕久著、「トロイダルCVT」、株式会社コロナ社、2000年7月13日
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、油温等の車両状態の変化に拘らず、モード切換時に、低速用、高速用両クラッチが同時に接続されている状態で、トロイダル型無段変速機の変速比の補正を確実に行なえる構造を、装置を複雑にする事なく、低コストで実現すべく発明したものである。
本発明の無段変速装置は、従来から知られている無段変速装置と同様に、トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とを、クラッチ装置を介して組み合わせて成る。
このうちのクラッチ装置は、減速比を大きくする低速モードを実現する際に接続されて同じく小さくする高速モードを実現する際に接続を断たれる低速用クラッチと、この高速モードを実現する際に接続されて上記低速モードを実現する際に接続を断たれる高速用クラッチと、これら各クラッチの断接状態を切り換える制御器とから成る。
又、この制御器は、上記各クラッチの断接を制御する事により、変速状態を上記低速モードと上記高速モードとのうちの何れかのモードにするものである。
そして、上記制御器に、上記低速モードと上記高速モードとの間でのモード切換時に、上記低速用クラッチと上記高速用クラッチとのうちの一方のクラッチでそれまで接続されていなかったクラッチを接続してから、同じく他方のクラッチでそれまで接続されていたクラッチの接続を断つ機能を持たせる事により、これら両クラッチが同時に接続されている時間を設定している。
特に、本発明の無段変速装置に於いては、上記制御器に、上記両クラッチが同時に接続されている事を、上記トロイダル型無段変速機を通過するトルクの変化に基づいて判定する機能を持たせる。そして、上記モード切換時に、この機能に基づき上記両クラッチが同時に接続されていると判定された事を条件に、上記トロイダル型無段変速機の変速比を補正してから、それまで接続されていた上記他方のクラッチの接続を断つ。尚、上記変速比の補正量は、上記一方のクラッチが接続されてから上記他方のクラッチの接続が断たれるまでの間に、上記トロイダル型無段変速機を通過するトルクの変動に基づき上記変速比が変化(トルクシフト)する量に相当する量とする。
上述の様に、本発明の無段変速装置によれば、モード切換時に、それまで接続されていなかった一方のクラッチが接続されると、この一方のクラッチとそれまで接続されていた他方のクラッチとの両クラッチが接続されている事を、トロイダル型無段変速機を通過するトルクの変化に基づいて判定する。そして、上記両クラッチが接続されていると判定された事を条件に、上記トロイダル型無段変速機の変速比をトルクシフト分補正し、この補正が完了してから、上記他方のクラッチの接続を断つ。この為、例えばクラッチを構成する摩擦材の温度特性並びに油温等の車両状態に応じて、上記一方のクラッチの接続が開始されてから接続し切る(動力の伝達をできる状態となる)までの時間が変化しても、この時間の長短に拘らず、上記両クラッチが同時に接続されている状態で、上記変速比をトルクシフト分補正してから(補正が完了してから)、上記他方のクラッチの接続を断つ事ができる。
この為、上記両クラッチが同時に接続されてから変速比の補正を行なうまでの時間が必要以上に長くなる事や、上記両クラッチが同時に接続されていないにも拘らず変速比が補正される事、更には、変速比が補正されるのに先立ち接続を断つべきクラッチの接続が断たれる事を防止できる。この結果、上記車両状態に拘らず、トルクシフトに基づく変速ショックを防止でき、モード切換を常に滑らかに行なう事ができる。又、上記トロイダル型無段変速機を通過するトルク(通過トルク)の変化は、従来からこの通過トルクを検出する為に設置されている油圧センサにより求められる。即ち、パワーローラを支持する支持部材(トラニオン)を枢軸の軸方向に変位させる油圧式のアクチュエータの1対の油圧室にそれぞれ設けた、上記油圧センサにより、これら1対の油圧室同士の間の差圧の変化として、上記通過トルクを求める事ができる。この為、上記両クラッチが同時に接続されたか否かの判定をする為に、これら各クラッチの油圧室内の圧力を検出する為の油圧センサ等を別途設ける必要もなく、装置が複雑になる事やコストが嵩む事を防止できる。この結果、上記両クラッチが同時に接続されているか否かの判定を行なうと共に、上記変速比をトルクシフト分補正してから、上記他方のクラッチの接続を断つ為の機構や構造を、簡素に、且つ、低コストで構成できる。
本発明を実施する場合に好ましくは、両クラッチが同時に接続されたか否かを、トロイダル型無段変速機を通過するトルク(通過トルク)が0に向けて所定量変化したか否か(請求項2)、この通過トルクが0に向けて所定速度以上で変化したか否か(請求項3)、この通過トルクが0になったか否か(請求項4)のうちの、何れか又は複数の変化に基づいて判定する。
この様に構成すれば、上記トロイダル型無段変速機を通過するトルクの変化に基づいて、上記両クラッチが同時に接続されているか否かを、容易、且つ、正確に判定できる。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した様に、トロイダル型無段変速機の変速比の補正量を、このトロイダル型無段変速機を通過するトルクの変動に基づいてこの変速比が変化する量に影響を及ぼす状態量に応じて調節する。
