JP2016185519A - ノズル装置、それを用いた薬液の吹付方法及び薬液 - Google Patents

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Abstract

【課題】走行体に薬液をより高い付着率で付与することができ、且つ、ノズル部に薬液が付着することを極力防止することができるノズル装置、および、ノズルの目詰まりを抑制することができ、走行体に薬液をより高い付着率で付与することができる薬液を提供する。【解決手段】ノズル装置100は、薬液を吐出可能なノズル部1と、走行体の走行方向Aに対してノズル部1の上流側に位置する第1キャップ12と、走行体の走行方向Aに対してノズル部1の下流側に位置する第2キャップ22と、を備え、第1キャップ12には、第1直行スリット13aと、第1斜行スリット13bとが設けられ、第2キャップ22には、第2直行スリット23aと、第2斜行スリット23bとが設けられ、第1キャップ12と第2キャップ22にはエアーが供給される。【選択図】図1

Description

本発明は、ノズル装置、それを用いた薬液の吹付方法及び薬液に関し、更に詳しくは、走行体に薬液をより高い付着率で付与することができ、且つ、ノズル部に薬液が付着することを極力防止することができるノズル装置、及び、当該ノズル装置を用いた薬液の吹付方法、並びに、当該薬液の吹付方法に用いられる薬液に関する。
従来、製紙業においては、抄紙機のワイヤ、フェルト、ドライヤーロール、カンバス、カンバスを案内するロール、カレンダーロール、ペーパーロール、ブレーカースタック等の部材に対して、紙体からパルプ原料(古紙パルプ含む)由来の異物が転移するのを防止したり、紙離れを向上させる等の目的で、洗浄剤、ピッチコントロール剤、汚染防止剤、離型剤等の薬剤を含む薬液が付与されている。
これらの薬液は、一般に、抄紙機が稼動している状態で、抄紙機に取付けられたノズル装置のノズルから、紙体、ワイヤ、フェルト、ドライヤーロール、カンバス、カンバスを案内するロール、カレンダーロール、ペーパーロール、ブレーカースタック等(以下「走行体」という。)に付与される。
ところが、上記走行体は、抄紙機内を高速で走行するため、走行体の表面付近には、その動きに沿って空気の流れ(以下「随伴流」という。)が発生し、ノズルから走行体に向けて吐出された薬液は、随伴流により巻き上げられるという現象が生じる。
そうすると、走行体に薬液を十分に付与できないばかりか、巻き上げられた薬液がフレームやフード等に付着して抄紙機を汚染するという事態が生じる。
こうした薬液の巻き上がりを防止する装置として、薬液を吐出可能な吐出ノズルと、走行体の走行方向に対して吐出ノズルの上流側に位置する第1の吹付けノズルと、走行体の走行方向に対して吐出ノズルの下流側に位置する第2の吹付けノズルと、を備え、第1の吹付けノズル及び第2の吹付けノズルがいずれも空気を吹付け可能であり、走行体の走行方向と吐出ノズルにおける薬液の吐出方向とのなす角度が30〜135度であるノズル装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
かかるノズル装置によれば、随伴流に対して、第1の吹付けノズル及び第2の吹付ノズルから空気を吹き付けることにより、超高速の抄紙機等においても走行体に対して薬液を確実に付与することができ、薬液の飛散も十分に抑制できる。
特開2008−18424号公報
しかしながら、上述した特許文献1記載のノズル装置においては、走行体に対して薬液を吹き付けられるものの、その付着率は十分であるとは言えない。
また、当該ノズル装置は、吐出された薬液が巻き上がってノズル部の周辺に付着し易いという欠点がある。この場合、付着した薬液の固形分が経時的に成長し、ノズル部からの吐出を妨げる恐れがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、走行体に薬液をより高い付着率で付与することができ、且つ、ノズル部に薬液が付着することを極力防止することができるノズル装置、及び、走行体に薬液をより高い付着率で付与することができる薬液の吹付方法、並びに、ノズルの目詰まりを抑制することができ、走行体に薬液をより高い付着率で付与することができる薬液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、随伴流に向けてエアーを吹き付けるよりも、ノズル部から吐出される薬液をコンパクトにし、走行体への付与時のインパクトを向上させることにより、むしろ、薬液の付着率が多くなることがわかった。
また、ノズル部に薬液が付着することを防止するため、ノズル部近傍にエアーを吹き付けることを考えた。
そして、第1直行スリット及び第2直行スリットから、ノズル部からの薬液の吐出方向と平行にエアーを吹き付け、第1斜行スリット及び第2斜行スリットから、ノズル部側に向かってエアーを吹き付けるように構成することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、(1)走行体に対して薬液を付与するためのノズル装置であって、薬液を吐出可能なノズル部と、走行体の走行方向に対してノズル部の上流側に位置する第1キャップと、走行体の走行方向に対してノズル部の下流側に位置する第2キャップと、を備え、第1キャップには、第1直行スリットと、第1斜行スリットとが設けられ、第2キャップには、第2直行スリットと、第2斜行スリットとが設けられ、第1キャップにエアーを供給することにより、第1直行スリットからは、ノズル部からの薬液の吐出方向と平行にエアーが吹き付けられ、第1斜行スリットからは、ノズル部側に向かってエアーが吹き付けられ、第2キャップにエアーを供給することにより、第2直行スリットからは、ノズル部からの薬液の吐出方向と平行にエアーが吹き付けられ、第2斜行スリットからは、ノズル部側に向かってエアーが吹き付けられるノズル装置に存する。
