JP2001330130A - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置

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JP2001330130A
JP2001330130A JP2000149085A JP2000149085A JP2001330130A JP 2001330130 A JP2001330130 A JP 2001330130A JP 2000149085 A JP2000149085 A JP 2000149085A JP 2000149085 A JP2000149085 A JP 2000149085A JP 2001330130 A JP2001330130 A JP 2001330130A
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rotation speed
shift
input rotation
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JP2000149085A
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English (en)
Inventor
Koji Taniguchi
浩司 谷口
Katsumi Kono
克己 河野
Kenji Matsuo
賢治 松尾
Hideki Yasue
秀樹 安江
Tadashi Tamura
忠司 田村
Hiroki Kondo
宏紀 近藤
Takehito Hattori
勇仁 服部
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 急加速要求に基づいて無段変速機での急変速
を実行した後、緩変速を実行する際の入力回転数のオー
バーシュートを防止する。 【解決手段】 急加速要求が判定されたときに、ステッ
プ的に増大させた第1目標入力回転数に入力回転数が一
致するよう無段変速機の変速比をフィードバック制御し
た後、入力回転数が車両の運転状態に基づいて設定され
る目標入力回転数へと徐々に増大させられる第2目標入
力回転数となるよう無段変速機の変速比をフィードバッ
ク制御する変速制御装置であって、第2目標入力回転数
へのフィードバック制御開始時点のフィードバック制御
量DSFTFBとそのときの実際の入力回転数と目標入
力回転数との偏差DNSTPENDとに基づいて比例ゲ
インKPを算出する手段(ステップS17)を備え、第
2目標入力回転数へのフィードバック制御開始後のフィ
ードバック制御量を、その比例ゲインに基づいて求め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、無段変速機の変
速比を制御する装置に関し、特に駆動力要求量の急激な
変化があった場合の変速制御をおこなう装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】無段変速機での変速制御は、例えば、ア
クセル開度などの駆動力要求量や車速などの走行条件に
基づき、あるいは運転者による人為的な選択操作に基づ
いて目標入力回転数を求め、実入力回転数がその目標入
力回転数に一致するように変速比を制御することにより
実行される。その変速制御をおこなう場合、実入力回転
数をその目標入力回転数に直ちに一致させるように変速
比を変更せずに、目標入力回転数から求まる過渡的な目
標入力回転数を設定し、その過渡的な目標入力回転数に
実入力回転数を一致させるように無段変速機の変速比を
フィードバック制御し、その過渡的な目標入力回転数が
順次更新されることにより、最終的には当初の目標入力
回転数を達成するようにしている。したがって上記の過
渡的な目標入力回転数の設定の仕方によって変速速度が
定まるので、通常の変速では、目標入力回転数に対して
一次遅れの過渡的な目標入力回転数を設定し、ショック
や変速の遅れ感が生じない程度の速度で変速を実行して
いる。
【0003】しかしながら、変速速度を常時、上記のよ
うにして設定しているのでは、例えばアクセルペダルを
急激に大きく踏み込むことによる急加速要求があった場
合、変速の遅れが原因となって、要求されている加速感
を得られない場合がある。このような不都合を解消する
ために、特開昭63−68426号公報に記載された発
明では、無段変速機を搭載した車両において、運転者が
アクセルペダルを大きく踏み込むなどの負荷の増大操作
をおこなった場合、目標入力回転数をステップ的に増大
させ、入力回転数をこのステップ的に増大された第1目
標入力回転数に一致するように無段変速機の変速比をフ
ィードバック制御している。したがってこの時点では、
回転数偏差が大きくなるので、変速速度が速くなり、加
速応答性が高くなる。その後、入力回転数がこの第1目
標入力回転数に近づいてこれらの回転数の偏差が小さく
なると、車速などの車両の運転状態に基づいて定まる目
標入力回転数に向けて徐々に変化される第2目標入力回
転数を設定し、入力回転数がこの第2目標入力回転数に
一致するように無段変速機の変速比が制御される。この
第2目標入力回転数に基づく変速は、回転数偏差が小さ
くなるので、変速速度が低下し、その結果、変速の終了
時点でのショックが回避される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、負荷が急激
