JP4734994B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Description
また、変速機をダウンシフトすることにより減速制御を行なう場合においては、例えば車両の旋回判定やタイヤの滑り判定が行われたときのように車両挙動に影響が及び易い状態で車両が走行しているときには、車両の安定性が損なわれないように制御することが好ましいが、その場合、ダウンシフトが行なわれた後に車両挙動に影響が及び易い状態が検出された場合には、その検出時点から短期間で、車両の安定性を確保するための制御が行なわれることが望まれている。
本発明の他の目的は、変速機をダウンシフトすることにより減速制御を行なう場合において、ダウンシフトの後に、車両の旋回判定やタイヤの滑り判定が行われたときのように車両挙動に影響が及び易い状態が検出されたときに、その検出時点から遅れが少ない状態で、車両の安定性を確保するための制御が行われることが可能な自動変速機の制御装置を提供することである。
また、本発明の自動変速機の制御装置は、自動変速機の制御装置であって、車両の走行状態が車両挙動に影響を与え易い状態であることを検出する手段を備え、前記自動変速機の変速の終了段階では、前記変速の後の変速段を維持するために必要とされる前記自動変速機の摩擦係合装置への油圧は、ライン圧に基づく油圧よりも低い状態とされ、前記車両の走行状態が車両挙動に影響を与え易い状態であることが検出された場合には、前記車両の走行状態が車両挙動に影響を与え易い状態であることが検出されない場合に比べて、前記変速の後の変速段を維持するために必要とされる前記摩擦係合装置への油圧が低くされていることを特徴としている。
図1から図5を参照して、第1実施形態について説明する。
(1)自動変速機。
(2)変速時に、次の変速が短時間のうちに判断されるか否かを予測する手段。
(3)上記(2)の判断結果に基づいて、現在の変速の制御態様を変更する手段。
図4は、アクセル開度がパーシャル開度の状態で車両が発進したときの状態を示している。
図1のステップS10では、制御回路130により、変速判断の有無が判定される。ここでは、図5の変速線図が参照されて、アクセル開度と車速に基づいて、変速線(アップシフト線及びダウンシフト線の両方を含む)を越えたことによる変速判断の有無と、マニュアルシフト判断部94により判断されたマニュアルシフトの変速判断の有無の両方が判定される。ステップS10の判定の結果、変速判断が有りと判定されれば、ステップS20に進み、そうでない場合には、ステップS30に進む。
ステップS20では、制御回路130のCPU131から電磁弁駆動部138a〜138cに変速指令(本例では、アップシフト指令)が出力される。変速指令に応答して、電磁弁駆動部138a〜138cは、電磁弁121a〜121cを通電又は非通電にする。これにより、自動変速機10では、変速指令に指示される変速が実行される。図4において、変速指令は、符号Aの時点で変速判断有りと制御回路130により判断されると(ステップS10−Y)、それと同時(符号Aの時点)に出力される。
ステップS30では、制御回路130により、最新の変速が終了したか否かが判定される。最新の変速が終了したと判定された場合には、ステップS40に進み、そうでない場合には、本制御フローはリセットされる。
ステップS40では、制御回路130により、上記ステップS30において終了したと判定された上記最新の変速の次の変速が短時間のうちに判断される可能性が大きいか否かが判定される。その判定の結果、次の変速が短時間のうちに判断される可能性が大きいと判定された場合には、ステップS60に進み、そうでない場合には、ステップS50に進む。ステップS40の判断は、図3に示す動作に基づいて行われる。
図3のステップSA31では、制御回路130により、スロットル開度センサ114からの信号に基づいて、アクセルがOFFの状態(全閉)か否かが判定される。ステップSA31の判定の結果、アクセルがOFFの状態であると判定されれば、ステップSA37に進み、そうでない場合には、ステップSA32に進む。
ステップSA32では、制御回路130により、自動変速機10の現在の変速段が最高速段(本例では6速)であるか否かが判定される。その判定の結果、現在の変速段が最高速段であると判定されれば、ステップSA39に進み、そうでない場合には、ステップSA33に進む。現在の変速段が最高速段であれば、次の変速としてアップシフトが判断されることは無いため、ステップSA39において、次の変速が短時間のうちに判断される可能性は小であると判定される。