この様に構成すれば、モード切換時の車両の状態、例えば通過トルクの大きさや油温等に応じてトルクシフト量(トルクの変動に基づき変速比が変化する量)が変化しても、トロイダル型無段変速機の変速比の補正量を、その時点の状態量に応じた最適な値に調節できる。この為、上記車両の状態に拘らず(車両の状態がどの様な状態でも)、その時点の車両の状態に応じた最適な補正をする事ができ、モード切換を常に滑らかに行なえる。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項6に記載した様に、入力軸を一方向に回転させたまま出力軸を停止させる、ギヤードニュートラル状態を実現できるモードを備えたものとする。
この様な、ギヤードニュートラル状態を実現できるモードを備えた無段変速装置の場合は、低速モードと高速モードとの間のモード切換が、低速で行なわれる。この為、このモード切換が走行の度に行なわれる事になり、モード切換を滑らかに行なう必要性が高く、本発明の効果をより有効に得られる。
図1〜6は、請求項1、2、5、6に対応する、本発明の実施例1を示している。尚、本実施例の特徴は、モード切換時に、クラッチ装置6である低速用、高速用両クラッチ7、8が同時に接続された事を、トロイダル型無段変速機4を通過するトルク(通過トルク)の変化に応じて判定し、上記低速用、高速用両クラッチ7、8が同時に接続されている間に、上記トロイダル型無段変速機4の変速比をトルクシフト分補正する点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図9〜10に示した従来構造と同様であるから、重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本実施例の特徴部分を中心に説明する。
本実施例の場合も、制御器16の制御信号に基づいて上記低速用、高速用各クラッチ7、8の断接状態を切り換える事により、減速比を大きくする(ギヤードニュートラル状態を含む)低速モードと、減速比を小さくする高速モードとを実現する。この為に、上記低速用、高速用各クラッチ7、8の断接状態を、上記制御器16の制御信号に基づいて通電状態を制御される、低速クラッチ用、高速クラッチ用各電磁切換弁31、32により、切り換え自在としている。即ち、これら低速クラッチ用、高速クラッチ用各電磁切換弁31、32は、ソレノイドへの通電に基づいてスプールをそれぞれ変位させるもので、このスプールの変位に基づき、上記低速用、高速用各クラッチ7、8の油圧室内への圧油の導入状態を切り換える事により、これら低速用、高速用各クラッチ7、8の断接状態を切り換える。
例えば、上記低速用クラッチ7を接続すると共に上記高速用クラッチ8の接続を断つ場合(低速モードを実現する場合)には、上記低速クラッチ用、高速クラッチ用各電磁切換弁31、32を非通電状態にし、これら各電磁切換弁31、32のスプールを、ばねの弾力に基づいて図2の右方(左枡の状態)に変位させる。この結果、上記低速用クラッチ7の油圧室に圧油が導入され、この低速用クラッチ7が接続されると共に、上記高速用クラッチ8の油圧室が油溜28に通じ、この高速用クラッチ8の接続が断たれる。
一方、上記低速用クラッチ7の接続を断つと共に上記高速用クラッチ8を接続する場合(高速モードを実現する場合)には、上記低速クラッチ用、高速クラッチ用各電磁切換弁31、32を通電状態にし、これら各電磁切換弁31、32のスプールを、ばねの弾力に抗して、図2の左方(右枡の状態)に変位させる。この結果、上記低速用クラッチ7の油圧室が油溜28に通じ、この低速用クラッチ7の接続が断たれると共に、上記高速用クラッチ8の油圧室に圧油が導入され、この高速用クラッチ8が接続される。
又、上記低速用、高速用両クラッチ7、8の接続を断つ場合(ニュートラル状態を実現する場合)には、上記低速クラッチ用電磁切換弁31を通電状態とし、この電磁切換弁31のスプールを、ばねの弾力に抗して図2の左方(右枡の状態)に変位させると共に、上記高速クラッチ用電磁切換弁32を非通電状態にし、この電磁切換弁32のスプールを、ばねの弾力に基づいて図2の右方(左枡の状態)に変位させる。この結果、上記低速用クラッチ7の油圧室が油溜28に通じ、この低速用クラッチ7の接続が断たれると共に、上記高速用クラッチ8の油圧室が油溜28に通じ、この高速用クラッチ8の接続が断たれる。
又、本実施例の場合、前記制御器16に、低速モードと高速モードとのモード切換時に、上記低速用クラッチ7と上記高速用クラッチ8とのうちの一方のクラッチでそれまで接続されていなかったクラッチを接続してから、同じく他方のクラッチでそれまで接続されていたクラッチの接続を断つ機能を持たせている。即ち、低速モードから高速モードにモード切換する場合には、上記高速用クラッチ8を接続してから、上記低速用クラッチ7の接続を断つ様にすると共に、高速モードから低速モードにモード切換する場合には、上記低速用クラッチ7を接続してから、上記高速用クラッチ8の接続を断つ様にしている。更に、本実施例の場合、上述の様なモード切換時に、上記低速用、高速用両クラッチ7、8が同時に接続されている事を、トロイダル型無段変速機4を通過するトルク(通過トルク)の変化に基づいて判定する機能を、上記制御器16に持たせている。