本発明は、(2)ノズル部を有し、内部を薬液が流通する第1ハウジング部と、第1キャップ及び第2キャップを有し、内部をエアーが流通する第2ハウジング部と、からなり、第2ハウジング部が側面視で中央に凹部を有するU字状であり、第1ハウジング部が第2ハウジングの凹部に嵌合されている上記(1)記載のノズル装置に存する。
本発明は、(3)第2ハウジングの底面にはエアーが流入するための流入口が設けられており、第1直行スリット、第1斜行スリット、第2直行スリット及び第2斜行スリットの断面積の和が、流入口の断面積以下である上記(2)記載のノズル装置に存する。
本発明は、(4)第1キャップと、第2キャップとがノズル部を中心に対称な構造となっている上記(1)又は(2)に記載のノズル装置に存する。
本発明は、(5)第1直行スリット、第1斜行スリット、第2直行スリット及び第2斜行スリットが走行体の走行方向とは垂直な方向に延びる直線状の穴である上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載のノズル装置に存する。
本発明は、(6)第1斜行スリットから吹き付けられるエアーの吹付方向と、第2斜行スリットから吹き付けられるエアーの吹付方向との交点が、ノズル部からの薬液の吐出方向上にある上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載のノズル装置に存する。
本発明は、(7)交点が、ノズル部のノズル口から±10mmの範囲にある上記(6)記載のノズル装置に存する。
本発明は、(8)ノズル部からの薬液の吐出方向と、第1斜行スリットから吹き付けられるエアーの吹付方向との成す角度、及び、ノズル部からの薬液の吐出方向と、第2斜行スリットから吹き付けられるエアーの吹付方向との成す角度が、共に30°〜45°である上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載のノズル装置に存する。
本発明は、(9)上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載のノズル装置を用いた薬液の吹付方法であって、走行体の走行方向と、ノズル部からの薬液の吐出方向との成す角度を30°〜90°とし、ノズル部のノズル口から、走行体の走行方向と、ノズル部からの薬液の吐出方向との交点までの距離を50mm〜200mmとする薬液の吹付方法に存する。
本発明は、(10)抄紙機のドライヤーロール、カンバス、カンバスを案内するロール又はカレンダーロール、ペーパーロール、ブレーカースタックに用いられる上記(9)記載の薬液の吹付方法に存する。
本発明は、(11)上記(10)又は(11)に記載の薬液の吹付方法に用いられ、粘度が1〜500cpsである薬液に存する。
本発明のノズル装置においては、走行体の走行方向に対して、上流側にノズル部の第1直行スリットを設け、下流側にノズル部の第2直行スリットを設け、ノズル部からの薬液の吐出方向と平行となるように第1直行スリット及び第2直行スリットからエアーを吹き付けることにより、走行体の走行方向における薬液の散布幅を狭くすることができる。
これにより、ノズル部から吐出される薬液がコンパクトになると共に、飛翔する薬液が、両側からのエアーにより加速されるので、走行体への付与時のインパクトを向上させることができる。その結果、走行体に薬液をより高い付着率で付与することが可能となる。
本発明のノズル装置においては、走行体の走行方向に対して、ノズル部の上流側に第1斜行スリットを設け、ノズル部の下流側に第2斜行スリットを設け、第1斜行スリット及び第2斜行スリットからノズル部側に向かって(すなわち、ノズル部の両側から)エアーを吹き付けることにより、吐出された薬液が巻き上がってノズル部周辺に付着することを抑制することができる。
これにより、ノズル部に付着した薬液の固形分が経時的に成長することによる薬液の吐出不良を防止することができる。
本発明のノズル装置においては、ノズル部を有する第1ハウジング部が、第1キャップ及び第2キャップを有する第2ハウジングの凹部に嵌合されているので、装置をコンパクトにすることができる。
また、ノズル部の両側に第1キャップ及び第2キャップを簡単に配置することができる。
ここで、第2ハウジングの底面にはエアーが流入するための流入口が設けられており、第1直行スリット、第1斜行スリット、第2直行スリット及び第2斜行スリットの断面積の和が、流入口の断面積以下である場合、吹き付けるエアーの圧力(以下「エアー圧」という。)を十分に大きくすることができる。
これにより、薬液の走行体への付与時のインパクトをより向上させることができる。
また、同時に、吐出された薬液がノズル部に付着することをより抑制することができる。