に増大した場合の上記の過渡的な変速は、変速速度を緩
急の少なくとも二段に変化させて実行されるが、前述し
た第1目標入力回転数を設定するいわゆる急変速から、
第2目標入力回転数に基づくいわゆる緩変速に切り替わ
る際に、入力回転数のオーバーシュートが生じて運転性
が悪化する可能性があった。
【0005】すなわち変速比を上記のようにフィードバ
ック制御する場合、変速速度は目標入力回転数の変化率
(変化勾配)によって制御しており、そのため、目標入
力回転数の変化に対する実入力回転数の追従性を良くす
るために、フィードバック制御における比例ゲインを比
較的大きく設定している。したがって前記第1目標入力
回転数に基づく急変速の際のフィードバック制御量は、
変速比を変更するアクチュエータやその他の制御機器を
最も高速で動作させる制御量を超えており、そのため、
最高速度での変速が実行される。これに対して、第2目
標入力回転数に基づくいわゆる緩変速の場合には、変速
比を変更する制御機器をその最大速度より低速で動作さ
せる。
【0006】したがって第2目標入力回転数に基づく変
速を開始する時点では、フィードバック制御量を決める
回転数偏差が小さくなっているものの、第1目標入力回
転数に基づく急変速の際にはフィードバック制御量が制
御機器の最大速度を超える制御量となっているので、直
ちにはフィードバック制御量が緩変速を実行する程度の
制御量には低下しない。その結果、第2目標入力回転数
に基づく制御を開始しても、フィードバック制御量が制
御機器の上限制御量に低下するまでは、変速比を設定す
る制御機器の上限値が動作し、これが原因となって入力
回転数がオーバーシュートし、運転性が悪化する可能性
がある。
【0007】この発明は、上記の技術的課題に着目して
なされたものであり、急加速要求があった場合の急変速
から緩変速への切り換え時における入力回転数のオーバ
ーシュートを防止することのできる変速制御装置を提供
することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】この発明
は、上記の目的を達成するために、変速比をフィードバ
ック制御する無段変速機の変速制御において、急加速要
求があった場合の過渡変速制御における急変速から緩変
速への切り換え時点に、比例ゲインをその時点の制御状
態に基づいて強制的に変更するように構成したことを特
徴とするものである。より具体的には、この発明は、車
両の運転状態に基づき設定される目標入力回転数に入力
回転数を一致させるべく、これら回転数の偏差に基づい
てフィードバック制御量を算出するとともに、運転者の
急加速要求が判定されたときには、目標入力回転数をス
テップ的に増大させ、入力回転数をこのステップ的に増
大された第1目標入力回転数となるよう前記無段変速機
の変速比をフィードバック制御して入力回転数を前記第
1目標入力回転数に近づけた後、目標入力回転数を前記
車両の運転状態に基づいて設定される前記目標入力回転
数へと徐々に増大させ、入力回転数をこの徐々に増大さ
れる第2目標入力回転数となるよう前記無段変速機の変
速比をフィードバック制御する無段変速機の変速制御装
置において、前記第2目標入力回転数へのフィードバッ
ク制御開始時点のフィードバック制御量とそのときの目
標入力回転数と入力回転数との偏差とに基づいて比例ゲ
インを算出する比例ゲイン算出手段を備え、前記第2目
標入力回転数へのフィードバック制御開始後のフィード
バック制御量を前記比例ゲイン算出手段で算出された比
例ゲインに基づいて求めるように構成されていることを
特徴とする変速制御装置である。
【0009】したがってこの発明の変速制御装置では、
運転者による急加速要求があった場合、目標入力回転数
がステップ的に増大させられて第1目標入力回転数が設
定され、入力回転数がその第1目標入力回転数に一致す
るように変速比がフィードバック制御される。したがっ
て、入力回転数と第1目標入力回転数との偏差が大きい
ことにより、変速速度が速くなり、加速要求に応じて変
速が実行される。その後、入力回転数が第1目標入力回
転数に近づくと、目標入力回転数が第2目標入力回転数
に変更される。この第2目標入力回転数は、車両の運転
状態に基づいて定まる目標回転数に向けて徐々に増大さ
せられる目標入力回転数であり、したがって回転数偏差
が従前より小さくなる。このような目標入力回転数の変
更と併せて、比例ゲインが変更される。具体的には、そ
の時点のフィードバック制御量と目標入力回転数と入力
回転数との偏差とに基づいた値に比例ゲインが設定され
る。目標入力回転数が上記の第2目標入力回転数に変更
された後は、この新たに設定された比例ゲインに基づい
て変速比を制御するためのフィードバック制御量が算出
される。したがって、第2目標入力回転数に基づくいわ
ゆる緩変速に変更する時点では、比例ゲインの変更に伴
ってフィードバック制御量が低下するので、入力回転数
のオーバーシュートが防止もしくは抑制される。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を具体例に基づい
て説明する。先ず、この発明が対象とする車両の動力伝
達系統の一例を説明すると、図3において、動力源1が
変速機構2に連結され、その変速機構2の出力軸3がデ
ィファレンシャル4を介して左右の駆動輪5に連結され
ている。ここで、動力源1は、ガソリンエンジンやディ
ーゼルエンジンなどの内燃機関あるいはモータなどの電