即ち、モード切換時に、それまで接続されていなかった一方のクラッチが接続され、上記低速用、高速用両クラッチ7、8が同時に接続された状態になると、上記通過トルクは、それまでの他方のクラッチのみが接続されていた状態での値から、0に向けて変化する。この為、この様な通過トルクの変化を検出すれば、上記低速用、高速用両クラッチ7、8が同時に接続されたか否かを判定できる。この為に、本実施例の場合は、上記通過トルクを、この通過トルクに対応する値である、パワーローラ12を支持する支持部材(トラニオン)を枢軸の軸方向に変位させる油圧式のアクチュエータ13に設けた1対の油圧室33a、33b同士の間の差圧から求める。この為に、これら各油圧室33a、33bにそれぞれ油圧センサ34(図2の34a、34b)を設け、これら各油圧センサ34a、34bの検出信号を、上記制御器16に入力している。
そして、例えば図4に示す様に、上記1対の油圧室33a、33b同士の間の差圧に応じて、上記低速用、高速用両クラッチ7、8の断接制御を行なうと共に、これら低速用、高速用両クラッチ7、8が同時に接続されている間に、トロイダル型無段変速機4の変速比の補正制御を行なう。尚、上記図4は、加速中に低速モードから高速モードへのモード切換を行なう場合を示している。
先ず、上記トロイダル型無段変速機4の変速比が、上記モード切換を行なう値(例えば最大減速比)になると、それまで接続されていなかった一方のクラッチである高速用クラッチ8の接続を開始すべく、前記高速クラッチ用電磁切換弁32が切り換わる(通電状態がONになる)。そして、この切り換えに基づいて上記高速用クラッチ8の油圧室の油圧が上昇し、上記低速用、高速用両クラッチ7、8が同時に接続されると、上記通過トルクに対応する値である上記差圧が、それまでの値(例えば−500kPa)から0に向けて変化する。そこで、この差圧の変化から、上記制御器16により、上記両クラッチ7、8が同時に接続されていると判定する。そして、この判定を条件に、例えばステッピングモータ17或いは電磁弁19を作動させ、制御弁装置21を構成する変速比制御弁22(図2参照)の切り換え状態を変更する(変速比制御弁22のスリーブ35を変位させる)事により、上記トロイダル型無段変速機の変速比を補正(調節)する。
尚、この変速比が補正される量(補正量)は、上記高速用クラッチ8が接続されてから、上記低速用クラッチ7の接続が断たれるまでの間に、上記トロイダル型無段変速機4を通過するトルク(通過トルク)の変動に基づき上記変速比が変化(トルクシフト)する量に相当する量としている。又、この変速比の補正量は、後述する様に、上記通過トルクの変動に基づきこの変速比が変化する量(トルクシフト量)に影響を及ぼす状態量(例えば通過トルクの大きさや方向、油温等)に応じて、その時点の最適な値に調節自在としている。そして、上述の様に変速比をトルクシフト分補正した事を条件に、それまで接続されていた他方のクラッチである、低速用クラッチ7の接続を断つべく、前記低速クラッチ用電磁切換弁31を切り換える(通電状態ONにする)。尚、これとは逆に、高速モードから低速モードへのモード切換を行なう場合には、一方のクラッチと他方のクラッチ、並びに、上記差圧の正負が逆になる以外は、上述した場合と同様に低速用、高速用各クラッチ7、8の断接を行なうと共に、上記トロイダル型無段変速機4の変速比をトルクシフト分補正する。
尚、上述の様なモード切換の際に、上記トロイダル型無段変速機4の変速比を補正しない(変速指令を出さない)場合には、この変速比及び無段変速装置全体の速度比は、図5(B)に模式的に示す様に変化する。即ち、上記トロイダル型無段変速機4の変速比が矢印イに示す様に減速(無段変速装置の速度比は矢印ルに示す様に増速)側に変化しつつ、モード切換ポイントであるロ点{最大減速比(変速度比の最小値):例えば0.46}に達すると、接続すべきクラッチである上記高速用クラッチ8の接続が開始される。そして、この高速用クラッチ8とそれまで接続されていた上記低速用クラッチ7との両クラッチ7、8が同時に接続された状態で、上記トロイダル型無段変速機4の変速比は、(変速指令を出さないにも拘らず)トルクシフトに基づき矢印ハに示す様に変化(減速)する。そして、接続を断つべき上記低速用クラッチ7の接続が断たれた状態で、上記変速比はニ点となる。この様に高速用クラッチ8が接続されてから低速用クラッチ7の接続が断たれるまでの間に、上記トロイダル型無段変速機4の変速比が上記ロ点からニ点に変化すると、この変化に基づき上記無段変速装置全体としての速度比も、矢印ヘに示す様にホ点からト点に変化する。この様な無段変速装置全体としての速度比の変化は、この速度比を減速させる方向に生じる為、変速ショックを生じ、運転者を初めとする乗員に違和感を与える可能性がある。
これに対して本実施例の様に、モード切換の際に、上記トロイダル型無段変速機4の変速比をトルクシフト分補正する場合には、この変速比及び無段変速装置全体の速度比は、図5(A)に模式的に示す様に変化する。即ち、上記トロイダル型無段変速機4の変速比がロ点に達すると、上記高速用クラッチ8の接続が開始され、この高速用クラッチ8とそれまで接続されていた低速用クラッチ7との両クラッチ7、8が同時に接続された状態となる。この際、上記トロイダル型無段変速機4の変速比は、トルクシフトに基づき変化(減速)しようとするが、この変化を打ち消す変速指令(増速命令)が出される為、矢印チに示す様に一定の値を維持する。そして、上記低速用クラッチ7の接続が断たれた状態で、上記変速比はリ点となる。この様に高速用クラッチ8が接続されてから低速用クラッチ7の接続が断たれるまでの間、上記トルクシフトに拘らず、上記トロイダル型無段変速機4の変速比は一定に保たれる(補正される)為、上記無段変速装置全体としての速度比も、ヌ点のまま変化しない。この為、上記トルクシフトに拘らず、この無段変速装置全体としての速度比が変化する事を防止して、変速ショックに基づく違和感を防止できる。
