JP2006275119A - 車両の減速制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速機を変速することにより減速度の制御を行なう車両の減速制御装置において、変速指令の出力後の走行環境や走行状態を反映させた減速度の制御を行うことが可能な車両の減速制御装置を提供する。
【解決手段】走行環境又は走行状態に基づいて、運転者の減速意図が検出されたときに変速機をダウンシフトすることにより減速度の制御を行う車両の減速制御装置であって、前記ダウンシフトに係る変速指令が出力(S50)された後の走行環境又は走行状態に基づいて、前記ダウンシフトが行われた後の変速段とは異なる変速段に変速(S80)して減速度の制御を行なう。前記ダウンシフトの終了段階では、前記ダウンシフトが行われた後の変速段を維持するために必要とされる前記変速機の摩擦係合装置への油圧は、ライン圧に基づく油圧よりも低い状態とされている(S70)。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の減速制御装置に関し、特に、変速機を相対的に低速用の変速段に変速する動作により、車両の減速制御を行う車両の減速制御装置に関する。
走行環境(コーナの大きさ、道路勾配を含む)や走行状態(先行車との車間距離を含む)に基づいて車両の減速制御が行われる場合に、自動変速機の変速段をダウンシフトして、エンジンブレーキ力による減速度を車両に作用させる変速点制御の技術が知られている。
例えば、特開2000−145937号公報(特許文献1)には、ナビゲーションシステムに記憶されている道路情報に基づき、道路状況に応じたシフトダウン制御を実施する技術が開示されている。
特開2000−145937号公報
従来、例えば、走行環境や走行状態に基づいて、変速機を変速することにより減速度の制御を行なう車両の減速制御装置においては、変速機のダウンシフト指令が出力された後(または、ダウンシフトが終了した後)は、走行安定性を確保し、減速度の変化やエンジン回転数の変動を避けるために、変速段の変更が行なわれていない。
この場合、より一層、走行環境や走行状態に適応させるためには、ダウンシフト指令の出力後(または、ダウンシフトが終了した後)の時点で、必要な減速度を再度求め、その必要な減速度を車両に作用させることが好ましい場合がある。
本発明の目的は、変速機を変速することにより減速度の制御を行なう車両の減速制御装置において、変速指令の出力後の走行環境や走行状態を反映させた減速度の制御を行うことが可能な車両の減速制御装置を提供することである。
本発明の他の目的は、変速機を変速することにより減速度の制御を行なう車両の減速制御装置において、変速指令の出力後、又は変速の終了段階の後の走行環境や走行状態に基づいて、減速度の制御を行い易い車両の減速制御装置を提供することである。
本発明の車両の減速制御装置は、走行環境又は走行状態に基づいて、運転者の減速意図が検出されたときに変速機をダウンシフトすることにより減速度の制御を行う車両の減速制御装置であって、前記ダウンシフトに係る変速指令が出力された後の走行環境又は走行状態に基づいて、前記ダウンシフトが行われた後の変速段とは異なる変速段に変速して減速度の制御を行なうことを特徴としている。
本発明の車両の減速制御装置において、前記ダウンシフトの終了段階では、前記ダウンシフトが行われた後の変速段を維持するために必要とされる前記変速機の摩擦係合装置への油圧は、ライン圧に基づく油圧よりも低い状態とされていることを特徴としている。
本発明の車両の減速制御装置において、前記摩擦係合装置への油圧は、前記ダウンシフトが行われた後の変速段を維持するために必要とされる前記摩擦係合装置の係合状態を維持するために必要とされる油圧から、前記ライン圧の間に設定されていることを特徴としている。
本発明の車両の減速制御装置において、前記摩擦係合装置への油圧は、前記ダウンシフトが行われた後の変速段を維持するために必要とされる前記摩擦係合装置の回転数差が概ね所定回転数差になるように制御されることを特徴としている。
本発明の車両の減速制御装置において、更に、コーナまでの距離を検出する手段を備え、前記コーナまでの距離が予め設定された所定値以上である場合に、前記ダウンシフトに係る変速指令が出力された後の走行環境又は走行状態に基づいて、前記ダウンシフトが行われた後の変速段とは異なる変速段に変速して減速度の制御を行なうことを特徴としている。
本発明の車両の減速制御装置によれば、変速機を変速することにより減速度の制御を行なう車両の減速制御装置において、変速指令の出力後の走行環境や走行状態を反映させた減速度の制御を行うことが可能となる。
以下、本発明の車両の減速制御装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1から図7を参照して、第1実施形態について説明する。
近時の自動変速機では、多段化(クロスギヤレシオ化)の進展により、変速段間の減速度の変化が小さくなっており、また、これにより、クラッチの熱負荷も低減傾向にある。このことから、有段の自動変速機であっても、変速段(減速度)の補正を実施する可能性が出てきている。減速度の補正は、変速指令が出力された後の走行環境(コーナの大きさや道路勾配を含む)や走行状態(先行車との車間距離を含む)に対して、より適応した減速制御を行う上で有効である。変速段の補正に当たっては、その効果を上げるために、比較的速やかに安定的に変速を行う工夫が必要である。
第1実施形態では、走行環境や走行状態に基づいて、変速機をダウンシフトすることにより減速度の制御を行なう車両の減速制御装置において、ダウンシフトの終了後、クラッチトルクを変速段を確保可能な低いレベルに保持する、又は、ダウンシフトを完全には終了させずに、摩擦係合装置を所定相対回転速度に保持することによって、以下のことを行う。
即ち、ダウンシフト指令の出力後又はダウンシフトが終了した後の走行環境や走行状態に基づいて、上記ダウンシフトに係る変速段とは異なる変速段に変速を行なって減速度の制御を行う場合に、上記ダウンシフトに係る変速段構成用のクラッチトルクを通常時よりも低レベルから低下させることで、変速特性の悪化や変速遅れを抑制する。
本実施形態の構成としては、以下に詳述するように、(1)から(3)が前提とされる。
(1)走行環境(コーナの大きさや道路勾配を含む)や走行状態(車間距離を含む)に基づいて、運転者の減速意図が検出されたときに、自動変速機の変速段を変速して減速度の制御を行なう装置。
(2)車両に必要な必要減速度を求める手段。
(3)上記(1)において、走行環境や走行状態に基づく自動変速機の変速指令が出力された後に、上記(2)により求められた必要減速度に基づいて、上記変速指令に係る変速段とは異なる変速段に変速を行なう手段。
図2において、符号10は有段の自動変速機、40はエンジンである。自動変速機10は、電磁弁121a、121b、121cへの通電/非通電により油圧が制御されて6段変速が可能である。図2では、3つの電磁弁121a、121b、121cが図示されるが、電磁弁の数は3に限定されない。電磁弁121a、121b、121cは、制御回路130からの信号によって駆動される。
スロットル開度センサ114は、エンジン40の吸気通路41内に配置されたスロットルバルブ43の開度を検出する。エンジン回転数センサ116は、エンジン40の回転数を検出する。車速センサ122は、車速に比例する自動変速機10の出力軸120cの回転数を検出する。シフトポジションセンサ123は、シフトポジションを検出する。パターンセレクトスイッチ117は、変速パターンを指示する際に使用される。
加速度センサ90は、車両の減速度(減速加速度)を検出する。マニュアルシフト判断部94は、運転者の手動操作に基づいて、運転者の手動操作によるダウンシフト(マニュアルダウンシフト)又はアップシフトの必要性を示す信号を出力する。
車間距離計測部100は、車両前部に搭載されたレーザーレーダーセンサ又はミリ波レーダーセンサなどのセンサを有し、前車との車間距離を計測する。相対車速計測部115は、ミリ波レーダーセンサなどのセンサを有し、前車と自車の相対車速を直接計測することができる。ここで、相対車速とは、(自車速−前車速)である。車間距離計測部100と相対車速計測部115は、単一の(同一の)ミリ波レーダーにより構成される。
道路勾配計測・推定部118は、CPU131の一部として設けられることができる。道路勾配計測・推定部118は、加速度センサ90により検出された加速度に基づいて、道路勾配を計測又は推定するものであることができる。また、道路勾配計測・推定部118は、平坦路での加速度を予めROM133に記憶させておき、実際に加速度センサ90により検出した加速度と比較して道路勾配を求めるものであることができる。
ナビゲーションシステム装置95は、自車両を所定の目的地に誘導することを基本的な機能としており、演算処理装置と、車両の走行に必要な情報(地図、直線路、カーブ、登降坂、高速道路など)が記憶された情報記憶媒体と、自立航法により自車両の現在位置や道路状況を検出し、地磁気センサやジャイロコンパス、ステアリングセンサを含む第1情報検出装置と、電波航法により自車両の現在位置、道路状況などを検出するためのもので、GPSアンテナやGPS受信機などを含む第2情報検出装置等を備えている。
タイヤ滑り判定部91は、タイヤ滑りの有無を検出する。タイヤ滑り判定部91は、各種条件、例えば、フロント車輪速センサ(図示せず)により検出された前輪(図示せず)の回転速度(従動輪速度)及び車速センサ122により検出された後輪(図示せず)の回転速度(駆動輪速度)の差に基づいて、タイヤ滑りの有無を検出する。
ここで、タイヤ滑り判定部91によるタイヤ滑りの有無の検出の具体的方法は、特に限定されず、公知の方法を適宜採用することができる。例えば、上記の前後の車輪速差の他に、車輪速の変化率や、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)やTRS(トラクション・コントロール・システム)やVSC(ビークル・スタビリティ・コントロール)の作動履歴、車両の加速度と車輪スリップ率の関係の少なくともいずれか一つを用いて、タイヤ滑りの有無を検出することができる。