動機、さらにはこれら内燃機関と電動機とを組み合わせ
た装置など、車両に使用可能な種々の動力源を含む。以
下の説明では、動力源1として、燃料をシリンダの内部
に直接噴射し、その噴射量およびタイミングを制御する
ことにより均質燃焼や成層燃焼の可能ないわゆる直噴ガ
ソリンエンジン、あるいはスロットル開度を電気的に自
由に制御できる電子スロットルバルブを備えたガソリン
エンジンを採用した例を説明する。
【0011】このエンジン1は電気的に制御できるよう
に構成されており、その制御のためのマイクロコンピュ
ータを主体とする電子制御装置(E−ECU)6が設け
られている。この電子制御装置6は、少なくともエンジ
ン1の出力を制御するように構成されており、その制御
のためのデータとして出力軸回転数(エンジン回転数)
NE とアクセル開度PAなどの要求駆動量とが入力され
ている。
【0012】この要求駆動量は、要は、エンジン1の出
力の増大・減少のための信号であり、運転者が操作する
アクセルペダルなどの加減速操作装置7の操作量信号や
その操作量を電気的に処理して得た信号を採用すること
ができ、またそれ以外に、車速を設定車速に維持するた
めのクルーズコントロールシステム(図示せず)などか
らの要求駆動量信号を含む。
【0013】また、変速機構2は、流体伝動機構8と、
前後進切換機構9と、無段変速機(CVT)10とから
構成されている。その流体伝動機構8は、要は、オイル
などの流体を介して入力側の部材と出力側の部材との間
でトルクを伝達するように構成された装置であって、一
例として、一般の車両に採用されているトルクコンバー
タを挙げることができる。また、この流体伝動機構8
は、直結クラッチ11を備えている。すなわち直結クラ
ッチ11は、入力側の部材と出力側の部材とを摩擦板な
どの機械的手段で直接連結するように構成されたクラッ
チであって、緩衝をおこなうためのコイルスプリングな
どの弾性体からなるダンパー12を備えている。なお、
車両が停止している状態であってもエンジン1を駆動さ
せ続けるために流体伝動機構8を設けている場合には、
車両の状態に基づいて自動的に断続される自動クラッチ
を、上記の流体伝動機構8に置換して使用することがで
きる。
【0014】その流体伝動機構8の入力部材がエンジン
1の出力部材に連結され、また流体伝動機構8の出力部
材が前後進切換機構9の入力部材に連結されている。こ
の前後進切換機構9は、一例としてダブルピニオン型遊
星歯車機構によって構成され、特には図示しないが、サ
ンギヤとキャリヤとのいずれか一方を入力要素とし、か
つ他方を出力要素とするとともに、リングギヤを選択的
に固定するブレーキ手段と、サンギヤおよびキャリヤな
らびにリンクギヤの3要素のうちのいずれか2つの回転
要素を選択的に連結して遊星歯車機構の全体を一体化す
るクラッチ手段とを備えている。すなわちそのクラッチ
手段を係合させることに前進状態を設定し、また前記ブ
レーキ手段を係合させることにより後進状態を設定する
ように構成されている。
【0015】図3に示してある無段変速機10は、その
入力側の部材の回転数と出力側の部材の回転数との比率
すなわち変速比を無段階に(連続的に)変化させること
のできる機構であり、ベルト式無段変速機やトロイダル
式無段変速機などを採用することができる。そのベルト
式無段変速機10の一例を図4を参照して簡単に説明す
ると、駆動側プーリー(プライマリープーリー)20
と、従動側プーリー(セカンダリープーリー)21と、
これらのプーリー20,21に巻き掛けられたベルト2
2とを備えている。これらのプーリー20,21のそれ
ぞれは、固定シーブ23,24と、その固定シーブ2
3,24に対して接近・離隔する可動シーブ25,26
とからなり、可動シーブ25,26を固定シーブ23,
24に対して接近する方向に押圧する油圧アクチュエー
タ27,28が設けられている。
【0016】上記の駆動側プーリー20が入力軸29に
取り付けられ、その入力軸29と平行に配置された出力
軸30に従動側プーリー21が取り付けられている。そ
して、従動側プーリー21における油圧アクチュエータ
28には、アクセル開度PAに代表される要求出力から
求められる要求駆動力に応じた油圧が供給され、トルク
を伝達するのに必要な張力をベルト22に付与するよう
になっている。また、駆動側プーリー20の油圧アクチ
ュエータ27には、入力軸29の回転数を目標入力回転
数に一致させるための変速比となるように、油圧が給排
されている。すなわち、各プーリー20,21における
溝幅(固定シーブ23,24と可動シーブ25,26と
の間隔)を変化させることにより、各プーリー20,2
1に対するベルト22の巻き掛け半径が大小に変化して
変速が実行されるようになっている。より具体的には、
実入力回転数と目標入力回転数との偏差に基づいて駆動
プーリー20側の油圧をフィードバック制御することに
より変速が実行され、したがってその偏差が大きいほ
ど、変速速度が速くなる。
【0017】駆動プーリー20に対する油圧の給排は、
流量制御によっておこなわれ、そのためのバルブ機構
は、以下のとおりである。すなわち、駆動プーリー20
の油圧アクチュエータ27に油圧源(ライン圧源)に接
続された第1流量制御弁31と、ドレーンに接続された
第2流量制御弁32とが連通されている。これらの流量
制御弁31,32の制御ポートには、デューティソレノ
イド弁33,34がそれぞれ接続されており、デューテ
ィ比が大きいほどこれらのデューティソレノイド弁3
