JP2002013626A - パワートレインの制御装置 - Google Patents

パワートレインの制御装置

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JP2002013626A
JP2002013626A JP2000196845A JP2000196845A JP2002013626A JP 2002013626 A JP2002013626 A JP 2002013626A JP 2000196845 A JP2000196845 A JP 2000196845A JP 2000196845 A JP2000196845 A JP 2000196845A JP 2002013626 A JP2002013626 A JP 2002013626A
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Japan
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ratio
control
gear ratio
gear
speed
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JP2000196845A
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English (en)
Inventor
Hidetoshi Nobemoto
秀寿 延本
Hiromasa Yoshida
裕将 吉田
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モードの切換動作中に一時中断していた変速
比のフィードバック制御を再開するときに、その中断中
の走行状態の変化によって変速比が急変することを抑制
することを課題とする。 【解決手段】 ローモードLFからハイモードHFへの
経路時に、モード切換ポイントMにおいて変速比を固定
する。走行抵抗のばらつきにより、モード切換開始時の
走行状態kが、車速の上昇した走行状態mに移行する。
この状態mから、モード切換終了時の目標状態oへ向け
て、一気に変化させず、所定時間を費やして変化させ
る。変速比およびエンジン回転数が徐々に滑らかに変化
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用パワートレイ
ン、特に、無段変速式の変速機を備えたパワートレイン
の制御装置に関し、車両用駆動装置の技術分野に属す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、無段変速式の変速機を備えたパワ
ートレインが実用化されつつある。このパワートレイン
では、一般に、変速機は無段変速機構と遊星歯車機構と
を有する。無段変速機構は、例えば、一対の入出力ディ
スク間にパワーローラを傾転可能に介設したトロイダル
式のものや、縮径拡径可能な一対の入出力プーリ間にベ
ルトを張設したベルト式のもの等が採用される。
【0003】変速機には、無段変速機構と遊星歯車機構
とを経由する動力伝達経路と、無段変速機構のみを経由
する動力伝達経路とが形成される。前者の経路はローモ
ードの経路であり、比較的大きな変速機の変速比(最終
変速比)が得られる。したがってこの経路は後退時や発
進時に用いられる。後者の経路はハイモードの経路であ
り、比較的小さな最終変速比が得られる。したがってこ
の経路は高速走行時に用いられる。
【0004】変速機の目標変速比は車速やエンジン負荷
等の車両の走行状態に応じて設定される。そして、それ
が実現するように上記経路の切換制御と無段変速機構の
変速比制御とが行なわれる。変速比制御は通常フィード
バック制御により行なわれる。一方、動力伝達経路はク
ラッチ等の摩擦締結要素の作動によって動力伝達状態と
される。したがって、経路の切換えを伴う目標変速比が
設定されたときは、ローモードの経路を達成するローク
ラッチとハイモードの経路を達成するハイクラッチとの
掛替えが行なわれる。
【0005】無段変速式の変速機はショックのない滑ら
かな変速が特徴である。したがって、このような経路の
切換時においてもいかにショックのない滑らかな変速を
実現させるかが最重要課題の一つである。基本的に、ロ
ーモードとハイモードとで同じ最終変速比が実現する無
段変速機構の変速比が唯一存在し、最終変速比ないし無
段変速機構の変速比がこの変速比(切換ポイント変速
比)にあるときに経路の切換えを行なうことが知られて
いる。これにより、無段変速機構の変速比を連続的に変
化させながら、変速機の最終変速比を急変させずに滑ら
かに変化させることが可能となる。
【0006】本出願人は、このような経路切換時の制御
をさらに以下のように種々改良した発明についてすでに
提案を行なった(特願平10−372957号)。すな
わち、経路を切り換えるために行なうクラッチの掛替え
には時間を要するから、経路の切換動作中は変速比を上
記の切換ポイント変速比に維持するようにして、最終変
速比がモードの切換前後で変動することを抑制する。ま
た、その際、ロークラッチとハイクラッチとを両方締結
すれば変速比を上記の切換ポイント変速比に固定するこ
とができるから、経路の切換動作中は両方のクラッチを
締結状態として、変速比のフィードバック制御は中断す
る。さらに、ローモードとハイモードとでは無段変速機
構を通過するトルクの流れが逆転し、またトルクに応じ
て無段変速機構に作用する応力が変化するから、経路の
切換動作中にその応力の変化分の埋め合わせをして、無
段変速機構の変速比ないし変速機の最終変速比がモード
の切換前後で変動することを抑制する。そして、パワー
ローラの傾転には慣性が作用するから、パワーローラの
傾転制御を上記の切換ポイント変速比が得られる手前で
停止して、パワーローラが切換ポイント変速比が得られ
る傾転角で停止することを図る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしそれでもなお解
決すべき課題が残存する。すなわち、上記のように、経
路の切換動作中はロークラッチとハイクラッチとの両方
を締結することにより変速比を切換ポイント変速比に固
定し、変速比のフィードバック制御を中断した場合に
は、その変速比のフィードバック制御を再開するときの
動作が極めて重要となる。
【0008】つまり、前述したように、経路の切換動作
はすなわちロークラッチとハイクラッチとの掛替動作で
あり、どうしてもある程度の時間が必要となる。したが
って、その間に、例えば道路勾配や車重あるいは空気抵
抗等から定められる走行抵抗等の影響を受けて走行状
態、特に車速が変化するような場合がある。このとき、
変速比のフィードバック制御が中断されておらず、変速
比が固定されていなければ、その車速の変化に伴って変
速比が滑らかに変化され、またエンジン回転数も滑らか
に変化されるから問題はない。
【0009】しかし、この経路の切換動作中は変速比が
切換ポイント変速比に固定されているから、その切換ポ
イント変速比に固定された実変速比と、経路の切換えが
終了して変速比制御が再開されたときに上記の変化した
車速に応じて設定される目標変速比との間に偏差が生じ
る。また、同じく、この経路の切換動作中は変速比が切
換ポイント変速比に固定されているから、エンジン回転
数が上記の変化した車速の影響を直接受けて大きく変化
される。そして、このような変速比間の偏差やエンジン
回転数の大きな変化は、例えば走行抵抗が大きいとか、
経路の切換動作時間が長い等の理由により、車速の変化
が大きくなるほど著しくなる。
【0010】その結果、変速比制御の再開時にフィード
バック制御を通常通りに行なうと、実変速比と目標変速
比との間に大きな偏差が生じているから、変速比が一気
に急激に変化してショックが発生する。また、変化後の
車速を維持しながら変速比が目標変速比に向けて急変す
るから、エンジン回転数もまた一気に急激に変化したり
不連続に変化したりして違和感が生じる。
【0011】本発明は、無段変速式の変速機を備えたパ
ワートレインにおいて、経路の切換動作中にいったん中
断した変速比制御を再開するときの上記不具合に対処す
るもので、変速比制御の再開時のショックや違和感を低
減することを抑制することを課題とする。以下、その他
の課題を含め、本発明を詳しく説明する。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記課題を解
決するため、本願の請求項1に記載の発明は、無段変速
機構と歯車機構とを経由する動力伝達経路と、無段変速
機構のみを経由する動力伝達経路とを有する変速機を備
え、車両の走行状態に応じて目標変速比を設定する目標
変速比設定手段と、該設定手段で設定された目標変速比
が実現するように上記経路の切換制御と上記無段変速機
構の変速比制御とを行なう変速制御手段とが設けられた
パワートレインの制御装置であって、経路の切換えを伴
う目標変速比が設定されたときは、その経路の切換動作
中、変速比を所定の変速比に固定し、変速制御手段によ
る変速比制御を中断させる中断手段と、経路の切換動作
が終了したときは、変速比の固定を解除し、変速制御手
段による変速比制御を再開させる再開手段と、該再開手
段によって変速比制御が再開されたときに、該制御の中
断中に生じた走行状態の変化によって変速比が急激に変
化することを抑制する抑制手段とが設けられていること
を特徴とする。
【0013】この発明によれば、経路の切換動作が終了
し、変速比の固定が解除されて、変速比制御が再開され
たときは、該制御の中断中に生じた走行状態の変化によ
って変速比が急激に変化することが抑制される。その結
果、例えば制御の中断中に走行抵抗の影響を受けて車速
が変化し、変速比制御の再開時に実変速比と目標変速比
との間に大きな偏差が生じていても、変速比制御が穏便
