JP6534785B1 - カンバス洗浄装置、カンバスの洗浄方法及びカンバス洗浄機構 - Google Patents

カンバス洗浄装置、カンバスの洗浄方法及びカンバス洗浄機構 Download PDF

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Abstract

【課題】汚れの再付着を極力防止し、且つ、カンバスを効率良くに洗浄することができるカンバス洗浄装置を提供すること。【解決手段】本発明は、カンバスK1の幅方向に延びるレール部1に沿って摺動可能な基部11と、該基部11に取り付けられた直線状に延びる円筒状のコーン部13と、該コーン部13に内設された高圧水吹付装置13aと、基部11から下流側に延設されたアーム部15と、該アーム部15の先端に取り付けられたノズル装置16と、を備え、コーン部13内において高圧水吹付装置13aからカンバスK1に高圧水が吹き付けられるカンバス洗浄装置100である。【選択図】図3

Description

本発明は、カンバスの洗浄装置、カンバスの洗浄方法及びカンバス洗浄機構に関し、更に詳しくは、抄紙機のカンバスを搬送させながら洗浄するためのカンバス洗浄装置、カンバス洗浄装置を用いたカンバスの洗浄方法及びカンバス洗浄装置を備えるカンバス洗浄機構に関する。
紙を製造するための抄紙機は、一般に水中にパルプが分散された液を抄紙用の網(ワイヤー)に載せ、余分な水を自然落下させることにより湿紙とするワイヤーパートと、湿紙を一対のプレスロール間に通し、フェルトを介してプレスロールで押圧することにより、湿紙中の水分をフェルトに移行させ、これにより湿紙を脱水するプレスパートと、プレスパートを通過した湿紙を、カンバスを介して、加熱されたドライヤーロールに接触させることで乾燥させ、紙とするドライヤーパートと、紙をスプールと呼ばれる棒に巻き取るリールパートと、を有する。
ドライヤーパートにおいては、湿紙を、加熱された複数のドライヤーロールの表面に巻き付けるようにして搬送することにより、当該湿紙の乾燥が行われる。このとき、湿紙をその外側からドライヤーロールの表面に押し付けるために、いわゆるカンバスが用いられる。すなわち、各ドライヤーロール間において、カンバスは、湿紙に当接された状態で、湿紙と共に搬送されることになる。
ところで、カンバスは、上述したように、湿紙に当接されるため、その表面に湿紙に含まれる紙粉等が転移することにより汚染する恐れがある。そして、カンバスが汚染した状態で、使用を継続した場合には、カンバスの汚染が後続の湿紙に転移してしまい、紙の製造歩留まりを著しく低下させる原因となる。
これに対し、カンバスを洗浄するための洗浄装置が開発されている。
例えば、カンバスにおける湿紙が接触する接触面に汚染防止剤を直接供給する供給手段と、供給手段により汚染防止剤が供給されたカンバスの接触面に圧力10MPa以上の高圧水を噴射する高圧水噴射手段と、カンバスの接触面の、高圧水が衝突している部分の近傍を吸引する吸引手段とを具備するカンバス洗浄装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、キャリヤ側カンバスの上方に位置するリターン側カンバス上に、カンバス表面に付着する付着物を掻き取るスクレーパ装置と、そのスクレーパ装置からリターン側カンバスの移動方向の前側に、そのリターン側カンバスの幅方向全体にわたって圧力水を噴射する圧力水噴射装置と、その圧力水噴射装置からリターン側カンバスの移動方向の前側に、そのリターン側カンバスの幅方向全体にわたって水溶性剥離剤を噴霧する剥離剤噴霧装置とを設けた抄紙機におけるドライヤが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−7897号公報 特許第4918024号公報
しかしながら、上記特許文献1記載のカンバス洗浄装置においては、汚染防止剤を供給する供給手段と、高圧水噴射手段とを有しているが、両者は別体であり、且つ、一定の距離をおいて設けられているため、両者間を搬送する間に、汚れが再付着する恐れがある。すなわち、仮に、高圧水噴射手段でピッチや紙粉等の汚れをカンバスから剥離させたとしても、搬送中に、カンバスがドライヤによって加熱乾燥されることによって、ピッチや紙粉等の汚れが固化して、カンバスに再付着する恐れがある。なお、供給手段と、高圧水噴射手段とを互いに近付ける方法も考えられるが、両者とも十分に大きな装置であり、ドライパート全体の設計上の観点からも、両者を近付けることは困難である。
上記特許文献2記載のドライヤにおいては、圧力水噴射装置と、剥離剤噴霧装置とを有しているが、上述したことと同様に、両者間を搬送する際にピッチや紙粉等の汚れがカンバスに再付着する恐れがあり、両者を近付けることも困難である。
また、上記特許文献1のカンバス洗浄装置及び上記特許文献2記載のドライヤのいずれにおいても、洗浄効率が優れるとは言えない。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、汚れの再付着を極力防止し、且つ、カンバスを効率良くに洗浄することができるカンバス洗浄装置、カンバス洗浄装置を用いたカンバスの洗浄方法及びカンバス洗浄装置を備えるカンバス洗浄機構を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、基部に取り付けられ高圧水吹付装置が内設されたコーン部と、基部に延設されたアーム部を介して取り付けられたノズル装置と、を搬送方向に沿って直線状に配列し、基部をレール部に沿って摺動可能とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、(1)抄紙機のカンバスを搬送させながら洗浄するためのカンバス洗浄装置であって、カンバスの幅方向に延びるレール部に沿って摺動可能な基部と、該基部に取り付けられた直線状に延びるコーン部と、該コーン部に内設されカンバスに高圧水を吹き付けるための高圧水吹付装置と、基部から下流側に延設されたアーム部と、該アーム部の先端に取り付けられカンバスに薬液を吹き付けるためのノズル装置と、を備え、コーン部とノズル装置とが搬送方向に沿って直線状に配列され、且つ、ノズル装置がコーン部よりも下流側に位置しており、コーン部内において高圧水吹付装置からカンバスに高圧水が吹き付けられるカンバス洗浄装置に存する。
本発明は、(2)コーン部が、カンバスを案内する案内ロールに対して、カンバスを介した対向する位置に設けられており、カンバスが案内ロールから離れる接点部から、ノズル装置がカンバスに薬液を吹き付ける位置までの距離が200〜1000mmである上記(1)記載のカンバス洗浄装置に存する。
本発明は、(3)ノズル装置が、薬液を吹き付けるための薬液ノズル部と、該薬液ノズル部を挟むように設けられた一対のエアノズル部と、を有し、薬液ノズル部と一対のエアノズル部とが、搬送方向に沿って直線状に配列されている上記(1)又は(2)に記載のカンバス洗浄装置に存する。
本発明は、(4)薬液が、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、ポリブテン、植物油及び合成エステルオイルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する汚染防止剤組成物であり、薬液のゼータ電位の絶対値が3〜100mVである上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のカンバス洗浄装置に存する。