3,34から出力される制御圧が高くなって、各流量制
御弁31,32の開度すなわち流量が増大するようにな
っている。すなわち、第1流量制御弁31の開度を増大
させて圧油の流量を増大させることにより、駆動プーリ
ー20の溝幅が狭くなり、急速にアップシフトし、また
反対に第2流量制御弁32の開度を増大させて駆動プー
リー20側の油圧アクチュエータ27からの排圧速度を
速くすることにより、駆動プーリー20の溝幅が広くな
って、急速にダウンシフトする。このように、変速速度
をデューティ制御するように構成されている。
【0018】さらに、そのデューティ比は、目標入力回
転数と実入力回転数との偏差に基づいてフィードバック
制御されるように構成されている。すなわち、デューテ
ィ比DUSFTは下記の式で演算される。
【0019】 DUSFT=KP×(|ΔNIN+KI|) …(1) ΔNIN=NINT−NIN …(2) KIi =KI(i-1)+ΔNIN/TIST …(3) ここで、KPは比例ゲイン、ΔNINは目標入力回転数
NINTと実入力回転数NINとの偏差、KIは積分項
であって回転数偏差ΔNINの単位時間あたりの量を積
算する上記の(3)式で得られる値である。
【0020】したがって、図4に示す無段変速機10で
は、駆動側プーリー20に対するベルト22の巻き掛け
半径が最小でかつ従動側プーリー21に対するベルト2
2の巻き掛け半径が最大の状態で、最低速側の変速比
(最大変速比)γmax が設定され、また、これとは反対
に駆動側プーリー20に対するベルト22の巻き掛け半
径が最大でかつ従動側プーリー21に対するベルト22
の巻き掛け半径が最小の状態で、最高速側の変速比(最
小変速比)γmin が設定される。
【0021】上記の変速機構2における直結クラッチ1
1の係合・解放ならびに滑りを伴う半係合の各状態の制
御および前後進切換機構9での前後進の切り換えならび
に無段変速機10での変速比の制御は、基本的には、車
両の走行状態に基づいて制御されるようになっている。
その制御のためにマイクロコンピュータを主体として構
成された電子制御装置(T−ECU)13が設けられて
いる。
【0022】この電子制御装置13は、前述したエンジ
ン用の電子制御装置6とデータ通信可能に連結される一
方、制御のためのデータとして車速SPDや変速機構2
の出力回転数No 、入力回転数NINなどのデータが入
力されている。また、変速機構2を停止状態(パーキン
グポジション:P)、後進状態(リバースポジション:
R)、中立状態(ニュートラルポジション:N)、車両
の走行状態に応じて変速比を自動的に設定して通常の走
行をおこなう自動前進状態(ドライブポジション:
D)、エンジン1のポンピングロスを制動力とする状態
(ブレーキポジション:B)ならびに所定値以上の高速
側の変速比の設定を禁止する状態(SDポジション)の
各状態(ポジション)を選択するシフト装置14が設け
られており、このシフト装置14が電子制御装置13に
電気的に連結されている。
【0023】上記の無段変速機10の変速比は、前述し
たように、要求駆動力に基づいて目標入力回転数を求
め、実際の入力回転数がその目標入力回転数に一致する
ように制御される。しかしながら、変速速度の大小がエ
ンジン1を含む回転部材の慣性力の大小に影響し、また
変速ショックやシャクリなどに影響するので、通常の変
速では、例えば目標入力回転数に対して一次遅れの過渡
的な目標入力回転数を設定し、この過渡的な目標入力回
転数の変化に追従して実入力回転数が変化するように無
段変速機10の変速比を制御している。これに対してア
クセルペダルが急激に踏み込まれるなどの急加速要求が
あった場合には、加速応答性を良好にするために、通常
の変速制御とは異なる過渡的な変速制御として、目標入
力回転数をステップ的に、すなわち大きい増大幅をもっ
て変化させ、ついで予め定めた一定の速度で変速させる
変速制御が実行される。
【0024】この発明に係る制御装置は、急加速要求が
あった場合に以下の過渡制御を実行するように構成され
ている。図1はその制御例を示すフローチャートであっ
て、このルーチンは予め定めた所定の短時間ごとに繰り
返し実行される。
【0025】図1において、先ず、車速SPDおよび実
入力回転数NINならびに駆動要求量としてアクセル開
度PAが読み込まれる(ステップS1)。ついで、目標
入力回転数NINTと実入力回転数NINとの偏差ΔN
INが算出され(ステップS2)、さらに変速比のフィ
ードバック制御における積分項KIと比例ゲインKPと
が算出される(ステップS3)。ここで積分項KIは、
前述した(3)式によって算出することができ、また比
例ゲインKPは、車速SPDなどの車両の運転状態や選
択されているシフトレンジなどに基づいて求められる。
さらに、アクセル開度変化率DPAが算出される(ステ
ップS4)。すなわちアクセル開度PAの単位時間あた
りの変化量が算出される。
【0026】これに続けて、フラグXTRNSFTが
“1”にセットされているか否かが判断される(ステッ
プS5)。このフラグXTRNSFTは、急加速要求の
判定があった場合に“1”にセットされるフラグであ
り、当初は“0”にセットされているので、急加速要求
の判定がなされていない時点ではこのステップS5で否
定的に判断される。ステップS5で否定的に判断された
場合には、ステップS4で計算されたアクセル開度変化
率DPAが基準変化率αより大きいか否かが判断される
(ステップS6)。この基準変化率αは、急加速要求と