に行なわれ、変速比の急変に伴うショックや、エンジン
回転数の急変や不連続変化による違和感が低減されて、
変速比制御の再開時においても滑らかで良好な変速が実
現する。
【0014】次に、請求項2に記載の発明は、上記請求
項1に記載の発明において、抑制手段は、変速比制御の
再開時に目標変速比設定手段で設定された目標変速比を
所定時間を費やして実現させることにより、変速比が急
激に変化することを抑制することを特徴とする。
【0015】この発明によれば、抑制手段が行なう具体
的動作の一例が示される。すなわち、抑制手段は、変速
比制御の再開時の目標変速比に向けて実変速比を所定時
間をかけてゆっくりと変化させる。これにより、変速比
の変化率が小さくなって、変速比の急変が抑制される。
【0016】この場合、所定時間は、例えば、実変速比
と制御再開時の目標変速比との偏差が大きいときは長く
し、小さいときは短くすることが好ましい。変速比の収
束性も維持しながら変速比の急変を抑制する適切な変速
比制御が実現する。
【0017】次に、請求項3に記載の発明は、上記請求
項2に記載の発明において、所定時間は、トルクに応じ
て設定されることを特徴とする。
【0018】この発明によれば、例えばトルクが大きく
変速比の急変に伴うショックが大きくなるときには、所
定時間を長くすることにより、変速比の変化率をより小
さくしてショックを希釈化することができる。
【0019】次に、請求項4に記載の発明は、上記請求
項2または3に記載の発明において、抑制手段は、変速
比が単位時間当たりに所定値以上に大きく変化しないよ
うにすることを特徴とする。
【0020】この発明によれば、変速比の変化率が一様
に小さくされる。したがって、変速比の急変に伴うショ
ックや、エンジン回転数の急変等による違和感が確実に
抑制される。
【0021】次に、請求項5に記載の発明は、上記請求
項1に記載の発明において、目標変速比設定手段は、制
御の中断中に生じた走行状態の変化に応じて設定された
変速特性に基いて目標変速比を設定し、抑制手段は、こ
の設定手段で設定された目標変速比を実現させることに
より、変速比が急激に変化することを抑制することを特
徴とする。
【0022】この発明によれば、抑制手段が行なう具体
的動作の他の一例が示される。すなわち、抑制手段は、
制御の中断中に生じた走行状態の変化に応じて設定され
た変速特性に基いて設定された目標変速比に向けて実変
速比を変化させる。したがって、目標変速比には、制御
の中断中に生じた走行状態の変化が考慮されているか
ら、この目標変速比を実現することにより、実変速比が
一気に急変することのない、滑らかで良好な変速が実現
する。以下、発明の実施の形態を通して、本発明をさら
に詳しく説明する。
【0023】
【発明の実施の形態】[全体構成]図1および図2に示
すように、本実施の形態に係るパワートレイン10は、
エンジン1の出力軸2にトーショナルダンパ3を介して
連結されたインプットシャフト11と、該シャフト11
の外側に遊嵌合された中空のプライマリシャフト12
と、これらのシャフト11,12に平行に配置されたセ
カンダリシャフト13とを有する。これらのシャフト1
1〜13は車幅方向に延びる。インプットシャフト11
およびプライマリシャフト12の軸線上にはトロイダル
式の第1、第2無段変速機構20,30と、これらに軸
方向の荷重を付与するローディングカム機構40とが配
設されている。セカンダリシャフト13の軸線上には遊
星歯車機構50とロークラッチ60およびハイクラッチ
70とが配設されている。インプットシャフト11およ
びプライマリシャフト12の軸線とセカンダリシャフト
13の軸線との間にはローモードギヤ列80とハイモー
ドギヤ列90とが介設されている。
【0024】無段変速機構20,30は、対向面がトロ
イダル面の入力ディスク21,31および出力ディスク
22,32と、これらの入出力ディスク21,22;3
1,32間に介設されて動力を伝達するパワーローラ2
3,33とを有する。入力ディスク21,31はプライ
マリシャフト12の端部に結合されている。両力ディス
ク22,32は一体化されてプライマリシャフト12の
中間部に回転自在に支持されている。
【0025】インプットシャフト11の反エンジン側の
端部にはローモードギヤ列80の第1ギヤ81が結合さ
れている。この第1ギヤ81と第1無段変速機構20の
入力ディスク21との間にローディングカム機構40が
介設されている。一体化された出力ディスク22,32
の外周にはハイモードギヤ列90の第1ギヤ91が設け
られている。セカンダリシャフト13の反エンジン側の
端部にはローモードギヤ列80の第2ギヤ82が回転自
在に支持されている。この第2ギヤ82はアイドルギヤ
83を介して第1ギヤ81に連結されている。セカンダ
リシャフト13の中間部には遊星歯車機構50が配設さ
れている。遊星歯車機構50のピニオンキャリヤ51と
ローモードギヤ列80の第2ギヤ82との間にこれらを
連結または切断するロークラッチ60が介設されてい
る。
【0026】遊星歯車機構50のエンジン側にはハイモ
ードギヤ列90の第2ギヤ92が回転自在に支持されて
いる。この第2ギヤ92は第1ギヤ91と噛み合ってい
る。第2ギヤ92と遊星歯車機構50のサンギヤ52と
が連結されている。遊星歯車機構50のインターナルギ
ヤ53がセカンダリシャフト13に結合されている。遊
星歯車機構50のエンジン側にハイモードギヤ列90の
第2ギヤ92とセカンダリシャフト13とを連結または
切断するハイクラッチ70が介設されている。
【0027】セカンダリシャフト13のエンジン側の端
部に出力ギヤ列4を介してディファレンシャル装置5が
連結されている。出力ギヤ列4は第1、第2ギヤ4a,
4bおよびアイドルギヤ4cでなる。ディファレンシャ
ル装置5から左右に延びる駆動軸6a,6bが図示しな
い左右の駆動輪に連結されている。
【0028】インプットシャフト11の反エンジン側の
端部にはオイルポンプ100が配置されている。オイル
ポンプ100はインプットシャフト11によりローモー
ドギヤ列80の第1ギヤ81を介して駆動される。
【0029】[無段変速機構] 〈機械的構成〉無段変速機構20,30の構成について
第1無段変速機構20を例にとり説明する。図3に示す
ように、パワーローラ23はシャフト24を介してトラ
ニオン25に支持されている。シャフト24は入出力デ
ィスク21,22のほぼ半径方向に延びる。各パワーロ
ーラ23,23は両ディスク21,22の対向トロイダ
ル面の円周上の180°反対側にほぼ水平姿勢で上下に
平行に配置されている。パワーローラ23はその周面の
180°反対側の2箇所で両ディスク21,22のトロ
イダル面と接触している。
【0030】トラニオン25は支持部材26,26に支
持されている。支持部材26,26はパワートレイン1
0のケース101に取り付けられている。トラニオン2
5は両ディスク21,22の接線方向であってシャフト
24に直交する水平方向の軸心X回りの回動と、該軸心
X方向の直線往復運動とが可能である。トラニオン25
には軸心X方向に延びるロッド27が連設されている。
ケース101の側面には変速制御ユニット110が取り
付けられている。変速制御ユニット110は上記ロッド
27およびトラニオン25を介してパワーローラ23を
傾転させる。
【0031】変速制御ユニット110は油圧制御部11
1とトラニオン駆動部112とを有する。トラニオン駆
動部112は増速用および減速用のピストン113,1
14を備える。ピストン113,114はロッド27に
取り付けられている。ピストン113,114により増
速用および減速用の油圧室115,116が形成されて
いる。
【0032】油圧制御部111で生成された増速用油圧
PHが油路117,118を介して増速用油圧室11
5,115に供給される。同じく油圧制御部111で生
成された減速用油圧PLが図示しない油路を介して減速
用油圧室116,116に供給される。これらの油圧P
H,PLの制御により無段変速機構20,30の変速比
が次のように制御される。
【0033】〈概略動作〉無段変速機構20,30の動
作の概略について第1無段変速機構20を例にとり説明
する。例えば、トラニオン25,25の増速用油圧室1
15,115に供給される増速用油圧PHが減速用油圧
室116,116に供給される減速用油圧PLに対して
所定の釣り合い状態より相対的に高くなると、上方のト
ラニオン25は図面上右側に、下方のトラニオン25は
左側にそれぞれ水平移動する。
【0034】このとき、図示されている出力ディスク2
2が矢印c方向に回転しているとすると、上方のパワー
ローラ23は、右側への移動により、上記出力ディスク
22から下向きの力を受け、図面の手前側にあって反矢
印c方向に回転している入力ディスク21から上向きの
力を受ける。また、下方のパワーローラ23は、左側へ
の移動により、上記出力ディスク22から上向きの力を
受け、入力ディスク21から下向きの力を受ける。その
結果、上下のパワーローラ23,23とも、入力ディス
ク21との接触位置が半径方向の外側に、出力ディスク
22との接触位置が半径方向の内側に移動するように傾
転し、無段変速機構20の変速比が小さくなる(増
速)。
【0035】これとは逆に、トラニオン25,25の減
速用油圧室116,116に供給される減速用油圧PL
が増速用油圧室115,115に供給される増速用油圧
PHに対して所定の釣り合い状態より相対的に高くなる
と、上方のトラニオン25は図面上左側に、下方のトラ
ニオン25は右側にそれぞれ水平移動する。そして、上
方のパワーローラ23は、出力ディスク22から上向き
の力を受け、入力ディスク21から下向きの力を受け
る。また、下方のパワーローラ23は、出力ディスク2
2から下向きの力を受け、入力ディスク21から上向き
の力を受ける。その結果、上下のパワーローラ23,2