この様にトロイダル型無段変速機4の変速比を補正しつつ、低速用、高速用両クラッチ7、8の断接状態を制御する前記制御器16が備える機能に就いて、図3のフローチャートを参照しつつ説明する。尚、このフローチャートに示した作業は、イグニッションスイッチがONされてからOFFされるまでの間、より好ましくは、トロイダル型無段変速機4の変速比がモード切換を行なう値(例えば最大減速比)近傍で運転されている間、繰り返し(自動的に)行なわれる。
先ず、上記制御器16は、ステップ1で、モード切換を行なう条件が成立しているか否かを判定する。この判定は、例えばトロイダル型無段変速機4の変速比が所定の値(例えば最大減速比=0.46)であるか否かを、入力側、出力側両回転センサ37、36により検出される入力側、出力側各ディスク10、11の回転速度の比に基づいて、或いは、予め求めたステッピングモータ17のステップ位置と変速比との相関関係に基づいて、判定する。この様なステップ1で、上記トロイダル型無段変速機4の変速比が所定の値ではないと判定された場合には、モード切換は行なわずに終了する(開始に戻る)。
一方、上記ステップ1で、上記トロイダル型無段変速機4の変速比が所定値であり、モード切換を行なう条件が成立していると判定された場合には、続くステップ2に示す様に、現在の走行モードが低速モードか否かを判定する。この判定は、この判定の直前に上記制御器16が前記低速クラッチ用、高速クラッチ用両電磁切換弁31、32に出力した制御信号に基づいて行なう。この様なステップ2で、上記制御器16が直前に出力した制御信号が、低速モードを実現するもの(低速用クラッチ7を接続すると共に高速用クラッチ8の接続を断つもの)であれば、現在の走行モードが低速モードであると判定する。そして、この様に現在の走行モードが低速モードであると判定された場合は、ステップ3で、変速比補正量を設定する。具体的には、上記高速用クラッチ8が接続されてから、上記低速用クラッチ7の接続が断たれるまでの間に、上記トロイダル型無段変速機4を通過するトルクの変動(トルク変動)に基づき上記変速比が変化(トルクシフト)する量を、その時点の通過トルクの大きさや油温等の車両の状態量に応じて算出する。
そして、このトルクの変動に基づき変速比が変化する分を補正する為に必要な、ステッピングモータ17の駆動量或いは電磁弁19の開度を算出する事により、上記変速比補正量を設定する。尚、上記算出は、例えば次の様に行なう。即ち、上記状態量と、この状態量に対応するトルクシフト量(変速比が変化する量)、並びに、このトルクシフト量を補正する為に必要な上記ステッピングモータ17の駆動量或いは電磁弁19の開度との相関関係を予め求めておき、この相関関係を、制御器のメモリにマップや式として記憶させておく。そして、この様に記憶させた相関関係に基づき、その時点の状態量に応じた適切な変速比(補正量)に対応する上記駆動量や開度を求める事により、上記変速比補正量を設定する。この様に変速比補正量を設定したならば、続くステップ4に示す様に、高速用クラッチ8を接続させるべく、上記高速クラッチ用電磁切換弁32を切り換える(通電状態をONにする)。次いで、ステップ5に示す様に、前記トロイダル型無段変速機4を通過するトルク(通過トルク)を求めるべく、この通過トルクに対応する値である、前記アクチュエータ13を構成する1対の油圧室33a、33b同士の間の差圧の変化を検出する。
即ち、続くステップ6に示す様に、上記差圧が0に向けて所定量(例えばX[Pa])変化したか否かを判定する。尚、この所定量(X[Pa])は、予め実験等により最適な値を求めておく。この様なステップ6で、上記差圧が0に向けて所定量変化(増大)していなければ、上記ステップ5に戻り、この差圧が0に向けて所定量変化するまで繰り返す。そして、上記ステップ6で、上記差圧が0に向けて所定量変化し、前記低速用、高速用両クラッチ7、8が同時に接続されていると判定された場合には、続くステップ7に示す様に、上記トロイダル型無段変速機4の変速比を、トルクシフト分補正する。尚、この補正は、前述のステップ3で設定した変速比補正量に基づいて、前記ステッピングモータ17或いは電磁弁19を作動させ、前記制御弁装置21を構成する変速比制御弁22の切り換え状態を変更する(変速比制御弁22のスリーブ35を変位させる)事により行なう。
次いで、ステップ8に示す様に、上記トロイダル型無段変速機4の変速比が補正された(ステップ3で求めた補正量分補正された)か否かを判定する。この判定は、例えば上記変速比を、入力側、出力側両回転センサ37、36により検出される入力側、出力側各ディスク10、11の回転速度の比に基づいて、或いは、予め求めたステッピングモータ17のステップ位置と変速比との相関関係に基づいて算出し、この算出された変速比が上記補正された値となったか否かにより判定する。この様なステップ8で、上記変速比が補正された値になっていなければ、上記ステップ7に戻り、この変速比が上記補正された値になるまで繰り返す。そして、上記ステップ8で、上記変速比が補正された値になったと判定されたならば、続くステップ9に示す様に、前記低速用クラッチ7の接続を断つべく、前記低速クラッチ用電磁切換弁31を切り換える(通電状態をONにする)。
