JP4733594B2 - エンジン駆動作業機の燃料タンク保持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン駆動の圧縮機、発電機、溶接機又はポンプ等のエンジン駆動作業機に使用される燃料タンクの保持構造に関する。
従来より中型以上のエンジン駆動作業機の燃料タンクは、側板方向の断面視で4隅に円弧を有した形状を成している。該エンジン駆動作業機は燃料タンクの安定性を図る目的で縦方向や横方向の長さに比較して高さ方向の長さを抑えた上で基礎枠体であるベース床面上に載設し、燃料タンク底部にベース上に配設したストッパを近接配置したりベースに凹部を形成して、該凹部内に燃料タンクを載設して水平方向の移動防止策を講じた上で燃料タンク上方より固定バンドを上側表面から掛け回して、ベース床面に押し付ける形で燃料タンクを固定している。
エンジン駆動作業機の燃料タンクの従来搭載例を一例として、図11に示す。燃料タンク205はエンジン駆動作業機200の基礎枠体であるベース210の床面上に載設され、燃料タンク上方より固定バンド220が掛け回されて、該固定バンド220の一端がボルト225で、他端がボルト220aとナット226a,226bとでベース220に固定されている。
また燃料タンク205はベース210を構成する部材上面210aや210bより下側に沈み込む様に載置されていて、しかもストッパ211で水平方向の移動が阻止されている。このためエンジン駆動作業機200を移送したり吊り上げたりした場合に予想以上の外力が燃料タンクに加わった場合でも燃料タンク205の移動を所定の範囲以内に抑えている。
このため、燃料タンク205に連結された燃料配管や配線が振り回される事も無く、故障の発生を抑える事ができる。
また、特許文献1の図1に発明の目的が異なるものの、燃料タンクの取り出しが容易となる可搬式燃料タンク取付構造が開示されている。エンジンルームに隣接して燃料タンク収納室を形成し、該床面に燃料タンクを配設し、燃料タンク上面よりバンドを掛け回し、該バンドの一端に係止爪を有して、他端にボルトを設けて、床面に固定する方法が開示されている。
公開特許公報 特開平8−284678号
近年エンジン駆動作業機の使用環境や設置環境が多様化し、エンジン駆動作業機の床面積を小さくする事が要望されたり、車両等に積載して使用する要望が有る。かかる場合に燃料タンク容量を減少させる事無く床面積を小さくした機械を提供しようとすると、燃料タンクの高さ方向を延ばす必要が有る。
燃料タンクの高さ方向を延ばす場合、従来例ではエンジン駆動作業機の搬送時に燃料タンクにローリングする力が発生し、故障原因に成る場合も有る。また車両等に積載される機会が多い場合や常に積載されて使用されるエンジン駆動作業機に於いては、故障低減のために該燃料タンクのローリングを阻止する必要がある。また特許文献1の開示例に於いても燃料タンクの高さ寸法が底辺の長さに比較して長い場合は、搬送時等に発生するローリングを防ぐ事はできない。
上述の様な課題を解決すべく本発明に於いては、エンジンおよびエンジンにより駆動される作業機本体と燃料タンクとが、筐体内で基礎枠体上に配設され、該燃料タンクは前記基礎枠体に形成された凹部または基礎枠体上に形成されたストッパにより水平方向の移動が阻止され、また燃料タンク上面より板状の固定バンドが燃料タンク上側表面から掛け回されて基礎枠体との間に燃料タンクを保持しており、該燃料タンクは、底面を形成する短辺側寸法に比較して、上下方向の高さ寸法く、該燃料タンク底面の短辺側を有した側壁面に直角に交わる燃料タンクの両側壁面上方に、該両側壁面と所定の間隙を有して平板状の平面部が対峙するローリング防止部材が前記基礎枠体に直接または間接的に少なくとも一対以上固設されており、該ローリング防止部材平面部の燃料タンク側壁面側に弾性部材が配設されているエンジン駆動作業機の燃料タンク保持構造であって、前記弾性部材は前記ローリング防止部材の燃料タンク側に向けて対峙した表面を覆う板状を成し、両端部にローリング防止部材の両端部を握持する握持部を有し、該握持部間の略中央部の左右に於いて、厚さの異なる2つの平面部を燃料タンク側に向けて形成し、それぞれの平面部には少なくとも1以上の取付穴が、弾性部材を180度回転しても同一位置に来るように形成する
本発明は上述のように構成する事により、次のような効果を奏する。