3とも、入力ディスク21との接触位置が半径方向の内
側に、出力ディスク22との接触位置が半径方向の外側
に移動するように傾転し、無段変速機構20の変速比が
大きくなる(減速)。
【0036】このような第1無段変速機構20について
の構成および作用は第2無段変速機構30についても同
様である。加えて、図1、図2に示すように、第1、第
2無段変速機構20,30の入力ディスク21,31が
プライマリシャフト12の両端部にそれぞれスプライン
嵌合されて常に同一回転する。また、第1、第2無段変
速機構20,30の出力ディスク22,32が一体化さ
れて同じく同一回転する。したがって、第1、第2無段
変速機構20,30の変速比は常に同じ値に制御され
る。
【0037】[油圧制御回路] 〈全体構成〉次に、このパワートレイン10の油圧制御
回路を説明する。油圧制御回路は、図3に示す変速制御
ユニット110と、ケース101の下部に取り付けられ
たクラッチ制御ユニット120とにより構成される。
【0038】図4に示すように、この油圧制御回路20
0には、レギュレータバルブ202と、リリーフバルブ
204と、マニュアルバルブ205とが備えられてい
る。レギュレータバルブ202はオイルポンプ100か
ら吐出される作動油の圧力を所定のライン圧に調整して
メインライン201に出力する。リリーフバルブ204
はメインライン201から供給されるライン圧を元圧と
して所定のリリーフ圧を生成し、これをリリーフ圧ライ
ン203に出力する。マニュアルバルブ205は運転者
の切換え操作によってDレンジ、Rレンジ、Nレンジお
よびPレンジの選択を可能とする。マニュアルバルブ2
05は、Dレンジでは、メインライン201を第1、第
2出力ライン206,207に連通させ、Rレンジで
は、メインライン201を第1、第3出力ライン20
6,208に連通させる。また、マニュアルバルブ20
5は、NレンジおよびPレンジでは、ライン圧を遮断す
る。
【0039】油圧制御回路200には、レデューシング
バルブ211が備えられている。レデューシングバルブ
211はオイルポンプ100から吐出される作動油の圧
力を元圧として一定圧を生成する。レギュレータバルブ
202およびリリーフバルブ204にはライン圧制御用
リニアソレノイドバルブ209およびリリーフ圧制御用
リニアソレノイドバルブ210が備えられている。これ
らのリニアソレノイドバルブ209,210はレデュー
シングバルブ211で生成された一定圧に基づいて制御
圧を生成する。制御圧がレギュレータバルブ202およ
びリリーフバルブ204の制御ポート202a,204
aに供給されることによりライン圧およびリリーフ圧が
各リニアソレノイドバルブ209,210に出力される
制御信号によって調整される。
【0040】レデューシングバルブ211で生成された
一定圧はオンオフソレノイドバルブ213にも導かれ
る。オンオフソレノイドバルブ213はフェールセーフ
バルブ212を作動させる。オンオフソレノイドバルブ
213は通常時はオンであり、一定圧をフェールセーフ
バルブ212の制御ポート212aに供給する。これに
よりフェールセーフバルブ212のスプールが右側に移
動する。一方、オンオフソレノイドバルブ213はフェ
ールセーフ時等にはオフであり、一定圧を制御ポート2
12aからオフドレインする。これによりフェールセー
フバルブ212のスプールが左側に移動する。
【0041】また、油圧制御回路200には、レギュレ
ータバルブ202のドレインポートから導かれた潤滑ラ
イン281が配設されている。潤滑ライン281には、
潤滑油圧を所定値に調整するリリーフバルブ282や、
第1、第2開閉バルブ283,284等が配置されて、
第1、第2無段変速機構20,30や遊星歯車機構50
等のパワートレイン各部に対する潤滑油の供給を制御す
る。
【0042】〈変速制御弁〉油圧制御回路200には、
変速制御弁としての前進用三層弁220および後退用三
層弁230が備えられている。また、これらの制御弁2
20,230を選択的に作動させるシフトバルブ240
が備えられている。変速制御弁220,230はライン
圧およびリリーフ圧に基づいて前進時および後退時のそ
れぞれにおいて増速用油圧PHおよび減速用油圧PLを
生成する。
【0043】シフトバルブ240は制御ポート240a
に制御圧としてライン圧が供給されるか否かによりスプ
ールの位置が決定する。ライン圧が供給されないときは
スプールが右側に位置してメインライン201とライン
圧供給ライン241とが連通する。このライン圧供給ラ
イン241は前進用三層弁220に通じる。ライン圧が
供給されたときはスプールが左側に位置してメインライ
ン201とライン圧供給ライン242とが連通する。こ
のライン圧供給ライン242は後退用三層弁230に通
じる。
【0044】シフトバルブ240の制御ポート240a
にライン圧が供給されるのは、通常時においては、マニ
ュアルバルブ205がRレンジに位置したときである。
このときフェールセーフバルブ212のスプールが右側
に移動し、ライン圧が第3出力ライン208を介して制
御ポート240aに供給される。これに対し、通常時で
あってもマニュアルバルブ205がDレンジに位置した
ときは、シフトバルブ240の制御ポート240aにラ
イン圧が供給されない。また、フェールセーフ時には、
フェールセーフバルブ212のスプールが左側に移動
し、シフトバルブ240と第3出力ライン208とが遮
断されるから、マニュアルバルブ205がRレンジに位
置していても、シフトバルブ240の制御ポート240
aにはライン圧が供給されない。
【0045】変速制御弁220,230はほぼ同一の構
成である。両制御弁220,230ともボア221,2
31に軸方向に移動可能に嵌合されたスリーブ222,
232と、これらのスリーブ222,232に同じく軸
方向に移動可能に嵌合されたスプール223,233と
を有する。変速制御弁220,230は図3に示す変速
制御ユニット110における油圧制御部111のバルブ
ボディ111aに収納されている。
【0046】三層弁220,230の中央部にはライン
圧ポート224,234が設けられている。これらのラ
イン圧ポート224,234にはシフトバルブ240か
ら導かれたライン圧供給ライン241,242が接続さ
れている。三層弁220,230の両端部には第1、第
2リリーフ圧ポート225,226,235,236が
設けられている。これらのリリーフ圧ポート225,2
26,235,236にはリリーフ圧ライン203が接
続されている。上記ライン圧ポート224,234と第
1リリーフ圧ポート225,235との間には増速圧ポ
ート227,237が設けられている。上記ライン圧ポ
ート224,234と第2リリーフ圧ポート226,2
36との間には減速圧ポート228,238が設けられ
ている。これらの増速圧ポート227,237および減
速圧ポート228,238から導かれたライン243,
244;245,246がシフトバルブ240に接続さ
れている。
【0047】シフトバルブ240のスプールが右側に位
置すると、ライン243と増速用ライン247とが連通
し、ライン245と減速用ライン248とが連通する。
これにより、前進用三層弁220の増速圧ポート227
と増速用油圧室115,115とが接続し、減速圧ポー
ト228と減速用油圧室116,116とが接続する。
【0048】シフトバルブ240のスプールが左側に位
置すると、ライン244と増速用ライン247とが連通
し、ライン246と減速用ライン248とが連通する。
これにより、後退用三層弁230の増速圧ポート237
と増速用油圧室115,115とが接続し、減速用ポー
ト238と減速用油圧室116,116とが接続する。
【0049】〈変速制御弁の動作〉三層弁220,23
0の動作を図5を用いて説明する。ただし、図5と図4
とでは、三層弁220,230の向きが左右反対に表わ
されている。
【0050】いま、スリーブ222とスプール223の
位置関係が図示したような中立位置にある状態から、例
えば前進用三層弁220のスリーブ222が相対的に図
面上左側(矢印g方向)に移動すると、ライン圧ポート
224と増速圧ポート227との連通度、および第2リ
リーフ圧ポート226と減速圧ポート228との連通度
がそれぞれ増大する。これにより、増速用油圧PHが上
昇し、減速用油圧PLが低下する。
【0051】逆に、スリーブ222が相対的に右側(矢
印h方向)に移動すると、ライン圧ポート224と減速
圧ポート228との連通度、および第1リリーフ圧ポー
ト225と増速圧ポート227との連通度がそれぞれ増
大する。これにより、減速用油圧PLが上昇し、増速用
油圧PHが低下する。
【0052】このような動作は後退用三層弁230につ
いても同様である。そして、これらの三層弁220,2
30のスリーブ222,232を移動させるステップモ
ータ251,252が備えられている。ステップモータ
251,252はリンク部材253,254を介してス
リーブ222,232と連結している。また、スリーブ
222,232の移動に応じてスプール223,233
をスプリング229,239のバネ力に抗して移動させ
るカム機構260が備えられている。
【0053】このカム機構260は、図5、図6に示す
ように、プリセスカム261と、シャフト262と、従
動レバー263と、前進用および後退用の駆動レバー2
64,265とで構成されている。プリセスカム261
は、第2無段変速機構30の上方に位置するトラニオン
35のロッド37の端部に取り付けられている。プリセ
スカム261の一方の端面が螺旋面状のカム面261a
である。
【0054】シャフト262は、油圧制御部111のバ
ルブボディ111aに回動自在に支持されている。シャ
フト262は、前進用および後退用三層弁220,23
0のスプール223,233の一端側にこれらに直交す
る方向に配置されている。