それよりもゆっくりした緩加速とを区別するための判断
基準となるものであり、予め定められた値である。な
お、この基準変化率αは、固定値であってもよく、ある
いは車速などの他の条件によって変化する値であっても
よい。
【0027】図1に示すルーチンは、急加速要求があっ
た場合の過渡変速を制御するためのものであるから、ア
クセル開度PAが変化したものの、その変化率DPAが
基準変化率α以下であることによりステップS6で否定
的に判断された場合、すなわち急加速要求がない場合に
は、特に制御をおこなうことなくこのルーチンを終了す
る。これに対して急加速要求があったことによりステッ
プS6で肯定的に判断された場合には、急加速要求があ
ったことを示すフラグ(急加速要求フラグ)XTRNS
FTと、目標入力回転数をステップ的に変化させる急変
速制御の実行を示すフラグ(急変速フラグ)XSTEP
とが、それぞれ“1”にセットされる(ステップS
7)。
【0028】また、目標入力回転数NINTの初期値N
INTSTとして、その時点の実入力回転数NINが設
定される(ステップS8)。したがって急加速要求の判
断が成立した時点の実入力回転数NINを基準にして変
速制御が実行される。また、ここにおける目標入力回転
数NINTは、車速やアクセル開度などの車両の運転状
態で決まる目標入力回転数NINCに到るまでの過渡時
に順次設定されて、例えば変速速度を規定する過渡的な
目標入力回転数である。
【0029】ついで、アイドル接点がONからOFFに
切り替わった時点からの経過時間CTIDLが基準時間
T0 を超えたか否かが判断される(ステップS9)。こ
の基準時間T0 は、出力軸トルクの増大を緩和しシャク
リを防止するためのなまし制御が実行される期間に対応
する時間あるいはそれより長い時間であって、車両が被
駆動状態から駆動状態に変化するまでに要する時間ある
いはそれより長い時間に設定され、予め定められた固定
値もしくは車速などの車両の運転状態に応じて変化する
値である。
【0030】経過時間CTIDLが基準時間T0 に達し
ていない場合には、ステップS9で否定的に判断され、
その場合、目標入力回転数初期値NINTSTに所定値
STEP1が加算されて目標入力回転数NINTが算出
される(ステップS10)。この所定値STEP1は、
当初の変速を禁止し、もしくは変速速度を抑えるための
加算値であり、前者の場合は所定値STEP1は“0”
に設定され、また後者の場合、無段変速機10でのダウ
ンシフトによる慣性力がエンジン1の出力軸トルクの増
大を大きく抑制しない程度の小さい値に設定される。
【0031】つぎに、フィードバック制御での演算式に
おける積分項KIを“0”に設定する(ステップS1
1)。後述するSTEP変速では目標入力回転数が大幅
に増大されてフィードバック制御量が前述したデューテ
ィソレノイド弁33,34のデューティ上限値を超え、
その結果、急速な変速制御が実行される。これに対して
それに続く変速速度固定制御では、デューティ比を上限
値より小さい値で制御するので、フィードバック制御量
自体がデューティ比の上限値以下である必要がある。そ
のため、これらの制御の切換時点におけるフィードバッ
ク制御量のデューティ比上限値を超える量を可及的に低
減することが好ましいので、フィードバック制御量の増
大要因である積分項KIを暫定的に“0”とするのであ
る。
【0032】目標入力回転数NINTおよび積分項KI
を上記のように設定した後に、急加速要求に応じた急変
速(STEP変速)が終了したか否かが判断される(ス
テップS12)。この判断は、目標入力回転数NINT
をステップ的に増大させるとともに、その値を一時的に
維持し、実入力回転数NINがその目標入力回転数NI
NTに近づいてその偏差ΔNINが予め定めた値以下に
なったことの判断である。したがって目標入力回転数初
期値NINTSTに加算される所定値が“0”もしくは
これに近い小さい値STEP1である場合には、STE
P変速が継続しており、その結果、ステップS11では
否定的に判断され、このルーチンを抜ける。
【0033】この状態で再度、図1のルーチンが実行さ
れると、既に急加速要求フラグXTRNSFTが“1”
にセットされていることによりステップS5で肯定的に
判断され、その結果、ステップS13に進んで急変速フ
ラグXSTEPが“1”か否かが判断される。この急変
速フラグXSTEPも急加速要求の判断が成立すること
により“1”に設定されているので、このステップS1
3では肯定的に判断され、ステップS9に進む。
【0034】アイドル接点がONからOFFに切り替わ
った時点からの経過時間CTIDLが基準時間T0 に到
っていないことにより、このステップS9で否定的に判
断された場合には、ステップS10に進んで変速を禁止
し、もしくは低速度で変速をおこなう。これに対して、
シャクリを防止するためのなまし制御が終了する程度の
時間が経過し、その結果、ステップS9で肯定的に判断
されると、ステップS10に替えてステップS14に進
み、目標入力回転数初期値NINTSTに所定値STE
P2が加算されて目標入力回転数NINTが算出され
る。この所定値STEP2は、実入力回転数を目標入力
回転数に一致させるように無段変速機10をフィードバ
ック制御するにあたり、変速速度を増大させるべく目標
入力回転数を大きい値に設定するための値であり、車両
の運転状態もしくは要求駆動力に基づいて算出される目
標入力回転数に応じて設定される。
