JP4733569B2 - 連続洗浄装置及びこれを用いた連続洗浄方法 - Google Patents
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Description
その後、搾水された湿紙W(水分率45〜65%)は、トップフェルト110に載せられた状態で、タッチロール116を介してヤンキードライヤー115の表面に付着させられる。そして、湿紙Wは、ヤンキードライヤー115によって乾燥され、ドクターブレード117により引き剥がされて、次の工程に移行する。
ここで湿紙Wが搾水される際、湿紙Wに含まれていた一部の水分と共に薬品やパルプの短繊維がトップフェルト110表面に移行する。移行した薬品やパルプの短繊維は、放置しておくとトップフェルト110表面に付着あるいは堆積していき、紙の地合形成に支障を来たす恐れがある。このため、従来よりトップフェルト110表面に付着あるいは堆積した薬品やパルプの短繊維を洗浄するために、トップフェルト110は洗浄装置によって洗浄されている。この洗浄装置は、トップフェルト110表面に洗浄水を吹き付けて洗浄するための高圧水洗浄シャワー101や、洗浄した水の除去のためのサクションボックス103及びスクイズロール104を備えている。
この通常のダブルフェルトタイプの抄紙機では、トップフェルト110は洗浄後、再び、湿紙Wを載置することになるが、トップフェルトの不完全な乾燥状態(トップフェルト中に含まれる水分が50〜80%(フェルト絶乾重量に対するフェルト中の水分重量パーセント。以下同様))であっても、再びトップロール112とボトムロール113の間を通過し搾水されるため、トップフェルトの完全な乾燥状態(トップフェルト中に含まれる水分が0〜50%)となり、湿紙Wに対して紙切れ等の影響を与えることなく、操業を停止しなくても連続洗浄が可能になっている。
具体的には、前述したダブルフェルトタイプの抄紙機のように、トップフェルト表面に洗浄水を吹き付けて洗浄するための高圧水洗浄シャワーや洗浄した水の除去のためのサクションボックスやスクイズロールを備えたとしても、トップフェルトが不完全な乾燥状態(トップフェルト中に含まれる水分が50〜80%)となり、単にトップフェルト表面に水分が広がってしまうだけであった。このため、ウェットクレープが形成された湿紙Wがトップフェルトと共にヤンキードライヤーとタッチロールにニップされたとき、紙切れを起こしたり、地合崩れが生じ易くなり、従来では、トップフェルトの連続洗浄を行うことができず、一定期間毎に操業を停止し、フェルト洗浄を行った上で、ある程度乾いた状態(トップフェルト中に含まれる水分が0〜50%)にして再度操業を行うことを繰り返していた。
そこで、本発明の主たる課題は、湿紙にウェットクレープを付与するトップフェルトトップロールはずしタイプの抄紙機の場合であっても、トップフェルト又はワイヤーの連続洗浄を可能とし、家庭用薄葉紙の生産効率を向上させるフェルト又はワイヤーの連続洗浄装置及びこれを用いた連続洗浄方法を提供することにある。
<請求項1記載の発明>
請求項1記載の発明は、トップフェルトトップロールはずしタイプの抄紙機の湿紙剥離後のトップフェルト又はワイヤー表面に洗浄水を噴射する高圧洗浄シャワーと、該フェルト又はワイヤー裏から吸引して脱水するサクションボックスと、を備えたトップフェルト又はワイヤーの連続洗浄装置であって、洗浄水を噴射されたフェルト又はワイヤー表面にエアを吹付ける、エアシャワーが設けられ、前記高圧洗浄シャワーは、0.1〜3.0MPaの圧力で、トップフェルト又はワイヤーから70〜150mmの位置から洗浄水を噴射し、前記エアシャワーは、0.1〜1.0MPaの圧力で、トップフェルト又はワイヤーから5〜30mmの位置からエアを吹き付ける、ことを特徴とする連続洗浄装置である。
