JP5479757B2 - 水解性シートの製造方法 - Google Patents
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かかる水解性のシートは、主に、使用時の湿潤状態の紙力を適当に保持し、擦る等のふき取り用途に使用しても破れない強度とともに、トイレ等に流した際に詰まりがないよう多量の水による水解性を確保することが求められる。このような作用効果は、湿紙に対してカルボキシメチルセルロース(以下、CMCと記述する)を含む水溶性高分子及び金属イオンを添加し、これらが架橋することにより得られる。
これは、2つの乾燥工程を持つ抄紙機は1つ目の乾燥により湿紙の水分含有量が、一般の抄紙機で紙層形成後フェルトで搬送されるよりも、極めて少なくなるため、このような湿紙の適宜の位置において水溶性高分子を外添した場合、水溶性高分子の歩留が比較的高くでき、また、用具に付着した水溶性高分子の清掃も比較的簡易に可能だからである。
換言すれば、湿紙を搬送する工程でフェルトを採用している抄紙機は、上記の2つの乾燥工程を持つ抄紙法を採用するものよりも、湿紙の搬送工程における脱水効率が当然低く、更にはフェルトが湿紙中に含まれる水溶性高分子を吸収してしまうことから水溶性高分子の歩留が悪い。また、特に湿紙の搬送にフェルトを採用したものでは、フェルト自体の汚染を招き、地合形成の不良による操業性の悪化を招いたり、用具の洗浄が頻繁に必要とされる。
〔請求項1に係る発明〕
抄紙網で形成された湿紙をフェルト上に載せて搬送するとともに、そのフェルト上の湿紙をタッチロールを介してヤンキードライヤーに移行させ、そのヤンキードライヤーに付着されて搬送される過程で湿紙を乾燥させて米坪20〜60g/m 2 の水解性シートを得る抄造工程において、
前記ヤンキードライヤー上に移行された直後の湿紙に対して水溶性高分子を前記湿紙から40〜200mm離間した位置においてライン幅方向に40〜200mmの間隔で並設されたオリフィス径0.4〜1.20mm噴射口から噴射圧力3.0〜25.0kgf/cm 2 で50〜140度の範囲の扇形に噴射するとともに、その扇形がライン幅方向に対して5〜30度の角度をなして交わり、かつ、各噴射口から噴射された水溶性高分子による扇形の面が平行となるようにする、
ことを特徴とする水解性シートの製造方法。
本請求項に記載の発明では、タッチロールを介してヤンキードライヤー上に移行された湿紙に対して、水溶性高分子を外添する工程を有することによって、湿紙に対するバインダーの定着率を向上させるものである。本請求項に記載の発明では、ヤンキードライヤー上に移行された湿紙に対して水溶性高分子を添加するようになっており、水溶性高分子の外添直後に乾燥が行われるため、定着率が良い。その結果、フェルトに対して付着する水溶性高分子の量が減じられるため、フェルトが汚れてしまうことがない。
また、噴射口と湿紙の離間距離は、40〜200mmとされていることが好ましい。噴射口と湿紙の離間距離が200mm超過であると抄紙機表面に発生する風圧により粒子が飛散し定着率が下がってしまう。この一方、湿紙と噴射口との離間距離が、40mm未満であると、ライン幅方向において噴射口の塗布圧が不安定になることから、塗布ムラが生じやすい。
噴射口は、ライン幅方向に40〜200mmの間隔(ピッチ)で並設されていることが好ましい。この間隔が、200mm超過であると隣り合うノズルから噴射される水溶性高分子のラップが少なくなることから、塗布ムラが生じる。この一方、間隔が、40mm未満であるとノズル1個あたりの塗布面積が狭くなってしまい、生産性に影響する。
水溶性高分子は、噴射口から50〜140度の範囲で扇形に噴射されることが好ましい。この噴射角度が、140度超過であると粒子が飛散し定着率が下がる。この一方、噴射角度が、50度未満であると、ノズル1個あたりの塗布面積が狭くなるためより多くの塗布量が必要となり、結果ドライヤー乾燥能力への負荷が大きくなり、生産性に影響する。
噴射口から噴射される水溶性高分子が成す扇形は、ライン幅方向に対して5〜30度の角度をなして交わることが好ましい。この角度が30度超過であると、ノズル1個あたりの塗布面積が狭くなるため、塗布ムラが生じ、部分的な乾燥不良を生じシワを発生させる可能性が高い。一方、この角度が5度未満であると、隣接するノズルから噴射される水溶性高分子と重なってしまい、噴射が均一にならず塗布ムラが生じるため、部分的な乾燥不良が生じてシワを発生させる可能性が高い。
本請求項に記載の発明は、水溶性高分子が、少なくともカルボキシメチルセルロースを含むものである、請求項1に記載の水解性シートの製造方法である。
本請求項に記載の発明のように、水溶性高分子が、少なくともカルボキシメチルセルロースを含むものであることにより、製造された水解性シートに好適な水解性及び湿潤強度を付与することが可能となる。
本請求項に記載の発明は、ヤンキードライヤーの一部をほぼ気密に覆うフード内で乾燥を行う工程を有し、その工程の前に水溶性高分子を外添する、請求項1又は請求項2に記載の水解性シートの製造方法である。
本請求項に記載の発明では、水溶性高分子を外添する工程の後に、ヤンキードライヤーの一部をほぼ気密に覆うフード内で乾燥を行う工程を有していることで、乾燥効率を向上させることができる。
調成装置(図示しない)から供給された完成紙料はワイヤーパート(図示しない)で抄造されて湿紙Wとされる。調成装置は、パルプ繊維等の原料を離叩解する装置と、離叩解された原料にサイズ剤、ドライヤー剥離剤、ドライヤー接着剤、染料、乾燥紙力剤、湿潤紙力剤、分散剤等の添加剤を添加する添加装置とを備え、水解性シートの特性に応じた所定濃度の原料からなる紙料を完成紙料として調整するように構成されている。