【0055】従動レバー263は、上記シャフト262
の一端部に取り付けられている。従動レバー263の揺
動端が上記プリセスカム261のカム面261aに当接
している。
【0056】駆動レバー264,265は、同じく上記
シャフト262に取り付けられている。駆動レバー26
4,265の揺動端が三層弁220,230のスプール
223,233の一端に設けられた切り込み223a,
233aに係合している。
【0057】第2無段変速機構30の上方のパワーロー
ラ33が傾転すると、上方のトラニオン35およびロッ
ド37が軸心X回りに一体的に回転する。これにより、
プリセスカム261がこれらと一体的に回動し、従動レ
バー263が所定量揺動する。さらに、シャフト262
を介して駆動レバー264,265が同じ角度だけ揺動
し、その結果、その揺動角度に応じた量だけ前進用およ
び後退用三層弁220,230のスプール223,23
3が軸方向に移動する。そのスプール223,233の
位置は、第2無段変速機構30のパワーローラ33(お
よび第1無段変速機構20のパワーローラ23)の傾転
角、つまり無段変速機構20,30の変速比に対応す
る。
【0058】〈変速比の制御動作−トラクション力〉無
段変速機構20,30の変速比(トロイダルレシオR
t)の制御の具体的動作について前進時を例にとり説明
する。まず、油圧制御回路200において、ライン圧制
御用リニアソレノイドバルブ209およびリリーフ圧制
御用リニアソレノイドバルブ210により、レギュレー
タバルブ202およびリリーフバルブ204の制御圧が
生成される。そして、その制御圧に応じたライン圧とリ
リーフ圧とが生成される。
【0059】ライン圧は、メインライン201からシフ
トバルブ240およびライン241を介して三層弁22
0のライン圧ポート224に供給される。リリーフ圧
は、ライン203を介して三層弁220の第1、第2リ
リーフ圧ポート225,226に供給される。ステップ
モータ251で三層弁220を制御することにより、こ
れらのライン圧とリリーフ圧とに基いて差圧ΔPの制御
が行われる。差圧ΔPは、変速制御ユニット110の増
速用油圧室115,115に供給される増速用油圧PH
と、減速用油圧室116,116に供給される減速用油
圧PLとの間の差圧である(ΔP=PH−PL)。
【0060】この差圧制御は、無段変速機構20,30
のトラニオン25,35ないしパワーローラ23,33
を図6に示すような所定の中立位置から軸心X,X方向
に沿って移動させる制御である。中立位置では、ローラ
23,33はディスク21,22,31,32から傾転
力を受けることがなく、その傾転角は変化しない。しか
し、軸心X,X方向に沿って移動することにより、ロー
ラ23,33はディスク21,22,31,32から傾
転力を受けて、その傾転角が変化する。つまりトロイダ
ルレシオRtが変化する。
【0061】いま、例えば、トルクが無段変速機構2
0,30を入力ディスク21,31側から出力ディスク
22,32側に通過しているとする。入力ディスク2
1,31はa,a方向に回転することによりパワーロー
ラ23,33をb,b方向に駆動する。したがって、パ
ワーローラ23,33およびトラニオン25,35に
は、入力ディスク21,31の回転方向a,aと同方向
への引きずり力が作用する。また、パワーローラ23,
33はb,b方向に回転することにより出力ディスク2
2,32をc,c方向に駆動する。したがって、パワー
ローラ23,33およびトラニオン25,35には、出
力ディスク22,32の回転方向c,cと反対方向への
反力が作用する。その結果、パワーローラ23,33お
よびトラニオン25,35には、トラニオン駆動部11
2へ近づく方向のトラクション力T1,T1が作用す
る。
【0062】逆に、例えば、トルクが無段変速機構2
0,30を出力ディスク22,32側から入力ディスク
21,31側に通過しているとする。出力ディスク2
2,32のc,c方向の回転によりパワーローラ23,
33がb,b方向に駆動されるから、パワーローラ2
3,33およびトラニオン25,35には、出力ディス
ク22,32の回転方向c,cと同方向への引きずり力
が作用する。また、パワーローラ23,33のb,b方
向の回転により入力ディスク21,31がa,a方向に
駆動されるから、パワーローラ23,33およびトラニ
オン25,35には、入力ディスク21,31の回転方
向a,aと反対方向への反力が作用する。その結果、パ
ワーローラ23,33およびトラニオン25,35に
は、トラニオン駆動部112から離れる方向のトラクシ
ョン力T2,T2が作用する。
【0063】中立位置では差圧ΔPはゼロではなく、こ
れらのトラクション力T1,T2と釣り合うだけの差圧
ΔPが必要となる。そして、それだけの差圧ΔPが生成
するように増速用油圧PHおよび減速用油圧PLが供給
される。
【0064】〈変速比の制御動作−スリーブとスプール
の動き〉トロイダルレシオRtを小さく(増速)する場
合は、ステップモータ251により前進用三層弁220
のスリーブ222を図5、図6において左側(g方向)
に移動させる。すると、三層弁220のライン圧ポート
224と増速圧ポート227との連通度、および第2リ
リーフ圧ポート226と減速圧ポート228との連通度
が大きくなる。これにより、図4に示す増速圧ライン2
47から増速用油圧室115,115に供給される増速
用油圧PHは増圧され、減速圧ライン248から上記減
速用油圧室116,116に供給される減速用油圧PL
は減圧される。
【0065】その結果、差圧ΔPが大きくなり、トラニ
オン25,35ないしパワーローラ23,33が図6に
示すd1,d1方向に移動する。この移動により、パワ
ーローラ23,33は、入力ディスク21,31との接
触位置が半径方向の外側に、出力ディスク22,32と
の接触位置が半径方向の内側に変位するように傾転す
る。そして、第1、第2無段変速機構20,30は増速
し、トロイダルレシオRtが小さくなる。
【0066】一方、第2無段変速機構30のパワーロー
ラ33が上記のように傾転することにより、カム機構2
60におけるプリセスカム261が同方向(図5に示す
e方向)に同じ角度だけ回転し、これに伴って該カム機
構260の従動レバー263、シャフト262および駆
動レバー264がいずれも図6に示すf方向に回動す
る。その結果、三層弁220のスプール223がスプリ
ング229のバネ力によってg方向、すなわち図5、図
6の左方向に移動する。この方向は最初にステップモー
タ251によりスリーブ222を移動させた方向である
から、上記のようにいったん増大したライン圧ポート2
24と増速圧ポート227との連通度、および第2リリ
ーフ圧ポート226と減速圧ポート228との連通度が
当初の中立状態に復帰する。
【0067】これにより、差圧ΔPは再び小さくなって
トロイダルレシオRtの制御動作が終了する。すなわ
ち、トロイダルレシオRtが所定量変化したうえで、パ
ワーローラ23,33が再び中立位置に保持される。そ
の場合に、この制御動作は、スプール223がスリーブ
222との間の位置関係において所定の中立状態となる
位置まで移動した時刻で終了する。その位置はステップ
モータ251によりスリーブ222を移動させた位置で
ある。また、カム機構260を介してパワーローラ2
3,33およびトラニオン25,35の傾転角に対応付
けられた位置である。したがって、スリーブ222の位
置がパワーローラ23,33およびトラニオン25,3
5の傾転角に対応し、ステップモーター251の制御量
が第1、第2無段変速機構20,30の変速比に対応す
る。その結果、ステップモーター251に対するパルス
制御によりトロイダルレシオRtを制御することができ
る。
【0068】なお、以上の制御動作および作用はステッ
プモータ251により三層弁220のスリーブ222を
図5、図6において反対方向の右側(h方向)に移動さ
せた場合も同様である。その場合は、トラニオン25,
35ないしパワーローラ23,33が図6に示すd2,
d2方向に移動して、トロイダルレシオRtは大きくな
る(減速)。
【0069】〈経路切換用制御弁〉以上のような変速比
制御用の構成に加えて、油圧制御回路200には、図4
に示すように、ロークラッチ60およびハイクラッチ7
0の制御用として2個のデューティソレノイドバルブ2
71,272が備えられている。そして、マニュアルバ
ルブ205から導かれた第1出力ライン206がローク
ラッチ用デューティソレノイドバルブ271に、第2出
力ライン207がハイクラッチ用デューティソレノイド
バルブ272にそれぞれ接続されている。
【0070】ロークラッチ用デューティソレノイドバル
ブ271により、第1出力ライン206からのライン圧
が調整されてロークラッチ60の締結のための作動圧
(ロークラッチ圧)ELが生成される。このロークラッ
チ圧ELは、正常時には、フェールセーフバルブ212
およびロークラッチライン274を介してロークラッチ
60の油圧室に供給される。これにより、ロークラッチ
圧ELの大きさに応じた締結力でロークラッチ60が締
結される。
【0071】一方、ハイクラッチ用デューティソレノイ
ドバルブ272により、第2出力ライン207からのラ
イン圧が調整されてハイクラッチ70の締結のための作
動圧(ハイクラッチ圧)EHが生成される。このハイク
ラッチ圧EHは、ハイクラッチライン275を介してハ
イクラッチ70の油圧室に供給される。これにより、ハ
イクラッチ圧EHの大きさに応じた締結力でハイクラッ
チ70が締結される。
【0072】これらのデューティソレノイドバルブ27
1,272は、その制御信号のデューティ率DL,DH
が0%のときは全閉となってクラッチ圧EL,EHを出
力せず、100%のときは全開となってライン圧をその
ままクラッチ圧EL,EHとして出力し、その中間のデ
ューティ率ではその値に応じたクラッチ圧を生成する。
