JP2010150731A - 水解性シートの製造方法 - Google Patents
水解性シートの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010150731A JP2010150731A JP2009047373A JP2009047373A JP2010150731A JP 2010150731 A JP2010150731 A JP 2010150731A JP 2009047373 A JP2009047373 A JP 2009047373A JP 2009047373 A JP2009047373 A JP 2009047373A JP 2010150731 A JP2010150731 A JP 2010150731A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- soluble polymer
- paper
- wet paper
- yankee dryer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Paper (AREA)
Abstract
【解決手段】ヤンキードライヤー15によって湿紙Wを乾燥させる工程よりも前段で、帯状のフェルト上に載置させて湿紙Wを搬送する工程を有する水解性シートの製造方法において、タッチロール16を介して湿紙Wをヤンキードライヤー15に付着させる工程を有しており、この工程の後に、ヤンキードライヤー15上に移行された湿紙Wに対してノズル及びシャワーパイプ20によって水溶性高分子を添加する工程を有する、ことを特徴とする水解性シートの製造方法。
【選択図】図1
Description
かかる水解性のシートは、主に、使用時の湿潤状態の紙力を適当に保持し、擦る等のふき取り用途に使用しても破れない強度とともに、トイレ等に流した際に詰まりがないよう多量の水による水解性を確保することが求められる。このような作用効果は、湿紙に対してカルボキシメチルセルロース(以下、CMCと記述する)を含む水溶性高分子及び金属イオンを添加し、これらが架橋することにより得られる。
これは、2つの乾燥工程を持つ抄紙機は1つ目の乾燥により湿紙の水分含有量が、一般の抄紙機で紙層形成後フェルトで搬送されるよりも、極めて少なくなるため、このような湿紙の適宜の位置において水溶性高分子を外添した場合、水溶性高分子の歩留が比較的高くでき、また、用具に付着した水溶性高分子の清掃も比較的簡易に可能だからである。
換言すれば、湿紙を搬送する工程でフェルトを採用している抄紙機は、上記の2つの乾燥工程を持つ抄紙法を採用するものよりも、湿紙の搬送工程における脱水効率が当然低く、更にはフェルトが湿紙中に含まれる水溶性高分子を吸収してしまうことから水溶性高分子の歩留が悪い。また、特に湿紙の搬送にフェルトを採用したものでは、フェルト自体の汚染を招き、地合形成の不良による操業性の悪化を招いたり、用具の洗浄が頻繁に必要とされる。
〔請求項1に係る発明〕
本請求項に記載の発明は、
抄紙網で形成された湿紙をフェルト上に載せて搬送し、その搬送される湿紙をタッチロールを介してヤンキードライヤーに移行させる抄造工程において、
タッチロールを介してヤンキードライヤー上に移行された直後の湿紙に対して、水溶性高分子を外添することを特徴とする水解性シートの製造方法である。
本請求項に記載の発明では、タッチロールを介してヤンキードライヤー上に移行された湿紙に対して、水溶性高分子を外添する工程を有することによって、湿紙に対するバインダーの定着率を向上させるものである。本請求項に記載の発明では、ヤンキードライヤー上に移行された湿紙に対して水溶性高分子を添加するようになっており、水溶性高分子の外添直後に乾燥が行われるため、定着率が良い。その結果、フェルトに対して付着する水溶性高分子の量が減じられるため、フェルトが汚れてしまうことがない。
本請求項に記載の発明は、水溶性高分子が、少なくともカルボキシメチルセルロースを含むものである、請求項1に記載の水解性シートの製造方法である。
本請求項に記載の発明のように、水溶性高分子が、少なくともカルボキシメチルセルロースを含むものであることにより、製造された水解性シートに好適な水解性及び湿潤強度を付与することが可能となる。
本請求項に記載の発明は、水溶性高分子を外添する工程の後に、ヤンキードライヤーの一部をほぼ気密に覆うフード内で乾燥を行う工程を有している、請求項1或いは請求項2に記載の水解性シートの製造方法である。
本請求項に記載の発明では、水溶性高分子を外添する工程の後に、ヤンキードライヤーの一部をほぼ気密に覆うフード内で乾燥を行う工程を有していることで、乾燥効率を向上させることができる。
本請求項に記載の発明は、湿紙から40〜200mm離間した位置においてライン幅方向に40〜200mmの間隔で並設された噴射口から、50〜140度の範囲で扇形に水溶性高分子を噴射し、
この扇形がライン幅方向に対して5〜30度の角度をなして交わり、かつ、各噴射口から噴射された水溶性高分子による扇形の面が平行となるようにして、湿紙に対して水溶性高分子を噴射することを特徴とする水解性シートの製造方法である。
噴射口と湿紙の離間距離は、40〜200mmとされていることが好ましい。噴射口と湿紙の離間距離が200mm超過であると抄紙機表面に発生する風圧により粒子が飛散し定着率が下がってしまう。この一方、湿紙と噴射口との離間距離が、40mm未満であると、ライン幅方向において噴射口の塗布圧が不安定になることから、塗布ムラが生じやすい。
調成装置(図示しない)から供給された完成紙料はワイヤーパート(図示しない)で抄造されて湿紙Wとされる。調成装置は、パルプ繊維等の原料を離叩解する装置と、離叩解された原料にサイズ剤、ドライヤー剥離剤、ドライヤー接着剤、染料、乾燥紙力剤、湿潤紙力剤、分散剤等の添加剤を添加する添加装置とを備え、水解性シートの特性に応じた所定濃度の原料からなる紙料を完成紙料として調整するように構成されている。
本実施形態に係る水解性シートの製造方法では、ヤンキードライヤー15上に移行された湿紙Wに対して水溶性高分子を添加するようになっており、水溶性高分子の外添直後に乾燥が行われるため、定着率が良い。その結果、フェルトに対して付着する水溶性高分子の量が減じられるため、フェルトが汚れてしまうことがない。