ステップSA33では、制御回路130により、車速センサ122からの検出結果に基づいて、車速が増加中であるか否かが判定される。その判定の結果、車速が増加中であると判定されれば、ステップSA34に進み、そうでない場合には、ステップSA39に進む。図5の変速マップに示すように、車速が増加中であれば、早かれ遅かれ、次の変速が判断されることになるためである。
ステップSA34では、制御回路130により、スロットル開度センサ114からの信号に基づいて、アクセル開度がパーシャル開度であるか否かが判定される。その判定の結果、アクセル開度がパーシャル開度であると判定されれば、ステップSA35に進み、そうでない場合には、ステップSA39に進む。アクセル開度がパーシャル開度である場合には、全開時に比べて、変速マップ上で変速線が密に配置されているため、次の変速が短時間のうちに判断される可能性が高いためである。
ステップSA35では、制御回路130により、スロットル開度センサ114からの信号に基づいて、アクセル開度の変化が所定値よりも小さいか、又は、アクセルを戻す側の変化であるか否かが判定される。その判定の結果、アクセル開度の変化が所定値よりも小さい、又は、アクセルを戻す側の変化である場合には、ステップSA36に進む。図5の変速マップの矢印P1に示すように、アクセル開度の変化が小さい場合やアクセルを戻す側の変化である場合には、アップシフト線を越え易く、アップシフト(上記次の変速)が行われ易いためである。
ステップSA36では、制御回路130により、次の変速が短時間のうちに判断される可能性が大きいと判断される。上記ステップSA32〜ステップSA35の全ての条件をクリアした場合には、次の変速(アップシフト)が短時間のうちに判断される可能性が大きいと判断することが可能である。また、後述するように、ステップSA37及びステップSA38の両方の条件をクリアした場合には、次の変速(ダウンシフト)が短時間のうちに判断される可能性が大きいと判断することが可能である。その結果、制御回路130は、図1の制御フローに戻り、ステップS40を肯定的に判断する。
ステップSA37では、制御回路130により、自動変速機10の現在の変速段が最低速段(本例では1速)であるか否かが判定される。その判定の結果、現在の変速段が最低速段であると判定されれば、ステップSA39に進み、そうでない場合には、ステップSA38に進む。現在の変速段が最低速段であれば、次の変速としてダウンシフトが判断されることは無いため、ステップSA39において、次の変速が短時間のうちに判断される可能性は小である(可能性は大ではない)と判定される。
ステップSA38では、制御回路130により、車速センサ122からの検出結果に基づいて、車速が減少中であるか否かが判定される。その判定の結果、車速が減少中であると判定されれば、ステップSA36に進み、そうでない場合には、ステップSA39に進む。図5の変速マップに示すように、車速が減少中であれば、早かれ遅かれ、次の変速が判断されることになるためである。
ステップSA39では、制御回路130により、次の変速が短時間のうちに判断される可能性は小さいと判断される。上記ステップSA32〜ステップSA35、ステップSA37、ステップSA38のいずれかの条件を満たさない場合には、次の変速が短時間のうちに判断される可能性が小さいと判断することが可能である。その結果、制御回路130は、図1の制御フローに戻り、ステップS40を否定的に判断する。
図1のステップS50では、制御回路130のCPU131により、上記ステップS30にて変速が終了した(本例では、図4のC点で変速が終了)と判定された上記最新変速(本例では、符号Aの時点にて変速判断がなされた変速)の係合側クラッチの油圧501をライン圧500まで上昇させる指令が電磁弁駆動部138a〜138cに出力される。その係合側クラッチの油圧501の上昇指令は、図4のD点にて出力される、
ステップS60では、制御回路130のCPU131により、上記ステップS30にて変速が終了したと判定された上記最新変速の係合側クラッチの油圧501を、その上記最新変速の変速段を確保可能な下限圧510に保持させる指令が電磁弁駆動部138a〜138cに出力される。その係合側クラッチの油圧501の保持指令は、図4のD点にて出力される。