本実施形態に係る水解性シートの製造方法では、ヤンキードライヤー15上に移行された湿紙Wに対して水溶性高分子を添加するようになっており、水溶性高分子の外添直後に乾燥が行われるため、定着率が良い。その結果、フェルトに対して付着する水溶性高分子の量が減じられるため、フェルトが汚れてしまうことがない。
表1に示す本発明に係る水解性シートの製造方法で製造された実施例1と、その他の水解性シートの製造方法で製造された比較例1〜5とを、図1に示されるダブルフェルト抄紙機によって製造し、CMCの塗布位置を変化させて、紙力及び水解性の測定を行った。なお、測定方法は、次に示すとおりである。
表1中の米坪(g/m2)については、JIS P 8124に基づいて測定した。
表1中の紙厚(μm)については、尾崎製作所製ピーコックにより測定した。測定は1プライにて行った。
表1中の乾燥紙力・縦(cN/25mm)、乾燥紙力・横(cN/25mm)、については、それぞれJIS P 8113に基づいて測定した。湿潤紙力・縦(cN/25mm)、湿潤紙力・横(cN/25mm)、については、それぞれJIS P 8135に基づいて測定した。ここで使用する水には塩化カルシウム8重量%水溶液を用い、付与する水分は原紙重量の170%とした。
表1中の伸び(%)については、JIS P 8113に基づいて測定した。
表1中の水解性(秒)については、JIS P 4501のほぐれやすさの試験に準じて測定した。
表1中の定着剤については、星光PMC製のT−RD126を使用し、紙料の原料調整段階である種箱にて添加した。
表1中のCMCについては、ダイセル化学工業株式会社製のCMCダイセル1330の3重量%水溶液を使用した。
表1中のCMCの塗布位置については、図1に示すA位置、B位置、C位置となっている。A位置はプレスロール(トップロール12及びボトムロール13)の後段であって、且つタッチロール16前段である位置である。B位置は、ヤンキードライヤー15上におけるクリーニングドクター装置18の後段であって、且つタッチロール16の前段である位置である。C位置は、ノズル及びシャワーパイプ20で噴射される位置であり、タッチロール16の後段であって、且つフード19の前段である。
また、抄紙は、毎分250mの速度で行い、クレープ率が15%となるよう調整した。
表2中の米坪(g/m2)については、JIS P 8124に基づいて測定した。
表2中の紙厚(μm)については、尾崎製作所製ピーコックにより測定した。測定は1プライにて行った。
表2中の乾燥紙力・縦(cN/25mm)、乾燥紙力・横(cN/25mm)、については、それぞれJIS P 8113に基づいて測定した。湿潤紙力・縦(cN/25mm)、湿潤紙力・横(cN/25mm)、については、それぞれJIS P 8135に基づいて測定した。ここで使用する水には塩化カルシウム8重量%水溶液を用い、付与する水分は原紙重量の170%とした。
表2中の伸び(%)については、JIS P 8113に基づいて測定した。
表2中の水解性(秒)については、JIS P 4501のほぐれやすさの試験に準じて測定した。
表2中のCMCについては、ダイセル化学工業株式会社製のCMCダイセル1330の3重量%水溶液を使用した。
表2中のCMCの塗布位置については、図1に示すA位置、B位置、C位置となっている。A位置はプレスロール(トップロール12及びボトムロール13)の後段であって、且つタッチロール16前段である位置である。B位置は、ヤンキードライヤー15上におけるクリーニングドクター装置18の後段であって、且つタッチロール16の前段である位置である。C位置は、ノズル及びシャワーパイプ20で噴射される位置であり、タッチロール16の後段であって、且つフード19の前段である。
表2中のK値とは、下の式2によって求められる値であって、このK値が高いほど拭き取り時の強度と水解性の落差が大きく、水解性シートに適する。
式2・・・〔(湿潤紙力縦)×(湿潤紙力横)〕1/2 /(水解性)
(単位:cN/25mm/秒)
また、抄紙は、毎分250mの速度で行い、クレープ率が15%となるよう調整した。
11・・・ボトムフェルト
12・・・トップロール
13・・・ボトムロール
15・・・ヤンキードライヤー
16・・・タッチロール
19・・・フード
20・・・ノズル及びシャワーパイプ
W・・・湿紙
W'・・・乾燥後のウェブ
Claims (3)
- 抄紙網で形成された湿紙をフェルト上に載せて搬送するとともに、そのフェルト上の湿紙をタッチロールを介してヤンキードライヤーに移行させ、そのヤンキードライヤーに付着されて搬送される過程で湿紙を乾燥させて米坪20〜60g/m 2 の水解性シートを得る抄造工程において、
前記ヤンキードライヤー上に移行された直後の湿紙に対して水溶性高分子を前記湿紙から40〜200mm離間した位置においてライン幅方向に40〜200mmの間隔で並設されたオリフィス径0.4〜1.20mm噴射口から噴射圧力3.0〜25.0kgf/cm 2 で50〜140度の範囲の扇形に噴射するとともに、その扇形がライン幅方向に対して5〜30度の角度をなして交わり、かつ、各噴射口から噴射された水溶性高分子による扇形の面が平行となるようにする、
ことを特徴とする水解性シートの製造方法。 - 水溶性高分子が、少なくともカルボキシメチルセルロースを含むものである、請求項1に記載の水解性シートの製造方法。
- ヤンキードライヤーの一部をほぼ気密に覆うフード内で乾燥を行う工程を有し、その工程の前に水溶性高分子を外添する、請求項1又は2記載の水解性シートの製造方法。
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