表1に示す本発明に係る水解性シートの製造方法で製造された実施例1と、その他の水解性シートの製造方法で製造された比較例1〜5とを、図1に示されるダブルフェルト抄紙機によって製造し、CMCの塗布位置を変化させて、紙力及び水解性の測定を行った。なお、測定方法は、次に示すとおりである。
表1中の米坪(g/m2)については、JIS P 8124に基づいて測定した。
表1中の紙厚(μm)については、尾崎製作所製ピーコックにより測定した。測定は1プライにて行った。
表1中の乾燥紙力・縦(cN/25mm)、乾燥紙力・横(cN/25mm)、については、それぞれJIS P 8113に基づいて測定した。湿潤紙力・縦(cN/25mm)、湿潤紙力・横(cN/25mm)、については、それぞれJIS P 8135に基づいて測定した。ここで使用する水には塩化カルシウム8重量%水溶液を用い、付与する水分は原紙重量の170%とした。
表1中の伸び(%)については、JIS P 8113に基づいて測定した。
表1中の水解性(秒)については、JIS P 4501のほぐれやすさの試験に準じて測定した。
表1中の定着剤については、星光PMC製のT−RD126を使用し、紙料の原料調整段階である種箱にて添加した。
表1中のCMCについては、ダイセル化学工業株式会社製のCMCダイセル1330の3重量%水溶液を使用した。
表1中のCMCの塗布位置については、図1に示すA位置、B位置、C位置となっている。A位置はプレスロール(トップロール12及びボトムロール13)の後段であって、且つタッチロール16前段である位置である。B位置は、ヤンキードライヤー15上におけるクリーニングドクター装置18の後段であって、且つタッチロール16の前段である位置である。C位置は、ノズル及びシャワーパイプ20で噴射される位置であり、タッチロール16の後段であって、且つフード19の前段である。
また、抄紙は、毎分250mの速度で行い、クレープ率が15%となるよう調整した。
表2中の米坪(g/m2)については、JIS P 8124に基づいて測定した。
表2中の紙厚(μm)については、尾崎製作所製ピーコックにより測定した。測定は1プライにて行った。
表2中の乾燥紙力・縦(cN/25mm)、乾燥紙力・横(cN/25mm)、については、それぞれJIS P 8113に基づいて測定した。湿潤紙力・縦(cN/25mm)、湿潤紙力・横(cN/25mm)、については、それぞれJIS P 8135に基づいて測定した。ここで使用する水には塩化カルシウム8重量%水溶液を用い、付与する水分は原紙重量の170%とした。
表2中の伸び(%)については、JIS P 8113に基づいて測定した。
表2中の水解性(秒)については、JIS P 4501のほぐれやすさの試験に準じて測定した。
表2中のCMCについては、ダイセル化学工業株式会社製のCMCダイセル1330の3重量%水溶液を使用した。
表2中のCMCの塗布位置については、図1に示すA位置、B位置、C位置となっている。A位置はプレスロール(トップロール12及びボトムロール13)の後段であって、且つタッチロール16前段である位置である。B位置は、ヤンキードライヤー15上におけるクリーニングドクター装置18の後段であって、且つタッチロール16の前段である位置である。C位置は、ノズル及びシャワーパイプ20で噴射される位置であり、タッチロール16の後段であって、且つフード19の前段である。
表2中のK値とは、下の式2によって求められる値であって、このK値が高いほど拭き取り時の強度と水解性の落差が大きく、水解性シートに適する。
式2・・・〔(湿潤紙力縦)×(湿潤紙力横)〕1/2 /(水解性)
(単位:cN/25mm/秒)
また、抄紙は、毎分250mの速度で行い、クレープ率が15%となるよう調整した。
11・・・ボトムフェルト
12・・・トップロール
13・・・ボトムロール
15・・・ヤンキードライヤー
16・・・タッチロール
19・・・フード
20・・・ノズル及びシャワーパイプ
W・・・湿紙
W’・・・乾燥後のウェブ
Claims (4)
- 抄紙網で形成された湿紙をフェルト上に載せて搬送し、その搬送される湿紙をタッチロールを介してヤンキードライヤーに移行させる抄造工程において、
タッチロールを介してヤンキードライヤー上に移行された直後の湿紙に対して、水溶性高分子を外添することを特徴とする水解性シートの製造方法。 - 水溶性高分子が、少なくともカルボキシメチルセルロースを含むものである、請求項1に記載の水解性シートの製造方法。
- 水溶性高分子を外添する工程の後に、ヤンキードライヤーの一部をほぼ気密に覆うフード内で乾燥を行う工程を有している、請求項1或いは請求項2に記載の水解性シートの製造方法。
- 湿紙から40〜200mm離間した位置においてライン幅方向に40〜200mmの間隔で並設された噴射口から、50〜140度の範囲で扇形に水溶性高分子を噴射し、
この扇形がライン幅方向に対して5〜30度の角度をなして交わり、かつ、各噴射口から噴射された水溶性高分子による扇形の面が平行となるようにして、湿紙に対して水溶性高分子を噴射することを特徴とする水解性シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009047373A JP5479757B2 (ja) | 2008-11-28 | 2009-02-27 | 水解性シートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008305706 | 2008-11-28 | ||
JP2008305706 | 2008-11-28 | ||
JP2009047373A JP5479757B2 (ja) | 2008-11-28 | 2009-02-27 | 水解性シートの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010150731A true JP2010150731A (ja) | 2010-07-08 |
JP5479757B2 JP5479757B2 (ja) | 2014-04-23 |
Family
ID=42570112