路面μ検出・推定部92は、路面の摩擦係数μに代表される路面の滑り易さ(低μ路か否か)を検出又は推定する。ここで、低μ路には、悪路(路面の凹凸が大きい場合や路面に段差がある等を含む)が含まれる。即ち、路面μ検出・推定部92では、走行路面の摩擦係数μが演算され、その演算された摩擦係数μが予め定められたしきい値を超えているか否かによって、低μ路か否かが決定される。
路面μ検出・推定部92は、将来に走行予定の路面についての情報(ナビ情報など)に基づいて、低μ路であるか否かを予測する。ここで、ナビ情報には、ナビゲーションシステム装置95のように予め記憶媒体(DVDやHDDなど)に記録されている路面(例えば非舗装路)の情報の他、車両自体が過去の実走行や他の車両や通信センターとの通信(車車間通信や路車間通信を含む)を介して得た情報(道路状況を示す情報や天候状況を示す情報を含む)が含まれる。その通信には、道路交通情報通信システム(VICS)やいわゆるテレマティクスが含まれる。
制御回路130は、スロットル開度センサ114、エンジン回転数センサ116、車速センサ122、シフトポジションセンサ123、加速度センサ90、マニュアルシフト判断部94、タイヤ滑り判定部91、路面μ検出・推定部92の各検出結果を示す信号を入力し、また、パターンセレクトスイッチ117のスイッチング状態を示す信号を入力し、また、相対車速計測部115による検出又は推定の結果を示す信号を入力し、また、車間距離計測部100による計測結果を示す信号を入力し、また、ナビゲーションシステム装置95からの信号を入力する。
制御回路130は、周知のマイクロコンピュータによって構成され、CPU131、RAM132、ROM133、入力ポート134、出力ポート135、及びコモンバス136を備えている。入力ポート134には、上述の各センサ114、116、122、123、90からの信号、上述のスイッチ117からの信号、相対車速計測部115、マニュアルシフト判断部94、ナビゲーションシステム装置95、車間距離計測部100、タイヤ滑り判定部91及び路面μ検出・推定部92のそれぞれからの信号が入力される。出力ポート135には、電磁弁駆動部138a、138b、138cが接続されている。
ROM133には、予め図1のフローチャートに示す動作(制御ステップ)を記述したプログラムが格納されているとともに、自動変速機10の変速段を変速するための変速マップ及び変速制御の動作(図示せず)が格納されている。
制御回路130は、予め記憶された変速線図から実際のエンジン負荷に対応するアクセル開度および車速に基づいて自動変速機10のギヤ段を決定し、この決定されたギヤ段を成立させるように自動変速機10に設けられた油圧制御回路の電磁弁121a〜121cを制御する自動変速制御を実行する。
次に、本実施形態の動作を説明する。
以下では、コーナの大きさに基づいて、自動変速機10の変速段を変速して減速度の制御(コーナ制御)を行なう場合について説明する。但し、本実施形態は、コーナ制御に限定されることなく、道路勾配又は車間距離に基づいて、自動変速機10の変速段を変速して減速度の制御を行なう場合にも適用可能である。
図3は、本実施形態の減速制御を説明するためのチャートである。図3において、横軸は距離を示しており、制御実施境界線Lc、必要減速度401、目標旋回車速Vreq、道路形状上面視、アクセルがOFF(アクセル開度が全閉)とされた地点aが示されている。
図3に示すように、先方のコーナ402は、地点403から地点404に存在している。そのコーナ402を予め設定された所望の旋回Gで旋回するために、コーナ402の入口403から所定量手前にオフセットされた地点cにおいて、コーナ402の半径(又は曲率)R405に対応した、目標旋回車速Vreqにまで減速されている必要がある。即ち、目標旋回車速Vreqは、コーナ402のR405に対応した値である。
図6において、符号601は、本実施形態のコーナ制御による1回目のダウンシフトが行われたときの自動変速機10の出力軸120cのトルク(出力軸トルク)を示している。符号602は、本実施形態のコーナ制御による1回目のダウンシフトの終了後に、再度必要減速度401が求められた結果、先の1回目のダウンシフトによる減速度では減速度が過大と判定されて、アップシフトが行われたときの出力軸トルクを示している。符号603は、本実施形態のコーナ制御による1回目のダウンシフトの終了後に、再度必要減速度401が求められた結果、先の1回目のダウンシフトによる減速度では減速度が不足すると判定されて、2回目のダウンシフトが行われたときの出力軸トルクを示している。
符号701は、本実施形態のコーナ制御による1回目のダウンシフトの係合側クラッチの油圧を示している。符号701’は、従来技術におけるコーナ制御によるダウンシフトの係合側クラッチの油圧を示している。符号700は、自動変速機10のクラッチの油圧のライン圧を示している。
符号801は、本実施形態のコーナ制御による1回目のダウンシフトの終了後に、再度必要減速度401が求められた結果、先の1回目のダウンシフトによる減速度では減速度が過大と判定されて、アップシフトが行われたときの係合側クラッチの油圧を示している。符号802は、本実施形態のコーナ制御による1回目のダウンシフトの終了後に、再度必要減速度401が求められた結果、先の1回目のダウンシフトによる減速度では減速度が不足すると判定されて、2回目のダウンシフトが行われたときの係合側クラッチの油圧を示している。
[ステップS10]
図1のステップS10では、制御回路130により、スロットル開度センサ114からの信号に基づいて、アクセルがOFFの状態(全閉)か否かが判定される。ステップS10の結果、アクセルがOFFの状態であると判定されれば、ステップS20に進む。アクセルが全閉である場合(ステップS10−Y)に、運転者に減速の意図があると判断されて、本実施形態の減速制御が行われる。一方、アクセルがOFFの状態であると判定されなければ、ステップS135に進む。上記のように、図3では、符号aの位置(時点)にてアクセル開度がゼロ(全閉)とされている。
[ステップS20]
ステップS20では、制御回路130により、フラグFがチェックされる。その結果、フラグFが0であればステップS30に進み、フラグFが1であればステップS90に進み、フラグFが2であればステップS100に進む。本制御フローが実行されたときに、最初は、フラグFが0であるので、ステップS30に進む。
[ステップS30]
ステップS30では、制御回路130により、例えば制御実施境界線Lcに基づいて、本制御の要否が判定される。その判定では、図3において、現在の車速とコーナ402の入口403までの距離Lとの関係で、制御実施境界線Lcよりも上方に位置すれば、本制御が必要と判定され、制御実施境界線Lcよりも下方に位置すれば、本制御は不要と判定される。ステップS30の判定の結果、本制御が必要と判定された場合には、ステップS40に進み、本制御が不要と判定された場合には、本制御フローはリターンされる。
制御実施境界線Lcは、現在の車速とコーナ402の入口403の手前の地点cまでの距離との関係で、予め設定された通常制動による減速度を超えた減速度が車両に作用しない限り、コーナ402の入口403の手前の地点cにおいて目標旋回車速Vreqに到達できない(コーナ402を所望の旋回Gで旋回できない)範囲に対応した線である。即ち、制御実施境界線Lcよりも上方に位置する場合には、コーナ402の入口403の手前の地点cにおいて目標旋回車速Vreqに到達するためには、予め設定された通常制動による減速度を超えた減速度が車両に作用することが必要である。
そこで、制御実施境界線Lcよりも上方に位置する場合には、本実施形態のコーナの大きさに対応した減速制御が実行されて(ステップS50)、減速度の増大によって、運転者によるブレーキの操作量がなくても、ないしは操作量が相対的に小さくても(フットブレーキを少ししか踏まなくても)、コーナ402の入口403の手前の地点cにおいて目標旋回車速Vreqに到達できるようにしている。
本実施形態の制御実施境界線Lcとしては、従来一般のコーナRに対応した変速点制御に使用される制御実施境界線がそのまま適用可能である。制御実施境界線Lcは、ナビゲーションシステム装置95から入力した、コーナ402のR405とコーナまでの距離を示すデータに基づいて、制御回路130により作成される。
本実施形態では、図3において、アクセル開度がゼロとされた符号aに対応する時点は、制御実施境界線Lcよりも上方に位置するため、本制御が必要と判定され(ステップS30−Y)、ステップS40に進む。
[ステップS40]
ステップS40では、制御回路130により、自動変速機10の変速制御(シフトダウン)に際して選択すべき変速段が決定される。上記選択すべき変速段の決定に際しては、まず必要減速度が求められ、次いで、その必要減速度に基づいて、上記選択すべき変速段が決定される。以下、必要減速度の算出を(A)として説明し、次いで、上記選択すべき変速段の決定を(B)として説明する。
(A)必要減速度の算出について
制御回路130により、必要減速度が計算により求められる。必要減速度は、先方のコーナを予め設定された所望の旋回Gで旋回するために(所望の車速Vreqでコーナに進入するために)必要とされる減速度である。図3において、必要減速度は、符号401で示されている。
上記ステップS10においてアクセルが全閉であると判定された場所aの車速から、コーナ402の入口403の手前の地点cで要求される目標旋回車速Vreqまで減速するには、必要減速度401で示すような減速が必要とされる。制御回路130は、車速センサ122から入力した現在の車速と、ナビゲーションシステム装置95から入力した、現在位置からコーナ402の入口403(の手前の地点c)までの距離及びコーナ402のR405に基づいて、必要減速度401を算出する。
(B)上記選択すべき変速段の決定について
予めROM133には、図5に示すようなアクセルOFF時の各変速段の車速毎の減速Gを示す車両特性のデータが登録されている。
ここで、出力回転数が1000[rpm]であり、必要減速度401が−0.12Gである場合を想定すると、図5において、出力回転数が1000[rpm]のときの車速に対応し、かつ必要減速度401の−0.12Gに最も近い減速度となる変速段は、4速であることが判る。これにより、上記例の場合、ステップS40では、選択すべき変速段は、4速であると決定される。