本発明は、(5)コーン部内を負圧にするための負圧発生装置を更に備え、コーン部内において高圧水吹付装置からカンバスに高圧水が吹き付けられると共に、該高圧水が負圧発生装置により吸引される上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のカンバス洗浄装置に存する。
本発明は、(6)基部、アーム部又はコーン部に取り付けられた補助アーム部と、該補助アーム部の先端に取り付けられカンバスにエアを吹き付けるためのエアナイフと、を更に備え、コーン部とエアナイフとノズル装置とが搬送方向に沿って直線状に配列され、且つ、エアナイフがコーン部とノズル装置との間に位置している上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載のカンバス洗浄装置に存する。
本発明は、(7)基部、アーム部又はコーン部に取り付けられた補助アーム部と、該補助アーム部の先端に取り付けられカンバスにエアを吹き付けるためのエアナイフと、コーン部内を負圧にするための負圧発生装置と、を更に備え、コーン部とエアナイフとノズル装置とが搬送方向に沿って直線状に配列され、且つ、エアナイフがコーン部とノズル装置との間に位置しており、コーン部内において高圧水吹付装置からカンバスに高圧水が吹き付けられると共に、該高圧水が負圧発生装置により吸引される上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載のカンバス洗浄装置に存する。
本発明は、(8)コーン部の長手方向に垂直な断面における幅方向の直径Wdが0.04〜0.5mであり、ノズル装置が瞬間的に吹き付ける薬液のカンバスにおける薬液吹き付け幅Wcが0.015〜0.2mであり、直径Wd及び薬液吹き付け幅Wcが、
Wc≦Wd
の関係を満たす上記(6)又は(7)に記載のカンバス洗浄装置に存する。
本発明は、(9)上記(5)又は(7)に記載のカンバス洗浄装置を用いたカンバスの洗浄方法であって、高圧水吹付装置による高圧水の供給水量Qwを500〜5000ml/minとし、負圧発生装置による高圧水の回収量Qaを200〜4850ml/minとし、ノズル装置による薬液の付与量Qcを有効成分量として150〜20000mg/minとし、供給水量Qw、回収量Qa及び付与量Qcが、
(Qw−Qa)/Qc≦25
の関係を満たすカンバスの洗浄方法に存する。
本発明は、(10)上記(7)記載のカンバス洗浄装置を用いたカンバスの洗浄方法であって、高圧水吹付装置による高圧水の供給水量Qwを500〜5000ml/minとし、負圧発生装置による高圧水の回収量Qaを200〜4850ml/minとし、エアナイフにより除去される水量Qnを200〜1455ml/minとし、ノズル装置による薬液の付与量Qcを有効成分量として150〜20000mg/minとし、供給水量Qw、回収量Qa、除去される水量Qn及び付与量Qcが、
(Qw−Qa)/Qc≦25
(Qw−Qa−Qn)/Qc≦15
の関係を満たすカンバスの洗浄方法に存する。
本発明は、(11)コーン部の長手方向に垂直な断面における幅方向の直径Wdが0.04〜0.5mであり、該直径Wdと、カンバスが一回転するまでに基部が摺動する距離Wとが、
0.01Wd≦W≦3Wd
の関係を満たす上記(9)又は(10)に記載のカンバスの洗浄方法に存する。
本発明は、(12)上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載のカンバス洗浄装置と、カンバスを案内する案内ロールから落下する水を回収するための回収箱と、を備え、回収箱が、カンバスの幅方向に延びる、上面が開口した箱状であり、カンバス洗浄装置のコーン部が、案内ロールに対して、該カンバスを介した対向する位置に設けられ、回収箱が、案内ロールの下方に設けられるカンバス洗浄機構に存する。
本発明のカンバス洗浄装置においては、コーン部と、当該コーン部に内設された高圧水吹付装置を備えるので、コーン部に囲まれた領域で、高圧水吹付装置がカンバスに高圧水を吹き付けてカンバスに含まれるピッチや紙粉等の汚れを弾き出すことができる。これにより、カンバスに付着したピッチや紙粉等の汚れを除去することができる。
このとき、コーン部は、基部から下方に直線状に延設された構造となっており、汚れや水分の吸引をスムーズに効率良く行うことができる。
これに加え、本発明のカンバス洗浄装置においては、コーン部の下流側に搬送方向に直線状に配列されたノズル装置を更に備えるので、コーン部を通過することにより汚れ及び水分を除去した状態のカンバスに、薬液を付与することができる。これにより、薬液に基づく効果を十分に発揮することが可能となる。
このとき、コーン部とノズル装置との間の距離を十分に狭くすることができるので、汚れの再付着を極力防止することができる。
また、カンバス洗浄装置においては、コーン部及びノズル装置が取り付けられた基部をレール部に沿って摺動可能とすることにより、カンバス洗浄装置は、移動しながら高圧水や薬液をカンバスに付与することが可能となる。これにより、カンバス全体を洗浄できると共に、カンバス洗浄装置自体をコンパクトなものとすることができる。
本発明のカンバス洗浄装置においては、コーン部を、カンバスを案内する案内ロールに対して、カンバスを介した対向する位置に設けることにより、高圧水吹付装置により吹き付けられる高圧水が、カンバスを通過してしまうことを抑制することができる。
また、カンバスが、案内ロールから離れる接点部から、ノズル装置がカンバスに薬液を吹き付ける位置までの距離を上記範囲内とすることにより、汚れの再付着を十分に防止することができる。
本発明のカンバス洗浄装置においては、ノズル装置が、薬液を吹き付けるための薬液ノズル部と、該薬液ノズル部を挟むように設けられた一対のエアノズル部と、を有することにより、薬液ノズル部から吹き付けられる薬液がエアノズル部から吹き付けられるエアに挟まれる状態で飛翔するので、薬液の飛散を防止することができる。これにより、薬液を効率良くカンバスに吹き付けることが可能となる。
本発明のカンバス洗浄装置においては、薬液が、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、ポリブテン、植物油及び合成エステルオイルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する汚染防止剤組成物である場合、湿紙に含まれる紙粉やピッチがカンバスに付着することを抑制することができる。
このとき、薬液のゼータ電位の絶対値が3〜100mVであると、薬液がカンバスに付着し易くなるため、カンバスの表面により十分な量の薬液を残存させることが可能となる。
本発明のカンバス洗浄装置においては、コーン部内を負圧にするための負圧発生装置を更に備えるので、コーン部に囲まれた領域で、高圧水吹付装置がカンバスに高圧水を吹き付けてカンバスに含まれるピッチや紙粉等の汚れを弾き出すと共に、負圧発生装置によりこれらを一挙に吸引することができる。これにより、コーン部内においてカンバスに残存する高圧水の量を極力少なくすることができる。