【0073】ロークラッチライン274およびハイクラ
ッチライン275にはそれぞれアキュムレータ276,
277が備えられている。アキュムレータ276,27
7はロークラッチ圧ELおよびハイクラッチ圧EHをロ
ークラッチ60およびハイクラッチ70に緩やかに供給
させ、クラッチ60,70の締結時におけるショックの
発生を抑制する。
【0074】マニュアルバルブ205から導かれた第3
出力ライン208は、前述したように、正常時には、フ
ェールセーフバルブ212を介してシフトバルブ240
の制御ポート240aに接続される。そして、マニュア
ルバルブ205がRレンジの位置に移動したときに、ラ
イン圧がシフトバルブ240の制御ポート240aに供
給されて、シフトバルブ240のスプールを左側、すな
わち後退時用の位置に移動させる。
【0075】フェールセーフ時等には、フェールセーフ
バルブ212を作動させるオンオフソレノイドバルブ2
13がオフとなって、フェールセーフバルブ212のス
プールが左側に移動する。これにより、ロークラッチ用
デューティソレノイドバルブ271とロークラッチライ
ン274との間、および第3出力ライン208とシフト
バルブ240との間がそれぞれ遮断される。ロークラッ
チ60の油圧室に通じるロークラッチライン274がフ
ェールセーフバルブ212のドレインポート212bと
連通し、ロークラッチ圧ELが該ドレインポート212
bから速やかに排出される。
【0076】[制御システム]図7に示すように、本実
施の形態に係るパワートレイン10のコントロールユニ
ット300は、車両の車速を検出する車速センサ30
1、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数センサ
302、スロットル開度を検出するスロットル開度セン
サ303、運転者によって選択されているレンジを検出
する選択レンジセンサ304、アクセルペダルの非踏み
込みを検出するアイドルスイッチ305、作動油の温度
を検出する油温センサ306、並びに、入力ディスク2
1,31および出力ディスク22,32の回転数を検出
する入力回転数センサ307および出力回転数センサ3
08(図1参照)等からの信号を入力する。
【0077】コントロールユニット300は、上記信号
が示す車両の走行状態ないしエンジン1の運転状態に応
じて、ライン圧制御用およびリリーフ圧制御用のリニア
ソレノイドバルブ209,210、オンオフソレノイド
バルブ213、ロークラッチ60用およびハイクラッチ
70用のデューティソレノイドバルブ271,272、
並びに、前進用三層弁220用および後退用三層弁23
0用のステップモータ251,252等に制御信号を出
力する。
【0078】コントロールユニット300は、無段変速
機構20,30の変速比制御と、クラッチ60,70の
締結制御(モードないし動力伝達経路の切換制御)とを
行うことにより、このパワートレイン10の変速制御を
行なう。つまり、パワートレイン10全体としての変速
比(ユニットレシオRu)の制御を行なう。
【0079】[制御動作] 〈ギヤードニュートラルと走行モード〉このパワートレ
イン10では、Nレンジが選択されているときは、ロー
クラッチ60およびハイクラッチ70の両方が解放状態
である。したがって、インプットシャフト11側からセ
カンダリシャフト13側に伝達される動力は、遊星歯車
機構50やセカンダリシャフト13には伝達されない。
つまり、動力が差動装置5から駆動輪へ出力されること
はない。
【0080】このとき、遊星歯車機構50では、ハイモ
ードギヤ列90からの動力によりサンギヤ52が駆動さ
れる。しかし、ローモードギヤ列80からの動力はロー
クラッチ60の入力側の回転部材60a(図1参照)ま
で伝達されるだけで、ピニオンキャリヤ51へは伝達さ
れない。また、セカンダリシャフト13に結合されたイ
ンターナルギヤ53は固定されている。したがって、ピ
ニオンキャリヤ51はサンギヤ52の回転に連動して無
負荷状態で回転している。
【0081】この状態で、トロイダルレシオRtを所定
値に設定して、ピニオンキャリヤ51の回転速度を制御
すると、ロークラッチ60の入、出力側回転部材60
a,60b(図1参照)の回転速度を等しくすることが
できる。つまり、トロイダルレシオRtを上記所定値に
制御することにより、ロークラッチ60を接続しても、
インターナルギヤ53ないしセカンダリシャフト13の
回転をゼロとすることができる。これにより、いわゆる
ギヤードニュートラル(GN)の状態が得られる。
【0082】ステップモータ251,252に出力する
制御信号のパルス数NとトロイダルレシオRtとの関係
は例えば図8に示すような特性を有する。パルス数Nが
増加(プラス側に変化)すると、トロイダルレシオRt
が小さくなる(増速側に変化する)。このとき、三層弁
220,230のスリーブ222,232は、前述した
ように、図5、図6に示した矢印g方向に移動する。こ
のようにスリーブ222,232がパルスモータ25
1,252から離れる方向gをプラス(+)側とする。
【0083】逆に、パルス数Nが減少(マイナス側に変
化)すると、トロイダルレシオRtが大きくなる(減速
側に変化する)。このとき、三層弁220,230のス
リーブ222,232は、前述したように、図5、図6
に示した矢印h方向に移動する。このようにスリーブ2
22,232がパルスモータ251,252に近づく方
向hをマイナス(−)側とする。
【0084】ギヤードニュートラルの状態が得られると
きのトロイダルレシオ(GNレシオRtn)を実現させ
るパルス数(GNパルス数Nn)は相対的にプラス側に
ある。
【0085】一方、ステップモータ251,252に出
力する制御信号のパルス数NとユニットレシオRuとの
関係は例えば図9に示すような特性を有する。パルス数
NがGNパルス数Nnにあるときは、ユニットレシオR
uは、符号アまたはイで示すように無限大となる。この
GNパルス数Nnからパルス数が減少(マイナス側に変
化)して、トロイダルレシオRtが大きくなると(減速
側に変化すると)、サンギヤ52への入力回転速度が低
下する。これにより、遊星歯車機構50のインターナル
ギヤ53が前進方向に回転し始める。すなわち、パルス
数Nの減少、ないしスリーブ位置のマイナス側への移
動、およびトロイダルレシオRtの増大に伴って、ユニ
ットレシオRuが小さくなっていく(増速側に変化して
いく)。これが前進ローモード特性LFである。
【0086】逆に、GNパルス数Nnからパルス数が増
加(プラス側に変化)して、トロイダルレシオRtが小
さくなると(増速側に変化すると)、サンギヤ52への
入力回転速度が上昇する。これにより、遊星歯車機構5
0のインターナルギヤ53が後退方向に回転し始める。
すなわち、パルス数Nの増加、ないしスリーブ位置のプ
ラス側への移動、およびトロイダルレシオRtの減少に
伴って、ユニットレシオRuが大きくなっていく(減速
側に変化していく)。これがRレンジでの後退ローモー
ド特性LRである。
【0087】また、前進ローモードLFで発進したの
ち、パルス数Nが減少していって、ユニットレシオRu
が小さくなっていき、図8、図9に符号ウで示すよう
に、所定の切換ポイント(パルス数Nm,トロイダルレ
シオRtm,ユニットレシオRum)に到達すると、ロ
ークラッチ60が切断されると共にハイクラッチ70が
締結される。すなわち、クラッチ60,70の掛け替え
が行なわれる。これにより、インプットシャフト11か
らの動力が、第1、第2無段変速機構20,30、ハイ
モードギヤ列90およびハイクラッチ70を介してセカ
ンダリシャフト13に伝達される。この状態では、ハイ
モードギヤ列90のギヤ比が1であるとすれば、ユニッ
トレシオRuはトロイダルレシオRtに等しくなり、図
8に示すトロイダルレシオRtの特性とほぼ同じとな
る。すなわち、パルス数Nの増加、ないしスリーブ位置
のプラス側への移動、およびトロイダルレシオRtの減
少に伴って、ユニットレシオRuが小さくなっていく
(増速側に変化していく)。これが前進ハイモード特性
HFである。
【0088】なお、上記の切換ポイントトロイダルレシ
オRtmでは、ローモードLFとハイモードHFとで、
ユニットレシオRuが同一値となる(切換ポイントユニ
ットレシオRum)。
【0089】〈経路切換時の制御動作〉次に、本発明の
特徴部分である前進ローモードLFと前進ハイモードH
Fとの切換時における制御動作を説明する。最初に図1
0に示すタイムチャートを参照してこの制御の概略を説
明する。この制御は基本的にモード切換ポイント(ウ)
近傍における制御であり、各モード達成用のロークラッ
チ60とハイクラッチ70との掛替えが行なわれる。す
なわち、ローモードLFからハイモードHFへの切換え
であれば、ロークラッチ60を切断し、ハイクラッチ7
0を締結する。逆に、ハイモードHFからローモードL
Fへの切換えであれば、ハイクラッチ70を切断し、ロ
ークラッチ60を締結する。図10に示すタイムチャー
トはローモードLFからハイモードHFへの切換えの場
合を表わしている。
【0090】クラッチ60,70の掛替動作は、時刻t
1から時刻t3の間で行なわれる。時刻t1までは、変
速比のフィードバック制御がローモードLFで通常に行
なわれる。その結果、トロイダルレシオRtが大きくな
りユニットレシオRuが小さくなる。時刻t3以降は、
変速比のフィードバック制御がハイモードHFで通常に
行なわれる。その結果、トロイダルレシオRtおよびユ
ニットレシオRuのいずれもが小さくなる。
【0091】また、時刻t1までは、ロークラッチデュ
ーティ率DLが100%とされてロークラッチ圧ELが
ライン圧に高められる。その結果、ロークラッチ60が
完全締結状態とされる。一方、ハイクラッチデューティ
率DHが0%とされてハイクラッチ圧EHが排圧され
る。その結果、ハイクラッチ70が完全解放状態とされ