一方、上記ステップ2で、上記制御器16が直前に出力した制御信号が高速モードを実現するもの(低速用クラッチ7の接続を断つと共に高速用クラッチ8を接続させるもの)であれば、現在の走行モードが高速モードであると判定する。そして、この様に現在の走行モードが高速モードであると判定された場合は、ステップ10で、変速比補正量を設定する。具体的には、前述のステップ3と同様に、上記低速用クラッチ7が接続されてから、上記高速用クラッチ8の接続が断たれるまでの間に、上記トロイダル型無段変速機4を通過するトルクの変動(トルク変動)に基づき上記変速比が変化(トルクシフト)する量を、その時点の通過トルクの大きさや油温等の車両の状態量に応じて算出する。そして、このトルクの変動に基づき変速比が変化する分を補正する為に必要な、ステッピングモータ17の駆動量或いは電磁弁19の開度を算出する事により、上記変速比補正量を設定する。
この様に変速比補正量を設定したならば、続くステップ11に示す様に、低速用クラッチ7を接続させるべく、上記低速クラッチ用電磁切換弁31を切り換える(通電状態をOFFにする)。次いで、前述のステップ5と同様、ステップ12に示す様に、上記トロイダル型無段変速機4を通過するトルク(通過トルク)を求める。即ち、前述のステップ6と同様に、ステップ13で、前記両油圧室33a、33b同士の間の差圧が0に向けて所定量変化したか否かを判定する。そして、上記ステップ13で、前記低速用、高速用両クラッチ7、8が同時に接続されていると判定された場合には、続くステップ14で、前述したステップ7と同様に、上記トロイダル型無段変速機4の変速比を、トルクシフト分補正する。
次いで、ステップ15で、前述したステップ8と同様に、上記トロイダル型無段変速機4の変速比が補正された(ステップ10で求めた補正量分補正された)か否かを判定する。そして、上記ステップ15で、上記変速比が補正された値になったと判定されたならば、続くステップ16に示す様に、前記高速用クラッチ8の接続を断つべく、前記高速クラッチ用電磁切換弁32を切り換える(通電状態をOFFにする)。
上述の様に本実施例の場合は、モード切換時に、それまで接続されていなかった一方のクラッチ(低速用クラッチ7或いは高速用クラッチ8)が接続されると、この一方のクラッチ7(8)と、それまで接続されていた他方のクラッチ(高速用クラッチ8或いは低速用クラッチ7)との両クラッチ7、8が接続されている事を、トロイダル型無段変速機4を通過するトルクの変化を表す、アクチュエータ13の油圧室33a、33b同士の間の差圧に基づいて判定する。そして、上記両クラッチ7、8が接続されていると判定されてから、上記トロイダル型無段変速機4の変速比をトルクシフト分補正し、この補正が完了してから、上記他方のクラッチ8(7)の接続を断つ。この為、例えば上記低速用、高速用各クラッチ7、8を構成する摩擦材の温度特性並びに油温等の車両状態に応じて、上記一方のクラッチ7(8)の接続が開始されてから接続し切る(動力の伝達をできる状態となる)までの時間が変化しても、この時間の長短に拘らず、上記変速比をトルクシフト分補正してから(補正が完了してから)、上記他方のクラッチ8(7)の接続を断つ事ができる。
この為、上記両クラッチ7、8が同時に接続されてから変速比の補正を行なうまでの時間が必要以上に長くなる事や、上記両クラッチ7、8が同時に接続されていないにも拘らず変速比が補正される事、更には、変速比が補正されるのに先立ち接続を断つべきクラッチ7(8)の接続が断たれる事を防止できる。この結果、上記車両状態に拘らず、トルクシフトに基づく変速ショックを防止でき、モード切換を常に滑らかに行なう事ができる。又、上記トロイダル型無段変速機4を通過するトルク(通過トルク)の変化は、従来からこの通過トルクを検出する為に設置されている油圧センサ34a、34bにより求められる。即ち、パワーローラ12を支持する支持部材(トラニオン)を枢軸の軸方向に変位させる油圧式のアクチュエータ13の1対の油圧室33a、33bにそれぞれ設けた、上記油圧センサ34a、34bにより、これら1対の油圧室33a、33b同士の間の差圧の変化として、上記通過トルクを求める。この為、上記両クラッチ7、8が同時に接続されたか否かの判定をする為に、これら各クラッチ7、8の油圧室内の圧力を検出する為の油圧センサ等を別途設ける必要もなく、装置が複雑になる事やコストが嵩む事を防止できる。この結果、上記両クラッチ7、8が同時に接続されたか否かの判定を行なうと共に、上記変速比をトルクシフト分補正してから、上記他方のクラッチ8(7)の接続を断つ為の機構や構造を、簡素に、且つ、低コストで構成できる。
又、本実施例の場合、モード切換の際(一方のクラッチが接続されてから他方のクラッチの接続が断たれるまでの間)の変速比の補正量を、トロイダル型無段変速機4の変速比を通過するトルクの変動に基づきこのトロイダル型無段変速機4の変速比が変化(トルクシフト)する量に影響を及ぼす状態量に基づいて設定している。この為、モード切換時の車両の状態、例えば通過トルクの大きさや油温等に応じてトルクシフト量(トルク変動に基づき変速比か変化する量)が変化しても、上記トロイダル型無段変速機4の変速比の補正量をこの変化に応じて設定できる。この為、上記車両の状態に拘らず(車両の状態がどの様な状態でも)、この車両の状態に応じた最適な補正をする事ができ、モード切換を常に滑らかに行なえる。