本発明のカンバス洗浄装置においては、カンバスにエアを吹き付けるためのエアナイフを更に備えることにより、カンバスに含まれる水分を十分に吹き飛ばすことができる。
ここで、エアナイフは、コーン部とノズル装置との間に直線状となるように配置することが好ましい。この場合、カンバスに残存する水分(高圧水)をエアナイフが吹き飛ばすため、その後、ノズル装置により吹き付けられる薬液がカンバスにより付着し易くなる。
このとき、コーン部の長手方向に垂直な断面における幅方向の直径Wd、及び、ノズル装置が瞬間的に吹き付ける薬液のカンバスにおける薬液吹き付け幅Wcを上記範囲内とし、直径Wd及び薬液吹き付け幅Wcが、
Wc≦Wd
の関係を満たすようにすることで、汚れ及び水分をより十分に除去した状態のカンバスに、薬液を付与することができる。
本発明のカンバスの洗浄方法においては、高圧水吹付装置による高圧水の供給水量Qw、負圧発生装置による高圧水の回収量Qa、及び、ノズル装置による薬液の付与量Qcを上記範囲内とし、供給水量Qw、回収量Qa及び付与量Qcが、
(Qw−Qa)/Qc≦25
の関係を満たすようにすることで、薬液に基づく効果を十分に発揮させることが可能となる。
また、これに加え、供給水量Qw、回収量Qa、除去される水量Qn及び付与量Qcが、
(Qw−Qa−Qn)/Qc≦15
の関係を満たすようにすることで、薬液に基づく効果を十分に発揮させることが可能となる。
本発明のカンバスの洗浄方法においては、コーン部の長手方向に垂直な断面における幅方向の直径Wdを上記範囲内とし、直径Wdと、カンバスが一回転するまでに基部が摺動する距離Wとが、
0.01Wd≦W≦3Wd
の関係を満たすようにすることで、カンバスに対して隙間が生じないように、コーン部を摺動させることができる。すなわち、高圧水吹付装置による高圧水の吹き付けと負圧発生装置による吸引とを、カンバス全体に対して均一に施すことが可能となる。
本発明のカンバス洗浄機構においては、カンバス洗浄装置を備えるので上述したような効果を奏することができると共に、回収箱を備えるので、案内ロールから落下する水が、湿紙や他の部位に付着することを防止することができる。
図1は、本発明に係るカンバス洗浄装置を設置したドライパートを示す概略図である。 図2は、本実施形態に係るカンバス洗浄装置を示す正面図である。 図3は、本実施形態に係るカンバス洗浄装置を示す側面図である。 図4は、本実施形態に係るカンバス洗浄装置をカンバス側から見た下面図である。 図5は、本実施形態に係るカンバス洗浄装置におけるコーン部を示す透過斜視図である。 図6(a)は、本実施形態に係るカンバス洗浄装置における高圧水吹付装置を示す斜視図であり、図6(b)は、高圧水吹付装置を長さ方向に沿って縦に切断した断面図である。 図7は、本実施形態に係るカンバス洗浄装置のエアナイフを該エアナイフの面方向に切断した分解図である。 図8(a)は、本実施形態に係るカンバス洗浄装置のノズル装置を示す側面図であり、図8(b)は、図8(a)の上面図であり、図8(c)は、図8(a)のX−X線で切断した断面図である。 図9(a)及び図9(b)は、本実施形態に係るカンバス洗浄装置においてコーン部の幅方向の直径とカンバス洗浄装置が摺動する距離との関係を説明するためのカンバス1周分の展開図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本発明に係るカンバス洗浄装置は、抄紙機のドライヤーパートにおけるカンバスを搬送させながら洗浄するための装置である。
図1は、本発明に係るカンバス洗浄装置を設置したドライパートを示す概略図である。
図1に示すように、抄紙機のドライパートDPは、湿紙Xを加熱乾燥しながら案内する複数の円筒状のドライヤーロール(ヤンキードライヤー)D1,D2,D3,D4,D5,D6,D7及びD8(以下「D1〜D8」という。)と、湿紙XをドライヤーロールD1〜D8に押し付けながら搬送する上側のカンバスK1及び下側のカンバスK2と、各カンバスK1,K2を案内する案内ロールKRと、ドライヤーロールD1〜D8により加熱乾燥された湿紙Xを仮押圧しながら回転するブレーカースタックロールBと、ブレーカースタックロールBにより仮押圧された湿紙Xを押圧しながら回転するカレンダーロールCとを備える。すなわち、ドライパートDPは、ドライヤーロールD1〜D8、カンバスK1,K2、ブレーカースタックロールB及びカレンダーロールCを備えている。
なお、案内ロールKRの下方には、回収箱21が設けられているが、かかる回収箱21については後述する。
ドライパートDPにおいては、回転するドライヤーロールD1〜D8の表面に湿紙XがカンバスK1,K2により圧接される。これにより、湿紙XがドライヤーロールD1〜D8に付着し、同時に加熱乾燥されるようになっている。なお、湿紙Xは、その後、ブレーカースタックロールB及びカレンダーロールCにより押圧され、高密度化されると共に、平滑性及び紙厚が調整される。
ドライパートDPにおいて、カンバスK1は、上述したように、湿紙Xを押圧しながら、湿紙Xと共に搬送される。そして、湿紙Xが後端のドライヤーロールD8を通過した後、案内ロールKRにより前端のドライヤーロールD2にまで案内され、再び後続の湿紙Xを押圧するようになっている。すなわち、カンバスK1は、案内ロールKRに案内されたループ状となっており、連続して回転するようになっている。なお、カンバスK2についても、カンバスK1と同様にして回転するようになっている。
カンバス洗浄装置100は、カンバスK1が湿紙Xから分離されて折り返して搬送される際のカンバスK1の湿紙Xと接する面側(図1でいうカンバスK1の上方)であり、且つ、案内ロールKRに対向する位置に設置される。具体的には、カンバス洗浄装置100のコーン部が、カンバスK1を案内する案内ロールKRに対して、カンバスK1を介した対向する位置に設けられている。
このように、カンバス洗浄装置100を、案内ロールKRに対向する位置に配置することにより、高圧水吹付装置により吹き付けられる高圧水が、カンバスK1を通過してしまうことを抑制することができる。
このとき、カンバス洗浄装置100により高圧水が吹き付けられるカンバスK1の位置から、紙に接し始めるカンバスK1の位置までのカンバスK1の搬送方向におけるカンバスK1の長さが5m以内であることが好ましい。これにより、カンバスに新たな汚れが付着する確率を極端に低下させることができる。
図2は、本実施形態に係るカンバス洗浄装置を示す正面図である。
図2に示すように、カンバス洗浄装置100は、その基部がカンバス(図示しない)の幅方向(カンバス面においてカンバスの搬送方向に垂直な方向)に延びるレール部1(以下便宜的に「第1レール部1」という。)に沿って摺動可能となっている。すなわち、カンバス洗浄装置100は、カンバスの幅方向に移動しながら、搬送されるカンバスを洗浄するようになっている。これにより、カンバス全体を洗浄することができる。
レール部1は、ビーム部10に取り付けられており、ビーム部10は、カンバスの搬送を妨げないように、両端がフレーム(図示しない)に支持されている。
ビーム部10は、中空直方体状であり、エアが流通するチューブ(図示しない)、水が流通するチューブ(図示しない)及び薬液が流通するチューブ(図示しない)が内在している。すなわち、これらのチューブを介して、後述する高圧水吹付装置、ノズル装置、エアナイフ等に、それぞれに対応するエア、水及び薬液が供給される。