る。時刻t3以降は、ロークラッチデューティ率DLが
0%とされてロークラッチ圧ELが排圧される。その結
果、ロークラッチ60が完全解放状態とされる。一方、
ハイクラッチデューティ率DHが100%とされてハイ
クラッチ圧EHがライン圧に高められる。その結果、ハ
イクラッチ70が完全締結状態とされる。
【0092】時刻t1から時刻t3の間は、変速比のフ
ィードバック制御が中断される。また、ロークラッチ6
0とハイクラッチ70とがいずれも締結状態とされる。
その結果、トロイダルレシオRtおよびユニットレシオ
Ruがいずれも切換ポイントレシオRtm,Rumに維
持される。
【0093】変速比のフィードバック制御における目標
変速比は概ね次のようにして設定される。図11に示す
ように、車速Vとスロットル開度TVO(エンジン負
荷)とをパラメータとして予め設定された変速線図に、
実車速Vと実スロットル開度TVOとをあてはめて、目
標エンジン回転数Neoを求める。そして、この目標エ
ンジン回転数Neoと実車速Vとから目標ユニットレシ
オRuoを算出し、この目標ユニットレシオRuoを達
成する目標トロイダルレシオRtoを設定する(図8、
図9参照)。そして、この目標トロイダルレシオRto
が実現するように、ステップモータ251,252に対
するパルス数Nの制御(スリーブ位置の制御)を行な
う。
【0094】図11に示した変速線図には、モード切換
ポイントユニットレシオRumの傾きを有するモード切
換ラインMが表されている。いま、図12に拡大して示
すように、符号「i」で示すロードモードLFの走行状
態から、モード切換ラインMを挟んで、符号「j」で示
すハイモードHFの走行状態へ移動する場合を考える。
走行状態jは、走行状態iと比べて、スロットル開度が
同じであるが、車速が高く、ユニットレシオRuが小さ
く、エンジン回転数が高い。
【0095】この場合の最も理想的な変化の一例は、矢
印カ、カで示すように、走行状態がモード切換ラインM
との交点「k」を経由して変速線上を移動するものであ
る。このとき、ユニットレシオRuは滑らかに小さくな
っていき、エンジン回転数は滑らかに上昇していく。
【0096】このような理想的な変化は、モードの切換
動作が終了し、変速比のフィードバック制御が再開する
時刻t3において、走行状態が「k」にある場合に達成
される。このとき、走行状態が少なくとも時刻t3にお
いて「k」にあればよく、例えば、モードの切換動作が
開始し、変速比のフィードバック制御が中断される時刻
t1と、上記時刻t3との間の期間中に走行状態が
「k」からずれていてもよい。
【0097】これに対し、モードの切換動作中(時刻t
1〜時刻t3)に、例えば道路勾配や車重あるいは空気
抵抗等から定められる走行抵抗が小さく、その結果、矢
印キのように車速が上昇し、符号「m」で示すようなモ
ード切換ラインM上の状態に至ったときは、変速比のフ
ィードバック制御が再開する時刻t3において、符号
「o」で示すような変速線上の走行状態が目標とされ
る。上記状態mは、状態kと比べて、トロイダルレシオ
RtおよびユニットレシオRuが切換ポイントレシオR
tm,Rumで同じであるが、車速が高く、エンジン回
転数が高い。また、走行状態oは、上記状態mと比べ
て、車速が同じであるが、ユニットレシオRuが小さ
く、エンジン回転数が低い。
【0098】この場合、時刻t3に、変速比のフィード
バック制御を通常通りに行なって、状態mから状態oへ
向けて矢印クのように一気に急激に変化させると、ユニ
ットレシオRu、トロイダルレシオRt、およびエンジ
ン回転数Neが急変し、ショックや違和感が生じる。図
10には、上記のモード切換動作中におけるエンジン回
転数Neの上昇の一例を鎖線サで示し、フィードバック
制御の再開時刻t3以降におけるエンジン回転数Neの
急変の一例を鎖線シで示し、同じく時刻t3以降におけ
るユニットレシオRuおよびトロイダルレシオRtの急
変の一例を鎖線スで示した。
【0099】本実施の形態に係るパワートレイン10に
おいては、このような変速比のフィードバック制御の中
断中(時刻t1〜時刻t3)に生じた車速の上昇に起因
する不具合を解消するための対策が講じられている。
【0100】また、モードの切換動作中(時刻t1〜時
刻t3)に、逆に走行抵抗が大きく、その結果、図12
に矢印ケで示すように車速が低下し、符号「n」で示す
ようなモード切換ラインM上の状態に至ったときは、変
速比のフィードバック制御が再開されたときには、走行
状態は、切換ラインMに沿って矢印コのように状態nか
らいったん状態kに復帰したのち、変速線に沿って矢印
カのように状態kから状態jに移行される。上記状態n
は、状態kと比べて、トロイダルレシオRtおよびユニ
ットレシオRuが切換ポイントレシオRtm,Rumで
同じであるが、車速が低く、エンジン回転数が低い。
【0101】したがって、この場合は、走行状態が
「n」から「k」に復帰するときと、「k」から「j」
に移行するときとで、エンジン回転数Neの増加の度合
いが不連続となり、違和感が生じる。図10には、上記
のモード切換動作中におけるエンジン回転数Neの低下
の一例を鎖線タで示し、フィードバック制御の再開時刻
t3以降におけるエンジン回転数Neの不連続な増加の
一例を鎖線チで示し、同じく時刻t3以降におけるユニ
ットレシオRuおよびトロイダルレシオRtの変化の一
例を鎖線ツで示した。
【0102】本実施の形態に係るパワートレイン10に
おいては、このような変速比のフィードバック制御の中
断中(時刻t1〜時刻t3)に生じた車速の低下に起因
する不具合を解消するための対策もまた講じられてい
る。
【0103】以下、フローチャートに従ってこのモード
切換時の制御動作の具体的一例を説明する。まず、図1
3〜図14に示すフローチャートは、専ら、変速比を切
換ポイント変速比に固定している期間中に車速が上昇し
た場合の不具合の対処に有効なものである。
【0104】ステップS1〜S12の動作は時刻t1に
至るまでの制御動作である。まず、ステップS1で、図
7に示す各センサやスイッチ301〜308からの信号
に基いて各種の状態量を検出する。状態量には、エンジ
ン回転数、スロットル開度、トロイダルレシオ、車速、
油温等が含まれる。
【0105】次いで、ステップS2で、トロイダルレシ
オRtがモード切換ポイントトロイダルレシオRtm以
上になったか否かを判定する。その結果、NOのとき、
つまりトロイダルレシオRtがまだ切換ポイントレシオ
Rtmより増速側にあるときは、ステップS3で、ハイ
クラッチデューティ率DHを第1デューティ率DH1
(0%)とし、ステップS4で、ロークラッチデューテ
ィ率DLを第1デューティ率DL1(100%)とし、
ステップS5で、オンオフソレノイドバルブ(SV)2
13に対する指示値をONとする。
【0106】次のステップS6〜S10は、変速比のフ
ィードバック制御のためのパルス数偏差ΔNを設定する
ルーティンである。まず、ステップS6で、前述の図1
1に示すような変速線図に基いて目標トロイダルレシオ
Rtoを設定したのち、ステップS7で、この目標トロ
イダルレシオRtoに対する実トロイダルレシオRtの
偏差ΔRtを算出する。
【0107】次いで、ステップS8で、入力トルク、変
速比、走行モード、およびレンジに応じて、PID制御
指数Qにおける比例項ゲイン(変速比制御におけるフィ
ードバックゲイン)Gを設定する。この比例項ゲインG
は、トルクが大きいほど、またトロイダルレシオがGN
レシオRtnに近いほど小さい値に設定される。さら
に、走行モードがローモードLF,LRであるときはハ
イモードHFであるときに比べて小さい値に設定され、
またレンジが後退レンジRであるときは前進レンジDで
あるときに比べて小さい値に設定される。
【0108】次いで、ステップS9で、次式(数1)に
比例項ゲインGを代入することによりPID制御指数Q
を算出する。
【0109】
【数1】 ここで、Hは積分項ゲイン、およびIは微分項ゲインで
ある。
【0110】そして、ステップS10で、予め図15に
示すように設定されたマップに基いて、上記PID制御
指数Qに応じたパルス数偏差ΔNを設定する。このパル
ス数偏差ΔNは、前進用ステップモータ251に出力す
る制御信号のパルス数Nの偏差である。
【0111】ここで、上記マップでは、指数Qの絶対値
が大きくなるほどパルス数偏差ΔNも大きくなるように
設定されている。また、指数Qが正のとき(実トロイダ
ルレシオが目標トロイダルレシオよりも大きいとき)に
は、パルス数偏差ΔNを正として、パルス数Nを増加さ
せ、これにより実トロイダルレシオを小さくし、逆に、
指数Qが負のとき(実トロイダルレシオが目標トロイダ
ルレシオよりも小さいとき)には、パルス数偏差ΔNを
負として、パルス数Nを減少させ、これにより実トロイ
ダルレシオを大きくするように設定されている(図8参
照)。
【0112】そして、ステップS11〜S12におい
て、ステップモータ251、オノフソレノイドバルブ2
13、およびデューティソレノイドバルブ(DSV)2
71,272を制御することにより、時刻t1に至るま
での制御動作が得られる。
【0113】ステップS2でトロイダルレシオRtがモ
ード切換ポイントトロイダルレシオRtmに到達したと
判定されたときは、ステップS2からステップS13に
進む。この場合のステップS1〜S2、S13〜S1
7、およびS11〜S12の動作は時刻t1から時刻t
2に至るまでの制御動作である。
【0114】ステップS13では、ハイクラッチ圧EH
が所定油圧P1以上になったか否かを判定する。その結
果、NOのとき、つまりハイクラッチ70がまだ締結状
態にないときは、ステップS14で、ハイクラッチデュ
ーティ率DHを所定の棚圧である第2デューティ率DH
2とし、ステップS15で、ロークラッチデューティ率
DLを第2デューティ率DL2(0%)とし、ステップ