本発明のノズル装置においては、第1キャップと、第2キャップとがノズル部を中心に対称な構造となっているので、ノズル装置の上流側下流側の向きを逆にしても使用することができる。
また、1つの型で第1キャップ及び第2キャップの両方を製造することができるので、製造コストを低減させることができる。
本発明のノズル装置においては、第1直行スリット、第1斜行スリット、第2直行スリット及び第2斜行スリットが走行体の走行方向とは垂直な方向に延びる直線状の穴である場合、走行体の走行方向に垂直な方向に対して、広くエアーを吹き付けることができる。
これにより、薬液が走行体の走行方向に飛散することを確実に防止することができる。
本発明のノズル装置においては、第1斜行スリットから吹き付けられるエアーの吹付方向と、第2斜行スリットから吹き付けられるエアーの吹付方向との交点が、ノズル部からの薬液の吐出方向上にある場合、ノズル部は、両側から均等にエアーが吹き付けられることになるので、薬液がノズル部に付着することを効率良く抑制することができる。
また、第1斜行スリットから吹き付けられるエアーと、第2斜行スリットから吹き付けられるエアーとが薬液の吐出方向上で衝突した後、そのエアーは前方に向かうことになるので、飛翔する薬液の勢いを加速させることができる。
なお、交点は、ノズル部のノズル口から±10mmの範囲にある場合が最も効果的である。
本発明のノズル装置においては、ノズル部からの薬液の吐出方向と、第1斜行スリットから吹き付けられるエアーの吹付方向との成す角度、及び、ノズル部からの薬液の吐出方向と、第2斜行スリットから吹き付けられるエアーの吹付方向との成す角度が、共に30°〜45°であると、薬液がノズル部に付着することをより効果的に抑制することができると共に、第1斜行スリットから吹き付けられるエアーと、第2斜行スリットから吹き付けられるエアーとが衝突した後、そのエアーを確実に前方に向かわせることができる。
本発明の薬液の吹付方法は、上述したノズル装置を用い、走行体の走行方向と、ノズル部からの薬液の吐出方向との成す角度を30°〜90°とし、ノズル部のノズル口から、走行体の走行方向と、ノズル部からの薬液の吐出方向との交点までの距離を50mm〜200mmとした場合に、走行体に薬液をより高い付着率で付与することが可能となる。
また、上記薬液の吹付方法は、走行体として、抄紙機のドライヤーロール、カンバス、カンバスを案内するロール、カレンダーロール、ペーパーロール又はブレーカースタックに用いられる場合、より効果的である。
本発明の薬液は、上述した薬液の吹付方法に用いられ、粘度が1〜500cpsであるので、ノズルの目詰まりを抑制することができ、走行体に薬液をより高い付着率で付与することが可能となる。
また、薬液が付与された走行体は、付与される薬液に基づく機能が確実に発揮される。
図1は、本発明に係るノズル装置の一実施形態を示す上面図である。 図2は、図1に示すノズル装置を、走行体の走行方向に対して上流側からみた正面図である。 図3は、図1に示すノズル装置のI−I線断面図である。 図4は、図2に示すノズル装置のII−II線断面図である。 図5は、本発明に係るノズル装置の一実施形態におけるエアーの吹付方向を説明するための説明図である。 図6は、本発明に係る薬液の吹付方法の一実施形態において、ノズル部と走行体との位置関係を説明するための説明図である。 図7は、本発明に係る薬液の吹付方法に用いられるノズル装置を抄紙機に用いた例を模式的に示す斜視図である。 図8は、本発明に係るノズル装置を抄紙機に用いた他の実施形態を模式的に示す斜視図である。 図9は、本発明に係るノズル装置を抄紙機に用いた他の実施形態を模式的に示す斜視図である。 図10は、本発明に係るノズル装置の実施例における評価方法1を説明するための説明図である。 図11は、本発明に係るノズル装置の実施例における評価方法2を説明するための説明図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本発明に係るノズル装置は、走行体に対して薬液を付与するための装置である。
ここで、走行体としては、紙体、ワイヤ、フェルト、ドライヤーロール、カンバス、カンバスを案内するロール、カレンダーロール、ペーパーロール、ブレーカースタック等が挙げられる。これらの中でも、走行体は、ドライヤーロール、カンバス、カンバスを案内するロール、カレンダーロール又はペーパーロールであることが好ましい。
一般に、抄紙機における紙体やカンバスは高速で走行するため、本発明のノズル装置の効果をより発揮することができる。
図1は、本発明のノズル装置の一実施形態を示す上面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るノズル装置100は、薬液を吐出可能なノズル部1と、ノズル部1に並設された第1キャップ12及び第2キャップ22とを備える。
ノズル装置100においては、図示しない走行体が矢印Aの方向(以下「走行方向A」という。)に走行する場合、走行体の所定位置には、最初に、後述する第1キャップ12の直行スリット13aからエアーが吹付けられ、次に、ノズル部1から薬液が付与され、最後に、後述する第2直行スリット23aからエアーが吹付けられることになる。
すなわち、上記ノズル装置100において、第1キャップ12は、走行体の走行方向Aに対してノズル部1の上流側に位置し、第2キャップ22は、走行体の走行方向Aに対してノズル部1の下流側に位置し、且つ、ノズル部1、第1キャップ12及び第2キャップ22は、走行方向Aに対して一列に配置されている。