また、カンバス洗浄装置100は、カンバスの幅方向に延びるセーブオール部20に取り付けられたレール部2(以下便宜的に「第2レール部2」という。)に沿っても摺動可能となっている。なお、これらの詳細については後述する。
セーブオール部20は、カンバスの搬送を妨げないように、ビーム部10に支持されている。なお、ビーム部10とセーブオール部20とは互いに平行状となるように配置されている。
セーブオール部20は、中空直方体状であり、後述する負圧発生装置で吸引した水分を回収することが可能となっている。これにより、カンバス洗浄装置100は、水分の回収効率にも優れるものとなる。
図3は、本実施形態に係るカンバス洗浄装置を示す側面図であり、図4は、本実施形態に係るカンバス洗浄装置をカンバス側から見た下面図である。
図3に示すように、カンバス洗浄装置100は、ビーム部10の下面の第1レール部1及びセーブオール部20の側面の第2レール部2に対して摺動可能となるように取り付けられた基部11と、該基部11に取り付けられたコーン部13と、該コーン部13に内設された高圧水吹付装置13aと、該コーン部13内を負圧にするための負圧発生装置13bと、基部11から下流側に延設されたアーム部15と、該アーム部15の先端に取り付けられたノズル装置16と、コーン部13に取り付けられた補助アーム部17と、該補助アーム部17の先端に取り付けられたエアナイフ18と、を備える。
このように、カンバス洗浄装置100においては、少なくともコーン部13及びノズル装置16が基部11を介して一体となっているので、カンバス洗浄装置100自体をコンパクトなものとすることができる。
したがって、ドライパートDP全体の設計上、小さいスペースとなってしまう空間であっても、設置することが可能となっている。
また、コーン部13とノズル装置16との間の距離を任意で狭くすることができるので、コーン部13とノズル装置16との間でカンバスK1に汚れが再付着することを極力防止することができる。
図4に示すように、カンバス洗浄装置100においては、コーン部13とエアナイフ18とノズル装置16とが搬送方向に直線状に配列され、上流側から下流側に、コーン部13、エアナイフ18、ノズル装置16の順で配列されている。
なお、本明細書において、上流側とはカンバスが搬送される方向に対しての上流側を意味し、下流側とはカンバスが搬送される方向に対しての下流側を意味する。
図3に戻り、カンバス洗浄装置100において、コーン部13は、カンバスK1に対し、コーン部13に囲まれた領域で、高圧水吹付装置13aがカンバスK1に高圧水を吹き付けてカンバスK1に含まれるピッチや紙粉等の汚れ(以下単に「汚れ」ともいう。)を弾き出すと共に、負圧発生装置13bによりこれらを一挙に吸引することが可能となっている。これにより、カンバスK1に付着した汚れが除去される。なお、カンバス洗浄装置100は、上述したように、第1レール部1に沿ってカンバスK1の幅方向に移動するので、結果として、カンバスK1全体に対し、汚れの除去が施される。
コーン部13により汚れが除去されたカンバスK1は、更に下流側に搬送されると、次に、エアナイフ18によりエアが吹き付けられる。これにより、コーン部13で水分を十分に除去できなかった場合であっても、カンバスK1に含まれる水分を十分に吹き飛ばすことが可能となる。
エアナイフ18により水分が十分に除去されたカンバスK1は、更に下流側に搬送されると、次に、ノズル装置16により薬液が吹き付けられる。すなわち、コーン部13により汚れが除去され、エアナイフ18により水分が除去された状態のカンバスK1に、薬液が付与される。これにより、薬液がカンバスK1により付着し易くなるため、薬液に基づく効果を十分に発揮させることが可能となる。
薬液が付与されたカンバスK1は、その後、図1に示すように、前端のドライヤーロールD2から湿紙Xを押し付けながら該湿紙Xと共に搬送される。このとき、カンバスK1には、湿紙Xに含まれる水分が転移すると共に、汚れが付着する場合もある。
そして、後端のドライヤーロールD8からは、カンバスK1は、案内ロールKRにより案内され、再び、カンバス洗浄装置100により洗浄が行われる。
カンバス洗浄装置100において、基部11は、ビーム部10の下面の第1レール部1に摺動可能に取り付けられた第1スライド部11aと、セーブオール部20の下流側側面の第2レール部2に摺動可能に取り付けられた第2スライド部11bと、第1スライド部11a及び第2スライド部11bを連結するブラケット11cとからなる。すなわち、基部11は、第1スライド部11a、第2スライド部11b及びブラケット11cが一体となっており、平行状に配置された第1レール部1及び第2レール部2の長手方向(幅方向)に沿って往復移動可能となっている。
カンバス洗浄装置100においては、基部11の第2スライド部11bに、コーン部13が取り付けられている。
図5は、本実施形態に係るカンバス洗浄装置におけるコーン部を示す透過斜視図である。なお、カンバスK1及び案内ロールKRの記載は省略する。
図5に示すように、コーン部13は、円筒状であり、基部11の第2スライド部11bから斜め下方に直線状に延びた構造となっている。このように、コーン部13は直線状となっているので、水分や汚れをスムーズに吸引することができる。ちなみに、コーン部13が、折れ曲がった構造となっている場合、水分や汚れがコーン部内の折れ曲がった部分に蓄積される場合がある。
コーン部13は、その下側がその上側よりも下流側に位置し、且つ、カンバスK1の搬送方向に沿うようにカンバスK1面に対して傾斜している。このため、カンバスK1の搬送に付随する随伴流の影響を極力軽減することができる。
このとき、カンバスK1の搬送方向とコーン部の長手方向とのなす角度θ1は30〜80°であることが好ましい。角度θ1が30°未満であると、角度θ1が上記範囲内にある場合と比較して、カンバスK1表面の水分や汚れを吸引し難くなる欠点があり、角度θ1が80°を超えると、角度θ1が上記範囲内にある場合と比較して、随伴流の影響を受けやすく、コーン部13が安定しないという欠点がある。
コーン部13は、その内部に、カンバスK1に高圧水を吹き付けるための高圧水吹付装置13aが内設されている。
高圧水吹付装置13aは、コーン部13内において、カンバスK1に向けて、直接高圧水を吹き付けるための装置である。
このとき、高圧水吹付装置13aにおいては、下流側から上流側の方向に、高圧水が吹き付けられる。これにより、カンバスK1に付着した汚れを効率良く弾き出すことができる。
具体的には、高圧水の吹付け方向と、カンバスK1の搬送方向とのなす角度θ2は90〜150°であることが好ましい。角度θ2が90°未満であると、角度θ2が上記範囲内にある場合と比較して、カンバスK1に付着した汚れが、高圧水に押されて、カンバスK1の内部に潜り込む恐れがあり、角度θ2が150°を超えると、角度θ2が上記範囲内にある場合と比較して、高圧水のみが跳ね返り、汚れが弾き出されない恐れがある。
図6(a)は、本実施形態に係るカンバス洗浄装置における高圧水吹付装置を示す斜視図であり、図6(b)は、高圧水吹付装置を長さ方向に沿って縦に切断した断面図である。
図6(b)に示すように、高圧水吹付装置13aは、複数の高圧水ノズル13a1を有している。
高圧水吹付装置13aは、高圧水ノズル13a1を5個有している。