【0035】なお、シャクリを防止するためのなまし制
御を実行している間、無段変速機10の変速比を僅かず
つ増大させる制御を実行する場合、すなわちステップS
10での所定値STEP1を“0”より大きい値に設定
する場合には、ステップS14では、その時点の目標入
力回転数NINTに所定値STEP2を加算して目標入
力回転数NINTを算出してもよい。
【0036】目標入力回転数NINTがこのようにステ
ップ的に増大させられると、無段変速機10の変速比を
フィードバック制御するための回転数偏差が大きくな
り、その結果、変速比の変化速度すなわち変速速度が増
大する。
【0037】このように、アイドル接点がOFFに切り
替わってから、シャクリ防止のためのなまし制御が終了
するまでの期間あるいはそれを上回る期間の間は、変速
が禁止され、もしくは低速度で変速がおこなわれる。そ
のため、この期間においては変速に伴う負トルクがエン
ジン1に作用することがなく、あるいは出力軸トルクの
増大が阻害されることがない。そして、なまし制御によ
って出力軸トルクが緩い勾配で増大し、エンジン1は被
駆動状態から駆動状態に切り替わる。したがって被駆動
状態から駆動状態への変化が緩やかにおこなわれるた
め、シャクリが防止もしくは抑制される。また、その場
合、無段変速機10での変速を禁止してあれば、変速に
伴う負トルクを特に考慮することなくエンジン1の出力
軸トルクを制御でき、またその制御のための定数もしく
は係数などを設定できるので、制御が簡単になるうえ
に、その設計が容易になる。
【0038】このようにしてエンジン1が駆動状態に切
り替わった後に無段変速機10での急変速すなわち目標
入力回転数NINTをステップ的に増大させた変速が実
行されるので、変速が急速に進行する。その結果、ステ
ップ的に増大させた目標入力回転数NINTに実入力回
転数NINが所定値以内の範囲で近づくと、STEP変
速の終了の判断が成立し、ステップS12で肯定的に判
断される。その場合は、急変速フラグXSTEPがゼロ
リセットされ(ステップS15)、変速速度固定制御の
実行を示すフラグ(変速速度固定制御フラグ)XKOT
EIが“1”に設定される(ステップS16)。さら
に、比例ゲインKPが算出される(ステップS17)。
これは、その時点のフィードバック制御量がデューティ
上限値を超えている場合に、フィードバック制御量を実
際の制御量に合わせるための処理であり、具体的には、
その時点のデューティ比DSFTFBを、回転数偏差す
なわち実際の入力回転数NINとその時点の目標入力回
転数NINT(=NINTST+STEP2)との偏差
DNSTPENDで割った値が求められる。その後、こ
のルーチンが終了する。
【0039】この変速速度固定制御は、アクセル開度や
車速などの車両の運転状態に基づいて算出される要求駆
動力および要求出力を最適燃費で発生させるエンジン回
転数(すなわち目標入力回転数)に実入力回転数を一致
させるにあたり、実入力回転数を一定の変化割合で増大
させる制御である。
【0040】こうして再度、図1のルーチンがスタート
すると、ステップS5で肯定的に判断されるとともに、
ステップS13で否定的に判断されるので、ステップS
18に進んで変速速度固定制御フラグXKOTEIが
“1”か否かが判断される。上記のSTEP変速が終了
して変速速度を一定値に維持する変速が開始されると、
上記のステップS16でこの変速速度固定制御フラグX
KOTEIが“1”に設定されているので、ステップS
18で肯定的に判断される。
【0041】そして、目標入力回転数NINTが一定値
ずつ増大させられる(ステップS19)。すなわち、
(NINT(i)=NINT(i-1)+DNINHLD)の演
算が実行される。ついで、変速速度固定制御の終了が判
断され(ステップS20)、変速速度固定制御が終了し
ていない場合には、このルーチンを終了して従前の制御
を継続する。これに対して変速速度固定制御が終了して
ステップS20で肯定的に判断された場合には、変速速
度固定制御フラグXKOTEIおよび急加速要求フラグ
XTRNSFTのそれぞれがゼロリセットされる(ステ
ップS21およびステップS22)。そして、このルー
チンが終了する。なお、ステップS18で否定的に判断
された場合には、変速速度固定制御が既に終了している
ので、直ちにこのルーチンを終了する。
【0042】この変速速度固定制御の終了は、車速やア
クセル開度などの車両の運転状態で決まる目標入力回転
数NINCに実入力回転数NINが所定の偏差の範囲で
一致した状態であり、したがってその目標入力回転数N
INCと実入力回転数NINとの差に基づいて判断する
ことができる。そして、この判断が成立することによ
り、急加速要求に基づく変速が終了したことになり、そ
のため上記のステップS21,S22で各フラグがゼロ
リセットされる。
【0043】上記の制御を実行した場合の目標入力回転
数と実入力回転数との変化を図2に示してある。走行中
のt0 時点にアクセルペダルが大きく踏み込まれる(ア
クセルオンされる)と、その変化率DPAが基準変化率
αを超えていることにより、一定時間後のt1 時点に急
加速要求の判断が成立し、スロットルバルブ(例えば電
子スロットルバルブ)の開度が次第に増大させられ、か
つ急加速要求フラグXTRNSFTと急変速フラグXS
TEPとが、それぞれ“1”にセットされる。
【0044】スロットル開度はその加速要求に基づいた
開度に直ちに設定されずに、いわゆるなまし制御によっ