洗浄水を噴射されたフェルト又はワイヤー表面にエアを吹付けるエアシャワーが設けられた構成とすることにより、フェルト表面にエアを吹付け、フェルト表面に残った洗浄水を飛ばして除去することにより、トップフェルトに含まれる水分を低減させることができる。そのため、湿紙にウェットクレープを付与するトップフェルトトップロールはずしタイプの抄紙機の場合であっても、家庭用薄葉紙の製造の操業を停止することなく、抄造時のトップフェルトの洗浄(連続洗浄)を行うことができ、家庭用薄葉紙の生産効率を向上させることができる。
吹付けられるエア圧としては、0.1〜1.0MPaすることが好適である。
0.1MPa未満の場合はトップフェルト(またはワイヤー)表面の水分を除去することが難しく、1.0MPa超の場合はトップフェルト(またはワイヤー)表面を荒らしトップフェルト(またはワイヤー)の寿命を短くする可能性がある。
請求項2記載の発明は、トップフェルトトップロールはずしタイプの抄紙機の湿紙剥離後のトップフェルト又はワイヤー表面に洗浄水を噴射し、該フェルト又はワイヤー裏から吸引して脱水する、フェルト又はワイヤーの連続洗浄方法であって、前記洗浄水を0.1〜3.0MPaの圧力で、トップフェルト又はワイヤーから70〜150mmの位置から噴射し、洗浄水を噴射されたフェルト又はワイヤー表面に0.1〜1.0MPaの圧力で、トップフェルト又はワイヤーから5〜30mmの位置からエアを吹き付ける、ことを特徴とする連続洗浄方法である。
洗浄水を噴射されたフェルト又はワイヤー表面にエアを吹付けることにより、フェルト表面に残った洗浄水を飛ばして除去することにより、トップフェルトに含まれる水分を低減させることができる。そのため、湿紙にウェットクレープを付与するトップフェルトトップロールはずしタイプの抄紙機の場合であっても、家庭用薄葉紙の製造の操業を停止することなく、抄造時のトップフェルトの洗浄(連続洗浄)を行うことができ、家庭用薄葉紙の生産効率を向上させることができる。
<ウェットクレープを付与するトップフェルトトップロールはずしタイプの抄紙機の構成>
本発明に係るフェルト又はワイヤーの連続洗浄装置を説明する前に、まず、ウェットクレープを付与するトップフェルトトップロールはずしタイプの抄紙機の一実施例について説明する。
本発明に係るフェルト又はワイヤー連続洗浄装置は、図2に示すように、高圧の洗浄水をトップフェルト(又はワイヤー)10の表面に噴射する高圧洗浄シャワー1と、この高圧洗浄シャワー1により洗浄水を噴射されたトップフェルト(又はワイヤー)10表面にエアを吹付けるエアシャワー2と、洗浄した水の除去のためにトップフェルト(又はワイヤー)10裏から吸引して脱水するサクションボックス3と、を備えている。
Claims (2)
- トップフェルトトップロールはずしタイプの抄紙機のトップフェルト又はワイヤー表面の湿紙を担持しない部分に洗浄水を噴射する高圧洗浄シャワーと、該フェルト又はワイヤー裏から吸引して脱水するサクションボックスと、を備えたトップフェルト又はワイヤーの連続洗浄装置であって、
洗浄水を噴射されたフェルト又はワイヤー表面にエアを吹付ける、エアシャワーが設けられ、
前記高圧洗浄シャワーは、0.1〜3.0MPaの圧力で、トップフェルト又はワイヤーから70〜150mmの位置から洗浄水を噴射し、
前記エアシャワーは、0.1〜1.0MPaの圧力で、トップフェルト又はワイヤーから5〜30mmの位置からエアを吹き付ける、
ことを特徴とする連続洗浄装置。 - トップフェルトトップロールはずしタイプの抄紙機のトップフェルト又はワイヤー表面の湿紙を担持しない部分に洗浄水を噴射し、該フェルト又はワイヤー裏から吸引して脱水する、フェルト又はワイヤーの連続洗浄方法であって、
前記洗浄水を0.1〜3.0MPaの圧力で、トップフェルト又はワイヤーから70〜150mmの位置から噴射し、
洗浄水を噴射されたフェルト又はワイヤー表面に0.1〜1.0MPaの圧力で、トップフェルト又はワイヤーから5〜30mmの位置からエアを吹き付ける、
ことを特徴とする連続洗浄方法。
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