なお、ここでは、必要減速度401に最も近い減速度となる変速段を選択すべき変速段として選択したが、選択すべき変速段は、必要減速度401以下(又は以上)の減速度であって必要減速度401に最も近い減速度となる変速段を選択してもよい。ステップS40の次にステップS50が実行される。
[ステップS50]
ステップS50では、制御回路130により、上記ステップS40で決定された、選択されるべき変速段に係る変速指令が出力される。即ち、制御回路130のCPU131から電磁弁駆動部138a〜138cにダウンシフト指令(変速指令)が出力される。上記ダウンシフト指令に応答して、電磁弁駆動部138a〜138cは、電磁弁121a〜121cを通電又は非通電にする。これにより、自動変速機10では、ダウンシフト指令に指示される変速が実行される。
図3の符号aの地点での変速段(現状変速段)が6速であり、上記選択されるべき変速段が4速であるとすると、ステップS50では、6速から4速への変速指令(ダウンシフト指令)が出力される。ダウンシフト指令は、本実施形態の変速点制御としてダウンシフトする必要性有りと図3の符号aに対応する場所(時点)で制御回路130により判断されると(ステップS30−Y)、それと同時(図3の符号aに対応する時点,図6の符号Aの時点)に出力される。
これにより、図6の符号Aに対応する時点から、自動変速機10は、上記のように決定された選択すべき変速段(上記例では、4速)に向けてのダウンシフト動作が開始され、係合側クラッチの油圧701の上昇に伴い、エンジンブレーキ力(出力軸トルク601)が増加し、符号aの場所(時点)から自動変速機10の変速段による減速度が増加する。ステップS50の次にステップS60が実行される。
[ステップS60]
ステップS60では、制御回路130により、上記変速指令に係る変速のうち最低変速段への変速が終了したか否かが判定される。ステップS60の判定の結果、最低変速段への変速が終了したと判定された場合には、ステップS70に進み、最低変速段への変速が終了したと判定されない場合には、ステップS90に進む。上記において、最低変速段とは、上記変速指令に係る変速が複数段の変速である場合(本例のように6速から4速への変速)を考慮した表現であり、本例において、4速が最低変速段に相当する。本例では、図3の符号bにおいて、上記最低変速段への変速が終了したとする。
[ステップS70]
ステップS70において、制御回路130は、図6に示すように、上記最低変速段を構成する係合側クラッチの油圧(クラッチトルク)701を、上記最低変速段を確保可能な下限圧710に保持させる。即ち、従来技術では、変速終了後、係合側クラッチの油圧701を、ライン圧700まで上昇させる(符号701’)のが通常一般であるのに対して、本実施形態では、ライン圧700まで上昇させることなく、上記最低変速段を確保可能な下限圧710に保持させる。この場合、上記ステップS50における変速指令に、係合側クラッチの油圧701を、上記最低変速段を確保可能な下限圧710に保持させる旨の指令が含まれていることができる。
ステップS70の次にステップS80が行われる。なお、ステップS70において、係合側クラッチの油圧701を、上記最低変速段を確保可能な下限圧710に保持させるに際して、係合側クラッチの油圧701を、上記最低変速段を確保可能な下限圧710に安定的に保持させるために、時間がかかる場合には、ステップS70が行われた後、所定時間の経過を経た後に、ステップS80が行われるように構成されることができる。
[ステップS80]
ステップS80では、制御回路130により、自動変速機10の変速段の補正が行なわれる。ステップS80の詳細な動作を図4を参照して説明する。
[ステップS81]
まず、図4のステップS81では、制御回路130により、現在位置からコーナ402の入口403までの距離Lが予め設定された所定値L1以上であるか否かが判定される。その判定の結果、距離Lが予め設定された所定値L1以上である場合には、ステップS82に進み、そうでない場合には、ステップS90に進む。
コーナ402に進入するまでの距離Lが所定値L1未満である場合には、変速段の補正の効果が少なく、かつコーナ402に進入した後にも変速が終了していない(減速度の変動が残る)可能性があるため、距離Lが所定値L1未満である場合には、変速段の補正は行なわれないようにしている。本例では、図3の符号bにおいて上記最低変速段への変速が終了した時点での距離Lが所定値L1以上であるため、ステップS82に進む。
[ステップS82]
ステップS82では、制御回路130により、必要減速度が再計算される。即ち、制御回路130は、車速センサ122から入力した現在の車速と、ナビゲーションシステム装置95から入力した、現在位置からコーナ402の入口403(の手前の地点c)までの距離及びコーナ402のR405に基づいて、必要減速度を算出する。図3の符号bにおいて上記最低変速段への変速が終了した時点での必要減速度は、符号401aに対応している。即ち、本例では、符号aの地点での必要減速度401に比べて、符号bの地点での必要減速度401aは、大きな値となっている。ステップS82の次にステップS83が行われる。
[ステップS83]
ステップS83では、制御回路130により、最適変速段がサーチされる。即ち、制御回路130では、上記ステップS82で求められた必要減速度401aと、上記図5のマップに基づいて、上記ステップS40と同様に、必要減速度401aに最も近い減速度となる変速段が、最適変速段としてサーチされる。ステップS83の次にステップS84が行われる。
[ステップS84]
ステップS84では、制御回路130により、上記最適変速段への変速の要否が判定される。その判定の結果、上記最適変速段への変速が必要である場合には、ステップS85に進み、そうでない場合には、ステップS90に進む。ステップS84では、上記ステップS50の変速指令に係る変速での最低変速段と、上記最適変速段との比較が行なわれ、両者の変速段が同じである場合には、上記最適変速段への変速が不要であり、両者の変速段が異なる場合には、上記最適変速段への変速が必要であると判定されることができる。
上記に代えて、ステップS84では、上記ステップS82で求められた必要減速度401aと、現状の変速段(上記ステップS50の変速指令に係る変速での最低変速段)での減速度(車速から算出する。後述する図12参照)との差が予め設定された設定値以下であれば、上記最適変速段への変速が不要である(上記ステップS50の変速指令に係る変速での最低変速段に保持される)と判定されることができる。変速に伴い、減速度やエンジン回転数の変動があり、運転者に違和感を与える可能性があるため、減速度の差が少ない場合には、変速が行われない方がよいと考えられるためである。
[ステップS85]
ステップS85では、制御回路130により、上記最適変速段への変速指令が出力される。これにより、上記最適変速段への変速が実行される。上記最適変速段への変速が行なわれた場合であって、その後、同じコーナ402に対する減速制御として変速段の変更が行なわれない場合(本制御フローの場合)には、上記最適変速段への変速終了後に、係合側クラッチの油圧を、ライン圧まで上昇させることができる。
これに対して、図示はしないが、上記最適変速段への変速終了後に、再度(複数回)の変速段の補正(ステップS81〜ステップS85)が行われるように構成されることができ、その場合には、上記最適変速段への変速終了後に、係合側クラッチの油圧が上記最適変速段を確保可能な下限圧に保持されることができる。ステップS85の次に、図1のステップS90に進む。
[ステップS90]
ステップS90では、制御回路130により、車両がコーナ402に進入したか否かが判定される(車両の旋回判定)。制御回路130は、車両の横Gの大きさ等に基づいて、ステップS90の判定を行う。又は、ナビゲーションシステム装置95から入力した、車両の現在位置とコーナ402の入口403の位置を示すデータに基づいて、ステップS90の判定を行う。ステップS90の判定の結果、コーナ402に進入を開始した後であれば、ステップS100に進み、そうでない場合にはステップS170に進む。
本制御フローが実施された最初の段階では、車両はコーナ402に進入していないため(ステップS90−N)、ステップS170でタイヤ滑りの有無が判定される。
[ステップS170]
ステップS170では、制御回路130により、タイヤ滑り判定部91から入力した信号に基づいて、タイヤ滑りの有無が判定される。その判定の結果、所定値以上のタイヤ滑りがあると判定されれば、ステップS180に進み、そうでないと判定されれば、ステップS190に進む。
なお、ステップS170では、タイヤ滑りの有無のみならず、路面μ検出・推定部92から入力した信号に基づいて、路面が低μ路であるか否かを判定し、所定値以上のタイヤ滑りがある場合又は低μ路であると判定された場合には、ステップS180に進み、いずれの場合でもないと判定されれば、ステップS190に進むように構成することもできる。
[ステップS180]
ステップS180では、制御回路130により、新たなアップシフト及びダウンシフトが規制される。最新の変速指令(上記ステップS50で出力されたダウンシフト指令又はステップS85で出力された変速指令)に係る変速段(上記最低変速段又は最適変速段)よりも相対的に高速用の変速段にアップシフトされることが規制される。また、ダウンシフトに関しても、上記最新の変速指令に係る変速段よりも相対的に低速用の変速段にダウンシフトされることが規制される。減速度の増大を防止し、車両安定性に寄与するためである。
また、ステップS180では、上記最新の変速指令に係る変速が終了する時点(又は、変速終了前のある時点)よりも前であれば、その変速をキャンセルすべく、係合側クラッチの油圧701を低下させる。この場合、キャンセルされる変速は、ダウンシフトに限定されることができる。ステップS180の次には、ステップS190に進む。
[ステップS190]