なお、高圧水吹付装置13aにおける高圧水ノズル13a1の数Nnは、2〜7個であることが好ましい。高圧水ノズル13a1の数Nnが2個未満であると、高圧水ノズル13a1の数が上記範囲内にある場合と比較して、洗浄できる幅が小さくなり、高圧水の吹付け効率が悪くなる欠点があり、高圧水ノズル13a1の数Nnが7個を超えると、高圧水ノズル13a1の数が上記範囲内にある場合と比較して、装置が大きくなると共に、各高圧水ノズル13a1から吹き付けられる高圧水のインパクト力が不均一となり易い欠点がある。
高圧水ノズル13a1のオリフィス径φnは、0.1〜0.2mmであることが好ましい。オリフィス径φnが0.1mm未満であると、オリフィス径φnが上記範囲内にある場合と比較して、洗浄できる幅が小さくなり、高圧水の吹付け効率が悪くなる欠点があり、オリフィス径φnが0.2mmを超えると、オリフィス径φnが上記範囲内にある場合と比較して、高圧水ノズル13a1から吹き付けられる高圧水のインパクト力が弱くなる欠点がある。
図5に戻り、コーン部13は、その内部の高圧水吹付装置13aよりも上側に、コーン部13内を負圧にするための負圧発生装置13bが内設されている。
負圧発生装置13bにおいては、バキューム用エアをコンプレッサーにより矢印Aの方向に送流すると共に、流れの断面積を変化させることにより、それよりも下側のコーン部13内を負圧にしている(ベンチュリー効果)。これにより、高圧水吹付装置13aから吹き付けられた高圧水と、該高圧水により弾き出された汚れとが吸引されることになる。なお、吸引された高圧水及び汚れは、上述したセーブオール部20を介して回収される。
コーン部13は、その下側の端部131がカンバスK1と平行状となるように、切り欠かれた構造となっている。これにより、コーン部13の下側の端部131をカンバスK1に極力近付けることができるので、カンバスK1表面からの水分や汚れの吸引を効率良く行うことができる。
また、上述したように、コーン部はカンバスK1に対して傾斜して配置されているので、コーン部13の端部131における開口部の面積を極力大きくすることができる。
カンバス洗浄装置100において、コーン部13の端部の開口部において、コーン部13の長手方向に垂直な断面における幅方向の直径Wd(図4参照)は、0.04〜0.5であることが好ましく、0.04〜0.07mであることがより好ましい。直径Wdが0.04m未満であると、直径Wdが上記範囲内にある場合と比較して、洗浄できる幅が小さくなるため、洗浄効率が悪くなる欠点があり、直径Wdが0.3mを超えると、直径Wdが上記範囲内にある場合と比較して、負圧発生装置13bによる水分や汚れの吸引力が不十分となる欠点がある。
図3に戻り、カンバス洗浄装置100においては、コーン部13から下流側に延びる補助アーム部17が、当該コーン部13に取り付けられている。
そして、補助アーム部17の先端には、カンバスK1にエアを吹き付けるためのエアナイフ18が取り付けられている。
エアナイフ18においては、上流側から下流側の方向に、エアが吹き付けられる。これにより、カンバスK1に含まれる水分を効率良く除去することができる。
具体的には、エアの吹付け方向と、カンバスK1の搬送方向とのなす角度θ3は60〜90°であることが好ましい。角度θ3が60°未満であると、角度θ3が上記範囲内にある場合と比較して、エアがカンバスK1に到達するのを随伴流が妨げることにより、カンバスK1に含まれる水分を十分に除去できない場合があり、角度θ3が90°を超えると、角度θ3が上記範囲内にある場合と比較して、吹き飛ばした汚れや水分がエアナイフ18やコーン部13の外側に付着する恐れがある。なお、汚れの付着が蓄積されると、それが脱落してカンバスに付着する恐れがある。
カンバス洗浄装置100においては、カンバスK1とエアナイフ18の先端との最短距離Hが10〜20mmであることが好ましい。最短距離Hが10mm未満であると、最短距離Hが上記範囲内にある場合と比較して、吹き飛ばした汚れや水分がエアナイフ18やコーン部13の外側に付着する恐れがあり、最短距離Hが20mmを超えると、最短距離Hが上記範囲内にある場合と比較して、吹き付けられるエアがカンバスK1に到達する前に、随伴流によって妨げられる恐れがある。
カンバス洗浄装置100において、エアナイフ18は、エアナイフ18からのエアの吹付け方向の延長線上に案内ロールKRが無い位置に配置される。すなわち、エアナイフ18からのエアの吹付け方向の延長線が案内ロールKRと重ならないようにするため、補助アーム部17の長さやエアナイフ18からのエアの吹付け方向が調整される。これにより、エアがカンバスK1を通過するため、カンバスK1の水分をより効率良く吹き飛ばすことができる。
図7は、本実施形態に係るカンバス洗浄装置のエアナイフを該エアナイフの面方向に切断した分解図である。
図7に示すように、エアナイフ18は、エアを吹き付け可能な吹き付けノズル18a1と、エアが噴出される複数のスリット18a2とを有している。
そして、吹き付けノズル18a1からから開口部側のスリット18a2に向かって流路が幅広となっている。このため、エアナイフ18は、カンバスK1に対し、幅広くエアを吹き付けることが可能となっている。
カンバス洗浄装置100において、エアナイフ18が瞬間的に吹き付けるエアのカンバスK1におけるエア吹付け幅Wa(図4参照)は、コーン部の長手方向に垂直な断面における幅方向の直径Wdに対して、
Wd≦Wa
の関係を満たすことが好ましい。この場合、コーン部13による洗浄後、カンバスに残留した水分を確実に吹き飛ばすことができる。
図3に戻り、カンバス洗浄装置100においては、基部11の第1スライド部11aから下流側にアーム部15が延設されている。
そして、アーム部15の先端には、カンバスK1に薬液を吹き付けるためのノズル装置16が取り付けられている。
ノズル装置16においては、上流側から下流側の方向に、薬液が吹き付けられる。
具体的には、薬液の吹付け方向と、カンバスK1の搬送方向とのなす角度θ4は30〜80°であることが好ましい。角度θ4が30°未満であると、角度θ4が上記範囲内にある場合と比較して、薬液がカンバスK1に到達するのを随伴流が妨げることにより、カンバスK1に薬液を十分に付与できない場合があり、角度θ4が80°を超えると、角度θ4が上記範囲内にある場合と比較して、吹き付けられる薬液がカンバスK1の裏面に突き抜けてしまい、カンバスK1の表面に効率よく付与することができない場合がある。
カンバス洗浄装置100においては、カンバスK1が案内ロールKRから離れる接点部から、ノズル装置16がカンバスK1に薬液を吹き付ける位置までの距離Lが200〜1000mmであることが好ましい。距離Lが200mm未満であると、距離Lが上記範囲内にある場合と比較して、吹き付けられた薬液が、カンバスK1が案内ロールKRから離れる際に生じる負圧により、カンバスK1の裏側に抜け易くなる欠点があり、距離Lが1000mmを超えると、距離Lが上記範囲内にある場合と比較して、コーン部13とノズル装置16との間で、汚れが再付着する恐れがある。
図8(a)は、本実施形態に係るカンバス洗浄装置のノズル装置を示す側面図であり、図8(b)は、図8(a)の上面図であり、図8(c)は、図8(a)のX−X線で切断した断面図である。