図6は、車両を停止させた状態から、50Km/h程度まで加速し、その後惰性走行させてから、ブレーキペダルを踏み込んで停止するまでの間に、この車両に加わる加速度等の変化を示している。この図6中、入力側ディスク10の回転速度(IDREV [min-1 ]:左縦軸)を細一点鎖線とし、出力側ディスク11の回転速度(ODREV [min-1 ]:左縦軸)を細二点鎖線とし、トロイダル型無段変速機4の変速比(eCVU [ratio ]:左縦軸×10000)を太実線とし、アクチュエータ13の1対の油圧室33a、33b同士の間の差圧(dP[KPa ]:左縦軸)を細破線としている。又、走行モード{MODE[L(低速モード)/H(高速モード)]}を太二点鎖線とし、車速(SPEED [km/h]:左縦軸×100)を細三点鎖線とし、アクセル開度(ACCEL [%]:右縦軸+200)を太四点鎖線とし、ブレーキペダルの踏み込み状態(F/B[ON/OFF ])を太三点鎖線としている。又、低速クラッチ用電磁切換弁31の切り換え状態(Low SOL [ON/OFF ])を太五点鎖線とし、高速クラッチ用電磁切換弁32の切り換え状態(High SOL[ON/OFF ])を太破線とし、ステッピングモータ17のステップ位置(S/M[Step]:右縦軸)を太一点鎖線としている。更に、低速用クラッチ7の油圧室の油圧(K1[KPa ]:右縦軸×10)を細四点鎖線とし、高速用クラッチ8の油圧室の油圧(K2[KPa ]:右縦軸×10)を細5点鎖線とし、加速度(Acceleration[G ]:右縦軸×10)を細実線としている。又、横軸を時間[Sec ]とすると共に、モード切換を行なうトロイダル型無段変速機4の変速比eCVU (モード切換ポイント)を0.46としている。
この様な図6から明らかな様に、低速モードから高速モードに切り換える際は、それまで接続されていなかった高速用クラッチ8とそれまで接続されていた低速用クラッチ7との両方が接続されると、同図にイで示す様に、上記トロイダル型無段変速機4を通過するトルクに対応する値である上記差圧が、それまでの値から0に向けて変化する。本実施例の場合、この様な差圧の変化に基づき、上記低速用、高速用両クラッチ7、8が同時に接続されたと判断すると共に、この様に両クラッチ7、8が接続された事を条件に、トロイダル型無段変速機4の変速比をトルクシフト分補正する(A部に示す様にステッピングモータ17を駆動する)。そして、この様に変速比を補正してから、上記低速用クラッチ7の接続を断っている。この様な低速モードから高速モードへのモード切換の際に加わる加速度は、同図の実線ハにその傾向を示す様に、急激には変動していない。この為、滑らかにモード切換を行なえ、運転者を初めとする乗員に違和感を与える事を防止できる。又、高速モードから低速モードに切り換える際にも、それまで接続されていなかった低速用クラッチ7とそれまで接続されていた高速用クラッチ8との両方が接続されると、同図にロで示す様に、上記差圧がそれまでの値から0に向けて変化する。この場合も、この様な差圧の変化に基づき、上記低速用、高速用両クラッチ7、8が同時に接続されたと判断すると共に、この様に両クラッチ7、8が接続された事を条件に、トロイダル型無段変速機の変速比をトルクシフト分補正する(B部に示す様にステッピングモータ17を駆動する)。そして、この様に変速比を補正してから、上記高速用クラッチ8の接続を断っている。この様な高速モードから低速モードへのモード切換の際に加わる加速度も、同図の実線ニにその傾向を示す様に、急激には変動していない。この場合も、モード切換を滑らかに行なえ、運転者を初めとする乗員に違和感を与える事を防止できる。
尚、本実施例の場合は、制御器16により制御される低速クラッチ用、高速用クラッチ用各電磁切換弁31、32の切換に基づき、低速用クラッチ7及び高速用クラッチ8の断接状態を、それぞれ独立して切換自在としている。この様に低速用、高速用各クラッチ7、8の断接状態を独立して切り換える構造としては、上記低速クラッチ用、高速用クラッチ用各電磁切換弁31、32により上記低速用、高速用各クラッチ7、8の各油圧室に送り込む油圧を制御する他、電磁比例弁や、モータ等のアクチュエータにより制御する事もできる。又、上記低速用、高速用各クラッチの断接を直接モータ等のアクチュエータや切換弁により制御する事もできる。要は、上記低速用、高速用各クラッチ7、8の断接状態をそれぞれ独立して切り換える事ができれば、何れの構造も採用可能である。又、前述の様に本実施例の場合は、低速モードを実現する際に低速クラッチ用、高速クラッチ用電磁切換弁31、32を非通電状態にする。この為、何らかの故障でこれら各電磁弁31、32に通電を行なえなくなった場合でも、低速モードでの走行を確保でき、フェールセーフ化(故障時の安全性能の向上)を図れる。