S16で、オンオフソレノイドバルブ(SV)213に
対する指示値をONとする。
【0115】時刻t2は、ハイクラッチ圧EHが所定油
圧P1にまで上昇して、ロー、ハイの両クラッチ60,
70がともに締結状態となる時刻である。このとき、ト
ロイダルレシオRtおよびユニットレシオRuはともに
モード切換ポイントレシオRtm,Rumに固定され
る。したがって、時刻t1にトロイダルレシオRtが切
換ポイントレシオRtmに到達しさえすれば、あとはク
ラッチ60,70の掛替動作によってトロイダルレシオ
RtおよびユニットレシオRuがともにモード切換ポイ
ントレシオRtm,Rumに安定に固定されるから、も
はや変速比のフィードバック制御を行なわなくて済む。
それゆえ、クラッチ60,70の掛替動作中である時刻
t1〜時刻t3は、変速比のフィードバック制御をいっ
たん停止するのである。
【0116】次いで、ステップS17で、前進用ステッ
プモータ251に出力する制御信号のパルス数偏差ΔN
としてゼロを代入する。これにより、変速比のフィード
バック制御が一時中断される。
【0117】そして、ステップS11〜S12におい
て、ステップモータ251、オノフソレノイドバルブ2
13、およびデューティソレノイドバルブ(DSV)2
71,272を制御することにより、時刻t1から時刻
t2に至るまでの制御動作が得られる。
【0118】ステップS13でハイクラッチ圧EHが所
定油圧P1にまで上昇したと判定されたときは、ステッ
プS13からS18に進む。この場合のステップS1〜
S2、S13、S18〜S21、S17、およびS11
〜S12の動作は時刻t2から時刻t3に至るまでの制
御動作である。
【0119】ステップS18では、ハイクラッチ圧EH
が所定油圧P1以上となってから所定時間Taが経過し
たか否かを判定する。その結果、NOのとき、つまり時
刻t2から時刻t3までの間は、ステップS19で、ハ
イクラッチデューティ率DHとして、上記所定時間Ta
の間にハイクラッチデューティ率DHが第2デューティ
率DH2から第3デューティ率DH3(100%)まで
増加するような値に設定し、ステップS20で、ローク
ラッチデューティ率DLを第2デューティ率DL2(0
%)とし、ステップS21で、オンオフソレノイドバル
ブ(SV)213に対する指示値をOFFとする。
【0120】これにより、時刻t2から時刻t3までの
間に、ハイクラッチデューティ率DHが100%のデュ
ーティ率(DH3)に向けてさらに高められる。一方、
時刻t2以降は、オンオフソレノイドバルブ(SV)2
13がOFFとされることにより、フェールセーフバル
ブ212のスプールが左側に移動して、ロークラッチラ
イン274がフェールセーフバルブ212のドレインポ
ート212bに連通する。それゆえ、ロークラッチ圧E
Lがこのドレインポート212bから速やかに排出さ
れ、ロークラッチ60が早期に完全開放状態となって、
モード切換終了後のハイモードHFにおける変速比のフ
ィードバック制御を早期に実行することが可能となる。
【0121】以上により、ロー、ハイの両クラッチ6
0,70がともに締結状態となった状態から、ロークラ
ッチ60の開放動作およびハイクラッチ70の締結動作
がさらに進行する。
【0122】次いで、ステップS17で、前進用ステッ
プモータ251に出力する制御信号のパルス数偏差ΔN
としてゼロを代入する。これにより、変速比のフィード
バック制御の一時中断が続行される。
【0123】そして、ステップS11〜S12におい
て、ステップモータ251、オノフソレノイドバルブ2
13、およびデューティソレノイドバルブ(DSV)2
71,272を制御することにより、時刻t2から時刻
t3に至るまでの制御動作が得られる。
【0124】ステップS18で所定時間Taが経過した
と判定されたときは、ステップS18からS22に進
む。この場合のステップS1〜S2、S13、S18、
S22〜S38、およびS7〜S12までの動作は時刻
t3以降の制御動作である。
【0125】まず、ステップS22〜S24で、ハイク
ラッチデューティ率DHを第3デューティ率DH3(1
00%)とし、ロークラッチデューティ率DLを第2デ
ューティ率DL2(0%)とし、オンオフソレノイドバ
ルブ(SV)213に対する指示値をOFFとする。
【0126】次いで、ステップS25で、所定時間Ta
が経過した直後であると判定した1制御サイクルのみ、
つまり時刻t3に至った時のみ、ステップS26〜S3
2を実行する。まず、ステップS26で、タイマtim
をセットする。このタイマtimは、次に説明する第2
の所定時間Txが経過したか否かを判定するためのタイ
マである。
【0127】次いで、ステップS27で、入力トルクT
rを推定する。入力トルクTrはエンジン回転数や吸入
空気量等から周知の方法により推定される。次いで、ス
テップS28で、入力トルクTrに基いて第2の所定時
間Txを設定する。ここで、図16に示すように、第2
の所定時間Txは入力トルクTrが大きいほど長く設定
される。
【0128】次いで、ステップS29で、現在の実トロ
イダルレシオRtを仮の目標トロイダルレシオRaとす
る。この場合、現在の実トロイダルレシオRtは切換ポ
イントトロイダルレシオRtmである。次いで、ステッ
プS30で、ステップS6と同様に、前述の図11に示
すような変速線図に基いて目標トロイダルレシオRto
を設定する。次いで、ステップS31で、実トロイダル
レシオRtと目標トロイダルレシオRtoとの偏差Rz
を算出する。
【0129】例えば、前述の図12で説明したように、
変速比のフィードバック制御の再開時刻t3に、走行状
態が「m」にあり、目標が「o」に設定されたとする
と、状態mのトロイダルレシオ(切換ポイントトロイダ
ルレシオ)Rtmと、状態oのトロイダルレシオRto
との間の偏差がRzとなる。
【0130】次いで、ステップS32で、上記レシオ偏
差Rzを上記所定時間Txで割った値ΔRzを求める。
つまり、状態mのトロイダルレシオ(切換ポイントトロ
イダルレシオ)Rtmを状態oのトロイダルレシオRt
oに変化させる場合の該トロイダルレシオRtの単位時
間当たりの変化分(時間変化率)ΔRzを求めるのであ
る。
【0131】そして、ステップS33で、上記タイマt
imが所定時間Txを超えたか否かを判定し、超えるま
では、ステップS34で、仮の目標トロイダルレシオR
aに上記変化分ΔRzを加算していくことにより仮の目
標トロイダルレシオRaを更新し、ステップS35で、
タイマtimをカウントする。そして、ステップS36
で、この更新した仮の目標トロイダルレシオRaを目標
トロイダルレシオRtoとしたうえで、ステップS7に
進み、以下、ステップS12までを実行することによ
り、上記目標トロイダルレシオRto(Ra)に向けて
の変速比のフィードバック制御を遂行する。また、モー
ドが完全にハイモードHFに切り換わる。
【0132】一方、上記タイマtimが所定時間Txを
超えたときは、ステップS37で、ステップS30にお
いて図11に示すような変速線図に基いて設定した目標
トロイダルレシオRtoを仮の目標トロイダルレシオR
aとし、ステップS38で、タイマtimをリセットす
る。そして、ステップS36で、上記の仮の目標トロイ
ダルレシオRaを目標トロイダルレシオRtoとしたう
えで、ステップS7に進み、以下、ステップS12まで
を実行することにより、引き続き、上記目標トロイダル
レシオRtoに向けての変速比のフィードバック制御を
遂行する。また、モードが引き続きハイモードHFに維
持される。
【0133】モードの切換動作中(時刻t1〜時刻t
3)にいったん中断した変速比のフィードバック制御を
再開する場合に、上記のような制御動作を行なうことに
より、状態mから状態oへの一気の急激な変化が回避さ
れ、図10に破線セ、ソで示すように、エンジン回転数
Ne、並びにユニットレシオRuおよびトロイダルレシ
オRtが所定時間Txを費やして徐々に穏便に変化す
る。例えばトロイダルレシオRtの時間変化率はΔRz
と小さな値に制限され、レシオRu,Rtの急変が抑制
されている。
【0134】その結果、レシオRu,Rtの急変に伴う
ショックや、エンジン回転数Neの急変あるいは不連続
変化等による違和感が低減されて、変速比制御の再開時
(t3〜)においても滑らかで良好な変速が実現する。
【0135】その場合に、所定時間Txを入力トルクT
rが大きいほど長く設定したから、入力トルクTrが大
きく、レシオRu,Rtの急変に伴うショックが大きく
なるような場合には、所定時間Txが長くされることに
よって、トロイダルレシオRtの時間変化率ΔRzがよ
り小さな値に制限され、ショックが確実に希釈化され
る。
【0136】さらに、所定時間Txを、例えば図17に
示すように、実変速比(状態mの変速比)と変速制御再
開時の目標変速比(状態oの変速比)との偏差Rzが大
きいときは長くし、小さいときは短くするようにしても
よい。実変速比Rtmが最終の目標変速比Rtoに収束
するまでの応答性も維持しながら、変速比Ru,Rtの
急変を抑制する適切な変速比制御が実現する。
【0137】次に、変速比を切換ポイント変速比に固定
している期間中に車速が低下した場合の不具合にも対処
するときには、例えば図18に示すような変速線図を用
いて目標トロイダルレシオRtoを設定する。この変速
線図では、変速比制御の中断中に例えば走行抵抗のバラ
ツキによって生じた種々の走行状態(車速)に応じて多
数の変速線r…rが設定されている。
【0138】例えば、平坦路で走行抵抗が普通のとき
は、図11や図12と同様の変速線が通常時の変速線と
して与えられる。そして、これを挟んで、例えば、下り
坂で走行抵抗が小さいときは、車速が上昇した状態m…
mから、逆に上り坂で走行抵抗が大きいときは、車速が
低下した状態n…nから、それぞれ、通常時の変速線上
に設けられた所定の状態pまで緩やかに戻る変速線r…
rが与えられる。
【0139】したがって、この変速線図を用いて設定さ
れた目標レシオRto,Ruoには、変速比制御の中断
中に生じた走行状態(車速)の変化が考慮されているか
ら、目標レシオRuo,Rtoに向けての変速比のフィ
ードバック制御を通常通りに遂行することにより、実レ
シオRu,Rtが一気に急変することのない、また、エ
ンジン回転数Neが一気に急変したり不連続に変化した
りすることのない、滑らかで良好な変速が実現する。
【0140】なお、図18では、モード切換ラインM上
の各状態m…m,n…nと通常時の変速線上の所定の状
態pとを結ぶ変速線r…rが直線状に設けられている
が、これに限らず、実レシオRu,Rtおよびエンジン
回転数Neの急変等が抑制されることを条件に、他の形
状、例えば湾曲形状に設けられてもよい。
【0141】この変速線図を用いる場合の時刻t3以降
における制御動作は例えば図19に示すようになる。す
なわち、ステップS22〜S24で、ハイクラッチデュ
ーティ率DH、ロークラッチデューティ率DL、および
オンオフソレノイドバルブ(SV)213の指示値を設
定したのちは、ステップS25’で、走行抵抗を算出す
る。走行抵抗は道路勾配や車重あるいは空気抵抗等から
周知の方法により算出される。
【0142】次いで、ステップS26’で、図18に示
すような変速線図に基いて、走行抵抗に応じて目標トロ
イダルレシオRtoを設定する。そのうえで、ステップ
S7に進み、以下、ステップS12までを実行すること
により、上記目標トロイダルレシオRtoに向けての変
速比のフィードバック制御を遂行する。
【0143】なお、以上は、ローモードLFからハイモ
ードHFへの切換時の制御動作であったが、これに準じ
て、ハイモードHFからローモードLFへの切換時の制
御動作も可能である。
【0144】すなわち、図20に拡大して示すように、
符号「i」で示すハイモードHFの走行状態から、モー
ド切換ラインMを挟んで、符号「j」で示すローモード
LFの走行状態へ移動する場合に、モードの切換動作中
に、例えば走行抵抗が大きく、その結果、矢印ケのよう
に車速が低下し、符号「n」で示すようなモード切換ラ
インM上の状態に移行したときは、この状態mから変速
線上の状態oへ向けて矢印コのように一気に急激に変化
させると、ユニットレシオRu、トロイダルレシオR
t、およびエンジン回転数Neが急変し、ショックや違
和感が生じることになる。
【0145】また、逆に走行抵抗が小さく、その結果、
矢印キのように車速が上昇し、符号「m」で示すような
モード切換ラインM上の状態に移行したときには、変速
比のフィードバック制御の再開時に、走行状態を、切換
ラインMに沿って矢印クのように状態mからいったん状
態kに復帰させたのち、変速線に沿って矢印カのように
状態kから状態jに移行させると、走行状態が「m」か
ら「k」に復帰するときと、「k」から「j」に移行す
るときとで、エンジン回転数Neの低下の度合いが不連
続となり、違和感が生じることになる。
【0146】したがって、前述の図13〜図14に示す
フローチャートに準じてモード切換時の制御動作を行な
うことにより、専ら、変速比を切換ポイント変速比に固
定している期間中に車速が低下した場合の不具合に対処
することが可能となり、また、図18に示す変速線図に
代えて、図21に示す変速線図を用いることにより、変
速比を切換ポイント変速比に固定している期間中に車速
が上昇した場合の不具合にも対処することが可能とな
る。
【0147】なお、図18および図21に示す変速線図
は、あるスロットル開度TVOについて設定された一つ
の変速線のモード切換ラインM近傍部分を拡大したもの
であり、他の複数のスロットル開度TVO毎に設定され
る各変速線について、上記のような変速線r…rが同様
に多数設けられていることはいうまでもない。
【0148】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、モード
の切換動作中に一時中断した変速比制御を再開するとき
に、変速比の急変に伴うショックや違和感の発生を抑制
することができ、無段変速式の変速機特有の滑らかな変
速をモードの切換時においても損なうことがない。本発
明は、トロイダル式やベルト式等の無段変速機を備えた
パワートレイン一般に広く好ましく適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るトロイダル式無段
変速機を備えたパワートレインの機械的構成を示す骨子
図である。
【図2】 上記変速機の要部の具体的構造を展開状態で
示す平面図である。
【図3】 図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】 上記変速機の油圧制御回路図である。
【図5】 図3のB方向からみた変速制御用三層弁の周
辺の部分断面図である。
【図6】 図3のC方向からみた変速制御機構周辺の部
分断面図である。
【図7】 上記パワートレイン全体の制御システムを示
すブロック図である。
【図8】 ステップモータのパルス数とトロイダルレシ
オとの関係を示す特性図である。
【図9】 ステップモーターのパルス数とユニットレシ
オとの関係を示す特性図である。
【図10】 ローモードからハイモードへの切換制御の
具体的一例を示すタイムチャートである。
【図11】 変速比制御で用いる変速線図である。
【図12】 モード切換ポイント周辺における走行状態
の種々の変化を示すための変速線図の拡大図である。
【図13】 ローモードからハイモードへの切換制御の
具体的一例を示すフローチャートである。
【図14】 同じくフローチャートである。
【図15】 同制御で用いられる指数と、ステップモー
タへ出力する制御信号のパルス数との関係を示すマップ
である。
【図16】 同制御で用いられる入力トルクと、所定時
間Txとの関係を示すマップである。
【図17】 同制御で用いられる実変速比と目標変速比
との間の偏差Rzと、所定時間Txの関係を示すマップ
である。
【図18】 ローモードからハイモードへの別の切換制
御で用いられる変速線図である。
【図19】 同制御の具体的一例を示すフローチャート
である。
【図20】 ハイモードからローモードへの切換時にお
ける走行状態の種々の変化を示すための変速線図の拡大
図である。
【図21】 ハイモードからローモードへの切換制御で
用いられる変速線図である。
【符号の説明】
1 エンジン 10 パワートレイン 20,30 無段変速機構 50 遊星歯車機構 60 ロークラッチ 70 ハイクラッチ 200 油圧制御回路 220,230 変速制御用三層弁 251,252 ステップモータ 271 ロークラッチ用デューティソレノイド
バルブ 272 ハイクラッチ用デューティソレノイド
バルブ 300 コントロールユニット
フロントページの続き Fターム(参考) 3J552 MA09 MA30 NA01 NB01 PA02 RA26 RB14 SA32 SB12 TA02 VA32Z VA37Z VA48Z VA62Z VA74W VA74Y VA76W VB01Z VC01Z VC03Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無段変速機構と歯車機構とを経由する動
    力伝達経路と、無段変速機構のみを経由する動力伝達経
    路とを有する変速機を備え、車両の走行状態に応じて目
    標変速比を設定する目標変速比設定手段と、該設定手段
    で設定された目標変速比が実現するように上記経路の切
    換制御と上記無段変速機構の変速比制御とを行なう変速
    制御手段とが設けられたパワートレインの制御装置であ
    って、経路の切換えを伴う目標変速比が設定されたとき
    は、その経路の切換動作中、変速比を所定の変速比に固
    定し、変速制御手段による変速比制御を中断させる中断
    手段と、経路の切換動作が終了したときは、変速比の固
    定を解除し、変速制御手段による変速比制御を再開させ
    る再開手段と、該再開手段によって変速比制御が再開さ
    れたときに、該制御の中断中に生じた走行状態の変化に
    よって変速比が急激に変化することを抑制する抑制手段
    とが設けられていることを特徴とするパワートレインの
    制御装置。
  2. 【請求項2】 抑制手段は、変速比制御の再開時に目標
    変速比設定手段で設定された目標変速比を所定時間を費
    やして実現させることにより、変速比が急激に変化する
    ことを抑制することを特徴とする請求項1に記載のパワ
    ートレインの制御装置。
  3. 【請求項3】 所定時間は、トルクに応じて設定される
    ことを特徴とする請求項2に記載のパワートレインの制
    御装置。
  4. 【請求項4】 抑制手段は、変速比が単位時間当たりに
    所定値以上に大きく変化しないようにすることを特徴と
    する請求項2または3に記載のパワートレインの制御装
    置。
  5. 【請求項5】 目標変速比設定手段は、制御の中断中に
    生じた走行状態の変化に応じて設定された変速特性に基
    いて目標変速比を設定し、抑制手段は、この設定手段で
    設定された目標変速比を実現させることにより、変速比
    が急激に変化することを抑制することを特徴とする請求
    項1に記載のパワートレインの制御装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006336677A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Nsk Ltd 無段変速装置
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