ノズル部1は、図示しない走行体に対して薬液を吐出する部位である。
ノズル部1は、中空半球状の形態を有しており、上部には吐出スリット3が設けられている。
当該吐出スリット3は、走行方向Aに対して垂直な方向に延びる直線状の穴からなる。このため、吐出スリット3から吐出される薬液は、扇状(末広がりに)に吐出され、走行体に対して、走行体の幅方向(走行方向とは垂直な方向)に広く付与することが可能となっている。
ノズル部1は、直方体状の第1ハウジング部10の上面の略中央に設けられている。なお、ノズル部1は、動かないようにボルトや溶接等により固定し、第1ハウジング部10と一体化させることが好ましい。
当該第1ハウジング部10は、両端に第1ハウジング部10を支持するためのアーム部5a,5bが接続されている。
そして、第1ハウジング部10及びアーム部5a,5bは、その内部にノズル部1に薬液を送流するための薬液供給管が設けられている。
すなわち、第1ハウジング部10は、ノズル部1を有し、内部を薬液が流通するようになっている。なお、かかる薬液供給管については後述する。
第1ハウジング部10は、その下端に、第2ハウジング部20が嵌合されている。
具体的には、第2ハウジング部20は、側面視で中央に凹部を有するU字状の形態であり、第1ハウジング部10は、第2ハウジング部20の凹部に嵌合されている。
これにより、装置をコンパクトにすることができる。
また、ノズル部の両側に第1キャップ12及び第2キャップ22を簡単に配置することができる。
そして、第2ハウジング部20は、その内部にエアーを送流するためのエアー供給管が設けられている。
すなわち、第2ハウジング部20は、内部をエアーが流通するようになっている。なお、かかるエアー供給管については後述する。
また、第1ハウジング部10と第2ハウジング部20とは別体となっており、互いに着脱自在となっている。
第2ハウジング部20は、凹部の両側の上端に中空半球状の形態を有する第1キャップ12及び第2キャップ22が設けられている。なお、第1キャップ12及び第2キャップ22は、動かないように溶接等により固定し、第2ハウジング部20と一体化させることが好ましい。
また、第1キャップ12には、第1直行スリット13aと、第1斜行スリット13bとが設けられており、第2キャップ22には、第2直行スリット23aと、第2斜行スリット23bとが設けられている。
第1キャップ12においては、ノズル部1からの薬液の吐出方向と平行となるように、第1直行スリット13aからエアーが吹き付けられるようになっており、ノズル部1側に向かって、第1斜行スリット13bからエアーが吹き付けられるようになっている。
第2キャップ22においては、ノズル部1からの薬液の吐出方向と平行となるように、第2直行スリット23aからエアーが吹き付けられるようになっており、ノズル部1側に向かって、第2斜行スリット23bからエアーが吹き付けられるようになっている。
なお、これらの詳細については後述する。
ノズル装置100において、第1直行スリット13a、第1斜行スリット13b、第2直行スリット23a及び第2斜行スリット23bは、いずれも、対応する第1キャップ12又は第2キャップ22に設けられた、走行体の走行方向Aに対して垂直な方向に延びる直線状の穴からなる。このため、これらのスリットから吹き付けられるエアーは、扇状(末広がりに)に吹き付けられることになる。
すなわち、これらのスリットは、走行体に対して、走行体の幅方向に広くエアーを吹き付けることが可能となっている。
これにより、薬液が走行体の走行方向に飛散することを確実に防止することができる。
ここで、第1直行スリット13a、第1斜行スリット13b、第2直行スリット23a及び第2斜行スリット23bの上面視におけるスリットの長さは、略同一であり、ノズル部1の吐出スリット3の上面視におけるスリットの長さよりも大きくなっている。これにより、吐出される薬液を両側からエアーが確実に挟み込むので、薬液が飛散することを抑制することができる。
なお、第1直行スリット13a、第1斜行スリット13b、第2直行スリット23a及び第2斜行スリット23bの上面視におけるスリットの長さは、ノズル部1の吐出スリット3の上面視におけるスリットの長さの2倍以上であることが好ましい。
ノズル装置100において、第1キャップ12と、第2キャップ22とは、ノズル部1を中心に対称な構造となっている。すなわち、第1キャップ12と、第2キャップ22とは、向きが逆になっていること以外は同じ構造である。このため、ノズル装置100の上流側下流側の向きを逆にしても使用することができる。
また、1つの型で第1キャップ12及び第2キャップ22の両方を製造することができるので、製造コストを低減させることができる。
図2は、図1に示すノズル装置を、走行体の走行方向に対して上流側からみた正面図である。
図2に示すように、本実施形態に係るノズル装置100において、アーム部5aには第1ハウジング部10に薬液を供給するための薬液供給管8aが接続されており、アーム部5bには上記薬液を吐出させるエアーを供給するための吐出用エアー供給管8bが接続されている。
これにより、ノズル部1において、薬液供給管8aから供給された薬液は、吐出用エアー供給管8bから供給されたエアーに乗って、吐出スリット3から吐出されることになる。