図7は、請求項1、3に対応する、本発明の実施例2を示している。上述した実施例1の場合は、モード切換時に低速用、高速用両クラッチ7、8が同時に接続されているか否かを、トロイダル型無段変速機4(図1、2参照)を通過するトルクが0に向けて所定量変化したか否かに基づいて判定する。これに対して、本実施例の場合は、上記両クラッチ7、8が同時に接続されているか否かを、上記トロイダル型無段変速機4を通過するトルクが0に向けて所定速度以上で変化したか否かに基づいて判定する。即ち、本実施例の場合は、上記通過トルクに対応する値である、パワーローラ12(図1参照)を支持する支持部材(トラニオン)を枢軸の軸方向に変位させる油圧式のアクチュエータ13に設けられた1対の油圧室33a、33b(図2参照)同士の間の差圧が、0に向けて所定速度(例えばY[Pa/ms])以上で変化したか否かに基づいて、上記判定を行なう。例えば、現在の差圧が正の値である場合には、所定速度以上で減少したか否かに基づいて、或いは、現在の差圧が負の値である場合には、所定速度以上で増大したか否かに基づいて、上記判定を行なう。そして、この差圧が0に向けて所定速度以上で変化した事を条件に、トロイダル型無段変速機4の変速比をトルクシフト分補正すべく、ステッピングモータ17或いは電磁弁19を作動させ、制御弁装置21を構成する変速比制御弁22(図2参照)の切り換え状態を切り換える(変速比制御弁22のスリーブ35を変位させる)。そして、この様な変速比の補正の後に、それまで接続されていた他方のクラッチ(低速用クラッチ7或いは高速用クラッチ8)の接続を断つ。尚、上記所定速度(Y[Pa/ms])は、予め実験等により最適な値を求めておく。
その他の構成及び作用は、上述した実施例1と同様であるから、重複する説明は省略する。
図8は、請求項1、4に対応する、本発明の実施例3を示している。本実施例の場合には、モード切換時に低速用、高速用両クラッチ7、8が同時に接続されているか否かを、トロイダル型無段変速機4(図1、2参照)を通過するトルクが0になったか否かに基づいて判定する。即ち、本実施例の場合は、上記通過トルクに対応する値である、パワーローラ12(図1参照)を支持する支持部材(トラニオン)を枢軸の軸方向に変位させる油圧式のアクチュエータ13に設けた1対の油圧室33a、33b(図2参照)同士の差圧が、0になった(差圧=0)か否かに基づいて、上記判定を行なう。より具体的には、上記差圧が、チューニング等により決定されるヒステリシスαの範囲内(差圧≦|0±α|)になったか否かに基づいて、上記判定を行なう。尚、このヒステリシスαは、予め実験等により求めた最適値に設定しておく。そして、上記差圧が0(0±αの範囲内)になった事を条件に、トロイダル型無段変速機4の変速比をトルクシフト分補正すべく、ステッピングモータ17或いは電磁弁19を作動させ、制御弁装置21を構成する変速比制御弁22(図2参照)の切り換え状態を切り換える(変速比制御弁22のスリーブ35を変位させる)。そして、この様な変速比の補正の後に、それまで接続されていた他方のクラッチ(低速用クラッチ7或いは高速用クラッチ8)の接続を断つ。
その他の構成及び作用は、前述した実施例1と同様であるから、重複する説明は省略する。
尚、前述並びに上述した本実施例1〜3の場合は、低速用、高速用両クラッチ7、8が接続されている事を、トロイダル型無段変速機4を通過するトルク(通過トルク)の変化に基づいて判定する。そして、この通過トルクを、従来から設置されている油圧センサ34a、34b、即ち、アクチュエータ13を構成する1対の油圧室33a、33bにそれぞれ設けた上記油圧センサ34a、34bにより、これら1対の油圧室33a、33b同士の間の差圧として検出する。但し、図示は省略するが、例えば押圧装置としてローディングカム式のものを使用する場合には、この押圧装置を構成するカム面を形成した部材(例えばカム板や入力側ディスク)同士の位相差に基づいて、上記通過トルクの変化を検出する事もできる。又、上記アクチュエータ13を構成するピストン等の変位量(例えば変速指令を出していない状態でのこのピストンの変位量)を検出する事により、上記通過トルクの変化を検出する事もできる。但し、この様な場合は、別途回転センサや変位センサ(ストロークセンサ)を設ける必要がある。この為、コスト低減の面からは、安価なセンサを使用するか、或いは、上述の様に差圧から通過トルクを検出する事が好ましい。
又、トロイダル型無段変速機4の変速比の補正を開始する条件となる、上記低速用、高速用両クラッチ7、8が同時に接続された事は、これら各クラッチ7、8を構成する各ピストンの変位から検出する事もできる。又、これら各クラッチ7、8への圧油の送り込み状態を切り換える切換弁のスプールの変位からも、これら両クラッチ7、8が同時に接続された事を検出できる。但し、この様な場合も、別途変位センサを設ける必要がある。この為、コスト低減の面からは、上述の様に差圧の変化に基づいて上記通過トルクの変化を検出し、上記両クラッチが接続された事を判定する事が好ましい。
以上の説明は、本発明を、トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とを組み合わせると共に、入力軸を一方向に回転させたまま、出力軸の回転状態を、停止状態を挟んで正転、逆転に切り換えられる、所謂ギヤードニュートラル状態を実現できるモード(低速モード)を備えた無段変速装置に適用した場合に就いて説明した。但し、本発明は、トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とを組み合わせると共に、トロイダル型無段変速機のみで動力を伝達するモード(低速モード)と、差動ユニットである遊星歯車式変速機により主動力を伝達し、上記トロイダル型無段変速機により変速比の調節を行なう、所謂パワースプリット状態を実現するモード(高速モード)とを備えた無段変速装置に適用する事もできる。又、自動車用の自動変速機としてだけでなく、各種産業用の変速機としても利用できる。又、トロイダル型無段変速機の構造に関しては、ハーフトロイダル型、フルトロイダル型の何れでも良い。