て相対的に緩い勾配で出力軸トルクが変化するようにス
ロットル開度が制御される。
【0045】また一方、無段変速機10の変速比の制御
は、被駆動状態からの急加速要求である場合には、すな
わちアイドル接点がONからOFFに切り替わったt0
時点からの経過時間CTIDLが基準時間T0 に達して
いない場合には、急加速要求の判断が成立したt1 時点
の実入力回転数NINに所定値STEP1を加算した回
転数を目標入力回転数NINTとして実行される。この
所定値STEP1はゼロもしくはゼロに近い小さい値で
あり、したがって無段変速機10での変速は禁止され、
もしくは低速度で実行される。この目標入力回転数NI
NTの変化を図2に実線で示してある。
【0046】したがってエンジン1の出力軸には無段変
速機10での変速に起因する慣性力が負トルクとして作
用しないので、出力軸トルクはなまし制御に応じて比較
的小さい勾配で増大する。そして、被駆動状態から駆動
状態に変化した後、なまし制御が終了することにより、
急加速要求に応じてスロットル開度が増大させられ、そ
れに伴って出力軸トルクが急激に増大する。
【0047】このように、無段変速機10での変速を実
質的に禁止しもしくはそれに近い状態に維持することに
より、なまし制御中に出力軸トルクが負トルクから正ト
ルクに変化し、その際のトルクの変化率、すなわち、被
駆動状態から駆動状態に変化する際のトルクの変化率が
小さくなる。そのため、車輪5に動力を伝達する動力伝
達系統のガタが詰まったり、その弾性系の捻りが反転す
るとしても、シャクリやそれに起因するショックが防止
もしくは緩和される。
【0048】そして、前記の経過時間CTIDLが基準
時間T0 に達すると、そのt2 時点に無段変速機10の
STEP変速が開始される。すなわち、目標入力回転数
NINTとして、急加速要求の判断成立時の実入力回転
数NINTSTに所定値STEP2を加算した回転数が
設定され、目標入力回転数NINTがステップ的に増大
させられる。
【0049】その場合、積分項KIはゼロに設定されて
いるが、比例ゲインKPが応答性を高くするために大き
い値に設定され、また目標入力回転数NINTをステッ
プ的に増大させて回転数偏差が大きくなっているので、
フィードバック制御量は前記デューティソレノイド弁3
3,34を制御するデューティ比の上限値を超えた量と
なっている。そのため、ダウンシフトをおこなうデュー
ティソレノイド弁34のデューティ比が100%とな
り、最も速い速度で変速が実行される。すなわち、実入
力回転数NINが次第に増大し、かつその増大勾配が次
第に大きくなる。その変化を図2に細い実線で示してあ
る。
【0050】このようにして変速速度の速い急変速(S
TEP変速)が実行され、その結果、実入力回転数NI
Nがそのステップ的に変化させた目標入力回転数NIN
Tに近づくと、STEP変速の終了が判断され、そのt
3 時点に急変速フラグXSTEPがゼロリセットされる
とともに、変速速度固定制御実行フラグXKOTEIが
“1”に設定される。また、その時点の回転数偏差DN
STPENDとその時点のデューティ比DSFTFBと
に基づいて比例ゲインKPが算出される。その演算は前
述したとおりであって、結局は、比例ゲインKPを小さ
い値に変更し、フィードバック制御量のうち、デューテ
ィ比上限値を超える部分をいわゆるカットすることにな
る。
【0051】言い換えれば、その時点のフィードバック
制御量が実際のデューティ比に応じた値に削減される。
その後、この比例ゲインKPを使用したフィードバック
制御により、目標入力回転数NINTの回転数を一定値
ずつ増大させる変速速度固定制御が実行される。その時
の変速速度は、上記のSTEP変速の際の変速速度より
遅くなる。なお、この変速速度固定制御においては、比
例ゲインが小さくなるが、目標入力回転数NINTと実
入力回転数NINとの回転数偏差ΔNINが小さいの
で、特に制御の遅れが生じることはない。
【0052】このように目標入力回転数NINTをステ
ップ的に増大させた急変速制御から変速速度を一定値に
固定した変速制御に移行する場合、STEP変速時に生
じていたフィードバック制御量のうちデューティ比上限
値に相当する制御量(もしくはその時点のデューティ比
に相当する制御量)を超える分が、比例ゲインを変更す
ることによって削減される。そのデューティ比の変化を
図2に併せて実線で示してある。そして、それ以降はそ
の比例ゲインを使用して回転数偏差に基づく変速比のフ
ィードバック制御が実行されるので、変速速度固定制御
の開始時点の制御量が過剰になることがなく、その結
果、入力回転数NINが目標入力回転数NINTを超え
るいわゆるオーバーシュートが防止される。また、入力
回転数NINのオーバーシュートが生じないことによ
り、実入力回転数NINが目標入力回転数NINTを挟
んで上下に変動しつつ目標入力回転数NINTに応じた
回転数に収束するいわゆるハンチングの生じることが防
止される。
【0053】比較のために上述した比例ゲインの変更を
行わない場合の実入力回転数NINの変化を示すと、図
2に破線で示すとおりである。すなわち、STEP変速
の終了が判断されたt3 時点においてもフィードバック
制御量がデューティ比の上限値に相当する制御量を超え
ているので、そのいわゆる超過分が解消するまでデュー
ティ比が上限値に維持される。その結果、変速速度固定
制御が開始された直後の入力回転数NINが大きい勾配
で増大し続け、これが原因となってオーバーシュートが