一方、第2ハウジング部20の下端には、第1キャップ12及び第2キャップ22から吹付けられるエアーを供給するためのエアー供給管7が接続されている。
これにより、第1キャップ12及び第2キャップ22において、エアー供給管7から供給されるエアーは、第1直行スリット13a、第1斜行スリット13b、第2直行スリット23a及び第2斜行スリット23bから吹付けられることになる。
図3は、図1に示すノズル装置のI−I線断面図である。
図3に示すように、本実施形態に係るノズル装置100において、アーム部5aの内部には、薬液流路S1が形成されており、アーム部5bの内部には、吐出用エアー流路S2が形成されている。
薬液供給管8aから供給された薬液は薬液供給管8aの内部を流通し、薬液供給管8aに連通した薬液流路S1に送流される。そして、薬液は薬液流路S1から第1ハウジング部10に送流される。
一方、吐出用エアー供給管8bから供給されたエアーは吐出用エアー供給管8bの内部を流通し、吐出用エアー供給管8bに連通した吐出用エアー流路S2に送流される。そして、エアーは吐出用エアー流路S2から第1ハウジング部10に送流される。
第1ハウジング部10に送流された薬液とエアーとは、ノズル部1内において混合されると共に、吐出スリット3から吐出される。
このとき、吐出される薬液は吐出されるエアーの勢いによって加速される。
図4は、図2に示すノズル装置のII−II線断面図である。
図4に示すように、本実施形態に係るノズル装置100において、エアー供給管7から供給されたエアーは、第2ハウジング部20の底面に設けられた流入口4から、第2ハウジング部20内部のエアー流路S3に送流される。
そして、送流されたエアーは、第2ハウジング部20の内部において、二股に別れ、第1キャップ12及び第2キャップ22それぞれに送流される。
送流されたエアーは、第1キャップ12の第1直行スリット13a及び第1斜行スリット13bと、第2キャップ22の第2直行スリット23a及び第2斜行スリット23bとから吹付けられることになる。
ここで、ノズル装置100において、第1直行スリット13a、第1斜行スリット13b、第2直行スリット23a及び第2斜行スリット23bの断面積の和が、第2ハウジングの底面に設けられた流入口4の断面積以下であることが好ましい。
この場合、吹き付けるエアーの圧力(以下「エアー圧」という。)を十分に大きくすることができる。
図5は、本発明に係るノズル装置の一実施形態におけるエアーの吹付方向を説明するための説明図である。
図5に示すように、ノズル装置100においては、ノズル部1から薬液が真っ直ぐな吐出方向Bで吐出される。
それに対し、第1キャップ12の第1直行スリット13aにおいては、ノズル部1からの薬液の吐出方向Bと平行となる吹付方向C1にエアーが吹き付けられる。
同様に、第2キャップ22の第2直行スリット23aにおいては、ノズル部2からの薬液の吐出方向Bと平行となる吹付方向C2にエアーが吹き付けられる。
したがって、ノズル装置100においては、ノズル部1から吐出される薬液が、第1直行スリット13aから吹き付けられるエアー及び第2直行スリット23aから吹き付けられるエアーにより、走行体の走行方向における上流側及び下流側に飛散することを抑制することができる。
これにより、走行体の走行方向における薬液の散布幅を狭くすることができるので、薬液がコンパクトになると共に、走行体への付与時のインパクトを向上させることができる。その結果、走行体に薬液をより高い付着率で付与することが可能となる。
一方、第1キャップ12の第1斜行スリット13bにおいては、ノズル部1に向かう吹付方向D1にエアーが吹き付けられる。
同様に、第2キャップ22の第2斜行スリット23bにおいては、ノズル部1に向かう吹付方向D2にエアーが吹き付けられる。
すなわち、ノズル部1は、両側からエアーを吹き付けられることになる。これにより、吐出された薬液が巻き上がってノズル部周辺に付着することを抑制することができる。
ここで、第1斜行スリット13bから吹き付けられるエアーの吹付方向D1と、第2斜行スリット23bから吹き付けられるエアーの吹付方向D2との交点Tが、ノズル部1からの薬液の吐出方向B上にあることが好ましい。
この場合、ノズル部1は、両側から均等にエアーが吹き付けられることになるので、薬液がノズル部1に付着することを効率良く抑制することができる。
また、第1斜行スリット13bから吹き付けられるエアーと、第2斜行スリット23bから吹き付けられるエアーとが薬液の吐出方向B上で衝突した後、そのエアーは薬液の吐出方向Bと同じ前方に向かうことになるので、飛翔する薬液の勢いを加速させることができる。これにより、走行体への付与時のインパクトをより向上させることができ、その結果、走行体に薬液を更に高い付着率で付与することが可能となる。
このとき、第1斜行スリット13bから吹き付けられるエアーの吹付方向D1と、第2斜行スリット23bから吹き付けられるエアーの吹付方向D2との交点Tは、ノズル部1のノズル口1aから前後に±10mmの範囲にあることが好ましい。
この場合、薬液がノズル部1に付着することをより効率良く抑制することができる。
また、ノズル部1からの薬液の吐出方向Bと、第1斜行スリット13bから吹き付けられるエアーの吹付方向D1との成す角度θ1、及び、ノズル部1からの薬液の吐出方向Bと、第2斜行スリット23bから吹き付けられるエアーの吹付方向との成す角度θ2が、30°〜45°であることが好ましい。なお、上述したように、第1キャップ12と、第2キャップ22とがノズル部1を中心に対称な構造となっているので、角度θ1と角度θ2とは同じになる。
これにより、薬液がノズル部1に付着することをより効果的に抑制することができると共に、第1斜行スリット13bから吹き付けられるエアーと、第2斜行スリット23bから吹き付けられるエアーとが衝突した後、そのエアーを確実に前方に向かわせることができる。
次に、本実施形態に係る薬液の吹付方法について説明する。
本実施形態に係る薬液の吹付方法は、上述したノズル装置100が用いられる。
図6は、本発明に係る薬液の吹付方法の一実施形態において、ノズル部と走行体との位置関係を説明するための説明図である。
図6に示すように、本実施形態に係る薬液の吹付方法において、走行体の走行方向Aと、ノズル部1からの薬液の吐出方向Bとの成す角度θ3は、30°〜90°であり、45〜60°であることが好ましい。
走行体の走行方向Aとノズル部1における薬液の吐出方向Bとのなす角度θ3が30度未満であると、吐出された薬液を走行体に十分に付与できない傾向にあり、角度θ3が90度を超えると、角度θ3が上記範囲内にある場合と比較して、随伴流により吐出された薬液が巻上げられ、飛散しやすくなる傾向にある。
本実施形態に係る薬液の吹付方法において、ノズル装置100のノズル部1の先端から、薬液の吐出方向Bと走行体との交点Tまでの距離Lが50mm〜200mmであることが好ましく、80mm〜100mmであることがより好ましい。
この場合、超高速の抄紙機等においても走行体に対して薬液をより確実により高い付着率で付与することが可能となる。
図7は、本発明に係る薬液の吹付方法に用いられるノズル装置を抄紙機に用いた例を模式的に示す斜視図である。
図7に示すように、抄紙機50は、回動可能なドラム45を有し、当該ドラム45には走行体40が配置されている。
この走行体40は、上記ドラム45の回動に基づいて、矢印Aの方向に走行するようになっている。
上記ドラム45の上方には走査手段30が固定されている。
この走査手段30には、当該走査手段30の長さ方向に向かって往復運動する駆動装置43が取付けられており、かかる駆動装置43には上述したノズル装置100が走行体40に向かって薬液が吐出されるように取付けられている。なお、このときノズル装置100は、吐出される薬液が上記走行体40に十分に付与されるように走行体の走行方向Aと薬液の吐出方向との角度を上述したように調整して取付けられている。
そして、走行体40を走行方向Aに向かって走行させながら、駆動装置43と共にノズル装置100を往復運動させ、ノズル装置100から薬液を走行体40に向かって吐出させることにより、走行体30に薬液が付与される。
このとき、ノズル装置100のノズル部1から薬液が付与されると共に第1キャップ12の第1直行スリット13a及び第1斜行スリット13b、並びに、第2キャップ22の第2直行スリット23a及び第2斜行スリット23bによりエアーが吹付けられる。
したがって、薬液の付与方法によれば、上述したノズル装置を用いるため、超高速の抄紙機においても走行体に対して薬液をより高い付着率で付与することができる。
次に、本実施形態に係る薬液について説明する。
本実施形態に係る薬液は、洗浄剤、ピッチコントロール剤、汚染防止剤又は離型剤であることが好ましい。
これらの薬剤を走行体に吹き付けることにより、抄紙機の紙製造における歩留りを向上させることができる。
ここで、薬液の粘度は、常温(25℃)で1〜500cps以下であることが好ましい。
粘度が500cpsを超えると、粘度が上記範囲内にある場合と比較して、飛散した薬液がノズル部1のノズル口1a、第1キャップ12の第1直行スリット13a及び第1斜行スリット13b、又は、第2キャップ22の第2直行スリット23a及び第2斜行スリット23bに付着し、これらを詰まらせる虞がある。
この場合、薬液の吐出が十分に行われなくなり、或いは、エアーの吹付けが十分に機能しなくなるので、走行体に対して薬液を十分に付与できず、飛散も発生する傾向がある。
また、上記粘度は、1〜200cpsであることがより好ましい。
この場合、ノズル口の目詰まりを抑制することができ、走行体に薬液をより高い付着率で付与することが可能となる。
また、薬液が付与された走行体は、付与される薬液に基づく機能が確実に発揮される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、実施形態に係るノズル装置100においては、ノズル部1と、第1キャップ12及び第2キャップ22とが走行方向Aに対して一列に配置されているが、必ずしも一列である必要はない。
また、ノズル装置100において、第1ハウジング部10と、第2ハウジング部20とが別体となっているが、一体となっていてもよい。
さらに、ノズル部1と、第1キャップ及び第2キャップとはいずれも半球状の形態を有しているが、四角状や三角状等であってもよく、かかる形態は特に限定されない。
本実施形態に係るノズル装置は、抄紙機以外にも、食品加工や繊維加工等に用いることも可能である。
本実施形態に係るノズル装置を抄紙機に用いた実施形態においては、ノズル装置100が1つ抄紙機に取付けられているが、ノズル装置100が抄紙機に複数取付けられていてもよい。