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009047373A Active JP5479757B2 (ja) | 2008-11-28 | 2009-02-27 | 水解性シートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5479757B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017025452A (ja) * | 2015-07-27 | 2017-02-02 | 大王製紙株式会社 | 水解性シートの製造方法 |
JP2018115417A (ja) * | 2018-03-30 | 2018-07-26 | 大王製紙株式会社 | 水解性シート及び水解性シートの製造方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11513303A (ja) * | 1995-10-05 | 1999-11-16 | ヴァルメット コーポレイション | 移動する紙ウェブ又は厚紙ウェブにコーティングする方法及び装置 |
JP2005089911A (ja) * | 2003-09-18 | 2005-04-07 | Kao Corp | 水解紙の製造方法 |
JP2005320645A (ja) * | 2004-05-06 | 2005-11-17 | Kao Corp | 水解紙の製造方法 |
-
2009
- 2009-02-27 JP JP2009047373A patent/JP5479757B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11513303A (ja) * | 1995-10-05 | 1999-11-16 | ヴァルメット コーポレイション | 移動する紙ウェブ又は厚紙ウェブにコーティングする方法及び装置 |
JP2005089911A (ja) * | 2003-09-18 | 2005-04-07 | Kao Corp | 水解紙の製造方法 |
JP2005320645A (ja) * | 2004-05-06 | 2005-11-17 | Kao Corp | 水解紙の製造方法 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017025452A (ja) * | 2015-07-27 | 2017-02-02 | 大王製紙株式会社 | 水解性シートの製造方法 |
JP2018115417A (ja) * | 2018-03-30 | 2018-07-26 | 大王製紙株式会社 | 水解性シート及び水解性シートの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5479757B2 (ja) | 2014-04-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3594835B2 (ja) | 水解性の清浄用物品及びその製造方法 | |
CN109790688B (zh) | 水解性片材及该水解性片材的制造方法 | |
JP4619188B2 (ja) | 水解紙の製造方法 | |
JP6506860B2 (ja) | 水解性シート及び水解性シートの製造方法 | |
JP2008002017A (ja) | 水解性清掃物品及びその製造方法 | |
JP4703534B2 (ja) | 嵩高紙の製造方法 | |
CN109640776B (zh) | 水解性片材和该水解性片材的制造方法 | |
JP4097583B2 (ja) | 水解紙の製造方法 | |
JP4818063B2 (ja) | 嵩高紙の製造方法 | |
JP4540470B2 (ja) | 水解性清拭物品 | |
JP2008167784A (ja) | 水解性物品の製造方法 | |
JP5479757B2 (ja) | 水解性シートの製造方法 | |
JP5342979B2 (ja) | 水解性シートの製造方法及び拭き取りシートの製造方法 | |
JP4301996B2 (ja) | 水解紙の製造方法 | |
JP4619110B2 (ja) | 水解紙の製造方法及び水解性清拭物品の製造方法 | |
JP4219267B2 (ja) | 水解紙の製造方法及び水解性清掃物品 | |
JP2006002277A (ja) | 水解紙 | |
JP5441490B2 (ja) | 高粘度溶液の塗布方法 | |
WO2013146681A1 (ja) | 不織布および不織布の製造方法 | |
JP2001200459A (ja) | 流水崩壊性を有する清拭用不織布およびその製造方法 | |
JP5755173B2 (ja) | 不織布および不織布の製造方法 | |
JP6162738B2 (ja) | 水解性シートの製造方法 | |
JP6506867B2 (ja) | 水解性シートの製造方法 | |
JP6230570B2 (ja) | 水解性シートの製造方法 | |
JP6545860B2 (ja) | 水解性シート及び水解性シートの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120221 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130206 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130301 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130430 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140117 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140213 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5479757 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |