JP6644016B2 - カンバス洗浄装置 - Google Patents
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例えば、カンバスにおける湿紙が接触する接触面に汚染防止剤を直接供給する供給手段と、供給手段により汚染防止剤が供給されたカンバスの接触面に圧力10MPa以上の高圧水を噴射する高圧水噴射手段と、カンバスの接触面の、高圧水が衝突している部分の近傍を吸引する吸引手段とを具備するカンバス洗浄装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、キャリヤ側カンバスの上方に位置するリターン側カンバス上に、カンバス表面に付着する付着物を掻き取るスクレーパ装置と、そのスクレーパ装置からリターン側カンバスの移動方向の前側に、そのリターン側カンバスの幅方向全体にわたって圧力水を噴射する圧力水噴射装置と、その圧力水噴射装置からリターン側カンバスの移動方向の前側に、そのリターン側カンバスの幅方向全体にわたって水溶性剥離剤を噴霧する剥離剤噴霧装置とを設けた抄紙機におけるドライヤが知られている(例えば、特許文献2参照)。
なお、供給手段と、高圧水噴射手段とを互いに近付ける方法も考えられるが、両者とも十分に大きな装置であり、ドライパート全体の設計上の観点からも、両者を近付けることは困難である。
本発明は、(9)クリーナー部が中空の箱状である上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載のカンバス洗浄装置に存する。
本発明は、(10)クリーナー部からは、高圧水、薬液を含む高圧希釈水又は高圧エアが吹き付けられる上記(9)記載のカンバス洗浄装置に存する。
また、クリーナー部と薬液付与部とが一体となっているため、装置をコンパクトにすることができる。これにより、ドライパート全体の設計上、小さいスペースとなってしまう空間であっても、設置することが可能となる。
また、薬液付与部が、クリーナー部の下流側に設けられているので、クリーナー部でカンバスを洗浄した直後に、薬品付与部で薬液を付与することができる。これにより、カンバスを効果的に洗浄することが可能となる。
また、薬液付与部が極めて軽量となるので、クリーナー部にかかる重量負荷も軽減することができる。
同様に、クリーナー部が、基部に固定された第2支持流通管と、当該第2支持流通管の先端に設けられたクリーナーブラシ部又はクリーナーブレード部とからなる場合、第2支持流通管に第1支持流通管を取り付けることにより、薬液付与部をクリーナー部に簡単に取り付けることができる。
また、クリーナー部が中空の箱状である場合、クリーナー部の何れかに薬液付与部を取り付ければよい。このとき、クリーナー部からは、高圧水、薬液を含む高圧希釈水又は高圧エアが好適に吹き付けられる。
まず、本発明に係るカンバス洗浄装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明に係るカンバス洗浄装置の第1実施形態を模式的に示す概略側面図である。
図1に示すように、第1実施形態に係るカンバス洗浄装置100は、カンバスKの幅方向に延設されたクリーナーレール10と、当該クリーナーレール10に沿って移動可能な基部1と、当該基部1に取り付けられカンバスKを洗浄するためのクリーナー部2aと、当該クリーナー部2aに取り付けられカンバスKに薬液を付与するための薬液付与部3と、を備える。
クリーナー部2aと、薬液付与部3との最短距離H1が10mm未満であると、最短距離H1が上記範囲内にある場合と比較して、薬液付与部3から吹き付けられる薬液が、クリーナー部2aに付着してしまう恐れがあり、クリーナー部2aと、薬液付与部3との最短距離H1が1000mmを超えると、クリーナー部2aと薬液付与部3との間を走行する間に汚れが再付着する恐れがある。また、後述する薬品付与部の第1支持流通管31が長くなり、傾き易くなる等、安定性が失われる。なお、仮に、安定性を保持しようとすると、装置自体が大きくなってしまい、ドライパート全体の設計上、小さいスペースとなってしまう空間に対しては設置できない恐れがある。