図8(a)、図8(b)及び図8(c)に示すように、ノズル装置16は、薬液を吹き付けるための薬液ノズル部16aと、該薬液ノズル部16aを挟むように設けられた一対のエアノズル部16bと、これらを支持する両側の支持部16cとを有する。
そして、薬液ノズル部16aに設けられた薬液ノズル口16a1と、一対のエアノズル部16bそれぞれに設けられたエアノズル口16b1とは、カンバスK1の搬送方向に沿って配列されている。
ノズル装置16においては、上流側のエアノズル口16b1から吹き付けられるエアがカンバスK1の搬送に付随する随伴流を遮断し、下流側のエアノズル口16b1から吹き付けられるエアが付与される薬液が飛散することを抑制する役割を果たす。このため、両方のエアノズル口16b1に挟まれた薬液ノズル口16a1から薬液を吹き付けることにより、カンバスK1に効率良く薬液が到達し、且つ到達した薬液の飛散が防止される。これらのことから、ノズル装置16によれば、カンバスK1に薬液を効率良く付与することが可能となる。
図8(c)に示すように、ノズル装置16においては、エアノズル部16b内に、エアノズル口16bから吹き付けるためのエアが流通するエア流路16b2が形成されている。すなわち、エア流路16b2は、エアノズル部16の複数のエアノズル口16b1に通じている。
ノズル装置16においては、エア流路16b2における最小断面積Saが、4〜15mmであることが好ましい。最小断面積Saが4mm未満であると、最小断面積Saが上記範囲内にある場合と比較して、エアの流れが悪くなり、エア流路16b2内の圧力が過度に高くなる欠点があり、最小断面積Saが15mmを超えると、最小断面積Saが上記範囲内にある場合と比較して、エアを十分な勢いで吹き付けることができない場合がある。
カンバス洗浄装置100において、ノズル装置16が瞬間的に吹き付ける薬液のカンバスK1における薬液吹付け幅Wc(図4参照)は、0.015〜0.2であることが好ましく、0.015〜0.04mであることがより好ましい。薬液吹付け幅Wcが0.015m未満であると、薬液吹付け幅Wcが上記範囲内にある場合と比較して、薬液を付与できる幅が小さくなるため、洗浄効率が悪くなる欠点があり、薬液吹付け幅Wcが0.2mを超えると、薬液吹付け幅Wcが上記範囲内にある場合と比較して、薬液の吹付け量が少なくなり、ムラになる恐れがある。
薬液吹付け幅Wcは、エアナイフ18が瞬間的に吹き付けるエアのカンバスK1におけるエア吹付け幅Waに対して、
Wc≦Wa
の関係を満たすことが好ましい。この場合、カンバスに残留した水分を吹き飛ばした部分に、確実に、ノズル装置が薬液を付与することになるため、薬液に基づく効果を十分に発揮させることが可能となる。
また、上述したコーン部13の幅方向の直径Wdと、薬液吹付け幅Wcとが、
Wc≦Wd
の関係を満たすことが好ましい。このように、コーン部13の幅方向の直径Wdを、薬液吹付け幅Wcよりも大きくすることにより、確実に洗浄された部分に薬液を付与することが可能となる。
したがって、カンバス洗浄装置100においては、上記関係を満たすことにより、汚れ及び水分をより十分に除去した状態のカンバスK1に、薬液を付与することができる。
ノズル装置16から吹き付けられる薬液としては、汚染防止剤組成物、剥離剤組成物、洗浄剤組成物等が挙げられる。
これらの中でも、薬液は、少なくとも、汚染防止剤と水とを含む汚染防止剤組成物であることが好ましい。この場合、湿紙に含まれる紙粉やピッチがドライヤーロールに付着することを抑制することが可能となる。
汚染防止剤は、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、ポリブテン、植物油及び合成エステルオイルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましく、アミノ変性シリコーンオイル又は合成エステルオイルを含有することがより好ましい。
ここで、汚染防止剤が、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル及びポリエーテル変性シリコーンオイルからなる群より選ばれる少なくとも1種のシリコーン系オイルを含有する場合は、pHが3.0〜6.5であることが好ましく、3.0〜6.0であることがより好ましい。
また、この場合、メジアン径が0.05〜1.2μmであることが好ましい。
また、この場合、粘度が1000mPa・s以下であることが好ましく、100mPa・s以下であることがより好ましい。
また、ゼータ電位が23〜80mVであることが好ましい。
一方、汚染防止剤が、ポリブテン、植物油及び合成エステルオイルからなる群より選ばれる少なくとも1種の非シリコーン系オイルを含有する場合は、pHが8.5〜10.5であることが好ましい。
また、この場合、メジアン径が0.05〜1.2μmであることが好ましい。
また、この場合、粘度が100mPa・s以下であることが好ましい。
また、この場合、ゼータ電位が−80〜−15mVであることが好ましい。
なお、薬液のゼータ電位の絶対値は、3〜100mVであることが好ましく、20〜80mVであることがより好ましい。ゼータ電位の絶対値が3mV未満であると、ゼータ電位の絶対値が上記範囲内にある場合と比較して、薬液のカンバスK1への吸着力が小さいため、カンバスK1に残存する薬液量が不十分となる恐れがあり、ゼータ電位の絶対値が100mVを超えると、ゼータ電位の絶対値が上記範囲内にある場合と比較して、薬液のカンバスK1への吸着力が大きいため、カンバスK1に残存する薬液量が多くなり過ぎ、その結果、薬液自体に含まれる固形分により当該カンバスK1が汚染される恐れがある。
次に、上述したカンバス洗浄装置100を用いたカンバスの洗浄方法について説明する。
カンバスの洗浄方法においては、高圧水吹付装置13aが吹き付ける高圧水の供給水量Qwを500〜5000ml/minとすることが好ましく、500〜1500ml/minとすることがより好ましい。供給水量Qwが500mi/min未満であると、全供給水量Qwが上記範囲内にある場合と比較して、カンバスK1に付着した汚れの弾き出しが不十分となる欠点があり、供給水量Qwが5000mi/minを超えると、全供給水量Qwが上記範囲内にある場合と比較して、カンバスK1に残留する水分が過剰となり、吸引する効率が低下する欠点がある。
カンバスの洗浄方法においては、高圧水吹付装置13aが吹き付ける高圧水の水圧を15〜45MPaとすることが好ましく、15〜30MPaとすることがより好ましい。水圧が15MPa未満であると、水圧が上記範囲内にある場合と比較して、高圧水の吹き付けによる汚れの弾き出しが不十分となる場合があり、水圧が30MPaを超えると、水圧が上記範囲内にある場合と比較して、カンバスK1上に形成された薬液による皮膜を破壊する恐れがある。なお、かかる薬液による皮膜とは、ノズル装置16による吹き付けで薬液が付与され形成された皮膜であり、その皮膜が形成された後、カンバスK1が1周してカンバス洗浄装置100のところに再度戻ってきた場合にカンバスK1に残存している皮膜を意味する。
カンバスの洗浄方法においては、高圧水吹付装置13aから吹き付けられる高圧水のインパクトFを160〜500gとすることが好ましい。インパクトFが160g未満であると、インパクトFが上記範囲内にある場合と比較して、高圧水を吹き付ける力が不十分となり、カンバスK1に付着した汚れの弾き出しが不十分となる欠点があり、インパクトFが500gを超えると、インパクトFが上記範囲内にある場合と比較して、カンバスK1上に形成された薬液による皮膜を破壊する恐れがある。