水平方向の長さに比較して高さ方向が長い燃料タンクは、燃料タンク底部にて水平方向の移動をストッパで阻止したり、ベースに凹部を形成して該凹部内に載設して移動防止策を講じた上で、燃料タンク上方より固定バンドを掛け回して床面に固定した場合でも、エンジン駆動作業機全体が揺れたり、遠心力が加わる輸送時等に於いてはローリングが発生し不安定さを増すが、揺れ幅が大きくなる燃料タンク上部の両側壁面に対峙する少なくとも一対以上のローリング防止部材を配設したのでローリングを所定の範囲以内に抑える事ができる。
燃料タンク両側壁面と所定の間隙を有しながら対峙して配設した前記ローリング防止部材の燃料タンク側に前記弾性部材を配設したので、燃料タンクがローリングにより当接しても損傷を引き起こす事は無い。また該弾性部材は両端部にてローリング防止部材端部を自ら握持して自らを保持固定しているのでボルト等の堅固な個体が無く、燃料タンクと当接しても燃料タンクに損傷を与える事は無い。
前記弾性部材が両端に形成された握持部間の略中央部左右で燃料タンク側壁面に面する表面が2つの高さの異なる平面部に分かれている為に、エンジン駆動作業機を分解して再セットした時に、重い燃料タンクを微調整する事無く曲がった状態で載設しても、燃料タンク側壁面と前記ローリング防止部材との間隙により該弾性部材の取付を180度回転して取り付ければ取り付けできるので再セットが容易である。
前記弾性部材の高さの異なる平面部は、どちらか一方が燃料タンクの側壁面に近接状態で対峙し、他方は燃料タンクの外壁面より離れた位置に配設される構造と成っている。燃料タンクの外壁面より離れた位置に有る平面部に該弾性部材の固定を強固なものにするためのボルト締付用取付穴が形成してあり、しかも該取付穴は弾性部材を180度回転しても同一位置に来るように他方の平面部にも取付穴を有しているので、いかなる状態でも該弾性部材をローリング防止部材に強固に固定できる。
以下、図1乃至図10により本発明の実施例を示す。
図1は本発明の一実施例を示し、燃料タンクが筐体内に配設された断面図で、図2は図1の上面図で、図3は図1のA−A断面図であり以下併せて詳細に説明する。
エンジン駆動作業機100は基礎枠体であるベース110と前側フレーム123、中央フレーム122,後側フレーム121や屋根フレーム124等で形成されている。エンジン駆動作業機100内部にはエンジン60とエンジン60に駆動される作業機本体55、冷
却ファン61や燃料タンク70等の運転に必要な機器が収納されている。
燃料タンク70はベース110のベース構成要素110a、110b、111、112、113,114等で囲まれた空間内に沈み込む様に載設されている。燃料タンク70が直接金属と接触する底面にはゴム等で形成された弾性部材81を介して載置されている。
また後述する固定バンド72が緩んだ場合に当接する可能性のあるベース構成要素111の側面111aには弾性部材80が配設され、構成要素114の側壁面114aにも弾性部材80が配設されている。燃料タンク70は局部的に応力が働かないように直接ボルトでベース110に固定する事無く、固定バンド72を燃料タンク70に掛け回してベース110に押し付けるように締め付けている。
固定バンド72は作業性向上のために2つのバンド片72aに分割されていて、図1や図2で示す燃料タンク70の図示左右の2箇所に配設され、各バンド片72aの一端がベース110のベース構成要素110a、110bにボルト75を用いて固定されている。
前記バンド片72aの他端は燃料タンク70の上面略中央で直角に折り曲げられて間隙を有した状態で互いに対峙している。この互いに対峙した折り曲げ部をボルトナット74で締付ける事により燃料タンク70はベース110に押し付けられて固定される事になる。またバンド片72aと燃料タンク70の上面両角部との接触部分にはゴム製の弾性部材73が挟み込まれていて金属接触による損傷を防いでいる。
前記後側フレーム121の内面に形成された補強部材121cと中央フレーム122の内面に形成された補強部材122aには燃料タンク70のローリングを防ぐローリング防止部材90が固設されている。該ローリング防止部材90の上下方向の取付位置は、燃料タンク70の上下方向の略中央部より上方で上端角部の円弧にかからぬ位置以下で、極力上方位置となっている。