また、クリーナーレール10は、カンバスKの両側の外方に設けられた図示しないフレームにより支持されている。
そして、基部1には、クリーナー部2aが取り付け固定されている。
更には、後述するように、クリーナー部2aには薬液付与部3が取り付けられている。
したがって、図示しない駆動源がベルト部を移動させることにより、クリーナー部2a及び薬液付与部3は、基部1を介して、クリーナーレール10に沿って往復移動するようになっている。
このとき、クリーナー部2a及び薬液付与部3は、カンバスKの幅全体に対して吹き付け可能となるように、カンバスKの両端近傍まで移動するようになっている。
基部1の移動速度が0.02m/min未満であると、移動速度が上記範囲内にある場合と比較して、薬液等の吹き付け量が十分でなく、カンバスを十分に洗浄できない場合があり、移動速度が7.3m/minを超えると、移動速度が上記範囲内にある場合と比較して、カンバスKに対して、薬液等を均一に吹き付けることができず、ムラになり易い傾向がある。
ここで、クリーナー部2aは、基部1に固定された逆L字状の第2支持流通管21と、当該第2支持流通管21の先端に設けられたクリーナーノズル部22とからなる。
また、第2支持流通管21の後端には、図示しない第2流通管が連結されている。
クリーナー部2aにおいては、第2流通管を介して、第2支持流通管21の内部を高圧水、薬液を含む高圧希釈水又は高圧エアが流通可能となっている。
そして、クリーナーノズル部22は、第2支持流通管21の内部を流通する高圧水、薬液を含む高圧希釈水又は高圧エアをカンバスKに向けて吹き付けることが可能となっている。
なお、かかる薬液としては、特に限定されないが、例えば、汚染防止剤、剥離剤、洗浄剤が挙げられる。すなわち、上述した高圧希釈水に含まれる薬液と同義である。
これらの中でも、薬液としては、汚染防止剤を用いることが好ましく、汚染防止剤の中でも変性型シリコーンを用いたものであることがより好ましい。この場合、環境負荷が少なく、効果的にカンバスKの汚染を防止することができる。
また、第1支持流通管31の後端には、図示しない第1流通管が連結されている。
クリーナー部2aにおいては、第1流通管を介して、第1支持流通管31の内部を薬液が流通可能となっている。
そして、薬液ノズル部32は、第1支持流通管31の内部を流通する薬液をカンバスKに向けて吹き付けることが可能となっている。
また、薬液付与部3の構造が極めてシンプルであり、且つ軽量であるので、クリーナー部にかかる重量負荷も軽減することができる。
また、クリーナー部2a及び薬液付与部3は、カンバスKの走行方向に対し、直線状に配列されている。このため、クリーナー部2aが洗浄をした部分に対して、直後に、薬液付与部3が薬液を付与することになる。
これらのことにより、カンバス洗浄装置100においては、カンバスKを効果的に洗浄することが可能となる。
散布量が0.02mg/m2未満であると、散布量が上記範囲内にある場合と比較して、薬液の付着量が不足し、汚染を十分に防止できない場合があり、散布量が2.0mg/m2を超えると、散布量が上記範囲内にある場合と比較して、薬液自体の固形分が汚染の原因となる恐れがある。
図2に示すように、カンバス洗浄装置100は、ドライパートDで用いられる。