次に、上記第1実施形態の第1変形例について説明する。
本変形例において、上記第1実施形態と共通する部分についての説明は省略される。
次に、上記第1実施形態の第2変形例について説明する。
本変形例において、上記第1実施形態と共通する部分についての説明は省略される。
次に、上記第1実施形態の第3変形例について説明する。
本変形例において、上記第1実施形態と共通する部分についての説明は省略される。
上記第1実施形態では、ステップS60において、上記ステップS30にて変速が終了したと判定された上記最新変速の係合側クラッチの油圧501を、その上記最新変速の変速段を確保可能な下限圧510に保持させる制御が行われた。これに対して、本変形例では、この制御に代えて、以下の構成が採用される。
この場合、低速段クラッチ(又は高速段クラッチ)と摩擦係合する高速段クラッチ(又は低速段クラッチ)の間には、回転数差(滑り)があるため、変速が完全に終了したとはいえない。本変形例では、変速は終了していないがその直前の時点(変速の終了段階に含まれる)において、低速段クラッチ(又は高速段クラッチ)と摩擦係合する高速段クラッチ(又は低速段クラッチ)とを、所定の回転数差に保持するようにクラッチ圧をフィードバック制御する。
上記第1実施形態では、ステップS40において、次の変速が短時間のうちに判断される可能性が大きいと判定された場合に、係合側クラッチの油圧501を上記最新変速の変速段を確保可能な下限圧510に保持する制御が行われた。これに代えて、ステップS40の判断を行うことなく、常に、係合側クラッチの油圧501を上記最新変速の変速段を確保可能な下限圧510に保持する制御を行うことができる。また、ステップS40の判断を行うことなく、常に、変速を終了させずに、摩擦係合装置を所定相対回転速度に保持する制御を行うことができる。
次に、図6から図10を参照して、第2実施形態について説明する。
第2実施形態において、上記第1実施形態と共通する部分についての説明は省略する。
図6のステップSB10では、制御回路130により、スロットル開度センサ114からの信号に基づいて、アクセルがOFFの状態(全閉)か否かが判定される。ステップSB10の結果、アクセルがOFFの状態であると判定されれば、ステップSB20に進む。アクセルが全閉である場合(ステップSB10−Y)に、運転者に減速の意図があると判断されて、本実施形態の減速制御が行われる。一方、アクセルがOFFの状態であると判定されなければ、ステップSB125に進む。上記のように、図8では、符号aの位置(時点)にてアクセル開度がゼロ(全閉)とされている。
ステップSB20では、制御回路130により、フラグFがチェックされる。その結果、フラグFが0であればステップSB30に進み、フラグFが1であればステップSB60に進み、フラグFが2であればステップSB80に進む。本制御フローが実行されたときに、最初は、フラグFが0であるので、ステップSB30に進む。
ステップSB30では、制御回路130により、例えば制御実施境界線Lに基づいて、本制御の要否が判定される。その判定では、図8において、現在の車速とコーナ402の入口403までの距離との関係で、制御実施境界線Lよりも上方に位置すれば、本制御が必要と判定され、制御実施境界線Lよりも下方に位置すれば、本制御は不要と判定される。ステップSB30の判定の結果、本制御が必要と判定された場合には、ステップSB40に進み、本制御が不要と判定された場合には、本制御フローはリターンされる。
ステップSB40では、制御回路130により、自動変速機10の変速制御(シフトダウン)に際して選択すべき変速段が決定される。上記選択すべき変速段の決定に際しては、まず必要減速度が求められ、次いで、その必要減速度に基づいて、上記選択すべき変速段が決定される。以下、必要減速度の算出を(A)として説明し、次いで、上記選択すべき変速段の決定を(B)として説明する。
制御回路130により、必要減速度が計算により求められる。必要減速度は、先方のコーナを予め設定された所望の旋回Gで旋回するために(所望の車速Vreqでコーナに進入するために)必要とされる減速度である。図8において、必要減速度は、符号401で示されている。