図8は、本発明に係るノズル装置を抄紙機に用いた他の実施形態を模式的に示す斜視図である。
図8に示すように、抄紙機には、走査手段30に当該走査手段30の長さ方向に向かって往復運動する駆動装置43が複数取付けられており、それぞれの駆動装置43にノズル装置100が走行体40に向かって薬液が吐出されるように取付けられていてもよい。
図9は、本発明に係るノズル装置を抄紙機に用いた他の実施形態を模式的に示す上面図である。
図9に示すように、複数のノズル装置100が本体70に取付けられていてもよい。すなわち、これを抄紙機に用いた場合、本体70に取付けられた複数のノズル装置100から同時に薬液が吐出されるため、ノズル装置100の往復運動は不要である。
なお、本体70には、図示しないエアー供給管、薬液供給管及び吐出用エアー供給管が内蔵されている。また、図示しない走行体は矢印Aの方向に走行する(走行方向)。
以下、本発明のノズル装置を用いた薬液の付与方法を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜7及び比較例1〜4)
ノズル部と、第1直行スリットと、第1斜行スリットと、第2直行スリットと、第2斜行スリットとが設けられたノズル装置を用い、表1に示すように、ノズル部から吐出される薬液の吐出方向に対する各スリットから吹き付けられるエアーの吹付方向の角度を変えたものを準備した。
表1中、「θ4」は、ノズル部からの薬液の吐出方向と、第1直行スリットから吹き付けられるエアーの吹付方向との成す角度を意味する。
「θ5」は、ノズル部からの薬液の吐出方向と、第1斜行スリットから吹き付けられるエアーの吹付方向との成す角度を意味する。
「θ6」は、ノズル部からの薬液の吐出方向と、第2直行スリットから吹き付けられるエアーの吹付方向との成す角度を意味する。
「θ7」は、ノズル部からの薬液の吐出方向と、第2斜行スリットから吹き付けられるエアーの吹付方向との成す角度を意味する。
「無し」は、対象となる斜行スリットが無いことを意味する。
なお、角度は全て鋭角で示す。
(表1)
Figure 2016185519
(実施例8〜20)
次に、実施例7のノズル装置を用い、第1斜行スリットから吹き付けられるエアーの吹付方向及び第2斜行スリットから吹き付けられるエアーの吹付方向の交点と、ノズル部のノズル口との距離を、表2に示すような値となるように調整した。
表2中、マイナス表記は、ノズル部のノズル口よりも手前側(走行体とは反対側)に交点があることを意味する。
(表2)
Figure 2016185519
(実施例21〜24)
次に、実施例16のノズル装置を用い、第1直行スリット、第1斜行スリット、第2直行スリット及び第2斜行スリットの断面積(mm)を表3に示すような値に調整した。
なお、流入口4(図4参照)の断面積は、19.6mmであった。
(表3)
Figure 2016185519
(評価方法1)
実施例1〜24及び比較例1〜4のノズル装置を、100℃の温度条件下で、図10に示すように、密閉容器P内に配置し、連続して薬液と吐出させた。なお、薬液としては、ダスクリーンCMS8163L(株式会社メンテック社製、粘度:3.0cps、残留固形成分8.6%、汚染防止剤、株式会社メンテック社製)用いた。
そして、24時間後、ノズル口の閉塞率(%)を算出した。すなわち、数値が大きいほうが閉塞していることを意味する。得られた結果を表4〜6にそれぞれに示す。
(評価方法2)
評価方法1を行った後、図11に示すように、重量計M上にSUS板Sを配置し、SUS板Sの面方向に沿って、13m/minの風速で風Wを送った。
そして、SUS板Sと、ノズル部1からの薬液の吐出方向との成す角度θ3が45°、ノズル部1の先端から、薬液の吐出方向とSUS板Sとの交点までの距離Lが100mmとなるようにノズル装置を配置し、上記薬液の吐出を行った。
1分後、SUS板Sに付着した薬液の重量を測定し、散布量に対する付着率(%)を算出した。すなわち、数値が大きいほうが、付着量が多いことを意味する。得られた結果を表4〜6にそれぞれ示す。
(表4)
Figure 2016185519
表4に示す結果より、比較例に示す、斜行スリットがない場合は、キャップとノズル部との間の空間が負圧となり、飛散した薬液がこれらに付着し、それが蓄積してキャップの直行スリットが閉塞していくことがわかった。
この閉塞した直行スリットからはエアーが吹き付けられず、散布対象に対する付着量も大きく低下した。
一方で、実施例に示す、第1直行スリットと、第1斜行スリットと、第2直行スリットと、第2斜行スリットとを有する場合は、飛散した薬液がこれらに付着することが軽減され、しかも、薬液の付着率が極めて向上することがわかった。
(表5)
Figure 2016185519
表5に示す結果より、第1斜行スリットと第2斜行スリットとの交点は、ノズル部のノズル口から±10mmの範囲内であれば、飛散した薬液がノズル部やキャップに付着することが軽減され、しかも、薬液の付着率が極めて向上することがわかった。
(表6)
Figure 2016185519
表6に示す結果より、第1直行スリット、第1斜行スリット、第2直行スリット及び第2斜行スリットの断面積(mm)の合計が、流入口4(図4参照)の断面積以下である場合、飛散した薬液がノズル部やキャップに付着することが軽減され、しかも、薬液の付着率が極めて向上することがわかった。