本発明の実施例1を示す、無段変速装置のブロック図。 この無段変速装置に組み込む油圧回路図。 実施例1の特徴となる動作を示すフローチャート。 アクチュエータを構成する1対の油圧室同士の差圧と、低速用、高速用各クラッチの接続状態と、低速クラッチ用、高速クラッチ用各電磁切換弁の切り換え状態と、変速比の補正制御との関係を示す線図。 モード切換を行なう際の、トロイダル型無段変速機の変速比と無段変速装置全体の速度比との関係を示す線図で、(A)はモード切換中に変速比の補正を行なう場合を、(B)は行なわない場合を、それぞれ示している。 車両が停止した状態から加速し、惰性走行後、停止するまでの、各部の状態変化を説明する為の線図。 本発明の実施例2を示す、図3と同様の図。 同実施例3を示す、図3と同様の図。 従来の無段変速装置のブロック図。 この無段変速装置に組み込む油圧回路図。
符号の説明
1 エンジン
2 ダンパ
3 入力軸
4 トロイダル型無段変速機
5 遊星歯車式変速機
6 クラッチ装置
7 低速用クラッチ
8 高速用クラッチ
9 出力軸
10 入力側ディスク
11 出力側ディスク
12 パワーローラ
13 アクチュエータ
14 押圧装置
15 変速比制御ユニット
16 制御器
17 ステッピングモータ
18 ライン圧制御用電磁開閉弁
19 電磁弁
20 シフト用電磁弁
21 制御弁装置
22 変速比制御弁
23 差圧シリンダ
24a、24b 補正用制御弁
25 高速クラッチ用切換弁
26 低速クラッチ用切換弁
27、27a、27b オイルポンプ
28 油溜
29a、29b 調圧弁
30 手動油圧切換弁
31 低速クラッチ用電磁切換弁
32 高速クラッチ用電磁切換弁
33a、33b 油圧室
34、34a、34b 油圧センサ
35 スリーブ
36 出力側回転センサ
37 入力側回転センサ

Claims (6)

  1. トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とをクラッチ装置を介して組み合わせて成り、このクラッチ装置は、減速比を大きくする低速モードを実現する際に接続されて同じく小さくする高速モードを実現する際に接続を断たれる低速用クラッチと、この高速モードを実現する際に接続されて上記低速モードを実現する際に接続を断たれる高速用クラッチと、これら各クラッチの断接状態を切り換える制御器とから成り、この制御器は、これら各クラッチの断接を制御する事で、変速状態を上記低速モードと上記高速モードとのうちの何れかのモードにするものであり、上記制御器に、上記低速モードと上記高速モードとの間でのモード切換時に、上記低速用クラッチと上記高速用クラッチとのうちの一方のクラッチでそれまで接続されていなかったクラッチを接続してから、同じく他方のクラッチでそれまで接続されていたクラッチの接続を断つ機能を持たせる事により、これら両クラッチが同時に接続されている時間を設定した無段変速装置に於いて、上記制御器に、上記両クラッチが同時に接続されている事を、上記トロイダル型無段変速機を通過するトルクの変化に基づいて判定する機能を持たせ、上記モード切換時に、この機能に基づき上記両ラッチが同時に接続されていると判定された事を条件に、上記トロイダル型無段変速機の変速比を、上記一方のクラッチが接続されてから上記他方のクラッチの接続が断たれるまでの間に、上記トロイダル型無段変速機を通過するトルクの変動に基づき上記変速比が変化する量に相当する分補正してから、それまで接続されていた上記他方のクラッチの接続を断つ事を特徴とする無段変速装置。
  2. トロイダル型無段変速機を通過するトルクが0に向けて所定量変化したか否かに基づいて、両クラッチが同時に接続されたか否かの判定を行なう、請求項1に記載した無段変速装置。
  3. トロイダル型無段変速機を通過するトルクが0に向けて所定速度以上で変化したか否かに基づいて、両クラッチが同時に接続されたか否かの判定を行なう、請求項1に記載した無段変速装置。
  4. トロイダル型無段変速機を通過するトルクが0になったか否かに基づいて、両クラッチが同時に接続されたか否かの判定を行なう、請求項1に記載した無段変速装置。
  5. トロイダル型無段変速機の変速比の補正量を、このトロイダル型無段変速機を通過するトルクの変動に基づいてこの変速比が変化する量に影響を及ぼす状態量に応じて調節する、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載した無段変速装置。
  6. 入力軸を一方向に回転させたまま出力軸を停止させるギヤードニュートラル状態を実現できるモードを備えた、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載した無段変速装置。
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