ドライパートDは、湿紙Wと、当該湿紙Wを加熱乾燥するための複数の円筒状のシリンダD1,D2,D3,D4,D5,D6,D7及びD8(以下「D1〜D8」という。)と、湿紙WをシリンダD1〜D8に押し付けるカンバスK1,K2と、カンバスK1,K2を案内するカンバスロールKRと、乾燥した湿紙Wの平滑性と紙厚を緩やかに調整するブレーカースタックロールBと、乾燥した湿紙Wの平滑性と紙厚を調整するカレンダーロールCと、を備える。
なお、カンバス洗浄装置100は、コンパクトな構造となっているため、ドライパートD全体の設計上、小さいスペースとなってしまう空間であっても、設置することが可能となっている。
カンバスK1上の水量が0.01g/m2未満であると、水量が上記範囲内にある場合と比較して、カンバスK1の汚れを十分に除去できない場合があり、カンバスK1上の水量が70g/m2を超えると、水量が上記範囲内にある場合と比較して、カンバスK1が湿紙Wに再び接した場合に、当該湿紙Wに水跡(色抜け)が形成される恐れがある。
次に、本発明に係るカンバス洗浄装置の第2実施形態について説明する。
図3は、本発明に係るカンバス洗浄装置の第2実施形態を模式的に示す概略側面図である。
図3に示すように、第2実施形態に係るカンバス洗浄装置101は、カンバスKの幅方向に延設されたクリーナーレール10と、当該クリーナーレール10に沿って移動可能な基部1と、当該基部1に取り付けられカンバスKを洗浄するためのクリーナー部2bと、当該クリーナー部2bに取り付けられカンバスKに薬液を付与するための薬液付与部3と、を備える。すなわち、第2実施形態に係るカンバス洗浄装置101は、クリーナー部2bの構造が異なること以外は、第1実施形態に係るカンバス洗浄装置100と同じである。
また、クリーナー部2bには薬液付与部3が取り付けられている。
したがって、クリーナー部2b及び薬液付与部3は、基部1を介して、クリーナーレール10に沿って往復移動するようになっている。
このとき、クリーナー部2b及び薬液付与部3は、カンバスKの幅全体に対して吹き付け可能となるように、カンバスKの両端近傍まで移動するようになっている。
ここで、クリーナー部2bは、基部1に直接固定されており、逆L字状の中空箱状となっている。すなわち、第1実施形態に係るカンバス洗浄装置100の第2支持流通管21は有していない。
また、クリーナー部2bは、その内部が、図示しない第3流通管と連通されている。
クリーナー部2bにおいては、第3流通管を介して、クリーナー部2bの内部を流通する高圧水、薬液を含む高圧希釈水又は高圧エアをカンバスKに向けて吹き付けることが可能となっている。
また、薬液付与部3は、カンバスKの走行方向に対し、クリーナー部2bの下流側に設けられており、クリーナー部2b及び薬液付与部3は、カンバスKの走行方向に対し、直線状に配列されている。
例えば、ベルト部の代わりに、チェーン、ワイヤー、スクリューネジ、油圧・エア圧シリンダ、リニアベアリング等が設けられており、これによりクリーナー部2a及び薬液付与部3を移動させてもよい。
同様に、薬液ノズル部32は、第1支持流通管31の内部を流通する薬液をカンバスKに向けて吹き付けているが、薬液ノズル部32を第1流通管に直接連結し、第1支持流通管31を介さずに、第1流通管を流通する薬液をカンバスKに向けて吹き付けてもよい。
この場合、カンバスKに対して、高圧水、薬液を含む高圧希釈水又は高圧エアを吹き付けて洗浄する代わりに、カンバスKをクリーナーブラシ部やクリーナーブレード部で擦って洗浄することになる。
本発明に係るカンバス洗浄装置100,101によれば、コンパクトでありながら、カンバスKを効果的に洗浄することができる。
10・・・クリーナーレール
100,101・・・カンバス洗浄装置
2a,2b・・・クリーナー部
21・・・第2支持流通管
22・・・クリーナーノズル部
3・・・薬液付与部
31・・・第1支持流通管部
32・・・薬液ノズル部
B・・・ブレーカースタックロール
C・・・カレンダーロール
D・・・ドライパート