ステップS190では、フラグFが1にセットされて、本制御フローはリセットされる。再度の制御フローでは、アクセルが全閉である場合(ステップS10−Y)には、フラグFが1であるので(ステップS20−1)、ステップS90に進み、ステップS90の条件が成立するまで繰り返される。
[ステップS100]
ステップS100では、制御回路130により、新たなアップシフト及びダウンシフトが規制される。コーナ402に進入後のコーナリング中には、上記最新の変速指令に係る変速段よりも相対的に高速用の変速段にアップシフトされることが規制される。通常一般のコーナに対する変速点制御においても、コーナ進入後のコーナリング中のアップシフトは禁止されている。また、ダウンシフトに関しても、コーナ402に進入後のコーナリング中には、上記最新の変速指令に係る変速段よりも相対的に低速用の変速段にダウンシフトされることが規制される。減速度の増大を防止し、車両安定性に寄与するためである。
また、ステップS100では、上記最新の変速指令に係る変速が終了する時点(又は、変速終了前のある時点)よりも前であれば、その変速をキャンセルすべく、係合側クラッチの油圧701を低下させる。この場合、キャンセルされる変速は、ダウンシフトに限定されることができる。ステップS100の次には、ステップS110に進む。
[ステップS110]
ステップS110では、制御回路130により、車両がコーナ402を脱出したか否かが判定される。制御回路130は、車両に作用する横Gに基づいて、車両がコーナ402を脱出したか否かを判定する。又は、ナビゲーションシステム装置95から入力した、車両の現在位置とコーナ402の出口404の位置を示すデータに基づいて、ステップS110の判定を行う。ステップS110の判定の結果、コーナ402を脱出した後であれば、ステップS115に進み、そうでない場合にはステップS200に進む。
本制御フローが実施された最初の段階では、車両はコーナ402を脱出していないため(ステップS110−N)、ステップS200でフラグFが2にセットされて、本制御フローはリセットされる。再度の制御フローでは、アクセルが全閉である場合(ステップS10−Y)には、フラグFが2であるので(ステップS20−2)、シフト規制がなされたまま(ステップS100)、ステップS110に進み、ステップS110の条件が成立するまで繰り返される。ステップS110の条件が成立したら(ステップS110−Y)、ステップS115に進む。
[ステップS115]
ステップS115では、制御回路130により、変速段が上記最低変速段である場合に、係合側クラッチの油圧701をライン圧700まで上昇させる指令が出力される。これにより、変速段が確定される。なお、変速段が上記最適変速段である場合であって、係合側クラッチの油圧が上記最適変速段を確保可能な下限圧に保持されている場合にも、係合側クラッチの油圧をライン圧まで上昇させる指令が出力される。ステップS115の次にはステップS120が行われる。
[ステップS120]
ステップS120では、制御回路130により、シフト規制が解除される。これにより、上記ステップS100又はステップS180にて行われていたアップシフト及びダウンシフトの規制が解除される。ステップS120の次にはステップS130が行われる。
[ステップS130]
ステップS130では、制御回路130により、フラグFが0にセットされる。ステップS130の次には、本制御フローはリセットされる。
[ステップS135]〜[ステップS160]
アクセルが非全閉の場合(ステップS10−N)には、上記ステップS115と同様に、係合側クラッチの油圧をライン圧まで上昇させる指令が出力される(ステップS135)。これにより、変速段が確定される。その後、コーナリング中であるか否かが判定される(ステップS140)。その判定の結果、コーナリング中である場合(ステップS140−Y)には、本制御フローはリセットされる。コーナリング中ではない場合(ステップS140−N)には、シフト規制が解除され(ステップS150)、フラグFがクリアされてリセットされる(ステップS160)。なお、本制御が開始された初期の状態では、シフト規制もされていないしフラグFも0であるのでそのままである。ステップS90で否定的に判定され、又はステップS110で否定的に判定され、それぞれ肯定的な判定が成立するまでの間に、アクセルが踏まれた場合には、ステップS140にて上記と同様の判定が行われて、必要に応じた処置が行われる。
以上に述べた本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
図3において、符号a点でアクセルがOFFにされた場合、コーナ制御による1回目のダウンシフト指令が出力される(ステップS50)。このダウンシフト指令における上記選択すべき変速段(上記最低変速段)は、符号a点での必要減速度401に基づいて、求められる(ステップS40)。ダウンシフト指令の出力によって、係合側クラッチの油圧701が上昇し、出力軸トルク601による減速度が増大する。
図3の符号b点において、上記最低変速段への変速が終了したとすると(ステップS60−Y、ステップS70)、符号b点での距離Lが上記所定値L1以上であるため(ステップS81−Y)、必要減速度401aが求められ(ステップS82)、その必要減速度401aに対応する最適変速段がサーチされた上で(ステップS83)、変速の要否が判定される(ステップS84)。
図6は、ステップS84において、変速が必要であると判定された場合の出力軸トルクとクラッチ係合圧の過渡特性を示している。従来技術では、符号Cの時点の直前にて変速が終了したと判定されると、係合側クラッチの油圧701をライン圧700まで上昇させるのが通常一般であった(符号701’)。これに対して、本実施形態では、符号Cの時点の直前(図3の符号bに対応)にて変速が終了したと判定されると(ステップS60−Y)、係合側クラッチの油圧701をライン圧700まで上昇させることなく、上記最低変速段を確保可能な下限圧710に保持させる(ステップS70)。それと同時に、必要減速度の再計算が行われ(ステップS82)、その必要減速度401aに対応する最適変速段がサーチされた上で(ステップS83)、変速の要否が判定される(ステップS84)。
図6において、符号Dの時点以降の符号601(実線)は、ステップS84において変速が不要と判定された場合の出力軸トルクを示している。符号602は、先の1回目のダウンシフトによる減速度では減速度が過大と判定されて、アップシフトが行われたときの出力軸トルクを示している。符号801は、そのアップシフトが行われたときの係合側(ハイギヤ側)クラッチの油圧を示している。符号603は、先の1回目のダウンシフトによる減速度では減速度が不足すると判定されて、2回目のダウンシフトが行われたときの出力軸トルクを示している。符号802は、その2回目のダウンシフトが行われたときの係合側(ローギヤ側)クラッチの油圧を示している。
本実施形態では、上記のように、図6のC時点で上記最低変速段への変速が終了すると同時にステップS84の変速の要否判定が行われ、その結果、変速の必要有りと判定されると、上記最適変速段への変速が開始される。まず、上記最適変速段への変速に備えて、係合側クラッチ(上記最低変速段への変速のロー側クラッチ,上記最適変速段への変速の解放側クラッチ)の油圧701を低下させる。この場合、係合側クラッチの油圧701が、上記最低変速段を確保可能な下限圧710に安定的に保持され、ライン圧700まで上昇していないため(ステップS70)、変速終了後に上記最適変速段への変速が必要であるとの判定があった場合には、速やかに(上記最適変速段への変速の変速指令から短時間のうちに)上記最適変速段への変速に移行することが可能である。即ち、上記最適変速段への変速の係合側クラッチの油圧802又は801を遅れなく速やかに立ち上げることができる。
これにより、図6のD時点から上記最適変速段への変速に伴う減速度(出力軸トルク602,603)の制御が実現されている。これに対して、従来技術では、変速終了後に、係合側クラッチの油圧701をライン圧700まで上昇させてしまうため(符号701’参照)、上記最適変速段への変速指令が出力されても、係合側クラッチの油圧701を低下させるのに時間がかかり、速やかに上記最適変速段への変速に移行することが困難である。
具体的には、まず、係合側クラッチの油圧701’を再度調圧モードにするために時間がかかる。その後、係合側クラッチの油圧701’を急速に低下させると、アンダーシュートが生じ、一瞬シフトが生じてしまう可能性があるため、ある程度ゆっくりと低下させる必要があり、そのための時間が必要となる。その後、その低下後の油圧が安定的に保持可能となるために必要な待ち時間が必要である。その結果、上記最適変速段への変速の開始(係合側クラッチの油圧802又は801を立ち上げるタイミング)が遅れていた。
また、本実施形態によれば、コーナリング中である場合(ステップS90−Y)、又は、非コーナリング中(直線路を走行中)であって、タイヤ滑りがある場合(ステップS90−N,ステップ170−Y)には、コーナを脱出するまで(ステップS110−Y)、新たなアップシフト及びダウンシフトが規制される(ステップS100,ステップS180)とともに、未終了変速(ダウンシフト)については変速指令がキャンセルされるべく、係合側クラッチの油圧701が低下させられる(ステップS100,ステップS180)。コーナリング中である場合には、車両の減速度が増大すると、車両安定性を損なう可能性があるため、未終了のダウンシフト指令はキャンセルされる。また、直線路でタイヤ滑りがある場合にも同様の理由から未終了のダウンシフト指令はキャンセルされる。
(第1実施形態の第1変形例)
次に、上記第1実施形態の第1変形例について説明する。
本変形例において、上記第1実施形態と共通する部分についての説明は省略される。
上記第1実施形態では、ステップS70において、上記最低変速段を形成する係合側クラッチの油圧701を、上記最低変速段を確保可能な下限圧710に保持させる制御が行われた。これに対して、本変形例では、この制御に代えて、以下の構成が採用される。
即ち、低速段クラッチ(又は高速段クラッチ)と摩擦係合する高速段クラッチ(又は低速段クラッチ)との間の回転数差が所定回転数差(例えば50rpm)に保持されるように係合側クラッチの油圧701をフィードバック制御する構成を採用することができる。
この場合、低速段クラッチ(又は高速段クラッチ)と摩擦係合する高速段クラッチ(又は低速段クラッチ)の間には、回転数差(滑り)があるため、変速が完全に終了したとはいえない。本変形例では、変速は終了していないがその直前の時点(変速の終了段階に含まれる)において、低速段クラッチ(又は高速段クラッチ)と摩擦係合する高速段クラッチ(又は低速段クラッチ)とを、所定の回転数差に保持するようにクラッチ圧をフィードバック制御する。
本変形例では、ステップS85において、上記最適変速段が上記最低変速段よりも高速段である場合(上記最低変速段では減速度が過大と判定された場合)には、上記最低変速段形成用の係合側クラッチの油圧701を低下させることにより、上記第1実施形態の上記ステップS70の制御の場合に比べて、より速やかに出力軸トルク602を低下させることができる。
一方、ステップS85において、上記最適変速段が上記最低変速段よりも低速段である場合(上記最低変速段では減速度が不足と判定された場合)には、まず、上記最低変速段への変速を終了させるべく、上記最低変速段形成用の係合側クラッチの油圧701を漸次増加させる。この間に、ハイギヤ側のクラッチ圧802を立ち上げて上記最適変速段への変速を行なう。
また、ステップS84において、上記最適変速段への変速が不要と判定された場合(ステップS82で求められた必要減速度401aと、現状の上記最低変速段での減速度の差が所定範囲である場合)には、上記最低変速段形成用の係合側クラッチの油圧701を上昇させ、上記最低変速段への変速を終了させる。
(第1実施形態の第2変形例)
次に、上記第1実施形態の第2変形例について説明する。
本変形例において、上記第1実施形態と共通する部分についての説明は省略される。
上記第1実施形態では、係合側クラッチの油圧701は、上記最低変速段を確保可能な下限圧710に保持される(ステップS70)として説明したが、それに限定されず、係合側クラッチの油圧701は、上記最低変速段を確保可能な下限圧710からライン圧700までの間の値に保持されることもできる。この変形例においても、係合側クラッチの油圧701’をライン圧700まで上昇させていた従来技術に比べると、係合側クラッチの油圧701を速やかに低下させることができるため、その分、上記最適変速段への変速を早期に開始することができる。
(第1実施形態の第3変形例)
次に、上記第1実施形態の第3変形例について説明する。
本変形例において、上記第1実施形態と共通する部分についての説明は省略される。
本変形例では、コーナの大きさに基づく減速制御(コーナ制御)において、コーナまでの距離が長い場合には、ダウンシフト指令の出力後(または、ダウンシフトが終了した後)の道路勾配の変化を考慮して、変速段を変更(上記最適変速段に変速)するものである。
上記第1実施形態において、コーナ制御が必要と判定された場合(ステップS30−Y)のダウンシフト先の変速段(上記最低変速段)及び、ステップS83でサーチされる最適変速段は、それぞれ必要減速度401,401aに基づいて求められていた(ステップS40、ステップS82、ステップS83)。これに対して、本変形例では、上記最低変速段及び上記最適変速段は、例えば図7に示すように、予め設定されたマップが参照されて、道路勾配と車両前方のコーナ402の大きさに基づいて、決定されることができる。同マップによれば、例えば、道路勾配が緩降坂でコーナ402が緩コーナーである場合には、上記最低変速段又は上記最適変速段は、4速と判定される。
本変形例によれば、上記最低変速段を求めた地点(図3の符号a)から上記最適変速段(図3の符号b)にかけて、道路勾配が変わった場合であっても、その道路勾配の変化に対応した上記最適変速段が求められるため、より最適なコーナ進入車速(図3の符号cの地点での車速)が得られる。
上記図7のマップは、コーナまでの距離や車速毎に複数用意されていることができる。
(第1実施形態の第4変形例)
次に、上記第1実施形態の第4変形例について説明する。
本変形例において、上記第1実施形態と共通する部分についての説明は省略される。
上記第1実施形態は、コーナ制御に適用した例を示したが、第4変形例では、コーナ制御に限定されずに、登降坂制御や追従制御にも適用することができる。この場合、図2の車間距離計測部100、相対車速計測部115及び道路勾配計測・推定部118の構成を用いることができる。
(第1実施形態の第5変形例)
次に、上記第1実施形態の第5変形例について説明する。
本変形例において、上記第1実施形態と共通する部分についての説明は省略される。
第5変形例では、シフト規制指令(ステップS100、ステップS180)が出力されるのは、上記路面μ検出・推定部92により、低μ路であると判定された場合に限定される。上記のように、イナーシャ相中や変速終了後に変速指令をキャンセルすると、減速度の抜け感が生じ、また、エンジン回転速度も上昇から下降に変化するため、違和感を生ずる可能性がある。このことから、特に車両安定性を重視すべき状況として、低μ路であると判定された状況のみにおいて、イナーシャ相中や変速終了後に変速指令をキャンセルすることとしている。
(第2実施形態)
次に、図8−1から図12を参照して、第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、ブレーキ(制動装置)と自動変速機の協調制御を行う車両の減速制御装置に関する。第2実施形態において、上記第1実施形態と共通する部分についての説明は省略し、特徴部分についてのみ説明する。
上記第1実施形態では、変速機のダウンシフトによる減速度のみを用いて、車両に作用する減速度が必要減速度401又は401aに近くなるように減速制御を行ったのに対し、第2実施形態では、ブレーキと自動変速機の協調制御により、車両に作用する減速度が上記必要減速度401又は401aとなるように減速制御を行う。
図9は、第2実施形態の概略構成を示す図である、図7において、上記図2と同じ構成要素については、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
制御回路130の出力ポート135には、ブレーキ制御回路230へのブレーキ制動力信号線Laが接続されている。ブレーキ制動力信号線Laでは、ブレーキ制動力信号SG1が伝達される。
ブレーキ装置200は、制御回路130からブレーキ制動力信号SG1を入力するブレーキ制御回路230によって制御されて、車両を制動する。ブレーキ装置200は、油圧制御回路220と、車両の車輪204、205、206、207に各々設けられる制動装置208、209、210、211とを備えている。各制動装置208、209、210、211は、油圧制御回路220によって制動油圧が制御されることにより、対応する車輪204、205、206、207の制動力を制御する。油圧制御回路220は、ブレーキ制御回路230により、制御される。
油圧制御回路220は、ブレーキ制御信号SG2に基づいて、各制動装置208、209、210、211に供給する制動油圧を制御することで、ブレーキ制御を行う。ブレーキ制御信号SG2は、ブレーキ制動力信号SG1に基づいて、ブレーキ制御回路230により生成される。ブレーキ制動力信号SG1は、自動変速機10の制御回路130から出力され、ブレーキ制御回路230に入力される。ブレーキ制御の際に車両に与えられるブレーキ力は、ブレーキ制動力信号SG1に含まれる各種データに基づいてブレーキ制御回路230により生成される、ブレーキ制御信号SG2によって定められる。
ブレーキ制御回路230は、周知のマイクロコンピュータによって構成され、CPU231、RAM232、ROM233、入力ポート234、出力ポート235、及びコモンバス236を備えている。出力ポート235には、油圧制御回路220が接続されている。ROM233には、ブレーキ制動力信号SG1に含まれる各種データに基づいて、ブレーキ制御信号SG2を生成する際の動作が格納されている。ブレーキ制御回路230は、入力した各制御条件に基づいて、ブレーキ装置200の制御(ブレーキ制御)を行う。
本実施形態では、自動変速機10の変速制御のみならず、ブレーキ装置200のフィードバック制御がブレーキ制御回路230により実行される。ブレーキのフィードバック制御とは、目標減速度(必要減速度401又は必要減速度401a)と車両の実減速度との偏差に応じてブレーキ力を制御することを意味する。
ブレーキのフィードバック制御は、ダウンシフト指令が出力された場所にて開始される。即ち、必要減速度401又は必要減速度401aを示す信号がブレーキ制動力信号SG1として制御回路130からブレーキ制動力信号線Laを介してブレーキ制御回路230に出力される。ブレーキ制御回路230は、制御回路130から入力したブレーキ制動力信号SG1に基づいて、ブレーキ制御信号SG2を生成し、そのブレーキ制御信号SG2を油圧制御回路220に出力する。
油圧制御回路220は、ブレーキ制御信号SG2に基づいて、制動装置208、209、210、211に供給する油圧を制御することで、ブレーキ制御信号SG2に含まれる指示通りのブレーキ力(ブレーキ制御量302)を発生させる。
ブレーキ装置200のフィードバック制御において、目標値は必要減速度401又は必要減速度401aであり、制御量は車両の実減速度であり、制御対象はブレーキ(制動装置208、209、210、211)であり、操作量はブレーキ制御量であり、外乱は主として自動変速機10の変速による減速度である。車両の実減速度は、加速度センサ90等により検出される。
即ち、ブレーキ装置200では、車両の実減速度が必要減速度401又は必要減速度401aとなるように、ブレーキ制動力(ブレーキ制御量)が制御される。即ち、ブレーキ制御量は、車両に必要減速度401又は必要減速度401aを生じさせるに際して、自動変速機10の変速による減速度では不足する分の減速度を生じさせるように設定される。
なお、本実施形態におけるブレーキ制御は、上記ブレーキに代えて、パワートレーン系に設けたMG装置による回生ブレーキなどの他の、車両に制動力を生じさせる制動装置を用いても可能である。
図8−1、図8−2、図9及び図10を参照して、本実施形態の動作を説明する。
図10は、本実施形態の減速制御を説明するためのチャートである。図10には、制御実施境界線Lc、必要減速度401、必要減速度401a、道路形状上面視、アクセル開度301、車両に作用する減速度303、目標減速度304、自動変速機10での減速度(ATの出力軸トルク)310、ブレーキ制御量(ブレーキでの減速度)302が示されている。
図10の符号t1に対応する場所P5では、符号301に示すように、アクセルがOFF(アクセル開度が全閉)の状態で、かつ符号302に示すように、ブレーキがOFF(ブレーキ力がゼロ)の状態である。
[ステップSB10]
ステップSB10は、図1のステップS10と同様であるため、説明を省略する。
[ステップSB20]
ステップSB20では、制御回路130により、フラグFがチェックされる。その結果、フラグFが0であればステップSB30に進み、フラグFが1であればステップSB80に進み、フラグFが2であればステップSB100に進み、フラグFが3であればステップSB120に進む。本制御フローが実行されたときに、最初は、フラグFが0であるので、ステップSB30に進む。
[ステップSB30]
ステップSB30では、制御回路130により、必要減速度401が計算により求められる。必要減速度401は、上記第1実施形態のステップS40で説明した方法と同じ方法により求められる。
図10は、上記図3と同様に、横軸は距離を示しており、「道路形状上面視」に示されるコーナ402、目標旋回車速Vreq、制御実施境界線Lcは、上記図3と同様である。
上記必要減速度401を示す信号は、ブレーキ制動力信号SG1として、制御回路130からブレーキ制動力信号線Laを介してブレーキ制御回路230に出力される。
なお、ステップSB30では、制御回路130がナビゲーションシステム装置95から入力したデータに基づいて、先方にコーナが無いと判定すれば、必要減速度401は求められない。ステップSB30の次に、ステップSB40が実行される。
[ステップSB40]
ステップSB40では、制御回路130により、コーナ制御の要否が判定される。その要否判定の基準は、上記第1実施形態のステップS30と同様に、制御実施境界線Lcである。ステップSB40の判定の結果、コーナ制御が必要と判定された場合には、ステップSB50に進み、コーナ制御が不要と判定された場合には、本制御フローはリターンされる。
本実施形態では、図10において、アクセル開度301がゼロとされた符号P5に対応する地点は、制御実施境界線Lcよりも上方に位置するため、コーナ制御が必要と判定され(ステップSB40−Y)、ステップSB50に進む。
[ステップSB50]
ステップSB50では、制御回路130により、自動変速機10による目標減速度(以下、変速段目標減速度)が求められ、その変速段目標減速度に基づいて、自動変速機10の変速制御(シフトダウン)に際して選択すべき変速段が決定される。以下、このステップSB50の内容を(1)、(2)に項分けして説明する。
(1)まず、変速段目標減速度を求める。
変速段目標減速度は、自動変速機10の変速制御により得ようとするエンジンブレーキ力(減速加速度)に対応したものである。変速段目標減速度は、必要減速度401以下の値として設定される。後述するように、本実施形態では、必要減速度401に対応するように設定される目標減速度に実減速度が一致するように、ブレーキ制御装置200によるフィードバック制御をするため、そのフィードバック制御により実減速度を目標減速度に一致させるための調整幅(制御の余地)を残すため、変速段目標減速度が、必要減速度401以下の値として設定される。
変速段目標減速度の求め方としては、以下の2つの方法が考えられる。
まず、変速段目標減速度の第1の求め方について説明する。
変速段目標減速度は、ステップSB30において求めた必要減速度401に、0よりも大きく1以下の係数を乗算した値として設定する。例えば、必要減速度401が−0.20Gである場合には、例えば0.5の係数を乗算してなる値である、−0.10Gが変速段目標減速度として設定されることができる。
次に、変速段目標減速度の第2の求め方について説明する。
まず、自動変速機10の現状の変速段のアクセルOFF時のエンジンブレーキ力(減速G)を求める(以下、現状変速段減速度と称する)。予めROM133に現状変速段減速度マップ(図12)が登録されている。図12の現状変速段減速度マップが参照されて、現状変速段減速度(減速加速度)が求められる。図12に示すように、現状変速段減速度は、変速段と自動変速機10の出力軸120cの回転数NOに基づいて求められる。例えば、現状変速段が5速で出力回転数が1000[rpm]であるときには、現状変速段減速度は−0.04Gである。
なお、現状変速段減速度は、車両のエアコン作動の有無やフューエルカットの有無などの諸状況に応じて、現状変速段減速度マップにより求めた値を補正してもよい。また、車両のエアコン作動の有無やフューエルカットの有無などの諸状況毎に、複数の現状変速段減速度マップをROM133に用意しておき、それらの諸状況に応じて使用する現状変速段減速度マップを切り換えてもよい。
次いで、現状変速段減速度と必要減速度401との間の値として、変速段目標減速度が設定される。即ち、変速段目標減速度は、現状変速段減速度よりも大きく、必要減速度401以下の値として求められる。変速段目標減速度と現状変速段減速度及び必要減速度401との関係の一例を図11に示す。
変速段目標減速度は、以下の式により求められる。
変速段目標減速度=(必要減速度−現状変速段減速度)×係数+現状変速段減速度
上記式において、係数は0より大きく1以下の値である。
上記例では、必要減速度=−0.20G、現状変速段減速度=−0.04Gであり、係数を0.5と設定して計算すると、変速段目標減速度は−0.12Gとなる。
上記のように、変速段目標減速度の第1及び第2の求め方では、係数が用いられたが、その係数の値は、理論上から求まる値ではなく、各種条件から適宜設定可能な適合値である。即ち、例えば、スポーツカーでは、減速すべきときには相対的に大きな減速度が好まれるため、上記係数の値を大きな値に設定することができる。また、同じ車両であっても、車速や変速段に応じて、上記係数の値を可変に制御することができる。運転者の操作に対する車両の応答性を高め、きびきびとした車両走行を意図した所謂スポーツモードと、運転者の操作に対する車両の応答性をゆったりとしたものとして、低燃費となるような車両走行を意図した所謂ラグジュアリーモードやエコノミーモードと呼ばれるモードが選択可能な車両の場合、スポーツモード選択時には、変速段目標減速度はラグジュアリーモードやエコノミーモードよりも大きな変速段変化が起きるように設定される。
変速段目標減速度は、このステップSB50で求められた後、後述するステップSB93において再度設定し直されることがあり、その結果、変速先の変速段が変更されることがある。このように、コーナ制御による変速先の変速段が途中で変更(補正)される点については、上記第1実施形態と共通である。図11に示すように、t4の時点の前後において、必要減速度401が必要減速度401aに変更されることに伴ない、変速段目標減速度も変更されることがある。
(2)次に、上記(1)で求めた変速段目標減速度に基づいて、自動変速機10の変速制御に際して選択すべき変速段が決定される。上述したように、予めROM133に、図5に示すようなアクセルOFF時の各変速段の車速毎の減速Gを示す車両特性のデータが登録されている。
ここで、上記例と同様に、出力回転数が1000[rpm]であり、変速段目標減速度が−0.12Gである場合を想定すると、図5において、出力回転数が1000[rpm]のときの車速に対応し、かつ変速段目標減速度の−0.12Gに最も近い減速度となる変速段は、4速であることが判る。これにより、上記例の場合、ステップSB50では、選択すべき変速段は、4速であると決定される。
また、変速段目標減速度に最も近い減速度となる変速段を選択する方法としては、以下の方法を用いることができる。自動変速機10の変速による減速度の最大値(最大減速度)は、予めROM133に格納された最大減速度マップが参照されて求められる。その最大減速度マップには、最大減速度の値が変速の種類(例えば4速→3速、3速→2速のように、変速前の変速段と変速後の変速段の組合わせ)と車速(出力回転数)に基づく値として定められている。その最大減速度マップを参照して、現在の車速と現在の変速段から、変速段目標減速度に最も近い減速度となる変速段を、選択すべき変速段として決定する。
なお、ここでは、変速段目標減速度に最も近い減速度となる変速段を選択すべき変速段として選択したが、選択すべき変速段は、変速段目標減速度以下(又は以上)の減速度であって変速段目標減速度に最も近い減速度となる変速段を選択してもよい。
ステップSB50では、上記のように、制御回路130により、選択されるべき変速段が決定されると、変速指令が出力される。即ち、制御回路130のCPU131から電磁弁駆動部138a〜138cにダウンシフト指令(変速指令)が出力される。ダウンシフト指令に応答して、電磁弁駆動部138a〜138cは、電磁弁121a〜121cを通電又は非通電にする。これにより、自動変速機10では、ダウンシフト指令に指示される変速が実行される。
図10のP5の地点で変速段(現状変速段)が6速であり、上記選択すべき変速段が4速であるとすると、ステップSB50では、6速から4速への変速指令(ダウンシフト指令)が出力される。ダウンシフト指令は、本実施形態の変速点制御としてダウンシフトする必要性有りと図10の符号t1に対応する場所P5で制御回路130により判断されると(ステップSB40−Y)、それと同時(t1に対応する時点)に出力される。これにより、t1に対応する時点において、自動変速機10は、上記のように決定された選択すべき変速段(上記例では、4速)にダウンシフトされ、それに伴い、エンジンブレーキ力が増加し、符号t1の場所(時点)から自動変速機10での減速度310及び現在の減速度303は増加する。ステップSB50の次にステップSB60が実行される。
[ステップSB60]
ステップSB60では、制御回路130により、初期目標減速度が設定される。この初期目標減速度は、必要減速度401に到達するまでの目標減速度である。図10においては、実減速度303が必要減速度401に到達する場所(時点)(符号t3に対応する場所)までの実減速度303に一致する線304に対応している。即ち、初期目標減速度304は、符号t1に対応する場所から符号t3に対応する場所まで、スイープアップするように設定される。初期目標減速度304は、急激な制動によるショック・違和感を抑制するため、本減速制御の初期(図10の初期フェーズ)は徐々に減速度を増大させるようにしている。ステップSB60の次に、ステップSB70が実行される。
[ステップSB70]
ステップSB70では、ブレーキのフィードバック制御がブレーキ制御回路230により実行される。ブレーキのフィードバック制御とは、目標減速度と実減速度303との偏差に応じてブレーキ力302を制御することを意味する。ここで、ステップSB70における「目標減速度」には、ステップSB60で求められた初期目標減速度304と、後述するステップSB90で再度求められる目標減速度と、ステップS82で再計算される必要減速度401aに対応する目標減速度の全てが含まれる。
符号302に示すように、ブレーキのフィードバック制御は、ダウンシフト指令が出力された符号t1に対応する場所(時点)にて開始される。即ち、符号t1に対応する場所(時点)から初期目標減速度304を示す信号がブレーキ制動力信号SG1として制御回路130からブレーキ制動力信号線Laを介してブレーキ制御回路230に出力される。ブレーキ制御回路230は、制御回路130から入力したブレーキ制動力信号SG1に基づいて、ブレーキ制御信号SG2を生成し、そのブレーキ制御信号SG2を油圧制御回路220に出力する。
油圧制御回路220は、ブレーキ制御信号SG2に基づいて、制動装置208、209、210、211に供給する油圧を制御することで、ブレーキ制御信号SG2に含まれる指示通りのブレーキ力(ブレーキ制御量302)を発生させる。
ステップSB70のブレーキ装置200のフィードバック制御において、目標値は初期目標減速度304であり、制御量は車両の実減速度303であり、制御対象はブレーキ(制動装置208、209、210、211)であり、操作量はブレーキ制御量302であり、外乱は主として自動変速機10の変速による減速度310である。車両の実減速度303は、加速度センサ90等により検出される。
即ち、ブレーキ装置200では、車両の実減速度303が初期目標減速度304となるように、ブレーキ制動力(ブレーキ制御量302)が制御される。即ち、ブレーキ制御量302は、車両に初期目標減速度304を生じさせるに際して、自動変速機10の変速による減速度310では不足する分の減速度を生じさせるように設定される。
ステップSB70のブレーキ制御は、上記の初期目標減速度304に対するフィードバック制御に代えて、スウィープ制御であってもよい。即ち、ブレーキ力を予め決められていた所定の勾配で増加させる(スウィープ制御)方法でもよい。図10の符号t1〜t3に対応する場所(時点)において、ブレーキ力302が所定の勾配で増加し、それに伴い、現在の減速度303は増加し、t3に対応する時点にて、現在の減速度303が必要減速度401に達するまで(ステップSB80−Y)、ブレーキ力302は増加し続ける。
ステップSB70の初期目標減速度304又はスウィープ制御の上記所定の勾配は、ブレーキ制御信号SG2の生成時に参照されるブレーキ制動力信号SG1によって定められる。上記所定の勾配は、ブレーキ制動力信号SG1に含まれる、本制御の開始時(図10の符号t1に対応する時点の直前)のアクセルの戻し速度、アクセルを戻す前の開度に基づいて変更されることができる。例えば、アクセル戻し速度又はアクセルを戻す前の開度が大きい場合には、上記勾配は大きくされることができる。また、ブレーキ制動力信号SG1に路面の摩擦係数μを示すデータを含ませることによって、例えば、路面の摩擦係数μが低い場合には、上記勾配は小さくされることができる。また、車速によって変更することも可能で車速が大きいほど大きくすることができる。
[ステップSB80]
ステップSB80では、制御回路130により、実減速度303が必要減速度401以上になったか否かが判定される。その判定の結果、実減速度303が必要減速度401以上であれば、ステップSB90に進み、そうでなければ、ステップSB190に進む。
本制御フローが実施された最初の段階では、実減速度303は必要減速度401以上ではないため(ステップSB80−N)、ステップSB190でフラグFが1にセットされて、本制御フローはリセットされる。再度の制御フローでは、アクセルが全閉である場合(ステップSB10−Y)には、フラグFが1であるので(ステップSB20−1)、ステップSB80に進み、ステップSB80の条件が成立するまで繰り返される。
ステップSB80の条件が成立したら(ステップSB80−Y)、ステップSB90に進む。図10では、符号t3に対応する時点で、実減速度303が必要減速度401以上となっている。なお、ステップSB80以降においても、ステップSB70のブレーキ制御は、ステップSB110にてブレーキ制御が終了するまで継続して実行される。
[ステップSB90]
ステップSB90では、制御回路130により、必要減速度401が再計算により求められ、その求められた必要減速度401に応じて、目標減速度が設定される。即ち、図10の符号t3に対応する場所(時点)以降は、実減速度303(初期目標減速度304)のスウィープアップ領域は終了する。
ステップSB90において、制御回路130は、ステップSB30と同様に、先方のコーナ402を予め設定された目標横Gで旋回するために(目標旋回車速Vreqでコーナ402に進入するために)必要とされる減速度として、必要減速度401を求める。ステップSB30の後に、減速制御(変速制御及びブレーキ制御の両方)が始まると(ステップSB50、ステップSB70)、車速や現在位置も変化するので、その変化に応じた必要減速度401が再度求められる。本例において、ステップSB90の必要減速度401の算出では、上記ステップSB30で求められた必要減速度401と同じ値が算出されたとする。
ステップSB90では、目標減速度は、ステップSB90において算出された必要減速度401と同じ値又は近い値が設定される。一度、実減速度303が必要減速度401に到達した後であるので(ステップSB80−Y)、目標減速度が再計算された必要減速度401と同じ又は近い値となり、急激な制動によるショック・違和感は相対的に少ないためである。ステップSB90の次に、ステップSB91が実行される。
[ステップSB91]
ステップSB91は、上記図1のステップS60と同様であるため、説明を省略する。ステップSB91の判定の結果、最低変速段への変速が終了したと判定された場合には、ステップSB92に進み、最低変速段への変速が終了したと判定されない場合には、ステップSB100に進む。上記本例においては、4速が最低変速段に相当する。本例では、図10の符号t4において、上記最低変速段への変速が終了したとする。
[ステップSB92]
ステップSB92は、上記図1のステップS70と同様であるため、説明を省略する。ステップSB92の次にステップSB93が行われる。
[ステップSB93]
ステップSB93は、上記図1のステップS80と同様であるため、説明を省略する。
即ち、ステップSB93の詳細な動作は、上述した図4のステップS81〜ステップS85と同様である。
[ステップS81]
本例では、図10の符号t4のP6の地点において上記最低変速段への変速が終了した時点での距離Lが所定値L1以上であるため、ステップS82に進む。
[ステップS82]
図10の符号t4のP6の地点において上記最低変速段への変速が終了した時点での必要減速度は、符号401aに対応している。即ち、本例では、符号P5の地点での必要減速度401に比べて、符号P6の地点での必要減速度401aは、大きな値となっている。図11に示すように、t1の時点(図10のP5の地点)での必要減速度401に比べて、t4の時点(図10のP6の地点)での必要減速度401aは、大きくなっている。
なお、上記例とは反対に、図11において、t1の時点での必要減速度401に比べて、t4の時点での必要減速度が小さくなることも考えられる(図11の必要減速度の二点鎖線参照)。ステップS82の次にステップS83が行われる。
[ステップS83]
ステップS83では、上記ステップS82で求められた必要減速度401aに基づいて、上記ステップSB50と同様の方法により、変速段目標減速度が求められ、その変速段目標減速度と、上記図5のマップに基づいて、上記ステップSB50と同様に、変速段目標減速度に最も近い減速度となる変速段が、最適変速段としてサーチされる。
図11に示すように、t1の時点(図10のP5の地点)での必要減速度401に比べて、t4の時点(図10のP6の地点)での必要減速度401aが大きくなったことに伴ない、t1の時点に比べて、t4の時点での変速段目標減速度も大きな値となっている。その結果、t4の時点でサーチされる最適変速段は、t1の時点で選択すべき変速段(上記最低変速段)よりも低速用の変速段とされる。
なお、本例とは反対に、図11において、t1の時点での必要減速度401に比べて、t4の時点での必要減速度が小さくなった場合には(図11の必要減速度の二点鎖線参照)、それに応じて、t1の時点に比べて、t4の時点での変速段目標減速度も小さな値となる(図11の変速段目標減速度の二点鎖線参照)。その場合には、t4の時点でサーチされる最適変速段は、t1の時点で選択すべき変速段(上記最低変速段)よりも高速用の変速段とされる。ステップS83の次にステップS84が行われる。
[ステップS84]
ステップS84では、制御回路130により、上記最適変速段への変速の要否が判定される。その判定基準は、上記第1実施形態の場合と同様であることができる。本例では、上記最適変速段への変速が必要であると判定されたとして説明する。
[ステップS85]
ステップS85では、制御回路130により、上記最適変速段への変速指令が出力される。図10の例では、上記最低変速段への変速が終了したt4の時点で、上記最適変速段への変速指令が出力されて、上記最適変速段への変速が実行される。これにより、符号t4の場所(時点)から自動変速機10での減速度310及び現在の減速度303は増加する。
上記最適変速段への変速が行なわれた場合であって、その後、同じコーナ402に対する減速制御として変速段の変更が行なわれない場合(本制御フローの場合)には、上記最適変速段への変速終了後に、係合側クラッチの油圧を、ライン圧まで上昇させることができる。ステップS85の次に、図8−1のステップSB100に進む。
[ステップSB100]
ステップSB100は、上記第1実施形態のステップS90と同様であるため、説明を省略する。
[ステップSB110]
ステップSB110では、制御回路130により、ブレーキ制御が終了される。車両がコーナ402に進入した後は、ブレーキによる制動力が車両に作用しない方が運転者にとって違和感が少ないためである。そのブレーキ制御の終了に際しては、ブレーキ力302がスウィープダウン(漸減)するように行われる。ブレーキ制御の終了は、ブレーキ制動力信号SG1によってブレーキ制御回路230に伝達される。図10では、コーナ進入が確認された場所(時点)(コーナ進入時点b)でブレーキ制御が終了されている。ステップSB110の次には、ステップSB120が行われる。
[ステップSB120]〜[ステップSB150]
ステップSB120〜ステップSB150は、上記第1実施形態のステップS100〜ステップS130と同様であるため、説明を省略する。
[ステップSB160]〜[ステップSB180]
ステップSB160では、制御回路130により、ブレーキ制御の終了指令が出力される。ステップSB165〜ステップSB180は、上記第1実施形態のステップS135〜ステップS160と同様であるため、説明を省略する。
[ステップSB195]〜[ステップSB200]
ステップSB195〜ステップSB200は、上記第1実施形態のステップS170〜ステップS190と同様であるため、説明を省略する。
以上述べたように、第2実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態では、図10のt4の時点にて変速が終了したと判定されると(ステップSB91−Y)、係合側クラッチの油圧をライン圧まで上昇させることなく、上記最低変速段を確保可能な下限圧に保持させる(ステップSB92)。それと同時に、必要減速度の再計算が行われ(ステップS82)、その必要減速度401aに対応する変速段目標減速度が求められ、その変速段目標減速度に基づいて、最適変速段がサーチされた上で(ステップS83)、変速の要否が判定される(ステップS84)。
その結果、変速の必要有りと判定されると、上記最適変速段への変速が開始される。まず、上記最適変速段への変速に備えて、上記係合側クラッチ(上記最適変速段への変速の解放側クラッチ)の油圧を低下させる。この場合、上記係合側クラッチの油圧が、上記最低変速段を確保可能な下限圧に安定的に保持され、ライン圧まで上昇していないため(ステップSB92)、変速終了後に上記最適変速段への変速が必要であるとの判定があった場合には、速やかに(上記最適変速段への変速の変速指令から短時間のうちに)上記最適変速段への変速に移行することが可能である。即ち、上記最適変速段への変速の係合側クラッチの油圧を遅れなく速やかに立ち上げることができる。
また、第2実施形態によれば、1回目に算出された必要減速度401に基づく自動変速機10とブレーキ装置200の協調制御が行われた後の走行環境や走行状態に基づいて、再度、必要減速度401aが算出されて(ステップS82)、その必要減速度401aに基づく自動変速機10とブレーキ装置200の協調制御が行われる場合に、必要に応じて、1回目のダウンシフト先である上記最低変速段とは異なる変速段(上記最適変速段)への変速が行なわれる(ステップS85)。ここで、自動変速機10とブレーキ装置200の協調制御が行われる場合には、再度、必要減速度401aが算出された後、減速度を増大させる場合に、上記最低変速段から変速段を変更することなく、ブレーキ装置200の作動量を増加させることのみによって、減速度を増大させるように構成することも一応可能である。これに対して、本実施形態では、再度、必要減速度401aが算出された後、減速度を増大させる場合には、必要に応じて、上記最低変速段から変速段を上記最適変速段に変更するので、その分、ブレーキ装置200の負荷を減らすことができる。
上記においては、車両が減速すべき量を示す減速度は、減速加速度(G)を用いて説明したが、減速トルクをベースに制御を行うことも可能である。
以上の実施形態から、以下の項が開示される。
(項1)
先方コーナ、道路勾配、又は先行車両との車間距離に基づいて、運転者の減速意図が検出されたときに、少なくとも自動変速機の変速段を変更する車両の減速制御装置であって、変速指令後、必要減速度の大きさに基づいて、変速段を変更補正することを特徴とする車両の減速制御装置。
(項2)
項1の車両の減速制御装置において、変速段構成用クラッチトルクを変速終了後、その変速段を確保できる最低レベルに保持し、必要に応じて変速段の補正を行なう車両の減速制御装置。
(項3)
項1の車両の減速制御装置において、変速段構成用クラッチトルクを相対回転速度が所定値となるように制御し、必要に応じて変速段の補正を行なう車両の減速制御装置。
本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の動作を示すフローチャートである。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の概略構成図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の動作を説明するための図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の他の動作を示すフローチャートである。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態において、各変速段の車速毎の減速度を示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の効果を示すタイムチャートである。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態において用いられることが可能な変速段マップである。 本発明の車両の減速制御装置の第2実施形態の動作の一部を示すフローチャートである。 本発明の車両の減速制御装置の第2実施形態の動作の他の一部を示すフローチャートである。 本発明の車両の減速制御装置の第2実施形態の概略構成図である。 本発明の車両の減速制御装置の第2実施形態の動作を説明するための図である。 本発明の車両の減速制御装置の第2実施形態において、必要減速度と変速段目標減速度と現状変速段減速度との関係を説明するための図である。 本発明の車両の減速制御装置の第2実施形態において、各変速段の車速毎の減速度を示す図である。
符号の説明
10 自動変速機
40 エンジン
90 加速度センサ
91 タイヤ滑り判定部
92 路面μ検出・推定部
94 マニュアルシフト判断部
95 ナビゲーションシステム装置
100 車間距離計測部
114 スロットル開度センサ
115 相対車速計測部
116 エンジン回転数センサ
118 道路勾配計測・推定部
122 車速センサ
123 シフトポジションセンサ
130 制御回路
131 CPU
133 ROM
200 ブレーキ装置
230 ブレーキ制御回路
301 アクセル開度
302 ブレーキ制御量
303 実減速度
304 初期目標減速度
310 自動変速機による減速度
401 必要減速度
401a 必要減速度
402 コーナ
403 コーナの入口
404 コーナの出口
405 コーナR
601 出力軸トルク
602 出力軸トルク
603 出力軸トルク
700 ライン圧
701 クラッチ係合圧
701’ 従来技術におけるクラッチ係合圧
710 変速段を確保可能な下限圧
801 クラッチ係合圧
802 クラッチ係合圧
a アクセルオフ地点
b 変速補正が行なわれる点
P5 アクセルオフ地点
P6 変速補正が行なわれる点
c コーナの入口からオフセットされた地点
Vreq 目標旋回車速
L 距離
L1 所定値
La ブレーキ制動力信号線
Lc 制御実施境界線
SG1 ブレーキ制動力信号
SG2 ブレーキ制御信号

Claims (4)

  1. 走行環境又は走行状態に基づいて、運転者の減速意図が検出されたときに変速機をダウンシフトすることにより減速度の制御を行う車両の減速制御装置であって、
    前記ダウンシフトに係る変速指令が出力された後の走行環境又は走行状態に基づいて、前記ダウンシフトが行われた後の変速段とは異なる変速段に変速して減速度の制御を行なう
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  2. 請求項1記載の車両の減速制御装置において、
    前記ダウンシフトの終了段階では、前記ダウンシフトが行われた後の変速段を維持するために必要とされる前記変速機の摩擦係合装置への油圧は、ライン圧に基づく油圧よりも低い状態とされている
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  3. 請求項2記載の車両の減速制御装置において、
    前記摩擦係合装置への油圧は、前記ダウンシフトが行われた後の変速段を維持するために必要とされる前記摩擦係合装置の回転数差が概ね所定回転数差になるように制御される
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の車両の減速制御装置において、
    更に、
    コーナまでの距離を検出する手段を備え、
    前記コーナまでの距離が予め設定された所定値以上である場合に、前記ダウンシフトに係る変速指令が出力された後の走行環境又は走行状態に基づいて、前記ダウンシフトが行われた後の変速段とは異なる変速段に変速して減速度の制御を行なう
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
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