予めROM133には、図10に示すようなアクセルOFF時の各変速段の車速毎の減速Gを示す車両特性のデータが登録されている。
ステップSB50では、制御回路130により、上記ステップSB40で決定された、選択されるべき変速段に係る変速指令が出力される。即ち、制御回路130のCPU131から電磁弁駆動部138a〜138cにダウンシフト指令(変速指令)が出力される。
ステップSB60では、制御回路130により、車両がコーナ402に進入したか否かが判定される(車両の旋回判定)。制御回路130は、車両の横Gの大きさ等に基づいて、ステップSB60の判定を行う。又は、ナビゲーションシステム装置95から入力した、車両の現在位置とコーナ402の入口403の位置を示すデータに基づいて、ステップSB60の判定を行う。ステップSB60の判定の結果、コーナ402に進入を開始した後であれば、ステップSB70に進み、そうでない場合にはステップSB160に進む。
ステップSB160では、制御回路130により、タイヤ滑り判定部91から入力した信号に基づいて、タイヤ滑りの有無が判定される。その判定の結果、所定値以上のタイヤ滑りがあると判定されれば、ステップSB170に進み、そうでないと判定されれば、ステップSB180に進む。
ステップSB170では、制御回路130により、新たなアップシフト及びダウンシフトが規制される。上記ステップSB50で出力されたダウンシフト指令に係る変速段(上記例では3速)よりも相対的に高速用の変速段にアップシフトされることが規制される。また、ダウンシフトに関しても、上記ステップSB50で出力されたダウンシフト指令に係る変速段よりも相対的に低速用の変速段にダウンシフトされることが規制される。減速度の増大を防止し、車両安定性に寄与するためである。
ステップSB180では、フラグFが1にセットされて、本制御フローはリセットされる。再度の制御フローでは、アクセルが全閉である場合(ステップSB10−Y)には、フラグFが1であるので(ステップSB20−1)、ステップSB60に進み、ステップSB60の条件が成立するまで繰り返される。
ステップSB70では、制御回路130により、新たなアップシフト及びダウンシフトが規制される。コーナ402に進入後のコーナリング中には、上記ステップSB50で出力されたダウンシフト指令に係る変速段(上記例では3速)よりも相対的に高速用の変速段にアップシフトされることが規制される。通常一般のコーナに対する変速点制御においても、コーナ進入後のコーナリング中のアップシフトは禁止されている。また、ダウンシフトに関しても、コーナ402に進入後のコーナリング中には、上記ステップSB50で出力されたダウンシフト指令に係る変速段よりも相対的に低速用の変速段にダウンシフトされることが規制される。減速度の増大を防止し、車両安定性に寄与するためである。
ステップSB80では、上記ステップSB160と同様に、制御回路130により、タイヤ滑り判定部91から入力した信号に基づいて、タイヤ滑りの有無が判定される。その判定の結果、所定値以上のタイヤ滑りがあると判定されれば、ステップSB90に進み、そうでないと判定されれば、ステップSB100に進む。
ステップSB90では、制御回路130により、上記ステップSB40で決定された上記選択されるべき変速段(行き先変速段)が、予め設定された所定段以下の変速段である場合には、上記ダウンシフト指令に係る変速が終了する時点(又は、変速終了前のある時点)の前後を問わず、その変速をキャンセルするとともに次のその変速前の変速段からのアップシフトに備えるべく、係合側クラッチの油圧701を低下させる。なお、上記アップシフトでは、クラッチの油圧701は、ローギヤ側クラッチの油圧701となる。
ステップSB100では、制御回路130により、車両がコーナ402を脱出したか否かが判定される。制御回路130は、車両に作用する横Gに基づいて、車両がコーナ402を脱出したか否かを判定する。又は、ナビゲーションシステム装置95から入力した、車両の現在位置とコーナ402の出口404の位置を示すデータに基づいて、ステップSB100の判定を行う。ステップSB100の判定の結果、コーナ402を脱出した後であれば、ステップSB105に進み、そうでない場合にはステップSB190に進む。
ステップSB105では、上記ステップSB160と同様に、制御回路130により、タイヤ滑り判定部91から入力した信号に基づいて、タイヤ滑りの有無が判定される。その判定の結果、所定値以上のタイヤ滑りがあると判定されれば、ステップSB120に進み、そうでないと判定されれば、ステップSB110に進む。
ステップSB110では、制御回路130により、上記選択されるべき変速段が、予め設定された所定段以下の変速段である場合に、係合側クラッチの油圧701をライン圧700まで上昇させる指令が出力される。ステップSB110の次にはステップSB120が行われる。
ステップSB120では、制御回路130により、シフト規制が解除される。これにより、上記ステップSB70にて行われていたアップシフト及びダウンシフトの規制が解除される。また、ステップSB120では、制御回路130により、フラグFが0にセットされる。ステップSB120の次には、本制御フローはリセットされる。
アクセルが非全閉の場合(ステップSB10−N)には、上記ステップSB110と同様に、上記選択されるべき変速段が、予め設定された所定段以下の変速段である場合に、係合側クラッチの油圧701をライン圧700まで上昇させる指令が出力される(ステップSB125)。これにより、上記選択されるべき変速段が確定される。その後、コーナリング中であるか否かが判定される(ステップSB130)。その判定の結果、コーナリング中である場合(ステップSB130−Y)には、本制御フローはリセットされる。コーナリング中ではない場合(ステップSB130−N)には、シフト規制が解除され(ステップSB140)、フラグFがクリアされてリセットされる(ステップSB150)。なお、本制御が開始された初期の状態では、シフト規制もされていないしフラグFも0であるのでそのままである。
上記第2実施形態において、コーナ制御は、有段の自動変速機10の変速段の制御によって行なわれるとして説明したが、これに代えて、CVTの変速比の制御が行われることができる。CVTの場合、コーナリング中であるとの旋回判定が行われた時点やタイヤの滑りが有ると判定された時点において、変速が停止されるようにする。
上記第1実施形態において、コーナ制御は、自動変速機の変速制御のみによって行なわれたが、自動変速機とブレーキの協調制御により行なわれることができる。この場合、自動変速機10の変速制御のみならず、ブレーキ装置200のフィードバック制御がブレーキ制御回路230により実行される。ブレーキのフィードバック制御とは、目標減速度(必要減速度401)と車両の実減速度との偏差に応じてブレーキ力を制御することを意味する。
上記第2実施形態は、コーナ制御に適用した例を示したが、第3変形例では、コーナ制御に限定されずに、登降坂制御や追従制御にも適用することができる。この場合、図2の車間距離計測部100、相対車速計測部115及び道路勾配計測・推定部118の構成を用いることができる。
第4変形例では、シフト規制指令(ステップSB70、ステップSB170)及び係合圧の徐減指令(ステップSB90)が出力されるのは、上記路面μ検出・推定部92により、低μ路であると判定された場合に限定される。上記のように、イナーシャ相中や変速終了後に変速指令をキャンセルすると、減速度の抜け感が生じ、また、エンジン回転速度も上昇から下降に変化するため、違和感を生ずる可能性がある。このことから、特に車両安定性を重視すべき状況として、低μ路であると判定された状況のみにおいて、イナーシャ相中や変速終了後に変速指令をキャンセルすることとしている。
上記第2実施形態では、ステップSB50において、上記ステップSB40で決定された上記選択されるべき変速段(行き先変速段)が、予め設定された所定段以下の変速段であれば、変速終了後、係合側クラッチの油圧701を、上記選択されるべき変速段を確保可能な下限圧710に保持させる制御が行われた。これに対して、本変形例では、この制御に代えて、以下の構成が採用される。
この場合、低速段クラッチ(又は高速段クラッチ)と摩擦係合する高速段クラッチ(又は低速段クラッチ)の間には、回転数差(滑り)があるため、変速が完全に終了したとはいえない。本変形例では、変速は終了していないがその直前の時点(変速の終了段階に含まれる)において、低速段クラッチ(又は高速段クラッチ)と摩擦係合する高速段クラッチ(又は低速段クラッチ)とを、所定の回転数差に保持するようにクラッチ圧をフィードバック制御する。
上記第2実施形態では、ステップSB50において、上記ステップSB40で決定された上記選択されるべき変速段(行き先変速段)が、予め設定された所定段以下の変速段であるときに、変速終了後、係合側クラッチの油圧701を、上記選択されるべき変速段を確保可能な下限圧710に保持させる制御が行われた。これに代えて、上記選択されるべき変速段(行き先変速段)に問わず、常に、変速終了後、係合側クラッチの油圧701を、上記選択されるべき変速段を確保可能な下限圧710に保持させる制御を行うことができる。また、上記選択されるべき変速段(行き先変速段)に問わず、常に、変速を終了させずに、摩擦係合装置を所定相対回転速度に保持する制御を行うことができる。
上記第2実施形態では、上記[2]において説明したように、車両旋回判定が有り、かつタイヤ滑り判定もあるときに、それらの判定が、その変速が終了する時点よりも後になされた場合であっても、その変速をキャンセルするとともに、その変速前の変速段からアップシフトさせる制御が行われた。本変形例では、これに代えて、車両旋回判定が有り、タイヤ滑り判定が無いときにおいても、その判定が、その変速が終了する時点よりも後になされた場合であっても、その変速をキャンセルするとともに、その変速前の変速段からアップシフトさせる制御が行われることができる。
多段化された自動変速機の変速終了後、短時間で次の変速判断がなされることが予想される場合、クラッチトルクを変速段確保可能なレベルに保持する、又は、変速を終了させずに摩擦係合装置を所定相対回転速度に保持することによって、変速特性の悪化や変速遅れを抑制することを特徴とする自動変速機の制御装置。
ダウシフト指令(コーナ制御、登降坂制御、追従制御、マニュアルシフト、又は変速マップに基づく変速を含む)が出力されたとき、低速段構成用クラッチ圧を変速後もほぼ変速段を保持できる所定レベルに保持する、又は、所定低相対回転速度を保持し、旋回判定時やタイヤ滑り判定時などに低速段構成用クラッチ圧を速やかに解放し、速やかに減速トルクを低下させることを特徴とする自動変速機の制御装置。
コーナ制御による変速指令が出力された後、旋回判定及びタイヤ滑り判定の少なくともいずれか一つが生じた場合に、制御(処置)の仕方を変更することを特徴とする自動変速機の制御装置。例えば、コーナリング中であって、タイヤ滑り判定がないときは、変速開始前又は変速終了前であれば変速をキャンセルする。コーナリング中であって、タイヤ滑り判定があるときには、変速終了後であっても変速をキャンセルする。
40 エンジン
90 加速度センサ
91 タイヤ滑り判定部
92 路面μ検出・推定部
94 マニュアルシフト判断部
95 ナビゲーションシステム装置
100 車間距離計測部
114 スロットル開度センサ
115 相対車速計測部
116 エンジン回転数センサ
118 道路勾配計測・推定部
122 車速センサ
123 シフトポジションセンサ
130 制御回路
131 CPU
133 ROM
200 ブレーキ装置
230 ブレーキ制御回路
301 出力軸トルク
301’ 従来の出力軸トルク
302 エンジン回転数
401 必要減速度
402 コーナ
403 コーナの入口
404 コーナの出口
405 コーナR
500 ライン圧
501 係合側クラッチの油圧
501’ 従来の係合側クラッチの油圧
502 次の変速の係合側クラッチの油圧
502’ 従来の次の変速の係合側クラッチの油圧
510 変速段を確保可能な下限圧
601 出力軸トルク
601’ 従来の出力軸トルク
700 ライン圧
701 係合側クラッチの油圧
701’ 従来の係合側クラッチの油圧
710 変速段を確保可能な下限圧
a アクセルオフ地点
c コーナの入口からオフセットされた地点
Vreq 目標旋回車速
L1 ブレーキ制動力信号線
L 制御実施境界線
SG1 ブレーキ制動力信号
SG2 ブレーキ制御信号
Claims (9)
- 自動変速機の制御装置であって、
前記自動変速機の変速の後、所定期間内に次の変速の必要性が生じるか否かを予想する手段を備え、
前記自動変速機の変速の終了段階では、前記変速の後の変速段を維持するために必要とされる前記自動変速機の摩擦係合装置への油圧は、ライン圧に基づく油圧よりも低い状態とされ、
前記所定期間内に次の変速の必要性が生じると予想される場合には、前記所定期間内に次の変速の必要性が生じると予想されない場合に比べて、前記変速の後の変速段を維持するために必要とされる前記摩擦係合装置への油圧が低くされている
ことを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項1記載の自動変速機の制御装置において、
前記摩擦係合装置への油圧は、前記変速段を維持するために必要とされる前記摩擦係合装置の係合状態を維持するために必要とされる油圧から、前記ライン圧の間に設定されている
ことを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項1記載の自動変速機の制御装置において、
前記摩擦係合装置への油圧は、前記変速段を維持するために必要とされる前記摩擦係合装置の回転数差が概ね所定回転数差になるように制御される
ことを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置において、
車両の走行状態が車両挙動に影響を与え易い状態であることを検出する手段を備え、
前記車両の走行状態が車両挙動に影響を与え易い状態であることが検出された場合には、前記車両の走行状態が車両挙動に影響を与え易い状態であることが検出されない場合に比べて、前記変速の後の変速段を維持するために必要とされる前記摩擦係合装置への油圧が低くされている
ことを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項4記載の自動変速機の制御装置において、
前記車両の走行状態が車両挙動に影響を与え易い状態であることが検出された場合には、前記車両の走行状態が車両挙動に影響を与え易い状態であることが検出されない場合に比べて、前記変速の実行に関する取り扱いが変更される
ことを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項5記載の自動変速機の制御装置において、
前記車両の走行状態が車両挙動に影響を与え易い状態には、前記車両がコーナに進入している状態と、前記車両のタイヤに所定値以上の滑りがある状態が含まれ、
前記車両がコーナに進入している状態が検出され、前記車両のタイヤに所定値以上の滑りがある状態が検出されない場合には、前記変速が前記終了段階に入る前であれば、前記変速が中止される
ことを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項5記載の自動変速機の制御装置において、
前記車両の走行状態が車両挙動に影響を与え易い状態には、前記車両がコーナに進入している状態と、前記車両のタイヤに所定値以上の滑りがある状態が含まれ、
前記車両がコーナに進入している状態及び前記車両のタイヤに所定値以上の滑りがある状態が検出された場合には、前記変速が前記終了段階に入る前と後とを問わず、前記変速が中止される
ことを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項5記載の自動変速機の制御装置において、
前記車両の走行状態が車両挙動に影響を与え易い状態には、前記車両がコーナに進入している状態と、前記車両のタイヤに所定値以上の滑りがある状態が含まれ、
前記車両がコーナに進入している状態が検出され、前記車両のタイヤに所定値以上の滑りがある状態が検出されない場合には、前記変速が前記終了段階に入る前と後とを問わず、前記変速が中止される
ことを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 自動変速機の制御装置であって、
車両の走行状態が車両挙動に影響を与え易い状態であることを検出する手段を備え、
前記自動変速機の変速の終了段階では、前記変速の後の変速段を維持するために必要とされる前記自動変速機の摩擦係合装置への油圧は、ライン圧に基づく油圧よりも低い状態とされ、
前記車両の走行状態が車両挙動に影響を与え易い状態であることが検出された場合には、前記車両の走行状態が車両挙動に影響を与え易い状態であることが検出されない場合に比べて、前記変速の後の変速段を維持するために必要とされる前記摩擦係合装置への油圧が低くされている
ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
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