本発明のノズル装置は、抄紙機における走行体に対して薬液を付与するための装置として好適に用いられる。本発明のノズル装置によれば、走行体に薬液をより高い付着率で付与することができ、且つ、ノズル部に薬液が付着することを極力防止することができる。
本発明の薬液の吹付方法は、抄紙機における走行体に対して薬液を付与する方法として好適に用いられる。本発明の薬液の吹付方法によれば、走行体に薬液をより高い付着率で付与することができる。
本発明の薬液は、抄紙機における走行体に対して付与する薬液として好適に用いられる。本発明の薬液によれば、ノズルの目詰まりを抑制することができ、走行体に薬液をより高い付着率で付与することができる。
1・・・ノズル部
1a・・・ノズル口
10・・・第1ハウジング部
12・・・第1キャップ
13a・・・第1直行スリット
13b・・・第1斜行スリット
20・・・第2ハウジング部
22・・・第2キャップ
23a・・・第2直行スリット
23b・・・第2斜行スリット
3・・・吐出スリット
4・・・流入口
5a,5b・・・・アーム部
7・・・エアー供給管
8a・・・薬液供給管
8b・・・吐出用エアー供給管
30・・・走査手段
40・・・走行体
43・・・駆動装置
45・・・ドラム
50・・・抄紙機
70・・・本体
100・・・ノズル装置
A・・・走行方向
B・・・(薬液の)吐出方向
C1,C2,D1,D2・・・(エアーの)吹付方向
L・・・距離
M・・・重量計
P・・・密閉容器
S・・・SUS板
S1・・・薬液流路
S2・・・吐出用エアー流路
S3・・・エアー流路
W・・・風

Claims (11)

  1. 走行体に対して薬液を付与するためのノズル装置であって、
    前記薬液を吐出可能なノズル部と、
    前記走行体の走行方向に対して前記ノズル部の上流側に位置する第1キャップと、
    前記走行体の走行方向に対して前記ノズル部の下流側に位置する第2キャップと、
    を備え、
    前記第1キャップには、第1直行スリットと、第1斜行スリットとが設けられ、
    前記第2キャップには、第2直行スリットと、第2斜行スリットとが設けられ、
    前記第1キャップにエアーを供給することにより、前記第1直行スリットからは、前記ノズル部からの前記薬液の吐出方向と平行にエアーが吹き付けられ、前記第1斜行スリットからは、前記ノズル部側に向かってエアーが吹き付けられ、
    前記第2キャップにエアーを供給することにより、前記第2直行スリットからは、前記ノズル部からの前記薬液の吐出方向と平行にエアーが吹き付けられ、前記第2斜行スリットからは、前記ノズル部側に向かってエアーが吹き付けられるノズル装置。
  2. 前記ノズル部を有し、内部を前記薬液が流通する第1ハウジング部と、
    前記第1キャップ及び前記第2キャップを有し、内部をエアーが流通する第2ハウジング部と、からなり、
    前記第2ハウジング部が側面視で中央に凹部を有するU字状であり、
    前記第1ハウジング部が前記第2ハウジングの前記凹部に嵌合されている請求項1記載のノズル装置。
  3. 前記第2ハウジングの底面にはエアーが流入するための流入口が設けられており、
    前記第1直行スリット、前記第1斜行スリット、前記第2直行スリット及び前記第2斜行スリットの断面積の和が、前記流入口の断面積以下である請求項2記載のノズル装置。
  4. 第1キャップと、前記第2キャップとが前記ノズル部を中心に対称な構造となっている請求項1又は2に記載のノズル装置。
  5. 前記第1直行スリット、前記第1斜行スリット、前記第2直行スリット及び前記第2斜行スリットが前記走行体の走行方向とは垂直な方向に延びる直線状の穴である請求項1〜4のいずれか1項に記載のノズル装置。
  6. 前記第1斜行スリットから吹き付けられるエアーの吹付方向と、前記第2斜行スリットから吹き付けられるエアーの吹付方向との交点が、前記ノズル部からの前記薬液の吐出方向上にある請求項1〜5のいずれか1項に記載のノズル装置。
  7. 前記交点が、前記ノズル部のノズル口から±10mmの範囲にある請求項6記載のノズル装置。
  8. 前記ノズル部からの前記薬液の吐出方向と、前記第1斜行スリットから吹き付けられるエアーの吹付方向との成す角度、及び、前記ノズル部からの前記薬液の吐出方向と、前記第2斜行スリットから吹き付けられるエアーの吹付方向との成す角度が、共に30°〜45°である請求項1〜7のいずれか1項に記載のノズル装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のノズル装置を用いた薬液の吹付方法であって、
    前記走行体の走行方向と、前記ノズル部からの前記薬液の吐出方向との成す角度を30°〜90°とし、
    前記ノズル部のノズル口から、前記走行体の走行方向と、前記ノズル部からの前記薬液の吐出方向との交点までの距離を50mm〜200mmとする薬液の吹付方法。
  10. 抄紙機のドライヤーロール、カンバス、カンバスを案内するロール、カレンダーロール、ペーパーロール又はブレーカースタックに用いられる請求項9記載の薬液の吹付方法。
  11. 請求項10又は11に記載の薬液の吹付方法に用いられ、
    粘度が1〜500cpsである薬液。
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