D1,D2,D3,D4,D5,D6,D7,D8・・・シリンダ
H1・・・最短距離
K,K1,K2・・・カンバス
KR・・・カンバスロール
W・・・湿紙
Claims (10)
- 抄紙機のカンバスの洗浄に用いられるカンバス洗浄装置であって、
前記カンバスの幅方向に延設されたクリーナーレールと、
該クリーナーレールに沿って移動可能な基部と、
該基部に取り付けられ前記カンバスを洗浄するためのクリーナー部と、
該クリーナー部又は前記基部に取り付けられ前記カンバスに薬液を付与するための薬液付与部と、
を備え、
前記薬液付与部が、前記カンバスの走行方向に対し、前記クリーナー部の下流側に設けられており、
前記クリーナー部及び前記薬液付与部が前記カンバスの走行方向に対し、直線状に配列されているカンバス洗浄装置。 - 前記薬液付与部が、第1支持流通管と、該第1支持流通管の先端に設けられた薬液ノズル部とからなる請求項1記載のカンバス洗浄装置。
- 前記クリーナー部が、前記基部に固定された第2支持流通管と、該第2支持流通管の先端に設けられたクリーナーノズル部とからなり、
前記第2支持流通管に前記第1支持流通管が取り付けられている請求項2記載のカンバス洗浄装置。 - 前記クリーナーノズル部からは、高圧水、薬液を含む高圧希釈水又は高圧エアが吹き付けられる請求項3記載のカンバス洗浄装置。
- 前記クリーナー部が、前記基部に固定された第2支持流通管と、該第2支持流通管の先端に設けられたクリーナーブラシ部又はクリーナーブレード部とからなり、前記第2支持流通管に前記第1支持流通管が取り付けられている請求項2記載のカンバス洗浄装置。
- 抄紙機のカンバスの洗浄に用いられるカンバス洗浄装置であって、
前記カンバスの幅方向に延設されたクリーナーレールと、
該クリーナーレールに沿って移動可能な基部と、
該基部に取り付けられ前記カンバスを洗浄するためのクリーナー部と、
該クリーナー部又は前記基部に取り付けられ前記カンバスに薬液を付与するための薬液付与部と、
を備え、
前記薬液付与部が、前記カンバスの走行方向に対し、前記クリーナー部の下流側に設けられており、
前記薬液付与部が、第1支持流通管と、該第1支持流通管の先端に設けられた薬液ノズル部とからなり、
前記クリーナー部が、前記基部に固定された第2支持流通管と、該第2支持流通管の先端に設けられたクリーナーノズル部とからなり、
前記第2支持流通管に前記第1支持流通管が取り付けられているカンバス洗浄装置。 - 前記クリーナーノズル部からは、高圧水、薬液を含む高圧希釈水又は高圧エアが吹き付けられる請求項6記載のカンバス洗浄装置。
- 抄紙機のカンバスの洗浄に用いられるカンバス洗浄装置であって、
前記カンバスの幅方向に延設されたクリーナーレールと、
該クリーナーレールに沿って移動可能な基部と、
該基部に取り付けられ前記カンバスを洗浄するためのクリーナー部と、
該クリーナー部又は前記基部に取り付けられ前記カンバスに薬液を付与するための薬液付与部と、
を備え、
前記薬液付与部が、前記カンバスの走行方向に対し、前記クリーナー部の下流側に設けられており、
前記薬液付与部が、第1支持流通管と、該第1支持流通管の先端に設けられた薬液ノズル部とからなり、
前記クリーナー部が、前記基部に固定された第2支持流通管と、該第2支持流通管の先端に設けられたクリーナーブラシ部又はクリーナーブレード部とからなり、前記第2支持流通管に前記第1支持流通管が取り付けられているカンバス洗浄装置。 - 前記クリーナー部が中空の箱状である請求項1〜8のいずれか1項に記載のカンバス洗
浄装置。 - 前記クリーナー部からは、高圧水、薬液を含む高圧希釈水又は高圧エアが吹き付けられ
る請求項9記載のカンバス洗浄装置。
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