また、図1に示す様にローリング防止部材90の水平方向の長さの略半分が燃料タンク70側壁面70aと重なり、弾性部材82を介して燃料タンクのローリングを抑える部分である。図2に示すようにベース110上に載設された燃料タンク70は4隅を弾性部材82が配設されたローリング防止部材90にて所定の間隙を有して挟まれた状態になっている。
図3に示すように燃料タンク70は長時間運転を可能とするために大型化し、可能な限りベース110の幅寸法に近づけ高さを高く形成している。このために運搬等を含む使用環境下では外力が加わり、ローリングしやすい構造となっている。ベース110のベース構成要素112の上面にゴム製の弾性部材81が配設してあり、ベース110より燃料タンク70に伝達する振動を減衰していると共に、外力が燃料タンク70を水平方向に移動させようとした時に摩擦抵抗により阻止する役目も果たしている。
図4はローリング防止部材90を上方より見た拡大図であり以下詳細に説明する。後側フレーム121の内面に形成された補強部材121cにローリング防止部材90が燃料タンク側を平坦にして固設されている。該ローリング防止部材90の図示右側端部は補強のために反燃料タンク側に向けて断面がコの字形に形成された折り曲げ部90aを有している。
ローリング防止部材90の燃料タンク70側表面には、弾性部材82の両端部の握持部82c,82dがローリング防止部材90の水平方向の両端部をそれぞれ握持して、自らを保持している。弾性部材82の保持を強固にするためにボルト76を燃料タンク70側壁
面を直接保持しない平面部82bの取付穴に挿通し、ローリング防止部材90の裏面に配設されたナット90bとにより固定している。
図5は図4で示したP矢視図で弾性部材82の正面図を表す。ゴム製の該弾性部材82は図示右端にローリング防止部材90の端部を握持する握持部82cと左端に握持部82dとを有している。両握持部にはローリング防止部材90の板状をした端部を挟み込む溝を形成してあり、該弾性部材82を引き延ばす事により握持部をローリング防止部材90端部に挟み込む構造と成っている。
該弾性部材82は図示略中央にて厚さの異なる平面部に分かれ、図示右側が厚さの薄い平面域82aで、左側が厚さの厚い平面域82bとなっている。それぞれの平面域には該弾性部材82をローリング防止部材90に強固に固定するための取付穴が形成されている。図5の場合取付穴82fがローリング防止部材90の取付穴と結合される取付穴であり、取付穴82eは、該該弾性部材82の図示左右を180度反転した時に使用する取付穴である。
図6,7はローリング防止部材の変形例を示すものであり以下詳細に説明する。エンジン駆動作業機100は、ベース110上に配設されたエンジン60とエンジンに駆動される作業機本体55,燃料タンク70及び電装品収納箱65等が配設され、筐体内部に配設された前記機器は必要に応じて隔壁にて区画された空間内に配設されている。
燃料タンク70は筐体の幅寸法に対して可能な限り最大寸法で形成されていて、該燃料タンク70の上方にて筐体を2つに区切る脱着可能な隔壁92にて筐体の高さ方向が2つの空間に仕切られている。下側は燃料タンク収納室、上側は電装品収納箱65が配設された空間で冷却風の通風路を兼ねている。
隔壁92は断面の主たる部分は燃料タンク70側に向かって開いたコの字形を成して形成され、該コの字形をした両側の側面部92aは内側にゴム製の弾性部材83が配設され、燃料タンク70の両側壁面上部を外側から挟む様に形成されている。該構造により燃料タンク70は前記側面部92aとの金属接触を防ぎながらローリング防止を図る事ができる。
前記コの字形をした両側の側面部92aの内側に弾性部材83を配設し、燃料タンク70の両側壁面に近接しても、両側の側面部92aの中央部は切欠部92cを有しているので、燃料タンク70を固定する前記固定バンド72との干渉を気にする事なく配設する事ができる。また燃料タンク70の脱着等を行う場合は隔壁92を固定しているボルト76を取り外せば容易に行う事ができる。
このように、ローリング防止部材を燃料タンクの天井面にある隔壁92に配設する事はコスト上昇を抑える点で有効である。
図8,9はローリング防止部材の他の変形例を示すものであり以下詳細に説明する。
エンジン駆動作業機はベース110上に配設された燃料タンク70の上部に筐体を下部空間と上部空間とに仕切る隔壁94を有している。該隔壁94は脱着可能なボルト76にて筐体側壁面に形成された取付板121eに載置された状態で固定されている。