カンバス洗浄装置100において、インパクトF、並びに、上述した高圧水ノズル13a1のオリフィス径φn及びノズルの数Nnが、
2≦F×(φn/2)π×Nn≦15
の関係を満たすことが好ましい。この場合、高圧水を吹き付ける際に、カンバスK1に与える衝撃を適度なものとすることができる。すなわち、カンバスK1に付着した汚れを十分に弾き出すことができ、且つ、カンバスK1が破損することを抑制することができる。
カンバスの洗浄方法においては、負圧発生装置13bによる高圧水(水分)の回収量Qaを200〜1455ml/minとすることが好ましく、200〜4850ml/minとすることがより好ましく、400〜1350ml/minとすることが更に好ましい。回収量Qaが200ml/min未満であると、回収量Qaが上記範囲内にある場合と比較して、カンバスK1上に多くの水分が残存する恐れがあり、回収量Qaが4850ml/minを超えると、回収量Qaが上記範囲内にある場合と比較して、カンバスK1自体が吸引されてコーンに張り付き、破損する恐れがある。
カンバスの洗浄方法においては、ノズル装置16による薬液の有効成分の付与量(有効成分量)Qcを150〜20000mg/minとすることが好ましい。付与量Qcが150mg/min未満であると、付与量Qcが上記範囲内にある場合と比較して、薬液に基づく効果を十分に発揮できない場合があり、付与量Qcが20000mg/minを超えると、付与量Qcが上記範囲内にある場合と比較して、薬液自体が固化し、汚染の原因となる恐れがある。
なお、本明細書において、「有効成分」とは、薬液の組成うち、水を除いた成分を意味し、「有効成分量」とは、水を除いた成分の総質量を意味する。
カンバスの洗浄方法においては、高圧水吹付装置13aからカンバスに吹き付けられた水(高圧水)のうち、エアナイフ18により除去する水量Qnを200〜1455ml/minとすることが好ましい。除去される水量Qnが200ml/min未満であると、除去される水量Qnが上記範囲内にある場合と比較して、カンバスに含まれる水分が多く、カンバスが付与される薬液を十分に保持できなくなる場合があり、除去される水量Qnが1455ml/minを超えると、カンバスが損傷する恐れがある。
ここで、供給水量Qw、回収量Qa及び付与量Qcが、
(Qw−Qa)/Qc≦25
の関係を満たすことが好ましい。
また、供給水量Qw、回収量Qa、除去される水量Qn及び付与量Qcが、
(Qw−Qa−Qn)/Qc≦15
の関係を満たすことが好ましい。
これらの場合、薬液に基づく効果を十分に発揮させることが可能となる。
図9(a)及び図9(b)は、本実施形態に係るカンバス洗浄装置においてコーン部の幅方向の直径とカンバス洗浄装置が摺動する距離との関係を説明するためのカンバス1周分の展開図である。
例えば、図9(a)に示すように、コーン部13の幅方向の直径Wdが、カンバスK1が1回転する間における基部11(コーン部13)が摺動する距離Wよりも大きい場合、汚れを除去する領域同士が重なり合うことになる。一方、図9(b)に示すように、コーン部13の幅方向の直径Wdが、カンバスK1が1回転する間における基部11(コーン部13)が摺動する距離Wよりも小さい場合、吹付け部分同士の間に隙間が生じることになる。
したがって、カンバスK1が一回転するまでにカンバス洗浄装置100の基部11が摺動する距離Wは、上記直径Wdに対して、
0.01Wd≦W≦3Wd
の関係を満たすことが好ましく、
0.8Wd≦W≦3Wd
の関係を満たすことがより好ましい。この場合、汚れを除去する領域同士が、極力重ならず、極力隙間が生じないようにすることができる。なお、
Wd=W
の関係を満たすようにすることにより、高圧水吹付装置13aによる高圧水の吹付けと負圧発生装置13bによる吸引とを、カンバスK1全体に対して均一に施すことが可能となる。
次に、上述したカンバス洗浄装置100を備えるカンバス洗浄機構について説明する。
カンバス洗浄機構は、少なくとも、カンバス洗浄装置100と、回収箱21とを備える。すなわち、カンバス洗浄機構においては、カンバス洗浄装置100と回収箱21とがセットとなっている。
カンバス洗浄機構において、カンバス洗浄装置100は、コーン部13が、案内ロールKRに対して、該カンバスK1を介した対向する位置に設けられる。
一方、回収箱21は、案内ロールKRの下方に設けられる。
回収箱21は、カンバスの幅方向に延びる、上面が開口した箱状となっている。
また、回収箱21の底壁には、排水口が設けられており、且つ、回収される水を当該排水口に案内するように、底壁が僅かに傾斜している。
カンバス洗浄機構においては、カンバス洗浄装置100により、カンバスK1に高圧水が吹き付けられると、カンバスK1を通過した水が、案内ロールKRを伝って落下する。
そして、落下した水が、案内ロールKR下方の回収箱21に収容されると共に、底壁に案内された排水口から排出されるようになっている。
カンバス洗浄機構においては、カンバス洗浄装置100を備えるので上述したような効果を奏することができると共に、回収箱21を備えるので、案内ロールKRから落下する水が、湿紙Xや他の部位に付着することを防止することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係るカンバス洗浄装置100においては、図1に示すカンバスK1に対して洗浄を行っているが、カンバスK2に対して洗浄を行ってもよく、両方に対して洗浄を行ってもよい。
また、カンバスK1,K2に対して、カンバス洗浄装置100が複数設置されていてもよい。
本実施形態に係るカンバス洗浄装置100は、第1レール部1及び第2レール部2に沿って摺動可能となっているが、少なくともいずれか一方のレール部に沿って摺動可能であればよい。
また、ビーム部10やセーブオール部20にレール部を取り付けることも必須ではなく、ビーム部10やセーブオール部20の有無も必須ではない。
本実施形態に係るカンバス洗浄装置100において、基部11は、第1スライド部11aと、第2スライド部11bと、ブラケット11cとからなっているがこの構造に限定されない。すなわち、少なくとも、レール部に沿って摺動可能であり、コーン部13及びノズル装置16が直接的又は間接的に連結されていればよい。
本実施形態に係るカンバス洗浄装置100においては、コーン部13に負圧発生装置13bが取り付けられているが、必ずしも必須ではない。
同様に、カンバス洗浄装置100においては、エアナイフ18が設けられているが、必ずしも必須ではない。
本実施形態に係るカンバス洗浄装置100においては、補助アーム部17が、コーン部13に取り付けられているが、コーン部13の代わりに、基部11に取り付けられていてもよく、アーム部15に取り付けられていてもよい。
本実施形態に係るカンバス洗浄機構においては、図1に示すように、案内ロールKRの1箇所に回収箱21が設けられているが、複数箇所に設けられていてもよい。
本発明に係るカンバス洗浄装置100は、抄紙機のドライパートで用いられるカンバスを、搬送させながら洗浄するための装置として用いられる。
本発明に係るカンバス洗浄装置100によれば、汚れの再付着を極力防止し、且つ、カンバスを効率良くに洗浄することができる。