生じ、その後に入力回転数NINが上下に変動するハン
チングが生じる。
【0054】こうして変速速度固定制御が実行されるこ
とにより、実入力回転数NINが車速やアクセル開度な
どの車両の運転状態で決まる目標入力回転数NINCに
ほぼ一致すると、その変速速度固定制御の終了が判断さ
れ、そのt4 時点に急加速要求フラグXTRNSFTお
よび変速速度固定制御実行フラグXKOTEIが共にゼ
ロリセットされる。それ以降、通常の変速制御が実行さ
れる。すなわち新たに比例ゲインが算出され、その比例
ゲインを使用したフィードバック制御が実行される。
【0055】ここで、上記の具体例とこの発明の関係を
簡単に説明すると、図1に示すステップS17がこの発
明における比例ゲイン算出手段に相当する。
【0056】なお、上記の具体例では、車両の被駆動状
態で急加速要求があった場合にSTEP変速を遅延させ
る制御態様を例に採って説明したが、この発明は、要
は、目標入力回転数をステップ的に増大させる急変速の
後に目標入力回転数を徐々に変化させる緩変速に移行す
る場合、その変速速度の切換時に、実入力回転数と目標
入力回転数との回転数差に基づいて入力回転数のフィー
ドバック制御をおこなうための比例ゲインを変更すれば
よく、上記のSTEP変速の制御態様は特に限定されな
い。
【0057】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
運転者による急加速要求に基づいて急変速とそれに続く
緩変速とを、目標入力回転数と実入力回転数との偏差に
基づくフィードバック制御によって実行するにあたり、
急変速を終了して緩変速を開始する際に、その時点の実
制御量と回転数偏差とに基づいて比例ゲインを算出し、
その比例ゲインを使用して緩変速の際の入力回転数を制
御するので、急変速から緩変速に移行する際の入力回転
数のオーバーシュートやそれに続く入力回転数のハンチ
ングを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る制御装置で実行される制御例
を示すフローチャートである。
【図2】 図1の制御を実行した場合の目標入力回転数
と実入力回転数との変化およびデューティ比の変化の一
例を示すタイムチャートである。
【図3】 この発明で対象とする車両の駆動系統および
その制御系統を模式的に示すブロック図である。
【図4】 その無段変速機の一例を模式的に示す図であ
る。
【符号の説明】
1…エンジン、 2…変速機構、 6…電子制御装置、
7…加減速操作装置、 10…無段変速機、 13…
電子制御装置、 14…シフト装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 賢治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 安江 秀樹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 田村 忠司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 近藤 宏紀 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 服部 勇仁 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3J552 MA02 MA07 MA09 MA12 MA26 NA01 NB02 NB04 NB05 NB08 PA02 PA55 QA24C RA02 RB16 SA36 TA02 VA32W VA32Y VA76Z VB01Z VC01W VC03Z VD02Z VD07Z

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の運転状態に基づき設定される目標
    入力回転数に入力回転数を一致させるべく、これら回転
    数の偏差に基づいてフィードバック制御量を算出すると
    ともに、運転者の急加速要求が判定されたときには、目
    標入力回転数をステップ的に増大させ、入力回転数をこ
    のステップ的に増大された第1目標入力回転数となるよ
    う前記無段変速機の変速比をフィードバック制御して入
    力回転数を前記第1目標入力回転数に近づけた後、目標
    入力回転数を前記車両の運転状態に基づいて設定される
    前記目標入力回転数へと徐々に増大させ、入力回転数を
    この徐々に増大される第2目標入力回転数となるよう前
    記無段変速機の変速比をフィードバック制御する無段変
    速機の変速制御装置において、 前記第2目標入力回転数へのフィードバック制御開始時
    点のフィードバック制御量とそのときの目標入力回転数
    と入力回転数との偏差とに基づいて比例ゲインを算出す
    る比例ゲイン算出手段を備え、前記第2目標入力回転数
    へのフィードバック制御開始後のフィードバック制御量
    を前記比例ゲイン算出手段で算出された比例ゲインに基
    づいて求めるように構成されていることを特徴とする無
    段変速機の変速制御装置。
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Cited By (4)

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