燃料タンク70は応力集中が無いように固定バンド72でベース110に固定された上で、前記隔壁94の下端面に脱着可能に支持されて燃料タンク上面の形状に沿った切欠部が嵌装するローリング防止部材95とにより保持されている。
該ローリング防止部材95は下側に向いた断面視L字形をして、上端95bが隔壁94の下端面にボルト77にて螺着されている。平板状の下側を向いた抱え込み部95aの下端面は燃料タンク70の上部外周面形状と所定の距離を保つ相似形状を有した切欠部を有して、該切欠部内周面に弾性部材84を冠着して、燃料タンク70との接触による損傷をなくすようになっている。
燃料タンク側面板の4隅が円弧を成した燃料タンクは底辺の両端に円弧を有した方向がローリングしやすく、特に高さ寸法が長い燃料タンクはこの傾向が著しい。かかる場合に燃料タンクの上方よりローリングしやすい方向の燃料タンク両側面と上面とを所定の間隙を有して抱え込む板状のローリング防止部材を配設し、該ローリング防止部材先端の抱え込み部に弾性部材を挟み込んで燃料タンクを保持すれば損傷する事無くローリングを抑えた機械を提供する事ができる。
図10は図8のQ側より見た矢視図であり以下詳細に説明する。隔壁94は4隅を筐体に固設された取付板121eに載置してボルト76により筐体側に螺着されている。該隔壁94の図示左端には切欠94bを有していて該隔壁94の下方に配設されている燃料タンク70の図示しない燃料タンク注油口が下から上に貫通し、筐体外部へと延びている。
該隔壁94の床面上には電装品収納箱65が載設されていて、該電装品収納箱65外壁と筐体内壁との間の床面には、該隔壁94の下側に取り付けられる前記ローリング防止部材95を取り付けるための長穴94cが図示4箇所に形成されている。該長穴94cに挿通した固定するボルト77にて、断面視L字形をしたローリング防止部材95に固設されたナット95cとの間で締付つける事により、ローリング防止部材95は該隔壁94の下端面に固定される。
図1は本発明の一実施例を示す断面図 図2は図1の上面図 図3は図1で示したA−A断面図 図4はローリング防止部材を上方より見た拡大図 図5は図4で示したローリング防止部材の正面図 図6は変形例を示す断面図 図7は図6で示したB−B断面図 図8は他の変形例を示す断面図 図9は図8で示したローリング防止部材の断面図 図10は図8で示したQ矢視図 図11は燃料タンク固定方法の従来例
55 作業機本体
60 エンジン
61 冷却ファン
65 電装品収納箱
70 燃料タンク
72 固定バンド
72a バンド片
73,80,81,82,83,84 弾性部材
74 ボルトナット
75,76,77 ボルト
82a,82b 平面域
82c,82d 握持部
90,95 ローリング防止部材
92,94 隔壁
100 エンジン駆動作業機
110 ベース
111,112,113,114 ベース構成要素
121 後側フレーム
121c 補強部材
200 エンジン駆動作業機
205 燃料タンク
211 ストッパ
220 固定バンド

Claims (1)

  1. エンジンおよびエンジンにより駆動される作業機本体と燃料タンクとが、筐体内で基礎枠体上に配設され、該燃料タンクは前記基礎枠体に形成された凹部または基礎枠体上に形成されたストッパにより水平方向の移動が阻止され、また燃料タンク上面より板状の固定ンドが燃料タンク上側表面から掛け回されて基礎枠体との間に燃料タンクを保持しており、該燃料タンクは、底面を形成する短辺側寸法に比較して、上下方向の高さ寸法く、該燃料タンク底面の短辺側を有した側壁面に直角に交わる燃料タンクの両側壁面上方に、該両側壁面と所定の間隙を有して平板状の平面部が対峙するローリング防止部材が前記基礎枠体に直接または間接的に少なくとも一対以上固設されており、該ローリング防止部材平面部の燃料タンク側壁面側に弾性部材が配設されているエンジン駆動作業機の燃料タンク保持構造であって、前記弾性部材は前記ローリング防止部材の燃料タンク側に向けて対峙した表面を覆う板状を成し、両端部にローリング防止部材の両端部を握持する握持部を有し、該握持部間の略中央部の左右に於いて、厚さの異なる2つの平面部を燃料タンク側に向けて形成し、それぞれの平面部には少なくとも1以上の取付穴が、弾性部材を180度回転しても同一位置に来るように形成されている事を特徴とするエンジン駆動作業機の燃料タンク保持構造。
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