1・・・レール部(第1レール部)
10・・・ビーム部
11・・・基部
11a・・・第1スライド部
11b・・・第2スライド部
13・・・コーン部
131・・・端部
13a・・・高圧水吹付装置
13a1・・・高圧水ノズル
13b・・・負圧発生装置
15・・・アーム部
16・・・ノズル装置
16a・・・薬液ノズル部
16a1・・・薬液ノズル口
16b・・・エアノズル部
16b1・・・エアノズル口
16b2・・・エア流路
16c・・・支持部
17・・・補助アーム部
18・・・エアナイフ
18a1・・・吹き付けノズル
18a2・・・スリット
100・・・カンバス洗浄装置
2・・・レール部(第2レール部)
20・・・セーブオール部
21・・・回収箱
B・・・ブレーカースタックロール
C・・・カレンダーロール
DP・・・ドライパート
D1,D2,D3,D4,D5,D6,D7,D8・・・ドライヤーロール
H・・・最短距離
K1,K2・・・カンバス
KR・・・案内ロール
L,W・・・距離
Wa・・・エア吹付け幅
Wc・・・薬液吹付け幅
Wd・・・コーン部の幅方向の直径
X・・・湿紙
θ1,θ2,θ3,θ4・・・角度

Claims (12)

  1. 抄紙機のカンバスを搬送させながら洗浄するためのカンバス洗浄装置であって、
    前記カンバスの幅方向に延びるレール部に沿って摺動可能な基部と、
    該基部に取り付けられた直線状に延びるコーン部と、
    該コーン部に内設され前記カンバスに高圧水を吹き付けるための高圧水吹付装置と、
    前記基部から下流側に延設されたアーム部と、
    該アーム部の先端に取り付けられ前記カンバスに薬液を吹き付けるためのノズル装置と、
    を備え、
    前記コーン部と前記ノズル装置とが搬送方向に沿って直線状に配列され、且つ、前記ノズル装置が前記コーン部よりも下流側に位置しており、
    前記コーン部内において前記高圧水吹付装置から前記カンバスに高圧水が吹き付けられるカンバス洗浄装置。
  2. 前記コーン部が、前記カンバスを案内する案内ロールに対して、前記カンバスを介した対向する位置に設けられており、
    前記カンバスが前記案内ロールから離れる接点部から、前記ノズル装置が前記カンバスに薬液を吹き付ける位置までの距離が200〜1000mmである請求項1記載のカンバス洗浄装置。
  3. 前記ノズル装置が、
    前記薬液を吹き付けるための薬液ノズル部と、
    該薬液ノズル部を挟むように設けられた一対のエアノズル部と、
    を有し、
    前記薬液ノズル部と前記一対のエアノズル部とが、搬送方向に沿って直線状に配列されている請求項1又は2に記載のカンバス洗浄装置。
  4. 前記薬液が、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、ポリブテン、植物油及び合成エステルオイルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する汚染防止剤組成物であり、
    前記薬液のゼータ電位の絶対値が3〜100mVである請求項1〜3のいずれか1項に記載のカンバス洗浄装置。
  5. 前記コーン部内を負圧にするための負圧発生装置を更に備え、
    前記コーン部内において前記高圧水吹付装置から前記カンバスに高圧水が吹き付けられると共に、該高圧水が前記負圧発生装置により吸引される請求項1〜4のいずれか1項に記載のカンバス洗浄装置。
  6. 前記基部、前記アーム部又は前記コーン部に取り付けられた補助アーム部と、
    該補助アーム部の先端に取り付けられ前記カンバスにエアを吹き付けるためのエアナイフと、を更に備え、
    前記コーン部と前記エアナイフと前記ノズル装置とが搬送方向に沿って直線状に配列され、且つ、前記エアナイフが前記コーン部と前記ノズル装置との間に位置している請求項1〜4のいずれか1項に記載のカンバス洗浄装置。
  7. 前記基部、前記アーム部又は前記コーン部に取り付けられた補助アーム部と、
    該補助アーム部の先端に取り付けられ前記カンバスにエアを吹き付けるためのエアナイフと、
    前記コーン部内を負圧にするための負圧発生装置と、を更に備え、
    前記コーン部と前記エアナイフと前記ノズル装置とが搬送方向に沿って直線状に配列され、且つ、前記エアナイフが前記コーン部と前記ノズル装置との間に位置しており、
    前記コーン部内において前記高圧水吹付装置から前記カンバスに高圧水が吹き付けられると共に、該高圧水が前記負圧発生装置により吸引される請求項1〜4のいずれか1項に記載のカンバス洗浄装置。
  8. 前記コーン部の長手方向に垂直な断面における幅方向の直径Wdが0.04〜0.5mであり、
    前記ノズル装置が瞬間的に吹き付ける前記薬液の前記カンバスにおける薬液吹き付け幅Wcが0.015〜0.2mであり、
    前記直径Wd及び前記薬液吹き付け幅Wcが、
    Wc≦Wd
    の関係を満たす請求項6又は7に記載のカンバス洗浄装置。
  9. 請求項5又は7に記載のカンバス洗浄装置を用いたカンバスの洗浄方法であって、
    前記高圧水吹付装置による高圧水の供給水量Qwを500〜5000ml/minとし、
    前記負圧発生装置による高圧水の回収量Qaを200〜4850ml/minとし、
    前記ノズル装置による薬液の付与量Qcを有効成分量として150〜20000mg/minとし、
    前記供給水量Qw、前記回収量Qa及び前記付与量Qcが、
    (Qw−Qa)/Qc≦25
    の関係を満たすカンバスの洗浄方法。
  10. 請求項7記載のカンバス洗浄装置を用いたカンバスの洗浄方法であって、
    前記高圧水吹付装置による高圧水の供給水量Qwを500〜5000ml/minとし、
    前記負圧発生装置による高圧水の回収量Qaを200〜4850ml/minとし、
    前記エアナイフにより除去される水量Qnを200〜1455ml/minとし、
    前記ノズル装置による薬液の付与量Qcを有効成分量として150〜20000mg/minとし、
    前記供給水量Qw、前記回収量Qa、前記除去される水量Qn及び前記付与量Qcが、
    (Qw−Qa)/Qc≦25
    (Qw−Qa−Qn)/Qc≦15
    の関係を満たすカンバスの洗浄方法。
  11. 前記コーン部の長手方向に垂直な断面における幅方向の直径Wdが0.04〜0.5mであり、
    該直径Wdと、前記カンバスが一回転するまでに前記基部が摺動する距離Wとが、
    0.01Wd≦W≦3Wd
    の関係を満たす請求項9又は10に記載のカンバスの洗浄方法。
  12. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のカンバス洗浄装置と、
    前記カンバスを案内する案内ロールから落下する水を回収するための回収箱と、
    を備え、
    前記回収箱が、前記カンバスの幅方向に延びる、上面が開口した箱状であり、
    前記カンバス洗浄装置の前記コーン部が、前記案内ロールに対して、該カンバスを介した対向する位置に設けられ、
    前記回収箱が、前記案内ロールの下方に設けられるカンバス洗浄機構。
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